JP2010109688A - 蓄積搬送通信システム、無線通信端末、ベースノード、リレー及び仮想セグメント接続網 - Google Patents

蓄積搬送通信システム、無線通信端末、ベースノード、リレー及び仮想セグメント接続網 Download PDF

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新也 山村
Akira Nagata
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【課題】セグメント分割を可能とする蓄積搬送通信技術を提供することを目的とする。
【解決手段】経路上を移動する移動体に搭載されたリレーRと、移動経路3を含めた閉域である移動仮想セグメント2内に配置され、リレーRとの間で無線通信可能なベースノードBNと、ベースノードBNとインターネット6とを接続する通信回線を備える移動仮想網5と、移動仮想セグメント2内に配置され、リレーRとの間で無線通信可能なレギュラーノードNと、を備える蓄積搬送通信システム1であって、レギュラーノードNが端末バッファ34を備え、リレーRがリレーバッファ42を備え、ベースノードBNがベースノードバッファ22を備える。
【選択図】図8

Description

本発明は、トランスポート層とアプリケーション層との間に位置するバンドル層を用いる蓄積搬送通信技術に関し、特に、蓄積搬送通信技術において仮想セグメントを構成する技術に関する。
近年、携帯電話網や衛星通信網の普及により、ユビキタスな通信環境がより現実的なものとなりつつある。また、通信方式の革新により、バックボーンネットワークや無線アクセス網の大容量化、高速化が著しい。その一方で、通信データ量がネットワークの高速化に伴い大容量化し、従来の通信インフラでは対応しきれない状況が発生するようになってきた。例えば、利用できる通信インフラの差により、デジタルデバイドがますます加速している。DVD1枚分のデータを、わずか数分でダウンロードできる環境がある一方で、パーソナルコンピュータのセキュリティー対策に必須なウィルスソフトのパターン又はオペレーティングシステムの更新もままならない環境が存在する。
現状の通信インフラが抱える問題点として、例えば、以下のようなものがあげられる。
(1)インターネットのコンテンツのリッチ化により、従来では、通信モデムさえあれば、殆どの家庭で利用できていた電話回線によるインターネットのサービスの利用が、実用的でなくなった。
(2)ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)網及び光ファイバ網は、導入条件が厳しく、一部の地域でしか恩恵を受けられない。
(3)携帯電話は、WEB閲覧程度には十分な速度を備えているが、映像、音楽といったリッチコンテンツの通信には通信速度が不足しており、通信料金も高額である。
(4)無線LAN(Local Area Network)を利用するホットスポットは、空港や駅の周辺に集中しており、他の場所では利用することが難しい。
(5)衛星通信は、デジタルデバイドの解消手段として期待されているが、周波数リソース(周波数帯域)が限られているため、安価にブロードバンド環境を提供するのは難しい。
このように、シームレスなブロードバンド環境の整備には、多大な費用と年月が必要であり、シームレスなブロードバンド通信環境の実現は困難である。また、最近の無線通信の技術動向は、短距離で超高速の通信特性を持つものと、長距離で比較的高速な通信特性を持つものとに、2極化が進んでいる。
Wi−MAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)等の長距離で比較的高速な技術は、映像データの高解像度化が進展しており、毎秒数10Mbit程度の転送速度では、実用的な通信時間を満たせなくなる可能性が高い。
一方、カーナビ、携帯電話、ゲーム機、ノートPC等のモバイル機器には、通信インフラを利用しない、機器間でのアドホック通信機能を持つものがある。また、RFIDや電子マネー等の極短距離の無線通信を行うデバイスの利用も、盛んである。これらの無線通信機器は、短距離で超高速の通信特性を持つ無線技術の適用先として着目されている。
ここで、音声通話やチャットといったリアルタイムな通信アプリケーションは、比較的低速な通信環境でも、実用に耐える。一方、映像、音楽といったコンテンツを機器間で交換する需要は多く、高速な通信環境を必要とするが、必ずしもリアルタイムであることを必要としていない。そこで、音楽や映像データをUSB接続やメモリーストレージを直接交換する代わりに、数cmから数10m程度の近距離の無線通信により超高速に交換するための、通信方式も近年研究されている。
アドホックネットワークは、例えば、MANETと呼ばれる研究グループで様々なルーティング方法が研究されている。アドホックネットワークは、通信インフラ無しに、動的にネットワークを構成できるが、通信相手が通信範囲にいる必要があり、オフイスの会議室での利用といった局所的な利用が主で、常に移動する人や自動車等をターゲットにしてのサービス展開は、通信状況が安定しないことから適用が難しかった。
通信インフラの構築が困難な、僻地、戦場、宇宙空間、海中等の特殊な環境での通信手段を研究するDTN(Delay Tolerant Networking)と呼ばれる研究分野がある。DTNでは、移動機器がまばらにしか存在しない状況でも、通信を可能にする技術として、アドホック通信をベースとした通信技術(Epidemic Routing)が研究されている(例えば、非特許文献1参照)。
蓄積搬送通信は、メールやフィールドに散布された自律型のセンサからデータを収集する等の非同期型のアプリケーションのデータを送受信するために開発された方法である。通信端末は、通信リンクが確立していない状態でも、通信データを保持できるようにトランスポート層の上位にバンドル層と呼ばれるレイヤを持っている。バンドル層は、通信データをバッファに保持し、トランスポート層の通信リンクの確立状況により、バッファに保持しているデータをメッセージとして、通信相手のバンドル層に通信データを転送する。この蓄積搬送通信では、個々の通信端末は、ランダムに移動し、それぞれの通信端末が互いの無線範囲に入ると、メッセージを互いの通信相手に複写する。このようにメッセージの複製をネットワークに広めていくことで、最終的に所望する通信相手に通信データを届けるため、感染型ルーティングとも呼ばれる。
アドホック通信をベースとしたネットワークでは、通信性能は、モバイル機器同士の通信機会の回数に大きく依存する。そのため、近年では、アドホックネットワークに特殊な装置を導入することで、通信機会を向上させる様々な試みが行われている。
例えば、Data Mulesという技術が提案されている。Data Mulesでは、低能力のセンサがフィールドに散布されており、muleと呼ぶ移動体がランダムにフィールドを移動し、フィールドの任意の場所に設置したアクセスポイントを介して、バックボーンのネットワークに接続しているデータシンク(センサの情報を収集するサーバ)にセンサ情報を回送する(例えば、非特許文献2参照)。
また、例えば、Throw Boxという技術が提案されている。Throw Boxでは、Throw Boxと呼ばれるデータの集積場所を、フィールドに配置することで、モバイル機器がThrow Boxから自分宛のデータを受信し、蓄積搬送通信を効率的に行うことができる(例えば、非特許文献3参照)。
また、例えば、Message Ferryという技術が提案されている。Message Ferryでは、フィールドに散らばった固定の通信ノード間に移動ノードを巡回させることで通信データの収集と配信を行うことができる(例えば、非特許文献4参照)。
A.Vahdat and D.Becker:Epidemic routing for partially connected ad hoc networks:Technical Report CS−2000−06 W.Zhao,Y.Chen,M.Ammar,M.Corner,B.Levine and E. Zegura:Capacity Enhancement using throwboxes in mobile tolerant network:SCS Technical report GIT−CSS−06−04 R.Shah,S.Roy,S.Jain and W.Brunette:Data MULEs:Modelling a Three−Tier Architecture for Sparse Sensor Networks:In Proceedings of the First IEEE,2003 IEEE International Workshop on Sensor Network Protocols and Applications pp.30−41 W.Zhao and M.Ammar:Message Ferrying:Proactive Routing in Highly−partitioned Wireless Ad Hoc Networks:In Proceedings of Ninth IEEE Workshop on Future Trends pp.308−314
前記したような蓄積搬送通信技術を用いれば、ネットワークをより有効に活用できるようになると考えられる。しかし、蓄積搬送通信技術では、サービスを運用するエリアが広範囲になると、通信時間や通信帯域等のリソースが増加するという問題がある。そのため、蓄積搬送通信技術では、セグメントを分割する必要があるが、セグメント分割の方法やセグメント分割した場合の通信方法が提案されていない。特に、デジタルデバイドの解消や、様々なサービスへの応用を視野にいれた場合、蓄積搬送通信技術を取り入れた新たな通信インフラにおいて、セグメント分割が必須となる。
そこで、本発明は、セグメント分割を可能とする蓄積搬送通信技術を提供することを目的とする。
前記した課題を解決するため、請求項1に係る蓄積搬送通信システムは、経路上を移動する移動体に搭載されたリレーと、前記経路を含めた閉域である仮想セグメント内に配置され、前記リレーとの間で無線通信可能なベースノードと、前記ベースノードと外部のネットワークとを接続する通信回線を備える仮想セグメント接続網と、前記仮想セグメント内に配置され、前記リレーとの間で無線通信可能な無線通信端末と、を備える蓄積搬送通信システムであって、前記無線通信端末は、当該無線通信端末が所定の宛先へ送信する送信データを一時的に格納する端末バッファと、当該無線通信端末の無線通信可能範囲内の前記リレーへ前記端末バッファに格納した送信データを送信すると共に、当該リレーから当該無線通信端末を宛先とする受信データを受信する無線端末制御手段と、を備え、前記リレーは、当該リレーが属する前記仮想セグメント内の無線通信端末を宛先とする受信データと、当該無線通信端末が送信する送信データとを一時的に格納するリレーバッファと、当該リレーの無線通信可能範囲内に位置する前記無線通信端末からの前記送信データを受信して前記リレーバッファに格納すると共に前記リレーバッファに格納した受信データを当該無線通信端末に送信し、当該リレーの無線通信可能範囲内に位置する前記ベースノードから前記受信データを受信して前記リレーバッファに格納すると共に前記リレーバッファに格納した送信データを当該ベースノードに送信するリレー制御手段と、を備え、前記ベースノードは、当該ベースノードが形成する前記仮想セグメント内に位置する前記無線通信端末を宛先とする受信データと、当該無線通信端末が送信する送信データとを一時的に格納するベースノードバッファと、当該ベースノードの無線通信可能範囲内の前記リレーに対して当該リレーが属する仮想セグメントを示す識別情報が設定されているか否かを問い合わせ、当該リレーに前記識別情報が設定されていないときは、前記識別情報を当該リレーに設定させると共に前記ベースノードバッファに格納した受信データを当該リレーに送信し、前記リレーに前記識別情報が設定されているときは、当該リレーから前記送信データを受信して前記ベースノードバッファに格納すると共に設定された前記識別情報を当該リレーに削除させるリレー管理手段と、前記仮想セグメント接続網を介して、他のベースノード又は前記外部のネットワークを介して前記宛先に前記送信データを送信すると共に、前記他のベースノード又は前記外部のネットワークから前記受信データを受信する仮想セグメント接続手段と、を備えることを特徴とする。
