JP4023556B2 - 間隙状の開孔横断面を有している電子光学レンズ装置 - Google Patents

間隙状の開孔横断面を有している電子光学レンズ装置 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、円柱レンズを有する、例えば、電子の集束用のレンズ装置であって、極片又は電極が設けられており、該極片又は電極間に、前記レンズの光軸に対して垂直な間隙状の横断面を有している開孔が設けられているレンズ装置に関する。
【0002】
電子ビームリソグラフィを用いて、最小量の構造を形成することができ、その際、主要な適用領域は、ディスク状の半導体結晶(ウエーハ)の表面上での電子構成素子及び集積回路の製造である。電子の集束のために、短い焦点距離を有していて、その利用可能な書込領域(即ち、焦点がレンズ面に対して平行にシフト可能な領域)ができる限り大きい電子レンズが必要である。
【0003】
この目的のために、所謂"variable axis(可変軸)"レンズ(H.C.Pfeiffer,G.O.Langner,L.Vac.Sci.Technol.,1983年、3−14頁)が公知である。このレンズでは、丸型レンズの(電磁)場に動的に、書込場所の位置を特定する適切な補正(電磁)場が重畳される。しかし、このレンズの利用可能な作業領域が、極片の、焦点距離の大きさである孔半径によって制限される。従って、実際には、書込領域は、ミリメータの範囲内である。従って、通例の大きさの集積回路又はウエーハ全体さえ加工することができる為には、従来のリソグラフィ装置は、電子光学機器の他に、電子ビームの垂直面内で可動な部材保持部を備えたテーブルを必要とする。この場合、効率は、テーブルの機械的なパラメータによって制限され、その際、形成可能な構造の最小量は、この操作精度に依存しており、テーブルの移動速度により、最大書込速度が決まる。
【0004】
更に、従来技術では、電子の集束のために、静電型円柱レンズも磁場型円柱レンズも公知である(H.Rose,Optik 36,1972年、19−36頁)。円柱レンズには、電極乃至極片が設けられており、電極乃至極片は、電場乃至磁場の案内のために使用され、電極乃至極片間に、間隙状の開孔が形成されており、この開孔を通じて、荷電粒子の可能な軌線がレンズ内に形成される。その際、間隙状の開孔の長手軸は、レンズの光軸に対して垂直に配向されており、光軸及び長手軸によって形成された面は、以下、中心面と呼ぶ。しかし、無収差結像のためには、即ち、点状電子源及び平行入射ビームの点状結像のためには、円柱レンズは適していない。と言うのは、円柱レンズは、間隙の方向に対して垂直方向にしか集束せず、粒子の運動成分は、間隙の方向に対して平行には影響を及ぼさないからである。従って、棒状の非点収差点像が形成され、この像は、リソグラフのためには不十分である。
【0005】
更に、荷電粒子の運動は、4極磁場によって制御することができる。その際、荷電粒子の運動面に対して垂直に、4極磁場は同様にレンズとして作用する。しかし、通常の結像は、この方法では形成されない。と言うのは、4極子レンズが平面の平行ビーム束に及ぼす影響は、この平面平行ビーム束の、磁場に対する角度位置に依存している。光軸を含む面内の4極子レンズは、平行ビームを収束するが、この4極子レンズは、これに対して垂直な、光軸を含む面内では焦点はずれ(デフォーカシング)するように平行ビーム束に作用する。焦点距離の値だけは、両面内で同じに調整することができる。この特性に基づいて、4極子レンズは、通常の光学結像用には適していない。
【0006】
このような背景技術を前にして、本発明は、電子ビーム用の開孔が任意の長さの次元であり、且つ、無収差結像を形成するレンズ装置を開発することを課題とする。
【0007】
この課題は、本発明によると、円柱レンズに、磁場型レンズが組み合わされており、該磁場型レンズを用いて4極磁場が形成可能であり、レンズは、僅かな間隔又は間隔なしに相互に配設されており、レンズの光軸は、相互に平行であり、磁場型4極子レンズは、間隙状の開孔を有しており、該開孔は、円柱レンズの開孔に対して平行に配向されており、光軸を包囲する4極子レンズの集束面は、開孔の長手軸並びに当該4極子レンズの焦点はずれ(デフォーカシング)面に平行に、長手軸に対して垂直に配向されており、円柱レンズの屈折力は、4極子レンズの屈折力の2倍の大きさに調整可能であるようにして解決される。
