JP4017556B2 - 炭化装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば木片や竹片等の植物質原料を酸素不足状態で自発燃焼させて炭化するための炭化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、木炭を始めとする炭は、その調湿作用、脱臭作用、マイナスイオン放出作用、有害物質吸着作用、防黴性、防ダニ性等の優れた性質が注目され、一般家庭では室内各所や床下に配置したり、炊飯器内に入れたり、飲料水や風呂水等に浸漬して用いる他、細片化ないし粉末化したものを壁材、天井材、床材の如き建築資材、襖や間仕切りの如き建具、畳等にサンドイッチ状態にしたものや、布団等の寝具類の内部に納めたものも商品化されており、更に土壌改質に用いたり、樹脂やセラミック材料等に混入する等、様々な方面に用途が拡がりつつあり、その需要はますます増大する傾向にある。
【0003】
しかるに、古典的な炭焼き釜によって製造される炭は、備長炭に代表されるように緻密で固いため、例えば脱臭剤や吸着剤あるいは土壌改質剤等の用途には不向きであり、しかも製造に時間と手間がかかって量産性に乏しい上、収益率が低く、原料的にも限定されて高コストに付き、また釜の設置場所にも大きく制約を受けるという難点があった。
【0004】
そこで、本発明者は先に、炭化装置として、上端開口部を開閉蓋付きの出し入れ口とする炉本体の内部に、下部に熱気導入孔を備えた炭化用加熱筒が炉本体の底部中心部から前記上端開口部の近傍まで立設され、且つ該上端開口部近傍から炉本体を横切って延びる横切り筒が炉本体の側壁を貫通して外部に排気筒として配管され、炉本体の底部には空気取入れ口が設けられたものを提案している(特許文献1)。
【0005】
この炭化装置によれば、炉本体内に装填された炭化用材料に底部側から着火して酸素不足状態で自発燃焼させるが、この自発燃焼に伴う燃焼ガスの吸入によって炭化用加熱筒が赤熱状態になり、炭化用材料は下方から上昇してくる熱気と赤熱した炭化用加熱筒から周囲へ放射される熱気とで加熱されて熱分解し、更に自燃温度に達して自発燃焼し、この自発燃焼・熱分解の領域の拡大に伴う燃焼ガスの増加が炭化用加熱筒を更に高温化して熱放射を増大させる相乗効果を生み、もって熱分解反応の進行と自発燃焼領域の拡大が速められ、装填された炭化用材料の全量が短時間で炭化することになる。
【0006】
しかして、このような炭化装置は、炭化用材料として様々な原料を利用できる上、脱臭性能や吸着性能に優れて粉砕容易な柔らかな消し炭状態の炭化物を短時間で量産でき、しかも構造的に簡単で設置場所に制約を受けないという多くの利点を有することから、既に実用に供されて好評を博している。
【0007】
【特許文献】
特開2003−119468
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の炭化装置においても、熱効率や操作性等の面で多分に改良の余地を残しており、炭製造コストの低減と作業性の改善のために更に短時間で能率よく炭化を行うことが求められている。例えば、該炭化装置では、炭化用加熱筒から外部への排気路を炉本体の上方へ直接には導出せず、横切り筒を介して外部の排気路に接続することにより、高温の燃焼ガスの炉本体内における排出経路を長くして熱損失を抑え、もって該加熱筒の蓄熱による赤熱化を促すようにしているが、まだ排気路から炉外へ持ち出される熱量が大きく、それだけ炉内温度の上昇が遅れて炭化に時間を要する上、炉本体内への炭化用材料の装填と得られた炭化物の取り出しに際し、出し入れ口近傍に半径方向に配設された横切り筒が邪魔になって作業しにくいといった難点があった。
【0009】
本発明は、上述の情況に鑑み、上記提案に係る炭化装置に簡単で且つ効果的な改良を加えることにより、非常に高い熱効率によって炭化時間をより短縮し、もって炭製造コストの更なる低減を可能とし、しかも炭化用材料の装填と得られた炭化物の取り出しにおける作業性を大きく改善し、また装置構成の簡素化による設備コストの低減をも図ることを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る炭化装置は、図面の参照符号を付して示せば、内底部に複数の空気導入孔13a…を有する略密閉式の炉本体10と、この炉本体10の上部に設けられた材料出入口1aを開閉する蓋板4と、該炉本体10内に立設されて上端が炉本体10天井部近傍に達する加熱排気筒2と、前記空気導入孔13a…への空気を供給する空気取入れ口17aと、該空気取入れ口17aに対する空気供給量調整手段(流量調整弁56)とを有する炭化炉1を備え、前記加熱排気筒2は、下部に炉内空間10aに連通する排気導入孔24…を備えて上部が閉塞した外筒22と、この外筒22内に同心状に配置した内筒23とからなる二重筒をなし、前記内筒23は、上端が前記外筒22内の頂部近傍で開口すると共に、下端が炉外への排気路3に連通しており、前記炉本体10の底部側を着火部(エルボ管16)として、該炉本体10内に装填された炭化用材料T…を酸素不足状態で自発燃焼させて炭化するように構成されてなる。
