JP4017904B2 - 表示装置 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、画像及び文字を表示する平面型表示装置の取り付け構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、平面型の画像や文字の表示装置としては、液晶の偏光作用を用いたもの、エレクトロルミネッセンスを用いたもの、プラズマ発光を用いたもの、微細な電子銃を画素に対応する数だけアレイ状に配置したもの、又は微細な光学的反射鏡を画素に対応する数だけアレイ状に配置したもの等が提案・商品化されている。以下、この中から液晶の偏光作用を応用した従来の表示装置を例に挙げて説明する。
【0003】
従来の一般的な液晶表示装置は、2枚の対向する基板の間に液晶材料が狭持された液晶表示パネル、当該液晶表示パネルを駆動する回路部、当該液晶表示パネルの背面に配設された照明装置及びこれらの液晶表示パネル、駆動回路、照明装置を所望の位置関係に保つための機構部品により構成されている。この表示装置の目的によっては、照明装置を持たず、外部から入射した光を利用するものもある。当該機構部分は、主に樹脂と金属を用いて形成されており、一般的には表示装置を所望の位置へ取り付ける為のマウンティングホール、ネジ穴もしくはフック等が形成されている。特に最近薄型化、狭額縁化が進み、大型の表示装置においても、小型のノートタイプで主流であったサイドマウント方式を採用するものが多くなってきている。
【0004】
意匠部分へのこの表示装置の取付手段としては、一般にネジが用いられている。表示装置が大型化すれば、取付用のネジも大きくなり、ネジの締付けトルクも当然大きくなる。この時、サイドマウント方式の表示装置においては、取付位置と液晶表示パネルが非常に近接している為、ネジの締付けの際に発生する応力が液晶表示パネルへ伝播しやすい。また、外部から衝撃が加えられた場合においても、取付位置から液晶表示パネルヘ伝播しやすい。この応力、衝撃等が液晶表示パネルに伝播された場合、液晶を狭持する2枚の基板間の間隙が設定値から局部的に変化することにより、コントラストが変化し縞状の表示不良が発生したり、この応力による偏光状態の変化により局部的に白抜けが発生するといった表示品質の劣化が発生する。
【0005】
図13は、特開平11−305209号公報に開示された表示装置の構成図を示す。図13(a)はこの表示装置の平面図、図13(b)は図13(a)におけるH−H断面図を示す。2はフロントフレーム、3はモールドフレーム、11は切り欠き部、16はネジ、17はキャビネットである。この表示装置では、図13(b)に示すようにサイドマウント方式で薄板のフロントフレーム2にネジ加工(バーリング加工)を施し、さらに図13(a)に示すように、前記ネジ加工の周囲の一部分にスリット状の切欠き部11を有することにより、衝撃が加わった場合でも、衝撃および応力を吸収、緩和して液晶表示パネルヘの伝播を防止している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平11−305209号公報に開示される表示装置のように薄板のフロントフレーム2にバーリング加工を施し、その周囲の一部分にスリットを設けようとした場合、金型の寿命等を考慮すると、図13(b)に示しているように、バーリング加工した部分からフロントフレーム2の厚さ+αだけ離れた部位にしかスリットを設けることが出来ず、表示装置全体の厚みを薄くすることが出来ず、近年の薄型化に対応できないという問題が発生していた。さらに、大型の表示装置になった場合、キャビネット17等の意匠部品への取付の際に使用するネジ径が大きくなり、締付けトルクも大きくなる。ところが、バーリング近傍にスリットが存在すると、ネジ締めの際にかかる大きなトルクに対応できず、取付部が変形してしまい、十分なトルクを得られないという問題が発生していた。
