JP5486616B2 - 医用画像診断支援装置およびその作動方法、並びにプログラム - Google Patents

医用画像診断支援装置およびその作動方法、並びにプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP5486616B2
JP5486616B2 JP2012025059A JP2012025059A JP5486616B2 JP 5486616 B2 JP5486616 B2 JP 5486616B2 JP 2012025059 A JP2012025059 A JP 2012025059A JP 2012025059 A JP2012025059 A JP 2012025059A JP 5486616 B2 JP5486616 B2 JP 5486616B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
branch
peripheral
medical image
abnormal
peripheral structure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012025059A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012096085A (ja
Inventor
修 水野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2012025059A priority Critical patent/JP5486616B2/ja
Publication of JP2012096085A publication Critical patent/JP2012096085A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5486616B2 publication Critical patent/JP5486616B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Image Analysis (AREA)
  • Apparatus For Radiation Diagnosis (AREA)
  • Image Processing (AREA)

Description

本発明は、例えば肺のように、分枝構造と周辺構造とからなる被検体内構造物を表す3次元医用画像を用いた画像診断を支援する装置およびその作動方法、並びにプログラムに関するものである。
CT装置で得られた胸部を表す3次元医用画像を用いた画像診断を支援する技術として、3次元医用画像から肺がん等の陰影を自動検出する技術が知られている。
例えば、2次元のN-Quoitフィルタや、可変近傍型ラプラシアンフィルタ、Min-DDフィルタ、コントラストフィルタを、各々、3次元に拡張したフィルタを用いて、胸部を表す3次元CT画像から肺がん陰影を検出する手法が知られている(例えば、非特許文献1)。
また、非特許文献2では、検出された肺の結節状陰影を、濃淡値の閾値処理やコントラストの評価を行うことによって、核と辺縁部に分割し、陰影中の核の領域の割合を特徴量として求めるとともに、体積や、球形度、縦横比、平均濃淡値等の特徴量も求め、これらの特徴量を用いた正準判別分析によって、結節状陰影を充実型陰影とすりガラス状陰影に自動分類する手法も提案されている。
さらに、肺がん以外の病変領域の検出手法としては、肺野領域のうち画素値が所定の閾値(非造影のCT画像に対して閾値は-960HU程度)以下の領域を肺気腫領域として検出する手法が知られている(例えば、非特許文献3)。
また、両肺のCT画像に対して肺実質組織のセグメント化を行い、セグメント化された画像の灌流マップを作成し、異常な灌流不足領域を検出する手法も知られている(例えば、特許文献1)
特開2006−51365号公報