【0011】
請求項2の発明は、上記請求項1の炭化装置において、炉本体10の底部に、前記複数の空気導入孔13a…を設けた内底板13と、該内底板13の下位に配置した外底板14との間で構成される着火室15を備え、この着火室15に前記空気取入れ口17a及び着火用熱源導入口15aが設けられてなる構成としている。また、請求項3の発明は、この請求項2の炭化装置において、炉本体10内の底部側周面に底板受け部11cを有し、該底板受け部11c上に前記内底板13が外周部を非固定状態に載置してなるものとしている。
【0012】
請求項4の発明は、上記請求項1〜3のいずれかの炭化装置において、前記炭化炉1から排出される燃焼排ガスを再燃焼させるガス再燃焼炉5を有してなる構成としている。また、請求項5の発明は、この請求項4の炭化装置において、前記炭化炉1の空気取入れ口17aへ供給する導入外気を前記ガス再燃焼炉5から排出される高温排ガスとの熱交換によって昇温させる熱交換部(熱交換ジャケット53)を備えてなるものとしている。
【0013】
請求項6の発明は、上記請求項1〜5のいずれかの炭化装置において、炉本体10の周壁部11が二重壁をなし、その内外壁(内外金属板11a,11b)間に無機繊維からなる断熱材9aが装填されると共に、該炉本体10の内周面に無機繊維からなる断熱材9bが金属製押さえネット12を介して張設されてなる構成としている。
【0014】
請求項7の発明は、上記請求項1〜6のいずれかの炭化装置において、炉本体10の上面側全体が前記材料出入口1aを構成し、該炉本体10の中心部に1本の前記二重筒をなす加熱排気筒2が立設される一方、中央に該加熱排気筒2を下方より挿入させる筒状部(内筒部80b)を有する横断面ドーナツ形の金属製収容籠80を備え、炭化用材料T…を該収容籠80内に収容した状態で炉本体10内に装填するように構成されてなるものとしている。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る炭化装置の一実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。図1は付属設備を含む炭化装置全体の平面図、図2は同側面図、図3は同正面図、図4は同背面を示す。これら図1〜図4において、1は炭化炉、5はガス再燃焼炉、6は木酢液抽出器、7はクーリングタワー、Cはコントロールボックスであり、これらは矩形のベースフレーム8上に設置されている。
【0016】
炭化炉1は、図5〜図8にて詳細に示すように、有底縦円筒状に形成されて上端開口部を材料出入口1aとする炉本体10と、この炉本体10内の中心部に立設された加熱排気筒2と、該加熱排気筒2に接続して炉本体10の底部から延出する排気管3と、炉本体10の材料出入口1aを封鎖する蓋板4とから構成されている。
【0017】
炉本体10は、周壁部11が内外金属板11a,11b間にガラスウールからなる断熱材9aを装填した二重壁構造をなすと共に、該周壁部11の内周面にロックウールからなる断熱材9bが金属製押さえネット12を介して張設されており、底部には共に金属製である内底板13と外底板14との間に着火室15が構成され、外底板14の右寄り部分の下面側に一端を固着して右側外部に延出するエルボ管16が設けられ、このエルボ管16が着火室15に連通する着火熱源導入口15aを形成し、また側方外部より前後方向に沿う短い空気供給管17が周壁部11を貫通して着火室15内に突入配置し、その内端開口が空気供給口17aを形成している。なお、着火熱源導入口15aは、エルボ管16の外端フランジ部16aにねじ止め具18a,18aを介して着脱する蓋板18によって開閉できるようになっている。
【0018】
そして、炉本体10の内底板13は、ドーナツ板状をなし、その全面にわたって多数の空気導入孔13aが穿設されると共に、各空気導入孔13aの上面側に閉塞防止用の山形カバー片13bが溶接固着されており、その内周部を炉本体10の中心部に配置した金属製短筒体19の上部フランジ19aにねじ止めした状態で、外周部を炉本体10の内周に設けた突片からなる底板受け部11c…上に非固定状態に載置している。また、炉本体10の外底板14は、内底板13と同様にドーナツ板状をなすが、その外周部において周壁部11に溶接固着されている。しかして、短筒体19は、その下部フランジ19bにおいて、外底板14の下面側に配置した金属製の環状受け板20と一体に、ボルト−ナット21a…を介して外底板14に固定されている。
【0019】