【0008】
本発明の核心的技術思想は、円柱レンズを磁場型4極子レンズと組み合わせ、その際、4極子レンズという概念は、本発明の意味では、4極子の対称性によって磁場を形成することができるレンズ全体を含む(例えば、8極子レンズも含む)。その際、両レンズの光軸は、相互に平行であり、それらの主平面は一致しているか、又は、何れにせよ、僅かな間隔しか相互に有していない。この概念「僅か」は、この間隔が、両レンズの焦点距離に比して小さく、このレンズ装置を各個別レンズによって良好に近似的に形成可能(beschreibbar)であるという意味である。4極子レンズは、その極片間に間隙状の開孔を有しており、この開孔は、円柱レンズの開孔に対して平行であり、その際、両開孔の長さは任意である。光軸方向での両開孔の投射は、相互に一致している。4極子レンズの配向は、その集束面が、開孔の長手軸に平行であり、焦点はずれ(デフォーカシング)面が、この長手軸に垂直であるようにして行われる。円柱レンズの屈折力を4極子の屈折力の2倍の大きさに選定すると合目的的である。
【0009】
この構造の結果、4極子レンズによって、間隙の面内に集束作用が形成され、その際、焦点距離は、円柱レンズの焦点距離の2倍に等しい。間隙方向に対して垂直方向で、4極子の負の屈折力が、そのように円柱レンズの屈折力を2倍の大きさにすることによって十分に補償される。従って、その結果、同様に、円柱レンズの焦点距離の2倍に等しい焦点距離が形成される。従って、その結果、無収差集束レンズが得られる。レンズ焦点距離を調整するためには、専ら、間隙長手軸に垂直な4極子レンズと円柱レンズの各屈折力の総和が、間隙長手軸に平行な4極子レンズの屈折力に等しいようにすることが決定的である。
【0010】
このレンズ装置の利点は、例えば、丸型レンズで、極片の孔半径によって生じるようなビーム特性の制限が、間隙の方向では解消され、乃至、著しく低減されるという点にある。それにも拘わらず、この装置によると、従来の丸型レンズに比肩し得る無収差結像が得られる。殊に、3次より小さな、レンズの光学誤差(収差)は発生しない。合目的的には、多数の用途例では、4極子レンズの光軸は、円柱レンズの中心面に位置している。更に、主要な利点としては、終端側の間隙エッジの影響を無視すると、間隙に沿って大きな並進対称性があるという点である。従って、結像特性は、間隙の長手軸に関する4極子レンズの光軸の位置とは無関係である。レンズパラメータ、例えば、磁場強度を適切に適合した場合、結像は、当然、任意の他の荷電粒子、例えば、半導体のドーピングのために使用することができるイオンを用いても形成することができる。更に、例えば、部材上に非点収差焦点像を用いて線状の構造体を形成するために、レンズ焦点距離の調整が、上述の調整とは異なるような、特別な用途例も考えることができる。
【0011】
有利な4極子レンズは、開孔のエッジ上又はエッジに沿って通電導体が形成されている開孔から構成される。この導体は、光軸にほぼ平行に配向されている。合目的的には、この導体は、ヨーク上に巻回されたコイルである。導体又は巻線は、磁場の歪みを回避するために、開孔の、光軸側の内部エッジに、有利には、ピッチなしに、即ち、製造精度の範囲内で光軸に対して正確に平行に形成されている。開孔の相互に対向し合っているエッジ上では、電流の方向は平行であるが、それに対して垂直なエッジでは、電流の流れは逆向きに配向されている。有利には、磁力線が循環して閉じるのを回避するために、開孔を通って流れる電流全ての和はゼロであるようにされ、その際、間隙状の開孔の短いエッジと長いエッジ上の電流密度は、エッジの長さに対して逆比例する特性である。例えば、透磁率が1よりも極めて大きな、例えば、鉄製のヨークによって囲まれた部材内に開孔を設けると、磁場の形成のために必要な電流強度は低減する。
【0012】
間隙方向内に所要の並進対称性を形成するための最も簡単な手段として、この開孔を矩形状の横断面を有するようにすることが提案されている。その際、間隙状の形状にした結果、この矩形の両エッジの長さは、はっきりと区別される。
【0013】