清水昭伸、外3名、「3次元胸部CT像からの肺がん陰影検出のための3次元強調フィルタの性能評価」、MEDICAL IMAGING TECHNOLOGY、1995年11月、Vol.13、No.6、pp.853-864 冨田拓也、外5名、「胸部X線CT画像における充実型陰影とすりガラス状陰影の自動分類法」、電子情報通信学会技術研究報告. MI, 医用画像、日本、社団法人電子情報通信学会、2010年1月、Vol.109, No.407、pp.397-400 M Kinsella, et al.、「Quantitation of emphysema by computed tomography using a "density mask" program and correlation with pulmonary function tests.」、Chest、1990年、97、p.p.315-321
実際の医療現場では、画像中からの病変の検出結果や他の検査結果等を総合的に判断した結果、何らかの病気であるとの確定診断が下された場合、その病変の切除・摘出・焼灼といった処置が行われる。このとき、処置後においてもその病変が見つかった臓器の機能をできる限り温存するためには、処置の対象となる領域を最小限にとどめるべきである。一方、十分な領域に対して処置を行わなかった場合には、病変が残ってしまい、処置後に転移が進むこともありうる。このように、患部に対する処置の前に、処置対象の領域を適切に決定する必要がある。
しかしながら、上記非特許文献の各々に記載された手法は、肺野領域内の異常箇所を検出するにとどまっており、その異常箇所に対して何らかの処置を行う必要がある場合に、その処置対象の領域の決定をどのように支援するかについては、上記非特許文献では何ら言及されていない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、分枝構造と周辺構造とからなる被検体内構造物を表す3次元医用画像を用いた画像診断を行う際に、異常領域に対して必要十分な範囲の処置対象の領域を特定することを可能にする装置、その作動方法、および、プログラムを提供することを目的とするものである。
本発明の医用画像診断支援装置は、分枝構造と、該分枝構造の周辺の構造であって、該分枝構造と機能的に関連する周辺構造とを有する被検体内構造物を表す3次元医用画像から前記周辺構造の異常部分である異常周辺構造を検出する異常周辺構造検出手段と、前記3次元医用画像から前記分枝構造を抽出する分枝構造抽出手段と、前記抽出された分枝構造中の各点の位置情報に基づいて、前記異常周辺構造と機能的に関連する前記分枝構造中の部分を関連分枝構造として特定する関連分枝構造特定手段と、前記抽出された分枝構造中の各点の位置情報に基づいて、前記特定された関連分枝構造と機能的に関連する前記周辺構造中の部分を関連周辺構造として特定する関連周辺構造特定手段とを設けたことを特徴とする。
本発明の医用画像診断支援装置の作動方法は、分枝構造と、該分枝構造の周辺の構造であって、該分枝構造と機能的に関連する周辺構造とを有する被検体内構造物を表す3次元医用画像から前記周辺構造の異常部分である異常周辺構造を検出するステップと、前記3次元医用画像から前記分枝構造を抽出するステップと、前記抽出された分枝構造中の各点の位置情報に基づいて、前記異常周辺構造と機能的に関連する前記分枝構造中の部分を関連分枝構造として特定するステップと、前記抽出された分枝構造中の各点の位置情報に基づいて、前記特定された関連分枝構造と機能的に関連する前記周辺構造中の部分を関連周辺構造として特定するステップとを有することを特徴とする。
本発明の医用画像診断支援プログラムは、コンピュータに上記方法を実行させるためのものである。
本発明において、「分枝構造」とは、枝分かれ構造を有する被検体内の構造物を意味する。具体例としては血管や気管支が挙げられる。
「周辺構造」は、分枝構造とともに被検体内構造物の何らかの機能を果たす構造である。ここで、「何らかの機能」の具体例としては、周辺構造と分枝構造との間で、分枝構造中を流れる流体によって運搬される所定の物質のやり取りを行うことが挙げられる。
「被検体内構造物」の具体例としては肺や肝臓が挙げられる。肺の場合、分枝構造は血管や気管支、周辺構造は肺実質とすることができる。また、肺血管は、肺動脈または肺静脈のいずれか一方としてもよい。肝臓の場合、分枝構造は血管、周辺構造は肝実質とすることができる。また、肝臓の血管は、肝動脈、肝静脈、肝門脈のいずれか1つとしてもよい。
