JP4020329B1 - 食器皿洗浄装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】大掛りな装置を用いることなく食器皿に付着した飲食物をあらかじめ取除くことができる食器皿洗浄装置を提供する。
【解決手段】飲食物Zが載置される食器皿Dを一定方向に搬送する搬送手段と、搬送手段により搬送される食器皿の搬送路31の所定箇所に設けられ、食器皿Dの汚れを洗浄する洗浄手段と、を備える食器皿洗浄装置であって、搬送路31における洗浄手段よりも上流側に、搬送手段で搬送される食器皿Dにおける飲食物Zの載置面Sa上に付着した飲食物Zを除去する除去部材33を飲食物Zに当接可能に設けることで搬送路31を搬送する食器皿Dが除去部材33を通過する際に、食器皿Dに付着した飲食物Zが除去部材33に当接することにより飲食物Zの移動が規制されるため、食器皿Dから飲食物Zが取除かれる。
【選択図】図7

Description

本発明は、飲食物が載置される食器皿を一定方向に搬送する搬送手段と、該搬送手段により搬送される食器皿の搬送路の所定箇所に設けられ、該食器皿の汚れを洗浄する洗浄手段と、を少なくとも備える食器皿洗浄装置に関する。
従来、回転寿司と称されている寿司店等の飲食店においては、例えば寿司等の飲食物を盛り付けた、使用後の食器皿を自動的に洗浄する食器皿洗浄装置が使用されることが多い。この種の食器皿洗浄装置としては、食器皿の両側部を、1対の搬送スクリューにより支持して搬送し、その搬送途中において洗浄液を噴射し、その後搬送スクリューの上下部に設けた回転ブラシにより、食器皿の上下両面をブラッシングして、食器皿を自動的に洗浄するもの等がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−148044号公報(第2図)
しかし、上記特許文献1記載の食器皿洗浄装置にあっては、食器皿をブラッシングする前に洗浄液が噴射されることにより、その勢いで食器皿に残存した飲食物が取除かれることがあるが、例えば食器皿に付着したまま乾燥するなどして付着された飲食物は、洗浄液の噴射だけでは完全に取り除きれないといった問題があった。また、食器洗皿洗浄装置で食器皿を投入する前にあらかじめ食器皿に食べ残された飲食物はおおまかに取除くものの、取除き損なった飲食物の比較的大きな塊は洗浄液の噴射では取り除きれないばかりか、その飲食物が残存した状態で食器皿が回転ブラシに搬送されると、回転ブラシに飲食物が付着してしまい、後続の食器皿の洗浄能力が低下するばかりか、食器皿洗浄装置のメンテナンスに手間がかかるといった問題を有していた。
本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、大掛りな装置を用いること等なく、食器皿に付着した飲食物をあらかじめ取除いて洗浄することができる食器皿洗浄装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の食器皿洗浄装置は、
飲食物が載置される食器皿を一定方向に搬送する搬送手段と、該搬送手段により搬送される食器皿の搬送路の所定箇所に設けられ、該食器皿の汚れを洗浄する洗浄手段と、を備える食器皿洗浄装置であって、
前記搬送路における前記洗浄手段よりも上流側に、前記搬送手段で搬送される食器皿における飲食物の載置面上に付着した飲食物を除去する除去部材を、前記飲食物に当接可能に設けたことを特徴としている。
この特徴によれば、搬送路を搬送する食器皿が除去部材を通過する際に、食器皿に付着した飲食物が除去部材に当接することにより該飲食物の移動が規制され、食器皿のみが搬送されるため、食器皿から飲食物が取除かれる。よって、除去部材を通過した食器皿は飲食物が確実に取除かれた状態で洗浄手段により洗浄されるため、洗浄手段による洗浄効率が向上するばかりか、搬送路上に除去部材を配設し、食器皿を通過させるだけで飲食物を除去でき、大掛りな装置等を設ける必要がないので、製造コストが低減される。
本発明の請求項2に記載の食器皿洗浄装置は、請求項1に記載の食器皿洗浄装置であって、
