JP4025084B2 - Emi測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電磁波妨害(EMI:electromagnetic interference:電波雑音干渉)を起こす電子装置のノイズ(不要輻射:不要電磁波)を空間的に2次元または3次元で測定するEMI測定技術に係わり、例えば、IC等の電子部品を搭載した配線基板における近傍電磁界の位置,大きさ,位相,周波数及び波源電荷を測定するEMI測定装置に適用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気製品全般において、電磁波妨害(EMI)の低減が課題となっている。更に最近では、製品のみならず基板部品レベル、特に半導体集積回路(IC)とそのIC搭載基板でEMIを低減することが望まれている。
【0003】
IC全体からのEMIが多いとわかって、それを減少するためのIC回路を改善する場合、あるいはIC搭載基板のEMIを減少するための回路の改善変更をする場合において、ICあるいはIC搭載基板内部には多くの電気回路が組み込まれているが、この回路から発生するEMIの電界の特定が有効である。
【0004】
3次元のノイズ測定を行うEMI電界測定装置としては、例えば、特開平9-211035号公報や電気学会発行、電気学会論文誌A,121 巻 2号,平成13年、P99〜P105 に記載されている。前者の文献には光を利用した電界測定装置が開示され、後者の文献には電界源探査に関する逆解析について開示されている。
【0005】
一方、本発明者においては、被測定物に対して3次元方向に移動する移動機構に取り付けられた測定用ループアンテナで被測定物から放射される不要輻射を測定するEMI測定装置を提案(特願平11-156317号)するとともに、EMI近磁界測定方法およびその装置を提案(特開2001-91555号)している。後者では、EMI測定データと測定近磁界電流変換マトリクスを用いて被測定物の磁界源電流すなわち波源電流を計算する構成になっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、EMI測定装置(電界センサ)において電気的即ち電気伝導線を通して電界を計測する場合、被計測物の電圧がセンサの電気伝導線を介して測定の場に関係し、これがセンサの計測出力として現れ、被計測物の発する電界のみを計測することはできない。
【0007】
この対策として、前述のように光を測定媒体あるいは信号媒体とすることにより被計測物の測定の場の電圧が計測器側に漏れない光方式の電界センサが多く提案されている。しかしこれらの光方式は構造機構が複雑であり、高価なものとなる。
【0008】
今回、本発明者においては、さらにEMI波源電荷を特定することが有効であると考えた。EMI波源電荷とは、被計測物が発するEMI電界の源となるものである。対比して、EMI波源電流はEMI磁界の源であり、この両者の源を測定,解析することが有効である。即ち、回路内部における3次元位置でのEMI波源電荷及びEMI波源電流が詳細に判明すればそのMI対策が容易に見つかるためである。
ところが、従来、電界源探査は精度が悪く波源電荷の特定はできなかった。
【0009】
本発明の目的は、EMI近傍電界について測定することができる安価なEMI測定装置を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、EMI波源電荷を測定することができる安価なEMI測定装置を提供することにある。
【0011】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面からあきらかになるであろう。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
【0013】
(1)測定用アンテナを被測定物の表面に沿って相対的に走査させながら各測定位置における不要輻射を測定するEMI測定装置であって、
前記測定用アンテナは、電荷をチャージできる所定間隔隔てて配置される一対の板状電極からなり、
前記一方の板状電極は測定用抵抗の一方の電極に接続され、
前記他方の板状電極は前記測定用抵抗の他方の電極に接続されるとともに接地電位に接続され、
前記測定用アンテナの前記一対の板状電極をそれぞれの板状電極の位置がその位置をとって変わるように機械的または電気的に回転させる回転手段を有し、
前記回転手段で設定された状態での各位置の不要輻射を測定してEMI近傍計測データを得ることを特徴とする。
【0014】
前記回転手段によって前記一対の板状電極を0度または180度回転させて、該0度または180度の状態で前記不要輻射の測定を行う。前記測定用アンテナは、前記一方の板状電極を含む配線が一面に形成された絶縁板と、前記他方の板状電極を含む配線が一面に形成された絶縁板とを有し、前記一対の板状電極は前記配線が設けられた面を介して絶縁性の接合材で張り合わせた構成になり、前記両板状電極は同じ形状で一致して重なっている。
【0015】
(2)EMI測定装置は、前記(1)の構成において、
前記測定用アンテナによる各測定位置におけるX位置データ、Y位置データ、Z位置データを含む測定位置XYZデータを収納する測定位置XYZデータ保持部と、
前記全測定位置における前記測定用アンテナが0度の時のEMI近傍計測データを収容する0度EMI近傍計測データ保持部と、
前記全測定位置における前記測定用アンテナが180度の時のEMI近傍計測データを収容する180度EMI近傍計測データ保持部と、
前記0度及び180度のEMI近傍計測データにより計算電界データを計算してその計算結果をEMI計算電界データ保持部に収納する電界データ計算手段を有する計測計算制御部と、
予めインプットできる電気伝導体などの存在位置に関する被測定物構成体存在位置UVWデータを収納する被測定物構成体存在位置UVWデータ保持部と、
前記計算電界データから計算して波源電荷を求めるとともに計算した波源電荷計算データを収納する波源電荷計算データ保持部と、
前記波源電荷の計算においては、前記計算しようとする注目の波源電荷が存在する位置を中心線付近にした薄い柱状立体を計算の対象体とし、前記薄い柱状立体内に存在する各ローカル位置での前記測定位置XYZデータ、前記被測定物構成体存在位置UVWデータ、前記計算電界データを切り出し、これをローカル位置XYZデータ保持部、ローカル被測定物構成体存在位置UVWデータ保持部、ローカル計算電界データ保持部にローカル位置XYZデータ、ローカル被測定物構成体存在位置UVWデータ、ローカル計算電界データとして収納するローカルデータ切り出し手段と、
前記ローカル位置XYZデータ保持部に収納されたローカル測定位置XYZデータ、前記ローカル被測定物構成体存在位置UVWデータ保持部に収納されたローカル被測定物構成体存在位置UVWデータにより、前記測定用アンテナの前記回転手段の回転軸の電界方向成分についてローカル近傍電界電荷マトリクスを生成し、これをローカル近傍電界電荷マトリクス保持部に収納するローカル近傍電界電荷マトリクス生成手段と、
前記ローカル計算電界データと前記ローカル近傍電界電荷マトリクスによりローカル計算波源電荷データを求め、これをローカル計算波源電荷データ保持部に収納するローカル波源電荷マトリクス計算手段と、
前記ローカル計算波源電荷データ保持部で、前記被測定物の切り出された薄い柱状立体内の注目の中心線付近の上下に存在する複数位置で求められた各波源電荷を、波源電荷データ保持部の当該位置に収納する波源電荷収納制御部とを有することを特徴とする。
【0016】
(3)EMI測定装置は、前記(2)の構成において、
