JP2010523078A - リボース環を含む修飾ポリヌクレオチド - Google Patents

リボース環を含む修飾ポリヌクレオチド Download PDF

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Abstract

本発明は、2′−OH基に修飾を有するリボース環を含むポリヌクレオチドの使用を用いる異なる方法に関する。

Description

本発明は、リボース環を含む修飾ポリヌクレオチドの使用を含む、検出又は重合反応を実施する方法に関する。本発明は、更に、少なくとも2つの異なる種類の核酸の混合物から標的核酸を単離、精製又は調製する方法に関する。本発明により使用される修飾ポリヌクレオチドは、2′−OH位置で共有的に修飾されているリボース環を含む。更に、方法は、それぞれ修飾されたポリリボヌクレオチドを効率的に利用する重合剤を得るために提供される。
RNAは、全ての近代的な生物学的研究において必須の要素である。医学的診断、薬剤設計、組み換えタンパク質の産生、生命情報科学、並びに製薬及びバイオテクノロジー産業に関わるほぼ全ての分野における原料を提供する。
RNAは、全ての生物において必須及び普遍的要素である。3つの主な種類のRNAがあり、メッセンジャーRNA(mRNA)、トランスファーRNA(tRNA)及びリボソームRNA(rRNA)であり、後者が最も一般的な種類である。更に、近年、siRNA及びmiRNAのような幾つかの小型RNAの種類が発見された。加えて、レトロウイルスのような一部のウイルスがRNAの形態でそれらの遺伝子をコードし、HIVがこの種類の一例である。他のRNA形態には、ウイロイドと呼ばれる小型感染性RNAループが含まれ、PSTVがこの種類の一例である。RNAは、タンパク質の産生及び遺伝子情報の保存のような多くの多様な機能を有する。
全てのRNA分子は、塩基、リボース糖及びリン酸塩を含む反復モノマー(リボヌクレオチド)から構成される線状高分子である。4つの主要な塩基:ウラシル、シトシン、グアニン及びアデニンがあり、互いに結合している順番、すなわち配列は、RNA特有の特性の多くをもたらす。
RNAは、2つの主な様式においてDNAと化学的に異なる。第1には、チミンの代わりにウラシルを含有し、第2には、RNAは、DNAのデオキシリボース糖において見出される2′−Hの代わりに、リボース糖において2′−OH基を有する。天然RNAは、ヒドロキシル基の一部を形成する、他の2つの炭素原子(C1′及びC3′)、水素原子及び酸素原子に結合している2′炭素原子(本明細書において、2′−OH基と呼ぶ)を有する。2′−OH基は、構造、反応性及び不安定性のような特有な特性の多くをRNAに付与する。2′−OH基は、また、リボヌクレオチドの間のホスホジエステル結合の切断を助けて、鎖切断をもたらし、したがってRNA分解をもたらす可能性がある。
RNAが数多くの一般的な研究室業務において操作される場合、その固有の不安定性は、著しい技術的な及び実験上の困難をもたらす。例えば、特定のmRNA種の発生量及び大きさの測定には、遺伝子の機能を理解することが必須であると多くの場合考えられている。研究されている特定のmRNAが分解している場合、その程度が小さいものであっても、そのような測定を確実に又は正確に実施することは不可能になる。別の例は、mRNAのcDNAコピーを合成することであり、mRNAが分解することは、完全及び代表的なcDNAを得るあらゆる可能性が排除される。そのようなcDNAコピーは、発現パターン及び染色体の位置のような遺伝子の完全及び正確な特徴決定を可能にするので、必須の実験ツールであると考えられている。更に、cDNAは、組み換えタンパク質の産生にとって必須である。
RNAを、その生物学的活性を維持しながら、分解から保護することは、あらゆる研究者又は技術者にとって必須の仕事である。しかし、RNAからヌクレアーゼ活性を除去することの困難さ及びそれが偶発的に導入されることの容易さは、多くの場合、最も経験を積んだ者以外は全て、RNA操作の成功から排除される。RNAの輸送及び保存、滅菌装置、使い捨てプラスチック器具の購入、人員の訓練及び繰り返される実験の失敗を考慮した費用及び時間は、あらゆる研究室の予算におけるかなりの部分を占める。
RNAの精製における最も重要な側面は、RNaseによる分解を防ぐことである。RNaseは、例えば3つの供給源:(1)実験試料の持ち越しによる細胞外供給源、(2)研究者の皮膚分泌物のような外部供給源及び(3)DNA精製に使用される精製RNaseから導入することができる。RNaseは、完全に遍在性であり、指先分泌物、粉塵、微生物、ほぼ全ての生物学的物質において見出すことができ、微量の汚染でさえも、必然的にRNA分解をもたらす。問題をひどくしているのは、多くのDNA精製キットに高濃度のRNaseが慣用的に使用されていることである。
リボヌクレオチドの2′−OH基を(a)酵素的及び(b)化学的に修飾することができる、2つの主な方法がある。2′−OH基の酵素的修飾は、高度に特異的な酵素触媒反応により生じる。例えば、リボヌクレオチドレダクターゼは、モノマーのリボヌクレオシド二リン酸を修飾するが、全RNA分子は、基質として認識されない。別の例は、全RNA分子を基質として使用するが、分子1つあたり僅かな2′−基しか修飾しないメチルトランスフェラーゼである。
RNA及びDNAの化学合成は、良く知られており、多くの企業が特注のRNA及びDNA合成を提供している(概説については、イートン(Eaton)、(1995)バイオ化学年次総説(Ann. Rev. Biochem.)64、837を参照すること)。この合成の異なる手法を記載する多数の出版文献が存在する(概説については、ウスマン(Usman)及びセダーグリーン(Cedergreen)(1992)TIBS 17:334を参照すること)。保護基が概説されている(グリーネ(Greene)及びウッツ(Wuts)(1991)有機合成における保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)、第2版ワイリー・インターサイエンス(Wiley Interscience))。2′−修飾リボピリミジンの調製における最も顕著な経路は、対応する2,2′−アンヒドロピリミジン前駆体への求核剤の導入を介するものである。この反応は、2′−ハライド、2′−アジド、2′−チオレート(モファット(Moffatt)、(1979):ヌクレオシド類似体、ウオーカー(Walker)編、71頁〜163頁、ニューヨーク(NY)、プレナム(Plenum)、タウンセンド(Townsend)、(1988)ヌクレオシド及びヌクレオチドの化学(Chemistry of Nucleosides and Nucleotides)、59頁〜67頁、ニューヨーク、プレナム)、2′−アジド(フェルハイデン(Verheyden)ら、(1971)有機化学ジャーナル(J. Org. Chem.)36:250)及び2′−アミノリボヌクレオシド(ワグナー(Wagner)ら、(1972)有機化学ジャーナル37:1876)の調製に限定されている。3′,5′−保護前駆体のメチル化によって、2′−O−メチルリボヌクレオシドが得られ(スプロート(Sproat)ら、(1991)オリゴヌクレオチド及び類似体:実践的なアプローチ(Oligonucleotides and Analogues: A Practical Approach)、F.エクスタイン(Eckstein)編、49頁〜86頁、ニューヨーク・オックスフォード大学出版(NY. Oxford Univ. Press)、同様の2′−O−アルキル及び2′−O−アリル誘導体が作製される(スプロート(1991)核酸研究(Nucleic Acids Res.)19:733、レンスニック(Lesnik)ら、(1993)バイオ化学(Biochemistry)32、7832)。他の修飾には、2′−メチル(マツダ(Matsuda)ら、(1991)医薬品化学ジャーナル(J. Med. Chem.)34:234)、2′−フェニル、2′−アルキルリボヌクレオシド(シュミット(Schmit)(1994)シンレット(Synlett)241)、2′−アセチル化(イマザワ(Imazawa)ら、(1979)有機化学ジャーナル(J. Org. Chem.)44:2039)、2′−フルオロ、2′−トリフルオロメチル(シュミット(1994)シンレット241)、2′−メルカプト(イマザワら、(1975)化学医薬会報(Chem. Pharm. Bull.)23:604)及び2′−チオリボヌクレオシド(ディバカー(Divakar)ら、(1990)化学協会誌パーキントランザクション(J. Chem. Soc. Perkin Trans.)1:969)が含まれる。2′−フルオロ、2′−O−メチル、2′−O−プロピル及び2′−O−ペンチルヌクレオチドは、それぞれ、オリゴリボヌクレオチドに組み込まれる(クミンズ(Cummins)(1995)核酸研究(Nucleic Acid Res.)23:2019)。それぞれの場合において、基質及び産物は、重合されておらず、すなわち単純なモノマーとして存在し、ポリリブヌクレオチド(RNA)形態では存在していない。
修飾RNAを得るための幾つかの他の手法、並びにRNA修飾及び技術に関する背景情報は、米国特許第6,867,290号に記載されており、その全体が本明細書に参照として組み込まれる。
