JP4026535B2 - 冷却装置 - Google Patents

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JP4026535B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気を冷却する冷却装置に関するもので、食品等を低温にて保管する冷蔵庫や冷凍庫に適用して有効である。
【0002】
【従来の技術】
従来、冷却装置用の冷却器では、略長円形状の断面形状を有するチューブを、その長径方向が空気流れに沿うように配置するとともに、通常、チューブの外表面に接合されているアウターフィンを廃止してチューブの外周面略全域が空気に晒されるようにすることにより、チューブの後縁側に霜を集中的に発生させてチューブ間の隙間(空気通路)を塞ぐように霜が成長することを防止し、着霜による通風抵抗の増大を抑制して冷凍能力が低減することを防止している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−115934号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、出願人は、特許文献1に記載の発明を試作し、更に綿密な試験検討を行ったところ、蒸発器等の冷却器に流入する空気の風速が約3m/sec以上となると、チューブ間の隙間が、霜が成長することによって閉塞されてしまうといった問題は発生し難く、着霜による通風抵抗の増大を十分に抑制できることを発見した。
【0005】
つまり、風速が大きくなると、チューブの壁面を流れる風による粒子へのせん断力が、霜の拡散による霜粒子のチューブ壁面への凝着力より大きくなるため、壁面への霜の凝着は、殆どなくなり、後縁側で発生する鈍頭後流の剥離渦に霜粒子は集まって着霜し、霜が成長することを更に防止することが可能となるというものである。
【0006】
本発明は、上記発見に基づいて成されたもので、第1には、従来と異なる新規な冷却装置を提供し、第2には、送風機の大型化を抑制しつつ、冷却器に流入する空気の風速を大きくして霜が成長することを更に防止することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、内部に冷媒が流れるとともに、外周面略全域が空気に晒され、長径方向が空気の流通方向と平行になるような扁平断面形状を有するチューブ(131)を有する冷却器(13)と、
冷却器(13)に空気を送風する送風機(17)と、
冷却器(13)及び送風機(17)を収納するとともに、空気の通路を構成するダクト手段(17a)とを備え、
ダクト手段(17a)内において、冷却器(13)は送風機(17)の吸入側及び吐出側に位置しており、
ダクト手段(17a)の空気導入口(17b)及び空気流出口(17c)は隣接して並んで同一側に向けて開口しており、
さらに、チューブ(131)が空気流出口(17c)側から空気導入口(17b)側に延びて、送風機(17)の吸入側に配置された冷却器(13)と送風機(17)の吐出側に配置された冷却器(13)とが一体化されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の冷却装置において、冷却器(13)の表面に殆ど霜が発生していないときに、冷却器(13)に流入する空気の風速が3m/sec以上となるように送風機(17)を制御する制御装置(22)を備えることを特徴とする。
また、請求項に記載の発明では、請求項1に記載の冷却装置において、冷却器(13)に流入する空気の風速が常に3m/sec以上となるように送風機(17)を制御する制御装置(22)を備えることを特徴とする。
【0008】
これにより、本発明(請求項1ないし請求項3に記載の発明)では、霜粒子を意図的に集中させる集中着霜領域が、送風機(17)の吸入側に配置された蒸発器(13)の後縁部及び送風機(17)の吐出側に配置された蒸発器(13)の後縁部の2カ所となる。
【0009】
これに対して、従来は、送風機(17)の吸入側及び吐出側のいずれか一方のみに蒸発器13を配置しているため、集中着霜領域は、図16に示すように、1カ所となる。
【0010】
したがって、本発明では、集中着霜領域が従来(図16)に対して2カ所に分散された状態となるので、集中着霜領域における霜の成長速度を従来の約半分になる。延いては、送風能力を過度に大きくすることなく、風速を3m/sec以上を容易に維持することができるので、送風機(17)の大型化を抑制しつつ、蒸発器13に流入する空気の風速を大きくして霜が成長することを更に防止することができる。
【0011】
なお、従来(図16)では、集中着霜領域が1カ所であるので、集中着霜領域における霜の成長速度が本発明の約2倍となるので、霜の成長に伴う通風抵抗の増大率が本発明より大きくなる。このため、従来(図16)では、風速を3m/sec以上維持することが本発明より困難であるので、送風機(17)の大型化を招いてしまう。
