JP2021529551A - ポリヌクレオチドの合成法、キット、およびシステム - Google Patents

ポリヌクレオチドの合成法、キット、およびシステム Download PDF

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Abstract

本発明は、所定のヌクレオチド配列に従ってポリヌクレオチド分子を合成するための新たな方法に関する。本発明はまた、合成後の合成ポリヌクレオチドの構築方法、ならびに合成および/または構築方法を行うためのシステムおよびキットに関する。【選択図】なし

Description

本発明は、所定のヌクレオチド配列に従ってポリヌクレオチド分子を合成するための新たな方法に関する。本発明はまた、合成後の合成ポリヌクレオチドの構築方法、ならびに合成および/または構築方法を行うためのシステムおよびキットに関する。
ポリヌクレオチド分子、特にDNAの合成およびアセンブリのための2つの主な方法が存在する。
ホスホルアミダイト化学は、化学的に活性化されたT、C、A、またはGのモノマーを段階的なプロセスによって長さ約100/150塩基のオリゴヌクレオチドに構築する合成手法である。化学反応工程は高度に感受性であり、条件は完全に無水の(水が完全に存在しない)、水性の酸化的と酸性との間で変わる(Roy and Caruthers,Molecules,2013,18,14268−14284)。前の反応工程からの試薬が完全に除去されていない場合、これは将来の合成工程にとって有害となるであろう。したがって、この合成方法は、長さ約100ヌクレオチドのポリヌクレオチドの生産に限定されている。
ポリメラーゼ合成手法は、T、C、A、およびG三リン酸を使用してDNA鋳型に対する相補鎖を合成するためにポリメラーゼを使用する。反応条件は水性かつ温和であり、この手法は、長さが数千塩基のDNAポリヌクレオチドを合成するのに使用することができる。この方法の主な欠点は、一本鎖DNAおよび二本鎖DNAをこの方法ではデノボ合成することができず、それから複製が作られるDNA鋳型を必要とすることである。(Kosuri and Church,Nature Methods,2014,11,499−507)。
したがって、以前の方法は、複製される既存の鋳型分子の助けなしには二本鎖DNAをデノボ合成するために使用することができない。
本発明者らは、既存の鋳型分子を複製する必要なく、一本鎖および二本鎖ポリヌクレオチド分子を段階的にデノボ合成することができる新たな方法論を開発した。このような方法はまた、ホスホルアミダイト化学技術に関連する極端な条件を回避し、対照的に、中性pH付近の温和な水性条件下で実施される。このような方法はまた、合成生物学の広範囲の適用可能性を提供し、完全なゲノムの>100merのヌクレオチド長を有する現在の合成方法に対する電位10改善による一本鎖または二本鎖ポリヌクレオチド分子のデノボ合成を可能にする。
本発明は、所定の配列を有する二本鎖ポリヌクレオチドをインビトロで合成する方法を提供し、本方法は、合成サイクルを行うことを含み、各サイクルにおいて、
(A)二本鎖ポリヌクレオチドの第1の鎖が、リガーゼ酵素の作用によって、所定の配列の第1のヌクレオチドの付加により伸長され、
(B)次いで、二本鎖ポリヌクレオチドが、切断部位で切断され、
(C)次いで、第1の鎖にハイブリダイズされる第2の鎖が、ヌクレオチドトランスフェラーゼまたはポリメラーゼ酵素によって、所定の配列の第2のヌクレオチドの付加により伸長され、
各サイクルの所定の配列の第1および第2のヌクレオチドが、切断後に、二本鎖ポリヌクレオチドにおいて保持される。
上記の方法のうちのいずれにおいても、切断部位は、ユニバーサルヌクレオチドを含むポリヌクレオチド配列によって定義され得る。
上記の方法のうちのいずれにおいても、各サイクルにおいて、切断部位は、第2の鎖の伸長前に二本鎖ポリヌクレオチド中に作成され得る。
上記の方法のうちのいずれにおいても、リガーゼ酵素の作用による工程(A)の間に、ユニバーサルヌクレオチドが二本鎖ポリヌクレオチドの第1の鎖に組み込まれて、切断部位を定義し得る。
上記の方法のうちのいずれにおいても、所与の合成サイクルにおいて、二本鎖ポリヌクレオチドの第2の鎖に付加される、そのサイクルの第2のヌクレオチドは、酵素によるさらなる伸長を防止する可逆的ターミネーター基を含み、可逆的ターミネーター基は、次のサイクルの第2のヌクレオチドの次の合成サイクルにおける付加の前に、そのサイクルの組み込まれた第2のヌクレオチドから除去される。
上記の方法において、各サイクルにおいて、第1のヌクレオチドは、第2のヌクレオチドに対するパートナーヌクレオチドであり得、二本鎖ポリヌクレオチドへの組み込み時に、第1および第2のヌクレオチドは、ヌクレオチド対を形成する。
このような方法において、連結反応は、平滑末端連結反応を含み得る。
平滑末端連結反応を伴うこのような方法において、第1のヌクレオチドおよびユニバーサルヌクレオチドは、ポリヌクレオチド連結分子の構成成分であり得、ポリヌクレオチド連結分子は、平滑末端連結反応におけるリガーゼ酵素の作用による工程(A)の間に、二本鎖ポリヌクレオチドに連結され、ポリヌクレオチド連結分子の二本鎖ポリヌクレオチドへの連結時に、二本鎖ポリヌクレオチドの第1の鎖が伸長され、切断部位が作成される。
平滑末端連結反応を伴ういかなるこのような方法においても、本方法は、
(1)合成鎖と、それにハイブリダイズされた支持鎖と、を含む、足場ポリヌクレオチドを提供することであって、合成鎖が、プライマー鎖部分を含み、支持鎖が、二本鎖ポリヌクレオチドの第1の鎖であり、合成鎖が、二本鎖ポリヌクレオチドの第2の鎖である、提供することと、
(2)平滑末端連結反応におけるリガーゼ酵素の作用によって、二本鎖ポリヌクレオチド連結分子を足場ポリヌクレオチドに連結することであって、ポリヌクレオチド連結分子が、支持鎖と、それにハイブリダイズされたヘルパー鎖と、を含み、相補的連結末端をさらに含み、連結末端が、
(i)支持鎖中に、ユニバーサルヌクレオチドおよび所定の配列の第1のヌクレオチドと、
(ii)ヘルパー鎖中に、連結不可能な末端ヌクレオチドと、を含み、
連結時に、二本鎖ポリヌクレオチドの第1の鎖が第1のヌクレオチドで伸長され、切断部位が、ユニバーサルヌクレオチドの第1の鎖への組み込みによって作成される、連結することと、
(3)連結された足場ポリヌクレオチドを切断部位で切断することであって、切断が、支持鎖を切断することと、足場ポリヌクレオチドからユニバーサルヌクレオチドを除去して、組み込まれた第1のヌクレオチドを含む切断された二本鎖足場ポリヌクレオチドを提供することと、を含む、切断することと、
(4)ヌクレオチドトランスフェラーゼまたはポリメラーゼ酵素の作用による、所定の配列の第2のヌクレオチドの組み込みにより、二本鎖足場ポリヌクレオチドの合成鎖のプライマー鎖部分の末端を伸長することであって、第2のヌクレオチドが、酵素によるさらなる伸長を防止する可逆的ターミネーター基を含み、第2のヌクレオチドが、第1のヌクレオチドに対するパートナーであり、組み込み時に、第2のヌクレオチドおよび第1のヌクレオチドが、ヌクレオチド対を形成する、伸長することと、
(5)第2のヌクレオチドから可逆的ターミネーター基を除去することと、を含む、第1の合成サイクルを行うことを含み得、
本方法は、
(6)平滑末端連結反応におけるリガーゼ酵素の作用によって、さらなる二本鎖ポリヌクレオチド連結分子を、切断された足場ポリヌクレオチドに連結することであって、ポリヌクレオチド連結分子が、支持鎖と、それにハイブリダイズされたヘルパー鎖と、を含み、相補的連結末端をさらに含み、連結末端が、
(i)支持鎖中に、ユニバーサルヌクレオチドおよびさらなる合成サイクルの第1のヌクレオチドと、
(ii)ヘルパー鎖中に、連結不可能な末端ヌクレオチドと、を含み、
連結時に、二本鎖ポリヌクレオチドの第1の鎖が、さらなる合成サイクルの第1のヌクレオチドで伸長され、切断部位が、ユニバーサルヌクレオチドの第1の鎖への組み込みによって作成される、連結することと、
(7)連結された足場ポリヌクレオチドを切断部位で切断することであって、切断が、支持鎖を切断することと、足場ポリヌクレオチドからユニバーサルヌクレオチドを除去して、前のサイクル(複数可)のヌクレオチド対(複数可)と、さらなる合成サイクルの第1のヌクレオチドと、を含む、切断された二本鎖足場ポリヌクレオチドを提供することと、を含む、切断することと、
(8)ヌクレオチドトランスフェラーゼまたはポリメラーゼ酵素の作用による、さらなる合成サイクルの第2のヌクレオチドの組み込みにより、二本鎖足場ポリヌクレオチドの合成鎖のプライマー鎖部分の末端を伸長することであって、第2のヌクレオチドが、酵素によるさらなる伸長を防止する可逆的ターミネーター基を含み、さらなる合成サイクルの第2のヌクレオチドが、さらなる合成サイクルの第1のヌクレオチドに対するパートナーであり、組み込み時に、さらなる合成サイクルの第2および第1のヌクレオチドが、さらなるヌクレオチド対を形成する、伸長することと、
(9)第2のヌクレオチドから可逆的ターミネーター基を除去することと、
(10)工程6〜9を複数回繰り返して、所定のヌクレオチド配列を有する二本鎖ポリヌクレオチドを得ることと、を含む、さらなる合成サイクルを行うことをさらに含む。
第1および第2のヌクレオチドがヌクレオチド対を形成し、平滑末端連結反応を伴うこれらの特定の方法のうちのいずれかにおいて、本方法は、以下のように行われ得る:
(a)第1のサイクルの連結工程(工程2)において、およびすべてのさらなるサイクルの連結工程において、ポリヌクレオチド連結分子の相補的連結末端は、
i.そのサイクルの所定の配列の第1のヌクレオチドが、支持鎖の末端ヌクレオチドであり、支持鎖中のヌクレオチド位置nを占め、ヘルパー鎖の末端ヌクレオチドと対合するように、
ii.ユニバーサルヌクレオチドが、支持鎖の最後から2番目のヌクレオチドであり、支持鎖中のヌクレオチド位置n+1を占め、ヘルパー鎖の最後から2番目のヌクレオチドと対合するように、かつ
iii.ヘルパー鎖の末端ヌクレオチドが、連結不可能なヌクレオチドであるように、構造化され、
位置nが、その組み込み時にそのサイクルの所定の配列の第2のヌクレオチドとは反対であるヌクレオチド位置であり、位置n+1が、相補的連結末端に対する遠位方向において、位置nに対する支持鎖中の次のヌクレオチド位置であり、連結時に、ポリヌクレオチド連結分子の支持鎖の末端ヌクレオチドが、合成鎖のプライマー鎖部分に対して近位にある足場ポリヌクレオチドの末端ヌクレオチドに連結され、一本鎖切断が、ヘルパー鎖の末端ヌクレオチドと合成鎖のプライマー鎖部分との間に作成され、
(b)第1のサイクルの切断工程(工程3)において、およびすべてのさらなるサイクルにおいて、連結された足場ポリヌクレオチドの支持鎖が、位置n+1とnとの間で切断され、それによって、足場ポリヌクレオチドからポリヌクレオチド連結分子を放出し、切断された足場ポリヌクレオチドの第1の鎖に付着したそのサイクルの第1のヌクレオチドを保持し、
(c)第1のサイクルの伸長工程(工程4)において、およびすべてのさらなるサイクルにおいて、そのサイクルの第2のヌクレオチドが、第1の鎖における第1のヌクレオチドとは反対の第2の鎖に組み込まれ、かつそれと対合し、そのときに、切断された足場ポリヌクレオチドの支持鎖中のそのサイクルの第1のヌクレオチドによって占められる位置は、次の合成サイクルにおいて、ヌクレオチド位置n−1として定義される。
第1および第2のヌクレオチドがヌクレオチド対を形成し、平滑末端連結反応を伴うこれらの特定の方法のうちのいずれかにおいて、本方法は、以下のようにあるいは行われ得る:
(a)第1のサイクルの連結工程(工程2)において、およびすべてのさらなるサイクルの連結工程において、ポリヌクレオチド連結分子の相補的連結末端は、
i.そのサイクルの所定の配列の第1のヌクレオチドが、支持鎖の末端ヌクレオチドであり、支持鎖中のヌクレオチド位置nを占め、ヘルパー鎖の末端ヌクレオチドと対合するように、
ii.ユニバーサルヌクレオチドが、支持鎖中のヌクレオチド位置n+2を占め、ヘルパー鎖中のパートナーヌクレオチドと対合するように、かつ
iii.ヘルパー鎖の末端ヌクレオチドが、連結不可能なヌクレオチドであるように、構造化され、
位置nが、その組み込み時にそのサイクルの所定の配列の第2のヌクレオチドとは反対であるヌクレオチド位置であり、位置n+2が、相補的連結末端に対する遠位方向において、位置nに対する支持鎖における第2のヌクレオチド位置であり、連結時に、ポリヌクレオチド連結分子の支持鎖の末端ヌクレオチドが、合成鎖のプライマー鎖部分に対して近位にある足場ポリヌクレオチドの末端ヌクレオチドに連結され、一本鎖切断が、ヘルパー鎖の末端ヌクレオチドと合成鎖のプライマー鎖部分との間に作成され、
(b)第1のサイクルの切断工程(工程3)において、およびすべてのさらなるサイクルにおいて、連結された足場ポリヌクレオチドの支持鎖が、位置n+1とnとの間で切断され、それによって、足場ポリヌクレオチドからポリヌクレオチド連結分子を放出し、切断された足場ポリヌクレオチドの第1の鎖に付着したそのサイクルの第1のヌクレオチドを保持し、
(c)第1のサイクルの伸長工程(工程4)において、およびすべてのさらなるサイクルにおいて、そのサイクルの第2のヌクレオチドが、第1の鎖における第1のヌクレオチドとは反対の第2の鎖に組み込まれ、かつそれと対合し、そのときに、切断された足場ポリヌクレオチドの支持鎖中のそのサイクルの第1のヌクレオチドによって占められる位置が、次の合成サイクルにおいて、ヌクレオチド位置n−1として定義される。
第1および第2のヌクレオチドがヌクレオチド対を形成し、平滑末端連結反応を伴うこれらの特定の方法のうちのいずれかにおいて、本方法は、以下のようにあるいはさらに行われ得る:
(a)第1のサイクルの連結工程(工程2)において、およびすべてのさらなるサイクルの連結工程において、ポリヌクレオチド連結分子の相補的連結末端は、
i.そのサイクルの所定の配列の第1のヌクレオチドが、支持鎖の末端ヌクレオチドであり、支持鎖中のヌクレオチド位置nを占め、ヘルパー鎖の末端ヌクレオチドと対合するように、
ii.ユニバーサルヌクレオチドが、支持鎖中のヌクレオチド位置n+2+xを占め、ヘルパー鎖中のパートナーヌクレオチドと対合するように、かつ
iii.ヘルパー鎖の末端ヌクレオチドが、連結不可能なヌクレオチドであるように、構造化され、
位置nは、その組み込み時に、そのサイクルの所定の配列の第2のヌクレオチドとは反対であるヌクレオチド位置であり、位置n+2は、相補的連結末端に対する遠位方向において、位置nに対する支持鎖における第2のヌクレオチド位置であり、xは、相補的連結末端に対する遠位方向において、位置n+2に対するヌクレオチド位置の数であり、数は、1〜10以上の整数であり、連結時に、ポリヌクレオチド連結分子の支持鎖の末端ヌクレオチドは、合成鎖のプライマー鎖部分に対して近位にある足場ポリヌクレオチドの末端ヌクレオチドに連結され、一本鎖切断が、ヘルパー鎖の末端ヌクレオチドと合成鎖のプライマー鎖部分との間に作成され、
(b)第1のサイクルの切断工程(工程3)において、およびすべてのさらなるサイクルにおいて、連結された足場ポリヌクレオチドの支持鎖が、位置n+1とnとの間で切断され、それによって、足場ポリヌクレオチドからポリヌクレオチド連結分子を放出し、切断された足場ポリヌクレオチドの第1の鎖に付着したそのサイクルの第1のヌクレオチドを保持し、
(c)第1のサイクルの伸長工程(工程4)において、およびすべてのさらなるサイクルにおいて、そのサイクルの第2のヌクレオチドが、第1の鎖における第1のヌクレオチドとは反対の第2の鎖に組み込まれ、かつそれと対合し、そのときに、切断された足場ポリヌクレオチドの支持鎖中のそのサイクルの第1のヌクレオチドによって占められる位置が、次の合成サイクルにおいて、ヌクレオチド位置n−1として定義される。
本発明の上記の方法のうちのある特定において、各サイクルにおいて、組み込み時に、第1のヌクレオチドおよび第2のヌクレオチドは、あるいは、合成二本鎖ポリヌクレオチド中の異なるヌクレオチド対においてパートナーヌクレオチドになり得る。
このような方法において、連結反応は、粘着末端連結反応を含み得る。
粘着末端連結反応を伴うこのような方法において、第1のヌクレオチドおよびユニバーサルヌクレオチドは、ポリヌクレオチド連結分子の構成成分であり得、ポリヌクレオチド連結分子は、粘着末端連結反応におけるリガーゼ酵素の作用による工程(A)の間に、二本鎖ポリヌクレオチドに連結され、ポリヌクレオチド連結分子の二本鎖ポリヌクレオチドへの連結時に、二本鎖ポリヌクレオチドの第1の鎖が伸長され、切断部位が作成される。
粘着末端連結反応を伴ういかなるこのような方法においても、本方法は、
(1)合成鎖と、それにハイブリダイズされた支持鎖と、を含む、足場ポリヌクレオチドを提供することであって、合成鎖が、プライマー鎖部分を含む、提供することと、
(2)粘着末端連結反応におけるリガーゼ酵素の作用によって、二本鎖ポリヌクレオチド連結分子を足場ポリヌクレオチドに連結することであって、ポリヌクレオチド連結分子が、支持鎖と、それにハイブリダイズされたヘルパー鎖と、を含み、相補的連結末端をさらに含み、連結末端が、
(i)支持鎖中に、ユニバーサルヌクレオチドおよび所定の配列の第1のヌクレオチドと、
(ii)ヘルパー鎖中に、連結不可能な末端ヌクレオチドと、を含み、
連結時に、二本鎖ポリヌクレオチドの第1の鎖が第1のヌクレオチドで伸長され、切断部位が、ユニバーサルヌクレオチドの第1の鎖への組み込みによって作成される、連結することと、
(3)連結された足場ポリヌクレオチドを切断部位で切断することであって、切断が、支持鎖を切断することと、足場ポリヌクレオチドからユニバーサルヌクレオチドを除去して、組み込まれた第1のヌクレオチドを含む切断された二本鎖足場ポリヌクレオチドを提供することと、を含む、切断することと、
(4)ヌクレオチドトランスフェラーゼまたはポリメラーゼ酵素の作用による、所定の配列の第2のヌクレオチドの組み込みにより、二本鎖足場ポリヌクレオチドの合成鎖のプライマー鎖部分の末端を伸長することであって、第2のヌクレオチドが、酵素によるさらなる伸長を防止する可逆的ターミネーター基を含み、第2のヌクレオチド、伸長することと、
(5)第2のヌクレオチドから可逆的ターミネーター基を除去することと、を含む、第1の合成サイクルを行うことを含み得、
本方法は、
(6)粘着末端連結反応におけるリガーゼ酵素の作用によって、さらなる二本鎖ポリヌクレオチド連結分子を、切断された足場ポリヌクレオチドに連結することであって、ポリヌクレオチド連結分子が、支持鎖と、それにハイブリダイズされたヘルパー鎖と、を含み、相補的連結末端をさらに含み、連結末端が、
(i)支持鎖中に、ユニバーサルヌクレオチドおよびさらなる合成サイクルの第1のヌクレオチドと、
(ii)ヘルパー鎖中に、連結不可能な末端ヌクレオチドと、を含み、
連結時に、二本鎖ポリヌクレオチドの第1の鎖が、さらなる合成サイクルの第1のヌクレオチドで伸長され、切断部位が、ユニバーサルヌクレオチドの第1の鎖への組み込みによって作成される、連結することと、
(7)連結された足場ポリヌクレオチドを切断部位で切断することであって、切断が、支持鎖を切断することと、足場ポリヌクレオチドからユニバーサルヌクレオチドを除去して、前のサイクル(複数可)のヌクレオチド対(複数可)と、さらなる合成サイクルの第1のヌクレオチドと、を含む、切断された二本鎖足場ポリヌクレオチドを提供することと、を含む、切断することと、
(8)ヌクレオチドトランスフェラーゼまたはポリメラーゼ酵素の作用による、さらなる合成サイクルの第2のヌクレオチドの組み込みにより、二本鎖足場ポリヌクレオチドの合成鎖のプライマー鎖部分の末端を伸長することであって、第2のヌクレオチドが、酵素によるさらなる伸長を防止する可逆的ターミネーター基を含む、伸長することと、
(9)第2のヌクレオチドから可逆的ターミネーター基を除去することと、
(10)工程6〜9を複数回繰り返して、所定のヌクレオチド配列を有する二本鎖ポリヌクレオチドを得ることと、を含む、さらなる合成サイクルを行うことをさらに含む。
粘着末端連結反応を伴う上記の方法のいずれかは、以下のように行われ得る:工程(1)において、プライマー鎖部分に対して近位にある足場ポリヌクレオチドの支持鎖の末端がヌクレオチド突出を含み、支持鎖の末端ヌクレオチドがプライマー鎖部分の末端ヌクレオチドに突出し、支持鎖の末端ヌクレオチドが、そのサイクルの第2のヌクレオチドに対するパートナーヌクレオチドであり、
工程(2)において、ポリヌクレオチド連結分子の相補的連結末端に、ヘルパー鎖の末端がヌクレオチド突出を含み、ヘルパー鎖の末端ヌクレオチドが、支持鎖の末端ヌクレオチドに突出し、支持鎖の末端ヌクレオチドが、そのサイクルの第1のヌクレオチドであり、次の合成サイクルで形成される異なるヌクレオチド対におけるパートナーヌクレオチドであり、
工程(6)において、切断された足場ポリヌクレオチドにおいて、プライマー鎖部分に対して近位にある支持鎖の末端が、ヌクレオチド突出を含み、支持鎖の末端および最後から2番目のヌクレオチドが、プライマー鎖部分の末端ヌクレオチドに突出し、支持鎖の最後から2番目のヌクレオチドが、工程(8)において組み込まれたさらなる合成サイクルの第2のヌクレオチドに対するパートナーヌクレオチドであり、
工程(6)において、ポリヌクレオチド連結分子の相補的連結末端に、ヘルパー鎖の末端がヌクレオチド突出を含み、ヘルパー鎖の末端ヌクレオチドが、支持鎖の末端ヌクレオチドに突出し、支持鎖の末端ヌクレオチドが、さらなる合成サイクルの第1のヌクレオチドであり、次の合成サイクルで形成される異なるヌクレオチド対におけるパートナーヌクレオチドであり、
第1およびさらなる合成サイクルにおいて、ポリヌクレオチド連結分子の相補的連結末端のヌクレオチド突出および足場ポリヌクレオチドのヌクレオチド突出が、同じ数のヌクレオチドを含み、数は、足場ポリヌクレオチドの突出中のヌクレオチドの数が、相補的連結末端の突出中のヌクレオチドの数よりも1つ多いという条件で、1つ以上である。
第1および第2のヌクレオチドが、合成二本鎖ポリヌクレオチドにおける異なるヌクレオチド対のパートナーヌクレオチドになり、粘着末端連結反応を伴うこれらの特定の方法のうちのいずれにおいて、本方法は、以下のように行われ得る:
(a)第1のサイクルの連結工程(工程2)において、およびすべてのさらなるサイクルの連結工程において、ポリヌクレオチド連結分子の相補的連結末端は、
i.そのサイクルの所定の配列の第1のヌクレオチドが、支持鎖の末端ヌクレオチドであり、支持鎖中のヌクレオチド位置n+1を占め、ヘルパー鎖の最後から2番目のヌクレオチドと対合するように、
ii.ユニバーサルヌクレオチドが、支持鎖の最後から2番目のヌクレオチドであり、支持鎖中のヌクレオチド位置n+2を占め、ヘルパー鎖中のパートナーヌクレオチドと対合するように、
iii.突出が、1つのヌクレオチド突出を含み、そのサイクルの所定の配列の第1のヌクレオチドに突出するヘルパー鎖の末端ヌクレオチドを含むように、かつ
iv.ヘルパー鎖の末端ヌクレオチドが、連結不可能なヌクレオチドであるように、構造化され、
位置nは、その組み込み時に、そのサイクルの所定の配列の第2のヌクレオチドとは反対であるヌクレオチド位置であり、位置n+1およびn+2は、それぞれ、相補的連結末端に対する遠位方向において、位置nに対する支持鎖における第1/次のおよび第2のヌクレオチド位置であり、連結時に、ポリヌクレオチド連結分子の支持鎖の末端ヌクレオチドは、合成鎖のプライマー鎖部分に対して近位にある足場ポリヌクレオチドの末端ヌクレオチドに連結され、一本鎖切断が、ヘルパー鎖の末端ヌクレオチドと合成鎖のプライマー鎖部分との間に作成され、
(b)第1のサイクルの切断工程(工程3)において、およびすべてのさらなるサイクルにおいて、連結された足場ポリヌクレオチドの支持鎖が、位置n+2とn+1との間で切断され、それによって、足場ポリヌクレオチドからポリヌクレオチド連結分子を放出し、対合されず、切断された足場ポリヌクレオチドの第1の鎖に付着したそのサイクルの第1のヌクレオチドを保持し、切断時に、二重ヌクレオチド突出が、切断された足場ポリヌクレオチドの支持鎖中に作成され、支持鎖の末端および最後から2番目のヌクレオチドが、合成鎖のプライマー鎖部分の末端ヌクレオチドに突出し、
(c)第1のサイクルの伸長工程(工程4)において、およびすべてのさらなるサイクルにおいて、そのサイクルの第2のヌクレオチドが、第2の鎖に組み込まれ、かつ突出している支持鎖の最後から2番目のヌクレオチドと対合し、工程(8)および(9)の後、切断された足場ポリヌクレオチドの支持鎖中のそのさらなるサイクルの第1のヌクレオチドによって占められる位置が、次の合成サイクルにおいて、ヌクレオチド位置nとして定義される。
第1および第2のヌクレオチドが、合成二本鎖ポリヌクレオチドにおける異なるヌクレオチド対のパートナーヌクレオチドになり、粘着末端連結反応を伴うこれらの特定の方法のうちのいずれにおいて、本方法は、以下のようにあるいは行われ得る:
(a)第1のサイクルの連結工程(工程2)において、およびすべてのさらなるサイクルの連結工程において、ポリヌクレオチド連結分子の相補的連結末端は、
i.そのサイクルの所定の配列の第1のヌクレオチドが、支持鎖の末端ヌクレオチドであり、支持鎖中のヌクレオチド位置n+1を占め、ヘルパー鎖の最後から2番目のヌクレオチドと対合するように、
ii.ユニバーサルヌクレオチドが、支持鎖中のヌクレオチド位置n+3を占め、ヘルパー鎖中のパートナーヌクレオチドと対合するように、
iii.突出が、1つのヌクレオチド突出を含み、そのサイクルの所定の配列の第1のヌクレオチドに突出するヘルパー鎖の末端ヌクレオチドを含むように、かつ
iv.ヘルパー鎖の末端ヌクレオチドが、連結不可能なヌクレオチドであるように、構造化され、
位置nは、その組み込み時に、そのサイクルの所定の配列の第2のヌクレオチドとは反対であるヌクレオチド位置であり、位置n+1、n+2、およびn+3は、それぞれ、相補的連結末端に対する遠位方向において、位置nに対する支持鎖における次の、第2の、および第3のヌクレオチド位置であり、連結時に、ポリヌクレオチド連結分子の支持鎖の末端ヌクレオチドは、合成鎖のプライマー鎖部分に対して近位にある足場ポリヌクレオチドの末端ヌクレオチドに連結され、一本鎖切断が、ヘルパー鎖の末端ヌクレオチドと合成鎖のプライマー鎖部分との間に作成され、
(b)第1のサイクルの切断工程(工程3)において、およびすべてのさらなるサイクルにおいて、連結された足場ポリヌクレオチドの支持鎖が、位置n+2とn+1との間で切断され、それによって、足場ポリヌクレオチドからポリヌクレオチド連結分子を放出し、対合されず、切断された足場ポリヌクレオチドの第1の鎖に付着したそのサイクルの第1のヌクレオチドを保持し、切断時に、二重ヌクレオチド突出が、切断された足場ポリヌクレオチドの支持鎖中に作成され、支持鎖の末端および最後から2番目のヌクレオチドが、合成鎖のプライマー鎖部分の末端ヌクレオチドに突出し、
(c)第1のサイクルの伸長工程(工程4)において、およびすべてのさらなるサイクルにおいて、そのサイクルの第2のヌクレオチドが、第2の鎖に組み込まれ、かつ突出している支持鎖の最後から2番目のヌクレオチドと対合し、工程(8)および(9)の後、切断された足場ポリヌクレオチドの支持鎖中のそのさらなるサイクルの第1のヌクレオチドによって占められる位置が、次の合成サイクルにおいて、ヌクレオチド位置nとして定義される。
第1および第2のヌクレオチドが、合成二本鎖ポリヌクレオチドにおける異なるヌクレオチド対のパートナーヌクレオチドになり、粘着末端連結反応を伴うこれらの特定の方法のうちのいずれにおいて、本方法は、以下のようにあるいはさらに行われ得る:
(a)第1のサイクルの連結工程(工程2)において、およびすべてのさらなるサイクルの連結工程において、ポリヌクレオチド連結分子の相補的連結末端は、
i.そのサイクルの所定の配列の第1のヌクレオチドが、支持鎖の末端ヌクレオチドであり、支持鎖中のヌクレオチド位置n+1を占め、ヘルパー鎖の最後から2番目のヌクレオチドと対合するように、
ii.ユニバーサルヌクレオチドが、支持鎖中のヌクレオチド位置n+3+xを占め、ヘルパー鎖中のパートナーヌクレオチドと対合するように、
iii.突出が、1つのヌクレオチド突出を含み、そのサイクルの所定の配列の第1のヌクレオチドに突出するヘルパー鎖の末端ヌクレオチドを含むように、かつ
iv.ヘルパー鎖の末端ヌクレオチドが、連結不可能なヌクレオチドであるように、構造化され、
位置nは、その組み込み時に、そのサイクルの所定の配列の第2のヌクレオチドとは反対であるヌクレオチド位置であり、位置n+1およびn+3は、それぞれ、相補的連結末端に対する遠位方向において、位置nに対する支持鎖における第1/次のおよび第3のヌクレオチド位置であり、xは、相補的連結末端に対する遠位方向において、位置n+3に対するヌクレオチド位置の数であり、数は、1〜10以上の整数であり、連結時に、ポリヌクレオチド連結分子の支持鎖の末端ヌクレオチドは、合成鎖のプライマー鎖部分に対して近位にある足場ポリヌクレオチドの末端ヌクレオチドに連結され、一本鎖切断が、ヘルパー鎖の末端ヌクレオチドと合成鎖のプライマー鎖部分との間に作成され、
(b)第1のサイクルの切断工程(工程3)において、およびすべてのさらなるサイクルにおいて、連結された足場ポリヌクレオチドの支持鎖が、位置n+2とn+1との間で切断され、それによって、足場ポリヌクレオチドからポリヌクレオチド連結分子を放出し、対合されず、切断された足場ポリヌクレオチドの第1の鎖に付着したそのサイクルの第1のヌクレオチドを保持し、切断時に、二重ヌクレオチド突出が、切断された足場ポリヌクレオチドの支持鎖中に作成され、支持鎖の末端および最後から2番目のヌクレオチドが、合成鎖のプライマー鎖部分の末端ヌクレオチドに突出し、
(c)第1のサイクルの伸長工程(工程4)において、およびすべてのさらなるサイクルにおいて、そのサイクルの第2のヌクレオチドが、第2の鎖に組み込まれ、かつ突出している支持鎖の最後から2番目のヌクレオチドと対合し、工程(8)および(9)の後、切断された足場ポリヌクレオチドの支持鎖中のそのさらなるサイクルの第1のヌクレオチドによって占められる位置が、次の合成サイクルにおいて、ヌクレオチド位置nとして定義される。
組み込み時の各サイクルにおいて、第1のヌクレオチドおよび第2のヌクレオチドが、合成二本鎖ポリヌクレオチドにおける異なるヌクレオチド対におけるパートナーヌクレオチドとなり、連結反応が、粘着末端連結反応を含む、上記のある特定の方法において、本方法は、以下のように行われ得る:工程(1)において、プライマー鎖部分に対して近位にある足場ポリヌクレオチドの支持鎖の末端が、1+yヌクレオチドを含むヌクレオチド突出を含み、支持鎖の1+yヌクレオチドが、プライマー鎖部分の末端ヌクレオチドに突出し、突出の第1のヌクレオチドが、突出の末端に対して遠位にある突出中の位置を占め、ヌクレオチド位置nを占め、工程(4)において組み込まれた第1のサイクルの第2のヌクレオチドに対するパートナーヌクレオチドであり、位置n+1を占める突出のヌクレオチドが、工程(8)において組み込まれた次の/第2の合成サイクルの第2のヌクレオチドに対するパートナーヌクレオチドであり、
工程(2)において、ポリヌクレオチド連結分子の相補的連結末端に、ヘルパー鎖の末端が、1+yヌクレオチドを含むヌクレオチド突出を含み、ヘルパー鎖の1+yヌクレオチドが、支持鎖の末端ヌクレオチドに突出し、足場ポリヌクレオチドの支持鎖の1+y突出ヌクレオチドに対するパートナーヌクレオチドであり、相補的連結末端の支持鎖の末端ヌクレオチドが、そのサイクルの第1のヌクレオチドであり、ヌクレオチド位置n+2+xを占め、第3の合成サイクルにおいて形成される異なるヌクレオチド対におけるパートナーヌクレオチドであり、
工程(6)において、切断された足場ポリヌクレオチドにおいて、プライマー鎖部分に対して近位にある支持鎖の末端が、1+yヌクレオチドを含むヌクレオチド突出を含み、支持鎖の1+yヌクレオチドが、プライマー鎖部分の末端ヌクレオチドに突出し、突出の第1のヌクレオチドが、突出の末端に対して遠位にある突出中の位置を占め、ヌクレオチド位置nを占め、工程(8)において組み込まれたさらなる合成サイクルの第2のヌクレオチドに対するパートナーヌクレオチドであり、位置n+1を占める突出のヌクレオチドが、次の合成サイクルの第2のヌクレオチドに対するパートナーヌクレオチドであり、
工程(6)において、ポリヌクレオチド連結分子の相補的連結末端に、ヘルパー鎖の末端が、1+yヌクレオチドを含むヌクレオチド突出を含み、ヘルパー鎖の1+yヌクレオチドが、支持鎖の末端ヌクレオチドに突出し、足場ポリヌクレオチドの支持鎖の1+y突出ヌクレオチドに対するパートナーヌクレオチドであり、相補的連結末端の支持鎖の末端ヌクレオチドが、さらなる合成サイクルの第1のヌクレオチドであり、ヌクレオチド位置n+2+xを占め、次の合成サイクルにおいて形成される異なるヌクレオチド対におけるパートナーヌクレオチドであり、
i.位置nは、その組み込み時に、そのサイクルの所定の配列の第2のヌクレオチドとは反対であるヌクレオチド位置であり、
ii.連結後、位置n+1およびn+2は、ヘルパー鎖に対する近位方向/プライマー鎖部分に対する遠位方向において、位置nに対する支持鎖における第1および第2のヌクレオチド位置であり、
iii.yは、1以上である整数であり、
iv.xは、0以上である整数であり、
v.足場ポリヌクレオチドにおけるyの数は、好ましくは、ポリヌクレオチド連結分子の相補的連結末端におけるyの数と同じ数であり、yが異なる数である場合、ポリヌクレオチド連結分子の相補的連結末端におけるyの数は、好ましくは、足場ポリヌクレオチドにおけるyの数よりも少なく、
vi.任意の所与の一連の第1およびさらなるサイクルにおいて、xに対して選択される数は、足場ポリヌクレオチドで、yに対して選択される数−1である。
これらの特定の方法のうちのいずれにおいても、第1およびさらなるサイクルの両方において、ユニバーサルヌクレオチドは、ポリヌクレオチド連結分子および連結された足場ポリヌクレオチドの両方において、位置n+3+xを占め、足場ポリヌクレオチドは、位置n+3+xとn+2+xとの間で切断される。あるいは、第1およびさらなるサイクルの両方において、ユニバーサルヌクレオチドは、ポリヌクレオチド連結分子および連結された足場ポリヌクレオチドの両方において、位置n+4+xを占め、足場ポリヌクレオチドは、位置n+3+xとn+2+xとの間で切断される。
平滑および粘着末端連結反応を伴う上記の方法のうちのいずれにおいても、本方法は、
(i)工程(2)において、ポリヌクレオチド連結分子には、第1のサイクルの所定の配列の第1のヌクレオチドを含み、第1のサイクルの所定の配列の1つ以上のさらなるヌクレオチドをさらに含む、相補的連結末端が提供されるように、
(ii)切断後の工程(3)において、第1のサイクルの所定の配列の第1およびさらなるヌクレオチドが、切断された足場ポリヌクレオチドにおいて保持されるように、
(iii)工程(4)において、二本鎖足場ポリヌクレオチドの合成鎖のプライマー鎖部分の末端が、ヌクレオチドトランスフェラーゼまたはポリメラーゼ酵素の作用による、第1のサイクルの所定の配列の第2のヌクレオチドの組み込みにより伸長され、プライマー鎖部分の末端が、ヌクレオチドトランスフェラーゼまたはポリメラーゼ酵素の作用による、第1のサイクルの所定の配列の1つ以上のさらなるヌクレオチドの組み込みによりさらに伸長され、第1のサイクルの第2およびさらなるヌクレオチドのそれぞれが、酵素によるさらなる伸長を防止する可逆的ターミネーター基を含み、各さらなる伸長後、可逆的ターミネーター基が、次のヌクレオチドの組み込みの前にヌクレオチドから除去されるように、
(iv)工程(6)において、ポリヌクレオチド連結分子には、さらなるサイクルの所定の配列の第1のヌクレオチドを含み、さらなるサイクルの所定の配列の1つ以上のさらなるヌクレオチドをさらに含む、相補的連結末端が提供されるように、
(v)切断後の工程(7)において、さらなるサイクルの所定の配列の第1およびさらなるヌクレオチドが、切断された足場ポリヌクレオチドにおいて保持されるように、
(vi)工程(8)において、二本鎖足場ポリヌクレオチドの合成鎖のプライマー鎖部分の末端が、ヌクレオチドトランスフェラーゼまたはポリメラーゼ酵素の作用による、さらなるサイクルの所定の配列の第2のヌクレオチドの組み込みにより伸長され、プライマー鎖部分の末端が、ヌクレオチドトランスフェラーゼまたはポリメラーゼ酵素の作用による、さらなるサイクルの所定の配列の1つ以上のさらなるヌクレオチドの組み込みによりさらに伸長され、さらなるサイクルの第2およびさらなるヌクレオチドのそれぞれが、酵素によるさらなる伸長を防止する可逆的ターミネーター基を含み、各さらなる伸長後、可逆的ターミネーター基が、次のヌクレオチドの組み込みの前にヌクレオチドから除去されるように、修正され得る。
これらの特定の方法のうちのいずれにおいても、ポリヌクレオチド連結分子の相補的連結末端は、切断前の工程(3)および(7)において、ユニバーサルヌクレオチドが、相補的連結末端に対する遠位方向において、第1およびさらなるヌクレオチドのヌクレオチド位置の後の、支持鎖中の次のヌクレオチド位置である支持鎖中の位置を占めるように、かつ支持鎖が、最後のさらなるヌクレオチドによって占められる位置と、ユニバーサルヌクレオチドによって占められる位置との間で切断されるように、構造化され得る。これらの特定の方法のうちのいずれにおいても、ポリヌクレオチド連結分子の相補的連結末端は、あるいは、切断前の工程(3)および(7)において、ユニバーサルヌクレオチドが、相補的連結末端に対する遠位方向において、第1およびさらなるヌクレオチドのヌクレオチド位置の後の、支持鎖中の次+1のヌクレオチド位置である支持鎖中の位置を占めるように、かつ支持鎖が、最後のさらなるヌクレオチドによって占められる位置と、支持鎖中の次のヌクレオチドによって占められる位置との間で切断されるように、構造化され得る。
上記および本明細書に記載される方法のうちのいずれにおいても、任意の1つ以上またはすべての合成サイクルにおいて、所定の配列の第1のヌクレオチドと対合するパートナーヌクレオチドは、第1のヌクレオチドと相補的な、好ましくは天然に相補的なヌクレオチドであり得る。
上記および本明細書に記載される方法のうちのいずれにおいても、任意の1つ以上またはすべての合成サイクルにおいて、工程(3)および/または(7)の前に、合成鎖と、それにハイブリダイズされた支持鎖と、を含む、足場ポリヌクレオチドが提供され得、合成鎖は、ヘルパー鎖なしで提供される。任意の1つ以上またはすべての合成サイクルにおいて、工程(3)および/または(7)の前に、合成鎖は、足場ポリヌクレオチドから除去され得る。
上記および本明細書に記載される方法のうちのいずれにおいても、任意の1つ以上またはすべての合成サイクルにおいて、二本鎖ポリヌクレオチド連結分子を切断された足場ポリヌクレオチドに連結する工程の後で、かつ所定のヌクレオチド配列の次のヌクレオチドを足場ポリヌクレオチドの合成鎖に組み込む工程の前に、合成鎖のヘルパー鎖部分は、足場ポリヌクレオチドから除去され得る。いかなるこのような方法においても、合成鎖のヘルパー鎖部分は、(i)足場ポリヌクレオチドを約80℃〜約95℃の温度に加熱し、足場ヌクレオチドからヘルパー鎖部分を分離すること、(ii)足場ポリヌクレオチドを8M尿素などの尿素溶液で処理し、足場ポリヌクレオチドからヘルパー鎖部分を分離すること、(iii)足場ポリヌクレオチドをホルムアミドまたは100%ホルムアミドなどのホルムアミド溶液で処理し、足場ポリヌクレオチドからヘルパー鎖部分を分離すること、または(iv)足場ポリヌクレオチドを、ヘルパー鎖部分の配列と相補的であるヌクレオチド配列の領域を含む一本鎖ポリヌクレオチド分子と接触させ、それによってヘルパー鎖部分の足場ポリヌクレオチドへのハイブリダイゼーションを競合的に阻害することによって、足場ポリヌクレオチドから除去することができる。
足場ポリヌクレオチドの支持鎖が、ユニバーサルヌクレオチドによって占められる位置と、合成鎖のプライマー鎖部分に対する近接方向においてユニバーサルヌクレオチドに対する支持鎖中の次のヌクレオチドによって占められる位置との間で切断される、上記および本明細書に記載されるいかなるこのような方法においても、各切断工程は、2工程切断プロセスを含み得、各切断工程は、ユニバーサルヌクレオチドを除去し、したがって脱塩基部位を形成することを含む第1の工程と、支持鎖を脱塩基部位で切断することを含む第2の工程と、を含み得る。いかなるこのような方法においても、第1の工程は、ヌクレオチド除去酵素を用いて行われ得る。ヌクレオチド除去酵素は、3−メチルアデニンDNAグリコシラーゼ酵素であり得る。ヌクレオチド除去酵素は、ヒトアルキルアデニンDNAグリコシラーゼ(hAAG)またはウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)であり得る。いかなるこのような方法においても、第2の工程は、塩基である化学物質を用いて行われ得る。塩基はNaOHであり得る。いかなるこのような方法においても、第2の工程は、脱塩基部位切断活性を有する有機化学物質を用いて行われ得る。有機化学物質は、N,N’−ジメチルエチレンジアミンであり得る。いかなるこのような方法においても、第2の工程は、APエンドヌクレアーゼ、エンドヌクレアーゼIII(Nth)、またはエンドヌクレアーゼVIIIなどの脱塩基部位リアーゼ活性を有する酵素を用いて行われ得る。
足場ポリヌクレオチドの支持鎖が、ユニバーサルヌクレオチドによって占められる位置と、合成鎖のプライマー鎖部分に対する近接方向においてユニバーサルヌクレオチドに対する支持鎖における次のヌクレオチドによって占められる位置との間で切断される、上記および本明細書に記載の任意のこのような方法において、各切断工程は、ユニバーサルヌクレオチドを切断酵素で除去することを含む1工程切断プロセスを含み得、酵素は、エンドヌクレアーゼIII、エンドヌクレアーゼVIII、ホルムアミドピリミジンDNAグリコシラーゼ(Fpg)、または8−オキソグアニンDNAグリコシラーゼ(hOGG1)である。
足場ポリヌクレオチドの支持鎖が、プライマー鎖部分に対する近位方向においてユニバーサルヌクレオチドに対する支持鎖中の次のヌクレオチドによって占められる位置と、プライマー鎖部分に対する近位方向においてユニバーサルヌクレオチドに対する支持鎖中の第2のヌクレオチドによって占められる位置との間で切断される、上記および本明細書に記載の任意のこのような方法において、切断工程は、支持鎖を酵素で切断することを含み得る。このような酵素はエンドヌクレアーゼVであり得る。
上記および本明細書に記載される方法のうちのいずれにおいても、合成二本鎖ポリヌクレオチドの両方の鎖は、DNA鎖であり得る。合成鎖および支持鎖はDNA鎖であり得る。このような場合、組み込まれたヌクレオチドは、好ましくはdNTP、好ましくは可逆的ターミネーター基を含むdNTPである。いかなるこのような方法においても、可逆的ターミネーター基を含む組み込まれたヌクレオチドのうちのいずれか1つ以上またはすべてが、3’−O−アリル−dNTPまたは3’−O−アジドメチル−dNTPを含み得る。
上記および本明細書に記載される方法のうちのいずれにおいても、合成二本鎖ポリヌクレオチドの一方の鎖はDNA鎖であり得、合成二本鎖ポリヌクレオチドの他方の鎖はRNA鎖であり得る。合成鎖はRNA鎖であり得、支持鎖はRNAまたはDNA鎖であり得る。このような場合、トランスフェラーゼ酵素またはポリメラーゼ酵素によって組み込まれたヌクレオチドは、好ましくはNTP、好ましくは可逆的ターミネーター基を含むNTPである。いかなるこのような方法においても、可逆的ターミネーター基を含む組み込まれたヌクレオチドのうちのいずれか1つ以上またはすべてが、3’−O−アリル−NTPまたは3’−O−アジドメチル−NTPであり得る。
DNAを含む合成鎖へのヌクレオチドの組み込み、例えば、1つ以上のdNTPの組み込みを伴う上記および本明細書に記載される方法のうちのいずれにおいても、酵素は、ポリメラーゼ酵素、好ましくはDNAポリメラーゼ酵素、より好ましくは非修飾ポリメラーゼと比較して、可逆的ターミネーター基を含むdNTPを組み込む能力が増強された修飾DNAポリメラーゼ酵素であり得る。ポリメラーゼは、Thermococcus種9°N、好ましくは種9°N−7由来の天然DNAポリメラーゼの変異体であり得る。
RNAを含む合成鎖へのヌクレオチドの組み込み、例えば、1つ以上のNTPの組み込みを伴う上記および本明細書に記載される方法のうちのいずれにおいても、酵素は、ポリメラーゼ酵素、好ましくはT3またはT7 RNAポリメラーゼなどのRNAポリメラーゼ酵素、より好ましくは非修飾ポリメラーゼと比較して、可逆的ターミネーター基を含むNTPを組み込む能力が増強された修飾RNAポリメラーゼ酵素であり得る。
上記および本明細書に記載される方法のうちのいずれにおいても、合成二本鎖ポリヌクレオチドの第1の鎖はDNA鎖であり得、合成二本鎖ポリヌクレオチドの第2の鎖はRNA鎖であり得る。あるいは、合成二本鎖ポリヌクレオチドの第1の鎖はRNA鎖であり得、合成二本鎖ポリヌクレオチドの第2の鎖はDNA鎖であり得る。
上記および本明細書に記載される方法のうちのいずれにおいても、酵素は、末端トランスフェラーゼ活性を有し、任意選択的に、酵素が、末端ヌクレオチジルトランスフェラーゼ、末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ、末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)、polラムダ、polマイクロ、またはΦ29DNAポリメラーゼである。
上記および本明細書に記載される方法のうちのいずれにおいても、1番目の/隣のヌクレオチドから可逆的ターミネーター基を除去する工程は、トリス(カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)を用いて行われ得る。
上記および本明細書に記載される方法のうちのいずれにおいても、二本鎖ポリヌクレオチド連結分子を切断された足場ポリヌクレオチドに連結する工程は、好ましくはリガーゼ酵素を用いて行われる。リガーゼ酵素は、T3 DNAリガーゼまたはT4 DNAリガーゼであり得る。
上記および本明細書に記載される方法のうちのいずれにおいても、任意の1つ以上またはすべての合成サイクルにおいて、工程(1)/(6)において、プライマー鎖部分を含む合成鎖とそれにハイブリダイズされた支持鎖の部分とが、足場ポリヌクレオチドにおいて、ヘアピンループによって接続され得る。
上記および本明細書に記載される方法のうちのいずれにおいても、任意の1つ以上またはすべての合成サイクルにおいて、工程(2)/(6)において、ヘルパー鎖とそれにハイブリダイズされた支持鎖の部分とが、ポリヌクレオチド連結分子において、相補的連結末端とは反対の末端でヘアピンループによって接続され得る。
上記および本明細書に記載される方法のうちのいずれにおいても、1つ以上またはすべての合成サイクルにおいて、
a)工程(1)/(6)において、プライマー鎖部分を含む合成鎖とそれにハイブリダイズされた支持鎖の部分とが、足場ポリヌクレオチドにおいて、ヘアピンループによって接続されており、
b)工程(2)/(6)において、ヘルパー鎖とそれにハイブリダイズされた支持鎖の部分とが、ポリヌクレオチド連結分子において、相補的連結末端とは反対の末端でヘアピンループによって接続されている。
上記および本明細書に記載される方法のうちのいずれにおいても、ポリヌクレオチド連結分子のうちの少なくとも1つ以上またはすべては、相補的連結末端とは反対の末端で、支持鎖およびヘルパー鎖を接続するヘアピンループを含む単一分子として提供され得る。上記および本明細書に記載される方法のうちのいずれにおいても、各合成サイクルのポリヌクレオチド連結分子は、相補的連結末端とは反対の末端で、支持鎖およびヘルパー鎖を接続するヘアピンループをそれぞれ含む単一分子として提供され得る。
上記および本明細書に記載される方法のうちのいずれにおいても、工程(1)および(6)において、プライマー鎖部分を含む足場ポリヌクレオチドの合成鎖および/またはそれにハイブリダイズされた支持鎖の部分は、共通の表面に繋留され得る。プライマー鎖部分を含む足場ポリヌクレオチドの合成鎖および/またはそれにハイブリダイズされた支持鎖の部分は、切断可能なリンカーを含み得、リンカーは、合成後に表面から二本鎖ポリヌクレオチドを切り離すために切断され得る。
上記および本明細書に記載される方法のうちのいずれにおいても、工程(1)および(6)において、合成鎖のプライマー鎖部分とそれにハイブリダイズされた支持鎖の部分とがヘアピンループによって接続され得、ヘアピンループは、表面に繋留されている。
上記および本明細書に記載される方法のうちのいずれにおいても、ヘアピンループは、切断可能なリンカーを介して表面に繋留され得、リンカーは、合成後に表面から二本鎖ポリヌクレオチドを切り離すために切断され得る。切断可能なリンカーは、UV切断可能なリンカーであり得る。
上記および本明細書に記載される方法のうちのいずれにおいても、ポリヌクレオチドが付着している表面は、微粒子の表面または平坦な表面であり得る。
上記および本明細書に記載される方法のうちのいずれにおいても、ポリヌクレオチドが付着している表面はゲルを含み得る。表面は、約2%のポリアクリルアミドなどのポリアクリルアミド表面を含み得、好ましくは、ポリアクリルアミド表面は、ガラスなどの固体支持体に結合されている。
上記および本明細書に記載される方法のうちのいずれにおいても、プライマー鎖部分を含む合成鎖とそれにハイブリダイズされた支持鎖の部分とが、1つ以上の共有結合を介して共通の表面に繋留され得る。1つ以上の共有結合は、共通の表面上の官能基と足場分子上の官能基との間に形成され得、足場分子上の官能基は、アミン基、チオール基、チオリン酸基、またはチオアミド基であり得る。共通の表面上の官能基は、ブロモアセチル基であり得、任意選択的に、ブロモアセチル基は、N−(5−ブロモアセトアミジルペンチル)アクリルアミド(BRAPA)を使用して得られるポリアクリルアミド表面上に提供される。
上記および本明細書に記載される方法のうちのいずれにおいても、上記および本明細書に記載される合成サイクルのうちのいずれかに関する反応は、微小流体システム内の液滴中で行われ得る。微小流体システムは、エレクトロウェッティングシステムであり得る。微小流体システムは、エレクトロウェッティングオン誘電体システム(EWOD)であり得る。
上記および本明細書に記載される方法のうちのいずれにおいても、合成後、二本鎖ポリヌクレオチドの鎖を分離して、所定の配列を有する一本鎖ポリヌクレオチドを得ることができる。
上記および本明細書に記載される方法のうちのいずれにおいても、合成後、二本鎖ポリヌクレオチドまたはその領域を、好ましくはPCRによって増幅させる。
本発明はまた、所定の配列を有するポリヌクレオチドを構築する方法であって、所定の配列を有する第1のポリヌクレオチドと所定の配列を有する1つ以上の追加のポリヌクレオチドとを合成するために、上記および本明細書に記載される合成方法のうちのいずれかを行うことと、第1および1つ以上の追加のポリヌクレオチドを一緒に接合することと、を含む、方法を提供する。第1および1つ以上の追加のポリヌクレオチドは、好ましくは異なる所定の配列を含み得る。第1のポリヌクレオチドおよび1つ以上の追加のポリヌクレオチドは、二本鎖であり得るか、または一本鎖であり得る。第1のポリヌクレオチドおよび1つ以上の追加のポリヌクレオチドを最初に切断して、適合する末端を作成し、次に、例えば連結によって一緒に接合することができる。第1のポリヌクレオチドおよび1つ以上の追加のポリヌクレオチドは、切断部位で制限酵素によって切断されて、適合する末端を作成することができる。
上記および本明細書に記載されるような所定の配列を有する二本鎖ポリヌクレオチドをインビトロで合成するための方法のうちのいずれも、および/または上記および本明細書に記載されるような所定の配列を有するポリヌクレオチドをインビトロで構築する方法のうちのいずれも、微小流体システム内の液滴中で行われ得る。いかなるこのような方法においても、本構築方法は、所定の配列を有する第1の合成ポリヌクレオチドを含む第1の液滴と、所定の配列を有する追加の1つ以上の合成ポリヌクレオチドを含む第2の液滴とを提供することを含み、液滴が互いに接触し、合成ポリヌクレオチドが一緒に接合され、それによって第1のポリヌクレオチドおよび追加の1つ以上のポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチドを構築する、構築工程を含み得る。いかなるこのような方法おいても、合成工程は、複数の液滴を提供することであって、各液滴が合成サイクルの工程に対応する反応試薬を含む、提供することと、合成サイクルの工程に従って足場ポリヌクレオチドに液滴を順次送達することと、によって行われ得る。いかなるこのような方法においても、液滴の送達後かつ次の液滴の送達前に、過剰の反応試薬を除去するために洗浄工程を実施することができる。いかなるこのような方法においても、微小流体システムは、エレクトロウェッティングシステムであり得る。いかなるこのような方法においても、微小流体システムは、エレクトロウェッティングオン誘電体システム(EWOD)であり得る。いかなるこのような方法においても、合成工程および構築工程は、同じシステム内で行われ得る。
上記および本明細書に記載されるような所定の配列を有する二本鎖ポリヌクレオチドをインビトロで合成するための方法のうちのいずれかにおいても、ユニバーサルヌクレオチドは、イノシン、またはその類似体、バリアント、もしくは誘導体であり、ヘルパー鎖中のユニバーサルヌクレオチドに対するパートナーヌクレオチドはシトシンである。
関連する態様において、本発明は、二本鎖ポリヌクレオチドを伸長して、所定の配列を有する二本鎖ポリヌクレオチドをインビトロで合成する方法をさらに提供し、本方法は、1つ以上の合成サイクルを含み、各合成サイクルにおいて、ユニバーサルヌクレオチドおよび所定の配列の第1のヌクレオチドが、連結反応において二本鎖足場ポリヌクレオチドの第1の鎖に付加され、足場ポリヌクレオチドが、ユニバーサルヌクレオチドを含む配列によって定義される切断部位で切断され、切断時に、ユニバーサルヌクレオチドが足場ポリヌクレオチドから放出され、次いで、所定の配列の第2のヌクレオチドが足場ポリヌクレオチドとは反対の鎖に付加される。
関連する態様において、本発明は、所定の配列を有する二本鎖ポリヌクレオチドをインビトロで合成する方法におけるユニバーサルヌクレオチドの使用をさらに提供し、ユニバーサルヌクレオチドは、二本鎖足場ポリヌクレオチドにおいてポリヌクレオチド切断部位を作成するための合成サイクルにおいて使用され、足場ポリヌクレオチドの切断は、所定の配列の1つ以上のヌクレオチドの組み込みのための足場ポリヌクレオチドの各鎖において部位を提供し、各合成サイクルにおいて、該使用は、合成鎖と、それにハイブリダイズされた支持鎖と、を含む、二本鎖足場ポリヌクレオチドを提供することであって、合成鎖がプライマー鎖部分を含む、提供することと、支持鎖と、それにハイブリダイズされたヘルパー鎖と、を含み、相補的連結末端をさらに含む、二本鎖ポリヌクレオチド連結分子を提供することであって、相補的連結末端のヘルパー鎖の末端ヌクレオチドが、連結不可能なヌクレオチドを含み、相補的連結末端の支持鎖の末端ヌクレオチドが、所定の配列の連結可能な第1のヌクレオチドを含み、支持鎖が、ポリヌクレオチド切断部位を作成する際に使用するためのユニバーサルヌクレオチドを含む、提供することと、連結反応において、ポリヌクレオチド連結分子の支持鎖を足場ポリヌクレオチドの支持鎖に連結することであって、そのときに足場ポリヌクレオチドの支持鎖が、所定の配列の第1のヌクレオチドで伸長され、一本鎖切断が、ヘルパー鎖と合成鎖のプライマー鎖部分との間に作成され、次いで、任意選択的に、ヘルパー鎖を除去する、連結することと、足場ポリヌクレオチドの支持鎖を、ユニバーサルヌクレオチドを含む配列によって定義された切断部位で切断することであって、そのときにユニバーサルヌクレオチドを含むポリヌクレオチド連結分子が、足場ポリヌクレオチドから除去され、所定の配列の第1のヌクレオチドが、切断された足場ポリヌクレオチドにおいて保持される、切断することと、ポリメラーゼ酵素またはトランスフェラーゼ酵素によって、足場ポリヌクレオチドの合成鎖のプライマー鎖部分の末端に、可逆的ターミネーター基を含む所定の配列の第2のヌクレオチドを付加することと、可逆的ターミネーター基を第2のヌクレオチドから除去することと、を含む。
所定の配列を有する二本鎖ポリヌクレオチドを合成するいかなるこのような方法においても、ポリヌクレオチド連結分子の支持鎖は、所定の配列の第1のヌクレオチドの隣にある所定の配列の1つ以上のさらなるヌクレオチドをさらに含んでもよく、所定の配列の第1のヌクレオチドは、ポリヌクレオチド連結分子の支持鎖の末端ヌクレオチドであり、足場ポリヌクレオチドの支持鎖の末端ヌクレオチドに連結され、所定の配列の第2のヌクレオチドの付加の後、本方法は、可逆的ターミネーター基を含むさらなるヌクレオチドを付加し、次いで可逆的ターミネーター基を除去する1つ以上のサイクルを行うことにより、所定の配列の1つ以上のさらなるヌクレオチドを、ポリメラーゼ酵素またはトランスフェラーゼ酵素の作用によって、合成鎖のプライマー鎖部分の末端に付加することをさらに含み、切断時に、所定の配列の第1およびさらなるヌクレオチドは、切断された足場ポリヌクレオチドにおいて保持される。
所定の配列を有する二本鎖ポリヌクレオチドを合成する方法におけるユニバーサルヌクレオチドのこのような使用は、上記および本明細書に定義および記載されたる特定の方法のうちのいずれかを使用して実施され得る。
関連する態様において、本発明は、同じ末端で二本鎖ポリヌクレオチド分子の各鎖を所定のヌクレオチドでインビトロで伸長する方法をさらに提供し、本方法は、合成鎖と、それにハイブリダイズされた支持鎖と、を含む、二本鎖足場ポリヌクレオチドを提供することであって、合成鎖が、プライマー鎖部分を含む、提供することと、連結反応におけるリガーゼ酵素の作用によって足場ポリヌクレオチドの支持鎖の末端に、所定の配列の第1のヌクレオチドを付加することであって、第1のヌクレオチドが、二本鎖ポリヌクレオチド連結分子の支持鎖中の末端ヌクレオチドであり、支持鎖が、ユニバーサルヌクレオチドをさらに含み、第1のヌクレオチドが、足場ポリヌクレオチドの支持鎖の末端ヌクレオチドに連結され、ポリヌクレオチド連結分子の反対側/ヘルパー鎖と合成鎖のプライマー鎖部分との間に一本鎖切断が作成され、任意選択的に、ポリヌクレオチド連結分子のヘルパー鎖を除去する、付加することと、足場ポリヌクレオチドの支持鎖を、ユニバーサルヌクレオチドを含む配列によって定義された切断部位で切断することであって、そのときにユニバーサルヌクレオチドを含むポリヌクレオチド連結分子が足場ポリヌクレオチドから除去され、切断後、第1のヌクレオチドが支持鎖において保持される、切断することと、ポリメラーゼ酵素またはトランスフェラーゼ酵素の作用によって合成鎖のプライマー鎖部分の末端に、可逆的ターミネーター基を含む所定の配列の第2のヌクレオチドを付加することと、第2のヌクレオチドから可逆的ターミネーター基を除去することと、を含む。
二本鎖ポリヌクレオチド分子の各鎖を伸長するいかなるこのような方法においても、ポリヌクレオチド連結分子の支持鎖は、所定の配列の第1のヌクレオチドの隣にある所定の配列の1つ以上のさらなるヌクレオチドをさらに含んでもよく、所定の配列の第1のヌクレオチドは、ポリヌクレオチド連結分子の支持鎖の末端ヌクレオチドであり、足場ポリヌクレオチドの支持鎖の末端ヌクレオチドに連結され、所定の配列の第2のヌクレオチドの付加の後、本方法は、可逆的ターミネーター基を含むさらなるヌクレオチドを付加し、次いで可逆的ターミネーター基を除去する1つ以上のサイクルを行うことにより、所定の配列の1つ以上のさらなるヌクレオチドを、ポリメラーゼ酵素またはトランスフェラーゼ酵素の作用によって、合成鎖のプライマー鎖部分の末端に付加することをさらに含み、切断時に、所定の配列の第1およびさらなるヌクレオチドは、切断された足場ポリヌクレオチドにおいて保持される。
本発明は、所定の配列を有する二本鎖ポリヌクレオチドをインビトロで合成する方法を提供し、本方法は、前述の伸長方法による1つ以上の伸長サイクルを行うことを含む。
二本鎖ポリヌクレオチド分子の各鎖を所定のヌクレオチドで伸長するいかなるこのような方法においても、または所定の配列を有する二本鎖ポリヌクレオチドを合成するいかなるこのような方法においても、本方法は、上記および本明細書に定義および記載される特定の方法のうちのいずれかを使用して実施され得る。
関連する態様において、本発明は、同じ末端で二本鎖足場ポリヌクレオチドの各鎖を所定のヌクレオチドで伸長するサイクルの間に、ユニバーサルヌクレオチドを含むポリヌクレオチド連結分子を二本鎖足場ポリヌクレオチドにインビトロで連結する方法をさらに提供し、本方法は、支持鎖と、それにハイブリダイズされた合成鎖と、を含む、二本鎖足場ポリヌクレオチド提供することであって、合成鎖がプライマー鎖部分を含む、提供することと、二本鎖ポリヌクレオチド連結分子を二本鎖足場ポリヌクレオチドに連結することであって、ポリヌクレオチド連結分子が、支持鎖と、それにハイブリダイズされたヘルパー鎖と、を含み、相補的連結末端をさらに含み、相補的連結末端のヘルパー鎖の末端ヌクレオチドが、連結不可能なヌクレオチドを含み、相補的連結末端の支持鎖の末端ヌクレオチドが、所定の配列の連結可能な第1のヌクレオチドを含み、支持鎖が、ポリヌクレオチド切断部位を作成する際に使用するためのユニバーサルヌクレオチドを含む、連結することと、を含み、連結反応は、連結反応において、ポリヌクレオチド連結分子の支持鎖を二本鎖足場ポリヌクレオチドの支持鎖に連結することを含み、そのときに足場ポリヌクレオチドの支持鎖が、所定の配列の第1のヌクレオチドで伸長され、一本鎖切断が、ヘルパー鎖と合成鎖のプライマー鎖部分との間に作成され、次いで、任意選択的に、ヘルパー鎖を除去し、本方法は、足場ポリヌクレオチドの支持鎖を、ユニバーサルヌクレオチドを含む配列によって定義された切断部位で切断することであって、そのときにユニバーサルヌクレオチドを含むポリヌクレオチド連結分子が、足場ポリヌクレオチドから除去され、所定の配列の第1のヌクレオチドが、切断された足場ポリヌクレオチドにおいて保持される、切断することと、ポリメラーゼ酵素またはトランスフェラーゼ酵素によって、足場ポリヌクレオチドの合成鎖のプライマー鎖部分の末端に、可逆的ターミネーター基を含む所定の配列の第2のヌクレオチドを付加することと、可逆的ターミネーター基を第2のヌクレオチドから除去することと、をさらに含む。
ユニバーサルヌクレオチドを含むポリヌクレオチド連結分子を二本鎖足場ポリヌクレオチドに連結するいかなるこのような方法においても、ポリヌクレオチド連結分子の支持鎖は、所定の配列の第1のヌクレオチドの隣にある所定の配列の1つ以上のさらなるヌクレオチドをさらに含んでもよく、所定の配列の第1のヌクレオチドは、ポリヌクレオチド連結分子の支持鎖の末端ヌクレオチドであり、足場ポリヌクレオチドの支持鎖の末端ヌクレオチドに連結され、所定の配列の第2のヌクレオチドの付加の後、本方法は、可逆的ターミネーター基を含むさらなるヌクレオチドを付加し、次いで可逆的ターミネーター基を除去する1つ以上のサイクルを行うことにより、所定の配列の1つ以上のさらなるヌクレオチドを、ポリメラーゼ酵素またはトランスフェラーゼ酵素の作用によって合成鎖のプライマー鎖部分の末端に付加することをさらに含み、切断時に、所定の配列の第1およびさらなるヌクレオチドは、切断された足場ポリヌクレオチドにおいて保持される。
本発明は、所定の配列を有する二本鎖ポリヌクレオチドをインビトロで合成する方法を提供し、本方法は、前述の連結方法による1つ以上の伸長サイクルを行うことを含む。
所定の配列を有する二本鎖ポリヌクレオチドを合成するサイクル中に、ユニバーサルヌクレオチドを含む連結ポリヌクレオチドを二本鎖ポリヌクレオチドに連結するいかなるこのような方法においても、本方法は、上記および本明細書に定義および記載される特定の方法のうちのいずれかを使用して実施され得る。
本発明は追加的に、上記および本明細書に記載される合成および/または構築方法のうちのいずれかを実施するためのポリヌクレオチド合成システムであって、(a)反応領域のアレイであって、各反応領域が少なくとも1つの足場ポリヌクレオチドを含む、反応領域のアレイ、(b)反応試薬を反応領域に送達するための手段、および任意選択的に(c)足場ポリヌクレオチドから合成二本鎖ポリヌクレオチドを切断するための手段を含む、ポリヌクレオチド合成システムを提供する。このようなシステムはさらに、反応試薬を液滴で提供するための手段と、合成サイクルに従って足場ポリヌクレオチドに液滴を送達するための手段とを含み得る。
本発明はさらに、上記および本明細書に記載されるシステムのうちのいずれかと共に使用するための、ならびに上記および本明細書に記載される合成方法のうちのいずれかを実施するためのキットであって、合成サイクルの工程に対応する反応試薬の容量を含む、キットを提供する。
本発明はまた、ポリヌクレオチドマイクロアレイを作製する方法であって、マイクロアレイが複数の反応領域を含み、各領域が所定の配列を有する1つ以上のポリヌクレオチドを含み、本方法が、
a)複数の反応領域を含む表面を提供することであって、各領域が1つ以上の二本鎖アンカーまたは足場ポリヌクレオチドを含む、提供することと、
b)上記および本明細書に記載される方法のいずれかに従って各反応領域で合成サイクルを行い、それによって所定の配列を有する1つ以上の二本鎖ポリヌクレオチドを各領域で合成することと、を含む、方法を提供する。
このような方法では、合成後、二本鎖ポリヌクレオチドの鎖を分離して、各領域が所定の配列を有する1つ以上の一本鎖ポリヌクレオチドを含む、マイクロアレイを提供することができる。
本明細書に提示され、以下に記載される関連図は、本発明の方法を含む方法を使用する合成サイクルの工程のうちのいくつかまたはすべて、ならびにオリゴヌクレオチド、表面、表面付着化学、リンカーなどの方法の態様を行うための手段を示す。これらの図ならびにそのすべての説明およびすべての関連方法、試薬、およびプロトコルは、例示のみのために掲示され、限定するものとして解釈されるべきではない。
例えば、図11、12、13、14、15、18a、19a、20a等の関連図は、ヌクレオチド(例えば、可逆的ターミネーター基を含むヌクレオチド)の組み込み、切断(例えば、足場ポリヌクレオチドを第1の部分と第2の部分とに切断し、第1の部分はユニバーサルヌクレオチドを含み、第2の部分は組み込まれたヌクレオチドを含む)、連結(例えば、一本鎖部分を含むポリヌクレオチド構築物を、組み込まれたヌクレオチドを含む切断された足場ポリヌクレオチドの第2の部分に連結し、一本鎖部分は、組み込まれたヌクレオチドに相補的なパートナーヌクレオチドを含む)、および脱保護(例えば、組み込まれたヌクレオチドからの可逆的ターミネーター基の除去)を含む合成サイクルの工程のうちのいくつかまたはすべてを示す。これらの方法は、例示的な支持のためにのみ提供されており、特許請求される発明の範囲内ではない。図1〜10ならびに図57、60、および61に示される方法スキームは、本発明の方法である。
本発明の例示的な方法のバージョン1のスキーム。 本発明の例示的な方法のバージョン1による第1の合成サイクルを示すスキーム。 本方法は、足場ポリヌクレオチドの提供、ポリヌクレオチド連結分子の足場ポリヌクレオチドへの連結、切断、可逆的ターミネーター基またはブロッキング基を含むヌクレオチドの組み込み、および脱保護のサイクルを含む。 スキームは、支持鎖(「a」と標識された)と、それにハイブリダイズされた合成鎖(「b」と標識された)と、を含む、足場ポリヌクレオチド(101、106)の提供を示す。合成鎖はプライマー鎖部分(点線)を含む。プライマー鎖部分に対して近位にある支持鎖の末端ヌクレオチドは、連結可能基、好ましくは、図に示されるような末端リン酸基を含む。プライマー鎖部分の末端ヌクレオチドおよびそれと対合されたヌクレオチドは、「X」として示される。これらの2つのヌクレオチドは、任意の2つのヌクレオチドまたはその類似体もしくは誘導体であり得、天然に相補的なヌクレオチド対であることに限定されない。 スキームは、ポリヌクレオチド連結分子(102、107、図の右上の構造)の提供を示す。ポリヌクレオチド連結分子は、ヘルパー鎖(破線)、それにハイブリダイズされた支持鎖、および相補的連結末端を含む。相補的連結末端の支持鎖の末端ヌクレオチドは、所定の配列の第1のヌクレオチドであり、「A」(アデノシン)として示される。相補的連結末端のヘルパー鎖の末端ヌクレオチドは、「T」(チミン)として示される。相補的連結末端のヘルパー鎖の末端ヌクレオチドは、連結不可能なヌクレオチドを含む。相補的連結末端は、支持鎖中にユニバーサルヌクレオチド(「Un」として示される)を含み、これは、ヘルパー鎖中のパートナーヌクレオチドと対合される(「X」として示される)。AおよびTは、純粋に例示のために示されており、任意のヌクレオチド、またはその類似体もしくは誘導体であり得る。Xは、任意のヌクレオチド、またはその類似体もしくは誘導体であり得る。対合されたヌクレオチドが天然に相補的なヌクレオチドを含む必要はない。 スキームは、ポリヌクレオチド連結分子の支持鎖(102、107)の足場ポリヌクレオチドの支持鎖への連結、およびヘルパー鎖とプライマー鎖部分との間の合成鎖における一本鎖切断(「ニック」)の作成を示す。 スキームは、ユニバーサルヌクレオチドを含む配列によって定義された切断部位で支持鎖を切断する(ギザギザの矢印)ことを含む切断工程(103、108)を示す。切断は、ユニバーサルヌクレオチドを含むポリヌクレオチド連結分子を放出し、足場ポリヌクレオチドにおける所定の配列の第1のヌクレオチドの保持をもたらす。切断後、第1のヌクレオチドは、切断された足場ポリヌクレオチドの支持鎖の末端ヌクレオチドであり、単一ヌクレオチド突出において、プライマー鎖部分の末端ヌクレオチドに突出する。本発明の合成方法のバージョン1において、支持鎖は、ユニバーサルヌクレオチドによって占められる位置と、プライマー鎖部分に対する近位方向/ヘルパー鎖部分に対する遠位方向において、支持鎖中の次のヌクレオチド位置を占めるヌクレオチドとの間で切断される。 スキームは、所定の配列の第2のヌクレオチドの組み込み(104、109)を示す。このヌクレオチドは、可逆的ターミネーター基(三角形)を含み、純粋に例示のために「T」(チミン)として示され、任意のヌクレオチド、またはその類似体もしくは誘導体であり得る。 スキームは、所定の配列の第2のヌクレオチドからの可逆的ターミネーター基の除去を含む脱保護工程(105、110)を示す。 各サイクルにおける本発明の合成方法のバージョン1において、所定の配列の第1のヌクレオチドおよび所定の配列の第2のヌクレオチドはヌクレオチド対を形成する。 本発明の例示的な方法のバージョン2のスキーム。 本発明の例示的な方法のバージョン2による第1の合成サイクルを示すスキーム。 本方法は、足場ポリヌクレオチドの提供、ポリヌクレオチド連結分子の足場ポリヌクレオチドへの連結、切断、可逆的ターミネーター基またはブロッキング基を含むヌクレオチドの組み込み、および脱保護のサイクルを含む。 スキームは、支持鎖(「a」と標識された)と、それにハイブリダイズされた合成鎖(「b」と標識された)と、を含む、足場ポリヌクレオチド(201、206)の提供を示す。合成鎖はプライマー鎖部分(点線)を含む。プライマー鎖部分に対して近位にある支持鎖の末端ヌクレオチドは、連結可能基、好ましくは、図に示されるような末端リン酸基を含む。プライマー鎖部分の末端ヌクレオチドおよびそれと対合されたヌクレオチドは、「X」として示される。これらの2つのヌクレオチドは、任意の2つのヌクレオチドまたはその類似体もしくは誘導体であり得、天然に相補的なヌクレオチド対であることに限定されない。 スキームは、ポリヌクレオチド連結分子(202、207、図の右上の構造)の提供を示す。ポリヌクレオチド連結分子は、ヘルパー鎖(破線)、それにハイブリダイズされた支持鎖、および相補的連結末端を含む。相補的連結末端の支持鎖の末端ヌクレオチドは、所定の配列の第1のヌクレオチドであり、「A」(アデノシン)として示される。相補的連結末端のヘルパー鎖の末端ヌクレオチドは、「T」(チミン)として示される。相補的連結末端のヘルパー鎖の末端ヌクレオチドは、連結不可能なヌクレオチドを含む。相補的連結末端は、支持鎖中にユニバーサルヌクレオチド(「Un」として示される)を含み、これは、ヘルパー鎖中のパートナーヌクレオチドと対合される(「X」として示される)。相補的連結末端における支持鎖およびヘルパー鎖の両方の最後から2番目のヌクレオチドは、「X」として示される。AおよびTは、純粋に例示のために示されており、任意のヌクレオチド、またはその類似体もしくは誘導体であり得る。「X」として示されるヌクレオチドは、任意のヌクレオチド、またはその類似体もしくは誘導体であり得る。対合されたヌクレオチドが天然に相補的なヌクレオチドを含む必要はない。 スキームは、ポリヌクレオチド連結分子の支持鎖(202、207)の足場ポリヌクレオチドの支持鎖への連結、およびヘルパー鎖とプライマー鎖部分との間の合成鎖における一本鎖切断(「ニック」)の作成を示す。 スキームは、ユニバーサルヌクレオチドを含む配列によって定義された切断部位で支持鎖を切断する(ギザギザの矢印)ことを含む切断工程(203、208)を示す。切断は、ユニバーサルヌクレオチドを含むポリヌクレオチド連結分子を放出し、足場ポリヌクレオチドにおける所定の配列の第1のヌクレオチドの保持をもたらす。切断後、第1のヌクレオチドは、切断された足場ポリヌクレオチドの支持鎖の末端ヌクレオチドであり、単一ヌクレオチド突出において、プライマー鎖部分の末端ヌクレオチドに突出する。本発明の合成方法のバージョン2において、支持鎖は、プライマー鎖部分に対する近位方向/ヘルパー鎖部分に対する遠位方向において、ユニバーサルヌクレオチドに対する次のヌクレオチド位置を占めるヌクレオチドと、プライマー鎖部分に対する近位方向/ヘルパー鎖部分に対する遠位方向において、ユニバーサルヌクレオチドに対する第2のヌクレオチド位置を占めるヌクレオチドとの間で切断される。 スキームは、所定の配列の第2のヌクレオチドの組み込み(204、209)を示す。このヌクレオチドは、可逆的ターミネーター基(三角形)を含み、純粋に例示のために「T」(チミン)として示され、任意のヌクレオチド、またはその類似体もしくは誘導体であり得る。 スキームは、所定の配列の第2のヌクレオチドからの可逆的ターミネーター基の除去を含む脱保護工程(205、210)を示す。 各サイクルにおける本発明の合成方法のバージョン2において、所定の配列の第1のヌクレオチドおよび所定の配列の第2のヌクレオチドはヌクレオチド対を形成する。 本発明の例示的な方法のバージョン2の変形例を示すスキーム。 本発明の例示的な方法のバージョン2の変形例による第1の合成サイクルを示すスキーム。 本方法は、足場ポリヌクレオチドの提供、ポリヌクレオチド連結分子の足場ポリヌクレオチドへの連結、切断、可逆的ターミネーター基またはブロッキング基を含むヌクレオチドの組み込み、および脱保護のサイクルを含む。 スキームは、支持鎖(「a」と標識された)と、それにハイブリダイズされた合成鎖(「b」と標識された)と、を含む、足場ポリヌクレオチド(301、306)の提供を示す。合成鎖はプライマー鎖部分(点線)を含む。プライマー鎖部分に対して近位にある支持鎖の末端ヌクレオチドは、連結可能基、好ましくは、図に示されるような末端リン酸基を含む。プライマー鎖部分の末端ヌクレオチドおよびそれと対合されたヌクレオチドは、「X」として示される。これらの2つのヌクレオチドは、任意の2つのヌクレオチドまたはその類似体もしくは誘導体であり得、天然に相補的なヌクレオチド対であることに限定されない。 スキームは、ポリヌクレオチド連結分子(302、307、図の右上の構造)の提供を示す。ポリヌクレオチド連結分子は、ヘルパー鎖(破線)、それにハイブリダイズされた支持鎖、および相補的連結末端を含む。相補的連結末端の支持鎖の末端ヌクレオチドは、所定の配列の第1のヌクレオチドであり、「A」(アデノシン)として示される。相補的連結末端のヘルパー鎖の末端ヌクレオチドは、「T」(チミン)として示される。相補的連結末端のヘルパー鎖の末端ヌクレオチドは、連結不可能なヌクレオチドを含む。相補的連結末端は、支持鎖中にユニバーサルヌクレオチド(「Un」として示される)を含み、これは、ヘルパー鎖中のパートナーヌクレオチドと対合される(「X」として示される)。相補的連結末端において、「X」として示される2つのヌクレオチドは、ユニバーサルヌクレオチドと支持鎖の末端ヌクレオチドとの間に位置付けられ、「X」としても示される、ヘルパー鎖中のパートナーヌクレオチドと対合される。AおよびTは、純粋に例示のために示されており、任意のヌクレオチド、またはその類似体もしくは誘導体であり得る。「X」として示されるヌクレオチドは、任意のヌクレオチド、またはその類似体もしくは誘導体であり得る。対合されたヌクレオチドが天然に相補的なヌクレオチドを含む必要はない。 スキームは、ポリヌクレオチド連結分子の支持鎖(302、307)の足場ポリヌクレオチドの支持鎖への連結、およびヘルパー鎖とプライマー鎖部分との間の合成鎖における一本鎖切断(「ニック」)の作成を示す。 スキームは、ユニバーサルヌクレオチドを含む配列によって定義された切断部位で支持鎖を切断する(ギザギザの矢印)ことを含む切断工程(303、308)を示す。切断は、ユニバーサルヌクレオチドを含むポリヌクレオチド連結分子を放出し、足場ポリヌクレオチドにおける第1のヌクレオチドの保持をもたらす。本発明の合成方法のバージョン2のこれらの変形例において、支持鎖は、所定の配列の第1のヌクレオチドによって占められる位置と、ヘルパー鎖に対する近位方向/プライマー鎖部分に対する遠位方向において支持鎖中の次のヌクレオチドによって占められる位置との間で常に切断される。 スキームは、所定の配列の第2のヌクレオチドの組み込み(304、309)を示す。このヌクレオチドは、可逆的ターミネーター基(三角形)を含み、純粋に例示のために「T」(チミン)として示され、任意のヌクレオチド、またはその類似体もしくは誘導体であり得る。 スキームは、所定の配列の第2のヌクレオチドからの可逆的ターミネーター基の除去を含む脱保護工程(305、310)を示す。 本発明の合成方法のバージョン2これらの特定の変形例のすべてにおいて、各サイクルにおいて、所定の配列の第1のヌクレオチドおよび所定の配列の第2のヌクレオチドはヌクレオチド対を形成する。 本発明の例示的な方法のバージョン3のスキーム。 本発明の例示的な方法のバージョン3による第1の合成サイクルを示すスキーム。 本方法は、足場ポリヌクレオチドの提供、足場ポリヌクレオチドへのポリヌクレオチド連結分子の連結、切断、可逆的ターミネーター基またはブロッキング基を含むヌクレオチドの組み込み、および脱保護のサイクルを含む。 スキームは、支持鎖(「a」と標識された)とそれにハイブリダイズされた合成鎖(「b」と標識された)とを含む足場ポリヌクレオチド(401、406)の提供を示す。合成鎖はプライマー鎖部分(点線)を含む。プライマー鎖部分に対して近位にある支持鎖の末端ヌクレオチドは、連結可能基、好ましくは、図に示されるように末端リン酸基を含む。「A」(アデノシン)として示される、プライマー鎖部分に対して近位にある支持鎖の末端ヌクレオチドは、単一ヌクレオチド突出において、プライマー鎖部分の末端ヌクレオチドに突出する。プライマー鎖部分の末端ヌクレオチドは、ヌクレオチド対の支持鎖の最後から2番目のヌクレオチドと対合される。対の両方のヌクレオチドは「X」として示される。これらの2つのヌクレオチドは、任意の2つのヌクレオチドまたはその類似体もしくは誘導体であり得、天然に相補的なヌクレオチド対であることに限定されない。支持鎖の突出している末端ヌクレオチドは、任意のヌクレオチド、またはその類似体もしくは誘導体であり得る。 スキームは、ポリヌクレオチド連結分子(402、407、図の右上の構造)の提供を示す。ポリヌクレオチド連結分子は、ヘルパー鎖(破線)、それにハイブリダイズされた支持鎖、および相補的連結末端を含む。相補的連結末端の支持鎖の末端ヌクレオチドは、所定の配列の第1のヌクレオチドであり、「G」(グアニン)として示され、「C」(シトシン)として示されるヘルパー鎖の最後から2番目のヌクレオチドと対合される。相補的連結末端のヘルパー鎖の末端ヌクレオチドは、「T」(チミン)として示され、単一ヌクレオチド突出において、相補的連結末端の支持鎖の末端ヌクレオチドに突出する。相補的連結末端のヘルパー鎖の末端ヌクレオチドは、連結不可能なヌクレオチドを含む。相補的連結末端は、支持鎖中にユニバーサルヌクレオチド(「Un」として示される)を含み、これは、ヘルパー鎖中のパートナーヌクレオチドと対合される(「X」として示される)。G、C、およびTは、純粋に例示のために示されており、任意のヌクレオチド、またはその類似体もしくは誘導体であり得る。Xは、任意のヌクレオチド、またはその類似体もしくは誘導体であり得る。対合されたヌクレオチドが天然に相補的なヌクレオチドを含む必要はない。 スキームは、ポリヌクレオチド連結分子の支持鎖(402、407)の足場ポリヌクレオチドの支持鎖への連結、およびヘルパー鎖とプライマー鎖部分との間の合成鎖における一本鎖切断(「ニック」)の作成を示す。 スキームは、ユニバーサルヌクレオチドを含む配列によって定義された切断部位で支持鎖を切断する(ギザギザの矢印)ことを含む切断工程(403、408)を示す。切断は、ユニバーサルヌクレオチドを含むポリヌクレオチド連結分子を放出し、足場ポリヌクレオチドにおける第1のヌクレオチドの保持をもたらす。本発明の合成方法のバージョン3において、支持鎖は、ユニバーサルヌクレオチドによって占められる位置と、プライマー鎖部分に対する近位方向/ヘルパー鎖部分に対する遠位方向において、支持鎖における次のヌクレオチド位置を占めるヌクレオチドとの間で切断される。 スキームは、所定の配列の第2のヌクレオチドの組み込み(404、409)を示す。このヌクレオチドは、可逆的ターミネーター基(三角形)を含み、純粋に例示のために「T」(チミン)として示され、任意のヌクレオチド、またはその類似体もしくは誘導体であり得る。 スキームは、所定の配列の第2のヌクレオチドからの可逆的ターミネーター基の除去を含む脱保護工程(405、410)を示す。 本発明の合成方法のバージョン3において、切断および組み込み後の各サイクルにおいて、所定の配列の第1のヌクレオチドは対合しておらず、プライマー鎖部分に対して近位にある支持鎖の末端ヌクレオチドであり、プライマー鎖部分の末端ヌクレオチドである、所定の配列の第2のヌクレオチドに突出する単一ヌクレオチド突出において提供される。したがって、所定の配列の第1のヌクレオチドおよび所定の配列の第2のヌクレオチドは、互いにヌクレオチド対を形成しない。 本発明の例示的な方法のバージョン4のスキーム。 本発明の例示的な方法のバージョン4による第1の合成サイクルを示すスキーム。 本方法は、足場ポリヌクレオチドの提供、ポリヌクレオチド連結分子の足場ポリヌクレオチドへの連結、切断、可逆的ターミネーター基またはブロッキング基を含むヌクレオチドの組み込み、および脱保護のサイクルを含む。 スキームは、支持鎖(「a」と標識された)と、それにハイブリダイズされた合成鎖(「b」と標識された)と、を含む、足場ポリヌクレオチド(501、506)の提供を示す。合成鎖はプライマー鎖部分(点線)を含む。プライマー鎖部分に対して近位にある支持鎖の末端ヌクレオチドは、連結可能基、好ましくは、図に示されるような末端リン酸基を含む。「A」(アデノシン)として示される、プライマー鎖部分に対して近位にある支持鎖の末端ヌクレオチドは、単一ヌクレオチド突出において、プライマー鎖部分の末端ヌクレオチドに突出する。プライマー鎖部分の末端ヌクレオチドは、ヌクレオチド対の支持鎖の最後から2番目のヌクレオチドと対合される。対の両方のヌクレオチドは「X」として示される。これらの2つのヌクレオチドは、任意の2つのヌクレオチドまたはその類似体もしくは誘導体であり得、天然に相補的なヌクレオチド対であることに限定されない。支持鎖の突出している末端ヌクレオチドは、任意のヌクレオチド、またはその類似体もしくは誘導体であり得る。 