JPH11165208A - 工作機械の工具クランプ機構 - Google Patents
工作機械の工具クランプ機構Info
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- JPH11165208A JPH11165208A JP25003898A JP25003898A JPH11165208A JP H11165208 A JPH11165208 A JP H11165208A JP 25003898 A JP25003898 A JP 25003898A JP 25003898 A JP25003898 A JP 25003898A JP H11165208 A JPH11165208 A JP H11165208A
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Abstract
く、工具を確実にクランプする。 【解決手段】 工具取り付け穴2の開口面に蓋体10を
取り付けることにより、コレット7を先端側に移動しな
いよう規制し、拡径部材18の引き込み操作でブロック
群の各ブロック体15,15・・を外周方向へ押し広げ
ると同時に先端側に付勢することにより、その付勢力に
よって先端側に押し付けられたスリーブ5でコレット7
を縮径し、工具8の基端部をクランプさせる。
Description
を装着し、ワークに対して加工を行う工作機械の工具ク
ランプ機構に関する。
作機械において、工具を主軸に装着する工具クランプ機
構は、従来、主軸の先端に、先端開口側が拡開したテー
パ面を有した工具取り付け穴を設け、この工具取り付け
穴に合致する円錐状のシャンクを有するホルダの先端に
工具を一体に取り付け、主軸内に設けた引き込み装置に
よりシャンクを工具取り付け穴内に引き込むことによっ
て、シャンクの外周を工具取り付け穴の内周面に強く密
着せしめてクランプする構造が一般的である。又、近年
の高速化、高制度化の要求に伴い、シャンクの外周に加
えて、ホルダを主軸の先端面にも密着させる二面拘束構
造も知られている。
て、前者は、ホルダを介して工具を容易に着脱操作でき
ることから広く一般に利用され続けており、現在もほと
んどの工作機械でその構成が採用され、後者も近年の高
速化、高精度化の要求に伴い多く採用されるようになっ
てきているが、下記のような問題点が指摘されている。
まず第一には、いずれも主軸の先端に先端開口側が拡開
したテーパ面を有しているため、主軸が高速回転された
場合には、テーパが拡径し、特に先端開口側が大きく拡
径するために工具の把持力が低下し、工具が不安定にな
る。第二には、工具と主軸との間にはホルダが介在さ
れ、工具とホルダとの結合部、及びシャンクと主軸との
結合部といった二つの結合部が存在しているので、それ
らの結合部における偏心誤差が重なり合って主軸と工具
との相互間に大きなずれを生じさせ、結果的に高速回転
時のアンバランスを招き、それが加工精度の低下につな
がる。そこで本発明の課題は、高速且つ高精度な加工を
実現するために、高速回転時、主軸に働く遠心力の影響
を受けにくい工作機械の工具クランプ機構の提供にあ
る。
決するために開発されたクランプ機構であって、第一の
発明は、主軸の先端面に開口を有する工具取り付け穴内
に、先端側が拡開したテーパ穴を有するスリーブを軸心
方向へ摺動自在に組み込み、そのスリーブの先端側に、
縮径可能で、外周後端側に前記スリーブのテーパ穴に対
応したテーパ面が設けられたコレットを、そのコレット
の外周後端側がスリーブのテーパ穴に嵌め込まれた状態
に組み付け、そのコレットに対し、少なくとも前記工具
取り付け穴から先端側への抜け出しを防止する抜け止め
部材と、前記スリーブに対し、スリーブを先端側に押し
付ける押圧手段とを設け、その押圧手段によって前記ス
リーブを先端側に押し付け操作し、コレットを縮径動作
可能としたことにある。ここで、前記工具取り付け穴と