【0012】
請求項に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の冷却装置において、送風機(17)は軸流ファンにて構成されているとともに、その軸方向は空気導入口(17b)及び空気流出口(17c)の開口方向に対して所定の開度を有して傾いていることを特徴とするものである。
【0014】
因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0015】
【発明の実施の形態】
本実施形態は、本発明に係る冷却装置を食品等を冷凍・冷蔵保存して運搬する冷凍車に適用したものであって、図1は冷凍車1の模式図である。
【0016】
冷凍庫2は、冷凍食品等の保存対象物を保管する空間であり、冷凍庫2の後部には、保存対象物を搬入又は搬出するための開口部18を開閉する開閉ドア3、4が設けられている。
【0017】
また、冷凍車1の車両前方部には、冷凍庫2内を空気を冷却する蒸気圧縮式冷凍機5が搭載されている。この蒸気圧縮式冷凍機5は、図2に示すように、電磁クラッチ7を介して走行用のエンジン8から動力を得て稼動する圧縮機6、圧縮機6から吐出した高温・高圧冷媒を冷却する凝縮器9、凝縮器9に冷却風を送風する電動式のファン10、凝縮器9から流出した冷媒を液相冷媒と気相冷媒とに分離して液相冷媒を流出するとともに、余剰冷媒を液相冷媒として蓄えるレシーバ11、レシーバ11から流出した液相冷媒を減圧する減圧器12、及び冷凍庫2内に吹き出す空気から吸熱して減圧器12で減圧された冷媒を蒸発させる蒸発器13等から構成されたものである。なお、蒸発器13の構造は、後述する。
【0018】
さらに、蒸発器13の冷媒出口側と圧縮機6の冷媒吸入側との間には、蒸発器13から流出した冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離して気相冷媒を圧縮機6の吸入側に供給し、液相冷媒を蓄えるアキュムレータ14が設けられている。
【0019】
バイパス流路15は、高圧側の高温冷媒(ホットガス)を減圧器12を迂回させて蒸発器13に導く流路であり、除霜バルブ16は、バイパス流路15にホットガスを流す場合と流さない場合とを切り換える電磁弁である。
【0020】
また、開口部18の下方側、すなわち冷凍庫2の外部であって開閉ドア3、4の下方位置には、図3に示すように、冷凍庫2内と外部とを仕切るエアカーテンを形成するための送風機19が設置されており、この送風機19は、開口部18の下部において開口部18の幅方向に沿って配置された2つのクロスフローファン20、21から構成されている。
【0021】
なお、クロスフローファン20、21は、JIS B 0132 番号1017に規定されているように、多翼形の円筒状ファン20a、21aの軸に直角な断面内を空気が通り抜けるものである。
【0022】
次に、蒸発器13の構造について図4〜7に基づいて述べる。なお、図4は蒸発器13の外観図であり、図5は蒸発器13のコア部(冷媒と空気とを熱交換する部分)の斜視図であり、図6はチューブの断面図であり、図7はチューブの配置状態を示す説明図である。
【0023】
蒸発器13は、図4に示すように、内部を冷媒が流れる複数のチューブ131と、これらのチューブ131の長手方向両端に接続されて各チューブ131と連通するタンク部132とを有して構成されている。
【0024】
そして、チューブ131には、通常、チューブ131の外表面に接合されているアウターフィンが設けられておらず、チューブ131の外周面略全域が空気に晒されているとともに、その断面形状は、図6に示すように、前縁から後縁を結ぶ中心線CLに対して対称形状であって、前縁部及び後縁部が穏やかな曲面で形成され、前縁部と後縁部とを直線的に繋いだ長円状の扁平形状に設定されている。
【0025】
また、チューブ131内は、複数個に区画されて複数本の冷媒通路133がチューブ131の前縁側から後縁側に並んで設けられており、本実施形態では、アルミニウム材に押し出し加工又は引き抜き加工を施すことにより冷媒通路133チューブ131とを同時に成形している。
【0026】
そして、各チューブ131は、図7に示すように、長径方向が空気の流通方向と平行になるように配置されているとともに、空気の流通方向と略直交する方向に並んだ複数本のチューブ131からなるチューブ列R1、R2が、空気の流通方向に複数列設けられているとともに、上流側の前記チューブ列R1のチューブ131と、このチューブ列R1と隣り合う下流側のチューブ列R2のチューブ131とが千鳥格子状となるように配置されている。
【0027】
また、下流側に配置されたチューブ列R2のチューブ131間のピッチ寸法Tp2が上流側に配置されたチューブ列R1のチューブ131間のピッチ寸法Tp1より小さく設定されている。
【0028】
因みに、ピッチ寸法Tpとは、空気の流通方向と直交する方向において隣り合うチューブ131の中心線CL間の寸法を言う。
【0029】
