JP4023939B2 - Engine intake system for construction machinery - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建設機械に備えられたエンジンへ燃焼用空気を導く建設機械のエンジン吸気装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
建設機械の一例である油圧ショベルは、一般に、下部走行体と、この下部走行体上に旋回可能に設けた上部旋回体と、上部旋回体の前部に設けられ、ブーム、アーム、及びバケット等からなる多関節型のフロント機構とから構成されている。
【0003】
このとき、上記したブーム、アーム、バケット、上部旋回体、及び下部走行体等の動作部材は、通常、油圧シリンダ、油圧モータ等の油圧アクチュエータによって駆動される。油圧ショベルには、この油圧アクチュエータの油圧源として油圧ポンプが設けられており、この油圧ポンプはエンジンによって駆動される。一般に、これら油圧ポンプ及びエンジンは、各種機器とともに上部旋回体に載置され、カバーで覆われている。
【0004】
この上部旋回体における機器配置の一例を図7に示す。
【0005】
図7において、上部旋回体1の前方左側には、座席2及び図示しない操作レバーを備えた運転室3が設けられている。上部旋回体1のうちこの運転室3以外の部分はほぼ全てカバーで覆われているが、この図7ではそのカバーを取り去った状態での内部機器配置を示している。
【0006】
すなわち、上部旋回体1のカバー内の前方右側には、エンジン4(後述)の燃料を貯留する燃料タンク5と、油圧ポンプ6(同)の圧油源となる作動油タンク7と、工具箱8とが設けられている。
また、上部旋回体1のカバー内の略中央領域には、油圧ポンプ6からの圧油を制御するための制御弁装置9が設けられている。この制御弁装置9は、運転室3内におけるオペレータの操作レバーの操作に応動して、油圧ポンプ6からの圧油を前述した油圧アクチュエータへと供給する。なお、制御弁装置9の前方側には、前述した油圧アクチュエータの1つであり上部旋回体1を下部走行体10に対して旋回させる旋回モータ11が配置されている。
【0007】
さらに、上部旋回体1の最後部には、カウンタウェイト12が設けられている。
このカウンタウェイト12の前方側でかつ制御弁装置9及び運転室3より後方側には、上記エンジン4を内設するエンジンルーム13が形成されている。このエンジンルーム13と運転室3とは運転室後壁面14によって仕切られており、またエンジンルーム13と制御弁装置9側とは、略L字状の側壁15によって仕切られている。
【0008】
このエンジンルーム13内には、エンジン4に連結されその駆動力によって駆動される上記油圧ポンプ6、エンジン4の冷却水が循環供給されてこれを冷却するラジエータ等の熱交換器16、エンジンの燃焼用空気を吸い込む空気吸い込み口を備えこの空気吸い込み口から導入した空気を清浄化するエアクリーナ17、このエアクリーナ17に接続され清浄化された空気をエンジン4へ導く吸気配管18、エンジン4からの排気ガスが導かれてその消音を行うマフラ19、及びエンジン4起動時の電源としてのバッテリ20等の各種機器が収納されている。
【0009】
このとき、エンジンルーム13内におけるそれらエンジン4及び各機器の冷却を行うために、エンジン4のクランク軸(図示せず)の駆動力によって冷却ファン(同)を回転させ、カバーの一方側(図7中下方側)に設けた吸気孔(図示せず)から冷却空気を吸入し、ラジエータ等の熱交換器16を冷却した後さらにエンジン4及び油圧ポンプ6を冷却して、カバーの他方側(図7中上方側)に設けた排気孔(図示せず)から外部に放出するようになっている。
【0010】
ここで、上記したエアクリーナ17及び吸気配管18が、エンジン4へ燃焼用空気を導くエンジン吸気装置を構成するが、このエンジン吸気装置は、通常、以下のことに配慮して構成される。
【0011】
まず第1に、エンジン4の出力は吸入空気の温度によって大きく左右され、吸入空気が高温になるとエンジン4の出力が低下する。そのため、空気吸い込み口からはなるべく温度の低い(大気温度に近い)空気を吸い込まなければならない。
第2に、空気吸い込み口から比較的低温の空気を吸い込んでも、エアクリーナ17自体が熱気にさらされる位置にあるとこのエアクリーナ17で加熱されてしまうため、エアクリーナ17は、高温の空気に曝されないようにしなければならない。
【0012】
図7においては、以上の点に配慮し、空気吸い込み口を備えたエアクリーナ17を熱交換器16の前面側(いわゆるラジエータ室)に設けることにより、熱交換器16を冷却し昇温する前の比較的低温の空気を吸入可能とするとともに、エアクリーナ17が高温空気に曝されるのを防止している。なお、このようにエアクリーナ17を熱交換器16の前面側に配置したことに対応し、エアクリーナ17とエンジン4とを接続する吸気配管18は、熱交換器16の側方から一旦略L字状の側壁15を貫通してエンジンルーム13外に出て、熱交換器16を迂回した後、再び側壁15を貫通してエンジンルーム13内に出て、エンジン4の吸気系へとはい回される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
