JP4023427B2 - 相間絶縁紙およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ステータに備わる各コイル相間の絶縁を確保するために各コイル相間に挿入する相間絶縁紙およびその製造方法に関する。より詳細には、コイルエンド成形時の変形を最小に抑えることができる相間絶縁紙およびその製造方法に関するものである。
分布巻き(特に、インサータ方式)を用いたモータでは、異相コイル間に絶縁距離を持たせる(絶縁性を確保する)ために、各コイル相間に相間絶縁紙が挿入されている。例えば、三相のモータでは、U相とV相との間、V相とW相との間に相間絶縁紙が挿入されている(図1参照)。
この相間絶縁紙は、一般的には平面形状であるため、次相のコイルをステータコアに挿入する際に、相間絶縁紙の位置がずれてしまったり、あるいは次相のコイルと相間絶縁紙が干渉して噛み込んでしまうおそれがあった。そして、このように相間絶縁紙の位置がずれたり、噛み込んでしまったりしてしまうと、各コイル相間における絶縁性を十分に確保することができなくなる。特に、車両用のモータでは、モータ自体が大きく、ステータコアのスロット数も多く、複雑に入り込むコイルエンド形状となっているため、相間絶縁紙の位置ずれや噛み込みが発生しやすい。
そこで、各コイル相間に相間絶縁紙を確実に挿入することができ、また各コイル相間における絶縁性を十分に確保するための工夫が色々と提案されている。そのうちの1つとして、例えば、特開平7−298530号公報に開示されたものがある。ここに開示されている相間絶縁紙(絶縁部材)では、ステータコアの周方向に延在し、該ステータコアの半径方向に配列された各コイル相間に挿入される平面部と、該ステータコアの半径方向に延在して折り返され、ステータコアの周方向に配列された各コイル相間に挿入されるとともに、平面部と一体的に形成された折曲片部と、を設けている。
そして、この相間絶縁紙では、ステータコアの半径方向に延在して折り返された折曲片部を、ステータコアの周方向に配列された各コイル相間に挿入することにより、各コイル相間における絶縁性を確保するようになっている。ここで、折曲片部の各平面部位が、該折曲片部自体の弾発力を介してコイル側に押圧されるので、各コイル同士の隙間が変化しても、折曲片部が各コイルに追随して拡縮し、この隙間の変化を吸収することができるようになっている。このようにして、相間絶縁紙が各コイル間に確実に保持されるようにして、相間絶縁紙の離脱や位置ずれを有効に阻止し、各コイル相間における絶縁性を向上させている。
ところが、この相間絶縁紙では、各コイル相間の絶縁性が確保されないおそれがあるという問題があった。なぜなら、折曲片部は平面部から半径方向に伸ばして折り曲げただけのものにすぎないため、コイルエンド部のコイルを確実に覆うことができないからである。
また、特開平7−298530号公報に開示されたものを含め、従来の相間絶縁紙は、手作業で各コイル相間に挿入する必要があった。このため、相間絶縁紙を挿入した状態にバラツキが生じてしまい、各コイル相間における絶縁性が確保されないおそれがあった。これは、車両用のモータでは特に問題となる。なぜなら、車両用のモータは、動作領域が広いために使用電圧が高く、一般のモータよりもモータの絶縁性能に関する規格が厳しいからである。また、車両用のモータは、コスト低減のために高回転化の傾向があり、今後ますます使用電圧が高くなる傾向にあるからである。
このようなことから、本出願人は、特願2003−240号にて、モータの相間絶縁を十分に確保しつつ、各コイル相間への挿入作業を自動化することができる相間絶縁紙を提案した。この相間絶縁紙100は、図14に示すように、平面部120,130とが両端部で脚部140a,140bにより連結されたものである。そして、平面部120,130には、平面部120,130の一部を折り曲げて形成した凸部121,131が備わっている。
特開平7−298530号公報(第2〜3頁、第2図、第4図)
しかしながら、特願2003−240号にて提案した相間絶縁紙100では、図15(a)に示すように、コイルエンドの仕上げ成形量が小さい場合には十分な相間絶縁を確保することができるが、図15(b)に示すように、コイルエンドの小型化を図る、言い換えるとコイルエンドの仕上げ成形量を大きくすると、各コイル相間の絶縁を十分に確保することができないことがわかった。これは、コイルエンドを小型化するためにコイルエンドの仕上げ成形量を大きくするため、図16に示すように、相間絶縁紙100が、ステータコアに組み付けた状態の形状から大きく変形してしまい、位置ずれが発生するためである。そして、相間絶縁紙100の位置ずれが変形してしまうと、相間絶縁紙100は各相コイルを覆うことができなくなり、各コイル相間の絶縁を十分に確保することができなくなるのである。