本発明の有利な実施例では、4極子レンズの光軸は、平行にシフト可能である。つまり、4極子レンズは、円柱レンズの中心面に対して平行な配向が常に保持されるように、その位置が変えられる。間隙の大きな長さの場合、又は、エッジ効果を適切に補償した場合、4極子レンズの光軸の位置が間隙の長手軸に沿って変わってもレンズ装置の結像特性は殆ど影響されない。しかし、4極子レンズの光軸を間隙の長手軸に対して垂直又は任意の角度でシフトする、つまり、その、円柱レンズの中心面との間隔を変えることもできる。
【0014】
4極子レンズの光軸をシフトするために、4極磁場に双極磁場を重畳するようにされている。その際、間隙方向に平行な双極磁場により、間隙に対して垂直に光軸をシフトすることができ、間隙方向に垂直な双極磁場により、光軸を間隙の長手軸の方向にシフトすることができる。電流によって双極磁場を形成する際、任意の値だけ光軸を連続的にシフトすることができ、その際、励磁電流の強度が変化される。合目的的には、4極磁場には、相互に、且つ、光軸に対して直交方向の双極磁場を重畳することができ、そのことにより、間隙の横断面の面全体に亘って任意にシフトすることができる。
【0015】
双極磁場の形成のために、開孔の対向し合っている両エッジに有利には導体が設けられ、この導体により、両エッジ上に逆向きで同じ値である電流が給電される。開孔は、このために特別な導体乃至巻線を有することができる。択一選択的に、4極磁場の形成用に使用されるような導体を使用することができる。最後の場合、個別導体内の各電流が加算され、乃至、部分的に相殺され、その結果、対向エッジ上の全電流は、相互に異なっている。
【0016】
更に有利には、4極磁場に、高次の多極電場又は多極磁場を重畳することができるようにすると有利である。このために、4極子レンズの開孔エッジに導体乃至巻線が設けられ、この導体乃至巻線の面密度は、個別エッジ部分に沿って変えることができる。これを用いて、即ち、付加的な導体を用いて、4極磁場に、相応の装置構成の場合、高次の任意の多極磁場を重畳することができる。これは、レンズの開孔の誤差を補償するために使用され、その際、補正磁場は、一般に、双極及び4極磁場よりもかなり弱い。
【0017】
円柱レンズと4極子レンズとの間の間隔を回避するために、4極子レンズを円柱レンズの内部に配設することが提案されている。一般には、円柱レンズは、相互に間隔を置いて設けられた極片対又は電極から構成されている。この部分は、4極子レンズに光軸の方向で前後に設けることができる。
【0018】
本発明の有利な実施例では、円柱レンズの極片乃至電極は、高透磁率の部材から形成されている。その結果、これは、4極子レンズの磁場を光軸の方向に制限し、その際、4極子レンズが円柱レンズの内部にある限りで、両側を制限することができる。その際、特に有利には、円柱レンズの、表面が光軸に垂直な板状の極片乃至電極が用いられる。このようにして、4極磁場の対称性が妨害されるのが回避される。
【0019】
円柱レンズとして、静電型レンズを用いても磁場型レンズを用いてもよい。静電型レンズは、複数の、例えば、3つの、光軸の方向に順次連続する、それぞれ間隙状の開孔を有する電極から構成されている。その際、順次連続する開孔の電位は、相互に異なっている。レンズ装置の簡単且つ小型の構造を達成するために、各電極の1つを4極子レンズの極片の表面によって形成することが提案されている。3つの電極を有する円柱レンズの場合、4極子レンズは、有利には、中心の電極を形成している。合目的的には、その際、極片全体に電極電圧が印加されるのではなく、その表面に、それに対して絶縁された電極が設けられる。
【0020】
静電型レンズの場合、終端側の電極に種々異なる電位を印加すると、通過粒子の運動エネルギを変える界浸型レンズ(Immersionslinse)が得られる。この構成は、特に、画像空間内に低い粒子エネルギがある場合には、有利である。
【0021】
4極子レンズに、光軸に対して垂直な電場を印加することができる場合には、応用領域が著しく拡大する。このようにして、付加的な力作用を電子に加えることができ、殊に、電子用のウイーナーフィルタ(Wienfilter)を製造することができる。従来技術では、公知のウイーナーフィルタは、相互に垂直の静電場と磁場から構成され、方向性の集束作用を行い、その際、像の位置は、荷電粒子の運動エネルギに依存している。相応して、ウイーナーフィルタは、絞り又は偏向装置と一緒にモノクロ電子ビームの形成用に使用される。本発明のレンズ装置の場合には、電場は、空隙の長手軸に垂直に配向されており、双極磁場は、この長手軸に平行に配向されている。この磁場の方向は、運動している荷電粒子に加わる力が逆向きであるように選定されており、その際、所定の粒子速度の場合には、両方の力の場が補償される。その結果得られる力が空隙内で中心面全体に沿って一定であるようにすると有利である。分散は、電場乃至磁場を変えることによって無段階に調整することができる。
