JP4025110B2 - 超音波診断装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は超音波診断装置に関し、特にレンダリング演算によって三次元画像を形成する超音波診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
例えば、特開平10−33538号公報には、超音波三次元画像を形成する装置が開示されている。その三次元画像の形成原理について以下に説明する。生体内に設定される三次元空間に対して、複数のレイ(実際には超音波ビームに一致)が設定される。各レイごとに、順番にエコーデータが参照され、各エコーデータごとにボリュームレンダリング法に基づくレンダリング演算(ボクセル演算)が逐次的に実行される。所定の終了条件を満たした時点で、そのレンダリング演算は終了し、その時点での演算値が当該レイに対応する画素値として決定される。各レイごとに画素値を決定すれば、その集合として三次元空間を投影した三次元画像を構築できる。
【0003】
レンダリング演算は、以下のように実行される。ここで、i番目のエコーデータのエコー値(ボクセル値)をeiとし、その際のオパシティ(不透明度)をOi(但し、0≦Oi≦1.0)とし、COUTiをi番目のエコー値についての演算結果(出力光量に相当)とし、CINiをi番目のエコー値についての入力値(これはi−1番目の演算結果と同じで、入力光量)とする。
【0004】
COUTi=CINi(1−Oi)+eiOi ・・・(1)
ここで、(1−Oi)は透明度と称され、それはオパシティ(不透明度)から演算される。
【0005】
レイ上に沿って逐次的に上記演算を行っていく場合において、それと並行して各オパシティを積算し、その値が1以上になった場合には、当該レイについての演算は終了する。また、最終のエコーデータについての演算が終了した場合にも当該レイについての演算は終了する。その終了時点の出力光量が画素値に相当する。なお、オパシティはエコーデータの関数として定義され、その関数形式は一般に指数関数である。
【0006】
ところで、上記の原理を用いて、例えば心臓の三次元画像を形成するような場合、超音波ビームと並行になる心壁の表面(特に内膜)では、エコーが非常に弱くなる。一方、弁のような組織表面と超音波ビームとが交差するところでは、エコーが非常に強くなる。弁からのエコーが強いのは、血液と組織との音響インピーダンスの差が大きく、かつ、境界が超音波ビームにクロスするためである。
【0007】
従来においては、以上のような特有の事情を考慮することなく、単一のオパシティ関数を利用してオパシティを決定していた。このために、超音波ビームと並行になる心筋の表面と、弁の両者をともに明瞭に表示できる三次元画像を構築するのが困難であった。つまり、心筋の表面を明瞭に表現するためにオパシティ関数の傾きを急峻にすると、心腔内の血流部分が三次元画像上に現れやすくなって弁が不鮮明となり、その構造観察や動きの観察に支障が生じる。一方、弁の画像を優先させてオパシティ関数の傾きを緩やかにすると、今度は心筋が不明瞭になるという問題があった。心機能を評価する上で、心筋の動きを明瞭に表現することは大切である。
【0008】
本発明の目的は、ボリュームレンダリングを行う超音波診断装置において、オパシティを対象組織との関係において適切に設定できるようにすることにある。
【0009】
本発明の他の目的は、オパシティ関数の画一的な設定による問題を解消することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、各種組織を明瞭に三次元画像として表現できるようにすることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、三次元空間内において複数のエコーデータを取り込む送受波手段と、前記三次元空間に対して複数の部分空間を設定する部分空間設定手段と、前記三次元空間に対して設定される各レイごとに、レイ上の各エコーデータを順次参照し、各エコーデータごとにオパシティを利用したレンダリング演算を順次実行することにより、三次元画像を構成する画素値を決定するレンダリング演算手段と、前記三次元領域に対して設定された複数の部分空間の内で前記レンダリング演算の対象となったエコーデータが所属する所属部分空間を特定し、オパシティテーブル群の中から前記所属部分空間に対応したオパシティテーブルを選択するテーブル選択手段と、を含み、前記複数の部分空間は、前記三次元空間内における1又は複数の切断面を表す1又は複数の断層画像上において、ユーザーにより複数の領域の指定を行うことにより設定され、前記複数の部分空間は、前記複数の領域に基づき定義される複数の立体であり、前記選択されたオパシティテーブルに従って決定されるオパシティを利用して前記レンダリング演算が実行されることを特徴とする超音波診断装置に関する。
