JP4026203B2 - 移送装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、身体障害者、身体弱者等を乗せて目的の場所まで移動させるための移送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、身体障害者の乗降に適した車両、所謂福祉車両の開発が進み、例えば、車椅子の使用者や、寝たきりの人等の身体弱者(以下身障者ということがある)を乗車させたり降車させることが頻繁に行われるようになってきている。
【0003】
福祉車両に関しては、車両用シートを一体的に備えたリフターを装備し、身体弱者をリフター上の車両用シートに着座させて、リフターにより車室内に搬入して着座姿勢を保持した状態で乗車させ、かつ、乗車姿勢を保持した状態で車外へ搬出させるごとき優れた福祉車両が開発されている。
【0004】
しかしながら、このような優れた車両に対する乗降においても、車椅子の使用者にあっては、車椅子からリフター上の車両用シートへの移乗や、リフター上の車両用シートから車椅子への移乗の際には、介護者が身障者を抱いて移動させる等の重労働を必要としている。また、ベッド上の身障者にあっては、これらの重労働に加えて、さらに、身障者をベッドから車両のリフターまでの移動や、車両のリフターからベッドまでの移動を行わなければならず、これらの移動手段が問題になる。
【0005】
身障者の移動手段に関しては、特開平8−243123号公報に「床走行型昇降機」なる名称で移送装置が提案されている。
【0006】
当該移送装置は、キャスタ付き車台と、車台上に上下方向に移動可能に組付けられた昇降フレームと、昇降フレームを上下方向に移動させる駆動機構と、昇降フレームに組付けられて前後に延びる上部フレームと、上部フレームに支持された座部を備え、座部に身障者を着座させて目的の場所に移動させるとともに、昇降フレームの駆動により座部の高さを身障者の乗り降りに最適な位置に調整できるように構成されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、当該移送装置を車両の乗降者用に使用すれば、身障者の車両に対する乗降の際の介護者の労働を大いに軽減できることは明らかである。しかしながら、当該移送装置は屋内専用のもので凹凸路面上での移動を考慮されてはおらず、屋外での使用に不可避である凹凸路面上での移動には適さない。 また、当該移送装置において、座部の形状、大きさが一定であるため、設定された身障者の体格とは大きな差がある人の着座には適さず、しかも、同一人の場合でも、寒暖の差が大きい季節での服装の大きな相違によっても着座には適さない場合が生じることがある。
【0008】
さらにまた、車両の乗降者用に使用する移送装置にあっては、目的地毎に使用するため車室内に収容する必要があり、この場合には、車室内に大きな収容空間を要することなく収容できることが不可欠である。しかしながら、当該移送装置は一体構造であって大きな収容空間を要するため、車室内への収容には適さない。
【0009】
従って、本発明の目的は、身障者の車両乗降の際の移動手段として適した移送装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は移送装置に関するもので、当該移動装置は、
キャスタ付き車台と、同車台上に起立する支持機構と、同支持機構に上下方向に移動可能に組付けられた昇降機構と、同昇降機構を上下方向に移動させる駆動機構と、前記昇降機構に組付けられた座部機構を備え、同座部機構に人を着座させて目的の場所に移動させるための移送装置であり、前記車台は、前後のいずれか一方の左右の中央部に第1のキャスタを備えるとともに左右の各端部に前記第1のキャスタを挟んだ状態で左右一対の脚部を備え、かつ、前後のいずれか他方の左右の各端部に第2のキャスタを備えていて、前記各脚部は前記3個のキャスタが平地に接地している状態では非接地状態に設定されていることを特徴とするものである。
【0011】
本発明に係る移送装置においては、前記座部機構を、前記昇降機構に組付けられて前後方向に延びる左右一対の支持アームと、これら両支持アームにて支持されて上方へ開口する座部を形成するハンモックを備えた構成とするとともに、前記各支持アームを前記昇降機構に対して左右方向に移動可能に組付けて、前記座部の開口幅を拡大、縮小可能に構成することが好ましい。
