JP4017792B2 - 蓄力式スタータ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃エンジンのスタータ装置に係り、特に、ゼンマイにより回転力を蓄力して内燃エンジンをスタートさせる蓄力式スタータ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、内燃エンジンのスタータ装置として、ゼンマイを手動にて予め巻上げて回転力を蓄力し、この蓄力を一挙に開放して内燃エンジンを始動させる蓄力式スタータ装置がある。この種の蓄力式スタータ装置としては、リコイルロープをロープ引きハンドルにより引いてプーリを回転させ、該プーリの回転力をゼンマイに蓄え、この蓄えられた回転力を起動プーリを介して内燃エンジンのクランク軸に伝達して内燃エンジンを始動させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記構造の蓄力式スタータ装置は、前記リコイルロープを引くロープ引きハンドルを比較的大きな力で何度も引く必要があり、力の弱い使用者には容易に内燃エンジンを始動することができないという問題点があった。また、必要な回転力が蓄えられたときに、自動的に起動プーリが回転する機構を有するものは構成が複雑となり、大型となって重量が大きくなるという問題点もあり、小型作業機には適さなかった。
【0004】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、従来一般的なリコイル式スタータ装置とは異なり、リコイルロープを引くロープ引きハンドルの引きスピード、引き長さに拘らず始動操作が行え、容易にエンジンを始動することができ、蓄力の必要の無いときは蓄力機構を解除して従来のリコイル式スタータ装置と同様に使用することができる蓄力式スタータ装置を提供することにある。また、構成を簡単にできると共に軽量化できるので小型作業機に適し、作業者の手元にロープ引きハンドル及び起動リセットレバーを設ければ、内燃エンジン部を背負ったままでも始動操作が容易に行え、蓄力の必要の無いときは、負荷に対する緩衝機能を有するリコイル式スタータ装置としても使用できる蓄力式スタータ装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するべく、本発明に係る蓄力式スタータ装置は、入力側のゼンマイ香箱と出力側の起動プーリとを有するゼンマイ蓄力機構と、該ゼンマイ蓄力機構に回転力を蓄力させる手動リールと、蓄力された回転力を内燃エンジンのクランク軸に伝達する伝達機構と、をケース内に備える蓄力式スタータ装置であって、該スタータ装置は、更に、前記ケースに揺動可能に支持されたリセットレバーと、前記起動プーリの外周に形成した複数のラチェットと、を備え、前記リセットレバーは、該リセットレバーに固定されると共に前記起動プーリの前記ラチェットに係合するストッパと、前記リセットレバーの係合部と該係合部より前記リセットレバーの揺動支持側の前記ケースの固定部との間に配設された圧縮コイルのバネ部材を有する切換え機構とを備え、該切換え機構の前記バネ部材は、前記係合部が、前記リセットレバーの揺動支持部と前記固定部との延長上より前記ラチェット側のストップ位置にあるときは、前記リセットレバーを前記ラチェット側に付勢するべく作用させ、前記延長上より前記ラチェットの反対側のフリー位置にあるときは、前記リセットレバーを前記ラチェットと反対側に付勢するべく作用させるべく構成されていると共に、前記切換え機構は、前記バネ部材によって、前記ゼンマイ蓄力機構に蓄力された回転力が所定のトルクになるまで前記ラチェットに前記ストッパが係合する前記ストップ位置に前記リセットレバーを付勢し、前記所定のトルク以上になると、前記リセットレバーが前記フリー位置に移動するべく作用させることを特徴としている。
【0006】
また、本発明に係る蓄力式スタータ装置の好ましい具体的な態様としては、前記リセットレバーは、手動で前記ストッパ位置から前記フリー位置へ移動可能であることを特徴としている。
【0007】
さらに、本発明に係る蓄力式スタータ装置の好ましい具体的な他の態様としては、前記ゼンマイ蓄力機構は、入力側のゼンマイ香箱と出力側の起動プーリとの間にゼンマイを配設し、前記手動リールの外周にはロープが巻回されるロープ溝を形成し、前記ゼンマイ蓄力機構と前記手動リールは同軸的に取付けられていることを特徴としている。
【0008】
