JP4024939B2 - 工作機械の工具クランプ機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主軸の先端に工具を装着し、ワークに対して加工を行う工作機械の工具クランプ機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
フライス盤、マシニングセンタなどの工作機械において、工具を主軸に装着する工具クランプ機構は、従来、主軸の先端に、先端開口側が拡開したテーパ面を有した工具取り付け穴を設け、この工具取り付け穴に合致する円錐状のシャンクを有するホルダの先端に工具を一体に取り付け、主軸内に設けた引き込み装置によりシャンクを工具取り付け穴内に引き込むことによって、シャンクの外周を工具取り付け穴の内周面に強く密着せしめてクランプする構造が一般的である。
又、近年の高速化、高制度化の要求に伴い、シャンクの外周に加えて、ホルダを主軸の先端面にも密着させる二面拘束構造も知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の構造において、前者は、ホルダを介して工具を容易に着脱操作できることから広く一般に利用され続けており、現在もほとんどの工作機械でその構成が採用され、後者も近年の高速化、高精度化の要求に伴い多く採用されるようになってきているが、下記のような問題点が指摘されている。
まず第一には、いずれも主軸の先端に先端開口側が拡開したテーパ面を有しているため、主軸が高速回転された場合には、テーパが拡径し、特に先端開口側が大きく拡径するために工具の把持力が低下し、工具が不安定になる。第二には、工具と主軸との間にはホルダが介在され、工具とホルダとの結合部、及びシャンクと主軸との結合部といった二つの結合部が存在しているので、それらの結合部における偏心誤差が重なり合って主軸と工具との相互間に大きなずれを生じさせ、結果的に高速回転時のアンバランスを招き、それが加工精度の低下につながる。
そこで本発明の課題は、高速且つ高精度な加工を実現するために、高速回転時、主軸に働く遠心力の影響を受けにくい工作機械の工具クランプ機構の提供にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、主軸の先端面に開口を有する工具取り付け穴内に、先端側が拡開したテーパ穴を有する前後二つのスリーブを軸心方向へ摺動自在に組み込み、それらの各スリーブに対し、先端側に、縮径可能で、いずれも外周後端側に前記各スリーブのテーパ穴に対応したテーパ面が設けられた前及び後コレットを、各コレットの外周後端側が対応するスリーブのテーパ穴に嵌め込まれた状態に組み付け、前コレットを、少なくとも前記工具取り付け穴から先端側への抜け出しを防止する抜け止め部材と、前記二つのスリーブ相互間に、押し付け操作する場合に後側スリーブから先端側スリーブへ押し付け力を伝え、引き離し操作をする場合には先端側スリーブを後側スリーブにより引き戻すための係合手段と、前記後側スリーブを先端側に押し付ける押圧手段とを設け、その押圧手段によって前記二つのスリーブを先端側に押し付け操作し、前後二つのコレットを同時且つ均等の把持力にて縮径動作可能とした工作機械の工具クランプ機構(以下単に工具クランプ機構という)にある。
【0005】
ここで、前記工具取り付け穴とスリーブとの断面は、必ずしも円形に限るものでなく、スリーブが偏心しなければ多角形状とすることもできる。
【0006】
本発明においては、前記工具取り付け穴の後端面にテーパ面を形成し、そのテーパ面と前記後側スリーブの後端面との間にあたる空間部に、後端側に前記テーパ面に対応したテーパ面を有する複数のブロック体を放射状に配列したブロック群を配置し、そのブロック群と、そのブロック群を外周方向に押し広げることにより後側スリーブを先端側に押し付ける付勢手段とで押圧手段を構成することができる。
【0007】
又、前記各ブロック体における軸心に面した側に、傾斜方向が前記二つのスリーブのテーパ穴と同じ方向に傾斜したテーパ面を形成する一方、ブロック群で囲まれた軸心部分に、前記ブロック体の各テーパ面に対応したテーパ面が周設されている拡径部材を組み入れ、その拡径部材を、前記工具取り付け穴の後端側に引き込み操作することで、前記ブロック群を外周方向に押し広げ可能としたり、前記後コレットの後端側と後側スリーブ内径先端面との間に、前記二つのコレットを常に主軸先端側へ押し付けるための圧縮バネを組み込むことができる。
【0008】