【0012】
また、本発明に係る移送装置においては、前記昇降機構を前記座部の前方に位置する把持部を備えた構成とするとともに、同把持部と前記ハンモック間に前記座部の着座者を支持する支持ベルトを配設する構成とすることが好ましい。
【0013】
また、本発明に係る移送装置においては、前記支持機構を前記車台に対して離脱可能に組付け、前記座部機構を前記昇降機構に対して離脱可能に組付ける構成とすることが好ましい。
【0014】
【発明の作用・効果】
かかる構成の移送装置においては、介護者は、当該移送装置を目的の場所に移動させることができるとともに、目的の場所にて座部を最適の高さに調整することができる。このため、介護者は身障者を、目的の場所に応じて最適高さに調整した座部に着座させて、この状態で、他の目的の場所である車両のリフターの位置に移動させることができ、かつ、移動位置にて座部を最適高さに調整してリフター上の車両用シートに着座させることができる。
【0015】
この間の介護者の介護作業は、身障者を、目的の場所からの移乗に適した高さの座部に着座させる作業と、移送装置を目的の場所へ移動させる作業と、目的の場所への移乗に適した座部から移乗させる作業であって、介護作業の労力を従来の介護作業に比較して大幅に軽減させることができる。
【0016】
なお、各介護作業を上記とは逆の手順で行えば、車両用シートからの座部への移乗、座部から目的の場所への移乗を、上記と同様に大きな労力を要することなく行うことができる。
【0017】
しかして、当該移送装置においては、その移動手段として、前後のいずれか一方の左右の中央部に設けた第1のキャスタと、前後のいずれか他方の左右の各端部に設けた第2のキャスタの3個のキャスタを採用している。このため、当該移送装置の凹凸状態の路面上での設置および移動が安定し、屋外での使用に適している。
【0018】
また、当該移送装置においては、前後のいずれか一方の左右の各端部に第1のキャスタを挟んで脚部を設けて、各脚部を3個のキャスタが平地に接地している状態では非接地状態になるように設定している。このため、路面の状態によっては、移送装置を3個のキャスタでは安定した姿勢に設置しえない状況が発生しても、各脚部が接地して移送装置を安定した姿勢に保持する。このため、当該移送装置は、この点からも屋外での使用に適している。
【0019】
本発明に係る移送装置において、前記座部機構を、前記昇降機構に組付けられて前後方向に延びる左右一対の支持アームと、これら両支持アームにて支持されて上方へ開口する座部を形成するハンモックを備えた構成とするとともに、前記各支持アームを前記昇降機構に対して左右方向に移動可能に組付けて、前記座部の開口幅を拡大、縮小可能に構成すれば、座部を体格の異なる多くの身障者の着座に対応できるとともに、冬季の着膨れの状態、夏期の薄着の状態等の身障者にも的確に対応できる。
【0020】
また、本発明に係る移送装置において、支持機構を車台に対して離脱可能に組付け、座部機構を昇降機構に対して離脱可能に組付けるように構成すれば、移送装置を非使用時には分解してコンパクトな状態で収容できるとともに、使用時には容易に組立てることができるため、車両の搭載にも適している。
【0021】
なお、以上の各移送装置においては、昇降機構を座部の前方に位置する把持部を備えた構成として、同把持部とハンモック間に座部の着座者を支持する支持ベルトを配設するように構成することが好ましい。これにより、着座者は把持部を自ら把持して着座姿勢を保持することとにより不安感を解消させることができ、かつ、支持ベルトにより着座姿勢を一層的確に保持することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に基づいて説明すると、図1および図2には、本発明に係る移送装置の一例が示されている。当該移送装置は、車台10、支持機構20、昇降機構30、駆動機構40、および座部機構50にて構成されている。
【0023】
車台10は、図1〜図3に示すように、パイプ製でコ字状のベースフレーム11と、3個のキャスタ12,13,14と、2本の脚部15,16とからなり、ベースフレーム11の前側の左右隅部には係止ワイヤ17a,17bが設けられている。各係止用ワイヤ17a,17bは、ベースフレーム11における前側フレーム部11aと左側フレーム部11b間、および前側フレーム部11aと右側フレーム部11c間に架橋状に設けられて、ベースフレーム11の内側に位置している。
