JP4024702B2 - 魚釣用リ−ル - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リ−ル本体の巻き取り駆動機構に連結されて巻き取り操作する魚釣用リ−ルのハンドルを、右利き又は左利きに応じて任意にハンドルを左右に取り換えることの出来る魚釣用リ−ルの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
巻き取り駆動機構の駆動歯車を有する駆動軸筒の内周両側の夫々に、右ネジ及び左ネジで向きの異なる雌ネジ部を形成し、ツマミを有するハンドル軸の端部に形成した大径部と小径部に夫々に右ネジ及び左ネジで向きの異なる雄ネジ部を形成して、駆動軸筒の内周両側の夫々に形成した右ネジ及び左ネジの雌ネジ部に選択的に取り換え固定することで、右利き又は左利きに対応できるようにすることは従来から知られている。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
【特許文献1】
実公昭38−176号公報
【0004】
このように、ハンドルを取り換え固定することで、右利き又は左利きに対応できるようにハンドル軸の端部に形成される螺合部は、同径軸の外周上に左右向きの異なる雄ネジ部は刻設出来ないので、大小径の異なる段付き外径部に左右向きの異なる雄ネジ部を形成して駆動軸筒の内周の雌ネジ部に螺合させることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
解決しようとする問題点は、特許文献1のように、左右取り換えハンドル軸の雄ネジ部を駆動軸筒の内周の雌ネジ部に螺合する際に、ハンドル軸端部の小径雄ネジ部を駆動軸筒内周の大径雌ネジ部に干渉させないでハンドル軸の大径雄ネジ部を大径雌ネジ部に螺合させる必要があること、及び、螺合締め付け強度は小径ネジ部の強度を基本に大径ネジ部が設定されること等より、必要以上に駆動軸筒の内周、つまり、駆動軸筒が大径化してしまい、結果的に、巻き取り駆動部を収容するリ−ル本体が大型・重量化してしまうことになり、魚釣り操作性、携帯性が悪くなってしまう。
ことである。
【0006】
本発明の目的は前記欠点に鑑み、ハンドルねじ込み式左右変換構造の駆動軸の小径化を図ると共にリ−ル本体の小型・軽量化を図った魚釣用リ−ルを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係わる本発明は、リール本体に支持された駆動歯車を駆動回転する軸部の左右に螺子方向の異なる大径螺子部と小径螺子部を設けて該大径螺子部と小径螺子部に夫々螺合する螺子部をハンドル側の軸芯上に並べて設けた魚釣用リールにおいて、前記駆動歯車側又はハンドル側に形成される大径雌螺子部と小径雄螺子部の何れか一方又は双方のみのネジ山の頂部をカットして、前記大径雌螺子部と小径雄螺子部との干渉を防止したことを要旨とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
請求項1の本発明により、ハンドルを、右利き又は左利きに対応するように、駆動歯車2の駆動回転する軸部(駆動軸筒2a、駆動軸部2i)に右ネジの小径雌螺子部2bと左ネジの大径雌螺子部2c又は右ネジの大径雄螺子部2mと左ネジの小径雄螺子部2kを設けると共に、ハンドル軸3、3′に右ネジの小径雄螺子部3aと左ネジの大径雄螺子部3b又は左ネジの小径雌螺子部3dと右ネジの大径雌螺子部3eを設けて何れかを選択的に取り付けるに際して螺子同士が干渉することがなく、駆動回転する軸部が必要以上に大型化するのを防止でき、リ−ル本体の小型・軽量化が可能となる。
【0009】
【実施例】
以下、図示の実施例によって本発明を説明すると、図1から図3は第1実施例で、図1は魚釣用スピニングリ−ルのハンドルを分解した要部断面平面図、図2は右ハンドルにおける要部拡大断面平面図、図3は左ハンドルにおける要部拡大断面平面図である。