そこで、本発明は上記した問題点を解決するためになされたものであり、コイルエンドの小型化を図った場合であっても、各コイル相間の絶縁を十分に確保することができる相間絶縁紙およびその製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するためになされた本発明に係る相間絶縁紙は、ステータに備わる各相コイルの相間絶縁を確保するために各コイル相間に挿入する相間絶縁紙であって、ステータコアの両端面から突出して各コイル相間を絶縁する平面部と、前記平面部を両端で連結するとともに、前記ステータコアのスロット内に挿入されるはしご部とを有し、前記平面部は、端部を残して前記ステータの軸方向に切り抜かれて形成された切り抜き部と、前記切り抜き部の周縁を覆うようにして前記ステータコアの内周方向へ突出するノーズと前記平面部の一部分とで構成されるノーズ部と、を備えることを特徴とするものである。
この相間絶縁紙は、ステータコアの両端面に突出する平面部が相間紙両端部において、はしご部により連結された両端面一体型(はしご型)の形状をなしている。そして、平面部には、端部を残して前記ステータの軸方向に切り抜かれて形成された切り抜き部があり、この切り抜き部の周縁を覆うようにしてステータコアの内周方向へ突出するノーズが形成されている。これにより、ノーズ部、つまりノーズ先端から相間絶縁紙の端部(ステータの軸方向)までが、仕上げ成形後のコイルエンド形状に合わせて2平面で構成される。これにより、コイルエンドの仕上げ成形時に、変形することを抑制することができる。したがって、相間絶縁紙がずれることを防止することができる。よって、コイルエンドの小型化を図るためにコイルエンドの仕上げ成形を行った場合であっても、各コイル相間の絶縁を十分に確保することができる。
本発明に係る相間絶縁紙においては、前記ノーズは、前記平面部に接着されていることが望ましい。このように、ノーズを別に形成して平面部に接着することにより、ノーズ部の形状精度が向上するとともに、相間絶縁紙全体の剛性が高くなるからである。
そして、上記した相間絶縁紙を製造するには、略四角形のベース部を十字状に切り抜くことにより、ステータコアの両端面から突出して各コイル相間を絶縁するとともに端部を残して前記ステータの軸方向に形成される切り抜き部を備える平面部と、前記平面部を両端で連結するとともに前記ステータコアのスロット内に挿入されるはしご部とを形成する切り抜き工程と、前記ステータコアのスロット内に装着されているコイル部分を絶縁するためのノーズを作成するノーズ作成工程と、前記ノーズを前記ステータコアの内周方向へ突出させるように前記切り抜き部の周縁に接着する接着工程と、を実施すればよい。
特に、前記切り抜き工程においては、前記ベース部から切り取った部分を利用して前記ノーズを作成することが望ましい。これにより、相間絶縁紙の素材の歩留まりを向上させることができるからである。
さらに、本発明に係る相間絶縁紙の挿入ガイド治具は、上記の相間絶縁紙を前記ステータコアに挿入する際に、前記ステータコアから突出するコイルエンドと前記相間絶縁紙との間に配置する挿入ガイド治具であって、前記ノーズの両端の根元に形成される角部を保護する溝付きガイドを有し、前記溝付きガイドに前記角部を沿わせながら前記相間絶縁紙を前記ステータコアに挿入することを特徴とするものである。
上記した相間絶縁紙では、相間絶縁紙全体の剛性を高めているため、ノーズの根元に剛性を持った角部が存在する。そして、相間絶縁紙をステータコアに挿入する際に、その角部がコイルに引っかかり、この状態で相間絶縁紙の挿入を続行すると、相間絶縁紙の破れや傷つきが発生してしまう。このように、相間絶縁紙の破れや傷つきが発生してしまうと、各コイル相間の絶縁を確保することができなくなる。
そこで、上記した挿入ガイド治具を使用することにより、ノーズの両端の根元に形成される角部を溝付きガイドに沿わせながら相間絶縁紙をステータコアに挿入することができる。これにより、ノーズ根元の角部がコイルに引っかかることなく、相間絶縁紙をステータコアに挿入することができる。したがって、相間絶縁紙が破れたり傷ついたりすることなく、各コイル相間に配置されるので各コイル相間の絶縁が十分に確保される。