【0024】
各キャスタ12〜14においては、1個の第1のキャスタ12は大径のもので、ベースフレーム11の前側フレーム部11aの左右の中央部に四方向に回転自在に組付けられており、かつ、2個の第2のキャスタ13,14は小径のもので、左右のフレーム部11b,11cの後端部に四方向に回転自在に組付けられている。
【0025】
各脚部15,16は、ワイヤを屈曲して形成されているもので、ベースフレーム11の前側の左右隅部に設けられて下方へ突出している。各脚部15,16の長さは、3個のキャスタ12〜14が平地に接地している状態ではわずかに浮遊した非接地状態となる寸法に設定されている。
【0026】
支持機構20は、図1および図2,図4および図5に示すように、門形のガイドフレーム21と、V字形状の支持フレーム22と、サイドフレーム23を主要部材としている。支持フレーム22は、その左右の各フレーム部22a,22bの上端部が後方へわずかに屈曲していて、屈曲部の先端にてガイドフレーム21における左右の各フレーム部21a,21bの上端部に固着されている。サイドフレーム23は、ガイドフレーム21の各フレーム部21a,21bの下方の部位に固着されている。
【0027】
支持フレーム22とサイドフレーム23とは、サイドフレーム23の左右の中央部と支持フレーム22の下端部とに固着した連結プレート24にて互いに連結されている。これにより、ガイドフレーム21,支持フレーム22、サイドフレーム23の3者が一体となって、支持機構20を構成している。
【0028】
かかる支持機構20においては、ガイドフレーム21の各フレーム部21a,21bの下端部に係合部25a,25bが設けられており、また、支持フレーム22の下端部に係合部26が設けられている。各係合部25a,25bは後方へ下降傾斜する凹所を有する爪部に形成されており、また、係合部26は後方へ開口するコ字状断面の係合凹所に形成されている。
【0029】
支持機構20における各係合部25a,25bは、ベースフレーム11に設けた各係止ワイヤ17a,17bに係止されるもので、各係止ワイヤ17a,17bとともに支持機構20の後側のロック機構を構成する。
【0030】
また、支持機構20における係合部26は、ベースフレーム11の前側フレーム部11aに離脱可能に嵌合するもので、係合部26には、図6に示すように、凹所の内外を貫通する貫通孔26aが形成されており、貫通孔26aにはストッパピン27のピン部27aが抜差し可能に貫通している。ストッパピン27は、ピン部27aの上端部にボール状の握部27bを備えており、係合部26に進退可能に螺合するネジ26bにより抜止めされている。
【0031】
ストッパピン27のピン部27aの先端は、貫通孔26aを貫通している状態では、ベースフレーム11の前側フレーム部11aに設けた貫通孔11dを挿通し、支持フレーム22をベースフレーム11に離脱可能に組付ける。従って、支持機構20における係合部26は、ストッパピン27、および前側フレーム部11aの貫通孔11dとともに、支持機構20の後側のロック機構を構成する。
【0032】
昇降機構30は、図1および図2、図4および図5に示すように、左右一対の昇降部材31,32と、両昇降部材31,32を互いに連結するクロスメンバ33と、把持部材34により構成されている。
【0033】
昇降部材31,32は、ガイドブラケット31a,32aと、ガイドブラケット31a,32aに回転可能に支持された前後一対のガイドローラ31b,31c、32b,32cとにより構成されており、各ガイドローラ31b,31cはガイドフレーム21の左側フレーム部21aの外周に嵌合可能であり、また、各ガイドローラ32b,32cはガイドフレーム21の右側フレーム部21bの外周に嵌合可能である。
【0034】
クロスメンバ33は、ガイドフレーム21の左右両フレーム部21a,21b間の間隔と略同一の寸法のもので、その各端部にて各ガイドブラケット31a,32aの前側内面に固着されている。なお、各ガイドローラ31b,32bは、クロスメンバ33に設けた左右の各ブラケット33a,33bにも回転可能に支持されている。
【0035】
把持部材34は、ハンドル部34aと、ハンドル部34aの左右の各端部から下方に突出するアーム部34bとからなり、各アーム部34bの下端部を各ガイドブラケット31a,32aの外側面に固着することにより、両昇降部材31,32に組付けられている。