【0010】
魚釣用スピニングリ−ルは、リ−ル本体1と蓋体10で保持された軸受11、12で駆動歯車2の駆動軸筒2aが軸承されて駆動軸筒2aの中心に形成された右ネジの小径雌螺子部2bと左ネジの大径雌螺子部2cの何れかにハンドル軸3に形成された右ネジの小径雄螺子部3aと左ネジの大径雄螺子部3bの何れかが螺合されている。
ハンドルが右ハンドルで構成される時は図2のように、駆動歯車2の右ネジの小径雌螺子部2bにハンドル軸3の右ネジの小径雄螺子部3aが螺合され、ハンドルが左ハンドルで構成される時は図3のように、駆動歯車2の左ネジの大径雌螺子部2cにハンドル軸3の左ネジの大径雄螺子部3bが螺合される。
駆動歯車2の大径雌螺子部2cのネジ山の頂部aはカットされて平面2dに形成されてハンドル軸3の小径雄螺子部3aが大径雌螺子部2cに嵌挿される際、小径雄螺子部3aのネジ山の頂部bと大径雌螺子部2cのネジ部との干渉が防止されている。
【0011】
ネジ山の頂部aがカットされて平面2dに形成される工程は、螺子切り工具で螺子切り加工後、ネジ山をトッピング切削加工しても良いし、螺子切り加工前のブランクの径寸法を基準寸法に対して修正変更しても良い。
駆動歯車2の駆動軸筒2a内周の小径雌螺子部2bと大径雌螺子部2cの間には大径の内周面2eが、小径雌螺子部2bの図1で右側には大径の内周面2fが形成されている。
駆動歯車2の駆動軸筒2aの両端外周には雄螺子部2g、2hが形成されてハンドルが右ハンドルで構成される時雄螺子部2gにカバ−4の雌螺子部4aが螺合されている。
ハンドルが左ハンドルで構成される時雄螺子部2hにカバ−4の雌螺子部4aが螺合される。
ハンドル軸3には端部にツマミ13が回転自在に軸承されたハンドルア−ム5とハンドルカバ−6が固定されている。
【0012】
軸受11が保持されたリ−ル本体1の外側には筒部1aが形成されてハンドルが右ハンドルで構成される時筒部1aの端面にハンドルカバ−6の外側カバ−6aの端面が対向されている。
軸受12が保持された蓋体10の外側には筒部10aが形成されてハンドルが右ハンドルで構成される時筒部10aの端面にカバ−4の外側カバ−4bの端面が対向されている。
ハンドルが左ハンドルで構成される時は、リ−ル本体1の外側の筒部1aの端面にカバ−4の外側カバ−4bの端面が対向され、蓋体10の外側の筒部10aの端面にハンドルカバ−6の外側カバ−6aの端面が対向される。
【0013】
リ−ル本体1内の前側の図示しない軸受で回転軸筒7の前側が回転自在に支持され、リ−ル本体1内の軸受部1bに回転軸筒7の基端7aが嵌合支持され、基端7aの前側に一体的にピニオン7bが形成されて駆動歯車2に噛合されている。
回転軸筒7の前端にロ−タ8の図示しない中心筒部が回り止め嵌合されて図示しないナットで取り付けられている。
回転軸筒7の中心透孔には前側にスプ−ル9が取り付けられたスプ−ル軸14が前後往復動可能に摺動自在に挿入されている。
【0014】
ロ−タ8は中心筒部で回転軸筒7に取り付けられ、図示しない筒部と前壁と大径の筒部8aと大径の筒部8aの基部の外周から前方に向けて突出された一対の支持腕8b、8cとで形成されて支持腕8bに一方のベ−ル支持部材15が図示しないビスで止められ、支持腕8cに他方のベ−ル支持部材16が図示しないビスで止められて釣糸巻取位置と図示しない釣糸放出位置に反転自在に軸承されている。
一方のベ−ル支持部材15には釣糸案内ロ−ラの取付部17が取り付けられている。
他方のベ−ル支持部材16と釣糸案内ロ−ラの取付部17の間にベ−ル18が取り付けられている。
スプ−ル9は前側鍔部9aと釣糸19が巻回される釣糸巻回胴部9bと円筒部9cを備えた後側鍔部9dとで形成されている。
【0015】
前記魚釣用スピニングリ−ルの動作は、釣糸19がスプ−ル9に巻回される方向にハンドルア−ム5が回転されると、駆動歯車2が回転されてピニオン7bを介して回転軸筒7とロ−タ8が正回転される。
