JP4024354B2 - ハロゲン化銀写真感光材料およびヘプタメチンシアニン化合物 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料およびヘプタメチンシアニン化合物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハロゲン化銀写真感光材料およびヘプタメチンシアニン化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ハロゲン化銀写真感光材料には、イラジエーション防止、ハレーション防止あるいは光フィルターのような目的で染料を添加することが普通である。イラジエーション防止染料やハレーション防止染料は、ハロゲン化銀写真感光材料の画像露光に使用する光のイラジエーションやハレーションを防止するために使用する。従って、近赤外光露光用のハロゲン化銀写真感光材料には、近赤外吸収染料をイラジエーション防止染料やハレーション防止染料として使用する必要がある。さらに、自動現像機の赤外線センサーの感度を改善する目的で、近赤外吸収染料をハロゲン化銀写真感光材料に添加する場合もある。いずれの用途においても、近赤外吸収染料は、ハロゲン化銀写真感光材料の現像処理の前に機能する。
ハロゲン化銀写真感光材料に使用する近赤外吸収染料としては、シアニン染料(特開平5−16171号、同5−216167号、同6−43583号、同8−201959号の各公報、米国特許5330884号、欧州特許714046号、欧州特許公開342576A号の各明細書記載)、インドレニンシアニン染料(特開平4−182640号公報、米国特許5545515号明細書記載)やジヒドロペリミジンスクアリリウム染料(米国特許5380635号明細書記載)が代表的である。
【0003】
近赤外吸収染料は一般に、近赤外領域に最大吸収ピークを有し、可視領域における吸収は相対的に少ない。それでも近赤外吸収染料は、無視できない量の吸収を可視領域に有している。そのため、現像処理あるいは漂白処理において、機能が終了した近赤外吸収染料を、ハロゲン化銀写真感光材料から除去または漂白し、染料による画像の着色を防止することが普通である。しかし、染料の除去また漂白を実施すると、処理液に負担がかかるため、処理液の補充量を増加させる必要がある。最近のハロゲン化銀写真感光材料の技術では、迅速な処理と処理液の削減とが重要な課題となっているため、処理液に負担がかかる方法は望ましくない。近赤外吸収染料のような可視領域における吸収が相対的に少ない染料は、なるべく除去あるいは漂白せずに、処理液の負担を軽減することが理想的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近赤外吸収染料を画像中に残存させる場合、特に問題となるのは、可視領域全体における吸収量よりも、可視領域内での吸収の偏りである。可視領域内に近赤外吸収染料の第二の吸収ピークが存在したり、ピークではなくても可視領域内の特定の波長に吸収が偏ると、画像の着色が顕著になる。そのような近赤外吸収染料は、色味が悪いと呼ばれる。これに対して、可視領域全体における吸収量が比較的多くても、可視領域内の特定波長に吸収が偏らなければ、色味が良く、画像の着色は比較的目立たない。
【0005】
従来の近赤外吸収染料には、色味が悪いとの問題がある。例えば、米国特許5545515号明細書に記載のインドレニンシアニン染料は、350〜450nmの領域に顕著な吸収を有している。
さらに、従来の近赤外吸収染料には、蛍光を発する化合物が多い。染料が蛍光を発すると、ハロゲン化銀が露光され、画像の鮮鋭度が低下する。染料は一般に、ハレーションやイラジエーションを防止して、画像の鮮鋭度を改善するために使用するが、そのための染料が蛍光を発すると、鮮鋭度の改善効果が充分に得られない。
【0006】
本発明の目的は、色味が良好で、かつ鮮鋭度が高い画像を形成できるハロゲン化銀写真感光材料を提供することである。
また、本発明の目的は、染料の除去あるいは漂白のための処理液の負担を軽減することができるハロゲン化銀写真感光材料を提供することでもある。
さらに本発明の目的は、写真用近赤外吸収染料として最適なヘプタメチンシアニン化合物を提供することでもある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、下記(1)〜(4)のハロゲン化銀写真感光材料および下記(5)のヘプタメチンシアニン化合物により達成された。
(1)支持体上に、ハロゲン化銀乳剤層と非感光性親水性コロイド層とを有し、ハロゲン化銀乳剤層または非感光性親水性コロイド層が下記式(I)で表わされるヘプタメチンシアニン染料を含むことを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
【0008】
【化4】
Figure 0004024354
【0009】
式中、ZaおよびZbは、それぞれ独立に、5員または6員の含窒素複素環を形成する非金属原子群であって、含窒素複素環には、芳香族環または他の複素環が縮合していても、飽和脂肪族環がスピロ結合していてもよく、含窒素複素環、その縮合環あるいはそのスピロ結合環には、置換基が結合していてもよい;Zcは、7員環を形成する非金属原子群であって、7員環には置換基が結合していてもよい;RaおよびRbは、それぞれ独立に、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アラルキル基または置換アラルキル基であり;Rcは、シアノ、−SO2 Rd、−OReまたは−SRfであり;Rd、ReおよびRfは、それぞれ独立に、アルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アラルキル基、置換アラルキル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロ環基または置換ヘテロ環基であり;Xcはアニオンであり;そして、na、nbおよびncは、それぞれ独立に、0または1である。
(2)ヘプタメチンシアニン染料が、下記式(II)で表わされる(1)記載のハロゲン化銀写真感光材料。
【0010】
【化5】
Figure 0004024354
【0011】
