JP2005180752A - 輸送用冷凍機及びその運転制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 庫内の冷却及び加温による温度制御が可能であり、しかも、部品点数の削減やコストの低減を実現するのに有利な輸送用冷凍機を提供すること。
【解決手段】 車両に設置された庫内1を冷却または加温して所望の設定温度に調整する輸送用冷凍機10に関するもので、庫内1の空気を吸引して昇圧する圧縮機11と、該圧縮機11から供給された高温高圧の圧縮空気を大気と熱交換させる放熱器12と、設定温度及び庫内温度に応じて圧縮空気の絞り量を調整する庫内温度調整弁13と、チューブ内がオリフィス22で分離された一方の端部を庫内1に開口し他方の端部を庫外に開口するよう設置したボルテックスチューブ20と、圧縮空気をオリフィス22で分離されたボルテックスチューブ内の何れか一方に選択的に供給する電磁弁14a,14bと、各種の運転制御を行う制御部15と、を具備して構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、ボルテックスチューブを用いてコンテナ等の庫内の温度制御を行う輸送用冷凍機及びその運転制御方法に関するものである。
従来より、冷凍トラックのバンやコンテナ等に搭載される輸送用冷凍機は、圧縮機、コンデンサ、減圧機構及びエバポレータを基本の構成要素として冷媒を循環させ、冷媒が凝縮及び蒸発を繰り返すことで発生する凝縮熱及び蒸発熱を利用して空気を加熱または冷却するように構成されたヒートポンプ式である。
しかし、ヒートポンプ式の冷凍機は、上述した4つの構成要素が必須であることから、部品点数の削減やコストの低減という長年の課題において画期的な対策を見出すことは困難であった。
このような背景から、近年においては、ボルテックスチューブを用いて簡便に冷熱を発生できる冷凍機が提案されている。このボルテックスチューブは、円管内に円周上接線方向に開かれたノズルから高速気流を流入させて螺旋流場を形成すると、半径方向に全温度分離現象が生じることを積極的に利用したものである。そして、このボルテックスチューブ内にオリフィスを設置して上記ノズルから空気を供給すると、一方のチューブ出口からは冷風が排出され、他方のチューブ出口からは温風が排出される。(たとえば、特許文献1参照)
このようなボルテックスチューブは、工作機械において切削油の代わりに工具の冷却に使用されている例はあるが、室内の空調用冷凍機や輸送用冷凍機として実用化されたものは見当たらない。
特開平10−141792号公報
ところで、上述した特許文献1に記載されたボルテックス管冷凍機は、ボルテックスチューブの低温側出口と蓄冷器入口とをつなぐ配管で冷熱を利用することを提案するものであり、冷却及び加温の組合せにより庫内を所望の温度に調整するという輸送用冷凍機の要求を満たすものではない。
また、本発明者らの実験によれば、ボルテックスチューブのオリフィスに霜が付着することが確認されており、長時間にわたって安定した運転を継続するためには除霜対策が必要となる。すなわち、オリフィスへの着霜によりオリフィス径が変動するので、着霜により所定の冷却性能及び加温性能が得られなくなるという問題が生じてくる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、庫内の冷却及び加温による温度制御が可能であり、しかも、部品点数の削減やコストの低減を実現するのに有利な輸送用冷凍機及びその運転制御方法を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するため、下記の手段を採用した。
