JP4023697B2 - ナフタレン誘導体の製造方法 - Google Patents

ナフタレン誘導体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は血糖、及び血中脂質低下作用を有するナフタレン誘導体の新規製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平6−247945には血糖、及び血中脂質低下作用を有するナフチルメチルチアゾリジンジオン誘導体及びその製造方法が記載されている。その方法は例えばスキーム1に示される如く、6−アセチル−2−ナフトールから水酸基に置換基を置換させ、Beckmann転位反応を経てナフチルアミンに変換した後にジアゾニウム塩とし、Meerwein Arylationによりハロエステルとし、これにチオ尿素を反応させイミノチアゾリジノンとし、さらにこれを酸性条件下、加水分解することによりナフチルメチルチアゾリジンジオン誘導体を製造するものである。この製造方法においては、工程数が多く、かつ、Meerwein Arylationにおける激しい発熱や多量の窒素の発生、またアクリル酸エステル使用による悪臭といった欠点がある。さらに、ナフタレン環の水酸基上の置換基がベンジル基の場合、ベンジル基の置換基によっては途中の酸性条件下でのイミノチアゾリジノンからチアゾリジンジオンへの加水分解の際、脱離してしまう場合もある。
【0003】
【化3】
Figure 0004023697
【0004】
{式中、R11、R12、R13及びR14はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アリールオキシ基、アルカノイルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルアミノカルボニル基、アリールアミノカルボニル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルカノイルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基、エチレンジオキシメチル基、ホルミル基、シアノ基、ニトロ基又はトリハロメチル基を表し、R15は水素原子、置換されていてもよいアルキル基又は置換されていてもよいアリール基を表す。Xは=N−又は=CR16−(R16は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アリールオキシ基、アルカノイルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルアミノカルボニル基、アリールアミノカルボニル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルカノイルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基、エチレンジオキシメチル基、ホルミル基、シアノ基、ニトロ基又はトリハロメチル基を表す。)を表し、nは0〜3の整数を表す。またRは低級アルキル基を表し、Zはハロゲン原子を表す。}
【0005】
また、別の製造法としてスキーム2に示される如く、6−ヒドロキシ−2−ナフトアルデヒドの水酸基に置換基を導入した後に、ホルミル基を水酸基に還元し、ハロゲン化剤によってナフチルメチルハライドとし、低温にてチアゾリジンジオンのジアニオンと反応させナフチルメチルチアゾリジンジオンを製造する方法が記載されている。この製造法においては、途中生成するナフチルメチルハライドは安定性が低く、また、チアゾリジンジオンのジアニオンとのアルキル化反応に於いては低温にて行う必要があるため、工業的規模での製造には問題がある。
【0006】
【化4】
Figure 0004023697
【0007】
(式中、R11〜R15、X及びnは前記定義に同じであり、Yはハロゲン原子を表し、M+ はアルカリ金属イオンを表す。)
また、その他の製造法としてスキーム3に示される如く、6−ヒドロキシ−2−ナフトアルデヒドの水酸基を保護基で保護した後に、チアゾリジンジオンを脱水縮合させ、生じた二重結合を接触水素添加反応により一重結合へ還元して、その後、保護基を脱保護しフェノール性の水酸基に選択的に置換基を導入する方法が記載されている。この製造法においてもフェノール性水酸基の保護、脱保護といった工程があり、合理的な製造法とは言えない。
【0008】
【化5】
Figure 0004023697
【0009】
(式中、R11〜R15、X及びnは前記定義に同じ)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は血糖、及び血中脂質低下作用を有し、糖尿病、及び高脂血症の治療薬として有用なナフチルメチルチアゾリジンジオンの工業的製造法を与えるものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、6−ヒドロキシ−2−ナフトアルデヒド(下記(I)式)
【0012】
【化6】
Figure 0004023697
【0013】
の水酸基を保護することなくこれに2,4−チアゾリジンジオンを脱水縮合させて5−(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)メチレン−2,4−チアゾリジンジオン(下記(II)式)