加熱排気筒2は、端板22aにて閉塞した上端が炉本体10の材料出入口1a近傍に達する高さを有する金属製の外筒22と、この外筒22内に同心状に配置して上端が当該外筒22の閉塞した上端近傍に開口する金属製の内筒23とからなる二重筒をなし、外筒22の炉内空間10aに臨む下部周囲に多数の排気導入孔24…が穿設されている。しかして、外筒22は、下部を短筒体19の内側に挿通し、その下端を環状受け板20上に載置した状態で、上部側において周方向に等配して外側から螺挿した複数本のねじ形ピン25…の先端を内筒23に当接させることより、該内筒23に対して同心状態を保つように設定している。一方、内筒23は、その下端に設けたフランジ部23aを、排気管3の接続フランジ部30と共に、環状受け板20の下面側に取付けボルト21b…を介して連結することにより、排気管3に連通した状態で炉本体10に一体的に固定されている。なお、外筒22と内筒23との間の環状空間2aは、内筒23のフランジ部23aと環状受け板20との連結によって炉外に対して閉鎖されている。
【0020】
排気管3は、炉本体10の下側で中心から後方へ伸びる水平管部3aと、この水平管部3aの後端より炉本体10の外周面に近接して上方へ伸びる垂直管部3bとからなるL字状に形成されており、垂直管部3bの上端部後部側に、排気処理路に接続させるフレキシブル接続管31がクランプバンド31aを介して着脱自在に連結されるようになっている。また、垂直管部3bには内部を通過する燃焼排ガスの温度を計測する温度センサーS1が付設されている。なお、この排気管3における水平管部3aの前端部、水平管部3aと垂直管部3bとの接続部、垂直管部3bの上端部には各々チーズ管32が用いられ、各チーズ管32における非接続部の分岐開口部32aをキャップ33にて閉塞することにより、炉休止中に該キャップ33を外して管内清掃を容易に行えるように設定している。
【0021】
しかして、炉本体10の左右両側には台形状の支持フレーム26a,26bが立設されており、両支持フレーム26a,26bの上端に設けた軸受27a,27bに、炉本体10のやや下部寄り位置の左右両側に突設された枢軸28,28を枢支させることにより、両支持フレーム26a,26bに炉本体10が図5の実線で示す直立姿勢と同仮想線で示す前方への転倒姿勢とに転換可能に支持されている。なお、29は軸受27b側のギヤボックス34より突出する姿勢変換用ハンドルであり、その回転操作によって該ギヤボックス34内のウォーム減速ギヤ機構(図示省略)を介して炉本体10が排気管3と一体に起倒回動する。
【0022】
また、蓋板4は、炉本体10とは別体として、金属製の表裏板41a,41b間にガラスウールからなる断熱材9aを介装した円形厚板状に形成されている。しかして、炉本体10の後方には左右一対の支柱42a,42bが立設されており、両支柱42a,42bの上部間にわたされた枢軸43に左右一対の逆へ字形の取付けアーム44,44が中間部で固設され、両取付けアーム44,44の前端に蓋板4が取り付けられると共に、両取付けアーム44,44の後端側に角柱状のバランスウエイト45が固設されている。また、右側の支柱42bの上端には枢軸43の軸受部をなすギヤボックス45が設けてあり、該ギヤボックス45より突出する蓋開閉用ハンドル46の回転操作により、該ギヤボックス45内のウォーム減速ギヤ機構(図示省略)を介して枢軸43が両取付けアーム44,44と一体に回動し、もって蓋板4が図5の実線で示す閉鎖姿勢と同仮想線で示す開放姿勢とに転換するように構成されている。
【0023】
しかして、炉本体10の材料出入口1aの周縁には一定間隔置きに複数個の締付ねじ式クランプ具35…が起倒回動自在に枢着される一方、蓋板4の外周部には各クランプ具35に対応する溝付き突片47が突設されており、該蓋板4を材料出入口1aに被せた状態で、各クランプ具35の軸部を溝付き突片47の溝部に係入し、そのねじ部を回して締め付けることにより、該蓋板4が材料出入口1aに圧着して密閉状態になるように設定されている。なお、図2,図3,図5,図6では、図面の錯綜を避けるためにクランプ具35と溝付き突片47の1組は2組のみを図示している。
【0024】
木酢液抽出器6の上部には、図1及び図2に示すように、炭化炉1からの燃焼排ガスを直接にガス再燃焼炉5へ送るための上側管路接続口36aと、同燃焼排ガスを当該木酢液抽出器6内を経由してガス再燃焼炉5へ送るための下側管路接続口36bとが設けてあり、炭化炉1の排気管3の出口は前記のフレキシブル接続管31を介して両管路接続口36a,36bの一方を選択して接続できる。そして、炭化炉1からの燃焼排ガスは、両管路接続口36a,36bのいずれに流入した場合も、木酢液抽出器6の頂部に設けた送気ファン37を介して、図1及び図4に示す送気管38よりガス再燃焼炉5内の下部へ送り込まれるようになっている。なお、送気管38の頂端には、手動開閉弁39a付きの臨時排気口39が設けられている。
【0025】
ガス再燃焼炉5は、付設の灯油バーナー50の点火によって内部を高温燃焼状態とすることにより、炭化炉1からの燃焼排ガス中に含まれる微量有機物等を完全に熱分解し、もって該排ガスを無害無臭化する機能を果たすものであり、その炉内温度を温度計51にて計測するようになっている。しかして、図4に示すように、このガス再燃焼炉5の上部より延出する排気筒52の外側には、内部に排気筒52の周囲を螺旋状に周回する通気路53aを有する熱交換ジャケット53が設けられており、該熱交換ジャケット53の下部に外部へ開口した空気入口54aを備えると共に、同上部の空気出口54bが炭化炉1への給気配管55に接続している。従って、炭化炉1の稼働中、該炭化炉1の着火室15へ供給される空気は、熱交換ジャケット53の空気入口54aより取り入れられ、該熱交換ジャケット53の通気路53aを通る過程で排気筒52を通過する高温排ガスと熱交換し、昇温した状態で給気配管55を通して空気供給口17aより当該着火室15内へ流入することになる。