前記測定位置XYZデータの測定位置は、前記測定用アンテナの先端が前記被測定物の表面上で接触あるいは極近接した1枚の曲面上にあって、あるいは、前記被測定物の裏面下に極近接したもう1枚の曲面上にあって、
波源位置UVWの波源電荷位置は、ICなどの部品搭載した多層基板の被測定物の被測定物構成体存在位置UVWデータにより、重ねられた多数枚の電気伝導体の曲面中にあるようにし、
計算しようとする注目の波源電荷は、前記注目の波源電荷の位置を中心線付近とするとともに、測定位置XYZデータの測定位置と被測定物構成体存在位置UVW位置とを含む薄い柱状立体とし、
前記薄い柱状立体内の中心線付近の注目の多数枚の電気伝導体の上下に存在する複数位置での波源電荷計算するものであり、前記薄い柱状立体を次々に移動させ、被測定物内の3次元位置での波源電荷を計算し、これを前記波源電荷データ保持部に収納し、必要域での3次元位置における波源電荷を前記計測計算制御部で求めることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、発明の実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【0018】
(実施形態1)
図1乃至図15は本発明の一実施形態(実施形態1)であるEMI測定装置に係わる図である。本発明のEMI測定装置は、半導体集積回路装置または電気回路基板である被測定物のEMIの測定解析作業において、電磁波など波源の極近傍の各測定地点で、EMI電界センサでそのEMI近傍計測データを取得し、測定各位置における電界を計算するEMI電界計算手段や、被測定物内における3次元の各位置での波源電荷の電荷計算作業を行なう波源電荷計算手段を有するものである。
【0019】
図2は本実施形態1のEMI測定装置の構成を示すブロック図である。IC搭載基板などの被測定物2の上に測定用アンテナ1を配置し、センサ移動機構部18により測定用アンテナ1を移動させ、測定用アンテナ回転軸26の0度、180度の回転動作を行う。EMI測定部19とEMI測定操作手段20によって、EMI近傍計測データの大きさと位相を計測し、被測定物2の表面上の全域で収納する測定用アンテナ回転軸26が0度の時のEMI近傍計測データ保持部4Aをもち、また、EMI近傍電界センサの測定用アンテナ回転軸26が180度の時のEMI近傍計測データを、被測定物の表面上の全域で収納する回転軸180度の時のEMI近傍計測データ保持部4Bを持つ。
【0020】
また、測定用アンテナ回転軸26が0度の時のEMI近傍計測データと、測定用アンテナ回転軸26が180度の時のEMI近傍計測データにより電界を計算する電界データ計算手段20Aがありこの結果をEMI近傍計算電界データ保持部4に収納するものである。
【0021】
また、センサ移動機構部18を操作し、測定用アンテナ1の先端が被測定物2の表面上にあり、接触あるいは極近接した時に移動を停止し、その時の測定用アンテナ1の先端のX位置データ、Y位置データ、Z位置データを得、これらを測定位置XYZデータとし、これを測定域の全域で保持できる測定位置XYZデータ保持部3に収納するセンサ移動測定位置XYZデータ操作手段21をもつ。
【0022】
ここで、EMI測定操作手段20は、測定用アンテナ回転軸26が0度の時のEMI近傍計測データと、測定用アンテナ回転軸26が180度の時のEMI近傍計測データを、それぞれ被測定物の表面上の全域で収納する回転軸0度の時のEMI近傍計測データ保持部4Aと、被測定物の表面上の全域で収納する回転軸180度の時のEMI近傍計測データ保持部4Bに、この位置でのEMI近傍計測データをこの測定位置XYZデータに対応して当該位置に収納するものである。
【0023】
また、予めインプットすることができる被測定物2の電気伝導体などの存在位置に関する被測定物構成体存在位置UVWデータを全域で収納する被測定物構成体存在位置UVWデータ保持部5をもち、また、この各位置で計算した波源電荷計算データを被測定物2の全域で収納する波源電荷データ保持部6をもつ構造になっている。
【0024】
また、EMI近傍電界センサ1が測定する測定位置XYZか存在する測定域22と被測定物2で波源電荷が存在する位置UVWを合わせた空間において、計算しようとする注目の波源電荷が存在する位置23をその中心線24の中央付近置いた薄い柱状立体8を定義する。その内に存在する各位置での測定位置XYZデータと、この各位置のEMI近傍計算電界データと、波源電荷が存在する位置UVWすなわち被測定物構成体存在位置UVWデータ、とを切り出し、これをそれぞれローカル位置XYZデータ保持部9、ローカル計算電界データ保持部11、ローカル被測定物構成体存在位置UVWデータ保持部10に収納するローカルデータ切り出し手段12を備える。
【0025】
つぎに、ローカル近傍電界電荷マトリクス保持部13があり、ローカル測定位置XYZデータとローカル被測定物構成体存在位置UVWデータにより、ローカル近傍電界電荷マトリクスを生成し、これをローカル近傍電界電荷マトリクス保持部13に収納するローカル近傍電界電荷マトリクス生成手段14を備える。
【0026】
また、ローカル計算波源電荷データ保持部16があり、ローカルEMI近傍電界データとローカル近傍電界電荷マトリクスにより、ローカル計算波源電荷データを求め、ローカル計算波源電荷データ保持部16に保持するローカル波源電荷マトリクス計算手段15を備え、これにより、ローカル計算波源電荷データで、被測定物2の切り出された電界センサ内の注目の中心線24付近の被測定物2で注目の波源電荷が存在する位置23での上下に存在する複数位置での各波源電荷データを、波源電荷データ保持部6の当該位置に収納する波源電荷収納御部17を備えたEMI波源電荷計算装置である。
【0027】
さらに、測定域22において、測定位置XYZデータの測定位置は、EMI近傍電界センサ1の先端が被測定物2の表面上で接触あるいは極近接した1枚の曲面上にあって、あるいは別工程測定作業で、被測定物2の裏面下に極近接したもう1枚の曲面上にあるようにするセンサ移動測定位置XYZデータ操作手段21であり、波源位置UVWの波源電荷位置は、ICなどの部品搭載した多層基板の被測定物2の被測定物構成体存在位置UVWデータにより、重ねられた多数枚の電気伝導体の曲面中にあるようにし、計算しようとする注目の波源電荷が存在する位置23を中心線24付近にした測定位置XYZデータの測定位置と被測定物構成体存在位置UVW位置とを含む薄い柱状立体8の定義により、薄い柱状立体8内の中心線24付近の位置23で注目の多数枚の電気伝導体の上下に存在する複数位置での波源電荷計算するものであり、薄い柱状立体8を次々に移動させ、被測定物2内の3次元位置での波源電荷を計算し、これを波源電荷計算データ保持部6に収納し、被測定物2の必要域での3次元位置における波源電荷を求める働きをする計測計算制御部7を備えたEMI波源電荷計算装置である。
【0028】
本実施形態1のEMI測定装置では、図4の矢印に示すように、被測定物2の表面(上面)に沿って測定用アンテナ1を移動(走査)させ、かつ各測定位置で被測定物2から放射される不要電磁波を測定するものである。同図において測定用アンテナ1を被測定物2の表面に沿って移動しながら不要電磁波を測定する。測定用アンテナ1による測定高さは、例えば、被測定物2の表面から一定距離離した高さであり、かつ1〜2mm程度以下と極近接した高さとする。そして、この極近接した高さで得たEMI測定データと、この高さ位置すなわち測定位置XYZデータで生成したローカル近傍電界電荷マトリクスなどを用いて計算して被測定物の電界源である波源電荷を求める。
【0029】
