JP4022703B2 - 貼付用酸素検知剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は酸素の有無を色調の変化で表示する酸素検知剤に関する。更に詳しくは、片面に粘着面を有するテープ状であって、これを適宜の長さに切断し、該粘着面を脱酸素剤包装体又は包装容器の内部に貼付して用いる貼付用酸素検知剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
酸素検知剤(酸素インジケーターとも表現される。)は、食品等の包装容器内の酸素濃度を酸素の有無を検知するものであり、特に、脱酸素包装した際に酸素が充分に除かれていることを色調の変化により表示するものである。酸素検知剤として、錠剤状に成形したもの、紙、糸、脱脂綿、樹脂成形体等の多孔質物に酸素検知組成物溶液を含浸したもの、紙またはフィルムの表面に酸素検知組成物を塗布または印刷した物等が提案されている。この酸素検知剤は、そのままの形態、あるいはプラスチック積層フィルムに包装された状態で、主に脱酸素剤による食品等の品質保持の分野で広く実用化されている。
【0003】
また、これら酸素検知剤を脱酸素剤包装体に固定すること、または脱酸素剤を適用した商品が包装される包装容器内部に固定することにも種々の利点があるために、上記酸素検知剤を接着剤や両面テープで固定される方法が提案され、かつ実用化されている。近年では主に脱酸素剤包装袋への貼付を前提とした酸素検知剤の構成も開示されている。
【0004】
例えば、特開昭64−66561号公報には、合成紙の少なくとも一方の面に酸素インジケーター層が設けられた酸素インジケーターが開示されている。実開平4−3980号公報には、脱酸素剤袋に酸素検知剤シートを接着剤または両面テープで貼付け一体型とした脱酸素剤包装袋が提案されている。しかしながら、これらの公報には食品等の被保存物に含まれる水分や油分が酸素検知剤に浸透し、変色機能が損なわれる場合に対する効果的な防止策が開示されていない。
【0005】
また、特開平8−282740号公報には脱酸素剤包装袋/両面テープ/検知剤シート/透明フィルムをこの順に重ね合わせる方法によって得られた脱酸素剤一体型酸素検知剤が提案されている。しかしながら、この方法は、両面テープを使用するため、高価なものになる、離型紙が廃棄物として発生する、切断性が悪い、厚みが大きくなり柔軟性が悪い等の問題がある。また、この酸素検知剤シート及び透明フィルムを切断したときに、その端部から水分や油分が検知剤シート全体に浸透して色調の異常を示すことがある等の実用上の問題があった。
【0006】
さらに、本発明者らの検討によれば、脱酸素剤を使用し食品等を包装保存した際、包装容器内の酸素濃度の減少に対して酸素検知剤の変色が遅れることがしばしばある。すなわち、酸素検知剤の変色が酸素濃度の変化に迅速に対応していないことになり、食品包装管理上、不都合であるという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明では、従来の貼付用検知剤が有する上記のような耐水耐油性や厚みの問題あるいはコストの問題を解決して、実用範囲が広くかつ変色性能に優れた貼付用酸素検知剤を開発することを目的とする。特に、酸素濃度の変化に対応して速やかに変色する貼付用酸素検知剤及びその適用物品を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、非通気性かつ非透湿性のテープ状基材に、酸素検知組成物等の雰囲気検知剤が塗布、印刷又は含浸等の手段により添着されたテープ状酸素検知剤(1)と、(1)より幅が広く少なくとも一部分が透明で片面に粘着層を有するプラスチック製片面粘着テープ(2)から成り、(1)の酸素検知組成物添着面全体が実質的に空隙なく粘着されているテープ状貼付用酸素検知剤、換言すれば、酸素検知剤の添着面の実質的に全てが前記粘着テープ(2)により塞がれているテープ状貼付用酸素検知剤に関する。
【0009】
