JP4018431B2 - 光無線通信システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光無線により双方向通信のネットワークを構成するシステム、特に移動体に設置された光ノードと有線系ネットワークの複数の光中継機とを介して情報フレームのやり取りを行う光無線通信システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、赤外線を利用した光無線ネットワーク(LAN)が提唱され、既に実用化されてきている。図6はこのような赤外線を利用した光無線ネットワークの概略のシステム構成を示す図である。
【0003】
図6のシステムにおいて、建物の天井あるいは壁上部にアクセスポイントとなる複数の光中継機APが配置されている。この光中継機APは、スイッチングハブ(HUB)と呼ばれる中継装置1を介して不図示の幹線ネットワークへ接続されており、建物内に配置された光ノードRNとの間で光無線による双方向通信を行う。また、各光ノードRNには、情報処理装置としてパソコン等のコンピュータPCが接続されている。
【0004】
上記光中継機APと光ノードRNはそれぞれ受光部及び発光部を備えており、互いに双方向で光無線通信を行うが、光中継機APは複数の光ノードRNと通信することで単独でも機能するが、通常有線系(固定系)のネットワークに接続されて、大規模な通信システム(幹線システム)の一部を構成する。そして、物理的にも、ネットワーク構成的にも、光ノードRNの自由な移動を可能とする極めて柔軟な通信サービスを提供する。
【0005】
また、光ノードRNは、通常1台のコンピュータPC等が接続されているが、このコンピュータPC等との間のインターフェースは、汎用有線LANの形式が用いられることが多い。このため、コンピュータPC等を有線接続と同じ通信条件で容易に移設できる便宜(モバイル環境)を得ることができる。このとき、光ノードRNに接続されるコンピュータPC等は複数の場合もあり、またコンピュータPC等内に光送受信のインターフェースを内蔵し、システム構成の簡略化を図ることもできる。
【0006】
図7は上述の光中継機APと光ノードRNの受光及び発光の配光サービスエリア(通信エリア)を示す図である。なお、以下の説明では便宜上、光中継機APが発光した信号光を光ノードRNが受光する通信方向を「下り」、逆の通信方向を「上り」とする。
【0007】
図7に示すように、光中継機APは受光、発光とも広指向角を持たせることで設置の自由度を向上させているのが通常である。光ノードRN側では受光、発光ともレンズなどを用いて狭い指向角にすることで、受光においては感度を、発光においてはそのパワーを向上させ、投入電力に対する到達距離比の向上を図っている。
【0008】
何れにしても、上りと下りの配光(通信可能エリア)は一致していることが望ましい。これは、双方向ネットワーク(LAN)である以上、相手に情報を送れても受け取れなければ意味をなさず、また無駄な情報が届くことは全体の情報輻輳が助長されることになり、パフォーマンスが低下することから有害である。また、電力効率の面からも受発光のエリア一致が望ましい。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような従来の光無線通信システムにあっては、光ノードに接続されるコンピュータが移動可能とはいえ、ある動かない場所で使用されることを前提にして成り立っている。したがって、移動しながらも通信する必要がある場合、例えばコンピュータが搬送車及びロボットなどの移動体に搭載された場合、光ノードの指向角が狭いことが問題となる。その対処としては、以下の二つが考えられる。
(1)光ノードの受光部に例えば分割フォトダイードなどを用い、光中継機を常にその受発光の正面にくるように自動サーボ機構を付ける。
(2)光ノードの受光、発光とも広指向角とする。
【0010】
上記(1)の場合は、自動制御のために非常に複雑な機構部と制御回路系が必要になり、容積、重量、消責電力が増大し、移動体用途としては大きな問題となる。更に、コスト的にも問題となる。
【0011】
また、致命的なのは複数の光中継機を使って広い可動エリアを実現しようとすると、光ノードにおいて現在通信している光中継機とは別の光中継機の位置を確実に認識する検知系を更に具備しなければ光中継機の切替え(ハンドオーバー)ができない。すなわち、複数の光中継機によるシステム拡張が実現できないという問題がある。
【0012】
そこで、上記(2)の光ノード側の受発光の配光を光中継機のように広くする方法が有効と考えられる。図8の(a)、(b)にその具体例、つまり移動体用に拡張した光配光例を示す。同図中、AP1、AP2は光中継機、RN1はコンピュータPC1に接続された光ノードで、自律歩行型ロボットとして構成された移動体2に載置されている。PC2は幹線ネットワーク側のコンピュータである。