近年、比較的小規模な掘削現場への用途から、例えば、ブームを最大に振り上げフロント機構を最も運転室側に近づけた最小旋回姿勢時の旋回半径が上部旋回体下部の旋回フレームの径以下となる、いわゆる後方小旋回型の油圧ショベル等、小型の建設機械が数多く提唱されている。このような小型の建設機械では、上部旋回体におけるカバー内のスペースが極めて限定されるため、スペースの無駄をなくし有効活用できるようにカバー内の機器配置を工夫する必要がある。
【0014】
しかしながら、上記従来構造においては、前述したように吸気配管18が略L字状の側壁15を貫通しエンジンルーム13外に出て熱交換器16を迂回する構造のため、熱交換器16側方に位置する側壁15の略L字状の内側領域21が、その迂回のためだけに用いられる無駄なスペースとなり、スペース効率が低下していた。そのため、上部旋回体内に搭載すべきすべての機器を上部旋回体内に配置するのが困難であった。
【0015】
本発明の目的は、上部旋回体内のスペースの無駄をなくしてスペース効率の向上を図れるエンジン吸気装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、上部旋回体のエンジンルーム内に配置されたエンジンと、このエンジンの冷却水を冷却するラジエータと、油圧アクチュエータ駆動用の作動油を冷却するオイルクーラと、前記エンジン、ラジエータ、及びオイルクーラを冷却する冷却風を誘起する冷却ファンと、前記ラジエータの外周部を閉塞し前記エンジンルーム内をエンジン側と反エンジン側とに仕切るシール材と、前記エンジンルームの上部を覆う開閉可能な上部カバーとを備えた建設機械に設けられ、前記エンジンの燃焼用空気を吸い込む空気吸い込み口と、この空気吸い込み口から導入した空気を清浄化するエアクリーナと、このエアクリーナで清浄化された空気をエンジンへ導く吸気配管とを有し、かつ、前記空気吸い込み口及び前記エアクリーナは、前記ラジエータ及びオイルクーラの反エンジン側に設けられている建設機械のエンジン吸気装置において、前記吸気配管は、前記ラジエータの上部に配置された前記シール材を貫通しつつ、前記エアクリーナと前記エンジンとを接続しており、前記シール材は、少なくとも、前記上部カバーに固定され前記吸気配管の上部に当接する第1のシール材と、前記ラジエータに固定され前記吸気配管の下部を支持する第2のシール材とに分割され、これら第1のシール材と第2のシール材とで前記吸気配管を狭持する構造となっている。
【0017】
これにより、従来構造において必要であった、吸気配管をラジエータ等の熱交換器を迂回するようにはい回すための無駄なスペースが不要となる。したがって、スペース効率を向上でき、上部旋回体内の限られたスペースを有効活用することができる。これにより、スペースが限定される小型の建設機械への適用時においても、搭載すべきすべての機器を上部旋回体内に容易に配置することができる。
【0019】
エンジンルーム内の各機器を冷却する冷却風は、通常、上部カバーのうちラジエータ・オイルクーラの反エンジン側にある領域から吸い込まれ、ラジエータ・オイルクーラを冷却して昇温した後、さらにエンジン等を冷却する。このとき、シール材は、ラジエータの外周部を閉塞しエンジンルーム内をエンジン側と反エンジン側とに仕切ることで、ラジエータ・オイルクーラを通過して高温となった空気が再びラジエータ・オイルクーラの反エンジン側に逆流するのを防止する。本発明においては、このシール材を貫通するようにして吸気配管を設けることにより、上記した逆流防止機能を確保しつつ、上部旋回体内のスペース効率を向上することができる。
【0021】
エンジンルームの上部を覆う開閉可能な上部カバーに第1のシール材を固定することにより、上部カバーとともに第1のシール材が開閉可能となるので、上部カバーを開けることで吸気配管の上部を露出させることができ、メンテナンス時等における便宜を図れる。また組立時においても、ラジエータに第2のシール材を固定した後、吸気配管を設置し、その一方でエンジンカバーに第1のシール材を固定し、最後にエンジンカバーを閉じれば足りるので、組立性が向上する。
そしてこのとき、上部カバー開閉方向における第1のシール材の寸法を若干大きめに設定し、上部カバーが閉じた状態において押圧力によって第1のシール材を吸気配管の上部に十分に密着させるようにすれば、上記逆流防止機能をさらに確実に実現できる。
【0022】
(2)上記(1)において、好ましくは、前記第2のシール材は、第1のシール材よりも高い硬度を備えている。
【0023】
吸気配管の下部に設けられ吸気配管の自重を主として受ける第2のシール材の硬度を高くすることにより、吸気配管の支持構造における耐久性・信頼性を向上するとともに、吸気配管の自重による第2のシール材のたわみ・収縮を防止しシール性をさらに高めることができる。また、吸気配管の振動抑制を図ることもできる。
【0024】
(3)上記(1)において、好ましくは、前記オイルクーラの反エンジン側に設けられた防虫ネットをさらに備え、前記吸気配管は、前記ラジエータ及びオイルクーラの上方領域を通過しつつ前記エアクリーナと前記エンジンとを接続しており、前記防虫ネットは、水平方向に複数個に分割可能な構造となっている。
【0025】