式中、Z1 は、−CR1112−、−O−、−S−または−NR13−であり;Z2 は、−CR2122−、−O−、−S−または−NR23−であり;R1 およびR2 は、それぞれ独立に、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アラルキル基または置換アラルキル基であり;R3 は、シアノ、−SO231、−OR32または−SR33であり;R11、R12、R21およびR22は、それぞれ独立にアルキル基であるか、あるいはR11とR12、またはR21とR22が結合して飽和脂肪族スピロ環を形成する;R13およびR23は、それぞれ独立に、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アラルキル基、置換アラルキル基であり;R31、R32およびR33は、それぞれ独立に、アルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アラルキル基、置換アラルキル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロ環基または置換ヘテロ環基であり;ベンゼン環AおよびBには、それぞれ独立に、別のベンゼン環が縮合していてもよく、ベンゼン環A、Bおよびそれらの縮合環は、さらに置換基を有していてもよい;Xはアニオンであり;そして、nは0または1である。
【0012】
(3)非感光性親水性コロイド層が式(I)で表わされるヘプタメチンシアニン染料を含み、該非感光性親水性コロイド層がハレーション防止層として機能する(1)記載のハロゲン化銀写真感光材料。
(4)波長が700乃至1100nmの近赤外光露光用である(1)記載のハロゲン化銀写真感光材料。
(5)上記式(II)で表わされるヘプタメチンシアニン化合物。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明は、下記式(I)で表わされるヘプタメチン化合物を使用することを特徴とする。
【0014】
【化6】
Figure 0004024354
【0015】
式(I)において、ZaおよびZbは、それぞれ独立に、5員または6員の含窒素複素環を形成する非金属原子群である。含窒素複素環は、6員環よりも5員環の方が好ましい。含窒素複素環は、式(I)に表示される窒素原子以外の複素原子(例、他の窒素原子、酸素原子、硫黄原子)を含んでいてもよい。含窒素複素環には、芳香族環または他の複素環が縮合していてもよい。また、含窒素複素環には、飽和脂肪族環がスピロ結合していてもよい。含窒素複素環、その縮合環あるいはそのスピロ結合環には、置換基が結合していてもよい。置換基の例には、置換基の例には、アルキル基(例、メチル、エチル)、アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)、アリール基(例、フェニル)、アリールオキシ基(例、フェノキシ)、ハロゲン置換アリールオキシ基(例、p−クロロフェノキシ)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、アルコキシカルボニル基(例、エトキシカルボニル)、シアノ、ニトロ、カルボキシルおよびスルホが含まれる。カルボキシルとスルホは、塩の状態であってもよい。カルボキシルおよびスルホと塩を形成するカチオンは、アルカリ金属イオン(例、ナトリウムイオン、カリウムイオン)が好ましい。
【0016】
式(I)において、Zcは、7員環を形成する非金属原子群である。7員環は、不飽和脂肪族環または複素環(複素原子の例:窒素原子、酸素原子、硫黄原子)であることが好ましく、不飽和脂肪族環であることがさらに好ましく、シクロヘプテン環であることが最も好ましい。7員環には置換基が結合していてもよい。置換基の例は、上記含窒素複素環、その縮合環およびそのスピロ結合環の置換基の例と同様である。ただし、7員環は無置換であることが特に好ましい。
【0017】
式(I)において、RaおよびRbは、それぞれ独立に、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アラルキル基または置換アラルキル基である。アルキル基、置換アルキル基、アラルキル基および置換アラルキル基が好ましく、アルキル基および置換アルキル基がさらに好ましい。
アルキル基は分岐を有していてもよい。アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、ペンチルおよびヘキシルが含まれる。アルキル基の炭素原子数は、1乃至30であることが好ましく、1乃至20であることがより好ましく、1乃至15であることがさらに好ましく、1乃至10であることが最も好ましい。
置換アルキル基のアルキル部分は、上記アルキル基と同様である。置換基の例には、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、アルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)、アリールオキシ基、アルキル置換アリールオキシ基、ヒドロキシル、カルボキシルおよびスルホが含まれる。カルボキシルとスルホは、塩の状態であってもよい。カルボキシルおよびスルホと塩を形成するカチオンは、アルカリ金属イオン(例、ナトリウムイオン、カリウムイオン)が好ましい。
【0018】
式(I)における「アルケニル基」は、無置換の鎖状アルケニル基を意味する。アルケニル基は分岐を有していてもよい。アルケニル基の例には、2−ペンテニル、ビニル、アリル、2−ブテニルおよび1−プロペニルが含まれる。アルケニル基の炭素原子数は、2乃至20であることが好ましく、2乃至15であることがより好ましく、2乃至10であることがさらに好ましく、2乃至6であることが最も好ましい。
置換アルケニル基のアルケニル部分は、上記アルケニル基と同様である。置換基の例は、前記置換アルキル基の置換基と同様である。
式(I)における「アラルキル基」は、無置換でアルキル部分が鎖状のアラルキル基を意味する。アラルキル基のアルキル部分は分岐を有していてもよい。アラルキル基の例には、ベンジル、フェネチルおよびフェニルプロピルが含まれる。アラルキル基の炭素原子数は、7乃至50であることが好ましく、7乃至40であることがより好ましく、7乃至30であることがさらに好ましく、7乃至22であることが最も好ましい。
置換アラルキル基のアラルキル部分は、上記アラルキル基と同様である。置換基の例には、アルキル基(例、メチル、t−アミル)、アルコキシ基およびハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子)が含まれる。
【0019】
式(I)において、Rcは、シアノ、−SO2 Rd、−OReまたは−SRfである。Rd、ReおよびRfは、それぞれ独立に、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロ環基または置換ヘテロ環基である。−SO2 Rd、−OReおよび−SRfが好ましく、−OReおよび−SRfがさらに好ましく、−SRfが最も好ましい。
