JP4022149B2 - ビニル化核酸の製造方法 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、ビニル基を有するビニル化核酸の製造方法に関する。ビニル化核酸は、基盤等に固定し遺伝子発現、遺伝子変異等の検出ためのプローブに使用される。
背景技術
近年、ゲノム又は遺伝子情報を解析するための装置として、DNAマイクロアレイやマイクロ電気泳動装置等が開発されている。
例えば、本発明者らの一部も、ゲルを利用したDNAマイクロアレイを開発し、出願している(日本国 特開2000−270877号、特開2000−270878号、特開2000−270879号公報参照)。このDNAマイクロアレイは、繊維に核酸固定化ゲルを保持した繊維配列体を作製し、配列体の繊維軸と交差する方向に切断することにより得られる。
ゲルに核酸を固定化する方法としては、例えば、ビニル化剤としてAcrylamide phosphoramidite(Acrydite TM)を用いて、末端ビニル化核酸を作成し、これをアクリルアミドモノマーと共重合させることにより核酸をポリアクリルアミド中に固定化する方法が知られている(Nucleic Acid Res.,27.2649(1999)、WO98/39351号公報参照参照)。しかし、前記核酸へのビニル基の導入反応は、不安定であるため、収率よくビニル基を導入することができない(BioTechniques 27:592−606(1999))。また、ホスホロアミダイト試薬が高価であることから、経済的ではない。
発明の開示
本発明は、効率よく且つ安価にビニル化核酸を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、アミノ基を有する核酸と、ビニル化剤とを反応させ、必要に応じて、塩基性化合物存在下でビニル化反応を行うことにより、効率よく且つ安価にビニル化核酸が製造できることを見出し、本発明を完成させた。
また、本発明者らは、アミノ基修飾ヌクレオチドの共存下にPCRを行って、得られたPCR増幅産物にビニル基を導入する方法、又はビニル基を有するヌクレオチド存在下にPCRを行うことで、効率よく且つ安価にビニル化核酸を製造することができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、(1)アミノ基を有する核酸をビニル化剤とビニル化反応させることを含むビニル化核酸の製造方法、(2)アミノ基を有する核酸がPCRにより得られるものである(1)に記載のビニル化核酸の製造方法、(3)アミノ基を有する核酸が、アミノ基で修飾したヌクレオチド及びdNTPの存在下でPCRを行い、得られるものである(1)に記載のビニル化核酸の製造方法、(4)ビニル化剤がアクリル酸無水物、メタクリル酸無水物、N−アクリロイルオキシスクシンイミド及びN−メタクリロイルオキシスクシンイミドからなる群から選択される少なくとも1種である(1)〜(3)のいずれかに記載のビニル化核酸の製造方法、(5)塩基性化合物の存在下にビニル化反応を行う、(1)〜(4)のいずれかに記載のビニル化核酸の製造方法、(6)(1)〜(5)のいずれかに記載の方法で得られるビニル化核酸をプライマーとして用いてPCRを行い、PCR増幅産物としてビニル化核酸を得ることを含むビニル化核酸の製造方法、(7)ビニル基で修飾したヌクレオチド及びdNTPの存在下で、PCRを行い、PCR増幅産物としてビニル化核酸を得ることを含むビニル化核酸の製造方法、(8)ビニル基で修飾したヌクレオチドが、アミノ基で修飾したヌクレオチドとビニル化剤をビニル化反応させて得られるものである(7)に記載のビニル化核酸の製造方法、(9)ビニル化剤がアクリル酸無水物、メタクリル酸無水物、N−アクリロイルオキシスクシンイミド及びN−メタクリロイルオキシスクシンイミドからなる群から選択される少なくとも1種である(8)に記載のビニル化核酸の製造方法、(10)塩基性化合物の存在下にビニル化反応を行う(8)又は(9)に記載のビニル化核酸の製造方法、である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において製造される「ビニル化核酸」とは、その核酸配列中にビニル基を有するヌクレオチドが1つ又は複数、組み込まれた核酸を表す。核酸配列中とは、核酸配列の内部及び/又は末端を意味する。また、「PCR」とはポリメラーゼ連鎖反応を意味する。