本発明に係る輸送用冷凍機は、車両等の輸送手段に設置または搭載されたコンテナ等の庫内を冷却または加温して所望の設定温度に調整する輸送用冷凍機であって、庫内の空気を吸引して昇圧する圧縮機と、該圧縮機から供給された高温高圧の圧縮空気を大気と熱交換させる放熱器と、前記設定温度及び庫内温度に応じて前記圧縮空気の絞り量を調整する減圧手段と、チューブ内がオリフィスで分離された一方の端部を庫内に開口し他方の端部を庫外に開口するよう設置したボルテックスチューブと、前記圧縮空気を前記オリフィスで分離されたボルテックスチューブ内の何れか一方に選択的に供給する流路切換手段と、各種の運転制御を行う制御部と、を具備して構成したことを特徴とするものである。
このような輸送用冷凍機によれば、オリフィスで分離されたボルテックスチューブ内の何れか一方に圧縮空気を選択的に供給する流路切換手段を備えているので、この流路選択手段の切換操作により、ボルテックスチューブから庫内に冷風を排出する冷却運転及び庫内に温風を排出する加温運転とを選択的に実施して、庫内を所望の温度に調整することができる。この場合、二つの熱交換器が必須となるヒートポンプ式の冷凍装置とは異なり、コストの嵩む熱交換器は一つあればよい。
上記の輸送用冷凍機においては、前記ボルテックスチューブに除霜手段を設けることが好ましく、これにより、着霜によりオリフィス径が変動して冷却及び加温の性能が変化するのを防止できる。なお、具体的な除霜手段としては下記のものがあり、単独または組合せによる適用が可能である。
(1)少なくともボルテックスチューブのオリフィス近傍を加熱する手段を設ける。
(2)圧縮空気の減圧手段の絞り量を調整し、冷風吹出温度が0℃以上となるように設定する。
(3)放熱器をバイパスさせた高温高圧の圧縮空気の熱を利用する。
上記の輸送用冷凍機においては、前記ボルテックスチューブが複数設置されていることが好ましく、これにより、温度調整した庫内の温度分布の均一化が容易になる。
上記の輸送用冷凍機においては、前記圧縮機の吸込圧力検出手段と、該吸込圧力検出手段が負圧を検出した時に開いて前記圧縮機に大気を吸引させる大気導入手段とを設けることが好ましく、これにより、温度調整により庫内から吸引した空気の一部が庫外へ排出されても、大気導入手段が開いて大気(外気)を補充するので、庫内の空気量が減少して負圧になるのを防止できる。
本発明に係る輸送用冷凍機の運転制御方法は、請求項1から4のいずれかに記載の輸送用冷凍機の運転制御方法であって、前記流路切換手段は、庫内の冷却運転時に前記圧縮空気を前記オリフィスより庫外側に供給し、かつ、庫内の加温運転時に前記圧縮空気を前記オリフィスより庫内側に供給すると共に、前記減圧手段は、前記設定温度と前記庫内温度との差が近づいた時に開度を絞り、かつ、前記設定温度と前記庫内温度との差が離れた時に開度を増して温度調整を行い、前記圧縮機は、前記庫内温度が前記設定温度に到達した時点で運転を停止することを特徴とするものである。
このような輸送用冷凍機の運転制御方法によれば、流路切換手段により、庫内の冷却運転時には圧縮空気をオリフィスより庫外側に供給し、庫内の加温運転時には圧縮空気をオリフィスより庫内側に供給することで冷却・加温の運転切換を行い、減圧手段により、設定温度と庫内温度との差が近づいた時に開度を絞り、設定温度と庫内温度との差が離れた時に開度を増して冷却運転及び加温運転の温度調整を行い、庫内温度が設定温度に到達した時点で圧縮機の運転を停止するので、庫内を所望の温度状態に保つことができる。
すなわち、圧縮空気の供給先を選択切換することにより、庫内へ排出する空気が冷風または温風のいずれかに切り換えられるので、冷却運転または加温運転の選択切換を実施することができる。そして、設定温度と庫内温度との温度差に応じた減圧手段の開度制御により、冷却運転時及び加温運転時の温度調整を行い、庫内温度が設定温度に到達した時点で圧縮機の運転を停止して設定温度を維持する。なお、庫内温度と設定温度との差が所定値以上になれば、圧縮機の運転を再開して冷却または加温が行われる。