Rd、ReおよびRfは、それぞれ独立に、アルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アラルキル基、置換アラルキル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロ環基または置換ヘテロ環基である。
アルキル基は分岐を有していてもよい。アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、ペンチルおよびヘキシルが含まれる。アルキル基の炭素原子数は、1乃至20であることが好ましく、1乃至15であることがより好ましく、1乃至10であることがさらに好ましく、1乃至6であることが最も好ましい。
置換アルキル基のアルキル部分は、上記アルキル基と同様である。置換基の例には、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、アルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)およびヒドロキシルが含まれる。
【0020】
シクロアルキル基の例には、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが含まれる。シクロアルキル基の炭素原子数は、5乃至10であることが好ましく、5乃至7であることがさらに好ましく、6(シクロヘキシル)であることが最も好ましい。
置換シクロアルキル基のシクロアルキル部分は上記シクロアルキル基と同様である。置換基の例には、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、アルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)およびヒドロキシルが含まれる。
アラルキル基のアルキル部分は分岐を有していてもよい。アラルキル基の例には、ベンジル、フェネチルおよびフェニルプロピルが含まれる。アラルキル基の炭素原子数は、7乃至40であることが好ましく、7乃至30であることがより好ましく、7乃至20であることがさらに好ましく、7乃至15であることが最も好ましい。
置換アラルキル基のアラルキル部分は、上記アラルキル基と同様である。置換基の例には、アルキル基(例、メチル、t−アミル)、アルコキシ基およびハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子)が含まれる。
【0021】
アリール基の例には、フェニルおよびナフチルが含まれる。アリール基の炭素原子数は、6乃至12であることが好ましい。
置換アリール基のアリール部分は、上記アリール基と同様である。置換基の例には、アルキル基(例、メチル、エチル)、アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)、アリールオキシ基(例、フェノキシ)、ハロゲン置換アリールオキシ基(例、p−クロロフェノキシ)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、アルコキシカルボニル基(例、エトキシカルボニル)、シアノ、ニトロ、カルボキシルおよびスルホ基が含まれる。カルボキシルとスルホは、塩の状態であってもよい。カルボキシルおよびスルホと塩を形成するカチオンは、アルカリ金属イオン(例、ナトリウムイオン、カリウムイオン)が好ましい。
【0022】
ヘテロ環基が有するヘテロ環は、5員環または6員環であることが好ましい。ヘテロ環に、他のヘテロ環、芳香族環あるいは脂肪族環が縮合していてもよい。ヘテロ環のヘテロ原子の例には、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、セレン原子およびテルル原子が含まれる。ヘテロ環の(縮合環を含む)例には、ピペリジン環、ピペラジン環、チオフェン環、フラン環、ピラン環、キサンテン環、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、イソオキサゾール環、ピリジン環、ピラジン環、インドール環、プリン環、キノリン環、フタラジン環、カルバゾール環、ペリミジン環、ピロリジン環、インドリン環、モルホリン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾセレナゾール環、チアゾリン環、ベンズイミダゾール環、テトラゾール環、トリアゾール環、ピリミジン環、チアジアゾール環、チアジアゾール環、ピラゾロン環、バルビツール環、ピリドン環、4−ブタンラクタム環および6−ヘキサンラクタム環が含まれる。
置換ヘテロ環基のヘテロ環部分は、上記ヘテロ環基と同様である。置換基の例には、アルキル基(例、メチル、エチル)、アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)、アリール基(例、フェニル)、アリールオキシ基(例、フェノキシ)、ハロゲン置換アリールオキシ基(例、p−クロロフェノキシ)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、アルコキシカルボニル基(例、エトキシカルボニル)、シアノ、ニトロ、カルボキシルおよびスルホが含まれる。カルボキシルとスルホは、塩の状態であってもよい。カルボキシルおよびスルホと塩を形成するカチオンは、アルカリ金属イオン(例、ナトリウムイオン、カリウムイオン)が好ましい。
【0023】
式(I)において、Xcはアニオンである。アニオンは一価であることが好ましい。アニオンの例には、ハロゲンイオン(Cl、Br、I)、p−トルエンスルホン酸イオン、エチル硫酸イオン、PF6 、BF4 およびClO4 が含まれる。
式(I)において、na、nbおよびncは、それぞれ独立に、0または1である。naおよびnbは、0であることが好ましい。染料が分子内塩を形成する場合、ncは0になる。
【0024】
好ましいヘプタメチンシアニン化合物は、下記式(II)で表わされる。
【0025】
【化7】
Figure 0004024354
【0026】
式(II)において、Z1 は、−CR1112−、−O−、−S−または−NR13であり、Z2 は、−CR2122−、−O−、−S−または−NR23である。Z1 は、−CR1112−、−O−または−S−であることが好ましく、−CR1112−であることが特に好ましい。Z2 は、−CR2122−、−O−または−S−であることが好ましく、−CR2122−であることが特に好ましい。Z1 とZ2 は同じ二価の連結基であることが好ましい。
【0027】
11、R12、R21およびR22は、それぞれ独立にアルキル基であるか、あるいはR11とR12、またはR21とR22が結合して飽和脂肪族スピロ環を形成する。
