JP5357893B2 - 迅速超長鎖pcrのための単一酵素系 - Google Patents

迅速超長鎖pcrのための単一酵素系 Download PDF

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    • C12Q1/686Polymerase chain reaction [PCR]

Description

関連出願に対するクロスリファレンス
本出願は、2007年12月27日出願の米国仮特許出願第61/016,850号、および2008年1月31日出願の第61/025,047号に優先権を請求し;該出願の全開示は、その全体が本明細書に援用される。
発明の分野
本発明は長鎖核酸断片の合成法に関する。特に、本発明は、単一DNAポリメラーゼを含有する配合物を用いて、長鎖および超長鎖核酸断片を増幅するためのPCR法に関する。
ゲノミクスの分野が発展してくるにつれて、ますます長い連続したストレッチの核酸を単離しそして分析する必要性が増加してきている。疾患遺伝子発見および分析のための方法は、これらの配列を容易にそして迅速に得る能力によって促進されるであろう。例えば、遺伝的ハプロタイプの分析は、長い連続したDNAに渡って、マーカーアレルを決定する必要があるが、この分析は、現在、非常に困難であり、そしてしばしば統計的方法によって行われる。単純にそして迅速に、長い連続したストレッチのDNAを単離可能な方法があれば、この分析が非常に単純化され、そしてこの分野における新規研究が可能になるであろう。
非常に長いDNAを増幅するための現在の方法は、いくつかの欠点に苦しむ。Chengら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 91(12):5695−5699(1994)。反応は遅く、伸長時間は、伸長アンプリコン1kbあたり、1.0分の桁である。したがって、20kbアンプリコンは、周期あたり20分より長い伸長時間または6時間を超えるPCR反応時間を要する。より大きいDNAの増幅は極めて遅い。PCRの、上昇した温度でのこうした長時間のインキュベーションは、反応中のヌクレオチド、DNAおよびポリメラーゼの物理的および化学的安定性に負担をかけ、そしてしたがって改善が困難になっている。また、この長さのDNAを増幅するための現在の商業的キット配合物は、3’−5’校正活性を持つポリメラーゼおよび非校正DNAポリメラーゼの2つの別個のDNAポリメラーゼの混合物を必要とする。この配合物は2つのポリメラーゼを必要とするため、最適化し、トラブル解決し、または制御するのが困難である。したがって、単純な単一酵素配合物を用いた、長鎖核酸断片の迅速な増幅法があることが望ましい。
米国ワシントン州沖の深海孔フランジ(deep vent flange)、ファンデフーカ海嶺のエンデバー・セグメントから得られた好熱性生物、テルモコッカス・バロッシー(Thermococcus barossii)から、Tba DNAポリメラーゼの熱安定性DNAポリメラーゼ遺伝子が単離され、そしてクローニングされた(Duffaud GD, Syst Appl Microbiol. 21(1):40−49(1998))。精製されたTba DNAポリメラーゼの性質決定によって、該酵素がDNA依存性DNAポリメラーゼ活性に加えて、活性校正機能を所持することが示された。他のDNAポリメラーゼに比較すると、Tba DNAポリメラーゼがファミリーB DNAポリメラーゼのメンバーであり、そしてPfuおよびT.リトラリス(T. littoralis)DNAポリメラーゼと比較して、およそ80%保存されることが明らかになった(US 5,602,011)。
いくつかのポリメラーゼにおいて、FDIET配列をFAIATに改変すると、ヌクレアーゼ活性が減少することが示されてきている(Derbyshire, V.ら, Science 240:199−201, 1988; Bernad, A.ら, Cell 59:219−228, 1989; Frey, M.W.ら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:2579−2583, 1993; US 5,489,523)。US 5,882,904は、Tba DNAポリメラーゼを操作して、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を減少させうることを開示する。具体的には、FDIETアミノ酸配列(天然Tba DNAポリメラーゼの残基140〜144)をFAIATに改変して、エキソDNAポリメラーゼを生成した。
US 5,602,011 US 5,489,523 US 5,882,904
Chengら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 91(12):5695−5699(1994) Duffaud GD, Syst Appl Microbiol. 21(1):40−49(1998) Derbyshire, V.ら, Science 240:199−201, 1988 Bernad, A.ら, Cell 59:219−228, 1989 Frey, M.W.ら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:2579−2583, 1993
長鎖DNA断片をPCR増幅するための新規方法を開示する。これは、単一DNAポリメラーゼ系を用いて達成され、この系はまた、特に、約5kbより長い長鎖配列の増幅に関して、先に知られる方法よりも実質的により迅速である。生じた増幅産物を、ハイブリダイゼーション・プローブとして、配列決定テンプレートとして用いてもよく、そしてフィンガープリンティングのために、または他の下流分析目的のために、制限エンドヌクレアーゼで消化してもよい。
本発明の1つの側面において、長鎖核酸配列をPCR増幅するための方法を提供する。該方法はまず、核酸ターゲットを提供し;次いで、オリゴヌクレオチド・プライマー、単一の熱安定性DNAポリメラーゼおよびデオキシヌクレオシド三リン酸を添加して、反応混合物を形成し;そして次いで、熱周期条件下で反応混合物をインキュベーションして、増幅されたPCR産物を形成する、多数周期のプライマーの伸長によって、ターゲットの増幅を促進する工程を含む。
本発明は、他の酵素またはタンパク質またはペプチド補因子のいずれも存在しない中、長鎖PCR断片を増幅するために単一のDNAポリメラーゼ酵素を用いる点で、先のPCR法を改善する。単一酵素系は、長さ少なくとも10kb、例えば長さ少なくとも20kb、または長さ40kbを超える、またはさらに長さ100kbを超えるPCR産物を増幅可能である。
本発明はさらに、重合速度およびしたがって増幅速度が非常に増加している点で、先のPCR法を改善する。したがって、1kbあたり約1分よりはるかに少ない、またはさらに2kbあたり約1分より少ない、またはさらに5kbあたり約1分より少ない伸長時間しか必要とされない。特定の態様において、伸長時間は、10kbあたり約1分未満であり、またはさらに20kbあたり約1分未満である。
本発明の特定の態様において、単一の熱安定性DNAポリメラーゼは、Tba DNAポリメラーゼ、TbaエキソDNAポリメラーゼ、Tli DNAポリメラーゼ、TliエキソDNAポリメラーゼ、Pfu DNAポリメラーゼ、PfuエキソDNAポリメラーゼ、Deep Vent DNAポリメラーゼおよびDeep VentエキソDNAポリメラーゼの1つである。好ましい態様において、単一のDNAポリメラーゼはTba DNAポリメラーゼである。最も好ましい態様において、単一のDNAポリメラーゼはTbaエキソDNAポリメラーゼである。
いくつかの態様において、増幅される核酸ターゲットは、低複雑性核酸試料、例えばバクテリオファージまたはウイルス由来の精製DNAである。他の態様において、増幅される核酸ターゲットは、高複雑性ゲノムDNA、例えば植物または動物由来のゲノムDNAである。好ましい態様において、核酸ターゲットはヒト・ゲノムDNAである。
特定の態様において、増幅プライマーは、エキソヌクレアーゼ耐性プライマーである。1つの好ましい態様において、プライマーはLNAヌクレオチドを有するか、あるいはプライマーの3’末端またはその近傍に、通常のホスホジエステルの代わりに、1以上のホスホロチオエート連結を有する。
第二の側面において、長鎖核酸断片をPCR増幅するための配合物を提供する。配合物は、単一の熱安定性DNAポリメラーゼ、オリゴヌクレオチド・プライマー、dNTP、核酸テンプレートおよび増幅反応を実行するのに適した反応緩衝剤で構成される。この配合物を用いて増幅されるPCR断片は、長さ少なくとも10kbであるが、配合物には第二の酵素またはポリメラーゼまたはタンパク質またはペプチド補因子組成物は含まれない。好ましくは、新規配合物は、長さ少なくとも20kb、または長さ40kbを超える、またはさらに長さ100kbを超える、PCR産物を増幅する。
本発明の配合物に付加される利点は、重合または増幅の速度が非常に増加することである。したがって、2kbに関して約1分未満、またはさらに5kbに関して約1分未満の伸長時間しか必要でない。好ましい態様において、伸長時間は、10kbに関して約1分未満、またはさらに20kbに関して約1分未満である。
配合物中の単一のDNAポリメラーゼは、好ましくはTba DNAポリメラーゼである。最も好ましい態様において、ポリメラーゼはTbaエキソDNAポリメラーゼである。核酸テンプレートは、低複雑性核酸試料、例えばバクテリオファージまたはウイルス由来の精製DNA、またはあるいは高複雑性、ゲノムDNA、例えば植物または動物由来のゲノムDNAのいずれでもよい。好ましい態様において、核酸ターゲットは精製ヒト・ゲノムDNAである。増幅プライマーには、エキソヌクレアーゼ耐性プライマー、例えばLNAヌクレオチドを有するもの、あるいはプライマーの3’末端またはその近傍に、通常のホスホジエステルの代わりに、1以上のホスホロチオエート連結を有するものが含まれてもよい。