上述した本発明の輸送用冷凍機及びその運転制御方法によれば、ボルテックスチューブを用い、圧縮空気の流路切換手段により冷却運転及び加温運転を選択でき、かつ、減圧手段により温度調整を実施可能とした輸送用冷凍機となり、特にコストの嵩む熱交換器の数を低減できるなど、部品点数の削減及びコストの低減に大きな効果を奏する。
また、除霜手段を設けてボルテックスチューブのオリフィス部分に着霜する問題を解決したので、安定した冷却性能及び加温性能を長時間にわたって維持できるようになり、信頼性や耐久性の向上に顕著な効果を奏する。
以下、本発明に係る輸送用冷凍機及びその運転制御方法の一実施形態を図面に基づいて説明する。
輸送用冷凍機は、トラック等の輸送手段に固定して設置されているバン(荷室)、あるいは、トラック、船舶及び鉄道車両等の輸送手段に搭載されて輸送されるコンテナ等に装備され、バンやコンテナ等の荷室内部(以下、庫内と呼ぶ)を適宜冷却または加温して所望の設定温度に調整することにより、輸送中における生鮮食料品等の荷物の品質を維持するものである。
図1及び図2は、本発明の一実施形態として、冷凍トラックのバンに装備されている輸送用冷凍機の構成例を示す図である。
輸送用冷凍機10は、庫内1の空気を吸引して昇圧する圧縮機11と、該圧縮機11から供給された高温高圧の圧縮空気を大気と熱交換させる放熱器12と、設定温度及び庫内温度に応じて圧縮空気の絞り量を調整する庫内温度調整弁(減圧手段)13と、一方の端部を庫内1に開口し他方の端部を庫外に開口するよう設置したボルテックスチューブ20と、ボルテックスチューブ20に連結された一対の圧縮空気流路に流路切換手段としてそれぞれ設けられた電磁弁14a、14bと、各種の運転制御を行う制御部15とを具備して構成される。
圧縮機11は、図示しない車両走行用の内燃機関エンジンと電磁クラッチを介して断続可能に連結され、エンジン出力の一部を駆動源として運転される。この圧縮機11は、庫内1の外部適所に設置され、その吸引口11aが低圧配管P1を介して庫内1の適所に開口する1または複数の庫内空気導入口15と連結されている。また、圧縮機11の吐出口11bは、高圧配管P2を介して放熱器12と連結されている。
すなわち、圧縮機11は、庫内空気導入口15から吸引した庫内空気を圧縮し、高温高圧の圧縮空気を放熱器12に送出するようになっている。
放熱器12は、圧縮機11から導入した高温高圧の圧縮空気を大気(外気)と熱交換させることにより、この圧縮空気を冷却して比較的低温の高圧空気とするために設けられた熱交換器である。
放熱器12で冷却された圧縮空気は、高圧配管P2で連結された庫内温度調整弁13に導かれる。庫内温度調整弁13は、後述する制御部15から出力される制御信号に応じて圧縮空気の絞り量(弁開度)を調整し、圧縮空気の圧力を調整(減圧)する機能を有している。
庫内温度調整弁13の下流では、高圧配管P2が庫外側高圧配管P2a及び庫内側高圧配管P2bの二つに分流し、それぞれがボルテックスチューブ20に連結されている。
ここで、ボルテックスチューブの構成例を図3に基づいて説明する。
図3のボルテックスチューブ20′は、チューブ本体21に設置したオリフィス22により、内部が左右に分割されている。図示の例では、圧縮空気導入口23がオリフィス22の左側に連結されているので、周知のように、チューブ本体21の左側に開口する出口開口24Lから温風が排出されると共に、オリフィス22を通過して流れる右側の出口開口24Rから冷風が排出されることとなる。
さて、上述した輸送用冷凍機10のボルテックスチューブ20では、オリフィス22の左右両側に圧縮空気導入口23a、23bが設けられ、それぞれに上述した庫外側高圧配管P2a及び庫内側高圧配管P2bが連結されている。庫外側高圧配管P2a及び庫内側高圧配管P2bには、後述する制御部15で開閉制御される電磁弁14a,14bが設けられ、いずれか一方の圧縮空気流路を選択できるようになっている。