なお、同一チューブ列内のチューブ131は同一のタンク部132に接続されており、蒸発器13に流入した冷媒は、巨視的に見て空気流れ下流側から上流側に向けて流れる。
【0030】
さらに、本実施形態では、チューブ131の短径方向外寸法Bに対するチューブ131間ピッチ寸法Tpの比(=Tp/B)を2以上、10以下(本実施形態では、7)とし、かつ、チューブ131の短径方向外寸法Bに対するチューブ131の長径方向外寸法L1の比(=L1/B)を6以上、23以下(本実施形態では、16)とし、かつ、チューブ131の短径方向外寸法Bに対する、上流側のチューブ列R1と、このチューブ列R1と隣り合う下流側の前記チューブ列R2とのピッチ寸法L2の比(=L2/B)を3以上、13以下(本実施形態では、9)としている。
【0031】
ところで、蒸発器13は、図8に示すように、空気通路を構成する室内機ケーシング17a内に収納されており、この室内機ケーシング17aの空気導入口17bと空気流出口17cとは隣接して上下方向に並んで同一側に向けて開口している。このため、空気導入口17bから室内機ケーシング17a内に導入された冷凍庫2内の空気は、内部で約180°転向して空気流出口17cから冷凍庫2内に吹き出される。
【0032】
また、蒸発器13に空気を送風する軸流ファン型の送風機17が、蒸発器13と共に室内機ケーシング17a内に収納され、蒸発器13は送風機17の吸入側及び吐出側の両者に位置するように、チューブ131が空気流出口17c側から空気導入口17b側に上下方向に延びている。
【0033】
つまり、チューブ131の長手方向寸法を空気流出口17c側から空気導入口17b側に至る長さとすることにより、送風機17の吸入側に位置する蒸発器13の熱交換コア部と送風機17の吐出側に位置する蒸発器13の熱交換コア部と一体化している。
【0034】
なお、本実施形態では、送風機17の軸方向を空気導入口17b及び空気流出口17cの開口方向(紙面左右方向)に対して所定の開度を有して傾けることにより、室内機ケーシング17aが大きくなってしまうことを抑制しつつ、室内機ケーシング17a内で空気が滑らかに転向するようにしている。
【0035】
因みに、軸流ファンとは、例えばJIS B 0132 番号1012に記載されているように、空気が回転軸方向方向に通り抜けるファンを言う。
【0036】
次に、電気制御部について図2に基づいて説明する。
【0037】
制御装置22は、マイクロコンピュータ等のコンピュータ手段を含んで構成されるものであって、入口端子からの入力信号に基づいて予め設定された手順に従って蒸気圧縮式冷凍機5の作動を制御するものである。制御装置22の入力端子には、以下に述べるセンサ、スイッチなどが接続される。
【0038】
庫内温度センサ24は冷凍庫2内の庫内温度を検出する。温度設定器25は冷凍庫2内の庫内設定温度を乗員の手動操作にて設定するもので、例えば、−10℃〜−20℃の範囲で任意に庫内設定温度が変更可能となっている。
【0039】
冷凍運転スイッチ26は乗員の手動操作にて蒸気圧縮式冷凍機5の運転、停止の信号を出すもので、エンジン運転スイッチ27はエンジンの運転、停止に応じた信号を出すものである。また冷凍庫2後部の開口部18の周縁部には開閉ドア3、4の開閉と連動して開閉されるドアスイッチ28が設置されている。
【0040】
一方、制御装置22の出力端子には、電磁クラッチ7、凝縮用ファン10、送風機17、除霜バルブ16及び送風機19などが接続されている。
【0041】
次に、本実施形態に係る冷凍車の概略について述べる。
【0042】
図9は、本実施形態に係る冷凍車におけるエンジン8、ドア3、4、除霜バルブ16の作動のタイミングを示す図である。車両走行時には、走行用エンジン8から電磁クラッチ7を介して圧縮機6に動力が伝達されて、圧縮機6が作動するとともに、ファン10、17が作動状態となり、蒸気圧縮式冷凍機5が運転状態となり、蒸発器13で冷却された冷気は送風機17により冷凍庫2内に吹出して冷凍庫2内の保存対象物を冷却する。なお、この際、除霜バルブ16は閉じられており、バイパス流路15には冷媒は流れない。
【0043】
また、制御装置22は、庫内を冷却する際には、蒸発器13に流入する空気の風速が約3m/sec以上となるように送風機17を制御する。因みに、本実施形態では、蒸発器13の表面に殆ど霜が発生していないときに、3m/sec以上の風速が発生するように送風機17を制御しているのみであり、蒸発器13の表面に霜が発生して蒸発器13での通風抵抗が増大しても、風速が3m/secが維持されるように送風機17をフィードバック制御するものではないが、蒸発器13に流入する空気の風速が常に約3m/sec以上となるように送風機17をフィードバック制御してもよいことは言うまでもない。
【0044】
また、庫内の保存対象物の搬入搬出を行うために停車してエンジン8が停止した場合には、庫内の冷却ユニット130(図1参照)の送風機17を停止させる。
【0045】