「異常周辺構造を検出する」方法は、3次元医用画像から生成された画像上でのユーザの手動操作に基いて検出する方法でもよいし、画像解析・認識手法を用いて自動的に検出する方法でもよいし、両者の組合せによる方法でもよい。両者の組合せによる方法の具体例としては、ユーザの手動操作により異常周辺構造の基準となる点(例えば病変領域内の任意の点)を指定した後、その基準となる点に基づいて所定の画像解析・認識手法によって異常周辺構造を自動的に抽出する方法や、所定の画像解析・認識手法によって自動的に抽出された異常周辺構造の候補からユーザが手動操作によって異常周辺構造を選択したり、異常周辺構造の候補をユーザが手動操作によって修正したりする方法が挙げられる。また、撮影タイミングの異なる画像や、異なるモダリティで撮影された画像等(以下、別画像)から周辺構造の異常部分を検出し、この別画像と3次元医用画像との間で被検体内構造物の対応する位置を合わせる位置合わせを行い、その位置合わせ結果に基づいて、別画像中の周辺構造の異常部分に対応する3次元医用画像中の部分を異常周辺構造として検出してもよい。
本発明において、関連分枝構造および関連周辺構造の特定に先立って、分枝構造中の各点の位置情報に基づいて、周辺構造中の各点について、その点と機能的に関連する分枝構造中の点を特定しておき、この特定された周辺構造中の各点と分枝構造中の各点との機能的対応関係に基づいて、関連分枝構造および関連周辺構造の特定を行うようにしてもよい。
また、異常周辺構造の今後の成長の程度を表す所与の成長条件に応じて、異常周辺構造を拡大し、拡大後の異常周辺構造と機能的に関連する分枝構造中の部分を関連分枝構造として特定するようにしてもよい。あるいは、この所与の成長条件に応じて、異常周辺構造と機能的に関連する分枝構造中の部分を、分枝構造の根側に拡張し、拡張後の分枝構造中の部分を関連分枝構造として特定するようにしてもよい。
さらに、この所与の成長条件を複数の成長段階を表すものとし、その成長段階毎に、異常周辺構造の拡大を行い、拡大後の異常周辺構造に基づいて関連分枝構造、および、関連周辺構造の特定を行うようにし、関連周辺構造および関連分枝構造を少なくとも表す1以上の画像であって、成長段階の各段階間での関連周辺構造の変化を視認可能な態様で表した画像を3次元医用画像から生成するようにしてもよい。ここで、前記成長段階の各段階間での異常周辺構造の変化も視認可能な態様で表した画像を生成するようにしてもよい。
また、本発明において、関連分枝構造、および、関連分枝構造より末梢側にある分枝構造中の部分と機能的に関連する周辺構造中の部分を関連周辺構造として特定するようにしてもよい。
さらにまた、被検体内構造物を、分枝構造とは異なる第2の分枝構造を有するものとし、3次元医用画像から第2の分枝構造を抽出し、関連周辺構造の境界面と第2の分枝構造との交点を検出するようにしてもよい。ここで、関連周辺構造および関連分枝構造、並びに、これら2つの構造の近傍の第2の分枝構造を少なくとも表す画像であって、検出された交点を視認可能な態様で表した画像を3次元医用画像から生成するようにしてもよい。
本発明によれば、分枝構造とその周辺構造とを有する被検体内構造物を表す3次元医用画像から異常周辺構造を検出するとともに、分枝構造を抽出し、抽出された分枝構造中の各点の位置情報に基づいて、異常周辺構造と機能的に関連する関連分枝構造を特定し、特定された関連分枝構造と機能的に関連する関連周辺構造を特定することができるので、この関連周辺構造は、異常周辺構造の近傍の関連分枝構造と機能的に関連する構造を含むものとなり、異常周辺構造に対する処置の対象領域として必要十分な範囲を表すものとなるから、この関連周辺構造をもとに異常周辺構造に対する処置方針の的確かつ容易な決定に資する。
本発明の実施の形態となる医用画像診断支援装置が導入された医用画像診断システムの概略構成図 本発明の第1の実施形態における医用画像診断支援機能を実現する構成および処理の流れを模式的に示したブロック図 本発明の第1の実施形態における医用画像診断システムを用いた医用画像診断支援処理の流れを表したフローチャート 肺血管枝毎の支配領域を模式的に表した図 病変領域に関連する血管を特定する処理を模式的に表した図 関連血管に関連する肺実質領域を特定する処理を模式的に表した図 病変領域に関連する血管が複数ある場合における、関連血管および関連肺実質領域を特定する処理を模式的に表した図 病変領域に基づいて、関連血管、関連肺実質領域を特定する処理の他の例を模式的に表した図 本発明の第2の実施形態における医用画像診断支援機能を実現する構成および処理の流れを模式的に示したブロック図 本発明の第2の実施形態における医用画像診断システムを用いた医用画像診断支援処理の流れを表したフローチャート 