尚、後述する1つのスリーブを備えた工具クランプ機構の説明においては、傾斜面を、先端側に広がる形態をテーパ面、その逆方向に傾斜した形態は逆テーパ面として区別している。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明に係る工具クランプ機構の説明に先立ち、スリーブとコレットをそれぞれ1つずつ備えた工具クランプ機構の第1実施例を図面に基づいて説明する。
図1において、主軸1の先端部には、先端面中央に、回転中心と同心円にて工具取り付け穴2が開口し、この工具取り付け穴2は、回転中心と同心円で後方に向け奥深くまで穿設され、その底にあたる後端面には同心円延長上に透孔3が貫設されている。前記工具取り付け穴2内には、その内周とほぼ同径で、先端側が拡開したテーパ穴4を有するスリーブ5が、軸方向へ摺動自在に組み込まれている。
そしてそのスリーブ5の先端側には、すり割り構造により縮径可能で、後端側の外周に前記スリーブ5におけるテーパ穴4に対応したテーパ面6が設けられたコレット7が、その外周後端面を前記テーパ穴4内に嵌め込んだ状態にて組み付けられている。
そして前記工具取り付け穴2の開口には、その開口より小径で、工具8の基端部を差し込み可能な貫通窓9を有した抜け止め部材である蓋体10が同心円にて固着されており、その蓋体10により前記コレット7は先端側への移動が規制され、抜け止めが図られている。
【0010】
前記スリーブ5の後端側には、テーパ穴4と傾斜方向を逆とする逆テーパ面11が形成されており、又、その逆テーパ面11に対応する工具取り付け穴2の後端面には、前記逆テーパ面11と反対側に傾斜するテーパ面12が形成されており、それら逆テーパ面11とテーパ面12との間にあたる空間には、先端側に前記スリーブ5の逆テーパ面11に対応した逆テーパ面13を有すると共に、後端側に前記テーパ面11に対応するテーパ面14を有した複数のブロック体15,15・・を放射状に配列してなるブロック群が配置されている。
【0011】
前記各ブロック体15における軸心に面した側には、傾斜方向が前記スリーブ5のテーパ穴4と同じ方向に傾斜したテーパ面16が形成され、それら複数のブロック体15,15・・を放射状に配列することにより構成されたブロック群によって囲まれた軸心部分には、各ブロック15,15・・のテーパ面16,16・に対応したテーパ面17が周設された拡径部材18が組み入れられている。
前記拡径部材18は、工具取り付け穴2の後端面に貫設された透孔3を介し、軸方向に移動自在に挿入されたドローバ19の先端に取り付けられている(図1のa)。
【0012】
このような構成によれば、コレット7内に工具8の基端部を挿入した状態で皿バネなどを用いてドローバ19に後方への引き込み力を作用させると、拡径部材18のテーパ面17がブロック体15のテーパ面16と擦れ合いながら、ブロック群を押し広げるよう各ブロック15,15・・を外周方向へ移動させる。
ブロック群が押し広げられると、各ブロック体15,15・・は放射方向へ広げられると同時に先端側に付勢され、スリーブ5を先端側に押し付ける。
その結果、蓋体10により先端側への移動が規制されているコレット7は縮径し、工具8の基端部をクランプする(図1のb)。
【0013】
この状態で図示しない駆動手段により主軸1を回転させると、遠心力の作用で工具取り付け穴2やコレット7などが拡開し始める。
拡径部材18にはドローバ19によって常時引き込み力が作用しているので、工具取り付け穴2が拡開すれば、その分ブロック群が放射方向に押し広げられ、又コレット7が拡開しようとしても、各ブロック体15,15・・が遠心力で放射方向に押し付けられているため、スリーブが先端側に押しつけられて拡開できないなど、それらの力が互いに作用し合ってクランプ状態が維持される。
このように遠心力は把持力として有効に利用されるので、高速回転により遠心力が増加すればそれだけ把持力も増加し、遠心力の影響で工具の把持力低下を招くことはない。
而もその際、コレット7は先端側への移動が規制され、且つその増加してもそれによるのコレット7はスリーブ5により前方へ押し付けられているので、コレット7は軸方向に対して移動せず、工具が偏位することもない。
【0014】
尚、各部材に形成するテーパ、或いは逆テーパの角度は、各部材に作用する各種応力に応じ、経験、或いは実験基づいて決定するのが望ましく、使用回転数や大きさ、重さなどが考慮される。
【0015】