かかる構成によれば、蓄積搬送通信システムは、ベースノードによって、仮想セグメントに入ってくるリレーに、識別情報を設定させる。また、蓄積搬送通信システムは、無線通信端末によって、送信データを一時的に端末バッファに格納し、無線通信可能範囲内に移動してきたリレーへこの送信データを送信する。そして、蓄積搬送通信システムは、リレーによって、この送信データを一時的にリレーバッファに格納し、リレーバッファに格納した送信データを無線通信可能範囲内に位置するベースノードに送信する。さらに、蓄積搬送通信システムは、ベースノードによって、この送信データを送信し、仮想セグメントから出て行くリレーに、識別情報を削除させる。これによって、蓄積搬送通信システムは、例えば、ADSL網や光ファイバ網に接続していない無線通信端末からの送信データを、リレー及びベースノードを介して送信できる。
また、このとき、蓄積搬送通信システムは、ベースノードによって、このベースノードが形成する仮想セグメント内に位置する無線通信端末を宛先とする受信データを一時的にベースノードバッファに格納し、仮想セグメントに入ってくるリレーにこの受信データを送信する。そして、蓄積搬送通信システムは、リレーによって、この受信データを一時的にリレーバッファに格納し、この受信データを無線通信可能範囲内に位置する無線通信端末に送信する。これによって、蓄積搬送通信システムは、例えば、ADSL網や光ファイバ網に接続していない無線通信端末を宛先とする受信データを、リレー及びベースノードを介して受信できる。
なお、ここで、送信データとは、途中の経路に関係なく、無線通信端末が所定の宛先に送信したデータである。また、受信データとは、途中の経路に関係なく、無線通信端末を宛先とするデータである。
請求項2に係る蓄積搬送通信システムは、請求項1に係る蓄積搬送通信システムにおいて、前記ベースノードは、前記リレー管理手段が、前記ベースノードバッファに格納した受信データ毎に、当該ベースノードが形成する仮想セグメント内に何れかの前記リレーが移動してくる平均待ち時間と予め設定した時間とを加算したタイマを算出し、当該タイマを前記ベースノードバッファに格納すると共に、更新された前記タイマが予め設定された基準値を経過したとき、前記受信データを前記リレーに再送信し、前記ベースノードバッファに格納したタイマを予め設定された監視時間毎に更新するタイマ更新手段、をさらに備えることを特徴とする。
かかる構成によれば、蓄積搬送通信システムは、平均待ち時間に基づいたタイマを算出しているので、ベースノードが受信データを再送信するときに、ベースノードの無線通信可能範囲内にリレーが移動してきている可能性が高くなる。
請求項3に係る蓄積搬送通信システムは、請求項1又は請求項2に係る蓄積搬送通信システムにおいて、前記無線通信端末は、前記無線端末制御手段が、前記端末バッファに格納した送信データ毎に、当該無線通信端末が属する仮想セグメント内に何れかの前記リレーが移動してくる平均待ち時間と予め設定した時間とを加算したタイマを算出して、当該タイマを前記端末バッファに格納すると共に、更新された前記タイマが予め設定された基準値を経過したとき、前記送信データを前記リレーに再送信し、予め設定された監視時間毎に、前記端末バッファに格納したタイマを予め設定された監視時間毎に更新するタイマ更新手段、をさらに備えることを特徴とする。
かかる構成によれば、蓄積搬送通信システムは、平均待ち時間に基づいたタイマを算出しているので、無線通信端末が送信データを再送信するときに、無線通信端末の無線通信可能範囲内にリレーが移動してきている可能性が高くなる。
請求項4に係る蓄積搬送通信システムは、請求項1から請求項3の何れか一項に係る蓄積搬送通信システムにおいて、前記無線通信端末は、前記無線通信端末と前記仮想セグメント接続網とを接続するアクセス網を介して、当該仮想セグメント接続網に前記送信データを送信すると共に当該仮想セグメント接続網から前記受信データを受信する仮想セグメント接続手段と、大きな容量の前記受信データ及び前記送信データと当該大きな容量より小さい容量の前記受信データ及び前記送信データとを区分けする予め設定された規則に従って、前記無線端末制御手段によって前記大きな容量の受信データを受信すると共に前記大きな容量の送信データを送信し、前記仮想セグメント接続手段によって前記小さな容量の受信データを受信すると共に前記小さな容量の送信データを送信するアプリケーションプロキシ手段と、をさらに備えることを特徴とする。
かかる構成によれば、蓄積搬送通信システムは、アクセス網を介して、小さな容量のデータを送受信し、仮想セグメントを介して、大きな容量のデータを送受信する。
請求項5に係る無線通信端末は、請求項1から請求項4の何れか一項に記載の蓄積搬送通信システムにおいて、前記仮想セグメント接続網は、大きな容量の前記受信データ及び前記送信データと当該大きな容量より小さい容量の前記受信データ及び前記送信データとを区分けする予め設定された規則に従って、前記無線通信端末と前記仮想セグメント接続網とを接続するアクセス網を介して前記無線通信端末に前記小さな容量の受信データを送信すると共に前記無線通信端末から前記小さな容量の送信データを受信し、前記ベースノードに前記大きな容量の受信データを送信すると共に前記ベースノードから前記大きな容量の送信データを受信するアプリケーションプロキシ手段、をさらに備えることを特徴とする。
かかる構成によれば、蓄積搬送通信システムは、アクセス網を介して、小さな容量のデータを送受信し、仮想セグメントを介して、大きな容量のデータを送受信する。
請求項6に係る蓄積搬送通信システムは、請求項1から請求項5の何れか一項に記載の蓄積搬送通信システムにおいて、前記仮想セグメント接続網は、前記無線通信端末と前記ベースノードと前記仮想セグメントとの対応関係を含むマッピング情報を記憶するマッピング情報記憶手段と、前記マッピング情報記憶手段が記憶するマッピング情報を参照して、前記受信データの宛先となる前記無線通信端末が属する前記仮想セグメントを形成する前記ベースノードに、送信に失敗した前記受信データを再送信するルートノードと、をさらに備えることを特徴とする。
かかる構成によれば、蓄積搬送通信システムは、リレーが仮想セグメント内に移動してきていないときにリレーに受信データを送信して失敗したときでも、リレーが仮想セグメント内に移動したときにリレーに受信データを再送信できる。
また、前記した課題を解決するため、請求項7に係る無線通信端末は、経路上を移動する移動体に搭載されたリレーと、前記経路を含めた閉領である仮想セグメント内に配置され、前記リレーとの間で無線通信可能なベースノードと、前記ベースノードと外部のネットワークとを接続する通信回線を備える仮想セグメント接続網と、前記仮想セグメント内に配置され、前記リレーとの間で無線通信可能な無線通信端末と、を備える蓄積搬送通信システムに用いる無線通信端末であって、当該無線通信端末が送信する送信データを一時的に格納する端末バッファと、当該無線通信端末の無線通信可能範囲内の前記リレーへ前記端末バッファに格納した送信データを送信すると共に、当該リレーから当該無線通信端末を宛先とする受信データを受信する無線端末制御手段と、を備えることを特徴とする。
また、前記した課題を解決するため、請求項8に係るリレーは、経路上を移動する移動体に搭載されたリレーと、前記経路を含めた閉域である仮想セグメント内に配置され、前記リレーとの間で無線通信可能なベースノードと、前記ベースノードと外部のネットワークとを接続する通信回線を備える仮想セグメント接続網と、前記仮想セグメント内に配置され、前記リレーとの間で無線通信可能な無線通信端末と、を備える蓄積搬送通信システムに用いるリレーであって、当該リレーが属する仮想セグメント内の無線通信端末を宛先とする受信データと当該無線通信端末が送信する送信データとを一時的に格納するリレーバッファと、当該リレーの無線通信可能範囲内に位置する前記無線通信端末からの前記送信データを受信して前記リレーバッファに格納すると共に前記リレーバッファに格納した受信データを当該無線通信端末に送信し、当該リレーの無線通信可能範囲内に位置する前記ベースノードから前記受信データを受信して前記リレーバッファに格納すると共に前記リレーバッファに格納した送信データを当該ベースノードに送信するリレー制御手段と、を備え、前記リレー制御手段は、当該リレーが属する仮想セグメントを示す識別情報を設定する要求を前記ベースノードから受信したときに当該識別情報を設定すると共に、前記識別情報を削除する要求を前記ベースノードから受信したときに前記識別情報を削除することを特徴とする。
また、前記した課題を解決するため、請求項9に係るベースノードは、経路上を移動する移動体に搭載されたリレーと、前記経路を含めた閉域である仮想セグメント内に配置され、前記リレーとの間で無線通信可能なベースノードと、前記ベースノードと外部のネットワークとを接続する通信回線を備える仮想セグメント接続網と、前記仮想セグメント内に配置され、前記リレーとの間で無線通信可能な無線通信端末と、を備える蓄積搬送通信システムに用いるベースノードであって、当該ベースノードが形成する前記仮想セグメント内に位置する前記無線通信端末を宛先とする受信データと、当該無線通信端末が送信する送信データとを一時的に格納するベースノードバッファと、当該ベースノードの無線通信可能範囲内の前記リレーに対して当該リレーが属する仮想セグメントを示す識別情報が設定されているか否かを問い合わせ、当該リレーに前記識別情報が設定されていないときは、前記識別情報を当該リレーに設定させると共に前記ベースノードバッファに格納した受信データを当該リレーに送信し、前記リレーに前記識別情報が設定されているときは、当該リレーから前記送信データを受信して前記ベースノードバッファに格納すると共に設定された前記識別情報を当該リレーに削除させるリレー管理手段と、前記仮想セグメント接続網を介して、他のベースノード又は前記外部のネットワークに前記送信データを送信すると共に、前記他のベースノード又は前記外部のネットワークから前記受信データを受信する仮想セグメント接続手段と、を備えることを特徴とする。