スリーブとの断面は、必ずしも円形に限るものでなく、
スリーブが偏心しなければ多角形状とすることもでき
る。
記スリーブの後端側に前記テーパ穴と傾斜方向が反対の
逆テーパ面を形成し、そのスリーブと工具取り付け穴の
後端面との間にあたる空間部に、先端側に前記逆テーパ
面に対応した逆テーパ面を有する複数のブロック体を放
射状に配列したブロック群を配置し、そのブロック群
と、そのブロック群を外周方向に押し広げることにより
前記スリーブを先端側に押し付ける付勢手段とで構成し
た押圧手段、或いは、前記工具取り付け穴の後端面にテ
ーパ面を形成し、そのテーパ面と前記スリーブの後端面
との間にあたる空間部に、後端側に前記テーパ面に対応
したテーパ面を有する複数のブロック体を放射状に配列
したブロック群を配置し、そのブロック群と、そのブロ
ック群を外周方向に押し広げることによりスリーブを先
端側に押し付ける付勢手段とで構成した押圧手段を装備
することができる。
た側に、傾斜方向が前記スリーブのテーパ穴と同じ方向
に傾斜したテーパ面を形成する一方、ブロック群で囲ま
れた軸心部分に、前記ブロック体の各テーパ面に対応し
たテーパ面が周設されている拡径部材を組み入れ、その
拡径部材を、前記工具取り付け穴の後端側に引き込み操
作することで、前記ブロック群を外周方向に押し広げ可
能としたり、前記各ブロック体における軸心に面した側
に、傾斜方向が前記スリーブのテーパ穴と反対の方向に
傾斜した逆テーパ面を形成する一方、ブロック群で囲ま
れた軸心部分に、前記ブロック体の逆テーパ面に対応し
た逆テーパ面が周設されている拡径部材を組み入れ、そ
の拡径部材を、前記工具取り付け穴の先端側に押し出し
操作することで、前記ブロック群を外周方向に押し広げ
可能としたり、前記コレットの外周先端側に、その後端
側に形成されているテーパ面と前後対称となる逆テーパ
面を設け、工具取り付け穴の先端部に、前記逆テーパ面
に対応した逆テーパ面を有する抜け止め部材を固着する
ことができる。
を有する工具取り付け穴内に、先端側が拡開したテーパ
穴を有する前後二つのスリーブを軸心方向へ摺動自在に
組み込み、それらの各スリーブに対し、先端側に、縮径
可能で、いずれも外周後端側に前記各スリーブのテーパ
穴に対応したテーパ面が設けられた前及び後コレット
を、各コレットの外周後端側が対応するスリーブのテー
パ穴に嵌め込まれた状態に組み付け、前コレットを、少
なくとも前記工具取り付け穴から先端側への抜け出しを
防止する抜け止め部材と、前記二つのスリーブに対し、
後側スリーブを先端側に押し付けることにより先端側ス
リーブをも押し付ける押圧手段とを設け、その押圧手段
によって前記二つのスリーブを先端側に押し付け操作
し、前後二つのコレットを同時に縮径動作可能としたこ
とにある。この第二の発明においては、前記工具取り付
け穴の後端面にテーパ面を形成し、そのテーパ面と前記
後側スリーブの後端面との間にあたる空間部に、後端側
に前記テーパ面に対応したテーパ面を有する複数のブロ
ック体を放射状に配列したブロック群を配置し、そのブ
ロック群と、そのブロック群を外周方向に押し広げるこ
とにより後スリーブを先端側に押し付ける付勢手段とで
押圧手段を構成することができる。又、前記各ブロック
体における軸心に面した側に、傾斜方向が前記二つのス
リーブのテーパ穴と同じ方向に傾斜したテーパ面を形成
する一方、ブロック群で囲まれた軸心部分に、前記ブロ
ック体の各テーパ面に対応したテーパ面が周設されてい
る拡径部材を組み入れ、その拡径部材を、前記工具取り
付け穴の後端側に引き込み操作することで、前記ブロッ
ク群を外周方向に押し広げ可能としたり、前記二つのス
リーブ相互間に、押し付け操作する場合に後側スリーブ
から先端側スリーブへ押し付け力を伝え、引き離し操作
をする場合には先端側スリーブを後側スリーブにより引
き戻すための係合手段を設け、更に、後コレットの後端
側と後側スリーブ内径先端面との間に、前記二つのコレ