【0013】
空間を伝播する光は拡散して伝達されるので、そのエネルギーは距離により指数的に減衰してゆく。したがって、広いサービスエリアを実現しようとすれば、複数の光中継機AP1、AP2を配置し、そのエリアを広げることが有効と考えられる。
【0014】
ここで図示した配光は便宜上のもので、実際には次のことが前提となる。
a)明確な通信エリア境界線はなく、例えば通信エラーレートがある値以下のエリアという基準で定義される。すなわち、通信できるかどうかが不確かな領域が存在するが、わかりやすくするため明確な境界線があるものとして説明する。b)双方向通信であるので、上り伝送と下り伝送があり、それぞれ送り側の送信パワーと受け側の受光感度で通信エリア(距離)が定まり、現実的には「上り通信エリア」と「下り通信エリア」は同一にはならない(図9参照)。
【0015】
以上のことで通信上の問題が発生するが、以下このことについて、図9と表1を用いて説明する。図9は配光の詳細を示す図、表1はその配光のエリア区分別の内容を示したものである。図9中、3は幹線ネットワークを示している。
【0016】
【表1】
図9において、光ノード側はすでに受発光の広指向角化がなされており、光中継機AP1、AP2と光ノードRN1の双方の性能の結果として、図示のエリア特性が得られたものとする。
【0017】
複数の光中継機AP1、AP2を用いて広い通信エリアを得るためには、できるだけ光中継機AP1とAP2の設置間隔を広くかつ、途中に通信できないエリアがないようにオーバーラップさせることが必要となる。ここで、そのオーバーラップさせたエリア(図9のc、d、e)に光ノードRN1がある場合を考える。
【0018】
上り伝送に関しては、光ノードRN1より発光された信号光は光中継機AP1あるいはAP2のどちらかで受光され、幹線ネットワーク3に伝送される。複数の光中継機AP1、AP2からの信号が同時に幹線ネットワーク3に流れると、そこでデータの衝突が発生し、破壊するおそれがある。このため、幹線ネットワーク3への接続は、記憶バッファを備えた中継装置1を介して伝送することが有効である。
【0019】
中継装置1には、どの方向からいつフレーム(データ)が届いても破壊されることなく受信し、かつ、そのフレームの送り元、届け先のアドレスを管理する機能があり、受け手の存在するポートのみにフレームを送信することができる。したがって、上り伝送に関しては複数の光中継機AP1、AP2のエリアが重なっていることによる致命的な障害は発生しない。
【0020】
ところが、下り伝送に関しては、幹線ネットワーク3から流れてきたフレームは中継装置1の機能により受け手の存在する光中継機AP1あるいはAP2に対して伝送することになるが、受け手が移動体2にある場合、過去に上りフレームがあった光中継機AP1あるいはAP2に対して伝送しても、受取るべき光ノードRN1がすでに移動していてそのエリア内に存在しない可能性があるという問題が発生する。
【0021】
更に、ここで上りと下りのエリア不一致が問題となる。
【0022】
すなわち、図9に示すエリア区分(a)と(g)は片方向しか伝送できないので、LANとしてはサービスエリア外である。エリア区分(b)と(f)は一つの光中継機AP1あるいはAP2とのみ双方向で伝送可能であり、正常なサービスエリアとして問題ない。
【0023】
エリア区分(d)は両方の光中継機AP1、AP2と双方向で伝送可能であり、中継装置1がどちらの光中継機AP1あるいはAP2を選択して送信しても受信可能であり、送信(発光)したフレームは必ず幹線ネットワーク3に届く。
【0024】
エリア区分(e)は送信(発光)したフレームは光中継機AP2にしか届かず、中継装置3の機能で下りは光中継機AP2が選択される。したがって、光中継機AP2と双方向通信可能である。
【0025】
最も問題となるのがエリア区分(c)である。ここでは送信(発光)したフレームは光中継機AP1、AP2の両方に届く。そうすると、中継装置1の機能で光ノードRN1を有する移動体2がどちらのエリア内にあるかが管理テーブル上不定になる(どちらか遅れて認識した方に下りフレームを送信することになる)。
【0026】
ところが、光中継機AP2の下りエリアの外であるので、フレームが光中継機AP2から送信(発光)された場合、フレームは光ノードRN1には届かない。すなわち、二つの光中継機AP1、AP2のオーバーラップしたエリアであるにも関わらず、通信に障害が発生するという問題がある。
【0027】
次に、ネットワーク通信の状態について考える。図10に前述のシステムにおけるネットワーク通信の一例を示す。
【0028】
