JP4021648B2 - 録画再生システム、録画再生方法及びデータベースサーバ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ユーザーが使用する録画再生装置と、通信ネットワーク上に設置されたデータベースサーバとから構成される録画再生システム、録画再生方法及びデータベースサーバに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、テレビ放送等の番組映像を録画する装置として、大容量のハードディスクを備えたハードディスク録画再生装置が開発されている。このハードディスク録画再生装置では、映像をデジタル化した動画データとしてハードディスクに記録し、このデータを読み出すことにより再生を行う。
【0003】
ところが、近年においては、従来の地上波放送に加えて、BS放送や、ケーブルテレビなど様々なテレビ放送が行われるようになり、放送時間が拡大するとともに、チャンネル数が増加したため、ハードディスクの容量が増大したとはいえ、その記録容量には限界があり、ユーザーが望む全ての番組を録画することは困難である。また、大容量のハードディスクは、製造コストが高く、録画再生装置の価格を高める原因ともなっている。
【0004】
これに対して、本願発明者等は、ネットワーク上にデータベースサーバを設置し、録画再生装置においてオーバーフローしたデータを、ネットワークを通じて受信し、蓄積し、ユーザーからの要求に応じて、蓄積したデータをユーザー側の録画再生装置に送信するシステムを開発した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記システムでは、複数のユーザーから、オーバーフローデータを受信し、蓄積した場合、同一の時間帯及びチャンネルで録画をする場合が考えられ、この場合には、重複したデータが生じることとなり、データベース側の蓄積手段を有効に使用することができないという問題が起こりうる。
【0006】
そこで、本発明は上記問題を解決すべくなされたものであり、録画再生装置の製造コストを低減しつつ、ユーザーのニーズに応じた大容量のデータを記録するとともに、データベースサーバ側の蓄積手段を有効に利用することのできる録画再生システム、録画再生方法及びデータベースサーバを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願に係る発明は上記課題を解決すべくなされたものであり、ユーザーが使用する録画再生装置と、通信ネットワーク上に設置されたデータベースサーバとを用いて録画再生を行う際に、録画再生装置に設けられたユーザー側蓄積部に、放送または通信により提供される動画データを記録し、ユーザー側蓄積部において動画データのオーバーフローが生じた際に、オーバーフローした動画データを通信回線を通じてデータベースサーバに送信し、動画データを記録するための操作履歴と、オーバーフローデータが生じた時間とを対応付けるとともに、ユーザーが使用する録画装置でのノイズに関する情報が含まれるユーザー管理データを生成し、データベースサーバに送信し、データベースサーバに設けられたサーバ側蓄積部に、録画再生装置から受信した動画データを蓄積し、ユーザー管理データに基づいて、サーバ側蓄積部において重複する動画データを検索し、重複するデータのいずれかを削除し、ユーザー管理データに含まれるノイズに関する情報に基づいて、当該動画データが録画された時点における画質と同等の画質となるように、サーバ側蓄積部に蓄積された動画データの画質を調整し、動画データを録画再生装置に送信することを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、録画再生装置側に設けられたユーザー側蓄積部においてデータのオーバーフローが生じた際に、ネットワーク上のサーバ側蓄積部に蓄積先を切り替えるため、ユーザーのニーズに応じた大容量のデータを記録することができる。この結果、ユーザー側蓄積部を容量の小さいものを用いることができ、録画再生装置の製造コストを低廉化させることができる。
【0009】
特に、サーバ側蓄積部に蓄積されたデータのうち、重複するものを削除して、データのマージを行うため、サーバ側蓄積部のデータ量を縮減することができ、ハードウェア資源の有効利用を図ることができる。
【0010】