【0036】
かかる昇降機構30は、ガイドフレーム21に、左側の昇降部材31の両ガイドローラ31b,31c間に左側フレーム部21aを挿通した状態で、また、右側の昇降部材32の両ガイドローラ32b,32c間に右側フレーム部21bを挿通した状態で組付けられているとともに、クロスメンバ33の左右の中央部に設けた左右一対のブラケット33c,33dを介して、後述する駆動機構40の昇降部材42に連結されて組付けられている。
【0037】
昇降機構30は、この組付け状態においては、昇降部材31の各ガイドローラ31b,31cが左側フレーム部21aの外周に前後から嵌合し、かつ、昇降部材32の各ガイドローラ32b,32cが右側フレーム部21bの外周に前後から嵌合して駆動機構40に支持されており、駆動機構40の駆動により、ガイドフレーム21に沿って昇降する。
【0038】
駆動機構40は、図4および図5,図8〜図10に示すように、スクリューシャフト41、昇降部材42、ギヤ機構43、クラッチ機構44、ロック機構45、および駆動ハンドル46にて構成されている。
【0039】
スクリューシャフト41は、その下端部にて支持機構20のサイドフレーム23の中央部に回転可能に支持され、かつ、その上端部にてガイドフレーム21の上側フレーム部21cの中央部に配設したギヤ機構43に連結されていて、ガイドフレーム21の左右の中央部に起立している。スクリューシャフト41は、この状態でボールネジ軸を構成している。
【0040】
昇降部材42は、その本体がボールナットに構成されていてスクリューシャフト41上に螺合しており、本体とスクリューシャフト41間の螺旋状溝には多数のボールが介装されている。これにより、昇降部材42は、スクリュウーシャフト41の正逆回転により、スクリューシャフト41上を昇降する。なお、昇降部材42は、一対のブラケット33c,33dを介して、昇降機構30のクロスメンバ33に連結されている。
【0041】
ギヤ機構43は、ギヤボックス43a内に大径のベベルギヤ43bと、小径のベベルギヤ43cを回転可能に収容して構成されている。大径のベベルギヤ43bは、ギヤボックス43aに水平状態に支持された回転軸43d上に一体回転可能に組付けられて垂直状態に支持されている。小径のベベルギヤ43cは、ギヤボックス43aに垂直状態に支持されたスクリューシャフト41の上端部に一体回転可能に組付けられて水平状態に支持されていて、大径のベベルギヤ43bと噛合している。
【0042】
クラッチ機構44、ロック機構45、および駆動ハンドル46は、回転軸43dにおけるギヤボックス43aから突出した軸部上にて一体的に構成されているもので、クラッチ機構44は、一対の摩擦クラッチプレート44a,44bと、駆動部材44cを備え、ロック機構45はラチェットギヤ45aとラチェット45bを備えている。
【0043】
回転軸43dにおいては、そのギヤボックス43aから突出した軸部上に外向フランジ部43eが一体的に形成されており、同フランジ部43eの外側の軸部上に、クラッチプレート44a、ラチェットギヤ45a、およびクラッチプレート44bが回転可能に組付けられている。また、回転軸43dの外端部はネジ部43fに形成されていて、このネジ部43f上に駆動部材44cが進退可能に螺合しており、回転軸43dの外端面には押え部材47aが固定されている。
【0044】
クラッチプレート44bと押え部材47aとの間隔は、駆動部材44cが軸方向へわずかに移動し得る寸法に設定されており、駆動部材44cに固着した駆動ハンドル46を回転操作することにより駆動部材44cを前進させて、ラチェットギヤ45aを、両クラッチプレート44a,44bを介して、外向フランジ部43eと駆動部材44cとにより挟持して、駆動ハンドル46の回転力を回転軸43dに伝達可能とする。また、駆動ハンドル46を逆方向へ回転操作して駆動部材44cを後退させると、ラチェットギヤ45aに対する上記した挟持状態が解除され、回転軸43dは各クラッチプレート44a,44b、ラチェットギヤ45a、および駆動部材44cに対して自由状態となる。
【0045】
ロック機構45を構成するラチェット45bは、ギヤボックス43aの外側面に固着した取付部に螺着した支持ボルト45c上に回転可能に支持されて、ラチェットギヤ45aに対して図10に示す状態に噛合している。また、押え部材47aには係合突起47bが設けられており、係合突起47bは駆動ハンドル46の回転軌跡内に延びていて、駆動ハンドル46と係合可能となっている。