ットを常に主軸先端側へ押し付けるための圧縮バネを組
み込むことができる。
に広がる形態をテーパ面、その逆方向に傾斜した形態は
逆テーパ面として区別している。
機構を具現化した実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、第一発明における第1実施例を、主軸の先端部
を断面にて示したもので、主軸1の先端部には、先端面
中央に、回転中心と同心円にて工具取り付け穴2が開口
し、この工具取り付け穴2は、回転中心と同心円で後方
に向け奥深くまで穿設され、その底にあたる後端面には
同心円延長上に透孔3が貫設されている。前記工具取り
付け穴2内には、その内周とほぼ同径で、先端側が拡開
したテーパ穴4を有するスリーブ5が、軸方向へ摺動自
在に組み込まれている。そしてそのスリーブ5の先端側
には、すり割り構造により縮径可能で、後端側の外周に
前記スリーブ5におけるテーパ穴4に対応したテーパ面
6が設けられたコレット7が、その外周後端面を前記テ
ーパ穴4内に嵌め込んだ状態にて組み付けられている。
そして前記工具取り付け穴2の開口には、その開口より
小径で、工具8の基端部を差し込み可能な貫通窓9を有
した抜け止め部材である蓋体10が同心円にて固着され
ており、その蓋体10により前記コレット7は先端側へ
の移動が規制され、抜け止めが図られている。
と傾斜方向を逆とする逆テーパ面11が形成されてお
り、又、その逆テーパ面11に対応する工具取り付け穴
2の後端面には、前記逆テーパ面11と反対側に傾斜す
るテーパ面12が形成されており、それら逆テーパ面1
1とテーパ面12との間にあたる空間には、先端側に前
記スリーブ5の逆テーパ面11に対応した逆テーパ面1
3を有すると共に、後端側に前記テーパ面11に対応す
るテーパ面14を有した複数のブロック体15,15・
・を放射状に配列してなるブロック群が配置されてい
る。
た側には、傾斜方向が前記スリーブ5のテーパ穴4と同
じ方向に傾斜したテーパ面16が形成され、それら複数
のブロック体15,15・・を放射状に配列することに
より構成されたブロック群によって囲まれた軸心部分に
は、各ブロック15,15・・のテーパ面16,16・
に対応したテーパ面17が周設された拡径部材18が組
み入れられている。前記拡径部材18は、工具取り付け
穴2の後端面に貫設された透孔3を介し、軸方向に移動
自在に挿入されたドローバ19の先端に取り付けられて
いる(図1のa)。
工具8の基端部を挿入した状態で皿バネなどを用いてド
ローバ19に後方への引き込み力を作用させると、拡径
部材18のテーパ面17がブロック体15のテーパ面1
6と擦れ合いながら、ブロック群を押し広げるよう各ブ
ロック15,15・・を外周方向へ移動させる。ブロッ
ク群が押し広げられると、各ブロック体15,15・・
は放射方向へ広げられると同時に先端側に付勢され、ス
リーブ5を先端側に押し付ける。その結果、蓋体10に
より先端側への移動が規制されているコレット7は縮径
し、工具8の基端部をクランプする(図1のb)。
1を回転させると、遠心力の作用で工具取り付け穴2や
コレット7などが拡開し始める。拡径部材18にはドロ
ーバ19によって常時引き込み力が作用しているので、
工具取り付け穴2が拡開すれば、その分ブロック群が放
射方向に押し広げられ、又コレット7が拡開しようとし
ても、各ブロック体15,15・・が遠心力で放射方向
に押し付けられているため、スリーブが先端側に押しつ
けられて拡開できないなど、それらの力が互いに作用し
合ってクランプ状態が維持される。このように遠心力は
把持力として有効に利用されるので、高速回転により遠
心力が増加すればそれだけ把持力も増加し、遠心力の影
響で工具の把持力低下を招くことはない。而もその際、
コレット7は先端側への移動が規制され、且つその増加
してもそれによるのコレット7はスリーブ5により前方
へ押し付けられているので、コレット7は軸方向に対し
