JP4017157B2 - 中空臓器血管抽出方法、中空臓器血管抽出処理プログラムおよび画像処理装置 - Google Patents

中空臓器血管抽出方法、中空臓器血管抽出処理プログラムおよび画像処理装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、中空臓器血管抽出方法、中空臓器血管抽出処理プログラムおよび画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、中空臓器のうちたとえば眼球においては、3次元構造をもつ眼底の血管抽出を平面に投影した2次元空間で行うことが一般的に行われている。
【0003】
眼底カメラの撮影範囲は狭いので、中心、上下、左右の複数の方向から撮影した画像を1枚につなぎ合わせることにより、眼底のパノラマ写真を撮影することが可能となる(図26参照)。このように、眼球の3次元構造を2次元空間で展開した眼底パノラマ画像は、医師の疾患の判断基準に用いられている。
【0004】
また、その判断基準となる眼底パノラマ画像から眼底血管を自動抽出して、病変検出などの診断に用いることが行われている。この眼底パノラマ画像のつなぎ合わせや2次元空間での血管抽出においては、いくつかの製品が販売されたり、自動抽出についての研究が行われている(非特許文献1,非特許文献2)。
【0005】
【非特許文献2】
「眼底写真における血管形状分布の自動解析」第21回日本医用画像工学会大会抄録集、第515−516頁
【非特許文献2】
乾成里著「カラー画像を利用した眼底写真からの病変検出」、情報処理学会論文誌、1993年5月、Vol.34、No.5、第873−883頁
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、つなぎ合わせで得られた眼底パノラマ写真は眼球の内側の3次元情報を2次元に投影した画像なので、隣接する画像同士の連続性はなく、つなぎ合わせは困難であった。また、上述の眼底パノラマ写真は眼底を開いた形になっていることから、眼球の構造を習熟している医師にしか画像を判別することは困難であり、患者がその画像を理解することは困難であった。
【0007】
さらに、3次元空間の撮像画像を2次元に投影していることから、撮影画像間の連続性がなく、個々の撮像画像にはゆがみや中心・周辺でのひずみがあった。それゆえ、眼底の血管、剥離領域などの測定対象を定量的に測定することはできなかった。
【0008】
以上のような理由により、眼底パノラマ画像から画像処理により血管を抽出することは困難であり、定量化は望めなかった。
【0009】
本発明の目的は、眼球などの中空臓器に対して測定対象を定量的に測定し、かつロバストな血管抽出を自動化することが可能な中空臓器血管抽出方法、中空臓器血管抽出処理プログラムおよび画像処理装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、上記目的を達成するため、請求項1の発明に係る中空臓器血管抽出方法は、中空臓器の生体断面画像の連続フレームから血管領域を抽出する方法であって、前記連続フレームで構成されるあらかじめ用意された中空臓器の立体モデルに対して血管領域を抽出するためのフレーム毎の領域である血管抽出用領域を与え、画素毎の判定基準にしたがって第1フレームの血管抽出用領域の画素値に基づいて前記血管領域に帰属する領域を判定し、前記血管領域に前記判定された領域を含めた領域の画素値に基づいて前記第1フレームに連続する第2フレームにおける判定基準を設定し、前記連続フレームに対する血管領域の抽出をフレームの連続する方向に対して少なくとも往復で実施することを特徴とするものである。
【0011】
また、請求項2の発明に係る中空臓器血管抽出方法は、中空臓器の生体断面画像の連続フレームから血管領域を抽出する方法であって、前記連続フレームで構成されるあらかじめ用意された中空臓器の立体モデルに対して血管領域を抽出するためのフレーム毎の領域である血管抽出用領域を与え、画素毎の判定基準にしたがって第1フレームの血管抽出用領域の画素値に基づいて前記血管領域内に帰属する領域と帰属しない領域とを判定し、前記血管領域内に前記帰属する領域を含めた領域の画素値に基づいて前記第1フレームに連続する第2フレームにおける血管領域内の判定基準を設定し、前記血管領域外に前記帰属しない領域を含めた領域の画素値に基づいて前記第1フレームに連続する第2フレームにおける血管領域外の判定基準を設定することを特徴とするものである。
【0012】
この請求項1または2の発明において、血管領域の抽出を開始する第1枚目のフレームの血管抽出用領域に対して少なくとも1点の血管領域を与え、当該血管領域の画素値に基づいて初期の判定基準を設定するようにしてもよい。
【0013】
この請求項1または2の発明において、血管領域を抽出する対象の現フレームにおいて前フレームまでに判定された血管領域と同じ位置に仮領域を設け、当該仮領域の境界に沿って画素単位に帰属の判断を行うようにしてもよい。
【0014】
この請求項1または2の発明において、前記仮領域において、前記血管領域に帰属させる画素が前記仮領域外にある場合には、当該画素を前記現フレームの血管領域の画素として当該血管領域を前記前フレームの血管領域に対して拡張し、前記血管領域に帰属させない画素が前記仮領域内にある場合には、当該画素を前記現フレームの血管領域外の画素として当該血管領域を前記前フレームの血管領域に対して縮小するようにしてもよい。
【0015】
この請求項1または2の発明において、前記血管領域の判定では、血管領域を抽出する対象の現フレーム以前の連続する複数枚のフレームから画素単位に対応させて前記現フレームの各画素を含む立体的な所定サイズの局所領域を取り出しながら、前記各局所領域に含まれる前記血管領域の一部に対応する前記設定された判定基準を使用するようにしてもよい。
【0016】
この請求項1または2の発明において、生体断面の厚さを前記所定サイズの局所領域に合致させ、生体断面毎に前記血管領域に該当する領域を拡張させながら血管領域の判定を行うようにしてもよい。
【0017】
この請求項1または2の発明において、前記立体モデル全体に対して前記血管領域をボクセル空間内で拡張させながら血管領域の判定を行うようにしてもよい。
【0018】
この請求項1または2の発明において、前記血管領域の画素のみ表示対象として記憶するようにしてもよい。
【0019】
この請求項の発明において、前記連続フレームに対する血管領域の抽出をフレームの連続する方向に対して少なくとも往復で実施するようにしてもよい。
【0020】
この請求項1または2の発明において、前記中空臓器は眼底であってもよい。
【0021】
この請求項1または2の発明において、血管領域の抽出を開始する第1枚目のフレームの血管抽出用領域に対して眼底の視神経乳頭を指定し、当該指定された視神経乳頭の画素値に基づいて初期の判定基準を設定するようにしてもよい。
【0022】
この請求項1または2の発明において、複数のフレームは前記生体断面画像を前記眼底の中心方向に1軸で並べるようにしてもよい。
【0023】
この請求項1または2の発明において、前記あらかじめ用意された中空臓器の立体モデルは、その各フレームの画素毎に座標データが対応付けられたものであってもよい。
【0024】
また、請求項15の発明に係る中空臓器血管抽出プログラムは、中空臓器の生体断面画像の連続フレームから血管を抽出するための処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記コンピュータに、前記連続フレームで構成されるあらかじめ用意された中空臓器の立体モデルに対して血管領域を抽出するためのフレーム毎の領域である血管抽出用領域を入力する第1ステップと、画素毎の判定基準にしたがって第1フレームの血管抽出用領域の画素値に基づいて前記血管領域に帰属する領域を判定する第2ステップと、前記血管領域に前記判定された領域を含めた領域の画素値に基づいて前記第1フレームに連続する第2フレームにおける判定基準を設定する第3ステップと、前記連続フレームに対する血管領域の抽出をフレームの連続する方向に対して少なくとも往復で実施する第6ステップと、を実行させることを特徴とするものである。
【0025】