オイルクーラの反エンジン側に設けられる防虫ネットは、使用とともに目詰まりが生じてくるため、適宜清掃・交換を行う必要がある。ここで、建設機械では、ラジエータ及びオイルクーラの大きさが比較的大きいため、防虫ネットの大きさも比較的大きく、その清掃・交換時においては、上部カバーを開いた後に、防虫ネットを上方に引き抜くように取り外し上部カバーから外に取り出すのが一般的である。
ここで、本発明においては、吸気配管をラジエータ及びオイルクーラの上方領域を通過させることで上部旋回体内のスペース効率を向上しているため、オイルクーラの上方には吸気配管が配設されており、そのままではこの吸気配管がじゃまになって防虫ネットを上方へ引き抜くことができない。そこで、これに応じて、防虫ネットを、水平方向に複数個に分割可能な構造とすることにより、清掃・交換時には防虫ネットを複数個に分割し1つ1つを小さなピースとすれば、吸気配管に支障されることなく順次それらピースを容易に取り出すことができる。
したがって、従来と同様の防虫ネットの容易な清掃・交換を確保しつつ、上部旋回体内のスペース効率を向上することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照しつつ説明する。従来構造を説明した図7と共通の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0027】
本実施形態によるエンジン吸気装置が設けられる小型の油圧ショベルの上部旋回体101内の機器配置図を図2に示す。
【0028】
図2において、本実施形態が図7を用いて説明した従来構造と異なるのは、エアクリーナ117の空気吸い込み口117Aから吸い込まれ清浄化された空気をエンジン4へ導く吸気配管118が、ラジエータ116a及びオイルクーラ116bからなる熱交換器116の上方領域を通過してはい回されていることである。
【0029】
この吸気配管118の配置を含む図2中の要部構造を表す拡大上面図(一部水平断面)を図1に、図1中A方向からみた矢視側面図を図3に示す。なお、これら図1及び図3では、配置構造の明確化のために、エンジン吸気装置に関わる構造以外の部分についても適宜想像線(2点鎖線)で併せて示している。
【0030】
これら図1及び図3において、ラジエータ116aのエンジン4側にはシュラウド122が固定されている。このシュラウド116a中には冷却ファン123(図3参照)が配置され、エンジン4のクランク軸(図示せず)からの駆動力によって回転し、油圧アクチュエータ駆動用の作動油を冷却するオイルクーラ116b、ラジエータ116a、及びエンジン4等を冷却する図1中下方から上方への冷却風を誘起するようになっている。
【0031】
またラジエータ116aの外周部は、例えばウレタンからなる複数のシール材124によって閉塞されており、これによってエンジンルーム113内がエンジン側と反エンジン側とに仕切られている。吸気配管118は、エンジンルーム113とその油圧ショベル前方側(図1中左側)とを仕切る側壁115を貫通することなく、ラジエータ116aの上部に配置されたそれら複数のシール材124を貫通し、エアクリーナ117とエンジン4とを接続している。
【0032】
本実施形態の最も大きな特徴である吸気配管118のシール材124貫通部分の詳細構造を表す図1中B方向からみた矢視正面図を図4に示す。
【0033】
図4及び図1において、ラジエータ116aは、ラジエータ本体116aAと、このラジエータ本体116aAを上部旋回体101の基礎下部構造をなす車体フレーム125に固定するために左右側方にそれぞれ備えられたラジエータガイド116aL,116aRとを備えている。オイルクーラ116bは、このラジエータガイド116aL,116aRの内側に取り付けられている(図1参照)。
【0034】
複数のシール材124は、エンジンルーム113の上部を覆う開閉可能な上部カバー126に固定されるとともに吸気配管118の上部に当接するシール材124aと、ラジエータ本体116aAの左側上部に固定され吸気配管118の下部を支持するシール材124bと、左側のラジエータガイド116aLと側壁115とにそれぞれ固定されそれらの間の空間をシールし、かつ吸気配管118の側方を支持するシール材124cと、右側のラジエータガイド116aRとカウンタウェイト12とにそれぞれ固定されそれらの間の空間をシールし、かつラジエータ116aの右側上部に固定されたシール材124dとに分割された構造となっている。
このとき、これら4つのシール材のうち、シール材124bは、他のものよりも高い硬度を備えている。そして、上部カバー126を開いたときには、吸気配管118まわりのシールを行うシール材124a,124b,124cのうち、固定側であるシール材124b,124cと、可動側であるシール材124aとが分離する一方、上部カバー126を閉じたときには、それらシール材124a,124b,124cで図4に示すように吸気配管118を狭持するようになっている。
【0035】
一方、オイルクーラ116bの反エンジン側には、冷却風が通過するときにオイルクーラ116bやラジエータ116aに虫体等が侵入し目詰まりが生じるのを防止するための防虫ネット127が設けられている。この防虫ネット127は、水平方向(図4中左右方向)に複数個(この実施形態では2個)の分割ピース127L,127Rに分割可能な構造となっている。図4中左側のピース127Lは、略長方形状の枠体128L内に金網129Lを貼った構造となっており、図4中右側のピース127Rも同様に略長方形状の枠体128R内に金網129Rを貼った構造となっている。