また、前記した課題を解決するため、請求項10に係る仮想セグメント接続網は、経路上を移動する移動体に搭載されたリレーと、前記経路を含めた閉域である仮想セグメント内に配置され、前記リレーとの間で無線通信可能なベースノードと、前記ベースノードと外部のネットワークとを接続する通信回線を備える仮想セグメント接続網と、前記仮想セグメント内に配置され、前記リレーとの間で無線通信可能な無線通信端末と、を備える蓄積搬送通信システムに用いる仮想セグメント接続網であって、大きな容量の前記受信データ及び前記送信データと、当該大きな容量より小さい容量の前記受信データ及び前記送信データとを区分けする予め設定された規則に従って、前記無線通信端末に接続するアクセス網を介して、前記無線通信端末に前記小さな容量の受信データを送信すると共に前記無線通信端末から前記小さな容量の送信データを受信するアプリケーションプロキシ手段と、前記無線通信端末と前記ベースノードと前記仮想セグメントとの対応関係を含むマッピング情報を記憶するマッピング情報記憶手段と、前記マッピング情報記憶手段が記憶するマッピング情報を参照して、前記受信データの宛先となる前記無線通信端末が属する前記仮想セグメントを形成する前記ベースノードに、送信に失敗した前記受信データを再送信するルートノードと、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、以下のような優れた効果を奏する。
請求項1,7〜10に係る発明によれば、無線通信端末からの送信データをリレー及びベースノードを介して送信できると共に、無線通信端末を宛先とする受信データをリレー及びベースノードを介して受信できるため、セグメント分割を可能とする。
請求項2に係る発明によれば、平均待ち時間に基づいたタイマを用いてベースノードが受信データを再送信しているため、ベースノードの無線通信可能範囲内にリレーが移動してきている可能性が高くなるため、ベースノードが受信データの再送信を失敗する事態を低減でき、蓄積搬送通信システムのデータ送受信の信頼性が高くなる。
請求項3に係る発明によれば、平均待ち時間に基づいたタイマを用いて無線通信端末が送信データを再送信しているため、無線通信端末の無線通信可能範囲内にリレーが移動してきている可能性が高くなるため、無線通信端末が送信データの再送信を失敗する事態を低減でき、蓄積搬送通信システムのデータ送受信の信頼性が高くなる。
請求項4に係る発明によれば、アクセス網を介して、小さな容量のデータを送受信し、仮想セグメントを介して、大きな容量のデータを送受信するため、蓄積搬送通信システムが効率良くデータ送受信を行うことができる。
請求項5に係る発明によれば、アクセス網を介して、小さな容量のデータを送受信し、仮想セグメントを介して、大きな容量のデータを送受信するため、蓄積搬送通信システムが効率良くデータ送受信を行うことができる。
請求項6に係る発明によれば、リレーが仮想セグメント内に移動したときにリレーに受信データを再送信できるため、蓄積搬送通信システムが効率良くデータ送受信を行うことができる。
以下、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各実施形態において、同一の機能を有する手段及び同一の部材には同一の符号を付し、説明を省略した。
(第1実施形態)
[蓄積搬送通信システムの概略]
図1は、本発明の第1実施形態に係る蓄積搬送通信システムの概念図である。図1に示すように、蓄積搬送通信システム1は、移動仮想セグメント(仮想セグメント)2と、移動仮想網(仮想セグメント接続網)5と、レギュラーノード(無線通信端末)Nと、リレーRとを備える。
移動仮想セグメント2は、1以上のベースノードBNを、移動経路3を含めた閉域となるように配置して形成したものである。ここで、移動経路3を含めた閉域とは、ある移動仮想セグメント2において、移動経路3の全ての出入り口となる位置にベースノードBNが配置されていることを言う。言い換えると、移動経路3上を移動するリレーRがある移動仮想セグメント2に出入りする際、ベースノードBNの近傍を通過するように、ベースノードBNを配置することである。図1の左上の移動仮想セグメント2では、直線状の移動経路3の任意位置に2個のベースノードBNを配置している。また、図1の右上の移動仮想セグメント2では、移動経路3の唯一の出入り口となる位置に、1個のベースノードBNを配置している。また、図1の右下の移動仮想セグメント2では、分岐する移動経路3の3箇所の出入り口となる位置に、それぞれ3個のベースノードBNを配置している。さらに、図1の左下の移動仮想セグメント2では、交差する移動経路3の4箇所の出入り口となる位置に、それぞれ4個のベースノードBNを配置している。なお、移動仮想セグメント2が、請求項に記載の仮想セグメントに相当する。
ベースノードBNは、移動仮想セグメント2内に配置され、リレーRとの間で無線通信可能であると共に、移動仮想網5との間でも通信回線を介して接続するものである。ベースノードBNは、例えば、一般的なネットワークにおけるルータやゲートウェイに相当する。また、ある移動仮想セグメント2が2個以上のベースノードBNで形成される場合、同一の移動仮想セグメント2を形成するベースノードBNは、互いに接続しても良い。
リレーRは、移動経路3上を移動する自動車、オートバイ、自転車、列車、船舶等の移動体に搭載され、ベースノードBN及びレギュラーノードNと無線通信可能なものである。また、リレーRは、人が携帯する無線通信デバイスとしても良い。
レギュラーノードNは、リレーRとの間で無線通信可能な、例えば、無線通信手段を備えるパソコン又は携帯端末装置(PDA)である。ここで、レギュラーノードNは、何れかの移動仮想セグメント2内に配置される。また、1個の移動仮想セグメント2に2個以上のレギュラーノードNを配置しても良い。なお、レギュラーノードNが、請求項に記載の無線通信端末に相当する。
移動経路3は、移動体が自動車、オートバイ、自転車又は人の場合、これらが移動可能な道路である。また、移動経路3は、移動体が列車の場合、鉄道網としても良い。さらに、移動経路3は、移動体が船舶の場合、水路や運河であっても良い。なお、移動経路3が請求項に記載の経路に相当する。
移動仮想網5は、例えば、常時接続可能な通信回線を備え、移動仮想セグメント2同士を接続するものである。また、移動仮想網5は、移動仮想セグメント2とインターネット等の外部のネットワーク(不図示)を接続しても良い。なお、移動仮想網5が、請求項に記載の仮想セグメント接続網に相当する。
図2は、図1の移動仮想セグメント2を詳細に説明する図である。図2には、リレーR1〜R5の移動に伴う無線通信可能範囲の軌跡を破線で図示した。前記したように、リレーR1〜R5は、ベースノードBN1からベースノードBN2までを結ぶ移動経路3上を移動する。ある時刻において、リレーR1〜R5の無線通信可能範囲は、スポット的である。しかし、図2に示すように、リレーR1,R2,R4,R5の無線通信可能範囲の軌跡をみると、移動経路3に沿って無線通信可能エリアを形成していることがわかる。
以下、図3から図7を参照して、本発明において、移動仮想セグメント2内に位置するレギュラーノードN1が送信データを送信すると共に、このレギュラーノードN1を宛先とする受信データを受信する例を説明する。なお、図3から図7では、ベースノードBN、レギュラーノードN及びリレーRの無線通信可能範囲を破線で図示した。
図3は、移動仮想セグメント2の入り口に位置するベースノードBN1の無線通信可能範囲内にリレーR1が移動してきたときの動作を説明する図である。図3に示すように、ベースノードBN1は、無線通信可能範囲内のリレーR1に対して、リレーR1が属する移動仮想セグメント2を示す識別情報が設定されているか否かを問い合わせる。ここで、移動仮想セグメント2の外を移動してきたリレーR1には識別情報が設定されていないため、ベースノードBN1は、識別情報をリレーR1に設定させる。
また、ベースノードBN1は、レギュラーノードN1を宛先とする受信データをベースノードバッファ(不図示)に格納している場合、この受信データをリレーR1に送信する。そして、リレーR1は、この受信データをリレーバッファ(不図示)に格納する。
図4は、移動仮想セグメント2内に位置するレギュラーノードN1の無線通信可能範囲内にリレーR1が移動してきたときの動作を説明する図である。図4に示すように、リレーR1は、リレーバッファに格納したレギュラーノードN1を宛先とする受信データを、無線通信可能範囲内のレギュラーノードN1に送信する。また、レギュラーノードN1は、端末バッファに格納した送信データをリレーR1に送信する。そして、リレーR1は、この送信データをリレーバッファに格納する。ここで、レギュラーノードN1は、ベースノードBNが送信データを受信したことを示すノード送信メッセージを受信するまで、送信データを端末バッファに格納しておいても良い。なお、ノード送信メッセージの詳細は、後記する。
図5及び図6は、移動仮想セグメント2の出口に位置するベースノードBN2の無線通信可能範囲内にリレーR1が移動してきたときの動作を説明する図である。図5に示すように、リレーR1は、リレーバッファに格納した送信データを、無線通信可能範囲内のベースノードBN2に送信する。そして、ベースノードBN2は、この送信データをベースノードバッファに格納し、送信データの宛先に応じて移動仮想網5に送信する。
また、図6に示すように、ベースノードBN2は、リレーR1に対して、リレーR1が属する仮想セグメントを示す識別情報が設定されているか否かを問い合わせる。この場合、リレーR1には識別情報が既に設定されているため、この識別情報をリレーR1に削除させる。
図7は、ベースノードBN1の無線通信可能範囲内に他のリレーR2が移動してきたときの動作を説明する図である。このとき、ベースノードBN2は、最終的にレギュラーノードN1に送信するノード送信メッセージを、移動仮想網5を介して、ベースノードBN1に予め送信しておく。また、ベースノードBN1は、前記したリレーR1と同様の手順にて、別のリレーR2に対して識別情報を設定させる。そして、ベースノードBN1は、ノード送信メッセージをリレーR2に送信する。その後、リレーR2は、レギュラーノードN1の無線通信可能範囲内に移動したときに(不図示)、ノード送信メッセージをレギュラーノードN1に送信する。また、レギュラーノードN1は、ノード送信メッセージをリレーR2より受信したときに、端末バッファに格納した送信データを削除しても良い。このような手順にて、蓄積搬送通信システム1は、移動仮想セグメント2内に位置するレギュラーノードN1が送信データを送信すると共に、受信データを受信できる。
[蓄積搬送通信システムの詳細]
<移動仮想網の構成>
以下、図8を参照して、図1の蓄積搬送通信システムの詳細を説明する。図8は、図1の蓄積搬送通信システムのブロック図である。図8に示すように、移動仮想網5は、アドレス解決手段(マッピング情報記憶手段)11と、ルートノード12と、バックボーンネットワーク(通信回線)13と、APLプロキシ手段(アプリケーションプロキシ手段)14とを備える。