【0026】
この給気配管55は、熱交換ジャケット53側から下降する垂直管路55aと、その下端よりベースフレーム8に沿って前方へ向かう水平管路55bとで構成されており、水平管路55bの前端側に流量制御弁56が介装されている。そして、この水平管路55bには、前端にはフレキシブル接続管57が連結されており、該フレキシブル接続管57の遊端側をクランプバンド57aを介して、炭化炉1の空気供給管17の外端に着脱自在に接続できるように構成され、また、図1に示すように、流量制御弁56の手前には、給気配管55内を通過する空気の温度を計測する温度センサーS2が付設されると共に、この温度センサーS2よりも上流側に、先端が手動開閉弁58a付きの補助給気口58をなす管路55cが合流接続されている。
【0027】
なお、流量制御弁56は、コントロールボックスC内の制御装置(図示省略)に予め入力した制御データに基づき、排気管3の温度センサーS1にて計測される燃焼排ガスの温度、給気配管55にて計測される供給空気の温度、処理開始からの経過時間等に対応して、該制御装置からの指令信号によって開度が自動的に調整され、もって炭化炉1内へ空気供給量を増減するように設定されている。
【0028】
木酢液抽出器6は、図9に示すように、底部61aが漏斗状の内ケーシング61と有底筒状の外ケーシング62との間で外側水冷ジャケット6aが構成されると共に、上方から内ケーシング61内の中心上下方向に沿って配置した二重管63の内筒63aと外筒63bとの間で内側水冷ジャケット6bが構成され、また該二重管63の外筒63bと内ケーシング61との間が螺旋状フィン64を設けた抽出室60となっている。この抽出室60は、上部に前記の下側管路接続口36bが連通すると共に、底部中央に外ケーシング61を貫通して下方へ突出する開閉バルブ付き液導出口60aを備え、また二重管63の内筒63aの下端が底部近傍に開口している。しかして、該二重管63の内筒63aは、排気管として上方外部へ突出し、前記の送気ファン37を介してガス再燃焼炉5への送気管38に接続しており、図9では省略しているが、その外方突出部に前記の上側管路接続口36b(図2参照)が連通している。
【0029】
また、外側水冷ジャケット6aの上端部と内側水冷ジャケット6bの上端部ととが連通管65によって連通連結されると共に、内側水冷ジャケット6bの上端部に排水管66が接続され、外側水冷ジャケット6aの下端部に開閉弁67a付き給水管67が接続されている。しかして、排水管66及び給水管67はクーリングタワー7に接続しており、該クーリングタワー7のポンプ7a(図1参照)の稼働によって冷却水を両水冷ジャケット6a,6bへ通水して循環冷却するようになっている。なお、図9において、81は上記した木酢液抽出器6を設置する台枠、82は液導出口60aから導出される木竹酢液を回収する容器、83は該容器83を載せて運搬するための台車である。
【0030】
上記構成の炭化装置にて炭化物を製造するには、まず炭化炉1の蓋板4を開放して、材料出入口1aより木材や竹材のチップ等の炭化用材料Tを投入し、図6に示すように炉本体10の炉内空間10aに装填する。しかる後、蓋板4を閉じてクランプ金具35…にて炉本体10に締付け固定した上で、図8に示すように開放した着火熱源導入口15にガスバーナーGの火炎等の着火熱源を導入する。これにより、着火熱源の燃焼ガスと熱せられた空気とが混合状態で着火室15内に充満し、更に内底板13の空気導入孔13a…より炉内空間10aへ侵入し、もって最下部の炭化用材料T…が着火し、その自発燃焼による熱分解が開始される。しかして、着火熱源導入口15aは、最下部の炭化用材料T…が自発燃焼を始めた時点で蓋板18によって閉鎖する。
【0031】
上記自発燃焼の開始に伴い、発生する高温の燃焼ガスが炭化用材料T…間の隙間を通って上昇して熱気を下から上へ伝播させると共に、該燃焼ガスの一部は排気導入口24…より加熱排気筒2の外筒22と内筒23との間の環状空間2aに吸い込まれ、この環状空間2aを上昇して当該加熱排気筒2内の頂部で内筒23内に流入し、この内筒23内を下降して排気管3へ流出する。しかして、加熱排気筒2内を通過する燃焼ガスの熱気と周囲の炭化用材料T…の自発燃焼による熱気とで、まず当該排気筒2の外筒22の下部が内外両側から熱せられて赤熱する。そして更に炉内空間10aでの自発燃焼が拡がるにしたがい、増加する燃焼ガスの熱気と蓄熱によって外筒22の赤熱部分が次第に上方へ拡大してゆくと共に、内筒23も赤熱し始め、遂には加熱排気筒2全体が赤熱状態になる。