【0007】
また、金属製のフロントフレーム2のバーリング加工部分にネジ締めを行なう際に、このバーリング部から削り粉が発生し、この削り粉がフロントフレーム2の内側へ混入し、表示装置の駆動回路近傍へ付着して表示不良を起こしたり、表示面内に入り込むと異物として確認されたり、様々な不良を引き起こす原因となっていた。
【0008】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、信頼性に優れるとともに、薄型化を実現できる表示装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の形態にかかる表示装置は、表示パネルと、前記表示パネルの表示面の周辺部分を覆うように形成された面及びマウンティングホールが形成された側面を有し、前記側面の前記マウンティングホールが形成された位置よりも、前記表示面側の近傍において内側に突出する凸部を設けたフロントフレームと、前記表示パネルが設置された積載面及び前記マウンティングホールに対応する嵌合部(例えば本実施の形態におけるナット10)が設けられた側面を有し、前記側面に前記凸部が対向配置されるモールドフレームと、前記マウンティングホールを介して前記嵌合部と嵌合するネジと、を備えたものである。このような構成により、マウンティングホールを通してネジが締め付けられたときの締め付けトルクの応力がフロントフレームに印加されても凸部の頂点部分が支点となり、てこの原理によってフロントフレームの開口部周辺が表示パネルから離れる方向に変形し表示パネルを押圧することが無いので、表示パネルのトラブルの発生を防止することができる。
【0010】
そして、本発明の第2の形態にかかる表示装置は、表示パネルと、前記表示パネルの表示面の周辺部分を覆うように形成された面及びマウンティングホールが形成された側面を有するフロントフレームと、前記表示パネルが設置された積載面及び前記マウンティングホールに対応する嵌合部(例えば本実施の形態におけるナット10)が設けられた側面を有し、前記嵌合部が形成された位置よりも前記表示面側の近傍において外側に突出する凸部を前記側面に設けたモールドフレームと、前記マウンティングホールを介して前記嵌合部と嵌合するネジと、を備えたものである。このような構成により、ネジが締め付けられたときの締め付けトルクの応力がモールドフレームに印加されても凸部の頂点部分が支点となり、てこの原理によってモールドフレームの開口部周辺が液晶表示パネルから離れる方向に変形し液晶表示パネルを押圧することが無いので、液晶表示パネルのトラブルの発生を防止することができる。
【0011】
また、上述の表示パネルは、前記マウンティングホールに対応する嵌合部が設けられた側面を有し、前記モールドフレームを保持するリアフレームをさらに備えてもよい。
【0012】
本発明の第3の形態にかかる表示装置は、表示パネルと、前記表示面の周辺部分を覆うように形成された面及びマウンティングホールが形成された側面を有するフロントフレームと、前記表示パネルが設置された積載面及び前記マウンティングホールに対応する嵌合部(例えば本実施の形態におけるナット10)が設けられた側面を有し、前記積載面の前記嵌合部近傍に前記表示パネルとの間に空隙を形成する段差部を有するモールドフレームと、前記マウンティングホールを介して前記嵌合部と嵌合するネジと、を備えたものである。このような構成により、段差部によって空隙が設けられているので、応力の伝播を防止することが可能である。
【0013】
また、上述の表示パネルは、画像の表示を行う液晶表示パネルであってもよい。このような構成により、様々な液晶表示装置において実現することが可能である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる表示装置を液晶表示装置に利用した例について、複数の実施の形態を用いて説明する。
【0022】
実施の形態1.