【0014】
【化7】
Figure 0004023697
【0015】
を得、ついでこれを還元して5−(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)メチル−2,4−チアゾリジンジオン(下記(III)式)
【0016】
【化8】
Figure 0004023697
【0017】
を得る方法、更にはこれに一般式
【0018】
【化9】
Figure 0004023697
【0019】
(式中R1 、R2 、R3 、R4 及びR5 はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アリールオキシ基、アルカノイルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルカノイルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基、エチレンジオキシメチル基、ホルミル基、シアノ基、ニトロ基又はトリハロメチル基を表し、Yはハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基又はアリールスルホニルオキシ基を表す。)で表される化合物とを反応させることを特徴とする一般式
【0020】
【化10】
Figure 0004023697
(式中、R1 、R2 、R3 、R4 及びR5 は前記と同義である。)で表されるナフチルメチルチアゾリジンジオン誘導体の製造法に関するものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明においては、式(I)で表される6−ヒドロキシ−2−ナフトアルデヒドの水酸基を保護することなく、2,4−チアゾリジンジオンとの反応に供する。
例えば、(I)で表される6−ヒドロキシ−2−ナフトアルデヒドと2,4−チアゾリジンジオンとを好ましくは塩基の存在下、脱水縮合反応させることにより式(II)で表される5−(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)メチレン−2,4−チアゾリジンジオンを製造する。塩基としてはトリエチルアミン、ピリジン、ピペリジン、ピロリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン等のアミン、あるいは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等の無機塩基が用いられ、中でもピペリジン、ピロリジンが特に好ましい。溶媒としてはメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、2−メトキシエタノール等のアルコール溶媒又はDMSO、DMF等が用いられ、時としてこれらの混合溶媒中でも行われ、また時として無溶媒でも反応は行われ、中でも2−メトキシエタノール、2−プロパノール、DMF、DMSOが特に好ましい。用いる2,4−チアゾリジンジオンの使用量は化合物(I)に対し、0.8〜10倍モルで、好ましくは1.0〜2.0倍モルである。反応温度は20〜150℃で、好ましくは50〜120℃が好ましい。また、反応時間は反応条件によって異なるが、通常1時間以上、好ましくは1〜10時間である。
【0022】
次に化合物(II)を還元して式(III)で表わされる5−(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)メチル−2,4−チアゾリジンジオンを製造する。反応は例えば水素雰囲気下、あるいはシクロヘキセン存在下で行なわれ、水素雰囲気下で行なわれる場合はその圧力は常圧から200kg/cm2 の加圧下で行なわれ、好ましくは2〜80kg/cm2 の加圧下で行なわれる。触媒としては水酸化パラジウム、パラジウム炭素、パラジウム黒、酸化白金、白金−炭素、ロジウム等の遷移金属触媒が用いられる。その使用量は化合物(II)に対して0.01〜1倍モルで、好ましくは0.1〜0.3倍モルである。反応溶媒としてはメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、2−メトキシエタノール等のアルコール溶媒、ジオキサン、ジメトキシメタン、THF等のエーテル溶媒、酢酸エチル、酢酸、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等の溶媒が用いられる。反応温度は通常、0〜150℃で行なわれ、好ましくは50〜100℃である。
【0023】
次に化合物(III)と一般式
【0024】
【化11】
Figure 0004023697
(式中、Y、R1 〜R5 は前記と同義である。)とを反応させることにより一般式
【0025】
【化12】
Figure 0004023697
【0026】
(式中、R1 〜R5 は前記と同義である。)
