JP4025523B2 - 圧延用ロールの放電加工方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼板の冷間圧延等に用いられる圧延用ロールの放電加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
圧延用ロールの表面に放電ダル加工を施すことにより微細な凹凸を形成し、ロールのグリップ力を高めることは従来から知られている。この凹凸の程度即ち表面粗度は、PPI(peak per inch)という指標で示すことができる。PPIは凹凸面をバンド幅=±0.625μRaの平面で切断し、1インチの間に通過した山数の合計値として定義される。そして圧延用ロール表面のPPIが大きいほど、鮮映性に優れた圧延鋼板を得ることができる。
【0003】
しかし、圧延用ロールを回転させながらその表面に沿って一列に配置された電極群により放電ダル加工を施す従来の放電加工方法では、加工条件(放電加工の狙い粗度)を様々に変化させてもPPIが400を超える表面を得ることはできなかった。すなわち、狙い粗度が大きいとロール表面が粗面となるためにPPIが小さくなり、狙い粗度を小さくするとロール表面の粗大な凹凸に細かい凹凸が付加されるのみでプロフィールのうねりはそのままが残り、やはりPPIを大きくすることはできなかった。
【0004】
さらに、先ず狙い粗度を大きくして1回目の放電加工を行ったのち、狙い粗度を小さくして2回目の放電加工を行うことも考えられるが、ロール表面の凹凸状態は後に行われた2回目の放電加工により決定されてしまうためPPIの増加にはつながらず、上記したようにPPIが400を超える表面を得ることはできなかった。しかもこの方法では放電加工時間が長くかかり、例えば1回目の放電加工に60分、2回目の放電加工に40分を要するとすれば、合計100分を要するという問題もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記した従来の問題点を解決し、圧延用ロールの表面に放電加工によってPPIが400を超える非常に微細な凹凸を形成することができる圧延用ロールの放電加工方法を提供するためになされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するためになされた本発明は、圧延用ロールを回転させながらその表面に沿って配置された電極群により放電ダル加工を施すに際し、異なる加工条件にセットされた2組の電極群をロール軸線と直交する同一平面上に配置し、ロールの同一表面を異なる加工条件で同時に放電加工することを特徴とするものである。なお、2組の電極群を異なる狙い粗度にセットして放電加工を行なうことが好ましい。
【0007】
本発明によれば、圧延用ロールの同一表面を異なる加工条件で同時に放電加工することにより、以下に説明するようにPPIが400を超える非常に微細な凹凸を形成することができ、しかも放電加工時間が長くなることもない。このため本発明により放電加工された圧延用ロールを用いれば、鮮映性に優れた圧延鋼板を得ることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照しつつ、本発明の実施形態を示す。
図1に示すように、本発明では圧延用ロール1の表面に沿って2組の電極群2、3を配置する。各電極群2,3は図2に示すように一列に配置された多数の電極よりなり、圧延用ロール1はロール軸線の回りに回転するとともに軸線方向にも往復移動され、表面全体が均一に放電加工されるようになっている。電極群2、3は加工液4を収納したタンク5の底部に設けられており、加工液4中で放電加工を行なうことは従来と同様である。
【0009】
電極群2と電極群3とは、ロール軸線と直交する同一平面上に配置されている。実際には隣接する電極のロール軸線方向のピッチは例えば40mm程度と狭いので、電極群2を構成する電極と電極群3を構成する電極とを半ピッチ程度ずらせても差し支えなく、上記の「同一平面上」とは数学的に厳密な意味に限定されるものではなく、回転する圧延用ロール1の同一表面が電極群2の電極と電極群3の電極とによって放電加工を受けることができればよい。
【0010】
本発明では2組の電極群2、3を異なる加工条件1と加工条件2とにセットし、圧延用ロール1の同一表面を異なる加工条件1,2で同時に放電加工する。加工条件には加工電流、通電時間、加工時間などがあるが、実用上これらは「狙い粗度」として集約することができる。狙い粗度は平均面粗さRaで示され、その加工条件で放電加工を行なった場合に得られる表面粗さを意味する。また狙い粗度が示されれば、それに応じて加工電流、通電時間、加工時間などを設定することは当業者には容易であるから、以下の説明では加工条件を狙い粗度で表現する。
【0011】
例えば電極群2の加工条件1を狙い粗度1.0μRaとし、電極群3の加工条件2を狙い粗度2.0μRaとし、圧延用ロール1の表面を同時に放電加工した場合の表面状態の変化を説明する。ロール表面を狙い粗度2.0μRaの電極群3により放電加工すると図3の第1列に示すような凹凸状となり、このまま同一加工条件で放電加工を継続しても狙い粗度である2.0μRaの凹凸面となるだけである。