本発明では、(1)が、テープ状基材の片面に酸素検知組成物を塗布又は印刷したものであり、且つ(2)の幅方向のほぼ中央に(1)が、(1)の酸素検知組成物面と(2)の粘着層が接するように粘着されていることが好ましい。
【0010】
また、本発明では、(1)が、非透湿性や非通気性など外部から遮断される特性を持つプラスチックフィルム又は合成紙の片面に複数個の酸素検知組成物が一定間隔或いは所定間隔で塗布又は印刷されたものであることが好ましい。また本発明では、(2)の非粘着面に離型剤が塗布されていることが好ましい。
また本発明は、上記のテープ状貼付用酸素検知剤が適宜の長さに切断されて成る貼付用酸素検知剤に関する。
【0011】
本発明は、上記の貼付用酸素検知剤が包装容器内部に貼付されて成ることを特徴とする酸素検知剤付き包装容器に関する。また本発明は、上記の貼付用酸素検知剤が脱酸素剤包装体表面に直接貼付された脱酸素剤包装体に関する。
【0012】
また本発明は、上記のテープ状貼付用酸素検知剤と脱酸素剤等の雰囲気調節剤の連包体とを連続的に貼り付けた後、貼り付けたままの状態で脱酸素剤連包体を1個づつに分かれるよう切り離すことを特徴とする酸素検知剤が貼付された脱酸素剤包装体の製造方法に関する。
【0013】
本発明でテープ状とは、幅に対して長さが長く、厚みが幅より薄い状態を言う。本発明の貼付用酸素検知剤は、厚みは好ましくは2mm以下より好ましくは0.5mm以下であり、幅は3mm以上30mm以下が好ましい。長さは貼付時に適宜の寸法に切断して使用されるので特に規定されないが、貼付用酸素検知剤の製造コストと使用時のコストを最小に保持するためには、連続加工できる少なくとも数十m以上の長さであることが好ましい。
【0014】
本発明のテープ状貼付用酸素検知剤は、テープ状酸素検知剤とプラスチック製片面粘着テープ(以後、片面粘着テープと称する場合がある)から成り、極めてシンプルな構成故に生産性が高く低コスト化が可能であり、しかも使用時の操作性も高いため、酸素検知剤としてのトータルコストを低くできる。更には、片面粘着テープは、そのほぼ中央部分でテープ状酸素検知剤の酸素検知組成物面を密封し、両端寄り部分で粘着貼付するとの単純化された層構成を採用しているために、薄く柔軟性に富む上に酸素検知剤としての変色性能や耐水耐油性に優れていて、高湿度の過酷な使用条件下においても性能劣化することなく本来の酸素検知性能が発揮される。また柔軟性に優れることから、脱酸素剤包装袋や食品包装容器等の凹凸のある面や剛性の小さい面にも良好な貼り付け性が発揮される。また使用時に離型紙などの廃棄物が一切発生せず、使い勝手が良い。
【0015】
尚、使用時には、本発明の酸素検知剤は片面粘着テープによりその表面が覆われ、反対面はテープ状基材により密閉され外部雰囲気から隔離されるが、驚くべきことに、酸素検知組成物が雰囲気に直接接している従来型の酸素検知剤よりも雰囲気中の酸素濃度の減少に対する変色応答速度が速い。その機構は明らかでないが、片面粘着テープは、酸素検知性能劣化の要因となる過度の水分吸収を防止し、雰囲気ガスを適度に透過する機能を果たし、また、酸素検知剤を隙間なく密閉して検知剤成分の外部への移行を防止することが関係しているものと推定される。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の貼付用酸素検知剤の幅方向の断面図であり、(1)がテープ状酸素検知剤、(2)が片面粘着テープである。片面粘着テープは(3)のプラスチックフィルムの片面に(4)の粘着剤が全面に塗布または積層されている。この片面粘着テープの幅方向のほぼ中央に、片面粘着テープの幅Bより小さい幅Aを有するテープ状酸素検知剤が(4)の粘着剤によって(3)に固定されている。幅Bより幅Aが小さいことにより、テープ状酸素検知剤の両側に粘着剤可着部C及びC'が残り、この部分で脱酸素剤包装体などの被着体に貼付される。CとC'は被着体への貼付能力が失われない限り、必ずしも同じ寸法である必要はない。
【0017】