前記除去部材における少なくとも前記飲食物との当接部は、弾性変形可能な弾性部材にて構成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、載置面が凹設されている食器皿でも、除去部材が弾性変形することにより、食器皿の移動を規制することなく、かつ、確実に載置面に当接して飲食物を除去することができるばかりか、除去部材との当接により食器皿の搬送が妨げられることがないので、皿詰まり等の発生を防止できる。
本発明の請求項3に記載の食器皿洗浄装置は、請求項1または2に記載の食器皿洗浄装置であって、
前記除去部材は、前記搬送路の幅方向に向けて連続する当接面を有する板状部材にて構成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、搬送路の幅方向に向けて除去部材が隙間なく設けられるので、載置面上の飲食物を幅方向にわたり確実に除去できる。
本発明の請求項4に記載の食器皿洗浄装置は、請求項1〜3のいずれかに記載の食器皿洗浄装置であって、
前記除去部材の幅寸法は、前記食器皿の載置面における前記搬送路の幅方向の寸法とほぼ同寸法に形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、除去部材を食器皿の上面全域にわたり設けなくて済むため、コストを低減できるばかりか、食器皿との接触面積を極力小さくできることで、除去部材との当接により食器皿の搬送が妨げられることがないので、皿詰まり等の発生を防止できる。
本発明の請求項5に記載の食器皿洗浄装置は、請求項1〜4のいずれかに記載の食器皿洗浄装置であって、
前記洗浄手段は、
前記除去部材を通過した前記食器皿の載置面に向けて洗浄液を噴射可能な噴射ノズルと、
前記搬送路における前記噴射ノズルよりも下流側に配設される洗浄ブラシと、
を含み、
前記噴射ノズルは、前記搬送路における前記除去部材の近傍に設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、洗浄ブラシにより食器皿が洗浄される前に洗浄液を載置面に噴射しておくことができるため、ブラシによる洗浄が効率よく行われるとともに、除去部材の近傍にて洗浄液が載置面に向けて噴射されることで、洗浄液の載置面からの飛散が除去部材により防止されるばかりか、洗浄液が除去部材を伝って該除去部材を通過する食器皿の載置面に貯留されるため、洗浄液を無駄なく使用できるとともに、洗浄ブラシによるブラッシングによる洗浄効果が向上する。
本発明の請求項6に記載の食器皿洗浄装置は、請求項5に記載の食器皿洗浄装置であって、
前記除去部材は、前記飲食物との当接部が前記食器皿の周縁の少なくとも一部に沿うように配置されていることを特徴としている。
この特徴によれば、除去部材の当接面が搬送路の幅方向にわたり直線状に設けられている場合に比べて、洗浄液の飛散をより効果的に防止できるため、洗浄液の貯留量を増加させることができる。
本発明の実施例を以下に説明する。
本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、先ず図1は、本発明の実施例1における食器皿洗浄装置の正面図である。図2は、図1のA−A線に沿う断面図である。図3は、図2のB−B線に沿う断面図である。図4は、図3の拡大図である。図5は、除去部材の斜視図である。図6は、図2の要部拡大断面図である。図7は、(a)は除去部材が飲食物を除去する前の状況を示す断面図、(b)は除去部材が飲食物を除去している状況を示す断面図、(c)は、除去部材が飲食物を除去した後の状況を示す断面図である。図8は、変形例1における食器皿洗浄装置の除去部材の正面図である。図9は、(a)は、本発明の変形例2における食器皿洗浄装置の除去部材の正面図、(b)は同じく除去部材の上面を示す平面図、(c)は同じく除去部材の斜視図である。尚、以下においては、食器皿Dの搬送方向を筐体1の前後方向(図1中左側が後方(搬送路の上流)、右側が前方(搬送路の下流))、搬送方向に対して直交する方向を筐体1の左右方向として説明する。