スキームは、ポリヌクレオチド連結分子(502、507、図の右上の構造)の提供を示す。ポリヌクレオチド連結分子は、ヘルパー鎖(破線)、それにハイブリダイズされた支持鎖、および相補的連結末端を含む。相補的連結末端の支持鎖の末端ヌクレオチドは、所定の配列の第1のヌクレオチドであり、「G」(グアニン)として示され、「C」(シトシン)として示されるヘルパー鎖の最後から2番目のヌクレオチドと対合される。相補的連結末端のヘルパー鎖の末端ヌクレオチドは、「T」(チミン)として示され、単一ヌクレオチド突出において、相補的連結末端の支持鎖の末端ヌクレオチドに突出する。相補的連結末端のヘルパー鎖の末端ヌクレオチドは、連結不可能なヌクレオチドを含む。相補的連結末端は、支持鎖中にユニバーサルヌクレオチド(「Un」として示される)を含み、これは、ヘルパー鎖中のパートナーヌクレオチドと対合される(「X」として示される)。支持鎖の最後から2番目のヌクレオチドは、「X」として示され、ヘルパー鎖中のパートナーヌクレオチドと対合される。パートナーヌクレオチドは、「X」としても示される。G、C、およびTは、純粋に例示のために示されており、任意のヌクレオチド、またはその類似体もしくは誘導体であり得る。「X」として示されるヌクレオチドは、任意のヌクレオチド、またはその類似体もしくは誘導体であり得る。対合されたヌクレオチドが天然に相補的なヌクレオチドを含む必要はない。 スキームは、ポリヌクレオチド連結分子の支持鎖(502、507)の足場ポリヌクレオチドの支持鎖への連結、およびヘルパー鎖とプライマー鎖部分との間の合成鎖における一本鎖切断(「ニック」)の作成を示す。 スキームは、ユニバーサルヌクレオチドを含む配列によって定義された切断部位で支持鎖を切断する(ギザギザの矢印)ことを含む切断工程(503、508)を示す。切断は、ユニバーサルヌクレオチドを含むポリヌクレオチド連結分子を放出し、足場ポリヌクレオチドにおける第1のヌクレオチドの保持をもたらす。本発明の合成方法のバージョン4において、支持鎖は、プライマー鎖部分に対する近位方向/ヘルパー鎖部分に対する遠位方向において、ユニバーサルヌクレオチドに対する次のヌクレオチド位置を占めるヌクレオチドと、プライマー鎖部分に対する近位方向/ヘルパー鎖部分に対する遠位方向において、ユニバーサルヌクレオチドに対する第2のヌクレオチド位置を占めるヌクレオチドとの間で切断される。 スキームは、所定の配列の第2のヌクレオチドの組み込み(504、509)を示す。このヌクレオチドは、可逆的ターミネーター基(三角形)を含み、純粋に例示のために「T」(チミン)として示され、任意のヌクレオチド、またはその類似体もしくは誘導体であり得る。 スキームは、所定の配列の第2のヌクレオチドからの可逆的ターミネーター基の除去を含む脱保護工程(505、510)を示す。 本発明の合成方法のバージョン4において、切断および組み込み後の各サイクルにおいて、所定の配列の第1のヌクレオチドは対合しておらず、プライマー鎖部分に対して近位にある支持鎖の末端ヌクレオチドであり、プライマー鎖部分の末端ヌクレオチドである、所定の配列の第2のヌクレオチドに突出する単一ヌクレオチド突出において提供される。したがって、所定の配列の第1のヌクレオチドおよび所定の配列の第2のヌクレオチドは、互いにヌクレオチド対を形成しない。 本発明の例示的な方法のバージョン4の変形例を示すスキーム。 本発明の例示的な方法のバージョン4の変形例による第1の合成サイクルを示すスキーム。 本方法は、足場ポリヌクレオチドの提供、ポリヌクレオチド連結分子の足場ポリヌクレオチドへの連結、切断、可逆的ターミネーター基またはブロッキング基を含むヌクレオチドの組み込み、および脱保護のサイクルを含む。 スキームは、支持鎖(「a」と標識された)と、それにハイブリダイズされた合成鎖(「b」と標識された)と、を含む、足場ポリヌクレオチド(601、606)の提供を示す。合成鎖はプライマー鎖部分(点線)を含む。プライマー鎖部分に対して近位にある支持鎖の末端ヌクレオチドは、連結可能基、好ましくは、図に示されるような末端リン酸基を含む。「A」(アデノシン)として示される、プライマー鎖部分に対して近位にある支持鎖の末端ヌクレオチドは、単一ヌクレオチド突出において、プライマー鎖部分の末端ヌクレオチドに突出する。プライマー鎖部分の末端ヌクレオチドは、ヌクレオチド対の支持鎖の最後から2番目のヌクレオチドと対合される。対の両方のヌクレオチドは「X」として示される。これらの2つのヌクレオチドは、任意の2つのヌクレオチドまたはその類似体もしくは誘導体であり得、天然に相補的なヌクレオチド対であることに限定されない。支持鎖の突出している末端ヌクレオチドは、任意のヌクレオチド、またはその類似体もしくは誘導体であり得る。 スキームは、ポリヌクレオチド連結分子(602、607、図の右上の構造)の提供を示す。ポリヌクレオチド連結分子は、ヘルパー鎖(破線)、それにハイブリダイズされた支持鎖、および相補的連結末端を含む。相補的連結末端の支持鎖の末端ヌクレオチドは、所定の配列の第1のヌクレオチドであり、「G」(グアニン)として示され、「C」(シトシン)として示されるヘルパー鎖の最後から2番目のヌクレオチドと対合される。相補的連結末端のヘルパー鎖の末端ヌクレオチドは、「T」(チミン)として示され、単一ヌクレオチド突出において、相補的連結末端の支持鎖の末端ヌクレオチドに突出する。相補的連結末端のヘルパー鎖の末端ヌクレオチドは、連結不可能なヌクレオチドを含む。相補的連結末端は、支持鎖中にユニバーサルヌクレオチド(「Un」として示される)を含み、これは、ヘルパー鎖中のパートナーヌクレオチドと対合される(「X」として示される)。相補的連結末端において、「X」として示される2つのヌクレオチドは、ユニバーサルヌクレオチドと支持鎖中の末端ヌクレオチドとの間に位置付けられ、ヘルパー鎖中のパートナーヌクレオチドと対合される。パートナーヌクレオチドはまた、「X」としても示される。G、C、およびTは、純粋に例示のために示されており、任意のヌクレオチド、またはその類似体もしくは誘導体であり得る。「X」として示されるヌクレオチドは、任意のヌクレオチド、またはその類似体もしくは誘導体であり得る。対合されたヌクレオチドが天然に相補的なヌクレオチドを含む必要はない。 スキームは、ポリヌクレオチド連結分子の支持鎖(602、607)の足場ポリヌクレオチドの支持鎖への連結、およびヘルパー鎖とプライマー鎖部分との間の合成鎖における一本鎖切断(「ニック」)の作成を示す。 スキームは、ユニバーサルヌクレオチドを含む配列によって定義された切断部位で支持鎖を切断する(ギザギザの矢印)ことを含む切断工程(603、608)を示す。切断は、ユニバーサルヌクレオチドを含むポリヌクレオチド連結分子を放出し、足場ポリヌクレオチドにおける第1のヌクレオチドの保持をもたらす。本発明の合成方法のバージョン4のこれらの変形例において、支持鎖は、所定の配列の第1のヌクレオチドによって占められる位置と、ヘルパー鎖に対する近位方向/プライマー鎖部分に対する遠位方向において支持鎖中の次のヌクレオチドによって占められる位置との間で常に切断される。 スキームは、所定の配列の第2のヌクレオチドの組み込み(604、609)を示す。このヌクレオチドは、可逆的ターミネーター基(三角形)を含み、純粋に例示のために「T」(チミン)として示され、任意のヌクレオチド、またはその類似体もしくは誘導体であり得る。 スキームは、所定の配列の第2のヌクレオチドからの可逆的ターミネーター基の除去を含む脱保護工程(605、610)を示す。 本発明の合成方法のバージョン4のこれらの変形例において、切断および組み込み後の各サイクルにおいて、所定の配列の第1のヌクレオチドは対合しておらず、プライマー鎖部分に対して近位にある支持鎖の末端ヌクレオチドであり、プライマー鎖部分の末端ヌクレオチドである、所定の配列の第2のヌクレオチドに突出する単一ヌクレオチド突出において提供される。したがって、所定の配列の第1のヌクレオチドおよび所定の配列の第2のヌクレオチドは、互いにヌクレオチド対を形成しない。 本発明の例示的な方法のバージョン3のさらなる変形例を示すスキーム。 本発明の例示的な方法のバージョン3のさらなる変形例による第1の合成サイクルを示すスキーム。 本方法は、足場ポリヌクレオチドの提供、ポリヌクレオチド連結分子の足場ポリヌクレオチドへの連結、切断、可逆的ターミネーター基またはブロッキング基を含むヌクレオチドの組み込み、および脱保護のサイクルを含む。 スキームは、支持鎖(「a」と標識された)と、それにハイブリダイズされた合成鎖(「b」と標識された)と、を含む、足場ポリヌクレオチド(701、706)の提供を示す。合成鎖はプライマー鎖部分(点線)を含む。プライマー鎖部分に対して近位にある支持鎖の末端ヌクレオチドは、連結可能基、好ましくは、図に示されるような末端リン酸基を含む。プライマー鎖部分に対して近位にある支持鎖の末端ヌクレオチドは、「C」(シトシン)として示される。支持鎖の最後から2番目のヌクレオチドは、「A」(アデノシン)として示される。支持鎖の末端および最後から2番目のヌクレオチドは、多重ヌクレオチド突出において、プライマー鎖部分の末端ヌクレオチドに突出する。支持鎖は、任意選択的に、平行垂直線によって示される、1つ以上のさらなるヌクレオチドを含み得る。プライマー鎖部分の末端ヌクレオチドは、ヌクレオチド対の支持鎖のパートナーヌクレオチドと対合される。対の両方のヌクレオチドは「X」として示される。これらの2つのヌクレオチドは、任意の2つのヌクレオチドまたはその類似体もしくは誘導体であり得、天然に相補的なヌクレオチド対であることに限定されない。支持鎖の突出ヌクレオチドは、任意のヌクレオチド、またはその類似体もしくは誘導体であり得る。 スキームは、ポリヌクレオチド連結分子(702、707、図の右上の構造)の提供を示す。ポリヌクレオチド連結分子は、ヘルパー鎖(破線)、それにハイブリダイズされた支持鎖、および相補的連結末端を含む。相補的連結末端の支持鎖の末端ヌクレオチドは、所定の配列の第1のヌクレオチドであり、「G」(グアニン)として示され、「C」(シトシン)として示されるヘルパー鎖中のパートナーヌクレオチドと対合される。相補的連結末端のヘルパー鎖の末端ヌクレオチドは、「T」(チミン)として示される。ヘルパー鎖の最後から2番目のヌクレオチドは、「G」(グアニン)として示される。ヘルパー鎖の末端および最後から2番目のヌクレオチドは、多重ヌクレオチド突出において、相補的連結末端の支持鎖の末端ヌクレオチドに突出する。ヘルパー鎖は、任意選択的に、平行垂直線によって示される、末端および最後から2番目のヌクレオチドの前に1つ以上のさらなるヌクレオチドを含み得る。相補的連結末端のヘルパー鎖の末端ヌクレオチドは、連結不可能なヌクレオチドを含む。相補的連結末端は、支持鎖中にユニバーサルヌクレオチド(「Un」として示される)を含み、これは、ヘルパー鎖中のパートナーヌクレオチドと対合される(「X」として示される)。G、C、およびTは、純粋に例示のために示されており、任意のヌクレオチド、またはその類似体もしくは誘導体であり得る。Xは、任意のヌクレオチド、またはその類似体もしくは誘導体であり得る。対合されたヌクレオチドが天然に相補的なヌクレオチドを含む必要はない。 スキームは、ポリヌクレオチド連結分子の支持鎖(702、707)の足場ポリヌクレオチドの支持鎖への連結、およびヘルパー鎖とプライマー鎖部分との間の合成鎖における一本鎖切断(「ニック」)の作成を示す。 スキームは、ユニバーサルヌクレオチドを含む配列によって定義された切断部位で支持鎖を切断する(ギザギザの矢印)ことを含む切断工程(703、708)を示す。切断は、ユニバーサルヌクレオチドを含むポリヌクレオチド連結分子を放出し、足場ポリヌクレオチドにおける第1のヌクレオチドの保持をもたらす。本発明の合成方法のバージョン3のこれらの特定の変形例において、支持鎖は、ユニバーサルヌクレオチドによって占められる位置と、プライマー鎖部分に対する近位方向/ヘルパー鎖部分に対する遠位方向において、支持鎖中の次のヌクレオチド位置を占めるヌクレオチドとの間で常に切断される。 スキームは、所定の配列の第2のヌクレオチドの組み込み(704、709)を示す。このヌクレオチドは、可逆的ターミネーター基(三角形)を含み、純粋に例示のために「T」(チミン)として示され、任意のヌクレオチド、またはその類似体もしくは誘導体であり得る。 スキームは、所定の配列の第2のヌクレオチドからの可逆的ターミネーター基の除去を含む脱保護工程(705、710)を示す。 本発明の合成方法のバージョン3のこれらの特定の変形例において、切断および組み込み後の各サイクルにおいて、所定の配列の第1のヌクレオチドは対合しておらず、プライマー鎖部分に対して近位にある支持鎖の末端ヌクレオチドであり、プライマー鎖部分の末端ヌクレオチドである、所定の配列の第2のヌクレオチドに突出する多重ヌクレオチド突出において提供される。したがって、所定の配列の第1のヌクレオチドおよび所定の配列の第2のヌクレオチドは、互いにヌクレオチド対を形成しない。 本発明の例示的な方法のバージョン4のさらなる変形例を示すスキーム。 本発明の例示的な方法のバージョン4のさらなる変形例による第1の合成サイクルを示すスキーム。 本方法は、足場ポリヌクレオチドの提供、ポリヌクレオチド連結分子の足場ポリヌクレオチドへの連結、切断、可逆的ターミネーター基またはブロッキング基を含むヌクレオチドの組み込み、および脱保護のサイクルを含む。 スキームは、支持鎖(「a」と標識された)と、それにハイブリダイズされた合成鎖(「b」と標識された)と、を含む、足場ポリヌクレオチド(801、806)の提供を示す。合成鎖はプライマー鎖部分(点線)を含む。プライマー鎖部分に対して近位にある支持鎖の末端ヌクレオチドは、連結可能基、好ましくは、図に示されるような末端リン酸基を含む。プライマー鎖部分に対して近位にある支持鎖の末端ヌクレオチドは、「C」(シトシン)として示される。支持鎖の最後から2番目のヌクレオチドは、「A」(アデノシン)として示される。支持鎖の末端および最後から2番目のヌクレオチドは、多重ヌクレオチド突出において、プライマー鎖部分の末端ヌクレオチドに突出する。支持鎖は、任意選択的に、平行垂直線によって示される、1つ以上のさらなるヌクレオチドを含み得る。プライマー鎖部分の末端ヌクレオチドは、ヌクレオチド対の支持鎖のパートナーヌクレオチドと対合される。対の両方のヌクレオチドは「X」として示される。これらの2つのヌクレオチドは、任意の2つのヌクレオチドまたはその類似体もしくは誘導体であり得、天然に相補的なヌクレオチド対であることに限定されない。支持鎖の突出ヌクレオチドは、任意のヌクレオチド、またはその類似体もしくは誘導体であり得る。 スキームは、ポリヌクレオチド連結分子(802、807、図の右上の構造)の提供を示す。ポリヌクレオチド連結分子は、ヘルパー鎖(破線)、それにハイブリダイズされた支持鎖、および相補的連結末端を含む。相補的連結末端の支持鎖の末端ヌクレオチドは、所定の配列の第1のヌクレオチドであり、「G」(グアニン)として示され、「C」(シトシン)として示されるヘルパー鎖中のパートナーヌクレオチドと対合される。相補的連結末端のヘルパー鎖の末端ヌクレオチドは、「T」(チミン)として示される。ヘルパー鎖の最後から2番目のヌクレオチドは、「G」(グアニン)として示される。ヘルパー鎖の末端および最後から2番目のヌクレオチドは、多重ヌクレオチド突出において、相補的連結末端の支持鎖の末端ヌクレオチドに突出する。ヘルパー鎖は、任意選択的に、平行垂直線によって示される、末端および最後から2番目のヌクレオチドの前に1つ以上のさらなるヌクレオチドを含み得る。相補的連結末端のヘルパー鎖の末端ヌクレオチドは、連結不可能なヌクレオチドを含む。相補的連結末端は、支持鎖中にユニバーサルヌクレオチド(「Un」として示される)を含み、これは、ヘルパー鎖中のパートナーヌクレオチドと対合される(「X」として示される)。さらなるヌクレオチド(「X」として示される)は、所定の配列の第1のヌクレオチドと、相補的連結末端の支持鎖中のユニバーサルヌクレオチドとの間に位置付けられ、ヘルパー鎖中のパートナーヌクレオチドと対合される(「X」としても示される)。G、C、およびTは、純粋に例示のために示されており、任意のヌクレオチド、またはその類似体もしくは誘導体であり得る。Xは、任意のヌクレオチド、またはその類似体もしくは誘導体であり得る。対合されたヌクレオチドが天然に相補的なヌクレオチドを含む必要はない。 スキームは、ポリヌクレオチド連結分子の支持鎖(802、807)の足場ポリヌクレオチドの支持鎖への連結、およびヘルパー鎖とプライマー鎖部分との間の合成鎖における一本鎖切断(「ニック」)の作成を示す。 スキームは、ユニバーサルヌクレオチドを含む配列によって定義された切断部位で支持鎖を切断する(ギザギザの矢印)ことを含む切断工程(803、808)を示す。切断は、ユニバーサルヌクレオチドを含むポリヌクレオチド連結分子を放出し、足場ポリヌクレオチドにおける第1のヌクレオチドの保持をもたらす。本発明の合成方法のバージョン4のこれらの特定の変形例において、支持鎖は、プライマー鎖部分に対する近位方向/ヘルパー鎖部分に対する遠位方向において、ユニバーサルヌクレオチドに対する次のヌクレオチド位置を占めるヌクレオチドと、プライマー鎖部分に対する近位方向/ヘルパー鎖部分に対する遠位方向において、ユニバーサルヌクレオチドに対する第2のヌクレオチド位置を占めるヌクレオチドとの間で常に切断される。 スキームは、所定の配列の第2のヌクレオチドの組み込み(804、809)を示す。このヌクレオチドは、可逆的ターミネーター基(三角形)を含み、純粋に例示のために「T」(チミン)として示され、任意のヌクレオチド、またはその類似体もしくは誘導体であり得る。 スキームは、所定の配列の第2のヌクレオチドからの可逆的ターミネーター基の除去を含む脱保護工程(805、810)を示す。 本発明の合成方法のバージョン4のこれらの特定の変形例において、切断および組み込み後の各サイクルにおいて、所定の配列の第1のヌクレオチドは対合しておらず、プライマー鎖部分に対して近位にある支持鎖の末端ヌクレオチドであり、プライマー鎖部分の末端ヌクレオチドである、所定の配列の第2のヌクレオチドに突出する多重ヌクレオチド突出において提供される。したがって、所定の配列の第1のヌクレオチドおよび所定の配列の第2のヌクレオチドは、互いにヌクレオチド対を形成しない。 1サイクル当たり3つ以上のヌクレオチドの組み込みを伴う本発明の例示的な方法のバージョン1の変形例を示すスキーム。 連結および組み込みの両方の工程における複数のヌクレオチドの組み込みを伴う本発明の例示的な方法のバージョン1の変形例による第1の合成サイクルを示すスキーム。 本方法は、足場ポリヌクレオチドの提供、ポリヌクレオチド連結分子の足場ポリヌクレオチドへの連結、切断、および(a)可逆的ターミネーター基またはブロッキング基を含むヌクレオチドの組み込み、続いて(b)脱保護の複数の工程のサイクルを含む。 スキームは、支持鎖(「a」と標識された)と、それにハイブリダイズされた合成鎖(「b」と標識された)と、を含む、足場ポリヌクレオチド(901、906)の提供を示す。合成鎖はプライマー鎖部分(点線)を含む。プライマー鎖部分に対して近位にある支持鎖の末端ヌクレオチドは、連結可能基、好ましくは、図に示されるような末端リン酸基を含む。プライマー鎖部分の末端ヌクレオチドおよびそれと対合されたヌクレオチドは、「X」として示される。これらの2つのヌクレオチドは、任意の2つのヌクレオチドまたはその類似体もしくは誘導体であり得、天然に相補的なヌクレオチド対であることに限定されない。 スキームは、ポリヌクレオチド連結分子(902、907、図の右上の構造)の提供を示す。ポリヌクレオチド連結分子は、ヘルパー鎖(破線)、それにハイブリダイズされた支持鎖、および相補的連結末端を含む。相補的連結末端の支持鎖の末端ヌクレオチドは、所定の配列の第1のヌクレオチドであり、「A」(アデノシン)として示される。相補的連結末端のヘルパー鎖の末端ヌクレオチドは、「T」(チミン)として示される。相補的連結末端のヘルパー鎖の末端ヌクレオチドは、連結不可能なヌクレオチドを含む。支持鎖の最後から2番目のヌクレオチドは、所定の配列のさらなるヌクレオチドであり、「G」(グアニン)として示され、「C」(シトシン)として示されるヘルパー鎖の最後から2番目のヌクレオチドと対合される。相補的連結末端は、支持鎖中にユニバーサルヌクレオチド(「Un」として示される)を含み、これは、ヘルパー鎖中のパートナーヌクレオチドと対合される(「X」として示される)。A、T、G、およびCは、純粋に例示のために示されており、任意のヌクレオチド、またはその類似体もしくは誘導体であり得る。Xは、任意のヌクレオチド、またはその類似体もしくは誘導体であり得る。対合されたヌクレオチドが天然に相補的なヌクレオチドを含む必要はない。 スキームは、ポリヌクレオチド連結分子の支持鎖(902、907)の足場ポリヌクレオチドの支持鎖への連結、およびヘルパー鎖とプライマー鎖部分との間の合成鎖における一本鎖切断(「ニック」)の作成を示す。 スキームは、ユニバーサルヌクレオチドを含む配列によって定義された切断部位で支持鎖を切断する(ギザギザの矢印)ことを含む切断工程(903、908)を示す。切断は、ユニバーサルヌクレオチドを含むポリヌクレオチド連結分子を放出し、足場ポリヌクレオチドにおける第1およびさらなるヌクレオチドの保持をもたらす。本発明の合成方法のバージョン1のこの特定の変形例において、支持鎖は、ユニバーサルヌクレオチドによって占められる位置と、プライマー鎖部分に対する近位方向/ヘルパー鎖部分に対する遠位方向において、支持鎖中の次のヌクレオチド位置を占めるヌクレオチドとの間で切断される。 スキームは、所定の配列の第2のヌクレオチドの組み込み(904、909)を示す。このヌクレオチドは、可逆的ターミネーター基(三角形)を含み、純粋に例示のために「T」(チミン)として示され、任意のヌクレオチド、またはその類似体もしくは誘導体であり得る。組み込み時に、第2のヌクレオチドは、第1のヌクレオチドとヌクレオチド対を形成する。 スキームは、所定の配列の第2のヌクレオチドからの可逆的ターミネーター基の除去を含む、第2のヌクレオチドの組み込みの後の脱保護工程(905、910)を示す。 スキームは、所定の配列のさらなるヌクレオチドの組み込み(904’、909’)を示す。このヌクレオチドは、可逆的ターミネーター基(三角形)を含み、「C」(シトシン)として示される。組み込み時に、さらなるヌクレオチドは、工程(2)において、「G」(グアニン)として示される、ポリヌクレオチド連結分子によって提供されたさらなるヌクレオチドとヌクレオチド対を形成する。シトシンおよびグアニンは、純粋に例示のために示されており、これらのヌクレオチドは、任意のヌクレオチド、またはその類似体もしくは誘導体であり得、天然に相補的なヌクレオチド対であることに限定されない。 スキームは、所定の配列のさらなるヌクレオチドからの可逆的ターミネーター基の除去を含む、さらなるヌクレオチドの組み込みの後の第2の脱保護工程(905’、910’)を示す。 本発明の合成方法のバージョン1のこれらの特定の変形例のすべてにおいて、各サイクルにおいて、所定の配列の第1のヌクレオチドおよび所定の配列の第2のヌクレオチドはヌクレオチド対を形成し、工程(2)において、ポリヌクレオチド連結分子によって提供される第1のさらなるヌクレオチド、および工程(4’)において組み込まれた第1のさらなるヌクレオチドは、ヌクレオチド対を形成するなどである。 1サイクル当たり3つ以上のヌクレオチドの組み込みを伴う本発明の例示的な方法のバージョン3の変形例を示すスキーム。 連結および組み込みの両方の工程における複数のヌクレオチドの組み込みを伴う本発明の例示的な方法のバージョン3の変形例による第1の合成サイクルを示すスキーム。 本方法は、足場ポリヌクレオチドの提供、ポリヌクレオチド連結分子の足場ポリヌクレオチドへの連結、切断、および(a)可逆的ターミネーター基またはブロッキング基を含むヌクレオチドの組み込み、続いて(b)脱保護の複数の工程のサイクルを含む。 スキームは、支持鎖(「a」と標識された)と、それにハイブリダイズされた合成鎖(「b」と標識された)と、を含む、足場ポリヌクレオチド(1001、1006)の提供を示す。合成鎖はプライマー鎖部分(点線)を含む。プライマー鎖部分に対して近位にある支持鎖の末端ヌクレオチドは、連結可能基、好ましくは、図に示されるような末端リン酸基を含む。「A」(アデノシン)として示される、プライマー鎖部分に対して近位にある支持鎖の末端ヌクレオチドは、単一ヌクレオチド突出において、プライマー鎖部分の末端ヌクレオチドに突出する。プライマー鎖部分の末端ヌクレオチドは、ヌクレオチド対の支持鎖の最後から2番目のヌクレオチドと対合される。対の両方のヌクレオチドは「X」として示される。これらの2つのヌクレオチドは、任意の2つのヌクレオチドまたはその類似体もしくは誘導体であり得、天然に相補的なヌクレオチド対であることに限定されない。支持鎖の突出している末端ヌクレオチドは、任意のヌクレオチド、またはその類似体もしくは誘導体であり得る。 スキームは、ポリヌクレオチド連結分子(1002、1007、図の右上の構造)の提供を示す。ポリヌクレオチド連結分子は、ヘルパー鎖(破線)、それにハイブリダイズされた支持鎖、および相補的連結末端を含む。相補的連結末端の支持鎖の末端ヌクレオチドは、所定の配列の第1のヌクレオチドであり、「G」(グアニン)として示され、「C」(シトシン)として示されるヘルパー鎖の最後から2番目のヌクレオチドと対合される。相補的連結末端のヘルパー鎖の末端ヌクレオチドは、「T」(チミン)として示され、単一ヌクレオチド突出において、相補的連結末端の支持鎖の末端ヌクレオチドに突出する。相補的連結末端のヘルパー鎖の末端ヌクレオチドは、連結不可能なヌクレオチドを含む。支持鎖の最後から2番目のヌクレオチドは、所定の配列のさらなるヌクレオチドであり、「T」(チミン)として示され、「A」(アデニン)として示されるヘルパー鎖中のパートナーヌクレオチドと対合される。相補的連結末端は、支持鎖中にユニバーサルヌクレオチド(「Un」として示される)を含み、これは、ヘルパー鎖中のパートナーヌクレオチドと対合される(「X」として示される)。A、T、G、およびCは、純粋に例示のために示されており、任意のヌクレオチド、またはその類似体もしくは誘導体であり得る。Xは、任意のヌクレオチド、またはその類似体もしくは誘導体であり得る。対合されたヌクレオチドが天然に相補的なヌクレオチドを含む必要はない。 スキームは、ポリヌクレオチド連結分子の支持鎖(1002、1007)の足場ポリヌクレオチドの支持鎖への連結、およびヘルパー鎖とプライマー鎖部分との間の合成鎖における一本鎖切断(「ニック」)の作成を示す。 スキームは、ユニバーサルヌクレオチドを含む配列によって定義された切断部位で支持鎖を切断する(ギザギザの矢印)ことを含む切断工程(1003、1008)を示す。切断は、ユニバーサルヌクレオチドを含むポリヌクレオチド連結分子を放出し、足場ポリヌクレオチドにおける第1およびさらなるヌクレオチドの保持をもたらす。本発明の合成方法のバージョン3のこの特定の変形例において、支持鎖は、ユニバーサルヌクレオチドによって占められる位置と、プライマー鎖部分に対する近位方向/ヘルパー鎖部分に対する遠位方向において、支持鎖中の次のヌクレオチド位置を占めるヌクレオチドとの間で切断される。 スキームは、所定の配列の第2のヌクレオチドの組み込み(1004、1009)を示す。このヌクレオチドは、可逆的ターミネーター基(三角形)を含み、純粋に例示のために「T」(チミン)として示され、任意のヌクレオチド、またはその類似体もしくは誘導体であり得る。組み込み時に、第2のヌクレオチドは、第1のヌクレオチドとヌクレオチド対を形成する。 スキームは、所定の配列の第2のヌクレオチドからの可逆的ターミネーター基の除去を含む、第2のヌクレオチドの組み込みの後の脱保護工程(1005、1010)を示す。 スキームは、所定の配列のさらなるヌクレオチドの組み込み(1004’、1009’)を示す。このヌクレオチドは、可逆的ターミネーター基(三角形)を含み、「C」(シトシン)として示される。組み込み時に、さらなるヌクレオチドは、「G」(グアニン)として示される、工程(2)において、ポリヌクレオチド連結分子によって提供された所定の配列の第1のヌクレオチドとヌクレオチド対を形成する。シトシンおよびグアニンは、純粋に例示のために示されており、これらのヌクレオチドは、任意のヌクレオチド、またはその類似体もしくは誘導体であり得、天然に相補的なヌクレオチド対であることに限定されない。 スキームは、所定の配列のさらなるヌクレオチドからの可逆的ターミネーター基の除去を含む、さらなるヌクレオチドの組み込みの後の第2の脱保護工程(1005’、1010’)を示す。 本発明の合成方法のバージョン3のこれらの特定の変形例のすべてにおいて、切断および組み込み後、工程(2)においてポリヌクレオチド連結分子によって提供された所定の配列のさらなるヌクレオチドは対合しておらず、プライマー鎖部分に対して近位にある支持鎖の末端ヌクレオチドであり、プライマー鎖部分の末端ヌクレオチドである組み込み工程(4’)において提供された所定の配列のさらなるヌクレオチドに突出する単一ヌクレオチド突出において提供される。したがって、所定の配列の第1のヌクレオチドおよび所定の配列の第2のヌクレオチドは、互いにヌクレオチド対を形成せず、工程(2)においてポリヌクレオチド連結分子によって提供された第1のさらなるヌクレオチド、および工程(4’)において組み込まれた第1のさらなるヌクレオチドは、互いにヌクレオチド対を形成しないなどである。 例示的な方法のバージョン1のスキーム。 実施例部分の例示的な方法のバージョン1による第1の合成サイクルを示すスキーム。この方法は、例示的な支持のためにのみ提供されており、特許請求される発明の範囲内ではない。方法は、足場ポリヌクレオチドの提供、組み込み、切断、連結、および脱保護のサイクルを含む。このスキームは、第1の合成サイクル(101、102)におけるチミンヌクレオチドの組み込み、およびパートナーアデニンヌクレオチド(104)と反対側のその対合、ならびに次の合成サイクルで使用するための足場ポリヌクレオチド(106)の提供を示す。この対は、例示の目的のみのために示されており、限定するものではなく、必要とされる所定の配列に応じた任意の対であり得る。ヌクレオチドZは、任意のヌクレオチドであり得る。ヌクレオチドXは、任意の好適なヌクレオチドであり得る。図はまた、第2の合成サイクルに対応する参照符号を示す。 例示的な方法のバージョン2のスキーム。 実施例部分の例示的な方法のバージョン2による第1の合成サイクルを示すスキーム。この方法は、例示的な支持のためにのみ提供されており、特許請求される発明の範囲内ではない。方法は、足場ポリヌクレオチドの提供、組み込み、切断、連結、および脱保護のサイクルを含む。このスキームは、第1のサイクル(201、202)におけるチミンヌクレオチドおよびパートナーアデニンヌクレオチド(204)と反対側のその対合の組み込み、ならびに次の合成サイクルにおいてシトシンと対合するためのグアニンを含む足場ポリヌクレオチド(206)の提供を示す。これらの対は、例示の目的のみのために示されており、限定するものではなく、必要とされる所定の配列に応じた任意の対であり得る。ヌクレオチドZは、任意のヌクレオチドであり得る。ヌクレオチドXは、任意の好適なヌクレオチドであり得る。図はまた、第2の合成サイクルに対応する参照符号を示す。 例示的な方法のバージョン3のスキーム。 実施例部分の例示的な方法のバージョン3による第1の合成サイクルを示すスキーム。この方法は、例示的な支持のためにのみ提供されており、特許請求される発明の範囲内ではない。方法は、足場ポリヌクレオチドの提供、組み込み、切断、連結、および脱保護のサイクルを含む。このスキームは、第1のサイクル(301、302)におけるチミンヌクレオチドおよびパートナーアデニンヌクレオチド(304)と反対側のその対合の組み込み、ならびに次の合成サイクルで使用するための足場ポリヌクレオチド(306)の提供を示す。この対は、例示の目的のみのために示されており、限定するものではなく、必要とされる所定の配列に応じた任意の対であり得る。このスキームはまた、足場ポリヌクレオチドの構成成分としてのシトシン−グアニン対を示し、これは所定の配列の一部ではない。この対はまた、例示の目的のみのために示されており、限定するものではなく、任意の対であり得る。ヌクレオチドZは、任意のヌクレオチドであり得る。ヌクレオチドXは、任意の好適なヌクレオチドであり得る。 例示的な方法のバージョン4のスキーム。 実施例部分の例示的な方法のバージョン4による第1の合成サイクルを示すスキーム。この方法は、例示的な支持のためにのみ提供されており、特許請求される発明の範囲内ではない。方法は、足場ポリヌクレオチドの提供、組み込み、切断、連結、および脱保護のサイクルを含む。このスキームは、第1のサイクル(401、402)におけるチミンヌクレオチドおよびパートナーユニバーサルヌクレオチド(404)と反対側のその対合の組み込み、ならびに次の合成サイクルにおいてシトシンと対合するためのグアニンを含む足場ポリヌクレオチド(406)の提供を示す。これらの対は、例示の目的のみのために示されており、限定するものではなく、必要とされる所定の配列に応じた任意の対であり得る。ヌクレオチドX、Y、およびZは、任意のヌクレオチドであり得る。 例示的な方法のバージョン5のスキーム。 実施例部分の例示的な方法のバージョン5による第1の合成サイクルを示すスキーム。この方法は、例示的な支持のためにのみ提供されており、特許請求される発明の範囲内ではない。方法は、足場ポリヌクレオチドの提供、組み込み、切断、連結、および脱保護のサイクルを含む。このスキームは、第1のサイクル(501、502)におけるチミンヌクレオチドおよびパートナーアデニンヌクレオチド(504)と反対側のその対合の組み込み、ならびに次の合成サイクルにおいてシトシンと対合するためのグアニンを含む足場ポリヌクレオチド(506)の提供を示す。このスキームはまた、足場ポリヌクレオチドの構成成分としてのシトシン−グアニン対(位置n−2)を示し、これは所定の配列の一部ではない。これらの対は、例示の目的のみのために示されており、限定するものではなく、必要とされる所定の配列に応じた任意の対であり得る。ヌクレオチドX、Y、およびZは、任意のヌクレオチドであり得る。 足場ポリヌクレオチドの表面固定化を示すスキーム。 スキームは、足場ポリヌクレオチドの可能な例示的なヘアピンループ構成およびそれらの表面への固定化を示す(a〜h)。 スキーム(iおよびj)は、ポリヌクレオチドを表面に付着させるための表面化学の例を示す。実施例は、両方の鎖がヘアピンを介して接続されている二本鎖の実施形態を示しているが、非接続二本鎖ポリヌクレオチドの一方または両方の鎖を付着させるために同じ化学を使用することができる。 ヘルパー鎖の不在−組み込み。 a)破線枠で強調表示されている組み込み工程を示すスキーム。 b)イノシンと反対側の3’−O−修飾−dTTPの組み込みについてのDNAポリメラーゼの評価。図は、50℃のMn2+イオンの存在下での様々なDNAポリメラーゼ(Bst、Deep Vent(エキソ)、Therminator IおよびTherminator IX)による3’−O−修飾−dTTPの組み込みの結果を示すゲルを図示する。レーン1:Bst DNAポリメラーゼを使用した3’−O−アリル−dTTPの組み込み。レーン2:Bst DNAポリメラーゼを使用した3’−O−アジドメチル−dTTPの組み込み。レーン3:Deep vent(エキソ)DNAポリメラーゼを使用した3’−O−アリル−dTTPの組み込み。レーン4:Deep vent(エキソ)DNAポリメラーゼを使用した3’−O−アジドメチル−dTTPの組み込み。レーン5:Therminator I DNAポリメラーゼを使用した3’−O−アリル−dTTPの組み込み。レーン6:Therminator I DNAポリメラーゼを使用した3’−O−アジドメチル−dTTPの組み込み。レーン7:Therminator IX DNAポリメラーゼを使用した3’−O−アリル−dTTPの組み込み。レーン8:Therminator IX DNAポリメラーゼを使用した3’−O−アジドメチル−dTTPの組み込み。 c)イノシンと反対側の3’−O−修飾−dTTPの組み込みについてのDNAポリメラーゼの評価。様々なDNAポリメラーゼを使用した組み込みの結果。 d)Therminator IX DNAポリメラーゼを使用した組み込みについての温度の評価。図は、様々な温度でTherminator IX DNAポリメラーゼを使用したMn2+イオンの存在下でのイノシンと反対側の3’−修飾−dTTPの組み込みの結果を示すゲルを図示する。レーン1:37℃での3’−O−アリル−dTTPの組み込み。レーン2:37℃での3’−O−アジドメチル−dTTPの組み込み。レーン3:50℃での3’−O−アリル−dTTPの組み込み。レーン4:50℃での3’−O−アジドメチル−dTTPの組み込み。レーン5:65℃での3’−O−アリル−dTTPの組み込み。レーン6:65℃での3’−O−アジドメチル−dTTPの組み込み。 e)Therminator IX DNAポリメラーゼを使用した組み込みについての温度の評価。異なる温度で行われた組み込みの結果。 f)Therminator IX DNAポリメラーゼを使用した組み込みについてのMn2+の存在の評価。図は、65℃でのイノシンと反対側の3’−O−修飾−dTTPの組み込みの結果を示すゲルを図示する。レーンS:標準。レーン1:Mn2+イオンを含まない3’−O−アリル−dTTPの組み込み。レーン2:Mn2+イオンを含まない3’−O−アジドメチル−dTTPの組み込み。レーン3:Mn2+イオンの存在下での3’−O−アリル−dTTPの組み込み。レーン4:Mn2+イオンの存在下での3’−O−アジドメチル−dTTPの組み込み。 g)Therminator IX DNAポリメラーゼを使用した組み込みについてのMn2+の存在の評価。Mn2+イオンの存在下および不在下での組み込みの結果。 h)組み込み工程の研究のために使用されるオリゴヌクレオチド。 ヘルパー鎖の不在−切断。 a)ヘルパー鎖の不在下でのハイブリダイズされたポリヌクレオチド鎖の切断を示すスキーム。切断工程は、破線枠で強調表示されている。 b)37℃および室温24℃でのそれぞれhAAGおよび0.2M NaOH(強塩基)によるオリゴヌクレオチドの切断を示すゲル。レーン1.開始オリゴヌクレオチド。両方の全長鎖を含有する陽性対照であるレーン2は、90%:10%の切断対未切断DNA比のより高い収率を示した。ヘルパー鎖によらない切断反応を含むレーン3は、10%:90%の切断対未切断DNA比の低い収率を示した。 c)37℃でのhAAGおよびEndo VIIIによるオリゴヌクレオチドの切断を示すゲル。両方の全長鎖を含有する陽性対照であるレーン2は、約90%:10%の切断対未切断DNA比のより高い収率を示した。ヘルパー鎖によらない切断反応を含むレーン3は、約7%:93%の切断対未切断DNA比の低いパーセンテージ収率を示した。 d)hAAG/Endo VIIIおよびhAAG/化学塩基によるオリゴヌクレオチドの切断の要約。 e)切断工程の研究のために使用されるオリゴヌクレオチド。 ヘルパー鎖の不在−連結。 a)ヘルパー鎖の不在下でのハイブリダイズされたポリヌクレオチド鎖の連結を示すスキーム。破線枠で強調表示されている連結工程。 b)ヘルパー鎖の不在下で室温(24℃)でのQuick T4 DNAリガーゼによるオリゴヌクレオチドの連結を示すゲル。レーン1は、36merのTAMRA一本鎖オリゴと18merのTAMRA一本鎖オリゴとの混合物を含有した。これらのオリゴは参照バンドを提供した。 c)切断工程の研究のために使用されるオリゴヌクレオチド。 ヘルパー鎖によるバージョン1化学−組み込み。 a)破線枠で強調表示されている組み込み工程を示すスキーム。 b)組み込み工程の研究に適用可能なオリゴヌクレオチド。 ヘルパー鎖によるバージョン1化学−切断。 a)ヘルパー鎖の不在下でのハイブリダイズされたポリヌクレオチド鎖の切断を示すスキーム。切断工程は、破線枠で強調表示されている。 b)37℃および室温24℃でのそれぞれhAAGおよび0.2M NaOH(強塩基)によるオリゴヌクレオチドの切断を示すゲル。レーン1.開始オリゴヌクレオチド。両方の全長鎖を含有する陽性対照であるレーン2は、90%:10%の切断対未切断DNA比のより高い収率を示した。ヘルパー鎖によらない切断反応を含むレーン3は、10%:90%の切断対未切断DNA比の低い収率を示した。ヘルパー鎖による切断反応を含むレーン4は、50%:50%の切断対未切断DNA比の等しいパーセンテージ収率を示した。 c)脱塩基部位の切断についてのエンドヌクレアーゼVIIIの評価。ゲルは、37℃でのhAAGおよびEndo VIIIによるオリゴヌクレオチドの切断を示す。両方の全長鎖を含有する陽性対照であるレーン2は、約90%:10%の切断対未切断DNA比のより高い収率を示した。ヘルパー鎖によらない切断反応を含むレーン3は、約7%:93%の切断対未切断DNA比の低いパーセンテージ収率を示した。ヘルパー鎖による切断反応を含むレーン4は、約10%:90%の切断対未切断DNA比の低いパーセンテージ収率を示した。 d)脱塩基部位の切断についてのN,N’−ジメチルエチレンジアミンの評価。ゲルは、37℃でのhAAGおよび100mMのN,N’−ジメチルエチレンジアミンによるオリゴヌクレオチドの切断を示す。レーン1.開始オリゴヌクレオチド。両方の全長鎖を含有する陽性対照であるレーン2は、100%の切断DNAを示した。ヘルパー鎖による切断反応を含むレーン3は、90%:10%の切断対未切断DNA比のより高いパーセンテージ収率を示した。 e)hAAG/Endo VIII、hAAG/化学塩基およびhAAG/代替化学塩基によるオリゴヌクレオチドの切断の要約。 f)切断工程の研究のために使用されるオリゴヌクレオチド。 ヘルパー鎖によるバージョン1化学−連結。 a)ヘルパー鎖の存在下でハイブリダイズされたポリヌクレオチド鎖の連結を示すスキーム。破線枠で強調表示されている連結工程。 b)ヘルパー鎖の存在下での室温(24℃)でのQuick T4 DNAリガーゼによるオリゴヌクレオチドの連結を示すゲル。レーン1は、36merのTAMRA一本鎖オリゴと18merのTAMRA一本鎖オリゴとの混合物を含有した。これらのオリゴは参照バンドを提供した。レーン2では、20分後に予想されるバンドサイズ36merの観察可能な連結生産物があった。 c)ヘルパー鎖の存在下で一晩インキュベートした後の、室温(24℃)でのQuick T4 DNAリガーゼによるオリゴヌクレオチドの連結を示すゲル。レーン1は、36merのTAMRA一本鎖オリゴと18merのTAMRA一本鎖オリゴとの混合物を含有した。これらのオリゴは参照バンドとして機能した。レーン2では、36merの予想されるバンドサイズの観察可能な完全連結生産物があった。 d)切断工程の研究のために使用されるオリゴヌクレオチド。 ヘルパー鎖によるバージョン2化学−組み込み。 a)オレンジ色の破線枠で強調表示されている組み込み工程を示すスキーム b)27℃でのTherminator IX DNAポリメラーゼによる3’−O−修飾−dTTPの組み込みの結果を示すゲル。レーン1:開始材料。レーン2:1分後の組み込み、転化率5%。レーン3:2分後の組み込み、転化率10%。レーン4:5分後の組み込み、転化率20%。レーン5:10分後の組み込み、転化率30%。レーン6:20分後の組み込み、転化率35%。 c)図は、37℃でのTherminator IX DNAポリメラーゼによる3’−O−修飾−dTTPの組み込みの結果を示すゲルを図示する。レーン1:開始材料。レーン2:1分後の組み込み、転化率30%。レーン3:2分後の組み込み、転化率60%。レーン4:5分後の組み込み、転化率90%。レーン5:10分後の組み込み、転化率90%。レーン6:20分後の組み込み、転化率90%。 d)47℃でのTherminator IX DNAポリメラーゼによる3’−O−修飾−dTTPの組み込みの結果を示すゲル。レーン1:開始材料。レーン2:1分後の組み込み、転化率30%。レーン3:2分後の組み込み、転化率65%。レーン4:5分後の組み込み、転化率90%。レーン5:10分後の組み込み、転化率90%。レーン6:20分後の組み込み、転化率90%。 e)27℃でTherminator IX DNAポリメラーゼによる3’−O−修飾−dTTPの組み込みの結果を示すゲル。レーン1:開始材料。レーン2:1分後の組み込み、転換率70%。レーン3:2分後の組み込み、転化率85%。レーン4:5分後の組み込み、転化率92%。レーン5:10分後の組み込み、転化率96%。レーン6:20分後の組み込み、転化率96%。 f)37℃でのTherminator IX DNAポリメラーゼによる3’−O−修飾−dTTPの組み込みの結果を示すゲル。レーン1:開始材料。レーン2:1分後の組み込み、転化率85%。レーン3:2分後の組み込み、転化率95%。レーン4:5分後の組み込み、転化率96%。レーン5:10分後の組み込み、転化率96%。レーン6:20分後の組み込み、転化率96%。 g)47℃でのTherminator IX DNAポリメラーゼによる3’−O−修飾−dTTPの組み込みの結果を示すゲル。レーン1:開始材料。レーン2:1分後の組み込み、転化率85%。レーン3:2分後の組み込み、転化率90%。レーン4:5分後の組み込み、転化率96%。レーン5:10分後の組み込み、転化率96%。レーン6:20分後の組み込み、転化率96%。 h)様々な温度での3’−O−アジドメチル−dTTPの組み込みおよびMn2+イオンの存在の要約。 i)37℃でのMn2+の存在下でのTherminator IX DNAポリメラーゼによる相補的塩基と反対側の3’−O−修飾−dNTPの組み込みの結果を示すゲル。レーン1:開始材料。レーン2:5分間の3’−O−アジドメチル−dTTPの組み込み。レーン3:5分間の3’−O−アジドメチル−dATPの組み込み。レーン4:5分間の3’−O−アジドメチル−dCTPの組み込み。レーン5:5分間の3’−O−アジドメチル−dGTPの組み込み。 j)組み込み工程の研究のために使用されるオリゴヌクレオチド。 ヘルパー鎖によるバージョン2化学−切断。 a)ヘルパー鎖の存在下でのハイブリダイズされたポリヌクレオチド鎖の切断を示すスキーム。切断工程はオレンジ色の破線枠で強調表示されている。 b)ゲルは、37℃でのEndo Vによるオリゴヌクレオチドの切断を示す。レーン1.開始オリゴヌクレオチド。両方の全長鎖を含有する陽性対照であるレーン2は、80%:20%の切断対未切断DNA比の収率を示した。ヘルパー鎖によらない切断反応を含むレーン3は、>99%の切断DNAのはるかに高い収率を示した。ヘルパー鎖による切断反応を含むレーン4も、>99%のDNA切断収率を示した。 c)エンドヌクレアーゼVによる切断研究の要約。 d)切断工程の研究のために使用されるオリゴヌクレオチド。 ヘルパー鎖によるバージョン2化学−連結。 a)ヘルパー鎖の不在下でのハイブリダイズされたポリヌクレオチド鎖の連結を示すスキーム。オレンジ色の破線枠で強調表示されている連結工程。 b)切断工程の研究のためのオリゴヌクレオチド。 ヘルパー鎖によるバージョン2化学−脱保護。 a)オレンジ色の破線枠で強調表示されている脱保護工程を示すスキーム。 b)図は、3’−O−アジドメチル−dTTPの組み込み後の50mMのTCEPによる3’−O−アジドメチル基の脱保護の結果を示すゲルを図示する。レーン1:開始プライマーレーン2:Mn2+の存在下での3’−O−アジドメチル−dTTPの組み込み。レーン3:すべての天然dNTPの添加によるレーン2の生産物の伸長。レーン4:50mMのTCEPによるレーン2の生産物(0.5μM)の脱保護。レーン5:すべての天然dNTPの添加によるレーン4の生産物の伸長。 c)図は、3’−O−アジドメチル−dTTPの組み込み後の300mMのTCEPによる3’−O−アジドメチル基の脱保護の結果を示すゲルを図示する。レーン1:開始プライマー。レーン2:Mn2+の存在下での3−O−アジドメチル−dTTPの組み込み。レーン3:すべての天然dNTPの添加によるレーン2の生産物の伸長。レーン4:300mMのTCEPによるレーン2の生産物(0.5μM)の脱保護。レーン5:すべての天然dNTPの添加によるレーン4の生産物の伸長。 d)図は、3’−O−アジドメチル−dCTPの組み込み後の50mMのTCEPによる3’−O−アジドメチル基の脱保護の結果を示すゲルを図示する。レーン1:開始プライマー。レーン2:Mn2+の存在下での3−O−アジドメチル−dCTPの組み込み。レーン3:すべての天然dNTPの添加によるレーン2の生産物の伸長。レーン4:300mMのTCEPによるレーン2の生産物(0.5μM)の脱保護。レーン5:すべての天然dNTPの添加によるレーン4の生産物の伸長。 e)図は、3’−O−アジドメチル−dCTPの組み込み後の300mMのTCEPによる3’−O−アジドメチル基の脱保護の結果を示すゲルを図示する。レーン1:開始プライマーレーン2:Mn2+の存在下での3−O−アジドメチル−dCTPの組み込み。レーン3:すべての天然dNTPの添加によるレーン1の生産物の伸長。レーン4:300mMのTCEPによるレーン1の生産物(0.5μM)の脱保護。レーン5:すべての天然dNTPの添加によるレーン3の生産物の伸長。 f).図は、3’−O−アジドメチル−dATPの組み込み後の300mMのTCEPによる3’−O−アジドメチル基の脱保護の結果を示すゲルを図示する。 レーン1:開始プライマー レーン2:Mn2+の存在下での3−O−アジドメチル−dATPの組み込み。レーン3:すべての天然dNTPの添加によるレーン2の生産物の伸長。レーン4:300mMのTCEPによるレーン2の生産物(0.5μM)の脱保護。レーン5:すべての天然dNTPの添加によるレーン4の生産物の伸長。 g)図は、3’−O−アジドメチル−dGTPの組み込み後の300mMのTCEPによる3’−O−アジドメチル基の脱保護の結果を示すゲルを図示する。レーン1:開始プライマー。レーン2:Mn2+の存在下での3−O−アジドメチル−dGTPの組み込み。レーン3:すべての天然dNTPの添加によるレーン2の生産物の伸長。レーン4:300mMのTCEPによるレーン2の生産物(0.5μM)の脱保護。レーン5:すべての天然dNTPの添加によるレーン4の生産物の伸長。 h)0.2μMのDNAに対するTCEPによる脱保護の効率。 i)切断工程の研究のために使用されるオリゴヌクレオチド。 二重ヘアピンモデルによるバージョン2化学−組み込み。 a)破線枠で強調表示されている組み込み工程を示すスキーム。 b)その天然対応物と反対側の3’−O−修飾−dTTPの組み込みについてのDNAポリメラーゼの評価。図は、37℃でのTherminator IX DNAポリメラーゼによる3’−O−修飾−dTTPの組み込みの結果を示すゲルを図示する。レーン1:開始材料。レーン2:天然dNTP混合物の組み込み。レーン3:Therminator IX DNAポリメラーゼによる3’−O−アジドメチル−dTTPの組み込み。レーン4:すべての天然dNTPの添加によるレーン3の生産物の伸長。 c)その天然対応物と反対側の3’−O−修飾−dTTPの組み込みについてのDNAポリメラーゼの評価。組み込み工程の研究に適用可能なオリゴヌクレオチド。 二重ヘアピンモデルによるバージョン2化学−切断。 a)ヘアピンオリゴヌクレオチドの切断を示すスキーム。切断工程は破線枠で強調表示されている。 b)37℃でのEndo Vによるヘアピンオリゴヌクレオチドの切断を示すゲル。レーン1.開始ヘアピンオリゴヌクレオチド。5分後に切断されたヘアピンオリゴヌクレオチドであるレーン2は、約98%の割合で高収率の消化DNAを示した。10分後に切断されたヘアピンオリゴヌクレオチドであるレーン3は、約99%の割合で高収率の消化DNAを示した。30分後に切断されたヘアピンオリゴヌクレオチドであるレーン4は、約99%の割合で高収率の消化DNAを示し、1時間後に切断されたヘアピンオリゴヌクレオチドであるレーン5は、約99%の割合で高収率の消化DNAを示した。 c)切断工程の研究のために使用されるオリゴヌクレオチド。 二重ヘアピンモデルによるバージョン2化学−連結。 a)ハイブリダイズされたヘアピンの連結を示すスキーム。破線枠で強調表示されている連結工程。 b)ヘルパー鎖の存在下での室温(24℃)での平滑/TA DNAリガーゼによるヘアピンオリゴヌクレオチドの連結を示すゲル。レーン1は開始ヘアピンオリゴヌクレオチドを含有した。1分後に連結されたヘアピンオリゴヌクレオチドであるレーン2は、約85%の割合で高収率の連結DNA生産物を示した。2分後に連結されたヘアピンオリゴヌクレオチドであるレーン3は、約85%の割合で高収率の消化DNAを示した。3分後に連結されたヘアピンオリゴヌクレオチドであるレーン4は、約85%の割合で高収率の連結DNA生産物を示した。4分後に連結されたヘアピンオリゴヌクレオチドであるレーン5は、>約85%の割合で高収率の連結DNA生産物を示した。 c)連結工程の研究のために使用されるオリゴヌクレオチド。 バージョン2化学−二重ヘアピンモデルについての完全サイクル。 a)酵素的組み込み、切断、連結、および脱保護工程を伴う完全サイクルを示すスキーム。 b)その天然対応物と反対側の3’−O−修飾−dTTPの組み込みについてのDNAポリメラーゼの評価。図は、37℃でのTherminator IX DNAポリメラーゼによる3’−O−修飾−dTTPの組み込みの結果を示すゲルを図示する。レーン1:開始材料。レーン2:Therminator IX DNAポリメラーゼによる3’−O−アジドメチル−dTTPの組み込み。レーン3:すべての天然dNTPの添加によるレーン2の生産物の伸長。レーン4:エンドヌクレアーゼVによるレーン2の生産物の切断。レーン5:平滑TAリガーゼキットによるレーン4の生産物の連結。 c)組み込み工程の研究に適用可能なオリゴヌクレオチド。 バージョン2化学−ヘルパー鎖を使用した単一ヘアピンモデルについての完全サイクル。 a)酵素的組み込み、切断、連結、および脱保護工程を伴う完全サイクルを示すスキーム。 b)組み込み工程の研究に適用可能なオリゴヌクレオチド。 バージョン3化学−二重ヘアピンモデルについての完全サイクル。 a)酵素的組み込み、切断、連結、および脱保護工程を伴う完全サイクルを示すスキーム。 b)組み込み工程の研究に適用可能なオリゴヌクレオチド。 バージョン2化学−二重ヘアピンモデルについての完全2サイクル。 a)酵素的組み込み、脱保護、切断、および連結工程を伴う第1の完全サイクルを示すスキーム。 b)酵素的組み込み、脱保護、切断、および連結工程を伴う第1の完全サイクルに続く第2の完全サイクルを示すスキーム。 c)図は、組み込み、脱保護、切断、および連結工程を含む完全2サイクル実験を示すゲルを図示する。レーン1.開始材料。レーン2.天然dNTPによる開始材料の伸長。レーン3.Therminator IX DNAポリメラーゼによる3’−O−アジドメチル−dTTPの組み込み。レーン4.すべての天然dNTPの添加によるレーン3の生産物の伸長。レーン5.TCEPによるレーン3の生産物の脱保護。レーン6.すべての天然dNTPの添加によるレーン5の生産物の伸長。レーン7.エンドヌクレアーゼVによるレーン5の生産物の切断。レーン8.平滑TAリガーゼキットによるレーン7の生産物の連結。レーン9.ラムダエキソヌクレアーゼによるレーン8の生産物の切断。レーン10.第2のサイクルのための開始材料−レーン9と同じ材料。レーン11.Therminator IX DNAポリメラーゼによる3’−O−アジドメチル−dTTPの組み込み。レーン12.すべての天然dNTPの添加によるレーン11の生産物の伸長。レーン13.TCEPによるレーン11の生産物の脱保護。レーン14.すべての天然dNTPの添加によるレーン13の生産物の伸長。レーン15.エンドヌクレアーゼVによるレーン13の生産物の切断。レーン16.平滑TAリガーゼキットによるレーン15の生産物の連結。 d)研究のために使用されるオリゴヌクレオチド。 本明細書に記載される方法により合成されるような所定の配列のポリヌクレオチドの足場ヌクレオチドからの放出の機構を示す例。 本発明によるRNAの合成のための例示的な方法の概略。例示的な方法は、ヘルパー鎖の不在下での合成を示す。 本発明によるRNAの合成のための例示的な方法の概略。例示的な方法は、ヘルパー鎖の存在下での合成を示す。 本発明によるRNAの合成のための例示的な方法の概略。例示的な方法は、ヘルパー鎖の存在下での合成を示す。 組み込み工程の前にヘルパー鎖を変性する工程を伴う、単一ヘアピンモデルによる合成方法バージョン2によるDNA合成のための例示的な方法の例示的な方法の第1の完全サイクルの概略。 組み込み工程の前にヘルパー鎖を変性する工程を伴う、単一ヘアピンモデルによる合成方法バージョン2によるDNA合成のための例示的な方法の第2の完全サイクルの概略。 組み込み工程の前にヘルパー鎖を変性する工程を伴う、単一ヘアピンモデルによる合成方法バージョン2によるDNA合成のための例示的な方法の第3の完全サイクルの概略。 実施例9に詳述される実験に使用されるオリゴヌクレオチド。 実施例9に詳述されるような完全3サイクル実験に対応する反応生産物を示すゲル。 図は、組み込み、脱ブロック、切断、および連結工程を含む完全3サイクル実験の結果を示すゲルを図示する。レーン1:開始材料。レーン2.天然dNTPによる開始材料の伸長レーン3:Therminator X DNAポリメラーゼによる3’−O−アジドメチル−dTTPの組み込み。レーン4:すべての天然dNTPの付加によるレーン3の生産物の伸長。レーン5:TCEPによるレーン3の生産物の脱ブロックレーン6:すべての天然dNTPの付加によるレーン5の生産物の伸長。レーン7:エンドヌクレアーゼVによるレーン5の生産物の切断。レーン8:T3 DNAリガーゼによるレーン7の生産物の連結レーン9:第2のサイクルの開始材料−レーン9と同じ材料レーン10:すべての天然dNTPの添加によるレーン9の生産物の伸長。レーン11:Therminator X DNAポリメラーゼによる3’−O−アジドメチル−dTTPの組み込み。レーン12:すべての天然dNTPの添加によるレーン11の生産物の伸長。レーン13:TCEPによるレーン11の生産物の脱ブロックレーン14:すべての天然dNTPの添加によるレーン13の生産物の伸長。レーン15:エンドヌクレアーゼVによるレーン13の生産物の切断レーン16:T3 DNAリガーゼによるレーン15の生産物の連結レーン17:第3のサイクルのための開始材料−レーン16と同じ材料レーン18:すべての天然dNTPの添加によるレーン17の生産物の伸長。レーン19:Therminator X DNAポリメラーゼによる3’−O−アジドメチル−dTTPの組み込み。レーン20:すべての天然dNTPの添加によるレーン19の生産物の伸長。レーン21:TCEPによるレーン19の生産物の脱ブロックレーン22:すべての天然dNTPの添加によるレーン21の生産物の伸長。レーン23:エンドヌクレアーゼVによるレーン21の生産物の切断レーン24:T3 DNAリガーゼによるレーン23の生産物の連結 FITC−PEG−SHおよびFITC−PEG−COOHに曝露された異なる量のBRAPAを添加したポリアクリルアミドゲル表面からの蛍光シグナル。 FITC−PEG−SHおよびFITC−PEG−COOHに曝露された異なる量のBRAPAを添加したポリアクリルアミドゲル表面上のフルオレセインチャネルから測定された蛍光シグナル。 (a)異なる試料に固定化されたリンカーを有しないヘアピンDNAの配列を示す。 (b)異なる試料に固定化されたリンカーを有するヘアピンDNAの配列を示す。 ブロモアセチル官能化ポリアクリルアミド表面に固定化されたリンカーを有するおよび有しないヘアピンDNAオリゴマーからの蛍光シグナル。 ブロモアセチル官能化ポリアクリルアミド表面に固定化されたリンカーを有するおよび有しないヘアピンDNAオリゴマーから測定された蛍光。 三リン酸の組み込み後のブロモアセチル官能化ポリアクリルアミド表面に固定化されたリンカーを有するおよび有しないヘアピンDNAオリゴマーからの蛍光シグナル。 三リン酸の組み込み後のブロモアセチル官能化ポリアクリルアミド表面に固定化されたリンカーを有するおよび有しないヘアピンDNAオリゴマーから測定された蛍光。 (a)実施例12に詳述されるような各反応工程についての実験的概観および結果。 (b)実施例12に詳述される実験に使用されるオリゴヌクレオチド。 切断反応の前および後のヘアピンDNAオリゴマーからの蛍光シグナルを示す(実施例12)。 切断反応の前および後のヘアピンDNAオリゴマーから測定された蛍光シグナルを示す(実施例12)。 連結反応のためのイノシン含有鎖および相補的「ヘルパー」鎖のための配列を示す(実施例12)。 連結反応のモニタリングに対応するヘアピンDNAオリゴマーからの蛍光シグナルに関する結果(実施例12)。 連結反応のモニタリングに対応するヘアピンDNAオリゴマーから測定された蛍光に関する結果(実施例12)。 本発明の方法、例えば、本発明の合成方法のバージョン1、2、3、および4ならびにそれらの変形例(図1〜10および実施例13)による組み込み工程を使用した、Therminator X DNAポリメラーゼによる3’−O修飾−dNTPの組み込みに関する結果。 図56aは、プライマー鎖(合成鎖のプライマー鎖部分;配列番号68)およびテンプレート鎖(支持鎖;配列番号69)の核酸配列を提供する。 図56bは、37℃のMn2+イオンの存在下でのTherminator X DNAポリメラーゼによる3’−O修飾−dNTPの組み込みの結果を示すゲルを示す。レーン1:開始オリゴヌクレオチド。レーン2:3’−O−アジドメチル−dTTPの組み込み(効率>99%)レーン3:3’−O−アジドメチル−dATPの組み込み(効率>99%)。レーン4:3’−O−アジドメチル−dCTPの組み込み(効率>90%)。レーン5:3’−O−アジドメチル−dGTPの組み込み(効率>99%)。 付加すると、新たに付加された3’−O−修飾−dNTPはプライマー鎖部分の位置nを占める。プライマー鎖部分における次のヌクレオチド位置は、n−1と指定される。 図は、実施例14に記載されるDNA合成反応サイクルを示すスキームを示す。 図は、実施例14に記載される実験に使用されるオリゴヌクレオチドを示す。 図は、実施例14に記載されるヘアピン足場ポリヌクレオチドへの、ユニバーサルヌクレオチドとして使用された2−デオキシイノシンを含むポリヌクレオチド連結分子の連結の結果を実証するゲルの写真を示す。レーン1は、開始ヘアピン足場ポリヌクレオチドを示し、レーン2は、ポリヌクレオチド連結分子に連結されたヘアピン足場ポリヌクレオチドを示す。 図は、実施例15に記載されるDNA合成反応サイクルを示すスキームを示す。 図は、実施例15に記載されるDNA合成反応サイクルを示すスキームを示す。 図は、実施例15に記載される実験に使用されるオリゴヌクレオチドを示す。 図は、実施例15に記載されるヘアピン足場ポリヌクレオチドへの、ユニバーサルヌクレオチドとして使用された2−デオキシイノシンを含むポリヌクレオチド連結分子の連結の結果を実証するゲルの写真を示す。ゲルのレーンは以下の通りである:レーン1:開始ヘアピン足場ポリヌクレオチド。レーン2:ポリヌクレオチド連結分子に連結されたヘアピン足場ポリヌクレオチド(1塩基T突出)。レーン3:ポリヌクレオチド連結分子に連結されたヘアピン足場ポリヌクレオチド(1塩基C突出)。レーン4:開始ヘアピン足場ポリヌクレオチド。レーン5:ポリヌクレオチド連結分子に連結されたヘアピン足場ポリヌクレオチド(2塩基突出)。レーン6:ポリヌクレオチド連結分子に連結されたヘアピン足場ポリヌクレオチド(3塩基突出)。レーン7:ポリヌクレオチド連結分子に連結されたヘアピン足場ポリヌクレオチド(4塩基突出)。
図の解釈。
図16、17a、18a、19a、20a、21a、22a、23a、24a、25a、26a、27a、28a、29a、30a、31a、32a、33a、33b、34、35、36、37、38、39、および40に示される構造は、図11、12、13、14、および15に示されるものと一貫して解釈されるべきである。したがって、これらの図では、二本鎖足場ポリヌクレオチド分子の各左手鎖は、支持鎖(図11〜15の鎖「a」に対応する)に関し、二本鎖足場ポリヌクレオチド分子の各右手鎖は、合成鎖(図11〜15の鎖「b」に対応する)に関し、すべての足場ポリヌクレオチド分子は、プライマー鎖部分(図6〜10の鎖「b」の実線および点線に対応する)を含む鎖に対応するより低い合成鎖を含み、ヘルパー鎖部分(図11〜15の鎖「b」の破線に対応する)を含む鎖に対応する上部合成鎖を有する、新たなヌクレオチドの組み込みの前のある特定の足場ポリヌクレオチド分子(例えば、図20aおよび28a)が示され、ヘルパー鎖部分(図11〜15の鎖「b」の破線の欠如に対応する)を含まない、ある特定の足場ヌクレオチド分子(例えば、図17a、18a、および19aの)が示され、ヘルパー鎖部分(図11〜15の鎖「b」の破線に対応する)を含む鎖に対応する上部合成鎖を有する、連結工程後のある特定の足場ポリヌクレオチド分子(例えば、図38、39、および40の)が示され、ヘルパー鎖部分は、次の合成サイクルにおいて新たなヌクレオチドの組み込みの前に除去される。
加えて、これらの図では、関連する場合、各新たなヌクレオチドは、rtNTPと標識され、かつ小さな円形構造(図11〜15の小さな三角形構造に対応する)として示される、可逆的ターミネーター基と一緒に組み込まれるように示され、末端リン酸基は、「p」と標識され、小さな楕円形構造として示される。
図16c、16d、16g、16h、27a、28a、29a、30a、32a、33a、33b、および34は、ヘルパー鎖部分を含む鎖と支持鎖とがヘアピンループによって接続されている足場ポリヌクレオチド分子を示す。図16b、27a、28a、29a、30a、31a、32a、33a、33b、34、38、39、および40は、ヘルパー鎖部分を含む鎖と支持鎖とがヘアピンループによって接続されている足場ポリヌクレオチド分子を示す。
図32aおよび33aなどの図は、ヘルパー鎖部分を含む鎖(右上の鎖)と支持鎖(左上の鎖)とがヘアピンループによって接続されている足場ポリヌクレオチド分子を示し、同じ分子において、プライマー鎖部分を含む鎖(右下の鎖)と支持鎖(左下の鎖)とが、ヘアピンループによって接続されている。
本発明は、所定のヌクレオチド配列によるポリヌクレオチド分子のデノボ合成のための方法を提供する。合成されるポリヌクレオチドは、好ましくはDNAであり、好ましくは二本鎖ポリヌクレオチド分子である。本発明は、既存の合成方法と比較して利点を提供する。例えば、すべての反応工程を穏やかなpHの水性条件で行うことができ、広範囲の保護および脱保護手順は必要ではない。さらに、合成は、所定のヌクレオチド配列を含む既存の鋳型鎖の複製に依存しない。
本発明は、本明細書で定義されるようなユニバーサルヌクレオチドの使用が、切断および繰り返しの合成サイクルを促進する合成された領域内のポリヌクレオチド切断部位の作成を可能にすると判定した。本発明は、ポリヌクレオチドを合成するための、およびこのような合成されたポリヌクレオチドを含む大きな断片を構築するための多用途の方法を提供する。
本発明の合成方法のある特定の実施形態は、本発明の4つの例示的な方法のバージョンおよびそれらのある特定の変形例(図1〜10)を含む例示的な方法を参照することによって、本明細書により一般的に詳細に記載される。本発明の例示的な方法のバージョンおよびそれらの変形例を含むすべての例示的な方法が、本発明を限定することを意図するものではないことが理解されるべきである。本発明は、所定の配列を有する二本鎖ポリヌクレオチド分子をインビトロで合成する方法を提供し、本方法は、合成サイクルを行うことを含み、各サイクルにおいて、第1のポリヌクレオチド鎖が、所定の配列の第1のヌクレオチドの組み込みによって伸長され、次に、第1の鎖にハイブリダイズされる第2のポリヌクレオチド鎖が、所定の配列の第2のヌクレオチドの組み込みによって伸長される。好ましくは、本方法はDNAを合成するためのものである。本明細書に記載される特定の方法は、本発明の実施形態として提供される。
反応条件
一態様では、本発明は、所定の配列を有する二本鎖ポリヌクレオチドを合成するための方法を提供する。
いくつかの実施形態では、合成は、二本鎖ポリヌクレオチド内のヌクレオチドのハイブリダイゼーションに好適な条件下で実施される。ポリヌクレオチドは、典型的には、ヌクレオチドの相補的ヌクレオチドへのハイブリダイゼーションを可能にする条件下で試薬と接触される。ハイブリダイゼーションを可能にする条件は、当該技術分野においてよく知られている(例えば、Sambrook et al.,2001,Molecular Cloning:a laboratory manual,3rd edition,Cold Spring Harbour Laboratory Press、およびCurrent Protocols in Molecular Biology,Greene Publishing and Wiley−lnterscience,New York(1995))。
ポリヌクレオチドへのヌクレオチドの組み込みは、例えば、好適な緩衝溶液の存在下で、好適な温度(例えば、約65℃)で修飾ヌクレオチド(例えば、3’−O−修飾−dNTP)を組み込むために、ポリメラーゼ(例えば、Therminator IXポリメラーゼ)または末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)酵素またはその機能的バリアントを使用して、好適な条件下で実施され得る。一実施形態では、緩衝溶液は、2mMのトリス−HCl、1mMの(NHSO、1mMのKCl、0.2mMのMgSO、および0.01%のトリトン(登録商標)X−100を含み得る。
ポリヌクレオチドの切断は、例えば、好適な緩衝溶液の存在下で、酵素と適合する温度(例えば、37℃)でポリヌクレオチド切断酵素(例えば、エンドヌクレアーゼ)を使用して、好適な条件下で実施され得る。一実施形態では、緩衝溶液は、5mMの酢酸カリウム、2mMのトリス−酢酸、1mMの酢酸マグネシウム、および0.1mMのDTTを含み得る。
ポリヌクレオチドの連結は、例えば、好適な緩衝溶液の存在下で、酵素と適合する温度(例えば、室温)でリガーゼ(例えば、T4 DNAリガーゼ)を使用して、好適な条件下で実施され得る。一実施形態では、緩衝溶液は、4.4mMのトリス−HCl、7mMのMgCl、0.7mMのジチオスレイトール、0.7mMのATP、5%のポリエチレングリコール(PEG6000)を含み得る。
脱保護は、例えば還元剤(例えば、TCEP)を使用して、好適な条件下で実施され得る。例えば、脱保護は、トリス緩衝液中のTCEPを使用して(例えば、最終濃度300mMで)行われ得る。
アンカーポリヌクレオチドおよび足場ポリヌクレオチド
所定の配列を有する二本鎖ポリヌクレオチドは、本明細書で足場ポリヌクレオチドと呼ばれる、本明細書に記載されるような表面に付着し得るか、または付着することができる、既存のポリヌクレオチドへの所定のヌクレオチドの組み込みによる本発明の方法によって合成される。本明細書により詳細に記載されるように、足場ポリヌクレオチドは、新たに合成されたポリヌクレオチドを収容するための支持構造を形成し、本明細書の記載から明らかになるように、従来の合成方法におけるように複製される既存の鋳型鎖を含まない。足場ポリヌクレオチドが表面に付着している場合、足場ポリヌクレオチドは、アンカーポリヌクレオチドと呼ばれることがある。足場ポリヌクレオチドを表面に付着させてアンカーポリヌクレオチドを形成するための表面付着化学は、本明細書により詳細に記載されている。
一実施形態では、足場ポリヌクレオチドは、相補的支持鎖にハイブリダイズされた合成鎖を含む。合成鎖はプライマー鎖部分(例えば、図1〜10を参照されたい)を含む。合成鎖は、相補的支持鎖にハイブリダイズされて提供され得る。あるいは、支持鎖および合成鎖は別々に提供され得、次いでハイブリダイズされ得る。
足場ポリヌクレオチドには、隣接する末端で接続されていない支持鎖および合成鎖のそれぞれが提供され得る。足場ポリヌクレオチドには、足場ヌクレオチドの両方の末端でヘアピンループなどを介して、隣接する末端で接続されている支持鎖および合成鎖の両方が提供され得る。足場ポリヌクレオチドには、足場ヌクレオチドの一方の末端または任意の他の好適なリンカーでヘアピンループなどを介して、隣接する末端で接続されている支持鎖および合成鎖の両方が提供され得る。
ヘアピンを有するまたは有しない足場ポリヌクレオチドは、本明細書により詳細に記載されるような固体支持体または表面に固定化され得る(図16を参照されたい)。
「ヘアピン」または「ヘアピンループ」という用語は、現在の技術分野において一般的に使用されている。「ヘアピンループ」という用語は、「ステムループ」とも呼ばれることが多い。このような用語は、ポリヌクレオチド分子の一方の鎖が分子内塩基対合のために同じ鎖の別の区分にハイブリダイズしたときに形成される、不対合核酸塩基のループを含むポリヌクレオチド中の二次構造の領域を指す。したがって、ヘアピンはU字型の構造に似ている場合がある。このような構造の例を図16に示す。
本明細書に記載されるある特定の方法において、新たな合成は、リガーゼ酵素の作用によって所定の配列の第1のヌクレオチドを足場ポリヌクレオチドに組み込むことにより開始される。したがって、所定の配列の第1のヌクレオチドは、本明細書にさらに記載されるように、足場ポリヌクレオチドの支持鎖の末端ヌクレオチドに連結される。所定の配列の第1のヌクレオチドは、支持鎖、ヘルパー鎖、および相補的連結末端を含むポリヌクレオチド連結分子によって提供される。所定の配列の第1のヌクレオチドは、相補的連結末端の支持鎖の末端ヌクレオチドとして提供される。
相補的連結末端におけるヘルパー鎖の末端ヌクレオチドは、連結不可能なヌクレオチドであり、典型的には、リン酸基を欠いて提供される。これにより、ヘルパー鎖の末端ヌクレオチドが足場ポリヌクレオチドのプライマー鎖部分の末端ヌクレオチドと連結することを防止し、連結後にヘルパー鎖とプライマー鎖部分との間に一本鎖切断部位が作成される。一本鎖切断の作成および維持は他の手段によっても達成され得る。例えば、ヘルパー鎖の末端ヌクレオチドには、プライマー鎖部分との連結を防止する好適なブロッキング基が提供され得る。
本明細書に記載されるある特定の方法において、所定の配列の第2のヌクレオチドは、ポリメラーゼまたはトランスフェラーゼ酵素の作用によって足場ポリヌクレオチドに組み込まれる。したがって、ポリメラーゼ酵素またはトランスフェラーゼ酵素は、プライマー鎖部分の末端ヌクレオチドを伸長するように作用する。
例示的な方法の一般的な方法スキームのさらなる詳細が、本明細書にさらに提供される。
ヌクレオチドおよびユニバーサルヌクレオチド
本明細書に記載される方法のうちのいずれかによって合成ポリヌクレオチドに組み込まれ得るヌクレオチドは、ヌクレオチド、ヌクレオチド類似体、および修飾ヌクレオチドであり得る。
ヌクレオチドは、天然核酸塩基または非天然核酸塩基を含み得る。ヌクレオチドは、天然核酸塩基、糖、およびリン酸基を含有し得る。天然核酸塩基は、アデノシン(A)、チミン(T)、ウラシル(U)、グアニン(G)、およびシトシン(C)を含む。ヌクレオチドの構成成分のうちの1つは、さらに修飾され得る。
ヌクレオチド類似体は、塩基、糖、もしくはリン酸、またはそれらの組み合わせのいずれかにおいて構造的に修飾され、オリゴヌクレオチド鎖への組み込みのための基質としてのポリメラーゼ酵素になお許容可能なヌクレオチドである。
非天然核酸塩基は、標的ポリヌクレオチド中の核酸塩基のうちのすべてにある程度結合する、例えば水素結合するものであり得る。非天然核酸塩基は、好ましくは、ヌクレオシドアデノシン(A)、チミン(T)、ウラシル(U)、グアニン(G)、およびシトシン(C)を含むヌクレオチドにある程度結合する、例えば水素結合するものである。
非天然ヌクレオチドは、ペプチド核酸(PNA)、ロックド核酸(LNA)、およびアンロックド核酸(UNA)、架橋核酸(BNA)またはモルホリノ、ホスホロチオエートまたはメチルホスホネートであり得る。
非天然ヌクレオチドは、修飾糖および/または修飾核酸塩基を含み得る。修飾糖としては、2’−O−メチルリボース糖が挙げられるが、これに限定されない。修飾核酸塩基としては、メチル化核酸塩基が挙げられるが、これに限定されない。核酸塩基のメチル化は、遺伝子およびマイクロRNAなどの他の要素の発現を改変させる能力を有する認識された形態のエピジェネティック修飾である。核酸塩基のメチル化は、主にCpGモチーフからなるジヌクレオチドである別々の遺伝子座で起こるが、CHHモチーフ(ここで、HはA、C、またはTである)でも起こり得る。典型的には、メチル化中に、メチル基がシトシン塩基の第5の炭素に添加されてメチルシトシンを作成する。したがって、修飾核酸塩基としては、5−メチルシトシンが挙げられるが、これに限定されない。
所定の配列のヌクレオチドは、ヌクレオチド対を形成するために反対側のパートナーヌクレオチドに組み込まれ得る。パートナーヌクレオチドは相補的ヌクレオチドであり得る。相補的ヌクレオチドは、所定の配列のヌクレオチドにある程度結合する、例えば水素結合することができるヌクレオチドである。
典型的には、所定の配列のヌクレオチドは、天然に相補的なパートナー核酸塩基と反対側のポリヌクレオチドに組み込まれる。したがって、アデノシンは、チミンとは反対側に組み込まれ得、逆もまた同様である。グアニンは、シトシンとは反対側に組み込まれ得、逆もまた同様である。あるいは、所定の配列のヌクレオチドは、それがある程度結合する、例えば水素結合する、パートナー核酸塩基とは反対側に組み込まれ得る。
あるいは、パートナーヌクレオチドは、非相補的ヌクレオチドであり得る。非相補的ヌクレオチドは、所定の配列のヌクレオチドに結合する、例えば水素結合することができないヌクレオチドである。したがって、合成されたポリヌクレオチドが全体として二本鎖であり、かつ第1の鎖がハイブリダイゼーションによって第2の鎖に付着しているという条件で、所定の配列のヌクレオチドがパートナーヌクレオチドと反対側に組み込まれて、ミスマッチを形成する場合がある。
「反対側の」という用語は、核酸生化学の分野におけるこの用語の通常の使用、具体的には従来のワトソン−クリック塩基対合に関するものとして理解されるべきである。したがって、配列5’−ACGA−3’の1番目の核酸分子は、配列5’−TCGT−3’の2番目の核酸分子と二本鎖を形成することができ、ここで1番目の分子のGは、2番目のCと反対側に位置付けられ、それと水素結合するであろう。配列5’−ATGA−3’の1番目の核酸分子は、配列5’−TCGT−3’の2番目の核酸分子と二本鎖を形成し得、ここで1番目の分子のTは、2番目の分子のGとミスマッチであるが、それでもなおそれと反対側に位置付けられ、パートナーヌクレオチドとして作用するであろう。この原理は、ユニバーサルヌクレオチドを含むパートナー対を含む、本明細書に開示される任意のヌクレオチドパートナー対関係に当てはまる。
本明細書に記載される方法のうちのいずれにおいても、支持鎖中の位置および合成鎖中と反対側の位置は、位置番号「n」を割り当てられる。この位置は、任意の所与の合成サイクルにおいて、そのサイクルまたはその後のサイクルの組み込み工程でのプライマー鎖部分の末端へのその付加時に、所与の配列の第2のまたはさらなるヌクレオチドによって占められるか、または占められることになる合成鎖中のヌクレオチド位置とは反対である足場ポリヌクレオチドの支持鎖中のヌクレオチドの位置を指す。位置「n」はまた、ポリヌクレオチド連結分子の足場ポリヌクレオチドの連結およびポリメラーゼ酵素またはトランスフェラーゼ酵素の作用による所定の配列の第2またはさらなるヌクレオチドの組み込み時に、所定の配列の第2のまたはさらなるヌクレオチドとは反対であるヌクレオチド位置である、連結工程の前のポリヌクレオチド連結分子の支持鎖中の位置を指す。
支持鎖中の位置および合成鎖中と反対側の位置の両方が、ポジトンnと呼ばれ得る。
位置「n」の定義に関するさらなる詳細は、図1〜10、および本明細書でより詳細に記載される本発明の例示的な合成方法のバージョンおよび変形例に関連するその説明を参照して提供される。
ヌクレオチドおよびヌクレオチド類似体は、好ましくは、ヌクレオシド三リン酸として提供され得る。したがって、DNAポリヌクレオチドを合成するための本発明の方法のうちのいずれにおいても、ヌクレオチドは、例えば、DNAポリメラーゼ酵素の作用を介して、または例えば、デオキシヌクレオチジル末端トランスフェラーゼ活性を有する酵素の作用を介して、2’−デオキシリボヌクレオシド−5’−O−三リン酸(dNTP)から組み込まれ得る。RNAポリヌクレオチドを合成するための本発明の方法のうちのいずれにおいても、ヌクレオチドは、例えば、RNAポリメラーゼ酵素の作用を介して、または例えば、ヌクレオチジル末端トランスフェラーゼ活性を有する酵素の作用を介して、リボヌクレオシド−5’−O−三リン酸(NTP)から組み込まれ得る。三リン酸は、四リン酸または五リン酸(一般的には、オリゴリン酸)で置換することができる。これらのオリゴリン酸は、他のアルキル基またはアシル基で置換することができる。
Figure 2021529551
本発明の方法は、ユニバーサルヌクレオチドを使用することができる。ユニバーサルヌクレオチドを足場分子の支持鎖の構成成分として使用して、各合成サイクル中に新たに組み込まれたヌクレオチドがその所望のパートナーヌクレオチドと正しく対合されることを促進することができる。必要に応じて、ユニバーサルヌクレオチドも、所定のヌクレオチド配列の構成成分として合成鎖に組み込まれ得る。
ユニバーサルヌクレオチドは、核酸塩基が所定の配列の任意のヌクレオチドの核酸塩基にある程度結合する、すなわち水素結合するものである。ユニバーサルヌクレオチドは、好ましくは、ヌクレオシドアデノシン(A)、チミン(T)、ウラシル(U)、グアニン(G)、およびシトシン(C)を含むヌクレオチドにある程度結合する、例えば水素結合するものである。ユニバーサルヌクレオチドは、他のヌクレオチドよりもいくつかのヌクレオチドにより強く結合し得る。例えば、ヌクレオシド、2’−デオキシイノシンを含むユニバーサルヌクレオチド(I)は、I−C>I−A>I−Gの優先的な対合順序がおよそ=I−Tであることを示すであろう。
可能なユニバーサルヌクレオチドの例は、イノシンまたはニトロインドールである。ユニバーサルヌクレオチドは、好ましくは、以下の核酸塩基、ヒポキサンチン、4−ニトロインドール、5−ニトロインドール、6−ニトロインドール、3−ニトロピロール、ニトロイミダゾール、4−ニトロピラゾール、4−ニトロベンゾイミダゾール、5−ニトロインダゾール、4−アミノベンゾイミダゾール、またはフェニル(C6芳香族環のうちの1つを含む。ユニバーサルヌクレオチドは、より好ましくは、以下のヌクレオシド:2’−デオキシイノシン、イノシン、7−デアザ−2’−デオキシイノシン、7−デアザ−イノシン、2−アザ−デオキシイノシン、2−アザ−イノシン、4−ニトロインドール2’−デオキシリボヌクレオシド、4−ニトロインドールリボヌクレオシド、5−ニトロインドール2’デオキシリボヌクレオシド、5−ニトロインドールリボヌクレオシド、6−ニトロインドール2’デオキシリボヌクレオシド、6−ニトロインドールリボヌクレオシド、3−ニトロピロール2’デオキシリボヌクレオシド、3−ニトロピロールリボヌクレオシド、ヒポキサンチンの非環状糖類似体、ニトロイミダゾール2’デオキシリボヌクレオシド、ニトロイミダゾールリボヌクレオシド、4−ニトロピラゾール2’デオキシリボヌクレオシド、4−ニトロピラゾールリボヌクレオシド、4−ニトロベンゾイミダゾール2’デオキシリボヌクレオシド、4−ニトロベンゾイミダゾールリボヌクレオシド、5−ニトロインダゾール2’デオキシリボヌクレオシド、5−ニトロインダゾールリボヌクレオシド、4−アミノベンゾイミダゾール2’デオキシリボヌクレオシド、4−アミノベンゾイミダゾールリボヌクレオシド、フェニルC−リボヌクレオシド、またはフェニルC−2’−デオキシリボシルヌクレオシドのうちの1つを含む。
ユニバーサル塩基のいくつかの例を以下に示す。
Figure 2021529551
光切断可能な塩基および酵素切断可能な塩基を含む切断可能な塩基を組み込むユニバーサルヌクレオチドも使用することができ、それらのいくつかの例を以下に示す。
光切断可能な塩基:
Figure 2021529551