また、本発明では、動画データを記録するための操作履歴と、前記オーバーフローデータが生じた時間とを対応付けるユーザー管理データを生成し、データベースサーバに送信し、前記ユーザー管理データに基づいて、重複データを検索するため、迅速に重複データを検出することができる。さらに、上記発明においてユーザー管理データには、録画装置でのノイズに関する情報が含まれ、これに基づいて、送信する動画データの画質を調整することにより、ユーザーが使用する録画再生装置の能力に応じたデータを配信することができる。また、部分的にデータがマージされたとき、再生の際に、画質のムラが生じるのを防止することができる。
【0011】
上記発明では、重複する動画データについてそれぞれの画質を検出し、画質の低い動画データを削除することが好ましい。この場合には、重複データをマージする際、より品質の高いデータを優先して保持するため、蓄積データの高品質化を図ることができる。
【0012】
なお、上記発明において録画再生装置は、予め録画時間及びチャンネルを指定して前記動画データの記録を動作させる予約録画制御部を有し、この予約録画制御部は、全チャンネル・全時間指定録画モード機能を備えていることが好ましい。この場合には、前記オーバーフローデータは、全録画時間及び全チャンネルを指定して記録された動画データの一部又は全部となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
(録画再生システムの全体構成)
本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る録画再生システムの構成を示すブロック図である。
【0014】
同図に示すように、本実施形態に係る録画再生装置は、ユーザーが使用する録画再生装置1と、通信ネットワーク2上に設置されたデータベースサーバ3とから構成される。本実施形態において、通信ネットワーク2は、無線、有線通信回線網であり、ADSL等のブロードバンド方式や光ケーブル等の大容量通信回線である。
【0015】
録画再生装置1は、地上波放送やBS放送、ケーブル放送またはブロードバンド通信回線等により提供される動画データを記録するとともに、記録した動画データをディスプレイ6において表示するものであり、データを蓄積する手段としてユーザーハードディスク15と、ユーザーハードディスク15において、データのオーバーフローが生じた際に、オーバーフローした動画データを通信ネットワーク2を通じてデータベースサーバ3に送信する手段を有している。
【0016】
一方、データベースサーバ3は、録画再生装置1から受信した動画データを蓄積する大容量のコンテンツ蓄積部4を有するとともに、コンテンツ蓄積部4に蓄積したデータを管理するためのユーザユーザー管理データを蓄積するユーザー管理データベース5を備えている。
【0017】
このような録画再生システムによれば、録画再生装置1に設けられたユーザーハードディスク15に動画データを記録し、ユーザーハードディスク15において動画データのオーバーフローが生じた際に、オーバーフローした動画データをデータベースサーバ3に対して通信ネットワーク2を通じて送信し、データベースサーバ3に設けられたコンテンツ蓄積部4に蓄積する。
【0018】
(録画再生装置の構成)
上述した録画再生装置1の内部構成について、図1を参照しつつ詳述する。同図に示すように、録画再生装置1は、録画再生を行う手段として、操作部7と、予約録画制御部9と、チューナー部10と、表示用インターフェース12と、データ変換部13と、データ入出力部14と、ユーザーハードディスク15とを備えている。
【0019】
操作部7は、録画再生装置1に対する操作を行うものであり、装置外面に設けられた操作ボタンやタッチパネル、リモコンである。この操作部7は、ユーザーの操作に応じて制御信号を、装置の各部に送出し、録画開始や録画終了、チャンネル操作、早送り、巻き戻し、録画予約等の操作を行う。この操作部7における操作の履歴は、操作履歴データ生成部8に送出される。なお、本実施形態における操作部7の操作では、全チャンネル指定モードを備えており、特定のチャンネルを指定することなく、全チャンネルにおける全放送番組について一括して録画開始及び録画終了操作を行うことができる。
【0020】
予約録画制御部9は、録画時間を指定してチューナー部10を作動させるものであり、タイマー機能を備えており、所定の時間になった際に、チューナー部10を動作させ、録画処理を実行させる。この予約録画制御部9は、チューナー部10に行わせた録画処理の履歴を操作履歴データ生成部8に出力する。なお、本実施形態における操作部7の操作では、全チャンネル・全時間指定録画モードを備えており、特定のチャンネル及び時間を指定することなく、全チャンネルにおける全時間帯の放送番組について一括して録画予約操作を行うことができる。