本発明のビニル化核酸は、以下の(A)〜(C)のいずれかの方法により製造される。
(A)アミノ基を有する核酸をビニル化剤と反応させる。
(B)アミノ基で修飾したヌクレオチド及びdNTPの存在下、PCRを実施した後、PCR増幅産物をビニル化剤と反応させる。
(C)ビニル基で修飾したヌクレオチド及びdNTPの存在下、PCRを実施する。
(A)の方法において、「アミノ基を有する核酸」とは、例えば、アミダイト試薬を用いてDNA自動合成装置により、適当な塩基数の核酸を合成した後、最終段階で、アミノリンクTM(PEバイオシステムズ社製)のようなアミノ化試薬を反応させ、脱保護操作をすることにより合成することできる。この場合、アミノ基は核酸の末端に導入される。核酸の鎖長は、約100配列である。
100配列以上の長鎖のアミノ基を有する核酸を得たい場合、PCRによる調製が有効となる。まず、適当な鎖長の末端にアミノ基を有する核酸をDNA自動合成装置等により調製し、PCRの際のプライマーとして使用することで、長鎖の末端にアミノ基を有する核酸を合成することができる。PCRは、常法に従って行えばよい。
上述の末端にアミノ基を有する核酸を、ビニル化剤と反応させることにより、末端にビニル化が導入された核酸(末端ビニル化核酸ともいう)を得ることができる。
ビニル化剤は、アミノ基を有する核酸の良溶媒である極性溶媒、例えばジメチルスルフォキサイド(DMSO)等との反応性及び核酸塩基中のアミノ基との反応性を考慮し選択する。好ましいビニル化剤としては、アクリル基、メタクリル基等を含む化合物である。具体的には、アクリル酸無水物、メタクリル酸無水物、アクリル酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(N−アクリロイルオキシスクシンイミド)、メタクリル酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(N−メタクリロイルオキシスクシンイミド)等である。
反応に使用するビニル化剤の量は、反応率を考慮して設定する。経済性を考慮すると、末端にアミノ基を有する核酸に対して等モル〜50倍モルが好ましい。
ビニル化における反応温度は、反応速度、反応率等を考慮して任意に設定する。好ましくは10℃〜30℃である。
また、アミノ基を有する核酸のビニル化反応に際し、塩基性化合物を触媒として使用することにより、ビニル化反応の反応速度、反応収率等が飛躍的に向上する。
塩基性化合物としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム等のアルカリ(土類)金属、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ(土類)金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ(土類)金属炭酸化合物、ナトリウムメチラート、マグネシウムメチラート等のアルカリ(土類)金属アルコキシ化合物、水素化ナトリウム、水素化カルシウム等のアルカリ(土類)金属水素化物、さらにはトリエチルアミン、ジアザビシクロウンデセン等の有機3級アミン等が挙げられる。また、それらを組み合わせて用いることも可能である。好ましくは、安価な炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムを挙げることができる。また、使用量は末端にアミノ基を有する核酸に対して等モル〜100倍モルの範囲が好ましい。