別の側面において、本発明は、少なくとも10kbの長鎖核酸産物をPCR増幅するためのキットを提供する。該キットは、単一の熱安定性DNAポリメラーゼ、ヌクレオチド、増幅反応を実行するのに適した反応緩衝剤、およびユーザーマニュアルを含む。場合によって、キットにはまた、LNAヌクレオチドを含有するか、あるいは3’末端またはその近傍に、通常のホスホジエステルの代わりに1以上のホスホロチオエート連結を含んで、エキソヌクレアーゼ耐性でありうる、オリゴヌクレオチド・プライマーも含まれる。キットの反応構成要素は、1以上のバイアル中で提供される。長鎖PCRキットには、第二の酵素、ポリメラーゼ、タンパク質またはペプチド補因子組成物は含まれないが、長さ少なくとも20kb、または長さ40kbを超える、またはさらに長さ100kbを超える、PCR産物を増幅する。
新規キットに付加される利点は、伸長速度が非常に増加することである。したがって、2kbあたり約1分よりはるかに少ない、またはさらに5kbあたり約1分より少ない伸長時間しか必要とされない。好ましい態様において、伸長時間は、10kbあたり約1分未満であり、またはさらに20kbあたり約1分未満である。
キット中の単一DNAポリメラーゼは、好ましくは、Tba DNAポリメラーゼである。最も好ましい態様において、ポリメラーゼはTbaエキソDNAポリメラーゼである。キットは、低複雑性、またはあるいは高複雑性、例えば植物または動物から単離されたゲノムDNAのいずれの核酸テンプレートを増幅するのにも適している。
本発明のさらに別の側面において、長鎖ターゲット核酸分子の相補鎖を合成するための方法を提供する。該方法はまず、ターゲット核酸分子を相補的プライマー分子に曝露して、ターゲットへのプライマーのハイブリダイゼーションを達成し;そして単一の熱安定性DNAポリメラーゼおよびdNTPの存在下、重合条件下で、プライマーを高温で伸長して、長さ10kbを超える核酸鎖を伸長する工程を含む。
本発明は、他のDNAポリメラーゼ酵素のいずれも存在しない中、長鎖相補的核酸鎖を伸長するための単一のDNAポリメラーゼ酵素を用いる。単一酵素系は、長さ少なくとも10kbの核酸鎖を伸長する。好ましくは、新規方法は、長さ少なくとも20kb、または長さ40kbを超える、またはさらに長さ100kbを超える核酸鎖を伸長する。本発明に付加された利点は、重合速度の増加にある。必要な重合時間または伸長時間は、2kbに関して約1分未満、またはさらに5kbに関して約1分未満である。好ましい態様において、伸長時間は10kbに関して約1分未満、またはさらに20kbに関して約1分未満である。
相補鎖伸長反応に有用な単一の熱安定性DNAポリメラーゼは、好ましくはTba DNAポリメラーゼである。より好ましくは、DNAポリメラーゼはTbaエキソDNAポリメラーゼである。いくつかの態様において、核酸ターゲットは低複雑性核酸試料である。他の態様において、ターゲットはゲノムDNA、例えば植物または動物由来のゲノムDNAである。
図1は、アガロース電気泳動ゲル上、Tba DNAポリメラーゼを用いて20kbラムダDNAアンプリコンを増幅した増幅産物を示す。予期される産物サイズを示す。M−DNAマーカー(HindIIIで切断したラムダDNA)。緩衝剤条件の変動を示す。 図2は、アガロース電気泳動ゲル上、変動する量のNew England Biolabsの熱安定性一本鎖DNA結合タンパク質(ET SSB)とともに、TbaまたはTbaエキソDNAポリメラーゼを用いて47kbラムダDNAアンプリコンを増幅した増幅産物を示す。予期される産物サイズを示す。M−DNAマーカー。 図3は、アガロース電気泳動ゲル上、Tba DNAポリメラーゼを用いて22kbラムダDNAアンプリコンを増幅した増幅産物を示す。予期される産物サイズを示す。M−DNAマーカー。緩衝剤条件の変動を示す:S−標準緩衝剤、ABI−GeneAmp XL PCR緩衝剤。伸長時間を示す。 図4は、アガロース電気泳動ゲル上、TbaまたはTbaエキソDNAポリメラーゼを用いて22kbラムダDNAアンプリコンを増幅した増幅産物を示す。予期される産物サイズを示す。M−DNAマーカー。伸長温度およびヌクレオチド濃度およびテンプレートDNA量の変動を示す。レーンの最後のセットはPCRサイクリングを伴わず、出発反応と同等の体積を含有する。 図5は、アガロース電気泳動ゲル上、変動する濃度の酢酸マグネシウムとともに、TbaエキソDNAポリメラーゼを用いて22kbラムダDNAアンプリコンを増幅した増幅産物を示す。予期される産物サイズを示す。M−DNAマーカー。バンド強度の定量的グラフもまた示す。 図6は、変動する濃度の投入テンプレートDNAとともに、TbaまたはTbaエキソDNAポリメラーゼを用いて22kbラムダDNAアンプリコンを増幅した増幅産物を示す。予期される産物サイズを示す。M−DNAマーカー。レーンの最後のセットはPCRサイクリングを伴わず、出発反応と同等の体積を含有する。 図7は、アガロース電気泳動ゲル上、増加する量のヒト・ゲノムDNAの存在下、通常のまたはホスホロチオエート・プライマーのいずれかとともに、TbaエキソDNAポリメラーゼを用いて22kbラムダDNAアンプリコンを増幅した増幅産物を示す。予期される産物サイズを示す。M−DNAマーカー。 図8は、アガロース電気泳動ゲル上、TbaエキソDNAポリメラーゼを用いて10.9kb大腸菌(E. coli)ゲノムDNAアンプリコンを増幅した増幅産物を示す。大腸菌ゲノムDNAの量を示し、PCR伸長時間の変動も示す。予期される産物サイズを示す。M−DNAマーカー。 図9は、アガロース電気泳動ゲル上、TbaエキソDNAポリメラーゼを用いて、大腸菌ゲノムDNA中の22kbラムダ溶原菌アンプリコンを増幅した増幅産物を示す。大腸菌ゲノムDNAの量を示し、PCR伸長時間の変動も示す。予期される産物サイズを示す。M−DNAマーカー。 図10は、アガロース電気泳動ゲル上、TbaエキソDNAポリメラーゼを用いて、黄色ブドウ球菌亜種アウレウス(Staphylococcus aureus subsp. aureus)の3つの株から単離されたゲノムDNAから10.9kbアンプリコンを増幅した増幅産物を示す。黄色ブドウ球菌ゲノムDNAの量を示し、PCR伸長時間の変動も示す。予期される産物サイズを示す。 図11は、アガロース電気泳動ゲル上、多様な濃度のテトラメチレンスルホキシド(TMSO)の存在下、TbaエキソDNAポリメラーゼを用いた、ロドバクター・スフェロイデス(Rhodobacter spheroides)から単離された非常にGCリッチであるゲノムDNA 10ng由来のいくつかのアンプリコンの増幅産物を示す。予期される産物サイズを示す。 図12は、アガロース電気泳動ゲル上、TbaエキソDNAポリメラーゼを用いて、ヒト・ゲノムDNAに存在するミトコンドリアDNAの12.4kbアンプリコンを増幅した増幅産物を示す。ヒト・ゲノムDNAの量を示し、PCR伸長時間および周期数の変動も示す。予期される産物サイズを示す。M−DNAマーカー。 図13は、アガロース電気泳動ゲル上、個々の増幅として、そして多重増幅においての両方で、TbaエキソDNAポリメラーゼを用いた、ヒト・ゲノムDNAにおけるいくつかのアンプリコンの増幅産物を示す。予期される産物サイズを示す。M−DNAマーカー。 図14Aおよび14Bは、アガロース電気泳動ゲル上、TbaエキソDNAポリメラーゼを用いた、ヒト・ゲノムDNAからのCFTR遺伝子全域の一連のタイル状のアンプリコンの増幅産物を示す。図14A。19〜20kbアンプリコン。予期される産物サイズを示す。M−DNAマーカー。図14B。タイル状のおよそ40kbのアンプリコン。数字はアンプリコン・マップを指す。図14C。CFTR遺伝子のアンプリコン・マップ。
開示する方法は、DNAの分析に、そして特に、しばしば遺伝子型ならびに元来の配列情報を決定するために用いられる、DNAの配列に応じた分析に関する。本発明はまた、DNA配列の増幅にも関する。増幅は、元来のものに相補的な配列を有し、元来の配列情報を保持する、DNAの新規鎖の合成を意味する。より具体的には、本発明は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のための改善法に関する。本出願者らは、改善法を用いると、10kbより長い長鎖PCR断片をルーチンに得ることも可能であり、そして先の方法に比較して、何分の1かの時間で可能であることを見出した。本方法を実行するための配合物およびキットがやはり提供される。
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は、核酸または核酸混合物中に含有される少なくとも1つの特定の核酸配列を増幅するためのプロセスと定義され、ここで各核酸は、2つの別個の相補鎖からなる。第一に、鎖を変性させ、そして特定の配列を増幅するための2つのオリゴヌクレオチド・プライマーと合わせる。一方のプライマーから合成される伸長産物が、相補体から分離された際に、他方のプライマーによって開始される合成のテンプレートとして働きうるようにプライマー配列が選択された。DNAポリメラーゼを用いてプライマーを伸長し、次いで、加熱または他の手段によって伸長産物を変性させて、一本鎖分子を産生する。アニーリング温度まで冷却すると、生成された一本鎖分子はプライマーとアニーリングし、そしてアニーリング温度または伸長温度で、DNAポリメラーゼによって伸長される準備が再び整う。このプロセスを1回以上反復して、プライマー部位「間」の配列(すなわちアンプリコン)の指数関数的増幅を生じる。例えばUS 4,683,202を参照されたい。