また、上述したボルテックスチューブ20は、除霜手段として電気ヒータ30を備えている。この電気ヒータ30は、制御部15の制御を受ける通電による発熱でオリフィス22及びその近傍を加熱または保温するものであり、着霜の防止、あるいは、加熱により付着した霜を解かして除霜する機能を有している。このような電気ヒータ30は、少なくともオリフィス22の近傍に設置されている。
電気ヒータ30の具体例としては、面状のヒータをチューブ本体21の外周に巻き付けたものがある。この場合、少なくともオリフィス22の近傍に巻き付ければよいが、好ましくはチューブ本体21の外周全域にわたって巻き付けておけばよい。なお、電気ヒータ30としては、面上ヒータの他にもPTCヒータ等を使用することも可能であり、このような電気ヒータ30等の加熱源は、チューブ本体21の外周面に限定されることはなく、内周側に設置してもよい。
また、庫内1には、二つの温度センサ16a,16bが設けられており、その検出温度は制御部15に入力されるようになっている。一方の温度センサ16aは、庫内1の適所に設置されて現状の庫内温度を検出するものである。他方の温度センサ16bは、ボルテックスチューブ20の庫内側となる出口開口24R近傍に設置されて実際の吹出温度を検出するものである。
さらに、上述した低圧配管P1には、吸込圧力検出手段として圧力センサ17が設けられている。この圧力センサ17は、圧縮機11が吸引する庫内1の圧力を検出して制御部15に入力するものである。また、低圧配管P1から分岐する大気導入管P3には、大気導入手段として電磁弁18が設けられている。この電磁弁18は、通常運転時に閉じられており、圧力センサ17の検出値が所定値以下の低圧(負圧)となった場合に制御部15の制御を受けて開き、圧縮機11に外気を導入するようになっている。
さらに、高圧配管P2には、放熱器12をバイパスしてその上流及び下流に連結されたバイパス配管P4が設けられている。このバイパス配管P4には、放熱器バイパス弁として機能する電磁弁19が設けられており、この電磁弁19は通常運転時は閉とされる。
なお、制御部15は、上述した圧縮機11の電磁クラッチ、庫内温度調整弁13、電磁弁14a,14b,18,19、温度センサ16a,16b、圧力センサ17及び電気ヒータ30と電気的に接続され、運転の設定入力や各センサの検出値等に基づき、圧縮機11の運転・停止や弁類の開閉など所定の運転制御を行うものである。
以下、上述した構成の輸送用冷凍機10について、その運転制御方法を説明する。
この輸送用冷凍機10は、庫内1に温風を排出する加温運転と、庫内1に冷風を排出する冷却運転とを選択して行うことができる。このような加温運転及び冷却運転の選択切換は、流路切換手段として設けた二つの電磁弁14a,14bにより行われる。
冷却運転時には、庫外側高圧配管P2aの電磁弁14aが開とされ、庫内側高圧配管P2bの電磁弁14bが閉じられる。なお、通常の冷却運転時においては、電磁弁18,19は閉とされる。
この結果、圧縮機11から吐出された高温高圧の圧縮空気は、放熱器12で冷却された後に庫内温度調整弁13を通過する。この庫内温度調整弁13は、制御部15の開度制御信号に応じて圧縮空気を減圧するので、所望の圧力とした圧縮空気が電磁弁14aを通ってボルテックスチューブ20の圧縮機導入口23aに供給される。
従って、庫内1側に開口する出口開口24Rからはオリフィス22を通過して冷風となった圧縮空気が排出され、庫内1の外側に開口する出口開口24Lからは温風が排出されるので、排出された冷風により庫内1の冷却が行われる。