て移動せず、工具が偏位することもない。
ーパの角度は、各部材に作用する各種応力に応じ、経
験、或いは実験基づいて決定するのが望ましく、使用回
転数や大きさ、重さなどが考慮される。
均等化を図った第2実施例を示し、この工具クランプ機
構に組み付けられたコレット7’は、先端側の外周に、
後端側外周に形成されているテーパ面6と前後対称とな
る逆テーパ面20を設ける一方、蓋体10’の後端部を
工具取り付け穴2内に進入せしめ、貫通窓9’の内周面
に前記逆テーパ面20に対応した逆テーパ面21を形成
し、それら逆テーパ面20,21同士が互いに密着する
よう組み付けられている(図2のa)。尚、前記第1実
施例と共通する部材には同一符号を付し、重複説明は省
略した。このように形成された工具クランプ機構では、
スリーブ5が先端側に押し付けられると、コレット7’
の先端側も逆テーパ面により縮径し、工具8の基端部に
対して把持力が前後(長手方向)均等に作用する(図2
のb)。
る第3実施例を示したもので、前記第1及び第2実施例
と共通する部材については同一符号を付し、重複説明は
省略する。スリーブ5’には、内周面の後端部に小径の
段部22が形成され、各ブロック体15’における軸心
に面した側には、傾斜方向が前記スリーブ5’のテーパ
穴4と逆方向に傾斜した逆テーパ面23が形成され、そ
れら複数のブロック体15’を放射状に配列することに
より構成されたブロック群によって囲まれた軸心部分に
は、各ブロック体15’,15’・・の逆テーパ面23
に対応した逆テーパ面24が周設された拡径部材18’
が組み入れられている。前記拡径部材18’は、工具取
り付け穴2の後端面に貫設された透孔3を貫通し、軸方
向に移動自在に挿入されたプッシュプルロッド25の先
端に取り付けられており、又拡径部材18’の先端に
は、フランジ26が一体に設けられている。尚、前記ス
リーブ5’とコレット7’との相互間には、前後方向に
対して微少移動を許容した状態にて係合する係合部が設
けられている。
は、プッシュプルロッド25に前方への押し付け力を作
用させると、拡径部材18’の逆テーパ面24がブロッ
ク体15’のテーパ面23と擦れ合いながら、ブロック
群を押し広げるよう各ブロック15’,15’・・を外
周方向へ移動させる。ブロック群が押し広げられると、
各ブロック15’15’・・体は放射方向へ広がりなが
ら先端側に付勢され、スリーブ5’を先端側に押し付け
る。その結果、蓋体10’により先端側への移動が規制
されているコレット7’は縮径し、工具8の基端部をク
ランプする(図3のa)。
ても、前記実施例と同様に、強力な把持力が維持され
る。本実施例の工具クランプ機構は、プッシュプルロッ
ド25に引き込み力を作用させると、ブロック体15’
が押し広げ力から解放され、続いてフランジ26が段部
22に引っ掛かってスリーブ5’は強制的に後方へ引っ
張られ、それと同時に、コレット7’はスリーブ5’と
の係合により引き戻される。従ってコレット7’がスリ
ーブ5’や蓋体10’と強固に嵌め合わされてしまって
いても、クランプの解除が可能である(図3のb)。
尚、図示は省略するが、コレット後端側とスリーブ内径
先端側端面との間に圧縮バネを組み込めば、コレットが
常に先端側に付勢されているので、スリーブを後方に引
っ張ったとき、スリーブとコレットとを確実に分離する
ことができる。
把持力が先端側と後端側とで均等化される。次にその第
二の発明について、第4実施例で説明する。尚、前記実
施例と共通する部材については、一部符号を省略する。
図4において、主軸1の先端部に開口した工具取り付け
穴内には、その内周とほぼ同径で、先端側が拡開したテ
ーパ穴4a,4bを有した前後二つのスリーブ5a,5
bとが、軸方向へ摺動自在に組み込まれている。そして
それら各スリーブ5a,5bの先端側には、すり割り構
造により縮径可能で、前記各スリーブ5a,5bに対
し、後端側の外周に各スリーブ5a,5bにおけるテー