したがって、1つの側面において、本発明は、長鎖核酸配列をPCR増幅するための方法を提供する。該方法は、核酸ターゲットを提供し;オリゴヌクレオチド・プライマー、熱安定性DNAポリメラーゼおよびデオキシヌクレオシド三リン酸(dNTP)を添加して、反応混合物を形成し、そして熱周期条件下で反応混合物をインキュベーションして、多数の増幅されたPCR産物を形成するプライマーの伸長によって、ターゲットの増幅を促進する工程を含む。本出願者らは、予期せぬことに、特定のDNAポリメラーゼおよび緩衝剤組成を用いると、長鎖PCR断片がルーチンに増幅されることを発見した。該方法は長鎖断片を増幅するだけでなく、必要な伸長時間もまた実質的に減少させる。さらに、増幅は、他の酵素、タンパク質またはペプチド補因子を伴わずに、単一の熱安定性DNAポリメラーゼを用いて達成され、これは、2つの酵素の混合物を必要とする先行技術の長範囲PCR増幅法に付加される利点である。
熱安定性によって、不可逆的に不活性化されるかまたは変性することなく、何分間も95℃までの温度に耐える能力、および高温(60℃〜75℃)でDNAを重合させる能力を有することを意味する。特に、本発明者らは、ファミリーB熱安定性DNAポリメラーゼの特定のメンバーが、特定の条件下で、増加した速度で、さらなるDNAポリメラーゼ酵素のいずれも存在しない中、長鎖核酸断片を増幅させることが可能であることを見出した。好ましくは、熱安定性DNAポリメラーゼは、Tba、ピロコッカス・フリオシス(Pyrococcus furiosis)(Pfu)、テルモコッカス・リトラリス(Thermococcus litoralis)(Tli)およびピロコッカス属種GB−D(Deep Vent)DNAポリメラーゼからなる群より選択される。やはり好ましくは、熱安定性DNAポリメラーゼは、減少した3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有する。熱安定性DNAポリメラーゼは、好ましくはTba DNAポリメラーゼである。最も好ましくは、熱安定性DNAポリメラーゼはTbaエキソDNAポリメラーゼである。
「Tba DNAポリメラーゼ」は、テルモコッカス・バロッシーから天然に単離されたものに対応するDNAポリメラーゼを意味する。配列番号1は、本明細書にその開示の全体が援用されるUS 5,882,904に開示される、Tba DNAポリメラーゼの1つの好ましい型のアミノ酸配列である。
Tba DNAポリメラーゼ
「TbaエキソDNAポリメラーゼ」は、本明細書にその開示の全体が援用されるUS 5,882,904に開示される、天然単離Tba DNAポリメラーゼよりも減少した3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有するように操作されたDNAポリメラーゼを意味する。配列番号2は、TbaエキソDNAポリメラーゼのアミノ酸配列を示す。
TbaエキソDNAポリメラーゼ
PCRのための反応条件は、分子生物学の分野において周知である。Tba DNAポリメラーゼに関して最適反応条件が決定されてきている(US 5,602,011)。長鎖PCRに関しては、反応条件はさらに最適化される。一般的に、Tricine−KOH、pH8.7を含有する緩衝液において、カリウム塩およびマグネシウム塩の存在下で、反応は適度によく働く。特に、dNTP濃度の増加は、よりよい増幅結果を生じることが見出されている。また、40〜80mMの間の塩化カリウムまたは酢酸カリウムが望ましいことも見出されている。さらに、反応系の最適な実行には、狭い範囲のマグネシウム塩濃度が必要であるが、実際に使える濃度は各反応で用いるヌクレオチドの濃度に応じる。他のPCR法と同様に、酵素による最適重合のための反応系には、適切な界面活性剤もまた含まれる。
本方法に有用なオリゴヌクレオチド・プライマーを、核酸の特定の部分に相補的であるように設計し、これらの間で二重鎖が形成されるのを可能にしてもよい。これらの二重鎖の安定性は、LesnickおよびFreier, Biochemistry 34:10807−10815(1995)に記載されるものなどの既知の方法を用いて計算可能である。増幅のプロセスにおいて有用なオリゴヌクレオチド・プライマーは、どのように設計された長さであってもよい。例えば、こうしたプライマーは、長さ少なくとも10から約30〜50ヌクレオチド、好ましくは長さ約10〜35ヌクレオチド、最も好ましくは長さ約15〜約30ヌクレオチドであってもよい。
オリゴヌクレオチド・プライマーを単一対で用いて、これらの間にある単一の領域を増幅してもよい。あるいは、オリゴヌクレオチドの多数の単一対であって、各対が単一の特定の領域を増幅する前記対を単一反応において組み合わせて、多数の特定の産物が同じ反応中で生成される、多重反応を生成してもよい。これは、必要な反応数を減少させる効果があり、そして同じ反応由来の産物の直接比較を可能にする。以下の実施例に示すように、この系で生成される長鎖PCR反応は、多重化に受け入れられる。
エキソヌクレアーゼ耐性プライマーは、増幅反応の収量を増加させるのに有用である。本明細書で開示する方法で有用なエキソヌクレアーゼ耐性プライマーには、エキソヌクレアーゼ消化に耐性にする修飾ヌクレオチドが含まれてもよい。例えば、プライマーは、プライマーの3’端のヌクレオチド間に、1つ、2つ、3つまたは4つのホスホロチオエート連結を所持してもよい。同様に、ロック核酸ヌクレオチド(2’−4’メチレン架橋リボースを有する、LNA)を含有するプライマーは、エキソヌクレアーゼ消化に耐性でありうる。
増幅工程には、一般的に酵素による、特にエキソヌクレアーゼによる、そして最も特に3’−5’−エキソヌクレアーゼ活性による消化に対してプライマーを耐性にする少なくとも1つのヌクレオチドを、プライマーが含有するプロセスが含まれてもよい。こうした態様において、少なくとも1つのヌクレオチドは、ホスホロチオエート・ヌクレオチドまたは何らかの修飾ヌクレオチドであってもよい。こうしたヌクレオチドは、一般的に3’末端ヌクレオチドであるが、本明細書に記載するプロセスはまた、こうしたヌクレオチドが3’末端位以外の場所に位置し、そして前記プライマーの3’末端ヌクレオチドが3’−5’−エキソヌクレアーゼ活性によって除去されてもよい方法にも関する。
開示するプロセスで有用な増幅ターゲットDNAは、一本鎖または二本鎖いずれかのDNAまたはRNA分子であり、DNA−RNAハイブリッド分子を含み、一般的に10,000〜500,000ヌクレオチドを含有する。DNAが10,000〜200,000ヌクレオチドの範囲内であることが好ましい可能性もある。しかし、ターゲットのサイズには上限はないと予期される。ターゲットが二重鎖である場合、こうした数は、個々のヌクレオチド残基ではなく塩基対を指すよう意図される。本明細書に開示するプロセスで有用なターゲット・テンプレートは、異なる目的に特に有用なものにする、機能的に異なる部分またはセグメントを有してもよい。少なくとも2つのこうした部分は1以上のオリゴヌクレオチド・プライマーに相補的であり、そして存在する場合、プライマー相補部分または部位と称される。開示する方法で有用な増幅ターゲットには、例えば、細菌コロニー、バクテリオファージ、ウイルスプラーク、酵母コロニー、バキュロウイルスプラーク、ならびに天然または一過性トランスフェクション真核細胞および組織試料などの供給源から直接由来するものが含まれる。ターゲットを得る前に、こうした供給源を溶解してもまたはしなくてもよい。こうした供給源が溶解されている場合、こうした溶解は、一般的に、溶解剤が、熱、酵素である場合を含む、いくつかの手段によって達成され、酵素には、限定されるわけではないが、リゾチーム、ヘリカーゼ、グルシラーゼ(glucylase)、およびザイモリアーゼが含まれ、あるいはこうした溶解剤は有機溶媒または高pH溶液であってもよく、そして界面活性剤を含んでもよい。
ターゲット核酸は、例えば、一本鎖または二本鎖バクテリオファージまたはウイルスDNA、プラスミド、コスミド、BAC、YACあるいは他の構築物またはベクターであってもよい。あるいは、ターゲット核酸は、例えば細菌、植物または動物細胞または組織試料由来のゲノムDNAであってもよい。増幅前に、ターゲット核酸を場合によって精製するかまたは濃縮する。
本発明の特定の態様に関して、ターゲット核酸は、低複雑性のものである。これらは、小さいゲノム、すなわちウイルスおよびバクテリオファージから、実質的に濃縮された構築物、ベクターまたは核酸である。ターゲットDNAはまた、複雑な混合物、例えば未精製細胞溶解物、または精製ゲノムDNAの一部であってもよい。以下の実施例は、長鎖PCR断片が低複雑性試料(例えば精製バクテリオファージ・ラムダDNA)およびより複雑なゲノムDNA試料の両方を用いて成功裡に増幅されることを示す。さらに、ターゲットDNAは、増幅効率に影響を及ぼすことが知られるパラメーターであるGC含量が多様であってもよい。以下の例は、35%GC(黄色ブドウ球菌)から68%GC(ロドバクター・スフェロイデス)のGC含量の極値からの増幅を示す。
以下の実施例に示すように、20〜47kbの断片が、精製ラムダDNAから増幅される。同様に、10〜22kbの大きい断片が、細菌ゲノムDNAからルーチンに増幅される。本発明者らの結果はまた、より複雑なゲノムDNA試料から、ターゲットDNAが増幅可能であることも示唆する。ヒト・ミトコンドリア・アンプリコンならびにヒト・ゲノム断片もまた、ヒト・ゲノムDNAから成功裡に増幅された。したがって、本発明者らの方法によって、複雑な出発物質から、長さ100kbまでのターゲットDNAをルーチンに増幅可能である。
予期せぬことに、本方法において、PCR周期の伸長期中のDNA合成速度もまた、2つの酵素の組み合わせを必要とする先の長範囲PCR法を含めた先のPCR法(1分あたり〜1kb)に比較した際、非常に増加する。単一酵素を用いた、本方法のもとでの増幅は、1分あたり少なくとも2kb、そして典型的には1分あたり少なくとも5kbの速度で達成される。22kbもの長さのターゲットDNA断片が、本方法のもとで、1分以内に合成されてきている。