そして、冷凍庫2の開閉ドア3、4が開くと、これに連動してドアスイッチ28がオン状態となり、クロスフローファン20、21が作動し、開口部18の下方から上方に向けてエアカーテンが形成され、高温の外気が冷凍庫2の庫内へと侵入するのことが防止される。
【0046】
このとき、除霜バルブ16が開かれるため、圧縮機6の吐出側と蒸発器13の上流側部位との間の冷媒の圧力差によって、ホットガスがバイパス流路15を介して蒸発器13に流入し、蒸発器13に着霜した霜は融解して水となり、外部へと排出される。そして、荷物の搬入搬出が完了し、開閉ドア3、4が閉じられてドアスイッチがオフとなると、除霜バルブ16は閉じられる。
【0047】
なお、図はエンジン8、ドア3、4及び除霜バルブ16の上記制御作動示すチャートである。
【0048】
次に、本実施形態の作用効果を述べる。
【0049】
蒸発器13に流入する空気の風速が3m/sec以上では、図10に示すように、チューブ131の平面部において、壁面を流れる風による霜粒子へのせん断力が、霜の拡散による霜粒子の平面部への凝着力より大きいため、平面部への霜の凝着は、殆どなく、後縁側で発生する鈍頭後流の剥離渦に霜粒子は集まって着霜する。
【0050】
このため、チューブ131間の隙間が、霜が成長することによって閉塞されてしまうといった問題は発生し難く、着霜による通風抵抗の増大を十分に抑制できる。
【0051】
一方、 3m/sec未満(例えば、2m/sec)では、図11に示すように、霜の拡散による霜粒子の扁平管への凝着力が壁面を流れる風による霜粒子へのせん断力よりも大きくなる部位が、チューブ131の平面部で発生するので、平面部及び後縁側で霜が成長してしまい、チューブ131間の隙間が霜により閉塞され、通風抵抗が増大してしまう。
【0052】
なお、図12は霜が発生していない初期段階における蒸発器13で発生する通風抵抗による圧力損失(DP0)と4時間運転後の通風抵抗による圧力損失(DP)との比(DP/DP0)を示す試験結果であり、この試験結果からも明らかなように、蒸発器13に流入する空気の風速を3m/sec以上とすれば、着霜による通風抵抗の上昇を抑制することができることが解る。
【0053】
また、図13はチューブ131の短径方向外寸法Bに対するチューブ131間ピッチ寸法Tpの比と吸熱能力Qとの関係を示す試験結果であり、図14はチューブ131の短径方向外寸法Bに対するチューブ131の長径方向外寸法L1の比と吸熱能力Qとの関係を示す試験結果であり、図15はチューブ131の短径方向外寸法Bに対する、上流側のチューブ列R1と、このチューブ列R1と隣り合う下流側の前記チューブ列R2とのピッチ寸法L2の比と吸熱能力Qとの関係を示す試験結果である。
【0054】
そして、図13〜15から明らかなように、本実施形態では、従来と同等以上の吸熱能力を確保しながら、着霜を抑制することができる。
【0055】
また、本実施形態では、室内機ケーシング17a内において、送風機17の吸入側及び吐出側の両者に蒸発器13を配置しているので、蒸発器13には送風機17に吸引される吸入風及び送風機17から吐出される吐出風の両者が送風されることとなる。
【0056】
このため、霜粒子を意図的に集中させる集中着霜領域が、送風機17の吸入側に配置された蒸発器13の後縁部134(図8参照)及び送風機17の吐出側に配置された蒸発器13の後縁部135(図8参照)の2カ所となる。
【0057】
これに対して、従来は、送風機17の吸入側及び吐出側のいずれか一方のみに蒸発器13を配置しているため、集中着霜領域は、図16に示すように、1カ所となる。
【0058】
したがって、本実施形態では、集中着霜領域が従来(図16)に対して2カ所に分散された状態となるので、集中着霜領域における霜の成長速度を従来の約半分になる。延いては、送風能力を過度に大きくすることなく、風速を3m/sec以上を容易に維持することができるので、送風機17の大型化を抑制しつつ、蒸発器13に流入する空気の風速を大きくして霜が成長することを更に防止することができる。
【0059】
なお、従来(図16)では、集中着霜領域が1カ所であるので、集中着霜領域における霜の成長速度が本実施形態の約2倍となるので、霜の成長に伴う通風抵抗の増大率が本実施形態より大きくなる。このため、従来(図16)では、風速を3m/sec以上を維持することが本実施形態より困難であるので、送風機17の大型化を招いてしまう。
【0060】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、チューブ131の長手方向寸法を空気流出口17c側から空気導入口17b側に至る長さとすることにより、送風機17の吸入側に位置する蒸発器13の熱交換コア部と送風機17の吐出側に位置する蒸発器13の熱交換コア部と一体化したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0061】
また、上述の実施形態では、エンジンによって圧縮機が駆動される冷凍庫を架装した冷凍車に本発明を適用した実施形態についてのべたが、倉庫等の定置式の冷凍庫に本発明を適用することも可能である。