釣糸がスプ−ル9に巻回される時は、一方のベ−ル支持部材15に設けられた釣糸案内ロ−ラで釣糸19が案内されて前後に往復動されるスプ−ル9に平行に巻回される。
【0016】
ハンドルが右ハンドルで構成される時は図2のように、駆動歯車2の右ネジの小径雌螺子部2bにハンドル軸3の右ネジの小径雄螺子部3aが螺合され、この時ハンドル軸3の大径雄螺子部3bは駆動軸筒2a内周の大径の内周面2f内に位置される。
ハンドルが左ハンドルで構成される時は図3のように、駆動歯車2の左ネジの大径雌螺子部2cにハンドル軸3の左ネジの大径雄螺子部3bが螺合され、この時ハンドル軸3の小径雄螺子部3aは駆動軸筒2a内周の大径の内周面2e内に位置される。
ハンドルが左ハンドルで構成される時ハンドル軸3の小径雄螺子部3aは駆動軸筒2a内周の大径雌螺子部2c位置を通り越して駆動軸筒2a内周の大径の内周面2e内に位置されるが、この時大径雌螺子部2cのネジ山の頂部aはカットされて平面2dに形成されているので、大径雌螺子部2cの内径を小さく形成しても小径雄螺子部3aのネジ山の頂部bと干渉することがない。
【0017】
前記のように魚釣用スピニングリ−ルが構成されると、ハンドルを、右利き又は左利きに対応するように、駆動歯車2の駆動軸筒2aの中心に形成された右ネジの小径雌螺子部2bと左ネジの大径雌螺子部2cの何れかにハンドル軸3に形成された右ネジの小径雄螺子部3aと左ネジの大径雄螺子部3bの何れかを選択的に取り付けるに際して螺子同士が干渉することがなく、大径雌螺子部2cが形成される駆動軸筒2aが必要以上に大型化するのを防止でき、リ−ル本体の小型・軽量化が可能となる。
【0018】
図4、図5は第2実施例で、図4は右ハンドルにおける要部拡大断面平面図、図5は左ハンドルにおける要部拡大断面平面図である。
【0019】
第2実施例では、駆動歯車2の大径雌螺子部2cのネジ山の頂部aがカットされて平面2dに形成されていると共に、ハンドル軸3に形成された右ネジの小径雄螺子部3aのネジ山の頂部bがカットされて平面3cに形成されている。
他の構成は前記第1実施例と略同一である。
大径雌螺子部2cと小径雄螺子部3aのネジ山の頂部が共にカットされていると、駆動歯車2の駆動軸筒2aの外径をさらに小径にすることができる。
【0020】
図6、図7は第3実施例で、図6は右ハンドルにおける要部拡大断面平面図、図7は左ハンドルにおける要部拡大断面平面図である。
【0021】
第3実施例では、駆動歯車2の大径雌螺子部2cのネジ山の頂部aはカットされず、ハンドル軸3に形成された右ネジの小径雄螺子部3aのネジ山の頂部bのみがカットされて平面3cに形成されている。
他の構成は前記第1実施例と略同一である。
【0022】
図8から図10は第4実施例で、図8は魚釣用スピニングリ−ルのハンドルを分解した要部断面平面図、図9は右ハンドルにおける要部拡大断面平面図、図10は左ハンドルにおける要部拡大断面平面図である。
【0023】
第4実施例では、駆動歯車2側が駆動軸部2iで形成されてハンドル軸3′側が雌ネジが形成される凹部に形成されている。
駆動歯車2の駆動軸部2iの図8で左側に小径軸部2jと左ネジの小径雄螺子部2kが形成され、駆動軸部2iの図8で右端に右ネジの大径雄螺子部2mが形成されて、小径雄螺子部2kと大径雄螺子部2mの何れかにハンドル軸3′に形成された左ネジの小径雌螺子部3dと右ネジの大径雌螺子部3eの何れかが螺合されている。
ハンドル軸3′に形成された大径雌螺子部3eのネジ山の頂部cはカットされて平面3fに形成されて駆動歯車2の駆動軸部2iの小径雄螺子部2kのネジ山の頂部dとの干渉が防止されている。
【0024】
ハンドルが右ハンドルで構成される時は図9のように、駆動歯車2の駆動軸部2iの右ネジの大径雄螺子部2mにハンドル軸3′の右ネジの大径雌螺子部3eが螺合される。