いくつかの状況において、起こる増幅の度合いまたはDNA収量を定量的に決定することが望ましい可能性もある。こうした場合、本方法の増幅工程は、定量的測定の実行をより容易にする、特別なデオキシヌクレオシド三リン酸(dNTP)を利用する場合などの、任意のいくつかの標準的検出スキームを用いて、よく働く。最も一般的な例は、こうしたヌクレオチド基質が放射標識されているか、または該基質に何らかの他のタイプの標識、例えば蛍光標識等が付着している場合である。これらは、産物DNAの組成を最小限にしか乱さないように、典型的には微量で用いられる。ここでも、こうした状況で使用可能な方法は数多く、そして関与する技術は標準的であり、そして当業者に周知である。したがって、こうした検出標識には、増幅された核酸と直接または間接的に会合可能であり、そして直接または間接的にのいずれかで測定可能な検出可能シグナルを生じる任意の分子が含まれる。核酸内に取り込まれるかまたは核酸プローブにカップリングするこうした標識の多くが当業者に知られる。一般的な例には、放射性同位体、蛍光分子、リン光分子、酵素、抗体、プローブ、染色剤、およびリガンドが含まれる。
適切な蛍光標識の例には、GE Healthcareより入手可能なCy3、Cy3.5、Cy5、およびCy5.5などのシアニン色素が含まれる(US 5,268,486)。適切な蛍光標識のさらなる例には、フルオレセイン、5,6−カルボキシメチルフルオレセイン、テキサスレッド、ニトロベンズ−2−オキサ−1,3−ジアゾール−4−イル(NBD)、クマリン、塩化ダンシル、およびローダミンが含まれる。好ましい蛍光標識は、フルオレセイン(5−カルボキシフルオレセイン−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル)およびローダミン(5,6−テトラメチルローダミン)である。多様な商業的供給源からこれらを得てもよい。
標識ヌクレオチドは、合成中の増幅産物内に直接取り込まれうるため、検出標識の好ましい形である。増幅DNA内に取り込まれうる検出標識の例には、ヌクレオチド類似体、およびビオチンまたは適切なハプテン、例えばジゴキシゲニンで修飾されたヌクレオチドが含まれる。適切な蛍光標識ヌクレオチドは、フルオレセイン−イソチオシアネート−dUTP、シアニン−3−dUTPおよびシアニン−5−dUTPである(Yuら, Nucleic Acids Res., 22:3226−3232(1994))。DNAのための好ましいヌクレオチド類似体検出標識は、BrdUrd(BUDR三リン酸、Sigma)であり、そして好ましいヌクレオチド類似体検出標識は、ビオチン−16−ウリジン−5’−三リン酸(ビオチン−16−dUTP、Boehringher Mannheim)である。放射標識は本明細書に開示する増幅法に特に有用である。
固体支持体にターゲット・テンプレートまたはオリゴヌクレオチド・プライマーを付着させると好適である可能性もあり、そしてこれは、前記プライマーまたはターゲット・テンプレートを固体支持体に付着させるように働く、何らかのタイプの生物学的または他のポリマーなどの何らかの分子種の手段を通じて達成可能である。本明細書に記載する方法で有用なこうした固体状態支持体には、オリゴヌクレオチドがカップリング可能な任意の固体物質が含まれてもよい。これには、ポリアクリルアミド、デキストラン、アガロース、セルロース、ニトロセルロース、ガラス、ポリスチレン、ポリエチレン酢酸ビニル、ポリプロピレン、ポリメタクリレート、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、ガラス、ポリシリケート、ポリカーボネート、TEFLONTM、フルオロカーボン、ナイロン、シリコンゴム、ポリ無水物、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリオルトエステル、ポリプロピルフメレート(polypropylfumerate)、コラーゲン、グリコサミノグリカン、およびポリアミノ酸などの物質が含まれる。固体状態支持体は、薄いフィルムまたは膜、ビーズ、ビン、プレート、繊維、織り繊維、成形ポリマー、粒子および微粒子を含む、任意の有用な型を有してもよい。固体状態支持体の好ましい型はガラススライドまたはマイクロタイタープレート(例えば標準的な96ウェルプレート)である。好ましい態様は、支持体としてガラスまたはプラスチックを利用する。さらなる配置に関しては、US 5,854,033に記載されるものを参照されたい。
オリゴヌクレオチドの固体状態支持体への固定法はよく確立されている。確立されたカップリング法を用いて、アドレス・プローブおよび検出プローブを含むオリゴヌクレオチドを支持体にカップリングしてもよい。例えば、適切な付着法が、Peaseら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91(11):5022−5026(1994)に記載される。固体状態支持体にオリゴヌクレオチドを付着させる好ましい方法が、Guoら, Nucleic Acids Res. 22:5456−5465(1994)に記載される。
本方法によって増幅された長鎖産物は、ハプロタイプ分析および特定の染色体遺伝子座の配列決定などの特定の適用に有用である。
長鎖核酸断片の迅速なPCR増幅のためのいくつかの方法において、単一の熱安定性DNAポリメラーゼ、4つのヌクレオシド三リン酸、適切な緩衝剤、および他の潜在的に望ましい構成要素であって、別個のバイアル中にあるか、あるいは全部で1つ、2つ、3つ、またはそれより多い別個のバイアルを形成するように異なる組み合わせで一緒に混合されているかいずれかのこうした前記構成要素、および例えば増幅プロセスで使用するために意図されるターゲット核酸を懸濁するためのブランクまたは緩衝液バイアル、ならびにユーザーマニュアルを含む、キットの形などのプレミックスを用いてもよい。場合によって、キットにはまた、オリゴヌクレオチド・プライマーおよび陽性対照のための対照テンプレートも含まれる。
DNA配列を増幅するための1つのこうしたキットは、緩衝剤、単一の熱安定性DNAポリメラーゼおよびdNTPを含む。DNAポリメラーゼは3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有してもよい。DNAポリメラーゼはTba DNAポリメラーゼであってもよい。あるいは、DNAポリメラーゼはTbaエキソDNAポリメラーゼであってもよい。いくつかの方法において、通常のdNTPの少なくとも1つが、全体でまたは部分的に、産物DNAに存在した場合に、産物DNAにまたは配列依存性分析などの続くプロセスに、何らかの好適な特性を与える類似体で置き換えられる。
やはり提供されるのは、10kbを超える長鎖核酸断片のPCR増幅のための新規配合物である。配合物には、オリゴヌクレオチド・プライマー、dNTP、核酸テンプレート、単一の熱安定性DNAポリメラーゼおよび増幅反応に適した反応緩衝剤が含まれる。好ましくは、単一の熱安定性DNAポリメラーゼはTba DNAポリメラーゼである。あるいは、DNAポリメラーゼはTbaエキソDNAポリメラーゼである。場合によって、オリゴヌクレオチド・プライマーのいくつかは、ホスホロチオエート修飾オリゴヌクレオチド・プライマーなどのエキソヌクレアーゼ耐性プライマーである。
方法、キット、配合物および組成物は、長鎖核酸断片のPCRによる増幅に適しているが、長範囲に渡る(すなわち長さ10kbを超える)ターゲット核酸分子の相補鎖のin vitro合成にも有用である。
したがって、長鎖ターゲット核酸分子の相補鎖を合成する方法であって、ターゲット核酸分子を相補的プライマー分子に曝露して、ターゲットへのプライマーのハイブリダイゼーションを達成し、その後、単一のDNAポリメラーゼおよびdNTPの存在下、重合条件下で、プライマーを伸長する工程を含む、前記方法をさらに提供する。本発明の特定の態様において、合成される鎖の長さは、長さ少なくとも20kb、好ましくは長さ少なくとも40kb、より好ましくは長さ少なくとも50kb、そして最も好ましくは長さ最大100kbであってもよい。これらの核酸分子合成法において、上述のPCR法におけるように、ターゲットの指数関数的増幅はないが、にもかかわらず、プライマーは大規模に伸長される。核酸伸長(延長)反応に関しては、緩衝剤および他の条件は、上述の長鎖PCRのものと実質的に類似であることが注目される。この方法は、高GC含量のテンプレートの伸長に特に適している。
本核酸合成法のさらなる利点は、反応速度にある。本明細書において、最適条件下では、重合反応は、1分あたり少なくとも2kb、例えば1分あたり少なくとも5kb、そして好ましくは1分あたり少なくとも10kb、またはさらに1分あたり少なくとも20kbの速度で進行することが示されている。
適切には、長鎖ターゲット核酸分子の相補鎖を合成する方法は、熱安定性DNAポリメラーゼを用いて、高温で行われる。好ましくは、DNAポリメラーゼはTba DNAポリメラーゼである。やはり好ましくは、DNAポリメラーゼはTbaエキソDNAポリメラーゼである。
記載する方法を実行する際、特定の緩衝剤、媒体、試薬、細胞、培養条件、pH等に対する言及は、限定を意図されるのではなく、考察を提示する特定の背景において、関心対象であるかまたは価値があると当業者が認識するすべての関連物質を含むように読み取られるものとする。例えば、しばしば、1つの緩衝系または培地を別のものに関して置換して、そしてなお同一でないとしても類似の結果を達成することが可能である。当業者は、過度の実験を伴わずに、本明細書に開示する方法および手順で用いた際に、こうした置換がその目的を最適に果たすようにしうるために、こうした系および方法論の十分な知識を有するであろう。