【0046】
ラチェット45bは、ラチェットギヤ45aにおける図10の時計方向(矢印方向)への回転を許容するとともに、反時計方向への回転を規制すべく機能する。なお、駆動機構40においては、回転軸43dが時計方向へ回転した場合には昇降機構42を上昇させ、反時計方向へ回転した場合には昇降機構42を下降させる。
【0047】
かかる構成の駆動機構40においては、駆動ハンドル46を正方向へ回転操作することにより、回転軸43dが図10の図示時計方向に回転し、同時に駆動部材44cが前進して両クラッチプレート44a,44bを介して、ラチェットギヤ45aを回転軸43dに結合させる。これにより、回転軸43dはラチェットギヤ45aと一体に図示時計方向に回転して両ベベルギヤ43b,43cを介してスクリューシャフト41を正方向に回転させ、昇降機構30を上昇させる。
【0048】
昇降機構30は、駆動ハンドル46の回転操作を解除することにより停止するが、駆動ハンドル46の回転操作を解除した場合には、ラチェット45bのラチェットギヤ45aに対する噛合作用により回転軸43dの逆方向への回転が規制されるため、昇降機構30はその停止位置に保持される。
【0049】
一方、この状態で駆動ハンドル46を逆方向へ回転操作すると、駆動部材44cが後退して両クラッチプレート44a,44bを解放してラチェットギヤ45aの回転軸43dに対する結合を解除し、同時に、駆動ハンドル46が係合突起47bに係合して回転軸43dを図10の図示反時計方向へ回転する。これにより、回転軸43dは、ラチェットギヤ45aとラチェット45bとの噛合を保持した状態で図示反時計方向へ回転し、両ベベルギヤ43b,43cを介してスクリューシャフト41を逆方向に回転させ、昇降機構30を下降させる。
【0050】
昇降機構30は、駆動ハンドル46の逆方向への回転操作を解除することにより停止するが、駆動ハンドル46を正方向へわずかに回転操作することにより、昇降機構30はその停止位置に保持される。
【0051】
すなわち、駆動ハンドル46を正方向へわずかに回転操作すると、駆動部材44cが前進して両クラッチプレート44a,44bを介してラチェットギヤ45aを回転軸43dに結合させ、ラチェット45bのラチェットギヤ45aに対する噛合作用により回転軸43dの逆方向への回転が規制されるため、昇降機構30はその停止位置に保持される。
【0052】
座部機構50は、図1および図2に示すように、左右一対の支持アーム51,52、ハンモック53、および支持ベルト54にて構成されている。
【0053】
各支持アーム51,52は、所定長さのアーム部51a,52aと、アーム部51a,52aの先端部に設けた掛止部51b,52bとからなるもので、掛止部51b,52bは下方へ開口する断面コ字状に形成されている。各支持アーム51,52は、図7に示すように、掛止部51b,52bを昇降機構30を構成するクロスメンバ33に上方から掛止することにより組付けられていて、クロスメンバ33に沿って左右方向へ移動可能に組付けられている。
【0054】
ハンモック53は、皮革、合成樹脂シート、編織布等の素材からなるもので、その左右の各端部には筒部53a,53bを備え、各筒部53a,53bを各支持アーム51,52のアーム部51a,52aに挿通することにより、支持アーム51,52に支持されている。ハンモック53は、この支持状態では上方へ開口する座部を構成するが、各支持アーム51,52を左右方向へ移動させることにより、座部の開口幅を調整することができる。
【0055】
支持ベルト54は、長尺のメインベルト54aと、左右一対の短尺のサブベルト54b,54cとにより構成されている。メインベルト54aは、昇降機構30における把持部材34のハンドル部34aに設けた各ガイド部34cを通して取付けられており、各サブベルト54b,54cは、ハンモック53の各筒部53a,53bの後端部に取付けられている。
【0056】
かかる支持ベルト54においては、メインベルト54aの左端部が右側サブベルト54cに離脱可能に連結され、かつ、メインベルト54aの右端部が左側サブベルト54bに離脱可能に連結されるもので、ハンモック53上に着座した身障者の背部を交差状態で支持する。