しかし、RNA修飾は、RNAを分解から保護することができるが、前記修飾は、特にRNAが逆転写されている場合に前記リボヌクレオチドの重合/増幅が意図されるとき、問題をもたらすことがある。これは、2′−OH基の修飾がRNAの構造を変えるからである。これは、ポリリボヌクレオチドの25%を超えるリボース環が修飾される場合に、特に当てはまる。当然のことながら、ポリリボヌクレオチドの構造に対する効果は、選択される修飾の種類に応じて決まる。しかし、より高い修飾率が使用されると(特に25%超、50%超、75%超、90%超)、この問題が生じることがある。
したがって、2′−OH基へ修飾の結合が効率的な安定化をもたらすとしても、ポリリボヌクレオチドの更なるプロセッシングが多くの場合に妨げられる。このため、ポリヌクレオチドの更なるプロセッシングの前に修飾を取り除くことが、極めて多くの場合に必要となる。これは、多くの場合に精製及び洗浄工程を必要とする。これは収率を低減し、更に、時間を必要とし、したがって費用集約的でもあるという欠点を有する。
したがって、修飾ポリリボヌクレオチドを効率的に重合/増幅する方法を提供することが、本発明の目的である。
更に、リボース環を含む修飾ポリヌクレオチドの容易なプロセッシングを可能にする方法を提供すること、また、標的核酸の効率的な精製/単離方法を提供することが、本発明の目的である。
本発明の第1態様によると、以下の工程:
−リボース環を含む修飾ポリヌクレオチドを使用する工程であって、前記リボース環の少なくとも一部が2′−OH位置で修飾を含み、前記修飾が前記修飾ポリヌクレオチドの支持物質への固定化を可能にする工程、
−前記修飾ポリヌクレオチドを支持物質に固定化する工程、
−ポリヌクレオチドをテンプレートとして又は検出の標的として使用して、検出又は重合反応を実施する工程
を含む、検出又は重合反応を実施する方法が提供される。
図1a及び1bは、実施例1の実験設定及び結果を概説している。 図2は、実施例3の結果を示す。
本発明の検出又は重合方法は、修飾を介して支持物質に固定化されている、リボース環を含む修飾ポリヌクレオチドの使用を利用する。修飾ポリヌクレオチドを、それぞれの固体支持体の表面に結合することは、前記ポリヌクレオチドの更なるプロセッシングを容易にする。驚くべきことに、修飾ポリヌクレオチドの修飾を介した支持体への固定化は、リボース環を含むポリヌクレオチドを支持体に確実に固着させるために十分であることが見出された。したがって、プロセッシング工程を例えば(支持物質として)単一の容器/入れ物で実施することができるので、手作業及びピペット移動工程を低減することができる。通常、修飾ポリヌクレオチドは、それぞれの支持物質に疎水的相互作用により結合/固定化されている。検出及び/又は重合反応を、修飾ポリヌクレオチドが前記支持体に結合したままで実施することもできる。
支持物質は、例えば、マイクロタイタープレート、PCR反応管又は膜若しくは粒子のような固体支持体であることができる。それぞれの支持体は、当業者に良く知られており、ビーズ、磁性粒子、カラム、膜又はフィルターを含むことができるが、これらに限定されない。鉱物又はポリマーを含むことができる。
リボース環を含むポリヌクレオチドは、好ましくはポリリボヌクレオチドである。好ましくは、RNAであり、mRNA、tRNA、rRNA、ウイルスRNA、miRNA若しくはsiRNAのような小型干渉RNA、化学合成若しくはインビトロ転写形態のような合成RNA、又はhnRNA及びウイロイドRNAのような他の任意の形態のRNAであることができる。RNAは、異なる種類のRNAの混合物であることができ、一本又は二本鎖形態、線状又は環状であることができ、さらにはtRNA、mRNA及びウイルスRNAにおいて一般的に見られるような二次構造の内部領域を含有する。本発明によると、ポリヌクレオチドは、一般に約15個、50個、70個、80個を超える、好ましくは約100個を超える塩基の配列長さを有する。ポリヌクレオチドの好ましい長さは、少なくとも1000個の塩基である。mRNAは、キャップ及び/又はポリAテールを有しても、有さなくてもよい。本発明に使用されるmRNA、rRNA又はウイルスRNAは、好ましくは天然に生じる。本発明における天然に生じるRNAは、典型的には天然に見出される及び一般に生物学的活性を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むか、又は例えばコードされたポリペプチドの生物学的活性をいくらか変えるために修飾されているようなヌクレオチド配列を含む。天然に生じるRNAは好ましくは適切なテンプレートからの転写により得られるが、それ自体通常は天然に生じ、幾つかの場合において、天然に生じるRNAを合成的に得ることができる。本発明のmRNAは、合成的に生成できるが生物学的に無機能性である単純なホモポリヌクレオチド(ポリA、ポリU、ポリG及びポリC)を包含しない。
重合反応において、ポリヌクレオチドを、RNA又はDNAの第2相補鎖を産生するためにテンプレートとして使用する。修飾ポリヌクレオチドのテンプレートに基づいて2本鎖核酸を産生することは、最初のポリヌクレオチドの更なるプロセッシングを可能にし、容易にする。一つの実施態様によると、修飾ポリヌクレオチドは、ポリメラーゼの使用により重合される。したがって、リボース環の修飾率は、重合が前記修飾ポリヌクレオチドをテンプレートとして使用する場合に生じるように選択することができる。更に、特別に適合させた酵素も使用することができる。また、この種類の修飾は、重合を進行することができ、したがって、適合させることができる。
更なる実施態様によると、重合反応の前であるが、修飾ポリヌクレオチドがプロセスされた(例えば、試料から単離/精製された)後で修飾を除去することが可能である。このことは、従来のポリメラーゼの使用を可能にし、高収率の増幅を可能にする。例えば、可逆的修飾が使用される場合、修飾は、増幅反応の前に除去される。一つの適切な例は、修飾が例えば照射により除去され、それによりポリヌクレオチドを放出する、光反応性修飾の使用である。
2′−OH位置での修飾は、好ましくは実質的に位置特異的である。したがって、好ましくは塩基、ホスホジエステル結合及び/又はリボース環内の任意の他の位置、したがって5′−OH及び3′−OH基以外のRNA鎖において実質的に修飾がない。このように、ポリヌクレオチドは、RNAの重要な特性を保持する。例えば、有利には、ポリヌクレオチドは、好ましくはポリヌクレオチドの1本鎖が核酸ポリメラーゼにより複製されて1本鎖に相補的なポリヌクレオチドの第2鎖を生成するように修飾される。これは、可逆的修飾を使用することにより達成することもできる。
リボース環の2′−OH位置での修飾の程度は、修飾ポリヌクレオチドの意図される更なるプロセッシングに従って変わることができる。一般に、リボース環を含むポリヌクレオチドは、ある割合のリボース環が2′−OH位置で修飾されるように修飾されることが意図される。使用される修飾は、好ましくは、ヌクレアーゼ分解に対して、特に細胞エンドヌクレアーゼ及び/又はヌクレアーゼの細胞内濃縮に対して、ポリヌクレオチドを保護するために十分である。
更なる実施態様によると、前記ポリヌクレオチドのリボース環は、少なくとも2つの異なる種類の修飾により修飾される。この実施態様は、例えば、異なる修飾を、前記修飾ポリヌクレオチドを固体支持体に固定化するため及び前記ポリヌクレオチドを分解から保護するために使用することができるという利点を有する。これは、示されているように、ポリヌクレオチドの特定の修飾が、固体支持体へのポリヌクレオチドの固定化に適しているとしても、重合剤による修飾ポリヌクレオチドの更なるプロセッシングを妨げる。このことは、そのような修飾が多くの場合に二次構造を変化させるので、テンプレートが重合剤により認識されなくなる。したがって、固体支持体への結合のために一種類の修飾を使用し、前記ポリヌクレオチドを分解から更に保護するために別の種類の修飾を使用することが有利である。対応する実施態様の一例は、長炭素鎖(例えば、C8〜C18)を、固体支持体へのポリヌクレオチドの固定化に使用することである。長炭素鎖が、高すぎる修飾率で使用される場合には二次構造を変化することがあるので、修飾率は、固体支持体へのポリヌクレオチドの効率的な固定化を可能にするように使用されることが好ましい。そうゆうわけで更なる修飾は、例えば、ホルミル基の使用により実施することができ、これも、ポリヌクレオチドを分解から保護するが、重合反応を実質的に妨げることはない。上記に概説したように、可逆的修飾も、ポリメラーゼによるプロセッシングを簡素化するために使用することができる。
したがって、平衡した割合で特定の修飾を選択することによって、前記ポリヌクレオチドを保護及び固定化する最適化条件を達成することができる。
全体的な修飾の率は、好ましくは、75%未満、60%未満、50%未満、40%未満、30%未満、好ましくはさらには25%未満である。
リボース環を含むポリヌクレオチドの修飾率を測定する適切な方法は、米国特許第6,867,290号に記載されており、参照として本明細書に組み込まれる。
反応の位置特異性は、DNA(又は好ましくはチミンの代わりにウラシルを有する1本鎖DNA)の同一配列を、RNAに使用される同一の反応条件に付すことによって決定することができる。DNAは、反応が2′−OH基に位置特異的である場合、放射能の組み込み、ゲル電気泳動移動性、質量分析、HPLC又は使用される任意の他の分析方法により測定すると、実質的に修飾されていないことが予測される。