本実施例は、例示目的のみのために提供され、そして付随する請求項によって定義されるような本発明の範囲を限定すると見なされてはならない。以下にそして本明細書の別の箇所に提供するすべての参考文献は、本明細書に援用される。
以下の特定の実施例には、以下のプライマーを用いる:
ラムダDNAの増幅のために用いたプライマーは、それぞれ:順方向プライマー506: 5’−GCT GAA GTG GTG GAA ACC GC−3’(配列番号3);逆方向プライマー23141: 5’−ACA GCC AAG CTT GCA GAA ACG A−3’(配列番号4)、43768: 5’−AAC GTG TCC GCG CCT TTG ATT T−3’(配列番号5)、47513: 5’−TTT CCT GAC AGT GAC AGA CTG CGT−3’(配列番号6)、および21539: 5’−GCC TCG CAT ATC AGG AAG CAC−3’(配列番号7)である。
大腸菌DNAの増幅のために用いたプライマーは:順方向プライマーfla−FP1: 5’−CGC GCG GTA TTG CTA ACA CG−3’(配列番号8)および逆方向プライマーrpoS−RP1: 5’−GAT TCG CCA GAC GAT TGA AC−3’(配列番号9)である。
黄色ブドウ球菌DNA増幅のために用いたプライマーは:順方向プライマーA10−F: 5’−TGC CAC TAC CAA CGA TAT GAT CGG T−3’(配列番号10)および逆方向プライマーA10−R: 5’−CCG CTT CAC CTT GAA TTG CTT CTA C−3’(配列番号11)である。Zakour N.B.ら, Nucleic Acid Research, 32, pp 17−24, 2004。
ヒト・ミトコンドリアDNA増幅のために用いたプライマーは:順方向プライマーMK−7F−11673: 5’−CCC CCT GAA GCT TCA CCG G−3’(配列番号12)および逆方向プライマーMT−3R−7608: 5’−CCT ACT TGC GCT GCA TGT GCC−3’(配列番号13)である。
特定の反応に関しては、ホスホロチオエート・プライマーを用いる。これらのプライマーは、個々のプライマー名の後に「−S」とマークされる(すなわち506−S)。これらのプライマーにおいて、最後のおよび最後から二番目の3’ホスホジエステル結合はホスホロチオエートである。
実施例1:Tba DNAポリメラーゼを用いた20〜48kbアンプリコンの増幅
a)ラムダDNAからの20kbアンプリコンの増幅
50ngのバクテリオファージラムダDNA(cI857ind 1 Sam 7)(New England Biolabs)を用い、そして25mM Tricine KOH pH8.7、1.4mM酢酸マグネシウム、0.02%Rhodafac RE−960(ノニルフェノールポリオキシエチレンエーテル、リン酸エステル)、またはGeneAmp XL PCRキット緩衝剤(Applied Biosystems Inc.)のいずれか、および0.2mM dATP、0.2mM dCTP、0.2mM dTTP、0.2mM dGTP、0.4μMの順方向プライマー506、0.4μMの逆方向プライマー21539を含有する最終体積25μl中で、増幅を行った。KClまたは酢酸カリウムの量を図1に示すように変動させた。氷上で反応を組み立て、その後、15ngのTba DNAポリメラーゼを添加して、そしてあらかじめ94℃に加熱したPCR熱サイクラーに入れることによって、反応を開始した。
サイクリングは以下の通りであった:
第1段階−94℃−1分間
第2段階−15反復
94℃−15秒間
68℃−30秒間
72℃−2.5分間
第3段階−72℃10分間
4℃にして貯蔵。
試料を回収し、そして0.5μlの反応を5μlの1xTAE緩衝液(1x=40mM Tris−酢酸pH7.9、5mM酢酸ナトリウム、0.3mM EDTA)+0.1%w/v SDSと混合し、そして65℃に2分間加熱した。1xTAE中、0.3%SEAKEM GOLDTMアガロースゲル(Cambrex)上のゲル電気泳動によって、産物をDNAサイズマーカーとともに分離した。次いで、製造者の指示にしたがって、アガロースゲルをGELSTARTM(Cambrex)によって染色し、そして分析のため、TYPHOONTM8600スキャナー(GE Healthcare)上で産物を視覚化した。
本発明者らは、Tba DNAポリメラーゼが、いくつかの条件および塩のタイプのもとで、20kbのアンプリコンを合成する能力を調べた。これらの反応において、40〜80mMの塩(KClまたは酢酸カリウム)では20kbアンプリコンの収量が優れており、より高濃度の塩では収量が減少した。この単純化された緩衝系からの収量は、Applied Biosystems Inc.から得られる緩衝系の使用と同等である(図1)。
b)ラムダDNAからの47kbアンプリコンの増幅
50ngのバクテリオファージラムダDNA(cI857ind 1 Sam 7)を用い、そして25mM Tricine KOH pH8.7、40mM酢酸カリウム、2.6mM酢酸マグネシウム、0.02%RE−960、0.5mM dATP、0.5mM dCTP、0.5mM dTTP、0.5mM dGTP、0.4μMの順方向プライマー506−S、0.4μMの逆方向プライマー47513−Sおよび示す量のET−SSBを含有する最終体積25μl中で、増幅を行った。氷上で反応を組み立て、その後、15ngのTbaまたは20ngのTbaエキソDNAポリメラーゼを添加して、そしてあらかじめ94℃に加熱したPCR熱サイクラーに入れることによって、反応を開始した。
サイクリングは以下の通りであった:
第1段階−94℃−1分間
第2段階−15反復
94℃−15秒間
68℃−30秒間
69℃−10分間
第3段階−72℃10分間
4℃にして貯蔵。
試料を回収し、そして実施例1aにおけるように分析した。
アンプリコンの長さを伸長するため、TbaおよびTbaエキソDNAポリメラーゼの両方がラムダDNAテンプレートの98%を含む47kbアンプリコンを増幅するのを可能にした。どちらの酵素も予期される産物の頑強な増幅を提供し、エキソ酵素がよりよい収量を有した。一本鎖DNA結合タンパク質(SSB)が、PCR反応の収量および特異性を改善しうるという文献報告がある。商業的に入手可能な熱安定性SSB(ET−SSB)を添加しても、これらのPCR反応は増進されず、非常に多量のET−SSBを添加すると、阻害が見られた(図2)。本発明者らは、本発明者らの単一酵素系が、試験したうちで最長の直鎖DNA、47kbを増幅可能であると結論づけた。さらなる実験によって、反応収量を改善するため、反応パラメーターを変化させた相対的効果を調べた。
c)増幅に対する伸長時間の影響
50ngのバクテリオファージラムダDNA(cI857ind 1 Sam 7)を用い、そして25mM Tricine KOH pH8.7、40mM酢酸カリウム、1.4mM酢酸マグネシウム、0.02%RE−960、またはGeneAmp XL PCRキット緩衝剤(Applied Biosystems Inc.)のいずれか、および0.2mM dATP、0.2mM dCTP、0.2mM dTTP、0.2mM dGTP、0.4μMの順方向プライマー506−S、0.4μMの逆方向プライマー21539−Sを含有する最終体積25μl中で、増幅を行った。氷上で反応を組み立て、その後、20ngのTba DNAポリメラーゼを添加して、そしてあらかじめ94℃に加熱したPCR熱サイクラーに入れることによって、反応を開始した。
サイクリングは以下の通りであった:
第1段階−94℃−1分間
第2段階−15反復
94℃−15秒間
68℃−30秒間
72℃−示す伸長時間(図3を参照されたい)
第3段階−72℃10分間
4℃にして貯蔵。
試料を回収し、そして実施例1aにおけるように分析した。
長鎖PCRに対する伸長時間の影響を、いくつかの緩衝系において、ラムダDNA由来の20kbアンプリコンに対して調べた。わずか1分間の伸長時間で優れた収量の産物が得られ、試験した緩衝剤間で収量のわずかな変動を伴いつつ、300ヌクレオチド/秒を超える伸長速度が示された。伸長時間を増加させた結果、産物量が増加したが、時間がより長い(10〜20分間)と、ゲルのウェル中に巨大分子量の非特異的物質の集積が見られた(図3)。増幅の最適条件は、20kbアンプリコンに関して、およそ2.5〜5分間、または0.1〜0.2分/kbであり、先に示される方法よりはるかに短い時間である。
d)dNTP濃度および伸長温度の変動は、PCR産物の収量を増加させる
5または50ngいずれかのバクテリオファージラムダDNA(cI857ind 1 Sam 7)を用い、25mM Tricine KOH pH8.7、40mM酢酸カリウム、1.4mM酢酸マグネシウム、0.02%RE−960、および0.4μMの順方向プライマー506−S、0.4μMの逆方向プライマー23141−Sを含有する最終体積25μl中で、増幅を行った。所定の量で、dNTPを変動させ、各反応において、4つのヌクレオチドはすべて、同じ所定の濃度を有した。dNTP濃度全体の総量よりも0.6mM多いように、マグネシウム濃度を調節した。氷上で反応を組み立て、その後、15ngのTbaまたは20ngのTbaエキソDNAポリメラーゼを添加して、そしてあらかじめ94℃に加熱したPCR熱サイクラーに入れることによって、反応を開始した。
サイクリングは以下の通りであった:
第1段階−94℃−1分間
第2段階−15反復
94℃−15秒間
68℃−30秒間
69℃または72℃−4分間
第3段階−72℃10分間
4℃にして貯蔵。
試料を回収し、そして実施例1aにおけるように分析した。