このとき、これら両ピース127L,127Rが接する部分は、図4中V−V断面による断面図である図5にも示すように、左側ピース127Lの枠体128Lの右側端部128Laが、右側ピース127Rの枠体128Rの左側端部128Raの前面にかぶさるように構成されている。また、左側ピース127Lの枠体右側端部128Laのうち最上部には、図4中VI−VI断面による断面図である図6にも示すように、他の部分より右側に突出した舌部128Laoが設けられている。この舌部128Laoには、蝶ねじ130をねじ込むための孔が形成されており、右側ピース127Rの枠体左側端部128Raの対応する位置にも孔が形成されている。両ピース127L,127Rを前述のようにして端部どうしが重なるように突き合わせた後、その蝶ねじ130をねじ込むことにより、両ピース127L,127Rは互いに固定されて合体するようになっている。
【0036】
また、上記構造の防虫ネット127は、左右ラジエータガイド116aL,116aRの上下2カ所にそれぞれ設けられたネット把持具131U,131L及び132U,132Lに、左側ピース枠体128Lの左側端部128Lb及び右側ピース枠体128Rの右側端部128Rbを通すことによって位置決めされる。このとき、左右上側のネット把持具131U,132Uは、蝶ねじ133,134をねじ込むための孔がそれぞれ形成されており、また左側ピース枠体128L及び右側ピース枠体128Rには、対応する孔を備えた耳部128Lc,128Rcがそれぞれ(図4参照)形成されている。そして、上記のようにして位置決めした後、蝶ねじ133,134をねじ込むことにより、防虫ネット127全体が左右ラジエータガイド116aL,116aRに固定されるようになっている。
【0037】
なお、上記において、シール材124aが、上部カバーに固定され吸気配管の上部に当接する第1のシール材を構成し、シール材124bが、ラジエータに固定され吸気配管の下部を支持する第2のシール材を構成する。
【0038】
上記のように配置した上部旋回体101のエンジンルーム113内において、油圧ショベルによる作業を開始するためにエンジン4を起動すると、その燃焼用空気は、エアクリーナ117に併設された吸い込み口117Aから吸入されてエアクリーナ117で清浄化され、吸気配管118を介してエンジン4の吸気系へと導入される。エンジン4からの排気ガスは、エンジン4の排気系から図示しない排気配管を介しマフラ19に導かれて消音され、マフラ19から上部カバー126外に突出した図示しない排気ガス管を介し、大気放出される。
このとき、吸気配管118が、図7に示す従来構造と異なり、ラジエータ116a及びオイルクーラ116bの上方領域を通過しつつエアクリーナ117とエンジン4とを接続するようにはい回されている。これにより、図7の従来構造において必要であった、吸気配管18がラジエータ16等を迂回するための無駄な領域21(図7参照)が不要となり、略L字状の側壁15に代わり直線状の側壁115とすることができる。これにより、制御弁装置9、工具箱8、作動油タンク7、及びオイルタンク5等の配置を併せて適宜工夫することで、図2に示すようにスペース効率を向上して上部旋回体101内の限られたスペースを有効活用することができる。したがって、スペースが限定される小型の油圧ショベルの上部旋回体101内に、搭載すべきすべての機器を容易に配置することができる。
【0039】
一方、上記のようにして起動したエンジン4及び各機器の冷却を行うために、エンジン4のクランク軸(図示せず)の駆動力を冷却ファン123に伝達し、冷却ファン123を回転させる。これにより、上部カバー126の反エンジン側に設けた吸気孔(図示せず)から冷却空気を吸入し、オイルクーラ116b及びラジエータ116aを通過してこれらを冷却させる。その後、この冷却空気は、シュラウド122を介し冷却ファン123へと吸い込まれ、さらに冷却ファン123から吹き出してエンジン4や油圧ポンプ6等を冷却し、上部カバー126のエンジン側に設けた排気孔(図示せず)から外部に放出される。
このとき、ラジエータ116aの外周部に設けられたシール材124a〜dは、エンジンルーム113内をエンジン側と反エンジン側とに仕切ることで、オイルクーラ116b及びラジエータ116aを通過して高温となった空気が再びそれらオイルクーラ116b及びラジエータ116aの反エンジン側に逆流するのを防止する機能を果たしている。ここで、本実施形態では、吸気配管118を上記のようにラジエータ116a及びオイルクーラ116bの上方領域を通過させるとき、それらシール材114を貫通するようにして設けていることにより、シール材114の上記逆流防止機能を阻害するのを防止できる。なおこのとき、上部カバー126開閉方向(すなわち上下方向)におけるシール材124aの寸法を若干大きめに設定し、上部カバー126が閉じた状態において押圧力によってシール材124aを吸気配管118の上部に十分に密着させるようにすれば、上記逆流防止機能をさらに確実に実現できる。