本発明に用いられるプラスチック製片面粘着テープは、プラスチックフィルムの片面に粘着剤が塗布または積層されているものである。プラスチックフィルムの材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、セルロースアセテート、セロハン等があげられるが、透明性、柔軟性、強度等の面から、延伸ポリプロピレン及びポリエステルが好ましい。プラスチックフィルムの厚みは実用的な強度と柔軟性があれば特に問わないが、10〜100ミクロンが好ましい。プラスチックフィルムは無色透明でも、酸素検知剤の色変化を見やすくするために適宜着色した透明のものでも良い。更に酸素検知剤の色変化が判るように一部分を透明のまま残し、他の部分に隠蔽の文字や絵文字等の情報表示をしたり、酸素検知剤色調を判別しやすくする目的で適宜の色調での印刷を施しても良い。また、プラスチックフィルムの酸素透過度は50〜3000cc/m2・day・atmが好ましい。透湿度は、50g/m2・day以下が好ましい。
【0018】
粘着剤としては合成ゴム系、天然ゴム系、アクリル系、シリコン系等既存のものを用いることができる。好ましくは、粘着剤はプラスチックフィルム片面全体に塗布又は積層される。この際、粘着剤の種類と厚みは、酸素検知剤に用いる色素が染着したり色素の変色を阻害したりしないこと、透明性に優れること、安全衛生性に優れること、被着体に対する適度な接着性が得られること等を考慮して適宜選択すればよい。プラスチックフィルムへの粘着加工方法は、粘着剤をエマルジョンとして又は溶剤で希釈して塗布後乾燥する方法、粘着剤を押し出し積層する方法、フィルム化した粘着剤を離型紙から転写する方法等、公知の方法が用いられる。
【0019】
このようにして得られた片面粘着テープの幅はテープ状酸素検知剤の幅より大きく、図1に示すC及びC'の幅が確保できれば良いが、取り扱い性やコストの点から3〜50mmが好ましく、5〜30mmが特に好ましい。また、図1のC及びC'の幅は各々1〜5mmが好ましい。また紙管等に巻かれた片面粘着テープを巻き出す際に少ない抵抗で円滑に巻き出しが可能になるので、非粘着面側にシリコン系、アルキッド樹脂系等の離型剤を塗布することが好ましい。
【0020】
テープ状酸素検知剤とは、テープ状基材に酸素検知組成物を添着したものであり、酸素検知組成物が周囲雰囲気の酸素濃度に応じて変色することにより酸素の有無を表示する。酸素検知組成物としては、アントラキノン系、インジゴ系、チアジン系、硫化染料等の還元剤によって色変化を示す染料、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物や塩等のアルカリ性物質、及び還元糖類等の還元剤を必須成分とする組成物が好ましく用いられる。これらの必須成分に、必要に応じて、溶媒、還元剤によって変色しない染料又は顔料、水溶性高分子、バインダー樹脂等を組み合わせて添加し、テープ状基材に添着する。添着方法としては、塗布、印刷又は含浸等の各方法が例示される。
【0021】
高湿度の過酷な条件下でも高い酸素検知性能を発揮するためにテープ状酸素検知剤としては、非通気性かつ非透湿性の合成紙又はフィルムの片面に実質的に水分を含まない酸素検知組成物を塗布又は印刷したものが好ましく用いられる。
テープ状基材としては、非通気性かつ非透湿性の合成紙又はフィルム等が用いられる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、セルロースアセテート、セロハン等があげられるが、透明性、柔軟性、強度等の面から、延伸ポリプロピレン又はポリエステルが好ましい。テープ状基材の厚みは実用的な強度と柔軟性があれば特に問わないが、10〜100ミクロンが好ましい。また、テープ状基材の酸素透過度は50〜3000cc/m2・day・atmが好ましく、透湿度は50g/m2・day以下が好
ましい。
【0022】
テープ状基材は、酸素検知剤の色変化を見やすくするために、不透明又は適宜着色したものが好ましい。更に酸素検知剤の色変化が判るように一部分を透明のまま残し、他の部分に隠蔽の文字や絵文字等の情報表示をしたり、酸素検知剤色調を判別しやすくする目的で適宜の色調での印刷を施しても良い。