この実施例において、本発明者らは、4つのdNTPすべての濃度を増加させる一方、マグネシウムを一定に過剰に維持して、重合反応の駆動を補助した。dNTP濃度を増加させると、すべての場合で、22kb産物DNAがよりよい収量で生じた(3つの各セットにおいて、第一および第三のレーンを比較されたい)。さらに、本発明者らは、この反応に関して、伸長温度の影響、ならびにTba DNAポリメラーゼの2つの変異体の相対的感度も調べた。72℃から69℃への伸長反応温度のわずかな減少は、最低限からわずかに陽性の影響を有した。より興味深いことに、TbaエキソDNAポリメラーゼは、より低い濃度のテンプレートで、はるかにより高い活性を示した(図4)。
e)マグネシウムの滴定
50pgのバクテリオファージラムダDNA(cI857ind 1 Sam 7)を用いて、25mM Tricine KOH pH8.7、40mM酢酸カリウム、0.02%RE−960、および0.5mM dATP、0.5mM dCTP、0.5mM dTTP、0.5mM dGTP、0.4μMの順方向プライマー506−S、0.4μMの逆方向プライマー23141−Sを含有する最終体積25μl中で、増幅を行った。総マグネシウム濃度を示す。氷上で反応を組み立て、その後、20ngのTbaエキソDNAポリメラーゼを添加して、そしてあらかじめ94℃に加熱したPCR熱サイクラーに入れることによって、反応を開始した。
サイクリングは以下の通りであった:
第1段階−94℃−1分間
第2段階−15反復
94℃−15秒間
68℃−30秒間
69℃−4分間
第3段階−72℃10分間
4℃にして貯蔵。
試料を回収し、そして実施例1aにおけるように分析した。
長鎖PCR反応は、マグネシウム塩濃度に対して非常に感受性であることが知られる。本発明者らが選択した条件が最適であるかどうかを評価するため、本発明者らは、高い感度を持つ反応(50pg投入DNA)を実行し、そしてマグネシウム濃度を変動させた。すべての場合で正しい産物サイズが作製されたが、添加する酢酸マグネシウム2.4mM〜2.6mMで、マグネシウム濃度の鋭い最適値がある(図5)。これは、本発明者らの実験の範囲内であり、そしてこの系においては、マグネシウム二価陽イオン濃度に対する厳しい制御が必要であることが示される。
実施例2:Tba DNAポリメラーゼを用いた増幅の高感度
示す量のバクテリオファージラムダDNA(cI857ind 1 Sam 7)を用い、そして25mM Tricine KOH pH8.7、40mM酢酸カリウム、2.6mM酢酸マグネシウム、0.02%RE−960、0.5mM dATP、0.5mM dCTP、0.5mM dTTP、0.5mM dGTP、0.4μMの順方向プライマー506−S、0.4μMの逆方向プライマー23141−Sを含有する最終体積25μl中で、増幅を行った。氷上で反応を組み立て、その後、15ngのTbaまたは20ngのTbaエキソDNAポリメラーゼを添加して、そしてあらかじめ94℃に加熱したPCR熱サイクラーに入れることによって、反応を開始した。
サイクリングは以下の通りであった:
第1段階−94℃−1分間
第2段階−15反復
94℃−15秒間
68℃−30秒間
69℃−4分間
第3段階−72℃10分間
4℃にして貯蔵。
試料を回収し、そして実施例1におけるように分析した。
Tbaエキソポリメラーゼが、より少量の投入テンプレートを使用可能であった、上記観察を考慮して、2つの型のTba DNAポリメラーゼの相対的感度を評価した。減少する量のテンプレートを増幅反応に添加した。野生型Tba DNAポリメラーゼは、これらの条件下では、比較的高濃度(>5ng)のテンプレートでのみ、22kbアンプリコンを合成可能であった。しかし、エキソ型での増幅は、少なくとも1000倍高い感度を有した。わずか50pgの出発ラムダDNAから高収量の22kb産物が合成され、5pg投入DNAで、測定可能な産物が得られた(図6)。これは、投入出発DNAに対して高い度合いの増幅が行われたことを示す。これは、これらの非常に長い産物DNAの合成に関して、先に報告されるよりも、はるかに高いレベルの感度に相当し、そしてゲノムDNAにおいて長いアンプリコンを分析するのに非常に有用である。
実施例3:高濃度のヒトDNAの存在下での増幅
5pgのバクテリオファージラムダDNA(cI857ind 1 Sam 7)を用い、そして25mM Tricine KOH 8.7、40mM酢酸カリウム、2.4mM酢酸マグネシウム、0.02%RE−960、0.5mM dATP、0.5mM dCTP、0.5mM dTTP、0.5mM dGTP、0.4μMの順方向プライマー506、0.4μMの逆方向プライマー23141(図7に示すように、通常またはホスホロチオエート含有のいずれか)を含有する最終体積25μl中で、増幅を行った。ヒトJurkat(T細胞白血病)ゲノムDNA(New England Biolabs)の量を、示すように変動させた。氷上で反応を組み立て、その後、40ngのTbaエキソDNAポリメラーゼを添加して、そしてあらかじめ94℃に加熱したPCR熱サイクラーに入れることによって、反応を開始した。
サイクリングは以下の通りであった:
第1段階−94℃−1分間
第2段階−15反復
94℃−15秒間
68℃−30秒間
69℃−2.5分間
第3段階−69℃10分間
4℃にして貯蔵。
試料を回収し、そして実施例1aにおけるように分析した。
これらの酵素がゲノムDNAの増幅に有用であるためには、特異的ゲノムDNAに対してPCRを行う際に存在するであろう非常に過剰な非特異的配列の存在によって、多大には影響を受けてはならない。非常に低濃度のターゲットを用いて、混入ゲノムDNAに対する感度に関して、Tbaエキソの活性を試験した。5pgのラムダテンプレートの22kbアンプリコンへの増幅は、最大10過剰(質量による)ゲノムDNAによって影響を受けなかった(図7)。非特異的ゲノムDNAに対する、この相対的非感受性によって、ゲノムDNA自体に包埋された配列からの長鎖PCRの試験が可能になった。
実施例4:細菌ゲノムDNAの増幅
a)大腸菌ゲノムDNAからの10.9kbアンプリコンの増幅
製造者の指示にしたがって、ILLUSTRATM細菌ゲノムDNAミニスピンキット(GE Healthcare)を用いて、大腸菌ゲノムDNAを単離した。25mM Tricine KOH pH8.7、40mM酢酸カリウム、2.4mM酢酸マグネシウム、0.02%ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテルリン酸メチルエステル(Rhodafac RE−960 Rhone Poulenc)、0.5mM dATP、0.5mM dCTP、0.5mM dTTP、0.5mM dGTP、0.4μMの順方向プライマーfhlA−FP1−S、0.4μMの逆方向プライマーrpoS−RP1−S(J. Bact.(2000)182 pp5381−5390)中の示す量のDNAを用いて、最終体積25μl中で、増幅を行った。氷上で反応を組み立て、その後、40ngのTbaエキソDNAポリメラーゼを添加して、そしてあらかじめ94℃に加熱したPCR熱サイクラーに入れることによって、反応を開始した。
サイクリングは以下の通りであった:
第1段階−94℃−1分間
第2段階−15反復
94℃−15秒間
68℃−30秒間
69℃−1または2.5分間のいずれか
第3段階−69℃10分間
4℃にして貯蔵。
試料を回収し、そして実施例1aにおけるように分析した。
試験したすべての条件下で、精製大腸菌DNAから特異的10.9kbアンプリコンが容易にそしてきれいに増幅され、予期されるサイズの産物を生じた。本発明者らは、わずか1分の伸長時間で産物を見出しうるが、伸長時間を増加させると、収量は改善される。出発物質量を増加させると収量が改善される(2.5ngを10ng投入DNAに比較されたい)が、投入テンプレートをさらに増加させてもまったく効果はなく、この時点で、テンプレートに関しては系が飽和していることが示唆される(図8)。比較のため、これらのプライマーセットの元来の増幅(J. Bact.(2000)182 pp5381−5390)は12時間より長い時間を要し、一方、記載する増幅は1.5時間未満で実行され、この酵素系の有用性がさらに立証される。
b)大腸菌ゲノムDNAからの22kbラムダ溶原菌アンプリコンの増幅
製造者の指示にしたがって、ILLUSTRATM細菌ゲノムDNAミニスピンキットを用いて、ラムダ溶原菌を含有する株(JS4588ラムダ+)から大腸菌ゲノムDNAを単離した。20mM Tricine KOH pH8.7、40mM酢酸カリウム、2.4mM酢酸マグネシウム、0.02%RE−960、0.5mM dATP、0.5mM dCTP、0.5mM dTTP、0.5mM dGTP、0.4μMの順方向プライマー506、0.4μMの逆方向プライマー23141中の示す量のDNAを用いて、最終体積25μl中で、増幅を行った。氷上で反応を組み立て、その後、40ngのTbaエキソDNAポリメラーゼを添加して、そしてあらかじめ94℃に加熱したPCR熱サイクラーに入れることによって、反応を開始した。
サイクリングは以下の通りであった:
第1段階−94℃−1分間
第2段階−15反復
94℃−15秒間
68℃−30秒間
69℃−2.5または5分間のいずれか
第3段階−69℃10分間
4℃にして貯蔵。
試料を回収し、そして実施例1aにおけるように分析した。
増幅したゲノムDNAの長さをさらに伸長するため、ラムダ溶原菌由来のDNAを調製した。大腸菌ゲノムDNAの背景に包埋されたこのラムダDNAの増幅を調べると、精製ラムダDNAを含む上記実施例に直接比較することが可能であった。22kbラムダDNAアンプリコンの増幅は、優れた収量の正しいサイズの産物を生じた(図9)。この背景における増幅時間は、精製DNAに関するものより幾分長いが、先の方法に比較するとなお迅速であり、そしてゲノムDNAの長いストレッチを増幅するためのこの方法の有用性が立証される。
c)黄色ブドウ球菌からの10.9kbゲノムDNAアンプリコンの増幅