エンドヌクレアーゼIIIにより切断可能な塩基類似体:
Figure 2021529551

ホルムアミドピリミジンDNAグリコシラーゼ(Fpg)によって切断可能な塩基類似体:
Figure 2021529551

8−オキソグアニンDNAグリコシラーゼ(hOGG1)によって切断可能な塩基類似体:
Figure 2021529551

hNeil1によって切断可能な塩基類似体:
Figure 2021529551

チミンDNAグリコシラーゼ(TDG)によって切断可能な塩基類似体:
Figure 2021529551

ヒトアルキルアデニンDNAグリコシラーゼ(hAAG)によって切断可能な塩基類似体:
Figure 2021529551

ウラシルDNAグリコシラーゼによって切断可能な塩基:
Figure 2021529551

ヒト一本鎖選択的単官能性ウラシルDNAグリコシラーゼ(SMUG1)によって切断可能な塩基
Figure 2021529551

5−メチルシトシンDNAグリコシラーゼ(ROS1)によって切断可能な塩基:
Figure 2021529551

(see S.S.David,S.D.Williams Chemical reviews 1998,98,1221−1262およびM.I.Ponferrada−Marin,T.Roldan−Arjona,R.R.ArizaNucleic Acids Res 2009,37,4264−4274を参照されたい)。
足場ポリヌクレオチドを伴う方法のうちのいずれにおいても、ユニバーサルヌクレオチドは、最も好ましくは2’−デオキシイノシンを含む。
本明細書に記載される合成方法のうちのいずれかを使用して組み込むことができるエピジェネティック塩基の例には、以下のものが含まれる。
Figure 2021529551
本明細書に記載される合成方法のうちのいずれかを使用して組み込むことができる修飾塩基の例には、以下のものが含まれる。
Figure 2021529551
本明細書に記載される合成方法のうちのいずれかを使用して組み込むことができるハロゲン化塩基の例には、以下のものが含まれる。
Figure 2021529551

ここで、R1=F、Cl、Br、I、アルキル、アリール、蛍光標識、アミノプロパルギル、アミノアリルである。
本明細書に記載される合成方法のうちのいずれかを使用して組み込むことができる、例えば付着/リンカー化学において有用であり得るアミノ修飾塩基の例には、以下のものが含まれる。
Figure 2021529551

ここで、塩基=アルキンまたはアルケンリンカーを有するA、T、G、またはCである。
本明細書に記載される合成方法のうちのいずれかを使用して組み込むことができる、例えばクリック化学において有用であり得る修飾塩基の例には、以下のものが含まれる。
Figure 2021529551
本明細書に記載される合成方法のうちのいずれかを使用して組み込むことができるビオチン修飾塩基の例には、以下のものが含まれる。
Figure 2021529551

ここで、塩基=アルキンまたはアルケンリンカーを有するA、T、G、またはCである。
本明細書に記載される合成方法のうちのいずれかを使用して組み込むことができるフルオロフォアおよびクエンチャーを担持する塩基の例には、以下のものが含まれる。
Figure 2021529551
ヌクレオチド組み込み酵素
ヌクレオチドの付加により、二本鎖ポリヌクレオチド分子の一本鎖ポリヌクレオチド部分を伸長することができる、かつ/または平滑末端二本鎖ポリヌクレオチド分子の一本鎖を伸長することができる酵素が利用可能である。これには、鋳型非依存性ポリメラーゼまたは鋳型非依存性トランスフェラーゼ活性など、鋳型非依存性酵素活性を有する酵素が含まれる。
したがって、本明細書に記載される方法のうちのいずれにおいても、足場ポリヌクレオチドの合成鎖のプライマー鎖部分の末端への、所定の配列の第2のヌクレオチドおよび/または所定の配列のさらなるヌクレオチドの付加に使用される酵素は、鋳型非依存性ポリメラーゼまたは鋳型非依存性トランスフェラーゼ活性などの鋳型非依存性酵素活性を有する。
本明細書に記載される方法を使用して、所定のヌクレオチドを付加するために任意の好適な酵素を用いることができる。したがって、ポリメラーゼまたはトランスフェラーゼ酵素の使用に関して本明細書に定義および記載されるすべての方法において、ポリメラーゼまたはトランスフェラーゼ酵素は、本発明の方法の文脈においてポリメラーゼまたはトランスフェラーゼ酵素と同じ機能を果たすことができる別の酵素と置換され得る。
ポリメラーゼ酵素を、本明細書に記載される方法に用いることができる。ポリメラーゼ酵素は、本明細書に記載されるように、修飾ヌクレオチド、具体的には、付着した可逆的ターミネーター基を有するヌクレオチドを組み込むそれらの能力に基づいて選択され得る。本明細書に記載される例示的な方法において、DNAに作用するすべてのポリメラーゼは、3’〜5’のエキソヌクレアーゼ活性を有してはならない。ポリメラーゼは、鎖置換活性を有し得る。
したがって、好ましくは、ポリメラーゼは、未修飾ポリメラーゼと比較して、可逆的ターミネーター基を含むヌクレオチドを組み込む能力が増強された修飾ポリメラーゼである。ポリメラーゼは、より好ましくは、Thermococcus種9°N、好ましくは種9°N−7由来の天然DNAポリメラーゼの遺伝子操作された変異体である。修飾されたポリメラーゼの例は、New England BioLabsから入手可能なTherminator IX DNAポリメラーゼおよびTherminator X DNAポリメラーゼである。この酵素は、3’−O修飾dNTPを組み込む能力が向上している。
本発明の方法のうちのいずれにおいても可逆的ターミネーターdNTPの組み込みに使用することができる他のポリメラーゼの例は、Deep Vent(エキソ)、Vent(エキソ)、9°N DNAポリメラーゼ、Therminator DNAポリメラーゼ、Therminator IX DNAポリメラーゼ、Therminator X DNAポリメラーゼ、Klenow断片(エキソ)、Bst DNAポリメラーゼ、Bsu DNAポリメラーゼ、Sulfolobus DNAポリメラーゼI、およびTaqポリメラーゼである。
本発明の方法のうちのいずれにおいても可逆的ターミネーターNTPの組み込みに使用することができる他のポリメラーゼの例は、T3 RNAポリメラーゼ、T7 RNAポリメラーゼ、SP6 RNAポリメラーゼ、polラムダ、polマイクロ、またはΦ29DNAポリメラーゼである。
DNAを含むこのようなポリヌクレオチド合成分子の伸長のために、DNAポリメラーゼを使用することができる。任意の好適なDNAポリメラーゼを使用することができる。
DNAポリメラーゼは、例えば、Bst DNAポリメラーゼ全長、Bst DNAポリメラーゼ大断片、Bsu DNAポリメラーゼ大断片、E.coli DNAポリメラーゼDNA Pol I大(Klenow)断片、M−MuLV逆転写酵素、phi29 DNAポリメラーゼ、Sulfolobus DNAポリメラーゼIV、Taq DNAポリメラーゼ、T4 DNAポリメラーゼ、T7 DNAポリメラーゼ、および逆転写酵素活性を有する酵素、例えば、M−MuLV逆転写酵素であり得る。
DNAポリメラーゼは、3’〜5’のエキソヌクレアーゼ活性を欠いている場合がある。任意のこのような好適なポリメラーゼ酵素を使用することができる。このようなDNAポリメラーゼは、例えば、Bst DNAポリメラーゼ全長、Bst DNAポリメラーゼ大断片、Bsu DNAポリメラーゼ大断片、DNA Pol I大(クレノウ)断片(3’→5’エキソ)、M−MuLV逆転写酵素、Sulfolobus DNAポリメラーゼIV、TaqDNAポリメラーゼであり得る。
DNAポリメラーゼは、鎖置換活性を保有し得る。任意のこのような好適なポリメラーゼ酵素を使用することができる。このようなDNAポリメラーゼは、例えば、Bst DNAポリメラーゼ大断片、Bsu DNAポリメラーゼ大断片、DNA Pol I大(Klenow)断片(3’→5’エキソ)、M−MuLV逆転写酵素、phi29 DNAポリメラーゼであり得る。
DNAポリメラーゼは、3’〜5’のエキソヌクレアーゼ活性を欠いている場合があり、鎖置換活性を保有し得る。任意のこのような好適なポリメラーゼ酵素を使用することができる。このようなDNAポリメラーゼは、例えば、Bst DNAポリメラーゼ大断片、Bsu DNAポリメラーゼ大断片、E.coli DNAポリメラーゼDNA Pol I大(Klenow)断片、M−MuLV逆転写酵素であり得る。
DNAポリメラーゼは、5’〜3’のエキソヌクレアーゼ活性を欠いている場合がある。任意のこのような好適なポリメラーゼ酵素を使用することができる。このようなDNAポリメラーゼは、例えば、Bst DNAポリメラーゼ大断片、Bsu DNAポリメラーゼ大断片、DNA Pol I大(Klenow)断片、DNA Pol I大(Klenow)断片(3’→5’エキソ)、M−MuLV逆転写酵素、phi29 DNAポリメラーゼ、Sulfolobus DNAポリメラーゼIV、T4 DNAポリメラーゼ、T7 DNAポリメラーゼであり得る。
DNAポリメラーゼは、3’〜5’および5’〜3’の両方のエキソヌクレアーゼ活性を欠いている場合があり、鎖置換活性を保有し得る。任意のこのような好適なポリメラーゼ酵素を使用することができる。このようなDNAポリメラーゼは、例えば、Bst DNAポリメラーゼ大断片、Bsu DNAポリメラーゼ大断片、DNA Pol I大(Klenow)断片(3’→5’エキソ)、M−MuLV逆転写酵素であり得る。
DNAポリメラーゼはまた、遺伝子操作されたバリアントであり得る。例えば、DNAポリメラーゼは、種9°N−7などのThermococcus種9°N由来の天然DNAポリメラーゼの遺伝子操作されたバリアントであり得る。このような修飾ポリメラーゼの一例は、New England BioLabsから入手可能なTherminator IX DNAポリメラーゼまたはTherminator X DNAポリメラーゼである。他の操作またはバリアントDNAポリメラーゼには、Deep Vent(エキソ)、Vent(エキソ)、9°N DNAポリメラーゼ、Therminator DNAポリメラーゼ、Klenow断片(エキソ)、Bst DNAポリメラーゼ、Bsu DNAポリメラーゼ、Sulfolobus DNAポリメラーゼI、およびTaqポリメラーゼが含まれる。
RNAを含むこのようなポリヌクレオチド合成分子の伸長のために、任意の好適な酵素を使用することができる。例えば、RNAポリメラーゼを使用することができる。任意の好適なRNAポリメラーゼを使用することができる。
RNAポリメラーゼは、T3 RNAポリメラーゼ、T7 RNAポリメラーゼ、SP6 RNAポリメラーゼ、E.coli RNAポリメラーゼホロ酵素であり得る。
酵素は、末端トランスフェラーゼ活性を有し得、例えば、酵素は、末端ヌクレオチジルトランスフェラーゼ、または末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼであり得、ポリヌクレオチド合成分子は、DNAまたはRNA、好ましくはDNAを含むポリヌクレオチド分子を形成するように伸長される。これらの酵素のうちのいずれも、ポリヌクレオチド合成分子の伸長が必要とされる本発明の方法で使用され得る。
このような酵素の1つは、末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)などの末端ヌクレオチジルトランスフェラーゼ酵素である(例えば、Motea et al,2010;Minhaz Ud−Dean,Syst.Synth.Biol.,2008,2(3−4),67−73を参照されたい)。TdTは、ヌクレオシド三リン酸基質(NTPまたはdNTP)からのヌクレオチド分子(ヌクレオシド一リン酸)のポリヌクレオチド合成分子への付加を触媒することができる。TdTは、天然および非天然ヌクレオチドの付加を触媒することができる。また、ヌクレオチド類似体の付加を触媒することもできる(Motea et al,2010)。Φ29DNAポリメラーゼと同様に、PolラムダおよびPolマイクロ酵素も使用することができる(Ramadan K,et al.,J.Mol.Biol.,2004,339(2),395−404)。
末端トランスフェラーゼ酵素(例えば、末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ;TdT)の作用による鋳型の非存在下での一本鎖ポリヌクレオチド分子(DNAおよびRNAの両方)を伸長して、人工的に合成された一本鎖ポリヌクレオチド分子を作成するための技術は、当該技術分野で広く議論されている。このような技術は、例えば、特許出願公開WO2016/034807、WO2016/128731、WO2016/139477、およびWO2017/009663、ならびにUS2014/0363852、US2016/0046973、US2016/0108382、およびUS2016/0168611に開示されている。これらの文書は、人工的に合成された一本鎖ポリヌクレオチド分子を作成するためのTdTの作用による一本鎖ポリヌクレオチド合成分子の制御された伸長を記載している。このような酵素を使用する天然および非天然/人工ヌクレオチドによる伸長は、修飾ヌクレオチド、例えば、ブロッキング基を組み込んだヌクレオチドによる伸長と同様に記載されている。これらの文書に開示されている末端トランスフェラーゼ酵素のうちのいずれも、その任意の酵素断片、誘導体、類似体、または機能的等価物と同様に、末端トランスフェラーゼ機能が酵素に保存されているという条件で、本発明の方法に適用することができる。
指向進化技術、従来のスクリーニング、合理的または半合理的な工学/突然変異誘発法または任意の他の適切な方法を使用して、必要な機能を提供および/または最適化するために任意のこのような酵素を変更することができる。鋳型を使用せずに、ヌクレオチドを用いて、DNAもしくはRNAを含む分子などの一本鎖ポリヌクレオチド分子部分、または平滑末端分子の1つの鎖を伸長することができる任意の他の酵素を使用することができる。
したがって、本明細書で定義される方法のうちのいずれにおいても、DNAを含む一本鎖ポリヌクレオチド合成分子部分、またはDNAを含む平滑末端二本鎖ポリヌクレオチドは、鋳型非依存性ポリメラーゼまたはトランスフェラーゼ活性などの鋳型非依存性酵素活性を有する酵素によって伸長され得る。酵素は、ヌクレオチジルトランスフェラーゼ酵素活性、例えば、末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)などのデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ酵素、またはその酵素断片、誘導体、類似体、もしくは機能的等価物を有し得る。このような酵素の作用によって伸長されたポリヌクレオチド合成分子は、DNAを含む。
本明細書で定義される方法のうちのいずれにおいても、RNAを含むポリヌクレオチド合成分子の一本鎖部分、またはRNAを含む平滑末端二本鎖ポリヌクレオチドは、ヌクレオチジルトランスフェラーゼ酵素(例えば、TdTを含む)を有する酵素、またはその酵素断片、誘導体、類似体、もしくは機能的等価物によって伸長され得る。このような酵素の作用によって伸長されたポリヌクレオチド合成分子は、RNAを含み得る。RNAを含む一本鎖ポリヌクレオチド合成分子、またはRNAを含むポリヌクレオチド合成分子の一本鎖部分の合成には、任意の好適なヌクレオチジルトランスフェラーゼ酵素を使用することができる。ポリ(U)ポリメラーゼおよびポリ(A)ポリメラーゼ(例えば、E.coli由来)などのヌクレオチジルトランスフェラーゼ酵素は、ポリヌクレオチド合成分子へのヌクレオシド一リン酸ユニットの鋳型非依存性付加が可能である。これらの酵素のうちのいずれも、その任意の酵素断片、誘導体、類似体、または機能的等価物と同様に、ヌクレオチジルトランスフェラーゼ機能が酵素に保存されているという条件で、本発明の方法に適用することができる。指向進化技術、従来のスクリーニング、合理的または半合理的な工学/突然変異誘発法または任意の他の適切な方法を使用して、必要な機能を提供および/または最適化するために任意のこのような酵素を変更することができる。
可逆的ターミネーター基
本明細書に定義および記載される本発明の合成方法のうちのいずれにおいても、ポリメラーゼ酵素またはトランスフェラーゼ酵素の作用によって合成鎖に組み込まれるヌクレオチドは、好ましくは、本明細書に記載されるような可逆的ターミネーター基とも称される、1つ以上の可逆的ブロッキング基を含むヌクレオチドとして組み込まれる。
このような基は、所与の合成サイクルにおいて酵素によるさらなる伸長を防止するように作用し、その結果、所定の配列の1つのヌクレオチドのみが合成鎖を伸長させるために制御可能に使用され得、したがって非特異的ヌクレオチドの組み込みが防止される。この効果を達成する任意の機能性は、本明細書に定義および記載される方法のうちのいずれにおいても使用され得る。ヌクレオチドに付着した可逆的ブロッキング基/可逆的ターミネーター基および脱ブロッキング工程は、この効果を達成するための好ましい手段である。しかしながら、この効果は、必要に応じて代替的な手段によっても達成され得る。
所与のサイクルにおけるヌクレオチドの合成鎖への組み込み後の酵素によるさらなる伸長を防止し、合成鎖への組み込みを工程当たり1つのヌクレオチドに制限するために、任意の好適な可逆的ブロッキング基をヌクレオチドに付着させることがる。本発明のうちのいずれの方法においても、可逆的ブロッキング基は、好ましくは、ポリメラーゼ酵素によるさらなる伸長を防止するように作用する可逆的ターミネーター基である。可逆的ターミネーターの例を以下に提供する。
プロパルギル可逆的ターミネーター:
Figure 2021529551

アリル可逆的ターミネーター:
Figure 2021529551

シクロオクテン可逆的ターミネーター:
Figure 2021529551

シアノエチル可逆的ターミネーター:
Figure 2021529551

ニトロベンジル可逆的ターミネーター:
Figure 2021529551

ジスルフィド可逆的ターミネーター:
Figure 2021529551

アジドメチル可逆的ターミネーター:
Figure 2021529551

アミノアルコキシ可逆的ターミネーター:
Figure 2021529551
塩基に付着したかさ高い基を有するヌクレオシド三リン酸は、3’−ヒドロキシ基上の可逆的ターミネーター基の代替物として機能し得、さらなる組み込みをブロックすることができる。この基は、TCEPまたはDTT生産天然ヌクレオチドによって脱保護することができる。
Figure 2021529551
本発明の方法のうちのいずれかに従ってDNAポリヌクレオチドを合成するために、好ましい修飾ヌクレオシドは、3’−O−修飾−2’−デオキシリボヌクレオシド−5’−O−三リン酸である。本発明の方法のうちのいずれかに従ってRNAポリヌクレオチドを合成するために好ましい修飾ヌクレオシドは、3’−O−修飾リボヌクレオシド−5’−O−三リン酸である。
好ましい修飾dNTPは、3’−O−アリル−dNTPおよび3’−O−アジドメチル−dNTPである修飾dNTPである。
3’−O−アリル−dNTPを以下に示す。
Figure 2021529551