【0012】
しかし本発明では、ほぼ同時に狙い粗度1.0μRaの異なる加工条件で電極群2による放電加工が行なわれる。放電加工は主として山の頂点付近に対して行なわれるため、図3の第2列に示すように山の頂点付近が小さく破壊され山の頂点の数が増加する。そして再び狙い粗度2.0μRaの電極群3による放電加工が行なわれて、図3の第3列に示すように各山の各頂点が大きく破壊され、更に狙い粗度1.0μRaの放電加工が行なわれて図3の第4列に示すように次第に山の高さが減少すると同時に山の頂点の数が増える。本発明では上記のサイクルが何回も繰り返されるので表面の凹凸は次第に細かくなり、例えば加工条件1を狙い粗度1.0μRaとし、電加工条件2を狙い粗度2.0μRaとした場合には、最終的に1.2μRaの表面粗さとなり、そのPPIは従来到達できなかった500程度に達する。
【0013】
図4はRa=1.2μRaの表面を得るために適した加工条件1,2の関係を、それぞれの狙い粗度を縦軸yと横軸xとしたグラフで示したものである。楕円で囲んだ領域がRa=1.2μRaの表面を得るために適した領域であるが、加工条件1,2が接近すると本発明の効果が得られなくなる。従って図示のとおり、y=0.13x2+0.53x+0.68の曲線と、y=-0.08x2+1.33x-0.62の曲線とで挟まれた中間領域は避けねばならない。また楕円の位置は目的とする表面粗さが大きくなると原点から離れる方向に移動するため、必ずしも図4の位置に限定されるものではない。
【0014】
このように本発明によれば、2組の電極群2、3を異なる加工条件1と加工条件2とにセットし、圧延用ロール1の同一表面を異なる加工条件1,2で同時に放電加工することによって、従来到達できなかったPPI=500のレベルに到達することができる。このため、この圧延用ロール1を用いれば鮮映性に優れた圧延鋼板を得ることができる。しかも加工時間は従来と変わらず、2段階で放電加工を行なう場合のように長くなることもない。
【0015】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示す。
長さ1900mmの圧延用ロールを図1に示すように加工液(第3石油類)中で回転させながら、異なる加工条件1,2にセットされた2組の電極群により放電加工を行なった。加工条件1は狙い粗度が1.0μRaであり、この狙い粗度を達成するために加工電流4A,通電時間4.7μS、加工時間60分とした。また加工条件2は狙い粗度が2.0μRaであり、この狙い粗度を達成するために加工電流7.2A,通電時間5.0μS、加工時間60分とした。
【0016】
このようにして放電加工された圧延用ロールの表面を測定したところ、Ra=1.2μRaであり、PPI=500であった。またこの圧延用ロールを用いて鋼板を冷間圧延したところ、その鋼板(メッキ後)の板粗度は0.8〜1.0μRaであり、鋼板(メッキ後)のPPIは400であり、転写率(板粗度/ロール面粗度)は70%であった。またその鮮映性は良好であった。
【0017】
これに対して従来のように狙い粗度1.0μRaの単一条件のみで放電加工を行なった従来ロールの表面はRa=1.0μRa、PPI=350であった。またこの従来ロールを用いて鋼板を冷間圧延したところ、その鋼板(メッキ後)の板粗度は0.8〜1.0μRaであり、鋼板(メッキ後)のPPIは250であり、転写率(板粗度/ロール面粗度)は70%であった。しかし本発明により放電加工されたロールを用いた場合に比較して、鮮映性に劣るものであった。なお何れのロールを用いた場合にも圧延寿命に変化は認められなかった。
【0018】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の圧延用ロールの放電加工方法によれば、異なる加工条件にセットされた2組の電極群をロール軸線と直交する同一平面上に配置し、ロールの同一表面を異なる加工条件で同時に放電加工することにより、放電加工によってPPIが400を超える非常に微細な凹凸を形成することができる。従って本発明により放電加工された圧延用ロールを用いれば、鮮映性に優れた圧延鋼板を得ることができる。また、加工時間が延長されることもなく、圧延寿命も従来と同様となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す断面図である。
【図2】本発明の実施形態を示す側面図である。
【図3】表面状態の変化を示す模式的な断面図である。
【図4】加工条件1,2の関係をそれぞれの狙い粗度を縦軸yと横軸xとして示したグラフである。
【符号の説明】
1 圧延用ロール
2 電極群
3 電極群
4 加工液
5 タンク

Claims (2)

  1. 圧延用ロールを回転させながらその表面に沿って配置された電極群により放電ダル加工を施すに際し、異なる加工条件にセットされた2組の電極群をロール軸線と直交する同一平面上に配置し、ロールの同一表面を異なる加工条件で同時に放電加工することを特徴とする圧延用ロールの放電加工方法。
  2. 2組の電極群を異なる狙い粗度にセットする請求項1記載の圧延用ロールの放電加工方法。
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