図2は、スリーブとコレットをそれぞれ1つずつ備えた工具クランプ機構の第2実施例を示し、この工具クランプ機構に組み付けられたコレット7’は、先端側の外周に、後端側外周に形成されているテーパ面6と前後対称となる逆テーパ面20を設ける一方、蓋体10’の後端部を工具取り付け穴2内に進入せしめ、貫通窓9’の内周面に前記逆テーパ面20に対応した逆テーパ面21を形成し、それら逆テーパ面20,21同士が互いに密着するよう組み付けられている(図2のa)。
尚、前記実施例と共通する部材には同一符号を付し、重複説明は省略した。
このように形成された工具クランプ機構では、スリーブ5が先端側に押し付けられると、コレット7’の先端側も逆テーパ面により縮径し、工具8の基端部に対して把持力が前後(長手方向)均等に作用する(図2のb)。
【0016】
図3は、スリーブとコレットをそれぞれ1つずつ備えた工具クランプ機構における押圧手段の異なる第3実施例を示したもので、前記第1及び第2実施例と共通する部材については同一符号を付し、重複説明は省略する。
スリーブ5’には、内周面の後端部に小径の段部22が形成され、各ブロック体15’における軸心に面した側には、傾斜方向が前記スリーブ5’のテーパ穴4と逆方向に傾斜した逆テーパ面23が形成され、それら複数のブロック体15’を放射状に配列することにより構成されたブロック群によって囲まれた軸心部分には、各ブロック体15’,15’・・の逆テーパ面23に対応した逆テーパ面24が周設された拡径部材18’が組み入れられている。
前記拡径部材18’は、工具取り付け穴2の後端面に貫設された透孔3を貫通し、軸方向に移動自在に挿入されたプッシュプルロッド25の先端に取り付けられており、又拡径部材18’の先端には、フランジ26が一体に設けられている。
尚、前記スリーブ5’とコレット7’との相互間には、前後方向に対して微少移動を許容した状態にて係合する係合部が設けられている。
【0017】
このように形成された工具クランプ機構は、プッシュプルロッド25に前方への押し付け力を作用させると、拡径部材18’の逆テーパ面24がブロック体15’のテーパ面23と擦れ合いながら、ブロック群を押し広げるよう各ブロック15’,15’・・を外周方向へ移動させる。
ブロック群が押し広げられると、各ブロック15’15’・・体は放射方向へ広がりながら先端側に付勢され、スリーブ5’を先端側に押し付ける。その結果、蓋体10’により先端側への移動が規制されているコレット7’は縮径し、工具8の基端部をクランプする(図3のa)。
【0018】
主軸が高速回転し、各部に遠心力が作用しても、前記実施例と同様に、強力な把持力が維持される。
本実施例の工具クランプ機構は、プッシュプルロッド25に引き込み力を作用させると、ブロック体15’が押し広げ力から解放され、続いてフランジ26が段部22に引っ掛かってスリーブ5’は強制的に後方へ引っ張られ、それと同時に、コレット7’はスリーブ5’との係合により引き戻される。
従ってコレット7’がスリーブ5’や蓋体10’と強固に嵌め合わされてしまっていても、クランプの解除が可能である(図3のb)。
尚、図示は省略するが、コレット後端側とスリーブ内径先端側端面との間に圧縮バネを組み込めば、コレットが常に先端側に付勢されているので、スリーブを後方に引っ張ったとき、スリーブとコレットとを確実に分離することができる。
【0019】
次に本発明の実施例について説明する。
尚、前記実施例と共通する部材については、一部符号を省略する。
図4において、主軸1の先端部に開口した工具取り付け穴内には、その内周とほぼ同径で、先端側が拡開したテーパ穴4a,4bを有した前後二つのスリーブ5a,5bとが、軸方向へ摺動自在に組み込まれている。
そしてそれら各スリーブ5a,5bの先端側には、すり割り構造により縮径可能で、前記各スリーブ5a,5bに対し、後端側の外周に各スリーブ5a,5bにおけるテーパ穴4a,4bに対応したテーパ面6a,6bが設けられた前コレット7aと後コレット7bとが、その外周後端面を前記各スリーブ5a,5bのテーパ穴4a,4b内に嵌め込んだ状態にて組み付けられている。そして前記工具取り付け穴2の開口には、その開口より小径で、工具8の基端部を差し込み可能な貫通窓9を有した抜け止め部材である蓋体10’が同心円にて固着されており、その蓋体10’により前記前コレット7aは前方への移動が規制され、抜け止めが図られている。
【0020】
前記後側スリーブ5bの後端側には、テーパ穴と傾斜方向を逆とする逆テーパ面が形成されており、又、その逆テーパ面に対応する工具取り付け穴2後端面には、前記逆テーパ面と反対側に傾斜するテーパ面が形成されていて、それら逆テーパ面とテーパ面との間にあたる空間には、先端側に前記後側スリーブ5の逆テーパ面に対応した逆テーパ面を有すると共に、後端側に前記テーパ面に対応するテーパ面を有した複数のブロック体15’,15’・・を放射状に配列してなるブロック群が配置されている。