2′−OH位置での修飾は、リボース環の2′Cの全OHが、2′−Rのように反応基Rにより又は2′−ORを有するORにより置換されているようなものであることができ、ここで−O−基は、2′−OH基由来であっても、なくてもよい。したがって、この場合、2′−OH位置の置換基は、それぞれR又はORである。修飾の一つの目的は、分子を分解から相当程度保護することである。分解は、ヌクレアーゼ、金属イオン及び/又は高温、高pH又は他の化学的若しくは物理的条件の結果であることができる。
好ましくは、リボース環の前記修飾は共有的(covalent)である。特定の実施態様に関して、修飾は可逆的であることが有利である。例えば、修飾は、修飾を特定の作用物質、例えば塩の添加により変えることができるように選択することができる。可逆的修飾の別の適切な例は、4,5−ジメトキシ−2リボベンジルクロロホルメートのような光反応性修飾の使用である。これにより感光性側鎖が導入され、適切な波長の照射により修飾基を容易に除去することを可能にする。また、他の光反応性基は、一般に既知であり、本発明の教示に従って使用することができる。一般に、特定の実施態様において、修飾は、例えば材料が使い切られるのと同じぐらい長期間使用されないように数日間(例えば、3〜10日間)にわたって安定していることが十分でありうる。
一つの実施態様によると、前記共有的修飾は、下記:
−前記ポリヌクレオチドの全体的な電荷を変える修飾、
−前記ポリヌクレオチドに親和性タグを提供する修飾、
−前記ポリヌクレオチドの疎水性を変える修飾、
−親和性を硫黄親和性(thiophillic)マトリックスへと変える修飾、
−感光性側鎖を導入する可逆的修飾、
からなる群より選択される。
一つの実施態様によると、リボース環の前記共有的修飾は、前記ポリリボヌクレオチドの全体的な電荷を変える修飾である。ポリアクリル酸又はポリアスパラギン酸(poly−aspartatic acid)は、ポリヌクレオチドの全体的な電荷を増強するために使用することができる。ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン又はポリリシンは、RNAの全体的な電荷を逆転するために使用することができる。
炭素鎖、特に、C2〜C25若しくはC6〜C25(好ましくはC8〜C18)のような長炭素鎖又はペルフッ素化炭素鎖は、ポリヌクレオチドの疎水性を変えるために使用することができる。長炭素鎖も、マイクロタイタープレートのような支持体に修飾ポリヌクレオチドを固定化するのに特に適している。しかし、他の疎水性置換基も修飾に使用することができる。
前記修飾は、置換基OR若しくはOR′(ここでRは、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アミノアルキル、ハロアルコキシアルキル、アミノアルコキシアルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アルカノイル、アルケノイル、ハロアルカノイル、ジハロアルカノイル、トリハロアルカノイル、ハロホルミルアルカノイル、アミノアルカノイル、アリールアルカノイル、アリールアルケノイル、アルコキシアルカノイル、アリールオキシアルカノイル、アルキルアリールアルカノイル、アジドアルカノイル、カルボキシアルカノイル、カルボキシアルケノイル、カルボキシアルキノイル、ハロアリールアルカノイル、アミノアリールアルカノイル、アルキルアミノアリールアルカノイル、ハロアルケノイル、ハロアルキノイル、アルキルシラニル、トリアルキルシラニル、アルコキシカルボニル、アルキルチオアルコキシアルコキシカルボニル、アルケニルオキシカルボニル、アルコキシアルコキシアルキル、アルコキシアルキル、アルキルチオアルキル、アルキルスルホニル、ジアリールホスホンから選択され、前記置換基は、場合により置換されていることができる)又は置換基R′(ここでR′は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アミノアルキル、ハロ、アミノ、アルキルアミノ、アリール、アルキルアリール、アリールアルキルから選択され、前記置換基は、場合により置換されていることができる)を含むこともできる。
更に、前記修飾は、置換基OR若しくはOR′(ここでRは、C1〜C10アルキル、C1〜C10アルケニル、C1〜C10アルキニル、C1〜C10ハロアルキル、C1〜C10アミノアルキル、C1〜C10ハロアルコキシアルキル、C1〜C10アミノアルコキシアルキル、C6〜C14アリール、C6〜C14アルキルアリール、C6〜C14アリールアルキル、C6〜C14アリールアルケニル、C1〜C10アルカノイル、C1〜C10アルケノイル、C1〜C10ハロアルカノイル、C1〜C10ジハロアルカノイル、C1〜C10トリハロアルカノイル、C2〜C10ハロホルミルアルカノイル、C1〜C10アミノアルカノイル、C6〜C14アリールアルカノイル、C6〜C14アリールアルケノイル、C1〜C10アルコキシアルカノイル、C6〜C14アリールオキシアルカノイル、C6〜C14アルキルアリールアルカノイル、C1〜C10アジドアルカノイル、C1〜C10カルボキシアルカノイル、C1〜C10カルボキシアルケノイル、C1〜C10カルボキシアルキノイル、C6〜C14ハロアリールアルカノイル、C6〜C14アミノアリールアルカノイル、C7〜C15アルキルアミノアリールアルカノイル、C1〜C10ハロアルケノイル、C1〜C10ハロアルキノイル、C1〜C10アルキルシラニル、C3〜C10トリアルキルシラニル、C1〜C10アルコキシカルボニル、C3〜C18アルキルチオアルコキシアルコキシカルボニル、C1〜C10アルケニルオキシカルボニル、C3〜C18アルコキシアルコキシアルキル、C2〜C12アルコキシアルキル、C2〜C12アルキルチオアルキル、C1〜C10アルキルスルホニル、C12〜C28ジアリールホスホンから選択され、上記の置換基は、場合により置換されていることができる)又は置換基R′(ここでR′は、C1〜C10アルキル、C1〜C10アルケニル、C1〜C10アルキニル、C1〜C10ハロアルキル、C1〜C10アミノアルキル、ハロ、アミノ、C1〜C10アルキルアミノ、C6〜C14アリール、C6〜C14アルキルアリール、C6〜C14アリールアルキルから選択され、上記の置換基は、場合により置換されていることができる)を含むこともできる。
好ましくは、R及び/若しくはR′は、メチル、エチル、ビニル、アリル、エチニル、2−クロロエチル、2−アミノエチル、エチルオキシエチル、メトキシメチル、メチルチオメチル、メトキシエトキシメチル、(2−クロロエチル)オキシエチル、(2−アミノエチル)オキシエチル、フェニル、4−メチルフェニル、ベンジル、シンナミル、ホルミル、アセチル、プロパノイル、ブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、ノナノイル、ピバロイル、イソブタノイル、イソペンタノイル、カルボキシアセチル、クロロホルミルノナノイル、3−カルボキシプロパノイル、4−アミノブタノイル、4−クロロブタノイルクロロアセチル、ジクロロアセチル、トリフルオロアセチル、トリクロロアセチル、3−アジドプロパノイル、4−アジドブチリル アクリロイル、プロピオロイル、クロトノイル、ベンゾイル、ジフェニルアセチル、フェノキシアセチル、メトキシアセチル、メトキシカルボニル、2−(メチルチオメトキシ)エトキシカルボニル、ビニルオキシカルボニル、4−メチルベンゾイル、4−クロロベンゾイル、2−メチルアミノベンゾイル、2−アミノベンゾイル、4−アミノベンゾイル、4−ニトロベンゾイル、シンナモイル、シラニル、トリメチルシラニル、トリエチルシラニル、トリプロピルシラニル、トリイソプロピルシラニル、t−ブチルジメチルシラニル、2−クロロフェニル(4−ニトロフェニル)ホスホノ、メチルスルホニルから選択され、R′は、メチル、エチル、ビニル、アリル、エチニル、t−ブチル、2−クロロエチル、2−アミノエチル、エチルオキシエチル、フェニル、ベンジル、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、アミノから選択される。
前記修飾は、下記:
−ポリアクリル酸又はポリアスパラギン酸、
−ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン又はポリリシン、
−C1〜C20若しくはC6〜C20、好ましくはC8〜C18炭素鎖、又はペルフッ素化炭素鎖、
−ビオチン又はポリヒスチジン、
−式:−O−SiR3〔式中、Rは、炭素1〜6個の有機部分、フェニル残基又は−O−SiR3基であることができ、ここでR=脂肪基Cn2n+1(n=1〜8)又は芳香族基である〕を有するシロキサン、
−好ましくは蛍光標識、放射性標識、酵素、リガンド又は標識の親和物(affinant)からなる群より選択される標識を含む修飾
からなる群より選択することもできる。
更なる適切な修飾は、上記で考察され、参照として本明細書に組み込まれた従来技術に関して上記に記載されている。更なる実施態様によると、修飾は親和性を硫黄親和性マトリックスへと変える。例えばビオチン又はポリヒスチジンのような親和性タグを修飾として前記ポリヌクレオチドに結合することも、実現可能である。それぞれの修飾は、検出使用/用途に特に適している。