この時、制御部15では、温度センサ16aで検出した庫内温度Taと、予め入力された庫内の設定温度Tsとを比較し、設定温度Tsと庫内温度Taとの差が近づいた時に庫内温度調整弁13の開度を絞り、設定温度Tsと庫内温度Taとの差が離れた時に庫内温度調整弁13の開度を増すことにより、フィードバック制御による庫内1の温度調整を行うようになっている。すなわち、庫内温度Taと設定温度Tsとの差が小さいときほど庫内温度調整弁13の開度を絞って冷却能力を減少させ、反対に庫内温度Taと設定温度Tsとの差が大きいときほど庫内温度調整弁13の開度を増して冷却能力を増加させる。
また、庫内温度Taが設定温度Tsに到達した時点で、電磁クラッチを断続させて圧縮機11の運転を停止するので、ボルテックスチューブ20からの冷風及び温風の排出も停止されて庫内1を所望の温度状態に保つことができる。
なお、圧縮機11の運転は、庫内温度Taと設定温度Tsとの温度差が所定値以上になったとき、すなわち、設定温度Tsにヒステリシスを設けておくことにより、庫内温度Taが所定値以上変動した場合に、制御部15から運転信号が出力されて再開されるので、以後このような運転及び停止を繰り返すことで庫内温度Taを所定の温度範囲内に保つことができる。
同様にして、加温(加熱)運転時には、庫外側高圧配管P2aの電磁弁14aが閉じられ、庫内側高圧配管P2bの電磁弁14bが開とされる。なお、通常の加温運転時においては、電磁弁18,19は閉とされる。
この結果、圧縮機11から吐出された高温高圧の圧縮空気は、放熱器12で冷却された後に庫内温度調整弁13を通過し、制御部15の開度制御信号に応じて減圧されてから電磁弁14bを通ってボルテックスチューブ20の圧縮機導入口23bに供給される。
従って、庫内1側に開口する出口開口24Rからはオリフィス22を通過しない温風となった圧縮空気が排出され、庫内1の外側に開口する出口開口24Lからはオリフィス22を通過した冷風が排出されるので、排出された温風により庫内1の加温が行われる。
この時、制御部15では、温度センサ16aで検出した庫内温度Taと、予め入力された庫内の設定温度Tsとを比較し、設定温度Tsと庫内温度Taとの差が近づいた時に庫内温度調整弁13の開度を絞り、設定温度Tsと庫内温度Taとの差が離れた時に庫内温度調整弁13の開度を増すことにより、フィードバック制御による庫内1の温度調整を行うようになっている。すなわち、庫内温度Taと設定温度Tsとの差が小さいときほど庫内温度調整弁13の開度を絞って冷却能力を減少させ、反対に庫内温度Taと設定温度Tsとの差が大きいときほど庫内温度調整弁13の開度を増して冷却能力を増加させる。
また、冷却運転時と同様にして、庫内温度Taが設定温度Tsに到達すると、電磁クラッチを断続させて圧縮機11の運転を停止するので、ボルテックスチューブ20からの冷風及び温風の排出も停止されて庫内1を所望の温度状態に保つことができる。
ところで、上述した冷却運転時において、制御部15がボルテックスチューブ20内に着霜したと判断し、すなわち、着霜によりオリフィス22の径が変動したと判断した場合には、電気ヒータ30に通電して加熱を開始する。この結果、ボルテックスチューブ20に、特にオリフィス22及びその近傍に着霜した霜を溶かして除去する除霜運転が実施される。この時、圧縮機11の運転については、たとえば冷却能力を最小限にして、換言すれば庫内温度調整弁13を最大限に絞ってそのまま継続してもよいし、あるいは、電磁クラッチを断続させて停止してもよい。
このような除霜運転を行うことにより、着霜により変化したオリフィス22の径をもとに戻して、所定の冷却性能及び加温性能を得ることができる。
また、上述した除霜運転を実施する場合には、除霜手段として電気ヒータ30のような加熱手段を設ける他にも、たとえば以下の手段を採用することができる。
除霜手段の第1変形例としては、庫内温度調整弁13による圧縮空気の絞り量を調整することにより、冷風の吹出温度が0℃以上となるように設定する着霜防止運転がある。このようにすれば、ボルテックスチューブ20内が氷点以下の低温になることを原因とし、空気中の水分を氷結させて霜が発生するのを防止することができる。このような着霜防止運転は、電気ヒータ30のように特別な加熱手段を追加する必要がないため、コスト的には有利になる。