テープ状酸素検知剤の幅は2〜20mmが好ましい。狭すぎると見にくくなり、広すぎるとコスト高となり、かつ取り扱いにも不便になる。また厚みは柔軟性及び美観上、1mm以下が好ましく、0.5mm以下が特に好ましい。
【0023】
テープ状酸素検知剤を片面粘着テープと組み合わせた際に、テープ長さ方向に色変化部を連続化しても良いが、色変化の判別をしやすくするためにテープ長さ方向で色変化部と変化しない部分とを交互に存在させることが好ましい。図2〜図4に好ましいパターンを例示した。図2は、全面が透明な片面粘着テープと酸素検知組成物をドット状に連続配置したテープ状酸素検知剤とを組み合わせたものである。図3は、長さ方向に連続した透明部を有する片面粘着テープと酸素検知組成物を縞状に配置したテープ状酸素検知剤とを組み合わせたものである。図4は、長さ方向に間欠的に透明部を有する片面粘着テープと全面に酸素検知組成物を配置したテープ状酸素検知剤とを組み合わせたものである。尚、本発明はこれ等の例示に制限されるものではない。
【0024】
本発明のテープ状の貼付用酸素検知剤は、片面粘着テープの幅方向中央寄りにテープ状酸素検知剤が酸素検知組成物面全体と粘着層がすきまなく粘着されているものであり、例えば数十m以上のテープが紙管に巻き付けられた形状をしている。幅方向中央寄りとは、図1においてCとC'が被着体への十分な貼付能力が得られる幅を与える位置である。
【0025】
片面粘着テープの粘着面に粘着層が形成されているために、テープ状酸素検知剤の酸素検知組成物面と片面粘着テープは、粘着層により実質的に空隙なく粘着される。酸素検知組成物面と片面粘着テープの粘着層の間に、両者が粘着していないこと等による空隙があると、脱酸素剤を使用し食品等を包装保存する際、包装容器内の酸素濃度の変化に対して酸素検知剤の変色が遅れることがある。
【0026】
このテープ状貼付用酸素検知剤を適宜の長さに切断して個々の貼付用酸素検知剤とし、食品の脱酸素包装等の用途で包材や脱酸素剤に貼り付けて使用する。或いは、テープ状酸素検知剤と片面粘着テープのそれぞれを例えば数十m以上の長尺で巻き取っておき、両者を同時に巻き出して重ね合わせ、直後に被着物に貼り付けて使用することもできる。
【0027】
特に、貼付用酸素検知剤が貼付された脱酸素剤包装体は、食品を脱酸素包装する際に便利に使用される。この貼付用酸素検知剤が貼付された脱酸素剤包装体を製造する方法としては、テープ状貼付用酸素検知剤と脱酸素剤連包体とを連続的に貼り付けた後、貼り付けたままの状態で脱酸素剤連包体を1個づつの脱酸素剤包装体に分かれるよう切り離す方法が、コストが低く合理的である。
【0028】
また、貼付用酸素検知剤を包装容器内部に貼付して、酸素検知剤付き包装容器としてもよい。例えば、包装容器内の皿、仕切りなどの構造物又は包装材料に、酸素検知剤が片面粘着テープ側から視認できるように貼付する。
【0029】
図5には、図3に示す貼付用酸素検知剤が貼付された脱酸素剤包装体の一例を示す。また、図6に、図2の貼付用酸素検知剤が貼付された脱酸素剤包装体の一例を示す。いずれの酸素検知剤とも、テープ状酸素検知剤が図1に示したAの部分でプラスチック製片面粘着テープに貼着され、CとC'の部分で脱酸素剤包装体に貼着される。
【0030】
【実施例】
以下に実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。尚、実施例における酸素検知剤の色調は、(株)GE企画センター発行の色調見本(カラーセレクター)の色調番号で示している。色調番号の説明を表1に示した。
【0031】
【表1】
【0032】
実施例1
〔酸素検知組成物の調製〕
アルカリ性物質として水酸化マグネシウム微粉末、還元剤としてフルクトース、還元剤によって変色する色素としてメチレンブルー(C.I.Basic Blue 9)を含有し、その他にバインダー樹脂としてエチルセルロース、還元剤により変色しない色素としてフロキシン(C.I.Acid Red 92 )、溶剤として水−メタノールを含有するインキを調合した。