黄色ブドウ球菌亜種アウレウスの3つの株由来のゲノムDNAをATCCから得た(黄色ブドウ球菌亜種アウレウスATTC(登録商標)10832D−5TM、黄色ブドウ球菌亜種アウレウスATTC(登録商標)35556TM=SA113、および黄色ブドウ球菌亜種アウレウスATTC(登録商標)700699TM)。Tricine KOH pH8.7、40mM酢酸カリウム、2.4mM酢酸マグネシウム、0.02%ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテルリン酸メチルエステル(Rhodafac RE−960 Rhone Poulenc)、0.5mM dATP、0.5mM dCTP、0.5mM dTTP、0.5mM dGTP、0.4μMの順方向プライマーA10−F、0.4μMの逆方向プライマーA10−R(Zakour, B.N.ら, Nuc. Acids Research 32:17−24(2004))中の示す量のDNAを用いて、最終体積25μl中で、増幅を行った。氷上で反応を組み立て、その後、40ngのTbaエキソDNAポリメラーゼを添加して、そしてあらかじめ94℃に加熱したPCR熱サイクラーに入れることによって、反応を開始した。
サイクリングは以下の通りであった:
第1段階−94℃−1分間
第2段階−15反復
94℃−15秒間
68℃−30秒間
69℃−示すように、1または2.5分間のいずれか
第3段階−69℃10分間
4℃にして貯蔵。
試料を回収し、そして実施例1aにおけるように分析した。
試験したすべての条件下で、精製黄色ブドウ球菌亜種アウレウスDNAから特異的10.9kbアンプリコンが容易にそしてきれいに増幅され、予期されるサイズの産物を生じた。産物は、わずか1分の伸長時間で増幅されるが、伸長時間を増加させると、収量は改善される。出発物質量を増加させると収量が改善される(2.5ngを10ng投入DNAに比較されたい)が、投入テンプレートをさらに増加させてもまったく効果はなく、この時点で、テンプレートに関しては系が飽和していることが示唆される(図10)。比較のため、これらのプライマーセットの元来の増幅(Zakour, B.N.ら, Nuc. Acids Research 32:17−24(2004))は8時間より長い時間を要し、一方、本明細書に記載する増幅は1.5時間未満で実行され、この単一酵素系の有用性がさらに立証される。
d)ロドバクター・スフェロイデスからのアンプリコンの増幅
ロドバクター・スフェロイデス由来のゲノムDNAをATCCから得た(ロドバクター・スフェロイデス(van Niel)Imhoffら ATTC(登録商標)BAA−808TM)。Tricine KOH pH8.7、40mM酢酸カリウム、2.5mM酢酸マグネシウム、0.02%ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテルリン酸メチルエステル(Rhodafac RE−960 Rhone Poulenc)、0.5mM dATP、0.5mM dCTP、0.5mM dTTP、0.5mM dGTP、0.1μMの順方向プライマー、0.1μMの逆方向プライマー、および示す量のテトラメチレンスルホキシド(TMSO)中の10ngのゲノムDNAを用いて、最終体積25μl中で、増幅を行った。氷上で反応を組み立て、その後、100ngのTbaエキソDNAポリメラーゼを添加して、そしてあらかじめ98℃に加熱したPCR熱サイクラーに入れることによって、反応を開始した。
用いたプライマーは、図11に示す、予期される増幅産物サイズにちなんだ。プライマーは:Rs 10.4順方向: 5’−CCA GCG GCG GGG TCA GGT GCG TTA C−3’(配列番号14)およびRs 10.4逆方向: 5’−GAG CCG GCG AAG GTC CAG GAA TGT TTG−3’(配列番号15); Rs 10.7順方向: 5’−GGT GCT GCC GGT GAT CGA GGA GTT GA−3’(配列番号16)およびRs 10.7逆方向: 5’−CGC CGC AGA CGC ACC CGA GGA GAC AC−3’(配列番号17);ならびにRs 14順方向: 5’−CCA GCG GCG GGG TCA GGT GCG TTA C−3’(配列番号18)およびRs 14逆方向: 5’− CCA GAG GCC GGG CGT GTG ATA CTT−3’(配列番号19)である。
サイクリングは以下の通りであった:
第1段階−98℃−1分間
第2段階−15反復
98℃−15秒間
72℃−10分間
第3段階−72℃10分間
4℃にして貯蔵。
試料を回収し、そして実施例1aにおけるように分析した。
ロドバクター・スフェロイデスのゲノムは、平均68%GC含量であることから、PCRによる増幅が特に困難である。この難題にもかかわらず、試験したすべての条件下で、精製ロドバクター・スフェロイデスDNAから10.4、10.7および14kbの特異的アンプリコンが容易にそしてきれいに増幅され、予期されるサイズの産物を生じた。TMSOを添加すると、GCリッチテンプレートの増幅が増進されると考えられる(Chakrabati R.およびSchutt C.E., Biotechniques 32, pp 866−872, 2002)が、このTMSO添加は、本発明者らの系において、ほとんどまたはまったく影響がなかったことから、より長い増幅時間を必要とするものの、これらの困難なテンプレートの増幅にはこの条件が十分であることが示唆される。
実施例5:単離ヒトDNAに存在するミトコンドリアDNAの増幅
ヒト・ゲノムDNAをテンプレートとして用いて、ヒト・ミトコンドリアDNAの12.4kbアンプリコンの増幅を評価することによって、ヒト・ゲノムDNAに存在する非常に低濃度のターゲットの増幅に関するTbaエキソDNAポリメラーゼの能力を試験した。ヒト・ゲノムDNAは、約0.1%のミトコンドリアDNAを含有する(すなわち15ngゲノムDNAはほぼ15pgのミトコンドリアDNAを有すると予期される)。
15〜40ngのヒト・ゲノムDNA(Corriell Institute)を用い、そして25mM Tricine KOH pH8.7、40mM酢酸カリウム、2.4mM酢酸マグネシウム、0.02%RE−960、0.5mM dATP、0.5mM dCTP、0.5mM dTTP、0.5mM dGTP、0.4μMの順方向プライマーMK−7F−11673、0.4μMの逆方向プライマーMK−7F−11673を含有する最終体積25μl中で、増幅を行った。ヒト・ゲノムDNAの量を、示すように変動させた。氷上で反応を組み立て、その後、40ngのTbaエキソDNAポリメラーゼを添加して、そしてあらかじめ94℃に加熱したPCR熱サイクラーに入れることによって、反応を開始した。
サイクリングは以下の通りであった:
第1段階−94℃−1分間
第2段階−15または20反復
94℃−15秒間
68℃−30秒間
69℃−示すように、2.5分間または5分間のいずれか
第3段階−72℃10分間
4℃にして貯蔵。
試料を回収し、そして反応産物5μlを用いて、実施例1aにおけるように分析した(図12)。わずか15ngのヒト・ゲノムDNAを用いて、12.4kbミトコンドリア・アンプリコンの増幅成功が達成された(図12)。
実施例6:ヒト・ゲノムDNAからの、単一および多重増幅での長鎖アンプリコンの増幅
ILLUSTRATMゲノムPrep Midi Flowキットを用いて、ヒト全血から調製したヒト・ゲノムDNA 50ngを用いて、最終体積25μl中で増幅を行った。増幅反応はまた、25mM Tricine KOH pH8.7、40mM酢酸カリウム、2.5mM酢酸マグネシウム、0.02%ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテルリン酸メチルエステル(Rhodafac RE−960 Rhone Poulenc)、0.5mM dATP、0.5mM dCTP、0.5mM dTTP、0.5mM dGTPも含有した。同じ個々のプライマー濃度の単一または多重化のいずれかで、順方向および逆方向プライマー各0.1μMのプライマーを用いた。氷上で反応を組み立て、その後、100ngのTbaエキソDNAポリメラーゼを添加して、そしてあらかじめ94℃に加熱したPCR熱サイクラーに入れることによって、反応を開始した。
Perlegen Sciences Inc.のウェブサイトからプライマーをランダムに選択し、そしてプライマーはゲノムの異なる領域をカバーする。Perlegen番号の後の、kbで表した予期される産物サイズ、および方向を用いて、これらに名前を付けた。例えば「94073−11順方向」は、Perlegen番号94073であり、11kbの産物を生じ、そしてこれは順方向プライマーである。これらのプライマーには:(1)染色体13上: 94073−11順方向: 5’−AAC CTC ATT CAA TTT GGG CAA GCA TAG−3’(配列番号20)および94073−11逆方向: 5’−ACC ACT CTA CTT CCG TCG AAT ATA ATA CTG GC−3’(配列番号21); (2)染色体21上: 2152−15順方向: 5’−GCT GAC TTT GTA TCA CGG GAG ACC TAG AT−3’(配列番号22)および2152−15逆方向: 5’−TTC TTA TAA TGT GTT TGC ATA ATG CCA TCG TA−3’(配列番号23); (3)染色体18上: 253013−16順方向: 5’− TCA CCA CTT TCC CAA GAC ACG GCT ACA−3’(配列番号24)および253013−16逆方向: 5’−GCT GCT AGT ACA GGC TCT CGC AAT GAC TAC AC−3’(配列番号25);ならびに(4)染色体18上: 247881−19順方向: 5’−GGA TCT TTA GGA ACG CTA TAA CGC CAT TAG GA−3’(配列番号26)および247881−19逆方向: 5’−CAC TGT GCT GGA GAA GTA GAT AGA ACG CAT TT−3’(配列番号27)が含まれる。