【0022】
特に有利には、提案されているレンズ装置を電子又はイオンビームリソグラフィのために用いるとよい。この場合には、電子又はイオンビームの焦点が部材の表面に位置するように、この電子又はイオンビームが当該部材に配向されている。従って、荷電担体源から形成された平行ビームは、この表面上で集束される。この部材、殊に、半導体部材用のウエーハは、保持部に取り付け固定されており、この保持部は、間隙方向及び光軸に対して垂直方向にシフト可能である。従来技術で通常使われている丸型レンズを用いた実施例に対する利点は、この保持部を1次元でのみ機械的に移動させればよいという点にある。但し、2次元で移動する保持部を用いてもよい。部材表面上で焦点を間隙方向にシフトすることは、例えば、双極磁場を重畳することによって、4極レンズの軸方向シフトによって実施することができる。この双極磁場に対して垂直方向に、更に部材を機械的にシフトすることができる。それにも拘わらず、表面に亘って電子ビームをラスタ状に案内(走査)すると、極めて顕著な利点が得られる。この理由は、ライン状のラスタでは、ビームをライン方向に高速移動する必要があり、ラインの切換は、ラインの終端でだけ行えばよいからである。ライン切換時の運動は、戻るべき経路が少ないために極めてゆっくり行うことができる。従って、殊に、間隙の長手軸がラスタのラインの方向である場合には、部材保持部の運動速度乃至区間での必要条件は低減される。その結果、有利に、加工過程が著しくスピードアップし、並びに、案内精度が改善される。
【0023】
以下、図示の実施例を用いて、本発明の特徴及び利点について、更に詳細に説明する。原理図で図示されており、つまり、
図1は、レンズ装置の長手方向断面を示し、
図2は、レンズ装置を線A−Aに沿って切断して示した横断面図を示す。
【0024】
図1には、レンズ装置の横断面が図示されており、このレンズ装置は、極片(2,3)並びに円柱レンズ(4)を有する4極子レンズ(1)から構成されており、この4極子レンズ(1)は、板状電極(5−8)の横に極片(2,3)も別の電極として有している。極片(2,3)乃至電極(5−8)の間に、それぞれ開孔(9−11)が設けられており、これら開孔(9−11)は、4極子レンズ(1)及び円柱レンズ(4)の光軸に平行に延在しているz−軸の方向に相互に一列に並んでいる。光軸に垂直に、開孔(9−11)は、間隙状の横断面を有しており、その際、座標方向Xでの間隙の長手軸線は、画像面に垂直に配向されている。
【0025】
電極(5−8)乃至円柱レンズ(4)の極片(2,3)の表面は、種々異なる電位U0,U1,U2であるので、Z−軸の方向に入射した平行ビームは、X−軸に対して平行な線上で、円柱レンズ(4)の中心面を形成するXZ−面内で集束される。極片(2,3)の表面には、この目的のために、同様に薄い絶縁電極が設けられている。その際、対称的な結像特性を達成するために、極片(2,3)及び電極(5−8)は、XY−面に対して鏡対称である。それに対して、X−方向に拡がった波面では、円柱レンズ(4)によってXZ−面内で集束作用は生じない。
【0026】
XZ−面内での集束作用は、磁場型4極子レンズ(1)により形成され、この4極子レンズ(1)は、その極片(2,3)の表面上に導電体(12,13)を有しており、これら導電体(12,13)は、Z−軸に平行に延在している。合目的的には、この導電体は、極片上の巻線であり、この巻線の線密度は、X−方向で一定であり、Z−軸側の極片(2,3)の側で、有利には勾配がなく、つまり、製造精度の範囲内で正確にZ−軸に平行であり、その結果、それによって形成された磁場の歪は生じない。
【0027】