このように構成された本発明の蓄力式スタータ装置は、ロープ引きハンドルの引きスピードが遅くても、引き長さが短くても、ゼンマイ蓄力機構に回転力を効率的に蓄力することができ、回転力のトルクが十分に大きくなった状態で、クランク軸に回転力を伝達して始動させるので、極めて容易にエンジンを始動させることができる。また、ストッパは起動プーリの回転力が所定のトルクに達すると瞬時に解除されるので始動が確実となる。さらに、始動操作を容易にせしめるデコンプ装置を使用する必要もないため、生ガスの放出による環境上の問題を生じることもない。
【0009】
本発明の瞬時切換え機構は、固定部とリセットレバーとの間に配設されたバネ部材を有するので、構成が簡単で動作も確実である。ゼンマイ蓄力機構及び手動リールを同軸的に取付けることにより、構成を簡単にでき小型化を達成することができる。また、ゼンマイ蓄力機構を介さずに、通常のリコイルスタータとして使用することもでき、この場合は、ゼンマイが緩衝部材として機能し、内燃エンジンの圧縮行程による大きい負荷を和らげることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る蓄力式スタータ装置の一実施形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明に係る蓄力式スタータ装置の一実施形態の断面図、図2は、図1のII−II線に沿うストップ位置における断面図、図3は、図1のIII−III線に沿うフリー位置における断面図、図4は、図1のIV−IV線に沿うケース及びロープを省略した断面図、図5は、瞬時切換え機構の動作説明図であり、(a)はストップ位置、(b)はフリー位置を示す。図1〜3において、本発明に係る蓄力式スタータ装置10は、小型空冷2サイクルガソリンエンジン等の内燃エンジン1のクランク軸2の一端部2aに近接して配置される。前記蓄力式スタータ装置10は、前記内燃エンジン1の一側部に取付け可能なケース11を有し、該ケース11は二部材より構成され、一方のカップ状ケース部材11aの底部中央に、固定軸12の一端12aがナット13によりねじ止めされている。
【0011】
ゼンマイ蓄力機構15は、ゼンマイ香箱16と起動プーリ17との間に配設されたゼンマイ18を有し、前記ゼンマイ香箱16と前記起動プーリ17とは同軸的に位置し、相対的に回転可能に構成され、詳細は図示しないが、従来周知の態様で前記ゼンマイ18の外端は前記ゼンマイ香箱16に係止され、前記ゼンマイ18の内端は前記起動プーリ17に係止され、両者の相対回転により前記ゼンマイ18に回転力が蓄力されるよう構成されている。
【0012】
前記ゼンマイ蓄力機構15の前記ゼンマイ香箱16は、中心に円筒部16aが形成され、該円筒部16aの内周と前記固定軸12の外周との間にワンウェイクラッチ19が配設され、前記ゼンマイ香箱16は、前記固定軸12の回りに一方向にのみ回転可能に支持される。前記起動プーリ17は、中心に円筒部17aが形成され、該円筒部17aは、前記固定軸12に遊嵌し、前記固定軸12の他端12b側から保持用ボルト14がねじ込まれて、前記起動プーリ17は前記固定軸12上で回転可能に支持されている。
【0013】
前記カップ状ケース部材11aと前記ゼンマイ香箱16との間には、ロープリール20が配設されており、該ロープリール20は、前記ゼンマイ香箱16の前記円筒部16aの外周に回転可能に支持されている。前記ロープリール20は手動にて回転される手動リールであり、外周にはロープ21が巻回される溝部20aが形成されている。前記ロープ21は、従来周知の構成のリコイル式スタータ装置におけるものと同様に、一端が前記溝部20aの底部に係止され、前記カップ状ケース部材11aから外部へ引き出された他端にはロープ引きハンドル22が取着されている。また、前記ロープリール20と前記カップ状ケース部材11aとの間には、外端が前記ロープリール20に係止され、内端が前記カップ状ケース部材11aの中心部に係止されたリコイル用ゼンマイ23が配設され、前記ロープリール20が手動にて回転されたあと、元位置に復帰させて前記ロープ21を自動的に巻き取る様にされている。
【0014】
前記ロープリール20と前記ゼンマイ香箱16との連動機構について、図1、4を参照して説明する。前記ロープリール20の内周には六つの係止突部24が突設されている。前記ゼンマイ香箱16の前記ロープリール20との対向面側には枢支軸16bが一体的に突設され、該枢支軸16bには連動爪25が回転可能に支持されており、外方に向けて押圧する押圧バネ26により、前記係止突部24に弾接している。このため、前記ロープリール20が一方向(図4においては時計方向)Rに回転すると、前記ゼンマイ香箱16も連動して同方向Rへ回転し、前記ロープリール20が前記リコイル用ゼンマイ23により他方向(図4においては反時計方向)Lに回転すると、前記連動爪25が反時計方向に揺動して空転する構成となっている。