なお、このような着霜防止運転では、冷却及び加温の性能がほとんど得られないので、これと同時に電気ヒータ30等の加熱手段による加熱を併用し、除霜運転の時間を短縮してもよい。
また、除霜手段の第2変形例としては、放熱器12をバイパスさせた高温高圧の圧縮空気(ホットガス)の熱を利用する着霜防止運転がある。この着霜防止運転では、電磁弁19を開くことにより、圧縮機11から吐出されたホットガスが大気と熱交換して冷却されことなく、そのままボルテックスチューブ20に供給されるので、圧縮空気自体が保有している熱により除霜することができる。この場合、放熱器12を通過する圧縮空気の流路は、その構造上圧力損失が大となるので、ホットガスの多くは圧力損失の小さい電磁弁19及びバイパス配管P4を通過して流れる。
なお、このような着霜防止運転においても、電気ヒータ30等の加熱手段による加熱を併用して除霜運転の時間を短縮してもよい。
ところで、上述した冷却運転及び加温運転を実施すると、圧縮機11が庫内1から庫内空気を吸引している。通常の場合、庫内1は断熱性能を確保するために機密性が高く、従って、圧縮機11が庫内空気の吸引を継続することにより、庫外側の出口開口24Lから排出される空気量分だけ圧力低下して、庫内1の圧力が大気(外気)の圧力より低くなることが懸念される。このようにして庫内1が負圧状態になると、バンのドアを開いて荷物を搬出するときなど、差圧によりドアが開きにくくなる。
そこで、低圧配管P1に設けた圧力センサ17が所定値以下の低圧を検出したとき、制御部15が大気導入管P3の電磁弁18を開き、圧縮機11が庫内空気と共に外気を吸引できるようにする。この結果、冷却運転及び加温運転による温度調整を行って庫内1から吸引した空気の一部が庫外へ排出されても、電磁弁18が開いて外気を補充するので、庫内1の空気量が減少して負圧になるのを防止できる。
以上説明したように、本発明の輸送用冷凍機10は、電磁弁14a,14bの開閉により圧縮空気の供給先を選択切換できるので、ボルテックスチューブ20から庫内1へ排出される空気を冷風または温風のいずれかに切り換えて、冷却運転または加温運転による庫内温度の調整を実施することができる。そして、設定温度Tsと庫内温度Taとの温度差に応じた庫内温度調整弁13の開度制御により、冷却運転時及び加温運転時の温度調整を行い、庫内温度Taが設定温度Tsに到達した時点で圧縮機11の運転を停止して設定温度Tsを維持し、庫内温度Taと設定温度Tsとの温度差が所定値以上になれば、圧縮機11の運転を再開して冷却または加温が行われる。
また、電気ヒータ30等の除霜手段を設けたことにより、ボルテックスチューブ20の着霜を防止して安定した冷却運転及び加熱運転を実施することができる。
また、上述した実施形態では、庫内1に対しボルテックスチューブ20を1本だけ設置した構成を示してあるが、たとえば図4に示す他の実施形態のように、複数のボルテックスチューブ20を適当に並べて設置してもよい。図示の例では、4本のボルテックスチューブ20を庫内1の一端部側上部に均等に配列し、各出口開口24Rから排出される冷風または温風が、庫内1の全域にわたって略均一に分配されるようにしてある。このようなボルテックスチューブ20の複数配置により、庫内1の温度分布を容易に均一化することができる。
また、複数配置するボルテックスチューブ20の配置については、図4の配置例に限定されるものではなく、たとえば庫内1の形状等に基づいて適宜変更可能なことはいうまでもない。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