で表わされる化合物を製造する。本反応では一般式(V)で表わされる化合物を化合物(III)に対して0.8〜3倍モル使用し、好ましくは1.0〜1.5倍モル使用する。反応は塩基の存在下に行うことが好ましい。かかる塩基としては水素化ナトリウム、水素化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が用いられ、好ましくは水素化ナトリウムや水素化カリウムが用いられる。その量は化合物(III)に対して0.5〜5倍モルであり、好ましくは1.0〜3.0倍モルである。溶媒としてはTHF、ジオキサン、ジエチルエーテル、DMF、DMSO、N−メチルピロリドン等が用いられ、時としてこれらの混合溶媒中でも反応は行なわれ、中でもDMF、DMSO、N−メチルピロリドンが好ましい。反応温度は0〜100℃の範囲で行なわれ、好ましくは10〜40℃であり、反応時間は反応条件により異なるが、通常1時間以上、好ましくは3〜10時間である。
【0027】
なお、出発物質である6−ヒドロキシ−2−ナフトアルデヒドは、公知の方法、例えば実験化学講座,20巻,237−247頁に記載されているように、アリールアルキルエーテルを脱アルキル化することにより得ることができる。
また前記定義におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が、アルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基等のC1 〜C8 アルキル基が、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基等のC6 〜C12アリール基が、アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基等のC1 〜C8 アルコキシ基が、アルコキシアルコキシ基としてはメトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、メトキシペンチルオキシ基等のC2 〜C6 アルコキシアルコキシ基が、アリールオキシ基としてはフェノキシ基、ナフチルオキシ基等のC6 〜C12アリールオキシ基が、アルカノイルオキシ基としてはアセトキシ基、バレリルオキシ基、ヘキサノイルオキシ基等のC2 〜C9 アルカノイルオキシ基が、アリールカルボニルオキシ基としてはベンゾイルオキシ基、ナフチルカルボニルオキシ基等のC7 〜C13アリールカルボニルオキシ基が、アルコキシカルボニル基としてはメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、オクチルカルボニル基等のC2 〜C9 アルコキシカルボニル基が、アリールオキシカルボニル基としてはフェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等のC7 〜C13アリールオキシカルボニル基が、アルキルアミノ基としてはメチルアミノ基、エチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジブチルアミノ基等のC1 〜C8 アルキルアミノ基が、アルカノイルアミノ基としてはアセチルアミノ基、バレリルアミノ基、ヘキサノイルアミノ基等のC2 〜C9 アルカノイルアミノ基が、アリールカルボニルアミノ基としてはベンゾイルアミノ基、ナフチルカルボニルアミノ基等のC7 〜C13アリールカルボニルアミノ基が、トリハロメチル基としてはトリフルオロメチル基、トリクロロメチル基等が、アルキルスルホニルオキシ基としてはメチルスルホニルオキシ基、エチルスルホニルオキシ基、n−プロピルスルホニルオキシ基、t−ブチルスルホニルオキシ基等のC1 〜C6 アルキルスルホニルオキシ基が、アリールスルホニルオキシ基としてはフェニルスルホニルオキシ基、トリルスルホニルオキシ基、ナフチルスルホニルオキシ等のC6 〜C12アリールスルホニルオキシ基がそれぞれ好適である。
【0028】
【実施例】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、その要旨を越えない限り本発明は以下に限定されるものではない。
実施例1
化合物(I)から化合物(II)を製造する方法
アルミニウム粉末(10.9g、403mmol)にトルエン(250mL)を加え、その懸濁液に激しく撹拌し、反応温度を30〜40℃に制御しながら、ヨウ素(153g、604mmol)を徐々に添加した。さらにその後、反応温度30〜40℃にて2時間撹拌した。その後、6−メトキシ−2−ナフトアルデヒド(東京化成工業(株)より購入)(25.0g、134mmol)のトルエン溶液(125mL)を温度を30〜35℃に保ちながら徐々に滴下した。その後、さらに30〜40℃にて6時間撹拌した後、氷冷下、反応液に3規定塩酸水溶液(175mL)を加え激しく撹拌した。反応液を酢酸エチル(700mL)にて抽出し、得られた有機層を飽和亜硫酸水素ナトリウム水溶液(200mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200mL)、飽和食塩水(200mL)にて洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、有機層を減圧濃縮し、有機溶媒が約80%留去されたところで減圧濃縮を止めた。得られた残渣を濾過し、減圧乾燥することにより、6−ヒドロキシ−2−ナフトアルデヒド(化合物(I))(15.7g、収率68%)を得た。
【0029】