本発明により使用することができる更なる修飾及びそれをリボース環を含むポリヌクレオチドに結合する方法は、米国特許第6,967,290号に記載されており、その教示は全体的に参照として本明細書に組み込まれる。
更なる実施態様によると、前記修飾は、好ましくは蛍光標識、放射性標識、酵素、リガンド又は標識の親和物からなる群より選択される標識を含む。
固体支持体として、核酸結合マトリックス、膜、粒子、実験室器具、例えばチップ、マイクロタイタープレート、管又は容器のような特定の支持体を使用することができる。
一つの態様によると、本発明は、ある割合のリボース環が2′−OH位置で共有的に修飾されているポリヌクレオチド、特にRNAをプローブとして使用することを提供する。プローブを例えば蛍光又は放射性標識で標識化することができる。例えば、修飾mRNAは、例えば遺伝子発現の研究に使用される「バイオチップ」用途において、発見ユーティリティである、ハイブリダイゼーションの標識プローブとして機能する。これらは検出方法の例である。
したがって、前記重合反応は、逆転写、PCR又は重合剤を使用する恒温増幅のようなポリメラーゼ反応を含むことができる。
更なる態様において、本発明は、リボース環を含むポルヌクレオチドの複製方法であって、上記に記載された修飾リボース環を含むポリヌクレオチド得ること及び核酸ポリメラーゼを使用して修飾ポリヌクレオチドを複製し、相補的ポリヌクレオチドを形成することを含む方法を提供する。本発明によるポリリボヌクレオチドの修飾は、研究室操作において比較的安定している複製可能なポリヌクレオチドを提供することができるので、ポリヌクレオチドをDNAの代替物として一連の用途に使用することができる。相補的ポリヌクレオチドは、RNA、DNA又はそのハイブリッド若しくは修飾形態を含むことができる。
例えば、相補的ポリヌクレオチドは、cDNAを含むことができ、核酸ポリメラーゼは、DNAポリメラーゼを含むことができる。そのようなポリメラーゼは、下記に詳細に考察されている。
mRNAをcDNAにコピーすることは、cDNAクローニング、DNA配列決定、薬剤スクリーニングプログラムのためのタンパク質産生及び特定の遺伝子の機能を理解することを含む用途において、完全な代表的コピーを得るために重要な方法である。従来は、全てにおいて、阻害のような多くの関連する問題が関与する逆転写酵素の活性が必要である。
cDNAの合成及びクローニングは、mRNAを2本鎖DNAにコピーし、これをDNAベクターにクローニングするために、一連の複雑な酵素工程を含む。本明細書で使用されるとき、cDNAという用語は、リボ核酸鎖(RNA)をテンプレートとして使用して合成された相補的DNA分子を意味する。多くの手法がcDNAクローニングについて知られており、全てが可能な限り最初の配列を保存しようと試みている(オカヤマ(Okayama)及びベルグ(Berg)(1982)分子細胞生物学(Mol. Cell. Biol.)2;161、グブラー(Gubler)及びホフマン(Hoffman)(1983)遺伝子(Gene)25:283)。
従来は、3つの工程:1)mRNA単離、2)第1鎖cDNA合成又は3)第2鎖合成のうちの少なくとも1つ以上において問題が生じる可能性がある。mRNA出発材料が分解すると、不完全な形態のcDNAが必然的にもたらされる。本発明の一つの用途は、mRNAの完全なコピーを単離するために、mRNA分子を安定化することである。本発明により修飾されたmRNAを、逆転写酵素のテンプレートとして使用することができる。
完全長のcDNAを得ることは、遺伝子を特徴決定する場合に最も困難であるが、重要な仕事の一つである。最も一般的には、cDNAライブラリーは、mRNAプールをcDNAコピーに完全に変換することにより産生されるが(グブラー(Gubler)及びホフマン(Hoffman)(1983)遺伝子(Gene)25:263〜269)、最も一般的な結果は、出発mRNAの不完全な提示の産生である。
mRNAの完全長cDNAコピーを単離する方法には、PCRを使用して完全長cDNAを単離する方法として1988年に最初に記載された(フローマン(Frohmann)ら、(1988)米国科学アカデミー紀要(Proc. Natl. Acad. Sci. USA)85、8998〜9002)RACE(cDNA末端の急速増幅)が含まれる。関連する方法が概説されている(シェーファー(Schaefer)(1995)分析生化学(Anal. Biochem.)227:255〜273)。これらの方法は、単一のcDNA分子の5′及び3′末端の検索には成功する可能性があるが、相当な技術を必要とし、mRNAの豊富さに大きく依存しており、1度に1回しか行うことができない。
本発明によるポリヌクレオチドの複製方法は、ベクターを、ポリヌクレオチドと相補的ポリヌクレオチドを含む1本又は2本鎖ポリヌクレオチドに連結する工程を更に含むことができる。この方法において、分子クローニング処理は、本発明の修飾ポリヌクレオチドを使用して達成することができる。
本発明のこの実施態様では、RNAがホルミル化により修飾されることが特に好ましい。RNAのようなホルミル化ポリリボヌクレオチドは、逆転写酵素の優れたテンプレートとして機能する。しかし、最適な反応条件は、RNAに使用されるものと異なる。最も重要な差は、反応に存在する二価金属カチオンである。MULVは、例えば2.5又は5mMの最終濃度のMgCl2の存在下でホルミル化RNAを逆転写するが、金属イオンはマンガンであることが好ましい。マンガンは、多くのDNAポリメラーゼの特異性を、それらのテンプレート特異性が緩和されるように変えることが知られている。例えば、逆転写酵素は、DNAテンプレートを容易にコピーし、DNA依存性DNAポリメラーゼは、マンガンイオンの存在下でRNAテンプレートを使用することができる。このことは、マンガンイオンの存在下でのホルミル化RNAのテンプレート活性の増強を説明することができる。Mn濃度は特に限定されないが、最も好ましい(最適な)Mn濃度は、1.2〜1.4mMである。反応は、過剰量の3mM又は0.1mM未満のマンガンを含有する緩衝液では、効果が不十分である(cDNA産物がほとんど検出されない)。1mMのマンガンイオンと0.5又は1mMのマグネシウムイオンの混合物のような2種類の金属イオンの混合物を、本発明において用いることもできる。詳細については、米国特許第6,867,290号も参照すること。
200mMの最終トリス−HCl緩衝液(22℃でpH8.4)濃度は、Superscript II(Life Technologies, USA)の産生プロトコールに規定されている50mMよりも多くのcDNA産物を生じる。トリス−HCl濃度を更に350mMに増加すると、cDNA収量を僅かに低減する。
重合/増幅に成功裏に使用することができる酵素には、Superscript II(Life Technologies)、MULV RNase H+(Promega)、MULV RNase H-(Promega)、Expand(Roche Molecular Biochemicals)及びHIV−1逆転写酵素(Amersham Pharmacia)が含まれる。Supercript IIとAMVの混合物(Invitrogen, USA)を成功裏に使用することもできる。
ホルミル化BMV RNAは、核酸二次構造を低減することが知られているDMSO(例えば、10%DMSO)の存在下又はトリス−HCl緩衝液、pH7.5(例えば、22℃)又はKCl(例えば、150mM)において、逆転写されうる。
更なる態様において、本発明は、テンプレートから2本鎖オリゴ−又はポリヌクレオチドを産生する方法であって、テンプレートを、UTP、dTTP及び/又はdUTP、ATP及び/又はdATP、GTP及び/又はdGTP、並びにCTP及び/又はdCTPを含む複数のモノヌクレオチドと、核酸ポリメラーゼ及び場合によりテンプレートプライマーの存在下、モノヌクレオチドを重合する条件下で接触させて、テンプレートに相補的な核酸鎖を形成することを含む方法を提供し、ここでテンプレートはポリリボヌクレオチドを含み、ポリリボヌクレオチドにおけるある割合のリボース環は、2′−OH位置で共有的に修飾されて、核酸ポリメラーゼによるテンプレートの複製を可能にする置換基を有する。
驚くべきことに、オリゴ−又はポリリボヌクレオチドが本発明により修飾される場合、それにより産生されるオリゴ−又はポリリボヌクレオチドは、多様な核酸ポリメラーゼの1つ以上のテンプレートとして作用できることが見出されている。本発明の範囲内の核酸ポリメラーゼには、DNAポリメラーゼ、RNA依存性ポリメラーゼ及びRNA依存性RNAポリメラーゼが含まれる。
これらのうち、RNA依存性DNAポリメラーゼは、Superscript(商標)II(MMLV逆転写酵素RNase H-)、MMLV逆転写酵素、HIV逆転写酵素、AMV逆転写酵素、RAV−2逆転写酵素、ヒトT細胞白血病ウイルスI型(HTLV−I)逆転写酵素、ウシ白血病ウイルス(BLV)、ラウス肉腫ウイルス(RSV)、Tth DNAポリメラーゼ、Tfl DNAポリメラーゼ、Bstポリメラーゼ、Taq DNAポリメラーゼ、Thermoscript、C.thermポリメラーゼ、displaythermo-RT又はクレノーDNAポリメラーゼである。