【0032】
これにより、炉内空間10a内の炭化用材料T…は、下方から上昇してくる熱気と、赤熱した加熱排気筒2から周囲へ放射される熱気とで加熱され、堆積層の下部側と中央側の両方から熱分解し始め、更に自燃温度に達して自発燃焼する。そして、この自発燃焼・熱分解の領域が拡がるに伴い、加熱排気筒2は流入する燃焼ガスの増加によって外筒22及び内筒23共に更に高温化して周囲への熱放射を増し、その相乗効果で炭化用材料T…の熱分解反応の進行と自発燃焼領域の拡大が速められ、やがて炉内空間10a全体が均一な高温状態になり、装填した炭化用材料Tの全てが熱分解して炭化する。
【0033】
この炭化処理においては、加熱排気筒2からの燃焼排ガスの排出に伴い、着火室15内に空気供給口17aより空気が吸入されるが、この空気吸入量を給気配管55に介在する流量制御弁56にて制限することにより、炉内空間10aを酸素不足状態に維持する。これにより、炭化用材料Tは、不完全燃焼によって炭素成分が殆ど燃焼しない状態で熱分解を継続し、もって最終的に内部まで完全に炭化することになる。
【0034】
また、炭化炉1の炉内温度は、空気供給口17aより着火室15内に供給される空気量の増減によって変化するため、流量制御弁56の開閉及び開度変更によって調整できる。しかして、この流量制御弁56の開閉及び開度調整は、予め得た試験データに基づいて使用する炭化用材料Tの種類と大きさ、含水率、装填量等に応じた処理温度条件を求めておき、これを前記の温度センサーS1,S2による計測温度と炉内温度に関連付けた制御データとして前記のコントロールボックスC内の制御装置(図示省略)に入力し、該制御装置からの指令信号によって自動的に行うように設定すればよい。
【0035】
炭化用材料Tとして一般的な木材チップや竹材チップを用いる場合、炉内温度は、通常350℃〜500℃程度で継続するように設定すればよいが、特に初期段階で自発燃焼を活発化させるために例えば処理開始から1時間内に一時的に1000℃近くに達するように条件設定してもよい。なお、温度センサーS1にて計測される燃焼排ガスの温度は、炉内温度よりも一般的に数100℃程度は低い値になる。しかして、前記のように処理温度条件は任意に設定できるら、炭化用材料T…の種類が同じであれば、常に同じ品質の炭化物を製造することができ、また炭化用材料T…の種類が同じでも熱分解する温度を異ならせて性質の異なる炭化物を製造することも可能である。
【0036】
炭化用材料Tの熱分解が終息すれば、燃焼排ガスの温度が急速に低下するから、これを温度センサーS1にて検出することによって炭化の完了が判明する。この炭化完了後、生成した炭化物の温度がある程度低下するのを待って、排気管3及び空気供給管17に接続していたフレキシブル接続管31,57を離脱させ、クランプ具35を外してハンドル46の操作によって蓋体4を図5の仮想線で示すように開放し、炉本体10の前方に適当な容器やシートを配置した上で、ハンドル29を操作して該炉本体10を同仮想線で示すように水平よりも若干下向きになるまで前方へ傾倒させ、生成した木炭や竹炭の如き炭化物を流出させ、また要すれば適当な道具で掻き出せばよい。
【0037】
この炭化炉1においては、炭化用材料の自発燃焼にて発生する高温の燃焼排ガスは、二重筒構造をなす加熱排気筒2の下部より外筒22内に入って上昇し、その内部頂端から内筒23内に流入して下降し、炉本体1の底部より炉外へ流出する。すなわち、該燃焼排ガスの炉本体10内での排気経路は、該加熱排気筒を単一筒構造として炉本体の上方への排気管に接続させる構成に比較して略2倍の長さになり、また既述した先行技術のように加熱排気筒(炭化用加熱筒)の頂部から半径方向の横切り筒を経て側方外部の排気管に接続する構成に比較しても格段に長くなる。従って、この炭化処理では、長い排気経路によって燃焼排ガスから加熱排気筒2への熱伝播量が多くなり、それだけ該排ガスによって炉外へ持ち出される熱量が減少し、高い熱効率が得られる上、その経路が二重筒内での上下往復になるため、加熱排気筒2全体の蓄熱による赤熱化が急速に進行し、この加熱排気筒2からの熱放射によって炉内温度が早く上昇し、もって炭化用材料T…の熱分解及び自発燃焼の進行が促進され、完全炭化に要する時間が短縮されて高い炭化処理能率を達成できる。
【0038】
また、本実施形態のように、炉本体10の上面側全体が前記材料出入口1aを構成し、炉本体10の中心に前記二重筒をなす一本の加熱排気筒2を配置する構成によれば、この加熱排気筒2の全体が赤熱化した以降、炉内空間10aの全体が中心部からの均等な熱放射によって偏りのない加熱状態となり、もって均質な高品位の炭化物が得られることに加え、例えば図10に示すような横断面ドーナツ形の金属製収納籠90を利用し、炉本体1内への炭化用材料T…の装填と処理後の炭化物の取出しを行うことが可能となる。
【0039】