こうして得られた6−ヒドロキシ−2−ナフトアルデヒド(1.0g、5.81mmol)をメトキシエタノール(5mL)に溶解し、それに2,4−チアゾリジンジオン(1.02g、8.71mmol)、ピペリジン(0.17mL、1.74mmol)を加え、95℃にて5.5時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、33%酢酸水溶液(16mL)を加えた。析出した固型物をろ過し、メタノール(10mL)にて洗浄し、25℃にて減圧乾燥した後、5−(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)メチレン−2,4−チアゾリジンジオン(化合物(II))(1.42g、収率90%)を得た。
【0030】
NMR(DMSO d−6)
δ 7.1〜7.2(m,2H)、7.54(dd,1H,J=1.7,8.8Hz)、7.79(d,1H,J=8.8Hz)、7.8〜8.0(m,2H)、8.03(s,1H)、10.2(s,1H)、12.6(s,1H)
IR(KBr)
3396,3140,1730,1587,1325,1186,1020,866cm-1
融点 >200℃(分解)
【0031】
実施例2
化合物(II)から化合物(III) を製造する方法
イ)オートクレーブ中、上記で得られた5−(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)メチレン−2,4−チアゾリジンジオン(200mg、0.74mmol)を酢酸エチル(6mL)に溶解し、水酸化パラジウム(20%炭素担持)(200mg)を加え、6.0kg/cm2 に加圧した水素雰囲気下、100℃において5時間撹拌した。室温まで冷却しパラジウム触媒をろ過した後、ろ液を減圧濃縮し粗生成物を得た。酢酸エチル(1.6mL)を加え、一旦均一溶液とした後、ヘプタン(2mL)を加え結晶を晶出させ、加熱還流下、懸洗した。室温まで冷却した後、減圧濾過することにより、5−(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)メチル−2,4−チアゾリジンジオン(163mg、収率81%)を得た。
【0032】
NMR(DMSO d−6)
δ 3.20(dd,1H,J=9.3,14.3Hz)、3.48(dd,1H,J=4.3,14.0Hz)、4.97(dd,1H,J=4.3,9.3Hz)、7.06(d,1H,J=8.4Hz)、7.08(s,1H)、7.27(d,1H,J=8.5Hz)、7.60(s,1H)、7.62(d,1H,J=9.0Hz)、7.69(d,1H,J=9.0Hz)、9.71(s,1H)、12.0(s,1H)
IR(KBr)
3418,3155,3055,1925,1747,1631,1392,1329,1207,866cm-1
融点 231−233℃
【0033】
ロ)オートクレーブ中、上記で得られた5−(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)メチレン−2,4−チアゾリジンジオン(400mg、1.48mmol)を酢酸エチル(12mL)に溶解し、水酸化パラジウム(含水率50%、20%炭素担持)(81mg)を加え、50kg/cm2 に加圧した水素雰囲気下、100℃において6時間撹拌した。室温まで冷却し、THF(4mL)を加え、パラジウム触媒を濾過した後、ろ液を減圧濃縮し粗生成物を得た。イ)と同様に精製することにより、5−(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)メチル−2,4−チアゾリジンジオン(386mg、収率96%)を得た。
【0034】
ハ)オートクレーブ中、上記で得られた5−(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)メチレン−2,4−チアゾリジンジオン(150g、0.56mmol)を酢酸エチル(4.5L)に溶解し、水酸化パラジウム(含水率50%、20%炭素担持)(61g)を加え、72−74kg/cm2 に加圧した水素雰囲気下、100℃において9時間撹拌した。室温まで冷却し、THF(1.5L)を加え、パラジウム触媒を濾過した後、ろ液を減圧濃縮し粗生成物を得た。イ)と同様に精製することにより、5−(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)メチル−2,4−チアゾリジンジオン(128g、収率85%)を得た。
【0035】
実施例3
化合物(III)から化合物(VI)を製造する方法
イ)水素化ナトリウム(含量60%、1.74g、45.7mmol)とDMF(206mL)の混合物に、氷冷下、DMF(44mL)に溶解した上記で得られた5−(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)メチル−2,4−チアゾリジンジオン(5.00g、18.3mmol)を加え、10〜15℃において1.5時間撹拌した。その後、2−フルオロ−ベンジルクロリド(2.6mL、22.2mmol)を加え、10〜15℃において1.5時間、さらに20〜25℃において4時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液(3.3mL)を加え反応を終了させ、ヘプタン(64mL)を加え油状物を洗浄、分液し、DMF層を飽和塩化アンモニウム水溶液(760ml)に加えた。析出した固形物をろ別し、酢酸エチル(100mL)に溶解し、有機層を水洗し硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮し油状の粗生成物を得た。粗生成物を酢酸エチル(20mL)に溶解し、ヘプタン(40mL)を加え結晶を析出させた。さらにトルエン(24mL)から再結晶させることにより5−〔6−{2−フルオロベンジルオキシ}−2−ナフチル〕−メチル−2,4−チアゾリジンジオン(4.30g、収率62%)を得た。