これらのうち、DNA依存性DNAポリメラーゼは、DNAポリメラーゼI;−クレノーフラグメント;T4 DNAポリメラーゼ;T7 DNAポリメラーゼ;Taq DNAポリメラーゼ;Tli DNAポリメラーゼ;Pfu DNAポリメラーゼ;Vent(商標)DNAポリメラーゼ;Deep Vent(商標)DNAポリメラーゼ;Bst DNAポリメラーゼ;Tth、Pfu Turbo(商標)、Pfu(エキソ−)、Pwo、Pyra(商標)、Tfu、KlenTaq、Taq2000(商標)、AmpliTaq Stoffelフラグメント、Sequenase(商標)、Tma、Vent(登録商標)(エキソ−)、Deep Vent(登録商標)(エキソ−)、又はサーモスピロ・アフリカヌス(Thermosipho africanus)、サーモトガ・マリティマ(Thermotoga maritima)、デスフロコッカス・モビリス(Desulfurococcus mobilis)、メタノバクテリウム・サーモオートトロフィクム(Methanobacterium thermoautotrophicum)、メタノサーマス・フェルビダス(Methanothermus fervidus)、パイロコッカス・フリオサス(Pyrococcus furious)、ピロディクティウム・オクルタム(Pyrodictium occultum)、スルフォロブス・アシドカルダリウス(Sulfolobus acidocaldarius)、S・ソルファタリカス(S. solfataricus)、サーモコッカス・リトラリス(Thermococcus litoralis)若しくはサーモプラズマ・アシドフィルム(Thermoplasma acidophilum)から生成されたDNAポリメラーゼである。
これらのうち、RNA依存性RNAポリメラーゼは、Qベータレプリカーゼ、並びに大腸菌ファージf2、R17、MS−若しくはo/6から誘導されるもの、又はブロモウイルス科、フラビウイルス科、ピコルナウイルス科、ポティウイルス科、トバモウイルス属、トムブスウイルス科、 レヴィウイルス属、C型肝炎様ウイルス及びピコルナウイルスから選択される、若しくはポリオウイルス、黄熱ウイルス、タバコモザイクウイルス、ブロムモザイクウイルス、インフルエンザウイルス、レオウイルス、ミクソウイルス、ラブドウイルス及びパラミクソウイルスから選択されるウイルス科から誘導される。
核酸ポリメラーゼは、4つの重複する群に分類することができる。分類は、コピーされたテンプレートの種類(RNA又はDNA)及び産生された相補的核酸鎖の種類(RNA又はDNA)に基づいている。インビボにおいて核酸ポリメラーゼは、はっきりとした活性を有するが、テンプレート及び基質モノヌクレオチドのインビトロ特異性は、あまりはっきりとはしていない。一例として、インビトロにおいて、Taq及びTth DNAポリメラーゼのような特定のDNA依存性DNAポリメラーゼは、RNA依存性RNAポリメラーゼとしても挙動することができる。特異性は、緩衝液の条件、金属イオンの存在及び存在するモノヌクレオチドトリホスフェートの種類によって部分的に左右される。最後に、テンプレート鎖コピー及び産生された相補的鎖に関して特異性の少ない多くのポリメラーゼの突然変異形態が知られている(一例として、ガオ(Gao)ら(1997)米国科学アカデミー紀要(Proc. Natl. Acad. Sci. USA)94:407を参照すること)。したがって、一部の酵素は、上記のリストに2回以上現れる。
更なる態様において、逆転写は、重合反応の例として生じることができる。
更なる態様において、修飾リボース環を含む前駆ポリヌクレオチドは、重合剤の使用により増幅される。適切なポリメラーゼは、既知であり、上記に記載されている。
更なる態様において、本発明は、核酸ポリメラーゼのテンプレートに相補的な核酸鎖の産生のための核酸ポリメラーゼの使用を提供し、ここでテンプレートは、オリゴ−又はポリリボヌクレオチドを含むオリゴ−又はポリヌクレオチドを含み、オリゴ−又はポリリボヌクレオチドにおけるある割合のリボース環は、2′−OH位置で共有的に修飾されて、核酸ポリメラーゼによるテンプレートの複製を可能にする修飾を有する。核酸ポリメラーゼは、上記に定義された核酸ポリメラーゼのうちのいずれかであることができる。
更なる態様において、本発明は、核酸ポリメラーゼのテンプレートとしてのオリゴ−又はポリヌクレオチドの使用を提供し、ここでオリゴ−又はポリリボヌクレオチドにおけるある割合のリボース環は、2′−OH位置で共有的に修飾されて、核酸ポリメラーゼによるテンプレートの複製を可能にする修飾を有する。
これらの使用のいずれかは、例えば逆転写に関連するか又はRT−PCRを含むポリメラーゼ連鎖反応における使用に関連する。
検出反応の一例は、ハイブリダイゼーション反応である。したがって、なお更なる態様において、本発明は、ハイブリダイゼーション反応において、ある割合のリボース環が2′−OH位置で共有的に修飾されている、mRNA又はウイルスRNAを含むポリヌクレオチドの使用を提供する。更に、蛍光染料を検出試薬として使用することができる。
本発明のこの態様によると、本発明により修飾されたRNAは依然として核酸でハイブリダイズできることが見出されている。修飾RNAはその未修飾対応物よりも分解に対して安定しているので、分析の間及び前での分解の問題が回避される。超清浄な作業環境又はRNaseの高価なインヒビターの使用を伴うような、RNA分解を予防するために使用される極端な手段の必要性がなくなる。
典型的には、ハイブリダイゼーション反応は、プローブと、遺伝子発現分析に関与するようなオリゴ−及びポリ−ヌクレオチドの混合物を含むことができる、ポリヌクレオチドを含むテンプレートとのハイブリダイゼーションを含む。
あるいは、ハイブリダイゼーション反応は、テンプレートと、ポリヌクレオチドを含むプローブとのハイブリダイゼーションを含む。
プローブ又はテンプレートを、ハイブリダイゼーション膜、ビーズ、粒子、スライド、シート、ゲル、マイクロタイターストリップ、管、繊維又はキャピラリーのような固相に固定化することができる。この態様において、例えば、固定化を可能にし、前記ポリヌクレオチドを保護するが、ポリヌクレオチドの構造を、ハイブリダイゼーション反応を著しく妨げるように変えない第2及び/又は第3の修飾を可能にするため、異なる修飾を使用することも有利である。
固相は、ニトロセルロース、アガロース、アクリルアミド、セルロース、ラテックス、ナイロン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、PVDF(フッ化ポリビニリデン)、ポリテトラフルオロエチレン、シリカ系材料、ガラス、金属合金、金、磁気材料又は常磁性材料のような物質から作製することができる。他の材料も上記に記載された。
ハイブリダイゼーション反応は、典型的には上記の固相のいずれか1つを使用するブロッティングプロセスを含むことができる。
プローブ又はテンプレートを、別の分子又は分子の群に結合することができる。多くの場合に、プローブ又はテンプレートを、蛍光標識、放射性標識及び酵素、リガンド又はそのような標識の親和物であることができる標識で標識化することが望ましい。炭水化物標識化における蛍光標識は、米国特許第6,048,707号に記載されており、参照として本明細書に組み込まれる。分子又は分子群は、それ自体、分子群が検出可能な反応を起こすことができる又は検出可能な実体に結合することができるという意味において、標識を含むことができる。分子又は分子群は、ペプチド、抗体のようなポリペプチド、酵素、タンパク質A又はストレプトアビジンのような親和性パートナー、レセプタータンパク質、ビオチン、ジニトロフェニル、ジゴキシゲニン又は他のハプテン若しくはレクチンのようなリガンド、又はフルオレセイン、ローダミン、テキサスレッド、cy−5、TAMRAのような標識、又は着色色素産生、化学発光性若しくは着色マーカーを含むことができる。
プローブは、分岐鎖DNA(bDNA)プローブを含むことができる。
更なる実施態様において、ポリヌクレオチドは、抗体アルカリホスファターゼ複合体のように第3の分子に結合していることができる。
ポリヌクレオチドは、例えばインビボにおけるアンチセンスハイブリダイゼーション反応に使用されるアンチセンス剤を含むことができる。
更なる使用によると、ポリヌクレオチドは、リガンドに対して特異的結合親和性を有し、ハイブリダイゼーション反応は、ポリヌクレオチドと、リガンドを含む標的とのハイブリダイゼーションを含む。
本発明の更なる態様によると、2つの異なる種類の核酸の混合物から標的核酸を単離、精製又は調製する方法が提供され、ここで前記核酸の1つは、リボース環を含むポリヌクレオチドである。前記方法は、以下の工程:
−リボース環を含む前記ポリヌクレオチドを、前記ポリヌクレオチドのリボース環の2′−OH位置の修飾が可能な反応体と接触させる工程、
−前記ポリヌクレオチドを前記反応体と反応させて、修飾ポリヌクレオチドを産生する工程であって、前記リボース環の少なくとも一部が2′−OH位置に修飾を含み、前記修飾が、前記ポリヌクレオチドの化学的又は物理的特性を変える工程、
−標的核酸を単離する工程
を含む。
記載された方法は、例えば、標的核酸としてDNA及び/又はRNAを単離するのに有用である。