4極子レンズ(1)は、Z−軸の方向に入射した電子ビームをXZ−面内で集束するので、その屈折力は、YZ−面内で負であり、即ち、この4極子レンズ(1)は、入射平行ビームに対して拡散レンズとして焦点ずれするように作用する。従って、画像面の点上で無収差結像できるようにするためには、円柱レンズ(4)の屈折力が4極子レンズ(1)の屈折力を超過していて、その結果、両レンズの共働作用の際に、YZ−面内でも集束が行われる必要がある。円柱レンズ(4)の屈折力が4極子レンズ(1)の屈折力と同じ大きさである場合には、無収差集束が得られる。と言うのは、この場合に両レンズの組み合わせにより、XZ−面でもYZ−面でも、4極子レンズの単一の屈折力を用いて集束作用が得られる。
【0028】
合目的的には、極片(2,3)の横には、高透磁率部材製の電極(5−8)も設けられており、その結果、この電極(5−8)は、4極磁場を限定する。Z−軸に垂直な板状構成及び配向に基づいて、磁場の対称性は何ら妨害されない。その、円柱レンズ(4)の構成部品として作用に関して、電極対(5,6)及び(7,8)は、同じ電位に位置しているようにすることもでき(U0=U2)、種々異なる電位を有するようにすることもできる。後者の場合には、円柱レンズ(4)は、界浸型レンズである。
【0029】
電極(5−8)を、開孔(9,11)での磁位がゼロとは異なった磁極片によって置き換えると、同様に4極子レンズ(1)と共働する磁場型円柱レンズ(4)が形成される。この場合には、電子の軌道は、相互に平行な3つのスリットを通って経過し、これら各スリットのうちの第1のスリットと最後のスリットが円柱レンズを形成し、真ん中の開孔(10)が4極子レンズである。終端側の開孔(9,11)内の電位が同一である場合、円柱レンズ(4)の両部分による電子のラーモア回転が1次で補償される。
【0030】
結局、極片(2,3)乃至電極の表面上に、一様電圧U1の代わりに、Y−軸方向に電場を形成する種々異なる電圧U11,U12を印加することができる。それに対して交差するX−方向の双極磁場によって、結果として、運動エネルギに依存する方向性の集束作用を有する、電子用のウイーナーフィルタが形成される。この場合、各磁場は、これら各磁場が運動粒子に及ぼす力作用が相互に補償されるように配向されている。ウイーナーフィルタの目標エネルギは、有利には、Z−軸上で集束作用を形成する。電圧U11,U12の変化により、フィルタの拡散を無段階に調整することができる。
【0031】
図2には、図1の4極子レンズ(1)の、線A−Aに沿った横断面が示されている。その際、4極子レンズの開孔(10)は、周囲が高透磁率の部材(14)によって囲まれており、この部材は、開孔(10)の上側及び下側に極片(2,3)を形成する。開孔(10)のエッジ(15)は、導電体(12,13,16,17)で被覆されており、その際、電流は、画像面に垂直、つまり、Z−方向に流れる。その際、上側及び下側エッジ(15)の導体(12,13)を流れる電流は、画像面から流出する方向に配向されており、左側及び右側エッジ(15)の導体(16,17)内を流れる電流は、画像面内に流入する方向に配向されている。その際、開孔(10)の各エッジ(15)での全電流は同じであり、その結果、直線状のエッジ部分での電流密度は、その長さに反比例し、従って、開孔(10)を貫通する全電流の和はゼロである。その結果、4極磁場が形成され、その経過特性が等電位線(18)によって図示されている。
【0032】
相互に対向し合っているエッジ(15)の導体(12,13)乃至(16,17)に、付加的に逆方向の同じ大きさの電流が給電されると、4極磁場に重畳された双極磁場が形成される。双極磁場に4極磁場を重畳すると、4極磁場をシフトすることができ、その際、任意にシフトさせることができ、つまり、場合によっては、種々異なる付加電流を導体(12,13)及び導体(16,17)に流し、相互に垂直な2つの双極成分を形成することができる。特に、X方向に長手方向に延在した間隙状の開孔(10)の場合、レンズ装置の光軸は、4極子の光軸(19)と共に間隙の長手軸に沿ってシフトすることができ、その際、結像特性は変わらない。
【0033】
要するに、光軸を双極磁場の印加によって簡単に間隙に沿ってシフトすることができる、間隙状開孔横断面を有する無収差結像電子光学機器を構成することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、レンズ装置の長手方向断面を示す。
【図2】図2は、レンズ装置を線A−Aに沿って切断して示した横断面図を示す。

Claims (16)