また、請求項16の発明に係る中空臓器血管抽出プログラムは、中空臓器の生体断面画像の連続フレームから血管を抽出するための処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記コンピュータに、前記連続フレームで構成されるあらかじめ用意された中空臓器の立体モデルに対して血管領域を抽出するためのフレーム毎の領域である血管抽出用領域を入力する第1ステップと、画素毎の判定基準にしたがって第1フレームの血管抽出用領域の画素値に基づいて前記血管領域内に帰属する領域と帰属しない領域とを判定する第2ステップと、前記血管領域内に前記帰属する領域を含めた領域の画素値に基づいて前記第1フレームに連続する第2フレームにおける血管領域内の判定基準を設定し、前記血管領域外に前記帰属しない領域を含めた領域の画素値に基づいて前記第1フレームに連続する第2フレームにおける血管領域外の判定基準を設定する第3ステップと、を実行させることを特徴とするものである。
【0026】
この請求項15または16の発明において、前記コンピュータに、さらに、血管領域の抽出を開始する第1枚目のフレームの血管抽出用領域に対して少なくとも1点の血管領域を設定し、当該少なくとも1点の血管領域の画素値に基づいて初期の判定基準を設定する第4ステップを実行させるようにしてもよい。
【0027】
この請求項15または16の発明において、前記第2ステップは、血管領域を抽出する対象の現フレームにおいて前フレームまでに判定された血管領域と同じ位置に仮領域を設け、当該仮領域の境界に沿って画素単位に帰属の判断を行うことを含むようにしてもよい。
【0028】
この請求項15または16の発明において、前記第2ステップは、前記仮領域において、前記血管領域に帰属させる画素が前記仮領域外にある場合には、当該画素を前記現フレームの血管領域の画素として当該血管領域を前記前フレームの血管領域に対して拡張し、前記血管領域に帰属させない画素が前記仮領域内にある場合には、当該画素を前記現フレームの血管領域外の画素として当該血管領域を前記前フレームの血管領域に対して縮小することを含むようにしてもよい。
【0029】
この請求項15または16の発明において、前記第2ステップは、血管領域を抽出する対象の現フレーム以前の連続する複数枚のフレームから画素単位に対応させて前記現フレームの各画素を含む立体的な所定サイズの局所領域を取り出しながら、前記各局所領域に含まれる前記血管領域の一部に対応する前記設定された判定基準を使用することを含むようにしてもよい。
【0030】
この請求項15または16の発明において、生体断面の厚さは前記所定サイズの局所領域に合致させており、前記第2ステップは生体断面毎に前記血管領域に該当する領域を拡張させながら血管領域の判定を行うようにしてもよい。
【0031】
この請求項15または16の発明において、前記第2ステップは、前記立体モデル全体に対して前記血管領域をボクセル空間内で拡張させながら血管領域の判定を行うようにしてもよい。
【0032】
この請求項15または16の発明において、前記コンピュータに、さらに、前記血管領域の画素のみ表示対象として記憶する第5ステップを実行させるようにしてもよい。
【0033】
この請求項16の発明において、前記コンピュータに、さらに、前記連続フレームに対する血管領域の抽出をフレームの連続する方向に対して少なくとも往復で実施する第6ステップを実行させるようにしてもよい。
【0034】
この請求項15または16の発明において、前記中空臓器は眼底であってもよい。
【0035】
この請求項15または16の発明において、前記コンピュータに、さらに、血管領域の抽出を開始する第1枚目のフレームの血管抽出用領域に対して眼底の視神経乳頭を指定し、当該指定された視神経乳頭の画素値に基づいて初期の判定基準を設定する第7ステップを実行させるようにしてもよい。
【0036】
この請求項15または16の発明において、複数のフレームは前記生体断面画像を前記眼底の中心方向に1軸で並べるようにしてもよい。
【0037】
この請求項15または16の発明において、前記あらかじめ用意された中空臓器の立体モデルは、その各フレームの画素毎に座標データが対応付けられたものであってもよい。
【0038】
また、請求項29の発明に係る画像処理装置は、画像処理装置であって、中空臓器の生体断面画像の連続フレームで構成される中空臓器の立体モデルを記憶する記憶手段と、前記立体モデルに対して血管領域を抽出するためのフレーム毎の領域である血管抽出用領域を入力する入力手段と、画素毎の判定基準にしたがって第1フレームの血管抽出用領域の画素値に基づいて前記血管領域に帰属する領域を判定する判定手段と、前記血管領域に前記判定された領域を含めた領域の画素値に基づいて前記第1フレームに連続する第2フレームにおける判定基準を設定する設定手段と、前記連続フレームに対する血管領域の抽出をフレームの連続する方向に対して少なくとも往復で実施する手段と、を備えることを特徴とするものである。
【0039】
また、請求項30の発明に係る画像処理装置は、画像処理装置であって、中空臓器の生体断面画像の連続フレームで構成される中空臓器の立体モデルを記憶する記憶手段と、前記立体モデルに対して血管領域を抽出するためのフレーム毎の領域である血管抽出用領域を入力する入力手段と、画素毎の判定基準にしたがって第1フレームの血管抽出用領域の画素値に基づいて前記血管領域内に帰属する領域と帰属しない領域とを判定する判定手段と、前記血管領域内に前記帰属する領域を含めた領域の画素値に基づいて前記第1フレームに連続する第2フレームにおける血管領域内の判定基準を設定し、前記血管領域外に前記帰属しない領域を含めた領域の画素値に基づいて前記第1フレームに連続する第2フレームにおける血管領域外の判定基準を設定する設定手段と、を備えることを特徴とするものである。
【0040】
この請求項29または30の発明において、さらに、血管領域の抽出を開始する第1枚目のフレームの血管抽出用領域に対して少なくとも1点の血管領域を設定し、当該少なくとも1点の血管領域の画素値に基づいて初期の判定基準を設定する手段を有するようにしてもよい。
【0041】
この請求項29または30の発明において、前記判定手段は、血管領域を抽出する対象の現フレームにおいて前フレームまでに判定された血管領域と同じ位置に仮領域を設け、当該仮領域の境界に沿って画素単位に帰属の判断を行うようにしてもよい。
【0042】
この請求項29または30の発明において、前記判定手段は、前記仮領域において、前記血管領域に帰属させる画素が前記仮領域外にある場合には、当該画素を前記現フレームの血管領域の画素として当該血管領域を前記前フレームの血管領域に対して拡張し、前記血管領域に帰属させない画素が前記仮領域内にある場合には、当該画素を前記現フレームの血管領域外の画素として当該血管領域を前記前フレームの血管領域に対して縮小するようにしてもよい。
【0043】
この請求項29または30の発明において、前記判定手段は、血管領域を抽出する対象の現フレーム以前の連続する複数枚のフレームから画素単位に対応させて前記現フレームの各画素を含む立体的な所定サイズの局所領域を取り出しながら、前記各局所領域に含まれる前記血管領域の一部に対応する前記設定された判定基準を使用するようにしてもよい。
【0044】
この請求項29または30の発明において、生体断面の厚さは前記所定サイズの局所領域に合致させており、前記判定手段は生体断面毎に前記血管領域に該当する領域を拡張させながら血管領域の判定を行うようにしてもよい。
【0045】
この請求項29または30の発明において、前記判定手段は、前記立体モデル全体に対して前記血管領域をボクセル空間内で拡張させながら血管領域の判定を行うようにしてもよい。
【0046】
この請求項29または30の発明において、さらに、前記血管領域の画素のみ表示対象として記憶する手段を有するようにしてもよい。
【0047】
この請求項30の発明において、さらに、前記連続フレームに対する血管領域の抽出をフレームの連続する方向に対して少なくとも往復で実施する手段を有するようにしてもよい。
【0048】
この請求項29または30の発明において、前記中空臓器は眼底であってもよい。
【0049】
この請求項29または30の発明において、さらに、血管領域の抽出を開始する第1枚目のフレームの血管抽出用領域に対して眼底の視神経乳頭を指定し、当該指定された視神経乳頭の画素値に基づいて初期の判定基準を設定する手段を有するようにしてもよい。
【0050】
この請求項29または30の発明において、複数のフレームは前記生体断面画像を前記眼底の中心方向に1軸で並べるようにしてもよい。
【0051】
この請求項29または30の発明において、前記記憶手段に記憶された中空臓器の立体モデルは、その各フレームの画素毎に座標データが対応付けられたものであってもよい。