(B)の方法において、「アミノ基で修飾したヌクレオチド」とは、アミノ基を有するヌクレオチドを表す。アミノ基としては脂肪族アミノ基が挙げられ、具体的には、5−(3−アミノアリル)−2’−デオキシウリジン 5’−トリホスフェート等の化合物を用いることができる。
上述のアミノ基で修飾したヌクレオチド及びdNTP(dATP、dGTP、dCTP、dTTPを含む混合物)の存在下でPCRを実施することにより、PCR増幅産物として内部にアミノ基を有する核酸を取得することができる。
また、PCRに使用する1対のプライマーの両方又は片方に、例えば(A)の方法で合成したアミノ基を有する核酸を使用することにより、核酸配列の内部及び末端にアミノ基を有する核酸を取得することもできる。
得られたPCR増幅産物は、上述のように、ビニル化剤と反応させることにより核酸配列の内部及び/又は末端にビニル基が導入された核酸となる。
核酸配列中のビニル基の数は、PCRの際に添加するアミノ基で修飾したヌクレオチドの量により任意に設定することができる。PCRの際に添加するアミノ基で修飾したヌクレオチドの量は、経済性を考慮すると少ない量が好ましく、dNTPに対して1.0〜10.0質量%がさらに好ましい。
(C)の方法において、「ビニル基で修飾したヌクレオチド」とは、例えば、5−(3−アミノアリル)−2’−デオキシウリジン 5’−トリホスフェートのアクリル化物、5−(3−アミノアリル)−2’−デオキシウリジン 5’−トリホスフェートのメタクリル化物を示すことができる。ビニル基で修飾したヌクレオチドは、アミノ基で修飾したヌクレオチドを上述のビニル剤と反応させることにより得ることができる。
上述のビニル基で修飾したヌクレオチド及びdNTP(dATP、dGTP、dCTP、dTTPを含む混合物)の存在下でPCRを実施することにより、PCR増幅産物として内部にアミノ基を有する核酸を取得することができる。
また、PCRに使用する1対のプライマーの両方又は片方に、例えば(A)の方法で合成したビニル化核酸を使用することにより、核酸配列の内部及び末端にビニル基が導入された核酸を取得することもできる。
核酸中のビニル基の数は、上述の(B)の方法と同様、PCRの際に添加するビニル基を有するヌクレオチドの量により任意に設定することができる。PCRの際に添加するビニル基を有するヌクレオチドの量は、経済性を考慮すると少ない量が好ましく、dNTPに対して1.0〜10.0質量%がさらに好ましい。
本発明において、核酸にビニル基が導入されたことは、ビニル化核酸とアクリルアミド等の重合性モノマーを反応させ共重合物を作成し、該共重合物を電気泳動に供することにより確認することができる。
ビニル化核酸はアクリルアミド等のモノマーと共重合するため、電気泳動により移動しない。
このようにアクリルアミド等の重合性モノマーとの共重合物に固定された核酸は、遺伝子発現、遺伝子変異等の検出ためのプローブとして使用することができる。
発明を実施するための最良の形態
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。しかし、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
アミダイト試薬を用いてDNA自動合成装置により、atgcの核酸を合成した後、最終段階で、アミノリンクTM(PEバイオシステムズ社製)を反応させ、脱保護操作を行うことにより5’−O−アミノヘキシル−atgcを合成した。
末端にアミノ基を有する核酸として、1mMの5’−O−アミノヘキシル−atgc水溶液10μl、ビニル化剤として80mMのメタクリル酸無水物溶液(DMSOに溶解)5μlを用いた。これらを100mMの炭酸ナトリウム水溶液5μlと混合し、室温で1時間、ビニル化反応を行った。末端にアミノ基を有する核酸とメタクリル酸無水物のモル比は、1:40である。
液体クロマトグラフィーを使用し、以下に示す分析条件で反応率を測定したところ、反応率は100%であった。
〈液体クロマトグラフィー分析条件〉
カラム:カプセルパック C18 SG300(4.6mm i.d.×250mm,5μm)
移動相:A:5mM トリエチルアミン−酢酸(pH7.5)