アドレス解決手段11は、レギュラーノードNとベースノードBNと移動仮想セグメント2との対応関係を含むマッピング情報を記憶するものであり、例えば、このマッピング情報を格納するデータベースサーバである。ここで、アドレス解決手段11は、リレーRの識別情報とこの移動仮想セグメント2との対応関係を含むマッピング情報の登録を要求するセグメント登録メッセージに応じて、マッピング情報を登録する。なお、アドレス解決手段11が請求項に記載のマッピング情報記憶手段に相当する。
蓄積搬送通信システム1では、例えば、送信データ、受信データ、セグメント登録メッセージ、ノード送信メッセージ、後記するリレー任命メッセージ、後記するリレー解任メッセージ、及び、後記するノード受信メッセージをメッセージとして扱う。ここで、メッセージは、図9に示すように、メッセージIDと、メッセージ本体と、ステータスと、後記するタイマと、メッセージ種別とを含む。メッセージIDは、メッセージを一意に識別するものである。メッセージ本体は、メッセージの内容となるものであり、例えば、送信データ及び受信データの場合はこれらのデータとなる。ステータスは、メッセージの送信済み、未送信又は再送を区別するものである。メッセージ種別は、そのメッセージが、送信データ、受信データ、セグメント登録メッセージ、ノード送信メッセージ、リレー任命メッセージ、リレー解任メッセージ又はノード受信メッセージの何れであるかを区別するものである。
図8のルートノード12は、アドレス解決手段11が記憶するマッピング情報を参照して、受信データの宛先となるレギュラーノードNが属する移動仮想セグメント2を形成するベースノードBNに、送信に失敗した受信データを再送信するものである。例えば、ルートノード12は、ルートノードバッファ12aと、監視手段12bとを備える。ここで、ルートノードバッファ12aは、送信に失敗した受信データを格納するバッファである。また、監視手段12bは、送信に失敗した受信データについて、定期的にアドレス解決手段11にクエリし、アドレスが解決できた場合に、移動仮想セグメント2のベースノードBNに受信データを送信するものである。例えば、リレーRが移動仮想セグメント2以外の移動経路3を移動している場合、又は、レギュラーノードNが後記する受信要求メッセージを送信していない場合、アドレスが解決できずに受信データの送信を失敗することがある。
バックボーンネットワーク13は、ベースノードBNを相互に接続する通信回線である。バックボーンネットワーク13としては、例えば、有線の高速ネットワーク、インフラ設置が困難な環境では、Wi−MAX等の長距離無線ネットワークである。また、バックボーンネットワーク13は、インターネット等の外部のネットワークと接続可能としても良い。さらに、バックボーンネットワーク13は、レギュラーノードNが接続する電話回線等の狭帯域のアクセス網4に接続可能としても良い。なお、バックボーンネットワーク13が、請求項に記載の通信回線に相当する。
APLプロキシ手段14は、後記する規則に従って、アクセス網4を介して、レギュラーノードNに小さな容量の受信データを送信すると共にレギュラーノードNから小さな容量の送信データを受信するものである。また、APLプロキシ手段14は、この規則に従って、ベースノードBNに大きな容量の受信データを送信すると共にベースノードBNから大きな容量の送信データを受信する。つまり、APLプロキシ手段14は、後記するレギュラーノードNのAPLプロキシ手段33と対になり、リアルタイムな通信環境である外部のネットワークと、遅延の大きい通信環境である移動仮想セグメント2とのギャップを少なくする機能である。なお、APLプロキシ手段14は、請求項に記載のアプリケーションプロキシ手段に相当し、その具体例は後記する。
<ベースノードの構成>
図8に示すように、ベースノードBNは、通常回線通信手段(仮想セグメント接続手段)21と、ベースノードバッファ22と、リレー管理手段23と、タイマ更新手段24と、セグメント情報通知手段25とを備える。
通常回線通信手段21は、移動仮想網5を介して、同一の移動仮想セグメント2内又は他の移動仮想セグメント2内のベースノードBN、及び、外部のネットワークに送信データを送信するものである。また、通常回線通信手段21は、移動仮想網5を介して、同一の移動仮想セグメント2内又は他の移動仮想セグメント2内のベースノードBN、及び、外部のネットワークから受信データを受信する。つまり、通常回線通信手段21は、他のベースノードBN及び外部のネットワークのインタフェースである。なお、通常回線通信手段21が、請求項に記載の仮想セグメント接続手段に相当する。
ベースノードバッファ22は、ベースノードBNが形成する移動仮想セグメント2内に位置するレギュラーノードNを宛先とする受信データと、レギュラーノードNが送信する送信データとを一時的に格納するものである。ベースノードバッファ22は、例えば、RAM(Random Access Memory)又はHDD(Hard Disk Drive)等の記憶手段である。
リレー管理手段23は、リレーRと通信可能な無線インタフェースを有すると共に、この無線インタフェースのリンクアップを監視している。この無線インタフェースとしては、例えば、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11a、IEEE802.11b、IEEE802.11g又はIEEE802.15.1がある。
そして、リレー管理手段23は、無線インタフェースがリンクアップすると、ベースノードBNの無線通信可能範囲内のリレーRに対してリレーRが属する移動仮想セグメントを示す識別情報が設定されているか否かを問い合わせるものである。一方、無線インタフェースがリンクダウンしている場合、リレー管理手段23は、リンクアップするまで無線インタフェースを監視する。ここで、ベースノードBNには、ベースノードBNとリレーRとの無線リンク確立のために必要となるSSID(Service Set ID)及びWEP(Wired Equivalent Privacy)等のセキュリティー情報が予め登録されている。なお、リレーRのIPアドレスは、ベースノードBNにリレーRがインフラモードで通信を行うことで、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)によって自動的に決定される。
また、リレー管理手段23は、リレーRに識別情報が設定されていないときは、リレーRに、識別情報の設定を要求するリレー任命メッセージを生成して送信すると共に、ベースノードバッファ22に格納した受信データをリレーRに送信する。ここで、識別情報を設定とは、例えば、EID、セキュリティー情報、IPアドレス、及び、レギュラーノードNと通信を行うためのルーティング情報をリレーRに設定させることである。
ここで、リレー管理手段23は、移動仮想セグメント2のレギュラーノードNを宛先とする受信データがベースノードバッファ22に格納されており、かつ、ステータスが、未送信又は再送となっている場合、受信データをリレーRに送信する。そして、リレー管理手段23は、このステータスを送信済みとする。そして、リレー管理手段23は、リレーRに送信した受信データのリストを作成して同一の移動仮想セグメント2内の他のベースノードBNへこのリストを送信する。さらに、リレー管理手段23は、移動仮想網5のアドレス解決手段11に、リレーRの識別情報とこの移動仮想セグメント2との対応関係を含むマッピング情報の登録を要求するセグメント登録メッセージを生成して送信する。
一方、リレー管理手段23は、リレーRに識別情報が設定されているときは、リレーRから送信データを受信してベースノードバッファ22に格納すると共に、リレーRに、設定された識別情報の削除を要求するリレー解任メッセージを生成して送信する。ここで、識別情報の削除とは、リレーRに設定された、例えば、EID、セキュリティー情報、IPアドレス、及び、レギュラーノードNと通信を行うためのルーティング情報をリレーR1に削除させることである。このとき、リレー管理手段23は、レギュラーノードN1を宛先とするノード送信メッセージを生成してリレーRに送信する。このノード送信メッセージは、ベースノードBNのEIDとレギュラーノードNが送信したメッセージIDとを含む。
また、リレー管理手段23が、ベースノードバッファ22に格納した受信データ毎に、ベースノードBNが形成する移動仮想セグメント2内に何れかのリレーRが移動してくる平均待ち時間と予め設定した時間とを加算したタイマを算出し、タイマをベースノードバッファ22に格納する。そして、リレー管理手段23は、更新されたタイマが予め設定された基準値(例えば、0)を経過したときに、受信データをリレーRに再送信する。ここで、リレー管理手段23は、平均待ち時間を、リレーRが移動仮想セグメント2に現れる時間間隔を平均して算出できる。そして、リレー管理手段23は、マージンとして、予め設定した時間(例えば、10秒)を平均待ち時間に加算してタイマを算出する。なお、この予め設定した時間をゼロに設定しても良いことは言うまでもない。
リレー管理手段23は、例えば、IRTF(Internet Research Task Force)のRFC(Request for Comments)4838の参照実装であるDTN2に、前記したリレー管理手段23としてのアプリケーションを組み込むことで実現できる。
タイマ更新手段24は、リレー管理手段23が算出してベースノードバッファ22に格納したタイマを、予め設定された監視時間(たとえば、1分)毎に更新するものである。つまり、タイマ更新手段24は、図9のメッセージに含まれるタイマを、例えば、10秒から0秒までカウントダウンするように更新する。なお、タイマ更新手段24は、このタイマを、例えば、0秒から60秒までカウントアップするように更新しても良い。この場合、リレー管理手段23は、例えば、基準値が60秒で予め設定され、タイマが60秒を経過したときに受信データをリレーRに再送信しても良い。
セグメント情報通知手段25は、識別情報が設定されたリレーRがベースノードBNを通過せずに、他の移動仮想セグメント2に移動した場合、リレーRが属する移動仮想セグメント2の情報(例えば、リージョン情報)を通知するものである。
なお、蓄積搬送通信システム1では、リレーR、ベースノードBN又はレギュラーノードNを一意に識別するEIDを用いている。このEIDは、例えば、移動仮想網5内でのリレーR、ベースノードBN又はレギュラーノードNのグローバル識別子と、移動仮想セグメントの識別子とを含む。例えば、リレーRのEIDは、「dtn://R1.mvn,mvs1」といった情報であり、「R1.mvn」の部分がリレーRの識別子であり、「mvs1」の部分が、移動仮想セグメント2の識別子(リージョン情報)である。つまり、リレー管理手段23は、リレーRにリージョン情報を識別情報として問い合わせを行う。
<ベースノードの動作:全体動作>
以下、図10を参照して、ベースノードの全体動作を説明する(適宜図8参照)。図10は、図8のベースノードの全体動作を示すフローチャートである。まず、ベースノードBNは、リレー管理手段23によって、無線インタフェースがリンクアップしているか否かを監視する(ステップS1)。ここで、無線インタフェースがリンクアップしていない場合(ステップS1でNo)、ベースノードBNは、リレー管理手段23によって、無線インタフェースの監視を続行する。