被測定物2は、例えば、配線基板2aと、この配線基板2a上に搭載された複数のICや受動部品等の電子部品2b,2c,2dとからなる。また、測定用アンテナ1はセンサ移動機構部18の保持回転機構18aに保持され、回転制御される構造になっている。
【0030】
測定用アンテナ1は図1に示すようになっている。図1は測定用アンテナ1を含むセンサ機構の模式図である。測定用アンテナ1は、電荷をチャージできる所定間隔(d)隔てて配置される一対の板状電極101からなっている。一方の板状電極101(測定板状電極101a)は、EMI測定部19の測定用抵抗102の一方の電極に接続され、他方の板状電極101(アース板状電極101b)は測定用抵抗102の他方の電極に接続されるとともに接地電位に接続されている。
【0031】
また、測定用アンテナ1の一対の板状電極(測定板状電極101a,アース板状電極101b)をそれぞれの板状電極の位置がその位置をとって変わるように機械的または電気的に回転させる回転手段を有している。この回転手段によって、一対の板状電極101は0度の姿勢と回転した180度の姿勢を取ることができ、この0度と180度の状態での各位置の不要輻射が測定される。
【0032】
回転手段は一対の板状電極を機械的に回転させる手段、一対の板状電極を機械的には回転させないが、代わりに電気的手段で極性を変えてあたかも回転させたようにする手段(図8及び図9で示す第1・第2変形例)がある。
【0033】
この構造は、換言するならば下記のようにも表現できる。図1に示すように、電荷をチャージする測定板状電極101aが測定用抵抗102の一方の電極に接続されていて、電荷をチャージするアース板状電極101bが測定用抵抗102の他方の電極に接続されている。アース板状電極101bはグランドに接地されている。また、電荷をチャージする測定板状電極101aと電荷をチャージするアース板状電極101bが短い距離(d)で互いに平行で接近している。一対の板状電極101(測定板状電極101a,アース板状電極101b)は共に平板電極となっている。また、平板電極の平面の中心を通る前記平面に垂直な垂直中心軸104に対して両板状電極は入れ代わる形状である(測定用アンテナ回転軸26に対して軸対称である)。垂直中心軸104の方向は測定する電界方向となっている。
【0034】
測定板状電極101aに連なる配線101A及びアース板状電極101bに連なる配線101Bは、共に板状電極101の上縁の中心部分から真っ直ぐに上方に延在している。この延在方向は被測定物2に対して法線方向となる。この一対の板状電極の配線101A,101Bの中間を前記法線方向に沿って延在する軸が一対の板状電極の測定用アンテナ回転軸26となっている。そして、一対の板状電極は測定用アンテナ回転軸26を中心として正負の方向にそれぞれ回転可能になり、一対の板状電極を回転0度または180度の位置にすることができる。不要輻射はこの0度または180度の状態で測定される。
【0035】
図1に示す測定用アンテナ1は概念的なものである。実際の測定用アンテナ1は図3(a)〜(c)に示すようになっている。図3(a)は測定用アンテナ1の正面図、図3(b)は図3(a)のA−A線に沿う断面図、図3(c)は測定用アンテナ1形成前の部品を示す模式図である。
【0036】
実際の測定用アンテナ1は、図3(b)に示すように、一対の絶縁板51,52(例えば、プリント基板)を絶縁性の接合材53(例えば、エポキシ樹脂)で張り合わせた構造になっている。一対の絶縁板51,52は、図3(c)に示すように、その一面に板状電極101となる測定板状電極101aまたはアース板状電極101bを含む配線101A・Bを有する構造となり、この板状電極101を有する面が接合材53で張り付けられている。
【0037】
板状電極101及び配線101A・Bは、例えば、厚さtからなる銅で形成されるとともに、板状電極101は共に直径Dなる円形板となっている。例えば、Dは0.8mmとなり、配線幅Wは0.1mmとなる。また絶縁板51,52の厚さは0.1〜0.5mmとなる。接合材53の厚さは0.01〜0.1mm程度の厚さとなり、測定板状電極101aとアース板状電極101bを電気的に独立させた状態を維持できる厚さになっている。また、厚さtは0.01〜0.03mm程度である。
【0038】
絶縁板51,52はプローブを保持することができる。また、測定板状電極101a及び配線101Aは、アース板状電極101b及び配線101Bと同一パターンとなり、張り合わせによって完全に一致して重なるようになっている。なお、板状電極101の形状は四角形や円形に限定されるものではなく、測定板状電極101aとアース板状電極101bが同一形状であれば他の形状でもよい。
【0039】
本実施形態1では、移動機構部によりEMI測定用センサを被測定物に接触かあるいは最接近状態で移動させ、これらの位置の、測定データの大きさとその位相すなわちEMI近傍の計測データを計測する。即ち、図7において、測定用アンテナ1は不要輻射を測定するアンテナであり、基点アンテナ25は位相の基本となるためのデータを得るため設けられたアンテナである。作業開始時にこの基点アンテナ25によって基点アンテナ25の真下の不要輻射を測定し、そのデータを確認しておくことによって、測定用アンテナ1の測定データの位相と大きさを測定することができる。このような構成については、特願平11−156317、特願平11−265816に開示されている。
【0040】
つぎに、測定について説明する。測定に際しては、測定用アンテナ1を測定用アンテナ回転軸26で0度あるいは180度のいずれかに設定する。例えば、最初に0度の姿勢にする。平面方向XYおよびZ方向即ち上下方向に移動させることができるセンサ移動機構部18は、測定用アンテナ1の先端が被測定物2に接触あるいは極近接した時、信号を発するようになっている。この時、測定用アンテナ1の移動を停止させ、この時のX位置データ、およびY位置データ、Z位置データを得る。これらは被測定物2表面上での最接近位置であり、これをを測定位置XYZデータとするものである。
【0041】
測定用アンテナ1は、基点アンテナ25の位相の基点に対してこの測定点位置での測定用アンテナ回転軸26の0度あるいは180度のEMI近傍計測データを得るものである。即ち、この測定点位置の測定データにおいて、測定用アンテナ回転軸26の0度の大きさと位相をS0e(jα0)、測定用アンテナ回転軸26の180度の大きさと位相をS1e(jα1)のようなかたちで0度、180度のそれぞれの回転角度でEMI近傍計測データとして得られるものである。
【0042】
つぎに、測定用アンテナ回転軸26の0度と180度のときの大きさと位相を計測したEMI近傍計測データによりEMI近傍計算電界データを計算し求める方法を次に説明する。
【0043】
図4において、測定用アンテナ1は扱う周波数の波長より十分小さいとして、被測定物2が発する電界の場、電位の場にあるので、測定用アンテナ1にある電荷、被測定物2にあるすべての電荷を考えた場合、測定用アンテナ1の空間位置での電界、電位は各個々の電荷により生じる電界、電位をすべて加算したものになる、よって扱う周波数ωで、次の式が近似的に成り立つ。
【0044】
【数1】
Figure 0004025084
【数2】
Figure 0004025084
【0045】
なお、数式において、文字の上にあるドットの表現は波を複素数で表現したものであり、文章ではアンダーラインを付すものとする。代表して例えば、s0=qs0ej(ωt+αqs0)の場合、eは自然対数の底、jは√‐1、tは時間、qs0はs0の大きさ、αqs0はs0の位相であるというような表現である。
【0046】