図1〜図3に示されるように、食器皿洗浄装置を構成する筐体1の内部には、図1中左方から右方に向けて、食器皿Dを搬送するための互いに平行をなす1対の搬送スクリュー2、2が前後方向に水平に配設されている。両搬送スクリュー2、2における上流側(図1中左側)の端部上方には、筐体1の上部に形成された投入口を介して内部に供給される洗浄前の食器皿Dを、1枚ずつ落下させて搬送スクリュー2、2間に供給する供給部3が設けられている。また、下流側(図1中右側)の端部上方には、洗浄後の食器皿Dを筐体1の上部に形成された排出口を介して外部に排出するために食器皿Dを上方に向けて案内する排出案内筒4が設けられている。Pは、洗浄後の食器皿Dを排出案内筒4に向けて押上げる押上げ装置である。
供給部3には、互いに平行をなす1対の食器皿落し溝22、22を有するローラー21、21が設けられており、このローラー21、21は、モータM(図1参照)に連係された複数のギヤ列6を介して回転されるようになっている。供給部3に供給された複数の食器皿Dは、該ローラー21、21により一時待機されるとともに、ローラー21、21の回転に伴い食器皿落し溝22、22に嵌合された後、1枚ずつ搬送スクリュー2、2上に落下されるようになっている(図3参照)。
両搬送スクリュー2、2の外周面には、互いに逆向きの螺旋溝5が形成され、これら両螺旋溝5により食器皿Dの周縁左右側が支持されるようになっている。この食器皿Dを移動させる搬送手段32として、両搬送スクリュー2、2は、前記したギヤ列6を介して反対方向に回転させられ、食器皿Dを搬送路の上流側から下流側(図1中左側から右側)に搬送するようになっている。
両搬送スクリュー2、2間には、食器皿Dの周縁下面を摺動可能に支持する1対の支持ロッド7、7と、これら支持ロッド7、7のやや内側上方に、食器皿Dの浮き上がりの上限を規制する1対の押えロッド8、8とが、搬送方向に沿って、すなわち搬送スクリュー2と同方向を向いて設けられ、食器皿Dの周縁が上下から挟持されるようになっている。つまり、これら搬送スクリュー2、2、支持ロッド7、7、押えロッド8、8により、筐体1の前後方向に延びる直線状の食器皿Dの搬送路31が構成されている(図3参照)。
搬送スクリュー2の上流側の上下部には、洗浄液を噴射する洗浄手段としての噴射ノズル9a、9bが、搬送スクリュー2の上流側の中央部には、詳細については後述する噴射ノズル9cがそれぞれ設けられている。また搬送スクリュー2の下流側の上下部には、すすぎ液を食器皿Dに噴射するすすぎ液噴射ノズル10a、10bが、それぞれ設けられている(図2参照)。
搬送スクリュー2の搬送(前後)方向における中間部の上方には、洗浄手段としての上部回転ブラシ11が、筐体1により両端部が支持された、搬送スクリュー2と直交する方向を向く水平回転軸12に固着されている。上部回転ブラシ11は、その植毛11aの幅が、両搬送スクリュー2の対向面間の寸法と同等または若干小さいドラム状に形成されている。
また、両搬送スクリュー2、2間の下方には、上面に植設された直線状の植毛13aされた平面視ほぼ長方形をなす平形状の洗浄手段としての下部回転ブラシ13が、上部回転ブラシ11とほぼ対向するようにして、上下方向を向く垂直回転軸14の上端に、上方より螺合したネジ15により固着されている。
下部回転ブラシ13の植毛13aの最大幅は、両搬送スクリュー2と干渉しないように、その対向面間の寸法より若干小さくされている。また、垂直回転軸14の下部は、ギヤケース17により支承され、このギヤケース17を介して下部回転ブラシ13が回転するようになっており、また上部回転ブラシ11は、ギヤケース17と連動するよう図示されない駆動ギヤと連結することにより、上部回転ブラシ11と下部回転ブラシ13とは互いに同期して回転するようになっている。そして両搬送スクリュー2により順次搬送されてきた食器皿Dが、上部回転ブラシ11と下部回転ブラシ13の配設位置を通過する際に、食器皿Dの上面が上部回転ブラシ11における植毛11aによりブラッシングされ、同様に食器皿Dの下面が下部回転ブラシ13における植毛13aによりブラッシングされ、食器皿Dを洗浄する。