【0052】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる実施の形態を詳細に説明する。
【0053】
(実施の形態1)
まず、本発明の原理について説明する。中空臓器として眼底を例に挙げる。眼底は、図1に示した写真のように、球形をしている。そこで、3次元空間に配置する眼底画像を3次元情報として再現できる手法が必要となる。その一例として、本件発明者等がすでに提案している特願2002−189265号の「眼底の立体表示および座標計測方法と装置」を採用することにより、眼底を3次元形状として再現することが可能である。これにより、座標データに基づく眼底の立体モデルが構築される。本実施の形態1では、この手法を一例として採用する。特に、本発明は、フルカラーの場合に時間切れになった方法も包括されるものである。
【0054】
この立体モデルからの眼底血管抽出には、3次元空間での抽出を行う必要がある。そこでこの抽出に適した手法として、3次元空間からの画像抽出手法がある。眼底の存在する空間をボクセル空間に配置すると、その抽出手法として、本件発明者等がすでに提案している特願2003−25277の「関心組織領域抽出方法、関心組織領域抽出プログラム及び画像処理装置」を用いることが可能となる。この手法により、眼底血管の抽出を行うことが可能である。本実施の形態1では、この手法を一例として採用する。
【0055】
ただし、上述した2つの手法を採用したただけでは、眼底血管に適応する場合、抽出時の領域拡張の方向を定めないと、膨大な数の切断方向の繰り返しが必要になる。このため、本発明においては、中空臓器の血管抽出の実現ならびに処理効率化の実現を図るものである。
【0056】
与えられる眼底の立体モデルに対しては、拡張リージョングローイング法の断層とその領域を以下のように規定する必要がある。すなわち、
▲1▼眼底の立体モデルにおける3次元座標軸とは別に、眼底の視神経乳頭を基準として、その部位に点で接する面をその面を拡張する2次元基準面とする。
▲2▼眼底の立体モデルにおける断面の移動方向は眼球の中心方向に移動する。ここで、断面とは、立体モデルを複数フレームで構成した場合に、任意のフレーム数で構成される層を指す。
▲3▼血管抽出の判定基準を得るための局所領域はたとえば7×7×4(画素)の3次元空間とする。この局所領域は、立体モデルを構成する複数フレームの一部である。
▲4▼局所領域7×7×4における4の厚さ方向を切断方向の軸として、この4を血管領域の判定対象となる注目画素からの移動方向の厚さとする。この場合、4は断面が4画素分ということでフレーム数“4”に相当する。眼底の立体モデルにおける断面(4フレーム)毎に実施される血管抽出では、局所領域の平面的な移動により拡張リージョングローリングが実施されることになる。
▲5▼眼底の立体モデルに対する1軸方向の抽出作業が終了した後(視神経乳頭からモデルの終末まで)に、その1軸方向にしたがって反対方向にも同一の抽出作業を繰り返し、精度を高める。
【0057】
まず、眼底の血管抽出前に準備される眼底の立体モデルについて簡単に説明する。図2は眼球の光学系を説明する断面図、図3は眼底の座標を説明する図、図4は平面画像から眼底に投影する場合を説明する図、図5は投影画像内でのテンプレートの変更を説明する図、図6、図7はそれぞれ眼底を異なる角度から撮影した場合の光学系を説明する断面図、そして、図8は水晶体を考慮した場合を説明する図である。
【0058】
眼底の立体モデルは、例えば、
▲1▼眼球形状測定
▲2▼眼球設定
▲3▼眼底撮影
▲4▼眼球パラメータの設定
▲5▼画像・位置の記録
▲6▼画像貼付け
▲7▼画像位置合わせ
により取得される。このようにして取得された立体モデルは表示したり、ファイルとして保存することができる。
【0059】
上記▲1▼〜▲7▼を簡単に説明すると、まず眼球形状測定では、図示せぬ測定装置によって撮影位置Oにしたがって眼球1の大きさL、眼底2の形状Rが測定される(図2参照)。眼底1の大きさLは、少なくとも角膜表面から眼底2までの奥行きを含んでいる。また、眼底2の形状Rは、少なくとも眼底部の曲率を含む。測定装置としては、例えば超音波センサが適用可能である。
【0060】
眼球設定では、測定した大きさLと形状Rとに基づいて眼底テンプレートが設定される。この設定では、図3に示したように、網膜を含む眼底2の座標図が3次元的に作成される。眼底撮影では、図6、図7の関係のように、眼底2の撮影位置を所定量ずらして重複する部分を含む眼底2が複数枚撮影される。この撮影では、撮影位置Om,Onのようにわずかにずらした位置からの複数の画像が撮影される。
【0061】
眼球パラメータの設定では、撮影された複数の画像のずれ量から、重複する部分の撮影画像上の位置から眼底2と撮影画像との位置関係を示す眼球パラメータが求められる。画像・位置の記録では、眼底撮影において得られた撮像画像とその画像に対応する眼球1と図示せぬ撮影装置との位置関係とが記憶される。
【0062】
画像貼付では、図4に示したように、複数の撮影画像が眼球パラメータに基づいて眼球テンプレートに貼付けられる。この際、図5に示したように、投影画像内のテンプレートは眼球設定において設定された眼球テンプレート3に変更することが好ましい。
【0063】
画像位置合わせでは、上述した重複する部分内の対応する点7(図7参照)すなわち眼底2の視神経乳頭、血管、神経等に基づいて眼底2の面内において眼底画像の位置合わせが行われる。3次元画像表示では、眼球テンプレート3上の眼底3次元画像が図示せぬ表示装置に表示される。
【0064】
なお、上述した▲1▼〜▲7▼において、図8に示したように、水晶体を考慮する際には、レンズの形状を考慮する必要がある。
【0065】
ここで、眼底の立体モデルについて説明する。図9は3次元眼底形状モデルの構築を説明する図、図10は眼底形状の立体モデルの表示例を示す図、そして、図11は眼底の立体モデルの表示例を示す図である。
【0066】
3次元眼底形状モデルは、図9に示したように、XYZ軸において、眼軸長をX軸にとり、半径Rで縦円弧、横円弧を形成している。眼底形状の立体モデルは、例えば図10に示したように表示され、眼底の立体モデルは、例えば図11に示したように実際の眼底画像のみで表示される。したがって、この眼底の立体モデルは、血管抽出のための必要最小限の座標情報すなわち計質領域の情報を有することになる。
【0067】
つづいて、眼底の血管抽出について説明する。まずフルカラー連続断面画像からの自動領域抽出についての原理を説明する。図12はHSVカラー空間を説明する図、図13は本発明に適用される極座標を説明する図、図14、図15、図16および図17は本発明に適用される領域抽出方法を説明する図、そして、図18は本発明に適用される3次元空間における血管領域のリージョングローイング方法を説明する図である。
【0068】
フルカラー画像は各ピクセルにRGB表色系による3つのカラーベクトル値をもっている。各2次元画像において、血管領域を抽出するために、血管組織の境界を判別する必要がある。そのためには、血管組織間の境界で生じるわずかな色の差を認識しなくてはならない。つまり、近隣画素間での微小な色変化に注目をする。
【0069】
血管領域を抽出する際には、画素値に閾値を適用する方法を用いることもできるが、生体内では組織境界付近に明らかな色変化があることが少なく、また場所ごとに複雑な色分布をしているため、一意的な閾値では血管領域を抽出することは困難である。
【0070】
そこで本発明では、以下の2点を抽出手法に取り入れる。
(1)HSV(H:色相、S:色彩、V:明度)表色法で表現した画素値を利用した画素間濃度差の算出
(2)画像全体に同一閾値を適用するのではなく、局所領域に注目した血管領域の内外判別(拡張リージョングローイング法)
【0071】
HSV表色法を用いた理由は以下の2点となる。
(1)RGB表色法よりも血管組織の境界を判別しやすい点
(2)血管組織内では特にH値、S値に大きな色変化がおこらず値がまとまっている点
【0072】
さて、HSV表色法で表された画素値を用いてセグメンテーションを行うが、特にH値、S値を用いてセグメンテーションを行う。しかし、HSV表色法で表されるH,S,Vの各ベクトル値は互いに等価ではなく、図12のような特殊な空間を生成しているため、画素間濃度差を計算する際、通常のユークリッド距離では正しい値が得られない。
【0073】
