JP4019508B2 - Resin composition for encapsulating electronic components, method for producing the same, and encapsulated electronic component using the resin composition for encapsulating electronic components - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、LSI、IC、ハイブリッドIC、トランジスタ、ダイオード、サイリスタやこれらのハイブリッド部品など、電子部品の封止に用いられる電子部品封止用樹脂組成物、およびこの電子部品封止用樹脂組成物の製造方法、ならびにこの電子部品封止用樹脂組成物を用いてこれらの電子部品を封止した封止電子部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子部品の封止にはエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が用いられてきたが、熱硬化性樹脂には種々の欠点がある。成形品を金型から取り出すことを可能にするために、キャビティ内の成形品部分は硬化が進んでいる必要があるので、成形に1〜2分間を要し、そのため、成形サイクル時間が長くなり生産性が低いことが挙げられる。また、成形時に発生するスプルーやランナーを再利用できないので、材料の利用効率が低いという事に起因する、資源保護の面で地球環境への負荷が大きいことと、封止工程コスト低減が困難であることも挙げられる。
【0003】
一方、熱硬化性樹脂のこれらの欠点を解消するために、ポリフェニレンスルフィド(以下、PPSと略すことがある)や液晶ポリマー(以下LCPと略記)等の熱可塑性樹脂を電子部品封止用樹脂組成物として用いることが、特公平7−98901号公報、特開平7−331036号公報、特開昭62−150752号公報等で提案されている。
【0004】
しかしながら、LCP樹脂組成物系は成形時の溶融粘度が高いため、ボンディング用金線等のワイヤーが樹脂の流動によって流されて変形するスイープが発生したり、ワイヤーの断線が発生したりする成形不良が発生し易く、さらに電子部品のリードフレームや素子の密着性が劣るという問題が有り、更に、分子構造がポリエステルであるのでPCT(プレッシャークッカーテスト)等の信頼性加速試験に供すると、分子が加水分解して耐湿信頼性が大きく低下するという問題があった。
【0005】
また、PPS樹脂組成物で封止した封止電子部品についても耐湿信頼性は不十分であり、特にPPS樹脂組成物系にはイオン性不純物(Cl、Na等)が多く含まれているので、封止電子部品の耐湿信頼性を高めることは困難であった。
【0006】
一方、本発明者等は、特開昭63−36461号公報で、PPSに無機イオン交換体を配合することによって、イオン性不純物の少ない樹脂組成物を提供している。しかしこの樹脂組成物を用いて封止した電子部品は、信頼性加速試験のPCTでは実用レベルの耐湿信頼性を得ることができるものの、バイアス電圧をかけて行うTHB(Temperature Humidity Bias Test)のような信頼性加速試験では、高い信頼性を得ることは困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、熱可塑性樹脂を電子部品封止用樹脂組成物として用いることは、解決すべき課題が多く、まだ実用化されていないのが現状である。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、耐湿信頼性や成形性に優れた熱可塑性樹脂の電子部品封止用樹脂組成物及びその製造方法、並びにこれらの電子部品封止用樹脂組成物を用いて封止した封止電子部品を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る電子部品封止用樹脂組成物は、(A)直鎖型ポリアリーレンスルフィド樹脂、(B)無機イオン交換体、(C)エチレン、α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル、及び無水マレイン酸からなるエチレン系共重合体、(D)無機充填材からなることを特徴とする。
また、本発明の請求項1に係る電子部品封止用樹脂組成物は、上記( D )無機充填材が、アミノ基、又はエポキシ基、又はメルカプト基を有するカップリング剤で処理されてることを特徴とする。
また、本発明の請求項1に係る電子部品封止用樹脂組成物は、上記( D )無機充填材が、(A)〜(D)の合計中、30〜70重量%であることを特徴とする。
また、本発明の請求項1に係る電子部品封止用樹脂組成物は、上記(A)直鎖型ポリアリーレンスルフィド樹脂100重量部に対して、上記(B)無機イオン交換体が0.5〜5重量部であり、上記( C )エチレン系共重合体が1〜10重量部であることを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項2に係る電子部品封止用樹脂組成物は、上記(C)エチレン系共重合体が、エチレン50〜90重量%、α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル3〜49重量%、及び無水マレイン酸0.5〜10重量%からなることを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項3に係る電子部品封止用樹脂組成物は、上記(A)直鎖型ポリアリーレンスルフィド樹脂が、パラフェニレンスルフィド単位を70重量%以上有するポリパラフェニレンスルフィドであることを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項4に係る電子部品封止用樹脂組成物は、上記(A)直鎖型ポリアリーレンスルフィド樹脂において、溶融粘度が、パラレルプレート法による温度300℃、角速度100rad/sの条件で、1〜30Pa・sであることを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項5に係る電子部品封止用樹脂組成物は、上記(A)直鎖型ポリアリーレンスルフィド樹脂において、抽出水中のイオン性不純物が、樹脂重量換算した値でナトリウム含量5ppm以下、塩素含量5ppm以下であり、同抽出水の電気伝導度が、10μS/cm以下であることを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項6に係る電子部品封止用樹脂組成物は、上記(B)無機イオン交換体が、下記一般式(2)で示されるものであることを特徴とする。
【0015】
SbaBibOc(OH)d(NO3)e・nH2O (2)
(ただし、式中のa,bはそれぞれ1〜2、cは1〜7、dは0.2〜3、eは0.05〜3、nは0〜2である。)
本発明の請求項7に係る電子部品封止用樹脂組成物は、上記(D)無機充填材が、ガラス繊維であり、繊維径5〜15μm、平均繊維長30〜100μm、アスペクト比20以下であることを特徴とする。
【0016】
本発明の請求項8に係る電子部品封止用樹脂組成物は、上記(D)無機充填材が、球状シリカであり、平均粒径0.5〜40μmであることを特徴とする。
【0018】
本発明の請求項9に係る電子部品封止用樹脂組成物は、上記(D)無機充填材において、ガラス繊維と球状シリカの重量比が100/0〜30/70であることを特徴とする。
【0020】
本発明の請求項10に係る電子部品封止用樹脂組成物の製造方法は、請求項1ないし請求項9何れか記載の電子部品封止用樹脂組成物において、(A)〜(D)の成分を混練することを特徴とする。
【0021】
本発明の請求項11に係る電子部品は、請求項1ないし請求項9何れか記載の電子部品封止用樹脂組成物を用いて電子部品を封止して成ることを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0023】
本発明によれば、(A)直鎖型ポリアリーレンスルフィド樹脂、(B)無機イオン交換体、(C)エチレン50〜90重量%、α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル3〜49重量%、及び無水マレイン酸0.5〜10重量%からなるエチレン系共重合体、(D)無機充填材からなる電子部品封止用樹脂組成物が提供される。
【0024】
また、本発明によれば、これらの電子部品封止用樹脂組成物を用いて封止した封止電子部品が提供される。
【0025】