【0021】
チューナー部10は、チャンネルを切り替えることによって、地上波放送やBS放送、ケーブル放送のストリームを受信するものであり、アナログ放送やデジタル放送に対応した受信機である。このチューナー部10で受信されたストリームデータは、データ変換部13や表示用インターフェース12に送出される。
【0022】
表示用インターフェース12は、チューナー部10やデータ変換部13から入力されたストリームデータをディスプレイ6に表示させるものである。
【0023】
データ変換部13は、チューナー部10が受信したストリームデータをユーザーハードディスク15で記録可能なデータ構造に変換するものである。例えば、アナログ放送のストリームをデジタルデータに変換し、MPEG等の規格を準拠したデータ形式に変換する。
【0024】
データ入出力部14は、ユーザーハードディスク15に対してデータの入出力を行うものであり、データ変換部13から入力された動画データをユーザーハードディスク15に書き込みを行ったり、ユーザーハードディスク15に記録された動画データを読み出して表示用インターフェース12を通じてディスプレイ6に表示させるものである。
【0025】
また、このデータ入出力部14は、データ制御部17からの命令に応じて、データ変換部13からのデータと、データ送受信部18からのデータとを切り替えてユーザーハードディスク15に接続し、データの入出経路を変更する機能も有している。
【0026】
さらに、データ入出力部14は、ユーザーハードディスク15におけるデータのオーバーフローを監視し、データの記録中にオーバーフローが生じた場合には、そのオーバーフローが生じた時間と、オーバーフローが生じる直前に書き込んだデータのアドレスとを検出し、これらの情報をあふれデータ管理部11に通知する機能を有している。
【0027】
ユーザーハードディスク15は、デジタル化された動画データを所定のアドレスに記録する記憶装置であり、データ入出力部14を介してデータの書き込み、読み出しを行う。このユーザーハードディスク15は、記憶装置であれば種々の装置を用いることができ、メモリ等により代用することもできる。
【0028】
本実施形態において録画再生装置1は、動画データを記録するための操作履歴と、データのオーバーフローが生じた時間とを対応付けるユーザー管理データを生成する手段として、ユーザー管理データ生成部16と、操作履歴データ生成部8と、あふれデータ管理部11と、予約録画制御部9とを有している。
【0029】
操作履歴データ生成部8は、ユーザーが何時にどのような操作を行ったかという操作履歴データを生成するものであり、この生成された操作履歴データは、ユーザー管理データ生成部16に送出される。具体的には、ユーザーが操作部7において行った、録画開始操作、録画終了操作の時間、そのときのチャンネル等を記録する。また、予約録画である場合には、実際にチューナー部10で行った録画開始処理、録画終了処理の時間、そのときのチャンネル等を記録する。
【0030】
あふれデータ管理部11は、データ入出力部15が検知したユーザーハードディスク15におけるデータのオーバーフローの時間やファイルデータ名、格納先アドレスをデータ化してあふれデータとしてユーザー管理データ生成部16に送出するものである。
【0031】
ユーザー管理データ生成部16は、上述した操作履歴データとあふれデータとに基づいて、ユーザー管理データを生成するものである。具体的には、ユーザーによる操作履歴と、データのオーバーフローが生じた時間とを対応付けてデータ化するものであり、ユーザーのどの操作によって録画されている動画ファイルがオーバーフローしたのかを記述する。具体的には、動画データが録画された日時、及びユーザーハードディスク15においてオーバーフローした時間、そのときのチャンネル、動画ファイル名が記述される。
【0032】
なお、本実施形態においてこのユーザー管理データ生成部16は、ユーザー若しくは録画再生装置1を特定する識別子を記憶する記憶部が設けられており、生成されたユーザー管理データに識別子を付加する。この識別子は、データベースサーバ3におけるユーザー認証に用いられる。
【0033】
さらに、録画再生装置1は、上記各データ(動画データ、ユーザー管理データ)を送受信する手段として、データ送受信部18及びデータ制御部17を有している。
【0034】
データ送受信部18は、ADSL等のブロードバンド用モデムや、ISDNのターミナルアダプタ等であり、通信回線を通じて通信ネットワーク2に接続可能となっている。