図1は、表示装置の分解斜視図である。1は2枚の対向する基板の間に液晶材料が狭持された液晶表示パネル、2は液晶表示パネル1を覆うように配置された第一の枠体であるフロントフレームである。フロントフレーム2は、例えばSUSを、液晶表示パネル1の周辺部分を覆うようにリング状に成形している。また、フロントフレーム2の断面は2つの平面を組み合わせたL字状であり、その1面が液晶表示パネル1を上から押さえつけるように接触している。3は表示部分の機構部品を所望の位置に固定する第二の枠体であるモールドフレームである。モールドフレーム3は、リング状に成形されており、上面が液晶表示パネル1に接触している。4は液晶表示パネル1の光源となるランプを含み、またランプの光を反射するランプリフレクタを備えたランプユニットである。5はこのランプから発せられた光を表示領域全体に伝播し、表示面全体を一様に照らす様に形成された導光板である。6は導光板5から発せられた光をより均一に効率良く表面に引き出す光学シートである。7は導光板5の裏面へ出てくる光を表面へ反射し、光の利用効率を上げる様形成された反射シートである。8はモールドフレーム3、ランプユニット4、導光板5、光学シート6、反射シート7等を保持するように設けられた第三の枠体であるリアフレームである。20及び21は液晶表示パネル1の駆動用のドライバーICである。
【0023】
図2(a)、(b)、(c)は液晶表示パネル1の駆動用回路基板が、表示装置の裏面側に配置されている場合の表示装置を示している。図2(a)はその平面図、図2(b)はこの平面図におけるA−A断面図、図2(c)はこの平面図におけるB−B断面図である。フロントフレーム2の枠の内側には、図2(b)(c)に示すように、液晶表示パネル1、光学シート6及び導光板5、回路基板18、19が重ねられ、このうち光学シート6及び導光板5は、モールドフレーム3の枠の内側に嵌め込まれている。
【0024】
図3(a)、(b)、(c)は、液晶表示パネル1の駆動用回路基板が液晶表示パネル1の周辺部に設置されている場合を示している。図3(a)は液晶表示パネル1の駆動用回路基板を表示装置の周辺部に配置した際の平面図、図3(b)はこの平面図におけるC−C断面図、図3(c)はこの平面図におけるD−D断面図である。フロントフレーム2の枠の内側には、図3(b)(c)に示すように、ドライバIC20、21、液晶表示パネル1、モールドフレーム3、光学シート6、導光板5、反射板7が重ねられ、このうち、回路基板18、19及びドライバIC20、21が液晶表示パネル1の周辺部に配置されている。
【0025】
図4(a)、(b)は表示装置のマウンティングホール9付近の断面図を示す。図4(a)は従来技術における表示装置のマウンティングホール9付近の断面図を示す。図4(b)は本発明にかかる表示装置のマウンティングホール9付近の断面図を示す。17は意匠部品のキャビネットである。モールドフレーム3には、図4(b)に示すように、マウンティングホール9と対応する部分にネジ16と嵌合するためのナット10が嵌め込まれている。このナット10の代わりにモールドフレーム3に凹部を設け、この凹部の側壁を雌ネジ加工することにより、ネジ16と嵌合する嵌合部を設けるようにしても良い。
【0026】
図5(a)は、フロントフレーム2の要部拡大図を示す。フロントフレーム2は、図5(a)に示すように、側面の複数の箇所に、フロントフレーム2、モールドフレーム3及びキャビネット17等を固定するネジ16の挿入孔であるマウンティングホール9が開けられ、さらにマウンティングホール9の近傍にはスリット状に開けられた切り欠き部11が設けられている。この切り欠き部11は、マウンティングホール9の、液晶表示パネル1の表示面側の近傍に設けられている。この切り欠き部11は、図5(b)、(c)に示すようなコの字型、若しくは表示面側に設けられたものであっても良い。
【0027】
次に本実施の形態1にかかる表示装置がこのような構成を有することによって生じる作用効果について説明する。まず図4(b)に示すように、ネジ16をナット10と嵌合することにより、意匠部品17、フロントフレーム2をモールドフレーム3に固定する。このとき、このネジ16を締め付けることにより発生するトルクの応力は、ナット10を介してモールドフレーム3で受ける。従って、フロントフレーム2のマウンティングホール9付近に印加されるトルクの応力の発生を抑えることができ、フロントフレーム2の変形を抑えることができる。また、このマウンティングホール9の表示面側の近傍に切り欠き部11を構成することにより空隙が設けられているので、マウンティングホール9付近にトルクの応力が印加されても表示面側に伝播することが無い。このため、液晶表示パネル1にこの応力が伝播した際の、液晶表示パネル1の配向特性を狂わせる、又は表示品位を低下させる等のトラブルの発生を防止することが可能である。フロントフレーム2に印加する応力が抑えられることにより、従来例と比較して、図4(a)(b)に示すように、表示装置の薄型化を図ることができる。特に、図5(c)に示すように、切り欠き部11を表示面側に設けた場合には、フロントフレーム2の側面に切り欠き部11を設けるスペースを省くことができるので、さらに薄型化を促進することができる。
【0028】
以上のように、本発明にかかる表示装置によればモールドフレーム3にナット10を嵌め込みネジ16と嵌合することにより、ネジ16を締め付けることによってフロントフレーム2に印加する応力を抑えることができ、フロントフレーム2の変形及び液晶表示パネル1に発生するトラブル等を防止することが可能である。
【0029】
なお、上述の発明は、フロントフレーム2を固定するマウンティングホール9に利用されているが、例えばフロントフレーム2を面状光源にネジを用いて固定する場合等の、機構部材の固定構造の固定部分においても利用することができ、同様の効果を得ることが可能である。
【0030】
実施の形態2.