【0021】
後側スリーブ5bには、内周面の後端部に小径の段部22が形成され、各ブロック体15’における軸心に面した側には、傾斜方向が後側スリーブ5bのテーパ穴4bと逆方向に傾斜した逆テーパ面が形成され、それら複数のブロック体15’を放射状に配列することにより構成されたブロック群によって囲まれた軸心部分には、各ブロック体15’,15’・・の逆テーパ面に対応した逆テーパ面が周設された拡径部材18’が組み入れられている。
前記拡径部材18’は、工具取り付け穴の後端面に貫設された透孔を貫通し、軸方向に移動自在に挿入されたプッシュプルロッド25の先端に取り付けられており、又拡径部材18’の先端には、フランジ26が一体に設けられている。
【0022】
又、前記二つのスリーブ相互間には、前後方向に対して微少移動を許容した状態にて係合する係合手段27が設けられていて、それにより、押し付け操作する場合は後側スリーブ5bから先端側スリーブ5aへ押し付け力を伝え、引き戻し操作する場合には先端側スリーブ5aを後側スリーブ5bにより引き戻し可能になっている。
更に、前記二つのコレット7a,7bの間には、二つのコレット7a,7bに工具把持力を適当になるよう調整するためカラー28が介在され、後コレット7bの後端側と後側スリーブ5bの内径先端面との間には、前記二つのコレット7a,7bを常に主軸先端側へ押し付けるための圧縮バネ29が、段部29に係止させた状態にて組み込まれている。
【0023】
このように形成された工具クランプ機構は、プッシュプルロッド25を先端側に押し付け操作すると、拡径部材18’の逆テーパ面24がブロック体15’のテーパ面23と擦れ合いながら、ブロック群を押し広げるよう各ブロック15’,15’・・を外周方向へ移動させる。
ブロック群が押し広げられると、各ブロック体15’15’・・は放射方向へ広がりながら先端側に付勢され、後側スリーブ5bを先端側に押し付ける。
後側スリーブ5bが先端側に押し付けられると、その後側スリーブ5bで後コレット7bが先端側に押し付けられ、又、その後コレット7bにより先端側スリーブ5aが先端側に押し付けられ、更に、前コレット7aも先端側スリーブ5aにより先端側に押し付けられるのである。その結果、蓋体10’により先端側への移動が規制されている前コレット7aと、後側スリーブ5bにより先端側に押し付けられている後コレット7bは縮径し、工具8の基端部を均等にクランプする。
このクランプ動作において、前コレット7aと後コレット7bとはそれら前コレット7aと後コレット7bとの相互間に介在されたカラー28によって、二つのコレット7a,7bによる工具把持力が適当になるよう調整される(図4のa)。
又、主軸が回転し遠心力が働いても、前記第一の発明と同様、遠心力が把持力として有効に利用されるので、遠心力が増加すればそれだけ把持力も増加し、遠心力の影響で工具把持力の低下を招くことはなく、而も、前コレットが蓋体により先端側への移動を阻まれるので、より高速で回転させても、遠心力の影響により工具が先端側に移動することはない。
更に、後コレット7bの後端側と後側スリーブ5bの内径先端側端面との間に圧縮バネ29が組み込まれているので、両コレット7a,7bが常に先端側に付勢され、後側スリーブ5bを後方に引っ張ったとき、後コレット7bから確実に分離され、又同時に、係合手段27によって前側スリーブ5aが前コレット7aから分離される (図4のb)。
尚、本実施例ではカラー28によりコレットの把持力を調整するようにしているが、コレットの形状を適宜変更し、カラー28を省略しても良い。
【0024】
本発明の実施例において、楔効果を発揮させる各テーパ面は、互いに同じ角度のテーパ同士が全面で密着するよう形成されているが、一部分同士が密着するだけであっても差し支えない。
又、ブロック体は、外周が工具取り付け穴より小径で、テーパ穴が貫設された筒状体を放射方向にカットすれば容易に形成することができるが、軸心周りを囲むよう放射状に配置され、軸方向へ移動自在に組み付け可能であれば、それぞれを薄肉のプレート形状にすることもできる。
そして拡径部材には、ブロック体が回転方向に移動しないようガイド溝を設けることが望ましい。