本発明で用いられる(A)直鎖型ポリアリーレンスルフィド樹脂(以下、直鎖型PAS樹脂と記すことがある)は、繰り返し単位 −Ar− (但し、Arはアリール基)を主構成単位とするポリマーであって、その代表的物質は、構造式−Ph−S− (但し、Phはフェニル基)で示される繰り返し単位を70重量%以上有するポリフェニレンスルフィド樹脂である。PPS樹脂は、一般に、その製造方法により、実質上、架橋型、半架橋型、直鎖型等に分類されるが、本発明では、直鎖型が、機械的強度とイオン性不純物量の点で、優れている為好適である。
【0026】
特に、融点が260℃以上、溶融粘度が、パラレルプレート法により、温度300℃、角速度100rad/sの条件で、1〜30Pa・sであるものが好適に用いられる。パラレルプレート法は、厚み1mm×直径25mmのペレットをハンドプレスで作製し、直径25mmの下部のパラレルプレート上にペレットを置いて上部のパラレルプレートを下ろして挟み、300℃で10分間保持した後に測定をすることによって行なわれるものであり、例えば、レオメトリックサイエンティフィック社製、アレス(商品名)での測定が適当である。
【0027】
また、分子量分布についても、特に制限はなく、さまざまなものを充当することが可能である.そして、融点が、260℃未満であれば、電子部品封止用樹脂の機械的強度が弱くなるので好ましくない。融点の上限は無いが、290℃程度が実用上の限界である。また、溶融粘度が、この範囲未満であれば、封止した電子部品の機械的強度の低下が大きく、また、この範囲を越えると、成形流動性が劣り成形時ワイヤースイープを起こしやすい。本発明に好ましい直鎖型PAS樹脂は、P−フェニレンスルフィドの繰り返し単位を70重量%以上、好ましくは90重量%以上含まれているものであれば、他の構成単位と共重合された物が併用されてもよい。この繰り返し単位が70重量%未満であると結晶性高分子としての特徴である結晶化度が低くなり、十分な強度が得られなくなる傾向があり、靭性に劣るものとなる傾向がある。勿論、P−フェニレンスルフィドの繰り返し単位が100重量%のものであってもよい。
【0028】
また、本発明に用いられる直鎖型PAS樹脂は、他の共重合単位を含んでも良く、共重合の構成単位としては、例えば、下記「化1」、「化2」、「化3」、「化4」、「化5」、「化6」などのものがあげられる。
【0029】
【化1】
【0030】
【化2】
【0031】
【化3】
【0032】
【化4】
【0033】
【化5】
【0034】
【化6】
さらに、本発明で用いる直鎖型PAS樹脂は、樹脂中に含まれているナトリウムや塩素等のイオン性不純物を予め少量にしておくことが好ましく、純水で抽出した抽出水中のイオン性不純物が、ナトリウム含量5ppm以下、塩素含量5ppm以下(抽出条件は、樹脂10gをイオン交換水100mL中で、95℃−15時間処理したものをイオンクロマトグラフ法で評価、測定した値を樹脂重量で換算した値を示す)のものであり、また、同抽出水の電気伝導度が、50μS/cm以下のものであることが望ましく、特に、同電気伝導度が10μS/cm以下が好適である。この範囲を外れると、耐湿信頼性が悪化する傾向を示すので好ましくない。ナトリウム含量や塩素含量は少ない程好ましく、理想的には0ppmであるが、実用上のナトリウム含量の下限は0.1ppm、塩素含量の下限は0.1ppmである。また電気伝導度も小さい程好ましく、理想的には0μS/cmであるが、実用上の下限は0.01μS/cmである。
【0035】
次に、本発明に用いる無機イオン交換体(B)はゼオライト、ハイドロタルサイト、チタニアや、既述した上記一般式(2)で示されるものがあるが、中でも上記の一般式(2)で示されるものが望ましい。
【0036】
この無機イオン交換体がイオン性不純物やPCT処理した時に加水分解してくるイオンを吸着、捕捉して、封止樹脂の耐湿信頼性の低下を防ぐと共に、封止電子部品のアルミニウム配線の腐食を効果的に抑制する。無機イオン交換体の配合量は、(A)100重量部に対して、0.5〜5重量部の範囲である。無機イオン交換体の配合量が、0.5重量部未満であると、イオンの吸着、捕捉の効果を十分に得ることができない。しかし、逆に無機イオン交換体の配合量が5重量部を超えると、バイアス電圧のかかるTHBやUSPCBTのような耐湿信頼性の加速試験では、無機イオン交換体がイオン化するため、逆に耐湿信頼性の極端な悪化が生じる恐れがある。
【0037】
次に、本発明で(C)成分として用いるエチレン系共重合体は、その単量体成分が、エチレン、α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル、及び無水マレイン酸からなり、エチレンが50〜90重量%、好ましくは60〜85重量%、α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステルが3〜49重量%、好ましくは7〜45重量%、及び無水マレイン酸が0.5〜10重量%、好ましくは1〜8重量%からなるものである。エチレン系共重合体中のα,β−不飽和カルボン酸アルキルエステルの割合が49重量%を超えると、エチレン系共重合体の熱安定性が不十分になるおそれがあり、逆に3重量%未満であると、成形品の機械的強度が不十分になるおそれがある。またエチレン系共重合体中の無水マレイン酸の割合が10重量%を超えると、エチレン系共重合体の熱安定性が不十分になるおそれがあり、逆に0.5重量%未満であると、成形品の機械的強度が不十分になるおそれがある。
【0038】
α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステルとしては、炭素数が3〜8個の不飽和カルボン酸、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のアルキルエステルであって、具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸イソブチルなどを用いることができるものでありこれらの内でも特に、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸メチルが好ましい。
【0039】
上記のようなエチレン、α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル、及び無水マレイン酸からなるエチレン系共重合体(C)は、住友化学工業社製「ボンダイン」として市販されているものを入手して使用することができる。
【0040】
ここで、PAS樹脂にエチレン系共重合体を配合する試みは特公平5−18352号公報にみられるように既に知られている。直鎖型PAS樹脂は、機械的強度に優れるので、あえてエチレン系共重合体を配合する必要は無いのであるが、本発明は無機イオン交換体と併用してエチレン系共重合体を配合することによって、バイアス電圧のかかるTHBやUSPCBTのような耐湿信頼性の加速試験でも、耐湿信頼性が悪化したり、封止電子部品のアルミニウム配線に腐食が生じたりすることを抑制することができるという、従来予測できない効果を得ることができたものである。この効果の理由はエチレン系共重合体が無機イオン交換体のイオン化を抑制しているのではないかと考えられる。
【0041】
成分(C)のエチレン系共重合体の(A)成分100重量部に対する配合量は、1〜10重量部である。(C)成分が少な過ぎるとイオン化を抑制する効果が不十分になり、多過ぎるとワイヤーのスイープや断線等の成形不良が起こりやすくなるために好ましくない。
【0042】
次に、本発明に使用する無機充填材(D)は、非晶質シリカ、結晶シリカ、合成シリカ等のシリカ、アルミナ、ガラス、ミルドファイバーガラス、酸化チタン、炭酸カルシウム、クレー、マイカ、タルク、カオリン、窒化ケイ素、窒化アルミ等の充填剤があげられ、特に、好ましいのは、ミルドファイバーガラスや、非晶質シリカ、結晶シリカ、合成シリカ等のシリカ、球状アルミナである。これらは、単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。また、無機充填材の表面をカップリング剤で処理したものが好ましい。カップリング剤としては後述するアミノ基、またはエポキシ基、又はメルカプト基を有するものを用いることができるものであり、これらのカップリング剤は単独で処理してもよいし、2種類以上を併用して処理してもよい。
【0043】