B:アセトニトリル 0→20%(40min)
検出:UV260nm
流速:1.0ml/min
実施例2〜5
実施例1において、メタクリル酸無水物溶液の濃度を表1に示す値に変更した以外は、同様に操作した。結果は表1に示した。
Figure 0004022149
比較例1
メタクリル酸無水物の変わりに100mMのメタクリル酸水溶液を使用した以外は実施例1と同様に操作を行った。反応終了後、液体クロマトグラフィーを使用し、反応率を測定したところ、反応率は0%であった。
実施例6〜10
実施例1〜5において、メタクリル酸無水物を、N−アクリロイルオキシスクシンイミドに変えた以外は同様に操作し、反応率を求めた。
Figure 0004022149
実施例11
アミダイト試薬を用いてDNA自動合成装置により、tgcgtcgatctc(配列番号1)の核酸を合成した後、最終段階で、アミノリンクTM(PEバイオシステムズ社製)を反応させ、脱保護操作を行うことにより、5’−O−アミノヘキシル−tgcgtcgatctcを合成した。
末端にアミノ基を有する核酸として、0.5mMの5’−O−アミノヘキシル−tgcgtcgatctc水溶液10μl、ビニル化剤として20mMのメタクリル酸無水物溶液(DMSOに溶解)5μlを用いた。これらを100mM炭酸ナトリウム水溶液5μlと混合し、室温で1時間反応を行った。
実施例1と同様の条件で、液体クロマトグラフィーで反応率を測定したところ、反応率は100%であった。
実施例12
本実施例は、末端ビニル化核酸を使用したPCRによる、末端ビニル化核酸の製造方法に関する。
(1)鋳型(染色体)の調製
ロドコッカス・ロドクロウスJ1株を栄養培地(グルコース15g、酵母エキス1g、グルタミン酸ナトリウム10g、KHPO0.5g,KHPO0.5g,MgSO・7HO0.5g/L、pH7.2)100mlで30℃、3日培養し、集菌した。この菌体から染色体を調製し、PCRの鋳型に用いた。なお、ロドコッカス・ロドクロウスJ1株はFERM BP−1478として独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6)に昭和62年9月18日に寄託されている。(2)PCR
実施例11で作製した末端ビニル化核酸及びaaaccctgacct(配列番号2)をプライマーとして使用し、(1)で調製した染色体を鋳型としてPCRを行った。aaaccctgacct(配列番号2)はアマシャムファルマシア社に合成を依頼した。
PCRは、Ex−Taq(宝酒造社製)の仕様書に従い、TaKaRa PCR Thermal Cycler PERSONALを用いて行った。反応は100μlで行い、温度条件は93℃ 30秒、55℃ 30秒、72℃ 1分を1サイクルとし、30サイクル行った。この反応によって512塩基の長鎖の5’末端ビニル化核酸(配列番号3)が増幅された。
Figure 0004022149
実施例13
本実施例は、末端ビニル化核酸のアクリルアミドゲルへの固定化及び評価に関する。
表3に示したゲル前駆体水溶液を調製し、室温で2時間放置し核酸固定化アクリルアミドゲルを製造した。得られた核酸固定化ゲル1を20mg切り出した。核酸固定化ゲル1 20mg中には、5nmolの核酸が存在している。
Figure 0004022149
次に4つのウェル(容量約50μl)を含む電気泳動用ゲル2〔ポリマー濃度5%(アクリルアミド/メチレンビスアクリルアミド=95/5(wt/wt))〕を作製した。
ウェル11に、前記切り出した核酸固定化ゲル1を添加した。ウェル12〜14には、末端ビニル化核酸(実施例11記載)の量が順に5nmol,2.5nmol,0.5nmolとなるように溶液で添加した(図1参照)。
次いで、サブマリン型電気泳動装置(アトー社製AE−6110)を用いて、50V 15分間電気泳動を行った。
アクリルアミドゲルをエチジウムブロマイドで染色し、電気泳動で移動した核酸のバンドの蛍光強度を目視で測定した。ウェル11から、移動した核酸(つまり、共重合しなかったビニル化核酸)のバンドの蛍光強度は、ウェル14の蛍光強度よりも低いことが確認された。