また、食器皿Dは、下部回転ブラシ13により、支持ロッド7と押えロッド8間において若干浮き上げられ、かつ下部回転ブラシ13の回転力により水平に回転させられるため、食器皿Dの側端部を含む上下両面の全面が、上部回転ブラシ11と下部回転ブラシ13により効果的にブラッシングされ、むらなく汚れ落しがなされる。なお、本実施例において、上部回転ブラシ11、下部回転ブラシ13、噴射ノズル9a〜9cは、本発明の洗浄手段を構成している。
供給部3における下流側には、ローラー21、21を支持する上下方向を向く取付け板37が、筐体1の上板下面に固着されたL字形状の支持板38を介して下方に向けて垂設されている。取付け板37は、供給部3内の噴射ノズル9cが食器皿に洗浄液を噴射するための穿孔Uを有しているとともに、取付け板37の搬送路31における下流側近傍には、後述する支持部材39及び飲食物の除去部材33が、搬送路31の幅方向(左右方向)に向けて、かつ、前後両面が搬送方向の前後方向をそれぞれ向く起立姿勢(搬送面に対して直交方向を向く起立姿勢)で設けられている。尚、取付け板37には、支持部材39と除去部材33を取付けるための取付け孔(図示略)をそれぞれ有している。
一方、取付け板37の下流側面下部には、押えロッド8、8に一部が接合された支持部材39がボルト・ナット41により取付けられており、これにより押えロッド8、8の一部が支持されている。
食器皿Dの載置面上に付着した飲食物を除去する除去部材33は、図5に示されるように、弾性変形可能な板状部材により横長長方形状に形成された除去部及び該除去部の上部に連設される取付部とからなるゴム板33aと、ゴム板33aの取付部を取付け板37に取付けるための金属等から成る取付け金具33bと、から構成されており、ゴム板33aの取付部及び取付け金具33bには、ボルトが取り付けられる取付け孔33c、33cが設けられている。ゴム板33aの下端33dは、搬送される食器皿Dにおける飲食物の載置面と当接するようになっている。
除去部材33は、取付け板37の取付け孔及び除去部材33の取付け孔33cに挿通したボルト及び該ボルトに螺入されるナットからなるボルト・ナット40により、取付け板37の下流側面下部に取付けられる。この取付状態において、除去部材33は、搬送路31における洗浄手段30よりも上流側に、搬送路31の幅方向に向けて設けられる。また、下端33dは搬送される食器皿Dの載置面Saよりも下方に位置するように取付けられる。
また、搬送路31における除去部材33の下流側近傍には、前記した洗浄液を噴射する噴射ノズル9cが、図6に示されるように、搬送方向における除去部材33よりも下流側の上方から除去部材33を通過した食器皿Dの飲食物の載置面Saに向けて洗浄液を噴射可能に設けられている。
食器皿Dは、図4に示されるように、上面視円形状のものであり、且つ除去部材33の左端33eと右端33f間の左右幅寸法Yより長寸である載置面幅寸法X(直径X)を有する載置面Saと、該円形の載置面Saの周囲に形成される環状の周面Sbと、載置面Saの下面側に設けられる環状の糸底部Scと、を有しており、載置面Saは、下方に向けて凹設されている。このように構成される食器皿Dは、支持ロッド7、7及び押えロッド8、8に上下動が規制され、かつ、搬送スクリュー2、2に摺動支持された状態で搬送されることにより、除去部材33の下端33dと当接しながら除去部材33を通過する。
次に食器皿Dが除去部材33を通過する状況を、図7を用いて説明する。
まず、搬送路31における除去部材33よりも上流側に位置する供給部3から搬送スクリュー2、2上に落下された食器皿Dは、搬送スクリュー2、2により下流側に向けて搬送されると、図7(a)に示されるように、食器皿Dの周縁における下流側がゴム板33aの上流側面に当接し、搬送に伴い、除去部材33が食器皿Dの搬送方向に向けて湾曲状に変形し始める。尚、噴射ノズル9cからは連続的に洗浄液Tが噴射されている。