3’−O−アジドメチル−dNTPを以下に示す。
Figure 2021529551
本明細書に記載および定義される本発明の方法は、脱保護または脱ブロッキング工程を指す場合がある。このような工程は、任意の好適な手段による可逆的ブロッキング基(例えば、可逆的ターミネーター基)の除去、または別様に、酵素/ポリメラーゼによるさらなる伸長を阻害するためにブロッキング基/ターミネーター基の機能性を逆転させることを伴う。
脱保護工程において、任意の好適な試薬を使用して可逆的ターミネーター基を除去することができる。
好ましい脱保護剤は、トリス(カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)である。TCEPを使用して、組み込み後に(Pdと共に)3’−O−アリル−ヌクレオチドおよび3’−O−アジドメチル−ヌクレオチドから可逆的ターミネーター基を除去することができる。
脱保護試薬の例を以下に提供する。
プロパルギル可逆的ターミネーター:
Pd触媒による処理−NaPdCl、PdCl
リガンド、例えば、トリフェニルホスフィン−3,3’,3’’−トリスルホン酸三ナトリウム塩を使用することができる。
アリル可逆的ターミネーター:
Pd触媒による処理−NaPdCl、PdCl
リガンド、例えば、トリフェニルホスフィン−3,3’,3’’−トリスルホン酸三ナトリウム塩を使用することができる。
アジドメチル可逆的ターミネーター:
チオール(メルカプトエタノールまたはジチオトレイトール)、またはトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン−TCEPによる処理。
シアノエチル可逆的ターミネーター:
フッ化物−フッ化アンモニウム、フッ化テトラブチルアンモニウム(TBAF)による処理。
ニトロベンジル可逆的ターミネーター:
UV光への曝露
ジスルフィド可逆的ターミネーター:
チオール(メルカプトエタノールまたはジチオトレイトール)、またはトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン−TCEPによる処理。
アミノアルコキシ可逆的ターミネーター:
亜硝酸塩(NO 、HNO)による処理pH=5.5
可逆的ブロッキング基(例えば、可逆的ターミネーター基)は、可逆的ターミネーター基の除去後のさらなる組み込みを防止するために組み込み工程からの不要な試薬が除去されるという条件で、組み込み工程の直後に行われる工程によって除去することができる。
ポリヌクレオチド連結分子
足場ポリヌクレオチドの存在および連結工程を必要とする方法において、ポリヌクレオチド連結分子の構成および構造の選択はまた、用いられる具体的な方法に依存する。ポリヌクレオチド連結分子は、一般に、本明細書に記載されるような支持鎖および本明細書に記載されるようなヘルパー鎖を含む。ポリヌクレオチド連結分子は、分子の一方の末端に相補的連結末端を含む。ポリヌクレオチド連結分子の相補的連結末端は、足場ポリヌクレオチドの末端に連結される。
ポリヌクレオチド連結分子の相補的連結末端には、ヘルパー鎖中に連結不可能な末端ヌクレオチド、典型的には非リン酸化末端ヌクレオチドが提供される。これにより、合成鎖のヘルパー鎖部分の合成鎖のプライマー鎖部分への連結が防止され、よって連結後に合成鎖において一本鎖切断が作成される。合成鎖における連結を防止するための代替的な手段を使用することもできる。例えば、ブロッキング部分は、ヘルパー鎖中の末端ヌクレオチドに付着し得る。さらに、本明細書にさらに記載されるように、ヘルパー鎖は、切断の前に、例えば変性によって足場分子から除去され得る。ポリヌクレオチド連結分子の相補的連結末端には、ヘルパー鎖中の連結不可能な末端ヌクレオチドに隣接する支持鎖中に連結可能な末端ヌクレオチドが提供される。支持鎖の連結可能な末端ヌクレオチドは、リガーゼ酵素の作用によって足場分子に組み込まれる所定の配列の第1のヌクレオチドである。ポリヌクレオチド連結分子の相補的連結末端にはまた、支持鎖においてユニバーサルヌクレオチドが提供される。支持鎖の連結可能な末端ヌクレオチドに対する支持鎖におけるユニバーサルヌクレオチドの正確な位置付けは、特定の方法のバージョンおよびそれらの変形例の説明から明らかになるように、用いられる特定の反応化学に依存する。
本明細書に記載される例示的な方法および図中のそれらの描写を参照することによって、ポリヌクレオチド連結分子の適切な構造を容易に確認することができる。
連結
連結工程を伴う本発明の方法において、連結は、任意の好適な手段を使用して達成され得る。好ましくは、連結工程は、リガーゼ酵素によって行われるであろう。リガーゼは、一塩基突出基質に対する活性が増強された修飾リガーゼであり得る。リガーゼは、T3 DNAリガーゼまたはT4 DNAリガーゼであり得る。リガーゼは平滑TAリガーゼであり得る。例えば、平滑TAリガーゼは、New England BioLabs(NEB)から入手可能である。これは、T4 DNAリガーゼと、連結エンハンサーと、平滑末端および一塩基突出基質の両方の連結および形質転換を改善するために特別に調製された最適化反応緩衝液との、すぐに使用できるマスターミックス溶液である。一本鎖および二本鎖ポリヌクレオチドを連結(接合)するための分子、酵素、化学物質、および方法は、当業者によく知られている。
足場ポリヌクレオチドの切断
足場ポリヌクレオチドの存在および切断工程を必要とする方法において、切断工程を行うための試薬の選択は、用いられる具体的な方法に依存する。切断部位は、支持鎖中のユニバーサルヌクレオチドの具体的な配列によって定義される。したがって、本明細書に記載される例示的な方法を参照することによって容易に明らかになるように、所望の切断部位の構成および適切な切断試薬の選択は、その方法で用いられる特定の化学に依存するであろう。
修飾塩基を認識するDNA切断酵素のいくつかの例を以下の表に示す。
Figure 2021529551
合成鎖
限定されないが、図1〜10およびさらに本明細書に記載されるような本発明の合成方法のバージョンの1〜4およびそれらの変形例を含む、本明細書に記載されるポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドを合成する方法において、足場ポリヌクレオチドには、合成鎖が提供される。合成鎖はプライマー鎖部分を含む。合成サイクル中に、所定の配列の各新たな第2のヌクレオチドが、プライマー鎖部分の伸長によって合成鎖に組み込まれ、所定の配列の第1のヌクレオチドが支持鎖に組み込まれる。ポリメラーゼ酵素または末端トランスフェラーゼ活性を有する酵素などの酵素を使用して、各新たな第2のヌクレオチドの組み込み/付加を触媒することができる。所定の配列の各新たに組み込まれた第2のヌクレオチドは、次の組み込み工程におけるプライミング組み込みで使用するためのプライマー鎖部分の末端ヌクレオチドとして作用する。したがって、任意の所与の合成サイクルにおいて、合成鎖のプライマー鎖部分は、適切な酵素によるプライミングを可能にするのに十分なポリヌクレオチド配列を含む。さらに本明細書に記載されるある特定の実施形態において、所与の合成サイクルにおいて、所定の配列の第2のヌクレオチドは、合成鎖に組み込まれ、続いて、1つ以上のさらなるヌクレオチドの合成鎖に組み込まれる。このような実施形態において、所定の配列の第2のヌクレオチドおよびさらなるヌクレオチドは、可逆的ターミネーター基を含み、本方法は、組み込み後、および次のヌクレオチドの組み込み前に、ヌクレオチドから可逆的ターミネーター基を除去する工程を追加的に含む。
ヌクレオチドの「組み込み」、「伸長」、および「付加」という用語は、本明細書において同じ意味を有することが意図される。
ヘルパー鎖
ヘルパー鎖は、連結工程でポリヌクレオチド連結分子の足場ポリヌクレオチドへの連結を容易にするために、ポリヌクレオチド連結分子に提供され得る。ヘルパー鎖はまた、切断工程で切断酵素(複数可)の結合を促進し得る。必要に応じて、切断工程での切断酵素(複数可)の結合を確実にし、連結工程での連結を確実にするために代替的な手段が提供されるという条件で、ヘルパー鎖が削除され得る。本発明の好ましい方法において、ポリヌクレオチド連結分子にはヘルパー鎖が提供される。
ヘルパー鎖が必要に応じてリガーゼおよび切断酵素(複数可)の結合を促進するのに好適であるという条件で、ヘルパー鎖の長さ、配列、および構造のパラメーターに関する特別な要件はない。
ヘルパー鎖は、ヌクレオチド、ヌクレオチド類似体/誘導体および/または非ヌクレオチドを含み得る。
好ましくは、ヘルパー鎖の配列の領域内で、支持鎖とのミスマッチは回避されるべきであり、GCおよびATに富む領域は回避されるべきであり、加えて、ヘアピンまたはバルジなどの二次構造の領域は回避されるべきである。
ヘルパー鎖の長さは10塩基以上であり得る。任意選択的に、ヘルパー鎖の長さは15塩基以上、好ましくは30塩基以上であり得る。しかしながら、ヘルパー鎖が切断および/または連結を促進することができるという条件で、ヘルパー鎖の長さは変化し得る。
ヘルパー鎖は支持鎖の対応する領域にハイブリダイズされなければならない。ヘルパー鎖が連結工程におけるリガーゼ酵素の結合および/または切断工程における切断酵素(複数可)の結合を促進することができるという条件で、ヘルパー鎖の全体が支持鎖の対応する領域にハイブリダイズされることは必須ではない。したがって、ヘルパー鎖と支持鎖の対応する領域との間のミスマッチは許容され得る。ヘルパー鎖は支持鎖の対応する領域よりも長い場合がある。支持鎖は、プライマー鎖に対して遠位方向において、ヘルパー鎖に対応する領域を越えて伸長し得る。ヘルパー鎖は、例えばヘアピンを介して、支持鎖の対応する領域に接続され得る。
ヘルパー鎖は、ニックの部位のヘルパー鎖の末端ヌクレオチドがニックの部位のプライマー鎖部分の末端ヌクレオチドに対して合成鎖中の次の逐次ヌクレオチド位置を占めるように支持鎖にハイブリダイズされ得る。したがって、この構成では、ヘルパー鎖とプライマー鎖との間にヌクレオチド位置ずれはない。それにもかかわらず、ヘルパー鎖およびプライマー鎖は、一本鎖の切断またはニックの存在のために物理的に分離されるであろう。
ユニバーサルヌクレオチドと対合するヘルパー鎖中のヌクレオチドは、任意の好適なヌクレオチドであり得る。好ましくは、分子のらせん構造を歪める可能性がある対合は回避されるべきである。好ましくは、シトシンはユニバーサルヌクレオチドに対するパートナーとして作用する。特に好ましい実施形態では、ユニバーサルヌクレオチドは、イノシン、またはその類似体、変異体もしくは誘導体であり、ヘルパー鎖中のユニバーサルヌクレオチドに対するパートナーヌクレオチドはシトシンである。
ヘルパー鎖の除去
本明細書に記載される本発明の合成方法のうちのいずれにおいても、所定の配列の第2のヌクレオチドの組み込み工程の前に、ポリヌクレオチド連結分子によって提供されるヘルパー鎖が、足場ポリヌクレオチドから除去され得る。
合成鎖のヘルパー鎖部分は、(i)足場ポリヌクレオチドを約80℃〜約95℃の温度に加熱し、足場ポリヌクレオチドからヘルパー鎖部分を分離すること、(ii)足場ポリヌクレオチドを8M尿素などの尿素溶液で処理し、足場ポリヌクレオチドからヘルパー鎖部分を分離すること、(iii)足場ポリヌクレオチドをホルムアミドもしくは100%ホルムアミドなどのホルムアミド溶液で処理し、足場ポリヌクレオチドからヘルパー鎖部分を分離すること、または(iv)足場ポリヌクレオチドを、ヘルパー鎖部分の配列と相補的なヌクレオチド配列の領域を含む一本鎖ポリヌクレオチド分子と接触させ、それによって足場ポリヌクレオチドへのヘルパー鎖部分のハイブリダイゼーションを競合的に阻害することを含むがこれらに限定されない任意の好適な手段によって、足場ポリヌクレオチドから除去することができる。
二本鎖ポリヌクレオチド連結分子を切断された足場ポリヌクレオチドに連結する工程の後、および足場ポリヌクレオチドの切断の工程の前に、ヘルパー鎖部分を足場ポリヌクレオチドから除去する方法において、切断工程は、ヘルパー鎖によって提供される二本鎖領域の不在下で支持鎖を切断することを含む。本明細書に開示される任意の好適な酵素から選択されるものなど、任意の好適な酵素を、このような切断工程を行うために選択することができる。
プライマー鎖
プライマー鎖部分は、ポリメラーゼ酵素または末端トランスフェラーゼ活性を有する酵素などの酵素が合成を開始できるようにする、すなわち、プライマー鎖部分の末端での新たなヌクレオチドの付加を触媒するのに好適であるべきである。
プライマー鎖は、新たなポリヌクレオチド合成を開始するように作用し得る(例えば、図1〜10の各々に示される構造において点線で示されるような)配列の領域を含み得る。プライマー鎖は、新たなポリヌクレオチド合成を開始するように作用し得る配列の領域からなる場合があり、したがって、プライマー鎖の全体は、本明細書に記載されるような新たなポリヌクレオチド合成を開始するように作用し得る配列であり得る。
プライマー鎖が新たなポリヌクレオチド合成を開始するのに好適であるという条件で、プライマー鎖の長さ、配列、および構造のパラメーターについて特別な要件はない。
プライマー鎖は、ヌクレオチド、ヌクレオチド類似体/誘導体および/または非ヌクレオチドを含み得る。
当業者は、新たなポリヌクレオチド合成を開始することができるプライマー鎖を容易に構築することができる。したがって、新たなポリヌクレオチド合成を開始するように作用し得るプライマー鎖の配列領域内では、支持鎖とのミスマッチは回避されるべきであり、GCおよびATに富む領域は回避されるべきであり、加えて、ヘアピンまたはバルジなどの二次構造の領域は回避されるべきである。
新たなポリヌクレオチド合成を開始するように作用し得るプライマー鎖の配列領域の長さは、好みおよび使用されるポリメラーゼ酵素に応じて当業者が選択することができる。この領域の長さは、7塩基以上、8塩基以上、9塩基以上、または10塩基以上であり得る。任意選択的に、この領域の長さは、15塩基以上、好ましくは30塩基以上であろう。
プライマー鎖は支持鎖の対応する領域にハイブリダイズされなければならない。プライマー鎖が新たなポリヌクレオチド合成を開始することができるという条件で、プライマー鎖の全体が支持鎖の対応する領域にハイブリダイズされることは必須ではない。したがって、プライマー鎖と支持鎖の対応する領域との間のミスマッチは、ある程度許容され得る。好ましくは、新たなポリヌクレオチド合成を開始するように作用し得るプライマー鎖の配列領域は、支持鎖中の対応する核酸塩基に相補的な核酸塩基を含むべきである。
ヘルパー鎖は、例えばヘアピンを介して、支持鎖の対応する領域に接続され得る。
支持鎖
限定されないが、本発明の合成方法のバージョン1および2ならびにそれらの変形例を含む本発明の方法では、上記に記載されるように、足場ポリヌクレオチドには、支持鎖が提供される。支持鎖は合成鎖にハイブリダイズされる。上記に記載されるように、支持鎖がプライマー鎖部分と適合し、存在する場合、上記に記載されるように、合成鎖のヘルパー鎖部分と適合するという条件で、支持鎖の長さ、配列、および構造のパラメーターについて特別な要件はない。
合成ポリヌクレオチド
本明細書に記載される方法に従って合成された所定の配列を有するポリヌクレオチドは二本鎖である。合成されたポリヌクレオチドは全体として二本鎖であり、ここで第1の鎖は、ハイブリダイゼーションによって第2の鎖に付着している。第1の鎖が全体としてハイブリダイゼーションによって第2の鎖に付着しているという条件で、非ハイブリダイゼーションのミスマッチおよび領域は許容され得る。
ハイブリダイゼーションは、中程度にストリンジェントまたはストリンジェントなハイブリダイゼーション条件によって定義され得る。中程度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件では、5倍塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)、0.5%SDS、1.0mM EDTA(pH8.0)、約50%ホルムアミドのハイブリダイゼーション緩衝液、6倍SSC、および55℃のハイブリダイゼーション温度(または、約50%ホルムアミドを含み、ハイブリダイゼーション温度が42℃のような他の同様のハイブリダイゼーション溶液)を含む事前洗浄溶液、ならびに0.5倍SSC、0.1%SDSで、60℃の洗浄条件を使用する。ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、45℃で、6xSSCでハイブリダイズし、続いて68℃で、0.1xSSC、0.2%SDSで1回以上洗浄する。
本明細書に記載される方法に従って合成された所定の配列を有する二本鎖ポリヌクレオチドは、二本鎖ポリヌクレオチドとして保持され得る。あるいは、二本鎖ポリヌクレオチドの二本鎖を分離して、所定の配列を有する一本鎖ポリヌクレオチドを得ることができる。二本鎖ポリヌクレオチドの2つの鎖の分離(溶解)を可能にする条件は、当該技術分野においてよく知られている(例えば、Sambrook et al.,2001,Molecular Cloning:a laboratory manual,3rd edition,Cold Spring Harbour Laboratory Press、およびCurrent Protocols in Molecular Biology,Greene Publishing and Wiley−lnterscience,New York(1995))。
本明細書に記載される方法に従って合成された所定の配列を有する二本鎖ポリヌクレオチドは、合成後に増幅され得る。二本鎖ポリヌクレオチドのいかなる領域も増幅され得る。二本鎖ポリヌクレオチドの全体またはいかなる領域も、足場ポリヌクレオチドの全体またはいかなる領域と一緒に増幅され得る。二本鎖ポリヌクレオチドの増幅を可能にする条件は、当該技術分野においてよく知られている(例えば、Sambrook et al.,2001,Molecular Cloning:a laboratory manual,3rd edition,Cold Spring Harbour Laboratory Press、およびCurrent Protocols in Molecular Biology,Greene Publishing and Wiley−lnterscience,New York(1995))。したがって、本明細書に記載される合成方法のうちのいずれも、所定の配列を有する二本鎖ポリヌクレオチドまたはその任意の領域が上記に記載されるように増幅される増幅工程をさらに含み得る。増幅は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、ポリメラーゼらせん反応(PSR)、ループ媒介等温増幅(LAMP)、核酸配列に基づく増幅(NASBA)、自立配列複製(3SR)、ローリングサークル増幅(RCA)、鎖置換増幅(SDA)、多重置換増幅(MDA)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、ヘリカーゼ依存性増幅(HDA)、分岐増幅法(RAM)などの任意の好適な方法によって行われ得る。好ましくは、増幅は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって行われる。
本明細書に記載される方法に従って合成された所定の配列を有する二本鎖または一本鎖ポリヌクレオチドは、任意の長さであり得る。例えば、ポリヌクレオチドは、少なくとも10個、少なくとも50個、少なくとも100個、少なくとも150個、少なくとも200個、少なくとも250個、少なくとも300個、少なくとも350個、少なくとも400個、少なくとも450個、または少なくとも500個のヌクレオチドまたはヌクレオチド対の長さであり得る。例えば、ポリヌクレオチドは、約10〜約100個のヌクレオチドまたはヌクレオチド対、約10〜約200個のヌクレオチドまたはヌクレオチド対、約10〜約300個のヌクレオチドまたはヌクレオチド対、約10〜約400個のヌクレオチドまたはヌクレオチド対、および約10〜約500個のヌクレオチドまたはヌクレオチド対の長さであり得る。ポリヌクレオチドは、最大1000個以上のヌクレオチドもしくはヌクレオチド対、最大5000個以上のヌクレオチドもしくはヌクレオチド対の長さ、または約100000以上のヌクレオチドもしくはヌクレオチド対の長さであり得る。
RNA合成
DNA合成について記載される方法はRNAの合成に適応され得る。1つの適応において、本発明の合成方法のバージョン1〜4およびそれらの変形例について記載された合成工程が適応され得る。したがって、合成方法のバージョン1〜4およびそれらの変形例の各々において、足場ポリヌクレオチドの支持鎖は、上記に記載されるように、DNA鎖である。足場ポリヌクレオチドの合成鎖のプライマー鎖部分はRNA鎖である。ヘルパー鎖は、存在する場合、RNA鎖であり得る。ヘルパー鎖は、存在する場合、DNA鎖であり得る。
ヌクレオチドは、上記に記載されるように、可逆的ターミネーター基を含むように修飾され得るリボヌクレオシド−5’−O−三リン酸(NTP)から組み込まれ得る。好ましくは3’−O−修飾リボヌクレオシド−5’−O−三リン酸が使用される。修飾ヌクレオチドはRNAポリメラーゼの作用によって組み込まれる。
したがって、本発明の合成方法のバージョン1〜4およびそれらの変形例に関する説明は、RNA合成に必要な変更を加えて適用することができるが、説明されるように適応され得る。
図36および37は、それぞれ図11および12に示されるような実施例のDNA合成法のバージョン1および2の適応であるRNA合成のための反応スキームを説明する。図1〜10に示されるように、本発明の方法のバージョン1〜4およびそれらの変形例は、同じ方法で適応され得る。
RNA合成のために適応される方法のうちのいずれにおいても、支持鎖、プライマー鎖、ヘルパー鎖、ポリヌクレオチド連結部分、およびユニバーサルヌクレオチドの上記の説明は、必要な変更を加えて適用することができるが、説明されるように適応され得る。ユニバーサルヌクレオチドを含む支持鎖はDNA鎖であるため、以前に記載されるような切断工程および切断位置は、必要な変更を加えて適用することができる。好ましい実施形態では、SplintR DNAリガーゼが連結工程において使用される。
固相合成
本発明の合成方法に従って生産された合成ポリヌクレオチドは、好ましくは固相または可逆的固相技術を使用して合成することができる。様々なこのような技術が当該技術分野において知られており、また、使用され得る。所定の配列の新たな二本鎖ポリヌクレオチドの合成を開始する前に、足場ポリヌクレオチドを表面、例えば、ガラスなどの平坦な表面、ゲル系材料、またはビーズもしくは官能化量子ドットなどの微粒子の表面に固定化し得る。表面を構成する材料自体が基質に結合され得る。例えば、足場ポリヌクレオチドは、例えばポリアクリルアミドなどのゲル系材料に固定化され得、ここでゲル系材料は、ガラスなどの支持基質に結合されている。
ポリヌクレオチドは、直接または間接的に表面に固定化または繋留され得る。例えば、それらは化学結合によって表面に直接取り付けられ得る。それらは、以下に記載されるように、例えば、SPRIにおけるような、またはエレクトロウェッティングシステムにおけるような、微粒子もしくはビーズの表面などの中間表面を介して表面に間接的に繋留され得る。次に、新たに合成されたポリヌクレオチドを組み込んでいる足場ポリヌクレオチドが固定化されている間に、合成サイクルを開始し、完了させることができる。
このような方法において、二本鎖足場ポリヌクレオチドは、所定の配列の1番目のヌクレオチドの組み込みの前に表面に固定化され得る。したがって、このような固定化された二本鎖足場ポリヌクレオチドは、合成中および合成後に、所定の配列の二本鎖ポリヌクレオチドを表面に繋留するためのアンカーとして作用し得る。
このような二本鎖アンカー/足場ポリヌクレオチドの一方の鎖のみが、分子の同じ末端の表面に固定化され得る。あるいは、二本鎖アンカー/足場ポリヌクレオチドの両方の鎖が、それぞれ分子の同じ末端で表面に固定化され得る。二本鎖アンカー/足場ポリヌクレオチドには、新たな合成の開始部位と反対の末端のヘアピンループなどを介して、隣接する末端で接続された各鎖が提供され得、接続された末端は、表面上に固定化され得る(例えば、図16に概略的に示されるように)。
足場ポリヌクレオチドを伴う方法において、本明細書に記載されるように、足場ポリヌクレオチドは、所定の配列における1番目のヌクレオチドの組み込みの前に表面に付着し得る。したがって、図16(a)および(c)に示されるように、プライマー鎖部分を含む合成鎖とそれにハイブリダイズされた支持鎖の部分とを、両方とも別々に表面に付着させることができる。図16(b)および(d)に示されるように、プライマー鎖部分を含む合成鎖とそれにハイブリダイズされた支持鎖の部分とが、ヘアピンループなどを介して、隣接する末端で、例えば、新たな合成の開始部位と反対の末端で接続され得、接続された末端は表面に繋留され得る。図16(e)〜(h)に示されるように、プライマー鎖部分を含む合成鎖とそれにハイブリダイズされた支持鎖の部分との一方または他方を、別々に表面に付着させることができる。好ましくは、プライマー鎖部分を含む合成鎖とそれにハイブリダイズされた支持鎖の部分とが表面に付着している。
平坦な表面上での固相合成
所定の配列の新たな二本鎖ポリヌクレオチドの合成を開始する前に、合成アンカー/足場ポリヌクレオチドを、本明細書に記載されるものを含む当該技術分野で既知の方法によって合成し、表面に繋留させることができる。
予め形成されたポリヌクレオチドを、平坦な表面に付着した核酸マイクロアレイを作成するために一般的に用いられる方法によって表面に繋留させることができる。例えば、アンカー/足場ポリヌクレオチドを作成し、次に、平坦な表面上にスポットまたは印刷することができる。アンカー/足場ポリヌクレオチドは、接触印刷技術を使用して表面上に堆積させることができる。例えば、中実または中空のチップまたはピンを、予め形成された足場ポリヌクレオチドを含む溶液に浸漬し、平坦な表面と接触させることができる。あるいは、オリゴヌクレオチドをマイクロスタンプ上に吸着させ、次に、物理的接触によって平坦な表面に転写することができる。非接触印刷技術としては、サーマル印刷または圧電印刷が挙げられ、ここでは、予め形成された足場ポリヌクレオチドを含むサブナノリットルサイズの微小液滴を、インクジェットおよびバブルジェット印刷に使用される方法と同様の方法を使用して印刷チップから射出することができる。
一本鎖オリゴヌクレオチドは、マイクロアレイを作成するために用いられる、いわゆる「オンチップ」方法を使用するなど、平坦な表面上で直接合成することができる。次に、このような一本鎖オリゴヌクレオチドは、予め形成されたアンカー/足場ポリヌクレオチドを固定化するための付着部位として作用し得る。
一本鎖オリゴヌクレオチドを生成するためのオンチップ技術は、保護されたヌクレオチドを選択的に活性化して、その後の新たな保護されたヌクレオチドの組み込みを可能にするためのフォトリソグラフィマスクを通して向けられるUV光の使用を伴うフォトリソグラフィを含む。UV媒介脱保護および予め判定されたヌクレオチドの結合のサイクルは、所望の配列を有するオリゴヌクレオチドのインサイチュ生成を可能にする。フォトリソグラフィマスクの使用に対する代替物として、インクジェット印刷技術を使用した核酸塩基の逐次堆積、ならびに所望の配列を有するオリゴヌクレオチドを生成するための結合、酸化、および脱保護のサイクルの使用によって、オリゴヌクレオチドを平坦な表面上に作成し得る(レビューのために、Kosuri and Church,Nature Methods,2014,11,499−507を参照されたい)。
以下に記載されるような可逆的固定化を伴う方法を含む、本明細書に記載される合成方法のうちのいずれにおいても、表面は任意の好適な材料で作製され得る。典型的には、表面は、シリコン、ガラス、またはポリマー材料を含み得る。表面は、約2%のポリアクリルアミドなどのポリアクリルアミド表面、任意選択的にN−(5−ブロモアセトアミジルペンチル)アクリルアミド(BRAPA)を使用して得られるポリアクリルアミド表面などのゲル表面を含むことができ、好ましくはポリアクリルアミド表面は、ガラスなどの固体支持体に結合されている。
可逆的固定化
所定の配列を有する合成ポリヌクレオチドは、可逆的固定化を促進する、微粒子およびビーズなどの結合表面および結合構造を使用して本発明に従って合成することができる。固相可逆的固定化(SPRI)方法または改良された方法が、当該技術分野において知られており、また用いることができる(例えば、DeAngelis M.M.et al.(1995)Solid−Phase Reversible Immobilization for the Isolation of PCR Products,Nucleic Acids Research,23(22):4742−4743を参照されたい)。
表面は、常磁性ビーズなどの微粒子の形態で提供され得る。常磁性ビーズは磁場の影響下で凝集する場合がある。例えば、常磁性表面には、化学基、例えばカルボキシル基が提供され得、これは、以下により詳細に記載されるように、適切な付着条件下で、核酸に対する結合部分として作用するであろう。核酸は、このような表面から適切な溶出条件下で溶出され得る。微粒子およびビーズの表面には、UV感受性ポリカーボネートが提供され得る。核酸は、好適な固定化緩衝液の存在下で活性化表面に結合され得る。
微粒子およびビーズを反応溶液内で自由に移動させ、次に、例えば、ビーズを表面にエッチングしたマイクロウェルまたはピット内に保持することによって可逆的に固定化することができる。ビーズは、例えば、ビーズに付着した固有の核酸「バーコード」の使用によって、または色分けの使用によって、アレイの一部として局在化され得る。
したがって、所定の配列の新たな二本鎖ポリヌクレオチドの合成を開始する前に、本発明によるアンカー/足場ポリヌクレオチドを合成し、次に、このような結合表面に可逆的に固定化することができる。本発明の方法によって合成されたポリヌクレオチドは、このような結合表面に可逆的に固定化される間に合成することができる。
微小流体技術およびシステム
表面は、エレクトロウェッティングオン誘電体システム(EWOD)であり得る。EWODシステムは、微小液滴の形態での非常に小さい液体容量の微小流体操作を促進する誘電体被覆表面を提供する(例えば、Chou,W−L.,et al.(2015)Recent Advances in Applications of Droplet Microfluidics,Micromachines,6:1249−1271.)。液滴容量は、エレクトロウェッティング技術によってチップ上でプログラム可能に作成、移動、区分化、および組み合わせることができる。したがって、エレクトロウェッティングシステムは、合成中および合成後にポリヌクレオチドを可逆的に固定化するための代替的な手段を提供する。
所定の配列を有するポリヌクレオチドは、本明細書に記載される方法によって固相で合成することができ、ここでポリヌクレオチドは、EWOD表面上に固定化され、各サイクルにおける必要な工程はエレクトロウェッティング技術によって促進される。例えば、足場ポリヌクレオチドを伴い、組み込み、切断、連結、および脱保護工程を必要とする方法において、各工程に必要な試薬、ならびに使用済みかつ不要な試薬を除去するために必要な任意の洗浄工程に必要な試薬は、エレクトロウェッティング技術を介した電場の影響下で輸送される微小液滴の形態で提供され得る。
本発明の合成方法において使用され得る他の微小流体プラットフォームが利用可能である。例えば、核酸操作のために一般的に用いられているエマルジョンベースの微小液滴技術を使用することができる。このようなシステムでは、微小液滴は、2つの不混和性流体、典型的には水と油との混合によって作成されるエマルジョン中に形成される。エマルジョン微小液滴は、微小流体網内でプログラム可能に作成、移動、区分化、および組み合わせることができる。ヒドロゲル系もまた利用可能である。本明細書に記載される合成方法のうちのいずれにおいても、微小液滴は、上記に記載されるEWODシステムおよび他の微小流体システム、例えば、エラストマー材料を含む構成成分に基づくアーキテクチャを含む微小流体システムなどの任意の好適な適合システムで操作することができる。
微小液滴は、それらが本明細書の合成方法と適合するという条件で、任意の好適なサイズのものであり得る。微小液滴のサイズは、用いられる具体的なシステムおよびシステムの関連するアーキテクチャに応じて変化するであろう。したがって、サイズは必要に応じて適応され得る。本明細書に記載される合成方法のうちのいずれにおいても、液滴直径は、約150nm〜約5mmの範囲であり得る。1μm未満の液滴直径は、例えば、Ganan−Calvo et al.(Nature Physics,2007,3,pp737−742)に記載されているような、キャピラリージェット法を伴う技術などによって、当該技術分野において既知の手段によって検証することができる。
中間または最終合成生産物の配列決定。
合成もしくはアセンブリの中間生産物、または最終的なポリヌクレオチド合成生産物は、所望のポリヌクレオチドまたは複数のポリヌクレオチドが正しく合成またはアセンブリされているかどうかを決定するための品質管理チェックとして配列決定され得る。目的のポリヌクレオチドまたは複数のポリヌクレオチドを、固相合成プラットフォームから除去し、Oxford Nanopore Technologies Ltdによって販売されているMinION(商標)デバイスを使用したナノポアシーケンシングなど、いくつかの既知の市販の配列決定技術のうちのいずれか1つによって配列決定することができる。特定の実施例では、配列決定は、固相プラットフォーム自体で実施され得、ポリヌクレオチドを別の合成デバイスに移す必要がなくなる。配列決定は、合成に使用されるEWODデバイスなどの同じエレクトロウェッティングデバイス上で都合よく実施することができ、それにより、合成デバイスは、1つ以上の測定電極対を含む。目的のポリヌクレオチドを含む液滴は、電極対の電極のうちの1つと接触することができ、液滴は、電極対の第2の電極と接触する第2の液滴と液滴界面二重層を形成し、液滴二重層界面は、両親媒性膜中にナノポアを含む。ポリヌクレオチドは、例えば、酵素制御下でナノポアを移動させることができ、ナノポアを通るイオン電流の流れは、ポリヌクレオチドがナノポアを通過する間の電極対間の電位差の下で測定することができる。経時的なイオン電流測定値を記録し、ポリヌクレオチド配列を決定するために使用することができる。配列決定の前に、ポリヌクレオチドは、特許出願第PCT/GB2015/050140号に開示されるような配列決定のためにそれを最適化するために、1つ以上の試料調製工程に供され得る。好適に用いられ得る酵素、両親媒性膜、およびナノポアの例は、特許出願第PCT/GB2013/052767およびPCT/GB2014/052736に開示されている。ポリヌクレオチド、ナノポア、両親媒性膜などの試料調製に必要な試薬は、試料注入口を介してEWODデバイスに供給することができる。試料注入口は、試薬チャンバーに接続され得る。
表面付着化学
オリゴヌクレオチドは典型的には化学的に付着するが、それらはまた、親和性相互作用などを介して間接的な手段によって表面に付着し得る。例えば、オリゴヌクレオチドをビオチンで官能化し、アビジンまたはストレプトアビジンで被覆された表面に結合させることができる。
ポリヌクレオチドを表面(例えば、平坦な表面)、微粒子、およびビーズなどに固定化するために、様々な表面付着方法および化学が利用可能である。付着を促進するために、表面を官能化または誘導体化することができる。このような官能化は、当該技術分野において知られている。例えば、表面は、ポリヒスチジンタグ(ヘキサヒスチジン−タグ、6×His−タグ、His6タグ、またはHis−タグ(登録商標))、Ni−NTA、ストレプトアビジン、ビオチン、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド(DNA、RNA、PNA、GNA、TNA、またはLNAなど)、カルボキシル基、第4級アミン基、チオール基、アジド基、アルキン基、DIBO、脂質、FLAGタグ(FLAGオクタペプチド)、ポリヌクレオチド結合タンパク質、ペプチド、タンパク質、抗体、または抗体断片で官能化され得る。表面は、アンカー/足場ポリヌクレオチドに特異的に結合する分子または基で官能化され得る。
ポリヌクレオチドを表面に付着させるのに好適な化学のいくつかの例を、図16iおよび図16jに示す。
本明細書に記載される方法のうちのいずれにおいても、プライマー鎖部分を含む合成鎖とそれにハイブリダイズされた支持鎖の部分とを含む足場ポリヌクレオチドは、1つ以上の共有結合を介して共通の表面に繋留され得る。1つ以上の共有結合は、共通の表面上の官能基と足場分子上の官能基との間に形成され得る。足場分子上の官能基は、例えば、アミン基、チオール基、チオリン酸基、またはチオアミド基であり得る。共通の表面上の官能基は、ブロモアセチル基であり得、任意選択的に、ブロモアセチル基は、N−(5−ブロモアセトアミジルペンチル)アクリルアミド(BRAPA)を使用して得られるポリアクリルアミド表面上に提供される。
本発明の方法のうちのいずれにおいても、足場ポリヌクレオチドは、リンカーを介して直接または間接的のいずれかで表面に付着し得る。生体適合性および親水性の性質を有する任意の好適なリンカーを使用することができる。
リンカーは、直鎖状リンカーであってもまたは分岐状リンカーであってもよい。
リンカーは炭化水素鎖を含み得る。炭化水素鎖は、2〜約2000個以上の炭素原子を含み得る。炭化水素鎖は、アルキレン基、例えば、C2〜約2000個以上のアルキレン基を含み得る。炭化水素鎖は、−(CH−の一般式を有し得、式中、nは2〜2000以上である。炭化水素鎖は、1つ以上のエステル基(すなわち、−C(O)−O−)または1つ以上のアミド基(すなわち、−C(O)−N(H)−)によって任意選択的に中断され得る。
PEG、ポリアクリルアミド、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ−2−メチル−2−オキサゾリン(PMOXA)、双性イオンポリマー、例えばポリ(メタクリル酸カルボキシベタイン)(PCBMA)、ポリ[N−(3−スルホプロピル)−N−メタクリロキシエチル−N、N−ジメチルアンモニウムベタイン](PSBMA)、グリコポリマー、およびポリペプチドを含む群から選択される任意のリンカーを使用することができる。
リンカーは、−(CH−CH−O)n−の一般式を有するポリエチレングリコール(PEG)を含み得、式中、nは1〜約600以上である。
リンカーは、−[(CH−CH−O)−PO −O]−の一般式を有するオリゴエチレングリコール−リン酸単位を含み得、式中、nは1〜約600以上であり、mは1〜200以上であり得る。
上記に記載されるリンカーのうちのいずれも、リンカーの一末端で本明細書に記載される足場分子に付着することができ、リンカーの他方の末端で1番目の官能基に付着することができ、ここで1番目の官能基は、表面に共有結合を提供し得る。1番目の官能基は、本明細書にさらに記載されるように、例えば、アミン基、チオール基、チオリン酸基、またはチオアミド基であり得る。表面をさらなる官能基で官能化して、1番目の官能基と共有結合を提供し得る。さらなる官能基は、本明細書にさらに記載されるように、例えば、2−ブロモアセトアミド基であり得る。任意選択的に、ブロモアセチル基は、N−(5−ブロモアセトアミジルペンチル)アクリルアミド(BRAPA)を使用して得られるポリアクリルアミド表面上に提供される。表面上のさらなる官能基は、ブロモアセチル基であり得、任意選択的に、ブロモアセチル基は、N−(5−ブロモアセトアミジルペンチル)アクリルアミド(BRAPA)を使用して得られるポリアクリルアミド表面上に提供され、1番目の官能基は、必要に応じて、例えば、アミン基、チオール基、チオリン酸基、またはチオアミド基であり得る。ポリヌクレオチドが付着している表面は、ゲルを含み得る。表面は、約2%のポリアクリルアミドなどのポリアクリルアミド表面を含み、好ましくはポリアクリルアミド表面は、ガラスなどの固体支持体に結合されている。
本発明の方法のうちのいずれにおいても、足場ポリヌクレオチドは、足場ポリヌクレオチドに組み込まれた分岐ヌクレオチドを介してリンカーに任意選択的に付着し得る。任意の好適な分岐ヌクレオチドを、任意の好適な適合するリンカーと共に使用することができる。
本発明の合成サイクルを開始する前に、足場ポリヌクレオチドは、足場ポリヌクレオチドに組み込まれた1つ以上の分岐ヌクレオチドを用いて合成することができる。1つ以上の分岐ヌクレオチドが足場ポリヌクレオチドに組み込まれる正確な位置、したがってリンカーが付着し得る正確な位置は変化してもよく、所望に応じて選択され得る。位置は、例えば、支持鎖および/または合成鎖の末端にあり得るか、または例えば、ヘアピンループを含む実施形態では、支持鎖を合成鎖に接続するループ領域内にあり得る。
足場ポリヌクレオチドの合成中に、1つ以上の分岐ヌクレオチドは、分岐部分の反応基をブロックするブロッキング基と共に足場ポリヌクレオチドに組み込まれ得る。次に、ブロッキング基は、リンカーの分岐部分、またはリンカーが複数の単位を含む場合はリンカーの1番目の単位(分子)への結合の前に除去(脱ブロック)され得る。
足場ポリヌクレオチドの合成中に、1つ以上の分岐ヌクレオチドを、その後の「クリック化学」反応において使用するのに好適な基で足場ポリヌクレオチドに組み込んで、リンカー、またはリンカーが複数の単位を含む場合にはリンカーの1番目の単位を分岐部分に結合することができる。このような基の例はアセチレン基である。
いくつかの非限定的で例示的な分岐ヌクレオチドを以下に示す。
Figure 2021529551
リンカーは、任意選択的に、例えば、Sp9スペーサーのような1つ以上のスペーサー分子(単位)を含み得、ここで第1のスペーサー単位は、分岐ヌクレオチドに付着している。
リンカーは、第1のスペーサー基に付着した1つ以上のさらなるスペーサー基を含み得る。例えば、リンカーは、複数の、例えばSp9スペーサー基を含み得る。第1のスペーサー基は分岐部分に付着し、次に、1つ以上のさらなるスペーサー基が、順次添加されて、それらの間にリン酸基で接続されている複数のスペーサー単位を含むスペーサー鎖を伸長させる。
分岐ヌクレオチドに付着した第1のスペーサー単位、または分岐鎖に既に付着した既存のスペーサー単位に付着するさらなるスペーサー単位を含むことができるスペーサー単位(Sp3、Sp9、およびSp13)のいくつかの非限定的な例を以下に示す。
Figure 2021529551
リンカーは、1つ以上のエチレングリコール単位を含み得る。
リンカーは、複数の単位がヌクレオチドであるオリゴヌクレオチドを含み得る。
上記に図示される構造では、5’’という用語は、分岐部分が付着しているヌクレオチドの5’末端と示差するために使用され、ここで5’は当該技術分野におけるその通常の意味を有する。5’’とは、そこからリンカーが伸長され得るヌクレオチド上の位置を意味することが意図される。5’’位置は異なる場合がある。5’’位置は、典型的には、ヌクレオチドの核酸塩基中の位置である。核酸塩基中の5’’位置は、上記の構造に図示されるように、所望の分岐部分の性質に応じて変化し得る。
マイクロアレイ
本明細書に記載されるポリヌクレオチド合成方法のうちのいずれかを使用して、ポリヌクレオチドマイクロアレイを製造することができる(Trevino,V.et al.,Mol.Med.2007 13,pp527−541)。したがって、アンカーまたは足場ポリヌクレオチドは、表面上の複数の個々にアドレス可能な反応部位に繋留され得、所定の配列を有するポリヌクレオチドは、マイクロアレイ上にインサイチュで合成され得る。
合成後、各反応領域において、所定の配列のポリヌクレオチドに、固有の配列を付与することができる。アンカーまたは足場ポリヌクレオチドに、同定を促進するためのバーコード配列が提供され得る。
所定の配列のポリヌクレオチドを合成する方法以外に、本明細書に記載される技術を含む、この技術分野で一般的に使用される技術を使用して、マイクロアレイ製造を行うことができる。例えば、アンカーまたは足場ポリヌクレオチドは、本明細書に記載されるものを含む既知の表面付着方法および化学を使用して表面に繋留され得る。
所定の配列のポリヌクレオチドの合成後に、非繋留末端からあらゆる望ましくないポリヌクレオチド配列を除去するための最終切断工程が提供され得る。
所定の配列のポリヌクレオチドは、二本鎖形態で反応部位に提供され得る。あるいは、合成後に、二本鎖ポリヌクレオチドを分離し、一本鎖を除去して、反応部位に一本鎖ポリヌクレオチドを残してもよい。このプロセスを促進するために、鎖の選択的繋留が提供され得る。例えば、足場ポリヌクレオチドを伴う方法において、合成鎖は表面に繋留され得、支持鎖は繋留されない場合があるか、またはその逆でもよい。合成鎖に、切断不能なリンカーが提供され得、支持鎖に、切断可能なリンカーが提供され得るか、またはその逆でもよい。鎖の分離は、熱処理などの従来の方法によって行われ得る。
合成ポリヌクレオチドの構築
本明細書に記載される方法によって合成され、任意選択的に本明細書に記載される方法によって増幅される所定の配列を有するポリヌクレオチドは、より大きな合成ポリヌクレオチドを作成するために1つ以上の他のこのようなポリヌクレオチドに接合され得る。
複数のポリヌクレオチドの接合は、当該技術分野において一般的に知られている技術によって達成することができる。本明細書に記載される方法によって合成された第1のポリヌクレオチドおよび1つ以上の追加のポリヌクレオチドを切断して適合する末端を作成し、次に、ポリヌクレオチドを連結によって一緒に接合することができる。切断は任意の好適な手段によって達成することができる。典型的には、制限酵素切断部位をポリヌクレオチド中に作成し得、次に、制限酵素を使用して切断工程を行い、それにより合成されたポリヌクレオチドを任意のアンカー/足場ポリヌクレオチドから放出し得る。切断部位は、アンカー/足場ポリヌクレオチドの一部として設計され得る。あるいは、切断部位は、所定のヌクレオチド配列の一部として、新たに合成されたポリヌクレオチド内に作成され得る。
ポリヌクレオチドの構築は、好ましくは固相法を使用して行われる。例えば、合成後、第1のポリヌクレオチドは、表面固定化部位に対して遠位の好適な位置で単一の切断に供され得る。したがって、第1のポリヌクレオチドは表面に固定化されたままであり、単一の切断は別のポリヌクレオチドへの接合に対して適合する末端を生成するであろう。追加のポリヌクレオチドを2つの好適な位置で切断に供して、他のポリヌクレオチドに結合するための適合する末端を各末端に生成し得、同時に追加のポリヌクレオチドを表面固定化から放出し得る。追加のポリヌクレオチドは、第1のポリヌクレオチドと適合的に接合され得、したがって、所定の配列を有し、さらに別の追加のポリヌクレオチドへの接合に適合する末端を有する、より大きな固定化ポリヌクレオチドを作成し得る。したがって、予め選択された切断合成ポリヌクレオチドの接合の反復サイクルが、はるかに長い合成ポリヌクレオチド分子を作成し得る。追加のポリヌクレオチドの接合の順序は、必要な所定の配列によって決定されるだろう。
したがって、本発明の構築方法は、1つ以上のMb程度の長さを有する合成ポリヌクレオチド分子の作成を可能にし得る。
本発明の構築および/または合成方法は、当該技術分野において知られている装置を使用して行うことができる。上記に記載されるように、非常に少量の試薬を、典型的にはエレクトロウェッティングオン誘電体(EWOD)などの液滴エレクトロウェッティング技術の形態で、アレイの異なる場所で他の容量と選択的に移動、区分化、および組み合わせることを可能にする技術および装置を用いることができる。液滴を操作することができる、本発明に用いられ得る好適なエレクトロウェッティング技術およびシステムは、例えば、US8653832、US8828336、US2014/0197028、およびUS2014/0202863に開示されている。
固相からの切断は、プライマー鎖部分とそれにハイブリダイズされた支持鎖の部分との一方または両方で切断可能なリンカーを提供することによって達成され得る。切断可能なリンカーは、例えば、UV切断可能なリンカーであり得る。
酵素的切断を伴う切断方法の例を図34に示す。概略図は、(黒菱形構造を介して)表面に付着し、所定の配列のポリヌクレオチドを含む足場ポリヌクレオチドを示す。足場ポリヌクレオチドは上部ヘアピンおよび下部ヘアピンを含む。いずれの場合も、上部ヘアピンは、ユニバーサルヌクレオチドを利用して切断部位を定義する切断工程を使用して切断することができる。下部ヘアピンは、足場ポリヌクレオチドに操作されるか、または所定の配列の新たに合成されたポリヌクレオチドに操作される部位を介して制限エンドヌクレアーゼによって除去することができる。
したがって、上記に記載されるように、所定の配列を有するポリヌクレオチドは、エレクトロウェッティング表面に固定化されながら合成され得る。合成されたポリヌクレオチドは、エレクトロウェッティング表面から切断され得、液滴の形態で電場の影響下で移動され得る。液滴は、それらが他の切断合成ポリヌクレオチドとの連結のための切断された合成ポリヌクレオチドを送達することができる表面上の特定の反応部位で組み合わせることができる。次に、ポリヌクレオチドを、例えば連結によって接合することができる。このような技術を使用して、所望の所定の配列に従って順番に異なるポリヌクレオチドの集団を合成し、付着させることができる。このようなシステムを使用して、完全自動化ポリヌクレオチド合成および構築システムを設計することができる。このシステムは、所望の所定の配列に従って、所望の配列を受け取り、試薬を供給し、合成サイクルを行い、続いて所望のポリヌクレオチドを構築するようにプログラムすることができる。
システムおよびキット
本発明はまた、本明細書に記載および定義される合成方法のうちのいずれか、ならびに本明細書に記載および定義されるその後の増幅および構築工程のうちのいずれかを実施するためのポリヌクレオチド合成システムも提供する。
典型的には、合成サイクル反応は、本明細書に記載および定義される手段によって表面に繋留されている足場ポリヌクレオチド分子に所定の配列のヌクレオチドを組み込むことによって実施されるであろう。表面は、本明細書に記載および定義されるような任意の好適な表面であり得る。
一実施形態では、所定の配列のヌクレオチドを足場ポリヌクレオチド分子に組み込むための反応は、反応領域内の足場ポリヌクレオチドに対して合成方法のうちのいずれかを行うことを伴う。
反応領域は、足場ポリヌクレオチド分子が付着しており、合成方法を行うための試薬を送達することができる好適な基質の任意の領域である。
一実施形態では、反応領域は、単一の足場ポリヌクレオチド分子を含む表面の単一の領域であり得、ここで単一の足場ポリヌクレオチド分子は試薬でアドレス指定され得る。
別の実施形態では、反応領域は、複数の足場ポリヌクレオチド分子を含む表面の単一の領域であり得、足場ポリヌクレオチド分子は、互いに単離して試薬で個別にアドレス指定することはできない。したがって、このような実施形態では、反応領域内の複数の足場ポリヌクレオチド分子は同じ試薬および条件に曝露され、したがって、同じまたは実質的に同じヌクレオチド配列を有する合成ポリヌクレオチド分子を生じさせることができる。
一実施形態では、本明細書に記載および定義される合成方法のうちのいずれかを実施するための合成システムは、複数の反応領域を含み得、各反応領域は1つ以上の付着した足場ポリヌクレオチドを含み、各反応領域は、他の反応領域のそれぞれから単離して試薬で個別にアドレス指定することができる。このようなシステムは、例えば反応領域が基質、典型的には平坦な基質上に形成される場合には、例えばアレイの形態で構成され得る。
単一の反応領域を含むか、または複数の反応領域を含む基質を有するシステムは、例えば、EWODシステムもしくは微小流体システム内に含まれ得、システムは、試薬を反応部位に送達するように構成され得る。EWODおよび微小流体システムは、本明細書により詳細に記載されている。例えば、EWODシステムは、電気的制御下で試薬を反応部位(複数可)に送達するように構成され得る。例えばエラストマー材料もしくは同様の材料から形成される微細加工アーキテクチャを含むような微小流体システムは、流体圧力および/もしくは吸引制御下で、または機械的手段によって試薬を反応部位(複数可)に送達するように構成され得る。試薬は、例えば試薬送達用の導管として作用するカーボンナノチューブを介して、任意の好適な手段によって送達され得る。任意の好適なシステムが想定され得る。
EWOD、微小流体システムおよび他のシステムは、合成後に足場ポリヌクレオチドから合成二本鎖ポリヌクレオチドを切断するための酵素、および/または基質から足場ポリヌクレオチド全体を放出するためにリンカーを切断するための試薬、および/または合成後のポリヌクレオチド分子またはその任意の領域もしくは部分を増幅するための試薬、および/または本発明の合成方法に従って合成されたより小さなポリヌクレオチド分子からより大きなポリヌクレオチド分子を構築するための試薬などの任意の他の所望の試薬を反応部位に送達するように構成され得る。
本発明はまた、本明細書に記載および定義される合成方法のうちのいずれかを実施するためのキットも提供する。キットは、本明細書に記載および定義される本発明の合成および/または構築方法のうちのいずれかを行うための試薬の任意の所望の組み合わせを含み得る。例えば、キットは、足場ポリヌクレオチドを含む任意の1つ以上の容量(複数可)の反応試薬、本明細書に記載および定義される合成サイクルの任意の1つ以上の工程に対応する容量(複数可)の反応試薬、可逆的ブロッキング基もしくは可逆的ターミネーター基を含むヌクレオチドを含む容量(複数可)の反応試薬、合成後の1つ以上のポリヌクレオチド分子またはその任意の領域もしくは部分を増幅するための容量(複数可)の反応試薬、本発明の合成方法に従って合成されたより小さいポリヌクレオチド分子からより大きいポリヌクレオチド分子を構築するための容量(複数可)の反応試薬、合成後に足場ポリヌクレオチドから合成二本鎖ポリヌクレオチドを切断するための容量(複数可)の反応試薬、および1つ以上のリンカーを切断して基質から足場ポリヌクレオチド全体を放出するための容量(複数可)の反応試薬を含み得る。
例示的な方法
本発明によるポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド分子を合成する例示的で非限定的な方法は、添付の特許請求の範囲を含む本明細書に記載されている。
本発明によるポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド分子を合成する以下の4つの例示的で非限定的な方法およびそれらの変形例において、合成方法のバージョン1、2、3、および4への言及は、それぞれ図1〜10に示される反応の概略図に従って解釈されるべきであり、図11〜15のうちのいずれかに示される反応の概略図、または実施例部分における同じ説明には従わない。図11〜15のうちのいずれかに示される反応の概略図および以下の実施例部分における同じ説明は、本発明の方法と比較して修正された反応スキームに基づく本発明の方法の例示的な支持を提供する。
以下に記載される各例示的な方法において、各工程に記載される構造は、必要に応じて参照符号の助けを借りて特定の図を参照することによって参照され得る。以下の文中の参照符号は、図1〜10のものと対応している。このような参照符号は、図に示される具体的な構造に限定されることを意図しておらず、関連する構造の記載は、限定されないが、具体的に例示されているものも含めて、その全体が本明細書に提供されるようなその記載に対応している。
本発明の方法のバージョン1、2、3、および4として本明細書で称される、本発明の4つの非限定的で例示的な方法を以下に記載する(例えば、それぞれ、図1、2、4、および5を参照されたい)。
これらの例示的な方法の各々の工程(1)において、相補的支持鎖(図1、2、4、および5の各々の工程1に示される構造において「a」と標識された鎖を参照されたい)にハイブリダイズされた合成鎖(図1、2、4、および5の各々の工程1に示される構造において「b」と標識された鎖を参照されたい)を含む足場ポリヌクレオチド(図1、2、4、および5の各々の工程1に示される構造を参照されたい)が提供される(101、201、301、401)。
足場ポリヌクレオチドは二本鎖であり、デノボ合成されるので合成ポリヌクレオチドの領域を収容するための支持構造を提供する。足場ポリヌクレオチドは、プライマー鎖部分鎖(図1、2、4、および5の各々の工程1に示される構造において「b」と標識された鎖の点線部分を参照されたい)およびヘルパー鎖部分(図1〜4の各々の工程1に示される構造において「b」と標識された鎖の破線部分を参照されたい)を含む合成鎖を含む。プライマー鎖部分および合成鎖のヘルパー鎖部分の両方が、相補的支持鎖にハイブリダイズされて提供される。
方法のバージョン1および2において、プライマー鎖部分を含む足場ポリヌクレオチドの末端は、平滑末端を含み、すなわち、いずれの鎖にも突出ヌクレオチドを有しない。方法のバージョン3および4において、足場ポリヌクレオチドの支持鎖の末端は、突出を含み、足場ポリヌクレオチドの末端は、合成鎖のプライマー鎖部分に突出する。
方法の工程(2)において、連結工程が行われ(102、202、402、502)、ポリヌクレオチド連結分子は、二本鎖足場ポリヌクレオチドに連結される。ポリヌクレオチド連結分子は、所定のヌクレオチド配列の第1のヌクレオチドを含む。ポリヌクレオチド連結分子は、支持鎖と、支持鎖にハイブリダイズされたヘルパー鎖と、を含む。方法のバージョン1および2において、ポリヌクレオチド連結分子は、平滑末端相補的連結末端を含み、すなわち、いずれの鎖にも突出ヌクレオチドを有しない。方法のバージョン3および4において、ポリヌクレオチド連結分子は、相補的連結末端に突出を含み、ヘルパー鎖の末端は、支持鎖の末端に突出する。平滑末端または突出末端相補的連結末端は、二本鎖足場ポリヌクレオチドの平滑末端または突出末端と相補的である。ポリヌクレオチド連結分子の支持鎖は、相補的連結末端に所定のヌクレオチド配列の第1のヌクレオチドを含む。所定のヌクレオチド配列の第1のヌクレオチドは、相補的連結末端におけるポリヌクレオチド連結分子の支持鎖の末端ヌクレオチドである。所定のヌクレオチド配列の第1のヌクレオチドは、連結可能なヌクレオチドであり、足場ポリヌクレオチドの支持鎖の末端ヌクレオチドに連結される。連結時に、所定のヌクレオチド配列の第1のヌクレオチドは、二本鎖足場ポリヌクレオチドの平滑末端における二本鎖足場ポリヌクレオチドの支持鎖への付着によって、二本鎖足場ポリヌクレオチドに組み込まれる。
4つの方法のバージョンおよびそれらの変形例の各々において、ポリヌクレオチド連結分子の支持鎖はまた、切断工程における切断を促進する相補的連結末端にユニバーサルヌクレオチド(図1、2、4、および5の各々に図示される構造において「Un」と標識される)を含む。ユニバーサルヌクレオチドの役割は、以下の各方法の詳細な説明から明らかになるであろう。
相補的連結末端におけるポリヌクレオチド連結分子のヘルパー鎖の末端ヌクレオチドは、ヘルパー鎖が合成鎖のプライマー鎖部分に連結することができないように提供され、すなわち、ヘルパー鎖は、連結不可能なヌクレオチドとして提供される。これは、典型的には、リン酸基を含まないヘルパー鎖の末端ヌクレオチドを提供することによって達成され、すなわち、ヌクレオシドとして提供される。あるいは、5’保護ヌクレオシド、5’−デオキシヌクレオシドもしくは5’−アミノヌクレオシドなどの5’位に連結不可能な基を有するヌクレオシド、または任意の他の好適な連結不可能なヌクレオチドもしくはヌクレオシドを使用することができる。
したがって、ポリヌクレオチド連結分子の支持鎖の、二本鎖足場ポリヌクレオチドの支持鎖への連結時に、一本鎖切断または「ニック」が、合成鎖のプライマー鎖部分とヘルパー鎖との間の合成鎖に提供される。
ポリヌクレオチド連結分子の二本鎖足場ポリヌクレオチドへの連結時に、新たに組み込まれた第1のヌクレオチド、切断工程において切断を促進する際に使用するためのユニバーサルヌクレオチド、および「ニック」を含む二本鎖足場ポリヌクレオチドが形成される。
そのサイクルの所定の配列の第1のヌクレオチドが二本鎖足場ポリヌクレオチドの支持鎖の末端ヌクレオチドに連結されるため、二本鎖足場ポリヌクレオチドの支持鎖の末端ヌクレオチドがリガーゼ酵素の基質として作用することを可能にするために、連結工程の前に、二本鎖足場ポリヌクレオチドの支持鎖の末端ヌクレオチドには、付着したリン酸基または他の連結可能基が提供されなければならない。
本明細書により詳細に記載されるように、本明細書に記載されるバージョン1〜4およびそれらの変形例に関するある特定の例示的な方法において、ヘルパー鎖は、例えば、変性およびそれが以前にハイブリダイズされた支持鎖からの放出によって、その合成サイクルにおいて切断および所定の配列の第2のヌクレオチドを組み込む工程の前に除去され得る。
合成の第1のサイクルの文脈において、「所定の配列の第1のヌクレオチド」という用語は、必ずしも所定の配列のまさに第1のヌクレオチドを意味すると理解されるべきではない。本明細書に記載される方法は、所定の配列を有する二本鎖ポリヌクレオチドの合成に関するものであり、所定の配列の一部は、第1の合成サイクルの開始前に足場ポリヌクレオチドに事前合成されて提供され得る。この文脈において、所定の配列の「1つの(a)」第1のヌクレオチドという用語は、所定の配列の「任意の」ヌクレオチドを意味し得る。
連結工程(工程2)後に、足場ポリヌクレオチドが次いで切断される(工程3、103、203、403、503)。切断は、足場ポリヌクレオチドからのポリヌクレオチド連結分子の放出、および切断された足場ポリヌクレオチドの支持鎖に付着し、切断された足場ポリヌクレオチドの合成鎖に付着するそのサイクルの第2のヌクレオチドと対合されたそのサイクルの第1のヌクレオチドの保持をもたらす。切断は、存在し、切断の直前に支持鎖にハイブリダイズされる場合、ヘルパー鎖の放出、およびユニバーサルヌクレオチドを含む支持鎖の放出をもたらす。したがって、切断は、切断部位に、そのサイクルの第1のヌクレオチドを含む支持鎖の切断された末端、およびそのサイクルの第2のヌクレオチドを含む合成鎖のプライマー鎖部分の末端を含む、切断された二本鎖足場ポリヌクレオチドを所定の位置に残す。
合成鎖のプライマー鎖部分の末端は、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド分子を単一ヌクレオチドで伸長する能力を有する酵素によって合成鎖に付着する/組み込まれる所定の配列の第2のヌクレオチドの付着のための部位であるプライマー部位を提供する。このような酵素は、典型的には、ヌクレオチドトランスフェラーゼ酵素またはポリメラーゼ酵素である。本明細書でさらに定義される、および/または当業者に既知の任意の好適な酵素を使用することができる。したがって、酵素は、プライマー鎖部分の末端ヌクレオチドを伸長するように作用するであろう。したがって、この末端ヌクレオチドは、典型的には、例えば、5’〜3’方向の伸長を触媒するポリメラーゼもしくはトランスフェラーゼ、または任意の他の酵素による伸長を可能にするために、プライマー鎖部分の3’末端を定義する。プライマー鎖部分を含む合成鎖と反対の末端は、結果的に典型的には、合成鎖の5’末端を定義し、合成鎖の5’末端に隣接する支持鎖の末端ヌクレオチドは、結果的に典型的には、支持鎖の3’末端を定義するであろう。
一本鎖切断の部位に位置付けられた合成鎖のヘルパー鎖部分の末端ヌクレオチドは、典型的には、ヘルパー鎖部分の5’末端を定義し、結果的に、合成鎖のヘルパー鎖部分と反対側の末端が、典型的には合成鎖の3’末端を定義するであろう。
第2のヌクレオチドを組み込む工程(工程4;104、204、404、504)において、第2のヌクレオチドには、酵素によるさらなる伸長を防止する可逆的ターミネーター基(図1、2、4、および5の各々の工程4において組み込まれたヌクレオチドの小さい三角形として図示される)が提供される。したがって、工程(4)において、一塩基のみが組み込まれる。
任意の好適な可逆的ターミネーター基を含むヌクレオチドを使用することができる。可逆的ターミネーター基を有する好ましいヌクレオチドは、本明細書でさらに記載されるような3’−O−アリル−dNTPおよび/もしくは3’−O−アジドメチル−dNTP、または他の基である。
本明細書に定義される様々な方法の説明から明らかになるように、「所定の配列の第2のヌクレオチド」という用語は、所定の配列を含む1つの鎖の直鎖状配列の第1のヌクレオチドから続く次のヌクレオチドを意味するものとして理解されるべきではなく、合成二本鎖ポリヌクレオチド全体の文脈において、所定の配列の単なる「1つの」さらなるヌクレオチドを意味するものとして理解されるべきである。本明細書に定義される本発明の特定のおよび非限定的な方法のバージョン1〜4ならびにそのある特定の変形例の場合、1つのサイクルの各「第1のヌクレオチド」は、同じ核酸鎖中の前のサイクルの「第1のヌクレオチド」に順次連結され、それによって、第1の鎖を順次1サイクル当たり1ヌクレオチド伸長する。各サイクルにおいて、1つのサイクルの各「第2のヌクレオチド」は、同じ核酸鎖中の前のサイクルの「第2のヌクレオチド」の隣に順次組み込まれ、それによって、第2の鎖を順次1サイクル当たり1ヌクレオチド伸長する。したがって、合成サイクルが完了すると、合成二本鎖ポリヌクレオチド分子は、各サイクルの連結された第1のヌクレオチドによって定義される1つの鎖の所定の配列と、各サイクルの組み込まれた第2のヌクレオチドによって定義される反対の鎖の所定の配列と、を含む。両方の鎖の配列は必ずしも予め定義されておらず、各合成サイクルにおいてユーザによって選択された第1および第2のヌクレオチドの同一性によって決定される。本明細書に記載の方法のバージョン1および2において、各サイクルの第1および第2のヌクレオチドがそれぞれのパートナーヌクレオチドとヌクレオチド対を形成することを考慮すると、各サイクルの第1および第2のヌクレオチドが、各サイクルのそれぞれのパートナーヌクレオチドに天然に相補的であるようにユーザによって選択される場合、最終合成鎖は完全に相補的である。ある特定のサイクルの第1および第2のヌクレオチドが、それらのサイクルのそれぞれのパートナーヌクレオチドに対して相補的でないようにユーザによって選択される場合、最終合成鎖は完全に相補的ではない。それにもかかわらず、いずれの場合においても、最終合成鎖は、両方とも、合成二本鎖ポリヌクレオチド全体の文脈において所定の配列を含む。
方法の工程(5)において、脱保護工程が行われて、所定のヌクレオチド配列の組み込まれた第2のヌクレオチドから可逆的ターミネーター基が除去される(図1、2、4、および5の工程5;105、205、405、505)。
合成ポリヌクレオチドを生成するために、上記に記載されるのと同じ工程を含む合成の反復サイクルが行われる。
特定の方法を、以下でより詳細に説明する。
合成方法のバージョン1
図1を参照すると、本発明の合成方法の第1の特定の非限定的で例示的なバージョンでは、二本鎖足場ポリヌクレオチドが提供される(図1の工程1;101)。二本鎖足場ポリヌクレオチドは、支持鎖と、それにハイブリダイズされた合成鎖と、を含む。合成鎖はプライマー鎖部分を含む。二本鎖足場ポリヌクレオチドには、少なくとも1つの平滑末端が提供され、少なくとも1つの平滑末端は、プライマー鎖部分の末端と、それにハイブリダイズされた支持鎖の末端と、を含む。支持鎖の末端ヌクレオチドは、リガーゼ酵素の基質として作用することができ、好ましくはリン酸基または他の連結可能基を含む。
方法の工程(2)において、ポリヌクレオチド連結分子(図1の上部の右上に示される構造を参照されたい)は、足場ポリヌクレオチドに連結される。連結は、所定の配列の第1のヌクレオチドを足場ポリヌクレオチドの支持鎖に組み込む(図1の工程2;102)。
各合成サイクルにおいて、足場ポリヌクレオチドは、次いで、支持鎖にユニバーサルヌクレオチドを含む配列によって定義される切断部位で切断される(工程3、103)。方法のバージョン1において、切断は、プライマー鎖部分に対する近位方向/ヘルパー鎖に対する遠位方向において、ユニバーサルヌクレオチドの直後の支持鎖を切断することを含み、すなわち、支持鎖は、ユニバーサルヌクレオチドによって占められる位置と、プライマー鎖部分に対する近位方向/ヘルパー鎖に対する遠位方向において、支持鎖中の次のヌクレオチド位置との間で切断される。足場ポリヌクレオチドの切断(工程3)は、足場ポリヌクレオチドからのポリヌクレオチド連結分子の放出、および対合されず、切断された足場ポリヌクレオチドの第1の鎖に付着したそのサイクルの第1のヌクレオチドの保持をもたらす。足場ポリヌクレオチドの切断(工程3)は、存在し、切断直前に支持鎖にハイブリダイズされる場合、足場ポリヌクレオチドからのヘルパー鎖の喪失、および足場ポリヌクレオチドからのユニバーサルヌクレオチドの喪失をもたらす。切断は、切断部位に、切断前のニック部位を含んだ合成鎖の支持鎖の切断された末端およびプライマー鎖部分の末端を含む、切断された二本鎖足場ポリヌクレオチドを所定の位置に残す。切断は、連結された足場ポリヌクレオチドの切断された末端に単一ヌクレオチド突出をもたらし、そのサイクルの第1のヌクレオチドは、支持鎖の末端ヌクレオチドであり、合成鎖のプライマー鎖部分の末端ヌクレオチドに突出する。
方法の工程(4)において、所定のヌクレオチド配列の第2のヌクレオチドは、単一ヌクレオチドでオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド分子を伸長する能力を有する酵素の作用によって合成鎖のプライマー鎖部分の末端に付加される。このような酵素は、典型的には、ヌクレオチドトランスフェラーゼ酵素またはポリメラーゼ酵素である(図1の工程4;104)。第2のヌクレオチドには、酵素によるさらなる伸長を防止する可逆的ターミネーター基が提供される。したがって、工程(4)において、一塩基のみが組み込まれる。
方法の工程(5)において、脱保護工程が行われて、新たに組み込まれたヌクレオチドからターミネーター基が除去される(図1の工程5)。
工程1−足場ポリヌクレオチドの提供
本発明の合成方法の例示的なバージョン1では、二本鎖足場ポリヌクレオチドは、工程(1)で提供される(101)。合成鎖と、それにハイブリダイズされた支持鎖と、を含む、二本鎖足場ポリヌクレオチドが提供され、合成鎖は、プライマー鎖部分を含む。支持鎖の末端ヌクレオチドは、プライマー鎖部分の末端ヌクレオチドと対合され、したがって平滑末端を形成する。支持鎖の末端ヌクレオチドは、リガーゼ酵素の基質として作用することができ、連結可能基、好ましくはリン酸基を含む。
工程2−ポリヌクレオチド連結分子の足場ポリヌクレオチドへの連結および所定の配列の第1のヌクレオチドの組み込み
方法の工程(2)において、二本鎖ポリヌクレオチド連結分子は、平滑末端連結反応におけるリガーゼ酵素の作用によって足場ポリヌクレオチドに連結される(102)。
ポリヌクレオチド連結分子は、支持鎖と、それにハイブリダイズされたヘルパー鎖と、を含む。ポリヌクレオチド連結分子は、支持鎖にユニバーサルヌクレオチドおよび所定の配列の第1のヌクレオチドを含む相補的連結末端をさらに含む。
ポリヌクレオチド連結分子の相補的連結末端は、支持鎖の末端ヌクレオチドが、任意の所与の合成サイクルにおいて足場ポリヌクレオチドに組み込まれる所定の配列の第1のヌクレオチドであるように構造化される。支持鎖の末端ヌクレオチドは、ヘルパー鎖の末端ヌクレオチドと対合する。支持鎖の末端ヌクレオチド、すなわち、そのサイクルの所定の配列の第1のヌクレオチドは、支持鎖中のヌクレオチド位置nを占める。位置nとは、第2のヌクレオチドの組み込み時にそのサイクルの所定の配列の第2のヌクレオチドとは反対になるヌクレオチド位置を意味し、第1および第2のヌクレオチドはそれによってヌクレオチド対を形成する。図1では、工程(2)において、所定の配列の第1のヌクレオチドはアデノシンとして示され、所定の配列の第2のヌクレオチドはチミンとして示され、ヘルパー鎖の末端ヌクレオチドはチミンとして示される。アデノシンおよびチミンは、純粋に例示のために示される。第1および第2のヌクレオチドならびにヘルパー鎖の末端ヌクレオチドは、ユーザによって選択される任意の好適なヌクレオチドであり得る。Xとして示されるヌクレオチドも、ユーザによって選択される任意の好適なヌクレオチドであり得る。
典型的には、相補的連結末端における支持鎖の末端ヌクレオチドは、ポリヌクレオチド連結分子の相補的連結末端の支持鎖の3’末端を定義する。
ポリヌクレオチド連結分子のヘルパー鎖の末端ヌクレオチドは、ポリヌクレオチド鎖中の別のポリヌクレオチドに連結することができないように構成される(図1の上部の右上に示される構造において「T」と標識された位置)。このヌクレオチドは、連結不可能な末端ヌクレオチドと呼ばれる。典型的には、この末端ヌクレオチドは、リン酸基を欠いており、すなわち、ヌクレオシドである。典型的には、ヘルパー鎖のこの末端ヌクレオチドは、ヘルパー鎖の5’末端を定義する。
ポリヌクレオチド連結分子の相補的連結末端において、支持鎖中のユニバーサルヌクレオチドは、それが支持鎖の最後から2番目のヌクレオチドであるように、ヘルパー鎖の最後から2番目のヌクレオチドと対合されるように、かつ支持鎖中のヌクレオチド位置n+1を占めるように、位置付けられる。位置n+1とは、相補的連結末端に対する遠位方向において、位置nに対する支持鎖中の次のヌクレオチド位置を意味する。
相補的連結末端は、好適な連結条件に供されたときに、それが足場ポリヌクレオチドの平滑末端と適合的に接合するように構成される。ポリヌクレオチド連結分子の支持鎖と足場ポリヌクレオチドとの連結時に、第1のヌクレオチドは、足場ポリヌクレオチドに組み込まれる。ポリヌクレオチド連結分子のヘルパー鎖の末端ヌクレオチドが連結不可能なヌクレオチドであるため、リガーゼ酵素は、ヘルパー鎖と合成鎖のプライマー鎖部分とが連結することを防止し、したがって、ヘルパー鎖と合成鎖のプライマー鎖部分との間に一本鎖切断または「ニック」を作成する。
足場ポリヌクレオチドへのポリヌクレオチド連結分子の連結は、工程(1)の二本鎖足場ポリヌクレオチドの支持鎖の長さを伸長し、所定のヌクレオチド配列の第1のヌクレオチドは、足場ポリヌクレオチドの支持鎖に組み込まれる。
支持鎖の連結は、任意の好適な手段によって行われ得る。連結は、典型的および好ましくは、リガーゼ活性を有する酵素によって行われ得る。例えば、連結は、本明細書でさらに記載されるT3 DNAリガーゼもしくはT4 DNAリガーゼまたはその機能的バリアントもしくは等価物を用いて行われ得る。ヘルパー鎖の末端ヌクレオチドは、例えば、末端リン酸基がないために、または連結不可能な基が存在するために、リガーゼの基質として作用することができないように提供されるため、このような酵素の使用は、合成鎖における一本鎖切断の維持をもたらす。
ポリヌクレオチド連結分子の足場ポリヌクレオチドへの連結後、所定のヌクレオチド配列の第1のヌクレオチドは、ヌクレオチド位置nを占めると呼ばれ、ユニバーサルヌクレオチドは、ヌクレオチド位置n+1を占めると呼ばれ、連結前に、プライマー鎖部分に対して近位方向にある足場ポリヌクレオチドの支持鎖の末端ヌクレオチドであったヌクレオチドは、ヌクレオチド位置n−1を占めると呼ばれる。ヌクレオチド位置n−1とは、プライマー鎖部分に対する近位方向/ヘルパー鎖に対する遠位方向において、位置nに対する支持鎖中の次のヌクレオチド位置を意味する。
工程3−切断
方法の工程(3)において、連結された足場ポリヌクレオチドは、切断部位で切断される(103)。切断部位は、支持鎖中のユニバーサルヌクレオチドを含む配列によって定義される。切断は、足場ポリヌクレオチド中に二本鎖切断をもたらす。足場ポリヌクレオチドの切断(工程3)は、存在し、切断の直前に支持鎖にハイブリダイズされる場合、ヘルパー鎖の喪失、およびユニバーサルヌクレオチドを含む支持鎖の喪失をもたらす。
足場ポリヌクレオチドの切断は、それによって足場ポリヌクレオチドからポリヌクレオチド連結分子を放出するが、切断された足場ポリヌクレオチドの第1の鎖に付着し、そのサイクルの第2のヌクレオチドと対合される、そのサイクルの第1のヌクレオチドの保持をもたらす。足場ポリヌクレオチドの切断は、所定の配列の第1のヌクレオチドを、支持鎖の末端ヌクレオチドとして含み、合成鎖のプライマー鎖部分の末端ヌクレオチドに突出する、切断された突出末端二本鎖足場ポリヌクレオチドを所定の位置に残す。
この例示的な方法では、合成鎖にすでに一本鎖切断または「ニック」が提供されており、したがって足場ポリヌクレオチドに二本鎖切断を提供するためには支持鎖の切断のみが必要である。さらに、この例示的な方法のバージョンで先に述べたように、切断により、突出末端の切断された二本鎖足場ポリヌクレオチドが生成され、ユニバーサルヌクレオチドは、切断工程の前に支持鎖中の位置n+1を占める。ユニバーサルヌクレオチドが支持鎖中の位置n+1を占めるときにこのような突出末端の切断された二本鎖足場ポリヌクレオチドを得るために、支持鎖は、ユニバーサルヌクレオチドに対して特定の位置で切断される。足場ポリヌクレオチドの支持鎖がヌクレオチド位置n+1とnとの間で切断される場合、ポリヌクレオチド連結分子は、そのサイクルの第1のヌクレオチドが、切断された足場ポリヌクレオチドの支持鎖に付着した足場ポリヌクレオチドに保持されることを除いて、足場ポリヌクレオチドから放出される(図1の上部の左上に示される構造を参照されたい)。
リン酸基は、切断部位で切断された足場ポリヌクレオチドの支持鎖の末端ヌクレオチドに付着され続けるべきである。これにより、次の合成サイクルの連結工程において、ポリヌクレオチド連結分子の支持鎖に切断された足場ポリヌクレオチドの支持鎖を確実に連結することができる。切断は、切断された足場ポリヌクレオチドの支持鎖の末端ヌクレオチドが連結可能基、好ましくは末端リン酸基を保持し、したがって、リン酸化工程が行われる必要がないように行われる。