さらに、吸気配管118の下部に設けられ吸気配管118の自重を主として受けるシール材124bの硬度を高くすることにより、吸気配管118の支持構造における耐久性・信頼性を向上するとともに、吸気配管118の自重によるシール材124bのたわみ・収縮を防止しシール性をさらに高めることができる。また、吸気配管118の振動抑制を図れる効果もある。さらに、吸気配管118まわりのシール材124a,124b,124cの組立時には、側壁115とラジエータガイド116aLとの間にシール材124cを固定しかつラジエータ本体116aAにシール材124bを固定した後、吸気配管118を設置し、その一方でエンジンカバー126にシール材124aを固定しておき、最後にエンジンカバー126を閉じれば足りるが、このとき吸気配管118の自重によるシール材124bのたわみ・収縮を防止することで、吸気配管118の組み付けを容易にできる効果もある。
【0040】
ところで、上記のようにして油圧ショベルの作業中は常時冷却風による冷却を行うが、オイルクーラ116bの反エンジン側に設けられる防虫ネット127には、使用とともに虫体やごみ等の異物が捕捉されて目詰まりが生じてくるため、適宜清掃・交換を行う必要がある。
【0041】
ここで、油圧ショベル等の建設機械では、ラジエータやオイルクーラの大きさが比較的大きいため、防虫ネットの大きさも比較的大きく、その清掃・交換時においては、上部カバーを開いた後、防虫ネットを上方に引き抜くように取り外し上部カバーから外に取り出すのが一般的である。
【0042】
しかしながら、本実施形態においては、上記のように吸気配管118をラジエータ116a及びオイルクーラ116bの上方領域を通過させることで上部旋回体101内のスペース効率を向上しているため、オイルクーラ116bの上方には吸気配管118が配設されており、そのままではこの吸気配管118がじゃまになって防虫ネット127を上方へ引き抜くことができない。
そこでこれに対応して、本実施形態では、防虫ネット127を水平方向に2個のピース127L,127Rに分割可能な構造としている。これよって、清掃・交換時には、蝶ねじ130をはずして防虫ネット127をピース127L,127Rに分割することで、吸気配管118に支障されることなく、順次それらピース127L,127Rを容易に上方に取り出すことができる。このようにして、一般の油圧ショベルと同様、清掃・交換時には防虫ネット127を上方に引き抜くように取り外し、上部カバー126から外に取り出すことができる。すなわち、従来と同様の防虫ネット127の容易な清掃・交換を確保することができる。
【0043】
なお、上記実施形態においては、シール材124を、シール材124a,124b,124c,124dの4つに分割した構造としたが、これに限られず、例えばシール材124cはシール材124bと同一の材料で一体に形成してもよい。要は、上部カバー126に固定されかつ吸気配管118の上部に当接するシール材と、ラジエータ本体116aAに固定され吸気配管118の下部を支持するシール材とが、少なくとも分割されていれば足りる。
【0044】
また、上記実施形態においては、すべてのシール材124a〜dをウレタンで構成したが、これに限られず、例えばゴムを用いてもよい。また硬度の高いシール材124bのみをゴムとし、残りのシール材124a,124c,124dをウレタンとしてもよい。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、吸気配管が、ラジエータ及びオイルクーラの上方領域を通過しつつ前記クリーナとエンジンとを接続するので、吸気配管がラジエータ等を迂回するための無駄なスペースが不要となる。したがって、スペース効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるエンジン吸気装置の吸気配管の配置を含む要部構造を表す上面図である。
【図2】本発明の一実施形態によるエンジン吸気装置が設けられる小型の油圧ショベルの上部旋回体内の機器配置図である。
【図3】図1中A方向からみた矢視側面図である。
【図4】図1中B方向からみた矢視正面図である。
【図5】図4中V−V断面による断面図である。
【図6】図4中VI−VI断面による断面図である。
【図7】従来の上部旋回体内機器配置の一例を示す図である。
【符号の説明】
4 エンジン
101 上部旋回体
113 エンジンルーム
116a ラジエータ
116b オイルクーラ
117 エアクリーナ
117A 空気吸い込み口
118 吸気配管
123 冷却ファン
124a シール材(第1のシール材)
124b シール材(第2のシール材)
124c,d シール材
126 上部カバー
127 防虫ネット[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an engine intake device for a construction machine that guides combustion air to an engine provided in the construction machine.
[0002]
[Prior art]