式(II)における「アルキル基」は、無置換の鎖状アルキル基を意味する(置換アルキル基やシクロアルキル基は別に定義する)。アルキル基は分岐を有していてもよい。アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、ペンチルおよびヘキシルが含まれる。アルキル基の炭素原子数は、1乃至20であることが好ましく、1乃至10であることがより好ましく、1乃至6であることがさらに好ましく、1乃至3であることが最も好ましく、1(メチル)であることが特に好ましい。R11とR12、またはR21とR22が結合して形成する飽和脂肪族スピロ環は、5員環(シクロペンタン環)、6員環(シクロヘキサン環)または7員環(シクロヘプタン環)であることが好ましく、6員環であることが特に好ましい。R11とR21、およびR12とR22は、同じアルキル基であることが好ましい。
13およびR23は、それぞれ独立に、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アラルキル基または置換アラルキル基である。アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基および置換アルケニル基が好ましく、アルキル基および置換アルキル基がさらに好ましい。各基の定義および例は、下記R1 およびR2 と同様である。R13とR23は、同じ基であることが好ましい。
【0028】
式(II)において、R1 およびR2 は、それぞれ独立に、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アラルキル基または置換アラルキル基である。アルキル基、置換アルキル基、アラルキル基および置換アラルキル基が好ましく、アルキル基および置換アルキル基がさらに好ましい。
アルキル基は分岐を有していてもよい。アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、ペンチルおよびヘキシルが含まれる。アルキル基の炭素原子数は、1乃至30であることが好ましく、1乃至20であることがより好ましく、1乃至15であることがさらに好ましく、1乃至10であることが最も好ましい。
置換アルキル基のアルキル部分は、上記アルキル基と同様である。置換基の例には、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、アルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)、アリールオキシ基、アルキル置換アリールオキシ基、ヒドロキシル、カルボキシルおよびスルホが含まれる。カルボキシルとスルホは、塩の状態であってもよい。カルボキシルおよびスルホと塩を形成するカチオンは、アルカリ金属イオン(例、ナトリウムイオン、カリウムイオン)が好ましい。
【0029】
式(II)における「アルケニル基」は無置換の鎖状アルケニル基を意味する。アルケニル基は分岐を有していてもよい。アルケニル基の例には、2−ペンテニル、ビニル、アリル、2−ブテニルおよび1−プロペニルが含まれる。アルケニル基の炭素原子数は、2乃至20であることが好ましく、2乃至15であることがより好ましく、2乃至10であることがさらに好ましく、2乃至6であることが最も好ましい。
置換アルケニル基のアルケニル部分は、上記アルケニル基と同様である。置換基の例は、前記置換アルキル基の置換基と同様である。
式(II)における「アラルキル基」は無置換でアルキル部分が鎖状のアラルキル基を意味する。アラルキル基のアルキル部分は分岐を有していてもよい。アラルキル基の例には、ベンジル、フェネチルおよびフェニルプロピルが含まれる。アラルキル基の炭素原子数は、7乃至50であることが好ましく、7乃至40であることがより好ましく、7乃至30であることがさらに好ましく、7乃至22であることが最も好ましい。
置換アラルキル基のアラルキル部分は、上記アラルキル基と同様である。置換基の例には、アルキル基(例、メチル、t−アミル)、アルコキシ基およびハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子)が含まれる。
【0030】
式(II)において、R3 は、シアノ、−SO231、−OR32または−SR33である。−SO231、−OR32および−SR33が好ましく、−OR32および−SR33がさらに好ましく、−SR33が最も好ましい。
31、R32およびR33は、それぞれ独立に、アルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アラルキル基、置換アラルキル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロ環基または置換ヘテロ環基である。アルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロ環基および置換ヘテロ環基の定義および例は、前述した式(I)におけるRd、ReおよびRfと同様である。
【0031】
式(II)において、ベンゼン環AおよびBには、それぞれ独立に、別のベンゼン環が縮合していてもよい。また、ベンゼン環A、Bおよびそれらの縮合環は、さらに置換基を有していてもよい。置換基の例には、アルキル基(例、メチル、エチル)、アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)、アリール基(例、フェニル)、アリールオキシ基(例、フェノキシ)、ハロゲン置換アリールオキシ基(例、p−クロロフェノキシ)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、アルコキシカルボニル基(例、エトキシカルボニル)、シアノ、ニトロ、カルボキシルおよびスルホが含まれる。カルボキシルとスルホは、塩の状態であってもよい。カルボキシルおよびスルホと塩を形成するカチオンは、アルカリ金属イオン(例、ナトリウムイオン、カリウムイオン)が好ましい。
式(II)において、Xはアニオンである。アニオンは一価であることが好ましい。アニオンの例には、ハロゲンイオン(Cl、Br、I)、p−トルエンスルホン酸イオン、エチル硫酸イオン、PF6 、BF4 およびClO4 が含まれる。式(II)において、nは0または1である。染料が分子内塩を形成する場合、nは0になる。
以下に、式(I)で表わされるヘプタメチンシアニン化合物の具体例を示す。
【0032】
【化8】
Figure 0004024354
【0033】
【化9】
Figure 0004024354
【0034】
【化10】
Figure 0004024354
【0035】
【化11】
Figure 0004024354
【0036】
【化12】
Figure 0004024354
【0037】
【化13】
Figure 0004024354
【0038】
【化14】
Figure 0004024354