【0057】
かかる構成の移送装置においては、介護者は、当該移送装置を目的の場所に移動させることができるとともに、目的の場所にて座部を最適の高さに調整することができる。
【0058】
例えば、目的の場所がベッドである場合には、身障者をベッドの端部に着座させて、ハンモック53を身障者の尻に身障者の体を左右に倒しながら敷き、次いでハンモック53の各筒部53a,53bに取外され状態にある各支持アーム51,52のアーム部51a,52aを挿通する。この状態で、当該移送装置を移動して、そのクロスメンバ33を各支持アーム51,52の掛止部51b,52bに接近させて、各掛止部51b,52bをクロスメンバ33に掛止することにより、各支持アーム51,52をクロスメンバ33する。
【0059】
その後、昇降機構30を操作することにより、座部機構50を上昇させて身障者をベッドから所定の高さに浮かせ、この浮上状態を保持して当該移送装置を車両の近傍に移動させ、身障者を車室内から搬出されているリフター上の車両用シートの着座部の上方に位置させる。図1の2点鎖線は、身障者が座部機構50に着座している状態を示している。
【0060】
この状態で、昇降機構30を下降させれば、身障者をハンモック53ごと車両用シートの着座部に着座させることができる。着座させた後、当該移送装置を車両用シートから遠のく方向へ移動させれば、ハンモック53の各筒部53a,53bから各支持アーム51,52が抜け出る。
【0061】
最後に、リフターを操作して車両用シートを車室内に搬入すれば、車両用シートに着座している身障者はその着座姿勢を保持したまま乗車することができる。なお、ハンモック53は身障者の尻に敷いたままでもよく、また抜き取ってもよい。
【0062】
また、以上の操作を上記とは略逆の手順で行えば、乗車中の身障者を車両用シートに着座したまま車外へ搬出させて当該移送装置に移乗させ、かつ、ベッド上に移乗させることができる。なお、車椅子上の身障者に対しても、上記の操作を略同様の手順で行えば、車椅子上の身障者を乗車させ、かつ、車室内の車両用シートに着座する身障者を車椅子に移乗させることができる。
【0063】
このように、当該移送装置の使用によれば、介護者の介護作業は、身障者を、目的の場所からの移乗に適した高さの座部に着座させる作業と、移送装置を目的の場所へ移動させる作業と、移乗に適した座部から目的の場所へ移乗させる作業となり、介護作業の労力を従来の介護作業に比較して大幅に軽減させることができる。
【0064】
ところで、当該移送装置においては、その移動手段として、車台10の前部に設けた第1のキャスタ12と、後部の左右両側に設けた第2のキャスタ13,14の3個のキャスタを採用している。このため、当該移送装置の凹凸状態の路面上での設置および移動が安定し、屋外での使用に適している。
【0065】
また、当該移送装置においては、車台10の前側の左右の両側に第1のキャスタ12を挟んで2本の脚部15,16を設けて、各脚部15,16を3個のキャスタ12〜14が平地に接地している状態では非接地状態になるように設定されている。このため、路面の状態によっては、移送装置を3個のキャスタ12〜14では安定した姿勢に設置しえない状況が発生しても、各脚部15,16が接地して移送装置を安定した姿勢に保持する。このため、当該移送装置は、この点からも屋外での使用に適している。
【0066】
また、当該移送装置においては、座部機構50を構成する各支持アーム51,52を昇降機構30のクロスメンバ33に左右方向に移動可能に組付けて、ハンモック53にて構成される座部の開口幅を拡大、縮小可能に構成している。このため、座部の開口幅を調整することにより、体格の異なる多くの身障者に対応できるとともに、冬季の着膨れの状態、夏期の薄着の状態等にも的確に対応できる。
【0067】
また、当該移送装置においては、支持機構20を車台10に対して離脱可能に組付け、座部機構50を昇降機構30に対して離脱可能に組付け、かつ、座部機構50を構成するハンモック53を各支持アーム51,52に対して離脱可能に組付けるように構成している。このため、当該移送装置の非使用時には分解してコンパクトな状態で収容できるとともに、使用時には容易に組立てることができるため、車両の搭載に適している。
【0068】