ここで、s0 は測定用アンテナ1の電荷をチャージする測定板状電極101aの内側の垂直中心軸104方向の電界、
s0は測定板状電極101aの電荷、
B0はアース板状電極101bの電荷、
sは測定板状電極101a及びアース板状電極101bの面積、
dは一対の板状電極101(測定板状電極101a及びアース板状電極101b)の距離、
εは誘電率、
αは電荷をチャージする板状電極の電位関係の定数、
B は測定回路ループの発生ノイズ電圧、
は被測定物2から発生する測定用アンテナ1の垂直中心軸104方向の電界、
は被測定物2から発生する電位である。
【0047】
また、測定板状電極101aから流れ出る電流0 と、測定用抵抗102の抵抗Zと、測定板状電極101aの内側の電界s0 との関係は次のような数式になる。
【0048】
【数3】
Figure 0004025084
【数4】
Figure 0004025084
【0049】
つぎに、測定用アンテナ1を測定用アンテナ回転軸26で180度回転裏表反転させた時、電荷をチャージする測定板状電極101aと電荷をチャージするアース板状電極101bは測定用アンテナ回転軸26に軸対称の構造を特徴としているので、同様に次の式が成り立つ。
【0050】
【数5】
Figure 0004025084
【数6】
Figure 0004025084
【0051】
ここで、以下は測定用アンテナ1を測定用アンテナ回転軸26で180度回転裏表反転させた時を表し、s1 は電荷をチャージする測定板状電極101aの内側の垂直中心軸104方向の電界、
s1は測定板状電極101aの電荷、
B1はアース板状電極101bの電荷、
B は測定回路ループの発生ノイズ電圧、
は被測定物2から発生する垂直中心軸104方向の電界、
は被測定物2から発生する電位で両者は0度と180度で略同じものとなる。
【0052】
また同じように、測定板状電極101aから流れ出る電流1 と、測定用抵抗102の抵抗Zと、s1 との関係は次のようになる。
【0053】
【数7】
Figure 0004025084
【数8】
Figure 0004025084
【0054】
さらに、測定用アンテナ回転軸26で0度の計測データ値0、測定用アンテナ回転軸26で180度の回転位置での計測データ値1については、次のような関係がある。
【0055】
【数9】
Figure 0004025084
【数10】
Figure 0004025084
【0056】
以上の関係式を整理すると、結局、次の複素数の式で表せる。
【数11】
Figure 0004025084
【0057】
ところで、Con st はωが周波数100MHzから1000MHz、また、Zが50Ωから500Ωのレベルにおいてほぼ次の近似式として表される。
【0058】
【数12】
Figure 0004025084
【0059】
本式により、EMI近傍計測データS0e(jα0)とS1e(jα1)の差は被測定物2のすべての電荷より発する電界の場の合計である電界で、測定用アンテナ1の垂直中心軸104方向の電界であるEe(jαe)に比例したものとなる。即ち、電気伝導線を通して信号を測定する本発明の測定用アンテナ1を使用し、測定用アンテナ回転軸26で0度、180度の回転動作させ、EMI近傍計測データを得ることにより、被測定物2自体が発生する電界について、測定用アンテナ1の垂直中心軸104方向の電界を計算し得ることができる。
【0060】
式でわかるように、測定板状電極101a及びアース板状電極101bの各板の面積sは測定分解能を考えたうえで大きいほど出力が出せる。また測定板状電極101aとアース板状電極101bとの近接した距離dについては、結果の式に関係していないが、測定誤差が少ないと思われる極短い距離のほうが良いと考える。例えば、0.01〜0.1mm程度が好ましい。
【0061】
ここでまた式より、測定回路ループの発生ノイズ電圧B 、さらに被測定物2と計測器側からリード線を介して測定の場に現れて計測出力となる電位を都合よくキャンセルしている。これは計算上において、被測定物2と計測器側の電圧電位、発生ノイズ電圧B が関わらなくなり、測定用アンテナ1のリード線が存在していないのと同等である。このように計算結果として測定用アンテナ1の垂直中心軸104の方向で特定された電界が容易に求まることになり、これが本発明の測定用アンテナ1の特徴である。
【0062】
従ってこれに準じ、測定用アンテナ1で被測定物2の表面上の全域でのEMI近傍計測データの個々の計算を続け、被測定物2の表面上の全域でのEMI近傍計算電界データEe(jαe)を得ることができる。
【0063】
つぎに、測定用アンテナ1は測定用アンテナ回転軸26に対して回転動作がない場合に、図8に本実施形態1の第1変形例を説明する。測定用アンテナ回転軸26(図1参照)の0度の時のEMI近傍計測データと、測定用アンテナ回転軸26(図1参照)の180度の時のEMI近傍計測データとを同等に取得するため、測定側板切り替えスイッチ105を備える。スイッチ105をa側にして計測データとった場合は測定用アンテナ回転軸26の0度の時のEMI近傍計測データとし、スイッチ105をb側にして計測データをとった場合は測定用アンテナ回転軸26の180度の時のEMI近傍計測データとする。
【0064】
このようにすることにより、数1から数12が同様に成立し、従って、測定用アンテナ1は測定側板切り替えスイッチ105を切り替えることにより、測定用アンテナ回転軸26で回転動作がなくても同様の機能を持つことができる。また回転しない構造上、垂直中心軸104の方向がZ方向など制限なく選べ便利に利用できる。
【0065】
つぎにまた、測定用アンテナ回転軸26において回転動作がない場合に、図9に本実施形態1の第2変形例を説明する。電荷をチャージする第2の測定側板101cが第2の測定用抵抗107に接続しており、アース板状電極101bを真中にして電荷をチャージする測定板状電極101aに対称に相対して電荷をチャージする第2の測定側板101cがある3板構造であり、電荷をチャージする測定板状電極101aと電荷をチャージする第2の測定側板101cについて電気接続(電流,電磁による接続以外に電界,磁界による接続を含む)していて、互いに引き算演算する計算器108を備えた測定用アンテナ1aである。
【0066】
この3板構造の測定用アンテナ1aにおいても、数1から数12との内容で同等な関係式ができ、本測定用アンテナ1aの垂直中心軸104の方向成分としての、EMI近傍計算電界データは、計算器108で引き算演算することで得られる。
【0067】
即ち、測定用アンテナ1aを用いる場合は、電荷をチャージする測定板状電極101aの大きさと位相S0e(jα0)、電荷をチャージする第2の測定側板101cの大きさと位相S1e(jα1)のようなEMI近傍計測データを直接に計測する必要がなく、これらを計算器108で直に引き算演算することで、EMI近傍計算電界データの大きさと位相Eej(αe)を直に得られることであり、非常に便利に利用できる。
【0068】
また、アース板状電極101bのリード線をシールドに用いて、シールドでき、電荷をチャージする測定板状電極101aと電荷をチャージする第2の測定側板101cの両リード線の構造を配置的に同等とできるため、計測精度が向上するという利点がある。
【0069】
また、アース板状電極101bのリード線をシールドに用いる場合で、アース板状電極101b自体が存在せずこのリード線がシールドとして存在する状態で、電荷をチャージする測定板状電極101aと電荷をチャージする第2の測定側板101cの2枚で構成してもよく、本構成においても同等機能が得られ有効であることをいっておく。
【0070】