A hydraulic excavator, which is an example of a construction machine, is generally provided in a lower traveling body, an upper revolving body that is turnable on the lower traveling body, a front portion of the upper revolving body, a boom, an arm, a bucket, and the like. And a multi-joint type front mechanism.
[0003]
At this time, the operation members such as the boom, arm, bucket, upper swing body, and lower traveling body described above are normally driven by a hydraulic actuator such as a hydraulic cylinder or a hydraulic motor. The hydraulic excavator is provided with a hydraulic pump as a hydraulic source of the hydraulic actuator, and the hydraulic pump is driven by the engine. Generally, these hydraulic pumps and engines are placed on an upper rotating body together with various devices and covered with a cover.
[0004]
An example of equipment arrangement in this upper swing body is shown in FIG.
[0005]
In FIG. 7, a
[0006]
That is, on the right front side in the cover of the upper revolving
A control valve device 9 for controlling the pressure oil from the hydraulic pump 6 is provided in a substantially central region in the cover of the
[0007]
Furthermore, a
An
[0008]
In the
[0009]
At this time, in order to cool the
[0010]
Here, the
[0011]
First, the output of the
Second, even if relatively low temperature air is sucked from the air suction port, the
[0012]
In FIG. 7, in consideration of the above points, an
[0013]
[Problems to be solved by the invention]
In recent years, for applications in relatively small excavation sites, for example, the swing radius in the minimum turning posture with the boom raised to the maximum and the front mechanism closest to the cab side is less than the diameter of the turning frame at the lower part of the upper turning body. Many small construction machines have been proposed such as a so-called small rear swivel excavator. In such a small construction machine, the space in the cover in the upper revolving structure is extremely limited. Therefore, it is necessary to devise the arrangement of the devices in the cover so that the space is not wasted and can be used effectively.
[0014]
However, in the above conventional structure, as described above, the
[0015]
An object of the present invention is to provide an engine intake device that can improve space efficiency by eliminating the waste of space in the upper-part turning body.