【0012】
上記構成によれば、三次元空間の全体又は一部に複数の部分空間が設定される。各エコーデータごとにレンダリング演算を実行する場合、その演算対象となったエコーデータが存在する部分空間に対応付けられたオパシティテーブルが選択され、そのオパシティテーブルに従ってオパシティが求められる。そして、そのエコーデータに対するレンダリング演算が実行される。よって、部分空間の設定によってオパシティ関数を切り換えることができるので、生体部位に応じたレンダリング条件を設定可能である。
【0013】
望ましくは、前記各レイは超音波ビームに一致する。この構成によれば迅速な三次元画像処理を行える。但し、三次元空間に対して任意の視点を設定できるようにしてもよい。
【0014】
望ましくは、前記複数の部分空間は、前記三次元空間内における1又は複数の切断面を表す1又は複数の断層画像上において、ユーザーにより複数の領域の指定を行うことにより設定される。三次元空間に対して直接的に部分空間を設定するのが困難あるいは面倒な場合には、切断面を利用して部分空間を定義するのが簡便である。
【0015】
望ましくは、前記複数の領域の指定は代表断層画像上において行われ、各領域を立体近似することにより前記複数の部分空間が設定される。立体近似(つまり領域に基づく立体の定義)は回転体近似あるいは立方体近似などの各種の手法を利用できる。もちろん、各切断面に対して個別的に領域設定を行って、結果として、部分空間を定義するようにしてもよい。部分空間の設定方法としては各種の手法を利用できる。
【0016】
望ましくは、前記代表断層画像上に設定された複数の領域を識別するために、前記代表断層画像に対してグラフィック画像を合成する手段を含む。この構成によれば、ユーザーが領域設定を行う場合に便宜を図れる。
【0017】
本発明は、三次元空間内の各ボクセルごとにエコーデータを取り込む3Dプローブと、前記三次元空間に対して複数の部分空間を設定する部分空間設定手段と、前記三次元空間に対してそれを貫通するように設定される各レイごとに、レイ上の各エコーデータを順次参照し、各エコーデータごとにレンダリング演算パラメータとしてのオパシティを利用したレンダリング演算を順次実行することにより、三次元画像を構成する画素値を決定するレンダリング演算手段と、オパシティ関数群を有する手段と、前記三次元領域に対して設定された複数の部分空間の内で前記レンダリング演算の対象となったエコーデータが所属する所属部分空間を特定し、オパシティ関数群の中から前記所属部分空間に対応したオパシティ関数を選択する手段と、を含み、前記複数の部分空間は、前記三次元空間内における1又は複数の切断面を表す1又は複数の断層画像上において、ユーザーにより複数の領域の指定を行うことにより設定され、前記複数の部分空間は、前記複数の領域に基づき定義される複数の立体であり、前記選択されたオパシティ関数に前記レンダリングの対象となったエコーデータを与えることにより求められるオパシティを利用して前記レンダリング演算が実行されることを特徴とする超音波診断装置に関する。
【0018】
望ましくは、前記複数の部分空間の内の少なくとも1つの部分空間は超音波ビームと並行になる組織表面を包含するように設定され、前記組織表面を包含するように設定された部分空間に対しては、他の部分空間に比べて、傾きが大きいオパシティ関数が対応付けられる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1には、本発明に係る超音波診断装置の全体構成がブロック図として示されている。3Dプローブ10は、三次元データ取込空間としての三次元空間を形成する超音波探触子である。具体的には超音波ビームを電子走査することにより走査面が形成され、その走査面を電子走査あるいは機械走査することにより三次元空間が形成される。本実施形態においては、3Dプローブ10が振動子ユニットとその振動子ユニットを機械走査する走査機構とを有している。振動子ユニットは1Dアレイ振動子を有し、その1Dアレイ振動子は直線配列あるいは円弧状配列された複数の振動素子によって構成される。その1Dアレイ振動子にて超音波ビームが形成され、その超音波ビームを電子走査することにより走査面が形成される。さらに、振動子ユニットを機械走査すれば、上述したように三次元空間を形成できる。振動子ユニット走査駆動部12は、上記の走査機構に対して駆動信号を供給すると共に、その機械走査を制御している。