LANにおいて、すべての情報のやり取りはデータをフレーム単位に分割して行われる。いま、シンプルなやり取りとして、コンピュータPC1からコンピュータPC2に対しQという問い合わせフレームがあり、それに対し、コンピュータPC2がコンピュータPC1にAという返答フレームを送信した場合を考える。
【0029】
コンピュータPC1から送信されたフレームAは光ノードRN1により光のフレームに変換され、空間に放出される。このとき、光ノードRN1の発光配光は広指向角に設定してあり、光中継機AP1でも光中継機AP2でも受信できたとする。各光中継機AP1、AP2は、その光フレームを有線上を流れる電気信号フレームに変換し、中継装置1に送信する。すなわち、ここで受信できた光中継機の数だけフレームの数が倍加することになる。
【0030】
また、そのとき光中継機AP1から出力されるフレームと光中継機AP2から出力されるフレームのタイミングは、それぞれの光中継機AP1、AP2の内部で決定され、時間差がでることも同時のこともある。
【0031】
中継装置1では、それぞれの光中継機AP1、AP2から届いたフレーム両方の受信が可能であり、それぞれに含まれる受け手アドレスを基に判断して、両方のフレームをコンピュータPC2の存在するポートに送信する。このとき、中継装置1は二つのフレームを同時に同じポートに送信できないので、受取った順番と内部処理のタイミングで決まるどちらかのフレームを先に送信する。そして、後から送信したフレームの送り元アドレスでテーブルのメンテナンスを行う。
【0032】
すなわち、図10の例では、コンピュータPC2へのフレーム送信は光中継機AP2を経由して届いたフレームを後から送信しているので、中継装置1の内部テーブルではコンピュータPC1は光中継機AP2の方向(ポート)に接続されていると認証する。
【0033】
次に、コンピュータPC2では二つに増えた問い合わせフレームQ1とQ2のそれぞれにフレームA1、A2の一返答を返すことになるが、このとき使用しているプロトコルがフレーム番号管理をするプロトコル(例えばTCP/IP)であった場合には、コンピュータPC2のプロトコルスタックが混乱を起こし、転送パフォーマンスが著しく低下する。また、フレーム番号の管理をしないプロトコルであっても、図10に示すようにネットワーク上に不要なフレームが流れることにより、パフォーマンスが低下する。
【0034】
つまり、同じフレームが複数の光中継機AP1、AP2により幹線に流れることで、全体のパフォーマンスが低下するという問題がある。
【0035】
また、図11に前述の従来例における中継装置(スイッチングハブ)1の機能構成を示す。この中継装置1は、基本的には通常の(10BASE‐Tとか100BASE‐Tとか呼ばれる)有線LANで使用されるスイッチングハブと若干機能が異なるものであり、アドレス管理テーブル1a及びフレーム仕分け処理部1bを有している。
【0036】
図11の構成において、イーサネット(R)4に接続された「幹線ポート」と光中継機「AP1」〜「AP4」は光無線LANに適用した場合に異なる機能をサポートする必要がある。以下、その機能について説明する。
【0037】
まず、初期状態においては、アドレス管理テーブル1aにはなにもデータが登録されてない。そして、この中継装置1の何れかのポートがネットワークに接続されると、イーサネット(R)4のフレームが流れてくる。このとき、前述のようにイーサネット(R)4において、データは有限長のフレームに分割されている。
【0038】
また、すべてのフレームには受け手と送り元の装置固有のアドレスが付加されており、フレームが流れてくるとその受け手のアドレスを管理テーブル1aでチェックし、テーブル内に登録されたアドレスであれば、そのアドレスが存在するポートのみにフレームを転送する。受け手アドレスがテーブル1aにない場合は、すべてのポートにフレームを転送する。このことで、受取るべき装置がないポートにはフレームが流れないので、ネットワークの混雑が低減され、全体のパフォーマンスの向上が図れる。
【0039】
また、この中継装置1を通過するすべてのフレームの送り元もテーブル1aと照らし合わされ、未登録であればそのポート番号とともに登録される。そのアドレスが過去に登録したポートと異なっている場合は、ネットワークの構成が変更されたものとして、過去の登録を消去し、新規に新しいポートに登録する。更に、登録したときの時間情報(タイムスタンプ)も記憶し、一定以上過去の登録データは抹消される仕組みが組み込まれることもある。
【0040】
また、特別なフレームとして、「マルチキャスト」、「ブロードキャスト」と呼ばれるフレームがある。これは、受け手のアドレスを特定しないフレームであり、中継装置1aがこのフレームを受取った場合は、すべてのポートに対して転送が行われる。
【0041】