【0035】
データ制御部17は、データ入出力部14のデータ入出力経路を切り替えるものであり、ユーザーハードディスク15からデータの入出力がある場合は、データ入出力部14とユーザーハードディスク15とを接続させ、データ送受信部18からデータの入出力がある場合には、データ送受信部18とデータ入出力部14とを接続する。これにより、ユーザーハードディスク15に対して入出力されるデータと、データ送受信部18から入出力されるデータとを連続させる。
【0036】
(データベースサーバの構成)
次いで、上記データベースサーバ3の内部構造について説明する。図2は、データベースサーバ3の内部構成を示すブロック図である。
【0037】
同図に示すように、本実施形態に係るデータベースサーバ3は、データ送受信部23と、データ制御部20と、データ入出力部19と、認証部22と、ユーザー管理データ処理部21とを有している。
【0038】
データ送受信部23は、通信ネットワーク2を通じて、録画再生装置1との間でデータの送受信を行うものであり、ADSL等のブロードバンド用モデムや、ISDNのターミナルアダプタ等を用いることができ、通信回線を通じて通信ネットワーク2に接続可能となっている。
【0039】
データ送受信部23を通じて送受信されるデータとしては、動画データとユーザー管理データとがあり、動画データは、データ制御部20、データ入出力部19を介して、コンテンツ蓄積部4に入出力され、ユーザー管理データは、認証部22及びユーザー管理データ処理部21を介してユーザー管理データベース5に蓄積される。
【0040】
データ制御部20は、ユーザー管理データ処理部21の許可を得た後、録画再生装置1から動画データを受信し、データ入出力部20にデータを送出するとともに、ユーザーからの再生要求に応じてユーザー管理データ処理部21から許可を得て、コンテンツ蓄積部4に蓄積された動画データを読み出して、データ送受信部23を介して、録画再生装置1に対して送信する。
【0041】
また、このデータ制御部20は、データの再生時において、再生に係るデータがオーバーフローしたものである場合には、その旨の通知及び動画データが録画された時間、チャンネルをデータ入出力部14から取得し、この通知に基づいて、再生を希望するファイル名を特定した再生要求をデータベースサーバ3に対して送信する。
【0042】
データ入出力部19は、データ制御部20の命令に基づいて、コンテンツ蓄積部4に対してデータの入出力を行うものである。具体的には、記録時にあっては、記録したデータの格納先アドレスをデータ制御部20を通じてユーザー管理データ処理部21に通知し、読みだし時にあっては、ユーザー管理データ処理部21からの取得した格納先アドレスからデータを読み出し、データ制御部20を通じてデータ送受信部23に送出する。
【0043】
コンテンツ蓄積部4は、録画再生装置1が有するユーザーハードディスク15においてオーバーフローしたデータを所定の格納先アドレスに蓄積するものである。このコンテンツ蓄積部4は、データ入出力部19を通じてデータの入出力を行う。
【0044】
認証部22は、データ送受信部23が受信したユーザー管理データの中からユーザーの識別子を抽出し、ユーザー管理データベースに登録された登録ユーザーテーブルを照合し、アクセス者が登録されたユーザーか否かを判断するものである。照合した結果、登録ユーザーであると判断した場合には、取得したユーザー識別子をユーザー管理データ処理部21に受け渡す。照合した結果、登録ユーザーでないと判断した場合には、アクセスの拒否を行う。
【0045】
ユーザー管理データ処理部21は、ユーザー管理データベース5に登録されたユーザーの個人情報や、ユーザー毎の動画データの蓄積状況を管理するものである。また、コンテンツ蓄積部4に対するデータの入出力の許可をデータ制御部20に送出する機能も有している。
【0046】
詳述すると、データの記録時にあっては、認証部22による認証結果に基づいてデータ制御部20にデータ記録の許可を送出するとともに、記録開始後において、コンテンツ蓄積部4上の格納先アドレスをデータ制御部20から取得する。この取得した格納先アドレスは、受信したユーザー管理データに追記され、その結果、ユーザー管理データには、動画データの記録を依頼したユーザーの識別子、動画データが録画された日時、及びユーザーハードディスク15においてオーバーフローした時間、そのときのチャンネル、動画ファイル名及び当該動画データの格納先のアドレスが記述されることとなる。