【0036】
NMR(DMSO d−6)
δ 3.23(dd,1H,J=9.5,14.0Hz)、3.51(dd,1H,J=4.3,14.0Hz)、4.99(dd,1H,J=4.3,9.5Hz)、5.24(s,2H)、7.20〜7.30(m,4H)、7.38(t,1H,J=8.8Hz)、7.45(s,1H),7.61(t,1H,J=7.5Hz)、7.70(s,1H)、7.76(d,1H,J=5.8Hz)、7.79(d,1H,J=6.0Hz)、12.03(s,1H)
IR(KBr)
3254,3055,1759,1674,1607,1493,1393,1325,1269,1231cm-1
融点 150−151℃
【0037】
ロ)水素化ナトリウム(含量約60%、7.47g)のDMF(500mL)のサスペンジョン溶液にDMF(44mL)に溶解した上記で得られた5−(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)メチル−2,4−チアゾリジンジオン(25.00g、88.3mmol)を加え、約25℃において2.5時間撹拌した。その後、15℃まで冷却し、2−フルオロ−ベンジルクロリド(12.6mL、106.0mmol)を加え、15℃において6時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液(16.5mL)を加え反応を終了させ、ヘプタン(320mL)を加え油状物を洗浄、分液し、DMF層を飽和塩化アンモニウム水溶液(2.3L)に加えた。析出した固形物をろ別し、酢酸エチル(100mL)に溶解し、有機層を水洗後、減圧濃縮し油状の粗生成物を得た。粗生成物を酢酸エチル(100mL)に溶解し、ヘプタン(200mL)を加え結晶を析出させた。さらにトルエン(110mL)から再結晶させることにより5−〔6−{2−フルオロベンジルオキシ}−2−ナフチル〕−メチル−2,4−チアゾリジンジオン(20.0g、収率59%)を得た。
【0038】
ハ)氷冷下、上記で得られた5−(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)メチル−2,4−チアゾリジンジオン(157mg、0.57mmol)のDMF溶液(6mL)に水素化ナトリウム(含量60%、48mg、12mmol)を加え、10〜15℃において1.5時間撹拌した後、2,4,6−トリフルオロ−ベンジルブロミド(149mg、0.66mmol)を加え、20〜25℃において3時間撹拌した。反応液に希塩酸を加え中和した後、酢酸エチル(30mL)を加え抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムにより乾燥し、減圧濃縮し粗生成物を得た。これをカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル/ヘプタン=30%)により精製し、(再結晶することにより)5−〔6−{2,4,6−トリフルオロベンジルオキシ}−2−ナフチル〕−メチル−2,4−チアゾリジンジオン(97mg、収率39%)を得た。
【0039】
NMR(DMSO d−6)
δ 3.25(dd,1H,J=9.0,13.9Hz)、3.53(dd,1H,J=4.1,13.9Hz)、4.99(dd,1H,J=4.1,9.0Hz)、5.19(s,2H)、7.16〜7.48(m,5H)、7.70〜7.81(m,3H)、12.03(s,1H)
IR(KBr)
3425,3252,1687,1666,1331,1263,1122,927,844,771cm-1
融点 166−167℃
【0040】
ニ)ロと同様の方法により、5−(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)メチル−2,4−チアゾリジンジオン(432mg、1.58mmol)と2,6−ジフルオロベンジルブロミド(360mg、1.74mmol)から5−〔6−{2,6−ジフルオロベンジルオキシ}−2−ナフチル〕−メチル−2,4−チアゾリジンジオン(366mg、収率58%)を得た。
【0041】
NMR(DMSO d−6)
δ 3.24(dd,1H,J=9.3,14.1Hz)、3.52(dd,1H,J=4.2,14.1Hz)、4.98(dd,1H,J=4.2,9.0Hz)、5.22(s,2H)、7.17(dd,1H,J=3.6,9.3Hz)、7.20(d,1H,J=8.1Hz)、7.38(d,1H,J=8.4Hz)、7.4〜7.6(m,2H)、7.69(s,1H)、7.78(m,2H)、12.03(brs,1H)
IR(KBr)
3177,3056,2359,1705,1471,1233,1057,926cm-1
融点 160−161℃
【0042】
ホ)ロと同様の方法により、5−(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)メチル−2,4−チアゾリジンジオン(306mg、1.12mmol)と2,6−ジクロロベンジルブロミド(540mg、2.24mmol)から5−〔6−{2,6−ジクロロロベンジルオキシ}−2−ナフチル〕−メチル−2,4−チアゾリジンジオン(102mg、収率21%)を得た。