【0033】
〔テープ状酸素検知剤の作成〕
ポリプロピレン系合成紙(王子製紙(株)製商品名ユポ、厚み70ミクロン)を基材とし、その片面に、線幅5mm、線間隔5mm、版深80ミクロンの斜めストライプ版2ロール及び版深40ミクロンのベタ版1ロールをこの順にセットしたグラビア印刷機を用い、ストライプ版で上記酸素検知組成物インキ、ベタ版でオ−バ−プリント剤(サーモライトP)を印刷した。印刷品の水分は105℃70分の加熱減量法で0.5%以下であり、実質的に水分は残留していなかった。この印刷物を5mm幅にスリットし、100m巻きのロール状としてテープ状酸素検知剤を得た。印刷部分のインキ厚みは20ミクロンであった。
【0034】
〔片面粘着テープの作成〕
裏印刷を施した延伸ポリプロピレンフィルム(厚み40ミクロン)の片面全面に粘着剤としてアクリル系粘着剤を塗工し、反対面全面にシリコン系の離型剤を塗工した後12mm幅にスリットし、3インチ紙管に100m巻き取り、幅方向中央部に4mm幅の長さ方向に連続した透明部を有し、その他の部分に灰緑色地に白文字の印刷を施した片面粘着テープを得た。
【0035】
〔テープ状貼付用酸素検知剤の作成〕
上下2組の巻き出しロールとガイド及び巻き取りロールからなる装置に上記テープ状酸素検知剤と上記片面粘着テープをかけ、それぞれ巻き出しながら片面粘着テープの幅方向ほぼ中央部に、テープ状酸素検知剤が酸素検知組成物と粘着面が接して重なるよう、位置を合わせて巻き取りロールの3インチ紙管に100m巻き取り、図3に示すような構成のテープ状貼付用酸素検知剤を得た。この貼付用酸素検知剤の色変化は、空気中でCS21-04(紺色)であり、脱酸素剤によって酸素濃度0.1%以下にした雰囲気下ではCS26-04(赤色)であった。
【0036】
〔酸素検知剤が貼付された脱酸素剤包装体の作成及び保管〕
複数の巻き出しロール、ガイド、圧着ロール、厚み検知ロール、カッターからなる貼付装置を用いて、脱酸素剤ロール状連包体(三菱瓦斯化学(株)製商品名エージレスSA−100R)を巻き出して導入し、その片面に上記のテープ状貼付用酸素検知剤を重ねて圧着ロールで貼り付けた後、厚み検知ロールに連動するカッターで脱酸素剤包装体を1包ずつ切り離し、酸素検知剤が貼付された脱酸素剤包装体を得た。更にこのものを100個づつ、ガスバリア性積層フィルム(KON/PE)製の平袋(220×300mm)に入れ、内部の空気を抜いて袋口をヒートシールした。このものを15℃の温調倉庫に保管した。
【0037】
〔測定1.酸素検知剤変色速度テスト〕
保管前及び保管1ヶ月後の酸素検知剤が貼付された脱酸素剤包装体について、1包をガスバリア袋(180×250mm)に空気500ml及び80%RH調湿液を含浸した脱脂綿とともに密封し、経時的に袋内ガスを少量ずつサンプリングして東レ(株)製酸素分析計を用いて酸素濃度を測定するとともに酸素検知剤の色調を観察した。結果を表2に示した。
【0038】
〔測定2.食品実装テスト〕
保管前の酸素検知剤が貼付された脱酸素剤包装体をドーナツ2個とともにガスバリア袋(180×250mm)にヒートシールで密封し、25℃の室内に保存した。経時的に酸素検知剤の色調を観察しつつ、保存1ヶ月後に袋を開封し、酸素検知剤の色変化を観察した。結果を表3に示した。
【0039】
実施例2
片面粘着テープとして、延伸ポリプロピレンの代わりに延伸ポリエステルフィルム(厚さ40ミクロン)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてテープ状酸素検知剤を作成し、酸素検知剤が貼付された脱酸素剤包装体を得た。これを使って、実施例1と同様にして測定1、測定2を行った。結果を表2、表3に示した。
【0040】
実施例3
片面粘着テープの粘着剤として、アクリル系粘着剤の代わりに合成ゴム系粘着剤を用いたこと以外は実施例1と同様にしてテープ状酸素検知剤を作成し、酸素検知剤が貼付された脱酸素剤包装体を得た。これを使って、実施例1と同様にして測定1、測定2を行った。結果を表2、表3に示した。