本実施の形態2における表示装置は、実施の形態1におけるものと略同様であって、特にフロントフレーム2の構造において特徴を有する。図6(a)はフロントフレーム2のマウンティングホール9付近の拡大図、図6(b)は図6(a)におけるE−E断面図を示す。フロントフレーム2は、図6(b)に示すように、マウンティングホール9の表示面側の近傍に半球形状の凸部12が設けられている。この凸部12は、フロントフレーム2の表面を内側に凹ませたものに限らずフロントフレーム2の内面に半球形状のものを設けたものであっても良い。
【0031】
次に本実施の形態2にかかる表示装置がこのような構成を有することによって生じる作用効果について説明する。まずネジ16をナット10と嵌合し締め付け、このネジ16がマウンティングホール9の内周面を摺動して内側方向に挿入されることによって、フロントフレーム2の内側方向、すなわちネジ16の軸方向にネジ16の軸力の応力がマウンティングホール9付近に発生する。すると、凸部12の頂点部分がモールドフレーム3の表面に押し付けられ、さらにこの頂点部分が支点となり、てこの原理によって凸部12より表示面側の部分に、図6(c)に示すように、外側方向の力Fが発生する。そして、フロントフレーム2のリング状の開口部の周辺が液晶表示パネル1から離れる方向へ撓む。このため、ネジ16の軸力の応力によってフロントフレーム2の開口部周辺が液晶表示パネル1を押さえ付けることが無く、液晶表示パネル1における各種のトラブルの発生を防止することが可能である。
【0032】
さらに、ネジ16をそのまま締め付けた場合には、凸部12がモールドフレーム3に押し付けられて若干潰れることにより、凸部12にモールドフレーム3を押す方向の反発力が生じる。このため、マウンティングホール9付近の部分にはネジ16をフロントフレーム2の外側に押す力が発生し、ネジ16は、確実に押さえ付けられ保持されるので、スプリングワッシャーと同じ効果を得ることができ、表示装置に振動、衝撃等が加えられた場合におけるネジ16が緩む等の不具合の発生を抑えることができる。
【0033】
以上のような本発明にかかる表示装置によれば、マウンティングホール9の表示面側の近傍に凸部12を設けることにより、フロントフレーム2の内側方向の軸力の応力による液晶表示パネル1を押さえ付ける力の発生及びフロントフレーム2の変形を抑えることができる。さらに、そのままネジ16を締め付けることによりネジ16が緩む等の不具合の発生を抑えることが可能である。
【0034】
実施の形態3.