【0015】
前記起動プーリ17の中心部には、前記内燃エンジン1の前記クランク軸2との伝達機構30の一方を構成する二つの伝達係合突部31が形成されている。該二つの伝達係合突部31は、円周部32により連結されている。そして、前記内燃エンジン1側には、前記クランク軸2の前記一端部2aに連動プーリ35が固着され、該連動プーリ35には、前記伝達機構30の他方を構成する四つの始動爪36が揺動可能に支持されている。該各始動爪36は、通常は図示していないバネにより内方に向けて付勢され、前記伝達係合突部31に係合しているが、前記内燃エンジン1が始動されると、前記連動プーリ35の回転による遠心力で外方に揺動して、前記係合が解除されるよう構成されている。
【0016】
なお、前記始動爪36は、最低限一つあれば良いものであるが、作動時に生じる衝撃を適宜分散せしめるとともに、蓄力の伝達をより確実にせしめるため、本実施態様においては、四つ備えている。
【0017】
前記起動プーリ17の外周には八つのラチェット37が形成され、前記ゼンマイ蓄力機構15に蓄積された回転力が所定のトルク値となるまで保持するストッパ38が係合し、該ストッパ38は、前記ケース11に揺動可能に支持されたリセットレバー39に固着されている。前記ラチェット37は、中心に向かう直角の係合面37aと傾斜面37bとから構成され、前記係合面37aに前記ストッパ38が係合して、前記起動プーリ17の回転を阻止する。
【0018】
前記リセットレバー39は前記ケース11に揺動可能に支持され、ストップ位置Sとフリー位置Fとの間をオーバーデッドセンター式の瞬時切換え機構40により移動可能である。該瞬時切換え機構40は、前記カップ状ケース部材11aから延出された固定片41の固定部42と、前記リセットレバー39との間に配設されたバネ部材である圧縮コイルバネ43と、から構成されている。すなわち、前記固定片41には面取りされた孔あるいは凹球面が形成された孔等の前記固定部42が形成され、前記リセットレバー39に固定された軸部44には調整軸45が螺合され、該調整軸45の上端部には面取りされた穴部あるいは凹球面が形成された係合部46を設けている。そして、前記固定部42と前記係合部46との間に、両端に半球状頭部を有するピン47をそれぞれ挿入した前記圧縮コイルバネ43が圧縮配置されている。前記固定片41の前記固定部42は、図5に示されるように、前記リセットレバー39の揺動範囲の中央より僅かにストップ位置S側に位置するように設定されている。
【0019】
このため、前記リセットレバー39は、前記ストップ位置S及びフリー位置Fに位置するときには、前記圧縮コイルバネ43は僅かに伸張し、揺動範囲の中間に位置するときは僅かに圧縮された状態となり、中間範囲を瞬時に通り過ぎて前記ストップ位置S及びフリー位置Fに到達するものである。前記リセットレバー39は、下端が前記ケース11外に突出しており、この下端部39aを手動にて操作して、前記ストップ位置S及びフリー位置Fに切換えることができる。なお、前記調整軸45を適数回回転させることにより、前記圧縮コイルバネ43の押圧力を調整することができる。
【0020】
前記リセットレバー39が前記ストップ位置Sに位置するとき、前記圧縮コイルバネ43は、前記固定部42と前記リセットレバー39の前記係合部46を押圧しているため、その分力として前記ストッパ38には前記起動プーリ17方向の押圧力f1(図2参照)が作用する。この押圧力f1が前記ゼンマイ18の蓄力による前記起動プーリ17の回転を阻止している。従って、前記ロープ21の反復引き出しにともなって、前記ゼンマイ18への蓄力にともなって、前記起動プーリ17の回転力f2が大きくなり、前記ストッパ38の前記押圧力f1を上回ると、前記リセットレバー39を徐々に揺動させ、中間点を通過すると前記フリー位置Fに瞬時に揺動させて前記ストッパ38を自動解除し、前記起動プーリ17が前記ゼンマイ18への蓄力度に応じた速度で回転する。
【0021】
前記リセットレバー39は、前記蓄力式スタータ装置10の中心に対して前記ロープ引きハンドル22と同じ側の一側部(図2、3において右側部)に位置しており、例えば、使用者がこの内燃エンジン1を使用した小型作業機を背負ったときに、機体の同じ側に前記リセットレバー39とロープ引きハンドル22が位置しているため、エンジン始動操作が片手で容易に行えるので好適である。
【0022】