【0047】
一方、データの再生時においてユーザー管理データ処理部21は、認証部22の認証処理の後、録画再生装置1からの再生要求に基づいて、ユーザー管理データベース5から当該ユーザーに関連するユーザー管理データを検索し、コンテンツ蓄積部4における格納先アドレスを取得し、これをデータ制御部20に送出する。
【0048】
なお、本実施形態において、ユーザー管理データ処理部21は、課金機能を備えており、ユーザーが記録したデータ量や、アクセス回数等をカウントし、このカウントに応じた課金処理を行う機能を有している。
【0049】
ユーザー管理データベース5は、ユーザーの個人情報(登録ID等)、課金情報、ユーザー管理データをユーザー毎に記録し管理するものである。このユーザー管理データベース5に登録されたユーザーIDに基づいて、認証部22は、アクセス者の認容処理を行い、また、このユーザー管理データベース5に蓄積されたユーザー管理データに基づいて、ユーザー管理データ処理部21は、再生すべきデータが格納されている格納先アドレス等を取得することができる。
【0050】
さらに、本実施形態に係るデータベースサーバ3は、データマージ部24を備えている。このデータマージ部24は、コンテンツ蓄積部4において重複する動画データを検索し、重複するデータのいずれかを削除するものであり、具体的には、このデータマージ部24は、ユーザー管理データ処理部21に接続されており、周期的にユーザー管理データを参照し、重複する時間帯、チャンネルで録画された動画データを検出し、重複するデータのいずれかを削除する。このデータの削除は、本実施形態では、重複するデータについてそれぞれの解像度を検出し、比較し、解像度の低い方のデータを削除する。
【0051】
また、データベースサーバ3は、解像度解析部25と、解像度調整部26とを有している。
【0052】
解像度解析部25は、録画再生装置1から受信した動画データのノイズや機種に基づく性能等に基づいて、解像度を解析し、その解析結果を画質情報としてユーザー管理データ処理部21に出力する。この出力を受けて、ユーザー管理データ処理部21は、受信した動画データと画質情報とを対応付けて管理データベース5に記録する。
【0053】
解像度調整部26は、データ送受信部23を通じて、録画再生装置1に対して送信される再生動画の解像度を調整するものであり、ユーザー管理データに記録された画質情報に基づいて、録画された時点における画質と同質の画質となるように、再生動画の解像度を調整する。すなわち、コンテンツ蓄積部4に蓄積された動画が、マージ処理により高画質な動画に置換されているときには、画質を低減して記録時における画質と同質の画質とする。これにより、録画再生装置1側で再生される画質が変動するのを防止することができる。
【0054】
(動作)
以上の構成を有する本実施形態に係る録画再生システムの動作について説明する。図3は、記録時における動作を示すフロー図であり、図4は、データマージ時における動作を示すフロー図であり、図5は、再生時の動作を示すフロー図である。
【0055】
図3に示すように、記録時においては、先ず、ユーザーによる操作に応じて、処理が開始される(S101)。具体的には、操作部7において、録画開始操作か、或いは、予約録画操作を行う。
【0056】
次いで、ユーザー操作が通常録画であるか予約録画であるかを判断する(S102)。通常録画である場合には、操作部7における操作の制御信号が直接操作履歴データ生成部8に入力され、操作履歴データが生成される(S104)。予約録画である場合には、予約録画制御部9において、タイマーが作動し、待機状態となり、所定の時間になった時点で、録画動作の制御が行われ、制御信号が操作履歴データ生成部8に入力される(S103)。操作履歴データ生成部8では、この予約録画制御部9からの制御信号に基づいて操作履歴データが生成される(S104)。
【0057】
次いで、録画動作が開始される(S105)。具体的には、チューナー部10において受信された放送ストリームがデータ変換部19でデータファイルに変換され(S106)、ユーザーハードディスク15に記録される(S107)。
【0058】
その後、ユーザーハードディスク15がオーバーフローが生じているか否かの判断を逐次監視する(S108)。オーバーフローが生じてない間は、動画データをユーザーハードディスク15に蓄積する。
【0059】