パ穴4a,4bに対応したテーパ面6a,6bが設けら
れた前コレット7aと後コレット7bとが、その外周後
端面を前記各スリーブ5a,5bのテーパ穴4a,4b
内に嵌め込んだ状態にて組み付けられている。そして前
記工具取り付け穴2の開口には、その開口より小径で、
工具8の基端部を差し込み可能な貫通窓9を有した抜け
止め部材である蓋体10’が同心円にて固着されてお
り、その蓋体10’により前記前コレット7aは前方へ
の移動が規制され、抜け止めが図られている。
パ穴と傾斜方向を逆とする逆テーパ面が形成されてお
り、又、その逆テーパ面に対応する工具取り付け穴2後
端面には、前記逆テーパ面と反対側に傾斜するテーパ面
が形成されていて、それら逆テーパ面とテーパ面との間
にあたる空間には、先端側に前記後スリーブ5の逆テー
パ面に対応した逆テーパ面を有すると共に、後端側に前
記テーパ面に対応するテーパ面を有した複数のブロック
体15’,15’・・を放射状に配列してなるブロック
群が配置されている。
小径の段部22が形成され、各ブロック体15’におけ
る軸心に面した側には、傾斜方向が後側スリーブ5bの
テーパ穴4bと逆方向に傾斜した逆テーパ面が形成さ
れ、それら複数のブロック体15’を放射状に配列する
ことにより構成されたブロック群によって囲まれた軸心
部分には、各ブロック体15’,15’・・の逆テーパ
面に対応した逆テーパ面が周設された拡径部材18’が
組み入れられている。前記拡径部材18’は、工具取り
付け穴の後端面に貫設された透孔を貫通し、軸方向に移
動自在に挿入されたプッシュプルロッド25の先端に取
り付けられており、又拡径部材18’の先端には、フラ
ンジ26が一体に設けられている。
方向に対して微少移動を許容した状態にて係合する係合
手段27が設けられていて、それにより、押し付け操作
する場合は後側スリーブ5bから先端側スリーブ5aへ
押し付け力を伝え、引き戻し操作する場合には先端側ス
リーブ5aを後側スリーブ5bにより引き戻し可能にな
っている。更に、前記二つのコレット7a,7bの間に
は、二つのコレット7a,7bに工具把持力を適当にな
るよう調整するためカラー28が介在され、後側コレッ
ト7bの後端側と後スリーブ5bの内径先端面との間に
は、前記二つのコレット7a,7bを常に主軸先端側へ
押し付けるための圧縮バネ29が、段部29に係止させ
た状態にて組み込まれている。
は、プッシュプルロッド25を先端側に押し付け操作す
ると、拡径部材18’の逆テーパ面24がブロック体1
5’のテーパ面23と擦れ合いながら、ブロック群を押
し広げるよう各ブロック15’,15’・・を外周方向
へ移動させる。ブロック群が押し広げられると、各ブロ
ック15’15’・・体は放射方向へ広がりながら先端
側に付勢され、後側スリーブ5bを先端側に押し付け
る。後側スリーブ5bが先端側に押し付けられると、そ
の後側スリーブ5bで後コレット7bが先端側に押し付
けられ、又、その後コレット7bにより先端側スリーブ
5aが先端側に押し付けられ、更に、前コレット7aも
先端側スリーブ5aにより先端側に押し付けられるので
ある。その結果、蓋体10’により先端側への移動が規
制されている前コレット7aと、後側スリーブ5bによ
り先端側に押し付けられている後コレット7bは縮径
し、工具8の基端部を均等にクランプする。このクラン
プ動作において、前コレット7aと後コレット7bとは
それら前コレット7aと後コレット7bとの相互間に介
在されたカラー28によって、二つのコレット7a,7
bによる工具把持力が適当になるよう調整される(図4
のa)。又、主軸が回転し遠心力が働いても、前記第一
の発明と同様、遠心力が把持力として有効に利用される
ので、遠心力が増加すればそれだけ把持力も増加し、遠
心力の影響で工具の把持力低下を招くことはなく、而
も、前コレットが蓋体により先端側への移動を阻まれる
ので、より高速で回転させても、遠心力の影響により工
具が先端側に移動することはない。更に、後側コレット