本発明に係る相間絶縁紙によれば、平面部に形成された切り抜き部の周縁を覆うようにしてステータコアの内周方向へ突出するノーズを形成して、ノーズ先端から相間絶縁紙の端部(ステータの軸方向)までで構成されるノーズ部を、仕上げ成形後のコイルエンド形状に合わせて2平面で構成することができる。これにより、コイルエンドの仕上げ成形時に、相間絶縁紙が変形することを抑制することができ、相間絶縁紙がずれなくなるので各コイル相間の絶縁を十分に確保することができる。
そして、本発明に係る相間絶縁紙は、略四角形のベース部を十字状に切り抜き、その切り抜いた部分でノーズを作成して、ノーズを平面部に接着することにより製造される。これにより、相間絶縁紙全体の剛性を高めることができるととともに、相間絶縁紙の素材の歩留まりを向上させることができる。
また、本発明に係る相間絶縁紙の挿入ガイド治具によれば、相間絶縁紙のノーズ根元の角部を保護する溝付きガイドを有するので、相間絶縁紙をステータコアに挿入する際に、ノーズ根元の角部がコイルに引っかかることがない。このため、本発明に係る相間絶縁紙を損傷させることなく各コイル相間に配置することができる。
以下、本発明の相間絶縁紙を具体化した最も好適な実施の形態について、図面に基づき詳細に説明する。本実施の形態は、分布巻きを用いたハイブリッド車駆動用のモータに本発明を適用したものである。
そこでまず、本実施の形態に係る相間絶縁紙を使用したステータの概略構成を図1に示す。図1は、ステータ50の概略構成を示す縦断面図である。本実施の形態に係るステータ50は、図1に示すように、U相コイル51U、V相コイル51V、およびW相コイル51Wを備える三相ステータである。このステータ50は、ステータコア52と、ステータコア52に配設される上記した三相のコイル51U,51V,51Wと、各コイルの相間(U相−V相間とV相−W相間)に配設される相間絶縁紙10,10とを備える。なお、相間絶縁紙10の詳細については後述する。
ここで、ステータコア52は、複数枚の鋼板が積層されて一体的に接着されて形成された円環状のものである(図2参照)。そして、ステータコア52の内周面には、図2に示すように、各相コイル51U,51V,51Wを配設させるための複数のスロット53が所定の間隔をおいて形成されている。なお、図2は、ステータコア52の一部(1/4円弧分)を示す図であり、U相コイル51U、およびU相コイル51UとV相コイル51Vとの相間絶縁を行うための相間絶縁紙10を挿入した状態を示している。一方、各相のコイル51U,51V,51Wは、エナメル線を巻回して形成されたものである。そして、これら各相のコイル51U,51V,51Wが、相間絶縁紙10を介してステータコア52のスロット53に挿入されるようになっている。
続いて、相間絶縁紙の概略構成を図3に示す。図3は、相間絶縁紙10を示す斜視図である。この相間絶縁紙10は、図3に示すように、中央部分が十字状に切り抜かれた略四角形(一辺が約10cm程度の大きさ)の形状をなし、樹脂シートにより形成されたものである。なお、相間絶縁紙の大きさはモータの大きさにより定まるので、モータの大きさが異なれば相間絶縁紙の大きさも異なる。
そして、相間絶縁紙10においては、その上下に平面部20,30がそれぞれ形成されている。これら平面部20,30は、相間絶縁紙10の両端ではしご部40a,40bにより連結されて一体となっている。すなわち、相間絶縁紙10がステータコア52に挿入された際、平面部20,30はステータコア52の両端面から突出するような両端面一体型(はしご型)の形状をなしている。
ここで、各平面部20,30には、それぞれノーズ部21,31が形成されている。ノーズ部21,31は、平面部20,30の一部分20a,30aと、平面部20,30からステータ50の内周方向へ突出するノーズ22,32とで構成されている。つまり、ノーズ部21,31は、平面部20,30の一部分20a,30aとノーズ22,32とによって、仕上げ成形後のコイルエンド形状に合うように2平面で構成されている。そして、ノーズ22,32は、別に作成されて平面部20,30に貼り付けられている。これにより、ノーズ部21,31は、剛性が高められるとともに、仕上げ成形後のコイルエンド形状に近い形状となるので、コイルエンドの仕上げ成形時における変形量を最小に留めることができるようになっている。