例えば、試料からDNAを精製するとき、RNAは、基本的に汚染物であり、したがって精製された標的核酸に存在するべきではない。したがって、従来技術は、RNAを分解するために、例えばRNaseを使用する。しかし、代替的で改善された方法が望まれている。対応する代替的方法が本発明により提供される。この原理によると、リボース環を含むポリヌクレオチド(RNA)は、2′−OH位置で修飾される。それぞれの修飾は、リボース環を含むポリヌクレオチドが、支持体、例えば核酸結合マトリックスに対してより強力に吸着/結合し、それにより核酸結合マトリックからの溶離を防止する効果を有する。これは、リボース環を含むポリヌクレオチドが核酸結合マトリックスへの結合を保持し、それにより標的核酸、ここではDNAと一緒に溶離しない効果を有する。したがって、本発明の対応するプロトコールを使用する場合、基本的にRNA汚染は溶離液中に見られない。例えば、酢酸無水物を、リボース環を含むポリヌクレオチドを修飾するために使用することができる。
リボース環を含むポリヌクレオチドの対応する修飾を達成するために幾つかの選択肢がある。例えば、リボース環を含むポリヌクレオチドの修飾は、以下の工程:
−標的核酸を含む試料の溶解の際に修飾試薬を添加する工程、
−リボース環を含むポリヌクレオチドを核酸結合マトリックスと接触させるときに修飾試薬を添加する工程、
−リボース環を含むポリヌクレオチドを核酸結合マトリックスに吸着させる間に修飾試薬を添加する工程
のうちの少なくとも1つにより実施することができる。
例えば、修飾剤は、溶解緩衝液に加えることができる。これは、リボース環を含むポリヌクレオチドが、核酸結合マトリックスと接触する前に既に修飾されているという効果を有する。良好な結果は対応するプロトコールによって達成される。しかし、多くの場合に異なる溶解緩衝液が、異なる組織/試料から標的核酸(DNA)を単離するために使用される。この場合、対応する溶解緩衝液の適合を回避したいと望む場合もある。この場合、異なるプロトコールを修飾に使用することができる。本発明の原理は、リボース環を含むポリヌクレオチドが核酸結合マトリックスに既に結合/吸着している場合にも機能する。したがって、修飾剤を結合緩衝液に加えること、又は核酸と核酸結合マトリックスとの結合が生じた後でも加えることが可能である。リボース環を含むポリヌクレオチドは、核酸結合マトリックスと結合している間も効率的に修飾される。修飾によって、リボース環を含む修飾ポリヌクレオチドと核酸結合マトリックスとの相互作用は、基本的に、リボース環を含む修飾ポリヌクレオチドが溶離液中に全く見られないか又は少なくとも低減された量で見られるように増強される。したがって、本発明の方法は、RNA汚染を有さないか又はその少なくとも低減した量を有する極めて純粋なDNAの精製を可能にする。
本発明により使用することができる適切な修飾が上記に記載され、記載された方法と一緒に使用することもできる。基本的に、任意の核酸結合マトリックスを本発明の原理に従って支持体として使用することができる。例えば、シリカ、ガラス、ゼオライト、酸化アルミニウム、二酸化チタン、セラミック又はポリマー核酸結合マトリックスのような、核酸結合に有用であることが知られている任意の固相を使用することができる。管、容器、チップ及びマイクロタイタープレートのような他の適切な支持体が、上記に記載された。それぞれの支持体には、上記に記述された物質の核酸結合表面を備えることもできる。
好ましくは、特に疎水性表面を有する核酸結合マトリックスを使用する場合、修飾は、修飾として疎水性基を導入し、RNAの全体的な疎水性を増強することが好ましい。それにより、RNAは核酸結合マトリックスにより良好に結合する。荷電核酸結合マトリックスが使用される場合、リボース環を含むポリヌクレオチドと、核酸結合マトリックスとの電荷を介した緊密な相互作用を可能にするために、対応する電荷を導入する修飾を使用することもできる。例えば、アミノ酸を、例えば疎水性基に加えて使用することができる。それにより、相互作用の特異性を制御することもできる。
上記に概説されたように、修飾RNAは、修飾によって核酸結合マトリックスと結合した状態を維持している。可逆的修飾が使用される場合、結合RNAを、修飾を逆転することにより核酸結合マトリックスから溶離することもできる。例えば、光反応性基が使用される場合、修飾を除去/逆転して、リボース環を含むポリヌクレオチドの溶離を可能にするために、リボース環を含む結合ポリヌクレオチドを有する核酸結合マトリックスを照射することができる。
それにより、RNA及び/又はDNAの特異的単離を可能にする方法が提供される。
したがって、それぞれの可逆的修飾を使用する場合、本発明の方法は、DNAのような他の核酸を含む試料から極めて純粋なRNAを単離するためにも適している。更に、この方法は、リボース環を含むポリヌクレオチドを含む試料から極めて純粋なDNAを得るために有用である。
一つの態様によると、標的核酸は、リボース環を含む前記ポリ核酸である。したがって、前記方法は、精製されたRNAを得るために適している。修飾は、対応する精製されたRNAを得るために有利に使用することができる。
一つの実施態様によると、前記修飾ポリ核酸は、その修飾を介して支持物質にそれぞれ会合的に結合している。それゆえ、単離は前記支持体を介して(例えば、粒子のような核酸結合マトリックスに結合しているRNAの抽出により)生じる。それぞれの支持体に適切な物質は、上記に記載されている。
前記修飾ポリヌクレオチドを、単離/精製/調製の後で重合/増幅することができる。一つの実施態様によると、リボース環を含む前記修飾ポリ核酸を、重合剤で処理することができる。リボース環を含む修飾ポリヌクレオチドは、逆転写分子を生成するため又はポリメラーゼ連鎖反応を実施するために、テンプレートとして使用することができる。前記重合/増幅は、前記核酸が前記支持体に固定化/結合されている間に生じることができる。
更なる実施態様によると、単離又は精製される標的核酸はDNAである。この場合、精製は、前記修飾ポリヌクレオチドを、ここでもリボース環の修飾を使用して、標的核酸DNAから分離することによって達成される。したがって、前記修飾ポリ核酸は、リボース環の前記修飾を使用して標的核酸から分離することができる。
リボース環の修飾を含むポリヌクレオチドの適切な修飾は、上記に記載されており、記載された単離/精製/調製方法にも属する。これは、異なる修飾、修飾の組み合わせ、修飾率が含まれるが、これらに限定されない、上記に記載された全ての態様に関連する。
更なる実施態様によると、リボース環を含む修飾ポリヌクレオチドを効率的に利用するように突然変異を誘発された重合剤が提供される。
上記に概説されたように、修飾の種類及び率に応じて、修飾ポリヌクレオチドは、前記修飾ヌクレオチドが多くの場合に適切なテンプレートとしてもはや認識されなくなるので、重合剤による処理に対して直接的に影響を受けなくなることがある。したがって、前記修飾ポリリボヌクレオチドテンプレートは、多くの場合に、RNA依存性DNAポリメラーゼ(例えば、RMV、HIV、MMLV、逆転写酵素)により又はTth−DNAポリメラーゼのようなDNA依存性DNAポリメラーゼにより、未修飾テンプレートと比較して同じように良好に逆転写されない。前記ポリメラーゼは、例として名前を挙げられているにすぎず、本発明の範囲を制限するべきではない。更なる適切な例が上記に記載されており、これも、対応する実施態様において使用可能である。
修飾ポリリボヌクレオチド(例えば、RNA)テンプレートを用いる場合、ポリメラーゼの低減された逆転写及び重合効率を克服するために、本発明は、最適化された酵素を得るためにそれぞれのポリメラーゼの突然変異誘発によりこの制限を克服することを目指す。突然変異誘発は、野生型ポリメラーゼと比較して、相補的ヌクレオチドを新生成長cDNA鎖に組み込む能力が増強された修飾RNAテンプレートの、効率的な認識及び結合を可能にすることが目的である。
したがって、方法は、リボース環を含むポリヌクレオチドを効率的に利用する能力を有する重合剤を選択するために提供され、ここで前記リボース環の少なくとも一部は、2′−OH位置で修飾を含み、前記修飾は、前記ポリヌクレオチドの化学的又は物理的特性を変える。前記方法は、以下の工程:
−前記重合剤に突然変異を誘発する工程、
−突然変異誘発重合剤を前記修飾ポリヌクレオチドと一緒にインキュベートする工程、
−前記重合反応の効率を検出する工程
を含む。
検出された効率に基づいて、適切なポリメラーゼを選択することができる。ポリメラーゼを、異なる修飾をテンプレートとして効率的に認識するように適合/進化させることもできる。例えば、異なる修飾ポリヌクレオチドを利用するように適合することができる。適切な修飾の例は上記に記載されており、前記対応する修飾を有するポリヌクレオチドを効率的に認識するように適合された対応する重合剤に進化させるために、記載されたアッセイに使用することができる。
一つの実施態様によると、上記のアッセイで試験される修飾ポリヌクレオチドは、そのリボース環に25%を超える修飾を有する。
好ましくは、重合剤はポリメラーゼである。RNA依存性ポリメラーゼ、DNA依存性DNAポリメラーゼ、DNA依存性RNAポリメラーゼからなる群より選択することができる(上記を参照すること)。
反応は、通常、望ましい場合は、場合により塩、dNTP及び1つ以上のオリゴヌクレオチドを含有する反応緩衝液も含む。オリゴヌクレオチドは、反応の開始するために特に適している。
重合反応は、恒温性であることができるか、又は加熱工程を用いるポリメラーゼ連鎖反応であることができる。