  1. 複数個の磁極片もしくは電極を具備する円柱レンズの前記磁極片もしくは電極の間に1個の開口を設け、前記開口を前記円柱レンズの光軸に対して垂直をなすスロット状の横断面を具備するものとしたことと、
    光軸を具備し、前記円柱レンズに組み合わせる磁気レンズを、4極子フィールドを生ずることのできる4極子レンズとし、前記円柱レンズと前記磁気レンズとの間に、間隙がない、または、間隙が存在しても、その間隙は前記各レンズの焦点距離より短い
    前記円柱レンズの光軸と前記磁気レンズの光軸とは互いに平行であって、前記磁気レンズは前記円柱レンズの開口に対し平行となるスロット状の開口を有しており
    前記光軸を構成する、前記磁気レンズの焦点面は前記円柱レンズの開口の長手軸線に対し平行であり、その焦点ぼけ面前記長手軸線に対して垂直であり
    前記円柱レンズの屈折力は前記磁気レンズの屈折力の2倍であり、
    前記磁気レンズの光軸は平行に移動することができる、
    ことを特徴とする電子を集束するのに使用するレンズ・システム。
  2. 前記磁気レンズのスロット状の開口を高透磁率の部材の中に形成し
    前記スロット状の開口の各エッジには、電流を通電する導体(12,13,16,17)が光軸(19)に平行に延在しており、
    その際、前記導体(12,13,16,17)中の電流の方向は、対向し合ったエッジ同士の導体の電流(12,13:16,17)の方向では同方向であり、垂直の関係にあるエッジ同士の導体の電流(12,16:13,17)の方向では逆方向である
    請求項1に記載の電子を集束するのに使用するレンズ・システム。
  3. 前記円柱レンズの開口を四角形の断面を具備する請求項1に記載の電子を集束するのに使用するレンズ・システム。
  4. 磁気双極子フィールドを前記四極子フィールドに重ね合わせる、請求項1に記載の電子を集束するのに使用するレンズ・システム。
  5. 前記磁気レンズの前記スロット状の開口の対向するエッジ(16,17:12,13)に、それぞれ導体を設け、前記それぞれの導体電流は、電流の向きは逆であるが、電流の大きさは同じである請求項に記載のレンズ・システム。
  6. 4極子フィールド以上の高次の多極子フィールドを前記磁気レンズのフィールドに重ね合わせることが出来るようにしたことを特徴とする請求項1に記載のレンズ・システム。
  7. 前記磁気レンズを前記円柱レンズの光軸に沿って配列したことを特徴とする請求項1に記載のレンズ・システム。
  8. 前記円柱レンズ磁極片を高透磁率の物質から成るものとする請求項1に記載の電子を集束するのに使用するレンズ・システム。
  9. 前記円柱レンズ電極を高透磁率の物質から成るものとする請求項1に記載のレンズ・システム。
  10. 前記円柱レンズを静電レンズとする請求項1に記載のレンズ・システム。
  11. 前記円柱レンズは光軸に沿う方向に連続する複数の電極の開口から成り、前記電極の一つは前記磁気4極子レンズの磁極片を構成する、請求項10に記載の電子を集束するのに使用するレンズ・システム。
  12. 光軸方向で磁気レンズの前にある円柱レンズの電極(5,6)と、光軸方向で磁気レンズの後ろにある円柱レンズの電極(7,8)とが、異なる電位(U 0 ,U 2 )を具備する、請求項11に記載の電子を集束するのに使用するレンズ・システム。
  13. 前記円柱レンズ自体を磁気レンズとする請求項1に記載の電子を集束するのに使用するレンズ・システム。
  14. 前記4極子レンズには、前記4極子レンズの光軸に垂直に、電場を印加する、請求項1に記載のレンズ・システム。
  15. 双極子磁場フィールドを前記4極子フィールドに重ね合わせ、
    前記電場は開口の長手軸に垂直に配向されており、前記磁場は前記開口の長手軸に平行に配向されており、
    前記光軸方向に移動する荷電粒子に及ぼす前記電場による力作用と、前記磁場による力作用は、相互に逆方向である、請求項14に記載の電子を集束するのに使用するレンズ・システム。
  16. 前記レンズ・システムの焦点は、前記開口の長手軸に対して垂直方向にシフト可能な部材保持部内に取り付けられている部材の表面に位置している、請求項1に記載の電子を集束するのに使用するレンズ・システム。
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