以上の中で、特に好ましいのは、アミノ基を有するカップリング剤で処理された繊維径5〜15μm、平均繊維長30〜100μm、アスペクト比20以下のものである。平均繊維長が、30μm未満であると、機械的強度の向上効果が少なくなり、100μmを超えると素子にダメージを与える恐れが生じる。アスペクト比の下限は2に設定するのが好ましく、アスペクト比が2未満であると機械的強度を向上させる効果が十分に得られない。また、シリカは、球状であり平均粒径0.5〜40μmであることが好適である。0.5μm未満になると溶融粘度が増大し成形性が悪化し、40μmを超えると機械的強度が低下し、100μmを越えると、素子にダメージを与える恐れが生じる。また、形状が破砕状であると、素子にダメージを与える恐れと、金型摩耗が増加する恐れがある。また、無機充填材として、ガラス繊維と球状シリカを併用する場合には、重量比100/0〜30/70であることが好ましく、最も好ましくは重量比90/10〜50/50である。球状シリカの比率が70重量%を超えると機械的強度が低下する。また、高熱伝導向けの封止材には無機充填材として、結晶シリカや球状アルミナが好ましいが、成形性を考慮すると、結晶シリカの場合、その体積分率は真比重換算で無機充填材中の40〜90%が好ましい。球状アルミナの場合、その体積分率は真比重換算で無機充填材中の30〜100%が好ましい。この範囲未満であれば、所望の熱伝導性が得られない不具合が生じる。また、この範囲を越えるとワイヤー断線等成形不良が発生し易い。
【0044】
一方、メモリー向けの封止材には、無機充填材として、合成シリカを用いるのが、電子部品素子のソフトエラーを防止するのに有用である。そして、前記の特定成分を特定の配合割合にした樹脂組成物を使用することにより耐湿信頼性、成形性に際立った効果を発揮できるのである。さらに、無機充填材(D)は、上記(A)〜(D)の合計中、30〜70重量%を配合する。30重量%未満であれば、線膨張係数の低下による低応力性が期待できず、また70重量%を越えると、成形時の流動性が悪くなり、実用に供せなくなる。
【0045】
本発明の電子部品封止用樹脂組成物は、必要に応じて、本発明の目的を損なわない限り、他の合成樹脂、エラストマー、酸化防止剤、結晶核剤、結晶化促進剤、カップリング剤、離型剤、滑剤、着色剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等を配合することができる。
【0046】
上記の他の合成樹脂、エラストマーとしては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリアミド樹脂(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、芳香族ナイロン、ナイロン46、共重合ナイロン)、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスチレン樹脂、結晶性ポリスチレン樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、テルペン樹脂、水素添加テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂等の合成樹脂やポリオレフィンゴム、オレフィン系共重合体、水素添加ゴム等のエラストマーをあげることができる。また、これらは、単独で使用しても良いし、2種類以上を混合して使用することができる。
【0047】
また酸化防止剤としては、リン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤等が挙げられる。また、これらは、単独で使用しても良いし、2種類以上を混合して使用することができる。
【0048】
また結晶核剤としては、ジベンジリデンソルビトール系化合物、t−ブチル安息香酸のアルミニウム塩、リン酸エステルのナトリウム塩等が挙げられる。また、これらは、単独で使用しても良いし、2種類以上を混合して使用することができる。
【0049】
またカップリング剤としては、シラン系化合物、チタネート系化合物、アルミニウム系化合物等が挙げられ、特にシラン系化合物が好ましい。シラン系としては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプトシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のビニルシラン、更に、エポキシ系、アミノ系、ビニル系の高分子タイプのシラン等があり、特に、アミノシラン、エポキシシラン、メルカプトシランを使用する。また、これらは、単独で使用しても良いし、2種類以上を混合して使用することができる。
【0050】
また滑剤としては、内部滑剤、外部滑剤の両方が使用でき、炭化水素系、脂肪酸系、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル等が挙げられる。また、これらは、単独で使用しても良いし、2種類以上を混合して使用することができる。
【0051】
また着色剤としては、公知の各種顔量又は染料を使用することができ、例えば、カーボンブラック等の黒色顔量、赤口黄鉛等の橙色顔量、弁柄等の赤色染顔量、コバルトバイオレット等の紫色染顔量、コバルトブルー等の青色染顔量、フタロシアニングリーン等の緑色染顔量等を、使用することができる。更に、詳しくは、「最新顔量便覧(日本顔料技術協会編、昭和52年発行)」を参考にして、この便覧に記載されているものを使用することができる。
【0052】
本発明で用いる組成物を製造する方法は、一般的には上記の各成分をヘンシェルミキサー等の混合機で混合するか、必要に応じて予め必要成分の一部をマスターバッチ化して混合した後、エクストルーダ等の混練機で溶融混練して、ペレタイズする方法が用いられるが、これに限定されない。
【0053】
そして上記のように本発明で製造された組成物を用いて電子部品を封止することによって、封止電子部品を得ることができる。電子部品の封止方法は、特に制限はなく、金型中に電子素子を固定しておき、射出成形、トランスファー成形、ポッティング成形で成形する方法などが挙げられる。
【0054】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に述べる。
【0055】
(実施例1〜8、および、比較例1〜5)
実施例1〜8に関しては、下記表1に示す配合(配合量は重量部)の各成分を、比較例1〜5に関しては、下記表2に示す配合(配合量は重量部)の各成分をヘンシェルミキサーを用いて均一に混合した後、スクリュー径40mmの2軸混練押し出し機を用いて、シリンダー温度300℃の条件で押し出して、ペレット化し、実施例1〜8、および、比較例1〜5の電子部品封止用樹脂組成物を作製した。
【0056】
ここで、表1〜2に使用の原材料は次のものである。
・直鎖型ポリアリーレンスルフィド樹脂
樹脂A:直鎖型PPS樹脂(呉羽化学工業社製、品番「W-202A」、溶融粘度:23Pa・s/パラレルプレート法、300℃、100rad/secで測定、イオン性不純物:ナトリウム2ppm、塩素1ppm、電気伝導度5μS/cm)
樹脂B:直鎖型PPS樹脂(呉羽化学工業社製、品番「W-203A」、溶融粘度:29Pa・s/パラレルプレート法、300℃、100rad/secで測定、イオン性不純物:ナトリウム2ppm、塩素2ppm、電気伝導度6μS/cm)
樹脂C:直鎖型PPS樹脂(トープレン社製、品番「LR01」、溶融粘度:6Pa・s/パラレルプレート法300℃、100rad/secで測定、イオン性不純物:ナトリウム5ppm、塩素4ppm、電気伝導度7μS/cm)
樹脂D:直鎖型PPS樹脂(トープレン社製、品番「LR03」、溶融粘度:19Pa・s/パラレルプレート法300℃、100rad/secで測定、イオン性不純物:ナトリウム5ppm、塩素4ppm、電気伝導度7μS/cm)
樹脂E:直鎖型PPS樹脂(呉羽化学工業社製、品番「W-214」、210Pa・s/パラレルプレート法、300℃、100rad/secで測定、イオン性不純物:ナトリウム84ppm、塩素19ppm、電気伝導度49μS/cm)
・エチレン系共重合体:エチレン68重量%、アクリル酸エチル30重量%、及び無水マレイン酸2重量%からなる共重合体(住友化学工業製、「ボンダイン」、品番「AX8390」)
・無機充填材
無機充填材A:ミルドファイバー(日本板硝子社製、品番「REV8」、アミノシラン処理、繊維径13μm、平均繊維長70μm、アスペクト比5.6)
無機充填材B:ミルドファイバー(日本板硝子社製、品番「REV12」、アミノシラン処理、繊維径6μm、平均繊維長50μm、アスペクト比8.3)
無機充填材C:ミルドファイバー(日本板硝子社製、品番「REV4」、無処理、繊維径13μm、平均繊維長70μm、アスペクト比5.6)
無機充填材D:球状シリカ(電気化学工業社製、品番「FB60」、平均粒径20μm)
無機充填材E:球状シリカ(アドマテックス社製、品番「SO25R」、平均粒径0.6μm)
・カップリング剤
カップリング剤A:アミノシラン系カップリング剤(γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、日本ユニカー社製、品番「A1100」)