[0016]
[Means for Solving the Problems]
(1) In order to achieve the above object, the present invention cools an engine disposed in an engine room of an upper swing body, a radiator that cools cooling water of the engine, and hydraulic oil for driving a hydraulic actuator. An oil cooler, and a cooling fan for inducing cooling air for cooling the engine, the radiator, and the oil cooler; A sealing material that closes an outer periphery of the radiator and partitions the engine room into an engine side and an anti-engine side; and an openable and closable upper cover that covers an upper part of the engine room; An air suction port for sucking combustion air of the engine, an air cleaner for purifying air introduced from the air suction port, and an intake air for guiding the air purified by the air cleaner to the engine And the air suction port and the air cleaner are disposed on the opposite side of the radiator and the oil cooler on the engine intake device of the construction machine, and the intake piping is disposed on the upper portion of the radiator The air cleaner and the engine are connected while passing through the sealed material The seal material is at least a first seal material fixed to the upper cover and abutting on an upper portion of the intake pipe, and a second seal material fixed to the radiator and supporting a lower portion of the intake pipe. Divided into a structure in which the intake pipe is sandwiched between the first sealing material and the second sealing material. Yes.
[0017]
This eliminates the need for a useless space for turning the intake pipe so as to bypass the heat exchanger such as a radiator, which is necessary in the conventional structure. Therefore, space efficiency can be improved and the limited space in the upper swing body can be effectively utilized. Thereby, even when applied to a small construction machine with a limited space, all devices to be mounted can be easily arranged in the upper swing body.
[0019]
Cooling air that cools each device in the engine room is usually sucked from the area of the top cover that is on the opposite side of the radiator / oil cooler, and after cooling the radiator / oil cooler and raising the temperature, the engine etc. Cool down. At this time, the sealing material closes the outer periphery of the radiator and partitions the engine compartment into the engine side and the non-engine side, so that the high temperature air passing through the radiator / oil cooler is again in the radiator / oil cooler. Prevent backflow to the non-engine side. In the present invention, by providing the intake pipe so as to penetrate the sealing material, it is possible to improve the space efficiency in the upper-part turning body while ensuring the above-described backflow prevention function.
[0021]
The first sealant can be opened and closed together with the upper cover by fixing the first sealant to the openable and closable upper cover that covers the upper part of the engine room. The upper part of the intake pipe is exposed by opening the upper cover. It is possible to make it convenient for maintenance. At the time of assembly, it is sufficient to fix the second sealing material to the radiator and then install the intake pipe, while fixing the first sealing material to the engine cover and finally close the engine cover. Improves.
At this time, the size of the first seal material in the upper cover opening / closing direction is set slightly larger, and the first seal material is sufficiently adhered to the upper portion of the intake pipe by the pressing force in a state where the upper cover is closed. By doing so, the backflow prevention function can be more reliably realized.
[0022]
( 2 )the above( 1 ) Good Preferably, the second sealing material has a higher hardness than the first sealing material.
[0023]
By increasing the hardness of the second seal member provided under the intake pipe and receiving mainly the weight of the intake pipe, the durability and reliability of the support structure of the intake pipe are improved, and the second due to the weight of the intake pipe is increased. It is possible to prevent the seal material from being bent and contracted and to further improve the sealing performance. Moreover, vibration suppression of the intake pipe can be achieved.
[0024]
( 3 )the above In (1), preferably, Insect-proof net provided on the anti-engine side of the oil cooler Further comprising The intake pipe connects the air cleaner and the engine while passing through the upper region of the radiator and the oil cooler, and the insect net is structured to be divided into a plurality of parts in the horizontal direction.
[0025]
The insect net provided on the anti-engine side of the oil cooler becomes clogged with use, and therefore needs to be cleaned and replaced as appropriate. Here, in construction machines, the size of the radiator and the oil cooler is relatively large, so the size of the insect repellent net is also relatively large. When cleaning and replacing, the insect repellent net is pulled upward after opening the upper cover. It is common to take it out from the upper cover.
Here, in the present invention, since the space efficiency in the upper rotating body is improved by passing the intake pipe through the upper area of the radiator and the oil cooler, the intake pipe is disposed above the oil cooler. If this is the case, this intake pipe will be in the way and the insect net cannot be pulled upward. Therefore, in response to this, the insect net can be divided into a plurality of parts in the horizontal direction, and when cleaning and replacement, the insect net can be divided into a plurality of parts, and each one is made into a small piece. The pieces can be easily taken out sequentially without hindering the piping.
Therefore, the space efficiency in the upper swing body can be improved while ensuring easy cleaning and replacement of the same insect-proof net as in the prior art.
[0026]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, an embodiment of the present invention will be described with reference to the drawings. Portions common to FIG. 7 illustrating the conventional structure are denoted by the same reference numerals, and description thereof is omitted as appropriate.