つぎに、測定用アンテナ1から得られるEMI近傍計算電界データにより被測定物2の波源電荷を計算する方法を説明する。
【0071】
今、EMI電界センサ1の位置と被測定物構成体存在位置UVW位置とを含む薄い柱状立体8において、薄い柱状立体8の幅が、扱う周波数の波長より十分小さいとする。このとき、距離による位相遅れを無視することができる。また、薄い柱状立体8内の電荷よって電界が引き起こされるものとする。また、このような形態においてさらに次の特徴があげられる。
【0072】
(1)測定用アンテナ1はIC搭載基板である被測定物2に極近接している。
【0073】
(2)IC搭載基板である被測定物2は厚さが極薄く横に広がる電気伝導体層を挿んだ平板形状である。
【0074】
この特徴(1)(2)を利用して柱状立体8は被測定物2のローカル域とし、ローカル的に扱って計算を行うものである。即ち、本実施形態1において、薄い柱状立体8において、ローカルの計算式が成り立つとするのである。この作業を次に説明する。
【0075】
ここで薄い柱状立体8内に注目して、本実施形態1では、図10の本発明における離散化断面説明図を見て、被測定物2は電気伝導体の立体的な網目形状と見做し、この網目で形成されたスケルトン状態で網目体のようなものとする。
【0076】
図10において測定位置XYZデータの位置は、被測定物2の表の面上にある1枚の測定位置XYZデータ面27の場合であり、被測定物2として被測定物構成体存在位置UVWをUVWデータ網目体28にある4枚の電気伝導体とし、この網目体上での電荷源として構成した多層基板である。
【0077】
ここで、測定位置XYのピッチΔX、ΔYは網目体28のU、VのピッチΔU、ΔVの半分とする。これは1枚の測定位置XYZデータ面27の測定位置XYZの個数と被測定物2のUVWデータ網目体28の面を4枚とし、被測定物構成体存在位置UVW、即ちUVWデータ網目体28の点の個数を等しくさせるためである。また、UVWデータ網目体28の点の電荷が0の既知の電荷点を除外しUVWの点の個数減じて、測定位置XYZの点の個数と網目体の面の4枚の波源電荷位置UVWの点の個数を等しくする処置をする。このようにして、後に説明する連立方程式が解けるようにする。
【0078】
今、測定域22にある薄い柱状立体8内で、測定用アンテナ1の垂直中心軸104方向についてEe(jαe)とする。ここでEは垂直中心軸104方向の電界成分の大きさ、αeは位相である。
【0079】
また、薄い柱状立体8内について、波源位置UVWは被測定物2の構成体存在位置UVWの網目交点とし、波源はこの各網目交点にある点電荷として考え、Qe(jαq)とする。
【0080】
つぎに、本実施形態1では、薄い柱状立体8内の各点電荷が引き起こす電界をすべて加算したものが電界となるとする。また、電界は電荷と電荷の流れ即ち電流により引き起こされるが、本発明の説明では、電荷の流れ即ち電流の影響は微小とし、その位置にある電荷に注目し、EMI近傍計算電界データとなる測定用アンテナ1の垂直中心軸104方向の電界成分である電界Ee(jαe)を、静電荷にならって次ぎの式として説明する。
【0081】
【数13】
Figure 0004025084
ここで、rは測定用アンテナ1の測定位置である測定位置XYZ点と波源位置UVWの網目交点との距離ベクトルRの大きさ、
θはベクトルRと測定用アンテナ1の垂直中心軸104となす角度、Σは各点の電荷Qe(jαq)に起因するものについてすべて加算することを意味する。
【0082】
ここで本発明の特徴として、数式13は前に説明したように薄い柱状立体8内についてのローカルなものとして成立するとしているので、これにLの文字をつけ、形式的に書いて次のマトリクス式の連立方程式を得る。
【0083】
【数14】
Figure 0004025084
【0084】
ここでこのように、薄い柱状立体8内において、電界[E]Lと、存在しているべき電荷[Q]Lと、これを関係付けるローカル近傍電界電荷変換マトリクス[M]Lの関係が成立する。ここで本発明では[M]Lを静電荷の場合とみたてて説明をしているが、一般に[M]Lは、いわゆるベクトルポテンシャル、スカラポテンシャルの電気磁気ポテンシャルにより決めてよいものであり、このときも電界[E]Lは、波源電荷[Q]Lと近傍電界電荷変換マトリクス[M]Lで関係づけられ利用できることを言っておく。
【0085】
つぎに説明をすすめて、薄い柱状立体8が有限であるため、この各位置範囲で測定し、計算で出した電界[E]Lのデータで逆計算される電荷[Q]Lは薄い柱状立体8周辺部において真の電荷に対して当然ずれるのであるが、しかし、電荷[Q]Lの薄い柱状立体8の中心線24付近の中央部においては真の電荷とみなすことができるのである。
【0086】
この理由は先にのべた特徴(1)(2)の考えを導入したものである。それは、[M]Lを構築する数式13の項のなかで、(1/rr)の値を見て分かるように薄い柱状立体8の中心部でrが近接され小さいのでこの値は大きくなり、また、周辺部でrが大きいので、値は急速に小さくなる。この結果、本発明では、電荷[Q]Lの薄い柱状立体8の中心線24付近の中央部において真の電荷とみなせるのである。
【0087】
よって、本発明では、薄い柱状立体8の中心線24付近の位置、すなわち被測定物2の網目体の面の4枚それぞれの計算すべき注目の波源電荷とし、これが存在する位置23a、23b、23c、23dなどの位置で電荷を求める。この1つの計算の例として次のように計算する。
【0088】
まず、マトリクス式の連立方程式数式14を実用的には共役勾配法などで解き、ローカル計算波源電荷[Q]Lのすべてを求め、この電荷の内、求める位置23a、23b、23c、23dのみについて注目すればよい。
【0089】
以上の説明をもとに、本発明のEMI測定装置を用い、波源電荷の計算作業の第1の実施例として図11のフローチャートにより説明する。
【0090】
以下の作業において計測計算制御部7が操作と計算処理を行なう。
(1)ステップ101において、多層基板である被測定物2の全域の電気伝導体存在位置を、被測定物構成体存在位置UVWデータ保持部5に読み込み保持する。これらは網目体の面の4枚で各面の高さはd/3などで被測定物2である多層基板製作寸法データであり、インプットすることができるものである。
【0091】
(2)ステップ102において、センサ移動機構部18により測定用アンテナ1をΔX、ΔYの位置において、多層基板の被測定物2上で接触かあるいは最接近状態で移動、停止させ、これらの位置の測定位置XYZデータを測定域の全域で保持できる測定位置XYZデータ保持部3に収納する、またこの位置で、センサ回転軸26が0度の時のEMI近傍計測データと、センサ回転軸26が180度の時のEMI近傍計測データを、それぞれ被測定物の表面上の全域で収納する回転軸0度の時のEMI近傍計測データ保持部4Aと、被測定物の表面上の全域で収納する回転軸180度の時のEMI近傍計測データ保持部4Bに収納する。
【0092】
(3)ステップ103において、センサ回転軸26が0度の時のEMI近傍計測データと、センサ回転軸26が180度の時のEMI近傍計測データにより数式11によって、本測定用アンテナ1の垂直中心軸104の方向成分としてのEMI近傍計算電界データを計算し、それぞれ被測定物の表面上の全域でEMI近傍計算電界データ保持部の当該位置に収納する。即ち、ここで被測定物2の表面上の全域でEMI近傍電界が求まった。
【0093】
(4)ステップ104において、多層基板の被測定物2において求めたい計算波源電荷域を決める。
【0094】