この収納籠90は、外筒部90aと内筒部90bとが図に現れない底部で繋がって一体化すると共に上方に開放したものであり、その籠形態を保持するための金属フレーム91と、これら金属フレーム91に張設された金属製ネット92とから構成されており、外筒部90aの外径が炉本体10の内径よりも若干小さく、内筒部90bの内径が加熱排気筒2の外径よりも若干小さく設定されている。そして、この収納籠90によれば、図示のように、外内筒90a,90b間の横断面ドーナツ形の収容空間に炭化用材料T…を収容し、上縁に取り付けた弧状把手93にクレーン(図示省略)等の吊りフック94を掛けて吊り上げ、内筒部90bに下方から加熱排気筒2が挿入する形で、当該収納籠90ごと炉本体1内に装填し、そのまま蓋板4(図1〜3,5,6参照)を被せて炭化処理を行い、処理後には炉本体10を前記のように傾倒させることなく、装填時と同様に収納籠90を上方へ吊り上げて炉本体10から抜き出し、もって生成した炭化物全量を一挙に取り出せるから、作業性が著しく改善する。従って、炭化炉1が大型になるほど、このような収納籠90を利用できることは大きな利点となる。
【0040】
なお、前記先行技術の炭化装置における炭化炉のように横切り筒を有する構成では、該横切り筒も熱放射によって炭化用材料の熱分解及び自発燃焼の促進に貢献するが、該横切り筒の赤熱化までに時間がかかる上、その熱放射が炉内空間の頂部で且つ一半径方向を中心とする部位に偏るため、炉内空間が均一な加熱状態になりにくく、しかも当該横切り筒が障害物になるので前記のような収納籠を利用できない。
【0041】
一方、加熱排気筒2から排出される燃焼排ガスは、既述のようにガス再燃焼炉5に送って再燃焼させるから、ガス中に微量の有機物が付随していても完全に分解されることになり、最終的に外部へ排出される排ガスは無毒無臭になる。しかして、この実施形態では、炭化炉1へ供給する導入外気は、前記ガス再燃焼炉5から出る排ガスの熱を利用し、熱交換ジャケット53での熱交換によって昇温させておくことから、冷たい外気を直接に取り入れる場合に比較して熱効率が更に向上し、炉本体10内での炭化用材料T…の熱分解及び自発燃焼がより効率よく進むと共に、前記排ガスの熱利用によって炭化装置全体としても熱エネルギーの無駄が少なくなる。
【0042】
ところで、古くには木材乾留として工業的に行われていたように、木材や竹材の加熱に伴って気化する揮発成分中には酢酸を主として種々の有用な有機成分が含まれており、その凝縮によって木材からは木酢液、竹材からは竹酢液が得られ、これらは現在では貴重なものとなっている。そこで、この実施形態の炭化装置では、炭化炉1の排気管3を木酢液抽出器6内を経由する下側管路接続口36bに接続することにより、前記の木酢液や竹酢液を抽出して回収できるようにしている。
【0043】
すなわち、炭化炉1から出る燃焼排ガスは、該接続口36bに導くことにより、図9の実線矢印にて示すように、抽出室60内の上部に流入して当該抽出室60内を螺旋状に流下し、その底部より二重管63の内筒63a内へ流入して上昇し、送気ファン37を介してガス再燃焼炉5への送気管38へ送られるが、抽出室60内を螺旋状に流下する過程で内外の水冷ジャケット6b,6aを流通する冷却水と熱交換して降温し、この降温に伴って含まれていた酢酸を主体とした揮発成分が凝縮する。しかして、この凝縮成分は木酢液や竹酢液として図示破線矢印のように抽出室60の底部に溜まるから、これを開閉バルブ付き液導出口60aより流出させて下方に配置した容器82に回収できる。
【0044】
なお、前記実施形態の炭化装置においては、炉本体10の底部に、複数の空気導入孔13a…を設けた内底板13と下位の外底板14との間で構成される着火室15を設け、この着火室15に空気取入れ口17a及び着火用熱源導入口15aを設けているから、炭化処理の開始時に着火用熱源導入口15aに着火用熱源を導入した際、その燃焼ガスが着火室15全体に行き渡り、炉内空間10a内に装填された炭化用材料T…の堆積層は下面全体に均等に着火すると共に、空気取入れ口17aより流入する空気も着火室15全体から炉内空間10a内に均等に供給され、もって炭化用材料T…の熱分解及び自発燃焼が堆積層の下面全体から上方へ均等に効率よく進むことになる。
【0045】
また、この実施形態の炭化装置では、内底板13は外周部を炉本体10内の底部側周面に設けた底板受け部11c上に非固定状態に載置されているから、該内底板13が炭化処理時の熱膨張と処理後の収縮による寸法変化を繰り返しても、それ自体が変形したり炉本体10の周壁部11を歪ませたりすることがなく、もって炭化炉1は耐久性が向上して長寿命となる。更に、加熱排気筒2の外筒22は、非固定で環状受け板20上に載置され、炉本体10に対しては非固定であるため、煤等の蓄積によって排気導入孔24…の詰まりを生じたり、当該外筒22や内筒23の内外周面の被着物が多くなった際、材料出入口1a側から外筒22を簡単に引き抜いて清掃できると共に、この引き抜きによって露呈した内筒23も容易に清掃できることになる。
【0046】