ここまでの機能は光無線も有線も同じであるが、光無線固有の機能として、光中継機が接続されているポートについては、入力フレームを同一のポートヘも転送する機能をサポートする必要があり得る。これは、複数の光ノードが同一の光中継機のエリア内にあった場合、それらの複数の光ノード間の転送を行う必要があるためである。
【0042】
有線の場合は、ある光ノードが送信を行ったとき、そこに接続されているすべての光ノードが受信していることが前提になっている。光無線の場合は、各光ノードは光中継機の発光は必ず受信(認識)するが、他の光ノードの発光に関してはその位置関係によって受信できたりできなかったりする。そのため、光中継機において折り返し送信を行う必要がある場合がある。また有線の場合は、送り元も受け手も同じポートであるとき、折り返し転送は必要がなく、あると邪魔になる(フレームの輻輳が発生する)。
【0043】
また、無線であるが故に、端末が煩雑に移動する可能性が高い。よって、アドレス管理テーブル1aの更新は、その処理速度に高いものが求められる。
【0044】
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたもので、転送フレームの数が増えることなく、転送パフォーマンスの低下を防止することができる光無線通信システムを提供することを目的としている。
【0045】
また、光中継機と光ノードの受光、発光とも広指向角にした場合でも、光ノードの移動に伴うアドレステーブルからの消失を防止でき、移動体とのネットワークを有線と同等に維持できるようになり、更に複数の光中継機の通信エリアが重なった場合でも正常なネットワークを稼動することができる光無線通信システムを提供することを目的としている。
【0046】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では、光無線通信システムを、次の(1)のとおりに構成する。
(1)移動体と有線系ネットワークで光無線により双方向通信のネットワークを構成するシステムであって、エラーチェックのシーケンスを付与した情報フレームの切替え機能を有した中継装置と、該中継装置に接続した複数の光中継機と、該光中継機と双方向通信を行う移動可能な光ノードとを有し、前記光中継機は、所定のエリア内で他の光中継機と互いに通信エリア範囲が一部重なるように配置すると共に、前記光中継機から前記光ノードへの通信エリア範囲を該光ノードから該光中継機への通信エリア範囲より外側に広くなるように設定し、前記光ノードに接続された情報処理装置から定期的に自局アドレスを含む前記情報フレームを光無線により前記光中継機へ送信し、前記中継装置に、前記光中継機から幹線ネットワークへの前記情報フレームに対して、前記エラーチェックのシーケンスを比較し同一内容のものが連続した場合、一つだけ有効とするフィルター機能を持たせた光無線通信システム。
【0048】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面について説明する。本実施例では、前述のように光中継機も光ノードも受光、発光とも広指向角にし、かつ光中継機を複数オーバーラップさせながら隣接させて設置した場合においても、次の条件を満足するようにしている。
a)光ノードの移動に伴うアドレステーブルからの消失を防止し、移動体とのネットワークを有線と同等に維持できるようにする。
b)オーバーラップ部で発生する前述の不具合を解消し、複数の光中継機のサービスエリアが重なった場合でも正常にネットワークが稼動するようにする。
c)不要なフレームの複製を防止し、ネットワークパフォーマンスの低下を防止する。
【0049】
このため、本実施例では次のような構成をとっている。
1)下りエリアは必ず上りエリアより外側に広くなるように配光を設定する。すなわち、上りで通信できるエリアは下りは確実に通信できるように改定する。2)移動体の光ノードからは最大移動速度に見合う間隔で定期的にフレームを発光(送信)する。その定期的な送信の間隔は、移動体の最大速度とエリアのオーバーラップ量より適宜選択する。あるいは、逆に最大速度とサービスエリアの大きさによりオーバーラップ量を設定する。
3)光無線の媒体から有線のネットワークへ送信される上りフレームに関して、連続した同一内容のフレームが流れないようにフィルター機能を具備する。
【0050】
図1は本発明の実施例の構成を示す図であり、光中継機AP1、AP2の配光の詳細を示している。図に示すように、光中継機AP1、AP2の上り(受光)の通信エリアは必ず下り(発光)の通信エリアより狭く改定している。こうすることで、上り信号の伝達が可能なエリアでは必ず下り信号の伝達が可能であることが保証される。
【0051】