(5)ステップ105において、被測定物2の網目体の面の4枚の電気伝導体の存在位置すなわち、各面で波源電荷が存在する位置23a、23b、23c、23dのそれぞれの4個所を上下に合わせて決める。
【0095】
(6)ステップ106において、上下に合わせた波源位置4個所をもつ中心線24を中心にした最初の薄い柱状立体8を決める。この薄い柱状立体8は指定された波源位置よってピッチΔX、ΔYで移動しつつ計算して行くものである。
【0096】
(7)ステップ107において、本例の薄い柱状立体8の説明については、図10に示すものであり、その内側に存在する各位置での測定位置XYZデータと、この各位置のEMI近傍計算電界データと、測定物構成体存在位置UVWデータとを切り出し、これをそれぞれローカル測定位置XYZデータ保持部9、ローカル計算電界データ保持部11、ローカル被測定物構成体存在位置UVWデータ保持部10、に収納する。
【0097】
なお、薄い柱状立体8の大きさの目安として、厚みTが0. 9mmに対し幅Lが4.5mmの薄い柱状立体である。被測定物2の厚さtは0. 6mmで、4枚の網目体の面の幅は0. 2mmであり、切り出した計算電荷位置の網目体U、VのピッチΔU、ΔVは0.3mmで、測定位置XYZの位置ついてはΔX、ΔYを0.15mmとし、ΔU、ΔVの1/2の目安であるとする。
【0098】
(8)ステップ108において、ローカル近傍電界電荷マトリクス生成手段14により、ローカル位置XYZデータ保持部9、ローカル被測定物構成体存在位置UVWデータ保持部10のデータにより測定用アンテナ(EMI近傍電界センサ)1の垂直中心軸104の方向において、ローカル近傍電界電荷マトリクス[ M]Lを生成し、これをローカル近傍電界電荷マトリクス保持部13に保持する。なおこの場合、ローカル位置XYZ位置の個数とローカル被測定物構成体存在UVW位置の個数を一致させるようにしておく。
【0099】
(9)ステップ109において、ローカル波源電荷マトリクス計算手段15により、ローカル近傍電界電荷マトリクスとローカル計算電界データにより一次多次元連立方程式(数式14)を形成する。
【0100】
つぎに、ここではこれを共役勾配法によって誤差が少なくなるまでローカル波源電荷〔Q〕Lを計算し、結果をローカル計算波源電荷データ保持部16に収納保持する。
【0101】
(10)ステップ110において、ローカル計算波源電荷データ保持部16の中心に、求めるべき薄い柱状立体8の中心線24に存在する位置23、23a、23b、23c、23dの電荷Qa、Qb、Qc、Qdが、それぞれ、Qae(jαae)、Qbe(jαb e)、Qce(jαce)、Qde(jαde)として求まっている。これを波源電荷計算データ保持部6の該当場所に格納、保持する。
【0102】
(11)ステップ111において、計測計算制御部7として、次の計算すべき波源位置をきめ、次の薄い柱状立体8を決めてゆくようにし、ステップ106からステップ110を繰り返し作業し、計算すべき波源電荷域の計算値を波源電荷データ保持部6の該当場所に次次と格納、保持するように作業し、必要な波源電荷域の波源電荷を求める。
【0103】
以上の第1の実施例に続いて、EMI近傍電界センサ1を用いた波源電荷の計算作業の実例である第2の実施例について図12を参照しながら説明する。
【0104】
図12は第2の実施例における薄い柱状立体8aを示す。測定位置XYZデータの測定面27aが1枚であり、また、UVW網目体28aでは電気伝導面が2枚である。被測定物2aの構造は幅が1.2mmの薄いA伝導体ライン29が手前から向こうにあり、波源電荷がチャージしている。また、その下に全面に設けたB伝導体30があり、波源電荷が中央付近にチャージして分布すべき例である。
【0105】
本例の薄い柱状立体8aの説明図の図12では、電荷はV方向無限遠にあるとし、U方向の両端の端方では電荷がないとするので、測定作業は薄い柱状立体8aの1個のみ対象とし作業を簡単にする。すなわち、厚みTが1.0mmで、幅Lが6.0mmの薄い柱状立体8aの1個を考える。切り出した測定位置XYZの位置ピッチについてΔX、ΔYを0.2mm、計算電荷位置の網目体U、VのピッチΔU、ΔVは0.4mmで、A伝導体ライン29とB伝導体30の厚さtは0. 6mmの目安である。
【0106】
本実施例では、測定用アンテナ1の垂直中心軸104の方向はX方向であり、計算電界はX方向に関わるものとする。
【0107】
本実施例を、第1の実施例で既に説明した図11によってつぎに説明する。
(1)ステップ101において、A伝導体ライン29、B伝導体30の電気伝導体存在位置を、被測定物構成体存在位置UVWデータ保持部5に読み込み保持する。
【0108】
(2)ステップ102において、EMI近傍計算電界データセンサ移動機構部18により測定用アンテナ1をΔX、ΔYの各位置に移動させておいて、被測定物2aの薄い柱状立体8aの範囲について、測定位置XYZデータ面27aの測定位置XYZデータを測定位置XYZデータ保持部3に収納し、また、センサ回転軸26が0度の時のEMI近傍計測データと、センサ回転軸26が180度の時とのEMI近傍計測データも収納する。
【0109】
(3)ステップ103において、EMI近傍計測データにより被測定物2aの薄い柱状立体8aの域で、ここではX方向の電界であるEMI近傍計算電界を求める。
【0110】
(4)ステップ104において、求めたい計算波源電荷域を被測定物2aの薄い柱状立体8aの1個のみとする。
【0111】
(5)ステップ105において、本例では、被測定物2aの網目体でV方向中央部におけるUW面31の波源電荷が正しい値となるので本面の各網点の計算電荷データ結果に注目するものとする。
【0112】
(6)ステップ106において、薄い柱状立体8aで行うものである。
【0113】
(7)ステップ107において、被測定物2aの薄い柱状立体8aでの各位置での測定位置XYZデータと、この各位置のEMI近傍計算電界データと、測定物構成体存在位置UVWデータとを、それぞれそのままローカル測定位置XYZデータ保持部9、ローカル計算電界データ保持部11、ローカル被測定物構成体存在位置UVWデータ保持部10に収納する。
【0114】
(8)ステップ108において、ローカル近傍電界電荷マトリクス生成手段14により、測定用アンテナ1の垂直中心軸104の方向、すなわちX方向についての、ローカル近傍電界電荷マトリクス[M]L’を生成し、これをローカル近傍電界電荷マトリクス保持部13に保持する。なおこの場合ローカル位置XYZ位置の個数とローカル被測定物構成体存在UVW位置の個数を一致させるようにしておく。
【0115】
(9)ステップ109において、ローカル波源電荷マトリクス計算手段15により、ローカル近傍電界電荷マトリクス[M]L’とローカル計算電界データ[E]L’とローカル計算波源電荷データ[Q]L’とで一次多次元連立方程式を次に形成する。
【0116】
【数15】
Figure 0004025084
【0117】
これを解いて[Q]L’の結果をローカル計算波源電荷データ保持部16に収納保持する。この場合、V方向中央部におけるUW面31付近の位置は略正しい値とすることができる。よって、被測定物2aの網目体でV方向中央部におけるUW面31の相当部を、求めるべき計算波源電荷としておく。
【0118】
(10)ステップ110において、本例では被測定物2aの網目体でV方向中央部におけるUW面31の相当部の計算波源電荷データを波源電荷データ保持部6の該当場所に格納、保持して終了するものとする。
【0119】