前記の如く構成された本実施形態の動作について以下に説明する。前記内燃エンジン1を始動するときは、前記ロープ引きハンドル22を引いて前記ロープリール20を回転させる。該ロープリール20の回転は、前記係止突部24に弾接する前記連動爪25を介して伝達され、前記ゼンマイ香箱16が同期して回転する。前記ロープ引きハンドル22の引張力を緩めると、前記ロープリール20は前記リコイル用ゼンマイ23の蓄力により逆転して元位置に復帰するが、前記ゼンマイ香箱16は前記ワンウェイクラッチ19により逆転は阻止され、前記ゼンマイ18に回転力が蓄力される。
【0023】
前記ロープ引きハンドル22の引きスピードが遅くても、引き長さが短くても、前記ゼンマイ蓄力機構15にはそれに相当する回転力を蓄力することができ、引き長さが短かい場合は引き回数を増やすことにより、所定のトルク値迄の回転力を蓄力することができる。前記ロープ引きハンドル22を複数回引き、蓄力された回転力が所定のトルク値に達すると、前記起動プーリ17のラチェット37の前記ストッパ38を押圧する押圧力f2が大きくなり、前記リセットレバー39を徐々に反時計方向に揺動させ、前記圧縮コイルバネ43を圧縮する。
【0024】
押圧力f2がさらに大きくなると、前記リセットレバー39をさらに揺動させ、前記リセットレバー39の前記係合部46が前記固定部42の延長上を通過すると、前記圧縮コイルバネ43の押圧力により、前記リセットレバー39は瞬時に前記フリー位置Fに切換わり、前記圧縮コイルバネ43は圧縮状態から僅かに伸張する。このように、前記瞬時切換え機構40により、前記リセットレバー39は前記ストップ位置Sからフリー位置Fに瞬時に自動的に切換えられる。
【0025】
前記リセットレバー39が前記フリー位置Fに切換わると、前記ゼンマイ蓄力機構15に蓄力された回転力が一気に解放され、前記起動プーリ17の前記係合突部31に係合している前記四つの始動爪36により、前記連動プーリ35が一気に回転される。このため、前記クランク軸2が大きなトルクで一気に回転され、前記内燃エンジン1を容易に始動させることができる。該内燃エンジン1が始動すると前記四つの始動爪36が遠心力により外方へ揺動し、前記起動プーリ17の前記係合突部31との係合が外れ、前記起動プーリ17と前記連動プーリ35との連係が解除された状態で前記内燃エンジン1は継続して回転する。このように、所定のトルク値に保持された回転力が、一気に前記起動プーリ17から前記連動プーリ35に伝達されるため、前記内燃エンジン1の始動を容易に、しかも確実に行うことができる。
【0026】
前記リセットレバー39を手動により前記フリー位置Fに切換えると、前記リセットレバー39は、前記瞬時切換え機構40により前記ストップ位置Sとフリー位置Fとの間を瞬時に切換わる。この状態で前記ロープ引きハンドル22を引くと、前記ロープリール20の回転は、前記連動爪25を介して前記ゼンマイ香箱16に伝達されて前記ゼンマイ18を巻上げ、前記ゼンマイ香箱16は、前記ワンウェイクラッチ19により逆転を防止される。前記ゼンマイ18の内端が係止された前記起動プーリ17には、前記ゼンマイ18の蓄力による回転力が加わるが、前記連動プーリ35の前記始動爪36が、前記起動プーリ17の前記伝達係合部31に係合しているため、前記連動プーリ35の回転は、前記内燃エンジン1の圧縮行程における負荷の大きい位置で阻止され、蓄力状態となる。
【0027】
さらに、前記ロープ引きハンドル22を引くと、同様にして前記ロープリール20の回転は、前記連動爪25を介して前記ゼンマイ香箱16に伝達されて前記ゼンマイ18を巻上げ、前記ゼンマイ18の蓄力トルク値が徐々に大きくなり、このトルクがエンジンの負荷を超えると、前記伝達機構30の前記係合突部31と前記始動爪36を介して、前記ゼンマイ18の回転力が前記連動プーリ35に伝達され、前記クランク軸2が回転されて前記内燃エンジン1が始動する。従来のリコイル式スタータ装置の如く、リコイルロープにより直接内燃エンジンを始動させる場合は、内燃エンジン側からの負荷を直接ロープ引きハンドルで受けることになり、手に直接負荷が加わるが、このように前記ロープ引きハンドル22の引きを、前記ゼンマイ18を介して前記起動プーリ17に伝え、前記伝達機構30により前記連動プーリ35に伝達させることにより、内燃エンジン側からの負荷を前記ゼンマイ18により軽減させることができ、負荷に対する緩衝機能を持たせることができる。
【0028】
なお、前記した実施形態は、瞬時切換え機構のバネ部材として圧縮コイルバネを用いた例を示したが、引張りコイルバネを用いて中間点を瞬時に通過するように構成してもよいことは勿論である。また、手動リールとして、リコイル式ロープリールの例を示したが、クランクや他の手段により手動で回転させるリールを採用することもできる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、前記実施形態に限定されるものでなく、特許請求の範囲に記載された発明の精神を逸脱しない範囲で、設計において、種々の変更ができるものである。