無線インタフェースがリンクアップした場合(ステップS1でYes)、ベースノードBNは、リレー管理手段23によって、このベースノードBN自身の識別子となるEID(例えば、「dtn://BN1.mvs1,mvn」)を、無線リンクを確立したリレーRに送信する(ステップS2)。
ステップS2の処理に続いて、ベースノードBNは、リレー管理手段23によって、リレーRに識別情報が設定されているか否かを問い合わせる(ステップS3)。リレーRに識別情報が設定されていない場合(ステップS3でNo)、ベースノードBNは、リレー管理手段23によって、リレー任命メッセージを生成してリレーRに送信する(ステップS4)。
ステップS4の処理に続いて、ベースノードBNは、リレー管理手段23によって、移動仮想セグメント2内のレギュラーノードNを宛先とする受信データがベースノードバッファ22に格納されている場合、この受信データをメッセージとしてリレーRに送信し、受信データのリストを生成する(ステップS5)。また、ベースノードBNは、リレー管理手段23によって、移動仮想網5のアドレス解決手段11に、セグメント登録メッセージを生成して送信する(ステップS6)。
リレーRに識別情報が設定されている場合(ステップS3でYes)、ベースノードBNは、リレー管理手段23によって、リレーRからメッセージを受信する(ステップS7)。また、ベースノードBNは、リレー管理手段23によって、ステップS5で生成したリストと送信データとを比較し、送信データが削除されていれば、この送信データをベースノードBNのベースノードバッファ22から削除する。
ステップS7の処理に続いて、ベースノードBNは、リレー管理手段23によって、受信処理を行う(ステップS8)。なお、ステップS8の詳細は、後記する。また、ベースノードBNは、リレー管理手段23によって、リレー解任メッセージを生成してリレーRに送信する(ステップS9)。
<ベースノードの動作:受信処理>
以下、図11を参照して、ベースノードの受信処理の動作を説明する(適宜図8参照)。図11は、図10の受信処理(ステップS8)の詳細を示すフローチャートである。まず、ベースノードBNは、リレー管理手段23によって、受信したメッセージの種別を判定する(ステップS11)。
メッセージの種別がセグメント登録メッセージの場合(ステップS11でセグメント登録)、ベースノードBNは、リレー管理手段23によって、セグメント登録メッセージを生成して送信する(ステップS12)。
メッセージの種別がノード受信メッセージの場合(ステップS11でノード受信メッセージ)、ベースノードBNは、リレー管理手段23によって、このノード受信メッセージで指定されたメッセージをベースノードバッファ22から検索して削除する(ステップS13)。
メッセージの種別がセグメント登録メッセージ又はノード受信メッセージの何れでもない場合、ベースノードBNは、リレー管理手段23によって、アドレス解決手段11に対して、メッセージの宛先が同一の移動仮想セグメント2であるかをクエリする(ステップS14)。その結果、同一の移動仮想セグメント2の場合(ステップS14でYes)、ベースノードBNは、リレー管理手段23によって、メッセージをベースノードバッファ22に格納する(ステップS15)。このとき、ベースノードBNは、リレー管理手段23によって、ステータスを未送信とし、前記したタイマを設定する。また、ベースノードBNは、リレー管理手段23によって、このメッセージをルートノード12に送信する(ステップS16)。
一方、同一の移動仮想セグメント2でない場合(ステップS14でNo)、ベースノードBNは、リレー管理手段23によって、ノード送信メッセージを生成する(ステップS17)。このとき、ベースノードBNは、リレー管理手段23によって、ステータスを未送信とし、送信データと同様にタイマを設定する。
<ベースノードの動作:タイマの更新と再送処理>
以下、図12を参照して、タイマの更新と再送処理の動作を説明する(適宜図8参照)。図12は、図8のベースノードによるタイマの更新と再送処理の詳細を示すフローチャートである。
まず、ベースノードBNは、リレー管理手段23によって、ベースノードバッファ22に格納したメッセージのタイマが基準値を経過しているか否かを判定する(ステップS21)。タイマが基準値を経過している場合(ステップS21でYes)、ベースノードBNは、リレー管理手段23によって、ステータスを判定する(ステップS22)。一方、タイマが基準値を経過していない場合、ベースノードBNは、リレー管理手段23によって、ステップS25の処理に進む。
ステップS22でステータスが送信済みの場合、ベースノードBNは、リレー管理手段23によって、ステータスを再送に更新する(ステップS23)。一方、ステップS22でステータスが未送信又は再送の場合、ベースノードBNは、リレー管理手段23によって、ステップS24の処理に進む。
ステップS22又はステップS23の処理に続いて、ベースノードBNは、タイマ更新手段24によって、ベースノードバッファ22に格納したメッセージのタイマを更新する(ステップS24)。また、ベースノードBNは、リレー管理手段23によって、ベースノードバッファ22の全てのメッセージについて、タイマの更新と再送処理が終了したか否かを判定し(ステップS25)、終了していない場合にはステップS1の処理に戻る(ステップS25でNo)。一方、終了した場合(ステップS25でYes)、ベースノードBNは、タイマの更新と再送処理とを終了する。
<レギュラーノードの構成>
以下、図8に戻り、レギュラーノードの構成について説明する。図8に示すように、レギュラーノードNは、アプリケーション31と、通常回線通信手段(仮想セグメント接続手段)32と、APLプロキシ手段(アプリケーションプロキシ手段)33と、端末バッファ34と、レギュラーノード制御手段(無線端末制御手段)35と、タイマ更新手段36とを備える。
アプリケーション31は、ユーザがネットワークを利用して何らかの動作行う、例えば、メーラ、監視サービス等のアプリケーションソフトウェアである。
また、通常回線通信手段32と、アクセス網4を介して、移動仮想網5に接続するインタフェースである。なお、通常回線通信手段32が、請求項に記載の仮想セグメント接続手段に相当する。
APLプロキシ手段33は、後記する規則に従って、レギュラーノード制御手段35によって大きな容量の受信データを受信すると共に、大きな容量の送信データを送信するものである。また、APLプロキシ手段33は、この規則に従って、通常回線通信手段32によって小さな容量の受信データを受信すると共に、小さな容量の送信データを送信する。ここでは、APLプロキシ手段33は、ユーザがアプリケーション31を利用して生成した送信データを、通常回線通信手段32又はレギュラーノード制御手段35に出力する。なお、APLプロキシ手段33が、請求項に記載のアプリケーションプロキシ手段に相当し、その具体例を後記する。
端末バッファ34は、受信データ及び送信データを格納するRAM、HDD等の記憶手段である。ここで、端末バッファ34は、受信データ及び送信データをメッセージとして格納する。
レギュラーノード制御手段35は、レギュラーノードNの無線通信可能範囲内のリレーRへ端末バッファ34に格納した送信データを送信すると共に、リレーRからレギュラーノードNを宛先とする受信データを受信するものである。このとき、レギュラーノード制御手段35は、このレギュラーノードNを宛先とする受信データを要求する受信要求メッセージを生成してリレーRに送信する。
また、レギュラーノード制御手段35は、ベースノードBNを宛先とし、レギュラーノードNが受信データを受信したことを示すノード受信メッセージを生成してリレーRに送信する。このノード受信メッセージは、レギュラーノードNのEIDとレギュラーノードNが受信したメッセージIDとを含む。つまり、レギュラーノード制御手段35は、レギュラーノードNが移動仮想セグメント2のクライアントとして動作するために必要な機能を提供する。
また、レギュラーノード制御手段35は、リレーRと通信可能な無線インタフェースを有すると共に、この無線インタフェースのリンクアップを監視している。ここで、レギュラーノードNには、レギュラーノードNとリレーRとの無線リンク確立のために必要となるSSID及びWEP等のセキュリティー情報が予め登録されている。
また、レギュラーノード制御手段35は、ベースノードBNのリレー管理手段23と同様に、平均待ち時間と予め設定した時間とを加算したタイマを算出し、端末バッファ34に格納する。そして、レギュラーノード制御手段35は、タイマが基準値を経過したときに、送信データをリレーRに再送信する。なお、レギュラーノード制御手段35が請求項に記載の無線端末制御手段に相当する。
タイマ更新手段36は、ベースノードBNのタイマ更新手段24と同様に、レギュラーノード制御手段35が算出して端末バッファ34に格納したタイマを、監視時間毎に更新するものである。
<レギュラーノードの動作:メッセージ送信>
以下、図13を参照して、図8のレギュラーノードがメッセージを送信する動作について、説明する(適宜図8参照)。図13は、図8のレギュラーノードがメッセージを送信する動作を示すフローチャートである。まず、レギュラーノードNは、APLプロキシ手段33によって、レギュラーノード制御手段35に送信要求を出力する(ステップS31)。
ステップS31の処理に続いて、レギュラーノードNは、レギュラーノード制御手段35によって、送信要求に含まれるメッセージを端末バッファ34に格納する(ステップS32)。このとき、レギュラーノードNは、レギュラーノード制御手段35によって、ステータスを未送信とし、タイマを設定する。
ステップS32の処理に続いて、レギュラーノードNは、レギュラーノード制御手段35によって、無線インタフェースがリンクアップしているか否かを監視する(ステップS33)。ここで、無線インタフェースがリンクアップしていない場合(ステップS33でNo)、レギュラーノードNは、レギュラーノード制御手段35によって、無線インタフェースの監視を続行する。
無線インタフェースがリンクアップした場合(ステップS33でYes)、レギュラーノードNは、レギュラーノード制御手段35によって、このレギュラーノード自身の識別子となるEIDを無線リンクが確立したリレーRに送信する(ステップS34)。
ステップS34の処理に続いて、レギュラーノードNは、レギュラーノード制御手段35によって、端末バッファ34に格納されており、ステータスが未送信又は送信となってメッセージがあれば、このメッセージをリレーRに送信し、ステータスを送信済みに更新する(ステップS35)。
<レギュラーノードの動作:メッセージ受信>
以下、図14を参照して、図8のレギュラーノードがメッセージを受信する動作について、説明する(適宜図8参照)。図14は、図8のレギュラーノードがメッセージを受信する動作を示すフローチャートである。まず、レギュラーノードNは、APLプロキシ手段33によって、レギュラーノード制御手段35に受信要求を出力する(ステップS41)。これに応じて、レギュラーノードNは、レギュラーノード制御手段35によって、リレーRに受信要求メッセージを生成して送信する。