【0021】
もちろん、いわゆる2Dアレイ振動子を用いて三次元空間を形成してもよいし、振動子ユニットを手によって走査し、これによって三次元空間を形成するようにしてもよい。
【0022】
送受信部14は、3Dプローブ10に対して送信信号を供給すると共に、3Dプローブ10から出力される受信信号に対して所定の処理を実行する。送受信部14は送信ビームフォーマー及び受信ビームフォーマーとして機能する。
【0023】
主制御部16は装置内における各構成の動作制御を行っており、上述した送受信部14及び振動子ユニット走査駆動部12はこの主制御部16によって制御される。また、後述する各構成についてもその動作が主制御部16によって制御される。
【0024】
入力器18は操作パネルなどによって構成され、入力器18から出力される信号が主制御部16に入力されている。この入力器18を用いて後述する部分空間の設定あるいは領域の設定を行うことができる。さらに、三次元画像の形成に必要な各種の条件を入力器18を用いてユーザー設定することができる。
【0025】
Bモード処理部20は、送受信部14から出力される受信信号に対してBモード画像(二次元断層画像)を形成するための信号処理を実行する。本実施形態においては、三次元領域に対して複数の部分空間を定義するために、三次元空間を実際に形成する前に特定の切断面についてBモード画像が形成されており、そのようなBモード画像の形成に際してこのBモード処理部20が機能する。もちろん、三次元画像の形成と共にBモード画像をあわせて形成するようにしてもよい。
【0026】
表示処理部22は、例えばデジタルスキャンコンバータ(DSC)によって構成され、その表示処理部22は座標変換機能やデータ補間機能などを有する。表示処理部22にはフレームメモリが設けられ、そのフレームメモリ上にはBモード画像が格納される。その画像データは読み出されて表示器24へ出力される。また、表示処理部22のフレームメモリ上には後に説明するレンダリング処理の結果として三次元画像の画像データが格納され、その画像データも読み出されて表示器24へ出力される。
【0027】
ちなみに、後に説明するように、Bモード画像の表示に際しては、そのBモード画像に対して複数の範囲を識別表示するためのグラフィック画像が合成されており、そのようなグラフィック画像が合成されたBモード画像が表示器24に表示される。
【0028】
範囲設定器26は、部分空間設定器として機能し、表示器24上に表示されたBモード画像上においてユーザーにより複数の範囲が指定された場合に、各範囲(各部分空間)を認識してその各範囲を表す座標情報をテーブル選択部28及びグラフィック画像作成部30へ出力している。
【0029】
グラフィック画像作成部30は、範囲設定器26から出力される各範囲を表す座標情報に基づいて上述したようにBモード画像に合成する各範囲を表したグラフィック画像を作成する。その画像データは表示処理部22へ出力される。
【0030】
オパシティテーブル群32は、複数のオパシティテーブル(オパシティ関数)によって構成され、実際にはそのようなオパシティテーブルはROMあるいはRAMなどに格納されている。本実施形態においては、複数のオパシティテーブルの中から各エコーデータの三次元座標に応じていずれかのオパシティテーブルを選択することができ、その選択されたオパシティテーブルに従ってレンダリング演算に必要なオパシティの値が決定される。
【0031】
3Dメモリ34は、三次元空間に対して任意の視点を設定し、その視点からみた三次元画像を形成する場合において設けられる。3Dメモリ34内には三次元空間における各ボクセルに対応したエコーデータが格納される。ただし、本実施形態においては、超音波ビームに沿ったエコーデータ列に対してその時系列順で各エコーデータについてレンダリング演算が実行されており、3Dメモリ34は基本的に不要である。
【0032】
すなわち、レンダリング演算部36は、上述した(1)式を実行しており、その場合における演算条件は主制御部16によって設定される。また、レンダリング演算において必要なオパシティ関数については、上述したように選択されたオパシティテーブルを利用することにより決定される。レンダリング演算部36に入力されるエコーデータはエコーeiを有し、それはいわゆるボクセルデータに相当する。
【0033】