突然変異誘発酵素を得るために使用することができる適切な突然変異誘発方法は、現在の技術において良く知られている(例えば、ウォイセチョウスキー(Woycechowsky)、バムバカ(Vamvaca)「設計及び進化による新規酵素」(“Novel enzymes through design and evolution”);カウル(Kaur)、シャルマ(Sharma)「直接的進化:酵素操作の手法」(“Direct evolution: an approach to engineer enzymes”);ソウミリオン(Soumillion)、ファストレツ(Fastrez)「触媒活性の選択の新規概念」(“Novel concepts for selection of catalytic activity”);チェン(Chen)「酵素操作:論理的再設計対直接的進化」(“Enzyme engineering: rational redesign versus directed evolution”);アンチカイネン(Antikainen)、マーチン(Martin)「タンパク質特異性を変える:技術及び用途」(“Altering protein specificity: techniques and applications”)を参照すること)。
ここで本発明を非限定例により記載する。
実施例1:
RNaseを使用する必要がなく、(例えば、プラスミド調製のために)DNAの単離を可能にする核酸結合マトリックスの例として、膜にRNAを非可逆的に結合するためのRNAの修飾:
標準的プロトコールに従ってRNeasy Mini Kit(Qiagen, Hilden)により単離された2μgのRNAを、異なる試薬を用いてSTABMRT Mini Kitプロトコール(RNAworks, Montpellier)に従って修飾して、リボースの2′−OH位置に異なる炭素鎖長さの修飾を有する修飾RNAをもたらした。単離したRNAを、最も困難な実験条件で使用するために、使用した。
水中の修飾及び未修飾RNAをスピンカラムに適用し、遠心分離した:
a)RNeasy Mini Spinカラム(ガラス繊維膜;Qiagen, Hilden)
b)PVDF膜を有するスピンカラム
流出液(flow−through)を、アガロースゲルによりRNAの存在について分析した。アガロースゲル分析によりRNAが検出されない場合、このことは、対応するRNA試料が膜により保持されたことを証明する。通常、実験の非カオトロピック緩衝液条件下では、RNAは、流出液に含有されると予測される。
RNAを、無傷の形態で使用するか又は部分的に分解して、プラスミド単離のために、例えばアルカリ性の溶解処理の際の加水分解的な分解をシミュレートした(無傷・対・分解)。
それぞれ15μlの流出液を、1%ホルムアルデヒドアガロースゲルで分析した。無傷の未修飾RNAを基準試料として使用した。図1a及び1bは、実験設定及び結果を概説している。略語は以下の意味を有する:
「C2」 アセチル修飾
「C5」 バレリル修飾
PVDF ポリフッ化ビニリデン
結果は、未修飾RNAは完全に流出液に含有されているが、修飾RNAは、その性質に関わりなく(無傷又は分解)スピンカラムにより保持されていることを実証する。このことは、例えばプラスミド(又は他のDNA)単離処理、続く膜のような適切な核酸マトリックスへの結合の間に実施されたRNAの修飾は、RNaseを使用する必要がなく試料からRNAを効率的に除去することができ、これはRNAの大きさ又は性質と無関係であることを証明している。
意図される川下での用途に従って物理的及び/又は化学的特性を設計するこのプロトコールによりRNAを修飾するのに使用できる、異なる特性を有する広範囲な他の一連の市販物質が存在する。例えば、アミノ酸無水物は、正荷電アミノ官能基(pH<7)を提供することができるか、又は4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジルクロロホルメートを使用して、感光性側鎖基を導入し、適切な波長での照射による容易な除去を可能にすることができる。
実施例2:
RNA修飾プロトコール
続いて、本発明と共に使用することができる異なるRNA修飾プロトコールを記載する。
a.標準的修飾プロトコール
対応するプロトコールは、RNAが多量に存在する場合に特に有用である。
1)4μlの予め冷却した(4℃)触媒(1−メチルイミダゾール)をマイクロ遠心分離管にピペットで移す
2)合計4μlの水中のRNAを5μgまで加え、混合し、氷上に設置する
3)40μlの予め冷却した(4℃)反応溶液(例えば、「C2」の場合では無水酢酸)を加え、ピペット操作により混合する
4)氷上で5分間インキュベートする
5)150μlの96〜100%エタノール及び5μlの3M NaClを加え、冷凍庫の中に5分間入れる
6)RNeasy Mini Spinカラム(Qiagen, Hilden, Germany)を適用し、>15,000×gで60秒間遠心分離し、流出液を廃棄する
7)500μlのBuffer RPE(Qiagen, Hilden, Germany)を適用し、>15,000×gで15秒間遠心分離し、流出液を廃棄する
8)工程9を繰り返し、>15,000×gで更に60秒間遠心分離する
9)カラムから新たな管に移し、50μlの水又はBuffer EB(Qiagen, Hilden, Germany)を加え、15,000×gで60秒間遠心分離する
10)別の50μlの水又はBuffer EBを適用し、再び15,000×gで60秒間遠心分離する
溶離液は修飾RNAを含有する。
b)直接溶解プロトコール
対応するプロトコールは、標的核酸を抽出するために溶解する必要がある試料にRNAが存在する場合に有用である。
1)5〜25mgの組織試料を計量し、100μlの触媒(1−メチルイミダゾール)を加える
2)ポリトロン又はピストンを使用して試料を摩砕し、溶解する
3)400μlの予め冷却した(4℃)反応溶液(例えば、「C2」の場合では無水酢酸)を加え、短時間撹拌する
4)室温で10分間インキュベートする
5)400μlのSolution L(RNAworks, Montpellier, France)を加える
6)>15,000×gで2分間遠心分離する
7)上澄みを新たなマイクロ遠心分離管に移し、900μlの96〜100%エタノールを加える
8)RNeasy Mini Spinカラム(Qiagen, Hilden, Germany)を適用し、>15,000×gで60秒間遠心分離し、流出液を廃棄する
9)500μlのBuffer RPE(Qiagen, Hilden, Germany)を適用し、>15,000×gで15秒間遠心分離し、流出液を廃棄する
10)工程9を繰り返し、>15,000×gで更に60秒間遠心分離する
11)カラムから新たな管に移し、50μlの水又はBuffer EB(Qiagen, Hilden, Germany)を加え、15,000×gで60秒間遠心分離する
12)別の50μlの水又はBuffer EBを適用し、再び15,000×gで60秒間遠心分離する
溶離液は修飾RNAを含有する。
c)膜上修飾プロトコール
このプロトコールは、核酸結合マトリックスと結合している間にRNAを修飾する場合に有用である。
RNAが膜に結合するまで(洗浄工程の前に)標準的核酸精製プロトコールに従う。
1)20μlの触媒(1−メチルイミダゾール)をピペットで1.5mlの管に移し、80μlの反応溶液(例えば、「C2」の場合では無水酢酸)を加え、ピペット操作により混合し、直後に膜の中央に適用する
2)室温で5分間インキュベートし、>15,000×gで15秒間遠心分離する
3)単離処理の通常のプロトコール(洗浄工程)を続ける
無水物、ハロゲン化物のような全ての活性化カルボン酸も、反応性化合物として反応させることが可能である。テトラブチルアンモニウムフルオリド、テトラブチルアンモニウムブロミド、アミノピリジン又は4−ジメチルアミノピリジン(一般的にはアミノ官能化合物)のような他の触媒を使用することもできる。上記に記載した修飾により、リボース環を含むポリヌクレオチドを修飾するために適切な修飾及び触媒は、従来技術において既知である。
実施例3:
文献によると、修飾RNAはその二次構造を変え、それにより、RNAを相補的DNA(cDNA)に逆転写するのに慣用的に使用され、続いてポリメラーゼ連鎖反応に使用されて、試料に含有されている特定のRNA分子を検出し、潜在的に定量化するのに使用される逆転写酵素のようなRNA依存性酵素のためには不適切な基質になる。しかし、下記の実施例に記載されている修飾RNAは、そのような反応に適切な基質にするために複雑で時間のかかる工程により再修飾する必要がある。対照的に、そのような構造変化で作用することができる又は二次構造におけるそのような変化を元に戻す修飾ポリメラーゼ又は温度/緩衝液は、それぞれ、修飾RNAを、例えばPCR用途において直接ポリメラーゼの基質にするので、さらに好都合で合理化された手順をもたらす。
標準的プロトコールに従ってRNeasy Mini Kit(Qiagen, Hilden)により単離された2μgのRNAを、STABMRT Mini Kitプロトコール(RNAworks, Montpellier)に従って修飾した。
修飾RNAを前処理して構造を変えた:
a)前処理なし
b)95℃で15分間、室温に(ゆっくりと)冷却する