本実施の形態3における表示装置は、実施の形態1若しくは2と略同様のものであって、特にモールドフレーム3の構造において特徴を有する。図7(a)、(b)、(c)はモールドフレーム3のマウンティングホール9付近の拡大図を示す。モールドフレーム3は、図7(a)に示すように、マウンティングホール9の表示面側の近傍にスリット状の切り欠き部11が設けられている。
【0035】
次に本実施の形態3にかかる表示装置がこのような構成を有することによって生じる作用効果について説明する。まずネジ16をナット10と嵌合し締め付けることにより、このナット10がネジ16と嵌合するように引っ張られることでモールドフレーム3の側面が外側方向に引っ張られる軸力の応力が発生しても、このナット10の表示面側の近傍に切り欠き部11を構成することにより空隙が設けられているので、ナット10付近に印加された軸力の応力が切り欠き部11よりも表示面側に伝播することが無い。このため、図8に示すように、モールドフレーム3及びリアフレーム8の側面が外側方向に傾くことによってモールドフレーム3の開口部周辺にθ回転の力が加わり、液晶表示パネル1を持ち上げてフロントフレーム2の開口部周辺に押し付ける等のトラブルの発生も無く、これにより液晶表示パネル1の各種のトラブルの発生を防止することが可能である。この切り欠き部11は、図7(b)、(c)に示すようなコの字型又は液晶表示パネル1の積載面側に設けられたものであっても良い。
【0036】
以上のような本実施の形態3にかかる表示装置によれば、ナット10の表示面側の近傍に切り欠き部11を設けることにより、ネジ16の軸力の応力によって液晶表示パネル1をフロントフレーム2の開口部周辺に押さえ付けることを防止し各種のトラブルの発生を抑えることができる。
【0037】
実施の形態4.
本実施の形態4における表示装置は、実施の形態1若しくは2と略同様のものであって、特にモールドフレーム3の構造において特徴を有する。図9(a)はモールドフレーム3のマウンティングホール9付近の拡大図、図9(b)、(c)は図9(a)におけるF−F断面図を示す。モールドフレーム3は、図9(b)に示すように、マウンティングホール9の表示面側の近傍に凸部12が設けられている。
【0038】
次に本実施の形態4にかかる表示装置がこのような構成を有することによって生じる作用効果について説明する。まずネジ16をナット10と嵌合し締め付けると、このナット10がネジ16と嵌合するように引っ張られることでモールドフレーム3の側面に外側方向に引っ張られる軸力の応力が発生する。凸部12の頂点部分は、この応力によってフロントフレーム2若しくはリアフレーム8の内面に押し付けられ、さらにこの頂点部分が支点となり、てこの原理によってモールドフレーム3の凸部12より表示面側の部分に内側方向の力が発生する。そして、モールドフレーム3の開口部周辺が液晶表示パネル1から離れる方向、すなわち下方へ撓み変形する。このため、液晶表示パネル1をフロントフレーム2の開口部周辺に押さえ付けることが無く、液晶表示パネル1のトラブルの発生を防止することが可能である。凸部12は、図9(c)に示すような丸型であっても良く、様々な形状とすることも可能である。
【0039】
以上のような本発明にかかる表示装置によれば、ナット10の表示面側の近傍に凸部12を設けることにより、モールドフレーム3の側面の外側方向の軸力の応力によって液晶表示パネル1をフロントフレーム2の開口部周辺に押さえ付ける力の発生を抑えることができる。
【0040】
実施の形態5.
本実施の形態5における表示装置は、実施の形態1若しくは2と略同様のものであって、特にモールドフレーム3の構造において特徴を有する。図10(a)、(b)はモールドフレーム3のマウンティングホール9付近の拡大図を示す。モールドフレーム3は、図10(a)に示すように、マウンティングホール9の近傍の液晶表示パネル1の積載面に、その積載面の一部を削り取ることにより形成された段差部14が設けられている。
【0041】
次に本実施の形態5にかかる表示装置がこのような構成を有することにより生じる作用効果について説明する。まずネジ16をナット10と嵌合し締め付けることにより、このナット10がネジ16と嵌合するように引っ張られる。すると、モールドフレーム3の側面には、外側方向に引っ張られる軸力の応力が発生する。そして、例えばナット10の周辺がθ回転の回転変形等をしても、このナット10近傍の液晶表示パネル1の積載面に段差部14を構成することにより空隙が設けられているので、ナット10付近に印加された軸力の応力が積載面に設置された液晶表示パネル1に伝播することが無い。このため、モールドフレーム3及びリアフレーム8の側面が外側方向に傾くことによってモールドフレーム3の開口部周辺にの力が加わり、液晶表示パネル1を持ち上げてフロントフレーム2の開口部周辺に押し付ける等のトラブルの発生が無く、これにより液晶表示パネル1の各種のトラブルの発生を防止することが可能である。
【0042】
また、図11(a)、(b)に示すように、この段差部14に切り欠き部11を設けることによって、段差部14の厚さが小さくなるので、回転変形により液晶表示パネル1を押し上げることがより効果的に防止され、応力の伝播を防止することが可能である。
【0043】
以上のような本実施の形態5にかかる表示装置によれば、ナット10近傍の液晶表示パネル1の積載面に段差部14を設けることにより、ネジ16の軸力の応力によって液晶表示パネル1をフロントフレーム2の開口部周辺に押し付けることを防止し各種のトラブルの発生を抑えることができる。
【0044】
実施の形態6.