オパシティテーブル群32の中から特定のオパシティテーブルを選択するために、テーブル選択部28が設けられている。このテーブル選択部28には、主制御部16からレンダリング演算部36に現在入力されているエコーデータの三次元座標すなわちボクセル座標が与えられている。上述したようにBモード画像上において複数の領域が設定され、各領域ごとにそれを立体近似することにより三次元空間内に複数の部分空間が設定される。各部分空間を特定するための座標情報は範囲設定器26からテーブル選択部28に与えられており、テーブル選択部28は入力されるボクセル座標がどの部分空間に所属するかを特定し、その特定された部分空間に対応するオパシティテーブルを選択している。各部分空間と各オパシティテーブルとの対応関係についてはテーブル選択部28が管理しており、その対応関係については主制御部16が自動的に決定するようにしてもよいし、ユーザーが入力器18を用いて指定するようにしてもよい。
【0034】
図2には、以上説明した三次元空間Vが示されている。より正確には、その三次元空間V内に設定される代表切断面101を表すように、三次元空間Vにおける一部空間が明示されている。
【0035】
なお、図においてX方向は1Dアレイ振動子における素子配列方向すなわち電子走査方向であり、Y方向は振動子ユニットの機械走査方向であり、Z方向は超音波ビーム方向すなわち深さ方向である。図2においては立体空間としての三次元空間が示されているが、三次元空間形状はもちろんアレイ振動子の構造や電子走査方式などに依存する。
【0036】
本実施形態においては、例えば3Dプローブ10における振動子ユニットを特定の位置に停止させた状態で超音波ビームの電子走査を行うことにより代表切断面101に相当する走査面が形成される。そのような代表走査面は三次元空間Vの中央を切断する面であってもよいし、ユーザーが指定した位置の切断面であってもよい。そのような代表切断面101に対応するBモード画像が形成されると、ユーザーはそのBモード画像上において上述したように複数の領域(範囲)を設定する。図2においては、Z方向に伸長した矩形領域として3つの領域110,112A,112Bが設定される。この場合において、例えば領域110をユーザーにより実際に指定させ、それ以外の領域112A,112Bを別の領域として自動認識するようにしてもよい。いずれにしても、オパシティテーブルを切り替えるためにふさわしい位置及び形態で各領域を設定するのが望ましい。このような複数の領域設定がなされると、各領域110,112A,112Bを基礎として三次元空間Vに対して複数の部分空間300,301,302が決定される。
【0037】
図2においては発明説明のため各走査面上において同一の領域設定が行われることを仮定しており、その結果、立方体形状の部分空間300,301,302が設定されている。もちろん、組織の形態に応じて各部分空間の形態を適宜設定するのが望ましく、例えば後述するように、回転体近似など利用するようにしてもよい。
【0038】
本実施形態においては、上述したように、超音波ビームBに沿って存在する各エコーデータに対して逐次的にレンダリング演算を行うことができる。その場合において、本実施形態においては、演算の開始深さ108及び終了深さ109を設定することが可能である。すなわち、各超音波ビームB上において、開始深さ108及び終了深さ109で囲まれる領域112において実際にレンダリング演算が実行されることになる。したがって、3つの部分空間300,301,302において、実際に演算対象となるのはそれらの部分空間のさらに一部分300A,301A,302Aである。もちろん、三次元空間の全体をレンダリング演算の対象とするようにしてもよい。なお、超音波ビームB上において各エコーデータごとに逐次的にレンダリング演算を行うと、その超音波ビームに対応する画素値Pが求められ、それは超音波ビームに対応する投影面上の座標x,y上にマッピングされる。各超音波ビームごとにこの作業を行うと、最終的に、複数の画素値の集合として三次元画像130が構築される。
【0039】
図3には、表示器24に表示されるBモード画像100が示されている。このBモード画像100は電子セクタ走査によって形成されたものであり、扇状の形態を有している。このような電子走査方式が適用される場合に、三次元空間は略角錐形状を有する。
【0040】