【0029】
【発明の効果】
以上の説明から理解できるように、本発明の蓄力式スタータ装置は、力の弱い使用者でも内燃エンジンの始動が極めて容易に行うことができる。ストッパの解除はリセットレバーにより瞬時に行われるため、ゼンマイ蓄力機構に蓄力された回転力が一気にクランク軸に伝達され、始動を確実に行うことができる。また、構成を簡単にでき、小型化、軽量化を達成することができる。蓄力が不要のときは、リセットレバーをフリー位置にしロープ引きハンドルを引くと、内燃エンジンの負荷を緩衝させて始動することができる。さらに、デコンプ装置を装備する必要性をなくし、環境上の問題も生じないようにできるという効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る蓄力式スタータ装置の一実施形態の断面図。
【図2】図1のII−II線に沿うストップ位置における断面図。
【図3】図1のIII−III線に沿うフリー位置における断面図。
【図4】図1のIV−IV線に沿うケース及びロープを省略した断面図。
【図5】瞬時切換え機構の動作説明図であり、(a)はストップ位置、(b)はフリー位置を示す。
【符号の説明】
1 内燃エンジン
2 クランク軸
10 蓄力式スタータ装置
15 ゼンマイ蓄力機構
16 ゼンマイ香箱
17 起動プーリ
18 ゼンマイ
20 ロープリール(手動リール)
20a ロープ溝
21 ロープ
38 ストッパ
39 リセットレバー
40 瞬時切換え機構
42 固定部
43 圧縮コイルバネ(バネ部材)
S ストップ位置
F フリー位置
Claims (3)
- 入力側のゼンマイ香箱(16)と出力側の起動プーリ(17)とを有するゼンマイ蓄力機構(15)と、該ゼンマイ蓄力機構(15)に回転力を蓄力させる手動リール(20)と、蓄力された回転力を内燃エンジン(1)のクランク軸(2)に伝達する伝達機構(30)と、をケース(11)内に備える蓄力式スタータ装置であって、
該スタータ装置は、更に、前記ケース(11)に揺動可能に支持されたリセットレバー(39)と、前記起動プーリ(17)の外周に形成した複数のラチェット(37、37、・・・)と、を備え、
前記リセットレバー(39)は、該リセットレバー(39)に固定されると共に前記起動プーリ(17)の前記ラチェット(37、37、・・・)に係合するストッパ(38)と、前記リセットレバー(39)の係合部(46)と該係合部(46)より前記リセットレバー(39)の揺動支持側の前記ケース(11)の固定部(42)との間に配設された圧縮コイルのバネ部材(43)を有する切換え機構(40)とを備え、
該切換え機構(40)の前記バネ部材(43)は、前記係合部(46)が、前記リセットレバー(39)の揺動支持部と前記固定部(42)との延長上より前記ラチェット(37、37、・・・)側のストップ位置(S)にあるときは、前記リセットレバー(39)を前記ラチェット(37、37、・・・)側に付勢するべく作用させ、前記延長上より前記ラチェット(37、37、・・・)の反対側のフリー位置(F)にあるときは、前記リセットレバー(39)を前記ラチェット(37、37、・・・)と反対側に付勢するべく作用させるべく構成されていると共に、
前記切換え機構(40)は、前記バネ部材(43)によって、前記ゼンマイ蓄力機構(15)に蓄力された回転力が所定のトルクになるまで前記ラチェット(37、37、・・・)に前記ストッパ(38)が係合する前記ストップ位置(S)に前記リセットレバー(39)を付勢し、前記所定のトルク以上になると、前記リセットレバー(39)が前記フリー位置(F)に移動するべく作用させることを特徴とする蓄力式スタータ装置。 - 前記リセットレバー(39)は、手動で前記ストップ位置(S)から前記フリー位置(F)へ移動可能であることを特徴とする請求項1に記載の蓄力式スタータ装置。
- 前記ゼンマイ蓄力機構(15)は、入力側のゼンマイ香箱(16)と出力側の起動プーリ(17)との間にゼンマイ(18)を配設し、前記手動リール(20)の外周にはロープ(21)が巻回されるロープ溝(20a)を形成し、前記ゼンマイ蓄力機構(15)と前記手動リール(20)は同軸的に取付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の蓄力式スタータ装置。
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