そこで、ある2点の画素間濃度差を算出する際は、HSV空間の特徴を損なわない計算方法として(図13参照)、H,Sによる極座標上での距離を計算した。例として画素P1,P2の画素値をそれぞれ
【数1】
Figure 0004017157
としたとき、画素 P1,P2 間の濃度差δは以下の式(1),(2),(3)で計算する。
【数2】
Figure 0004017157
【0074】
本発明は、以上の画素間の濃度差を求める手法を3次元の局所領域に適用して血管領域に帰属するか否かを判断するものである。そこで、図14〜図18を用いて簡単に説明する。
【0075】
まず眼底の立体モデルに対して切断座標の設定が必要となる。これは、眼底の立体モデルに対するスライス方向(切断方向)を設定することである。このスライス方向は、眼球に対してその中心を通るようにして眼軸長方向に相当するものである。
【0076】
図14には、図11と同様の立体モデルが示されている。この眼底の立体モデルには、一例としてスライス面が示されている。スライスにより形成される断面間のフレーム数は、すでに前述した規定に従うものであり、複数のフレームの一部により構成され、スライス方向における局所領域の厚さに合致している。
【0077】
連続する生体断面画像(眼底の立体モデルにおける連続フレーム)から初期画像(フレームN−1)を選択する際は、例えばある程度視認できる程度のサイズを有した血管領域のうち視神経乳頭Sが写っていることが好ましい(図15(A)参照)。この場合には、手作業による抽出としても、あるいは、コンピュータ処理により抽出としてもよい。なお、図15(B)には、各フレームの眼底Vにおける計質領域Tと血管Uとが示されている。ここで、計質領域Tに抽出対象の血管Uは含まれる。
【0078】
なお、血管領域の抽出は、眼底の立体モデルに対して1軸方向に往復させてもよい。この場合、図16に示したように、立体モデルのうち血管領域だけを抜き出して説明すると、スライス方向に対して延びる血管が枝分かれていることがわかる。そこで、血管領域の抽出作業を往復させることにより血管抽出の精度を高めることができる。
【0079】
フレームN−1の画像に視神経乳頭が設定されると、その領域は血管領域ROI0として抽出される(図17(A))。そして、連続する生体断面画像では、連続する次のフレームNの画像に対して上フレームN−1の画像で抽出された領域とまったく同じ位置の領域をまずは仮領域Sとして選択される(図17(B)参照)。
【0080】
その後、後述する本発明の拡張リージョングローイング法により、正しい領域すなわち実際の血管領域ROI1をが仮の状態から再抽出される(図17(C)参照)。このようにして血管領域ROI1の抽出が完了する(図17(D)参照)。
【0081】
拡張リージョングローイング法とは、フレームN−1の画像から抽出された血管領域ROI0と全く同じ抽出対象の血管領域ROI1をH値、S値に基づく濃度値を用いてフレームNの画像から抽出し、さらに連続する次のフレームN+1、N+2、N+3・・・については少なくとも過去フレームの血管領域内外の濃度値から抽出する手法である。
【0082】
すなわち、各フレームにおいては、1つ前のフレームで抽出された血管領域と同じ位置の領域をまずは仮領域として与え、その仮領域の境界画素にひとつひとつ注目し、断面(たとえば連続する4フレーム)間で領域内と領域外のどちらかに変化したかを判定する処理が施される。
【0083】
図18において、まず血管の境界画素Pxを中心とした7×7×4画素の局所領域に注目する。この場合、Z方向はN,N−1,N−2,N−3で示すが、血管領域抽出の処理方向は図中下方向となる。その局所領域中、この時点までに血管領域内と判定されている画素のH値,S値の濃度中央値(メディアン値)Minを計算する。同時にこの時点までに血管領域外と判定されている画素のH値、S値の中央値Moutも計算する。
【数3】
Figure 0004017157
【0084】
画素Pxの画素値が、この局所領域において血管領域内外のどちらの特徴に近いかを検討し血管領域内か外かを決定する。実際には、血管領域内外のH値、S値による濃度代表値Mと画素Pxとの濃度差dをそれぞれ計算し、差が小さかった方と画素Pxの特徴が類似しているとみなす。これにより、Pxを血管領域内、血管領域外のどちらかに取り込む。これを計算式で表したものが以下の式(5)〜(6)である。
【数4】
Figure 0004017157
【0085】
以上の処理を血管領域のすべての境界画素に対して行う。この処理は血管領域内外への取り込みが終了するまで自動的に繰り返す。このときの取り込みが終了するとは、画素の血管領域内への取り込み、または除外を繰り返すことで正しい血管領域境界の設定が完了したことを意味する。
【0086】
このようにして、フレームNの画像に対する血管抽出処理が終了した後、さらに下に連続するフレームN+1,N+2,・・・の画像においても同様の処理を行い、血管領域の連続自動抽出を実行する。
【0087】
以上の原理に基づいて以下に構成、動作を説明する。まず、構成について説明する。図19は本発明の一実施の形態による画像処理装置の一構成を示すブロック図である。図19の画像処理装置は本発明に係る画像処理装置を構成しており、フロッピー(登録商標)ディスク、CD、DVD等の記録媒体や通信回線を通じて図19の画像処理装置に供給されるプログラムは本発明に係る中空臓器血管抽出プログラムを含むものとする。
【0088】
本実施の形態による画像処理装置は、例えば図19に示したように、内部バス11に、通信インタフェース12、CPU13、ROM14、RAM15、ディスプレイ16、キーボード/マウス17、ドライブ18、ハードディスク19を接続させ、アドレス信号、制御信号、データ等を伝送させ、本実施の形態による血管抽出を実現する構成を備えている。
【0089】
図19において、通信インタフェース12は、例えばインターネット等の通信網に接続する機能を有しており、本発明に係る中空臓器血管抽出プログラムをダウンロードすることも可能である。CPU13は、ROM14に格納されたOSにより装置全体の制御を行うとともにハードディスク19に格納された各種のアプリケーションプログラムに基づいて処理を実行する機能を司る。
【0090】
ROM14は、OS等のように装置全体の制御を行うためのプログラムを格納しており、これらをCPU13に供給する機能を有している。RAM15は、CPU13による各種プログラムの実行時にワークエリアとして利用されるメモリ機能を有している。このRAM15は、領域抽出の際に例えばスタックA,Bを設定するものとする。
【0091】
ディスプレイ16は、CPU13の各種の処理に伴うメニュー、ステータス、表示遷移等を表示する機能を有している。キーボード/マスス17は、文字、数字、記号等のデータを入力するためのキー、画面上のポイント位置を操作するためのカーソルキー、ファンクションキー等を備えている。なお、ポイント位置を操作するために、マウスが備わっている。
【0092】
ドライブ18は、各種のプログラム、データを記録したCD、DVD等の記録媒体からインストール作業を実行するための駆動ユニットである。なお、フロッピー(登録商標)ディスクのドライブ機能を付加してもよい。
【0093】
ハードディスク19は、プログラム19A、メモリ19B、眼底立体モデル19C、フラグ情報19D等を記憶する外部記憶装置である。プログラム19Aは、前述した通信インタフェース12、ドライブ18等からインストールされたプログラムを実行形式で記憶したものに相当する。メモリ19Bは、各種プログラムの実行結果等のファイルを保存する記憶部である。
【0094】
眼底立体モデル19Cは、前述した手法で構築された情報であり、通信インタフェース12、ドライブ18等を介して読み込んだデータファイルである。フラグ情報19Dは、例えば眼底立体モデル19Cの各フレームに座標で対応させてRGBをひとつのフラグで表すものである。
【0095】
つづいて、本実施の形態を機能的に説明する。図20は本実施の形態による機能を示すブロック図であり、図21は本実施の形態による表示遷移の一例を示す図である。本発明の機能は、拡張条件設定部100、初期血管領域設定部101、仮領域設定部102、濃度中央値算出部103、境界近傍画素値取得部104、領域内外判定部105、血管領域抽出部106、表示画像形成部107等により構成される。
【0096】