7bの後端側と後スリーブ5bの内径先端側端面との間
に圧縮バネ29が組み込まれているので、両コレット7
a,7bが常に先端側に付勢され、後スリーブ5bを後
方に引っ張ったとき、後側コレット7bから確実に分離
され、又同時に、係合手段27によって前スリーブ5a
が先端側コレット7aから分離される (図4のb)。
尚、本実施例ではカラー28によりコレットの把持力を
調整するようにしているが、コレットの形状を適宜変更
し、カラー28を省略しても良い。
させる各テーパ面は、互いに同じ角度のテーパ同士が全
面で密着するよう形成されているが、一部分同士が密着
するだけであっても差し支えない。本発明において、ブ
ロック体は、外周が工具取り付け穴より小径で、テーパ
穴が貫設された筒状体を放射方向にカットすれば容易に
形成することができるが、軸心周りを囲むよう放射状に
配置され、軸方向へ移動自在に組み付け可能であれば、
それぞれを薄肉のプレート形状にすることもできる。そ
して拡径部材には、ブロック体が回転方向に移動しない
ようガイド溝を設けることが望ましい。又、ドローバ又
はプッシュプルロッドによる引き込み力或いは押し出し
力は、皿バネなど既存の工作機械に使用されている機構
を流用して構わないが、例えば、油圧などを利用して引
き込み力或いは押し出し力を発生するようにしてもよ
く、その場合には油圧を制御することにより、遠心力の
変化に関係なく工具の把持力を一定化させるなどして、
より一層把持力を安定させることができる。
付ける押圧手段によりスリーブを先端側に押し付けるこ
とで、コレットを縮径動作させるシンプルな構造である
から小型化が容易で、高速回転時にも遠心力の影響を小
さいものに留めることができ、又、ホルダの撤廃により
工具と主軸相互間のずれを最小限に抑え、バランスのよ
い高精度の主軸とすることができる。請求項2又は3の
発明によれば、主軸の回転時には遠心力が各ブロック体
を外周方向に押し広げ、その押し広げ力がコレットを縮
径する作用として利用され、高速になればなるほど把持
力は強くなる。特にブロック体の前後両側にテーパを付
与した場合、効果は倍加する。請求項4の発明によれ
ば、従来の皿バネを利用した引き込み機構を流用してス
リーブを先端側に押し付けることができ、工具のクラン
プ/アンクランプ操作を軸方向への移動操作により可能
としたので工具自動交換には好適であり、これは請求項
5の発明においても共通する。又、請求項6の発明によ
れば、コレットに対し、縮径力が前後均等に加わり、軸
方向に対する工具のクランプ力が均一し、心ずれがなく
なる。
を前後に二つ配置したので、それら前後二つのコレット
により、工具が長手方向に対して均等に把持される。そ
して請求項8の発明によれば、一つの押圧手段で二つの
コレットに対して同時に把持力を付与でき、請求項9の
発明によれば、従来の機構を利用できるし、請求項10
の発明によれば、スリーブとコレットとが強固に嵌め合
わされてしまっても、引き戻し操作すれば確実に分離さ
れる。
施例を示した説明図である。
施例を示した説明図である。
施例を示した説明図である。
施例を示した説明図である。
4a,4b・・テーパ穴、5,5’・・スリーブ、5a
・・先端側スリーブ、5b・・後側スリーブ、6,6
a,6b・・テーパ面、7,7’・・コレット、7
a..前コレット、7b・・後コレット、8・・工具、
9・・貫通窓、10,10’・・蓋体、11・・逆テー
パ面、12・・テーパ面、13・・逆テーパ面、14・
・テーパ面、15,15’・・ブロック体、16・・テ
ーパ面、17・・テーパ面、18,18’・・拡径部
材、19・・ドローバ、20・・逆テーパ面、21・・
逆テーパ面、22・・段部、23・・逆テーパ面、24
・・逆テーパ面、25・・プッシュプルロッド、26・
・フランジ、27・・係合手段、28・・カラー、29
・・圧縮バネ。
Claims (10)
- 【請求項1】 主軸の先端面に開口を有する工具取り付