本発明の輸送用冷凍機及びその制御方法は、内燃機関エンジンを駆動源として走行するトラック等の車両にバンが固定設置された冷凍車だけでなく、電気自動車やハイブリッド車のように、電動機を駆動源として走行する冷凍車において、圧縮機が電動モータを駆動源とする場合にも適用することができる。
また、バンが固定設置される冷凍車以外にも、トラック、船舶及び鉄道車両等の輸送手段に順次搭載して輸送され、電動圧縮機を備えているコンテナ用の冷凍機にも適用することができる。
本発明による輸送用冷凍機及びその運転制御方法の一実施形態を示す構成図である。 図1の輸送用冷凍機を備えた冷凍車の構成図である。 ボルテックスチューブの説明図である。 本発明による輸送用冷凍機の他の実施形態として、ボルテックスチューブの複数配置例を示す要部の拡大斜視図である。
符号の説明
1 庫内
10 輸送用冷凍機
11 圧縮機
12 放熱器
13 庫内温度調整弁(減圧手段)
14a,14b 電磁弁(流路切換手段)
15 制御部
16a 温度センサ(庫内温度検出用)
16b 温度センサ(吹出温度検出用)
17 圧力センサ(吸込圧力検出手段)
18 電磁弁(大気導入手段)
19 電磁弁(放熱器バイパス弁)
20 ボルテックスチューブ
21 チューブ本体
22 オリフィス
23a,23b 圧縮空気導入口
24L,24R 出口開口
30 電気ヒータ(除霜手段)
P1 低圧配管
P2 高圧配管
P2a 庫外側高圧配管
P2b 庫内側高圧配管
P3 大気導入管
P4 バイパス配管

Claims (5)

  1. 車両等の輸送手段に設置または搭載されたコンテナ等の庫内を冷却または加温して所望の設定温度に調整する輸送用冷凍機であって、
    庫内の空気を吸引して昇圧する圧縮機と、該圧縮機から供給された高温高圧の圧縮空気を大気と熱交換させる放熱器と、前記設定温度及び庫内温度に応じて前記圧縮空気の絞り量を調整する減圧手段と、チューブ内がオリフィスで分離された一方の端部を庫内に開口し他方の端部を庫外に開口するよう設置したボルテックスチューブと、前記圧縮空気を前記オリフィスで分離されたボルテックスチューブ内の何れか一方に選択的に供給する流路切換手段と、各種の運転制御を行う制御部と、を具備して構成したことを特徴とする輸送用冷凍機。
  2. 前記ボルテックスチューブに除霜手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の輸送用冷凍機。
  3. 前記ボルテックスチューブが複数設置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の輸送用冷凍機。
  4. 前記圧縮機の吸込圧力検出手段と、該吸込圧力検出手段が負圧を検出した時に開いて前記圧縮機に大気を吸引させる大気導入手段と、を設けたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の輸送用冷凍機。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の輸送用冷凍機の運転制御方法であって、
    前記流路切換手段は、庫内の冷却運転時に前記圧縮空気を前記オリフィスより庫外側に供給し、かつ、庫内の加温運転時に前記圧縮空気を前記オリフィスより庫内側に供給すると共に、
    前記減圧手段は、前記設定温度と前記庫内温度との差が近づいた時に開度を絞り、かつ、前記設定温度と前記庫内温度との差が離れた時に開度を増して温度調整を行い、
    前記圧縮機は、前記庫内温度が前記設定温度に到達した時点で運転を停止することを特徴とする輸送用冷凍機の運転制御方法。
JP2003420566A 2003-12-18 2003-12-18 輸送用冷凍機及びその運転制御方法 Withdrawn JP2005180752A (ja)

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