具体的には、光中継機AP1、AP2の発光素子の数、発光パワーを上げ、指向特性を広げる。逆に、光ノード側の発光指向特性を狭くする(光パワーを弱くする)。あるいは、光中継機AP1、AP2の受光部にフィールドストップ(絞り)を設置するようにしても良く、何れの方法でも、また組み合わせても良い。こうすることで、表2に示すように、オーバーラップ部における障害を排除することができる。
【0052】
【表2】
なお、隣り合う光中継機APの通信エリアの輻輳範囲は、移動体2の移動速度や光中継機APの設置間隔、光中継機APの設置高さと光ノードとの距離、システムの無線強度に応じて適宜設定される。
【0053】
また本実施例では、上述のように、光ノードに接続されたコンピュータ等の情報処理装置から定期的に自局アドレスを含む情報フレームを光無線により光中継機AP1、AP2へ送信するようにしている。そして、スイッチングハブである中継装置5は、光中継機AP1、AP2から幹線ネットワーク3に流れる上りフレームに関しては、連続して流れるようにしかつ同一内容のフレームは一つだけを有効とするフィルター機能を備えている。
【0054】
図2は光ノードが移動する場合の例を示す図である。情報処理装置であるコンピュータPC1に接続された光ノードRN1は、台車などの移動体2に載置されている。また、情報フレームの切替え機能を有した光中継機AP1、AP2は、建物の天井や壁などに配置されている。なお、その他の構成は従来例と同様であるので、説明は省略する。
【0055】
ここで、光ノードRN1からの定期発光(送信)について説明する。通常、LAN(コンピュータどうしのネットワーク通信)において、すべての情報伝達はフレームと呼ばれる情報のかたまりを単位として行われる。一つのフレームには必ず送り手と受け手のそれぞれの固有のアドレスが付加されている。したがって、光ノードRN1に接続されたコンピュータPC1上のソフトで定期的に自局アドレスを含む情報フレームを送信すれば、スイッチングハブである中継装置5にて、常に光ノードRN1の所在を管理することが可能になる。
【0056】
例えば、図2に示すように、移動体2が光中継機AP2からAP1の方向に進行していて、エリア区分(c)と(d)の境界に存在するとする。仮に、下りの最小エリアと上りの最大エリアの距離の最小値が50cmで、移動体2の最大移動速度が25cm/sであるとすれば、光中継機AP2の下り伝送が届かなくなるまでに最低2秒時間の余裕がある。その間は中継装置5が光中継機AP2に向かって送信すれば、フレームは光ノードRN1に届く。
【0057】
そこで、光ノードRN1から1秒間に1回上りフレームを発光することにすれば、上記エリア内では発光信号は光中継機AP2には届かず、かつ光中継機APlには必ず届くので、中継装置5におけるテーブルの書き換えが確実に行われることになる。
【0058】
次に、上述のフィルター機能について説明する。図3は本実施例のネットワーク通信例を示す図であり、従来例の図10に比べて、中継装置5がフィルター付きスイッチングハブとなっている。このフィルター機能としては、以下の仕様を持たせるものとする。
【0059】
すなわち、各光中継機AP1、AP2から幹線へ向かう「上り」フレームに関して、連続した同一内容のフレームが複数きたときは、その内一つのみを通過させ、他は破棄する。また、アドレス管理テーブルはその通過させたルートのみの情報で更新する。
【0060】
具体的に述べると、通常LANとして最もよく用いられるイーサネット(R)では、すべてのフレームに対して32ビットのFCS(あるいはCRC)と呼ばれるエラーチェックのシーケンスがフレームの末尾に付与される。このFCSの値はそれまでのデータを基に演算されるもので、それまでの内容に差異があり、FCSが一致する可能性は極めて低くなるように考えられている。
【0061】
また、TCP/IPを始め通常使用されるプロトコルはフレーム番号で管理されており、送信するたびにその番号は更新されてゆく。つまり、同一コンピュータから例え同じ内容のフレームが連続して送信されることがあっても、フレーム番号が異なるので、結果としてFCSが同じ値で連続して送信される可能性は極めて低いものとなる。
【0062】
そこで、上記のFCSをチェックし、前回「上り」で通過したFCSと連続したフレームでかつFCSの一致したフレームは抹消することで、フレームの不要な重複を防止することができる。このとき、管理テーブルも抹消したフレームによっては更新されないように設定する。
【0063】
また、他のエリア区分については従来例と同様であり、問題なく双方向通信を行うことができる。
【0064】
図4は上述の本実施例のスイッチングハブである中継装置5の機能構成を示す図である。この中継装置5は、図11に示す従来のものに比べて、アドレス管理テーブル5a及びフレーム仕分け処理部5bの他に、フィルタリング処理部5cを備えている。