更に、ドローバ又はプッシュプルロッドによる引き込み力或いは押し出し力は、皿バネなど既存の工作機械に使用されている機構を流用して構わないが、例えば、油圧などを利用して引き込み力或いは押し出し力を発生するようにしてもよく、その場合には油圧を制御することにより、遠心力の変化に関係なく工具の把持力を一定化させるなどして、より一層把持力を安定させることができる。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、先端側へ押し付ける押圧手段によりスリーブを先端側に押し付けることで、コレットを縮径動作させるシンプルな構造であるから小型化が容易で、高速回転時にも遠心力の影響を小さいものに留めることができ、又、ホルダの撤廃により工具と主軸相互間のずれを最小限に抑え、バランスのよい高精度の主軸とすることができる。
【0026】
而も、前後に配置された二つのコレットにより、工具が長手方向に対して均等に把持される。
そして請求項2の発明によれば、一つの押圧手段で二つのコレットに対して同時に把持力を付与でき、請求項3の発明によれば、従来の機構を利用できるし、請求項4の発明によれば、スリーブとコレットとが強固に嵌め合わされてしまっても、引き戻し操作すれば確実に分離される。
【図面の簡単な説明】
【図1】スリーブとコレットをそれぞれ1つずつ備えた工具クランプ機構の第1実施例を示した説明図である。
【図2】スリーブとコレットをそれぞれ1つずつ備えた工具クランプ機構の第2実施例を示した説明図である。
【図3】スリーブとコレットをそれぞれ1つずつ備えた工具クランプ機構の第3実施例を示した説明図である。
【図4】本発明に係る工具クランプ機構を示した説明図である。
【符号の説明】
1・・主軸、2・・工具取り付け穴、3・・透孔、4,4a,4b・・テーパ穴、5,5’・・スリーブ、5a・・先端側スリーブ、5b・・後側スリーブ、6,6a,6b・・テーパ面、7,7’・・コレット、7a..前コレット、7b・・後コレット、8・・工具、9・・貫通窓、10,10’・・蓋体、11・・逆テーパ面、12・・テーパ面、13・・逆テーパ面、14・・テーパ面、15,15’・・ブロック体、16・・テーパ面、17・・テーパ面、18,18’・・拡径部材、19・・ドローバ、20・・逆テーパ面、21・・逆テーパ面、22・・段部、23・・逆テーパ面、24・・逆テーパ面、25・・プッシュプルロッド、26・・フランジ、27・・係合手段、28・・カラー、29・・圧縮バネ。
Claims (4)
- 主軸の先端面に開口を有する工具取り付け穴内に、先端側が拡開したテーパ穴を有する前後二つのスリーブを軸心方向へ摺動自在に組み込み、それらの各スリーブに対し、先端側に、縮径可能で、いずれも外周後端側に前記各スリーブのテーパ穴に対応したテーパ面が設けられた前及び後コレットを、各コレットの外周後端側が対応するスリーブのテーパ穴に嵌め込まれた状態に組み付け、前コレットを、少なくとも前記工具取り付け穴から先端側への抜け出しを防止する抜け止め部材と、前記二つのスリーブ相互間に、押し付け操作する場合に後側スリーブから先端側スリーブへ押し付け力を伝え、引き離し操作をする場合には先端側スリーブを後側スリーブにより引き戻すための係合手段と、前記後側スリーブを先端側に押し付ける押圧手段とを設け、その押圧手段によって前記二つのスリーブを先端側に押し付け操作し、前後二つのコレットを同時且つ均等の把持力にて縮径動作可能とした工作機械の工具クランプ機構。
- 前記工具取り付け穴の後端面にテーパ面を形成し、そのテーパ面と前記後側スリーブの後端面との間にあたる空間部に、後端側に前記テーパ面に対応したテーパ面を有する複数のブロック体を放射状に配列したブロック群を配置し、そのブロック群と、そのブロック群を外周方向に押し広げることにより後側スリーブを先端側に押し付ける付勢手段とで押圧手段を構成して成る請求項1に記載した工作機械の工具クランプ機構。
- 前記各ブロック体における軸心に面した側に、傾斜方向が前記二つのスリーブのテーパ穴と同じ方向に傾斜したテーパ面を形成する一方、ブロック群で囲まれた軸心部分に、前記ブロック体の各テーパ面に対応したテーパ面が周設されている拡径部材を組み入れ、その拡径部材を、前記工具取り付け穴の後端側に引き込み操作することで、前記ブロック群を外周方向に押し広げ可能とした請求項2に記載した工作機械の工具クランプ機構。
- 前記後コレットの後端側と後側スリーブ内径先端面との間に、前記二つのコレットを常に主軸先端側へ押し付けるための圧縮バネを組み込んだ請求項1〜3のいずれかに記載した工作機械の工具クランプ機構。
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