カップリング剤B:エポキシシラン系カップリング剤(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、信越シリコーン社製、品番「KBM403」)
カップリング剤C:メルカプトシラン系カップリング剤(3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、東芝シリコーン社製、品番「TSL8380E」)
カップリング剤D:ビニルシラン系カップリング剤(ビニルトリメトキシシラン、東レシリコーン社製、品番「SZ6300」)
無機イオン交換体A:Sb2Bi1.4O6.4(OH)0.9(NO3)0.4・0.6H2O
無機イオン交換体B:Sb2Bi1.3O6.6(OH)0.8(NO 3 )0.06・0.6H2O
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0061】
上記の実施例1〜8及び比較例1〜5で得られた封止成形品の物性試験は次の方法で評価した。
(1)耐湿信頼性(PCT)
チップサイズが3mm角でガラス系保護膜付きの電子部品ゲートアレイ素子を42アロイよりなるリードフレームに銀ペーストを用いて実装し、ついで、この電子部品チップを16DIP成形用金型を用いて、シリンダー温度300℃で金型温度130℃で各実施例及び比較例の電子部品封止用樹脂組成物を射出成形し、評価用サンプルの封止電子部品を得た。このようにして得られた評価用封止電子部品を121℃、100%RHの条件下で、1000時間の処理を実施した。この試験を終えたサンプルについて、ゲートアレイ素子の動作確認を行い、動作不良が生じているサンプルを不良とした。得られた結果を(不良個数/試験したサンプル数)として上記表1〜2に示した。
(2)耐湿信頼性(THB)
上記と同様の操作で得られた評価用封止電子部品を85℃、85%RHの条件下で30Vの電圧をかけ、2000時間の連続通電試験を実施した。この通電試験を終えたゲートアレイ素子について抵抗値を調べ、試験前の抵抗の初期値から大きく抵抗の変化したサンプルを不良とした。得られた結果を(不良個数/試験したサンプル数)として上記表1〜2に示した。
(3)成形性
上記と同様の操作で作製した評価用封止電子部品の外観状態(充填性、ボイド)及びワイヤーの断線状態を軟X線で確認して、未充填、ボイド発生、ワイヤー断線の発生したものを成形不良とした。得られた結果を(不良個数/試験したサンプル数)として上記表1〜2に示した。
【0062】
上記の表1〜2にみられるように、各実施例のものは、耐湿信頼性、成形性のいずれも極めて優れるものであった。
【0063】
【発明の効果】
上記のように本発明は、(A)直鎖型ポリアリーレンスルフィド樹脂、(B)無機イオン交換体、(C)エチレン、α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル、及び無水マレイン酸からなるエチレン系共重合体、(D)無機充填材からなるので、(B)無機イオン交換体や、(C)エチレン、α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル、及び無水マレイン酸からなるエチレン系共重合体の配合によって、耐湿信頼性や成形性に優れた熱可塑性樹脂の電子部品封止用樹脂組成物を得ることができるものである。
【0064】
またこの電子部品封止用樹脂組成物を用いて電子部品を封止することによって、成形性良く耐湿信頼性に優れた封止電子部品を製造することができるものである。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a resin composition for encapsulating electronic components such as LSIs, ICs, hybrid ICs, transistors, diodes, thyristors and their hybrid components, and the resin composition for encapsulating electronic components And a sealed electronic component in which these electronic components are sealed using the resin composition for sealing an electronic component.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, thermosetting resins such as epoxy resins have been used for sealing electronic components, but thermosetting resins have various drawbacks. In order to be able to take out the molded product from the mold, the molded product part in the cavity needs to be hardened, so it takes 1 to 2 minutes for the molding, which increases the molding cycle time. It is mentioned that productivity is low. In addition, since sprue and runners generated during molding cannot be reused, it is difficult to reduce the cost of the sealing process due to the high environmental impact in terms of resource protection due to low material utilization efficiency. There are also some.
[0003]
On the other hand, in order to eliminate these drawbacks of thermosetting resins, thermoplastic resins such as polyphenylene sulfide (hereinafter sometimes abbreviated as PPS) and liquid crystal polymers (hereinafter abbreviated as LCP) are used as resin compositions for encapsulating electronic components. Use as a product is proposed in Japanese Patent Publication No. 7-98901, Japanese Patent Application Laid-Open No. 7-331036, Japanese Patent Application Laid-Open No. 62-150752, and the like.
[0004]
However, since the LCP resin composition system has a high melt viscosity at the time of molding, a molding defect such as a wire such as a bonding gold wire that is swept by the flow of the resin and deformed or a wire breakage occurs. In addition, there is a problem that the adhesion between the lead frame of the electronic component and the element is inferior, and since the molecular structure is polyester, when subjected to a reliability acceleration test such as PCT (pressure cooker test), the molecule is There was a problem that the moisture resistance reliability was greatly lowered by hydrolysis.