一方、はしご部40a,40bは、平面部20,30を相間絶縁紙のステータ周方向の端部で連結しているものである。これらのはしご部40a,40bの幅は、相間絶縁紙10を挿入するステータコア52のスロット53の幅よりも若干大きめに形成されている。これにより、相間絶縁紙10をステータコア52に挿入、より詳しく述べるとはしご部40a,40bをステータコア52のスロット53に挿入すると、図4に示すように、はしご部40a,40b自身の弾発力により、はしご部40a,40bがステータコア52のスロット53内でずれることなくしっかりと保持されるようになっている。なお、図4は、ステータコア52のスロット部分の横断面図であり、相間絶縁紙10がスロット53内に挿入された状態を示すものである。
次に、上記の構成を有する相間絶縁紙10の製造方法について、図5〜図8を参照しながら説明する。図5は、相間絶縁紙の素材である略四角形の樹脂シートを十字状に切り抜いた状態(切り抜き工程実施後)を示す図である。図6は、切り抜き工程で切り抜いた部分を利用してノーズを作成する手順(ノーズ作成工程)を示す図である。図7は、作成したノーズを示す斜視図である。図8は、ノーズを平面部に接着する様子(接着工程)を示す図である。
まず、切り抜き工程が実施される。この切り抜き工程では、図5に示すように、相間絶縁紙10のベースとなる略四角形の樹脂シート25のほぼ中央を十字状に切り抜く。これにより、切り抜き部26,36を有する平面部20,30と、平面部20,30を連結するはしご部40a,40bとが形成される。
次に、ノーズ作成工程が実施される。このノーズ作成工程では、切り抜き工程で樹脂シート25から切り抜いた部分を利用してノーズを作成する。これにより、相間絶縁紙の素材の歩留まりを向上させることができる。まず、樹脂シート25から切り抜いた部分に対して、図6に示すように、ノーズ22,32の展開図22a,32aを書き、その部分を切り抜く。そして、展開図22a,32aに示す山折り線23と谷折り線24にしたがって折り目を付け、図7に示すような形状にして、ノーズ22a,32aを作成する。なお、谷折りされた部分24aは、接着しろとなる部分である。
そして、接着工程が実施される。この接着工程では、上記のようにして作成したノーズ22,32を、図8示すように、平面部20,30に貼り付ける。より詳細には、平面部20に形成されている切り抜き部26の周縁を覆うようにしてノーズ22の接着しろ24aを平面部20に貼り付ける。同様に、平面部30に形成されている切り抜き部36の周縁を覆うようにしてノーズ32の接着しろ24aを平面部30に貼り付ける。かくして、図3に示す相間絶縁紙10が完成する。
続いて、上記した相間絶縁紙10を使用したステータ50を組み立てる際に行う相間絶縁紙10のステータコア52への挿入方法について、図9〜図11を参照しながら説明する。図9は、相間絶縁紙をステータコアに挿入する方法を説明するための説明図である。図10は、相間絶縁紙をステータコアに挿入する際に使用する挿入ガイド治具を示す斜視図である。図11は、相間絶縁紙をステータコアに挿入した状態を示す図である。
相間絶縁紙10をステータコア52に挿入する前に、U相コイル51Uがステータコア52のスロット53に挿入され、U相コイル51Uの拡張成形が行われている。なお、コイルの拡張とは、次相のコイルをステータコア52に挿入するためにステータコア52のスロット53を空けておくための工程である。
そして、U相コイル51Uの拡張が終了すると、U−V相間絶縁用の相間絶縁紙10がステータコア52に挿入される。この相間絶縁紙10の挿入は、図9に示すように、相間絶縁紙10をアッパーツール60に備わるブレード61間に引きかけた状態で、アッパーツール60を上昇させることにより行う。具体的には、ブレード61間に引きかけられた相間絶縁紙10がアッパーツール60により、ステータコア52と同じ高さまで上昇させられると、アッパーツール60に備わる不図示の押込歯によって、図11に示すように、相間絶縁紙10のはしご部40a,40bがステータコア52のスロット53に挿入される。
ここで、相間絶縁紙10のステータコア52への挿入の際に、U相コイル51Uに引っかからないようにする必要がある。相間絶縁紙10がU相コイル51Uに引っかかった状態で、アッパーツール60を上昇させると、相間絶縁紙10を損傷させてしまうからである。そこで、図9に示すように、相間絶縁紙10をステータコア52に挿入する際には、U相コイル51Uと相間絶縁紙10との間に挿入ガイド治具65を配置して、相間絶縁紙10の損傷を防止するようにしている。