ユーザーは、このBモード画像100上において、例えば方位方向すなわち超音波ビーム方向に伸びるラインL1〜L4を移動させることにより複数の領域102,104,106を設定することができる。ここで領域104は心臓における心壁(心筋)202の内膜をできる限りカバーするように設定される領域であり、従来例で説明したように内膜210A,210Bが超音波ビームと平行となるようなところでは、エコーが非常に弱くなるため、それに対応してふさわしいオパシティ関数を選択させるために、その領域104が設定されている。また領域102は弁203をカバーし更に血液で満たされている心腔をカバーしている領域である。領域106はそれ以外の領域として定義されている。
【0041】
また上述したように、このようなBモード断層画像100上において、ユーザーはマーカーなどを上下動させることにより、演算開始深さ108及び演算終了深さ109を設定することができる。つまり、それらによって挟まれる領域112が実際にレンダリング演算の対象となる。図3に示したように、三次元空間内における代表走査面に対応するBモード画像100を用いて複数の領域を設定するようにしてもよいし、あるいは個々の走査面に対応する複数のBモード画像を順番に表示し、それぞれについて領域設定を行うようにしてもよい。またそのような領域設定を行う代表の走査面としては1つに限られず複数選択するようにしてもよいし、その場合においてはそのような複数の走査面にまたがった個々の領域をつなげることにより、それぞれの部分空間を定義することができる。
【0042】
本実施形態においては、図3に示したように、複数の領域102,104,106が設定された場合において、例えば領域102の中心軸を回転中心としてそれぞれの領域を回転体近似することにより円錐形状の部分空間が設定される。ただし、上述した部分空間の設定手法は一例であって、いずれにしても各部分空間ごとにオパシティテーブルの選択を行える限りにおいて部分空間の設定手法としては各種のものを採用することができる。
【0043】
図4には、複数のオパシティテーブルに対応する複数のオパシティ関数が示されている。図4に示されるように各オパシティ関数の傾きあるいは特性はそれぞれ相違しており、各オパシティ関数を表したものとして複数のオパシティテーブルが構成されている。各テーブルはエコーデータeiを与えるとオパシティOiを出力するテーブルである。
【0044】
以上説明した超音波診断装置の動作について説明すると、まず3Dプローブ10を用いてBモード画像が形成される。そして、そのBモード画像上において複数の領域を設定することにより、今後形成される三次元空間に対して複数の部分空間が設定される。
【0045】
その後、3Dプローブ10を用いて三次元空間が形成されると、各超音波ビームごとにエコーデータ列がレンダリング演算部36に入力されるが、その場合において演算対象となるエコーデータの三次元座標に対応していずれかのオパシティテーブルが選択されることになり、そのオパシティテーブルに対してエコーデータの値を代入することにより、オパシティが決定される。そして、そのように決定されたオパシティを利用して上記の(1)式を実行することにより、当該エコーデータについてレンダリング演算結果を得ることが可能となる。このようなレンダリング演算が超音波ビーム上における演算範囲内の各エコーデータについて行われると、最終的に求められた画素値が表示処理部22に格納されることになり、これを各超音波ビームごとに繰り返せば、表示処理部22上には各画素値がマッピングされた結果として三次元画像が構築される。
【0046】
したがって、図3に示すような領域設定を行い、領域104についてはより傾きの大きなオパシティ関数を割り当て、一方、領域102などについてはそれよりも傾きが緩やかなオパシティ関数を割り当てることにより、心筋202の内膜210A,210Bを明瞭に表示しつつ、かつ弁203を同時に明瞭に表示することが可能となる。関数の対応付けは上述したように各領域ごとに例えば入力器18を用いてユーザーが望ましいオパシティテーブルを対応づけることにより達成することができる。もちろん、あらかじめオパシティテーブル群を作成しておくことなく、各領域すなわち各部分空間が設定された段階においてユーザーがオパシティ関数を定義することにより上記の割り当てを行ってもよい。
【0047】