[0005]
In addition, the moisture resistance reliability of the encapsulated electronic component encapsulated with the PPS resin composition is insufficient, and in particular, the PPS resin composition system contains a lot of ionic impurities (Cl, Na, etc.). It has been difficult to improve the moisture resistance reliability of the sealed electronic component.
[0006]
On the other hand, the present inventors have provided a resin composition with less ionic impurities by blending an inorganic ion exchanger with PPS in JP-A-63-36461. However, an electronic component encapsulated with this resin composition can obtain a practical level of moisture resistance reliability in the PCT of the accelerated acceleration test, but is similar to THB (Temperature Humidity Bias Test) that is applied with a bias voltage. In a reliable acceleration test, it was difficult to obtain high reliability.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
As described above, the use of a thermoplastic resin as a resin composition for encapsulating electronic components has many problems to be solved and is not yet put into practical use.
[0008]
The present invention has been made in view of the above points, and is a resin composition for sealing an electronic component of a thermoplastic resin excellent in moisture resistance reliability and moldability, a method for producing the same, and a resin for sealing these electronic components. It aims at providing the sealing electronic component sealed using the composition.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
The resin composition for encapsulating electronic components according to claim 1 of the present invention includes (A) a linear polyarylene sulfide resin, (B) an inorganic ion exchanger, (C) ethylene, an α, β-unsaturated carboxylic acid. It is characterized by comprising an ethylene copolymer comprising an alkyl ester and maleic anhydride, and (D) an inorganic filler.
Moreover, the resin composition for electronic component sealing which concerns on Claim 1 of this invention is the said ( D ) The inorganic filler is treated with a coupling agent having an amino group, an epoxy group, or a mercapto group.
Moreover, the resin composition for electronic component sealing which concerns on Claim 1 of this invention is the said ( D ) The inorganic filler is 30 to 70% by weight in the total of (A) to (D).
Moreover, the resin composition for encapsulating an electronic component according to claim 1 of the present invention is such that (A) the inorganic ion exchanger is 0.5% relative to 100 parts by weight of the (A) linear polyarylene sulfide resin. ~ 5 parts by weight, above ( C ) Ethylene copolymer is 1 to 10 parts by weight.
[0010]
In the resin composition for sealing an electronic component according to claim 2 of the present invention, the (C) ethylene copolymer is 50 to 90% by weight of ethylene and 3 to 49% by weight of an α, β-unsaturated carboxylic acid alkyl ester. %, And maleic anhydride 0.5 to 10% by weight.
[0011]
The resin composition for encapsulating electronic parts according to claim 3 of the present invention is characterized in that the (A) linear polyarylene sulfide resin is polyparaphenylene sulfide having 70% by weight or more of paraphenylene sulfide units. And
[0012]
The resin composition for encapsulating an electronic component according to claim 4 of the present invention is the above (A) linear polyarylene sulfide resin, under the conditions that the melt viscosity is a temperature of 300 ° C. and an angular velocity of 100 rad / s by a parallel plate method. 1-30 Pa · s.
[0013]
In the resin composition for sealing an electronic component according to claim 5 of the present invention, in the above-mentioned (A) linear polyarylene sulfide resin, the ionic impurities in the extracted water have a sodium content of 5 ppm or less in terms of resin weight, The chlorine content is 5 ppm or less, and the electrical conductivity of the extracted water is 10 μS / cm or less.
[0014]
The resin composition for sealing an electronic component according to claim 6 of the present invention is characterized in that the (B) inorganic ion exchanger is represented by the following general formula (2).
[0015]
SbaBibOc(OH)d(NO3)e・ NH2O (2)
(However, a and b in the formula are 1-2, c is 1-7, d is 0.2-3, e is 0.05-3, and n is 0-2.)
The resin composition for encapsulating an electronic component according to claim 7 of the present invention is the above (D) inorganic filler.,A glass fiber having a fiber diameter of 5 to 15 μm, an average fiber length of 30 to 100 μm, and an aspect ratio of 20 or less.
[0016]
Claims of the invention8The resin composition for encapsulating electronic components is characterized in that the (D) inorganic filler is spherical silica and has an average particle size of 0.5 to 40 μm.
[0018]
Claims of the invention9The resin composition for encapsulating electronic components according to the above (D) inorganic filler is characterized in that the weight ratio of glass fiber to spherical silica is 100/0 to 30/70.
[0020]
Claims of the invention10The manufacturing method of the resin composition for electronic component sealing according to claim 1 to claim 19In any of the resin compositions for encapsulating electronic components, the components (A) to (D) are kneaded.
[0021]
Claims of the invention11The electronic component according to claim 1 to claim 19An electronic component is sealed using any one of the resin compositions for sealing an electronic component.
[0022]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail.
[0023]
According to the present invention, (A) linear polyarylene sulfide resin, (B) inorganic ion exchanger, (C) ethylene 50-90% by weight, α, β-unsaturated carboxylic acid alkyl ester 3-49% by weight And an ethylene copolymer composed of 0.5 to 10% by weight of maleic anhydride, and (D) a resin composition for encapsulating an electronic component comprising an inorganic filler.
[0024]
Moreover, according to this invention, the sealing electronic component sealed using these resin compositions for electronic component sealing is provided.
[0025]
The linear polyarylene sulfide resin (A) used in the present invention (hereinafter sometimes referred to as a linear PAS resin) has a repeating unit -Ar- (where Ar is an aryl group) as a main structural unit. A typical polymer is a polyphenylene sulfide resin having 70% by weight or more of a repeating unit represented by the structural formula -Ph-S- (where Ph is a phenyl group). In general, PPS resins are substantially classified into a crosslinked type, a semi-crosslinked type, a linear type, and the like depending on the production method. In the present invention, the linear type is a point of mechanical strength and ionic impurity amount. Therefore, it is suitable because it is excellent.
[0026]
In particular, those having a melting point of 260 ° C. or higher and a melt viscosity of 1 to 30 Pa · s by a parallel plate method at a temperature of 300 ° C. and an angular velocity of 100 rad / s are preferably used. In the parallel plate method, pellets with a thickness of 1 mm × diameter 25 mm are produced by hand pressing, placed on the lower parallel plate with a diameter of 25 mm, the upper parallel plate is lowered, and held at 300 ° C. for 10 minutes. For example, the measurement with Ares (trade name) manufactured by Rheometric Scientific is appropriate.