ステップS108において、オーバーフローが検出されたときには、あふれデータを生成する(S109)。具体的には、データのオーバーフローをデータ入出力部14が検出し、オーバーフローが生じた時間、及びファイル名をあふれデータ管理部11に通知する。このあふれデータ管理部11が取得したあふれデータと、操作履歴データ生成部8が生成した操作履歴とに基づいて、ユーザー管理データが生成される(S110)。なお、このユーザー管理データには、ユーザーを特定する識別子が付加されるとともに、さらに、当該録画再生装置1の機種、及び画質レベルに関する録画モードに関する画質情報が付加される。
【0060】
次いで、ユーザー管理データ生成部16は、データ送受信部18を通じて、ユーザー管理データ及び記録要求をデータベースサーバ3に送信する(S111)。このユーザー管理データに基づいて、データベースサーバ3は、ユーザーの認証を行うとともに、アクセス許可を行い、ユーザー管理データをユーザー管理データベース5に格納する。
【0061】
アクセス許可が出された後、データ制御部17は、データ入出力部14からの出力経路を、ユーザーハードディスク15からデータ送受信部18に切り替える(S112)。これにより、データ変換部13で変換された動画データは、データ入出力部14、データ送受信部18を経て、データベースサーバ3に送信される。
【0062】
データベースサーバ3では、受信した動画データをデータ制御部20、データ入出力部19を通じて、コンテンツ蓄積部4に蓄積する(S113)。この受信の際には、受信した動画データの画質を解析し画質情報を生成し、ユーザー管理データ処理部21に出力する。
【0063】
このコンテンツ蓄積部4の格納先アドレスをデータ入出力部19から取得し、データ制御部20を介して、ユーザー管理データ処理部21に送出する。ユーザー管理データ処理部21では、録画再生装置1から送信されたユーザー管理データに、格納先アドレスを付加して、ユーザー管理データベース5に格納する。さらに、ユーザー管理データ処理部21は、解像度解析部25が解析した画質情報を受信した動画データと対応付けてユーザー管理データに付加する。なお、録画再生装置1から受信したユーザー管理データに画質情報が既に含まれている場合には、その画質情報を記録する。
【0064】
このようにしてコンテンツ蓄積部4に蓄積された動画データは、以下の手順によりデータマージ処理される。図4は、本実施形態に係るマージ処理の手順を示すブロー図であり、図5は、マージ処理を概念的に示す説明図である。このマージ処理は、周期的に行われる。
【0065】
先ず、マージ処理が開始されると、ユーザー管理データ処理部21を介して、管理データベース5からユーザー管理データを取得し、集計する(S201)。この集計は、図5に示すように、チャンネルと時間とを関連付けたマップデータに、ユーザー管理データに記述された録画時間(オーバーフローが生じた時間から録画終了時間まで)をマッピングする。図5では、ユーザー管理データに基づいてデータD1〜D10がマッピングされる状態を示している。
【0066】
次いで、このマップデータに基づいて、重複データを検出する(S202)。図5では、データD3,D4及びD10が部分的(図中▲1▼,▲3▼部分)に重複している状態を示している。そして、重複した部分▲1▼、▲3▼について解像度の比較を行う(S203)。
【0067】
この解像度の比較は、ユーザー管理データに記録された各データの画質情報に基づいて行い、より画質の良いデータを選択する。そして、重複データについて差替えを行う(S204)。本実施形態では、より画質の良いデータを残し、画質の悪い方のデータを削除する。なお、このマージ処理により、保存先のアドレスが変更されたデータに関しては、ユーザー管理データの内容を更新し、データの保存先アドレスを新しいアドレスに書き替える。
【0068】
そして、記録された動画データは、以下の手順により再生される。図6に示すように、ユーザー操作によって再生動作が開始される(S301)。この操作に応じて、データ入出力部14は、ユーザーハードディスク15から動画像を読み出し(S302)、データ変換した後、表示用インターフェース12によりディスプレイ6に再生動画を表示させる(S303)。この間、録画時におけるあふれデータがあるか否かを判断し(S304)、無ければ、ユーザーハードディスク15からの再生を継続する。
【0069】
そして、ステップS304において、再生動画が途中で切れている等によりデータのオーバーフローが確認された場合には、サーバに再生要求を送信する(S305)。具体的には、データ制御部17がデータ入出力部14からオーバーフローが生じている通知を取得し、そのオーバーフローが生じているファイル名、チャンネル、時間を送信する。