以上により実例である第2の実施例で、波源電荷がで計算できる。本作業結果を次に説明する。図13に測定位置XYZデータ面27aでの測定用アンテナ1が回転軸0度と180度の時のEMI近傍計測データ取得例を示す。本実施例では測定用アンテナ1の垂直中心軸104の方向、すなわちX方向で計測されている。またこれより計算したEMI近傍計算電界データ例は、X方向についてのEMI近傍計算電界データ例である。また、このEMI近傍計算電界データとローカルの近傍電界電荷マトリクスにより共役勾配法で求めた計算波源電荷データ例も示す。本例において、計算波源電荷データではV方向の手前と奥にアンマッチな不具合なデータが見える。しかしすでに説明したように、V方向中央部におけるUW面31付近は正しい値を示していることが解る。図14に被測定物2aの網目体でV方向中央部におけるUW面31の切り取りデータを示す。A伝導体ライン29の波源電荷のチャージ32また、B伝導体30の波源電荷のチャージ分布33を示していて、理論的な傾向に一致した結果となっている。このことは本発明の装置としての計算電荷推定値としては満足するものである。
【0120】
ここで、半導体ICの製品設計試作工程の検査工程において本発明を利用した第3の実例について説明する。図5及び図6は、例えば図4の被測定物2を示すものであり、電子部品2bが半導体ICとしてマイクロコンピュータの例である。
【0121】
図5及び図6に示すマイクロコンピュータ34は製品回路設計、ウエハ加工工程、パッケージ組み立て工程を経たものを示す。本例では、パッケージ組み立て工程が終わった後、検査工程においてEMIの電界の大きさの測定と計算を実施する。この結果と、製品回路設計であらかじめシュミレーションした結果と比較し、解析、検討を実施する。この作業で、EMIの電界の大きさの測定をみて製品回路を設計変更し、またシュミレーション方法も改善し、改めて試作しなおし、EMI低減を図っていくことができる。
【0122】
ここで、この半導体試作工程の検査工程の測定例について説明する。図5及び図6に示すのマイクロコンピュータ(半導体装置)34は、半導体チップ36とリード37の内端側を樹脂パッケージ35の内部に有する構造になっている。また、樹脂パッケージ35の周面からはリード37が突出し外部電極端子を構成している。実施形態ではリード37は表面実装が可能なガルウィング型となっている。図示はしないが樹脂パッケージ35内においてリード37と半導体チップ36の図示しない電極は導電性のワイヤで接続されている。マイクロコンピュータ34は配線基板38に実装されている。
【0123】
EMIの発生源は半導体チップ36であり、ここからのEMI放射がポイントであり、半導体チップ36を保護する樹脂パッケージ35上で測定した例である。本例では、樹脂パッケージ35面より0.4mm離れた面を測定平面40とし30点×30点で測定したものである。図15に測定値例を示す。技術上で電界を、X方向、Y方向を含む平面方向電界における最大値41を計算し図示したものである。81MHzが主体であり、本例はこの周波数での電界である。図15に示すように、最大値41は2箇所に現れている。
【0124】
一般に測定面の電磁エネルギの流出はポインティングベクトルで示される。ポインティングベクトルは電界と磁界のべクトル積で表され、本例のように電界が測定計算されて、磁界とのべクトル積が計算できる。従来は磁界計測のみであったので、電磁エネルギを求めることができなっかたが、本実施形態1の測定によりポインティングベクトルでの電磁エネルギの算定が可能になることも利点である。
【0125】
本測定工程で、この例においては、81MHzにつき、この周波数でのシュミレーションとの比較が容易になる。結果として、本マイクロコンピュータ34のEMI低減の方策が容易に見つけることができるようになる。これを再度回路設計工程に戻し、結果として、改善されたマイクロコンピュータが早く完成しこの製品の早期の量産につなげることができる。
【0126】
本実施形態によれば以下の効果を有する。
(1)本発明では、電気的即ち電気伝導線を通して計測する測定用アンテナ1を提案し、測定用アンテナ1をセンサ回転軸26で0度、180度の回転動作をさせ、あるいは測定側板切り替えスイッチ105により切り替えてEMI近傍計測データを計測する。このデータにより、測定回路ループの発生ノイズ電圧VB、また被測定物2から発生する電位Vをキャンセルし、これは計算上において電気伝導線を介して被測定物2と計測器の間で関係する電圧電位が関わらないことになる。また、測定用アンテナ1の垂直中心軸104方向の電界成分について、即ち、センサ方向のEMI近傍計算電界が計算により容易に求められる。このため、被測定物2と計測器の間で関係する電圧を避けるため、光を測定信号媒体とする複雑な構造の光式電界センサに比較して、電気伝導線を用いた構造において、容易にEMI近傍電界センサが実現できる。
【0127】
(2)また、被測定物2に極近接した各位置での測定位置XYZデータとEMI近傍計算電界データを取得し、被測定物2はIC搭載基板などで厚さが薄く横にひろがる電気伝導体を挿んだ平板形状とし、このような形態において、薄い柱状立体8の定義により各ローカルのデータを切り出すので、1次多次元連立方程式の電荷未知数の値の計算の実用上の適用において、ローカルの近傍電界電荷マトリクスを薄い柱状立体8の内で構築するので、波源電荷計算のためのマトリクス計算は系全体にかかわらず、ローカルマトリクスにおいて元の長大なマトリクスでは事実上扱えない計算が、この次数の少ないマトリクスで波源電荷がで高分解な寸法で実用上計算出来るようになる。
【0128】
(3)電気伝導体などの存在位置に関する被測定物構成体存在位置データを被測定物2の多層基板の多層の電気伝導体位置に置き、測定位置XYZデータの測定位置は、EMI近傍電界センサの先端が被測定物の表面上で接触あるいは極近接した1枚の曲面上にあるため、より波源電荷の値を良好に求められるようにできる。
【0129】
(4)上記(1)〜(3)により、特に、各周波数ωのそれぞれについても電気伝導体層で実際に流れて存在する波源電荷を計算できる。即ち、各周波数ωにおいて、被測定物の内部の電気伝導体電荷が3次元位置においてより高分解な位置で明らかになる。この結果、次の段階として、各周波数で被測定物内部回路のすべての位置での電圧が計算できるなど、EMI低減対策作業の手法がより容易にみつかることになる。
【0130】
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0131】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
【0132】
(1)EMI近傍電界を測定することができる安価なEMI測定装置を提供することができる。
【0133】
(2)EMI波源電荷を測定することができる安価なEMI測定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態(実施形態1)であるEMI測定装置のセンサ機構を示す模式図である。
【図2】本実施形態1のEMI測定装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態1のEMI測定装置の測定用アンテナを示す模式図である。
【図4】本実施形態1のEMI測定装置によるEMI近磁界測定方法を示す模式図である。
【図5】配線基板上に搭載される半導体装置を示す模式的斜視図である。
【図6】配線基板上に搭載される半導体装置の模式的断面図である。
【図7】本実施形態1におけるEMI近傍計測データの計測機能を説明するための模式図である。
【図8】本実施形態1の第1変形例である切り替えスイッチを備えたセンサ機構を示す模式図である。
【図9】本実施形態1の第2変形例である計算器を備えたセンサ機構を示す模式図である。