以上の構成によれば、拡張条件設定部100により断面毎に拡張するという拡張リージョングローイングの条件が設定される。初期血管領域設定部101により眼底立体モデル19CからフレームN−1の画像が取り出され、手作業かコンピュータ処理により初期の血管領域(視神経乳頭)が設定される。濃度中央値算出部103では、この血管領域設定部101で設定された領域内の各画素の濃度値から濃度中央値が算出される。
【0097】
仮領域設定部102により、フレームN−1に連続する次のフレームNに対して初期血管領域設定部101で設定された血管領域と同じ領域の位置に仮領域が設定される。そして、境界近傍画素値取得部104により仮領域内外の境界近傍画素の画素値が取得される。ただし、拡張条件設定部100の制御により、同一断面における拡張リージョングローイングが終了してから連続するつぎのフレームに処理が移行するものとする。したがって、同一断面内では、局所領域を横にずらしながら血管領域の判定が行われる。ただし、計質領域が血管抽出の対象となり、その領域外は処理対象外として排除される。
【0098】
領域内外判定部105では、境界近傍画素と画素値と濃度中央値算出部103で算出された濃度中央値とに基づいて前述したように拡張リージョングローリング法による血管領域内外の判定が行われる。なお、7×7×4の局所領域での判定が開始されるのは、過去に4フレーム分の血管抽出が完了してからとなる。よって、抽出開始のレームをNとした場合には、フレームN+3から7×7×4の局所領域が採用される。
【0099】
そして、血管領域抽出部106により、血管領域の内外判定に基づいて血管領域の拡張又は伸縮による抽出が行われ、その抽出結果がフラグ情報19Dに反映される。
【0100】
連続する次のフレームN+1においては、フレームN−2,N−1およびNによる3次元の局所領域が濃度中央値算出部103で濃度中央値を算出する際の対象となる。このとき、仮領域設定部102では、フラグ情報19DよりフレームNの血管領域を取り込み、その血管領域にしたがって仮領域が設定される。以降、同様に、拡張リージョングローリング法により血管抽出が実施される。
【0101】
そして、抽出済みの血管領域を表示させる場合には、表示画像形成部107によりフラグ情報19Dおよび生体フルカラー画像情報19Cに基づいて表示データが生成され、図21(A)〜(F)の如く血管領域ROIの表示遷移を観察することができる。
【0102】
つぎに、動作について簡単に説明する。図22は本実施の形態による動作を説明するフローチャートであり、図23は本実施の形態によるフラグ情報の管理について説明する図である。なお、この図22による処理は、プログラム19Aのうち本発明に係る中空臓器血管抽出プログラムに相当するものである。ただし、表示については、図20の機能ブロックに従うものである。以下の処理で実行される拡張リージョングローイングは、断面間の厚さに相当する例えば4フレームの単位で実行されるものとする。
【0103】
まず、1枚目のフレーム画像が入力され(ステップS1)、HSV変換処理が実行される(ステップS2)。そして、抽出対象である血管領域の開始点(視神経乳頭等)が指定される(ステップS3)。
【0104】
この段階では次のフレーム画像が存在することから(ステップS4)、連続する次のフレーム画像が入力される(ステップS5)。このとき、入力されたフレーム画像に対応するフラグ情報がリセットされる(ステップS6)。
【0105】
入力フレーム画像に対しては、1つ前のフレーム画像に指定した血管領域と同じ領域の位置に仮領域として抽出開始領域が指定される(ステップS7)。この抽出開始領域境界の近傍画素が1つ選択され(ステップS8)、スタックA(図19参照)に格納される(ステップS9)。
【0106】
この段階では、スタックAは空ではないので(ステップS10)、スタックAから注目画素Pを1つ取り出し(ステップS11)、局所領域による前述した拡張リージョングローリング処理が実行される(ステップS12)。
【0107】
そして、注目画素Pが血管領域内の場合には(ステップS13)、注目画Pに対してフラグがセットされ(ステップS14)、その注目画素P近傍で抽出開始領域に対して外側の画素が1つ選択される(ステップS15)。この後、選択画素はスタックAに格納され(ステップS9)、同様の処理が繰り返される。
【0108】
フラグ情報は、図23に示したように、各フレームに対して画素毎に座標で管理される。例えば、フレームNo.100の座標(X1,Y1,Z1)が血管領域内と判断された場合には、フラグ“1”にセットされる。フレームNo.101の座標(X2,Y2,Z2)はフラグ“1”のため、血管領域内と判断されたことになる。
【0109】
ステップS13において注目画素Pが領域外の場合には、注目画素Pの近傍で血管領域内の画素が1つ選択され(ステップS16)、その選択画素はスタックBに格納される(ステップS17)。そして、スタックAの空状態が確認される(ステップS18)。このスタックAに関する処理は血管領域内を処理対象とている。
【0110】
スタックAが空でないときには(ステップS18のNOルート)、処理はステップS11に戻り、同様の処理が繰り返される。一方、スタックAが空の場合には(ステップS18のYESルート)、さらにスタックBの空の状態が確認される(ステップS19)。
【0111】
スタックBが空でないときには(ステップS19のNOルート)、処理はステップS20に進み、一方、スタックBが空の場合には(ステップS19のYESルート)、入力フレーム画像1枚分の処理が完了したので、処理はステップS4に戻り、連続する次のフレーム画像の有無が判断される。
【0112】
ステップS20においては、スタックBから注目画素Pとして画素が1つ取り出され、その注目画素Pに対して前述した拡張リージョングローリング処理が施される(ステップS21)。そして、その注目画素Pが血管領域外であれば(ステップS22)、さらに内側の判断を仰ぐため、注目画素Pの近傍で血管領域内の画素が1つ選択される(ステップS23)。その選択画素はスタックBに格納され(ステップS17)、以下は同様の処理が繰り返される。このスタックBに関する処理は血管領域外を処理対象とているので、ステップS22で注目画素が血管領域内と判断された場合には処理はステップS19に戻る。
【0113】
以上説明したように、本実施の形態1によれば、眼球などの中空臓器に対して測定対象を定量的に測定し、かつロバストな血管抽出を自動化することが可能である。とくに、拡張リージョングローリングにより、注目画素周囲の3次元局所空間を使用し、注目画素周辺の3次元局所空間での血管領域内外の濃度中央値を判定基準とした領域抽出を行うようにしたので、抽出対象のフレームよりも前の連続する数フレーム分の判定結果を加味することができる。その結果、拡張リージョングローリングによる自動的なセグメンテーションを実現することが可能である。
【0114】
とくに、切断面の開始点は視神経乳頭(視神経と血管が眼球の外から眼球に入り込むところ)に外接する面が最も血管が太く、すべての血管がつながっているところなので、顕著な、高い効果が得られる。このことから、血管抽出作業の1軸方向に対して反転回数を少なくすることができる。
【0115】
その際、中空臓器の血管領域の判定基準を3次元の空間で行う前提で、中空臓器の特徴すなわち眼底においては眼球が透明なことから血管の抽出範囲を特定することができる。このように、抽出範囲が特定されたことで、血管抽出の堅牢性および高速性を実現することが可能である。
【0116】
このようにすれば、例えば同一臓器の色の変化にも対応して正確に領域抽出を行い、また、同一臓器内に異物が混在しても影響されずに正確に領域抽出を行うことができる。また、従来法のリージョングローイングで問題とされた恣意的なパラメータや拡張の停止条件をなくし、判定基準の固定化を避けることができる。
【0117】
また、本発明は3次元眼底モデル内の血管抽出を自動的に行うための手法であり、この手法によれば、眼底血管の自動抽出を精度良く行うことが可能となり、また、計算コストを低減することが可能となる。このことにより、現在、眼科で撮影している眼底写真と超音波画像から、患者個別の眼底モデルからその血管を抽出することが可能となる。
【0118】
そして、抽出した血管の3次元座標は3次元眼底モデルから求めることができるので、ディジタルデータとして求めることが可能である。この血管抽出領域を判断基準として、眼底血管の異常を検出して、医師に知らせる診断補助システムとすることが可能となる。
【0119】