次いで、食器皿Dの搬送に伴い、ゴム板33aの下端33dが食器皿Dの周面Sb、載置面Saと順に摺接することによりさらに変形が大きくなり、ゴム板33aの下部が周面Sb及び載置面Sa上に載置された状態で食器皿Dが搬送方向に移動する。そして、食器皿Dの上流側がゴム板33aの下端よりも上流側に移動すると、食器皿Dの載置面Saに向けて洗浄液Tが噴射されることにより、該洗浄液Tの勢いにより載置面Sa上の汚れがある程度洗浄されるとともに、載置面Sa上に洗浄液Tの一部が貯留されていく。
このとき、洗浄液Tは、載置面Saに対して搬送方向の下流側から上流側に向けて噴射されるため、載置面Saから飛散しても除去部材33を構成するゴム板33aにより上流側への飛散が遮られ、該ゴム板33aに飛散した洗浄液Tは、該ゴム板33aを伝って載置面Saに流下するため、載置面Sa上に洗浄液Tが無駄なく集められて貯留される(図7(b)参照)。
さらに、図7(b)に示されるように、載置面Sa上に付着したまま残存する飲食物Z(米粒、ネタ、ガリ、ゴミ等)にゴム板33aの上流側面が当接することにより、飲食物Zの移動がゴム板33aにより規制されるとともに、この状態で食器皿Dは搬送方向に搬送され、図7(c)に示されるように、食器皿Dだけ除去部材33を通過する。つまり、除去部材33及びその下方に配置される食器皿Dにより飲食物Zがその場に滞留された状態から、該除去部材33の下方に位置していた食器皿Dが搬送されて除去部材33の下方が開放されることにより、飲食物Zが下方に落下して載置面Sa上から除去される。
一方、食器皿Dは、飲食物Zが除去され、載置面Saに洗浄液Tが貯留された状態で下流側に向けて搬送された後、上部回転ブラシ11及び下部回転ブラシ13によりブラッシングされ、除去部材33の通過後においても残存する飲食物Zがあったとしても該ブラッシングにより除去される。このように、ブラッシングの際には飲食物Zの大半は除去されているので、飲食物Zが多量に残存している状態でブラッシングされることがないとともに、載置面Sa上には多量の洗浄液Tが貯留されているので、載置面Saが効率よく洗浄される。
このように除去部材33を取付けることにより搬送路31を搬送する食器皿Dが除去部材33を通過する際に、食器皿Dに付着した飲食物Zが除去部材33に当接することにより飲食物Zの移動が規制されるため、食器皿Dから飲食物Zが取除かれる。よって、除去部材33を通過した食器皿Dは飲食物Zが取除かれた状態で洗浄手段30により洗浄されるため、洗浄手段30による洗浄効率が向上するばかりか、搬送路31上に除去部材33を固設し、食器皿Dを通過させるだけで飲食物Zを除去でき、大掛りな装置等を設ける必要がないので、製造コストが低減される。
さらに、本実施例にかかる除去部材33は弾性変形可能なゴム板33aにより構成されているため、載置面Saが凹設されている食器皿Dでも、除去部材33が湾曲状の載置面Saに沿うように弾性変形することにより、食器皿Dの移動を規制することなく、かつ、確実に載置面Saに当接して飲食物Zを除去することができるばかりか、除去部材33との当接により食器皿Dの搬送が妨げられることがないので、皿詰まり等の発生を防止できる。
また除去部材33は、搬送路31の幅方向に向けて連続する当接面を有する板状のゴム板33aにて構成されているため、載置面Sa上の飲食物Zを搬送路31の幅方向にわたり確実に除去できる。
一方、食器皿洗浄装置に除去部材33を取付けることで、食器皿Dの載置面Saに残留した飲食物Zを除去する効果を生む以外にも、下記に示すような効果も奏する。
すなわち、上部回転ブラシ11と下部回転ブラシ13により食器皿Dが洗浄される前に洗浄液Tを載置面Saに噴射しておくことができるため、上部回転ブラシ11と下部回転ブラシ13による洗浄が効率よく行われるとともに、除去部材33の近傍にて洗浄液Tが載置面Saに向けて噴射されることで、洗浄液Tの載置面Saからの飛散が除去部材33により防止されるばかりか、洗浄液Tが除去部材33を伝って除去部材33を通過する食器皿Dの載置面Saに貯留されるため、洗浄液Tを無駄なく使用できるとともに、上部回転ブラシ11と下部回転ブラシ13によるブラッシングによる洗浄効果が向上する。