また、当該移送装置においては、昇降機構30を座部の前方に位置するハンドル部34aを備えた構成として、ハンドル部34aとハンモック53間に座部の着座者を支持する支持ベルト54を配設している。このため、当該移送装置によれば、座部の着座者はハンドル部34aを自ら把持して着座姿勢を保持することにより不安感を解消させ、かつ、支持ベルト54により着座姿勢を一層的確に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例に係る移送装置の側面図である。
【図2】同移送装置の背面図である。
【図3】同移送装置を構成する車台の斜視図である。
【図4】同移送装置を構成する支持機構の背面図である。
【図5】同支持機構における図4の矢印5−5線での縦断側面図である。
【図6】同支持機構の車台に対するロック機構部の縦断面図である。
【図7】同支持機構を構成する座部機構の昇降機構に対する組付部の縦断側面図である。
【図8】同移送装置を構成する駆動機構の縦断側面図である。
【図9】同駆動機構の平面図である。
【図10】同駆動機構のロック機構を構成するラチェットギヤとラチェットの 噛合状態を示す正面図である。
【符号の説明】
10…車台、11…ベースフレーム、11a…前側フレーム部、11b…左側フレーム部、11c…右側フレーム部、11d…貫通孔、12,13,14…キャスタ、15,16…脚部、17a,17b…係止ワイヤ、20…支持機構、21…ガイドフレーム、21a…左側フレーム部、21b…右側フレーム部、21c…上側フレーム、22…支持フレーム、22a…左側フレーム部、22b…右側フレーム部、23…サイドフレーム、24…連結プレート、25a,25b…係合部、26…係合部、26a…貫通孔、26b…ネジ、27…ストッパピン、27a…ピン部、27b…握部、30…昇降機構、31,32…昇降部材、31a,32a…ガイドブラケット、31b,31c、32b,32c…ガイドローラ、33…クロスメンバ、33a,33b…ブラケット、33c、33d…ブラケット、34…把持部材、34a…ハンドル部、34b…アーム部、34c…ガイド部、40…駆動機構、41…スクリューシャフト、42…昇降部材、43…ギヤ機構、43a…ギヤボックス、43b,43c…ベベルギヤ、43d…回転軸、43e…回転軸、43f…ネジ部、44…クラッチ機構、44a,44b…摩擦クラッチプレート、44c…駆動部材、45…ロック機構、45a…ラチェットギヤ、45b…ラチェット、45c…支持ボルト、46…駆動ハンドル、47a…押え部材、47b…係合突起、50…座部機構、51、52…支持アーム、51a,52a…アーム部、51b,52b…掛止部、53…ハンモック、53a,53b…筒部、54…支持ベルト、54a…メインベルト、54b,54c…サブベルト。

Claims (4)

  1. キャスタ付き車台と、同車台上に起立する支持機構と、同支持機構に上下方向に移動可能に組付けられた昇降機構と、同昇降機構を上下方向に移動させる駆動機構と、前記昇降機構に組付けられた座部機構を備え、同座部機構に人を着座させて目的の場所に移動させるための移送装置であり、前記車台は、前後のいずれか一方の左右の中央部に第1のキャスタを備えるとともに左右の各端部に前記第1のキャスタを挟んだ状態で左右一対の脚部を備え、かつ、前後のいずれか他方の左右の各端部に第2のキャスタを備えていて、前記各脚部は前記3個のキャスタが平地に接地している状態では非接地状態に設定されていることを特徴とする移送装置。
  2. 請求項1に記載の移送装置において、前記座部機構は、前記昇降機構に組付けられて前後方向に延びる左右一対の支持アームと、これら両支持アームにて支持されて上方へ開口する座部を形成するハンモックを備え、前記各支持アームは前記昇降機構に対して左右方向に移動可能に組付けられていて、前記座部の開口幅を拡大、縮小可能に構成されていることを特徴とする移送装置。
  3. 請求項1または2に記載の移送装置において、前記昇降機構は前記座部の前方に位置する把持部を備えていて、同把持部と前記ハンモック間に前記座部の着座者を支持する支持ベルトが配設されていることを特徴とする移送装置。
  4. 請求項1,2または3に記載の移送装置において、前記支持機構は前記車台に対して離脱可能に組付けられ、前記座部機構は前記昇降機構に対して離脱可能に組付けられていることを特徴とする移送装置。
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