[0027]
The molecular weight distribution is not particularly limited, and various types can be used. And if melting | fusing point is less than 260 degreeC, since the mechanical strength of resin for electronic component sealing becomes weak, it is unpreferable. There is no upper limit of the melting point, but about 290 ° C. is a practical limit. Also, if the melt viscosity is less than this range, the mechanical strength of the sealed electronic component is greatly reduced, and if it exceeds this range, the molding fluidity is inferior and a wire sweep is likely to occur during molding. The linear PAS resin preferred in the present invention is a copolymer of other structural units as long as it contains 70% by weight or more, preferably 90% by weight or more of repeating units of P-phenylene sulfide. You may use together. If the repeating unit is less than 70% by weight, the crystallinity, which is a characteristic of the crystalline polymer, is lowered, there is a tendency that sufficient strength cannot be obtained, and the toughness tends to be inferior. Of course, the repeating unit of P-phenylene sulfide may be 100% by weight.
[0028]
Further, the linear PAS resin used in the present invention may contain other copolymer units. Examples of the copolymer units include the following “Chemical Formula 1”, “Chemical Formula 2”, “Chemical Formula 3”, Examples include “Chemical 4”, “Chemical 5”, “Chemical 6”, and the like.
[0029]
[Chemical 1]
[0030]
[Chemical 2]
[0031]
[Chemical 3]
[0032]
[Formula 4]
[0033]
[Chemical formula 5]
[0034]
[Chemical 6]
Furthermore, the linear PAS resin used in the present invention preferably has a small amount of ionic impurities such as sodium and chlorine contained in the resin in advance, and the ionic impurities in the extracted water extracted with pure water Sodium content: 5 ppm or less, Chlorine content: 5 ppm or less (Extraction conditions were 10 g of resin treated in 100 mL of ion-exchanged water at 95 ° C. for 15 hours, evaluated and measured by ion chromatography, and converted into resin weight. The electrical conductivity of the extracted water is preferably 50 μS / cm or less, and particularly preferably 10 μS / cm or less. Outside this range, the moisture resistance reliability tends to deteriorate, which is not preferable. The lower the sodium content and the chlorine content, the better. Ideally, it is 0 ppm, but the practical lower limit of sodium content is 0.1 ppm, and the lower limit of chlorine content is 0.1 ppm. The smaller the electric conductivity, the better. Ideally, it is 0 μS / cm, but the practical lower limit is 0.01 μS / cm.
[0035]
Next, the inorganic ion exchanger (B) used in the present invention includes zeolite, hydrotalcite, titania, and those represented by the general formula (2) described above. What is shown is desirable.
[0036]
This inorganic ion exchanger adsorbs and captures ionic impurities and ions that hydrolyze when PCT is processed, preventing the deterioration of moisture resistance reliability of the sealing resin, and corrosion of the aluminum wiring of the sealing electronic component. Effectively suppress. The compounding amount of the inorganic ion exchanger is in the range of 0.5 to 5 parts by weight per 100 parts by weight of (A).Is. When the compounding amount of the inorganic ion exchanger is less than 0.5 parts by weight, the effect of ion adsorption and trapping cannot be sufficiently obtained. However, if the blending amount of the inorganic ion exchanger exceeds 5 parts by weight, the moisture resistance reliability acceleration test such as THB or USPCBT to which a bias voltage is applied ionizes the inorganic ion exchanger. Sexual extreme deterioration may occur.
[0037]
Next, in the ethylene-based copolymer used as the component (C) in the present invention, the monomer component is composed of ethylene, an α, β-unsaturated carboxylic acid alkyl ester, and maleic anhydride, and the ethylene is 50 to 50%. 90% by weight, preferably 60-85% by weight, α, β-unsaturated carboxylic acid alkyl ester 3-49% by weight, preferably 7-45% by weight, and maleic anhydride 0.5-10% by weight, Preferably, it consists of 1 to 8% by weight. If the proportion of the α, β-unsaturated carboxylic acid alkyl ester in the ethylene copolymer exceeds 49% by weight, the thermal stability of the ethylene copolymer may be insufficient, and conversely, 3% by weight. If it is less than 1, the mechanical strength of the molded product may be insufficient. If the proportion of maleic anhydride in the ethylene copolymer is more than 10% by weight, the thermal stability of the ethylene copolymer may be insufficient, and conversely if it is less than 0.5% by weight. The mechanical strength of the molded product may be insufficient.
[0038]
The α, β-unsaturated carboxylic acid alkyl ester is an unsaturated carboxylic acid having 3 to 8 carbon atoms, for example, an alkyl ester such as acrylic acid or methacrylic acid. Specific examples thereof include methyl acrylate, Ethyl acrylate, n-propyl acrylate, isopropyl acrylate, n-butyl acrylate, t-butyl acrylate, isobutyl acrylate, methyl methacrylate, ethyl methacrylate, n-propyl methacrylate, isopropyl methacrylate, methacrylic acid n-butyl, t-butyl methacrylate, isobutyl methacrylate and the like can be used, and among these, ethyl acrylate, n-butyl acrylate and methyl methacrylate are particularly preferable.
[0039]
The ethylene copolymer (C) composed of ethylene, α, β-unsaturated carboxylic acid alkyl ester, and maleic anhydride as described above is commercially available as “Bondaine” manufactured by Sumitomo Chemical Co., Ltd. Can be used.
[0040]
Here, an attempt to blend an ethylene copolymer with a PAS resin is already known as seen in Japanese Patent Publication No. 5-18352. Since the linear PAS resin is excellent in mechanical strength, it is not necessary to add an ethylene copolymer. However, in the present invention, an ethylene copolymer is used in combination with an inorganic ion exchanger. Therefore, even in an accelerated test of moisture resistance reliability such as THB or USPCBT that requires a bias voltage, it is possible to suppress deterioration of moisture resistance reliability or corrosion of aluminum wiring of encapsulated electronic components. An effect that could not be predicted in the past could be obtained. The reason for this effect is thought to be that the ethylene copolymer suppresses the ionization of the inorganic ion exchanger.
[0041]
The blending amount of the ethylene copolymer of component (C) with respect to 100 parts by weight of component (A) is 1-10Parts by weight. If the amount of component (C) is too small, the effect of suppressing ionization will be insufficient, and if it is too large, molding defects such as wire sweep and disconnection are likely to occur.
[0042]
Next, the inorganic filler (D) used in the present invention is made of silica such as amorphous silica, crystalline silica, synthetic silica, alumina, glass, milled fiber glass, titanium oxide, calcium carbonate, clay, mica, talc, Examples of the filler include kaolin, silicon nitride, and aluminum nitride, and particularly preferred are milled fiber glass, silica such as amorphous silica, crystalline silica, and synthetic silica, and spherical alumina. These may be used alone or in combination of two or more. Moreover, what processed the surface of the inorganic filler with the coupling agent is preferable. As the coupling agent, those having an amino group, an epoxy group, or a mercapto group, which will be described later, can be used. These coupling agents may be treated alone or in combination of two or more. May be processed.