また、同一患者の経時変化を記録することにより、その患者の異常値を数値データとして提示することが可能となる。その応用範囲は、眼底血管は人体で唯一見ることが可能な血管であることから、眼科領域での疾患にとどまらず、血管に関係する循環器、内科領域、さらには公衆衛生範囲にも及ぶ。さらに、近年、研究が進められているシミュレーション技術を用いた診断、治療システムへの解析もとデータを提示することも可能である。
【0120】
また、上述した実施の形態1において、抽出の繰り返しの回数(1軸方向における往復)は、任意に設定しても良いし、拡張量の増加量または拡張量(1軸方向の作業終了までの)で規定しても良い。
【0121】
また、局所領域の拡張量を判断基準として、少ない領域をあえて抽出しないようにすることも可能である。このことにより、血管系により微細な血管の抽出をコントロールすることが可能である。これを発展させて、拡張量によりフラグの種類を複数設定することにより、太い血管と細い血管を識別したフラグとすることも可能となる。
【0122】
また、本実施の形態1によれば、拡張範囲であるが、対象となる血管は眼底に接していることから、眼底モデルの中心や外側には対象領域は存在しない。そこで、拡張範囲を眼底モデルから規定することにより、計算量を激減することが可能となる。
【0123】
この実施の形態1によれば、血管領域について細部まで抽出した後に、血管の中心線を算出して、その軸に直行する断面を求めてから、その断面の大きさにより血管の太さを分別する方法も可能である。この方法では、切断面を基準とした抽出のため(たとえば2.5次元)、メモリ空間を少なくすることが可能である。
【0124】
さて、上述した実施の形態1では、判定基準のデータとして濃度中央値を採用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、濃度中央値のほうが好ましいが、濃度平均値からも同様の効果を得ることが可能である。
【0125】
また、上述した実施の形態1では、3次元局所領域を7×7×4のサイズとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば3×3×2のように上記サイズよりも小さくてもよく、あるいは、大きくてもよい。また、大中小等の複数のサイズをもつことで、それぞれに重み付けをすることも可能である。
【0126】
さらに、上述した実施の形態1では、カラー画像を例に挙げているが、白黒画像への適用も可能である。
【0127】
また、上述した実施の形態1では、初期画像にあたるフレームN−1に対して手作業で血管領域を抽出していたが、本発明はこれに限定されるものではなく、画像処理技術により自動的に抽出するようにしてもよい。
【0128】
(実施の形態2)
さて、本発明は、上述した実施の形態1に限らず、種々の変形が可能である。そこで、以下に本発明の実施の形態2について述べる。なお、前述の実施の形態1と原理は同様であり、共通機能があることから、以下に相違する部分についてのみ説明する。
【0129】
本実施の形態2においては、開始点として視神経乳頭が最も効果が高いところであるが、複数個指定して、その重なり合いを利用してロバスト性を向上させることが可能となる。各開始点毎に拡張領域のデータをもち、その後、各開始点毎のデータを統計手法で判定(andをとる等)することにより、確実性を向上させることが可能である。
【0130】
この実施の形態2では、眼底の立体モデルに対して血管領域の抽出作業は、切断面を基準とした断面単位に行うのではなく、また局所領域のサイズも任意とするものである。局所領域の一例を図24に示す。図24に示した局所領域Wは、例えば7×7×7画素のサイズを有している。このように、画素毎に割り当てるボクセル空間内で任意の方向に本発明の拡張リージョングローイングを実施することが可能となる。
【0131】
前述した実施の形態1において、図22の処理では断面間の単位で拡張リージョングローイングが実施されるが、本実施の形態2ではその断面間の単位はなく、拡張リージョングローイングのための処理対象が立体モデルのデータ全体にわたることになる。
【0132】
局所領域Wは、図25に示したように、血管領域を拡張させながら判定場所を移動させられる。したがって、拡張リージョングローイングは、与えられた任意のサイズの局所領域Wにしたがって血管を伝うように血管抽出を助けてくれる。なお、本実施の形態2においても前述の実施の形態と同様に、計質領域が血管抽出の対象となり、その領域外は処理対象外として排除される。
【0133】
以上において、血管領域を抽出するための出発点は任意の1または複数点であってもよい。この場合には、前述したように、画素毎に抽出処理を施したものにはフラグ管理によりすみわけするので、血管領域の追跡が複数の枝に分かれても同時に処理を進行させることが可能となる。
【0134】
また、拡張領域は3次元空間であるが、拡張リージョングローリング法のうち、1軸方向の大きさの限定をはずした3次元空間としてもよい。すなわち、局所領域の持ち方は7×7×4を例にとる3次元領域であったが、7×7×4に限定されず、任意のサイズとしてもよい。
【0135】
また、拡張領域はあらかじめ眼底の立体モデルから眼底血管領域を求め、その際、眼底からの厚さで規定するようにしていたので、その厚さの範囲を超える部分は計算しないようにしてもよい。このようにすれば、計算量を激減することが可能である。
【0136】
また、血管領域の抽出を完了させた領域については、画像データのセット(画像ファイル)とは別にフラグをたてることが可能である。この場合には、画像領域に規定した値を持ってフラグとすることも可能である。
【0137】
また、複数の出発点とする場合、出発点ごとにポテンシャルを持たせて、複数の拡張始点の情報から血管部分を判断することもできる。
【0138】
そして、血管領域を抽出する際の探索領域を3次元空間として考えることが可能である。通常、眼底領域として想定される1000×1000×1000のボクセル空間ではその対象領域は10億ボクセルとなり、その計算コストは膨大である。そのため、あらかじめ計算領域を眼底モデルの形状からお椀状の眼底形状とその厚さに限定することにより、大幅に計算コストを削減することが可能である。
【0139】
そして、上述した変形例のように、拡張の方向を規定しない場合には、立体モデルに対する切断面を移動することが不要となり、U字型に戻るなどの血管形状に左右されないことから、移動回数を考慮しないで済むというメリットがある。
【0140】
さて、上述においては、眼底を例に挙げて説明していたが、本発明はこれに限定されず、胃等の中空臓器への適用も可能である。また、眼底血管にとどまらず、形状情報が分かるものと内視鏡などの画像を組み合わせてその特異部(血管、腫瘍)を抽出するときの手法にも応用することが可能である。また、本発明は、中空臓器の血管抽出に限定されず、中空臓器表面(裏面)の腫瘍等の抽出、検出、診断にも適用可能である。
【0141】
また、本発明は、前述したスタックに限定されるものではなく、データの持ち方としてキューを適用させてもよいことはいうまでもない。この場合には、ファーストイン・ファーストアウト型のデータ構造となり、血管の流れに沿った領域拡張が可能である。なお、データ量の膨らみの防止等のデータ管理の最適化は、スタック、キューともにその効果がある。
【0142】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、眼球などの中空臓器に対して測定対象を定量的に測定し、かつロバストな血管抽出を自動化することが可能な中空臓器血管抽出方法、中空臓器血管抽出処理プログラムおよび画像処理装置を提供できるという効果を奏する。
【0143】
また、本発明によれば、中空臓器の血管領域の判定基準を3次元の空間で行い、かつ、中空臓器の特徴から血管の抽出範囲を特定するようにしたので、血管抽出の堅牢性および高速性を実現することが可能な中空臓器血管抽出方法、中空臓器血管抽出処理プログラムおよび画像処理装置を提供できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】眼底写真を示す図である。
【図2】眼球の光学系を説明する断面図である。
【図3】眼底の座標を説明する図である。
【図4】平面画像から眼底に投影する場合を説明する図である。
【図5】投影画像内でのテンプレートの変更を説明する図である。
【図6】眼底を異なる角度から撮影した場合の光学系を説明する断面図である。
【図7】眼底を異なる角度から撮影した場合の光学系を説明する断面図である。
【図8】水晶体を考慮した場合を説明する図である。
【図9】眼底形状の立体モデルの構築を説明する図である。