【0039】
【化15】
Figure 0004024354
【0040】
[合成例1]
中間体Aの合成
N−メチルホルムアニリド27gをクロロホルム25mlに溶解した溶液に、10℃以下の温度でオキシ塩化リン28mlを加えた。室温で1時間攪拌した後、シクロヘプタン6.72gを加え、50℃で4時間攪拌した。室温に戻し、炭酸カリウム20gを含む水溶液を加えた後、アニリン16.8g、濃塩酸15mlおよび水100mlの混合物を加え、室温で1時間攪拌し、ジクロロメタン100mlを加えた。析出した結晶を濾過し、下記の中間体A11.1gを得た。
【0041】
【化16】
Figure 0004024354
【0042】
中間体Bの合成
1,2,3,3−テトラメチルインドレニウムブロマイド2.8g、上記中間体A1.86g、イソプロピルアルコール20ml、無水酢酸1.4mlおよびトリエチルアミン4.2mlの混合物を50℃で1時間攪拌し、水80mlを加えた。析出した結晶を濾過した。結晶をメチルアルコール100mlに溶解し、70重量%過塩素酸水溶液1.2mlを加えた。析出した結晶を濾過し、染料(36)を得た。収量は0.8g、λmax は778.3nm(アセトン)、εは 1. 7×105 であった。
【0043】
【化17】
Figure 0004024354
【0044】
染料(2)の合成
中間体B6g、メチルアルコール30ml、トリエチルアミン2.8mlの混合物にチオフェノール1.1gを加え、室温で2時間攪拌した。過塩素酸2mlを加えた。結晶として析出した染料を(2)を濾過した。収量は3g、λmax は784.8nm(アセトン)、εは 1. 86×105 であった。
【0045】
[合成例2]
染料(19)の合成
中間体B6g、メチルアルコール30ml、トリエチルアミン2.8mlの混合物にn−アミルメルカプタン1.0gを加え、80℃で2時間攪拌した。過塩素酸2mlを加え、濃縮し、クロロホルム−シリカゲルのカラムクロマトグラフィーで染料(19)を単離した。収量は2.3g、λmax は775.5nm(アセトン)、εは 1. 75×105 であった。
その他の染料も同様に合成した。合成した染料のλmax (吸収極大値)を下記第1表に示す。なお、染料(5)はメタノール中での値、染料(8)は水中での値を示す。
【0046】
【表1】
Figure 0004024354
【0047】
染料は、ハロゲン化銀写真感光材料におけるハレーション防止染料またはイラジエーション防止染料として用いることが好ましく、ハレーション防止染料として用いることが特に好ましい。また、近赤外光のフィルター用染料として機能させることもできる。さらに、自動現像機の赤外線センサーの検出精度を改善するための染料として使用してもよい。ハレーション防止染料またはフィルター染料として機能させる場合、染料は非感光性親水性コロイド層に添加することが普通である。イラジエーション防止染料として機能させる場合、染料はハロゲン化銀乳剤層に添加することが普通である。
染料は、その溶液または分散物(固体微粒子分散物)を非感光性層または感光層の塗布液に添加して、ハロゲン化銀写真感光材料に導入する。
染料の添加量(塗布量)は、0.1乃至1000mg/m2 であることが好ましく、1乃至200mg/m2 であることがさらに好ましい。
本発明の化合物は、種々のカラー及び白黒用のハロゲン化銀写真感光材料に染料として用いることができる。本発明の化合物は、近赤外露光用のハロゲン化銀写真感光材料のハレーション防止染料またはイラジエーション防止染料として用いると特に効果がある。
【0048】
ハロゲン化銀感光材料に使用するハロゲン化銀は、臭化銀、沃臭化銀、沃塩臭化銀、塩臭化銀および塩化銀のいずれであってもよい。好ましいハロゲン化銀は臭化銀、塩臭化銀および沃塩臭化銀である。塩化銀の割合の高い高塩化銀も好ましく用いられる。高塩化銀に適した感光材料の構成および処理については、特開平2−42号公報に記載がある。また、塩臭化銀に適した感光材料の構成および処理については、特開昭63−264743号公報に記載がある。
ハロゲン化銀粒子の形状は、立方体、14面体、菱12面体のような規則的 (regular)な結晶体であってもよく、また球状、平板状などのような変則的(irregular) な結晶形であってもよい。また、これらの結晶形の複合形であってもよい。さらに、種々の結晶形の粒子の混合物であってもよい。
ハロゲン化銀粒子は内部と表層とが異なる相をもっていても、均一な相から成っていてもよい。また潜像が主として表面に形成されるような粒子(例えば、ネガ型ハロゲン化銀乳剤)でも、粒子内部に主として形成されるような粒子(例えば、内部潜像型ハロゲン化銀乳剤)でも、あるいは予めかぶらせた粒子(例えば、直接ポジ型ハロゲン化銀乳剤)であってもよい。
【0049】
ハロゲン化銀乳剤は、ピー・グラフキデス(P. Glafkides)著「シミー・エ・フィジーク・フォトグラフィーク(Chimie et Physique Photograhique 」(ポ−ルモンテル(Paul Montel) 社刊、1967年)、ジー・エフ・デフェイン(G.F. Duffin) 著、 「フォトグラフィク・エマルジョン・ケミストリー(Photographic Emulsion Chemistry) 」(ザ・フォーカルプレス(The Focal Press) 刊、 1966年)、あるいはヴィ・エル・ツエリクマンら(V.L.Zelikman et al.) 著「メーキング・アンド・コーティング・フォトグラフィク・エマルジョン(Making and Coating Photographic Emulsion)」(ザ・フォーカルプレス(The Focal Press) 刊、 1964年)に記載された方法を参考にして調製することができる。
ハロゲン化銀粒子の形成時に、粒子の成長をコントロールするためハロゲン化銀溶剤を用いてもよい。ハロゲン化銀溶剤の例には、アンモニア、ロダンカリ、ロダンアンモン、チオエーテル化合物(米国特許3271157号、同3574628号、同3704130号、同4297439号、同4276374号の各明細書記載)、チオン化合物(特開昭53−144319号、同53−82408号、同55−77737号の各公報記載)およびアミン化合物(特開昭54−100717号公報記載)が含まれる。
【0050】
ハロゲン化銀粒子の形成または物理熟成において、カドミウム塩、亜鉛塩、タリウム塩、イリジウム塩またはその錯塩、ロジウム塩またはその錯塩、鉄塩または鉄錯塩を共存させてもよい。
内部潜像型ハロゲン化銀乳剤については、米国特許2592250号、同3206313号、同3447927号、同3761276号および同3935014号の各明細書に記載がある。内部潜像型ハロゲン化銀乳剤については、コンバージョン型ハロゲン化銀乳剤、コア/シェル型ハロゲン化銀乳剤や異種金属を内蔵させたハロゲン化銀乳剤が含まれる。