ステップS41の処理に続いて、レギュラーノードNは、レギュラーノード制御手段35によって、リレーRからメッセージを受信したか否かを判定する(ステップS42)。ここで、リレーRからメッセージを受信していない場合(ステップS42でNo)、レギュラーノードNは、レギュラーノード制御手段35によって、リレーRからメッセージを受信するまで待ち処理を行う。
リレーRからメッセージを受信した場合(ステップS42でYes)、レギュラーノードNは、レギュラーノード制御手段35によって、受信したメッセージの種別がノード送信メッセージであるか否かを判定する(ステップS43)。
メッセージの種別がノード送信メッセージ以外の場合(ステップS43でその他)、レギュラーノードNは、レギュラーノード制御手段35によって、受信したメッセージをアプリケーション31に出力する(ステップS44)。また、レギュラーノードNは、レギュラーノード制御手段35によって、ノード受信メッセージを生成して、リレーRに送信する(ステップS45)。
一方、メッセージの種別がノード送信メッセージの場合(ステップS43でノード送信メッセージ)、レギュラーノードNは、レギュラーノード制御手段35によって、ノード送信メッセージで指定されるメッセージを端末バッファ34から削除する(ステップS46)。
<リレーの構成>
以下、図8に戻り、リレーの構成について説明する。図8に示すように、リレーRは、リレー制御手段41と、リレーバッファ42とを備える。
リレー制御手段41は、リレーRの無線通信可能範囲内に位置するレギュラーノードNからの送信データを受信してリレーバッファ42に格納すると共にリレーバッファ42に格納した受信データをレギュラーノードNに送信するものである。また、リレー制御手段41は、リレーRの無線通信可能範囲内に位置するベースノードBNから受信データを受信してリレーバッファ42に格納すると共にリレーバッファ42に格納した送信データをベースノードBNに送信する。
また、リレー制御手段41は、レギュラーノードN及びベースノードBNと通信可能な無線インタフェースを有すると共に、この無線インタフェースのリンクアップを監視している。ここで、リレーRには、レギュラーノードNとリレーRとの無線リンク確立及びベースノードBNとリレーRとの無線リンク確立のために必要となるSSID及びWEP等のセキュリティー情報が予め登録されている。
なお、リレーRは、移動体がレギュラーノードNとの無線通信可能範囲内まで意図的に移動するように制御する移動体制御手段(不図示)を備えても良い。移動体制御手段は、例えば、移動体がロボットのような自律走行機械の場合、レギュラーノードNの位置(座標)に向けて、移動するように機械を制御する。また、移動体制御手段は、移動体が自動車等の人が運転する乗り物の場合、レギュラーノードNへの経路を提示するナビゲーションシステムとしても良い。
以下、図15を参照して、図8のリレーの動作について、説明する(適宜図8参照)。図15は、図8のリレーの動作を示すフローチャートである。まず、リレーRは、リレー制御手段41によって、無線インタフェースがリンクアップしているか否かを監視する(ステップS51)。ここで、無線インタフェースがリンクアップしていない場合(ステップS51でNo)、リレーRは、リレー制御手段41によって、無線インタフェースの監視を続行する。
無線インタフェースがリンクアップした場合(ステップS51でYes)、リレーRは、リレー制御手段41によって、このリレー自身の識別子となるEIDを無線リンクが確立したレギュラーノードN又はベースノードBNに送信する(ステップS52)。
ステップS52の処理に続いて、リレーRは、リレー制御手段41によって、レギュラーノードN又はベースノードBNからメッセージを受信したか否かを判定する(ステップS53)。ここで、レギュラーノードN又はベースノードBNからメッセージを受信していない場合(ステップS53でNo)、リレーRは、リレー制御手段41によって、レギュラーノードN又はベースノードBNからメッセージを受信するまで待ち処理を行う。
ステップS53の処理に続いて、リレーRは、リレー制御手段41によって、受信したメッセージの種別を判定する(ステップS54)。メッセージの種別が通常メッセージの場合(ステップS54で通常メッセージ)、リレーRは、リレー制御手段41によって、リレーバッファ42に受信したメッセージを格納する(ステップS55)。なお、通常メッセージとは、メッセージ種別が送信データ又は受信データを示すことである。
メッセージの種別が受信要求メッセージの場合(ステップS54で受信要求)、リレーRは、リレー制御手段41によって、受信要求メッセージに含まれる送信元のEIDを抽出し、リレーバッファ42を検索して、送信元のEIDを宛先とするメッセージがリレーバッファ42に格納されているか否か判定する(ステップS56)。
メッセージがリレーバッファ42に格納されている場合(ステップS56でYes)、リレーRは、リレー制御手段41によって、このメッセージを受信要求メッセージの送信元に送信する(ステップS57)。一方、メッセージがリレーバッファ42に格納されていない場合(ステップS56でNo)、リレーRは、リレー制御手段41によって、受信要求メッセージをリレーバッファ42に格納する(ステップS58)。
メッセージの種別がリレー任命メッセージの場合(ステップS54でリレーを任命)、リレーRは、リレー制御手段41によって、リレー任命メッセージに含まれる識別情報を設定する(ステップS59)。
メッセージの種別がリレー解任メッセージの場合(ステップS54でリレーを解任)、リレーRは、リレー制御手段41によって、リレーバッファ42に格納したメッセージを削除する(ステップS60)。また、リレーRは、リレー制御手段41によって、設定した識別情報を削除し、セキュリティー情報を初期設定に戻す(ステップS61)。
<蓄積搬送通信システムのその他構成>
アクセス網4は、移動仮想網5とレギュラーノードNとを接続する通信網であり、例えば、携帯電話網である。
アプリケーションサーバ7は、レギュラーノードNからの要求に応じて処理を行う一般的なアプリケーションサーバであり、例えば、メールサーバ、ファイルサーバ、WEBサーバである。
以下、図16及び図17を参照して、本発明の実施例1として、携帯電話のメールを用いて、公園に面した道路を走る自動車からメールに添付された添付ファイルを受信する例について説明する。図16は、本発明の実施例1に係る蓄積搬送通信システムを説明する図である。また、図17は、本発明の実施例1に係る蓄積搬送通信システムの動作を示すシーケンス図である。
公園にいるユーザは、パーソナルコンピュータPCに携帯電話Cを接続し、パーソナルコンピュータPCのメーラ(不図示)を起動する。この場合、パーソナルコンピュータPCと携帯電話CとがレギュラーノードNに相当し、メーラが図8のアプリケーション31に相当する。また、パーソナルコンピュータPCがAPLプロキシ手段(不図示)を備える。さらに、公園のそばの道路を移動経路3とし、この道路のそばに1個のベースノードを配置して、この公園を含むような移動仮想セグメント2が形成されている。
まず、メーラを起動すると、レギュラーノードNのAPLプロキシ手段が、メーラに対する仮想のメールサーバとして動作し、移動仮想網5のAPLプロキシサーバ14に対してメールの受信要求を送信する(1.メール要求)。なお、このメール要求には、例えば、GPS又は携帯電話キャリアから得られた位置情報を含めておく。
APLプロキシサーバ14は、ユーザが利用しているメールサーバ(アプリケーションサーバ)7のクライアントとして、インターネット6を介して、メールサーバ7にメール要求を送信する(2.メール要求)。
メールサーバ7は、インターネット6を介して、ユーザ宛のメールをAPLプロキシサーバ14に送信する(3.メール送信)。なお、メールサーバ7が、図8のアプリケーションサーバ7に相当する。
APLプロキシサーバ14は、メールサーバ7からのメールに添付ファイルが添付されている場合、この添付ファイルを削除し、後でメールを再構築するための添付ファイルのタグ情報をメールに組み込む。そして、APLプロキシサーバ14は、添付ファイルを取り除いてタグを組み込んだメール本文を、携帯電話網(アクセス網)4を介して、レギュラーノードNのAPLプロキシ手段に送信する(4.メール本文送信)。
また、APLプロキシサーバ14は、メール要求に含まれていた位置情報を位置情報管理サーバ11に送信し、位置情報管理サーバ(アドレス解決手段)11にベースノードBNのアドレスをクエリする(5.ベースノードクエリ)。
位置情報管理サーバ11は、位置情報に対応する移動仮想セグメント2を抽出し、移動仮想セグメント2を形成するベースノードBNのリストをAPLプロキシサーバ14に通知する(6.ベースノード通知)。ここで、位置情報管理サーバ11は、例えば、GPS又は携帯電話キャリアから得られた位置情報と移動仮想セグメントとの対応関係を含むマッピング情報を記憶している。
APLプロキシサーバ14は、リストに含まれるベースノードに対し、添付ファイルを含むメッセージを送信する(7.添付ファイル送信)。また、ベースノードBNは、メッセージを受信し、ベースノードBNの無線通信可能範囲内にリレーRが通過すると、前記したようにリレーに識別情報を設定させ、添付ファイルが含まれたメッセージをリレーRに送信する(8.添付ファイル送信)。
リレーRが近くを通過すると、レギュラーノードNは、無線リンクを確立し、リレーRに対して受信要求メッセージを生成して送信する。これに応じて、リレーRは、添付ファイルを含むメッセージをレギュラーノードNに送信する(9.添付ファイル送信)。そして、レギュラーノードNのAPLプロキシ手段は、先に受信したメール本文と、今受信した添付ファイルとをタグ情報を元に再び組み合わせて、メーラにメールを送信する。ここで、例えば、大きな容量の受信データ及び送信データと大きな容量より小さい容量の受信データ及び送信データとを区分けする規則とは、メールの添付ファイルを大きな容量のデータとし、メール本文を小さな容量のデータとして扱う規則のことである。
このように、本発明の第2実施形態に係る蓄積搬送通信システムでは、容量の小さい受信データ(メール本文)を、携帯電話網(アクセス網)を介して送信すると共に、容量の大きい受信ファイル(添付ファイル)を、移動仮想セグメント2を介して送信する。
なお、狭帯域の電話回線しか持たない田舎の住宅で、インターネットのWEB閲覧を行う場合にも、第2実施形態と同様の方法でこれを可能とする。この場合、この規則は、例えば、HTML(HyperText Markup Language)本文を小さな容量の受信データ及び送信データとして扱い、HTMLに含まれる(HTMLでリンクされた)静止画、動画等のコンテンツを大きな容量の受信データ及び送信データとして扱うものとなる。