以上の結果から、末端ビニル化核酸のアクリルアミドゲルへの固定化率は90%以上であることを確認した。
実施例14
本実施例は、長鎖の末端ビニル化核酸(配列番号3)のアクリルアミドゲルへの固定化及び評価に関する。
4つのウェルを1つのウェルに変更した以外は実施例13と同様に電気泳動用ゲルを作成した。
前記ゲルのウェル部分に表4の組成からなる長鎖の末端ビニル化核酸(配列番号3)を含むゲル前駆体溶液を添加し、室温で2時間放置した。
Figure 0004022149
得られたゲルを、縦型電気泳動装置を用いて、50V,1時間電気泳動を行い、その後エチジウムブロマイドで染色した。
アクリルアミドゲルの試料添加用のウェル部分(ゲルに固定化された末端ビニル化長鎖核酸)の蛍光強度と、泳動によって移動した核酸(ゲルに固定化されなかった末端ビニル化長鎖核酸)のバンドの蛍光強度を比較すると、ウェル部分の蛍光強度が10倍程度高いことが目視によって確認された。
また、末端ビニル化核酸のかわりに、末端にアミノ基を有する核酸(5’−O−アミノヘキシル−tgcgtcgatctc:実施例11参照)を用いた以外は、実施例12(2)と同様にPCRを実施し、PCR増幅産物を得た。このPCR増幅産物を、表4のビニル化核酸(配列番号3)のかわりに使用し、上述と同様の実験を行ったところ、ウェル部分はエチジウムブロマイドによって染色されず、電気泳動によって移動したバンドのみが強く染色された。
以上の結果により、末端ビニル化核酸をプライマーとして用い、PCRを行い、得られた長鎖の末端ビニル化核酸(配列番号3)についても、高効率でアクリルアミドゲルに固定化できることを確認した。
実施例15
本実施例は、アミノ基で修飾されたヌクレオチド及びdNTPの存在下でのPCRによるビニル化核酸の製造方法に関する。
(1)PCR
実施例12(1)で調製した鋳型と、プライマーとしてtgcgtcgatctc(配列番号1)及びaaaccctgacct(配列番号2)を用い、PCRを行った。tgcgtcgatctc(配列番号1)とaaaccctgacct(配列番号2)はアマシャムファルマシア社に合成を依頼した。
PCRは、ヌクレオチドとしてdNTP1に対して5−(3−アミノアリル)−2’−デオキシウリジン 5’−トリホスフェートを0.05の割合で加えた以外は、実施例12と同様に行った。その結果、配列の内部にアミノ基で修飾されたヌクレオチドを含む、512塩基の長鎖の核酸(配列番号4)が増幅された。
Figure 0004022149
(2)ビニル基の導入
アミノ基を有する核酸として、(1)で得られた核酸(配列番号4)(1nmol/ml)10μl、ビニル化剤として50mMのメタクリル酸無水物溶液(DMSOに溶解)5μlを用いた。これらを100mMのNaCO−NaHCO水溶液5μlと混合し、室温で2時間反応させた。
(3)ビニル化核酸のアクリルアミドゲルへの固定化及び評価
ビニル化核酸として、(2)で得られたビニル化核酸を使用した以外は実施例14と同様に操作した。
アクリルアミドゲルの試料添加用のウェル部分(ゲルに固定化されたビニル化核酸)の蛍光強度と、泳動によって移動した核酸(ゲルに固定化されなかったビニル化核酸)のバンドの蛍光強度を比較すると、ウェル部分の蛍光強度が10倍程度高いことが目視によって確認された。
実施例16
本実施例は、ビニル基で修飾されたヌクレオチド及びdNTPの存在下でのPCRによるビニル化核酸の製造方法に関する。
(1)ビニル基で修飾したヌクレオチドの合成
アミノ基で修飾したヌクレオチドとして、50mMの5−(3−アミノアリル)−2’−デオキシウリジン 5’−トリホスフェート10μl(DMSOに溶解)、ビニル化剤として50mMのメタクリル酸無水物(DMSOに溶解)5μlを使用した。これらを100mMのNaCO−NaHCO 5μlと混合し、室温で2時間反応させた。
(2)PCR