ハロゲン化銀乳剤は、通常は化学増感される。化学増感については、エイチ・フリーザー(H. Frieser)編「ディ・グランドラーゲン・デア・フォトグラフィッツェン・プロヅェッセ・ミット・ジルベルハロゲニーデン( Die Grundlagen der Photographischen Prozesse mit Silberhalogeniden) 」、アカデミッシェ フェアラーグス社(Akademische Verlagsgesellschaft) 社、(1968年)675〜734頁に記載がある。
【0051】
化学増感は、カルコゲン増感(硫黄増感、セレン増感、テルル増感)、還元増感および貴金属増感に分類される。硫黄増感では、活性ゼラチンや銀と反応し得る硫黄を含む化合物(例、チオ硫酸塩、チオ尿素類、メルカプト化合物類、ローダニン類)を増感剤として用いる。還元増感では、還元性物質(例、第一すず塩、アミン類、ヒドラジン誘導体、ホルムアミジンスルフィン酸、シラン化合物)を増感剤として用いる。貴金属増感では、貴金属化合物(例、金あるいはPt、Ir、Pdのような周期律表VIII族の金属の錯塩)を増感剤として用いる。二種類以上の増感方法を併用することもできる。
ハロゲン化銀は、一般に分光増感して使用する。本発明では、ハロゲン化銀を近赤外領域に分光増感して使用することが好ましい。分光増感色素については、特開昭60−140335号、同63−159841号、同63−231437号、同63−259651号、同63−304242号、同63−15245号、同6−43583号の各公報、米国特許4639414号、同4740455号、同4741966号、同4751175号、同4835096号の各明細書に記載がある。
【0052】
ハロゲン化銀写真感光材料には、感光材料の製造工程、保存中あるいは写真処理中のカブリを防止し、写真性能を安定化させる目的で、種々の化合物をカブリ防止剤または安定剤として添加することができる。そのような化合物として、ヘテロ環化合物、ヘテロ環メルカプト化合物、チオケトン化合物(例、オキサゾリンチオン)、ベンゼンチオスルホン酸類、ベンゼンスルフィン酸あるいはアセチンレン化合物(特開昭62−87957号公報に記載)が用いられる。ヘテロ環化合物の例には、チアゾール類(例、ベンゾチアゾリウム塩およびその開環体)、ニトロインダゾ−ル類、トリアゾ−ル類、ベンゾトリアゾール類、ベンズイミダゾール類(特にニトロ−またはハロゲン置換体)およびアザインデン類(例、テトラアザインデン類、特に4−ヒドロキシ置換(1,3,3a,7)テトラアザインデン類)が含まれる。ベンゾチアゾリウム塩については、米国特許3954478号、同4942721号の各明細書および特開昭59−191032号公報に記載がある。ベンゾチアゾリウム塩の開環体については、特公昭59−26731号公報に記載がある。ヘテロ環メルカプト化合物の例には、メルカプトチアゾール類、メルカプトベンゾチアゾール類、メルカプトベンズイミダゾール類、メルカプトチアジアゾール類、メルカプトテトラゾール類(特に1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール)およびメルカプトピリミジン類が含まれる。ヘテロ環メルカプト化合物には、カルボキシル基やスルホ基のような水溶性基が結合してもよい。
【0053】
ハロゲン化銀写真感光材料は、カラーカプラー(シアンカプラー、マゼンタカプラー、イエローカプラー)を含むことができる。
カラーカプラーは、発色現像処理において芳香族1級アミン現像薬(例、フェニレンジアミン誘導体、アミノフェノール誘導体)との酸化カップリングによって発色しうる化合物である。
マゼンタカプラーの例には、5−ピラゾロンカプラー、ピラゾロベンズイミダゾールカプラー、シアノアセチルクマロンカプラーおよび開鎖アシルアセトニトリルカプラーが含まれる。イエローカプラーの例には、アシルアセトアミドカプラー(例、ベンゾイルアセトアニリド類、ピバロイルアセトアニリド類)が含まれる。シアンカプラーの例には、ナフトールカプラーおよびフェノールカプラーが含まれる。これらのカプラーは、分子中にバラスト基とよばれる疎水基を有する非拡散性の化合物が望ましい。カプラーは、銀イオンに対し4当量性あるいは2当量性のどちらでもよい。また、色補正の効果を持つカラードカプラーや現像にともなって現像抑制剤を放出するカプラー(いわゆるDIRカプラー)を用いてもよい。
DIRカプラー以外にも、カップリング反応の生成物が無色であって現像抑制剤を放出する無呈色のDIRカップリング化合物を用いることができる。
含んでもよい。
【0054】
ハロゲン化銀写真感光材料の添加剤には、感度上昇、コントラスト上昇あるいは現像促進の目的で使用する化合物もある。そのような添加剤の例には、ポリアルキレンオキシドまたはその誘導体(例、エーテル、エステル、アミン)、チオエーテル化合物、チオモルホリン類、4級アンモニウム塩化合物、ウレタン誘導体、尿素誘導体、イミダゾール誘導体および3−ピラゾリドン類が含まれる。
【0055】
本発明の化合物に加えて、他の染料を併用してもよい。ハロゲン化銀写真感光材料に用いられる染料には、ピラゾロン核やバルビツール酸核を有するオキソノール染料(英国特許506385号、同1177429号、同1311884号、同1338799号、同1385371号、同1467214号、同1433102号、同1553516号、、米国特許3247127号、同3469985号、同4078933号の各明細書、特開昭48−85130号、同49−114420号、同52−117123号、同55−161233号、同59−111640号、特公昭39−22069号、同43−13168号、同62−273527号の各公報記載)、その他のオキソノール染料(米国特許2533472号、同3379533号、英国特許1278621号の各明細書、特開平1−134447号、同1−183652号の各公報記載)、アゾ染料(英国特許575691号、同680631号、同599623号、同786907号、同907125号、同1045609号、米国特許4255326号の各明細書、特開昭59−211043号公報記載)、アゾメチン染料(特開昭50−100116号、同54−118247号の各公報、英国特許2014598号、同750031号の各明細書記載)、アントラキノン染料(米国特許2865752号明細書記載)、アリーリデン染料(米国特許2533009号、同2688541号、同2538008号、英国特許584609号、同1210252号の各明細書、特開昭50−40625号、同51−3623号、同51−10927号、同54−118247号、特公昭48−3286号、同59−37303号の各公報記載)、スチリル染料(特公昭28−3082号、同44−16594号、同59−28898号の各公報記載)、トリアリールメタン染料(英国特許446583号、同1335422号の各明細書、特開昭59−228250号公報記載)、メロシアニン染料(英国特許1075653号、同1153341号、同1284730号、同1475228号、同1542807号の各明細書記載)およびシアニン染料(米国特許2843486号、同3294539号の各明細書、特開平1−291247号公報記載)がある。