[0043]
Of the above, fibers having a fiber diameter of 5 to 15 μm, an average fiber length of 30 to 100 μm, and an aspect ratio of 20 or less treated with a coupling agent having an amino group are particularly preferable. When the average fiber length is less than 30 μm, the effect of improving the mechanical strength is reduced, and when it exceeds 100 μm, the element may be damaged. The lower limit of the aspect ratio is preferably set to 2. If the aspect ratio is less than 2, the effect of improving the mechanical strength cannot be sufficiently obtained. The silica is preferably spherical and has an average particle size of 0.5 to 40 μm. If the thickness is less than 0.5 μm, the melt viscosity increases and the moldability deteriorates. If it exceeds 40 μm, the mechanical strength decreases, and if it exceeds 100 μm, the element may be damaged. Further, if the shape is crushed, there is a risk of damaging the element and an increase in mold wear. Moreover, when using together glass fiber and spherical silica as an inorganic filler, the weight ratio is preferably 100/0 to 30/70, and most preferably the weight ratio is 90/10 to 50/50. When the ratio of the spherical silica exceeds 70% by weight, the mechanical strength decreases. In addition, crystalline silica and spherical alumina are preferable as the inorganic filler for the sealing material for high thermal conductivity. However, in consideration of moldability, the volume fraction of crystalline silica is in terms of true specific gravity in the inorganic filler. 40 to 90% is preferable. In the case of spherical alumina, the volume fraction is preferably 30 to 100% in the inorganic filler in terms of true specific gravity. If it is less than this range, the malfunction that desired heat conductivity cannot be obtained will arise. Moreover, if it exceeds this range, molding defects such as wire breakage are likely to occur.
[0044]
On the other hand, the use of synthetic silica as an inorganic filler for a sealing material for memory is useful for preventing soft errors in electronic component elements. And by using the resin composition which made the said specific component the specific mixture ratio, the remarkable effect can be exhibited in moisture-proof reliability and a moldability. Furthermore, an inorganic filler (D) mix | blends 30 to 70 weight% in the sum total of said (A)-(D)..If it is less than 30% by weight, low stress properties due to a decrease in the coefficient of linear expansion cannot be expected, and if it exceeds 70% by weight, the fluidity at the time of molding deteriorates and cannot be put to practical use.
[0045]
The resin composition for encapsulating an electronic component of the present invention is, as necessary, other synthetic resins, elastomers, antioxidants, crystal nucleating agents, crystallization accelerators, coupling agents, unless the object of the present invention is impaired. , Mold release agents, lubricants, colorants, ultraviolet absorbers, antistatic agents, and the like can be blended.
[0046]
Examples of the other synthetic resins and elastomers include polyolefin resins, polyester resins, polyoxymethylene resins, polymethylpentene resins, polyvinylidene chloride resins, polyvinylidene fluoride resins, polyamide resins (nylon 6, nylon 66, nylon 610). , Aromatic nylon, nylon 46, copolymer nylon), polycarbonate resin, polyarylate resin, polysulfone resin, polyether sulfone resin, polyphenylene ether resin, polyether ether ketone resin, polyacetal resin, polyetherimide resin, polyamideimide resin , Polyimide resin, polystyrene resin, crystalline polystyrene resin, AS resin, ABS resin, phenoxy resin, polyether nitrile resin, polytetrafluoroethylene resin, epoxy Synthetic resins such as silicone resin, phenol resin, silicone resin, urethane resin, terpene resin, hydrogenated terpene resin, aromatic modified terpene resin, terpene phenol resin, and elastomers such as polyolefin rubber, olefin copolymer, hydrogenated rubber I can give you. Moreover, these may be used independently and can mix and use 2 or more types.
[0047]
Examples of the antioxidant include phosphorus antioxidants and phenolic antioxidants. Moreover, these may be used independently and can mix and use 2 or more types.
[0048]
Examples of the crystal nucleating agent include dibenzylidene sorbitol compounds, aluminum salts of t-butylbenzoic acid, sodium salts of phosphoric acid esters, and the like. Moreover, these may be used independently and can mix and use 2 or more types.
[0049]
Examples of the coupling agent include silane compounds, titanate compounds, aluminum compounds and the like, and silane compounds are particularly preferable. Silanes include γ-aminopropyltriethoxysilane, N-β (aminoethyl) γ-aminopropyltrimethoxysilane, N-β (aminoethyl) γ-aminopropylmethyldimethoxysilane, γ-aminopropyltrimethoxysilane. Such as aminosilane, γ-glycidoxypropyltrimethoxysilane, γ-glycidoxypropyltriethoxysilane, epoxy-silane such as β- (3,4-epoxycyclohexyl) ethyltrimethoxysilane, 3-mercaptopropyltrimethoxysilane, etc. Vinyl silane such as mercaptosilane, p-styryltrimethoxysilane, vinyltrichlorosilane, vinyltris (β-methoxyethoxy) silane, vinyltrimethoxysilane, vinyltriethoxysilane, γ-methacryloxypropyltrimethoxysilane, Furthermore, there are epoxy-type, amino-type, vinyl-type polymer type silanes, etc., especially aminosilane, epoxysilane, mercaptosilane.Use. Moreover, these may be used independently and can mix and use 2 or more types.
[0050]
As the lubricant, both an internal lubricant and an external lubricant can be used, and examples thereof include hydrocarbon-based, fatty acid-based, fatty acid amide, and fatty acid ester. Moreover, these may be used independently and can mix and use 2 or more types.
[0051]
As the colorant, various kinds of known face amounts or dyes can be used. For example, black face amount such as carbon black, orange face amount such as reddish yellow lead, red face amount such as petal, cobalt violet For example, a purple face amount such as cobalt blue, a blue face amount such as cobalt blue, a green face amount such as phthalocyanine green, and the like can be used. Further, in detail, what is described in this handbook can be used with reference to “Latest Face Handbook (Edited by Japan Pigment Technology Association, published in 1977)”.
[0052]
The method for producing the composition used in the present invention generally involves mixing each of the above components with a mixer such as a Henschel mixer or mixing a part of the necessary components in advance as a master batch if necessary. A method of melt-kneading with a kneader such as an extruder and pelletizing is used, but is not limited thereto.
[0053]
And a sealing electronic component can be obtained by sealing an electronic component using the composition manufactured by this invention as mentioned above. The electronic component sealing method is not particularly limited, and examples thereof include a method in which an electronic element is fixed in a mold and molded by injection molding, transfer molding, or potting molding.
[0054]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to examples.
[0055]
(Example 18And Comparative Examples 1 to5)
Example 18For the following table1Each component of the formulation shown in (the blending amount is parts by weight), Comparative Examples 1 to5For the following table2After mixing each component of the formulation shown in (in the amount of parts by weight) uniformly using a Henschel mixer, the mixture is extruded using a biaxial kneading extruder with a screw diameter of 40 mm under conditions of a cylinder temperature of 300 ° C. and pelletized. ,Example1~8And Comparative Examples 1 to5A resin composition for encapsulating electronic components was prepared.
[0056]
Here, Table 12The following raw materials are used.