【0041】
比較例1
実施例1で用いた貼付装置に、実施例1で作成したテープ状酸素検知剤と5mm幅の両面テープとを供給し、テープ状酸素検知剤の非印刷側と導入した脱酸素剤連包体の片面とを両面テープで貼着した後、厚み検知ロールに連動するカッターで脱酸素剤包装体を1包ずつ切り離し、テープ状酸素検知剤が両面テープで固定された脱酸素剤包装体を得た。これを使って、実施例1と同様にして測定1、測定2を行った。結果を表2、表3に示した。
【0042】
比較例2
ポリプロピレン系合成紙の代わりに耐水耐油紙(中越パルプ(株)製商品名WOP、厚さ80ミクロン)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてテープ状酸素検知剤を作成し、これを使用したこと以外は比較例1と同様にしてテープ状酸素検知剤が両面テープで固定された脱酸素剤包装体を作成し、これを用いて測定1、測定2を行った。結果を表2、表3に示した。
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】
測定1の結果(表2)から、実施例1では、保管前、保管後ともに袋内酸素濃度0.1%到達後速やかに酸素検知剤は色調CS26-04に達し、色調薄れもないことから、本発明の貼付用酸素検知剤は優れた酸素濃度指示機能を有しかつ保存安定性にも優れていることが判る。これに対し、比較例1及び2では保管前であっても酸素検知剤の変色速度に遅れが見られた他、保管後では変色速度の遅れが顕著になると共に色調が薄れ判別しにくくなった。これは脱酸素剤包装体の有する湿度(97%RH/25℃)により、酸素検知組成物に劣化を生じたためと考えられた。特に非透湿性のテープ状酸素検知剤を使用したものが、透湿性のものより良い性能を示したことから、透湿による厚み方向の色素移動が性能変化の一要因となっていると推定された。
【0046】
また、測定2の結果(表3)から、片面粘着テープを用いない比較例ではドーナツの油分又は水分により、酸素検知剤の色調異常が生じ、開封して空気に触れた際にも青色への復色が不十分で色の濃さも薄いのに対し、本発明の実施例では良好に色調を保持し、開封後も変色性能を保持していることが判る。
【0047】
実施例4
実施例1のテープ状貼付用酸素検知剤ロールを市販の事務用テープディスペンサー(コクヨ(株)製商品名T−M12)に装着し、事務用粘着テープと同様に適宜の長さに手で引き出し切断することを繰り返したが、全く問題なく任意の長さの貼付用酸素検知剤を切り出すことができた。1cmの長さに切り出した貼付用酸素検知剤をポリスチレン製皿(150×110cm)の裏面に貼付し、皿上に脱酸素剤包装体(三菱瓦斯化学(株)製商品名エージレスFX−30)とチーズたら70gを入れた後、ガスバリア性袋(150×200mm)に入れ、袋口をヒートシールした。このとき、酸素検知剤の色調はCS21-04であった。このものを5℃の恒温槽中に保管したところ、翌日、袋内酸素濃度は0.02%まで低下しており、酸素検知剤の色調はCS26-04に変化していた。
【0048】
更に袋に縫い針でピンホール1個を開け、その翌日、袋内酸素濃度を測定すると0.4%まで上昇していた。このとき検知剤色調はCS24-04に変化し、袋体の異常を検知することができた。更に2日後、袋内酸素濃度は12%まで上昇しており、これに対応して検知剤の色調はCS22-04に変化していた。尚、袋内酸素濃度の測定には、少量の袋内ガスをサンプリングし、ガスクロマトグラフを用いて分析した。本発明の貼付用酸素検知剤は、脱酸素剤を適用した食品包装容器に異常が起き脱酸素状態が損なわれると忠実にそれを反映して色調が変化することが判った。
【0049】
【発明の効果】
本発明の貼付用酸素検知剤によれば、脱酸素剤による包装容器内の酸素濃度の変化に対応して酸素検知剤が速やかに変色し、酸素濃度の減少を時間遅れを伴うことなく目視により容易に検知することができるという効果を達成する。