【0056】
染料の拡散を防止するため、解離したアニオン性染料と反対の電荷をもつ親水性ポリマーを媒染剤として層に共存させ、染料分子との相互作用によって染料を特定層中に局在化させることができる。この方法は、米国特許2548564号、同4124386号、同3625694号の各明細書に記載がある。
また、水に不溶性の染料固定を用いて、特定層を染色してもよい。この方法は、特開昭56−12639号、同55−155350号、同55−155351号、同63−27838号、同63−197943号の各公報、欧州特許15601号明細書に記載がある。
さらに、染料が吸着した金属塩微粒子を用いて特定層を染色してもよい。この方法は、米国特許2719088号、同2496841号、同2496843号の各明細書、特開昭60−45237号公報に記載がある。
【0057】
写真感光材料は界面活性剤を含むことができる。界面活性剤には、塗布助剤、帯電防止剤、スベリ性改良剤、乳化分散剤、接着防止剤および写真特性改良剤(例えば、現像促進、硬調化、増感)のようなさまざまな機能がある。
写真感光材料のその他の添加剤としては、退色防止剤、無機もしくは有機の硬膜剤、色カブリ防止剤、紫外線吸収剤、媒染剤、可塑剤、ラテックスポリマーやマット剤を挙げることができる。写真感光材料用添加剤の詳細については、リサーチディスクロージャー(Research Disclosure)Vol.176(1978、XI) 、D−17643に記載がある。
写真感光材料には、保護コロイドとして親水性ポリマーが用いられる。ゼラチンが代表的な親水性保護コロイドである。
写真感光材料の支持体としては、バライタ紙、レジンコート紙、合成紙、トリアセテートフイルム、ポリエチレンテレフタレートフイルム、その他のプラスチックフイルムまたはガラス板が用いられる。
【0058】
ハロゲン化銀写真感光材料の画像露光は、近赤外光で実施することが好ましい。本発明は、近赤外光(特に近赤外レーザー)による露光において特に有効である。近赤外光の波長は、700乃至1100nmであることが好ましく、750乃至860nmであることがさらに好ましく、780乃至830nmであることが最も好ましい。近赤外光の光源としては、キセノンフラッシュランプ、様々なレーザー用光源や発光ダイオードが使用できる。必要に応じて、色フィルターで露光に用いられる光の分光組成を調節することができる。
ハロゲン化銀感光材料の処理は、公知の方法に従い公知の処理液を用いて実施できる。処理方法と処理液については、リサーチ・ディスクロージャー(Research Disclosure) 176号、28〜30頁(RD−17643)に記載がある。目的に応じて、銀画像を形成する写真処理(黒白写真処理)あるいは色素像を形成する写真処理(カラー写真処理)を採用する。処理温度は、通常は18乃至50℃であるが、18℃より低い温度や50℃を越える温度でも処理可能である。
【0059】
【実施例】
[実施例1]
ハロゲン化銀乳剤Aの調製
水850mlにゼラチン34gを溶解し、65℃に加温された容器に入れた。さらに塩化ナトリウム1.7g、臭化カリウム0.1gおよび下記チオエーテル化合物70mgを容器に入れた。170gの硝酸銀を含む水溶液500mlと、ヘキサクロロイリジウム(III) 酸カリウム(調製された乳剤中のハロゲン化銀1モル当り5×10-7モルとなる量)、塩化ナトリウム12gおよび臭化カリウム98gを含む水溶液500mlとをダブルジェット法により容器に添加した。このようにして、平均粒子サイズが0.35μmの立方体単分散塩臭化銀粒子を形成した。脱塩処理後、ゼラチン50gを乳剤に加え、pH6.5、pAg8.1に調整した。さらにチオ硫酸ナトリウム2.5mgと、塩化金酸5mgを加えて、65℃で化学増感を施した。4−ヒドロキシ−6−メチル1,3,3a,7−テトラザインデン0.2gを加え、急冷固化してハロゲン化銀乳剤Aを調製した。
【0060】
【化18】
Figure 0004024354
【0061】
ハロゲン化銀乳剤Bの調製
ゼラチン溶液の加温温度を65℃から40℃に変更した以外は、ハロゲン化銀乳剤Aの調製と同様にして、平均粒子サイズが0.3μmの立方体単分散塩臭化銀粒子を形成した。脱塩処理後、ゼラチン50gを乳剤に加え、pH6.5、pAg8.1に調整した。さらにチオ硫酸ナトリウム2.5mgと、塩化金酸5mgを加えて、65℃で化学増感を施した。4−ヒドロキシ−6−メチル1,3,3a,7−テトラザインデン0.2gを加え、急冷固化してハロゲン化銀乳剤Bを調製した。
【0062】
ハロゲン化銀乳剤層塗布液の調製
ハロゲン化銀乳剤AとBとを重量比1:1で混合し、下記の添加剤をハロゲン化銀1モル当り下記の添加量で添加して、ハロゲン化銀乳剤層塗布液を調製した。
【0063】
Figure 0004024354
【0064】
【化19】
Figure 0004024354
【0065】
【化20】
Figure 0004024354
【0066】
【化21】
Figure 0004024354
【0067】
乳剤層側表面保護層塗布液の調製
下記の成分を40℃に加温した容器に加えて、乳剤層側表面保護層塗布液を調製した。
【0068】
Figure 0004024354
【0069】
【化22】
Figure 0004024354
【0070】
バック層(ハレーション防止層)塗布液の調製
下記の成分を40℃に加温した容器に加えて、バック層塗布液を調製した。ただし、第4表に示す染料Aは、添加剤2に溶解し、界面活性剤を若干量使用して乳化分散したものを容器に加えた。
【0071】
Figure 0004024354
【0072】
【化23】
Figure 0004024354
【0073】
【化24】
Figure 0004024354
【0074】
【化25】
Figure 0004024354
【0075】
バック層側表面保護層塗布液の調製
下記の成分を40℃に加温した容器に加えて、バック層側表面保護層塗布液を調製した。
【0076】
Figure 0004024354
【0077】
ハロゲン化銀写真感光材料の作成
バック層塗布液を、バック層側表面保護層塗布液と共に、ポリエチレンテレフタレート支持体の一方の側に、ゼラチン総塗布量が3g/m2 となるように塗布した。支持体の反対側の面には、ハロゲン化銀乳剤層塗布液と乳剤層側表面保護層塗布液とを、塗布銀量が2.3g/m2 で、かつ表面保護層のゼラチン塗布量が1g/m2 となるように塗布した。