また、図4に示されるように除去部材33の左右幅寸法Yは、押えロッド8、8間である符号は付さない搬送路31の左右幅方向の寸法とほぼ同寸法に形成されているため、除去部材33を食器皿Dの上面全域にわたり設けなくて済むため、コストを低減できるばかりか、食器皿Dとの接触面積を極力小さくできることで、除去部材33との当接により食器皿Dの搬送が妨げられることがないので、皿詰まり等の発生を防止できる。
尚、通常、飲食物Zが載置面Sa中央に載置されるため、載置面Saの汚れも中央に集中する。上記理由から本実施例においては除去部材33の幅寸法Yは上述した食器皿Dの載置面Saの載置面幅寸法Xよりも若干短寸に形成されている。このようにすることで除去部材33と食器皿Dとの接触面積が小さくなるので除去部材との当接により食器皿Dの搬送が妨げられることがないとともに、載置面Saの汚れが集中した箇所を効率よく飲食物Zを除去することができる。
また、前記した食器皿Dの載置面に対して略垂直方向に除去部材33が立設されるよう取付けられると好ましい。このようにすることで、除去された食器皿Dの載置面上にある飲食物Zが除去部材33に残留することなく除去される。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、除去部材33は、搬送路31の上方を遮るように搬送方向に対して略直交するように左右方向に向けて、かつ、搬送面に対して直交方向を向く起立姿勢で配設されていたが、上端を搬送路31の下流側に向けて傾倒させた状態、あるいは左右端部を搬送方向の前後方向にずらして配置、すなわち、搬送方向に対して斜めに傾けた状態で配設してもよい。
さらに、除去部材33は弾性変形可能なゴム板33aにて構成されていたが、非弾性部材(例えば鉄板や木板等)にて構成されていてもよく、この場合、載置面Saに対して下端が接触もしくは近接するように配置することが好ましい。
また、食器皿Dの搬送手段は、前述した搬送スクリュー等に限定されるものではなく、例えば食器皿Dを一定方向に搬送可能なものであれば、ベルトコンベアやチェーンコンベア等であってもよい。さらに、食器皿Dの載置面Saが下方を向く状態で搬送されるようになっていてもよい。
また、以下に除去部材の変形例を説明する。尚、前記実施例に示される構成部分と同一構成部分に付いては同一符号を付して重複する説明を省略する。
例えば、上記実施例では、除去部材は、弾性部材を有する板状のゴム板33aからなるが、このような板状部材からなるものに限定されるものではなく、例えば弾性変形可能なブラシからなる除去部材としてもよい。具体的には、図8に示されるように、本発明の変形例1としての除去部材53は、凸形状の金属材質からなるブラシ取付け板53aと、該ブラシ取付け板53a下部に取付けられた弾性変形可能な複数のブラシ体53bと、から構成されている。
このように、複数本の植毛が束ねてなる複数のブラシ体54bを、ブラシ取付け板53aにより直線状に並設することで除去部材53を構成してもよい。ブラシ体54bは、連続する板状部材と違って植毛が合成されて形成されたものであるので、植毛と植毛間に隙間を有する。このため、食器皿Dの載置面Saと当接するブラシ体54bの下端との当接面積が小さくなり、食器皿Dの載置面Saと当接するブラシ体54bの下端に作用する摩擦が軽減されるともに、当接圧力が大きくなる。よって効果的に食器皿Dの載置面Saに固く付着した飲食物を除去できるばかりか、除去部材53との当接により生じる摩擦抵抗により食器皿Dの搬送が妨げられることがないので、皿詰まり等の発生を防止できる。
また、変形例2としての除去部材を、図9を用いて説明すると、変形例2の除去部材64は、前記実施例で示した除去部材33と材質及び部材の構成はほぼ同様の形態であるが、除去部材の形状が異なる。
すなわち、図9(a)に示されるように、除去部材65は、ゴム板64と、該ゴム板64を支持する金属等から成る取付け金具(図示略)と、から構成されており、このゴム板64は、上部に取付け孔66、66を有した側面視長方形状の取付け孔部64aと、取付け孔部64aの下方に連設され、食器皿Dの載置面Saと当接する載置面当接部64bと、載置面当接部64bの右方に食器皿Dの周面Sbと当接可能に設けられた第1側部64cと、載置面当接部64bの左方に同じく食器皿Dの周面Sbと当接可能に設けられた第2側部64dとで構成されている。