【0043】
NMR(DMSO d−6)
δ 3.25(dd,1H,J=9.3,14.1Hz)、3.53(dd,1H,J=4.2,14.1Hz)、4.99(dd,1H,J=4.2,9.3Hz)、5.34(s,2H)、7.18(dd,1H,J=2.4,9.0Hz)、7.39(dd,1H,J=1.5,8.4Hz)、7.4〜7.6(m,4H)、7.69(s,1H)、7.79(d,2H,J=9.0Hz)、12.03(brs,1H)
IR(KBr)
3277,3057,2359,1682,1437,1225,1163,1013cm-1
融点 165−168℃
【0044】
ヘ)ロと同様の方法により、5−(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)メチル−2,4−チアゾリジンジオン(342mg、1.25mmol)と2,4−ジクロロベンジルクロリド(732mg、3.75mmol)から5−〔6−{2,4−ジクロロロベンジルオキシ}−2−ナフチル〕−メチル−2,4−チアゾリジンジオン(195mg、収率36%)を得た。
【0045】
NMR(DMSO d−6)
δ 3.23(dd,1H,J=9.6,14.4Hz)、3.52(dd,1H,J=4.2,14.4Hz)、4.98(dd,1H,J=4.2,9.3Hz)、5.25(s,2H)、7.25(d,1H,J=8.9Hz)、7.3〜7.4(m,2H)、7.50(dd,2H,J=1.9,8.4Hz)、7.58(d,1H,J=1.7Hz)、7.6〜7.7(m,2H),7.80(t,2H,J=7.5Hz)、12.10(brs,1H)
IR(KBr)
3464,3055,1701,1606,1244,1041,752cm-1
融点 147−149℃
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば公知の方法に比べ工程数が少なく、また工業的に実施困難なMeerwein Arylationや低温反応を用いることなく、一般式(VI)で表わされる化合物を製造することができ、工業的にも優れた製造法を提供することが可能である。

Claims (4)

  1. 6−ヒドロキシ−2−ナフトアルデヒドと2,4−チアゾリジンジオンとを、6−ヒドロキシ−2−ナフトアルデヒドの水酸基を保護せずに反応させて5−(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)メチレン−2,4−チアゾリジンジオンを得、これを水素雰囲気下にて、かつ触媒として遷移金属触媒である水酸化パラジウムを用いて還元して5−(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)メチル−2,4−チアゾリジンジオンを製造する方法。
  2. 6−ヒドロキシ−2−ナフトアルデヒドと2,4−チアゾリジンジオンとを、塩基の存在下、脱水縮合反応させて5−(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)メチレン−2,4−チアゾリジンジオンを得ることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. 6−ヒドロキシ−2−ナフトアルデヒドと2,4−チアゾリジンジオンとを、6−ヒドロキシ−2−ナフトアルデヒドの水酸基を保護せずに反応させて5−(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)メチレン−2,4−チアゾリジンジオンを得、これを水素雰囲気下にて、かつ触媒として遷移金属触媒である水酸化パラジウムを用いて還元して5−(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)メチル−2,4−チアゾリジンジオンを得、次いでこれに下記(V)式
    Figure 0004023697
    (式中、Yはハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基又はアリールスルホニルオキシ基を表し、R、R、R、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アリールオキシ基、アルカノイルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルカノイルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基、エチレンジオキシメチル基、ホルミル基、シアノ基、ニトロ基又はトリハロメチル基を表す。)で表される化合物と反応させることを特徴とする、下記(VI)式で表される5−(6−置換ベンジルオキシ−2−ナフチル)メチル−2,4−チアゾリジンジオンの製造方法。
    Figure 0004023697
  4. 前記(V)式において、Yがハロゲン原子、Rがフッ素原子、R、R、RおよびRが水素原子を表すことを特徴とする請求項3記載の製造方法。
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