また、上述した(1)式は基本形であり、レンダリング演算においてはオパシティあるいはそれに相当するパラメータを利用する限りにおいて各種の演算方式を採用することが可能である。もちろん、上述した(1)式を利用し、しかも各レイを超音波ビームと一致させれば、迅速でかつ実用性の高い超音波診断装置を構成できるという利点がある。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ボリュームレンダリングを行う場合においてオパシティを対象組織との関係において適切に設定することができる。また、本発明によれば、各種の組織を明瞭に三次元画像として表現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る超音波診断装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】 三次元空間とそれに設定される複数の部分空間との関係を示す図である。
【図3】 Bモード画像上における複数の領域設定を説明するための図である。
【図4】 複数のオパシティ関数を説明するための図である。
【符号の説明】
10 3Dプローブ、14 送受信部、16 主制御部、18 入力器、20Bモード処理部、24 表示器、26 範囲設定器(部分空間設定器)、28テーブル選択部、30 グラフィック画像作成部、32 オパシティテーブル群、34 3Dメモリ、36 レンダリング演算部。
Claims (4)
- 三次元空間内において複数のエコーデータを取り込む送受波手段と、
前記三次元空間に対して複数の部分空間を設定する部分空間設定手段と、
前記三次元空間に対して設定される各レイごとに、レイ上の各エコーデータを順次参照し、各エコーデータごとにオパシティを利用したレンダリング演算を順次実行することにより、三次元画像を構成する画素値を決定するレンダリング演算手段と、
前記三次元領域に対して設定された複数の部分空間の内で前記レンダリング演算の対象となったエコーデータが所属する所属部分空間を特定し、オパシティテーブル群の中から前記所属部分空間に対応したオパシティテーブルを選択するテーブル選択手段と、
を含み、
前記複数の部分空間は、前記三次元空間内における1又は複数の切断面を表す1又は複数の断層画像上において、ユーザーにより複数の領域の指定を行うことにより設定され、
前記複数の部分空間は、前記複数の領域に基づき定義される複数の立体であり、
前記選択されたオパシティテーブルに従って決定されるオパシティを利用して前記レンダリング演算が実行され、
前記複数の部分空間の内の少なくとも1つの部分空間は超音波ビームと並行になる組織表面を包含するように設定され、
前記組織表面を包含するように設定された部分空間に対しては、他の部分空間に比べて、傾きが大きいオパシティ関数を表わすオパシティテーブルが選択されることを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項1記載の装置において、
前記複数の領域の指定は代表断層画像上において行われる、ことを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項2記載の装置において、
前記代表断層画像上に設定された複数の領域を識別するために、前記代表断層画像に対してグラフィック画像を合成する手段を含むことを特徴とする超音波診断装置。 - 三次元空間内の各ボクセルごとにエコーデータを取り込む3Dプローブと、
前記三次元空間に対して複数の部分空間を設定する部分空間設定手段と、
前記三次元空間に対してそれを貫通するように設定される各レイごとに、レイ上の各エコーデータを順次参照し、各エコーデータごとにレンダリング演算パラメータとしてのオパシティを利用したレンダリング演算を順次実行することにより、三次元画像を構成する画素値を決定するレンダリング演算手段と、
オパシティ関数群を有する手段と、
前記三次元領域に対して設定された複数の部分空間の内で前記レンダリング演算の対象となったエコーデータが所属する所属部分空間を特定し、オパシティ関数群の中から前記所属部分空間に対応したオパシティ関数を選択する手段と、
を含み、
前記複数の部分空間は、前記三次元空間内における1又は複数の切断面を表す1又は複数の断層画像上において、ユーザーにより複数の領域の指定を行うことにより設定され、
前記複数の部分空間は、前記複数の領域に基づき定義される複数の立体であり、
前記選択されたオパシティ関数に前記レンダリングの対象となったエコーデータを与えることにより求められるオパシティを利用して前記レンダリング演算が実行され、
前記複数の部分空間の内の少なくとも1つの部分空間は超音波ビームと並行になる組織表面を包含するように設定され、
前記組織表面を包含するように設定された部分空間に対しては、他の部分空間に比べて、傾きが大きいオパシティ関数が対応付けられることを特徴とする超音波診断装置。
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