サイクリングは以下の通りであった:
第1段階−94℃−1分間
第2段階−20反復
94℃−15秒間
68℃−10分間
第3段階−68℃10分間
4℃にして貯蔵。
試料を回収し、そして1μlの反応産物を用いて、実施例1aにおけるように分析した(図13)。
11kb〜19kbの範囲のヒトDNAのいくつかのアンプリコンを評価することによって、ヒト・ゲノムDNAにおける単一コピー・ターゲットの増幅に関して、Tbaエキソの活性を試験した。第II期HapMapプロジェクトにおける遺伝子型決定のため、Perlegen Sciencesによって設計されたプライマーセットから、ランダムにアンプリコンを採用した。試験したプライマーは、予期されるサイズの産物のきれいな増幅を生じた。さらに、単に、PCR反応にすべてのプライマーを含めることによって、多重化形式で、4つのアンプリコンすべてが増幅可能であった。これは、Tbaエキソが、分析のために、異なる染色体由来の単一コピー・ヒトDNAの長いストレッチを増幅する能力だけでなく、多重化においてこれらの増幅を行うための特異性も有することを立証する。
実施例7:ヒトCFTR遺伝子に関するタイル状40kbアンプリコンの増幅
ILLUSTRATMゲノムPrep Midi Flowキットを用いて、ヒト全血から調製したヒト・ゲノムDNA 100ngを用いて、最終体積25μl中で増幅を行った。増幅反応はまた、25mM Tricine KOH pH8.7、40mM酢酸カリウム、2.4mM酢酸マグネシウム、0.02%ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテルリン酸メチルエステル(Rhodafac RE−960 Rhone Poulenc)、0.5mM dATP、0.5mM dCTP、0.5mM dTTP、0.5mM dGTP、0.1μMの順方向プライマー、および0.1μMの逆方向プライマーも含有した。氷上で反応を組み立て、その後、100ngのTbaエキソDNAポリメラーゼを添加して、そしてあらかじめ96℃に加熱したPCR熱サイクラーに入れることによって、反応を開始した。
ウェブに基づくアプリケーション、GenoFrag(Zakour N.B.ら, Nucleic Acid Research, 32, pp 17−24, 2004)を用いてプライマーを設計し、そして増幅産物の予期されるサイズにしたがって名付けた。これらのプライマー対は: 19033順方向: 5’−GCT GTC TAC TTG GGA GTG ATT TGA G−3’(配列番号28)および19033逆方向: 5’−GGA CCC AAA GCC CAC AAC CTA AAT A−3’(配列番号29); 19247順方向: 5’−CTT GGT CAG TTG GGT GGA TAG TAG T−3’(配列番号30)および19247逆方向: 5’−GTG GCA GGG TCT ATG ATG GAA CTA A−3’(配列番号31); 19665順方向: 5’−ビオチン−GGG TCC TAG TGA TGG TAT CTG AAC A−3’(配列番号32)および19665逆方向: 5’−GAG GGA ACT TAG AGG ATG GGT CAA T−3’(配列番号33); 20441順方向: 5’−TTG GGA GGA TAG GTG ACA GAA GCA T−3’(配列番号34)および20441逆方向: 5’−TAG GGA AAG AGC AAG AGC GGA CAA T−3’(配列番号35); 20446順方向: 5’−CTC CAT ATC CCA CCC TAA GAA CAA C−3’(配列番号36)および20446逆方向: 5’−CGC TCA ACT TCC CAT TAC ATC CTA C−3’(配列番号37);ならびに20514順方向: 5’−TTC CCA GCT CTG CTT TGT GTA GTT G−3’(配列番号38)および20514逆方向: 5’−GCC TTC CTC TAA CTC TGC CTT CAT A−3’(配列番号39)である。
サイクリングは以下の通りであった:
第1段階−96℃−1.5分間
第2段階−25反復
96℃−15秒間
70℃−10分間(〜20kbアンプリコンに関して)または20分間(〜40kbアンプリコンに関して)
第3段階−72℃10分間
4℃にして貯蔵。
試料を回収し、そして5μlの反応産物を用いて、実施例1aにおけるように分析し、そして0.6%アガロースゲル上で泳動して産物を分離した(図14)。
遺伝子の大きいセグメントの構造を分析するため、ヒトCFTR遺伝子全域で、タイル状20kbアンプリコンを設計した(図14C)。これらのプライマー対のセットをまず増幅して、およそ20kbの産物を得た。続いて、別のプライマー対を用いて、40kbアンプリコンを生成し(例えば20514順方向と20446逆方向では、40kb#1が生じた)、それによって、全部で60kbの連続DNAに関して、2反応において、80kbを超えるDNAを増幅した。さらに、産物を捕捉するため、プライマーの1つをビオチン化した(19665順方向)。これらの非常に長いストレッチのDNAを反復して増幅する能力と、ビオチンなどの捕捉標識でのアンプリコンのタグ化、ならびに先のセクションに示すような多重化能を組み合わせると、Tbaエキソに基づく増幅反応系は、ゲノム分析の強力なツールとなる。
本発明は、特定の態様に関して上述されてきているが、当業者に明らかであるように、以下の請求項に示すような本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明の多くの修飾および変動を作成してもよい。

Claims (19)

  1. 長鎖核酸ターゲット領域配列をPCR増幅するための方法であって:
    (a)増幅ターゲットを含む核酸試料を提供し;
    (b)オリゴヌクレオチド・プライマー、配列番号2のTba DNAポリメラーゼである単一の熱安定性DNAポリメラーゼおよびデオキシヌクレオシド三リン酸を添加して、反応混合物を形成し;そして
    (c)熱周期条件下で前記反応混合物をインキュベーションして、多数の増幅されたPCR産物を形成するプライマーの伸長によって、前記ターゲットの増幅を促進する
    工程を含み、
    前記増幅が、他の酵素またはタンパク質またはペプチドの非存在下で行われ、そしてさらに前記の増幅されたPCR産物が長さ少なくとも10kbである
    前記方法。
  2. さらに、1分あたりに、前記増幅ターゲットの少なくとも2kbが伸長される、請求項1の方法。
  3. さらに、1分あたりに、前記増幅ターゲットの少なくとも5kbが伸長される、請求項1の方法。
  4. さらに、1分あたりに、前記増幅ターゲットの少なくとも10kbが伸長される、請求項1の方法。
  5. さらに、1分あたりに、前記増幅ターゲットの少なくとも20kbが伸長される、請求項1の方法。
  6. 前記の増幅されたPCR産物が長さ少なくとも20kbである、請求項1の方法。
  7. 前記の増幅されたPCR産物が長さ少なくとも40kbである、請求項1の方法。
  8. 前記の増幅されたPCR産物が長さ少なくとも50kbである、請求項1の方法。
  9. 前記の増幅されたPCR産物が長さ少なくとも100kbである、請求項1の方法。
  10. 前記プライマーがエキソヌクレアーゼ耐性プライマーである、請求項1の方法。
  11. 前記核酸試料が低複雑性核酸試料である、請求項1の方法。
  12. 前記核酸試料がゲノムDNAである、請求項1の方法。
  13. 前記核酸試料が細菌または哺乳動物ゲノムDNAである、請求項1の方法。
  14. 前記核酸試料がヒト・ゲノムDNAである、請求項1の方法。
  15. 前記増幅ターゲットが60%以上のGC含量を有する、請求項1の方法。
  16. 前記プライマーに、異なる増幅ターゲット用の多数のプライマー対が含まれ、そして前記反応が多数の増幅産物を産生する、請求項1の方法。
  17. 長鎖核酸断片のPCR増幅用の配合物であって、配列番号2のTba DNAポリメラーゼである単一の熱安定性DNAポリメラーゼ、オリゴヌクレオチド・プライマー、dATP、dCTP、dGTP、dTTP、核酸テンプレートおよび前記増幅反応に適した反応緩衝剤を含み、増幅されるPCR断片が長さ少なくとも10kbであり、さらに前記配合物にいかなるさらなる酵素またはタンパク質またはペプチド組成物も含まれない、前記配合物。
  18. 少なくとも10kbの長鎖核酸断片をPCR増幅するためのキットであって、配列番号2のTba DNAポリメラーゼである単一の熱安定性DNAポリメラーゼ、dATP、dCTP、dGTP、dTTP、前記増幅反応に適した反応緩衝剤、ユーザーマニュアルおよびオリゴヌクレオチド・プライマーを含む、前記キット。
  19. 長鎖ターゲット核酸分子の相補鎖を合成するための方法であって:
    (a)ターゲット核酸分子を相補的プライマー分子に曝露して、ターゲットへのプライマーのハイブリダイゼーションを達成し;そして
    (b)配列番号2のTba DNAポリメラーゼである単一の熱安定性DNAポリメラーゼおよびdNTPの存在下、重合条件下で、プライマーを高温で伸長する
    工程を含み;
    前記伸長ターゲットが60%以上のGC含量を有し、前記伸長が他の酵素またはタンパク質またはペプチドの非存在下で実行され、そして伸長される核酸鎖が長さ少なくとも10kbである、前記方法。
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