従来、携帯電話やPHSでメールを受信する場合、メールに大容量の添付ファイルが添付されているため、長時間にわたって他のメールを送受信できない場合がある。このような場合、添付ファイルを受信しないように設定することで、こういった事態になることを防いでいるが、添付ファイルを受信したい場合もある。ここで、ホットスポット等のブロードバンド環境に接続すれば添付ファイルを受信できるが、ホットスポットは、場所が限定的であり、例えば、公園や普通の飲食店などでは利用できない。また、出張先のオフイスでは、ブロードバンド環境が目の前にあったとしても、自由に利用することはできない。しかし、本発明の第2実施形態に係る蓄積搬送通信システムでは、このような環境においても、添付ファイルを受信することを可能とする。
以下、図18及び図19を参照して、本発明の実施例2として、通信回線が敷設されていない場所で、一時的にネットワークを利用する例で説明する。図18は、本発明の実施例2に係る蓄積搬送通信システムを説明する図である。また、図19は、本発明の実施例2に係る蓄積搬送通信システムの動作を示すシーケンス図である。
ユーザは、別荘Hの屋内監視用に、監視カメラDと、センサSと、無線LANカード(不図示)を備えたパーソナルコンピュータPCとを別荘に持ち込んで、これらを予め設置しておく。この場合、監視カメラDとセンサSとパーソナルコンピュータPCとがレギュラーノードNに相当する。また、別荘Hのそばの道路を移動経路3とし、この道路のそばに2個のベースノードBN1,BN2を配置して、別荘Hを含むような移動仮想セグメント2aが形成されている。そして、この道路をリレーR1が移動している。
また、この別荘Hから離れた場所に、2個のベースノードBN3,BN4を配置して、移動仮想セグメント2bが形成されている。そして、この道路をリレーR2が移動している。このリレーR2は、例えば、ユーザが乗る自動車に搭載されたナビゲーションシステムであり、リレーとレギュラーノードとの機能を両方備えている。
ユーザは、リレーR2に、監視カメラの映像の確認要求を送信する。そして、リレーR2は、移動仮想セグメント2bのベースノードBN3の無線通信可能範囲内に移動したときに、識別情報が設定され、レギュラーノードとして確認要求をメッセージ(送信データ)として送信する(1.確認要求)。
ベースノードBN3は、リレーR2のEIDと移動仮想セグメント2bとの対応関係を含むマッピング情報を位置情報管理サーバ11に登録する(2.マッピング情報登録)。また、ベースノードBN3は、リレーR2より受信した確認要求に含まれる宛先となるEIDを抽出し、位置情報管理サーバ11へクエリする(3.ベースノードクエリ)。
位置情報管理サーバ11は、別荘Hに持ち込まれたレギュラーノードNが移動仮想セグメント2aに属することを、マッピング情報を検索して特定する。そして、位置情報管理サーバ11は、移動仮想セグメント2のベースノードがBN1,BN2であることをクエリの結果としてベースノードBN3へ通知する(4.ベースノード通知)。なお、このレギュラーノードNのマッピング情報の登録は、レギュラーノードNが、移動仮想セグメント2aにいる間に別途行われていたものとする。
ベースノードBN3は、バックボーンネットワーク13を介して、確認要求をメッセージとして、ベースノードBN1,BN2に送信する(5.確認要求)。ベースノードBN1の無線通信可能範囲内に別のリレーR1が移動してくると、ベースノードBN1は、このリレーR1を移動仮想セグメント2aの識別情報を設定し、確認要求をメッセージとしてリレーR1に送信する(6.確認要求)。また、リレーR1は、別荘の近くを通ると、レギュラーノードNへ確認要求をメッセージとして送信する(7.確認要求)。
レギュラーノードNは、確認要求をメッセージとして受信し、メッセージをパーソナルコンピュータPCに導入された監視アプリケーション(不図示)に通知する。監視アプリケーションは、センサSや監視カメラDを用いて別荘内の情報を収集し、この情報を含む確認応答をメッセージ(受信データ)としてリレーR1に送信する(8.確認応答)。
リレーR1は、ベースノードBN2の無線通信可能範囲内に移動すると、確認応答をメッセージとしてベースノードBN2に送信する(8.確認応答)。ベースノードBN2は、確認応答の宛先であるリレーR2のEIDで、位置情報管理サーバ11へクエリする(10.ベースノードクエリ)。
位置情報管理サーバ11は、先に登録されたマッピング情報から、リレーR2の現在位置が移動仮想セグメント2bであることを検索し、移動仮想セグメント2bのベースノードであるBN3,BN4のEIDのリストをベースノードBN2に通知する(11.ベースノード通知)。
ベースノードBN2は、確認応答をメッセージとしてベースノードBN3、BN4へ送信する(12.確認応答)。リレーR2は、確認要求を受信したベースノードBN3、移動仮想セグメント2bの出口となるベースノードBN4から、確認応答をメッセージとして受信する(13.確認応答)。また、リレーR2は、移動仮想セグメント2b内の任意の場所で停止している場合も、他のベースノードBNを介して確認応答を受信できる。
例えば、ユーザが外出した際、家の火の元の確認が気になることがある。最近では、家に敷設されたブロードバンド回線と携帯電話により家の中の様子を監視したりすることも可能になっているが、このようなことができる環境は、非常にまれである。しかし、第3実施形態では、電話回線が引かれていない別荘Hで、例えば、火元を確認することを可能とする。なお、駐車場に停車している車両の搭載機器のソフトウェア更新や、娯楽用のコンテンツを駐車中に自動ダウンロードするようなことも、第3実施形態と同様の方法でこれを可能とする。
なお、長距離無線の常設回線を有し、移動能力を持つベースノードBNを配置することで、任意の場所に、容易に移動仮想セグメント2を形成することができる。これは、特定のエリアの情報を一時的に収集したい場合、特に、有効である。
<本発明の蓄積搬送通信システムでの平均遅延時間>
以下、本発明の蓄積搬送通信システムでの平均遅延時間について説明する(適宜図2,図8参照)。例えば、図2において、リレーR1がベースノードBN1からベースノードBN2までの間を移動し、レギュラーノードN1が移動仮想網5を介して、インターネット6と通信することを想定して説明する。この場合、本発明の蓄積搬送通信システムでの平均遅延時間dは、下記式(1)で算出できる。
d=w+t・・・式(1)
ここで、平均待ち時間wは、リレーR1が移動仮想セグメント2に現れる間隔の平均で求められる。また、発生間隔f(t)は、指数分布に従うので、下記式(2)で算出できる。従って、平均待ち時間wは、1/λとなる。
f(t)=λe-λt・・・式(2)
伝播遅延時間tは、移動仮想セグメント2内のベースノードBN1からベースノードBN2までのリレーの移動時間と、ベースノードBN2からインターネット6への通信時間との和で算出できる。このとき、ベースノードBN2からインターネット6への通信時間は、リレーR1の移動時間に比べて非常に小さいため、ゼロとみなすことができる。従って、前記した式(1)は、下記式(3)で近似できる。なお、D1は、ベースノードBN1からベースノードBN2までの距離である。
d=1/λ+D1/v・・・式(3)
ここで、通信時間を、本発明の蓄積搬送通信システムで通信する場合と、従来の狭帯域の通信デバイスで通信する場合とで比較する。現状、モバイル環境で最も利用されているのは、PHSの通信カードによるデータ転送である。PHSの通信速度は、64Kbpsであるので、100Mバイトのファイル転送には、約3.5時間が必要である。
一方、本発明の蓄積搬送通信システムでは、前記した式より、リレーの平均速度v=10m/秒、λ=10ユニット/時、通信範囲200m、通信速度10Mbps、D1=5kmとして計算すると、d=860秒、1回の接触(コンタクト)でリレーRとレギュラーノードNとが通信できる帯域は、25Mバイトであるので、4回のコンタクトが必要である。従って、通信時間の合計は、3440秒、約54分となる。つまり、本発明の蓄積搬送通信システムで通信する場合と従来の狭帯域の通信デバイスとを比較すると、通信時間は、1/3以下に抑えることができる。
数km四方のエリアで、1時間に10ユニット程度のトラフィックが発生する程度の条件であれば、多くの通信環境に対して期待できる。このため、本発明の蓄積搬送通信システムでは、ブロードバンド環境のない場所でも、例えば、数百Mピクセルのデジカメの写真を実用的な時間で転送できるようになる。また、本発明の蓄積搬送通信システムでは、トラフィック量の極端に少ない環境でも、移動仮想セグメント2内にリレーを定期的に巡回させることで、数時間おきに大容量のコンテンツの配信を行うこともできる。
本発明の第1実施形態に係る蓄積搬送通信システムの概念図である。 図1の移動仮想セグメント2を詳細に説明する図である。 移動仮想セグメント2の入り口に位置するベースノードBN1の無線通信可能範囲内にリレーR1が移動してきたときの動作を説明する図である。 移動仮想セグメント2内に位置するレギュラーノードN1の無線通信可能範囲内にリレーR1が移動してきたときの動作を説明する図である。 移動仮想セグメント2の出口に位置するベースノードBN2の無線通信可能範囲内にリレーR1が移動してきたときの動作を説明する図である。 移動仮想セグメント2の出口に位置するベースノードBN2の無線通信可能範囲内にリレーR1が移動してきたときの動作を説明する図である。 ベースノードBN1の無線通信可能範囲内に他のリレーR2が移動してきたときの動作を説明する図である。 図1の蓄積搬送通信システムのブロック図である。 本発明におけるメッセージのデータ構造を示す図である。 図8のベースノードの全体動作を示すフローチャートである。 図10の受信処理の詳細を示すフローチャートである。 図8のベースノードによるタイマの更新と再送処理の詳細を示すフローチャートである。 図8のレギュラーノードがメッセージを送信する動作を示すフローチャートである。 図8のレギュラーノードがメッセージを受信する動作を示すフローチャートである。 図8のリレーの動作を示すフローチャートである。 本発明の実施例1に係る蓄積搬送通信システムを説明する図である。 本発明の実施例1に係る蓄積搬送通信システムの動作を示すシーケンス図である。 本発明の実施例2に係る蓄積搬送通信システムを説明する図である。 本発明の実施例2に係る蓄積搬送通信システムの動作を示すシーケンス図である。
符号の説明
1 蓄積搬送通信システム
3 移動経路(経路)
5 移動仮想網(仮想セグメント接続網)
11 アドレス解決手段(マッピング情報記憶手段)、位置情報管理手段
12 ルートノード
13 バックボーンネットワーク(通信回線)
14 APLプロキシ手段(アプリケーションプロキシ手段)
21 通常回線通信手段(仮想セグメント接続手段)
22 ベースノードバッファ
23 リレー管理手段
24 タイマ更新手段
25 セグメント情報通知手段
31 アプリケーション
32 通常回線通信手段(仮想セグメント接続手段)
33 APLプロキシ手段(アプリケーションプロキシ手段)
34 端末バッファ
35 レギュラーノード制御手段(無線端末制御手段)
36 タイマ更新手段
41 リレー制御手段
42 リレーバッファ
BN ベースノード
N レギュラーノード(無線通信端末)
R リレー

Claims (10)