したがって、方法のバージョン1では、ユニバーサルヌクレオチドは、工程(2)および(3)で支持鎖中の位置n+1を占め、支持鎖は、工程(3)でヌクレオチド位置n+1とn3との間で切断される。
好ましくは、支持鎖は、ヌクレオチド位置n+1とnとの間のホスホジエステル結合(ヘルパー鎖に対する遠位方向/プライマー鎖に対する近位方向において、ユニバーサルヌクレオチドの位置に対する支持鎖の第1のホスホジエステル結合)の切断によって切断される。
支持鎖は、ヌクレオチド位置n+1とnとの間のホスホジエステル結合の一方のエステル結合の切断によって切断され得る。
好ましくは、支持鎖はヌクレオチド位置n+1に対する第1のエステル結合の切断により切断される。これは、切断された足場ポリヌクレオチドの支持鎖上の切断位置で末端リン酸基を保持する効果を有するであろう。
ユニバーサルヌクレオチドが位置n+1を占める場合、任意の好適な機構を用いて、ヌクレオチド位置n+1とnとの間の支持鎖の切断をもたらし得る。
上記に記載されるようなヌクレオチド位置n+1とnとの間の支持鎖の切断は、酵素の作用によって行われ得る。
上記に記載されるようなヌクレオチド位置n+1とnとの間の支持鎖の切断は、2工程切断プロセスとして行われ得る。
2工程切断プロセスの第1の切断工程は、支持鎖からユニバーサルヌクレオチドを除去し、それによって位置n+1に脱塩基部位を形成することを含み得、第2の切断工程は、位置n+1とnとの間の脱塩基部位で支持鎖を切断することを含み得る。
上記に概説された方法でユニバーサルヌクレオチドを含む配列によって定義される切断部位で支持鎖を切断する1つの機構は、実施例2に記載されている。実施例2に記載される切断機構は例示的なものであり、上記に記載されるような一塩基突出を含む切断された二本鎖足場ポリヌクレオチドが達成されるという条件で、他の機構を用いることができる。
2工程切断プロセスの第1の切断工程では、糖−リン酸足場を無傷のままにしながら、ユニバーサルヌクレオチドが支持鎖から除去される。これは、二本鎖ポリヌクレオチドから単一のユニバーサルヌクレオチドを特異的に除去ことができる酵素の作用によって達成することができる。例示された切断方法では、ユニバーサルヌクレオチドは、イノシンであり、イノシンは、酵素の作用によって支持鎖から除去され、よって脱塩基部位を形成する。例示された切断方法では、酵素は、3−メチルアデニンDNAグリコシラーゼ酵素、具体的にはヒトアルキルアデニンDNAグリコシラーゼ(hAAG)である。無塩基部位が形成されるという条件で、他の酵素、分子、または化学物質を使用することができる。ヌクレオチド除去酵素は、ウラシル−DNAグリコシラーゼ(UDG)等のポリヌクレオチドからのウラシルの放出を触媒する酵素であり得る。
2工程切断プロセスの第2の切断工程では、支持鎖は、一本鎖切断を作成することによって脱塩基部位で切断される。例示された方法では、支持鎖は、NaOHなどの塩基である化学物質の作用によって切断される。あるいは、N,N’−ジメチルエチレンジアミンなどの有機化学物質を使用してもよい。あるいは、APエンドヌクレアーゼ1、エンドヌクレアーゼIII(Nth)、またはエンドヌクレアーゼVIIIなどの脱塩基部位リアーゼ活性を有する酵素を使用してもよい。記載されるような脱塩基部位で支持鎖が切断されるという条件で、他の酵素、分子、または化学物質を使用することができる。
したがって、ユニバーサルヌクレオチドが工程(1)および(2)で支持鎖の位置n+1にあり、支持鎖が位置n+1とnとの間で切断される実施形態では、第1の切断工程は、ヌクレオチド除去酵素を用いて行われ得る。このような酵素の例は、ヒトアルキルアデニンDNAグリコシラーゼ(hAAG)などの3−メチルアデニンDNAグリコシラーゼ酵素である。第2の切断工程は、NaOHなどの塩基である化学物質を用いて行われ得る。第2の工程は、N,N’−ジメチルエチレンジアミンなどの脱塩基部位切断活性を有する有機化学物質を用いて行われ得る。第2の工程は、エンドヌクレアーゼVIIIまたはエンドヌクレアーゼIIIなどの脱塩基部位リアーゼ活性を有する酵素を用いて行われ得る。
上記に記載されるようなヌクレオチド位置n+1とnとの間の支持鎖の切断はまた、1工程切断プロセスとして行われ得る。任意のこのようなプロセスで使用され得る酵素の例には、エンドヌクレアーゼIII、エンドヌクレアーゼVIIIが含まれる。任意のこのようなプロセスで使用され得る他の酵素には、ホルムアミドピリミジンDNAグリコシラーゼ(Fpg)、および8−オキソグアニンDNAグリコシラーゼ(hOGG1)などの8−オキソグアノシンを切断する酵素が含まれる。
工程4−所定の配列の第2のヌクレオチドの組み込み
方法の工程(4)において、ポリヌクレオチド連結分子の足場ポリヌクレオチドへの連結および足場ポリヌクレオチドの切断後、次いで、所定の配列の第2のヌクレオチドが、プライマー鎖部分の伸長によって合成鎖に組み込まれる。
プライマー鎖部分の伸長は、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド分子を単一ヌクレオチドで伸長する能力を有する任意の好適な酵素の作用によって達成され得る。このような酵素は、典型的には、ヌクレオチドトランスフェラーゼ酵素またはポリメラーゼ酵素である。本明細書でさらに定義されるか、または当業者に既知の任意の好適な酵素を使用することができる。
工程(4)の間に組み込まれる所定の配列の第2のヌクレオチドは、酵素によるさらなる伸長を防止するか、または酵素によるさらなる伸長を防止する任意の他の類似の官能性を含む可逆的ターミネーター基を含む。本明細書でさらに定義されるか、または当業者に既知の任意の好適な可逆的ターミネーター基または官能基を使用することができる。
足場ポリヌクレオチドのプライマー鎖部分へのその組み込み時に、そのサイクルの所定の配列の第2のヌクレオチドは、そのサイクルの所定の配列の第1のヌクレオチドと対合して、そのサイクルのヌクレオチド対を形成する。ヌクレオチド対は、本明細書にさらに定義されるような任意の好適なヌクレオチド対であり得る。
工程5−脱保護
本発明のこの例示的な方法のバージョンでは、すべてのバージョンと同様に、隣のヌクレオチドを次の合成サイクルに組み込むことを可能にするために、可逆的ターミネーター基を第1のヌクレオチドから除去しなければならない(脱保護工程;105)。これは、図1に示されるように、工程(4)での第2のヌクレオチドの組み込みの後に、方法の工程(5)として行われる(105)。組み込まれていない第2のヌクレオチドは、同じ合成サイクルにおける第2のヌクレオチドの多重組み込みを防止するために、工程(4)の後に最初に除去されるべきである。
第1のヌクレオチドからの可逆的ターミネーター基の除去は、当業者に既知の任意の好適な手段によって行われ得る。例えば、除去は、トリス(カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)などの化学物質の使用によって行われ得る。
さらなるサイクル
第1の合成サイクルの完了後、第2およびさらなる合成サイクルは、同じ方法の工程を使用して行われ得る。
前のサイクルの切断、組み込み、および脱保護工程(3)、(4)、および(5)の生産物は、次の合成サイクルのための二本鎖足場ポリヌクレオチドとして提供される(工程6において)。
次のおよび各さらなる合成サイクルの工程(6)において、さらなる二本鎖ポリヌクレオチド連結分子が、前のサイクルの工程(3)、(4)、および(5)の切断生産物に連結される。ポリヌクレオチド連結分子は、ポリヌクレオチド連結分子がさらなる合成サイクルの第1のヌクレオチドを含むことを除いて、前のサイクルの工程(2)について上記に記載されるのと同じ方法で構造化され得る。ポリヌクレオチド連結分子は、工程(2)について上記に記載されるのと同じ方法で、前のサイクルの工程(3)、(4)、および(5)の切断生産物に連結され得る。
次のおよび各さらなる合成サイクルの工程(7)において、連結された足場ポリヌクレオチドは、切断部位で切断される。切断は、足場ポリヌクレオチド中に二本鎖切断をもたらす。足場ポリヌクレオチドの切断(工程7)は、存在し、切断の直前に支持鎖にハイブリダイズされる場合、ヘルパー鎖の喪失、およびユニバーサルヌクレオチドを含む支持鎖の喪失をもたらす。足場ポリヌクレオチドの切断は、それによって、足場ポリヌクレオチドからさらなるポリヌクレオチド連結分子を放出するが、対合されず、切断された足場ポリヌクレオチドの支持鎖に付着したそのさらなるサイクルの第1のヌクレオチドの保持につながる。足場ポリヌクレオチドの切断は、さらなるサイクルの第1のヌクレオチドを、足場ポリヌクレオチドの合成鎖のプライマー鎖部分の末端ヌクレオチドに突出する足場ポリヌクレオチドの支持鎖の末端ヌクレオチドとして含む、切断された突出末端二本鎖足場ポリヌクレオチドを所定の位置に残す。工程(7)における切断は、工程(3)について上記に記載されるのと同じ方法で行われ得る。
次のおよび各さらなる合成サイクルの工程(8)において、二本鎖足場ポリヌクレオチドの合成鎖のプライマー鎖部分の末端は、ヌクレオチドトランスフェラーゼ酵素、ポリメラーゼ酵素、または他の酵素の作用によるさらなる合成サイクルの第2のヌクレオチドの組み込みによりさらに伸長される。さらなる合成サイクルの第2のヌクレオチドは、工程(4)について上記に記載されるのと同じ方法で組み込まれ得る。
工程(9)では、可逆的ターミネーター基は、さらなるサイクルの第2のヌクレオチドから除去される(脱保護工程;109)。次のサイクルおよびさらなるサイクルにおける可逆的ターミネーター基の除去による脱保護は、第1の合成サイクルに関して上記に記載されるように行われ得る。
合成サイクルは、上記に記載されるように、所定のヌクレオチド配列を有する二本鎖ポリヌクレオチドを合成するのに必要な回数だけ繰り返される。
合成方法のバージョン2
図2を参照すると、本発明の合成方法の第2の特定の非限定的で例示的なバージョンでは、二本鎖足場ポリヌクレオチドが提供される(図2の工程1;201)。二本鎖足場ポリヌクレオチドは、支持鎖と、それにハイブリダイズされた合成鎖と、を含む。合成鎖はプライマー鎖部分を含む。二本鎖足場ポリヌクレオチドには、少なくとも1つの平滑末端が提供され、少なくとも1つの平滑末端は、プライマー鎖部分の末端と、それにハイブリダイズされた支持鎖の末端と、を含む。支持鎖の末端ヌクレオチドは、リガーゼ酵素の基質として作用することができ、好ましくはリン酸基または他の連結可能基を含む。
方法の工程(2)において、ポリヌクレオチド連結分子(図2の上部の右上に示される構造を参照されたい)は、足場ポリヌクレオチドに連結される。連結は、所定の配列の第1のヌクレオチドを足場ポリヌクレオチドの支持鎖に組み込む(図2の工程2;202)。
各合成サイクルにおいて、足場ポリヌクレオチドは、次いで、支持鎖にユニバーサルヌクレオチドを含む配列によって定義される切断部位で切断される(工程3、203)。方法のバージョン2において、切断は、プライマー鎖部分に対する近位方向/ヘルパー鎖に対する遠位方向において、ユニバーサルヌクレオチドの隣のヌクレオチド位置にあるヌクレオチドの直後で支持鎖を切断することを含む。足場ポリヌクレオチドの切断(工程3)は、足場ポリヌクレオチドからのポリヌクレオチド連結分子の放出、および対合されず、切断された足場ポリヌクレオチドの第1の鎖に付着したそのサイクルの第1のヌクレオチドの保持をもたらす。足場ポリヌクレオチドの切断(工程3)は、存在し、切断直前に支持鎖にハイブリダイズされる場合、足場ポリヌクレオチドからのヘルパー鎖の喪失、および足場ポリヌクレオチドからのユニバーサルヌクレオチドの喪失をもたらす。切断は、切断部位に、切断前のニック部位を含んだ合成鎖の支持鎖の切断された末端およびプライマー鎖部分の末端を含む、切断された二本鎖足場ポリヌクレオチドを所定の位置に残す。切断は、連結された足場ポリヌクレオチドの切断された末端に単一ヌクレオチド突出をもたらし、そのサイクルの第1のヌクレオチドは、支持鎖の末端ヌクレオチドであり、合成鎖のプライマー鎖部分の末端ヌクレオチドに突出する。
方法の工程(4)において、所定のヌクレオチド配列の第2のヌクレオチドは、単一ヌクレオチドでオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド分子を伸長する能力を有する酵素の作用によって合成鎖のプライマー鎖部分の末端に付加される。このような酵素は、典型的には、ヌクレオチドトランスフェラーゼ酵素またはポリメラーゼ酵素である(図2の工程4;204)。第2のヌクレオチドには、酵素によるさらなる伸長を防止する可逆的ターミネーター基が提供される。したがって、工程(4)において、一塩基のみが組み込まれる。
方法の工程(5)において、脱保護工程が行われ、新たに組み込まれたヌクレオチドからターミネーター基が除去される。
工程1−足場ポリヌクレオチドの提供
本発明の合成方法の例示的なバージョン2では、二本鎖足場ポリヌクレオチドは、工程(1)で提供される(201)。合成鎖と、それにハイブリダイズされた支持鎖と、を含む、二本鎖足場ポリヌクレオチドが提供され、合成鎖は、プライマー鎖部分を含む。支持鎖の末端ヌクレオチドは、プライマー鎖部分の末端ヌクレオチドと対合され、したがって平滑末端を形成する。支持鎖の末端ヌクレオチドは、リガーゼ酵素の基質として作用することができ、連結可能基、好ましくはリン酸基を含む。
工程2−ポリヌクレオチド連結分子の足場ポリヌクレオチドへの連結および所定の配列の第1のヌクレオチドの組み込み
方法の工程(2)において、二本鎖ポリヌクレオチド連結分子は、平滑末端連結反応におけるリガーゼ酵素の作用によって足場ポリヌクレオチドに連結される(202)。
ポリヌクレオチド連結分子は、支持鎖と、それにハイブリダイズされたヘルパー鎖と、を含む。ポリヌクレオチド連結分子は、支持鎖にユニバーサルヌクレオチドおよび所定の配列の第1のヌクレオチドを含む相補的連結末端をさらに含む。
ポリヌクレオチド連結分子の相補的連結末端は、支持鎖の末端ヌクレオチドが、任意の所与の合成サイクルにおいて足場ポリヌクレオチドに組み込まれる所定の配列の第1のヌクレオチドであるように構造化される。支持鎖の末端ヌクレオチドは、ヘルパー鎖の末端ヌクレオチドと対合する。支持鎖の末端ヌクレオチド、すなわち、そのサイクルの所定の配列の第1のヌクレオチドは、支持鎖中のヌクレオチド位置nを占める。位置nとは、第2のヌクレオチドの組み込み時にそのサイクルの所定の配列の第2のヌクレオチドとは反対になるヌクレオチド位置を意味し、第1および第2のヌクレオチドはそれによってヌクレオチド対を形成する。図2では、工程(2)において、所定の配列の第1のヌクレオチドはアデノシンとして示され、所定の配列の第2のヌクレオチドはチミンとして示され、ヘルパー鎖の末端ヌクレオチドはチミンとして示される。アデノシンおよびチミンは、純粋に例示のために示される。第1および第2のヌクレオチドならびにヘルパー鎖の末端ヌクレオチドは、任意の好適なヌクレオチドであり得る。Xとして示されるヌクレオチドも、ユーザによって選択される任意の好適なヌクレオチドであり得る。
典型的には、相補的連結末端における支持鎖の末端ヌクレオチドは、ポリヌクレオチド連結分子の相補的連結末端の支持鎖の3’末端を定義する。
ポリヌクレオチド連結分子のヘルパー鎖の末端ヌクレオチドは、ポリヌクレオチド鎖中の別のポリヌクレオチドに連結することができないように構成される(図2の上部の右上に示される構造において「T」と標識された位置)。このヌクレオチドは、連結不可能な末端ヌクレオチドと呼ばれる。典型的には、この末端ヌクレオチドは、リン酸基を欠いており、すなわち、ヌクレオシドである。典型的には、ヘルパー鎖のこの末端ヌクレオチドは、ヘルパー鎖の5’末端を定義する。
ポリヌクレオチド連結分子の相補的連結末端では、支持鎖中のユニバーサルヌクレオチドは、支持鎖中のヌクレオチド位置n+2を占めるように、かつヘルパー鎖中のパートナーヌクレオチドと対合されるように、位置付けられる。位置n+2とは、相補的連結末端に対する遠位方向において、位置nに対する支持鎖中の第2のヌクレオチド位置を意味する。
相補的連結末端は、好適な連結条件に供されたときに、それが足場ポリヌクレオチドの平滑末端と適合的に接合するように構成される。ポリヌクレオチド連結分子の支持鎖と足場ポリヌクレオチドとの連結時に、第1のヌクレオチドは、足場ポリヌクレオチドに組み込まれる。ポリヌクレオチド連結分子のヘルパー鎖の末端ヌクレオチドが連結不可能なヌクレオチドであるため、リガーゼ酵素は、ヘルパー鎖と合成鎖のプライマー鎖部分とが連結することを防止し、したがって、ヘルパー鎖と合成鎖のプライマー鎖部分との間に一本鎖切断または「ニック」を作成する。
足場ポリヌクレオチドへのポリヌクレオチド連結分子の連結は、工程(1)の二本鎖足場ポリヌクレオチドの支持鎖の長さを伸長し、所定のヌクレオチド配列の第1のヌクレオチドは、足場ポリヌクレオチドの支持鎖に組み込まれる。
支持鎖の連結は、任意の好適な手段によって行われ得る。連結は、典型的および好ましくは、リガーゼ活性を有する酵素によって行われ得る。例えば、連結は、本明細書でさらに記載されるT3 DNAリガーゼもしくはT4 DNAリガーゼまたはその機能的バリアントもしくは等価物を用いて行われ得る。ヘルパー鎖の末端ヌクレオチドは、例えば、末端リン酸基がないために、または連結不可能な基が存在するために、リガーゼに対する基質として作用することができないように提供されるため、このような酵素の使用は、合成鎖における一本鎖切断の維持をもたらす。
ポリヌクレオチド連結分子の足場ポリヌクレオチドへの連結後、所定のヌクレオチド配列の第1のヌクレオチドは、ヌクレオチド位置nを占めると称され、ユニバーサルヌクレオチドは、ヌクレオチド位置n+2を占めると称され、連結前に、プライマー鎖部分に対して近位方向にある足場ポリヌクレオチドの支持鎖の末端ヌクレオチドであったヌクレオチドは、ヌクレオチド位置n−1を占めると称される。ヌクレオチド位置n−1とは、プライマー鎖部分に対する近位方向/ヘルパー鎖に対する遠位方向において、位置nに対する支持鎖中の次のヌクレオチド位置を意味する。
工程3−切断
方法の工程(3)において、連結された足場ポリヌクレオチドは、切断部位で切断される(203)。切断部位は、支持鎖中のユニバーサルヌクレオチドを含む配列によって定義される。切断は、足場ポリヌクレオチド中に二本鎖切断をもたらす。足場ポリヌクレオチドの切断(工程3)は、存在し、切断の直前に支持鎖にハイブリダイズされる場合、ヘルパー鎖の喪失、およびユニバーサルヌクレオチドを含む支持鎖の喪失をもたらす。
足場ポリヌクレオチドの切断は、それによって足場ポリヌクレオチドからポリヌクレオチド連結分子を放出するが、切断された足場ポリヌクレオチドの第1の鎖に付着し、そのサイクルの第2のヌクレオチドと対合される、そのサイクルの第1のヌクレオチドの保持をもたらす。足場ポリヌクレオチドの切断は、所定の配列の第1のヌクレオチドを、支持鎖の末端ヌクレオチドとして含み、合成鎖のプライマー鎖部分の末端ヌクレオチドに突出する、切断された突出末端二本鎖足場ポリヌクレオチドを所定の位置に残す。
この例示的な方法では、合成鎖にすでに一本鎖切断または「ニック」が提供されており、したがって足場ポリヌクレオチドに二本鎖切断を提供するためには支持鎖の切断のみが必要である。さらに、この例示的な方法のバージョンで先に述べたように、切断により、突出末端の切断された二本鎖足場ポリヌクレオチドが生成され、ユニバーサルヌクレオチドは、切断工程の前に支持鎖中の位置n+2を占める。ユニバーサルヌクレオチドが支持鎖中の位置n+2を占めるときにこのような突出末端の切断された二本鎖足場ポリヌクレオチドを得るために、支持鎖は、ユニバーサルヌクレオチドに対して特定の位置で切断される。足場ポリヌクレオチドの支持鎖がヌクレオチド位置n+1とnとの間で切断される場合、ポリヌクレオチド連結分子は、そのサイクルの第1のヌクレオチドが、切断された足場ポリヌクレオチドの支持鎖に付着した足場ポリヌクレオチドに保持されることを除いて、足場ポリヌクレオチドから放出される(図2の上部の左上に示される構造を参照されたい)。
リン酸基は、切断部位で切断された足場ポリヌクレオチドの支持鎖の末端ヌクレオチドに付着され続けるべきである。これにより、次の合成サイクルの連結工程において、ポリヌクレオチド連結分子の支持鎖に切断された足場ポリヌクレオチドの支持鎖を確実に連結することができる。切断は、切断された足場ポリヌクレオチドの支持鎖の末端ヌクレオチドが連結可能基、好ましくは末端リン酸基を保持し、したがって、リン酸化工程が行われる必要がないように行われる。
したがって、方法のバージョン2では、ユニバーサルヌクレオチドは、工程(2)および(3)で支持鎖中の位置n+2を占め、支持鎖は、工程(3)でヌクレオチド位置n+1とnとの間で切断される。
好ましくは、支持鎖は、ヌクレオチド位置n+1とnとの間のホスホジエステル結合(ヘルパー鎖に対する遠位方向/プライマー鎖に対する近位方向において、ユニバーサルヌクレオチドの位置に対する支持鎖の第1のホスホジエステル結合)の切断によって切断される。
支持鎖は、ヌクレオチド位置n+1とnとの間のホスホジエステル結合の一方のエステル結合の切断によって切断され得る。
好ましくは、支持鎖はヌクレオチド位置n+1に対する第1のエステル結合の切断により切断される。これは、切断された足場ポリヌクレオチドの支持鎖上の切断位置で末端リン酸基を保持する効果を有するであろう。
ユニバーサルヌクレオチドが位置n+2を占める場合、任意の好適な機構を用いて、ヌクレオチド位置n+1とnとの間の支持鎖の切断をもたらし得る。
上記に記載されるようなヌクレオチド位置n+1とnとの間の支持鎖の切断は、酵素の作用によって行われ得る。
上記に記載されるように、ユニバーサルヌクレオチドが支持鎖中の位置n+2を占めるときの、ヌクレオチド位置n+1とnとの間の支持鎖の切断は、エンドヌクレアーゼVなどの酵素の作用によって行われ得る。
支持鎖中の位置n+2を占めているユニバーサルヌクレオチドを含む配列によって定義される切断部位で、ヌクレオチド位置nとn−1との間で支持鎖を切断する1つの機構は、実施例3に類似の方法で記載されている。記載される機構は例示的であり、上記に記載される切断配置が達成されるという条件で、他の機構を用いることができる。
この例示的な機構では、エンドヌクレアーゼ酵素が用いられる。例示された方法では、酵素は、エンドヌクレアーゼVである。ユニバーサルヌクレオチドが、支持鎖中の位置n+2を占めるときに支持鎖がヌクレオチド位置n+1とnとの間で切断されるという条件で、他の酵素、分子、または化学物質を使用することができる。
工程4−所定の配列の第2のヌクレオチドの組み込み
方法の工程(4)において、ポリヌクレオチド連結分子の足場ヌクレオチドへの連結後、次いで、所定の配列の第2のヌクレオチドが、プライマー鎖部分の伸長によって合成鎖に組み込まれる。
プライマー鎖部分の伸長は、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド分子を単一ヌクレオチドで伸長する能力を有する任意の好適な酵素の作用によって達成され得る。このような酵素は、典型的には、ヌクレオチドトランスフェラーゼ酵素またはポリメラーゼ酵素である。本明細書でさらに定義されるか、または当業者に既知の任意の好適な酵素を使用することができる。
工程(4)の間に組み込まれる所定の配列の第2のヌクレオチドは、酵素によるさらなる伸長を防止するか、または酵素によるさらなる伸長を防止する任意の他の類似の官能性を含む可逆的ターミネーター基を含む。本明細書でさらに定義されるか、または当業者に既知の官能基の任意の好適な可逆的ターミネーター基を使用することができる。
足場ポリヌクレオチドのプライマー鎖部分へのその組み込み時に、そのサイクルの所定の配列の第2のヌクレオチドは、そのサイクルの所定の配列の第1のヌクレオチドと対合して、そのサイクルのヌクレオチド対を形成する。ヌクレオチド対は、本明細書にさらに定義されるような任意の好適なヌクレオチド対であり得る。
工程5−脱保護
本発明のこの例示的な方法のバージョンでは、すべてのバージョンと同様に、隣のヌクレオチドを次の合成サイクルに組み込むことを可能にするために、可逆的ターミネーター基を第1のヌクレオチドから除去しなければならない(脱保護工程;205)。これは、図2に示されるように、工程(4)での第2のヌクレオチドの組み込みの後に、方法の工程(5)として行われる(205)。組み込まれていない第2のヌクレオチドは、同じ合成サイクルにおける第2のヌクレオチドの多重組み込みを防止するために、工程(4)の後に最初に除去されるべきである。
第1のヌクレオチドからの可逆的ターミネーター基の除去は、当業者に既知の任意の好適な手段によって行われ得る。例えば、除去は、トリス(カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)などの化学物質の使用によって行われ得る。
さらなるサイクル
第1の合成サイクルの完了後、第2およびさらなる合成サイクルは、同じ方法の工程を使用して行われ得る。
前のサイクルの切断、組み込み、および脱保護工程(3)、(4)、および(5)の生産物は、次の合成サイクルのための二本鎖足場ポリヌクレオチドとして提供される(工程6において)。
次のおよびさらなる合成サイクルの工程(6)において、さらなる二本鎖ポリヌクレオチド連結分子は、前のサイクルの工程(3)、(4)、および(5)の切断生産物に連結される。ポリヌクレオチド連結分子は、ポリヌクレオチド連結分子がさらなる合成サイクルの第1のヌクレオチドを含むことを除いて、前のサイクルの工程(2)について上記に記載されるのと同じ方法で構造化され得る。ポリヌクレオチド連結分子は、工程(2)について上記に記載されるのと同じ方法で、前のサイクルの工程(3)、(4)、および(5)の切断生産物に連結され得る。
次のおよび各さらなる合成サイクルの工程(7)において、連結された足場ポリヌクレオチドは、切断部位で切断される。切断は、足場ポリヌクレオチド中に二本鎖切断をもたらす。足場ポリヌクレオチドの切断(工程7)は、存在し、切断の直前に支持鎖にハイブリダイズされる場合、ヘルパー鎖の喪失、およびユニバーサルヌクレオチドを含む支持鎖の喪失をもたらす。足場ポリヌクレオチドの切断は、それによって、足場ポリヌクレオチドからさらなるポリヌクレオチド連結分子を放出するが、対合されず、切断された足場ポリヌクレオチドの支持鎖に付着したそのさらなるサイクルの第1のヌクレオチドの保持につながる。足場ポリヌクレオチドの切断は、さらなるサイクルの第1のヌクレオチドを、足場ポリヌクレオチドの合成鎖のプライマー鎖部分の末端ヌクレオチドに突出する足場ポリヌクレオチドの支持鎖の末端ヌクレオチドとして含む、切断された突出末端二本鎖足場ポリヌクレオチドを所定の位置に残す。工程(7)における切断は、工程(3)について上記に記載されるのと同じ方法で行われ得る。
次のおよび各さらなる合成サイクルの工程(8)において、二本鎖足場ポリヌクレオチドの合成鎖のプライマー鎖部分の末端は、ヌクレオチドトランスフェラーゼ酵素、ポリメラーゼ酵素、または他の酵素の作用によるさらなる合成サイクルの第2のヌクレオチドの組み込みによりさらに伸長される。さらなる合成サイクルの第2のヌクレオチドは、工程(4)について上記に記載されるのと同じ方法で組み込まれ得る。
工程(9)では、可逆的ターミネーター基は、さらなるサイクルの第2のヌクレオチドから除去される(脱保護工程;209)。次のサイクルおよびさらなるサイクルにおける可逆的ターミネーター基の除去による脱保護は、第1の合成サイクルに関して上記に記載されるように行われ得る。
合成サイクルは、上記に記載されるように、所定のヌクレオチド配列を有する二本鎖ポリヌクレオチドを合成するのに必要な回数だけ繰り返される。
合成方法のバージョン2の変形例
上記に記載される方法に加えて、合成方法のバージョン2の変形例が提供され、本方法は、以下の変形例を除いて、上記に記載される合成方法のバージョン2と同じ方法で行われる。
第1のサイクルの連結工程(工程2)において、ポリヌクレオチド連結分子の相補的連結末端は、ユニバーサルヌクレオチドが代わりに、支持鎖中のヌクレオチド位置n+2+xを占めるように、かつ相補的連結末端でヘルパー鎖の末端ヌクレオチドから除去された2+x位置であるヘルパー鎖中のパートナーヌクレオチドと対合されるように、構造化され、ヌクレオチド位置n+2は、相補的連結末端に対する遠位方向において、ヌクレオチド位置nに対する支持鎖中の第2のヌクレオチド位置である。
第1のサイクルの切断工程(工程3)において、ユニバーサルヌクレオチドは代わりに、足場ポリヌクレオチドの支持鎖中のヌクレオチド位置n+2+xを占め、ヌクレオチド位置n+2は、ヘルパー鎖に対する近位方向/プライマー鎖部分に対する遠位方向において、ヌクレオチド位置nに対する支持鎖中の第2のヌクレオチド位置であり、足場ポリヌクレオチドの支持鎖は、位置n+1とnとの間で切断される。
第2のサイクルの連結工程(工程6)において、およびすべてのさらなるサイクルの連結工程において、ポリヌクレオチド連結分子の相補的連結末端は、ユニバーサルヌクレオチドが、支持鎖中のヌクレオチド位置n+2+xを占めるように、かつ相補的連結末端でヘルパー鎖の末端ヌクレオチドから除去された2+x位置であるパートナーヌクレオチドと対合されるように、構造化され、ヌクレオチド位置n+2は、相補的連結末端に対する遠位方向において、ヌクレオチド位置nに対する支持鎖中の第2のヌクレオチド位置である。
最後に、第2のサイクルの切断工程(工程7)において、およびすべてのさらなるサイクルの切断工程において、ユニバーサルヌクレオチドは代わりに、足場ポリヌクレオチドの支持鎖中のヌクレオチド位置n+2+xを占め、ヌクレオチド位置n+2は、ヘルパー鎖に対する近位方向/プライマー鎖部分に対する遠位方向において、ヌクレオチド位置nに対する支持鎖中の第2のヌクレオチド位置であり、足場ポリヌクレオチドの支持鎖は、位置n+1とnとの間で切断される。
これらの変形例の方法のすべてにおいて、xは、1〜10以上の間の整数であり、xは、工程(2)、(3)、(6)、および(7)で同じ整数である。
合成方法のバージョン2と同様に、バージョン2に基づく変形例の方法では、任意の所与のサイクルにおいて、連結後、ならびに組み込みおよび切断工程の間の、支持鎖中のそのサイクルの第1のヌクレオチドによって占められるヌクレオチド位置が、ヌクレオチド位置nとして定義され、所与の合成サイクルの完了時の、切断された足場ポリヌクレオチドの支持鎖中のそのサイクルのその第1のヌクレオチドによって占められる位置が、次の合成サイクルにおいてヌクレオチド位置n−1として定義されることに留意されたい。
したがって、合成方法のバージョン2のこれらの特定の変形例において、ヌクレオチド位置nに対する切断部位の位置は一定に保持され、ヌクレオチド位置nに対するユニバーサルヌクレオチドの位置は、ヘルパー鎖に対する近位方向/プライマー鎖部分に対する遠位方向において、ユニバーサルヌクレオチドの位置を、xに対して選択された数によって決定されるいくつかのヌクレオチド位置だけ移動することによって増加される。
これらの変形例の方法の概略図を図3に提供する。
合成方法のバージョン3
図4を参照すると、本発明の合成方法の第3の特定の非限定的で例示的なバージョンでは、二本鎖足場ポリヌクレオチドが提供される(図4の工程1;401)。二本鎖足場ポリヌクレオチドは、支持鎖と、それにハイブリダイズされた合成鎖と、を含む。合成鎖はプライマー鎖部分を含む。二本鎖足場ポリヌクレオチドには、少なくとも1つの突出末端が提供され、少なくとも1つの突出末端は、プライマー鎖部分の末端に突出する支持鎖の末端を含む。支持鎖の末端ヌクレオチドは、リガーゼ酵素の基質として作用することができ、好ましくはリン酸基または他の連結可能基を含む。
方法の工程(2)において、ポリヌクレオチド連結分子(図4の上部の右上に示される構造を参照されたい)は、足場ポリヌクレオチドに連結される。連結は、所定の配列の第1のヌクレオチドを足場ポリヌクレオチドの支持鎖に組み込む(図4の工程2;402)。
各合成サイクルにおいて、足場ポリヌクレオチドは、次いで、支持鎖にユニバーサルヌクレオチドを含む配列によって定義される切断部位で切断される(工程3、403)。方法のバージョン3において、切断は、プライマー鎖部分に対する近位方向/ヘルパー鎖に対する遠位方向において、ユニバーサルヌクレオチドの直後の支持鎖を切断することを含み、すなわち、支持鎖は、ユニバーサルヌクレオチドによって占められる位置と、プライマー鎖部分に対する近位方向/ヘルパー鎖に対する遠位方向において、支持鎖中の次のヌクレオチド位置との間で切断される。足場ポリヌクレオチドの切断(工程3)により、足場ポリヌクレオチドからのポリヌクレオチド連結分子が放出され、対合されず、切断された足場ポリヌクレオチドの第1の鎖に付着したそのサイクルの第1のヌクレオチドが保持される。足場ポリヌクレオチドの切断(工程3)は、存在し、切断直前に支持鎖にハイブリダイズされる場合、足場ポリヌクレオチドからのヘルパー鎖の喪失、および足場ポリヌクレオチドからのユニバーサルヌクレオチドの喪失をもたらす。切断は、切断部位に、支持鎖の切断された末端および切断前のニック部位を含んだ合成鎖のプライマー鎖部分の末端を含む、切断された二本鎖足場ポリヌクレオチドを所定の位置に残し、切断された二本鎖足場ポリヌクレオチドは、そのサイクルの第1のヌクレオチドを、合成鎖のプライマー鎖部分の末端ヌクレオチドに突出する支持鎖の切断された末端の末端ヌクレオチドとして含む。
方法の工程(4)において、所定のヌクレオチド配列の第2のヌクレオチドは、単一ヌクレオチドでオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド分子を伸長する能力を有する酵素の作用によって合成鎖のプライマー鎖部分の末端に付加される。このような酵素は、典型的には、ヌクレオチドトランスフェラーゼ酵素またはポリメラーゼ酵素である(図4の工程4;404)。第2のヌクレオチドには、酵素によるさらなる伸長を防止する可逆的ターミネーター基が提供される。したがって、工程(3)において、一塩基のみが組み込まれる。
方法の工程(5)において、脱保護工程が行われて、新たに組み込まれたヌクレオチドからターミネーター基が除去される(図4の工程5、405)。
工程1−足場ポリヌクレオチドの提供
本発明の合成方法の例示的なバージョン3では、二本鎖足場ポリヌクレオチドは、工程(1)で提供される(401)。合成鎖と、それにハイブリダイズされた支持鎖と、を含む、二本鎖足場ポリヌクレオチドが提供され、合成鎖は、プライマー鎖部分を含む。支持鎖の末端ヌクレオチドは、支持鎖の末端ヌクレオチドが対合されず、合成鎖のプライマー鎖部分の末端ヌクレオチドに突出する、単一ヌクレオチド突出を含む。支持鎖の末端ヌクレオチドは、リガーゼ酵素の基質として作用することができ、連結可能基、好ましくはリン酸基を含む。
工程2−ポリヌクレオチド連結分子の足場ポリヌクレオチドへの連結および所定の配列の第1のヌクレオチドの組み込み
方法の工程(2)において、二本鎖ポリヌクレオチド連結分子は、粘着末端連結反応におけるリガーゼ酵素の作用によって足場ポリヌクレオチドに連結される(402)。
ポリヌクレオチド連結分子は、支持鎖と、それにハイブリダイズされたヘルパー鎖と、を含む。ポリヌクレオチド連結分子は、支持鎖にユニバーサルヌクレオチドおよび所定の配列の第1のヌクレオチドを含む相補的連結末端をさらに含む。
ポリヌクレオチド連結分子の相補的連結末端は、支持鎖の末端ヌクレオチドが、任意の所与の合成サイクルにおいて足場ポリヌクレオチドに組み込まれる所定の配列の第1のヌクレオチドであるように構造化される。支持鎖の末端ヌクレオチドは、ヘルパー鎖の最後から2番目のヌクレオチドと対合する。相補的連結末端は、単一ヌクレオチド突出を含み、ヘルパー鎖の末端ヌクレオチドは、支持鎖の末端ヌクレオチドに突出する。支持鎖の末端ヌクレオチド、すなわち、そのサイクルの所定の配列の第1のヌクレオチドは、支持鎖+1中のヌクレオチド位置n+1を占める。位置nとは、第2のヌクレオチドの組み込み時にそのサイクルの所定の配列の第2のヌクレオチドとは反対になるヌクレオチド位置を意味する。位置n+1は、相補的連結末端に対する遠位方向において、位置nに対する次のヌクレオチド位置である。図4では、工程(2)において、所定の配列の第1のヌクレオチドはグアニンとして示され、所定の配列の第2のヌクレオチドはチミンとして示され、ヘルパー鎖の末端ヌクレオチドはチミンとして示され、ヘルパー鎖の最後から2番目のヌクレオチドはシトシンとして示される。アデノシンおよびチミンは、純粋に例示のために示される。これらのヌクレオチドは、任意の好適なヌクレオチドであり得る。Xとして示されるヌクレオチドも、ユーザによって選択される任意の好適なヌクレオチドであり得る。
典型的には、相補的連結末端における支持鎖の末端ヌクレオチドは、ポリヌクレオチド連結分子の相補的連結末端の支持鎖の3’末端を定義する。
ポリヌクレオチド連結分子のヘルパー鎖の末端ヌクレオチドは、ポリヌクレオチド鎖中の別のポリヌクレオチドに連結することができないように構成される(図4の上部の右上に示される構造において「T」と標識された位置)。このヌクレオチドは、連結不可能な末端ヌクレオチドと呼ばれる。典型的には、この末端ヌクレオチドは、リン酸基を欠いており、すなわち、ヌクレオシドである。典型的には、ヘルパー鎖のこの末端ヌクレオチドは、ヘルパー鎖の5’末端を定義する。
ポリヌクレオチド連結分子の相補的連結末端では、支持鎖中のユニバーサルヌクレオチドは、それが支持鎖の最後から2番目のヌクレオチドであるように、ヘルパー鎖中のパートナーヌクレオチドと対合されるように、かつ支持鎖中のヌクレオチド位置n+2を占めるように、位置付けられ。位置n+2とは、相補的連結末端に対する遠位方向において、位置nに対する支持鎖中の第2のヌクレオチド位置を意味する。
突出相補的連結末端は、好適な連結条件に供されたときに、それが足場ポリヌクレオチドの突出末端と適合的に接合するように構成される。ポリヌクレオチド連結分子の支持鎖と足場ポリヌクレオチドとの連結時に、第1のヌクレオチドは、足場ポリヌクレオチドに組み込まれる。ポリヌクレオチド連結分子のヘルパー鎖の末端ヌクレオチドが連結不可能なヌクレオチドであるため、リガーゼ酵素は、ヘルパー鎖と合成鎖のプライマー鎖部分とが連結することを防止し、したがって、ヘルパー鎖と合成鎖のプライマー鎖部分との間に一本鎖切断または「ニック」を作成する。
足場ポリヌクレオチドへのポリヌクレオチド連結分子の連結は、工程(1)の二本鎖足場ポリヌクレオチドの支持鎖の長さを伸長し、所定のヌクレオチド配列の第1のヌクレオチドは、足場ポリヌクレオチドの支持鎖に組み込まれる。
支持鎖の連結は、任意の好適な手段によって行われ得る。連結は、典型的および好ましくは、リガーゼ活性を有する酵素によって行われ得る。例えば、連結は、本明細書でさらに記載されるT3 DNAリガーゼもしくはT4 DNAリガーゼまたはその機能的バリアントもしくは等価物を用いて行われ得る。ヘルパー鎖の末端ヌクレオチドは、例えば、末端リン酸基がないために、または連結不可能な基が存在するために、リガーゼの基質として作用することができないように提供されるため、このような酵素の使用は、合成鎖における一本鎖切断の維持をもたらす。
ポリヌクレオチド連結分子の足場ポリヌクレオチドへの連結後、所定のヌクレオチド配列の第1のヌクレオチドは、ヌクレオチド位置n+1を占めると称され、ユニバーサルヌクレオチドは、ヌクレオチド位置n+2を占めると称され、連結前に、プライマー鎖部分に対して近位方向にある足場ポリヌクレオチドの支持鎖の末端ヌクレオチドであったヌクレオチドは、ヌクレオチド位置nを占めると称される。
工程3−切断
方法の工程(3)において、連結された足場ポリヌクレオチドは、切断部位で切断される(403)。切断部位は、支持鎖中のユニバーサルヌクレオチドを含む配列によって定義される。切断は、足場ポリヌクレオチド中に二本鎖切断をもたらす。足場ポリヌクレオチドの切断(工程3)は、存在し、切断の直前に支持鎖にハイブリダイズされる場合、ヘルパー鎖の喪失、およびユニバーサルヌクレオチドを含む支持鎖の喪失をもたらす。
足場ポリヌクレオチドの切断は、それによって、足場ポリヌクレオチドからポリヌクレオチド連結分子を放出するが、対合されず、切断された足場ポリヌクレオチドの支持鎖に付着したそのサイクルの第1のヌクレオチドの保持につながる。足場ポリヌクレオチドの切断は、支持鎖の末端に所定の配列の第1のヌクレオチドを含む切断された二本鎖足場ポリヌクレオチドを所定の位置に残す。支持鎖の末端は、合成鎖のプライマー鎖部分の末端ヌクレオチドに突出する2つのヌクレオチドを有する、二ヌクレオチド突出を含む。したがって、支持鎖の切断された末端の末端ヌクレオチドである、そのサイクルの第1のヌクレオチドは、合成鎖のプライマー鎖部分の末端ヌクレオチドに突出する。
この例示的な方法では、合成鎖にすでに一本鎖切断または「ニック」が提供されており、したがって足場ポリヌクレオチドに二本鎖切断を提供するためには支持鎖の切断のみが必要である。ユニバーサルヌクレオチドが支持鎖中の位置n+2を占めるときにこのような突出する切断された二本鎖足場ポリヌクレオチドを得るために、支持鎖は、ユニバーサルヌクレオチドに対して特定の位置で切断される。足場ポリヌクレオチドの支持鎖がヌクレオチド位置n+2とn+1との間で切断される場合、ポリヌクレオチド連結分子は、そのサイクルの第1のヌクレオチドが、切断された足場ポリヌクレオチドの支持鎖に付着した足場ポリヌクレオチドに保持されることを除いて、足場ポリヌクレオチドから放出される(図4の上部の左上に示される構造を参照されたい)。
リン酸基は、切断部位で切断された足場ポリヌクレオチドの支持鎖の末端ヌクレオチドに付着され続けるべきである。これにより、次の合成サイクルの連結工程において、ポリヌクレオチド連結分子の支持鎖に切断された足場ポリヌクレオチドの支持鎖を確実に連結することができる。切断は、切断された足場ポリヌクレオチドの支持鎖の末端ヌクレオチドが連結可能基、好ましくは末端リン酸基を保持し、したがって、リン酸化工程が行われる必要がないように行われる。
したがって、方法のバージョン3では、ユニバーサルヌクレオチドは、工程(2)および(3)で支持鎖中の位置n+2を占め、支持鎖は、工程(3)でヌクレオチド位置n+2とn+1との間で切断される。
好ましくは、支持鎖は、ヌクレオチド位置n+2とn+1との間のホスホジエステル結合(ヘルパー鎖に対する遠位方向/プライマー鎖に対する近位方向において、ユニバーサルヌクレオチドの位置に対する支持鎖の第1のホスホジエステル結合)の切断によって切断される。
支持鎖は、ヌクレオチド位置n+2とn+1との間のホスホジエステル結合の一方のエステル結合の切断によって切断され得る。
好ましくは、支持鎖はヌクレオチド位置n+2に対する第1のエステル結合の切断により切断される。これは、切断された足場ポリヌクレオチドの支持鎖上の切断位置で末端リン酸基を保持する効果を有するであろう。
ユニバーサルヌクレオチドが位置n+2を占める場合、任意の好適な機構を用いて、ヌクレオチド位置n+2とn+1との間の支持鎖の切断をもたらし得る。
上記に記載されるようなヌクレオチド位置n+2とn+1との間の支持鎖の切断は、酵素の作用によって行われ得る。
上記に記載されるようなヌクレオチド位置n+2とn+1との間の支持鎖の切断は、2工程切断プロセスとして行われ得る。
2工程切断プロセスの第1の切断工程は、支持鎖からユニバーサルヌクレオチドを除去し、それによって位置n+2に脱塩基部位を形成することを含み得、第2の切断工程は、位置n+2とn+1との間の脱塩基部位で支持鎖を切断することを含み得る。
上記に概説された方法でユニバーサルヌクレオチドを含む配列によって定義される切断部位で支持鎖を切断する1つの機構は、実施例2に記載されている。実施例2に記載される切断機構は例示的なものであり、上記に記載される平滑末端で切断された二本鎖足場ポリヌクレオチドが達成されるという条件で、他の機構を用いることができる。
2工程切断プロセスの第1の切断工程では、糖−リン酸足場を無傷のままにしながら、ユニバーサルヌクレオチドが支持鎖から除去される。これは、二本鎖ポリヌクレオチドから単一のユニバーサルヌクレオチドを特異的に除去ことができる酵素の作用によって達成することができる。例示された切断方法では、ユニバーサルヌクレオチドは、イノシンであり、イノシンは、酵素の作用によって支持鎖から除去され、よって脱塩基部位を形成する。例示された切断方法では、酵素は、3−メチルアデニンDNAグリコシラーゼ酵素、具体的にはヒトアルキルアデニンDNAグリコシラーゼ(hAAG)である。無塩基部位が形成されるという条件で、他の酵素、分子、または化学物質を使用することができる。ヌクレオチド除去酵素は、ウラシル−DNAグリコシラーゼ(UDG)等のポリヌクレオチドからのウラシルの放出を触媒する酵素であり得る。
2工程切断プロセスの第2の切断工程では、支持鎖は、一本鎖切断を作成することによって脱塩基部位で切断される。例示された方法では、支持鎖は、NaOHなどの塩基である化学物質の作用によって切断される。あるいは、N,N’−ジメチルエチレンジアミンなどの有機化学物質を使用してもよい。あるいは、APエンドヌクレアーゼ1、エンドヌクレアーゼIII(Nth)、またはエンドヌクレアーゼVIIIなどの脱塩基部位リアーゼ活性を有する酵素を使用してもよい。記載されるような脱塩基部位で支持鎖が切断されるという条件で、他の酵素、分子、または化学物質を使用することができる。
したがって、ユニバーサルヌクレオチドが工程(1)および(2)で支持鎖の位置n+2にあり、支持鎖が位置n+2とn+1との間で切断される実施形態では、第1の切断工程は、ヌクレオチド除去酵素を用いて行われ得る。このような酵素の例は、ヒトアルキルアデニンDNAグリコシラーゼ(hAAG)などの3−メチルアデニンDNAグリコシラーゼ酵素である。第2の切断工程は、NaOHなどの塩基である化学物質を用いて行われ得る。第2の工程は、N,N’−ジメチルエチレンジアミンなどの脱塩基部位切断活性を有する有機化学物質を用いて行われ得る。第2の工程は、エンドヌクレアーゼVIIIまたはエンドヌクレアーゼIIIなどの脱塩基部位リアーゼ活性を有する酵素を用いて行われ得る。
上記に記載されるようなヌクレオチド位置n+2とn+1との間の支持鎖の切断はまた、1工程切断プロセスとして行われ得る。任意のこのようなプロセスで使用され得る酵素の例には、エンドヌクレアーゼIII、エンドヌクレアーゼVIIIが含まれる。任意のこのようなプロセスで使用され得る他の酵素には、ホルムアミドピリミジンDNAグリコシラーゼ(Fpg)、および8−オキソグアニンDNAグリコシラーゼ(hOGG1)などの8−オキソグアノシンを切断する酵素が含まれる。
工程4−所定の配列の第2のヌクレオチドの組み込み
方法の工程(4)において、ポリヌクレオチド連結分子の足場ポリヌクレオチドへの連結および足場ポリヌクレオチドの切断後、次いで、所定の配列の第2のヌクレオチドが、プライマー鎖部分の伸長によって合成鎖に組み込まれる。
プライマー鎖部分の伸長は、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド分子を単一ヌクレオチドで伸長する能力を有する任意の好適な酵素の作用によって達成され得る。このような酵素は、典型的には、ヌクレオチドトランスフェラーゼ酵素またはポリメラーゼ酵素である。本明細書でさらに定義されるか、または当業者に既知の任意の好適な酵素を使用することができる。
工程(4)の間に組み込まれる所定の配列の第2のヌクレオチドは、酵素によるさらなる伸長を防止するか、または酵素によるさらなる伸長を防止する任意の他の類似の官能性を含む可逆的ターミネーター基を含む。本明細書でさらに定義されるか、または当業者に既知の任意の好適な可逆的ターミネーター基または官能基を使用することができる。
足場ポリヌクレオチドのプライマー鎖部分へのその組み込み時に、そのサイクルの所定の配列の第2のヌクレオチドは、パートナーヌクレオチドと対合して、そのサイクルのヌクレオチド対を形成する。ヌクレオチド対は、本明細書にさらに定義されるような任意の好適なヌクレオチド対であり得る。
工程5−脱保護
本発明のこの例示的な方法のバージョンでは、すべてのバージョンと同様に、隣のヌクレオチドを次の合成サイクルに組み込むことを可能にするために、可逆的ターミネーター基を第1のヌクレオチドから除去しなければならない(脱保護工程;405)。酵素および残りの組み込まれていない第2のヌクレオチドは、同じ合成サイクルにおける第2のヌクレオチドの多重組み込みを防止するために、工程(5)の後に最初に除去されるべきである。
第1のヌクレオチドからの可逆的ターミネーター基の除去は、当業者に既知の任意の好適な手段によって行われ得る。例えば、除去は、トリス(カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)などの化学物質の使用によって行われ得る。
さらなるサイクル
第1の合成サイクルの完了後、第2およびさらなる合成サイクルは、同じ方法の工程を使用して行われ得る。
前のサイクルの工程(3)、(4)、および(5)の切断生産物は、次の合成サイクルのための二本鎖足場ポリヌクレオチドとして提供される(工程6において)。
次のおよび各さらなる合成サイクルの工程(6)において、さらなる二本鎖ポリヌクレオチド連結分子が、前のサイクルの工程(3)、(4)、および(5)の切断生産物に連結される。ポリヌクレオチド連結分子は、ポリヌクレオチド連結分子がさらなる合成サイクルの第1のヌクレオチドを含むことを除いて、前のサイクルの工程(2)について上記に記載されるのと同じ方法で構造化され得る。ポリヌクレオチド連結分子は、工程(2)について上記に記載されるのと同じ方法で、前のサイクルの工程(3)、(4)、および(5)の切断生産物に連結され得る。
次のおよび各さらなる合成サイクルの工程(7)において、連結された足場ポリヌクレオチドは、切断部位で切断される。切断は、足場ポリヌクレオチド中に二本鎖切断をもたらす。足場ポリヌクレオチドの切断(工程7)は、存在し、切断の直前に支持鎖にハイブリダイズされる場合、ヘルパー鎖の喪失、およびユニバーサルヌクレオチドを含む支持鎖の喪失をもたらす。足場ポリヌクレオチドの切断は、それによって、足場ポリヌクレオチドからさらなるポリヌクレオチド連結分子を放出するが、対合されず、切断された足場ポリヌクレオチドの支持鎖に付着したそのさらなるサイクルの第1のヌクレオチドの保持につながる。足場ポリヌクレオチドの切断は、足場ポリヌクレオチドの支持鎖の末端にさらなるサイクルの第1のヌクレオチドを含む切断された二本鎖足場ポリヌクレオチドを所定の位置に残す。支持鎖の末端は、合成鎖のプライマー鎖部分の末端ヌクレオチドに突出する2つのヌクレオチドを有する、二ヌクレオチド突出を含む。したがって、支持鎖の切断された末端の末端ヌクレオチドである、そのさらなるサイクルの第1のヌクレオチドは、合成鎖のプライマー鎖部分の末端ヌクレオチドに突出する。工程(7)における切断は、工程(3)について上記に記載されるのと同じ方法で行われ得る。
次のおよび各さらなる合成サイクルの工程(8)において、二本鎖足場ポリヌクレオチドの合成鎖のプライマー鎖部分の末端は、ヌクレオチドトランスフェラーゼ酵素、ポリメラーゼ酵素、または他の酵素の作用によるさらなる合成サイクルの第2のヌクレオチドの組み込みによりさらに伸長される。さらなる合成サイクルの第2のヌクレオチドは、工程(4)について上記に記載されるのと同じ方法で組み込まれ得る。
工程(9)では、可逆的ターミネーター基は、さらなるサイクルの第2のヌクレオチドから除去される(脱保護工程;409)。次のサイクルおよびさらなるサイクルにおける可逆的ターミネーター基の除去による脱保護は、第1の合成サイクルに関して上記に記載されるように行われ得る。
合成サイクルは、上記に記載されるように、所定のヌクレオチド配列を有する二本鎖ポリヌクレオチドを合成するのに必要な回数だけ繰り返される。
合成方法のバージョン4
図5を参照すると、本発明の合成方法の第4の特定の非限定的で例示的なバージョンでは、二本鎖足場ポリヌクレオチドが提供される(図5の工程1;501)。二本鎖足場ポリヌクレオチドは、支持鎖と、それにハイブリダイズされた合成鎖と、を含む。合成鎖はプライマー鎖部分を含む。二本鎖足場ポリヌクレオチドには、少なくとも1つの突出末端が提供され、少なくとも1つの突出末端は、プライマー鎖部分の末端に突出する支持鎖の末端を含む。支持鎖の末端ヌクレオチドは、リガーゼ酵素の基質として作用することができ、好ましくはリン酸基または他の連結可能基を含む。
方法の工程(2)において、ポリヌクレオチド連結分子(図5の上部の右上に示される構造を参照されたい)は、足場ポリヌクレオチドに連結される。連結は、所定の配列の第1のヌクレオチドを足場ポリヌクレオチドの支持鎖に組み込む(図5の工程2;502)。
各合成サイクルにおいて、足場ポリヌクレオチドは、次いで、支持鎖にユニバーサルヌクレオチドを含む配列によって定義される切断部位で切断される(工程3、504)。方法のバージョン4において、切断は、プライマー鎖部分に対する近位方向/ヘルパー鎖に対する遠位方向において、ユニバーサルヌクレオチドの隣のヌクレオチド位置にあるヌクレオチドの直後で支持鎖を切断することを含む。足場ポリヌクレオチドの切断(工程4)は、足場ポリヌクレオチドからのポリヌクレオチド連結分子の放出、および対合されず、切断された足場ポリヌクレオチドの第1の鎖に付着したそのサイクルの第1のヌクレオチドの保持をもたらす。足場ポリヌクレオチドの切断(工程3)は、存在し、切断直前に支持鎖にハイブリダイズされる場合、足場ポリヌクレオチドからのヘルパー鎖の喪失、および足場ポリヌクレオチドからのユニバーサルヌクレオチドの喪失をもたらす。切断は、切断部位に、支持鎖の切断された末端および切断前のニック部位を含んだ合成鎖のプライマー鎖部分の末端を含む、切断された二本鎖足場ポリヌクレオチドを所定の位置に残し、切断された二本鎖足場ポリヌクレオチドは、そのサイクルの第1のヌクレオチドを、合成鎖のプライマー鎖部分の末端ヌクレオチドに突出する支持鎖の切断された末端の末端ヌクレオチドとして含む。
方法の工程(4)において、所定のヌクレオチド配列の第2のヌクレオチドは、単一ヌクレオチドでオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド分子を伸長する能力を有する酵素の作用によって合成鎖のプライマー鎖部分の末端に付加される。このような酵素は、典型的には、ヌクレオチドトランスフェラーゼ酵素またはポリメラーゼ酵素である(図5の工程4;503)。第2のヌクレオチドには、酵素によるさらなる伸長を防止する可逆的ターミネーター基が提供される。したがって、工程(3)において、一塩基のみが組み込まれる。
方法の工程(5)において、脱保護工程が行われて、新たに組み込まれたヌクレオチドからターミネーター基が除去される(図5の工程5、505)。
工程1−足場ポリヌクレオチドの提供
本発明の合成方法の例示的なバージョン4では、二本鎖足場ポリヌクレオチドは、工程(1)で提供される(501)。合成鎖と、それにハイブリダイズされた支持鎖と、を含む、二本鎖足場ポリヌクレオチドが提供され、合成鎖は、プライマー鎖部分を含む。支持鎖の末端ヌクレオチドは、支持鎖の末端ヌクレオチドが対合されず、合成鎖のプライマー鎖部分の末端ヌクレオチドに突出する、単一ヌクレオチド突出を含む。支持鎖の末端ヌクレオチドは、リガーゼ酵素の基質として作用することができ、連結可能基、好ましくはリン酸基を含む。
工程2−ポリヌクレオチド連結分子の足場ポリヌクレオチドへの連結および所定の配列の第1のヌクレオチドの組み込み
方法の工程(2)において、二本鎖ポリヌクレオチド連結分子は、粘着末端連結反応におけるリガーゼ酵素の作用によって足場ポリヌクレオチドに連結される(502)。
ポリヌクレオチド連結分子は、支持鎖と、それにハイブリダイズされたヘルパー鎖と、を含む。ポリヌクレオチド連結分子は、支持鎖にユニバーサルヌクレオチドおよび所定の配列の第1のヌクレオチドを含む相補的連結末端をさらに含む。
ポリヌクレオチド連結分子の相補的連結末端は、支持鎖の末端ヌクレオチドが、任意の所与の合成サイクルにおいて足場ポリヌクレオチドに組み込まれる所定の配列の第1のヌクレオチドであるように構造化される。支持鎖の末端ヌクレオチドは、ヘルパー鎖の最後から2番目のヌクレオチドと対合する。相補的連結末端は、単一ヌクレオチド突出を含み、ヘルパー鎖の末端ヌクレオチドは、支持鎖の末端ヌクレオチドに突出する。支持鎖の末端ヌクレオチド、すなわち、そのサイクルの所定の配列の第1のヌクレオチドは、支持鎖+1中のヌクレオチド位置n+1を占める。位置nとは、第2のヌクレオチドの組み込み時にそのサイクルの所定の配列の第2のヌクレオチドとは反対になるヌクレオチド位置を意味する。位置n+1は、相補的連結末端に対する遠位方向において、位置nに対する次のヌクレオチド位置である。図5では、工程(2)において、所定の配列の第1のヌクレオチドはグアニンとして示され、所定の配列の第2のヌクレオチドはチミンとして示され、ヘルパー鎖の末端ヌクレオチドはチミンとして示され、ヘルパー鎖の最後から2番目のヌクレオチドはシトシンとして示される。これらのヌクレオチドは、純粋に例示のために示される。これらのヌクレオチドは、任意の好適なヌクレオチドであり得る。Xとして示されるヌクレオチドも、ユーザによって選択される任意の好適なヌクレオチドであり得る。
典型的には、相補的連結末端における支持鎖の末端ヌクレオチドは、ポリヌクレオチド連結分子の相補的連結末端の支持鎖の3’末端を定義する。
ポリヌクレオチド連結分子のヘルパー鎖の末端ヌクレオチドは、ポリヌクレオチド鎖中の別のポリヌクレオチドに連結することができないように構成される(図5の上部の右上に示される構造において「T」と標識された位置)。このヌクレオチドは、連結不可能な末端ヌクレオチドと呼ばれる。典型的には、この末端ヌクレオチドは、リン酸基を欠いており、すなわち、ヌクレオシドである。典型的には、ヘルパー鎖のこの末端ヌクレオチドは、ヘルパー鎖の5’末端を定義する。
ポリヌクレオチド連結分子の相補的連結末端では、支持鎖中のユニバーサルヌクレオチドは、ヘルパー鎖中のパートナーヌクレオチドと対合されるように、かつ支持鎖中のヌクレオチド位置n+3を占めるように、位置付けられる。位置n+3とは、相補的連結末端に対する遠位方向において、位置nに対する支持鎖中の第3のヌクレオチド位置を意味する。
突出相補的連結末端は、好適な連結条件に供されたときに、それが足場ポリヌクレオチドの突出末端と適合的に接合するように構成される。ポリヌクレオチド連結分子の支持鎖と足場ポリヌクレオチドとの連結時に、第1のヌクレオチドは、足場ポリヌクレオチドに組み込まれる。ポリヌクレオチド連結分子のヘルパー鎖の末端ヌクレオチドが連結不可能なヌクレオチドであるため、リガーゼ酵素は、ヘルパー鎖と合成鎖のプライマー鎖部分とが連結することを防止し、したがって、ヘルパー鎖と合成鎖のプライマー鎖部分との間に一本鎖切断または「ニック」を作成する。
足場ポリヌクレオチドへのポリヌクレオチド連結分子の連結は、工程(1)の二本鎖足場ポリヌクレオチドの支持鎖の長さを伸長し、所定のヌクレオチド配列の第1のヌクレオチドは、足場ポリヌクレオチドの支持鎖に組み込まれる。
支持鎖の連結は、任意の好適な手段によって行われ得る。連結は、典型的および好ましくは、リガーゼ活性を有する酵素によって行われ得る。例えば、連結は、本明細書でさらに記載されるT3 DNAリガーゼもしくはT4 DNAリガーゼまたはその機能的バリアントもしくは等価物を用いて行われ得る。ヘルパー鎖の末端ヌクレオチドは、例えば、末端リン酸基がないために、または連結不可能な基が存在するために、リガーゼの基質として作用することができないように提供されるため、このような酵素の使用は、合成鎖における一本鎖切断の維持をもたらす。
ポリヌクレオチド連結分子の足場ポリヌクレオチドへの連結後、所定のヌクレオチド配列の第1のヌクレオチドは、ヌクレオチド位置n+1を占めると称され、ユニバーサルヌクレオチドは、ヌクレオチド位置n+3を占めると称され、連結前に、プライマー鎖部分に対して近位方向にある足場ポリヌクレオチドの支持鎖の末端ヌクレオチドであったヌクレオチドは、ヌクレオチド位置nを占めると称される。
工程3−切断
方法の工程(3)において、連結された足場ポリヌクレオチドは、切断部位で切断される(504)。切断部位は、支持鎖中のユニバーサルヌクレオチドを含む配列によって定義される。切断は、足場ポリヌクレオチド中に二本鎖切断をもたらす。足場ポリヌクレオチドの切断(工程3)は、存在し、切断の直前に支持鎖にハイブリダイズされる場合、ヘルパー鎖の喪失、およびユニバーサルヌクレオチドを含む支持鎖の喪失をもたらす。
足場ポリヌクレオチドの切断は、それによって、足場ポリヌクレオチドからポリヌクレオチド連結分子を放出するが、対合されず、切断された足場ポリヌクレオチドの支持鎖に付着したそのサイクルの第1のヌクレオチドの保持につながる。足場ポリヌクレオチドの切断は、支持鎖の末端に所定の配列の第1のヌクレオチドを含む切断された二本鎖足場ポリヌクレオチドを所定の位置に残す。支持鎖の末端は、合成鎖のプライマー鎖部分の末端ヌクレオチドに突出する2つのヌクレオチドを有する、二ヌクレオチド突出を含む。したがって、支持鎖の切断された末端の末端ヌクレオチドである、そのサイクルの第1のヌクレオチドは、合成鎖のプライマー鎖部分の末端ヌクレオチドに突出する。
この例示的な方法では、合成鎖にすでに一本鎖切断または「ニック」が提供されており、したがって足場ポリヌクレオチドに二本鎖切断を提供するためには支持鎖の切断のみが必要である。ユニバーサルヌクレオチドが支持鎖中の位置n+3を占めるときにこのような突出する切断された二本鎖足場ポリヌクレオチドを得るために、支持鎖は、ユニバーサルヌクレオチドに対して特定の位置で切断される。足場ポリヌクレオチドの支持鎖がヌクレオチド位置n+2とn+1との間で切断される場合、ポリヌクレオチド連結分子は、そのサイクルの第1のヌクレオチドが、切断された足場ポリヌクレオチドの支持鎖に付着した足場ポリヌクレオチドに保持されることを除いて、足場ポリヌクレオチドから放出される(図5の上部の左上に示される構造を参照されたい)。
リン酸基は、切断部位で切断された足場ポリヌクレオチドの支持鎖の末端ヌクレオチドに付着され続けるべきである。これにより、次の合成サイクルの連結工程において、ポリヌクレオチド連結分子の支持鎖に切断された足場ポリヌクレオチドの支持鎖を確実に連結することができる。切断は、切断された足場ポリヌクレオチドの支持鎖の末端ヌクレオチドが連結可能基、好ましくは末端リン酸基を保持し、したがって、リン酸化工程が行われる必要がないように行われる。
したがって、方法のバージョン4では、ユニバーサルヌクレオチドは、工程(2)および(3)で支持鎖中の位置n+3を占め、支持鎖は、ヌクレオチド位置n+2とn+1との間で切断される。
好ましくは、支持鎖は、ヌクレオチド位置n+2とn+1との間のホスホジエステル結合(ヘルパー鎖に対する遠位方向/プライマー鎖に対する近位方向において、ユニバーサルヌクレオチドの位置に対する支持鎖の第1のホスホジエステル結合)の切断によって切断される。
支持鎖は、ヌクレオチド位置n+2とn+1との間のホスホジエステル結合の一方のエステル結合の切断によって切断され得る。
好ましくは、支持鎖はヌクレオチド位置n+2に対する第1のエステル結合の切断により切断される。これは、切断された足場ポリヌクレオチドの支持鎖上の切断位置で末端リン酸基を保持する効果を有するであろう。
ユニバーサルヌクレオチドが位置n+3を占める場合、任意の好適な機構を用いて、ヌクレオチド位置n+2とn+1との間の支持鎖の切断をもたらし得る。
上記に記載されるようなヌクレオチド位置n+2とn+1との間の支持鎖の切断は、酵素の作用によって行われ得る。
上記に記載されるように、ユニバーサルヌクレオチドが支持鎖中の位置n+3を占めるときの、ヌクレオチド位置n+2とn+1との間の支持鎖の切断は、エンドヌクレアーゼVなどの酵素の作用によって行われ得る。
支持鎖中の位置n+3を占めているユニバーサルヌクレオチドを含む配列によって定義される切断部位で、ヌクレオチド位置n+2とn+1との間で支持鎖を切断する1つの機構は、実施例3に類似の方法で記載されている。記載される機構は例示的であり、上記に記載される切断配置が達成されるという条件で、他の機構を用いることができる。
この例示的な機構では、エンドヌクレアーゼ酵素が用いられる。例示された方法では、酵素は、エンドヌクレアーゼVである。ユニバーサルヌクレオチドが、支持鎖中の位置n+3を占めるときに支持鎖がヌクレオチド位置n+2とn+1との間で切断されるという条件で、他の酵素、分子、または化学物質を使用することができる。
工程4−所定の配列の第2のヌクレオチドの組み込み
方法の工程(4)において、ポリヌクレオチド連結分子の足場ヌクレオチドへの連結後、次いで、所定の配列の第2のヌクレオチドが、プライマー鎖部分の伸長によって合成鎖に組み込まれる。
プライマー鎖部分の伸長は、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド分子を単一ヌクレオチドで伸長する能力を有する任意の好適な酵素の作用によって達成され得る。このような酵素は、典型的には、ヌクレオチドトランスフェラーゼ酵素またはポリメラーゼ酵素である。本明細書でさらに定義されるか、または当業者に既知の任意の好適な酵素を使用することができる。
工程(4)の間に組み込まれる所定の配列の第2のヌクレオチドは、酵素によるさらなる伸長を防止するか、または酵素によるさらなる伸長を防止する任意の他の類似の官能性を含む可逆的ターミネーター基を含む。本明細書でさらに定義されるか、または当業者に既知の任意の好適な可逆的ターミネーター基または官能基を使用することができる。
足場ポリヌクレオチドのプライマー鎖部分へのその組み込み時に、そのサイクルの所定の配列の第2のヌクレオチドは、パートナーヌクレオチドと対合して、そのサイクルのヌクレオチド対を形成する。ヌクレオチド対は、本明細書にさらに定義されるような任意の好適なヌクレオチド対であり得る。
工程5−脱保護
本発明のこの例示的な方法のバージョンでは、すべてのバージョンと同様に、隣のヌクレオチドを次の合成サイクルに組み込むことを可能にするために、可逆的ターミネーター基を第1のヌクレオチドから除去しなければならない(脱保護工程;505)。酵素および残りの組み込まれていない第2のヌクレオチドは、同じ合成サイクルにおける第2のヌクレオチドの多重組み込みを防止するために、工程(5)の後に最初に除去されるべきである。
第1のヌクレオチドからの可逆的ターミネーター基の除去は、当業者に既知の任意の好適な手段によって行われ得る。例えば、除去は、トリス(カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)などの化学物質の使用によって行われ得る。
さらなるサイクル
第1の合成サイクルの完了後、第2およびさらなる合成サイクルは、同じ方法の工程を使用して行われ得る。
前のサイクルの工程(3)、(4)、および(5)の切断生産物は、次の合成サイクルのための二本鎖足場ポリヌクレオチドとして提供される(工程6において)。
次のおよび各さらなる合成サイクルの工程(6)において、さらなる二本鎖ポリヌクレオチド連結分子が、前のサイクルの工程(3)、(4)、および(5)の切断生産物に連結される。ポリヌクレオチド連結分子は、ポリヌクレオチド連結分子がさらなる合成サイクルの第1のヌクレオチドを含むことを除いて、前のサイクルの工程(2)について上記に記載されるのと同じ方法で構造化され得る。ポリヌクレオチド連結分子は、工程(2)について上記に記載されるのと同じ方法で、前のサイクルの工程(3)、(4)、および(5)の切断生産物に連結され得る。
次のおよび各さらなる合成サイクルの工程(7)において、連結された足場ポリヌクレオチドは、切断部位で切断される。切断は、足場ポリヌクレオチド中に二本鎖切断をもたらす。足場ポリヌクレオチドの切断(工程7)は、存在し、切断の直前に支持鎖にハイブリダイズされる場合、ヘルパー鎖の喪失、およびユニバーサルヌクレオチドを含む支持鎖の喪失をもたらす。足場ポリヌクレオチドの切断は、それによって、足場ポリヌクレオチドからさらなるポリヌクレオチド連結分子を放出するが、対合されず、切断された足場ポリヌクレオチドの支持鎖に付着したそのさらなるサイクルの第1のヌクレオチドの保持につながる。足場ポリヌクレオチドの切断は、足場ポリヌクレオチドの支持鎖の末端にさらなるサイクルの第1のヌクレオチドを含む切断された二本鎖足場ポリヌクレオチドを所定の位置に残す。支持鎖の末端は、合成鎖のプライマー鎖部分の末端ヌクレオチドに突出する2つのヌクレオチドを有する、二ヌクレオチド突出を含む。したがって、支持鎖の切断された末端の末端ヌクレオチドである、そのさらなるサイクルの第1のヌクレオチドは、合成鎖のプライマー鎖部分の末端ヌクレオチドに突出する。工程(7)における切断は、工程(3)について上記に記載されるのと同じ方法で行われ得る。
次のおよび各さらなる合成サイクルの工程(8)において、二本鎖足場ポリヌクレオチドの合成鎖のプライマー鎖部分の末端は、ヌクレオチドトランスフェラーゼ酵素、ポリメラーゼ酵素、または他の酵素の作用によるさらなる合成サイクルの第2のヌクレオチドの組み込みによりさらに伸長される。さらなる合成サイクルの第2のヌクレオチドは、工程(4)について上記に記載されるのと同じ方法で組み込まれ得る。
工程(9)では、可逆的ターミネーター基は、さらなるサイクルの第2のヌクレオチドから除去される(脱保護工程;509)。次のサイクルおよびさらなるサイクルにおける可逆的ターミネーター基の除去による脱保護は、第1の合成サイクルに関して上記に記載されるように行われ得る。
合成サイクルは、上記に記載されるように、所定のヌクレオチド配列を有する二本鎖ポリヌクレオチドを合成するのに必要な回数だけ繰り返される。
合成方法のバージョン4の変形例
上記に記載される方法に加えて、合成方法のバージョン4の変形例が提供され、本方法は、以下の変形例を除いて、上記に記載される合成方法のバージョン4と同じ方法で行われる。
第1のサイクルの連結工程(工程2)において、ポリヌクレオチド連結分子の相補的連結末端は、ユニバーサルヌクレオチドが代わりに、支持鎖中のヌクレオチド位置n+3+xを占めるように、かつ相補的連結末端でヘルパー鎖の末端ヌクレオチドから除去された3+x位置であるヘルパー鎖中のパートナーヌクレオチドと対合されるように、構造化され、ヌクレオチド位置n+3は、相補的連結末端に対する遠位方向において、ヌクレオチド位置nに対する支持鎖中の第3のヌクレオチド位置である。
第1のサイクルの切断工程(工程3)において、ユニバーサルヌクレオチドは代わりに、足場ポリヌクレオチドの支持鎖中のヌクレオチド位置n+3+xを占め、ヌクレオチド位置n+3は、ヘルパー鎖に対する近位方向/プライマー鎖部分に対する遠位方向において、ヌクレオチド位置nに対する支持鎖中の第3のヌクレオチド位置であり、足場ポリヌクレオチドの支持鎖は、位置n+2とn+1との間で切断される。
第2のサイクルの連結工程(工程6)において、およびすべてのさらなるサイクルの連結工程において、ポリヌクレオチド連結分子の相補的連結末端は、ユニバーサルヌクレオチドが、支持鎖中のヌクレオチド位置n+3+xを占めるように、かつ相補的連結末端でヘルパー鎖の末端ヌクレオチドから除去された3+x位置であるパートナーヌクレオチドと対合されるように、構造化され、ヌクレオチド位置n+3は、相補的連結末端に対する遠位方向において、ヌクレオチド位置nに対する支持鎖中の第3のヌクレオチド位置である。
最後に、第2のサイクルの切断工程(工程7)において、およびすべてのさらなるサイクルの切断工程において、ユニバーサルヌクレオチドは代わりに、足場ポリヌクレオチドの支持鎖中のヌクレオチド位置n+3+xを占め、ヌクレオチド位置n+3は、ヘルパー鎖に対する近位方向/プライマー鎖部分に対する遠位方向において、ヌクレオチド位置nに対する支持鎖中の第3のヌクレオチド位置であり、足場ポリヌクレオチドの支持鎖は、位置n+2とn+1との間で切断される。
これらの変形例の方法のすべてにおいて、xは、1〜10以上の間の整数であり、xは、所与の一連のサイクルの工程(2)、(3)、(6)、および(7)で同じ整数である。
合成方法のバージョン4と同様に、バージョン4に基づく変形例の方法では、任意の所与のサイクルにおいて、連結後、ならびに組み込みおよび切断工程の間の、支持鎖中のそのサイクルの第1のヌクレオチドによって占められるヌクレオチド位置が、ヌクレオチド位置n+1として定義され、所与の合成サイクルの完了時の、切断された足場ポリヌクレオチドの支持鎖中のそのサイクルの第1のヌクレオチドによって占められる位置が、次の合成サイクルにおいてヌクレオチド位置nとして定義されることに留意されたい。
したがって、合成方法のバージョン4のこれらの特定の変形例において、ヌクレオチド位置nに対する切断部位の位置は一定に保持され、ヌクレオチド位置nに対するユニバーサルヌクレオチドの位置は、ヘルパー鎖に対する近位方向/プライマー鎖部分に対する遠位方向において、ユニバーサルヌクレオチドの位置を、xに対して選択された数によって決定されるいくつかのヌクレオチド位置だけ移動することによって増加される。
これらの変形例の方法の概略図を図6に提供する。
合成方法のバージョン3および4のさらなる変形例
上記に記載される変形例に加えて、合成方法のバージョン3および4のさらなる変形例である方法が提供される。これらの方法は、以下に記載される変形例を除いて、上記に記載される合成方法のバージョン3および4と同じ方法で行われる。合成方法のバージョン3および4のこれらのさらなる変形例は、すぐ下に記載される同じ一般的なフォーマットに従って行われる。合成方法のバージョン3のさらなる変形例と合成方法のバージョン4のさらなる変形例との間の相違は、ヌクレオチド位置nに対するユニバーサルヌクレオチドの位置付けにおけるものである。
合成方法のバージョン3および4のさらなる変形例のための一般的なフォーマット。
第1のサイクルの工程(1)において、足場ポリヌクレオチドは、プライマー鎖部分に対して近位にある足場ポリヌクレオチドの支持鎖の末端が、1+yヌクレオチドを含む多重ヌクレオチド突出を含むように提供される。yに対して選択される数は、1以上の整数である。したがって、突出は、2つ以上のヌクレオチドを含む。支持鎖の1+yヌクレオチドは、プライマー鎖部分の末端ヌクレオチドに突出する。
突出の第1のヌクレオチドと称されるヌクレオチドは、突出の末端に対して遠位にある突出中の位置を占める。言い換えれば、プライマー鎖部分の末端ヌクレオチドに対するパートナーヌクレオチドであるヌクレオチドの隣の支持鎖中のヌクレオチド位置を占める、対合されていないヌクレオチドである。突出の第2のヌクレオチドは、突出の末端に対する近位方向において、突出の第1のヌクレオチドの隣のヌクレオチド位置を占める、対合していないヌクレオチドである。したがって、最小突出長が2つのヌクレオチドの場合、突出の第2のヌクレオチドが、突出支持鎖の末端ヌクレオチドである。突出の第1のヌクレオチドは、ヌクレオチド位置nを占め、工程(3)で組み込まれたその第1のサイクルの第2のヌクレオチドに対するパートナーヌクレオチドである。突出の第2のヌクレオチドは、ヌクレオチド位置n+1を占め、工程(7)で組み込まれた次の/第2の合成のサイクルの第2のヌクレオチドに対するパートナーヌクレオチドである。
第1のサイクルの工程(2)において、ヘルパー鎖の末端が、1+yヌクレオチドを含む多重ヌクレオチド突出も含むように、ポリヌクレオチド連結分子の相補的連結末端が提供され、yは、1以上である整数である。したがって、相補的連結末端中の突出も、2つ以上のヌクレオチドを含む。相補的連結末端のヘルパー鎖の1+yヌクレオチドは、支持鎖の末端ヌクレオチドに突出し、足場ポリヌクレオチドの支持鎖の1+y突出ヌクレオチドに対するパートナーヌクレオチドである。
任意の所与の合成サイクルにおいて、yに対して選択される数は、足場ポリヌクレオチドおよび相補的連結末端の両方の突出に関して同じ数であることが好ましい。そうである場合、ポリヌクレオチド連結分子が足場ポリヌクレオチドに連結されるとき、すべての前の突出ヌクレオチドは、対応するパートナーヌクレオチドと対を形成する。yに対して選択された数が、足場ポリヌクレオチドおよび相補的連結末端の両方の突出に関して異なる数である場合、ポリヌクレオチド連結分子の相補的連結末端におけるyに対して選択される数は、足場ポリヌクレオチドにおけるyに対して選択される数よりも少ないことが好ましい。そうである場合、ポリヌクレオチド連結分子が足場ポリヌクレオチドに連結されるとき、突出ヌクレオチドの一部が、対応するパートナーヌクレオチドと対を形成する。これは、ニック部位に隣接する足場ポリヌクレオチドの支持鎖のヌクレオチドのうちの1つ以上を対合させないままにする。これは、組み込み/伸長工程の間に、トランスフェラーゼ、ポリメラーゼ、または他の酵素がプライマー鎖部分の末端ヌクレオチドへのアクセスを得ることを促進し得る。
相補的連結末端の支持鎖の末端ヌクレオチドは、そのサイクルの第1のヌクレオチドであり、ヌクレオチド位置n+2+xを占め、第3の合成サイクルで形成された異なるヌクレオチド対におけるパートナーヌクレオチドである。xに対して選択される数は、0以上である整数である。
xに対して選択される数は、足場ポリヌクレオチド−1に関して、yに対して選択される数である。したがって、足場ポリヌクレオチドにおける突出に関して、y=1の場合、足場ポリヌクレオチドにおける突出の長さは、2である。足場ポリヌクレオチドの末端ヌクレオチドは、位置n+1を占める。y=1の場合、x=0である。したがって、相補的連結末端の支持鎖の末端ヌクレオチド、すなわち、そのサイクルの所定の配列の第1のヌクレオチドは、ヌクレオチド位置n+2を占める。足場ポリヌクレオチドにおける突出に関して、y=2の場合、足場ポリヌクレオチドにおける突出の長さは、3である。足場ポリヌクレオチドの末端ヌクレオチドは、位置n+2を占める。y=2の場合、x=1である。したがって、相補的連結末端の支持鎖の末端ヌクレオチド、すなわち、そのサイクルの所定の配列の第1のヌクレオチドは、ヌクレオチド位置n+3を占めるなどである。