【0070】
この再生要求を受けて、データベースサーバ3側では、認証部22により認証を行った後(S306)、ユーザー管理データ処理部21において、ユーザー管理データを確認する(S307)。この確認により、オーバーフローしたデータの格納先を取得する。この間に、録画再生装置1側では、データ制御部17により、データ入出力部14への入力経路を切り替えて、データ送受信部18からのデータがデータ変換部13に送出されるようにする(S308)。その後、コンテンツ蓄積部4からのデータの読み出しが開始され、録画再生装置1への送信が行われる(S309)。
【0071】
本実施形態においては、この再生動画データの送信の際に動画データの画質の調整を行う(S310)。具体的には、送信の際に、ユーザー管理データ処理部21からユーザー管理データを呼び出し、呼び出したユーザー管理データに基づいて、送信先である録画再生装置1で録画された動画データの画質を取得し、録画時における動画データの画質と同等の画質になるように、再生動画データの画質を調整する。
【0072】
この再生動画データが録画再生装置1に受信され、ディスプレイ6において、コンテンツ蓄積部4からのデータが表示される。画質が録画再生時と同等に調整されているため、録画再生装置1においてユーザーハードディスク15から再生された動画データと、データベースサーバ3から送信された動画データとの間で画質の変化がなく、均一な動画再生が行われる。
【0073】
なお、本実施形態においては、録画、再生時において、オーバーフローが生じた際に、記録部の変更を行ったが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、記録時において、ユーザーハードディスク15の残り容量を逐次監視し、残り容量が所定を下回った時点で、蓄積先の切替を行うことが好ましい。また、再生時には、オーバーフローが生じ、途中で切れているデータであるか否かの検査をあふれデータ管理部11において行い、データが途切れる前に、データベースサーバ3への再生要求を行い、データが切れたときには、既にコンテンツ蓄積部4からの再生を可能としておき、再生データが不連続になるのを防止するようにしてもよい。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、録画再生装置側に設けられたユーザー側蓄積部においてデータのオーバーフローが生じた際に、ネットワーク上のサーバ側蓄積部に蓄積先を切り替えるため、ユーザーのニーズに応じた大容量のデータを記録することができる。この結果、ユーザー側蓄積部を容量の小さいものを用いることができ、録画再生装置の製造コストを低廉化させることができる。
【0075】
また、データベースサーバにおいて蓄積された動画データのマージ処理を行うため、データベースサーバに設けられた蓄積手段の有効利用を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る録画再生システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る録画再生システムにおけるデータベースサーバの構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態において、記録時における動作を示すフロー図である。
【図4】本実施形態において、データマージ処理時における動作を示すフロー図である。
【図5】本実施形態におけるデータマージ処理を概念的に示す説明図である。
【図6】本実施形態において、再生時における動作を示すフロー図である。
【符号の説明】
1…録画再生装置、2…通信ネットワーク、3…データベースサーバ、4…コンテンツ蓄積部、5…ユーザー管理データベース、6…ディスプレイ、24…データマージ部、25…解像度解析部、26…解像度調整部
Claims (9)
- ユーザーが使用する録画再生装置と、通信ネットワーク上に設置されたデータベースサーバとから構成される録画再生記録システムであって、
前記録画再生装置は、
放送または通信により提供される動画データを記録するユーザー側蓄積部と、
前記ユーザー側蓄積部において動画データのオーバーフローが生じた際に、オーバーフローした動画データを通信回線を通じて送信する手段と、
前記動画データを記録するための操作履歴と、前記オーバーフローデータが生じた時間とを対応付けるとともに、ユーザーが使用する前記録画装置でのノイズに関する情報が含まれるユーザー管理データを生成するデータ管理部と、