この挿入ガイド治具65は、図10に示すように、基部66の両端に略V字形の溝付きガイド67が突き出た状態で配設されたものである。溝付きガイド67は、相間絶縁紙10のノーズ22(32)の両端根元に存在する角部Cを保護するものである。このような挿入ガイド治具65を使用することにより、相間絶縁紙10をステータコア52に挿入する際には、相間絶縁紙10のノーズ22(32)の両端根元に存在する角部Cが溝付きガイド67に沿って上方へ移動するので、角部CがU相コイル51Uに引っかかることを確実に防止することができる。したがって、相間絶縁紙10を損傷させることなくステータコア52に挿入することができる。
次いで、V相コイル51Vがステータコア52のスロット53に挿入されて成形される。このとき、相間絶縁紙10(U相−V相間に配設されたもの)は、図12に示すように、ほとんど変形することなく、カフサ上面との間に隙間なく配置される。つまり、相間絶縁紙10の位置がずれない。なぜなら、相間絶縁紙10(U相−V相間に配設されたもの)は、既にスロット53に挿入されているU相コイル51Uの形状に合うようにノーズ部21,31が形成されるとともに、別に作成したノーズ22,32を平面部20,30に接着して相間紙全体の剛性を高めているからである。したがって、相間絶縁紙10によって、U相コイル51UとV相コイル51Vとの相間絶縁を十分に確保することができる。
その後、上記した手順で、V相−W相間に配設される相間絶縁紙10がステータコア52に挿入され、さらにW相コイル51Wがステータコア52に挿入される。そして、コイルエンドの最終成形が行われて、三相ステータ50が完成する。
そして、本実施の形態に係る相間絶縁紙10を使用した場合と、従来の相間絶縁紙100を使用した場合とにおける絶縁性能を比較した。具体的には、それぞれの相間絶縁紙を使用して同仕様のモータを製造して、それぞれのモータにおける相間部分放電開始電圧を調べた。その結果、本実施の形態に係る相間絶縁紙10を使用した場合には、従来の相間絶縁紙100を使用した場合に比べ、放電開始電圧が約1.4〜1.8倍になるとともに、各モータにおける放電開始電圧のばらつきも小さくなった。
以上、詳細に説明したように本実施の形態に係る相間絶縁紙10では、平面部20,30に、端部を残してステータコア52の軸方向に切り抜かれて形成された切り抜き部26,36の周縁を覆うようにしてステータコア52の内周方向へ突出するノーズ22,32が形成されている。そして、このノーズ22,32と平面部の一部分20a,30aとの2平面で、仕上げ成形後のコイルエンド形状に合わせたノーズ部21,31を構成している。このため、コイルエンドの仕上げ成形時に、変形することを抑制することができる。したがって、相間絶縁紙がずれることを防止することができる。よって、コイルエンドの小型化を図るためにコイルエンドの仕上げ成形を行った場合であっても、各コイル相間の絶縁を十分に確保することができる。
また、本実施の形態に係る相間絶縁紙10では、ノーズ22,32を別に作成して、その作成したノーズ22,32を平面部20,30に接着しているので、ノーズ部21,31の形状精度が向上するとともに、相間絶縁紙全体の剛性を高めることができる。
そして、本実施の形態に係る相間絶縁紙10を製造する際には、樹脂シート25を十字状に切り抜くことにより、はしご部40a,40bと、切り抜き部26,36を備える平面部20,30とを形成し、十字状に切り抜いた部分を利用してノーズ22,32を作成する。このため、相間絶縁紙の素材の歩留まりを向上させることができる。
さらに、本実施の形態に係る相間絶縁紙の挿入ガイド治具65は、ノーズ22,32の両端の根元に形成される角部Cを保護する溝付きガイド67を有するので、ノーズ22,32の両端の根元に形成される角部Cを溝付きガイド67に沿わせながら相間絶縁紙10をステータコア52に挿入することができる。このため、ノーズ22,32の根元の角部Cがコイルに引っかかることなく、相間絶縁紙10をステータコア52に挿入することができる。よって、相間絶縁紙10を損傷させることなく、各コイル相間に配置することができる。
なお、上記した実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。例えば、上記した実施の形態では、ノーズ22,32を別に作成して平面部20、30に貼り付けて相間絶縁紙10を製造しているが、樹脂の射出成形により製造することもできる。また、相間絶縁紙の素材として伸び性が非常に良いものを使用する場合には、図13に示すように、素材を長方形状に打ち抜いた後に絞り成形によりノーズを作成することもできる。