また、本発明の貼付用酸素検知剤を貼付した脱酸素剤は、包装容器内の酸素濃度の変化に対応して酸素検知剤が速やかに変色し、酸素濃度の変化を時間遅れを伴うことなく目視により容易に検知することができるという機能を付加した脱酸素剤として、食品等の保存に好適に使用される。
【0050】
本発明の貼付用酸素検知剤は、構成がシンプルなので低コストで製造でき、かつ一般の片面粘着テープと同様の薄く柔軟性に富むテープ状とすることができるため、単純な器具で任意の長さに切断して使用できるほか、機械的に自動連続製造、切断、貼付を行うこともでき、極めて使い勝手に優れる。また柔軟性に優れることから、脱酸素剤包装袋や食品包装容器等の凹凸のある面や剛性の小さい面にも良好な貼り付け性が発揮される。また使用時に離型紙などの廃棄物が発生せず、使い勝手が良い。
【0051】
更に本発明の貼付用酸素検知剤は、水分や油分の多い環境下でも色調の異常を示すことがなく、脱酸素剤包装体上又は包装容器内部に貼付した状態で在庫しても色調、変色速度の劣化がなく、酸素検知剤として優れた性能を有するので、食品等の脱酸素包装品質管理に安心して利用できる。また、酸素濃度を色調で表示でき、変色速度性能に優れ、色調の安定性や耐水耐油性にも優れることを利用して、脱酸素包装以外にも各種物品の包装、各種装置の安全管理等の用途に市販の粘着テープあるいはラベル、ワッペンと同様の手軽さで使用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のテープ状貼付用酸素検知剤の一例の断面図である。
【図2】本発明のテープ状貼付用酸素検知剤のデザインの一例を示す見取り図である。
【図3】本発明のテープ状貼付用酸素検知剤のデザインの一例を示す見取り図である。
【図4】本発明のテープ状貼付用酸素検知剤のデザインの一例を示す見取り図である。
【図5】本発明の貼付用酸素検知剤が貼付された脱酸素剤包装体の一例を示す平面図である。
【図6】本発明の貼付用酸素検知剤が貼付された脱酸素剤包装体の一例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 テープ状酸素検知剤
2 片面粘着テープ
3 プラスチックフィルム
4 粘着剤
Claims (9)
- 非通気性かつ非透湿性のテープ状基材に酸素検知組成物が添着されたテープ状酸素検知剤(1)と、
(1)より幅が広く少なくとも一部分が透明で片面に粘着層を有するプラスチック製片面粘着テープ(2)とから成り、
テープ状酸素検知剤(1)の酸素検知組成物添着面全体が片面粘着テープ(2)によって実質的に空隙なく粘着されているテープ状貼付用酸素検知剤。 - テープ状酸素検知剤(1)が、片面粘着テープ(2)の幅方向ほぼ中央に粘着されていることを特徴とする請求項1記載のテープ状貼付用酸素検知剤。
- テープ状酸素検知剤(1)が、テープ状基材の片面に酸素検知組成物を塗布、印刷又は含浸により添着されたものであることを特徴とする請求項1記載のテープ状貼付用酸素検知剤。
- テープ状酸素検知剤(1)が、テープ状基材の片面に酸素検知組成物が一定間隔で複数個、添着されたものであることを特徴とする請求項1記載のテープ状貼付用酸素検知剤。
- 片面粘着テープ(2)の粘着層を有しない面に離型剤が塗布されていることを特徴とする請求項1記載のテープ状貼付用酸素検知剤。
- 適宜の長さに切断されて成ることを特徴とする請求項1記載の貼付用酸素検知剤。
- 請求項6記載の貼付用酸素検知剤が包装容器内部に貼付されて成ることを特徴とする酸素検知剤付き包装容器。
- 請求項6記載の貼付用酸素検知剤が脱酸素剤包装体表面に貼付されて成ることを特徴とする酸素検知剤付き脱酸素剤包装体。
- 請求項1乃至5記載のテープ状貼付用酸素検知剤と脱酸素剤連包体とを連続的に貼り付けた後、貼り付けたままの状態で脱酸素剤連包体が1個ずつに分かれるよう切り離すことを特徴とする酸素検知剤付き脱酸素剤包装体の製造方法。
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