dNTP1に対して(1)で合成したヌクレオチドを0.05の割合で加えて、PCRを行った以外は、実施例15と同様にPCRを行った。その結果、配列の内部にビニル基で修飾されたヌクレオチドを含む、512塩基の長鎖の核酸(配列番号5)が増幅された。
Figure 0004022149
(3)ビニル化核酸(配列番号5)のアクリルアミドゲルへの固定化及び評価
ビニル化核酸として、(2)で得られたビニル化核酸(配列番号5)を使用した以外は実施例14と同様に操作した。
アクリルアミドゲルの試料添加用のウェル部分(ゲルに固定化されたビニル化核酸)の蛍光強度と、泳動によって移動した核酸(ゲルに固定化されなかったビニル化核酸)のバンドの蛍光強度を比較すると、ウェル部分の蛍光強度が10倍程度高いことが目視によって確認された。
産業上の利用可能性
本発明によって、アミノ基を有する核酸をビニル化剤とビニル化反応を実施することにより、効率良く且つ安価にビニル化核酸を製造することができる。また、アミノ基で修飾したヌクレオチド及びdNTPの存在下でPCRを行って、得られたPCR増幅産物にビニル基を導入する方法、又はビニル基で修飾したヌクレオチド及びdNTPの存在下でPCRを行う方法により、ビニル化核酸を効率良く且つ安価に製造することができる。
本明細書に引用されたすべての刊行物は、その内容の全体を本明細書に取り込むものとする。また、添付の請求の範囲に記載される技術思想および発明の範囲を逸脱しない範囲内で本発明の種々の変形および変更が可能であることは当業者には容易に理解されるであろう。本発明はこのような変形および変更をも包含することを意図している。
【配列表】
Figure 0004022149
Figure 0004022149
Figure 0004022149
Figure 0004022149

【図面の簡単な説明】
図1は、電気泳動用ゲル及びそれを用いたビニル化核酸の確認方法を示す。図中、符号1は核酸固定化ゲルを、符号2電気泳動用ゲルを、符号11〜14は核酸固定化ゲル又は核酸溶液添加用ウェルを示す。

Claims (9)

  1. アミノ基を有する核酸をビニル化剤とビニル化反応させ、そのアミノ基をビニル化することを含むビニル化核酸の製造方法。
  2. アミノ基を有する核酸がPCRにより得られるものである請求項1記載のビニル化核酸の製造方法。
  3. アミノ基を有する核酸が、アミノ基で修飾したヌクレオチド及びdNTPの存在下でPCRを行い、得られるものである請求項1記載のビニル化核酸の製造方法。
  4. ビニル化剤がアクリル酸無水物、メタクリル酸無水物、N−アクリロイルオキシスクシンイミド及びN−メタクリロイルオキシスクシンイミドからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載のビニル化核酸の製造方法。
  5. 塩基性化合物の存在下にビニル化反応を行う、請求項1〜4のいずれかに記載のビニル化核酸の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の方法で得られるビニル化核酸をプライマーとして用いてPCRを行い、PCR増幅産物としてビニル化核酸を得ることを含むビニル化核酸の製造方法。
  7. ビニル基で修飾したヌクレオチド及びdNTPの存在下で、PCRを行い、PCR増幅産物としてビニル化核酸を得ることを含むビニル化核酸の製造方法であって、ビニル基で修飾したヌクレオチドが、アミノ基で修飾したヌクレオチドとビニル化剤をビニル化反応させ、そのアミノ基をビニル化することにより得られるものであるビニル化核酸の製造方法
  8. ビニル化剤がアクリル酸無水物、メタクリル酸無水物、N−アクリロイルオキシスクシンイミド及びN−メタクリロイルオキシスクシンイミドからなる群から選択される少なくとも1種である請求項に記載のビニル化核酸の製造方法。
  9. 塩基性化合物の存在下にビニル化反応を行う、請求項又はに記載のビニル化核酸の製造方法。
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