また、上記した実施の形態では、挿入ガイド治具65の溝付きガイド67の断面形状(溝形状)として略V字形状のものを示したが、溝付きガイド67の断面形状は略略V字形状に限られず、略U字形状など角部Cを確実に保護できる形状であればどのような形状でもよい。
本実施の形態に係るステータの概略構成を示す縦断面図である。 本実施の形態に係るステータの概略構成を示す平面図である。 本実施の形態に係る相間絶縁紙を示す斜視図である ステータコアのスロット部分を示す横断面図である。 相間絶縁紙の素材である略四角形の樹脂シートを十字状に切り抜いた状態(切り抜き工程実施後)を示す図である。 切り抜き工程で切り抜いた部分を利用してノーズを作成する手順(ノーズ作成工程)を示す図である。 ノーズを示す斜視図である。 ノーズを平面部に接着する様子(接着工程)を示す図である。 本実施の形態に係る相間絶縁紙をステータコアに挿入する方法を説明するための説明図である。 本実施の形態に係る相間絶縁紙をステータコアに挿入する際に使用する挿入ガイド治具を示す斜視図である。 本実施の形態に係る相間絶縁紙をステータコアに挿入した状態を示す図である。 本実施の形態に係る相間絶縁紙をステータコアに配置した後に次相のコイルをステータコアのスロットに挿入し成形した後の状態を示す図である。 相間絶縁紙の別の製造方法を説明するための説明図である。 従来の相間絶縁紙を示す斜視図である。 コイルエンドの小型化を図る場合におけるコイル成形量の違いを示す図であり、(a)は従来のコイルエンド形状を示し、(b)は小型化を図ったコイルエンド形状を示す。 従来の相間絶縁紙が変形して位置ずれが発生した状態を示す図である。
符号の説明
10 相間絶縁紙
20,30 平面部
21,31 ノーズ部
22,32 ノーズ
25 樹脂シート
26,36 切り抜き部
40a,40b はしご部
51U,51V,51W コイル
52 ステータコア
53 スロット
65 挿入ガイド治具
67 溝付きガイド
C 角部

Claims (5)

  1. ステータに備わる各相コイルの相間絶縁を確保するために各コイル相間に挿入する相間絶縁紙であって、
    ステータコアの両端面から突出して各コイル相間を絶縁する平面部と、
    前記平面部を両端で連結するとともに、前記ステータコアのスロット内に挿入されるはしご部とを有し、
    前記平面部は、
    端部を残して前記ステータの軸方向に切り抜かれて形成された切り抜き部と、
    前記切り抜き部の周縁を覆うようにして前記ステータコアの内周方向へ突出するノーズと前記平面部の一部分とで構成されるノーズ部と、
    を備えることを特徴とする相間絶縁紙。
  2. 請求項1に記載する相間絶縁紙において、
    前記ノーズは、前記平面部に接着されていることを特徴とする相間絶縁紙。
  3. ステータに備わる各相コイルの相間絶縁を確保するために各コイル相間に挿入する相間絶縁紙の製造方法であって、
    略四角形のベース部を十字状に切り抜くことにより、ステータコアの両端面から突出して各コイル相間を絶縁するとともに端部を残して前記ステータの軸方向に形成される切り抜き部を備える平面部と、前記平面部を両端で連結するとともに前記ステータコアのスロット内に挿入されるはしご部とを形成する切り抜き工程と、
    前記ステータコアのスロット内に装着されているコイル部分を絶縁するためのノーズを作成するノーズ作成工程と、
    前記ノーズを前記ステータコアの内周方向へ突出させるように前記切り抜き部の周縁に接着する接着工程と、
    を有することを特徴とする相間絶縁紙の製造方法。
  4. 請求項3に記載する相間絶縁紙の製造方法において、
    前記切り抜き工程にて、前記ベース部から切り取った部分を利用して前記ノーズを作成することを特徴とする相間絶縁紙の製造方法。
  5. 請求項1または請求項2に記載する相間絶縁紙を前記ステータコアに挿入する際に、前記ステータコアから突出するコイルエンドと前記相間絶縁紙との間に配置する挿入ガイド治具であって、
    前記ノーズの両端の根元に形成される角部を保護する溝付きガイドを有し、
    前記溝付きガイドに前記角部を沿わせながら前記相間絶縁紙を前記ステータコアに挿することを特徴とする相間絶縁紙の挿入ガイド治具。
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