[0027]
FIG. 2 shows a device layout in the
[0028]
In FIG. 2, the present embodiment differs from the conventional structure described with reference to FIG. 7 in that an
[0029]
FIG. 1 is an enlarged top view (partially horizontal cross section) showing the main part structure in FIG. 2 including the arrangement of the
[0030]
1 and 3, a
[0031]
Moreover, the outer peripheral part of the
[0032]
FIG. 4 shows a front view as viewed from the direction B in FIG. 1 showing the detailed structure of the portion of the
[0033]
4 and 1, the
[0034]
The plurality of sealing
At this time, among these four sealing materials, the sealing
[0035]
On the other hand, the anti-engine side of the oil cooler 116b is provided with an
At this time, as shown in FIG. 5 which is a cross-sectional view taken along the line VV in FIG. 4, the right end portion 128La of the
[0036]
Further, the
[0037]
In the above, the sealing
[0038]
In the
At this time, unlike the conventional structure shown in FIG. 7, the
[0039]
On the other hand, in order to cool the
At this time, the sealing
Furthermore, by increasing the hardness of the
[0040]
By the way, while the hydraulic excavator is always cooled with cooling air as described above, the
[0041]
Here, in construction machines such as hydraulic excavators, the size of the radiator and oil cooler is relatively large, so that the size of the insect net is also relatively large. In general, it is removed so as to be pulled out and taken out from the upper cover.
[0042]
However, in the present embodiment, since the space efficiency in the
Accordingly, in this embodiment, the
[0043]
In the above-described embodiment, the
[0044]
Moreover, in the said embodiment, although all the sealing
[0045]
【The invention's effect】
According to the present invention, since the intake pipe connects the cleaner and the engine while passing through the upper region of the radiator and the oil cooler, useless space for the intake pipe to bypass the radiator and the like becomes unnecessary. Therefore, space efficiency can be improved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a top view showing a main part structure including an arrangement of intake pipes of an engine intake device according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a device layout diagram in an upper swing body of a small hydraulic excavator provided with an engine intake device according to an embodiment of the present invention.
FIG. 3 is a side view as seen from the direction A in FIG. 1;
4 is a front view as seen from the direction of the arrow B in FIG. 1. FIG.
5 is a cross-sectional view taken along a line VV in FIG.
6 is a cross-sectional view taken along the line VI-VI in FIG.
FIG. 7 is a diagram illustrating an example of a conventional upper swirl device arrangement.
[Explanation of symbols]
4 engine
101 Upper swing body
113 engine room
116a Radiator
116b Oil cooler
117 Air cleaner
117A Air inlet
118 Intake piping
123 Cooling fan
124a Sealing material (first sealing material)
124b Sealing material (second sealing material)
124c, d sealing material
126 Top cover
127 insect net
Claims (3)
前記吸気配管は、前記ラジエータの上部に配置された前記シール材を貫通しつつ、前記エアクリーナと前記エンジンとを接続しており、
前記シール材は、少なくとも、前記上部カバーに固定され前記吸気配管の上部に当接する第1のシール材と、前記ラジエータに固定され前記吸気配管の下部を支持する第2のシール材とに分割され、これら第1のシール材と第2のシール材とで前記吸気配管を狭持する構造となっていることを特徴とする建設機械のエンジン吸気装置。 An engine disposed in the engine room of the upper swing body, a radiator for cooling the cooling water of the engine, an oil cooler for cooling the hydraulic oil for driving the hydraulic actuator, and the engine, the radiator, and the oil cooler are cooled. A cooling fan for inducing cooling air, a sealing material for closing the outer periphery of the radiator and partitioning the engine room into an engine side and a non-engine side, and an openable and closable upper cover for covering the upper part of the engine room An air suction port for sucking in combustion air of the engine, an air cleaner for purifying the air introduced from the air suction port, and an intake pipe for guiding the air purified by the air cleaner to the engine. And the air suction port and the air cleaner have the radiator and the oil In the engine air intake system for a construction machine provided on the opposite side to the engine of the cooler,
The intake pipe connects the air cleaner and the engine while penetrating through the sealing material disposed on the upper portion of the radiator,
The seal material is divided into at least a first seal material fixed to the upper cover and contacting the upper portion of the intake pipe, and a second seal material fixed to the radiator and supporting the lower portion of the intake pipe. An engine intake device for a construction machine, characterized in that the intake pipe is sandwiched between the first seal material and the second seal material.
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