を有し、
前記データベースサーバは、
前記データ送受信部から受信した動画データを蓄積するサーバ側蓄積部と、
前記ユーザー管理データに基づいて、前記サーバ側蓄積部において重複する動画データを検索し、重複するデータのいずれかを削除するデータマージ部と
前記録画再生装置から前記ユーザー管理データを取得し、このユーザー管理データに基づいて、前記サーバ側蓄積部に蓄積された動画データを該録画再生装置に送信する再生動画送信手段と、
前記ユーザー管理データに含まれるノイズに関する情報に基づいて、当該動画データが録画された時点における画質と同等の画質となるように、送信する動画データの画質を調整する画質調整部と
を有することを特徴とする録画再生システム。 - 前記データマージ部は、重複する動画データについて、それぞれの画質を検出し、画質の低い動画データを削除することを特徴とする請求項1に記載の録画再生システム。
- 前記録画再生装置は、予め録画時間及びチャンネルを指定して前記動画データの記録を動作させる予約録画制御部を有し、この予約録画制御部は、全チャンネル・全時間指定録画モード機能を備えていることを特徴とする請求項1に記載の録画再生システム。
- ユーザーが使用する録画再生装置と、通信ネットワーク上に設置されたデータベースサーバとを用いた録画再生方法であって、
前記録画再生装置に設けられたユーザー側蓄積部に、放送または通信により提供される動画データを記録するステップ(1)と、
前記ユーザー側蓄積部において動画データのオーバーフローが生じた際に、オーバーフローした動画データを通信回線を通じて前記データベースサーバに送信し、前記動画データを記録するための操作履歴と、前記オーバーフローデータが生じた時間とを対応付けるとともに、ユーザーが使用する前記録画装置でのノイズに関する情報が含まれるユーザー管理データを生成し、前記データベースサーバに送信するステップ(2)と、
前記データベースサーバに設けられたサーバ側蓄積部に、前記録画再生装置から受信した動画データを蓄積するステップ(3)と、
前記ユーザー管理データに基づいて、前記サーバ側蓄積部において重複する動画データを検索し、重複するデータのいずれかを削除するステップ(4)と、
前記ユーザー管理データに含まれるノイズに関する情報に基づいて、当該動画データが録画された時点における画質と同等の画質となるように、前記サーバ側蓄積部に蓄積された動画データの画質を調整し、該動画データを該録画再生装置に送信するステップ(5)と
を有することを特徴とする録画再生方法。 - 前記ステップ(4)において、重複する動画データについてそれぞれの画質を検出し、画質の低い動画データを削除することを特徴とする請求項4に記載の録画再生方法。
- 前記ステップ(1)において、録画再生装置に設けられた予約録画制御部の全チャンネル・全時間指定録画モード機能により、全録画時間及び全チャンネルを指定して、ユーザー側蓄積部に、放送または通信により提供される動画データを記録することを特徴とする請求項4に記載の録画再生方法。
- ユーザーが使用する録画再生装置に備えられたユーザー側蓄積部においてオーバーフローした動画データを蓄積するサーバ側蓄積部と、
前記動画データを記録するための操作履歴と、前記オーバーフローデータが生じた時間とを対応付けるとともに、ユーザーが使用する前記録画装置でのノイズに関する情報が含まれるユーザー管理データを前記録画再生装置から取得し、このユーザー管理データに基づいて、前記サーバ側蓄積部において重複する動画データを検索し、重複するデータのいずれかを削除するデータマージ部と、
前記サーバ側蓄積部に蓄積された動画データを該録画再生装置に送信する再生動画送信手段と、
前記ユーザー管理データに含まれる画質に関する情報に基づいて、当該動画データが録画された時点における画質と同等の画質となるように、送信する動画データの画質を調整する画質調整部と
を有することを特徴とするデータベースサーバ。 - 前記データマージ部は、重複する動画データについて、それぞれの画質を検出し、画質の低い動画データを削除することを特徴とする請求項7に記載のデータベースサーバ。
- 前記オーバーフローデータは、前記録画再生装置の全チャンネル・全時間指定録画モード機能により、全録画時間及び全チャンネルを指定して記録された動画データの一部又は全部であることを特徴とする請求項7に記載のデータベースサーバ。
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