本実施の形態6における表示装置は、実施の形態1乃至5におけるものと略同様であって、特にリアフレーム8の構造において特徴を有する。図12(a)はリアフレーム8のマウンティングホール9付近の拡大図、図12(b)は図12(a)におけるG−G断面図を示す。リアフレーム8は、図12(b)に示すように、側面の複数の箇所に、フロントフレーム2、モールドフレーム3、リアフレーム8及びキャビネット17等を固定するためのネジ16を通すマウンティングホール9が開けられている。さらにこのマウンティングホール9の表示面側の近傍に半球形状の凸部12が設けられている。この凸部12は、リアフレーム8の表面を内側に凹ませたり、若しくはリアフレーム8の内面に半球形状のものを設けたりして形成されている。
【0045】
次に本実施の形態6にかかる表示装置がこのような構成を有することによって生じる作用効果について説明する。まずネジ16をナット10と嵌合し締め付け、このネジ16がマウンティングホール9の内周面を摺動して内側方向に挿入されることによって、リアフレーム8の内側方向、すなわちネジ16の軸方向にネジ16の軸力の応力がマウンティングホール9付近に発生する。すると、凸部12の頂点部分がフロントフレーム2の表面に押し付けられ、さらにこの頂点部分が支点となり、てこの原理によってフロントフレーム2の凸部12より表示面側の部分に、外側方向の力が発生する。そして、フロントフレーム2の開口部周辺が液晶表示パネル1から離れる方向へ撓む。このため、ネジ16の軸力の応力によってフロントフレーム2の開口部周辺が液晶表示パネル1を押さえ付けることが無く、液晶表示パネル1における各種のトラブルの発生を防止することが可能である。
【0046】
さらに、ネジ16をそのまま締め付けた場合には、実施の形態2におけるフロントフレーム2の凸部12と同様にしてスプリングワッシャーと同じ効果を得ることができ、表示装置に振動、衝撃等が加えられた場合におけるネジ16が緩む等の不具合の発生を抑えることができる。
【0047】
以上のような本発明にかかる表示装置によれば、マウンティングホール9の表示面側の近傍に凸部12を設けることにより、リアフレーム8の内側方向の軸力の応力による液晶表示パネル1を押さえ付ける力の発生及びリアフレーム8の変形を抑えることができる。さらに、そのままネジ16を締め付けることによりネジ16が緩む等の不具合の発生を抑えることが可能である。
【0048】
その他の実施の形態.