【0062】
また、上述の実施形態では、下流側に配置されたチューブ列のチューブ131間のピッチ寸法Tp2が上流側に配置されたチューブ列のチューブ131間のピッチ寸法Tp1より小さく設定されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0063】
また、上述の実施形態では、複数本のチューブ131により1本のチューブ列が構成されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、1本のチューブ131を蛇行させて1本のチューブ列を構成してもよい。
【0064】
また、上述の実施形態では、蒸発潜熱を利用した冷却器を例に本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、顕熱にて空気を冷却する冷却器に対しても適用することができる。
【0065】
また、チューブ131の断面形状は、上述の実施形態示された形状に限定されるものではなく、例えば楕円状又は流線形状等であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る冷凍車の斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る冷凍車に適用される蒸気圧縮式冷凍機の模式図である。
【図3】本発明の実施形態に係る冷凍車のドア部の斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係る蒸発器を模式図である。
【図5】本発明の実施形態の蒸発器における冷媒および空気流れを示す斜視図である。
【図6】本発明の実施形態の蒸発器の特徴を示す図である。
【図7】本発明の実施形態の蒸発器のチューブ配列を示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係る冷却装置のレイアウト図である。
【図9】本発明の実施形態に係る冷凍車の作動を示すタイムチャートである。
【図10】本発明の実施形態に係る冷却装置の効果を説明するための説明図である。
【図11】本発明の実施形態に係る冷却装置の効果を説明するための説明図である。
【図12】本発明の実施形態に係る冷却装置の効果を説明するためのグラフである。
【図13】本発明の実施形態に係る冷却装置の効果を説明するためのグラフである。
【図14】本発明の実施形態に係る冷却装置の効果を説明するためのグラフである。
【図15】本発明の実施形態に係る冷却装置の効果を説明するためのグラフである。
【図16】従来の技術に係る冷却装置のレイアウト図である。
【符号の説明】
13…蒸発器、17…送風機、17a…室内機ケーシング、
17b…空気導入口、17c…空気流出口、131…チューブ。

Claims (4)

  1. 内部に冷媒が流れるとともに、外周面略全域が空気に晒され、長径方向が空気の流通方向と平行になるような扁平断面形状を有するチューブ(131)を有する冷却器(13)と、
    前記冷却器(13)に空気を送風する送風機(17)と、
    前記冷却器(13)及び前記送風機(17)を収納するとともに、空気の通路を構成するダクト手段(17a)とを備え、
    前記ダクト手段(17a)内において、前記冷却器(13)は前記送風機(17)の吸入側及び吐出側に位置しており、
    前記ダクト手段(17a)の空気導入口(17b)及び空気流出口(17c)は隣接して並んで同一側に向けて開口しており、
    さらに、前記チューブ(131)が前記空気流出口(17c)側から前記空気導入口(17b)側に延びて、前記送風機(17)の吸入側に配置された冷却器(13)と前記送風機(17)の吐出側に配置された冷却器(13)とが一体化されていることを特徴とする冷却装置。
  2. 前記冷却器(13)の表面に殆ど霜が発生していないときに、前記冷却器(13)に流入する空気の風速が3m/sec以上となるように前記送風機(17)を制御する制御装置(22)を備えることを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
  3. 前記冷却器(13)に流入する空気の風速が常に3m/sec以上となるように前記送風機(17)を制御する制御装置(22)を備えることを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
  4. 前記送風機(17)は軸流ファンにて構成されているとともに、その軸方向は前記空気導入口(17b)及び前記空気流出口(17c)の開口方向に対して所定の開度を有して傾いていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の冷却装置。
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