工程(2)と同様に、工程(6)において、足場ポリヌクレオチドは、プライマー鎖部分に対して近位にある足場ポリヌクレオチドの支持鎖の末端が、1+yヌクレオチドを含む多重ヌクレオチド突出を含むように提供され、yは、1以上である整数である。したがって、突出は、2つ以上のヌクレオチドを含む。支持鎖の1+yヌクレオチドは、プライマー鎖部分の末端ヌクレオチドに突出する。
突出の第1のヌクレオチドと称されるヌクレオチドは、突出の末端に対して遠位にある突出中の位置を占める。突出の第2のヌクレオチドは、突出の末端に対する近位方向において、突出の第1のヌクレオチドの隣のヌクレオチド位置を占める、対合していないヌクレオチドである。したがって、最小突出長が2つのヌクレオチドの場合、突出の第2のヌクレオチドが、突出支持鎖の末端ヌクレオチドである。突出の第1のヌクレオチドは、ヌクレオチド位置nを占め、工程(8)で組み込まれた今の/第2のサイクルの第2のヌクレオチドに対するパートナーヌクレオチドである。突出の第2のヌクレオチドは、ヌクレオチド位置n+1を占め、次の/第3の合成のサイクルの第2のヌクレオチドに対するパートナーヌクレオチドである。
工程(6)において、ヘルパー鎖の末端が、1+yヌクレオチドを含む多重ヌクレオチド突出も含むように、ポリヌクレオチド連結分子の相補的連結末端が提供され、yは、1以上である整数である。したがって、相補的連結末端中の突出も、2つ以上のヌクレオチドを含む。相補的連結末端のヘルパー鎖の1+yヌクレオチドは、支持鎖の末端ヌクレオチドに突出し、足場ポリヌクレオチドの支持鎖の1+y突出ヌクレオチドに対するパートナーヌクレオチドである。
工程(2)と同様に、任意の所与のさらなる合成サイクルにおいて、工程(6)においてyに対して選択される数は、足場ポリヌクレオチドおよび相補的連結末端の両方の突出に関して同じ数であることが好ましい。yに対して選択された数が、足場ポリヌクレオチドおよび相補的連結末端の両方の突出に関して異なる数である場合、ポリヌクレオチド連結分子の相補的連結末端におけるyに対して選択される数は、足場ポリヌクレオチドにおけるyに対して選択される数よりも少ないことが好ましい。
相補的連結末端の支持鎖の末端ヌクレオチドは、そのサイクルの第1のヌクレオチドであり、ヌクレオチド位置n+2+xを占め、第4のまたはさらなる合成サイクルで形成された異なるヌクレオチド対におけるパートナーヌクレオチドである。xに対して選択される数は、0以上である整数である。
先に示されるように、任意の所与のサイクルまたは一連のさらなるサイクルにおいて、xに対して選択される数は、足場ポリヌクレオチド−1に関して、yに対して選択される数である。したがって、足場ポリヌクレオチドにおける突出に関して、y=1の場合、足場ポリヌクレオチドにおける突出の長さは、2である。足場ポリヌクレオチドの末端ヌクレオチドは、位置n+1を占める。y=1の場合、x=0である。したがって、相補的連結末端の支持鎖の末端ヌクレオチド、すなわち、そのサイクルの所定の配列の第1のヌクレオチドは、ヌクレオチド位置n+2を占める。足場ポリヌクレオチドにおける突出に関して、y=2の場合、足場ポリヌクレオチドにおける突出の長さは、3である。足場ポリヌクレオチドの末端ヌクレオチドは、位置n+2を占める。y=2の場合、x=1である。したがって、相補的連結末端の支持鎖の末端ヌクレオチド、すなわち、そのサイクルの所定の配列の第1のヌクレオチドは、ヌクレオチド位置n+3を占めるなどである。
任意の所与のサイクルにおいて、連結後、ならびに組み込みおよび切断工程の間の、支持鎖中のそのサイクルの第1のヌクレオチドによって占められるヌクレオチド位置は、ヌクレオチド位置n+2+xとして定義され、所与の合成サイクルの完了時の、切断された足場ポリヌクレオチドの支持鎖中のそのサイクルの第1のヌクレオチドによって占められる位置は、足場ポリヌクレオチドの支持鎖中の二重ヌクレオチド突出の場合、次の合成サイクルにおいてヌクレオチド位置n+1として定義されるか、または足場ポリヌクレオチドの支持鎖中の三重ヌクレオチド突出の場合、次の合成サイクルにおいてヌクレオチド位置n+2として定義されるなどであることに留意されたい。
したがって、合成方法のバージョン3および4のこれらの特定の変形例において、ユニバーサルヌクレオチドの位置およびヌクレオチド位置nに対する切断部位の位置は、ヘルパー鎖に対する近位方向/プライマー鎖部分に対する遠位方向において、ユニバーサルヌクレオチドの位置および切断部位の位置を、xに対して選択された数によって決定されるいくつかのヌクレオチド位置だけ移動することによって増加される。
合成方法のバージョン3のさらなる変形例のための特定のフォーマット。
本発明はさらに、合成方法のバージョン3の特定のさらなる変形例を提供する。この変形例の方法は、以下の追加の特徴と共に、上記に記載される合成方法のバージョン3および4のさらなる変形例のための一般的なフォーマットに従って行われる。
第1およびさらなるサイクルの両方において、ユニバーサルヌクレオチドは、ポリヌクレオチド連結分子および連結された足場ポリヌクレオチドの両方において、位置n+3+xを占め、足場ポリヌクレオチドは、位置n+3+xとn+2+xとの間で切断される。
これらの変形例の方法の概略図を図7に提供する。この図において、垂直の二重線構造の存在は、足場ポリヌクレオチドの突出支持鎖およびポリヌクレオチド連結分子の相補的連結末端の突出支持鎖の両方における1つ以上のさらなるヌクレオチドの存在の可能性を表す。足場ポリヌクレオチドの突出支持鎖の末端ヌクレオチドは、末端リン酸基などの末端連結可能基を有する。
合成方法のバージョン4のさらなる変形例のための特定のフォーマット。
本発明はさらに、合成方法のバージョン4の特定のさらなる変形例を提供する。この変形例の方法は、以下の追加の特徴と共に、上記に記載される合成方法のバージョン3および4のさらなる変形例のための一般的なフォーマットに従って行われる。
第1およびさらなるサイクルの両方において、ユニバーサルヌクレオチドは、ポリヌクレオチド連結分子および連結された足場ポリヌクレオチドの両方において、位置n+4+xを占め、足場ポリヌクレオチドは、位置n+3+xとn+2+xとの間で切断される。
これらの変形例の方法の概略図を図8に提供する。この図において、垂直の二重線構造の存在は、足場ポリヌクレオチドの突出支持鎖およびポリヌクレオチド連結分子の相補的連結末端の突出支持鎖の両方における1つ以上のさらなるヌクレオチドの存在の可能性を表す。足場ポリヌクレオチドの突出支持鎖の末端ヌクレオチドは、末端リン酸基などの末端連結可能基を有する。
1サイクル当たり3つ以上のヌクレオチドの組み込みを伴う合成方法のバージョン1、2、3、および4の変形例
本発明はさらに、上記に記載される特定のバージョン1、2、3、および4、ならびにそれらの変形例に基づくまたさらに追加の変形例の方法を含む、1サイクル当たり3つ以上のヌクレオチドが組み込まれる、またさらに追加の変形例の方法を提供する。これらのまたさらにさらなる変形例の方法のいずれかは、以下の修正が行われ得ることを除いて、上記に記載されるように行われ得る。
工程(2)において、ポリヌクレオチド連結分子には、第1のサイクルの所定の配列の第1のヌクレオチドを含み、第1のサイクルの所定の配列の1つ以上のさらなるヌクレオチドをさらに含む、相補的連結末端が提供される。次いで、ポリヌクレオチド連結分子が、足場ポリヌクレオチドに連結される。第1のサイクルの所定の配列の第1のヌクレオチドは、相補的連結末端の支持鎖の末端ヌクレオチドである。相補的連結末端は、好ましくは、第1のサイクルの所定の配列の第1およびさらなるヌクレオチドが、ヌクレオチドの直鎖状配列を含むように構造化され、配列中の各ヌクレオチドは、相補的連結末端に対する遠位方向において、支持鎖中の次のヌクレオチド位置を占める。
ポリヌクレオチド連結分子の相補的連結末端は、切断前の工程(3)において、ユニバーサルヌクレオチドが、相補的連結末端に対する遠位方向において、第1およびさらなるヌクレオチドのヌクレオチド位置の後である支持鎖中の位置を占めるように構造化される。
切断後の工程(3)において、第1のサイクルの所定の配列の第1およびさらなるヌクレオチドは、切断された足場ポリヌクレオチドにおいて保持される。
工程(4)において、二本鎖足場ポリヌクレオチドの合成鎖のプライマー鎖部分の末端は、ヌクレオチドトランスフェラーゼまたはポリメラーゼ酵素の作用による、第1のサイクルの所定の配列の第2のヌクレオチドの組み込みにより伸長され、プライマー鎖部分の末端は、ヌクレオチドトランスフェラーゼまたはポリメラーゼ酵素の作用による、第1のサイクルの所定の配列の1つ以上のさらなるヌクレオチドの組み込みによりさらに伸長され、第1のサイクルの第2およびさらなるヌクレオチドのそれぞれは、酵素によるさらなる伸長を防止する可逆的ターミネーター基を含み、各さらなる伸長後、可逆的ターミネーター基は、次のヌクレオチドの組み込みの前の脱保護工程(工程5)において、ヌクレオチドから除去される。
工程(6)において、ポリヌクレオチド連結分子には、さらなるサイクルの所定の配列の第1のヌクレオチドを含み、さらなるサイクルの所定の配列の1つ以上のさらなるヌクレオチドをさらに含む、相補的連結末端が提供される。工程(2)と同様に、次いで、ポリヌクレオチド連結分子が、足場ポリヌクレオチドに連結される。工程(2)と同様に、さらなるサイクルの所定の配列の第1のヌクレオチドは、相補的連結末端の支持鎖の末端ヌクレオチドである。相補的連結末端は、好ましくは、さらなるサイクルの所定の配列の第1およびさらなるヌクレオチドが、ヌクレオチドの直鎖状配列を含むように構造化され、配列中の各ヌクレオチドは、相補的連結末端に対する遠位方向において、支持鎖中の次のヌクレオチド位置を占める。
工程(6)において、二本鎖足場ポリヌクレオチドの合成鎖のプライマー鎖部分の末端は、ヌクレオチドトランスフェラーゼまたはポリメラーゼ酵素の作用による、さらなるサイクルの所定の配列の第2のヌクレオチドの組み込みにより伸長され、プライマー鎖部分の末端は、ヌクレオチドトランスフェラーゼまたはポリメラーゼ酵素の作用による、さらなるサイクルの所定の配列の1つ以上のさらなるヌクレオチドの組み込みによりさらに伸長され、さらなるサイクルの第2およびさらなるヌクレオチドのそれぞれは、酵素によるさらなる伸長を防止する可逆的ターミネーター基を含み、各さらなる伸長後、可逆的ターミネーター基は、次のヌクレオチドの組み込み前にヌクレオチドから除去される。
切断後の工程(7)において、さらなるサイクルの所定の配列の第1およびさらなるヌクレオチドは、切断された足場ポリヌクレオチドにおいて保持される。
工程(8)において、二本鎖足場ポリヌクレオチドの合成鎖のプライマー鎖部分の末端は、ヌクレオチドトランスフェラーゼまたはポリメラーゼ酵素の作用による、さらなるサイクルの所定の配列の第2のヌクレオチドの組み込みにより伸長され、プライマー鎖部分の末端は、ヌクレオチドトランスフェラーゼまたはポリメラーゼ酵素の作用による、さらなるサイクルの所定の配列の1つ以上のさらなるヌクレオチドの組み込みによりさらに伸長され、さらなるサイクルの第2およびさらなるヌクレオチドのそれぞれは、酵素によるさらなる伸長を防止する可逆的ターミネーター基を含み、各さらなる伸長後、可逆的ターミネーター基は、次のヌクレオチドの組み込み前にヌクレオチドから除去される。
これらの変形例の方法のうちのいずれにおいても、ポリヌクレオチド連結分子の相補的連結末端は、切断前の工程(3)および(7)において、ユニバーサルヌクレオチドが、相補的連結末端に対する遠位方向において、第1およびさらなるヌクレオチドのヌクレオチド位置の後の、支持鎖中の次のヌクレオチド位置である支持鎖中の位置を占めるように、かつ支持鎖が、最後のさらなるヌクレオチドによって占められる位置と、ユニバーサルヌクレオチドによって占められる位置との間で切断されるように、構造化される。
任意の所与の合成サイクルにおけるこれらの変形例の方法では、切断前に、支持鎖において、所定の配列の第1のヌクレオチドによって占められる位置は、位置nと呼ばれ得、支持鎖において、所定の配列の第1のさらなるヌクレオチドによって占められる位置は、位置n+1と呼ばれ得、ユニバーサルヌクレオチドによって占められる位置は、位置n+1+xと呼ばれ得、xは、0〜10以上の整数であり、xは、支持鎖が1つのさらなるヌクレオチドのみを含む場合は0であり、xは、支持鎖が2つのさらなるヌクレオチドのみを含む場合は1であるなどである。
これらの変形例の方法の概略図は、図9に提供され、上記に記載されるような本発明の合成方法のバージョン1の適応に基づいている。したがって、示される方法は、平滑末端連結反応を含む。
これらの変形例の方法のさらなる概略図は、図10に提供され、上記に記載されるような本発明の合成方法のバージョン3の適応に基づいている。したがって、示される方法は、粘着末端連結反応を含む。
これらの変形例の方法のうちのいずれにおいても、ポリヌクレオチド連結分子の相補的連結末端は、あるいは、切断前の工程(3)および(7)において、ユニバーサルヌクレオチドが、相補的連結末端に対する遠位方向において、第1およびさらなるヌクレオチドのヌクレオチド位置の後の、支持鎖中の次+1のヌクレオチド位置である支持鎖中の位置を占めるように、かつ支持鎖が、あるいは、最後のさらなるヌクレオチドによって占められる位置と、支持鎖中の次のヌクレオチドによって占められる位置(すなわち、ユニバーサルヌクレオチドに対して遠位である)との間で切断されるように、構造化される。
任意の所与の合成サイクルにおけるこれらの変形例の方法では、切断前に、支持鎖において、所定の配列の第1のヌクレオチドによって占められる位置は、位置nと呼ばれ得、支持鎖において、所定の配列の第1のさらなるヌクレオチドによって占められる位置は、位置n+1と呼ばれ得、ユニバーサルヌクレオチドによって占められる位置は、位置n+1+xと呼ばれ得、xは、0〜10以上の整数であり、xは、支持鎖が1つのさらなるヌクレオチドのみを含む場合は0であり、xは、支持鎖が2つのさらなるヌクレオチドのみを含む場合は1であるなどである。
上記に記載されるような本発明の合成方法のバージョン1の適応に基づいて図9に示される一般的な変形例のスキームは、支持鎖が、あるいは、支持鎖中の最後のさらなるヌクレオチドによって占められる位置と、支持鎖中の次のヌクレオチドによって占められる位置(すなわち、ユニバーサルヌクレオチドに対して遠位である)との間で切断されるように、等しく適合され得る。したがって、このような適応は、上記に記載されるような本発明の合成方法のバージョン2に基づくであろう。
上記に記載されるような本発明の合成方法のバージョン3の適応に基づいて図10に示される一般的な変形例のスキームは、支持鎖が、あるいは、支持鎖中の最後のさらなるヌクレオチドによって占められる位置と、ユニバーサルヌクレオチドに対して遠位である、支持鎖中の次のヌクレオチドによって占められる位置との間で切断されるように、等しく適合され得る。したがって、このような適応は、上記に記載されるような本発明の合成方法のバージョン4に基づくであろう。
第1およびさらなる合成サイクルの間のさらなるヌクレオチドの組み込みに対応するために、各第1および第2のヌクレオチドに加えて、ヌクレオチド位置nに対するユニバーサルヌクレオチドの配置の観点から、ポリヌクレオチド連結分子の相補的連結末端の構成に通例の適合を行う必要があり得ることが理解されるであろう。本明細書に記載および定義される本発明のすべての方法において、ヌクレオチド位置nは、常に、その組み込みの前または組込み時に、任意の所与のサイクルの所定の配列の第2のヌクレオチドとは反対であるか、または反対になる支持鎖中のヌクレオチド位置である。したがって、当業者は、第1およびさらなる合成サイクルのさらなるヌクレオチドの組み込みに対応するように、方法のバージョンおよびそれらの変形例のうちのいずれかを適応させるために、ユニバーサルヌクレオチドの位置付けおよびヌクレオチド位置nに対する切断部位の選択に対する通例の修正を容易に行うことができる。
以下の実施例は、本発明によるポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドを合成するための方法、ならびにその方法において使用される例示的な構築物の支持を提供する。実施例は本発明を限定しない。
実施例13以外に、以下の実施例は、本発明による合成方法に関連するが、その範囲内にない反応スキームによる合成方法を説明する。
実施例は、所定の配列のヌクレオチドの足場ポリヌクレオチドの合成鎖への付加、ユニバーサルヌクレオチドによって定義される切断部位での足場ポリヌクレオチドの切断、ならびに所定の配列の付加されたヌクレオチドのパートナーヌクレオチド、および次の合成サイクルで使用するための切断部位の作成に使用するための新たなユニバーサルヌクレオチドを含むポリヌクレオチド連結分子の連結の工程を伴う合成反応を行う能力を示す。本発明の方法は、これらの工程を修正された内容で組み込む。したがって、実施例13以外に、以下の実施例は、本明細書で定義される本発明の方法の例示的な支持を提供する。実施例13は、本発明の方法、例えば、本発明の合成方法のバージョン1〜4およびそれらの変形例(図1〜10)による組み込み工程を使用した、Therminator X DNAポリメラーゼによる3’−O修飾−dNTPの組み込みに関するデータを提供する。
以下の実施例および対応する図17〜55では、合成方法の「バージョン1、2、および3」または「バージョン1、2、または3の化学」などへの言及は、それぞれ図11、12、および13に記載される反応の概略図に従って解釈されるべきであり、図1〜10のうちのいずれかに示される反応の概略図または本明細書の同じ説明には従わない。実施例13および図56は、本発明の合成方法に従って解釈されるべきである。特に、本発明1、2、3、および4の合成方法ならびにそれらの変形例、および図1〜10に示される関連する反応の概略図、より具体的には、このような方法の組み込み工程4による。
実施例1.ヘルパー鎖の不在下での合成。
この実施例は、4つの工程:部分二本鎖DNA上への3’−O−修飾dNTPの組み込み、切断、連結、および脱保護を使用したポリヌクレオチドの合成を記載しており、第1の工程は、ユニバーサルヌクレオチド、この特定の場合はイノシンと反対側で起こる。
工程1:組み込み
第1の工程は、DNAポリメラーゼによる酵素的組み込みによるオリゴヌクレオチドへの3’−O−保護単一ヌクレオチドの制御された付加を記載する(図17a)。
材料および方法
材料
1.Jian Wu:Molecular Engineering of Novel Nucleotide Analogues for DNA Sequencing by Synthesis,Columbia University,2008のPhD論文に記載されるプロトコルに従って、3’−O−修飾dNTPを社内で合成した。合成のためのプロトコルはまた、米国特許出願公開:J.William Efcavitch,Juliesta E.Sylvester,Modified Template−Independent Enzymes for Polydeoxynucleotide Synthesis,Molecular Assemblies US2016/0108382A1にも記載されている。
2.オリゴヌクレオチドを社内で設計し、Sigma−Aldrichから入手した(図17h)。原液を100μMの濃度で調製した。
3.3−O−修飾dNTPを組み込む能力が増強された、New England BioLabsによって操作されたTherminator IX DNAポリメラーゼを使用した。しかしながら、修飾dNTPを組み込むことができる任意のDNAポリメラーゼを使用することができる。
2種類の可逆的ターミネーターを試験した。
Figure 2021529551
方法
1.2μlの10×Thermopol(登録商標)緩衝液(20mMのトリス−HCl、10mMの(NHSO、10mMのKCl、2mMのMgSO、0.1%のTriton(登録商標)X−100、pH8.8、New England BioLabs)を、1.5mlのエッペンドルフチューブ中の12.25μlの滅菌脱イオン水(ELGA VEOLIA)と混合した。
2.0.5μlの10μMプライマー(合成鎖)(5pmol、1当量)(配列番号1、図17h)および0.75μlの10μM鋳型(支持鎖)(6pmol、1.5当量)(配列番号2、図17h)を反応混合物に加えた。
3.3’−O−修飾−dTTP(2μlの100μM)およびMnCl(1μlの40mM)を加えた。
4.次に、1.5μlのTherminator IX DNAポリメラーゼ(15U、New England BioLabs)を加えた。しかしながら、修飾dNTPを組み込むことができる任意のDNAポリメラーゼを使用することができる。
5.反応物を65℃で20分間インキュベートした。
6.TBE−尿素試料緩衝液(Novex)を加えて反応を停止させた。
7.反応物を、TBE緩衝液を含むポリアクリルアミドゲル(15%)上で分離し、ChemiDoc MP撮像システム(BioRad)によって可視化した。
ゲル電気泳動およびDNAの可視化
1.5μlの反応混合物を滅菌1.5mlのエッペンドルフチューブ中の5μlのTBE−尿素試料緩衝液(Novex)に加え、熱ThermoMixer(Eppendorf)を使用して5分間95℃まで加熱した。
2.次に、5μlの試料を、予熱した1×TBE緩衝液Thermo Scientific(89mMのトリス、89mMのホウ酸、および2mMのEDTA)を含有する15%のTBE−尿素ゲル1.0mm×10ウェル(Invitrogen)のウェルに入れた。
3.X−cell sure lockモジュール(Novex)を適所に固定し、以下の条件、室温で40分間、260V、90Aで電気泳動を行った。
4.ゲルを、Cy3 LEDを使用してChemiDoc MP(BioRad)によって可視化した。可視化および分析は、Image lab 2.0プラットフォーム上で実施した。
結果
New England BioLabs製のカスタマイズされて操作されたTherminator IX DNAポリメラーゼは、ユニバーサルヌクレオチド、例えばノシンと反対に3’−O−修飾−dNTPを組み込むことができる効率的なDNAポリメラーゼである(図17b〜c)。
イノシンと反対の効率的な組み込みは、65℃の温度で起こった(図17d〜e)。
イノシンと反対の3’−O−修飾−dTTPの組み込みは、Mn2+イオンの存在を必要とする(図17f〜g)。成功した転化は、図17c、e、g、およびhにおいて太字でマークされている。
結論
イノシンと反対側の3−O−修飾−dTTPの組み込みは、Mn2+イオンの存在下で65℃の温度で、New England BioLabs製のカスタマイズされて操作されたTherminator IX DNAポリメラーゼを使用して特に高い効率で達成され得る。
工程2:切断
第2の工程は、hAAG/Endo VIIIまたはhAAG/化学塩基のいずれかによるポリヌクレオチドの2工程切断を記載する(図18a)。
材料および方法
材料
1.実施例1で利用されたオリゴヌクレオチドを社内で設計し、Sigma Aldrichによって合成した(配列については図18(e)の表を参照されたい)。
2.滅菌蒸留水(ELGA VEOLIA)を使用して、オリゴヌクレオチドを100μMのストック濃度に希釈した。
方法
以下の手順を使用して、オリゴヌクレオチド上の切断反応を実施した。
1.ピペット(Gilson)を使用して、41μlの滅菌蒸留水(ELGA VEOLIA)を1.5mlのエッペンドルフチューブに移した。
2.次に、5μlの10×ThermoPol(登録商標)反応緩衝液NEB(20mMのトリス−HCl、10mMの(NHSO、10mMのKCl、2mMのMgSO、0.1%のTriton(登録商標)X−100、pH8.8)を同じエッペンドルフチューブに加えた。
3.各1μlのオリゴヌクレオチド(図18e)、鋳型(配列番号3)または任意の蛍光タグ付きの長オリゴ鎖、Tを有するプライマー(配列番号4)、および対照(配列番号5)をすべて5pmolで同じチューブに加えた。
4.1μlのヒトアルキルアデニンDNAグリコシラーゼ(hAAG)NEB(10単位/μl)を同じチューブに加えた。
5.次に、反応混合物をピペットで再懸濁することによって穏やかに混合し、5秒間13,000rpmで遠心分離し、37℃で1時間インキュベートした。
6.典型的には、インキュベーション時間が経過した後、酵素的熱不活性化(すなわち、65℃で20分間)によって反応を終了させた。
周囲条件下での精製試料混合物を以下に概説されたプロトコルを使用して精製した。
1.500μlの緩衝液PNI QIAGEN(5Mの塩化グアニジニウム)を試料に加え、ピペットで穏やかに再懸濁することによって混合した。
2.混合物をQIAquickスピンカラム(QIAGEN)に移し、6000rpmで1分間遠心分離した。
3.遠心分離後、フロースルーを廃棄し、750μlの緩衝液PE QIAGEN(10mMのトリス−HCl、pH7.5および80%のエタノール)をスピンカラムに加え、6000rpmで1分間遠心分離した。
4.フロースルーを廃棄し、スピンカラムを13000rpmでさらに1分間遠心分離して、残留PE緩衝液を除去した。
5.次に、スピンカラムを滅菌1.5mlのエッペンドルフチューブに入れた。
6.DNA溶出のために、50μlの緩衝液EB QIAGEN(10mMのトリス.CL、pH8.5)をカラム膜の中央に加え、室温で1分間放置した。
7.次に、チューブを13000rpmで1分間遠心分離した。溶出したDNA濃度を測定し、その後の使用のために−20℃で保存した。
以下のプロトコルを使用して、精製されたDNA濃度の測定値を判定した。
1.2μlの滅菌蒸留水(ELGA VEOLIA)を台座に加えることによって、NanoDrop one(Thermo Scientific)を平衡化した。
2.平衡化の後、糸くずの出ないレンズ洗浄用ティッシュ(Whatman)を使用して、水をやさしく拭き取った。
3.2μlの緩衝液EB QIAGEN(10mMのトリス.CL、pH8.5)を加えることによって、NanoDrop oneをブランクにした。ブランキングの後に、工程2を繰り返した。
4.2μlの試料を台座に加え、タッチスクリーン上の測定アイコンを選択することによって、DNA濃度を測定した。
生成された脱塩基部位の切断を以下の手順を使用して実施した。
1.2μl(10〜100ng/μl)のDNAを滅菌1.5mlのエッペンドルフチューブに加えた。
2.40μl(0.2M)のNaOHまたは1.5μlのEndo VIII NEB(10単位/μl)および5μlの10×反応緩衝液NEB(10mMのトリス−HCl、75mMのNaCl、1mMのEDTA、25℃でpH8)も同じチューブに加え、再懸濁して13000rpmで5秒間遠心分離することによって穏やかに混合した。
3.得られた混合物をNaOH処理試料について室温で5分間インキュベートし、その間にEndo VIII反応混合物を37℃で1時間インキュベートした。
4.インキュベーション時間が経過した後、上記に概説されるような精製プロトコルの工程1〜7を使用して、反応混合物を精製した。
ゲル電気泳動およびDNAの可視化
1.5μlのDNAおよびTBE−尿素試料緩衝液(Novex)を滅菌1.5mlのエッペンドルフチューブに加え、熱サーモブロック(Eppendorf)を使用して2分間95℃まで加熱した。
2.次に、DNA混合物を、予熱した1×TBE緩衝液Thermo Scientific(89mMのトリス、89mMのホウ酸、および2mMのEDTA)を含有する15%のTBE−尿素ゲル1.0mm×10ウェル(Invitrogen)のウェルに入れた。
3.X−cell sure lockモジュール(Novex)を適所に固定し、以下の条件、室温で40分間、260V、90Aで電気泳動を行った。
4.ゲル中のDNAの検出および可視化は、Cy3 LEDを使用してChemiDoc MP(BioRad)で実施した。可視化および分析は、Image lab 2.0プラットフォーム上で実施した。
結果および結論
ヘルパー鎖によらない切断反応は、切断対未切断DNA比の約7%:93%という低いパーセンテージ収率を示した(図18b〜d)。
切断結果は、この特定の実施例において、使用された特定の試薬に基づいて、陽性対照と比較して、ヘルパー鎖の不在下で低い収率の切断DNAが得られることを示した。加えて、脱塩基部位の切断のための化学塩基の使用は、EndoVIII切断と比較して時間がかからなかった。
工程3:連結
第3の工程は、ヘルパー鎖の不在下でのDNAリガーゼとのポリヌクレオチドの連結を記載する。概略図を図19に示す。
材料および方法
材料
1.実施例1で利用されたオリゴヌクレオチドを社内で設計し、Sigma Aldrichによって合成した(配列については図19cの表を参照されたい)。
2.滅菌蒸留水(ELGA VEOLIA)を使用して、オリゴヌクレオチドを100μMのストック濃度に希釈した。
方法
以下の手順を使用して、オリゴヌクレオチド上の連結反応を実施した。
1.ピペット(Gilson)を使用して、16μlの滅菌蒸留水(ELGA VEOLIA)を1.5mlのエッペンドルフチューブに移した。
2.次に、10μlの2×Quick Ligation Reaction緩衝液NEB(132mMのトリス−HCl、20mMのMgCl、2mMのジチオトレイトール、2mMのATP、15%のポリエチレングリコール(PEG6000)および25℃でpH7.6)を同じエッペンドルフチューブに加えた。
3.各1μlのオリゴヌクレオチド(図19c)、TAMRAまたは任意の蛍光タグ付きリン酸鎖(配列番号7)、Tを有するプライマー(配列番号8)、およびイノシン鎖(配列番号9)をすべて5pmolで同じチューブに加えた。
4.1μlのQuick T4 DNAリガーゼNEB(400単位/μl)を同じチューブに加えた。
5.次に、反応混合物をピペットで再懸濁することにより穏やかに混合し、5秒間13,000rpmで遠心分離し、室温で20分間インキュベートした。
6.典型的には、インキュベーション時間が経過した後、TBE−尿素試料緩衝液(Novex)を加えて反応を終了させた。
7.上記に記載されるような精製工程1〜7に概説されるプロトコルを使用して、反応混合物を精製した。
以下のプロトコルを使用して、精製されたDNA濃度の測定値を判定した。
1.2μlの滅菌蒸留水(ELGA VEOLIA)を台座に加えることによって、NanoDrop one(Thermo Scientific)を平衡化した。
2.平衡化の後、糸くずの出ないレンズ洗浄用ティッシュ(Whatman)を使用して、水をやさしく拭き取った。
3.2μlの緩衝液EB QIAGEN(10mMのトリス.CL、pH8.5)を加えることによって、NanoDrop oneをブランクにし、次に、ブランキングの後に工程2を繰り返した。
4.2μlの試料を台座に加え、タッチスクリーン上の測定アイコンを選択することによって、DNA濃度を測定した。
5.精製されたDNAをポリアクリルアミドゲルに流し、上記に記載される工程5〜8の手順に従って可視化した。条件または試薬に変更はなかった。
結果および結論
この特定の実施例において、使用される特定の試薬に基づいて、ヘルパー鎖の不在下で室温(24℃)でのDNAリガーゼ、この特定の場合はクイックT4 DNAリガーゼとのオリゴヌクレオチドの連結は、低減された量の連結生産物をもたらす(図19b)。
実施例2.ヘルパー鎖によるバージョン1の化学。
この実施例は、4つの工程:ニック部位からの3’−O−修飾dNTPの組み込み、切断、連結、および脱保護を使用したポリヌクレオチドの合成を記載しており、第1の工程は、ユニバーサルヌクレオチド、この特定の場合はイノシンと反対側で起こる。この方法は、連結および切断工程の効率を改善するヘルパー鎖を使用する。
工程1:組み込み
第1の工程は、DNAポリメラーゼを使用した酵素的組み込みによるオリゴヌクレオチドへの3’−O−保護単一ヌクレオチドの制御された付加を記載する(図20a)。
材料および方法
材料
1.Jian Wu:Molecular Engineering of Novel Nucleotide Analogues for DNA Sequencing by Synthesis.Columbia University,2008のPhD論文に記載されるプロトコルに従って、3’−O−修飾dNTPを社内で合成した。合成のためのプロトコルはまた、米国特許出願公開:J.William Efcavitch,Juliesta E.Sylvester,Modified Template−Independent Enzymes for Polydeoxynucleotide Synthesis,Molecular Assemblies US2016/0108382A1にも記載されている。
2.オリゴヌクレオチドを社内で設計し、Sigma−Aldrichから入手した。原液を100μMの濃度で調製した。オリゴヌクレオチドを図20bに示す。
3.3−O−修飾dNTPを組み込む能力が増強された、New England BioLabsによって操作されたTherminator IX DNAポリメラーゼを使用した。
2種類の可逆的ターミネーターを試験した。
Figure 2021529551
方法
1.2μlの10×Thermopol(登録商標)緩衝液(20mMのトリス−HCl、10mMの(NHSO、10mMのKCl、2mMのMgSO、0.1%のTriton(登録商標)X−100、pH8.8、New England BioLabs)を、1.5mlのエッペンドルフチューブ中の10.25μlの滅菌脱イオン水(ELGA VEOLIA)と混合した。
2.0.5μlの10μMプライマー(5pmol、1当量)(配列番号10、図20(b)の表)、0.75μlの10μM鋳型(6pmol、1.5当量)(配列番号11、図20(b)の表)、2μlの10μMのヘルパー鎖(配列番号12、図20(b)の表)を反応混合物に加えた。
3.3’−O−修飾−dTTP(2μlの100μM)およびMnCl(1μlの40mM)を加えた。
4.次に、1.5μlのTherminator IX DNAポリメラーゼ(15U、New England BioLabs)を加えた。
5.反応物を65℃で20分間インキュベートした。
6.TBE−尿素試料緩衝液(Novex)を加えて反応を停止させた。
7.反応物をポリアクリルアミドゲル(15%)TBE緩衝液上で分離し、ChemiDoc MP撮像システム(BioRad)によって可視化した。
ゲル電気泳動およびDNAの可視化
1.5μlの反応混合物を滅菌1.5mlのエッペンドルフチューブ中の5μlのTBE−尿素試料緩衝液(Novex)に加え、熱ThermoMixer(Eppendorf)を使用して5分間95℃まで加熱した。
2.次に、5μlの試料を、予熱した1×TBE緩衝液Thermo Scientific(89mMのトリス、89mMのホウ酸、および2mMのEDTA)を含有する15%のTBE−尿素ゲル1.0mm×10ウェル(Invitrogen)のウェルに入れた。
3.X−cell sure lockモジュール(Novex)を適所に固定し、以下の条件、室温で40分間、260V、90Aで電気泳動を行った。
4.ゲルを、Cy3 LEDを使用してChemiDoc MP(BioRad)によって可視化した。可視化および分析は、Image lab 2.0プラットフォーム上で実施した。
組み込み工程は、上記に記載されるプロトコルに従って研究することができる。
工程2:切断
第2の工程は、hAAG/Endo VIIIまたはhAAG/化学塩基(×2)のいずれかによるポリヌクレオチドの2工程切断を記載する(図21a)。
材料および方法
材料
1.実施例2で利用されたオリゴヌクレオチドを社内で設計し、Sigma Aldrichによって合成した(配列については図21fを参照されたい)。
2.滅菌蒸留水(ELGA VEOLIA)を使用して、オリゴヌクレオチドを100μMのストック濃度に希釈した。
方法
以下の手順を使用して、オリゴヌクレオチド上の切断反応を実施した。
1.ピペット(Gilson)を使用して、41μlの滅菌蒸留水(ELGA VEOLIA)を1.5mlのエッペンドルフチューブに移した。
2.5μlの10×ThermoPol(登録商標)反応緩衝液NEB(20mMのトリス−HCl、10mMの(NHSO、10mMのKCl、2mMのMgSO、0.1%のTriton(登録商標)X−100、pH8.8)を同じエッペンドルフチューブに加えた。
3.各1μlのオリゴヌクレオチド(図21f)、鋳型(配列番号13)または任意の蛍光タグ付き長オリゴ鎖、Tを有するプライマー(配列番号14)、対照(配列番号15)、およびヘルパー鎖(配列番号16)をすべて5pmolで同じチューブに加えた。
4.1μlのヒトアルキルアデニンDNAグリコシラーゼ(hAAG)NEB(10単位/μl)を同じチューブに加えた。
5.代替塩基を使用する反応では、1μlのヒトアルキルアデニンDNAグリコシラーゼ(hAAG)NEB(100単位/μl)を加えた。
6.次に、反応混合物をピペットで再懸濁することによって穏やかに混合し、5秒間13,000rpmで遠心分離し、37℃で1時間インキュベートした。
7.典型的には、インキュベーション時間が経過した後、酵素的熱不活性化(すなわち、65℃で20分間)によって反応を終了させた。
周囲条件下での精製試料混合物を以下に概説されたプロトコルを使用して精製した。
1.500μlの緩衝液PNI QIAGEN(5Mの塩化グアニジニウム)を試料に加え、ピペットで穏やかに再懸濁することによって混合した。
2.混合物をQIAquickスピンカラム(QIAGEN)に移し、6000rpmで1分間遠心分離した。
3.遠心分離後、フロースルーを廃棄し、750μlの緩衝液PE QIAGEN(10mMのトリス−HCl、pH7.5および80%のエタノール)をスピンカラムに加え、6000rpmで1分間遠心分離した。
4.フロースルーを廃棄し、スピンカラムを13000rpmでさらに1分間遠心分離して、残留PE緩衝液を除去した。
5.次に、スピンカラムを滅菌1.5mlのエッペンドルフチューブに入れた。
6.DNA溶出のために、50μlの緩衝液EB QIAGEN(10mMのトリス.CL、pH8.5)をカラム膜の中央に加え、室温で1分間放置した。
7.次に、チューブを13000rpmで1分間遠心分離した。溶出したDNA濃度を測定し、その後の使用のために−20℃で保存した。
以下のプロトコルを使用して、精製されたDNA濃度の測定値を判定した。
1.2μlの滅菌蒸留水(ELGA VEOLIA)を台座に加えることによって、NanoDrop one(Thermo Scientific)を平衡化した。
2.平衡化の後、糸くずの出ないレンズ洗浄用ティッシュ(Whatman)を使用して、水をやさしく拭き取った。
3.2μlの緩衝液EB QIAGEN(10mMのトリス.CL、pH8.5)を加えることによって、NanoDrop oneをブランクにした。ブランキングの後に、工程2を繰り返した。
4.2μlの試料を台座に加え、タッチスクリーン上の測定アイコンを選択することによって、DNA濃度を測定した。
以下の手順を使用して、生成された脱塩基部位の切断を実施した。
1.2μl(10〜100ng/μl)のDNAを滅菌1.5mlのエッペンドルフチューブに加えた。
2.40μl(0.2M)のNaOHまたは1.5μlのEndo VIII NEB(10単位/μl)および5μlの10×反応緩衝液NEB(10mMのトリス−HCl、75mMのNaCl、1mMのEDTA、25℃でpH8)も同じチューブに加え、再懸濁して13000rpmで5秒間遠心分離することによって穏やかに混合した。
3.得られた混合物を、0.2MのNaOH処理試料について室温で5分間インキュベートし、その間にEndo VIII反応混合物を37℃で1時間インキュベートした。
4.インキュベーション時間が経過した後、反応混合物を上述の精製プロトコルの工程1〜7を使用して精製した。
以下の手順を使用して、代替の塩基性化学物質を使用して生成された脱塩基部位の切断を実施した。
1.1μl(10〜100ng/μl)のDNAを滅菌1.5mlのエッペンドルフチューブに加えた。次に、酢酸溶液シグマ(99.8%)で、室温でpH7.4に緩衝化された2μlのN,N’ジメチルエチレンジアミンシグマ(100mM)を同じチューブに加えた。
2.20μlの滅菌蒸留水(ELGA VEOLIA)をチューブに加え、再懸濁して13000rpmで5秒間の遠心分離することによって穏やかに混合した。
3.得られた試料を37℃で20分間インキュベートした。
4.インキュベーション時間が経過した後、反応混合物を上述の精製プロトコルの工程1〜7を使用して精製した。
ゲル電気泳動およびDNAの可視化
1.5μlのDNAおよびTBE−尿素試料緩衝液(Novex)を滅菌1.5mlのエッペンドルフチューブに加え、熱サーモブロック(Eppendorf)を使用して2分間95℃まで加熱した。
2.次に、DNA混合物を、予熱した1×TBE緩衝液Thermo Scientific(89mMのトリス、89mMのホウ酸、および2mMのEDTA)を含有する15%のTBE−尿素ゲル1.0mm×10ウェル(Invitrogen)のウェルに入れた。
3.X−cell sure lockモジュール(Novex)を適所に固定し、以下の条件、室温で40分間、260V、90Aで電気泳動を行った。
4.ゲル中のDNAの検出および可視化は、Cy3 LEDを使用してChemiDoc MP(BioRad)で実施した。可視化および分析は、Image lab 2.0プラットフォーム上で実施した。
結果
hAAG DNAグリコシラーゼによるユニバーサルヌクレオチド、この場合はイノシンを含む切断部位での切断効率は、ヘルパー鎖の不在下での10%からヘルパー鎖の存在下での50%まで有意に増加した(図21b)。hAAGおよびエンドヌクレアーゼVIIIは、hAAGおよびNaOH(50%)よりも低い効率(10%)でイノシンを切断する。ニックの入ったDNAを使用した記載されるシステムでは、0.2MのNaOHを使用した化学的切断が、エンドヌクレアーゼVIIIよりもAP部位の切断に好ましいことが示された(図21c)。中性pHでの穏やかなN,N’−ジメチルエチレンジアミンは、0.2MのNaOHのような脱塩基部位を切断するのに高い効率を有し、それゆえ、エンドヌクレアーゼVIIIおよびNaOHと比較して好ましい(図21d〜e)。
結論
イノシンを含有するDNAの切断について、3つの方法を評価した。1つの完全酵素法−hAAG/エンドヌクレアーゼVIII、ならびに化学的および酵素的切断を組み合わせた2つの方法−hAAG/NaOHおよびhAAG/ジメチルエチルアミンを、実施例2においてDNA切断について研究した。
hAAG/NaOHの結果は、ヘルパー鎖の不在下(10%)と比較して、ヘルパー鎖の存在下で切断DNAのはるかに高い収率(50%)を示した。これらの特定の実施例では、使用される特定の試薬に基づいて、ヘルパー鎖はDNA切断の収率を増加させる。
NaOHに対する代替物としてエンドヌクレアーゼVIIIを使用した酵素的切断は、ヘルパー鎖の存在下でのNaOH(50%)と比較して、効率が悪かった(10%)。
代替の穏やかな化学塩基N,N’−ジメチルエチレンジアミンを含めると、NaOHと同じくらい効率的にAP部位の高い切断効率が得られ、10×hAAG酵素の付加と一緒に、切断DNAが有意に増加した(図21eを参照されたい)。
工程3:連結
第3の工程は、ヘルパー鎖の存在下でのポリヌクレオチドとDNAリガーゼとの連結を記載する。概略図を図22aに示す。
材料および方法
材料
1.オリゴヌクレオチドを社内で設計し、Sigma Aldrichによって合成した(配列については図22dを参照されたい)。
2.滅菌蒸留水(ELGA VEOLIA)を使用して、オリゴヌクレオチドを100μMのストック濃度に希釈した。
方法
以下の手順を使用して、オリゴヌクレオチド上の連結反応を実施した。
1.ピペット(Gilson)を使用して、16μlの滅菌蒸留水(ELGA VEOLIA)を1.5mlのエッペンドルフチューブに移した。
2.次に、10μlの2×Quick Ligation Reaction緩衝液NEB(132mMのトリス−HCl、20mMのMgCl、2mMのジチオトレイトール、2mMのATP、15%のポリエチレングリコール(PEG6000)および25℃でpH7.6)を同じエッペンドルフチューブに加えた。
3.各1μlのオリゴヌクレオチド(図22d)、TAMRAまたは任意の蛍光タグ付きリン酸鎖(配列番号18)、Tを有するプライマー(配列番号19)およびイノシン鎖(配列番号20)およびヘルパー鎖(配列番号21)をすべて5pmolで同じチューブに加えた。
4.1μlのQuick T4 DNAリガーゼNEB(400単位/μl)を同じチューブに加えた。
5.次に、反応混合物をピペットで再懸濁することによって穏やかに混合し、5秒間13,000rpmで遠心分離し、20分間室温でインキュベートした。
6.典型的には、インキュベーション時間が経過した後、TBE−尿素試料緩衝液(Novex)を加えて反応を終了させた。
7.上記に記載されるような精製工程1〜7に概説されるプロトコルを使用して、反応混合物を精製した。
以下のプロトコルを使用して、精製されたDNA濃度の測定値を判定した。
1.2μlの滅菌蒸留水(ELGA VEOLIA)を台座に加えることによって、NanoDrop one(Thermo Scientific)を平衡化した。
2.平衡化の後、糸くずの出ないレンズ洗浄用ティッシュ(Whatman)を使用して、水をやさしく拭き取った。
3.2μlの緩衝液EB QIAGEN(10mMのトリス.CL、pH8.5)を加えることによって、NanoDrop oneをブランクにした。ブランキングの後に、工程2を繰り返した。
4.2μlの試料を台座に加え、タッチスクリーン上の測定アイコンを選択することによって、DNA濃度を測定した。
5.精製されたDNAをポリアクリルアミドゲルに流し、上記の工程5〜8の手順に従って可視化した。条件または試薬に変更はなかった。
結果および結論
この特定の実施例では、使用される特定の試薬に基づいて、ヘルパー鎖の不在下では連結活性の低下が観察され(図22b)、ヘルパー鎖の存在下では連結が高い効率で進行し(図22c)、生産物が高効率で形成された。
実施例3.ヘルパー鎖によるバージョン2化学
この実施例は、4つの工程:部分二本鎖DNA上への3’−O−修飾dNTPの組み込み、切断、連結、および脱保護を使用したポリヌクレオチドの合成を記載しており、組み込みの第1の工程は、ユニバーサルヌクレオチド、この特定の場合はイノシンに隣接して支持鎖中に位置付けられた天然に相補的なヌクレオチドと反対側で起こる。
工程1:組み込み
材料および方法
材料
第1の工程は、DNAポリメラーゼによる酵素的組み込みによるオリゴヌクレオチドへの3’−O−保護単一ヌクレオチドの制御された付加を記載する(図23a)。
1.Jian Wu:Molecular Engineering of Novel Nucleotide Analogues for DNA Sequencing by Synthesis.Columbia University,2008のPhD論文に記載されるプロトコルに従って、3’−O−修飾dNTPを社内で合成した。合成のためのプロトコルはまた、米国特許出願公開:J.William Efcavitch,Juliesta E.Sylvester,Modified Template−Independent Enzymes for Polydeoxynucleotide Synthesis,Molecular Assemblies US2016/0108382A1にも記載されている。
2.オリゴヌクレオチドを社内で設計し、Sigma−Aldrichから入手した(図23j)。原液を100μMの濃度で調製する。
3.3−O−修飾dNTPを組み込む能力が増強された、New England BioLabsによって操作されたTherminator IX DNAポリメラーゼを使用した。
すべてのdNTPの3’−O−アジドメチル可逆的ターミネーターを、組み込みについて独立して試験した。
Figure 2021529551
方法
1.2μlの10×Thermopol(登録商標)緩衝液(20mMのトリス−HCl、10mMの(NHSO、10mMのKCl、2mMのMgSO、0.1%のTriton(登録商標)X−100、pH8.8、New England BioLabs)を、1.5mlのエッペンドルフチューブ中の12.25μlの滅菌脱イオン水(ELGA VEOLIA)と混合した。
2.0.5μlの10μMプライマー(5pmol、1当量)(配列番号22、図23j)および0.75μlの10μM鋳型−A/G/T/C(6pmol、1.5当量)(配列番号23〜26、図23j)および1μLの10μMヘルパー鎖T/C/A/G(10pmol、2当量)(配列番号27〜30、図23j)を反応混合物に加えた。
3.3’−O修飾−dTTP/dCTP/dATP/dGTP(2μlの100μM)およびMnCl(1μlの40mM)を加えた。
4.次に、1.5μlのTherminator IX DNAポリメラーゼ(15U、New England BioLabs)を加えた。
5.反応物を65℃で20分間インキュベートした。
6.TBE−尿素試料緩衝液(Novex)を加えて反応を停止させた。
7.反応物をポリアクリルアミドゲル(15%)TBE緩衝液上で分離し、ChemiDoc MP撮像システム(BioRad)によって可視化した。
ゲル電気泳動およびDNAの可視化
1.5μlの反応混合物を滅菌1.5mlのエッペンドルフチューブ中の5μlのTBE−尿素試料緩衝液(Novex)に加え、熱ThermoMixer(Eppendorf)を使用して5分間95℃まで加熱した。
2.次に、5μlの試料を、予熱した1×TBE緩衝液Thermo Scientific(89mMのトリス、89mMのホウ酸、および2mMのEDTA)を含有する15%のTBE−尿素ゲル1.0mm×10ウェル(Invitrogen)のウェルに入れた。
3.X−cell sure lockモジュール(Novex)を適所に固定し、以下の条件、室温で40分間、260V、90Aで電気泳動を行った。
4.ゲルを、Cy3 LEDを使用してChemiDoc MP(BioRad)によって可視化した。可視化および分析は、Image lab 2.0プラットフォーム上で実施した。
結果および結論
Therminator IX DNAポリメラーゼを使用した3−O−アジドメチル−dTTPの組み込み時の温度の評価に関して、結果は、連結のためのヘルパー鎖の存在下での3’−O−アジドメチル−dTTPの組み込みが5分後に90%に達することを示す。37℃および47℃で20分後には、10%のプライマーが未伸長のままである。
2mMのMn2+イオンおよび37℃の温度でのTherminator IX DNAポリメラーゼは、ヘルパー鎖(前のサイクルによる連結工程からの)の存在下で高い効率でDNA中の相補的塩基と反対側に3’−O−修飾−dNTPを組み込むための良好な条件を提供する。
工程2:切断
第2の工程は、エンドヌクレアーゼVによるポリヌクレオチドの1工程切断を記載する(図24a)。
材料および方法
材料
1.実施例3で利用されたオリゴヌクレオチドを社内で設計し、Sigma Aldrichによって合成した(配列については図24dの表を参照されたい)。
2.滅菌蒸留水(ELGA VEOLIA)を使用して、オリゴヌクレオチドを100μMのストック濃度に希釈した。
方法
以下の手順を使用して、オリゴヌクレオチド上の切断反応を実施した。
1.ピペット(Gilson)を使用して、41μlの滅菌蒸留水(ELGA VEOLIA)を1.5mlのエッペンドルフチューブに移した。
2.次に、5μlの10×Reaction buffer(登録商標)NEB(50mMの酢酸カリウム、20mMのトリス−酢酸、10mMの酢酸マグネシウム、1mMのDTT、25℃でpH7.9)を同じエッペンドルフチューブに加えた。
3.各1μlのオリゴヌクレオチド(図24d)、鋳型(配列番号31)または任意の蛍光タグ付き長オリゴ鎖、Tを有するプライマー(配列番号32)および対照(配列番号33)およびヘルパー鎖(配列番号34)をすべて5pmolで同じチューブに加えた。
4.1μlのヒトエンドヌクレアーゼV(Endo V)NEB(10単位/μl)を同じチューブに加えた。
5.次に、反応混合物をピペットで再懸濁することによって穏やかに混合し、5秒間13,000rpmで遠心分離し、37℃で1時間インキュベートした。
6.典型的には、インキュベーション時間が経過した後、酵素的熱不活性化(すなわち、65℃で20分間)によって反応を終了させた。
試料混合物を以下に概説されたプロトコルを使用して精製した。
1.500μlの緩衝液PNI QIAGEN(5Mの塩化グアニジニウム)を試料に加え、ピペットで穏やかに再懸濁することによって混合した。
2.混合物をQIAquickスピンカラム(QIAGEN)に移し、6000rpmで1分間遠心分離した。
3.遠心分離後、フロースルーを廃棄し、750μlの緩衝液PE QIAGEN(10mMのトリス−HCl、pH7.5および80%のエタノール)をスピンカラムに加え、6000rpmで1分間遠心分離した。
4.フロースルーを廃棄し、スピンカラムを13000rpmでさらに1分間遠心分離して、残留PE緩衝液を除去した。
5.次に、スピンカラムを滅菌1.5mlのエッペンドルフチューブに入れた。
6.DNA溶出のために、50μlの緩衝液EB QIAGEN(10mMのトリス.CL、pH8.5)をカラム膜の中央に加え、室温で1分間放置した。
7.次に、チューブを13000rpmで1分間遠心分離した。溶出したDNA濃度を測定し、その後の使用のために−20℃で保存した。
以下のプロトコルを使用して、精製されたDNA濃度の測定値を判定した。
1.2μlの滅菌蒸留水(ELGA VEOLIA)を台座に加えることによって、NanoDrop one(Thermo Scientific)を平衡化した。
2.平衡化の後、糸くずの出ないレンズ洗浄用ティッシュ(Whatman)を使用して、水をやさしく拭き取った。
3.2μlの緩衝液EB QIAGEN(10mMのトリス.CL、pH8.5)を加えることによって、NanoDrop oneをブランクにした。ブランキングの後に、工程2を繰り返した。
4.2μlの試料を台座に加え、タッチスクリーン上の測定アイコンを選択することによって、DNA濃度を測定した。
ゲル電気泳動およびDNAの可視化
1.5μlのDNAおよびTBE−尿素試料緩衝液(Novex)を滅菌1.5mlのエッペンドルフチューブに加え、熱サーモブロック(Eppendorf)を使用して2分間95℃まで加熱した。
2.次に、DNA混合物を、予熱した1×TBE緩衝液Thermo Scientific(89mMのトリス、89mMのホウ酸、および2mMのEDTA)を含有する15%のTBE−尿素ゲル1.0mm×10ウェル(Invitrogen)のウェルに入れた。
3.X−cell sure lockモジュール(Novex)を適所に固定し、以下の条件、室温で40分間、260V、90Aで電気泳動を行った。
4.ゲル中のDNAの検出および可視化は、Cy3 LEDを使用してChemidoc MP(BioRad)で実施した。可視化および分析は、Image lab 2.0プラットフォーム上で実施した。
結果および結論
実施例3からの切断結果は、ヘルパー鎖の存在下または不在下でエンドヌクレアーゼVを用いて有意に高収率の切断DNAを得ることができることを示した(図24c)。
工程3:連結
第3の工程は、ヘルパー鎖の存在下でのポリヌクレオチドとDNAリガーゼとの連結を記載する。概略図を図25aに示す。
材料および方法
材料
1.実施例3で利用されたオリゴヌクレオチドを社内で設計し、Sigma Aldrichによって合成した(配列については図25bの表を参照されたい)。
2.滅菌蒸留水(ELGA VEOLIA)を使用して、オリゴヌクレオチドを100μMのストック濃度に希釈した。
方法
以下の手順を使用して、オリゴヌクレオチド上の連結反応を実施した。
1.ピペット(Gilson)を使用して、16μlの滅菌蒸留水(ELGA VEOLIA)を1.5mlのエッペンドルフチューブに移した。
2.次に、10μlの2×Quick Ligation Reaction緩衝液NEB(132mMのトリス−HCl、20mMのMgCl、2mMのジチオトレイトール、2mMのATP、15%のポリエチレングリコール(PEG6000)および25℃でpH7.6)を同じエッペンドルフチューブに加えた。
3.各1μlのオリゴヌクレオチド(図25b)、TAMRAまたは任意の蛍光タグ付きリン酸鎖(配列番号35)、Tを有するプライマー(配列番号36)およびイノシン鎖(配列番号37)およびヘルパー鎖(配列番号38)をすべて(5pmolの量を有する)同じチューブに加えた。
4.1μlのQuick T4 DNAリガーゼNEB(400単位/μl)を同じチューブに加えた。
5.次に、反応混合物をピペットで再懸濁することによって穏やかに混合し、5秒間13,000rpmで遠心分離し、室温で20分間インキュベートした。
6.典型的には、インキュベーション時間が経過した後、TBE−尿素試料緩衝液(Novex)を加えて反応を終了させた。
7.上記に記載されるような精製工程1〜7に概説されるプロトコルを使用して、反応混合物を精製した。
以下のプロトコルを使用して、精製されたDNA濃度の測定値を判定した。
1.2μlの滅菌蒸留水(ELGA VEOLIA)を台座に加えることによって、NanoDrop one(Thermo Scientific)を平衡化した。
2.平衡化の後、糸くずの出ないレンズ洗浄用ティッシュ(Whatman)を使用して、水をやさしく拭き取った。
3.2μlの緩衝液EB QIAGEN(10mMのトリス.CL、pH8.5)を加えることによって、NanoDrop oneをブランクにした。ブランキングの後に、工程2を繰り返した。
4.2μlの試料を台座に加え、タッチスクリーン上の測定アイコンを選択することによって、DNA濃度を測定した。
5.精製されたDNAをポリアクリルアミドゲルに流し、上記に記載される工程5〜8の手順に従って可視化した。条件または試薬に変更はなかった。
ゲル電気泳動およびDNAの可視化
1.5μlのDNAおよびTBE−尿素試料緩衝液(Novex)を滅菌1.5mlのエッペンドルフチューブに加え、熱サーモブロック(Eppendorf)を使用して2分間95℃まで加熱した。
2.次に、DNA混合物を、予熱した1×TBE緩衝液Thermo Scientific(89mMのトリス、89mMのホウ酸、および2mMのEDTA)を含有する15%のTBE−尿素ゲル1.0mm×10ウェル(Invitrogen)のウェルに入れた。
3.X−cell sure lockモジュール(Novex)を適所に固定し、以下の条件、室温で40分間、260V、90Aで電気泳動を行った。
4.ゲル中のDNAの検出および可視化は、Cy3 LEDを使用してChemiDoc MP(BioRad)で実施した。可視化および分析は、Image lab 2.0プラットフォーム上で実施した。
工程4:脱保護
Therminator IX DNAポリメラーゼによる3’−O−アジドメチル−dNTPの組み込みによってDNAに導入された3’−O−アジドメチル基を担持するDNAモデルについて、脱保護工程(図26a)を研究した。脱保護をトリス(カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)によって実施し、すべての天然dNTPの混合物を精製された脱保護DNAの溶液に加えたときの伸長反応によってモニターした。
材料および方法
材料
1.実施例3で利用されたオリゴヌクレオチドを社内で設計し、Sigma Aldrichによって合成した(配列については図26iを参照されたい)。
2.滅菌蒸留水(ELGA VEOLIA)を使用して、オリゴヌクレオチドを100μMのストック濃度に希釈した。
3.酵素は、New England BioLabsから購入した。
方法
1.2μlの10×Thermopol(登録商標)緩衝液(20mMのトリス−HCl、10mMの(NHSO、10mMのKCl、2mMのMgSO、0.1%のTriton(登録商標)X−100、pH8.8、New England BioLabs)を、1.5mlのエッペンドルフチューブ中の12.25μlの滅菌脱イオン水(ELGA VEOLIA)と混合した。
2.1μlの10μMプライマー(10pmol、1当量)(配列番号39、図26i)および1.5μlのいずれかの10μM鋳型−A/G/T/C(15pmol、1.5当量)(配列番号40〜43、図26i)を反応混合物に加えた。
3.3’−O修飾−dTTP/dCTP/dATP/dGTP(2μlの100μM)およびMnCl(1μlの40mM)を加えた。
4.次に、1.5μlのTherminator IX DNAポリメラーゼ(15U、New England BioLabs)を加えた。
5.反応物を37℃で5分間インキュベートした。
6.4μLの試料を取り出し、0.5μlの5mMのdNTPミックスと混合し、制御反応のために10分間反応させた。
7.pH7.4の1Mのトリス緩衝液中の40μLの500mMのTCEPを反応混合物に加え、37℃で10分間反応させた。
8.20μLの1×Thermopol(登録商標)緩衝液によって溶出するQIAGENヌクレオチド除去キットを使用して、反応混合物を精製した。
9.1μLの5mMのdNTPミックスおよび1μLのDeepVent(エキソ)DNAポリメラーゼを精製された反応混合物に加え、10分間反応させた。
10.TBE−尿素試料緩衝液(Novex)を加えて反応を停止させた。
11.反応物をポリアクリルアミドゲル(15%)TBE緩衝液上で分離し、ChemiDoc MP撮像システム(BioRad)によって可視化した。
結果および結論
50mMのTCEPは、0.2μMのDNAモデル上で3’−O−アジドメチル基を高い効率で切断するのに十分ではなかった(図26h)。対照的に、300mMのTCEPは、0.2μMのDNAモデル上で3’−O−アジドメチル基を95%の効率で首尾よく切断した(図26h)。
実施例4.二重ヘアピンモデルによるバージョン2化学
この実施例は、2つのヘアピンモデル上での4つの工程:ニック部位からの3’−O−修飾dNTPの組み込み、切断、連結、および脱保護を使用したポリヌクレオチドの合成を記載しており、第1の工程は、ユニバーサルヌクレオチド、この特定の場合はイノシンに隣接する支持鎖中に位置付けられた天然に相補的なヌクレオチドと反対側で起こる。
工程1:組み込み
第1の工程は、DNAポリメラーゼによる酵素的組み込みによるオリゴヌクレオチドへの3’−O−保護単一ヌクレオチドの制御された付加を記載する(図27a)。
材料および方法
材料
1.Jian Wu:Molecular Engineering of Novel Nucleotide Analogues for DNA Sequencing by Synthesis.Columbia University,2008のPhD論文に記載されるプロトコルに従って、3’−O−修飾dNTPを社内で合成した。合成のためのプロトコルはまた、米国特許出願公開:J.William Efcavitch,Juliesta E.Sylvester,Modified Template−Independent Enzymes for Polydeoxynucleotide Synthesis,Molecular Assemblies US2016/0108382A1にも記載されている。
2.オリゴヌクレオチドを社内で設計し、Sigma−Aldrichから入手した(図27c)。原液を100μMの濃度で調製した。
3.3−O−修飾dNTPを組み込む能力が増強された、New England BioLabsによって操作されたTherminator IX DNAポリメラーゼを使用した。
3’−O−アジドメチル−dTTPを組み込みについて試験した。
Figure 2021529551
方法
1.2μlの10×Thermopol(登録商標)緩衝液(20mMのトリス−HCl、10mMの(NHSO、10mMのKCl、2mMのMgSO、0.1%のTriton(登録商標)X−100、pH8.8、New England BioLabs)を、1.5mlのエッペンドルフチューブ中の10.25μlの滅菌脱イオン水(ELGA VEOLIA)と混合した。
2.0.5μlの10μMヘアピンオリゴヌクレオチド(5pmol、1当量)(配列番号44、図27c)を反応混合物に加えた。
3.3’−O−修飾−dTTP(2μlの100μM)およびMnCl(1μlの40mM)を加えた。
4.次に、1.5μlのTherminator IX DNAポリメラーゼ(15U、New England BioLabs)を加えた。
5.反応物を65℃で20分間インキュベートした。
6.TBE−尿素試料緩衝液(Novex)を加えて反応を停止させた。
7.反応物をポリアクリルアミドゲル(15%)TBE緩衝液上で分離し、ChemiDoc MP撮像システム(BioRad)によって可視化した。
ゲル電気泳動およびDNAの可視化
1.5μlの反応混合物を滅菌1.5mlのエッペンドルフチューブ中の5μlのTBE−尿素試料緩衝液(Novex)に加え、熱ThermoMixer(Eppendorf)を使用して5分間95℃まで加熱した。
2.次に、5μlの試料を、予熱した1×TBE緩衝液Thermo Scientific(89mMのトリス、89mMのホウ酸、および2mMのEDTA)を含有する15%のTBE−尿素ゲル1.0mm×10ウェル(Invitrogen)のウェルに入れた。
3.X−cell sure lockモジュール(Novex)を適所に固定し、以下の条件、室温で40分間、260V、90Aで電気泳動を行った。
4.ゲルを、Cy3 LEDを使用してChemiDoc MP(BioRad)によって可視化した。可視化および分析は、Image lab 2.0プラットフォーム上で実施した。
結果
DNAポリメラーゼは、ヘアピン構築物中のその天然に相補的な塩基と反対側に3’−O−修飾−dTTPを組み込む。
工程2:切断
第2の工程は、この特定の場合におけるエンドヌクレアーゼVによるヘアピンモデルの1工程切断を記載する(図28a)。
材料および方法
材料
1.実施例4で利用されたオリゴヌクレオチドを社内で設計し、Sigma Aldrichによって合成した(配列については図28cを参照されたい)。
2.滅菌蒸留水(ELGA VEOLIA)を使用して、オリゴヌクレオチドを100μMのストック濃度に希釈した。
方法
以下の手順を使用して、ヘアピンオリゴヌクレオチド上の切断反応を実施した。
1.ピペット(Gilson)を使用して、43μlの滅菌蒸留水(ELGA VEOLIA)を1.5mlのエッペンドルフチューブに移した。
2.次に、5μlの10×Reaction buffer(登録商標)NEB(50mMの酢酸カリウム、20mMのトリス−酢酸、10mMの酢酸マグネシウム、1mMのDTT、25℃でpH7.9)を同じエッペンドルフチューブに加えた。
3.5pmolの量を有する1μlのヘアピンオリゴヌクレオチド(配列番号45、図28c)を同じチューブに加えた。
4.1μlのヒトエンドヌクレアーゼV(Endo V)NEB(30単位/μl)を同じチューブに加えた。
5.次に、反応混合物をピペットで再懸濁することによって穏やかに混合し、5秒間13,000rpmで遠心分離し、37℃で1時間インキュベートした。
6.典型的には、インキュベーション時間が経過した後、酵素的熱不活性化(すなわち、65℃で20分間)によって反応を終了させた。
試料混合物を以下に概説されたプロトコルを使用して精製した。
1.500μlの緩衝液PNI QIAGEN(5Mの塩化グアニジニウム)を試料に加え、ピペットで穏やかに再懸濁することによって混合した。
2.混合物をQIAquickスピンカラム(QIAGEN)に移し、6000rpmで1分間遠心分離した。
3.遠心分離後、フロースルーを廃棄し、750μlの緩衝液PE QIAGEN(10mMのトリス−HCl、pH7.5および80%のエタノール)をスピンカラムに加え、6000rpmで1分間遠心分離した。
4.フロースルーを廃棄し、スピンカラムを13000rpmでさらに1分間遠心分離して、残留PE緩衝液を除去した。
5.次に、スピンカラムを滅菌1.5mlのエッペンドルフチューブに入れた。
6.DNA溶出のために、50μlの緩衝液EB QIAGEN(10mMのトリス.CL、pH8.5)をカラム膜の中央に加え、室温で1分間放置した。
7.次に、チューブを13000rpmで1分間遠心分離した。溶出したDNA濃度を測定し、その後の使用のために−20℃で保存した。
以下のプロトコルを使用して、精製されたDNA濃度の測定値を判定した。
1.2μlの滅菌蒸留水(ELGA VEOLIA)を台座に加えることによって、NanoDrop one(Thermo Scientific)を平衡化した。
2.平衡化の後、糸くずの出ないレンズ洗浄用ティッシュ(Whatman)を使用して、水をやさしく拭き取った。
3.2μlの緩衝液EB QIAGEN(10mMのトリス.CL、pH8.5)を加えることによって、NanoDrop Oneをブランクにした。ブランキングの後に、工程2を繰り返した。
4.2μlの試料を台座に加え、タッチスクリーン上の測定アイコンを選択することによって、DNA濃度を測定した。
ゲル電気泳動およびDNAの可視化
1.5μlのDNAおよびTBE−尿素試料緩衝液(Novex)を滅菌1.5mlのエッペンドルフチューブに加え、熱サーモミキサー(エッペンドルフ)を使用して2分間95℃まで加熱した。
2.次に、DNA混合物を、予熱した1×TBE緩衝液Thermo Scientific(89mMのトリス、89mMのホウ酸、および2mMのEDTA)を含有する15%のTBE−尿素ゲル1.0mm×10ウェル(Invitrogen)のウェルに入れた。
3.X−cell sure lockモジュール(Novex)を適所に固定し、以下の条件、室温で40分間、260V、90Aで電気泳動を行った。
4.ゲル中のDNAの検出および可視化は、Cy3 LEDを使用してChemiDoc MP(BioRad)で実施した。可視化および分析は、Image lab 2.0プラットフォーム上で実施した。
結果および結論
実施例4からの切断結果は、エンドヌクレアーゼVを用いて37℃で著しく高収率の消化されたヘアピンDNAが得られることを示した(図28b)。
工程3:連結
第3の工程は、ヘアピンモデルとDNAリガーゼとの連結を記載する。概略図を図29aに示す。
材料および方法
材料
1.実施例4で利用されたオリゴヌクレオチドを社内で設計し、Sigma Aldrichによって合成した(配列については図29cを参照されたい)。
2 滅菌蒸留水(ELGA VEOLIA)を使用して、オリゴヌクレオチドを100μMのストック濃度に希釈した。
方法
以下の手順を使用して、オリゴヌクレオチド上の連結反応を実施した。
1.ピペット(Gilson)を使用して、1μl(5pmol)のTAMRAまたは任意の蛍光タグ付きリン酸ヘアピンオリゴ(配列番号46)を1.5mlのエッペンドルフチューブに移した。
2.次に、15μl(100pmol)のイノシン含有ヘアピン構築物(配列番号47)を同じチューブに加え、ピペットで3秒間再懸濁することによって穏やかに混合した。
3.40μlの平滑/TA DNAリガーゼNEB(180単位/μl)を同じチューブに加えた。
4.次に、反応混合物をピペットで再懸濁することによって穏やかに混合し、5秒間13,000rpmで遠心分離し、室温で20分間インキュベートした。
5.典型的には、インキュベーション時間が経過した後、TBE−尿素試料緩衝液(Novex)を加えて反応を終了させた。
6.上記の精製工程1〜7に概説されたプロトコルを使用して、反応混合物を精製した。
以下のプロトコルを使用して、精製されたDNA濃度の測定値を判定した。
1.2μlの滅菌蒸留水(ELGA VEOLIA)を台座に加えることによって、NanoDrop One(Thermo Scientific)を平衡化した。
2.平衡化の後、糸くずの出ないレンズ洗浄用ティッシュ(Whatman)を使用して、水をやさしく拭き取った。
3.2μlの緩衝液EB QIAGEN(10mMのトリス.CL、pH8.5)を加えることによって、NanoDrop Oneをブランクにした。ブランキングの後に、工程2を繰り返した。
4.2μlの試料を台座に加え、タッチスクリーン上の測定アイコンを選択することによって、DNA濃度を測定した。
5.精製されたDNAをポリアクリルアミドゲルに流し、上記に記載されるような工程5〜8の手順に従って可視化した。条件または試薬に変更はなかった。
ゲル電気泳動およびDNAの可視化
1.5μlのDNAおよびTBE−尿素試料緩衝液(Novex)を滅菌1.5mlのエッペンドルフチューブに加え、熱ThermoMixer(Eppendorf)を使用して2分間95℃まで加熱した。
2.次に、DNA混合物を、予熱した1×TBE緩衝液Thermo Scientific(89mMのトリス、89mMのホウ酸、および2mMのEDTA)を含有する15%のTBE−尿素ゲル1.0mm×10ウェル(Invitrogen)のウェルに入れた。
3.X−cell sure lockモジュール(Novex)を適所に固定し、以下の条件、室温で40分間、260V、90Aで電気泳動を行った。
4.ゲル中のDNAの検出および可視化は、Cy3 LEDを使用してChemiDoc MP(BioRad)で実施した。可視化および分析は、Image lab 2.0プラットフォーム上で実施した。
結果
ヘルパー鎖の存在下で室温(24℃)での平滑/TA DNAリガーゼとヘアピンオリゴヌクレオチドとの連結は、高収率の連結生産物をもたらした。1分後の連結ヘアピンオリゴヌクレオチドは、約85%の比率で、高収率の連結DNA生産物を示した。2分後の連結ヘアピンオリゴヌクレオチドは、約85%の比率で、高収率の連結DNA生産物を示した。3分後の連結ヘアピンオリゴヌクレオチドは、約85%の割合で、高収率の連結DNA生産物を示した。4分後の連結ヘアピンオリゴヌクレオチドは、約>85%の比率で、高収率の連結DNA生産物を示した(図29b)。
実施例5.バージョン2化学−二重ヘアピンモデルの完全サイクル。
この実施例は、二重ヘアピンモデル上での4つの工程:ニック部位からの3’−O−修飾dNTPの組み込み、切断、連結、および脱保護を使用したポリヌクレオチドの合成を記載しており、第1の工程は、ユニバーサルヌクレオチド、この特定の場合はイノシンに隣接して支持鎖中に位置付けられた天然に相補的なヌクレオチドと反対側で起こる。ヘアピンの一端は付着アンカーとして機能する。
方法は、DNAポリメラーゼによる酵素的組み込み、その後のイノシン切断、連結、および脱保護によるオリゴヌクレオチドへの3’−O−保護単一ヌクレオチドの制御された付加によって開始する(図30a)。
材料および方法
材料
1.Jian Wu:Molecular Engineering of Novel Nucleotide Analogues for DNA Sequencing by Synthesis.Columbia University,2008のPhD論文に記載されるプロトコルに従って、3’−O−修飾dNTPを社内で合成した。合成のためのプロトコルはまた、米国特許出願公開:J.William Efcavitch,Juliesta E.Sylvester,Modified Template−Independent Enzymes for Polydeoxynucleotide Synthesis,Molecular Assemblies US2016/0108382A1にも記載されている。
2.オリゴヌクレオチドを社内で設計し、Sigma−Aldrichから入手した(図30c)。原液を100μMの濃度で調製する。
3.3−O−修飾dNTPを組み込む能力が増強された、New England BioLabsによって操作されたTherminator IX DNAポリメラーゼを使用した。
3’−O−アジドメチル−dTTPを組み込みについて試験した。
Figure 2021529551
方法
1.2μlの10×Thermopol(登録商標)緩衝液(20mMのトリス−HCl、10mMの(NHSO、10mMのKCl、2mMのMgSO、0.1%のTriton(登録商標)X−100、pH8.8、New England BioLabs)を、1.5mlのエッペンドルフチューブ中の12.5μlの滅菌脱イオン水(ELGA VEOLIA)と混合した。
2.2μlの10μMの二重ヘアピンモデルオリゴヌクレオチド(20pmol、1当量)(配列番号48、図30c)を反応混合物に加えた。
3.3’−O−修飾−dTTP(2μlの100μM)およびMnCl(1μlの40mM)を加えた。
4.次に、1.5μlのTherminator IX DNAポリメラーゼ(15U、New England BioLabs)を加えた。
5.反応物を37℃で10分間インキュベートした。
6.アリコート(5μl)を反応混合物から取り出し、0.5μlの天然dNTPミックスを加え、10分間反応させた。ゲル電気泳動によって反応物を分析した。
7.精製工程1〜7に概説されたプロトコルを使用して、反応混合物を精製した。
8.20μlのNEB reaction buffer(登録商標)(50mMの酢酸カリウム、20mMのトリス−酢酸、10mMの酢酸マグネシウム、1mMのDTT、25℃でpH7.9)によって、DNA試料を清浄なエッペンドルフチューブに溶出した。
9.1μlのヒトエンドヌクレアーゼV(Endo V)NEB(30単位/μl)を同じチューブに加えた。