取付け孔部64a、載置面当接部64b、第1側部64c、第2側部64dの立体的配置関係は図9(b)、(c)で示されるように、第1側部64c、第2側部64dは搬送方向に対して前方に屈曲するよう設けられている。
このようにすることで、除去部材の当接面が搬送路の幅方向にわたり直線状に設けられている場合に比べて、洗浄液の飛散を食器皿Dの周囲に沿うように設けられるため、前述したように食器皿Dの載置面Saにおける洗浄液の貯留量を増加させることができる。
本発明の実施例1における食器皿洗浄装置の正面図である。 図1のA−A線に沿う断面図である。 図2のB−B線に沿う断面図である。 図3の拡大図である 除去部材の斜視図である。 図2の要部拡大断面図である。 (a)は除去部材が飲食物を除去する前の状況を示す断面図、(b)は除去部材が飲食物を除去している状況を示す平面図、(c)は、除去部材が飲食物を除去した後をの状況を示す断面図である。 変形例1における食器皿洗浄装置の除去部材の正面図である。 (a)は、本発明の変形例2における食器皿洗浄装置の除去部材の正面図、(b)は同じく除去部材の上面を示す平面図、(c)は同じく除去部材の斜視図である。
符号の説明
1 筐体
2 搬送スクリュー(搬送手段)
3 供給部
4 排出案内筒
5 螺旋溝
6 ギヤ列(搬送手段)
7 支持ロッド(搬送路)
8 押えロッド(搬送路)
9a、9b、9c 噴射ノズル(洗浄手段)
10a、10b すすぎ液噴射ノズル
11 上部回転ブラシ(洗浄手段)
12 水平回転軸
13 下部回転ブラシ(洗浄手段)
30 洗浄手段
31 搬送路
32 搬送手段
33 除去部材
33a ゴム板
33b 取付け金具
33c 取付け孔
33d 下端
37 支持板
40,41 ボルト・ナット
D 食器皿
Sa 載置面
Sb 周面
Sc 糸底部
P 押上げ装置
T 洗浄液
X 載置面幅寸法
Y 幅寸法
Z 飲食物

Claims (6)

  1. 飲食物が載置される食器皿を一定方向に搬送する搬送手段と、該搬送手段により搬送される食器皿の搬送路の所定箇所に設けられ、該食器皿の汚れを洗浄する洗浄手段と、を備える食器皿洗浄装置であって、
    前記搬送路における前記洗浄手段よりも上流側に、前記搬送手段で搬送される食器皿における飲食物の載置面上に付着した飲食物を除去する除去部材を、前記飲食物に当接可能に設けたことを特徴とする食器皿洗浄装置。
  2. 前記除去部材における少なくとも前記飲食物との当接部は、弾性変形可能な弾性部材にて構成されていることを特徴とする請求項1に記載の食器皿洗浄装置。
  3. 前記除去部材は、前記搬送路の幅方向に向けて連続する当接面を有する板状部材にて構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の食器皿洗浄装置。
  4. 前記除去部材の幅寸法は、前記食器皿の載置面における前記搬送路の幅方向の寸法とほぼ同寸法に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の食器皿洗浄装置。
  5. 前記洗浄手段は、
    前記除去部材を通過した前記食器皿の載置面に向けて洗浄液を噴射可能な噴射ノズルと、
    前記搬送路における前記噴射ノズルよりも下流側に配設される洗浄ブラシと、
    を含み、
    前記噴射ノズルは、前記搬送路における前記除去部材の近傍に設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の食器皿洗浄装置。
  6. 前記除去部材は、前記飲食物との当接部が前記食器皿の周縁の少なくとも一部に沿うように配置されていることを特徴とする請求項5に記載の食器皿洗浄装置。
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