ハンドルが左ハンドルで構成される時は図10のように、駆動歯車2の駆動軸部2iの左ネジの小径雄螺子部2kにハンドル軸3′の左ネジの小径雌螺子部3dが螺合され、大径雌螺子部3eの内側に小径軸部2jが位置される。
この時駆動歯車2の駆動軸部2iの左ネジの小径雄螺子部2kはハンドル軸3′の右ネジの大径雌螺子部3e位置を通り越して小径雌螺子部3dに螺合されるが、ハンドル軸3′の大径雌螺子部3eのネジ山の頂部cはカットされて平面3fに形成されているので、小径雄螺子部2kのネジ山が大径雌螺子部3eのネジ山と干渉することがない。
【0025】
ハンドル軸3′が駆動歯車2の駆動軸部2iに右ハンドルで取り付けられる時駆動軸部2iの小径雄螺子部2kにカバ−4′の小径雌螺子部4cが螺合される。
ハンドル軸3′が駆動歯車2の駆動軸部2iに左ハンドルで取り付けられる時駆動軸部2iの大径雄螺子部2mにカバ−4′の大径雌螺子部4dが螺合される。
カバ−4′には小径雌螺子部4cと大径雌螺子部4dが形成されると共に、大径雌螺子部4dのネジ山の頂部dはカットされて平面4eに形成されている。
【0026】
ハンドル軸3′にはハンドルカバ−6が固定され、ハンドルカバ−6とハンドルア−ム5の間またはハンドル軸3′とハンドルア−ム5の間は折り畳み可能に構成されている。
他の構成は前記第1実施例と略同一である。
【0027】
前記説明では魚釣用リ−ルを魚釣用スピニングリ−ルで述べたが、他の魚釣用覆面型リ−ル等の駆動ハンドル構造に実施してもよい。
【0028】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0029】
請求項1により、ハンドルを、右利き又は左利きに対応するように、駆動歯車の駆動回転する軸部に設けた大径雌螺子部とハンドル軸に設けた小径雄螺子部、又は駆動歯車の駆動回転する軸部に設けた小径雄螺子部とハンドル軸に設けた大径雌螺子部の何れかを選択的に取り付けるに際して螺子同士が干渉することがなく、駆動回転する軸部が必要以上に大型化するのを防止でき、リ−ル本体の小型・軽量化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例で、魚釣用スピニングリ−ルのハンドルを分解した要部断面平面図である。
【図2】同右ハンドルにおける要部拡大断面平面図である。
【図3】同左ハンドルにおける要部拡大断面平面図である。
【図4】第2実施例で、右ハンドルにおける要部拡大断面平面図である。
【図5】同左ハンドルにおける要部拡大断面平面図である。
【図6】第3実施例で、右ハンドルにおける要部拡大断面平面図である。
【図7】同左ハンドルにおける要部拡大断面平面図である。
【図8】第4実施例で、魚釣用スピニングリ−ルのハンドルを分解した要部断面平面図である。
【図9】同右ハンドルにおける要部拡大断面平面図である。
【図10】同左ハンドルにおける要部拡大断面平面図である。
【符号の説明】
1 リ−ル本体
2 駆動歯車
2a、2i 駆動回転する軸部(駆動軸筒、駆動軸部)
2k、3a 小径雄螺子部
2c、3e 大径雌螺子部
2b、2k、3a、3d 小径螺子部
2c、2m、3b、3e 大径螺子部
3、3′ ハンドル軸
a、b、c、d、e ネジ山の頂部

Claims (1)

  1. リール本体に支持された駆動歯車を駆動回転する軸部の左右に螺子方向の異なる大径螺子部と小径螺子部を設けて該大径螺子部と小径螺子部に夫々螺合する螺子部をハンドル側の軸芯上に並べて設けた魚釣用リールにおいて、前記駆動歯車側又はハンドル側に形成される大径雌螺子部と小径雄螺子部の何れか一方又は双方のみのネジ山の頂部をカットして、前記大径雌螺子部と小径雄螺子部との干渉を防止したことを特徴とする魚釣用リール。
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