10.次に、反応混合物をピペットで再懸濁することによって穏やかに混合し、5秒間13,000rpmで遠心分離し、37℃で1時間インキュベートした。
11.インキュベーション時間が経過した後、酵素的熱不活性化(すなわち、65℃で20分間)によって反応を終了させた。
12.アリコート(5μl)を反応混合物から取り出し、TBE緩衝液を使用してポリアクリルアミドゲル(15%)上で分析し、ChemiDoc MP撮像システム(BioRad)によって可視化した。
13.上記の精製工程1〜7に概説されたプロトコルを使用して、反応混合物を精製した。
14.20μlのNEB Reaction buffer(登録商標)(50mMの酢酸カリウム、20mMのトリス−酢酸、10mMの酢酸マグネシウム、1mMのDTT、25℃でpH7.9)によって、DNA試料を清浄なエッペンドルフチューブに溶出した。
15.10μlの連結のための100μMの鎖(1nmol)(配列番号49、図30c)を反応混合物に加えた。
16.40μlの平滑/TA DNAリガーゼNEB(180単位/μl)を精製されたDNA試料に加えた。
17.次に、反応混合物をピペットで再懸濁することによって穏やかに混合し、5秒間13,000rpmで遠心分離し、室温で20分間インキュベートした。
18.pH7.4の1Mのトリス緩衝液中の40μLの500mMのTCEPを反応混合物に加え、37℃で10分間反応させた。
19.20μLの1×Thermopol(登録商標)緩衝液によって溶出するQIAGENヌクレオチド除去キットを使用して、反応混合物を精製した。
ゲル電気泳動およびDNAの可視化
1.5μlの反応混合物を滅菌1.5mlのエッペンドルフチューブ中の5μlのTBE−尿素試料緩衝液(Novex)に加え、熱ThermoMixer(Eppendorf)を使用して5分間95℃まで加熱した。
2.次に、5μlの試料を、予熱した1×TBE緩衝液Thermo Scientific(89mMのトリス、89mMのホウ酸、および2mMのEDTA)を含有する15%のTBE−尿素ゲル1.0mm×10ウェル(Invitrogen)のウェルに入れた。
3.X−cell sure lockモジュール(Novex)を適所に固定し、以下の条件、室温で40分間、260V、90Aで電気泳動を行った。
4.ゲルを、Cy3 LEDを使用してChemiDoc MP(BioRad)によって可視化した。可視化および分析は、Image lab 2.0プラットフォーム上で実施した。
以下のプロトコルを使用して、精製されたDNA濃度の測定値を判定した。
1.2μlの滅菌蒸留水(ELGA VEOLIA)を台座に加えることによって、NanoDrop One(Thermo Scientific)を平衡化した。
2.平衡化の後、糸くずの出ないレンズ洗浄用ティッシュ(Whatman)を使用して、水をやさしく拭き取った。
3.2μlの緩衝液EB QIAGEN(10mMのトリス.CL、pH8.5)を加えることによって、NanoDrop Oneをブランクにした。ブランキングの後に、工程2を繰り返した。
4.2μlの試料を台座に加え、タッチスクリーン上の測定アイコンを選択することによって、DNA濃度を測定した。
5.精製されたDNAをポリアクリルアミドゲルに流し、第2節の工程5〜8の手順に従って可視化した。条件または試薬に変更はなかった。
以下に概説されたプロトコルを使用した各工程後に、試料混合物を精製した。
1.500μlの緩衝液PNI QIAGEN(5Mの塩化グアニジニウム)を試料に加え、ピペットで穏やかに再懸濁することによって混合した。
2.混合物をQIAquickスピンカラム(QIAGEN)に移し、6000rpmで1分間遠心分離した。
3.遠心分離後、フロースルーを廃棄し、750μlの緩衝液PE QIAGEN(10mMのトリス−HCl、pH7.5および80%のエタノール)をスピンカラムに加え、6000rpmで1分間遠心分離した。
4.フロースルーを廃棄し、スピンカラムを13000rpmでさらに1分間遠心分離して、残留PE緩衝液を除去した。
5.次に、スピンカラムを滅菌1.5mlのエッペンドルフチューブに入れた。
6.DNA溶出のために、反応のための20μlの適切な緩衝液をカラム膜の中心に加え、室温で1分間放置した。
7.次に、チューブを13000rpmで1分間遠心分離した。溶出したDNA濃度を測定し、その後の使用のために−20℃で保存した。
結果
DNAポリメラーゼは、二重ヘアピン構築物中のその天然に相補的な塩基と反対に3’−O−修飾−dTTPを組み込む(図30b)。
実施例6バージョン2化学−ヘルパー鎖を使用した単一ヘアピンモデルの完全サイクル
この実施例は、単一ヘアピンモデル上での4つの工程:ニック部位からの3’−O−修飾dNTPの組み込み、切断、連結、および脱保護を使用したポリヌクレオチドの合成を記載しており、第1の工程は、天然に相補的な塩基と反対側で起こる。DNA合成は、その過程においてヘルパー鎖を使用する。
方法は、DNAポリメラーゼによる酵素的組み込み、その後のイノシン切断、連結、および脱保護によるオリゴヌクレオチドへの3’−O−保護単一ヌクレオチドの制御された付加によって開始する(図31a)。
材料および方法
材料
1.Jian Wu:Molecular Engineering of Novel Nucleotide Analogues for DNA Sequencing by Synthesis.Columbia University,2008のPhD論文に記載されるプロトコルに従って、3’−O−修飾dNTPを社内で合成した。合成のためのプロトコルはまた、米国特許出願公開:J.William Efcavitch,Juliesta E.Sylvester,Modified Template−Independent Enzymes for Polydeoxynucleotide Synthesis,Molecular Assemblies US2016/0108382A1にも記載されている。
2.オリゴヌクレオチドを社内で設計し、Sigma Aldrichから入手した(図31b)。原液を100μMの濃度で調製する。
3.3−O−修飾dNTPを組み込む能力が増強された、New England BioLabsによって操作されたTherminator IX DNAポリメラーゼを使用した。
3’−O−アジドメチル−dTTPを組み込みについて試験した。
Figure 2021529551
方法
1.2μlの10×Thermopol(登録商標)緩衝液(20mMのトリス−HCl、10mMの(NHSO、10mMのKCl、2mMのMgSO、0.1%のTriton(登録商標)X−100、pH8.8、New England BioLabs)を、1.5mlのエッペンドルフチューブ中の12.5μlの滅菌脱イオン水(ELGA VEOLIA)と混合した。
2.2μlの10μMの単一ヘアピンモデルオリゴヌクレオチド(20pmol、1当量)(配列番号50、図31b)およびヘルパー鎖(30pmol、1.5当量)(配列番号51、図31b)を反応混合物に加えた。
3.3’−O−修飾−dTTP(2μlの100μM)およびMnCl(1μlの40mM)を加えた
4.次に、1.5μlのTherminator IX DNAポリメラーゼ(15U、New England BioLabs)を加えた。
5.反応物を37℃で10分間インキュベートした。
6.アリコート(5μl)を反応混合物から取り出し、0.5μlの天然dNTPミックスを加え、10分間反応させた。ゲル電気泳動によって反応物を分析した。
7.上記の精製工程1〜7に概説されたプロトコルを使用して、反応混合物を精製した。
8.20μlのNEB reaction buffer(登録商標)(50mMの酢酸カリウム、20mMのトリス−酢酸、10mMの酢酸マグネシウム、1mMのDTT、25℃でpH7.9)によって、DNA試料を清浄なエッペンドルフチューブに溶出した。
9.1μlのヒトエンドヌクレアーゼV(Endo V)NEB(30単位/μl)を同じチューブに加えた。
10.次に、反応混合物をピペットで再懸濁することによって穏やかに混合し、5秒間13,000rpmで遠心分離し、37℃で1時間インキュベートした。
11.インキュベーション時間が経過した後、酵素的熱不活性化(すなわち、65℃で20分間)によって反応を終了させた。
12.アリコート(5μl)を反応混合物から取り出し、TBE緩衝液を使用してポリアクリルアミドゲル(15%)上で分析し、ChemiDoc MP撮像システム(BioRad)によって可視化した。
13.上記の精製工程1〜7に概説されたプロトコルを使用して、反応混合物を精製した。
14.20μlのNEB reaction buffer(登録商標)(50mMの酢酸カリウム、20mMのトリス−酢酸、10mMの酢酸マグネシウム、1mMのDTT、25℃でpH7.9)によって、DNA試料を清浄なエッペンドルフチューブに溶出した。
15.10μlの連結のための100μMの鎖(1nmol)(配列番号52、図31b)および10μlの連結のための100μMヘルパー鎖(1nmol)(配列番号53、図31b)を反応混合物に加えた。
16.40μlの平滑/TA DNAリガーゼNEB(180単位/μl)を同じチューブに加えた。
17.次に、反応混合物をピペットで再懸濁することによって穏やかに混合し、5秒間13,000rpmで遠心分離し、室温で20分間インキュベートした。
18.pH7.4の1Mのトリス緩衝液中の40μLの500mMのTCEPを反応混合物に加え、37℃で10分間反応させた。
19.20μLの1×NEB Thermopol(登録商標)緩衝液によって溶出するQIAGENヌクレオチド除去キットを使用して、反応混合物を精製した。
20.典型的には、インキュベーション時間が経過した後、TBE−尿素試料緩衝液(Novex)を加えて反応を終了させた。
ゲル電気泳動およびDNAの可視化
1.5μlの反応混合物を滅菌1.5mlのエッペンドルフチューブ中の5μlのTBE−尿素試料緩衝液(Novex)に加え、熱ThermoMixer(Eppendorf)を使用して5分間95℃まで加熱した。
2.次に、5μlの試料を、予熱した1×TBE緩衝液Thermo Scientific(89mMのトリス、89mMのホウ酸、および2mMのEDTA)を含有する15%のTBE−尿素ゲル1.0mm×10ウェル(Invitrogen)のウェルに入れた。
3.X−cell sure lockモジュール(Novex)を適所に固定し、以下の条件、室温で40分間、260V、90Aで電気泳動を行った。
4.ゲルを、Cy3 LEDを使用してChemiDoc MP(BioRad)によって可視化した。可視化および分析は、Image lab 2.0プラットフォーム上で実施した。
以下のプロトコルを使用して、精製されたDNA濃度の測定値を判定した。
1.2μlの滅菌蒸留水(ELGA VEOLIA)を台座に加えることによって、NanoDrop One(Thermo Scientific)を平衡化した。
2.平衡化の後、糸くずの出ないレンズ洗浄用ティッシュ(Whatman)を使用して、水をやさしく拭き取った。
3.2μlの緩衝液EB QIAGEN(10mMのトリス.CL、pH8.5)を加えることによって、NanoDrop Oneをブランクにした。ブランキングの後に、工程2を繰り返した。
4.2μlの試料を台座に加え、タッチスクリーン上の測定アイコンを選択することによって、DNA濃度を測定した。
5.精製されたDNAをポリアクリルアミドゲルに流し、工程5〜8において上記した手順に従って可視化した。条件または試薬に変更はなかった。
以下に概説されたプロトコルを使用した各工程後に、試料混合物を精製した。
1.500μlの緩衝液PNI QIAGEN(5Mの塩化グアニジニウム)を試料に加え、ピペットで穏やかに再懸濁することによって混合した。
2.混合物をQIAquickスピンカラム(QIAGEN)に移し、6000rpmで1分間遠心分離した。
3.遠心分離後、フロースルーを廃棄し、750μlの緩衝液PE QIAGEN(10mMのトリス−HCl、pH7.5および80%のエタノール)をスピンカラムに加え、6000rpmで1分間遠心分離した。
4.フロースルーを廃棄し、スピンカラムを13000rpmでさらに1分間遠心分離して、残留PE緩衝液を除去した。
5.次に、スピンカラムを滅菌1.5mlのエッペンドルフチューブに入れた。
6.DNA溶出のために、反応のための20μlの適切な緩衝液をカラム膜の中央に加え、室温で1分間放置した。
7.次に、チューブを13000rpmで1分間遠心分離した。溶出したDNA濃度を測定し、その後の使用のために−20℃で保存した。
実施例7.バージョン3化学−二重ヘアピンモデルの完全サイクル。
この実施例は、二重ヘアピン構築物モデルについての4つの工程:ニック部位からの3’−O−修飾dNTPの組み込み、切断、連結、および脱保護を使用したポリヌクレオチドの合成を記載しており、第1の工程は、ユニバーサルヌクレオチド、この特定の場合はイノシン塩基と反対側で起こる。
方法は、DNAポリメラーゼによる酵素的組み込み、その後のイノシン切断、連結、および脱保護によるオリゴヌクレオチドへの3’−O−保護単一ヌクレオチドの制御された付加によって開始する(図32a)。
材料および方法
材料
1.Jian Wu:Molecular Engineering of Novel Nucleotide Analogues for DNA Sequencing by Synthesis.Columbia University,2008のPhD論文に記載されるプロトコルに従って、3’−O−修飾dNTPを社内で合成した。合成のためのプロトコルはまた、米国特許出願公開:J.William Efcavitch,Juliesta E.Sylvester,Modified Template−Independent Enzymes for Polydeoxynucleotide Synthesis,Molecular Assemblies US2016/0108382A1にも記載されている。
2.オリゴヌクレオチドを社内で設計し、Sigma−Aldrichから入手した(図32b)。原液を100μMの濃度で調製する。
3.New England BioLabsによって操作されたTherminator IX DNAポリメラーゼは、3−O−修飾dNTPを組み込む能力を高めた。
3’−O−アジドメチル−dTTPを組み込みについて試験した。
Figure 2021529551
方法
1.2μlの10×Thermopol(登録商標)緩衝液(20mMのトリス−HCl、10mMの(NHSO、10mMのKCl、2mMのMgSO、0.1%のTriton(登録商標)X−100、pH8.8、New England BioLabs)を、1.5mlのエッペンドルフチューブ中の12.5μlの滅菌脱イオン水(ELGA VEOLIA)と混合した。
2.2μlの10μMの二重ヘアピンモデルオリゴヌクレオチド(20pmol、1当量)(配列番号54、図32b)を反応混合物に加えた。
3.3’−O−修飾−dTTP(2μlの100μM)およびMnCl(1μlの40mM)を加えた。
4.次に、1.5μlのTherminator IX DNAポリメラーゼ(15U、New England BioLabs)を加えた。
5.反応物を37℃で10分間インキュベートした。
6.アリコート(5μl)を反応混合物から取り出し、0.5μlの天然dNTPミックスを加え、10分間反応させた。ゲル電気泳動によって反応物を分析した。
7.精製工程1〜7に概説されたプロトコルを使用して、反応混合物を精製した。
8.20μlのNEB Reaction buffer(登録商標)(50mMの酢酸カリウム、20mMのトリス−酢酸、10mMの酢酸マグネシウム、1mMのDTT、25℃でpH7.9)によって、DNA試料を清浄なエッペンドルフチューブに溶出した。
9.1μlのヒトエンドヌクレアーゼV(Endo V)NEB(30単位/μl)を同じチューブに加えた。
10.次に、反応混合物をピペットで再懸濁することによって穏やかに混合し、5秒間13,000rpmで遠心分離し、37℃で1時間インキュベートした。
11.インキュベーション時間が経過した後、酵素的熱不活性化(すなわち、65℃で20分間)によって反応を終了させた。
12.アリコート(5μl)を反応混合物から取り出し、TBE緩衝液を使用してポリアクリルアミドゲル(15%)上で分析し、ChemiDoc MP撮像システム(BioRad)によって可視化した。
13.上記の精製工程1〜7に概説されたプロトコルを使用して、反応混合物を精製した。
14.20μlのNEB Reaction buffer(登録商標)(50mMの酢酸カリウム、20mMのトリス−酢酸、10mMの酢酸マグネシウム、1mMのDTT、25℃でpH7.9)によって、DNA試料を清浄なエッペンドルフチューブに溶出した。
15.10μlの連結のための100μMの鎖(1nmol)(配列番号55、図32b)を反応混合物に加えた。
16.40μlの平滑/TA DNAリガーゼNEB(180単位/μl)を同じチューブに加えた。
17.次に、反応混合物をピペットで再懸濁することによって穏やかに混合し、5秒間13,000rpmで遠心分離し、室温で20分間インキュベートした。
18.pH7.4の1Mのトリス緩衝液中の40μLの500mMのTCEPを反応混合物に加え、37℃で10分間反応させた。
19.20μLの1×NEB Thermopol(登録商標)緩衝液によって溶出するQIAGENヌクレオチド除去キットを使用して、反応混合物を精製した。
20.典型的には、インキュベーション時間が経過した後、TBE−尿素試料緩衝液(Novex)を加えて反応を終了させた。
ゲル電気泳動およびDNAの可視化
1.5μlの反応混合物を滅菌1.5mlのエッペンドルフチューブ中の5μlのTBE−尿素試料緩衝液(Novex)に加え、熱ThermoMixer(Eppendorf)を使用して5分間95℃まで加熱した。
2.次に、5μlの試料を、予熱した1×TBE緩衝液Thermo Scientific(89mMのトリス、89mMのホウ酸、および2mMのEDTA)を含有する15%のTBE−尿素ゲル1.0mm×10ウェル(Invitrogen)のウェルに入れた。
3.X−cell sure lockモジュール(Novex)を適所に固定し、以下の条件、室温で40分間、260V、90Aで電気泳動を行った。
4.ゲルを、Cy3 LEDを使用してChemiDoc MP(BioRad)によって可視化した。可視化および分析は、Image lab 2.0プラットフォーム上で実施した。
以下のプロトコルを使用して、精製されたDNA濃度の測定値を判定した。
1.2μlの滅菌蒸留水(ELGA VEOLIA)を台座に加えることによって、NanoDrop One(Thermo Scientific)を平衡化した。
2.平衡化の後、糸くずの出ないレンズ洗浄用ティッシュ(Whatman)を使用して、水をやさしく拭き取った。
3.2μlの緩衝液EB QIAGEN(10mMのトリス.CL、pH8.5)を加えることによって、NanoDrop Oneをブランクにした。次に、ブランキングの後に、工程2を繰り返した。
4.2μlの試料を台座に加え、タッチスクリーン上の測定アイコンを選択することによって、DNA濃度を測定した。
5.精製されたDNAをポリアクリルアミドゲルに流し、第2節の工程5〜8の手順に従って可視化した。条件または試薬に変更はなかった。
以下に概説されたプロトコルを使用した各工程後に、試料混合物を精製した。
1.500μlの緩衝液PNI QIAGEN(5Mの塩化グアニジニウム)を試料に加え、ピペットで穏やかに再懸濁することによって混合した。
2.混合物をQIAquickスピンカラム(QIAGEN)に移し、6000rpmで1分間遠心分離した。
3.遠心分離後、フロースルーを廃棄し、750μlの緩衝液PE QIAGEN(10mMのトリス−HCl、pH7.5および80%のエタノール)をスピンカラムに加え、6000rpmで1分間遠心分離した。
4.フロースルーを廃棄し、スピンカラムを13000rpmでさらに1分間遠心分離して、残留PE緩衝液を除去した。
5.次に、スピンカラムを滅菌1.5mlのエッペンドルフチューブに入れた。
6.DNA溶出のために、反応のための20μlの適切な緩衝液をカラム膜の中心に加え、室温で1分間放置した。
7.次に、チューブを13000rpmで1分間遠心分離した。溶出したDNA濃度を測定し、その後の使用のために−20℃で保存した。
実施例8バージョン2化学−二重ヘアピンモデルについての完全な2サイクル実験
この実施例は、二重ヘアピンモデル上で4つの工程:ニック部位からの3’−O−修飾dNTPの組み込み、脱保護、切断、および連結を使用したポリヌクレオチドの合成のための完全な2サイクル実験を記載しており、第1の工程は、相補的塩基と反対側で起こる。
方法は、図33aに示される第1のサイクルの反応の概略図に示されるように、DNAポリメラーゼによる酵素的組み込み、その後の脱保護、イノシン切断、および連結によるオリゴヌクレオチドへの3’−O−保護単一ヌクレオチドの制御された付加によって開始する。図33bは、第2のサイクルの反応の概略図を示す。
材料および方法
材料
1.Jian Wu:Molecular Engineering of Novel Nucleotide Analogues for DNA Sequencing by Synthesis.Columbia University,2008のPhD論文に記載されるプロトコルに従って、3’−O−修飾dNTPを社内で合成した。合成のためのプロトコルはまた、米国特許出願公開:J.William Efcavitch,Juliesta E.Sylvester,Modified Template−Independent Enzymes for Polydeoxynucleotide Synthesis,Molecular Assemblies US2016/0108382A1にも記載されている。
2.オリゴヌクレオチドを社内で設計し、Sigma−Aldrichから入手した(図33d)。原液を100μMの濃度で調製する。
3.New England BioLabsによって操作されたTherminator IX DNAポリメラーゼは、3’−O−修飾dNTPを組み込む能力を高めた。
3’−O−アジドメチル−dTTPおよび3’−O−アジドメチル−dCTPを組み込みのために使用した。
Figure 2021529551
方法
第1のサイクル:
1.2μlの10×Thermopol(登録商標)緩衝液(20mMのトリス−HCl、10mMの(NHSO、10mMのKCl、2mMのMgSO、0.1%のTriton(登録商標)X−100、pH8.8、New England BioLabs)を、1.5mlのエッペンドルフチューブ中の12.5μlの滅菌脱イオン水(ELGA VEOLIA)と混合した。
2.2μlの10μMの二重ヘアピンモデルオリゴヌクレオチド(20pmol、1当量)(配列番号56、図33d)を反応混合物に加えた。
3.3’−O−修飾−dTTP(2μlの100μM)およびMnCl(1μlの40mM)を加えた。
4.次に、1.5μlのTherminator IX DNAポリメラーゼ(15U、New England BioLabs)を加えた。
5.反応物を37℃で10分間インキュベートした。
6.アリコート(5μl)を反応混合物から取り出し、0.5μlの天然dNTPミックスを加え、10分間反応させた。ゲル電気泳動によって反応物を分析した。
7.pH=7.4の1Mのトリス緩衝液中の40μLの500mMのTCEPを反応混合物に加え、37℃で10分間反応させた。
8.精製工程1〜7に概説されたプロトコルを使用して、反応混合物を精製した。
9.20μlのNEB Reaction buffer(登録商標)(50mMの酢酸カリウム、20mMのトリス−酢酸、10mMの酢酸マグネシウム、1mMのDTT、25℃でpH7.9)によって、DNA試料を清浄なエッペンドルフチューブに溶出した。
10.1μlのヒトエンドヌクレアーゼV(Endo V)NEB(30単位/μl)を同じチューブに加えた。
11.次に、反応混合物をピペットで再懸濁することによって穏やかに混合し、5秒間13,000rpmで遠心分離し、37℃で1時間インキュベートした。
12.インキュベーション時間が経過した後、酵素的熱不活性化(すなわち、65℃で20分間)によって反応を終了させた。
13.アリコート(5μl)を反応混合物から取り出し、TBE緩衝液を使用してポリアクリルアミドゲル(15%)上で分析し、ChemiDoc MP撮像システム(BioRad)によって可視化した。
14.精製工程1〜7に概説されたプロトコルを使用して、QIAGENヌクレオチド除去キットによって、反応混合物を精製した。
15.20μlのNEB Reaction buffer(登録商標)(50mMの酢酸カリウム、20mMのトリス−酢酸、10mMの酢酸マグネシウム、1mMのDTT、25℃でpH7.9)によって、DNA試料を清浄なエッペンドルフチューブに溶出した。
16.10μlの連結のための100μMの鎖(1nmol)(配列番号57、図33d)を反応混合物に加えた。
17.40μlの平滑/TA DNAリガーゼNEB(180単位/μl)を同じチューブに加えた。
18.次に、反応混合物をピペットで再懸濁することによって穏やかに混合し、5秒間13,000rpmで遠心分離し、室温で20分間インキュベートした。
19.精製工程1〜5に概説されたプロトコルを使用して、ストレプトアビジン磁気ビーズキットによって、反応混合物を精製した。
20.非連結オリゴヌクレオチドをラムダエキソヌクレアーゼによって消化した。
21.精製工程1〜7に概説されたプロトコルを使用して、QIAGENヌクレオチド除去キットによって、反応混合物を精製した。
22.20μlのNEB Reaction buffer(登録商標)(50mMの酢酸カリウム、20mMのトリス−酢酸、10mMの酢酸マグネシウム、1mMのDTT、25℃でpH7.9)によって、DNA試料を清浄なエッペンドルフチューブに溶出した。
第2のサイクル:
23.3’−O−修飾−dCTP(2μlの100μM)およびMnCl(1μlの40mM)を加えた。
24.次に、1.5μlのTherminator IX DNAポリメラーゼ(15U、New England BioLabs)を加えた。
25.反応物を37℃で10分間インキュベートした。
26.アリコート(5μl)を反応混合物から取り出し、0.5μlの天然dNTPミックスを加え、10分間反応させた。ゲル電気泳動によって反応物を分析した。
27.pH=7.4の1Mのトリス緩衝液中の40μLの500mMのTCEPを反応混合物に加え、37℃で10分間反応させた。
28.精製工程1〜7に概説されたプロトコルを使用して、反応混合物を精製した。
29.20μlのNEB Reaction buffer(登録商標)(50mMの酢酸カリウム、20mMのトリス−酢酸、10mMの酢酸マグネシウム、1mMのDTT、25℃でpH7.9)によって、DNA試料を清浄なエッペンドルフチューブに溶出した。
30.1μlのヒトエンドヌクレアーゼV(Endo V)NEB(30単位/μl)を同じチューブに加えた。
31.次に、反応混合物をピペットで再懸濁することによって穏やかに混合し、5秒間13,000rpmで遠心分離し、37℃で1時間インキュベートした。
32.インキュベーション時間が経過した後、酵素的熱不活性化(すなわち、65℃で20分間)によって反応を終了させた。
33.アリコート(5μl)を反応混合物から取り出し、TBE緩衝液を使用してポリアクリルアミドゲル(15%)上で分析し、ChemiDoc MP撮像システム(BioRad)によって可視化した。
34.精製工程1〜7に概説されたプロトコルを使用して、反応混合物を精製した。
35.20μlのNEB Reaction buffer(登録商標)(50mMの酢酸カリウム、20mMのトリス−酢酸、10mMの酢酸マグネシウム、1mMのDTT、25℃でpH7.9)によって、DNA試料を清浄なエッペンドルフチューブに溶出した。
36.10μlの連結のための100μMの鎖(1nmol)(配列番号58、図33d)を反応混合物に加えた。
37.40μlの平滑/TA DNAリガーゼNEB(180単位/μl)を同じチューブに加えた。
38.次に、反応混合物をピペットで再懸濁することによって穏やかに混合し、5秒間13,000rpmで遠心分離し、室温で10分間インキュベートした。
39.インキュベーション時間が経過した後、TBE−尿素試料緩衝液(Novex)を加えて反応を終了させた。
ゲル電気泳動およびDNAの可視化
1.5μlの反応混合物を滅菌1.5mlのエッペンドルフチューブ中の5μlのTBE−尿素試料緩衝液(Novex)に加え、熱ThermoMixer(Eppendorf)を使用して5分間95℃まで加熱した。
2.次に、5μlの試料を、予熱した1×TBE緩衝液Thermo Scientific(89mMのトリス、89mMのホウ酸、および2mMのEDTA)を含有する15%のTBE−尿素ゲル1.0mm×10ウェル(Invitrogen)のウェルに入れた。
3.X−cell sure lockモジュール(Novex)を適所に固定し、以下の条件、室温で40分間、260V、90Aを適用することによって、電気泳動に供した。
4.ゲルを、Cy3 LEDを使用してChemiDoc MP(BioRad)によって可視化した。可視化および分析は、Image lab 2.0プラットフォーム上で実施した。
以下のプロトコルを使用して、精製されたDNA濃度の測定値を判定した。
1.2μlの滅菌蒸留水(ELGA VEOLIA)を台座に加えることによって、NanoDrop One(Thermo Scientific)を平衡化した。
2.平衡化の後、糸くずの出ないレンズ洗浄用ティッシュ(Whatman)を使用して、水をやさしく拭き取った。
3.2μlの緩衝液EB QIAGEN(10mMのトリス.CL、pH8.5)を加えることによって、NanoDrop Oneをブランクにした。ブランキングの後に、工程2を繰り返した。
4.2μlの試料を台座に加え、タッチスクリーン上の測定アイコンを選択することによって、DNA濃度を測定した。
以下に概説されたプロトコルを使用して、QIAGENヌクレオチド除去キットによって、試料混合物を精製した。
1.500μlの緩衝液PNI QIAGEN(5Mの塩化グアニジニウム)を試料に加え、ピペットで穏やかに再懸濁することによって混合した。
2.混合物をQIAquickスピンカラム(QIAGEN)に移し、6000rpmで1分間遠心分離した。
3.遠心分離後、フロースルーを廃棄し、750μlの緩衝液PE QIAGEN(10mMのトリス−HCl、pH7.5および80%のエタノール)をスピンカラムに加え、6000rpmで1分間遠心分離した。
4.フロースルーを廃棄し、スピンカラムを13000rpmでさらに1分間遠心分離して、残留PE緩衝液を除去した。
5.次に、スピンカラムを滅菌1.5mlのエッペンドルフチューブに入れた。
6.DNA溶出のために、反応のための20μlの適切な緩衝液をカラム膜の中心に加え、室温で1分間放置した。
7.次に、チューブを13000rpmで1分間遠心分離した。
連結工程の後に、ストレプトアビジン磁気ビーズを使用して、以下に概説されたプロトコルを介して、試料混合物を精製した。
1.200μlの結合緩衝液(20mMのトリス、500mMのNaCl、pH=7.4)によって、100μlのストレプトアビジン磁気ビーズ(New England BioLabs)を3回洗浄した。
2.連結工程後の反応混合物を10容量の結合緩衝液(20mMのトリス、500mMのNaCl、pH=7.4)と混合し、ストレプトアビジン磁気ビーズと共に20℃で15分間インキュベートする。
3.200μlの結合緩衝液(20mMのトリス、500mMのNaCl、pH=7.4)によって、ストレプトアビジン磁気ビーズを3回洗浄した。
4.脱イオン水によって、ストレプトアビジン磁気ビーズを3回洗浄した。
5.3分間95℃まで加熱することによる40μlの脱イオン水によって、オリゴヌクレオチドを溶出した。
図33cに示される結果は、本発明の例示的な方法を使用した2つの完全な合成サイクルの実行を示す。
実施例9.バージョン2化学−単一ヘアピンモデル上での完全な3サイクル実験。
この実施例は、二重ヘアピンモデル上での5つの工程:ニック部位からの3’−O−修飾dNTPの組み込み、脱保護、切断、連結、および変性工程を使用したポリヌクレオチドの合成のための完全な3サイクル実験を記載しており、第1の工程は、相補的塩基と反対側で起こる。
方法の例示的な概略図を図38、39、および40に示す。
本方法は、DNAポリメラーゼによる酵素的組み込み、その後の脱保護、切断、連結、およびヘルパー鎖の変性によるオリゴヌクレオチドへの3’−O−保護一塩基の制御された添加によって開始する。図38は、酵素的組み込み、脱保護、切断、連結、および変性工程を伴う第1の完全サイクルを示す。この実施例では、オリゴヌクレオチドはTヌクレオチドだけ伸長されている。図39は、酵素的組み込み、脱保護、切断、連結工程、および変性工程を伴う第1のサイクルに続く第2の完全サイクルを示す。この実施例では、オリゴヌクレオチドはTヌクレオチドだけ伸長されている。図40は、酵素的組み込み、脱保護、切断、連結、および変性工程を伴う第2のサイクルに続く第3の完全サイクルを示す。この実施例では、オリゴヌクレオチドはTヌクレオチドだけ伸長されている。
材料および方法
材料
1.Jian Wu:Molecular Engineering of Novel Nucleotide Analogues for DNA Sequencing by Synthesis,Columbia University,2008のPhD論文に記載されるプロトコルに従って、3’−O−修飾dNTPを社内で合成した。合成のためのプロトコルはまた、米国特許出願公開:J.William Efcavitch,Juliesta E.Sylvester,Modified Template−Independent Enzymes for Polydeoxynucleotide Synthesis,Molecular Assemblies US2016/0108382A1にも記載されている。
2.オリゴヌクレオチドを社内で設計し、Integrated DNA Technologies,Sigma−Aldrichから入手した(図41)。原液を100μMの濃度で調製する。
3.3−O−修飾dNTPを組み込む能力が増強された、New England BioLabsによって操作されたTherminator X DNAポリメラーゼを使用した。あるいは、任意のDNAポリメラーゼまたは修飾dNTPを組み込むことができる他の酵素を使用することができる。
3’−O−アジドメチル−dTTPを組み込みのために使用した。
Figure 2021529551
方法
第1のサイクル:
1.20μlの10×Thermopol(登録商標)緩衝液(20mMのトリス−HCl、10mMの(NHSO、10mMのKCl、2mMのMgSO、0.1%のTriton(登録商標)X−100、pH8.8、New England Biolabs)およびMnCl溶液(10μlの40mM)を、1.5mlのエッペンドルフチューブ中の139μlの滅菌脱イオン水(ELGA VEOLIA)と混合した。
2.20μlの100μMの単一ヘアピンモデルオリゴヌクレオチド(2nmol、1当量)(配列番号59、図41)を反応混合物に加えた。
3.アリコート(4μl)を反応混合物から取り出し、0.5μlの天然dNTPミックス(4mM)および0.5μlのBst DNAポリメラーゼならびに0.5μlのSulfolobus DNAポリメラーゼIVを加え、10分間反応させた。ゲル電気泳動によって反応物を分析した。
4.3’−O−修飾−dTTP(10μlの2mM)を加えた。
5.次に、5μlのTherminator X DNAポリメラーゼ(50U、New England BioLabs)を加えた。しかしながら、修飾dNTPを組み込むことができる任意のDNAポリメラーゼまたは他の酵素を使用することができる。
6.反応物を37℃で30分間インキュベートした。
7.精製工程66〜72に概説されたQIAGENヌクレオチド除去キットを使用して、反応混合物を精製した。
8.200μlのTE緩衝液によって、DNA試料を清浄なエッペンドルフチューブに溶出した。
9.アリコート(4μl)を反応混合物から取り出し、0.5μlの天然dNTPミックス(4mM)および0.5μlのBst DNAポリメラーゼならびに0.5μlのSulfolobus DNAポリメラーゼIVを加え、10分間反応させた。ゲル電気泳動によって反応物を分析した。
10.400μLの500mMのTCEPを反応混合物に加え、37℃で10分間反応させた。
11.精製工程66〜72に概説されたQIAGENヌクレオチド除去キットを使用して、反応混合物を精製した。
12.150μlのNEB Reaction buffer(登録商標)(50mMの酢酸カリウム、20mMのトリス−酢酸、10mMの酢酸マグネシウム、1mMのDTT、25℃でpH7.9)によって、DNA試料を清浄なエッペンドルフチューブに溶出した。
13.アリコート(4μl)を反応混合物から取り出し、0.5μlの天然dNTPミックス(4mM)および0.5μlのBst DNAポリメラーゼならびに0.5μlのSulfolobus DNAポリメラーゼIVを加え、10分間反応させた。ゲル電気泳動によって反応物を分析した。
14.5μlのヒトエンドヌクレアーゼV(Endo V)NEB(30単位/μl)を溶出液に加え、37℃で30分間インキュベートした。任意の好適な代替エンドヌクレアーゼを使用することができる。
15.インキュベーション時間が経過した後、酵素的熱不活性化(すなわち、65℃で20分間)によって反応を終了させた。
16.アリコート(5μl)を反応混合物から取り出し、ポリアクリルアミドゲル上で分析した。
17.精製工程66〜72に概説されたプロトコルを使用して、QIAGENヌクレオチド除去キットによって、反応混合物を精製した。
18.100μlのT3 DNAリガーゼ緩衝液(2倍濃縮)によって、DNA試料を清浄なエッペンドルフチューブに溶出した。
19.20μlの連結のための100μMのイノシン鎖(2nmol)および20μlの連結のための100μMのヘルパー鎖(2nmol)(配列番号60、51、図41)、ならびに40μlの水を反応物に加えた。
20.20μlのT3 DNAリガーゼNEB(3000単位/μl)を同じチューブに加え(これは任意のDNA連結酵素を含み得る)、室温で30分間インキュベートした。
精製工程73〜78に概説された変性工程を含むストレプトアビジン磁気ビーズキットのためのプロトコルを使用して、反応混合物を精製した。
21.精製工程66〜72に概説されたQIAGENヌクレオチド除去キットのためのプロトコルを使用して、反応混合物を精製した。
22.100μlのTE緩衝液によって、DNA試料を清浄なエッペンドルフチューブに溶出した。
第2のサイクル:
23.15μlの10×Thermopol(登録商標)緩衝液(20mMのトリス−HCl、10mMの(NHSO、10mMのKCl、2mMのMgSO、0.1%のTriton(登録商標)X−100、pH8.8、New England BioLabs)、MnCl溶液(7.5μlの40mM)、および19μlの脱イオン水を加えた。
24.アリコート(4μl)を反応混合物から取り出し、0.5μlの天然dNTPミックス(4mM)および0.5μlのBst DNAポリメラーゼならびに0.5μlのSulfolobus DNAポリメラーゼIVを加え、10分間反応させた。ゲル電気泳動によって反応物を分析した。
25.3’−O−修飾−dTTP(7.5μlの2mM)を加えた。
26.次に、5μlのTherminator X DNAポリメラーゼ(50U、New England BioLabs)を加えた。修飾dNTPを組み込むことができる任意のDNAポリメラーゼを使用することができる。
27.反応物を37℃で30分間インキュベートした。
28.精製工程66〜72に概説されたQIAGENヌクレオチド除去キットを使用して、反応混合物を精製した。
29.100μlのTE緩衝液によって、DNA試料を清浄なエッペンドルフチューブに溶出した。
30.アリコート(4μl)を反応混合物から取り出し、0.5μlの天然dNTPミックス(4mM)および0.5μlのBst DNAポリメラーゼならびに0.5μlのSulfolobus DNAポリメラーゼIVを加え、10分間反応させた。ゲル電気泳動によって反応物を分析した。
31.200μLの500mMのTCEPを反応混合物に加え、37℃で10分間反応させた。
32.精製工程66〜72に概説されたQIAGENヌクレオチド除去キットを使用して、反応混合物を精製した。
33.100μlのNEB Reaction buffer(登録商標)(50mMの酢酸カリウム、20mMのトリス−酢酸、10mMの酢酸マグネシウム、1mMのDTT、25℃でpH7.9)によって、DNA試料を清浄なエッペンドルフチューブに溶出した。
34.アリコート(4μl)を反応混合物から取り出し、0.5μlの天然dNTPミックス(4mM)および0.5μlのBst DNAポリメラーゼならびに0.5μlのSulfolobus DNAポリメラーゼIVを加え、10分間反応させた。ゲル電気泳動によって反応物を分析した。
35.5μlのヒトエンドヌクレアーゼV(Endo V)NEB(30単位/μl)を溶出液に加え、37℃で30分間インキュベートした。任意の好適な代替エンドヌクレアーゼを使用することができる。
36.インキュベーション時間が経過した後、酵素的熱不活性化(すなわち、65℃で20分間)によって反応を終了させた。
37.アリコート(5μl)を反応混合物から取り出し、ポリアクリルアミドゲル上で分析した。
38.精製工程66〜72に概説されたプロトコルを使用して、QIAGENヌクレオチド除去キットによって、反応混合物を精製した。
39.60μlのT3 DNAリガーゼ緩衝液(2倍濃縮)によって、DNA試料を清浄なエッペンドルフチューブに溶出した。
40.20μlの連結のための100μMのイノシン鎖(2nmol)および20μlの連結のための100μMのヘルパー鎖(2nmol)(配列番号60、51、図41)、ならびに10μlのイオン水を反応混合物に加えた。
41.10μlのT3 DNAリガーゼNEB(3000単位/μl)を同じチューブに加え、室温で30分間インキュベートした。任意の好適なDNAリガーゼを使用することができる。
42.精製工程73〜78に概説された変性工程を含むストレプトアビジン磁気ビーズキットのためのプロトコルを使用して、反応混合物を精製した。
43.精製工程66〜72に概説されたQIAGENヌクレオチド除去キットのためのプロトコルを使用して、反応混合物を精製した。
44.46μlのTE緩衝液によって、DNA試料を清浄なエッペンドルフチューブに溶出した。
第3のサイクル:
45.6μlの10×Thermopol(登録商標)緩衝液(20mMのトリス−HCl、10mMの(NHSO、10mMのKCl、2mMのMgSO、0.1%のTriton(登録商標)X−100、pH8.8、New England BioLabs)、MnCl溶液(3μlの40mM)を加えた。
46.アリコート(4μl)を反応混合物から取り出し、0.5μlの天然dNTPミックス(4mM)および0.5μlのBst DNAポリメラーゼならびに0.5μlのSulfolobus DNAポリメラーゼIVを加え、10分間反応させた。ゲル電気泳動によって反応物を分析した。
47.3’−O−修飾−dTTP(6μlの200μM)を加えた。
48.次に、3μlのTherminator X DNAポリメラーゼ(30U、New England BioLabs)を加えた。修飾dNTPを組み込むことができる任意のDNAポリメラーゼまたは他の好適な酵素を使用することができる。
49.反応物を37℃で30分間インキュベートした。
50.精製工程66〜72に概説されたQIAGENヌクレオチド除去キットを使用して、反応混合物を精製した。
51.50μlのTE緩衝液によって、DNA試料を清浄なエッペンドルフチューブに溶出した。
52.アリコート(4μl)を反応混合物から取り出し、0.5μlの天然dNTPミックス(4mM)および0.5μlのBst DNAポリメラーゼならびに0.5μlのSulfolobus DNAポリメラーゼIVを加え、10分間反応させた。ゲル電気泳動によって反応物を分析した。
53.100μLの500mMのTCEPを反応混合物に加え、37℃で10分間反応させた。
54.精製工程66〜72に概説されたQIAGENヌクレオチド除去キットを使用して、反応混合物を精製した。
55.49μlのNEB Reaction buffer(登録商標)(50mMの酢酸カリウム、20mMのトリス−酢酸、10mMの酢酸マグネシウム、1mMのDTT、25℃でpH7.9)によって、DNA試料を清浄なエッペンドルフチューブに溶出した。
56.アリコート(4μl)を反応混合物から取り出し、0.5μlの天然dNTPミックス(4mM)および0.5μlのBst DNAポリメラーゼならびに0.5μlのSulfolobus DNAポリメラーゼIVを加え、10分間反応させた。ゲル電気泳動によって反応物を分析した。
57.5μlのヒトエンドヌクレアーゼV(Endo V)NEB(30単位/μl)を溶出液に加え、37℃で30分間インキュベートした。あるいは、任意の好適なエンドヌクレアーゼを使用することができる。
58.インキュベーション時間が経過した後、酵素的熱不活性化(すなわち、65℃で20分間)によって反応を終了させた。
59.アリコート(5μl)を反応混合物から取り出し、ポリアクリルアミドゲル上で分析した。
60.精製工程66〜72に概説されたプロトコルを使用して、QIAGENヌクレオチド除去キットによって、反応混合物を精製した。
61.30μlのT3 DNAリガーゼ緩衝液(2倍濃縮)によって、DNA試料を清浄なエッペンドルフチューブに溶出した。
62.10μlの連結のための100μMのイノシン鎖(2nmol)、10μlの連結のための100μMのヘルパー鎖(2nmol)(配列番号60、51、図41)、および5μlの水を反応混合物に加えた。
63.5μlのT3 DNAリガーゼNEB(3000単位/μl)を同じチューブに加えた。(これは任意のDNA連結酵素を含み得)、室温で30分間インキュベートした。
64.ゲル電気泳動によって反応物を分析した。
以下に概説されたプロトコルを使用した、組み込み、脱ブロック、および切断工程の後のQIAGENヌクレオチド除去キットによる反応混合物の精製。
65.10容量の緩衝液PNI QIAGEN(5Mの塩化グアニジニウム)を試料に加え、ピペットで穏やかに再懸濁することによって混合した。
66.混合物をQIAquickスピンカラム(QIAGEN)に移し、6000rpmで1分間遠心分離した。
67.遠心分離後、フロースルーを廃棄し、750μlの緩衝液PE QIAGEN(10mMのトリス−HCl、pH7.5および80%のエタノール)をスピンカラムに加え、6000rpmで1分間遠心分離した。
68.フロースルーを廃棄し、スピンカラムを13000rpmでさらに1分間遠心分離して、残留PE緩衝液を除去した。
69.次に、スピンカラムを滅菌1.5mlのエッペンドルフチューブに入れた。
70.DNA溶出のために、反応のための20〜200μlの適切な緩衝液をカラム膜の中心に加え、室温で1分間放置した。
71.次に、チューブを13000rpmで1分間遠心分離した。
変性工程を伴うストレプトアビジン磁気ビーズを使用した連結工程後の反応物の精製を、以下に概説されたプロトコルを介して行った。
72.200μlの結合緩衝液(20mMのトリス、500mMのNaCl、pH=7.4)によって、100μlのストレプトアビジン磁気ビーズ(New England BioLabs)を3回洗浄した。
73.連結工程後の反応混合物を10容量の結合緩衝液(20mMのトリス、500mMのNaCl、pH=7.4)と混合し、ストレプトアビジン磁気ビーズと共に20℃で15分間インキュベートさせた。
74.200μlの結合緩衝液(20mMのトリス、500mMのNaCl、pH=7.4)によって、ストレプトアビジン磁気ビーズを3回洗浄した。
75.ヘルパー鎖を除去するために、ストレプトアビジン磁気ビーズを200μlの結合緩衝液(20mMのトリス、500mMのNaCl、pH=7.4)中で80℃まで加熱し、磁石にかけ、上清を迅速に廃棄した。
76.脱イオン水を用いて、ストレプトアビジン磁気ビーズを3回洗浄した。
77.95℃で3分間加熱することによる50〜100μlの脱イオン水によって、オリゴヌクレオチドを溶出した。
結果および結論
図42は、組み込み、脱ブロック、切断、および連結工程を含む完全3サイクル実験に対応する反応生産物を示すゲルを示す。示されている結果は、本発明の例示的な方法を使用した3つの完全合成サイクルの実行を実証している。
実施例10.ポリアクリルアミド表面の誘導体化およびその後の分子の固定化
この実施例は、N−(5−ブロモアセトアミジルペンチル)アクリルアミド(BRAPA)を使用したポリアクリルアミド表面上のブロモアセチル基の提示、およびその後のブロモアセチル基へのそれらの共有結合によるチオール化分子の表面固定化を記載する。
材料および方法
顕微鏡用スライドガラスおよびカバーガラスを、アセトン、エタノール、および水中でそれぞれ10分間ずつ順次超音波処理することによって洗浄し、アルゴンで乾燥させた。清浄なガラス製のカバーガラスを、ポリスチレン製ペトリ皿中で気相でトリクロロ(1H、1H、2H、2H−ペルフルオロオクチル)シランでシラン化し、エタノール中で2回超音波処理し、Arで乾燥させた(以後、「フッ素化カバーガラス」)。顕微鏡用スライドガラス上で、4%アクリルアミド/N,N’−メチレンビスアクリルアミド(19:1)溶液を、100μlの10%(w/v)過硫酸アンモニウム(APS)、10μlのテトラメチルエチレンジアミン(TEMED)と混合し、0、0.1、0.2、および0.3%(w/v)でN−(5−ブロモアセトアミジルペンチル)アクリルアミド(BRAPA)を添加し、直径4mmのゴム製ガスケットに素早く分配し、続いてアクリルアミド溶液に面しているフッ素化側を含むフッ素化カバーガラスで挟み、10分間重合した。10分後、表面を脱イオン水に浸し、合計4時間浸したままにし、その間にフッ素化カバーガラスを注意深く取り除いた。重合されたポリアクリルアミド表面をアルゴンで乾燥させた。
続いてポリアクリルアミド表面を、リン酸ナトリウム緩衝液(10mM、pH8)中の陰性対照として、チオール化ポリエチレングリコール(1kDa)フルオレセイン(FITC−PEG−SH)、およびカルボキシル化ポリエチレングリコール(1kDa)フルオレセイン(FITC−PEG−COOH)に1時間曝露し、続いてリン酸ナトリウム緩衝液(10mM、pH7)および0.05%Tween20/0.5MのNaClを含有する同じ緩衝液で順次洗浄して、非特異的に吸着されたチオール化およびカルボキシル化フルオロフォアを除去した。続いて表面を、フルオレセインチャネルのChemiDoc(Bio−Rad)によって撮像した。
結果および結論
図43は蛍光シグナルを示し、図44は、FITC−PEG−SHおよびFITC−PEG−COOHに曝露された異なる量のBRAPAを添加したポリアクリルアミドゲル表面からの測定された蛍光を示す。フルオレセインの固定化は、カルボキシル化フルオレセインのゼロに近い非特異的吸着を伴って、BRAPAおよびチオール化フルオレセインのみを添加したポリアクリルアミド表面でのみ成功した。
BRAPAを含有しないこうしたポリアクリルアミド表面(BRAPA 0%)ならびにBRAPAおよびカルボキシル化分子(FITC−PEG−COOH)を含有するこうしたポリアクリルアミド表面と比較して、BRAPAを含有するポリアクリルアミド表面(BRAPA 0.1、0.2、および0.3%)、およびチオール化分子(FITC−PEG−SH)のみから、有意に高い陽性蛍光シグナルが得られた。結果は、表面からのブロモアセチル部分とフルオレセインタグ付き分子からのチオール部分との間に、特異的共有結合が起こったことを示す。
結果は、本発明の方法で使用するための支持鎖および合成鎖を含む分子などの分子が、本明細書に記載されるポリヌクレオチド合成反応に適合する表面基質上に容易に固定化され得ることを実証する。
実施例11.ヘアピンDNAオリゴマーの表面固定化、およびその後の蛍光標識されたデオキシヌクレオシド三リン酸の組み込み。
この実施例は以下を記載する。
(1)薄いポリアクリルアミド表面上にブロモアセチル基を提示する方法、
(2)チオリン酸官能化ヘアピンDNAのリンカーを有するか、または有しない共有結合を介したヘアピンDNAのその後の固定化、および
(3)ヘアピンDNAへの2’−デオキシヌクレオチド三リン酸(dNTP)の組み込み。
本方法は、実質的にあらゆる種類の材料表面(例えば、金属、ポリマーなど)と適合する。
(1):ブロモアセチル官能化された薄いポリアクリルアミド表面の加工
材料および方法
最初に、顕微鏡用スライドガラスを、純粋なDecon 90(30分)、水(30分)、1MのNaOH(15分)、水(30分)、0.1MのHCl(15分)、水(30分)中で超音波処理によって洗浄し、最後にアルゴンで乾燥させた。
最初に、2%(w/v)のアクリルアミドモノマー溶液を、1gのアクリルアミドモノマーを50mlの水に溶解することによって作製した。アクリルアミドモノマー溶液をボルテックスし、アルゴン中で15分間脱気した。N−(5−ブロモアセトアミジルペンチル)アクリルアミド(BRAPA、82.5mg)を、825μlのDMFに溶解し、アクリルアミドモノマー溶液に加え、さらにボルテックスした。最後に、1mlの5%(w/v)過硫酸カリウム(KPS)および115μlの純粋なテトラメチルエチレンジアミン(TEMED)を、アクリルアミド溶液に加え、ボルテックスし、清浄な顕微鏡用スライドガラスを、このアクリルアミド重合混合物に90分間曝露した。90分後、表面を脱イオン水で洗浄し、アルゴンで乾燥させた。これらの表面は、この実施例では、以後「BRAPA修飾表面」と呼ぶことにする。陰性対照として、BRAPAを含まないポリアクリルアミド表面もまた、アクリルアミドモノマー溶液へのBRAPA溶液の添加を除外することによって、上記に記載されるものと同様の方法で作製された。これらの表面は、この実施例では、以後「BRAPA制御表面」と呼ぶことにする。
(2):ポリアクリルアミド表面へのチオリン酸官能化ヘアピンDNAの共有結合
材料および方法
直径4mmの円形開口部を有するゴム製ガスケットを、BRAPA修飾表面およびBRAPA制御表面上に置いて固定した。最初に、表面をリン酸ナトリウム緩衝液(10mM、pH7)で10分間下塗りした。続いて緩衝液を除去し、表面を、それぞれ1μMの濃度の6個の単一のチオリン酸で修飾されたリンカーを含んだ、および含まない5’−蛍光標識された(Alexa 647)ヘアピンDNAオリゴマーに曝露し、暗所で1時間インキュベートした。対照として、リンカーを有するおよび有しないが、チオリン酸を有しないDNAオリゴマーと共に、BRAPA修飾表面をインキュベートした(この実施例では、以後「オリゴマー制御表面」と呼ばれる)。インキュベーション後、リン酸ナトリウム(100mM、pH7)、続いてトリス−EDTA緩衝液(10mMのトリス、10mMのEDTA、pH8)で表面をすすぎ、最後に水ですすいだ。任意の非特異的に吸着されたDNAオリゴマーを除去するために、続いて1Mの塩化ナトリウムおよび0.05%(v/v)のTween20を含有する水で表面を洗浄し、水で洗浄し、アルゴンで乾燥させた。Alexa 647チャネルのChemiDoc撮像装置上で表面をスキャンした。
図45aは、リンカーが異なる試料に固定化されていないヘアピンDNAの配列を示す。図45bは、リンカーが異なる試料に固定化されたヘアピンDNAの配列を示す。
結果
結果を図46および47に示す。図46は、ブロモアセチル官能化ポリアクリルアミド表面に固定化されたリンカーを有するおよび有しないヘアピンDNAオリゴマーから生じるが、BRAPAまたはオリゴマー対照からは生じない蛍光シグナルを示す。
図47は、ポリアクリルアミド表面へのDNA固定化の後に測定された蛍光強度を示す。この図は、様々なポリアクリルアミド表面から得られた表面蛍光シグナルを示し、ブロモアセチル官能化ポリアクリルアミド表面へのDNAの共有結合固定化の成功のために、((2)に記載されるような)BRAPAおよびオリゴマー制御表面と比較して、有意に高いシグナルが、BRAPA修飾表面に固定化されたヘアピンDNAオリゴマーから得られたことを示す。
結論
DNAからの蛍光シグナルは、BRAPAを添加したBRAPA修飾表面からのみ顕著に存在し、チオリン酸官能基を介した表面へのDNAの共有結合の成功を示している。リンカーを有しないDNAと比較して、リンカーを有するDNAから、均一かつより高いシグナルが得られた。
(3):リンカーを有するヘアピンDNAオリゴマーへの三リン酸の組み込み
材料および方法
直径9mmの円形開口部を有するゴム製ガスケットを、リンカーを有するDNAオリゴマーで固定化されたBRAPA修飾表面上に置き、組み込み緩衝液(50mMのトリス、pH8、1mMのEDTA、6mMのMgSO、0.05%のtween20、および2mMのMnCl)で10分間下塗りした。続いて表面を、DNAポリメラーゼ(0.5U/μlのTherminator X DNAポリメラーゼ)および三リン酸(20μMのAlexa 488標識dUTP)を含有する組み込み緩衝液に曝露し、1時間インキュベートした(この実施例では、以後「ポリメラーゼ表面」と呼ばれる)。陰性対照として、追加の表面の組も、Therminator X DNAポリメラーゼを含まない組み込み緩衝液に1時間曝露した(この実施例では、以後「陰性表面」と呼ばれる)。1時間後、両方の種類の試料を水中で洗浄し、続いて1Mの塩化ナトリウムおよび0.05%(v/v)のTween20を含有する水にさらし、再び水で洗浄した。表面からの蛍光シグナルを、Alexa 647およびAlexa 488チャネルのChemiDocを使用して測定し、ヘアピンDNAの存在(Alexa 647)およびdUTPの組み込み(Alexa 488)の両方をモニターした。
結果
図48は、Alexa 488標識dUTPの組み込み前および後のAlexa 647およびAlexa 488チャネルから検出された蛍光シグナルを示す。組み込み前および後のAlexa 647からの不変の陽性シグナルは、表面固定化ヘアピンDNAが組み込み反応中に安定的であることを示し、Alexa 488からの陽性シグナルは、ポリメラーゼの存在によってのみ、dUTPの組み込みの成功を示す、組み込み反応後のポリメラーゼ表面からのみ観察された。
図49は、(3)に記載されるようなAlexa 488標識dUTPの組み込み前および後の「ポリメラーゼ表面」および「陰性表面」から得られたAlexa 647(ヘアピンDNA)およびAlexa 488(dUTP)チャネルにおいて測定された測定蛍光シグナルを示す。組み込みが成功した結果、ポリメラーゼ表面からの組み込み反応後に、Alexa 488蛍光シグナルの有意な増加が得られたが、陰性表面からのシグナルは、ポリメラーゼの不在のために、組み込み反応後も同じままであった。Alexa 647チャネルの蛍光シグナルは、組み込み反応後に実質的に変化しないままであり、これは表面上のヘアピンDNAの存在を示している。蛍光シグナルのわずかな減少は、2回目の露光による光退色の効果によるものと思われる。
結論
結果は、本発明の方法において使用するための支持鎖および合成鎖を含む分子が、本明細書に記載されるポリヌクレオチド合成反応と適合する表面基質上に容易に固定化され得ることを実証する。結果はさらに、このような分子が、合成鎖を伸長させるために新たなdNTPの組み込みを許容し得ると同時に、分子が安定的で、基質に付着したままであることを実証する。
実施例12.リンカーおよびチオリン酸共有結合を介して誘導体化表面に固定化されたヘアピンDNAオリゴマーの切断および連結。
この実施例は、リンカーを有するチオリン酸官能化ヘアピンDNAの誘導体化表面への共有結合、その後の切断および連結反応を記載する。基質調製およびヘアピンDNAの結合を、実施例11に記載されるように実施した。
(1):リンカーを有する固定化ヘアピンDNAオリゴマーの切断
材料および方法
実施例11に記載されるような表面BRAPA修飾表面上に、ヘアピンDNAを固定化した。切断および連結反応のためのすべての実験対照を含む4組の三重表面を調製した。実験条件を図50aに記載する。図50bは、異なる試料に固定化されたヘアピンDNAの配列を示す。
DNA固定化工程の後に、直径9mmの円形開口部を有するゴム製ガスケットを、5’末端でAlexa 647で標識されたDNAで固定化されたすべての表面上に置き、1×NE緩衝液4(50mMの酢酸カリウム、20mMのトリス−酢酸、10mMの酢酸マグネシウム、1mMのDTT、pH7.9)で10分間下塗りした。試料Dについては、固定化ヘアピンDNAはイノシンを含有せず、イノシンはグアニンによって置換されることに留意されたい。続いてすべての試料を、1.5U/μlのエンドヌクレアーゼVを含有するNEBuffer 4(試料A、B、およびD)またはエンドヌクレアーゼVを含まないNEBuffer 4(試料C)のいずれかに1時間曝露した。続いてすべての試料を、1×T3 DNAリガーゼ緩衝液(66mMのトリス−HCl、10mMのMgCl2、1mMのATP、7.5%のPEG6000、1mMのDTT、pH7.6)、1Mの塩化ナトリウムおよび0.05%の(v/v)Tween20を含有する1×T3 DNAリガーゼ緩衝液で洗浄し、1×T3 DNAリガーゼ緩衝液で再び洗浄し、Alexa 647チャネルのChemiDoc撮像装置上でスキャンした。
結果
図51は、切断反応前および後のヘアピンDNAオリゴマーからの蛍光シグナルを示す。
図52は、上に記載されるようなDNA固定化表面から得られた切断反応の前および後に測定された蛍光シグナルを示す。切断反応の成功は、試料AおよびBからのみ観察されたが、エンドヌクレアーゼV(試料C)または配列中のイノシン(試料D)のいずれも存在しないため、蛍光シグナル強度は、試料CおよびDについて略同じままであった。
エンドヌクレアーゼVの存在を伴うDNA鎖内のイノシン部位での成功した切断反応の結果として、試料AおよびBから蛍光シグナルの有意な低減が観察された。試料CおよびDについて、DNA中のエンドヌクレアーゼVの不在およびイノシンの欠如は、それぞれ蛍光シグナルをもたらし、DNA固定化後に得られた初期シグナルとほぼ同じレベルを維持した。
(2):連結反応
材料および方法
(1)に記載されるような切断反応の後、試料AおよびB(図50aに記載されるような)を、試料AについてはT3 DNAリガーゼ(250U/μl)を用い、試料Bについては陰性対照としてT3 DNAリガーゼを用いずに、MnClを含有する1×T3 DNAリガーゼ緩衝液(2mM)、5′末端でAlexa 647で標識されたイノシン鎖(16μM)、および相補的「ヘルパー」鎖(16μM)(配列を以下の図53に示す)に曝露した。試料を、それぞれの溶液中で1時間インキュベートした。1時間後、表面を水中で洗浄し、続いて1Mの塩化ナトリウムおよび0.05%(v/v)のTween20を含有する水に曝露し、再び水で洗浄した。Alexa 647チャネルのChemiDocを使用して、表面からの蛍光シグナルを測定した。図53は、連結反応のためのイノシン含有鎖および相補的「ヘルパー」鎖についての配列を示す。
結果
図54は、連結反応のモニタリングに関する結果を示す。連結反応の前および後に、Alexa 647チャネルから検出された蛍光シグナル。連結後のAlexa 647チャネルにおける蛍光シグナルの増加は、T3 DNAリガーゼを有する試料Aからのみ得られたが、T3 DNAリガーゼの不在のため、試料Bについては連結反応後、蛍光シグナルは同じレベルのままであった。
図55は、連結の成功の結果として試料Aからの連結反応後に、Alexa 647蛍光シグナルの有意な増加が得られたことを示し、ここで、シグナルレベルは、DNA固定化の後、および図52に示されるような切断反応の前に、初期シグナルレベルに回復する。試料Bからの蛍光シグナルは、T3 DNAリガーゼの不在のため、連結反応後も同じままであった。
結論
この実施例の結果は、本発明の方法で使用するための支持鎖および合成鎖を含む分子が、本明細書に記載されるポリヌクレオチド合成反応に適合する表面基質上に容易に固定化でき、同時に安定的で基質に付着したままでありながら、切断および連結に曝露され得ることを実証する。
実施例13.平滑末端DNAの3’末端への3’−O−アジドメチル−dNTPの組み込み。
この実施例は、平滑末端二本鎖DNAの3’末端への3’−O−アジドメチル−dNTPの組み込みを記載する。
以下の工程は、DNAポリメラーゼによる酵素的組み込みによる平滑末端二本鎖オリゴヌクレオチドへの3’−O−保護一塩基の制御された付加を示す。工程は、図1〜10の各々に示されるように組み込み工程4に従う。
材料および方法
材料
1.社内で合成された3’−O−アジドメチル−dNTP。
2.3−O−修飾dNTPを組み込む増強された能力を有する、New England Biolabsによって操作されたTherminator X DNAポリメラーゼ。
3.平滑末端二本鎖DNAオリゴヌクレオチド。
4種類の可逆的ターミネーターを試験した。
Figure 2021529551
方法
1.5μlの10×Thermopol(登録商標)緩衝液(20mMのトリス−HCl、10mMの(NHSO、10mMのKCl、2mMのMgSO、0.1%のTriton(登録商標)X−100、pH8.8、New England Biolabs)を、1.5mlのエッペンドルフチューブ中の33.5μlの滅菌脱イオン水(ELGA VEOLIA)と混合した。
2.2μlの20μMプライマー(40pmol、1当量)(配列番号68、図56a)および3μlの20μM鋳型(60pmol、1.5当量)(配列番号69、図56a)を反応混合物に加えた。
3.3’−O−修飾−dTTP(2μlの100μM)およびMnCl(2.5μlの40mM)を加えた。
4.次に、2μlのTherminator X DNAポリメラーゼ(20U、New England BioLabs)を加えた。
5.反応物を37℃で30分間インキュベートした。
6.TBE−尿素試料緩衝液(Novex)を加えて反応を停止させた。
7.反応物をポリアクリルアミドゲル(15%)TBE緩衝液上で分離し、ChemiDoc MP撮像システム(BioRad)によって可視化した。
結果
図56bは、37℃でMn2+イオンの存在下で、Therminator X DNAポリメラーゼによる3’−O−修飾−dNTPの組み込みの結果を示すゲルを示す。データは、Therminator X DNAポリメラーゼが、3’−O−修飾−dNTPを平滑末端DNAオリゴヌクレオチドの3’末端に首尾よく組み込んで単一塩基突出を作成できたことを示す。
実施例14.平滑末端連結を使用したポリヌクレオチド連結分子の足場ポリヌクレオチドへの例示的な連結。
この実施例は、DNAリガーゼを使用したポリヌクレオチド連結分子の足場ポリヌクレオチドへの連結を記載する。この実施例は、図2に示されるように、本発明の合成方法のバージョン2と一致する、平滑末端を有する分子の連結を伴う。
図57は、DNA合成反応サイクルを示すスキームを提供する。スキームは、図2に示されるように、本発明の合成方法のバージョン2と一致することが意図される。したがって、図57のスキームは、平滑末端を有する足場ポリヌクレオチド(スキームの最上部パネルにおける右手ヘアピン構造)の提供を示し、左側の鎖は支持鎖に対応し、右側の鎖は合成鎖に対応する。支持鎖の末端ヌクレオチドは、5’末端にリン酸基を含む。サイクルの次の工程において、ポリヌクレオチド連結分子(スキームの最上部パネルの右端の構造)が提供される。ポリヌクレオチド連結分子は、支持鎖(左側の鎖)およびヘルパー鎖(右側の鎖)を有する。ポリヌクレオチド連結分子は、平滑末端であり、2−デオキシイノシン(In)であるユニバーサルヌクレオチドを含む相補的連結末端を有する。相補的連結末端におけるヘルパー鎖の末端は、連結不可能なヌクレオチドを含む。相補的連結末端における支持鎖の末端は、純粋に例示のために「A」として示される、所定の配列のヌクレオチドを含む。ポリヌクレオチド連結分子の足場ポリヌクレオチドへの連結時に、ポリヌクレオチド連結分子の相補的連結末端における支持鎖の末端ヌクレオチドが、足場ポリヌクレオチドの支持鎖の末端ヌクレオチドに連結され、ポリヌクレオチド連結分子のヘルパー鎖と足場ポリヌクレオチドの合成鎖との間に一本鎖切断(「ニック」)が作成される。ポリヌクレオチド連結分子の支持鎖の末端ヌクレオチドは、所定の配列のヌクレオチドを含み、位置nを占める。よって、ユニバーサルヌクレオチドは、位置n+2を占める。連結後、位置nとn+1との間で支持鎖を切断することによって、ポリヌクレオチド連結分子を切断する。図57に示される反応スキームにおいて、ヘルパー鎖は、任意選択の工程として、切断の前に除去されることが示される。切断後、所定の配列のヌクレオチドは、足場ポリヌクレオチドに保持される。次の工程において、純粋に例示のために「T」として示されるさらなるヌクレオチドは、この場合、ポリメラーゼ酵素またはヌクレオチドトランスフェラーゼ酵素の作用によって、足場ポリヌクレオチドの合成鎖に組み込まれる。さらなるヌクレオチドは、可逆的ターミネーター基またはブロッキング基を含む。さらなるヌクレオチドは、ヌクレオチド対を形成するために支持鎖の末端ヌクレオチドと対合する。次いで、スキームは、可逆的ターミネーター基またはブロッキング基が除去され、したがって合成サイクルを完了する、脱保護または脱ブロッキング工程を示す。
以下に詳述されるように、この実施例14は、図57の破線ボックスに示されるように、ポリヌクレオチド連結分子を足場ポリヌクレオチドに連結する工程を説明する。
材料および方法
材料:
1.この実施例で利用されるオリゴヌクレオチドは社内で設計され、Integrated DNA technologiesによって合成された。これらを図58に記載する。
2.滅菌蒸留水(ELGA VEOLIA)を使用して、オリゴヌクレオチドを100μMのストック濃度に希釈した。
方法:
以下の手順を使用して、オリゴヌクレオチドを用いた連結反応を実施した。
1.12μlの滅菌蒸留水(ELGA VEOLIA)を1.5mlのエッペンドルフチューブに加えた。
2.次に、30μlの2×T3 DNA Ligase Reaction緩衝液NEB(132mMのトリス−HCl、20mMのMgCl、2mMのジチオスレイトール、2mMのATP、15%のポリエチレングリコール(PEG6000)および25℃でpH7.6)および 2μlの40mMのMnClを同じエッペンドルフチューブに加えた。
3.5μlの2−デオキシイノシン(In)鎖(200μmol/l)(配列番号71)および5μlのヘルパー鎖(200μmol/l)(配列番号72)および1μ lのTAMRAまたは任意の蛍光タグ付き平滑末端ポリヌクレオチド(20μmol/l)(配列番号70)を同じチューブに加えた。
4.5μlのT3 DNAリガーゼNEB(3000単位/μl)を同じチューブに加えた。
5.次いで、反応混合物を室温で30分間インキュベートした。
6.インキュベーション時間が経過した後、TBE−尿素試料緩衝液(Novex)を加えて反応を終了させた。
結果
結果を図59に示す。
実施例15.突出末端連結を使用したポリヌクレオチド連結分子の足場ポリヌクレオチドへの例示的な連結。
この実施例は、DNAリガーゼを使用したポリヌクレオチド連結分子の足場ポリヌクレオチドへの連結を記載する。この実施例は、図5に示される本発明の合成方法のバージョン4、および図8に示される本発明の合成方法のバージョン4のさらなる変形例と一致する、突出末端を有する分子の連結を伴う。
図60は、DNA合成反応サイクルを示すスキームを提供する。スキームは、図5に示されるように、本発明の合成方法のバージョン4と一致することが意図される。したがって、図60のスキームは、突出末端を有する足場ポリヌクレオチド(スキームの最上部パネルにおける右手ヘアピン構造)の提供を示し、左側の鎖は支持鎖に対応し、右側の鎖は合成鎖に対応する。支持鎖の末端ヌクレオチドは、位置nを占め、合成鎖の末端ヌクレオチドに突出する。支持鎖の末端ヌクレオチドは、例示目的のみのために「T」として示され、5’末端にリン酸基を含む。サイクルの次の工程において、ポリヌクレオチド連結分子(スキームの最上部パネルの右端の構造)が提供される。ポリヌクレオチド連結分子は、支持鎖(左側の鎖)およびヘルパー鎖(右側の鎖)を有する。ポリヌクレオチド連結分子は、突出末端を有し、2−デオキシイノシン(In)であるユニバーサルヌクレオチドを含む相補的連結末端を有する。相補的連結末端におけるヘルパー鎖の末端は、連結不可能なヌクレオチドを含み、支持鎖の末端ヌクレオチドに突出する。相補的連結末端における支持鎖の末端は、純粋に例示のために「G」として示される、所定の配列のヌクレオチドを含む。ポリヌクレオチド連結分子の足場ポリヌクレオチドへの連結時に、ポリヌクレオチド連結分子の相補的連結末端における支持鎖の末端ヌクレオチドが、足場ポリヌクレオチドの支持鎖の末端ヌクレオチドに連結され、ポリヌクレオチド連結分子のヘルパー鎖と足場ポリヌクレオチドの合成鎖との間に一本鎖切断(「ニック」)が作成される。ポリヌクレオチド連結分子の支持鎖の末端ヌクレオチドは、所定の配列のヌクレオチドを含み、位置n+1を占める。よって、ユニバーサルヌクレオチドは、位置n+3を占める。連結後、位置n+1とn+2との間で支持鎖を切断することによって、ポリヌクレオチド連結分子を切断する。図60に示される反応スキームにおいて、ヘルパー鎖は、任意選択の工程として、切断の前に除去されることが示される。切断後、所定の配列のヌクレオチドは、突出末端の支持鎖の末端ヌクレオチドとして足場ポリヌクレオチドに保持される。次の工程において、純粋に例示のために「A」として示されるさらなるヌクレオチドは、この場合、ポリメラーゼ酵素またはヌクレオチドトランスフェラーゼ酵素の作用によって、足場ポリヌクレオチドの合成鎖に組み込まれる。さらなるヌクレオチドは、可逆的ターミネーター基またはブロッキング基を含む。さらなるヌクレオチドは、この場合、純粋に例示のために「T」として示される、支持鎖中のパートナーヌクレオチドと対合し、したがってヌクレオチド対を形成する。次いで、スキームは、可逆的ターミネーター基またはブロッキング基が除去され、したがって合成サイクルを完了する、脱保護または脱ブロッキング工程を示す。
図61は、DNA合成反応サイクルを示す類似のスキームを提供する。スキームは、図8に示される本発明の合成方法のバージョン4のさらなる変形例と一致することが意図され、突出の長さは、単一の塩基突出から2、3、4つ以上の塩基突出に伸長することができる。
以下に詳述されるように、この実施例15は、図60および61の破線ボックスに示されるように、ポリヌクレオチド連結分子を足場ポリヌクレオチドに連結する工程を説明する。
材料および方法
材料:
1.この実施例で利用されるオリゴヌクレオチドは社内で設計され、Integrated DNA technologiesによって合成された。これらを図62に記載する。
2.滅菌蒸留水(ELGA VEOLIA)を使用して、オリゴヌクレオチドを100μMのストック濃度に希釈した。
方法:
以下の手順を使用して、オリゴヌクレオチドを用いた連結反応を実施した。
1.12μlの滅菌蒸留水(ELGA VEOLIA)を1.5mlのエッペンドルフチューブに加えた。
2.次に、30μlの2×T3 DNA Ligase Reaction緩衝液NEB(132mMのトリス−HCl、20mMのMgCl、2mMのジチオスレイトール、2mMのATP、15%のポリエチレングリコール(PEG6000)および25℃でpH7.6)および 2μlの40mMのMnClを同じエッペンドルフチューブに加えた。
3.5μlの2−デオキシイノシン(In)鎖(200μmol/l)(配列番号78)および5μlのヘルパー鎖(200μmol/l)(配列番号79、80)および1μ lのTAMRAまたは5’突出を有する任意の蛍光タグ付きポリヌクレオチド(20μmol/l)(配列番号73、74、75、76、または77)を同じチューブに加えた。
4.5μlのT3 DNAリガーゼNEB(3000単位/μl)を同じチューブに加えた。
5.次いで、反応混合物を室温で30分間インキュベートした。
6.インキュベーション時間が経過した後、TBE−尿素試料緩衝液(Novex)を加えて反応を終了させた。
結果
結果を図63に示す。
上記の実施例では、配列番号1〜83に提示されるすべてのオリゴヌクレオチドは、3’末端にヒドロキシル基を有する。配列番号1〜83に提示されるすべてのオリゴヌクレオチドは、配列番号7、配列番号18、配列番号35、配列番号70、および配列番号73〜77を除いて、5’末端でリン酸基を欠いている。
開示される方法および産物の異なる適用が、当該技術分野における特定の必要性に合わせられ得ることが理解されるべきである。本明細書で使用される専門用語は、本発明の特定の実施形態のみを説明する目的のためのものであり、限定的であることは意図されないことも理解されたい。
さらに、この明細書および添付の特許請求の範囲に使用される場合、単数形「1つ(a)」、「1つ(an)」、および「その(the)」は、文脈が別途明確に示さない限り、複数の指示物を含む。したがって、例えば、「ポリヌクレオチド連結分子」への言及は、2つ以上のこのようなポリヌクレオチドを含み、「足場ポリヌクレオチド」への言及は、2つ以上のこのような足場ポリヌクレオチドを含むなどである。
本明細書に引用されるすべての公報、特許、および特許出願は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。