更に、この実施形態の炭化装置においては、炉本体10の二重壁をなす周壁部11がの内外金属板11a,11b間にガラスウールからなる断熱材9aを装填すると共に、該炉本体10の内周面に金属製押さえネット12を介してロックウールからなる断熱材9bを張設していることから、該周壁部11を通した外部への放熱が抑えられ、それだけ炭化処理の熱効率が向上すると共に、該周壁部11の内外金属板11a,11bの高温化、とりわけ内側金属板11aの高温化に伴う熱劣化が防止され、それだけ炉本体10は耐久性が増して長寿命になるという利点がある。
【0047】
使用する炭化用材料Tとしては、木片、竹片、ナッツ類の殻の如き堅果殻等が挙げられ、これらは混合形態でも使用できると共に、大きさが不揃いであっても全く支障はない。また木片や竹片については、各種木竹製品の廃材、製材工程や加工工程で生じる不要な端材や残材、削り屑、剪定の切り枝、刈り取った柴等、従来では廃棄・焼却処分の対象であったものも使用可能である。
【0048】
前記実施形態の炭化装置は付属設備として木酢液抽出器6及びクーリングタワー7を備えるが、本発明の炭化装置は、これら付属設備を備えない構成でもよいし、排ガス熱を利用する温水器や乾燥器等の様々な他の付属設備を有する構成としてもよい。また、炭化炉1については、前記実施形態では傾倒可能な枢支型にしているが、固定型として既述のような収納籠90を利用して炭化用材料T…の装填と炭化物の取り出しを行うようにしてもよく、この固定型では蓋板4を炉本体10に枢着した構造でも差し支えない。そして、加熱排気筒2は、炉本体10内に複数本立設した構造とすることも可能である。
【0049】
更に、炉本体10の空気取入れ口17aに対する空気供給量調整手段は、前記実施形態における流量調整弁56等を用いた自動調整によるものに限らず、手動バルブやダンパー等による手動調整を行うものでもよい。また、炉本体10における二重壁をなす周壁部11内部に装填する断熱材9aと、該周壁部11の内周面に張設する断熱材9bは、例示したガラスウールやロックウールに限らず、これら以外の高融点の無機繊維も使用できる。その他、本発明の炭化装置における各部の形態、相互の連結構造、管路構成、送気ファンや開閉弁の設置位置等、細部構成については実施形態以外に種々設計変更可能である。
【0050】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、内底部に複数の空気導入孔を有する略密閉式の炉本体と、その上部の材料出入口を開閉する蓋板と、炉本体内に立設されて上端が炉本体天井部近傍に達する加熱排気筒と、前記空気導入孔への空気を供給する空気取入れ口及び空気供給量調整手段とを有する炭化炉を備えた炭化装置において、前記加熱排気筒を同心状に配置した外筒と内筒とからなる二重筒構造とし、その外筒が下部に炉内空間に連通する排気導入孔を有して上部を閉塞し、内筒が上端を外筒内の頂部近傍で開口して下端を炉外への排気路に連通する構成としているから、炭化用材料の自発燃焼にて発生する高温の燃焼排ガスが前記加熱排気筒内を上下往復して炉外へ出ることになり、燃焼排ガスから加熱排気筒への熱伝播量が多くなり、それだけ高い熱効率が得られる上、加熱排気筒全体の蓄熱による赤熱化が急速に進行し、この加熱排気筒からの熱放射によって炉内温度が早く上昇し、もって炭化用材料の熱分解及び自発燃焼が促進され、完全炭化に要する時間が短縮されて高い炭化処理能率を達成できる。
【0051】
請求項2の発明によれば、上記炭化装置において、炉本体の底部に、前記複数の空気導入孔を設けた内底板と下位の外底板との間で構成される着火室を備え、この着火室に前記空気取入れ口及び着火用熱源導入口が設けていることから、着火用熱源導入口に着火用熱源を導入した際の燃焼ガスが着火室全体に行き渡り、炉本体に装填した炭化用材料の堆積層が下面全体から均等に着火すると共に、空気取入れ口より流入する空気も着火室全体から炉内空間内に均等に供給され、もって炭化用材料の熱分解及び自発燃焼が堆積層の下面全体から上方へ均等に効率よく進み、より高い炭化処理能率が得られる。
【0052】
請求項3の発明によれば、上記炭化装置において、炉本体内の底部側周面に底板受け部を有し、該底板受け部上に前記内底板が外周部を非固定状態に載置していることから、該内底板が炭化処理時の熱膨張と処理後の収縮による寸法変化を繰り返しても、それ自体が変形したり炉本体の周壁部を歪ませたりすることがなく、もって炭化炉は耐久性が向上して長寿命となる。
【0053】
請求項4の発明によれば、上記炭化装置において、前記炭化炉から排出される燃焼排ガスを再燃焼させるガス再燃焼炉を有することから、ガス中に微量の有機物が付随していても完全に分解され、最終的に外部へ排出される排ガスは無毒無臭になって環境への負荷を与えない。
【0054】
請求項5の発明によれば、上記のガス再燃焼炉を有する炭化装置において、炭化炉へ供給する導入外気をガス再燃焼炉から排出される高温排ガスとの熱交換によって昇温させる熱交換部を備えることから、炭化処理の熱効率が更に向上し、炉本体内での炭化用材料の熱分解及び自発燃焼がより効率よく進むと共に、排ガスの熱利用によって炭化装置全体としても熱エネルギーの無駄が少なくなる。
【0055】