  1. 経路上を移動する移動体に搭載されたリレーと、前記経路を含めた閉域である仮想セグメント内に配置され、前記リレーとの間で無線通信可能なベースノードと、前記ベースノードと外部のネットワークとを接続する通信回線を備える仮想セグメント接続網と、前記仮想セグメント内に配置され、前記リレーとの間で無線通信可能な無線通信端末と、を備える蓄積搬送通信システムであって、
    前記無線通信端末は、
    当該無線通信端末が所定の宛先へ送信する送信データを一時的に格納する端末バッファと、
    当該無線通信端末の無線通信可能範囲内の前記リレーへ前記端末バッファに格納した送信データを送信すると共に、当該リレーから当該無線通信端末を宛先とする受信データを受信する無線端末制御手段と、を備え、
    前記リレーは、
    当該リレーが属する前記仮想セグメント内の無線通信端末を宛先とする受信データと、当該無線通信端末が送信する送信データとを一時的に格納するリレーバッファと、
    当該リレーの無線通信可能範囲内に位置する前記無線通信端末からの前記送信データを受信して前記リレーバッファに格納すると共に前記リレーバッファに格納した受信データを当該無線通信端末に送信し、当該リレーの無線通信可能範囲内に位置する前記ベースノードから前記受信データを受信して前記リレーバッファに格納すると共に前記リレーバッファに格納した送信データを当該ベースノードに送信するリレー制御手段と、を備え、
    前記ベースノードは、
    当該ベースノードが形成する前記仮想セグメント内に位置する前記無線通信端末を宛先とする受信データと、当該無線通信端末が送信する送信データとを一時的に格納するベースノードバッファと、
    当該ベースノードの無線通信可能範囲内の前記リレーに対して当該リレーが属する仮想セグメントを示す識別情報が設定されているか否かを問い合わせ、当該リレーに前記識別情報が設定されていないときは、前記識別情報を当該リレーに設定させると共に前記ベースノードバッファに格納した受信データを当該リレーに送信し、前記リレーに前記識別情報が設定されているときは、当該リレーから前記送信データを受信して前記ベースノードバッファに格納すると共に設定された前記識別情報を当該リレーに削除させるリレー管理手段と、
    前記仮想セグメント接続網を介して、他のベースノード又は前記外部のネットワークを介して前記宛先に前記送信データを送信すると共に、前記他のベースノード又は前記外部のネットワークから前記受信データを受信する仮想セグメント接続手段と、を備えることを特徴とする蓄積搬送通信システム。
  2. 前記ベースノードは、
    前記リレー管理手段が、前記ベースノードバッファに格納した受信データ毎に、当該ベースノードが形成する仮想セグメント内に何れかの前記リレーが移動してくる平均待ち時間と予め設定した時間とを加算したタイマを算出し、当該タイマを前記ベースノードバッファに格納すると共に、更新された前記タイマが予め設定された基準値を経過したとき、前記受信データを前記リレーに再送信し、
    前記ベースノードバッファに格納したタイマを予め設定された監視時間毎に更新するタイマ更新手段、をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の蓄積搬送通信システム。
  3. 前記無線通信端末は、
    前記無線端末制御手段が、前記端末バッファに格納した送信データ毎に、当該無線通信端末が属する仮想セグメント内に何れかの前記リレーが移動してくる平均待ち時間と予め設定した時間とを加算したタイマを算出して、当該タイマを前記端末バッファに格納すると共に、更新された前記タイマが予め設定された基準値を経過したとき、前記送信データを前記リレーに再送信し、
    予め設定された監視時間毎に、前記端末バッファに格納したタイマを予め設定された監視時間毎に更新するタイマ更新手段、をさらに備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の蓄積搬送通信システム。
  4. 前記無線通信端末は、
    前記無線通信端末と前記仮想セグメント接続網とを接続するアクセス網を介して、当該仮想セグメント接続網に前記送信データを送信すると共に当該仮想セグメント接続網から前記受信データを受信する仮想セグメント接続手段と、
    大きな容量の前記受信データ及び前記送信データと当該大きな容量より小さい容量の前記受信データ及び前記送信データとを区分けする予め設定された規則に従って、前記無線端末制御手段によって前記大きな容量の受信データを受信すると共に前記大きな容量の送信データを送信し、前記仮想セグメント接続手段によって前記小さな容量の受信データを受信すると共に前記小さな容量の送信データを送信するアプリケーションプロキシ手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の蓄積搬送通信システム。
  5. 前記仮想セグメント接続網は、
    大きな容量の前記受信データ及び前記送信データと当該大きな容量より小さい容量の前記受信データ及び前記送信データとを区分けする予め設定された規則に従って、前記無線通信端末と前記仮想セグメント接続網とを接続するアクセス網を介して前記無線通信端末に前記小さな容量の受信データを送信すると共に前記無線通信端末から前記小さな容量の送信データを受信し、前記ベースノードに前記大きな容量の受信データを送信すると共に前記ベースノードから前記大きな容量の送信データを受信するアプリケーションプロキシ手段、をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載の蓄積搬送通信システム。
  6. 前記仮想セグメント接続網は、
    前記無線通信端末と前記ベースノードと前記仮想セグメントとの対応関係を含むマッピング情報を記憶するマッピング情報記憶手段と、
    前記マッピング情報記憶手段が記憶するマッピング情報を参照して、前記受信データの宛先となる前記無線通信端末が属する前記仮想セグメントを形成する前記ベースノードに、送信に失敗した前記受信データを再送信するルートノードと、をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一項に記載の蓄積搬送通信システム。
  7. 経路上を移動する移動体に搭載されたリレーと、前記経路を含めた閉領である仮想セグメント内に配置され、前記リレーとの間で無線通信可能なベースノードと、前記ベースノードと外部のネットワークとを接続する通信回線を備える仮想セグメント接続網と、前記仮想セグメント内に配置され、前記リレーとの間で無線通信可能な無線通信端末と、を備える蓄積搬送通信システムに用いる無線通信端末であって、
    当該無線通信端末が送信する送信データを一時的に格納する端末バッファと、
    当該無線通信端末の無線通信可能範囲内の前記リレーへ前記端末バッファに格納した送信データを送信すると共に、当該リレーから当該無線通信端末を宛先とする受信データを受信する無線端末制御手段と、を備えることを特徴とする無線通信端末。
  8. 経路上を移動する移動体に搭載されたリレーと、前記経路を含めた閉域である仮想セグメント内に配置され、前記リレーとの間で無線通信可能なベースノードと、前記ベースノードと外部のネットワークとを接続する通信回線を備える仮想セグメント接続網と、前記仮想セグメント内に配置され、前記リレーとの間で無線通信可能な無線通信端末と、を備える蓄積搬送通信システムに用いるリレーであって、
    当該リレーが属する仮想セグメント内の無線通信端末を宛先とする受信データと当該無線通信端末が送信する送信データとを一時的に格納するリレーバッファと、
    当該リレーの無線通信可能範囲内に位置する前記無線通信端末からの前記送信データを受信して前記リレーバッファに格納すると共に前記リレーバッファに格納した受信データを当該無線通信端末に送信し、当該リレーの無線通信可能範囲内に位置する前記ベースノードから前記受信データを受信して前記リレーバッファに格納すると共に前記リレーバッファに格納した送信データを当該ベースノードに送信するリレー制御手段と、を備え、
    前記リレー制御手段は、当該リレーが属する仮想セグメントを示す識別情報を設定する要求を前記ベースノードから受信したときに当該識別情報を設定すると共に、前記識別情報を削除する要求を前記ベースノードから受信したときに前記識別情報を削除することを特徴とするリレー。
  9. 経路上を移動する移動体に搭載されたリレーと、前記経路を含めた閉域である仮想セグメント内に配置され、前記リレーとの間で無線通信可能なベースノードと、前記ベースノードと外部のネットワークとを接続する通信回線を備える仮想セグメント接続網と、前記仮想セグメント内に配置され、前記リレーとの間で無線通信可能な無線通信端末と、を備える蓄積搬送通信システムに用いるベースノードであって、
    当該ベースノードが形成する前記仮想セグメント内に位置する前記無線通信端末を宛先とする受信データと、当該無線通信端末が送信する送信データとを一時的に格納するベースノードバッファと、
    当該ベースノードの無線通信可能範囲内の前記リレーに対して当該リレーが属する仮想セグメントを示す識別情報が設定されているか否かを問い合わせ、当該リレーに前記識別情報が設定されていないときは、前記識別情報を当該リレーに設定させると共に前記ベースノードバッファに格納した受信データを当該リレーに送信し、前記リレーに前記識別情報が設定されているときは、当該リレーから前記送信データを受信して前記ベースノードバッファに格納すると共に設定された前記識別情報を当該リレーに削除させるリレー管理手段と、
    前記仮想セグメント接続網を介して、他のベースノード又は前記外部のネットワークに前記送信データを送信すると共に、前記他のベースノード又は前記外部のネットワークから前記受信データを受信する仮想セグメント接続手段と、を備えることを特徴とするベースノード。
  10. 経路上を移動する移動体に搭載されたリレーと、前記経路を含めた閉域である仮想セグメント内に配置され、前記リレーとの間で無線通信可能なベースノードと、前記ベースノードと外部のネットワークとを接続する通信回線を備える仮想セグメント接続網と、前記仮想セグメント内に配置され、前記リレーとの間で無線通信可能な無線通信端末と、を備える蓄積搬送通信システムに用いる仮想セグメント接続網であって、
    大きな容量の前記受信データ及び前記送信データと、当該大きな容量より小さい容量の前記受信データ及び前記送信データとを区分けする予め設定された規則に従って、前記無線通信端末に接続するアクセス網を介して、前記無線通信端末に前記小さな容量の受信データを送信すると共に前記無線通信端末から前記小さな容量の送信データを受信するアプリケーションプロキシ手段と、
    前記無線通信端末と前記ベースノードと前記仮想セグメントとの対応関係を含むマッピング情報を記憶するマッピング情報記憶手段と、
    前記マッピング情報記憶手段が記憶するマッピング情報を参照して、前記受信データの宛先となる前記無線通信端末が属する前記仮想セグメントを形成する前記ベースノードに、送信に失敗した前記受信データを再送信するルートノードと、を備えることを特徴とする仮想セグメント接続網。
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