【図10】本実施形態1のEMI測定装置における離散化を説明するための断面説明図である。
【図11】本実施形態1のEMI測定装置による近傍計測、電界及び波源電荷の計算ステップを示すフローチャートである。
【図12】本実施形態1のEMI測定装置による波源電荷の測定における薄い柱状立体を示す模式図である。
【図13】前記波源電荷の測定による近傍計測データ及び近傍計算電界データ等を示す3次元グラフである。
【図14】本実施形態1のEMI測定装置による波源電荷の測定結果を示すグラフである。
【図15】本実施形態1のEMI測定装置による電荷の波源が示された3次元的グラフである。
【符号の説明】
1…測定用アンテナ、2,2a…被測定物、2a…配線基板、2b,2c,2d…電子部品、3…測定位置XYZデータ保持部、4…EMI計算電界データ保持部、4A…0度EMI近傍計測データ保持部、4B…180度EMI近傍計測データ保持部、5…被測定物構成体存在位置UVWデータ保持部、6…波源電荷データ保持部、7…計測計算制御部、8…薄い柱状立体、9…ローカル位置XYZデータ保持部、10…ローカル被測定物構成体存在位置UVWデータ保持部、11…ローカル計算電界データ保持部、12…ローカルデータ切り出し手段、13…ローカル近傍電界電荷マトリクス保持部、14…ローカル近傍電界電荷マトリクス生成手段、15…ローカル波源電荷マトリクス計算手段、16…ローカル計算波源電荷データ保持部、17…波源電荷収納制御部、18…センサ移動機構部、18a…保持回転機構、19…EMI測定部、20…EMI測定操作手段、20A…電界データ計算手段、21…センサ移動測定位置XYZデータ操作手段、22…測定域、23,23a〜23d…位置、24…中心線、25…基点アンテナ、26…測定用アンテナ回転軸、27,27a…測定位置XYZデータ面、28,28a…UVWデータ網目体、29…A伝導体ライン、30…B伝導体、31…UW面、32…波源電荷のチャージ、33…波源電荷のチャージ分布、34…マイクロコンピュータ(半導体装置)、35…樹脂パッケージ、36…半導体チップ、37…リード、38…配線基板、40…測定平面、41…最大値、101…板状電極、101a…測定板状電極、101b…アース板状電極、101c…第2の測定側板、101A,101B…配線、105…測定側板切り替えスイッチ、107…第2の測定用抵抗、108…計算器。

Claims (5)

  1. 測定用アンテナを被測定物の表面に沿って相対的に走査させながら各測定位置における不要輻射を測定するEMI測定装置であって、
    前記測定用アンテナは、電荷をチャージできる所定間隔隔てて配置される一対の板状電極からなり、
    前記一方の板状電極は測定用抵抗の一方の電極に接続され、
    前記他方の板状電極は前記測定用抵抗の他方の電極に接続されるとともに接地電位に接続され、
    前記測定用アンテナの前記一対の板状電極をそれぞれの板状電極の位置がその位置をとって変わるように機械的または電気的に回転させる回転手段を有し、
    前記回転手段で設定された状態での各位置の不要輻射を測定してEMI近傍計測データを得ることを特徴とするEMI測定装置。
  2. 前記回転手段によって前記一対の板状電極を0度または180度回転させて、該0度または180度の状態で前記不要輻射の測定を行うことを特徴とする請求項1に記載のEMI測定装置。
  3. 前記測定用アンテナは、
    前記一方の板状電極を含む配線が一面に形成された絶縁板と、
    前記他方の板状電極を含む配線が一面に形成された絶縁板とを有し、
    前記一対の板状電極は前記配線が設けられた面を介して絶縁性の接合材で張り合わせた構成になり、
    前記両板状電極は同じ形状で一致して重なっていることを特徴とする請求項1に記載のEMI測定装置。
  4. 請求項1に記載のEMI測定装置であって、
    前記測定用アンテナによる各測定位置におけるX位置データ、Y位置データ、Z位置データを含む測定位置XYZデータを収納する測定位置XYZデータ保持部と、
    前記全測定位置における前記測定用アンテナが0度の時のEMI近傍計測データを収容する0度EMI近傍計測データ保持部と、
    前記全測定位置における前記測定用アンテナが180度の時のEMI近傍計測データを収容する180度EMI近傍計測データ保持部と、
    前記0度及び180度のEMI近傍計測データにより計算電界データを計算してその計算結果をEMI計算電界データ保持部に収納する電界データ計算手段を有する計測計算制御部と、
    予めインプットできる電気伝導体などの存在位置に関する被測定物構成体存在位置UVWデータを収納する被測定物構成体存在位置UVWデータ保持部と、
    前記計算電界データから計算して波源電荷を求めるとともに計算した波源電荷計算データを収納する波源電荷計算データ保持部と、
    前記波源電荷の計算においては、前記計算しようとする注目の波源電荷が存在する位置を中心線付近にした薄い柱状立体を計算の対象体とし、前記薄い柱状立体内に存在する各ローカル位置での前記測定位置XYZデータ、前記被測定物構成体存在位置UVWデータ、前記計算電界データを切り出し、これをローカル位置XYZデータ保持部、ローカル被測定物構成体存在位置UVWデータ保持部、ローカル計算電界データ保持部にローカル位置XYZデータ、ローカル被測定物構成体存在位置UVWデータ、ローカル計算電界データとして収納するローカルデータ切り出し手段と、
    前記ローカル位置XYZデータ保持部に収納されたローカル測定位置XYZデータ、前記ローカル被測定物構成体存在位置UVWデータ保持部に収納されたローカル被測定物構成体存在位置UVWデータにより、前記測定用アンテナの前記回転手段の回転軸の電界方向成分についてローカル近傍電界電荷マトリクスを生成し、これをローカル近傍電界電荷マトリクス保持部に収納するローカル近傍電界電荷マトリクス生成手段と、
    前記ローカル計算電界データと前記ローカル近傍電界電荷マトリクスによりローカル計算波源電荷データを求め、これをローカル計算波源電荷データ保持部に収納するローカル波源電荷マトリクス計算手段と、
    前記ローカル計算波源電荷データ保持部で、前記被測定物の切り出された薄い柱状立体内の注目の中心線付近の上下に存在する複数位置で求められた各波源電荷を、波源電荷データ保持部の当該位置に収納する波源電荷収納制御部とを有することを特徴とするEMI測定装置。
  5. 請求項4に記載のEMI測定装置であって、
    前記測定位置XYZデータの測定位置は、前記測定用アンテナの先端が前記被測定物の表面上で接触あるいは極近接した1枚の曲面上にあって、あるいは、前記被測定物の裏面下に極近接したもう1枚の曲面上にあって、
    波源位置UVWの波源電荷位置は、ICなどの部品搭載した多層基板の被測定物の被測定物構成体存在位置UVWデータにより、重ねられた多数枚の電気伝導体の曲面中にあるようにし、
    計算しようとする注目の波源電荷は、前記注目の波源電荷の位置を中心線付近とするとともに、測定位置XYZデータの測定位置と被測定物構成体存在位置UVW位置とを含む薄い柱状立体とし、
    前記薄い柱状立体内の中心線付近の注目の多数枚の電気伝導体の上下に存在する複数位置での波源電荷計算するものであり、前記薄い柱状立体を次々に移動させ、被測定物内の3次元位置での波源電荷を計算し、これを前記波源電荷データ保持部に収納し、必要域での3次元位置における波源電荷を前記計測計算制御部で求めることを特徴とするEMI測定装置。
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