・ Linear polyarylene sulfide resin
Resin A: Linear PPS resin (manufactured by Kureha Chemical Industry Co., Ltd., product number “W-202A”, melt viscosity: 23 Pa · s / parallel plate method, measured at 300 ° C., 100 rad / sec, ionic impurities: sodium 2 ppm, chlorine 1ppm, electrical conductivity 5μS / cm)
Resin B: Linear PPS resin (manufactured by Kureha Chemical Industry Co., Ltd., product number “W-203A”, melt viscosity: 29 Pa · s / parallel plate method, measured at 300 ° C., 100 rad / sec, ionic impurities: sodium 2 ppm, chlorine 2ppm, electrical conductivity 6μS / cm)
Resin C: Linear PPS resin (manufactured by Touprene, product number “LR01”, melt viscosity: 6 Pa · s / parallel plate method, measured at 300 ° C., 100 rad / sec, ionic impurities: sodium 5 ppm, chlorine 4 ppm, electrical conductivity 7μS / cm)
Resin D: Linear PPS resin (Toprene, product number “LR03”, melt viscosity: 19 Pa · s / parallel plate method, measured at 300 ° C., 100 rad / sec, ionic impurities: sodium 5 ppm, chlorine 4 ppm, electrical conductivity 7μS / cm)
Resin E: Linear PPS resin (manufactured by Kureha Chemical Industry Co., Ltd., product number “W-214”, 210 Pa · s / parallel plate method, measured at 300 ° C., 100 rad / sec, ionic impurities: sodium 84 ppm, chlorine 19 ppm, electricity Conductivity 49μS / cm)
・ Ethylene copolymer: A copolymer consisting of 68% by weight of ethylene, 30% by weight of ethyl acrylate, and 2% by weight of maleic anhydride (manufactured by Sumitomo Chemical Co., Ltd., “Bondaine”, product number “AX8390”)
・ Inorganic filler
Inorganic filler A: Milled fiber (manufactured by Nippon Sheet Glass Co., Ltd., product number “REV8”, aminosilane treatment, fiber diameter 13 μm, average fiber length 70 μm, aspect ratio 5.6)
Inorganic filler B: Milled fiber (manufactured by Nippon Sheet Glass Co., Ltd., product number “REV12”, aminosilane treatment, fiber diameter 6 μm, average fiber length 50 μm, aspect ratio 8.3)
Inorganic filler C: Milled fiber (manufactured by Nippon Sheet Glass Co., Ltd., product number “REV4”, untreated, fiber diameter 13 μm, average fiber length 70 μm, aspect ratio 5.6)
Inorganic filler D: spherical silica (manufactured by Denki Kagaku Kogyo Co., Ltd., product number “FB60”, average particle size 20 μm)
Inorganic filler E: Spherical silica (manufactured by Admatechs, product number “SO25R”, average particle size 0.6 μm)
・ Coupling agent
Coupling agent A: Aminosilane coupling agent (γ-aminopropyltriethoxysilane, manufactured by Nihon Unicar Company, product number “A1100”)
Coupling agent B: Epoxysilane coupling agent (γ-glycidoxypropyltrimethoxysilane, manufactured by Shin-Etsu Silicone, product number “KBM403”)
Coupling agent C: Mercaptosilane coupling agent (3-mercaptopropyltrimethoxysilane, manufactured by Toshiba Silicones Co., Ltd., product number “TSL8380E”)
Coupling agent D: Vinylsilane coupling agent (vinyltrimethoxysilane, manufactured by Toray Silicone Co., Ltd., product number “SZ6300”)
Inorganic ion exchanger A: Sb2Bi1.4O6.4(OH)0.9(NO3)0.4・ 0.6H2O
Inorganic ion exchanger B: Sb2Bi1.3O6.6(OH)0.8(NO 3 )0.06・ 0.6H2O
[0057]
[Table 1]
[0058]
[Table 2]
[0061]
Examples 1 to above8And Comparative Examples 1 to5The physical property test of the sealed molded product obtained in 1 was evaluated by the following method.
(1) Moisture resistance reliability (PCT)
An electronic component gate array element having a chip size of 3 mm square and having a glass-based protective film is mounted on a lead frame made of 42 alloy using silver paste, and then the electronic component chip is mounted on a cylinder using a 16 DIP molding die. The resin compositions for encapsulating electronic parts of the examples and comparative examples were injection molded at a temperature of 300 ° C. and a mold temperature of 130 ° C., thereby obtaining encapsulated electronic parts as evaluation samples. The evaluation encapsulated electronic component thus obtained was treated for 1000 hours under the conditions of 121 ° C. and 100% RH. About the sample which finished this test, operation | movement confirmation of the gate array element was performed and the sample which has produced the malfunction was made into the defect. The obtained results are shown in Tables 1 and 2 as (number of defectives / number of samples tested).
(2) Moisture resistance reliability (THB)
The encapsulated electronic component for evaluation obtained by the same operation as above was subjected to a continuous energization test for 2000 hours by applying a voltage of 30 V under the conditions of 85 ° C. and 85% RH. The resistance value of the gate array element after the energization test was examined, and a sample whose resistance was greatly changed from the initial resistance value before the test was regarded as defective. The obtained results are shown in Tables 1 and 2 as (number of defectives / number of samples tested).
(3) Formability
Check the external appearance (fillability, void) of the evaluation encapsulated electronic component produced by the same operation as above and the disconnection state of the wire with soft X-rays. Molding was defective. The obtained results (number of defects / number of tested samples) are shown in Tables 1 to 1 above.2It was shown to.
[0062]
Table 1 to above2As can be seen, each of the examples was extremely excellent in both moisture resistance reliability and moldability..
[0063]
【The invention's effect】
As described above, the present invention provides an ethylene comprising (A) a linear polyarylene sulfide resin, (B) an inorganic ion exchanger, (C) ethylene, an α, β-unsaturated carboxylic acid alkyl ester, and maleic anhydride. An ethylene copolymer comprising (B) an inorganic ion exchanger, (C) ethylene, an α, β-unsaturated carboxylic acid alkyl ester, and maleic anhydride. A resin composition for sealing an electronic component of a thermoplastic resin excellent in moisture resistance reliability and moldability can be obtained by blending the combination.
[0064]
Further, by sealing an electronic component using this resin composition for sealing an electronic component, a sealed electronic component having excellent moldability and excellent moisture resistance reliability can be produced.
Claims (11)
SbaBibOc(OH)d(NO 3 )e・nH2O (1)
(ただし、式中のa,bはそれぞれ1〜2、cは1〜7、dは0.2〜3、eは0.05〜3、nは0〜2である。)The resin composition for sealing an electronic component according to any one of claims 1 to 5, wherein the (B) inorganic ion exchanger is represented by the following general formula (1).
Sb a Bi b O c (OH) d (NO 3 ) e · nH 2 O (1)
(However, a and b in the formula are 1-2, c is 1-7, d is 0.2-3, e is 0.05-3, and n is 0-2.)
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