【図10】眼底形状の立体モデルの表示例を示す図である。
【図11】眼底の立体モデルの表示例を示す図である。
【図12】HSVカラー空間を説明する図である。
【図13】本発明に適用される極座標を説明する図である。
【図14】本発明に適用される領域抽出方法を説明する図である。
【図15】本発明に適用される領域抽出方法を説明する図である。
【図16】本発明に適用される領域抽出方法を説明する図である。
【図17】本発明に適用される領域抽出方法を説明する図である。
【図18】本発明に適用される3次元空間における血管領域のリージョングローイング方法を説明する図である。
【図19】本発明の実施の形態1による画像処理装置の一構成を示すブロック図である。
【図20】本実施の形態1による機能を示すブロック図である。
【図21】本実施の形態1による表示遷移の一例を示す図である。
【図22】本実施の形態1による動作を説明するフローチャートである。
【図23】本実施の形態1によるフラグ情報の管理について説明する図である。
【図24】本実施の形態2の局所領域を説明する図である。
【図25】本実施の形態2による拡張リージョングローイングを説明する図である。
【図26】従来の眼底パノラマ画像の一例を示す図である。
【符号の説明】
12 通信インタフェース
13 CPU
14 ROM
15 RAM
16 ディスプレイ
17 キーボード/マウス
18 ドライブ
19 ハードディスク
19A プログラム
19B メモリ
19C 眼底立体モデル
19D フラグ情報
100 拡張条件設定部
101 初期血管領域設定部
102 仮領域設定部
103 濃度中央値算出部
104 境界近傍画素値取得部
105 領域内外判定部
106 血管領域抽出部
107 表示画像形成部

Claims (42)

  1. 中空臓器の生体断面画像の連続フレームから血管領域を抽出する方法であって、
    前記連続フレームで構成されるあらかじめ用意された中空臓器の立体モデルに対して血管領域を抽出するためのフレーム毎の領域である血管抽出用領域を与え、画素毎の判定基準にしたがって第1フレームの血管抽出用領域の画素値に基づいて前記血管領域に帰属する領域を判定し、前記血管領域に前記判定された領域を含めた領域の画素値に基づいて前記第1フレームに連続する第2フレームにおける判定基準を設定し、
    前記連続フレームに対する血管領域の抽出をフレームの連続する方向に対して少なくとも往復で実施することを特徴とする中空臓器血管抽出方法。
  2. 中空臓器の生体断面画像の連続フレームから血管領域を抽出する方法であって、
    前記連続フレームで構成されるあらかじめ用意された中空臓器の立体モデルに対して血管領域を抽出するためのフレーム毎の領域である血管抽出用領域を与え、画素毎の判定基準にしたがって第1フレームの血管抽出用領域の画素値に基づいて前記血管領域内に帰属する領域と帰属しない領域とを判定し、前記血管領域内に前記帰属する領域を含めた領域の画素値に基づいて前記第1フレームに連続する第2フレームにおける血管領域内の判定基準を設定し、前記血管領域外に前記帰属しない領域を含めた領域の画素値に基づいて前記第1フレームに連続する第2フレームにおける血管領域外の判定基準を設定することを特徴とする中空臓器血管抽出方法。
  3. 前記連続フレームに対する血管領域の抽出をフレームの連続する方向に対して少なくとも往復で実施することを特徴とする請求項に記載の中空臓器血管抽出方法。
  4. 血管領域の抽出を開始する第1枚目のフレームの血管抽出用領域に対して少なくとも1点の血管領域を与え、当該血管領域の画素値に基づいて初期の判定基準を設定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の中空臓器血管抽出方法。
  5. 血管領域を抽出する対象の現フレームにおいて前フレームまでに判定された血管領域と同じ位置に仮領域を設け、当該仮領域の境界に沿って画素単位に帰属の判断を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の中空臓器血管抽出方法。
  6. 前記仮領域において、前記血管領域に帰属させる画素が前記仮領域外にある場合には、当該画素を前記現フレームの血管領域の画素として当該血管領域を前記前フレームの血管領域に対して拡張し、前記血管領域に帰属させない画素が前記仮領域内にある場合には、当該画素を前記現フレームの血管領域外の画素として当該血管領域を前記前フレームの血管領域に対して縮小することを特徴とする請求項に記載の中空臓器血管抽出方法。
  7. 前記血管領域の判定では、血管領域を抽出する対象の現フレーム以前の連続する複数枚のフレームから画素単位に対応させて前記現フレームの各画素を含む立体的な所定サイズの局所領域を取り出しながら、前記各局所領域に含まれる前記血管領域の一部に対応する前記設定された判定基準を使用することを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の中空臓器血管抽出方法。
  8. 生体断面の厚さを前記所定サイズの局所領域に合致させ、生体断面毎に前記血管領域に該当する領域を拡張させながら血管領域の判定を行うことを特徴とする請求項に記載の中空臓器血管抽出方法。
  9. 前記立体モデル全体に対して前記血管領域をボクセル空間内で拡張させながら血管領域の判定を行うことを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の中空臓器血管抽出方法。
  10. 前記血管領域の画素のみ表示対象として記憶することを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の中空臓器血管抽出方法。
  11. 前記中空臓器は眼底であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の中空臓器血管抽出方法。
  12. 血管領域の抽出を開始する第1枚目のフレームの血管抽出用領域に対して眼底の視神経乳頭を指定し、当該指定された視神経乳頭の画素値に基づいて初期の判定基準を設定することを特徴とする請求項11に記載の中空臓器血管抽出方法。
  13. 複数のフレームは前記生体断面画像を前記眼底の中心方向に1軸で並べてなることを特徴とする請求項11または12に記載の中空臓器血管抽出方法。
  14. 前記あらかじめ用意された中空臓器の立体モデルは、その各フレームの画素毎に座標データが対応付けられたものであることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1つに記載の中空臓器血管抽出方法。
  15. 中空臓器の生体断面画像の連続フレームから血管を抽出するための処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
    前記コンピュータに、
    前記連続フレームで構成されるあらかじめ用意された中空臓器の立体モデルに対して血管領域を抽出するためのフレーム毎の領域である血管抽出用領域を入力する第1ステップと、
    画素毎の判定基準にしたがって第1フレームの血管抽出用領域の画素値に基づいて前記血管領域に帰属する領域を判定する第2ステップと、
    前記血管領域に前記判定された領域を含めた領域の画素値に基づいて前記第1フレームに連続する第2フレームにおける判定基準を設定する第3ステップと、
    前記連続フレームに対する血管領域の抽出をフレームの連続する方向に対して少なくとも往復で実施する第6ステップと、
    を実行させることを特徴とする中空臓器血管抽出プログラム。
  16. 中空臓器の生体断面画像の連続フレームから血管を抽出するための処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
    前記コンピュータに、
    前記連続フレームで構成されるあらかじめ用意された中空臓器の立体モデルに対して血管領域を抽出するためのフレーム毎の領域である血管抽出用領域を入力する第1ステップと、
    画素毎の判定基準にしたがって第1フレームの血管抽出用領域の画素値に基づいて前記血管領域内に帰属する領域と帰属しない領域とを判定する第2ステップと、
    前記血管領域内に前記帰属する領域を含めた領域の画素値に基づいて前記第1フレームに連続する第2フレームにおける血管領域内の判定基準を設定し、前記血管領域外に前記帰属しない領域を含めた領域の画素値に基づいて前記第1フレームに連続する第2フレームにおける血管領域外の判定基準を設定する第3ステップと、