【0078】
ハロゲン化銀写真感光材料の評価
ハロゲン化銀写真感光材料を作成後、25℃、相対湿度60%の条件に保って7日間放置した。ハロゲン化銀写真感光材料に対して、830nmのレーザーダイオードを垂直面より13°傾いたビームで露光した。その後、下記の現像液および定着液を用いて現像処理した。現像時間は7秒、定着時間は7秒、水洗は4秒、水切りおよび乾燥は11秒であった。なお、ハロゲン化銀写真感光材料の搬送速度は、300mm/分であった。
【0079】
Figure 0004024354
【0080】
Figure 0004024354
【0081】
(鮮鋭度の評価)
2856Kの白色光に830nmの干渉フィルターを用いて分光した光で露光し、上記の条件で処理し、鮮鋭度を光学濃度1.0で15本/mmでのMTF値を用いて評価した。
【0082】
(色味の評価)
露光を与えないで現像処理した試料を、調べた。色味の程度は、A(良い)〜D(非常に悪い)の4段階で評価した。
以上の結果を下記第2表に示す。
【0083】
【表2】
Figure 0004024354
【0084】
【化26】
Figure 0004024354
【0085】
【化27】
Figure 0004024354
【0086】
【発明の効果】
本発明に従うヘプタメチンシアニン化合物をハロゲン化銀写真感光材料の染料として使用すると、鮮鋭度および色味が優れた画像を形成することができる。

Claims (5)

  1. 支持体上に、ハロゲン化銀乳剤層と非感光性親水性コロイド層とを有し、ハロゲン化銀乳剤層または非感光性親水性コロイド層が下記式(I)で表わされるヘプタメチンシアニン染料を含むことを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
    Figure 0004024354
    式中、ZaおよびZbは、それぞれ独立に、5員または6員の含窒素複素環を形成する非金属原子群であって、含窒素複素環には、芳香族環または他の複素環が縮合していても、飽和脂肪族環がスピロ結合していてもよく、含窒素複素環、その縮合環あるいはそのスピロ結合環には、置換基が結合していてもよい;Zcは、7員環を形成する非金属原子群であって、7員環には置換基が結合していてもよい;RaおよびRbは、それぞれ独立に、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アラルキル基または置換アラルキル基であり;Rcは、シアノ、−SO2 Rd、−OReまたは−SRfであり;Rd、ReおよびRfは、それぞれ独立に、アルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アラルキル基、置換アラルキル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロ環基または置換ヘテロ環基であり;Xcはアニオンであり;そして、na、nbおよびncは、それぞれ独立に、0または1である。
  2. ヘプタメチンシアニン染料が、下記式(II)で表わされる請求項1記載のハロゲン化銀写真感光材料。
    Figure 0004024354
    式中、Z1 は、−CR1112−、−O−、−S−または−NR13−であり;Z2 は、−CR2122−、−O−、−S−または−NR23−であり;R1 およびR2 は、それぞれ独立に、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アラルキル基または置換アラルキル基であり;R3 は、シアノ、−SO231、−OR32または−SR33であり;R11、R12、R21およびR22は、それぞれ独立にアルキル基であるか、あるいはR11とR12、またはR21とR22が結合して飽和脂肪族スピロ環を形成する;R13およびR23は、それぞれ独立に、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アラルキル基、置換アラルキル基であり;R31、R32およびR33は、それぞれ独立に、アルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アラルキル基、置換アラルキル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロ環基または置換ヘテロ環基であり;ベンゼン環AおよびBには、それぞれ独立に、別のベンゼン環が縮合していてもよく、ベンゼン環A、Bおよびそれらの縮合環は、さらに置換基を有していてもよい;Xはアニオンであり;そして、nは0または1である。
  3. 非感光性親水性コロイド層が式(I)で表わされるヘプタメチンシアニン染料を含み、該非感光性親水性コロイド層がハレーション防止層として機能する請求項1記載のハロゲン化銀写真感光材料。
  4. 波長が700乃至1100nmの近赤外光露光用である請求項1記載のハロゲン化銀写真感光材料。
  5. 下記式(II)で表わされるヘプタメチンシアニン化合物。
    Figure 0004024354
    式中、Z1 は、−CR1112−、−O−、−S−または−NR13−であり;Z2 は、−CR2122−、−O−、−S−または−NR23−であり;R1 およびR2 は、それぞれ独立に、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アラルキル基または置換アラルキル基であり;R3 は、シアノ、−SO231、−OR32または−SR33であり;R11、R12、R21およびR22は、それぞれ独立にアルキル基であるか、あるいはR11とR12、またはR21とR22が結合して飽和脂肪族スピロ環を形成する;R13およびR23は、それぞれ独立に、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アラルキル基、置換アラルキル基であり;R31、R32およびR33は、それぞれ独立に、アルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アラルキル基、置換アラルキル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロ環基または置換ヘテロ環基であり;ベンゼン環AおよびBには、それぞれ独立に、別のベンゼン環が縮合していてもよく、ベンゼン環A、Bおよびそれらの縮合環は、さらに置換基を有していてもよい;Xはアニオンであり;そして、nは0または1である。
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