【0065】
図5はフィルタリング処理の一例を示すフローチャートである。本実施例の中継装置5での内部処理は実際にはマイクロプロセッサにより行われており、複数の光中継機APから全く同時にフレームを受信したとしても内部では順次処理しかできず、どちらかが先に処理される。
【0066】
いま、移動体上の光ノードRN1からの上りのフレームが光中継機AP1とAP2の両方で受信され、光中継機AP1からのフレームが先の処理になったとする。このとき、光中継機AP1からの受信ポートでフレームありを確認すると(S1)、まずそのフレームのCRCデータの抽出を行い(S2)、その値を他のポート(ここではポート2,3,4)に対して、受信を拒否すべきフレームとしてセットする(S3)。これにより、光中継機AP2から届いたフレームは抹消されることになり、幹線を含む他のポートからは出て行かないようにすることができる。
【0067】
次に、自ポート内の受信拒否CRCと今回の受信フレームのCRCが一致しているかどうかを判断し(S4)、一致していなければフレーム仕分け処理に入る(S5)。CRCが一致していれば自ポートの受信拒否CRCをクリアし(S6)、その後受信拒否の処理(今回のフレーム抹消)を行う(S7)。
【0068】
なお、上記実施例においては、中継装置5は複数の光中継機AP1、AP2を統括する機能を有する一つのネットワーク装置として構成した例で説明した。
【0070】
このように、本実施例では、転送フレームの数が増えることなく、転送パフォーマンスの低下を防止することができる。また、光中継機と光ノードの受光、発光とも広指向角にした場合でも、光ノードの移動に伴うアドレステーブルからの消失を防止でき、移動体とのネットワークを有線と同等に維持できるようになり、更に複数の光中継機の通信エリアが重なった場合でも正常なネットワークを稼動することができる。
【0071】
なお、光ノードRNが搭載される移動体2は、図2及び図8に示すような自律歩行型ロボットに限られず、車や飛行機など光無線通信を行う他の移動体にも本発明は適用できる。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、転送フレームの数が増えることなく、転送パフォーマンスの低下を防止することができる。また、光中継機と光ノードの受光、発光とも広指向角にした場合でも、光ノードの移動に伴うアドレステーブルからの消失を防止でき、移動体とのネットワークを有線と同等に維持できるようになり、更に複数の光中継機の通信エリアが重なった場合でも正常なネットワークを稼動することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例の構成を示す図
【図2】 実施例の光ノードが移動する場合の例を示す説明図
【図3】 実施例のネットワーク通信例を示す説明図
【図4】 実施例のスイッチングハブの機能構成を示すブロック図
【図5】 実施例のフィルタリング処理例を示すフローチャート
【図6】 光無線ネットワークのシステム構成を示す図
【図7】 光中継機と光ノードの配光エリアを示す説明図
【図8】 移動体用に拡張した配光例を示す図
【図9】 従来の配光の詳細を示す説明図
【図10】 従来のネットワーク通信例を示す説明図
【図11】 従来のスイッチングハブの機能構成を示すブロック図
【符号の説明】
2 移動体
3 幹線ネットワーク
4 イーサネット(R)
5 中継装置(スイッチングハブ)
5a アドレス管理テーブル
5b フレーム仕分け処理部
5c フィルタリング処理部
AP1 光中継機
AP2 光中継機
RN1 光ノード
PC1 コンピュータ(情報処理装置)
PC2 コンピュータ
Claims (1)
- 移動体と有線系ネットワークで光無線により双方向通信のネットワークを構成するシステムであって、エラーチェックのシーケンスを付与した情報フレームの切替え機能を有した中継装置と、該中継装置に接続した複数の光中継機と、該光中継機と双方向通信を行う移動可能な光ノードとを有し、前記光中継機は、所定のエリア内で他の光中継機と互いに通信エリア範囲が一部重なるように配置すると共に、前記光中継機から前記光ノードへの通信エリア範囲を該光ノードから該光中継機への通信エリア範囲より外側に広くなるように設定し、前記光ノードに接続された情報処理装置から定期的に自局アドレスを含む前記情報フレームを光無線により前記光中継機へ送信し、前記中継装置に、前記光中継機から幹線ネットワークへの前記情報フレームに対して、前記エラーチェックのシーケンスを比較し同一内容のものが連続した場合、一つだけ有効とするフィルター機能を持たせたことを特徴とする光無線通信システム。
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