    を実行させることを特徴とする中空臓器血管抽出プログラム。
  17. 前記コンピュータに、さらに、前記連続フレームに対する血管領域の抽出をフレームの連続する方向に対して少なくとも往復で実施する第6ステップを実行させることを特徴とする請求項16に記載の中空臓器血管抽出プログラム。
  18. 前記コンピュータに、さらに、血管領域の抽出を開始する第1枚目のフレームの血管抽出用領域に対して少なくとも1点の血管領域を設定し、当該少なくとも1点の血管領域の画素値に基づいて初期の判定基準を設定する第4ステップを実行させることを特徴とする請求項15〜17のいずれか1つに記載の中空臓器血管抽出プログラム。
  19. 前記第2ステップは、血管領域を抽出する対象の現フレームにおいて前フレームまでに判定された血管領域と同じ位置に仮領域を設け、当該仮領域の境界に沿って画素単位に帰属の判断を行うことを含むことを特徴とする請求項15〜18のいずれか1つに記載の中空臓器血管抽出プログラム。
  20. 前記第2ステップは、前記仮領域において、前記血管領域に帰属させる画素が前記仮領域外にある場合には、当該画素を前記現フレームの血管領域の画素として当該血管領域を前記前フレームの血管領域に対して拡張し、前記血管領域に帰属させない画素が前記仮領域内にある場合には、当該画素を前記現フレームの血管領域外の画素として当該血管領域を前記前フレームの血管領域に対して縮小することを含むことを特徴とする請求項19に記載の中空臓器血管抽出プログラム。
  21. 前記第2ステップは、血管領域を抽出する対象の現フレーム以前の連続する複数枚のフレームから画素単位に対応させて前記現フレームの各画素を含む立体的な所定サイズの局所領域を取り出しながら、前記各局所領域に含まれる前記血管領域の一部に対応する前記設定された判定基準を使用することを含むことを特徴とする請求項15〜20のいずれか1つに記載の中空臓器血管抽出プログラム。
  22. 生体断面の厚さは前記所定サイズの局所領域に合致させており、前記第2ステップは生体断面毎に前記血管領域に該当する領域を拡張させながら血管領域の判定を行うことを特徴とする請求項21に記載の中空臓器血管抽出プログラム。
  23. 前記第2ステップは、前記立体モデル全体に対して前記血管領域をボクセル空間内で拡張させながら血管領域の判定を行うことを特徴とする請求項15〜20のいずれか1つに記載の中空臓器血管抽出プログラム。
  24. 前記コンピュータに、さらに、前記血管領域の画素のみ表示対象として記憶する第5ステップを実行させることを特徴とする請求項15〜23のいずれか1つに記載の中空臓器血管抽出プログラム。
  25. 前記中空臓器は眼底であることを特徴とする請求項15〜24のいずれか1つに記載の中空臓器血管抽出プログラム。
  26. 前記コンピュータに、さらに、血管領域の抽出を開始する第1枚目のフレームの血管抽出用領域に対して眼底の視神経乳頭を指定し、当該指定された視神経乳頭の画素値に基づいて初期の判定基準を設定する第7ステップを実行させることを特徴とする請求項25に記載の中空臓器血管抽出プログラム。
  27. 複数のフレームは前記生体断面画像を前記眼底の中心方向に1軸で並べてなることを特徴とする請求項25または26に記載の中空臓器血管抽出プログラム。
  28. 前記あらかじめ用意された中空臓器の立体モデルは、その各フレームの画素毎に座標データが対応付けられたものであることを特徴とする請求項15〜27のいずれか1つに記載の中空臓器血管抽出プログラム。
  29. 画像処理装置であって、
    中空臓器の生体断面画像の連続フレームで構成される中空臓器の立体モデルを記憶する記憶手段と、
    前記立体モデルに対して血管領域を抽出するためのフレーム毎の領域である血管抽出用領域を入力する入力手段と、
    画素毎の判定基準にしたがって第1フレームの血管抽出用領域の画素値に基づいて前記血管領域に帰属する領域を判定する判定手段と、
    前記血管領域に前記判定された領域を含めた領域の画素値に基づいて前記第1フレームに連続する第2フレームにおける判定基準を設定する設定手段と、
    前記連続フレームに対する血管領域の抽出をフレームの連続する方向に対して少なくとも往復で実施する手段と、
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  30. 画像処理装置であって、
    中空臓器の生体断面画像の連続フレームで構成される中空臓器の立体モデルを記憶する記憶手段と、
    前記立体モデルに対して血管領域を抽出するためのフレーム毎の領域である血管抽出用領域を入力する入力手段と、
    画素毎の判定基準にしたがって第1フレームの血管抽出用領域の画素値に基づいて前記血管領域内に帰属する領域と帰属しない領域とを判定する判定手段と、
    前記血管領域内に前記帰属する領域を含めた領域の画素値に基づいて前記第1フレームに連続する第2フレームにおける血管領域内の判定基準を設定し、前記血管領域外に前記帰属しない領域を含めた領域の画素値に基づいて前記第1フレームに連続する第2フレームにおける血管領域外の判定基準を設定する設定手段と、
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  31. さらに、前記連続フレームに対する血管領域の抽出をフレームの連続する方向に対して少なくとも往復で実施する手段を有することを特徴とする請求項30に記載の画像処理装置。
  32. さらに、血管領域の抽出を開始する第1枚目のフレームの血管抽出用領域に対して少なくとも1点の血管領域を設定し、当該少なくとも1点の血管領域の画素値に基づいて初期の判定基準を設定する手段を有することを特徴とする請求項29〜31のいずれか1つに記載の画像処理装置。
  33. 前記判定手段は、血管領域を抽出する対象の現フレームにおいて前フレームまでに判定された血管領域と同じ位置に仮領域を設け、当該仮領域の境界に沿って画素単位に帰属の判断を行うことを特徴とする請求項29〜32のいずれか1つに記載の画像処理装置。
  34. 前記判定手段は、前記仮領域において、前記血管領域に帰属させる画素が前記仮領域外にある場合には、当該画素を前記現フレームの血管領域の画素として当該血管領域を前記前フレームの血管領域に対して拡張し、前記血管領域に帰属させない画素が前記仮領域内にある場合には、当該画素を前記現フレームの血管領域外の画素として当該血管領域を前記前フレームの血管領域に対して縮小することを特徴とする請求項33に記載の画像処理装置。
  35. 前記判定手段は、血管領域を抽出する対象の現フレーム以前の連続する複数枚のフレームから画素単位に対応させて前記現フレームの各画素を含む立体的な所定サイズの局所領域を取り出しながら、前記各局所領域に含まれる前記血管領域の一部に対応する前記設定された判定基準を使用することを特徴とする請求項29〜34のいずれか1つに記載の画像処理装置。
  36. 生体断面の厚さは前記所定サイズの局所領域に合致させており、前記判定手段は生体断面毎に前記血管領域に該当する領域を拡張させながら血管領域の判定を行うことを特徴とする請求項35に記載の画像処理装置。
  37. 前記判定手段は、前記立体モデル全体に対して前記血管領域をボクセル空間内で拡張させながら血管領域の判定を行うことを特徴とする請求項29〜34のいずれか1つに記載の画像処理装置。
  38. さらに、前記血管領域の画素のみ表示対象として記憶する手段を有することを特徴とする請求項29〜37のいずれか1つに記載の画像処理装置。
  39. 前記中空臓器は眼底であることを特徴とする請求項29〜38のいずれか1つに記載の画像処理装置。
  40. さらに、血管領域の抽出を開始する第1枚目のフレームの血管抽出用領域に対して眼底の視神経乳頭を指定し、当該指定された視神経乳頭の画素値に基づいて初期の判定基準を設定する手段を有することを特徴とする請求項39に記載の画像処理装置。
  41. 複数のフレームは前記生体断面画像を前記眼底の中心方向に1軸で並べてなることを特徴とする請求項39または40記載の画像処理装置。
  42. 前記記憶手段に記憶された中空臓器の立体モデルは、その各フレームの画素毎に座標データが対応付けられたものであることを特徴とする請求項29〜41のいずれか1つに記載の画像処理装置。
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