け穴内に、先端側が拡開したテーパ穴を有するスリーブ
を軸心方向へ摺動自在に組み込み、そのスリーブの先端
側に、縮径可能で、外周後端側に前記スリーブのテーパ
穴に対応したテーパ面が設けられたコレットを、そのコ
レットの外周後端側がスリーブのテーパ穴に嵌め込まれ
た状態に組み付け、そのコレットに対し、少なくとも前
記工具取り付け穴から先端側への抜け出しを防止する抜
け止め部材と、前記スリーブに対し、スリーブを先端側
に押し付ける押圧手段とを設け、その押圧手段によって
前記スリーブを先端側に押し付け操作し、コレットを縮
径動作可能とした工作機械の工具クランプ機構。 - 【請求項2】 前記スリーブの後端側に前記テーパ穴と
傾斜方向が反対の逆テーパ面を形成し、そのスリーブと
工具取り付け穴の後端面との間にあたる空間部に、先端
側に前記逆テーパ面に対応した逆テーパ面を有する複数
のブロック体を放射状に配列したブロック群を配置し、
そのブロック群と、そのブロック群を外周方向に押し広
げることにより前記スリーブを先端側に押し付ける付勢
手段とで押圧手段を構成して成る請求項1に記載した工
作機械のクランプ機構。 - 【請求項3】 前記工具取り付け穴の後端面にテーパ面
を形成し、そのテーパ面と前記スリーブの後端面との間
にあたる空間部に、後端側に前記テーパ面に対応したテ
ーパ面を有する複数のブロック体を放射状に配列したブ
ロック群を配置し、そのブロック群と、そのブロック群
を外周方向に押し広げることによりスリーブを先端側に
押し付ける付勢手段とで押圧手段を構成して成る請求項
1又は2に記載した工作機械の工具クランプ機構 - 【請求項4】 前記各ブロック体における軸心に面した
側に、傾斜方向が前記スリーブのテーパ穴と同じ方向に
傾斜したテーパ面を形成する一方、ブロック群で囲まれ
た軸心部分に、前記ブロック体の各テーパ面に対応した
テーパ面が周設されている拡径部材を組み入れ、その拡
径部材を、前記工具取り付け穴の後端側に引き込み操作
することで、前記ブロック群を外周方向に押し広げ可能
とした請求項2又は3に記載した工作機械の工具クラン
プ機構。 - 【請求項5】 前記各ブロック体における軸心に面した
側に、傾斜方向が前記スリーブのテーパ穴と反対の方向
に傾斜した逆テーパ面を形成する一方、ブロック群で囲
まれた軸心部分に、前記ブロック体の逆テーパ面に対応
した逆テーパ面が周設されている拡径部材を組み入れ、
その拡径部材を、前記工具取り付け穴の先端側に押し出
し操作することで、前記ブロック群を外周方向に押し広
げ可能とした請求項2又は3に記載した工作機械の工具
クランプ機構。 - 【請求項6】 前記コレットの外周先端側に、その後端
側に形成されているテーパ面と前後対称となる逆テーパ
面を設け、工具取り付け穴の先端部に、前記逆テーパ面
に対応した逆テーパ面を有する抜け止め部材を固着した
請求項1〜5のいずれかに記載した工作機械の工具クラ
ンプ機構。 - 【請求項7】 主軸の先端面に開口を有する工具取り付
け穴内に、先端側が拡開したテーパ穴を有する前後二つ
のスリーブを軸心方向へ摺動自在に組み込み、それらの
各スリーブに対し、先端側に、縮径可能で、いずれも外
周後端側に前記各スリーブのテーパ穴に対応したテーパ
面が設けられた前及び後コレットを、各コレットの外周
後端側が対応するスリーブのテーパ穴に嵌め込まれた状
態に組み付け、前コレットを、少なくとも前記工具取り
付け穴から先端側への抜け出しを防止する抜け止め部材
と、前記二つのスリーブに対し、後側スリーブを先端側
に押し付けることにより先端側スリーブをも押し付ける
押圧手段とを設け、その押圧手段によって前記二つのス
リーブを先端側に押し付け操作し、前後二つのコレット
を同時に縮径動作可能とした工作機械の工具クランプ機
構。 - 【請求項8】 前記工具取り付け穴の後端面にテーパ面
を形成し、そのテーパ面と前記後側スリーブの後端面と
の間にあたる空間部に、後端側に前記テーパ面に対応し