実施の形態1乃至5における表示装置では、リアフレーム8を有しない構造でも同様の効果を得ることができる。
【0049】
また、上述の複数の実施の形態における発明を組み合わせて、同時に表示装置に利用することも可能である。
【0050】
さらに、上述の実施の形態では本発明を液晶表示装置に利用した例について説明したが、液晶表示装置に限らず、例えば、エレクトロルミネッセンス、プラズマ発光を利用した表示装置や、ランプユニットと当接した液晶表示パネル、反射型の液晶表示パネル、アレイ状に配置された微細な画素及びこれらの画素に対応して配置された電子銃により構成された液晶表示パネル、アレイ状に配置された微細な光学的反射鏡により構成された液晶表示パネル又は機構部材に直接取り付けられた液晶表示パネルを備えた表示装置等、他の全ての表示装置においても利用することも可能である。
【0051】
さらに、実施の形態2、4または6において、フロントフレーム2、モールドフレーム3又はリアフレーム8に凸部12を複数設けても良い。例えば、表示面に平行な直線に沿って凸部12を複数設けることにより、フロントフレーム2やモールドフレーム3の液晶表示パネル1から離れる方向の撓みを、より確実に実現するができる。
【0052】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば信頼性に優れるとともに、薄型化を実現できる表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態1における表示装置を示す概略構成図である。
【図2】発明の実施の形態1における表示装置を示す概略構成図、A−A断面図及びB−B断面図である。
【図3】発明の実施の形態1における表示装置を示す概略構成図、C−C断面図及びD−D断面図である。
【図4】発明の実施の形態1における表示装置のマウンティングホール9付近を示す断面図である。
【図5】発明の実施の形態1における表示装置のマウンティングホール9付近を示す要部拡大図である。
【図6】発明の実施の形態2における表示装置のマウンティングホール9付近を示す要部拡大図、E−E断面図及びマウンティングホール9付近に発生する力Fを示す説明図である。
【図7】発明の実施の形態3における表示装置のマウンティングホール9付近の要部拡大図である。
【図8】発明の実施の形態3における表示装置のモールドフレーム3の変形の様子を示す断面図である。
【図9】発明の実施の形態4における表示装置のマウンティングホール9付近を示す要部拡大図及びF−F断面図である。
【図10】発明の実施の形態5における表示装置のマウンティングホール9付近を示す要部拡大図である。
【図11】発明の実施の形態5における表示装置のマウンティングホール9付近を示す要部拡大図である。
【図12】発明の実施の形態6における表示装置のマウンティングホール9付近を示す要部拡大図及びG−G断面図である。
【図13】従来の表示装置を示す概略構成図及びH−H断面図である。
【符号の説明】
1 液晶表示パネル 2 フロントフレーム 3 モールドフレーム
4 ランプユニット 5 導光板 6 光学シート 7 反射シート
8 リアフレーム 9 マウンティングホール 10 ナット
11 切り欠き部 12 凸部 14 段差部
16 ネジ 17 キャビネット 18、19 駆動用回路基板
20、21 ドライバーIC
Claims (5)
- 表示パネルと、
前記表示パネルの表示面の周辺部分を覆うように形成された面及びマウンティングホールが形成された側面を有し、前記側面の前記マウンティングホールが形成された位置よりも、前記表示面側の近傍において内側に突出する凸部を設けたフロントフレームと、
前記表示パネルが設置された積載面及び前記マウンティングホールに対応する嵌合部が設けられた側面を有し、前記側面に前記凸部が対向配置されるモールドフレームと、
前記マウンティングホールを介して前記嵌合部と嵌合するネジと、を備えた表示装置。 - 表示パネルと、
前記表示パネルの表示面の周辺部分を覆うように形成された面及びマウンティングホールが形成された側面を有するフロントフレームと、
前記表示パネルが設置された積載面及び前記マウンティングホールに対応する嵌合部が設けられた側面を有し、前記嵌合部が形成された位置よりも前記表示面側の近傍において外側に突出する凸部を前記側面に設けたモールドフレームと、
前記マウンティングホールを介して前記嵌合部と嵌合するネジと、を備えた表示装置。 - 前記マウンティングホールに対応する嵌合部が設けられた側面を有し、前記モールドフレームを保持するリアフレームをさらに備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
- 表示パネルと、
前記表示面の周辺部分を覆うように形成された面及びマウンティングホールが形成された側面を有するフロントフレームと、
前記表示パネルが設置された積載面及び前記マウンティングホールに対応する嵌合部が設けられた側面を有し、前記積載面の前記嵌合部近傍に前記表示パネルとの間に空隙を形成する段差部を有するモールドフレームと、
前記マウンティングホールを介して前記嵌合部と嵌合するネジと、を備えた表示装置。 - 前記表示パネルは画像の表示を行う液晶表示パネルであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の表示装置。
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