c)95℃で15分間、−20℃に(急速に)冷却する
それぞれ50ngを、RT-qPCR for GAPDH(QuantiTect SYBR Green RT-PCR Kit; Qiagen, Hilden)においてテンプレートとして使用した。図2は結果を示す。略語は以下の意味を有する:
エラーバー:範囲
NCT:非テンプレート対照
驚くべきことに、変化した二次構造のために逆転写酵素の標的とは考えられていない修飾RNAによって、明確なシグナルが得られる。異なる前処理手順では反応の性能に差を示さない。このことは、RTが、変化した二次構造を有する修飾RNAをテンプレートとして認識できることを意味する。性能が未修飾RNAと比較して現在のところ劣っていても、このことは、「新規」RNA構造に最適化された新規ポリメラーゼによって、PCRを、現在の酵素が「古典的な」RNA構造に対するのと同じ性能で実施できることを明確に実証している。同じ原理が、RT酵素と同様に他のポリメラーゼにも当てはまる。

Claims (18)

  1. 検出又は重合反応を実施する方法であって、
    −リボース環を含む修飾ポリヌクレオチドを使用する工程であって、前記リボース環の少なくとも一部が2′−OH位置で修飾を含み、前記修飾が前記修飾ポリヌクレオチドの支持体への固定化を可能にする工程、
    −前記修飾ポリヌクレオチドを支持体に固定化する工程、
    −ポリヌクレオチドをテンプレートとして又は検出の標的として使用して、検出又は重合反応を実施する工程
    を含む方法。
  2. 前記リボース環が、少なくとも2つの異なる修飾により修飾される、請求項1記載の方法。
  3. 修飾率が、75%未満、60%未満、50%未満、40%未満、30%未満、好ましくは25%未満である、請求項1又は2記載の方法。
  4. 前記修飾が、共有的及び/又は可逆的である、請求項1〜3の少なくとも1項記載の方法。
  5. 前記共有的修飾が、下記:
    −前記ポリヌクレオチドの全体的な電荷を変える修飾、
    −前記ポリヌクレオチドに親和性タグを提供する修飾、
    −前記ポリヌクレオチドの疎水性を変える修飾、
    −親和性を硫黄親和性マトリックスへと変える修飾、
    −感光性側鎖を導入する可逆的修飾
    からなる群より選択される、請求項1〜4の少なくとも1項記載の方法。
  6. 前記修飾が、置換基OR若しくはOR′(ここでRが、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アミノアルキル、ハロアルコキシアルキル、アミノアルコキシアルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アルカノイル、アルケノイル、ハロアルカノイル、ジハロアルカノイル、トリハロアルカノイル、ハロホルミルアルカノイル、アミノアルカノイル、アリールアルカノイル、アリールアルケノイル、アルコキシアルカノイル、アリールオキシアルカノイル、アルキルアリールアルカノイル、アジドアルカノイル、カルボキシアルカノイル、カルボキシアルケノイル、カルボキシアルキノイル、ハロアリールアルカノイル、アミノアリールアルカノイル、アルキルアミノアリールアルカノイル、ハロアルケノイル、ハロアルキノイル、アルキルシラニル、トリアルキルシラニル、アルコキシカルボニル、アルキルチオアルコキシアルキコシカルボニル、アルケニルオキシカルボニル、アルコキシアルコキシアルキル、アルコキシアルキル、アルキルチオアルキル、アルキルスルホニル、ジアリールホスホンから選択され、前記置換基が、場合により置換されていることができる)又は置換基R′(ここでR′が、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アミノアルキル、ハロ、アミノ、アルキルアミノ、アリール、アルキルアリール、アリールアルキルから選択され、前記置換基が、場合により置換されていることができる)を含む、請求項1〜5の少なくとも1項記載の方法。
  7. R及び/若しくはR′が、メチル、エチル、ビニル、アリル、エチニル、2−クロロエチル、2−アミノエチル、エチルオキシエチル、メトキシメチル、メチルチオメチル、メトキシエトキシメチル、(2−クロロエチル)オキシエチル、(2−アミノエチル)オキシエチル、フェニル、4−メチルフェニル、ベンジル、シンナミル、ホルミル、アセチル、プロパノイル、ブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、ノナノイル、ピバロイル、イソブタノイル、イソペンタノイル、カルボキシアセチル、クロロホルミルノナノイル、3−カルボキシプロパノイル、4−アミノブタノイル、4−クロロブタノイルクロロアセチル、ジクロロアセチル、トリフルオロアセチル、トリクロロアセチル、3−アジドプロパノイル、4−アジドブチリル アクリロイル、プロピオロイル、クロトノイル、ベンゾイル、ジフェニルアセチル、フェノキシアセチル、メトキシアセチル、メトキシカルボニル、2−(メチルチオメトキシ)エトキシカルボニル、ビニルオキシカルボニル、4−メチルベンゾイル、4−クロロベンゾイル、2−メチルアミノベンゾイル、2−アミノベンゾイル、4−アミノベンゾイル、4−ニトロベンゾイル、シンナモイル、シラニル、トリメチルシラニル、トリエチルシラニル、トリプロピルシラニル、トリイソプロピルシラニル、t−ブチルジメチルシラニル、2−クロロフェニル(4−ニトロフェニル)ホスホノ、メチルスルホニルから選択され、R′が、メチル、エチル、ビニル、アリル、エチニル、t−ブチル、2−クロロエチル、2−アミノエチル、エチルオキシエチル、フェニル、ベンジル、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、アミノから選択される
    請求項6記載の方法。
  8. 前記修飾が、下記:
    −ポリアクリル酸又はポリアスパラギン酸、
    −ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン又はポリリシン、
    −C1〜C20若しくはC6〜C20、好ましくはC8〜C18炭素鎖、又はペルフッ素化炭素鎖、
    −ビオチン又はポリヒスチジン、
    −式:−O−SiR3〔式中、Rは、炭素1〜6個の有機部分、フェニル残基又は−O−SiR3基であることができ、ここでR=脂肪基Cn2n+1(n=1〜8)又は芳香族基である〕を有するシロキサン、
    −好ましくは蛍光標識、放射性標識、酵素、リガンド又は標識の親和物からなる群より選択される標識を含む修飾
    からなる群より選択される、請求項1〜7の少なくとも1項記載の方法。
  9. 前記支持体が、核酸結合マトリックス、膜、粒子、実験室器具、例えばチップ、マイクロタイタープレート、管及び容器からなる群より選択される、請求項1〜8の1項記載の方法。
  10. 少なくとも2つの異なる種類の核酸の混合物から標的核酸を単離、精製又は調製する方法であって、前記核酸の1つが、リボース環を含むポリヌクレオチドであり、以下の工程:
    −リボース環を含む前記ポリヌクレオチドを、前記ポリヌクレオチドのリボース環の2′−OH位置の修飾が可能な反応体と接触させる工程、
    −前記ポリヌクレオチドを前記反応体と反応させて、修飾ポリヌクレオチドを産生する工程であって、前記リボース環の少なくとも一部が2′−OH位置に修飾を含み、前記修飾が、前記ポリヌクレオチドの化学的又は物理的特性を変える工程、
    −標的核酸を単離する工程
    を含む方法。
  11. 前記修飾ポリ核酸が、単離/精製/調製のために、前記修飾を介して支持体に固定化される、請求項10記載の方法。
  12. 前記支持体が核酸結合マトリックスである、請求項11記載の方法。
  13. リボース環を含むポリヌクレオチドの修飾が、以下の工程:
    −標的核酸を含む試料の溶解の際に修飾試薬を添加する工程、
    −リボース環を含むポリヌクレオチドを核酸結合マトリックスと接触させるときに修飾試薬を添加する工程、
    −リボース環を含むポリヌクレオチドを核酸結合マトリックスに吸着させる間に修飾試薬を添加する工程
    の少なくとも1つにより実施される、請求項10〜12の少なくとも1項記載の方法。
  14. 前記修飾が、請求項2〜9の1項に記載されているとおりである、請求項10〜13の少なくとも1項記載の方法。
  15. リボース環を含むポリヌクレオチドを効率的に利用する能力を有する重合剤を選択する方法であって、前記リボース環の少なくとも一部が、2′−OH位置で修飾を含み、前記修飾が、前記ポリヌクレオチドの化学的又は物理的特性を変え、下記の工程:
    −前記重合剤に突然変異を誘発する工程、
    −突然変異誘発重合剤を前記修飾ポリヌクレオチドと一緒にインキュベートする工程、
    −前記重合反応の効率を検出する工程
    を含む方法。
  16. 25%を超えるリボース環が修飾されている、請求項15記載の方法。
  17. 反応が、塩、dNTP及び少なくとも1つ以上のオリゴヌクレオチドを含有する反応緩衝液を含む、請求項15又は16記載の方法。
  18. 恒温増幅反応の一部である及び/又はポリメラーゼ連鎖反応の一部である、請求項15又は17記載の方法。
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