請求項6の発明によれば、上記炭化装置において、炉本体の周壁部が二重壁をなし、その内外壁間に無機繊維からなる断熱材が装填されると共に、該炉本体の内周面に無機繊維からなる断熱材が金属製押さえネットを介して張設されていることから、該周壁部を通した外部への放熱が抑えられ、それだけ炭化処理の熱効率が向上すると共に、該周壁部の金属板の高温化に伴う熱劣化が防止され、それだけ炉本体は耐久性が増して長寿命になる。
【0056】
請求項7の発明によれば、上記炭化装置において、炉本体の上面側全体が前記材料出入口を構成し、該炉本体の中心部に1本の前記二重筒をなす加熱排気筒が立設される一方、中央に該加熱排気筒を挿入させる筒状部を有する横断面ドーナツ形の材料収容籠を備え、炭化用材料を該材料収容籠内に収容した状態で炉本体内に装填するように構成されているから、加熱排気筒の赤熱化によって炉内空間全体が中心部からの均等な熱放射で偏りのない加熱状態となり、もって均質な高品位の炭化物が得られることに加え、前記収納籠によって炭化用材料の装填と処理後の炭化物の取出しを一括して行えると共に、該収納籠の炉本体に対する出入にクレーン等の機械力を利用でき、もって前記装填及び取出しの作業性が著しく向上し、とりわけ炭化炉が大型の場合に好都合となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る炭化装置全体の平面図である。
【図2】 同炭化装置の側面図である。
【図3】 同炭化装置の正面図である。
【図4】 同炭化装置の背面図である。
【図5】 同炭化装置における炭化炉の図3A−A線による矢視側面図である。
【図6】 同炭化炉の縦断側面図である。
【図7】 同炭化炉の図6B−B線による横断平面図である。
【図8】 同炭化炉の下部の縦断正面図である。
【図9】 同炭化装置における木酢液抽出器の縦断側面図である。
【図10】 同炭化装置における収納籠を利用した炭化用材料の装填操作を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 炭化炉
1a 材料出入口
2 加熱排気筒
3 排気管
4 蓋板
5 ガス再燃焼炉
6 木酢液抽出器
9a,9b 断熱材
10 炉本体
10a 炉内空間
11 周壁部
11a 内側金属板(内壁)
11b 外側金属板(外壁)
11c 底板受け部
12 抑えネット
13 内底板
13a 空気導入孔
14 外底板
15 着火室
15a 着火用熱源導入口
16 エルボ管(着火部)
17a 空気取入れ口
22 外筒
23 内筒
24 空気導入孔
53 熱交換ジャケット(熱交換部)
56 流量調整弁(空気供給量調整手段)
80 金属製収納籠
80b 内筒部(筒状部)
T 炭化用材料

Claims (7)

  1. 内底部に複数の空気導入孔を有する略密閉式の炉本体と、この炉本体の上部に設けられた材料出入口を開閉する蓋板と、該炉本体内に立設されて上端が炉本体天井部近傍に達する加熱排気筒と、前記空気導入孔への空気を供給する空気取入れ口と、該空気取入れ口に対する空気供給量調整手段とを有する炭化炉を備え、
    前記加熱排気筒は、下部に炉内空間に連通する排気導入孔を備えて上部が閉塞した外筒と、この外筒内に同心状に配置した内筒とからなる二重筒をなし、
    前記内筒は、上端が前記外筒内の頂部近傍で開口すると共に、下端が炉外への排気路に連通しており、
    前記炉本体の底部側を着火部として、該炉本体内に装填された炭化用材料を酸素不足状態で自発燃焼させて炭化するように構成されてなる炭化装置。
  2. 炉本体の底部に、前記複数の空気導入孔を設けた内底板と、該内底板の下位に配置した外底板との間で構成される着火室を備え、この着火室に前記空気取入れ口及び着火用熱源導入口が設けられてなる請求項1記載の炭化装置。
  3. 炉本体内の底部側周面に底板受け部を有し、該底板受け部上に前記内底板が外周部を非固定状態に載置してなる請求項2記載の炭化装置。
  4. 前記炭化炉から排出される燃焼排ガスを再燃焼させるガス再燃焼炉を有してなる請求項1〜3のいずれかに記載の炭化装置。
  5. 前記炭化炉の空気取入れ口へ供給する導入外気を前記ガス再燃焼炉から排出される高温排ガスとの熱交換によって昇温させる熱交換部を備えてなる請求項4記載の炭化装置。
  6. 炉本体の周壁部が二重壁をなし、その内外壁間に無機繊維からなる断熱材が装填されると共に、該炉本体の内周面に無機繊維からなる断熱材が金属製押さえネットを介して張設されてなる請求項1〜5のいずれかに記載の炭化装置。
  7. 炉本体の上面側全体が前記材料出入口を構成し、該炉本体の中心部に1本の前記二重筒をなす加熱排気筒が立設される一方、中央に該加熱排気筒を挿入させる筒状部を有する横断面ドーナツ形の金属製収容籠を備え、炭化用材料を該収容籠内に収容した状態で炉本体内に装填するように構成されてなる請求項1〜6のいずれかに記載の炭化装置。
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