Claims (97)

  1. 所定の配列を有する二本鎖ポリヌクレオチドをインビトロで合成する方法であって、前記方法が、合成サイクルを行うことを含み、各サイクルにおいて、
    (A)二本鎖ポリヌクレオチドの第1の鎖が、リガーゼ酵素の作用によって、前記所定の配列の第1のヌクレオチドの付加により伸長され、
    (B)次いで、前記二本鎖ポリヌクレオチドが、切断部位で切断され、
    (C)次いで、前記第1の鎖にハイブリダイズされる第2の鎖が、ヌクレオチドトランスフェラーゼまたはポリメラーゼ酵素によって、前記所定の配列の第2のヌクレオチドの付加により伸長され、
    各サイクルの前記所定の配列の前記第1および第2のヌクレオチドが、切断後に、前記二本鎖ポリヌクレオチドにおいて保持される、方法。
  2. 前記切断部位が、ユニバーサルヌクレオチドを含むポリヌクレオチド配列によって定義される、請求項1に記載の方法。
  3. 各サイクルにおいて、前記第2の鎖の伸長の前に、前記二本鎖ポリヌクレオチド中に切断部位が作成される、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記リガーゼ酵素の作用による工程(A)の間に、ユニバーサルヌクレオチドが、前記二本鎖ポリヌクレオチドの前記第1の鎖に組み込まれて、前記切断部位を定義する、請求項3に記載の方法。
  5. 所与の合成サイクルにおいて、前記二本鎖ポリヌクレオチドの前記第2の鎖に付加される、そのサイクルの前記第2のヌクレオチドが、前記酵素によるさらなる伸長を防止する可逆的ターミネーター基を含み、前記可逆的ターミネーター基が、次のサイクルの前記第2のヌクレオチドの前記次の合成サイクルにおける前記付加の前に、そのサイクルの前記組み込まれた第2のヌクレオチドから除去される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 各サイクルにおいて、前記第1のヌクレオチドが、前記第2のヌクレオチドに対するパートナーヌクレオチドであり、前記二本鎖ポリヌクレオチドへの組み込み時に、前記第1および第2のヌクレオチドが、ヌクレオチド対を形成する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 連結反応が、平滑末端連結反応を含む、請求項6に記載の方法。
  8. 前記第1のヌクレオチドおよび前記ユニバーサルヌクレオチドが、ポリヌクレオチド連結分子の構成成分であり、前記ポリヌクレオチド連結分子が、平滑末端連結反応における前記リガーゼ酵素の作用による工程(A)の間に、前記二本鎖ポリヌクレオチドに連結され、前記ポリヌクレオチド連結分子の前記二本鎖ポリヌクレオチドへの連結時に、前記二本鎖ポリヌクレオチドの前記第1の鎖が伸長され、前記切断部位が作成される、請求項7に記載の方法。
  9. 前記方法が、
    (1)合成鎖と、それにハイブリダイズされた支持鎖と、を含む、足場ポリヌクレオチドを提供することであって、前記合成鎖が、プライマー鎖部分を含み、前記支持鎖が、前記二本鎖ポリヌクレオチドの第1の鎖であり、前記合成鎖が、前記二本鎖ポリヌクレオチドの第2の鎖である、提供することと、
    (2)平滑末端連結反応における前記リガーゼ酵素の作用によって、二本鎖ポリヌクレオチド連結分子を前記足場ポリヌクレオチドに連結することであって、前記ポリヌクレオチド連結分子が、支持鎖と、それにハイブリダイズされたヘルパー鎖と、を含み、相補的連結末端をさらに含み、前記連結末端が、
    (i)前記支持鎖中に、ユニバーサルヌクレオチドおよび前記所定の配列の第1のヌクレオチドと、
    (ii)前記ヘルパー鎖中に、連結不可能な末端ヌクレオチドと、を含み、
    連結時に、前記二本鎖ポリヌクレオチドの前記第1の鎖が、前記第1のヌクレオチドで伸長され、前記切断部位が、前記ユニバーサルヌクレオチドの前記第1の鎖への組み込みによって作成される、連結することと、
    (3)前記連結された足場ポリヌクレオチドを前記切断部位で切断することであって、切断が、前記支持鎖を切断することと、前記足場ポリヌクレオチドから前記ユニバーサルヌクレオチドを除去して、前記組み込まれた第1のヌクレオチドを含む切断された二本鎖足場ポリヌクレオチドを提供することと、を含む、切断することと、
    (4)前記ヌクレオチドトランスフェラーゼまたはポリメラーゼ酵素の作用による、前記所定の配列の第2のヌクレオチドの組み込みにより、前記二本鎖足場ポリヌクレオチドの前記合成鎖の前記プライマー鎖部分の末端を伸長することであって、前記第2のヌクレオチドが、前記酵素によるさらなる伸長を防止する可逆的ターミネーター基を含み、前記第2のヌクレオチドが、第1のヌクレオチドに対するパートナーであり、組み込み時に、前記第2のヌクレオチドおよび前記第1のヌクレオチドが、ヌクレオチド対を形成する、伸長することと、
    (5)前記第2のヌクレオチドから前記可逆的ターミネーター基を除去することと、を含む、第1の合成サイクルを行うことを含み、
    前記方法が、
    (6)平滑末端連結反応における前記リガーゼ酵素の作用によって、さらなる二本鎖ポリヌクレオチド連結分子を、前記切断された足場ポリヌクレオチドに連結することであって、前記ポリヌクレオチド連結分子が、支持鎖と、それにハイブリダイズされたヘルパー鎖と、を含み、相補的連結末端をさらに含み、前記連結末端が、
    (i)前記支持鎖中に、ユニバーサルヌクレオチドおよびさらなる合成サイクルの前記第1のヌクレオチドと、
    (ii)前記ヘルパー鎖中に、連結不可能な末端ヌクレオチドと、を含み、
    連結時に、前記二本鎖ポリヌクレオチドの第1の鎖が、前記さらなる合成サイクルの前記第1のヌクレオチドで伸長され、前記切断部位が、前記ユニバーサルヌクレオチドの前記第1の鎖への組み込みによって作成される、連結することと、
    (7)前記連結された足場ポリヌクレオチドを前記切断部位で切断することであって、切断が、前記支持鎖を切断することと、前記足場ポリヌクレオチドから前記ユニバーサルヌクレオチドを除去して、前記前のサイクル(複数可)の前記ヌクレオチド対(複数可)と、前記さらなる合成サイクルの前記第1のヌクレオチドと、を含む、切断された二本鎖足場ポリヌクレオチドを提供することと、を含む、切断することと、
    (8)前記ヌクレオチドトランスフェラーゼまたはポリメラーゼ酵素の作用による、前記さらなる合成サイクルの前記第2のヌクレオチドの組み込みにより、前記二本鎖足場ポリヌクレオチドの前記合成鎖の前記プライマー鎖部分の末端を伸長することであって、前記第2のヌクレオチドが、前記酵素によるさらなる伸長を防止する可逆的ターミネーター基を含み、前記さらなる合成サイクルの前記第2のヌクレオチドが、前記さらなる合成サイクルの前記第1のヌクレオチドに対するパートナーであり、組み込み時に、前記さらなる合成サイクルの前記第2および第1のヌクレオチドが、さらなるヌクレオチド対を形成する、伸長することと、
    (9)前記第2のヌクレオチドから前記可逆的ターミネーター基を除去することと、
    (10)工程6〜9を複数回繰り返して、所定のヌクレオチド配列を有する二本鎖ポリヌクレオチドを得ることと、を含む、さらなる合成サイクルを行うことをさらに含む、請求項6〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. (a)前記第1のサイクルの連結工程(工程2)において、およびすべてのさらなるサイクルの連結工程において、前記ポリヌクレオチド連結分子の前記相補的連結末端が、
    i.そのサイクルの前記所定の配列の前記第1のヌクレオチドが、前記支持鎖の前記末端ヌクレオチドであり、前記支持鎖中のヌクレオチド位置nを占め、前記ヘルパー鎖の前記末端ヌクレオチドと対合するように、
    ii.前記ユニバーサルヌクレオチドが、前記支持鎖の最後から2番目のヌクレオチドであり、前記支持鎖中のヌクレオチド位置n+1を占め、前記ヘルパー鎖の最後から2番目のヌクレオチドと対合するように、かつ
    iii.前記ヘルパー鎖の前記末端ヌクレオチドが、連結不可能なヌクレオチドであるように、構造化され、
    位置nは、その組み込み時に、そのサイクルの前記所定の配列の前記第2のヌクレオチドとは反対である前記ヌクレオチド位置であり、位置n+1は、前記相補的連結末端に対する遠位方向において、位置nに対する前記支持鎖中の次のヌクレオチド位置であり、連結時に、前記ポリヌクレオチド連結分子の前記支持鎖の前記末端ヌクレオチドが、前記合成鎖の前記プライマー鎖部分に対して近位にある前記足場ポリヌクレオチドの前記末端ヌクレオチドに連結され、一本鎖切断が、前記ヘルパー鎖の前記末端ヌクレオチドと前記合成鎖の前記プライマー鎖部分との間に作成され、
    (b)前記第1のサイクルの前記切断工程(工程3)において、およびすべてのさらなるサイクルにおいて、前記連結された足場ポリヌクレオチドの前記支持鎖が、位置n+1とnとの間で切断され、それによって、前記足場ポリヌクレオチドから前記ポリヌクレオチド連結分子を放出し、前記切断された足場ポリヌクレオチドの前記第1の鎖に付着したそのサイクルの前記第1のヌクレオチドを保持し、
    (c)前記第1のサイクルの前記伸長工程(工程4)において、およびすべてのさらなるサイクルにおいて、そのサイクルの前記第2のヌクレオチドが、前記第1の鎖における前記第1のヌクレオチドとは反対の前記第2の鎖に組み込まれ、かつそれと対合し、そのときに、前記切断された足場ポリヌクレオチドの前記支持鎖中のそのサイクルの前記第1のヌクレオチドによって占められる位置が、前記次の合成サイクルにおいて、ヌクレオチド位置n−1として定義される、請求項9に記載の方法。
  11. (a)前記第1のサイクルの連結工程(工程2)において、およびすべてのさらなるサイクルの連結工程において、前記ポリヌクレオチド連結分子の前記相補的連結末端が、
    i.そのサイクルの前記所定の配列の前記第1のヌクレオチドが、前記支持鎖の前記末端ヌクレオチドであり、前記支持鎖中のヌクレオチド位置nを占め、前記ヘルパー鎖の前記末端ヌクレオチドと対合するように、
    ii.前記ユニバーサルヌクレオチドが、前記支持鎖中のヌクレオチド位置n+2を占め、前記ヘルパー鎖中のパートナーヌクレオチドと対合するように、かつ
    iii.前記ヘルパー鎖の前記末端ヌクレオチドが、連結不可能なヌクレオチドであるように、構造化され、
    位置nは、その組み込み時に、そのサイクルの前記所定の配列の前記第2のヌクレオチドとは反対である前記ヌクレオチド位置であり、位置n+2は、前記相補的連結末端に対する遠位方向において、位置nに対する前記支持鎖における前記第2のヌクレオチド位置であり、連結時に、前記ポリヌクレオチド連結分子の前記支持鎖の前記末端ヌクレオチドは、前記合成鎖の前記プライマー鎖部分に対して近位にある前記足場ポリヌクレオチドの前記末端ヌクレオチドに連結され、一本鎖切断が、前記ヘルパー鎖の前記末端ヌクレオチドと前記合成鎖の前記プライマー鎖部分との間に作成され、
    (b)前記第1のサイクルの前記切断工程(工程3)において、およびすべてのさらなるサイクルにおいて、前記連結された足場ポリヌクレオチドの前記支持鎖が、位置n+1とnとの間で切断され、それによって、前記足場ポリヌクレオチドから前記ポリヌクレオチド連結分子を放出し、前記切断された足場ポリヌクレオチドの前記第1の鎖に付着したそのサイクルの前記第1のヌクレオチドを保持し、
    (c)前記第1のサイクルの前記伸長工程(工程4)において、およびすべてのさらなるサイクルにおいて、そのサイクルの前記第2のヌクレオチドが、前記第1の鎖における前記第1のヌクレオチドとは反対の前記第2の鎖に組み込まれ、かつそれと対合し、そのときに、前記切断された足場ポリヌクレオチドの前記支持鎖中のそのサイクルの前記第1のヌクレオチドによって占められる位置が、前記次の合成サイクルにおいて、ヌクレオチド位置n−1として定義される、請求項9に記載の方法。
  12. (a)前記第1のサイクルの連結工程(工程2)において、およびすべてのさらなるサイクルの連結工程において、前記ポリヌクレオチド連結分子の前記相補的連結末端が、
    i.そのサイクルの前記所定の配列の前記第1のヌクレオチドが、前記支持鎖の前記末端ヌクレオチドであり、前記支持鎖中のヌクレオチド位置nを占め、前記ヘルパー鎖の前記末端ヌクレオチドと対合するように、
    ii.前記ユニバーサルヌクレオチドが、前記支持鎖中のヌクレオチド位置n+2+xを占め、前記ヘルパー鎖中のパートナーヌクレオチドと対合するように、かつ
    iii.前記ヘルパー鎖の前記末端ヌクレオチドが、連結不可能なヌクレオチドであるように、構造化され、
    位置nは、その組み込み時に、そのサイクルの前記所定の配列の前記第2のヌクレオチドとは反対である前記ヌクレオチド位置であり、位置n+2は、前記相補的連結末端に対する遠位方向において、位置nに対する前記支持鎖における前記第2のヌクレオチド位置であり、xは、前記相補的連結末端に対する遠位方向において、位置n+2に対するヌクレオチド位置の数であり、前記数は、1〜10以上の整数であり、連結時に、前記ポリヌクレオチド連結分子の前記支持鎖の前記末端ヌクレオチドは、前記合成鎖の前記プライマー鎖部分に対して近位にある前記足場ポリヌクレオチドの前記末端ヌクレオチドに連結され、一本鎖切断が、前記ヘルパー鎖の前記末端ヌクレオチドと前記合成鎖の前記プライマー鎖部分との間に作成され、
    (b)前記第1のサイクルの前記切断工程(工程3)において、およびすべてのさらなるサイクルにおいて、前記連結された足場ポリヌクレオチドの前記支持鎖が、位置n+1とnとの間で切断され、それによって、前記足場ポリヌクレオチドから前記ポリヌクレオチド連結分子を放出し、前記切断された足場ポリヌクレオチドの前記第1の鎖に付着したそのサイクルの前記第1のヌクレオチドを保持し、
    (c)前記第1のサイクルの前記伸長工程(工程4)において、およびすべてのさらなるサイクルにおいて、そのサイクルの前記第2のヌクレオチドが、前記第1の鎖における前記第1のヌクレオチドとは反対の前記第2の鎖に組み込まれ、かつそれと対合し、そのときに、前記切断された足場ポリヌクレオチドの前記支持鎖中のそのサイクルの前記第1のヌクレオチドによって占められる位置が、前記次の合成サイクルにおいて、ヌクレオチド位置n−1として定義される、請求項9に記載の方法。
  13. 各サイクルにおいて、組み込に時に、前記第1のヌクレオチドおよび前記第2のヌクレオチドが、前記合成二本鎖ポリヌクレオチド中の異なるヌクレオチド対においてパートナーヌクレオチドになる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記連結反応が、粘着末端連結反応を含む、請求項13に記載の方法。
  15. 前記第1のヌクレオチドおよび前記ユニバーサルヌクレオチドが、ポリヌクレオチド連結分子の構成成分であり、前記ポリヌクレオチド連結分子が、粘着末端連結反応における前記リガーゼ酵素の作用による工程(A)の間に、前記二本鎖ポリヌクレオチドに連結され、前記ポリヌクレオチド連結分子の前記二本鎖ポリヌクレオチドへの連結時に、前記二本鎖ポリヌクレオチドの前記第1の鎖が伸長され、前記切断部位が作成される、請求項14に記載の方法。
  16. 前記方法が、
    (1)合成鎖と、それにハイブリダイズされた支持鎖と、を含む、足場ポリヌクレオチドを提供することであって、前記合成鎖が、プライマー鎖部分を含む、提供することと、
    (2)粘着末端連結反応におけるリガーゼ酵素の作用によって、二本鎖ポリヌクレオチド連結分子を前記足場ポリヌクレオチドに連結することであって、前記ポリヌクレオチド連結分子が、支持鎖と、それにハイブリダイズされたヘルパー鎖と、を含み、相補的連結末端をさらに含み、前記連結末端が、
    (i)前記支持鎖中に、ユニバーサルヌクレオチドおよび前記所定の配列の第1のヌクレオチドと、
    (ii)前記ヘルパー鎖中に、連結不可能な末端ヌクレオチドと、を含み、
    連結時に、前記二本鎖ポリヌクレオチドの前記第1の鎖が、前記第1のヌクレオチドで伸長され、前記切断部位が、前記ユニバーサルヌクレオチドの前記第1の鎖への前記組み込みによって作成される、連結することと、
    (3)前記連結された足場ポリヌクレオチドを前記切断部位で切断することであって、切断が、前記支持鎖を切断することと、前記足場ポリヌクレオチドから前記ユニバーサルヌクレオチドを除去して、前記組み込まれた第1のヌクレオチドを含む切断された二本鎖足場ポリヌクレオチドを提供することと、を含む、切断することと、
    (4)前記ヌクレオチドトランスフェラーゼまたはポリメラーゼ酵素の作用による、所定の配列の第2のヌクレオチドの前記組み込みにより、二本鎖足場ポリヌクレオチドの合成鎖のプライマー鎖部分の末端を伸長することであって、前記第2のヌクレオチドが、酵素によるさらなる伸長を防止する可逆的ターミネーター基を含み、第2のヌクレオチド、伸長することと、
    (5)前記第2のヌクレオチドから前記可逆的ターミネーター基を除去することと、を含む、第1の合成サイクルを行うことを含み、
    前記方法が、
    (6)粘着末端連結反応における前記リガーゼ酵素の作用によって、さらなる二本鎖ポリヌクレオチド連結分子を、前記切断された足場ポリヌクレオチドに連結することであって、前記ポリヌクレオチド連結分子が、支持鎖と、それにハイブリダイズされたヘルパー鎖と、を含み、相補的連結末端をさらに含み、前記連結末端が、
    (i)前記支持鎖中に、ユニバーサルヌクレオチドおよびさらなる合成サイクルの前記第1のヌクレオチドと、
    (ii)前記ヘルパー鎖中に、連結不可能な末端ヌクレオチドと、を含み、
    連結時に、前記二本鎖ポリヌクレオチドの前記第1の鎖が、前記さらなる合成サイクルの前記第1のヌクレオチドで伸長され、前記切断部位が、前記ユニバーサルヌクレオチドの前記第1の鎖への前記組み込みによって作成される、連結することと、
    (7)前記連結された足場ポリヌクレオチドを前記切断部位で切断することであって、切断が、前記支持鎖を切断することと、前記足場ポリヌクレオチドから前記ユニバーサルヌクレオチドを除去して、前記前のサイクル(複数可)の前記ヌクレオチド対(複数可)と、前記さらなる合成サイクルの前記第1のヌクレオチドと、を含む、切断された二本鎖足場ポリヌクレオチドを提供することと、を含む、切断することと、
    (8)前記ヌクレオチドトランスフェラーゼまたはポリメラーゼ酵素の作用による、前記さらなる合成サイクルの前記第2のヌクレオチドの組み込みにより、前記二本鎖足場ポリヌクレオチドの前記合成鎖の前記プライマー鎖部分の末端を伸長することであって、前記第2のヌクレオチドが、前記酵素によるさらなる伸長を防止する可逆的ターミネーター基を含む、伸長することと、
    (9)前記第2のヌクレオチドから前記可逆的ターミネーター基を除去することと、
    (10)工程6〜9を複数回繰り返して、所定のヌクレオチド配列を有する前記二本鎖ポリヌクレオチドを得ることと、を含む、さらなる合成サイクルを行うことをさらに含む、請求項13〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 工程(1)において、前記プライマー鎖部分に対して近位にある前記足場ポリヌクレオチドの前記支持鎖の前記末端が、ヌクレオチド突出を含み、前記支持鎖の前記末端ヌクレオチドが、前記プライマー鎖部分の前記末端ヌクレオチドに突出し、前記支持鎖の前記末端ヌクレオチドが、そのサイクルの前記第2のヌクレオチドに対する前記パートナーヌクレオチドであり、
    工程(2)において、前記ポリヌクレオチド連結分子の前記相補的連結末端に、前記ヘルパー鎖の前記末端が、ヌクレオチド突出を含み、前記ヘルパー鎖の前記末端ヌクレオチドが、前記支持鎖の前記末端ヌクレオチドに突出し、前記支持鎖の前記末端ヌクレオチドが、そのサイクルの前記第1のヌクレオチドであり、前記次の合成サイクルで形成される異なるヌクレオチド対におけるパートナーヌクレオチドであり、
    工程(6)において、前記切断された足場ポリヌクレオチドにおいて、前記プライマー鎖部分に対して近位にある前記支持鎖の前記末端が、ヌクレオチド突出を含み、前記支持鎖の前記末端および最後から2番目のヌクレオチドが、前記プライマー鎖部分の前記末端ヌクレオチドに突出し、前記支持鎖の前記最後から2番目のヌクレオチドが、工程(8)において組み込まれた前記さらなる合成サイクルの前記第2のヌクレオチドに対する前記パートナーヌクレオチドであり、
    工程(6)において、前記ポリヌクレオチド連結分子の前記相補的連結末端に、前記ヘルパー鎖の前記末端が、ヌクレオチド突出を含み、前記ヘルパー鎖の前記末端ヌクレオチドが、前記支持鎖の前記末端ヌクレオチドに突出し、前記支持鎖の前記末端ヌクレオチドが、前記さらなる合成サイクルの前記第1のヌクレオチドであり、前記次の合成サイクルで形成される異なるヌクレオチド対におけるパートナーヌクレオチドであり、
    第1およびさらなる合成サイクルにおいて、前記ポリヌクレオチド連結分子の前記相補的連結末端の前記ヌクレオチド突出および前記足場ポリヌクレオチドの前記ヌクレオチド突出が、同じ数のヌクレオチドを含み、前記数は、前記足場ポリヌクレオチドの前記突出中の前記ヌクレオチドの数が、前記相補的連結末端の前記突出中の前記ヌクレオチドの数よりも1つ多いという条件で、1つ以上である、請求項16に記載の方法。
  18. (a)前記第1のサイクルの連結工程(工程2)において、およびすべてのさらなるサイクルの連結工程において、前記ポリヌクレオチド連結分子の前記相補的連結末端が、
    i.そのサイクルの前記所定の配列の前記第1のヌクレオチドが、前記支持鎖の前記末端ヌクレオチドであり、前記支持鎖中のヌクレオチド位置n+1を占め、前記ヘルパー鎖の前記最後から2番目のヌクレオチドと対合するように、
    ii.前記ユニバーサルヌクレオチドが、前記支持鎖の前記最後から2番目のヌクレオチドであり、前記支持鎖中のヌクレオチド位置n+2を占め、前記ヘルパー鎖中のパートナーヌクレオチドと対合するように、
    iii.前記突出が、1つのヌクレオチド突出を含み、そのサイクルの前記所定の配列の前記第1のヌクレオチドに突出する前記ヘルパー鎖の前記末端ヌクレオチドを含むように、かつ
    iv.前記ヘルパー鎖の前記末端ヌクレオチドが、連結不可能なヌクレオチドであるように、構造化され、
    位置nは、その組み込み時に、そのサイクルの前記所定の配列の前記第2のヌクレオチドとは反対である前記ヌクレオチド位置であり、位置n+1およびn+2は、それぞれ、前記相補的連結末端に対する遠位方向において、位置nに対する前記支持鎖における前記第1/次のおよび第2のヌクレオチド位置であり、連結時に、前記ポリヌクレオチド連結分子の前記支持鎖の前記末端ヌクレオチドは、前記合成鎖の前記プライマー鎖部分に対して近位にある前記足場ポリヌクレオチドの前記末端ヌクレオチドに連結され、一本鎖切断が、前記ヘルパー鎖の前記末端ヌクレオチドと前記合成鎖の前記プライマー鎖部分との間に作成され、
    (b)前記第1のサイクルの前記切断工程(工程3)において、およびすべてのさらなるサイクルにおいて、前記連結された足場ポリヌクレオチドの前記支持鎖が、位置n+2とn+1との間で切断され、それによって、前記足場ポリヌクレオチドから前記ポリヌクレオチド連結分子を放出し、対合されず、前記切断された足場ポリヌクレオチドの前記第1の鎖に付着したそのサイクルの前記第1のヌクレオチドを保持し、切断時に、二重ヌクレオチド突出が、前記切断された足場ポリヌクレオチドの前記支持鎖中に作成され、前記支持鎖の前記末端および最後から2番目のヌクレオチドが、前記合成鎖の前記プライマー鎖部分の前記末端ヌクレオチドに突出し、
    (c)前記第1のサイクルの前記伸長工程(工程4)において、およびすべてのさらなるサイクルにおいて、そのサイクルの前記第2のヌクレオチドが、前記第2の鎖に組み込まれ、前記突出している支持鎖の最後から2番目のヌクレオチドと対合し、工程(8)および(9)の後、前記切断された足場ポリヌクレオチドの前記支持鎖中のそのさらなるサイクルの前記第1のヌクレオチドによって占められる位置が、前記次の合成サイクルにおいて、ヌクレオチド位置nとして定義される、請求項17に記載の方法。
  19. (a)前記第1のサイクルの連結工程(工程2)において、およびすべてのさらなるサイクルの連結工程において、前記ポリヌクレオチド連結分子の前記相補的連結末端が、
    i.そのサイクルの前記所定の配列の前記第1のヌクレオチドが、前記支持鎖の前記末端ヌクレオチドであり、前記支持鎖中のヌクレオチド位置n+1を占め、前記ヘルパー鎖の最後から2番目のヌクレオチドと対合するように、
    ii.前記ユニバーサルヌクレオチドが、前記支持鎖中のヌクレオチド位置n+3を占め、前記ヘルパー鎖中のパートナーヌクレオチドと対合するように、
    iii.前記突出が、1つのヌクレオチド突出を含み、そのサイクルの前記所定の配列の前記第1のヌクレオチドに突出する前記ヘルパー鎖の前記末端ヌクレオチドを含むように、かつ
    iv.前記ヘルパー鎖の前記末端ヌクレオチドが、連結不可能なヌクレオチドであるように、構造化され、
    位置nは、その組み込み時に、そのサイクルの前記所定の配列の前記第2のヌクレオチドとは反対である前記ヌクレオチド位置であり、位置n+1、n+2、およびn+3は、それぞれ、前記相補的連結末端に対する遠位方向において、位置nに対する前記支持鎖における次の、第2の、および第3のヌクレオチド位置であり、連結時に、前記ポリヌクレオチド連結分子の前記支持鎖の前記末端ヌクレオチドは、前記合成鎖の前記プライマー鎖部分に対して近位にある前記足場ポリヌクレオチドの前記末端ヌクレオチドに連結され、一本鎖切断が、前記ヘルパー鎖の前記末端ヌクレオチドと前記合成鎖の前記プライマー鎖部分との間に作成され、
    (b)前記第1のサイクルの前記切断工程(工程3)において、およびすべてのさらなるサイクルにおいて、前記連結された足場ポリヌクレオチドの前記支持鎖が、位置n+2とn+1との間で切断され、それによって、前記足場ポリヌクレオチドから前記ポリヌクレオチド連結分子を放出し、対合されず、前記切断された足場ポリヌクレオチドの前記第1の鎖に付着したそのサイクルの前記第1のヌクレオチドを保持し、切断時に、二重ヌクレオチド突出が、前記切断された足場ポリヌクレオチドの前記支持鎖中に作成され、前記支持鎖の前記末端および最後から2番目のヌクレオチドが、前記合成鎖の前記プライマー鎖部分の前記末端ヌクレオチドに突出し、
    (c)前記第1のサイクルの前記伸長工程(工程4)において、およびすべてのさらなるサイクルにおいて、そのサイクルの前記第2のヌクレオチドが、前記第2の鎖に組み込まれ、前記突出している支持鎖の最後から2番目のヌクレオチドと対合し、工程(8)および(9)の後、前記切断された足場ポリヌクレオチドの前記支持鎖中のそのさらなるサイクルの前記第1のヌクレオチドによって占められる位置が、前記次の合成サイクルにおいて、ヌクレオチド位置nとして定義される、請求項17に記載の方法。
  20. (a)前記第1のサイクルの連結工程(工程2)において、およびすべてのさらなるサイクルの連結工程において、前記ポリヌクレオチド連結分子の前記相補的連結末端が、
    i.そのサイクルの前記所定の配列の前記第1のヌクレオチドが、前記支持鎖の前記末端ヌクレオチドであり、前記支持鎖中のヌクレオチド位置n+1を占め、前記ヘルパー鎖の最後から2番目のヌクレオチドと対合するように、
    ii.前記ユニバーサルヌクレオチドが、前記支持鎖中のヌクレオチド位置n+3+xを占め、前記ヘルパー鎖中のパートナーヌクレオチドと対合するように、
    iii.前記突出が、1つのヌクレオチド突出を含み、そのサイクルの前記所定の配列の前記第1のヌクレオチドに突出する前記ヘルパー鎖の前記末端ヌクレオチドを含むように、かつ
    iv.前記ヘルパー鎖の前記末端ヌクレオチドが、連結不可能なヌクレオチドであるように、構造化され、
    位置nは、その組み込み時に、そのサイクルの前記所定の配列の前記第2のヌクレオチドとは反対である前記ヌクレオチド位置であり、位置n+1およびn+3は、それぞれ、前記相補的連結末端に対する遠位方向において、位置nに対する前記支持鎖における前記第1/次のおよび第3のヌクレオチド位置であり、xは、前記相補的連結末端に対する遠位方向において、位置n+3に対するヌクレオチド位置の数であり、前記数は、1〜10以上の整数であり、連結時に、前記ポリヌクレオチド連結分子の前記支持鎖の前記末端ヌクレオチドは、前記合成鎖の前記プライマー鎖部分に対して近位にある前記足場ポリヌクレオチドの前記末端ヌクレオチドに連結され、一本鎖切断が、前記ヘルパー鎖の前記末端ヌクレオチドと前記合成鎖の前記プライマー鎖部分との間に作成され、
    (b)前記第1のサイクルの前記切断工程(工程3)において、およびすべてのさらなるサイクルにおいて、前記連結された足場ポリヌクレオチドの前記支持鎖が、位置n+2とn+1との間で切断され、それによって、前記足場ポリヌクレオチドから前記ポリヌクレオチド連結分子を放出し、対合されず、前記切断された足場ポリヌクレオチドの前記第1の鎖に付着したそのサイクルの前記第1のヌクレオチドを保持し、切断時に、二重ヌクレオチド突出が、前記切断された足場ポリヌクレオチドの前記支持鎖中に作成され、前記支持鎖の前記末端および最後から2番目のヌクレオチドが、前記合成鎖の前記プライマー鎖部分の前記末端ヌクレオチドに突出し、
    (c)前記第1のサイクルの前記伸長工程(工程4)において、およびすべてのさらなるサイクルにおいて、そのサイクルの前記第2のヌクレオチドが、前記第2の鎖に組み込まれ、前記突出している支持鎖の最後から2番目のヌクレオチドと対合し、工程(8)および(9)の後、前記切断された足場ポリヌクレオチドの前記支持鎖中のそのさらなるサイクルの前記第1のヌクレオチドによって占められる位置が、前記次の合成サイクルにおいて、ヌクレオチド位置nとして定義される、請求項17に記載の方法。
  21. 工程(1)において、前記プライマー鎖部分に対して近位にある前記足場ポリヌクレオチドの前記支持鎖の前記末端が、1+yヌクレオチドを含むヌクレオチド突出を含み、前記支持鎖の前記1+yヌクレオチドが、前記プライマー鎖部分の前記末端ヌクレオチドに突出し、前記突出の前記第1のヌクレオチドが、前記突出の前記末端に対して遠位にある前記突出中の位置を占め、ヌクレオチド位置nを占め、工程(4)において組み込まれた前記第1のサイクルの前記第2のヌクレオチドに対する前記パートナーヌクレオチドであり、位置n+1を占める前記突出の前記ヌクレオチドが、工程(8)において組み込まれた前記次の/第2の合成サイクルの前記第2のヌクレオチドに対する前記パートナーヌクレオチドであり、
    工程(2)において、前記ポリヌクレオチド連結分子の前記相補的連結末端に、前記ヘルパー鎖の前記末端が、1+yヌクレオチドを含むヌクレオチド突出を含み、前記ヘルパー鎖の前記1+yヌクレオチドが、前記支持鎖の前記末端ヌクレオチドに突出し、前記足場ポリヌクレオチドの前記支持鎖の前記1+y突出ヌクレオチドに対するパートナーヌクレオチドであり、前記相補的連結末端の前記支持鎖の前記末端ヌクレオチドが、そのサイクルの前記第1のヌクレオチドであり、ヌクレオチド位置n+2+xを占め、前記第3の合成サイクルにおいて形成される異なるヌクレオチド対におけるパートナーヌクレオチドであり、
    工程(6)において、前記切断された足場ポリヌクレオチドにおいて、前記プライマー鎖部分に対して近位にある前記支持鎖の前記末端が、1+yヌクレオチドを含むヌクレオチド突出を含み、前記支持鎖の前記1+yヌクレオチドが、前記プライマー鎖部分の前記末端ヌクレオチドに突出し、前記突出の前記第1のヌクレオチドが、前記突出の前記末端に対して遠位にある前記突出中の位置を占め、ヌクレオチド位置nを占め、工程(8)において組み込まれた前記さらなる合成サイクルの前記第2のヌクレオチドに対する前記パートナーヌクレオチドであり、位置n+1を占める前記突出の前記ヌクレオチドが、前記次の合成サイクルの前記第2のヌクレオチドに対する前記パートナーヌクレオチドであり、
    工程(6)において、前記ポリヌクレオチド連結分子の前記相補的連結末端に、前記ヘルパー鎖の前記末端が、1+yヌクレオチドを含むヌクレオチド突出を含み、前記ヘルパー鎖の前記1+yヌクレオチドが、前記支持鎖の前記末端ヌクレオチドに突出し、前記足場ポリヌクレオチドの前記支持鎖の前記1+y突出ヌクレオチドに対するパートナーヌクレオチドであり、前記相補的連結末端の前記支持鎖の前記末端ヌクレオチドが、前記さらなる合成サイクルの前記第1のヌクレオチドであり、ヌクレオチド位置n+2+xを占め、前記次の合成サイクルにおいて形成される異なるヌクレオチド対におけるパートナーヌクレオチドであり、
    i.位置nは、その組み込み時に、そのサイクルの前記所定の配列の前記第2のヌクレオチドとは反対である前記ヌクレオチド位置であり、
    ii.連結後、位置n+1およびn+2は、前記ヘルパー鎖に対する近位方向/前記プライマー鎖部分に対する遠位方向において、位置nに対する前記支持鎖における前記第1および第2のヌクレオチド位置であり、
    iii.yは、1以上である整数であり、
    iv.xは、0以上である整数であり、
    v.前記足場ポリヌクレオチドにおける前記yの数は、好ましくは、前記ポリヌクレオチド連結分子の前記相補的連結末端における前記yの数と同じ数であり、yが異なる数である場合、前記ポリヌクレオチド連結分子の前記相補的連結末端における前記yの数は、好ましくは、前記足場ポリヌクレオチドにおける前記yの数よりも少なく、
    vi.任意の所与の一連の第1およびさらなるサイクルにおいて、xに対して選択される前記数は、前記足場ポリヌクレオチドで、yに対して選択される数−1である、請求項16に記載の方法。
  22. 第1およびさらなるサイクルの両方において、前記ユニバーサルヌクレオチドが、前記ポリヌクレオチド連結分子および前記連結された足場ポリヌクレオチドの両方において、位置n+3+xを占め、前記足場ポリヌクレオチドが、位置n+3+xとn+2+xとの間で切断される、請求項21に記載の方法。
  23. 第1およびさらなるサイクルの両方において、前記ユニバーサルヌクレオチドが、前記ポリヌクレオチド連結分子および前記連結された足場ポリヌクレオチドの両方において、位置n+4+xを占め、前記足場ポリヌクレオチドが、位置n+3+xとn+2+xとの間で切断される、請求項21に記載の方法。
  24. 前記方法が、
    (i)工程(2)において、前記ポリヌクレオチド連結分子には、前記第1のサイクルの前記所定の配列の第1のヌクレオチドを含み、前記第1のサイクルの前記所定の配列の1つ以上のさらなるヌクレオチドをさらに含む、相補的連結末端が提供されるように、
    (ii)切断後の工程(3)において、前記第1のサイクルの前記所定の配列の前記第1およびさらなるヌクレオチドが、前記切断された足場ポリヌクレオチドにおいて保持されるように、
    (iii)工程(4)において、前記二本鎖足場ポリヌクレオチドの前記合成鎖の前記プライマー鎖部分の末端が、前記ヌクレオチドトランスフェラーゼまたはポリメラーゼ酵素の作用による、前記第1のサイクルの前記所定の配列の第2のヌクレオチドの組み込みにより伸長され、前記プライマー鎖部分の前記末端が、前記ヌクレオチドトランスフェラーゼまたはポリメラーゼ酵素の作用による、前記第1のサイクルの前記所定の配列の1つ以上のさらなるヌクレオチドの組み込みによりさらに伸長され、前記第1のサイクルの前記第2およびさらなるヌクレオチドのそれぞれが、前記酵素によるさらなる伸長を防止する可逆的ターミネーター基を含み、各さらなる伸長後、前記可逆的ターミネーター基が、前記次のヌクレオチドの組み込みの前にヌクレオチドから除去されるように、
    (iv)工程(6)において、前記ポリヌクレオチド連結分子には、前記さらなるサイクルの前記所定の配列の第1のヌクレオチドを含み、前記さらなるサイクルの前記所定の配列の1つ以上のさらなるヌクレオチドをさらに含む、相補的連結末端が提供されるように、
    (v)切断後の工程(7)において、前記さらなるサイクルの前記所定の配列の前記第1およびさらなるヌクレオチドが、前記切断された足場ポリヌクレオチドにおいて保持されるように、
    (vi)工程(8)において、前記二本鎖足場ポリヌクレオチドの前記合成鎖の前記プライマー鎖部分の末端が、前記ヌクレオチドトランスフェラーゼまたはポリメラーゼ酵素の作用による、前記さらなるサイクルの前記所定の配列の第2のヌクレオチドの組み込みにより伸長され、前記プライマー鎖部分の前記末端が、前記ヌクレオチドトランスフェラーゼまたはポリメラーゼ酵素の作用による、前記さらなるサイクルの前記所定の配列の1つ以上のさらなるヌクレオチドの組み込みによりさらに伸長され、前記さらなるサイクルの前記第2およびさらなるヌクレオチドのそれぞれが、前記酵素によるさらなる伸長を防止する可逆的ターミネーター基を含み、各さらなる伸長後、前記可逆的ターミネーター基が、前記次のヌクレオチドの組み込みの前にヌクレオチドから除去されるように、修正される、請求項8〜23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記ポリヌクレオチド連結分子の前記相補的連結末端が、切断前の工程(3)および(7)において、前記ユニバーサルヌクレオチドが、前記相補的連結末端に対する遠位方向において、前記第1およびさらなるヌクレオチドの前記ヌクレオチド位置の後の、前記支持鎖中の次のヌクレオチド位置である前記支持鎖中の位置を占めるように、かつ前記支持鎖が、最後のさらなるヌクレオチドによって占められる位置と、前記ユニバーサルヌクレオチドによって占められる位置との間で切断されるように、構造化される、請求項24に記載の方法。
  26. 前記ポリヌクレオチド連結分子の前記相補的連結末端が、切断前の工程(3)および(7)において、前記ユニバーサルヌクレオチドが、前記相補的連結末端に対する遠位方向において、前記第1およびさらなるヌクレオチドの前記ヌクレオチド位置の後の、前記支持鎖中の次+1のヌクレオチド位置である前記支持鎖中の位置を占めるように、かつ前記支持鎖が、最後のさらなるヌクレオチドによって占められる位置と、前記支持鎖中の次のヌクレオチドによって占められる位置との間で切断されるように、構造化される、請求項24に記載の方法。
  27. 任意の1つ以上またはすべての合成サイクルにおいて、前記所定の配列の第1のヌクレオチドと対合するパートナーヌクレオチドが、前記第1のヌクレオチドと相補的な、好ましくは天然に相補的なヌクレオチドである、請求項1〜26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 任意の1つ以上またはすべての合成サイクルにおいて、工程(3)および/または(7)の前に、合成鎖と、それにハイブリダイズされた支持鎖と、を含む、前記足場ポリヌクレオチドが提供され、前記合成鎖が、ヘルパー鎖なしで提供される、請求項9〜27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 任意の1つ以上またはすべての合成サイクルにおいて、工程(3)および/または(7)の前に、前記合成鎖の前記ヘルパー鎖部分が、前記足場ポリヌクレオチドから除去される、請求項9〜28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記合成鎖の前記ヘルパー鎖部分が、(i)前記足場ポリヌクレオチドを約80℃〜約95℃の温度に加熱し、前記足場ポリヌクレオチドから前記ヘルパー鎖部分を分離すること、(ii)前記足場ポリヌクレオチドを8M尿素などの尿素溶液で処理し、前記足場ポリヌクレオチドから前記ヘルパー鎖部分を分離すること、(iii)前記足場ポリヌクレオチドを100%ホルムアミドなどのホルムアミドまたはホルムアミド溶液で処理し、前記足場ポリヌクレオチドから前記ヘルパー鎖部分を分離すること、または(iv)前記足場ポリヌクレオチドを、前記ヘルパー鎖部分の配列と相補的であるヌクレオチド配列の領域を含む一本鎖ポリヌクレオチド分子と接触させて、それにより前記ヘルパー鎖部分と前記足場ポリヌクレオチドとのハイブリダイゼーションを競合的に阻害することによって、前記足場ポリヌクレオチドから除去される、請求項29に記載の方法。
  31. 各切断工程が、2工程切断プロセスを含み、各切断工程が、前記ユニバーサルヌクレオチドを除去し、したがって脱塩基部位を形成することを含む第1の工程と、前記支持鎖を前記脱塩基部位で切断することを含む第2の工程と、を含む、請求項1〜10、13〜17、18、21、22、24、および25のいずれか一項に記載の方法。
  32. 前記第1の工程が、ヌクレオチド除去酵素を用いて行われる、請求項31に記載の方法。
  33. 前記ヌクレオチド除去酵素が、3−メチルアデニンDNAグリコシラーゼ酵素である、請求項32に記載の方法。
  34. 前記ヌクレオチド除去酵素が、
    i.ヒトアルキルアデニンDNAグリコシラーゼ(hAAG)、または
    ii.ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)である、請求項33に記載の方法。
  35. 前記第2の工程が、塩基である化学物質を用いて行われる、請求項31〜34のいずれか一項に記載の方法。
  36. 前記塩基が、NaOHである、請求項35に記載の方法。
  37. 前記第2の工程が、脱塩基部位切断活性を有する有機化学物質を用いて行われる、請求項31〜34のいずれか一項に記載の方法。
  38. 前記有機化学物質が、N,N’−ジメチルエチレンジアミンである、請求項37に記載の方法。
  39. 前記第2の工程が、脱塩基部位リアーゼ活性を有する酵素を用いて行われ、任意選択的に、脱塩基部位リアーゼ活性を有する前記酵素が、
    (i)APエンドヌクレアーゼ1、
    (ii)エンドヌクレアーゼIII(N番目)、または
    (iii)エンドヌクレアーゼVIIIである、請求項31〜34のいずれか一項に記載の方法。
  40. 各切断工程が、切断酵素を用いて前記ユニバーサルヌクレオチドを除去することを含む1工程切断プロセスを含み、前記酵素が、
    (i)エンドヌクレアーゼIII、
    (ii)エンドヌクレアーゼVIII、
    (iii)ホルムアミドピリミジンDNAグリコシラーゼ(Fpg)、または
    (iv)8−オキソグアニンDNAグリコシラーゼ(hOGG1)である、請求項1〜10、13〜17、18、21、22、24、および25のいずれか一項に記載の方法。
  41. 前記切断工程が、前記支持鎖を酵素で切断することを含む、請求項1〜9、11、13〜17、19、21、23、24、および26のいずれか一項に記載の方法。
  42. 前記酵素が、ヌクレオチド位置n+1とnとの間の前記支持鎖を切断する、請求項41に記載の方法。
  43. 前記酵素が、エンドヌクレアーゼVである、請求項41または請求項42に記載の方法。
  44. 前記合成二本鎖ポリヌクレオチドの両方の鎖がDNA鎖である、請求項1〜43のいずれか一項に記載の方法。
  45. 組み込まれたヌクレオチドが、dNTPである、請求項44に記載の方法。
  46. 組み込まれたヌクレオチドが、可逆的ターミネーター基を含むdNTPである、請求項45に記載の方法。
  47. 可逆的ターミネーター基を含む前記組み込まれたヌクレオチドのうちの1つ以上が、3’−O−アリル−dNTPである、請求項46に記載の方法。
  48. 可逆的ターミネーター基を含む前記組み込まれたヌクレオチドのうちの1つ以上が、3’−O−アジドメチル−dNTPである、請求項46に記載の方法。
  49. 前記合成二本鎖ポリヌクレオチドの一方の鎖が、DNA鎖であり、前記合成二本鎖ポリヌクレオチドの他方の鎖が、RNA鎖である、請求項1〜43のいずれか一項に記載の方法。
  50. 前記合成鎖が、RNA鎖であり、前記支持鎖が、DNA鎖である、請求項49に記載の方法。
  51. 組み込まれたヌクレオチドが、NTPである、請求項50に記載の方法。
  52. 組み込まれたヌクレオチドが、可逆的ターミネーター基を含むNTPである、請求項51に記載の方法。
  53. 可逆的ターミネーター基を含む組み込まれたヌクレオチドが、3’−O−アリル−NTPである、請求項52に記載の方法。
  54. 可逆的ターミネーター基を含む組み込まれたヌクレオチドが、3’−O−アジドメチル−NTPである、請求項52に記載の方法。
  55. 前記ポリメラーゼ酵素が、DNAポリメラーゼ、好ましくは未修飾ポリメラーゼと比較して可逆的ターミネーター基を含むdNTPを組み込む能力が増強された修飾DNAポリメラーゼである、請求項1〜48のいずれか一項に記載の方法。
  56. 前記ポリメラーゼが、Thermococcus種9°N、好ましくは種9°N−7由来の天然DNAポリメラーゼのバリアントである、請求項55に記載の方法。
  57. 前記ポリメラーゼ酵素が、T3またはT7 RNAポリメラーゼなどのRNAポリメラーゼ、任意選択的に、未修飾ポリメラーゼと比較して可逆的ターミネーター基を含むNTPを組み込む能力が増強された修飾RNAポリメラーゼである、請求項1〜43および49〜54のいずれか一項に記載の方法。
  58. 前記トランスフェラーゼ酵素が、末端トランスフェラーゼ活性を有し、任意選択的に、前記酵素が、末端ヌクレオチジルトランスフェラーゼ、末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ、末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)、polラムダ、polマイクロ、またはΦ29DNAポリメラーゼである、請求項1〜57のいずれか一項に記載の方法。
  59. 前記第2のヌクレオチドから前記可逆的ターミネーター基を除去する前記工程が、トリス(カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)を用いて行われる、請求項5〜58のいずれか一項に記載の方法。
  60. 前記リガーゼ酵素が、T3 DNAリガーゼまたはT4 DNAリガーゼである、請求項1〜59のいずれか一項に記載の方法。
  61. 任意の1つ以上またはすべての合成サイクルにおいて、工程(1)/(6)において、前記プライマー鎖部分を含む前記合成鎖とそれにハイブリダイズされた前記支持鎖の前記部分とが、前記足場ポリヌクレオチドにおいて、ヘアピンループによって接続されている、請求項9〜60のいずれか一項に記載の方法。
  62. 任意の1つ以上またはすべての合成サイクルにおいて、工程(2)/(6)において、前記ヘルパー鎖とそれにハイブリダイズされた前記支持鎖の前記部分とが、前記ポリヌクレオチド連結分子において、前記相補的連結末端とは反対の末端でヘアピンループによって接続されている、請求項9〜60のいずれか一項に記載の方法。
  63. 任意の1つ以上またはすべての合成サイクルにおいて、
    c)工程(1)/(6)において、前記プライマー鎖部分を含む前記合成鎖とそれにハイブリダイズされた前記支持鎖の前記部分とが、前記足場ポリヌクレオチドにおいて、ヘアピンループによって接続されており、
    d)工程(2)/(6)において、前記ヘルパー鎖とそれにハイブリダイズされた前記支持鎖の前記部分とが、前記ポリヌクレオチド連結分子において、前記相補的連結末端とは反対の末端でヘアピンループによって接続されている、請求項9〜60のいずれか一項に記載の方法。
  64. 工程(1)および(6)において、前記プライマー鎖部分を含む前記合成鎖および/またはそれにハイブリダイズされた前記支持鎖の前記部分が、共通の表面に繋留されている、請求項9〜60のいずれか一項に記載の方法。
  65. 前記プライマー鎖部分および/またはそれにハイブリダイズされた前記支持鎖の前記部分が、切断可能なリンカーを含み、前記リンカーが、合成後に前記表面から前記二本鎖ポリヌクレオチドを切り離すために切断され得る、請求項64に記載の方法。
  66. 工程(1)および(6)において、前記足場ポリヌクレオチド中の前記ヘアピンループが表面に繋留されている、請求項62および63に記載の方法。
  67. 前記ヘアピンループが、切断可能なリンカーを介して表面に繋留され、前記リンカーが、合成後に前記表面から前記二本鎖ポリヌクレオチドを切り離すために切断され得る、請求項66に記載の方法。
  68. 前記切断可能なリンカーが、UV切断可能なリンカーである、請求項65または67に記載の方法。
  69. 前記表面が、微粒子である、請求項64〜68のいずれか一項に記載の方法。
  70. 前記表面が、平坦な表面である、請求項64〜68のいずれか一項に記載の方法。
  71. 前記表面が、ゲルを含む、請求項66〜70のいずれか一項に記載の方法。
  72. 前記表面が、約2%のポリアクリルアミドなどのポリアクリルアミド表面を含み、好ましくは、前記ポリアクリルアミド表面が、ガラスなどの固体支持体に結合されている、請求項71に記載の方法。
  73. 前記プライマー鎖部分を含む前記合成鎖とそれにハイブリダイズされた前記支持鎖の前記部分とが、1つ以上の共有結合を介して前記共通の表面に繋留されている、請求項64〜72のいずれか一項に記載の方法。
  74. 前記1つ以上の共有結合が、前記共通の表面上の官能基と足場分子上の官能基との間に形成され、前記足場分子上の前記官能基が、アミン基、チオール基、チオリン酸基、またはチオアミド基である、請求項73に記載の方法。
  75. 前記共通の表面上の前記官能基が、ブロモアセチル基であり、任意選択的に、前記ブロモアセチル基が、N−(5−ブロモアセトアミジルペンチル)アクリルアミド(BRAPA)を使用して得られるポリアクリルアミド表面上に提供される、請求項74に記載の方法。
  76. 合成サイクルが、微小流体システム内の液滴中で行われる、請求項1〜75のいずれか一項に記載の方法。
  77. 前記微小流体システムが、エレクトロウェッティングシステムである、請求項76に記載の方法。
  78. 前記微小流体システムが、エレクトロウェッティングオン誘電体システム(EWOD)である、請求項77に記載の方法。
  79. 合成後、前記二本鎖ポリヌクレオチドの前記鎖が分離されて、所定の配列を有する一本鎖ポリヌクレオチドを得る、請求項1〜78のいずれか一項に記載の方法。
  80. 合成後、前記二本鎖ポリヌクレオチドまたはその領域が、好ましくはPCRによって増幅される、請求項1〜79のいずれか一項に記載の方法。
  81. 所定の配列を有するポリヌクレオチドを構築する方法であって、所定の配列を有する第1のポリヌクレオチドおよび所定の配列を有する1つ以上の追加のポリヌクレオチドを合成するために請求項1〜80のいずれか一項に記載の方法を行うことと、前記第1のポリヌクレオチドおよび前記1つ以上の追加のポリヌクレオチドを一緒に接合することと、を含む、方法。
  82. 前記第1のポリヌクレオチドおよび前記1つ以上の追加のポリヌクレオチドが、二本鎖である、請求項81に記載の方法。
  83. 前記第1のポリヌクレオチドおよび前記1つ以上の追加のポリヌクレオチドが、一本鎖である、請求項81に記載の方法。
  84. 前記第1のポリヌクレオチドおよび前記1つ以上の追加のポリヌクレオチドが、適合する末端を作成するために切断され、好ましくは連結によって一緒に接合される、請求項81〜83のいずれか一項に記載の方法。
  85. 前記第1のポリヌクレオチドおよび前記1つ以上の追加のポリヌクレオチドが、切断部位で制限酵素によって切断される、請求項84に記載の方法。
  86. 前記合成および/またはアセンブリ工程が、微小流体システム内の液滴中で行われる、請求項77〜85のいずれか一項に記載の方法。
  87. 前記アセンブリ工程が、所定の配列を有する第1の合成ポリヌクレオチドを含む第1の液滴と、所定の配列を有する追加の1つ以上の合成ポリヌクレオチドを含む第2の液滴と、を提供することを含み、前記液滴が、互いに接触し、前記合成ポリヌクレオチドが、一緒に接合され、それにより前記第1および追加の1つ以上のポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチドをアセンブリする、請求項86に記載の方法。
  88. 前記合成工程が、各液滴が前記合成サイクルの工程に対応する反応試薬を含む、複数の液滴を提供することと、前記合成サイクルの前記工程に従って前記足場ポリヌクレオチドに前記液滴を順次送達することと、によって行われる、請求項87に記載の方法。
  89. 液滴の送達後かつ次の液滴の送達の前に、過剰の反応試薬を除去するために洗浄工程が実施される、請求項88に記載の方法。
  90. 前記微小流体システムが、エレクトロウェッティングシステムである、請求項88および89に記載の方法。
  91. 前記微小流体システムが、エレクトロウェッティングオン誘電体システム(EWOD)である、請求項90に記載の方法。
  92. 合成工程およびアセンブリ工程が、同じシステム内で行われる、請求項87〜91のいずれか一項に記載の方法。
  93. 請求項1〜92のいずれか一項に記載の方法を実施するためのポリヌクレオチド合成システムであって、(a)各反応領域が少なくとも1つの足場ポリヌクレオチドを含む、反応領域のアレイと、(b)前記反応試薬を前記反応領域に送達するための手段と、任意選択的に(c)前記足場ポリヌクレオチドからの前記合成二本鎖ポリヌクレオチドを切断するための手段と、を含む、ポリヌクレオチド合成システム。
  94. 前記反応試薬を液滴で提供するための手段と、前記合成サイクルに従って前記足場ポリヌクレオチドに前記液滴を送達するための手段と、をさらに含む、請求項93に記載のシステム。
  95. 請求項93または94に記載のシステムと共に使用するため、かつ請求項1〜92のいずれか一項に記載の方法を実施するためのキットであって、前記合成サイクルの前記工程に対応する反応試薬の容量を含む、キット。
  96. ポリヌクレオチドマイクロアレイを作製する方法であって、前記マイクロアレイが複数の反応領域を含み、各領域が所定の配列を有する1つ以上のポリヌクレオチドを含み、前記方法が、
    a)複数の反応領域を含む表面を提供することであって、各領域が1つ以上の二本鎖アンカーまたは足場ポリヌクレオチドを含む、提供することと、
    b)各反応領域で請求項1〜78のいずれか一項に記載の方法に従って合成サイクルを行い、それにより各領域で所定の配列を有する1つ以上の二本鎖ポリヌクレオチドを合成することと、を含む、方法。
  97. 合成後、前記二本鎖ポリヌクレオチドの前記鎖が分離されて、マイクロアレイを提供し、各領域が、所定の配列を有する1つ以上の一本鎖ポリヌクレオチドを含む、請求項96に記載の方法。
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