たテーパ面を有する複数のブロック体を放射状に配列し
たブロック群を配置し、そのブロック群と、そのブロッ
ク群を外周方向に押し広げることにより後スリーブを先
端側に押し付ける付勢手段とで押圧手段を構成して成る
請求項7に記載した工作機械の工具クランプ機構 - 【請求項9】 前記各ブロック体における軸心に面した
側に、傾斜方向が前記二つのスリーブのテーパ穴と同じ
方向に傾斜したテーパ面を形成する一方、ブロック群で
囲まれた軸心部分に、前記ブロック体の各テーパ面に対
応したテーパ面が周設されている拡径部材を組み入れ、
その拡径部材を、前記工具取り付け穴の後端側に引き込
み操作することで、前記ブロック群を外周方向に押し広
げ可能とした請求項7又は8に記載した工作機械の工具
クランプ機構。 - 【請求項10】 前記二つのスリーブ相互間に、押し付
け操作する場合に後側スリーブから先端側スリーブへ押
し付け力を伝え、引き離し操作をする場合には先端側ス
リーブを後側スリーブにより引き戻すための係合手段を
設け、更に、後コレットの後端側と後側スリーブ内径先
端面との間に、前記二つのコレットを常に主軸先端側へ
押し付けるための圧縮バネを組み込んだ請求項7〜9の
いずれかに記載した工作機械の工具クランプ機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25003898A JP4024939B2 (ja) | 1997-09-05 | 1998-09-03 | 工作機械の工具クランプ機構 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9-241461 | 1997-09-05 | ||
JP24146197 | 1997-09-05 | ||
JP25003898A JP4024939B2 (ja) | 1997-09-05 | 1998-09-03 | 工作機械の工具クランプ機構 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11165208A true JPH11165208A (ja) | 1999-06-22 |
JP4024939B2 JP4024939B2 (ja) | 2007-12-19 |
Family
ID=26535272
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25003898A Expired - Fee Related JP4024939B2 (ja) | 1997-09-05 | 1998-09-03 | 工作機械の工具クランプ機構 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4024939B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011509121A (ja) * | 2008-01-03 | 2011-03-24 | ウィルソン−クック・メディカル・インコーポレーテッド | 内視鏡を使用して穴を縫合するための医療装置、器具及び方法 |
-
1998
- 1998-09-03 JP JP25003898A patent/JP4024939B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011509121A (ja) * | 2008-01-03 | 2011-03-24 | ウィルソン−クック・メディカル・インコーポレーテッド | 内視鏡を使用して穴を縫合するための医療装置、器具及び方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4024939B2 (ja) | 2007-12-19 |
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