時点tにおける病変領域と関連肺実質領域とを模式的に表した図 時点t2における病変領域と関連肺実質領域とを模式的に表した図 時点t3における病変領域と関連肺実質領域とを模式的に表した図 病変領域の拡大に伴う関連肺実質領域の拡大の様子を表す表示画像の一例を模式的に表した図 本発明の第3の実施形態における医用画像診断支援機能を実現する構成および処理の流れを模式的に示したブロック図 本発明の第3の実施形態における医用画像診断システムを用いた医用画像診断支援処理の流れを表したフローチャート 病変領域に基づいて特定された関連肺実質領域と肺静脈、気管支との交点を視覚化した表示画像の一例を模式的に表した図
以下、人体の胸部のCT画像から肺がんの陰影を検出し、検出された病変に対する処置の対象領域を検討する場合を例にして、本発明の実施の形態となる医用画像診断支援装置が導入された医用画像診断システムについて説明する。
図1は、この医用画像診断システムの概要を示すハードウェア構成図である。図に示すように、このシステムでは、モダリティ1と、画像保管サーバ2と、画像処理ワークステーション3とが、ネットワーク9を経由して通信可能な状態で接続されている。
モダリティ1には、被検体の検査対象部位を撮影することにより、その部位を表す3次元医用画像の画像データを生成し、その画像データにDICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)規格で規定された付帯情報を付加して、画像情報として出力する装置が含まれる。具体例としては、CT、MRIなどが挙げられる。本実施形態では、CTで被検体である人体の体軸方向にスキャンすることによって人体の胸部の3次元画像データを生成する場合について説明する。
画像保管サーバ2は、モダリティ1で取得された医用画像データや画像処理ワークステーション3での画像処理によって生成された医用画像の画像データを画像データベースに保存・管理するコンピュータであり、大容量外部記憶装置やデータベース管理用ソフトウェア(たとえば、ORDB(Object Relational Database)管理ソフトウェア)を備えている。
画像処理ワークステーション3は、読影者からの要求に応じて、モダリティ1や画像保管サーバ2から取得した医用画像データに対して画像処理(画像解析を含む)を行い、生成された画像を表示するコンピュータであり、CPU,主記憶装置、補助記憶装置、入出力インターフェース、通信インターフェース、入力装置(マウス、キーボード等)、表示装置(ディスプレイモニタ)、データバス等の周知のハードウェア構成を備え、周知のオペレーティングシステム等がインストールされたものである。本発明の医用画像診断支援処理は、この画像処理ワークステーション3に実装されており、この処理は、CD−ROM等の記録媒体からインストールされたプログラムを実行することによって実現される。また、プログラムは、インターネット等のネットワーク経由で接続されたサーバの記憶装置からダウンロードされた後にインストールされたものであってもよい。
画像データの格納形式やネットワーク9経由での各装置間の通信は、DICOM等のプロトコルに基づいている。
図2は、画像処理ワークステーション3の機能のうち、本発明の第1の実施形態となる医用画像診断支援処理に関連する部分を示すブロック図である。図に示すように、本発明の実施形態となる医用画像診断支援処理は、肺野領域抽出部31、肺血管抽出部32、病変領域検出部33、支配領域算出部34、関連血管特定部35、関連肺実質領域特定部36、表示画像生成部37によって実現される。また、3次元医用画像V、肺野領域LF、肺血管構造LV、病変領域RL、血管毎の支配領域RVn、関連血管構造LVR、関連肺実質領域RVR、表示画像Iは、各々、上記各処理部によって、画像処理ワークステーション3の所定のメモリ領域に対して読み書きされるデータである。
肺野領域抽出部31は、3次元医用画像Vを構成する複数のアキシャル断面画像の各々を入力として被検体の肺野領域LFを抽出する。例えば、肺野領域LFは空気のCT値に対応する画素値を有する領域となるので、各アキシャル断面画像に対して閾値処理を行うことによって、被検体の周辺の空気領域と被検体内の領域とを識別した後、被検体内の空気領域を肺野領域として抽出することができる。
肺血管抽出部32は、3次元医用画像Vを入力として被検体の肺血管構造LVを抽出する。具体的には、ユーザによって設定された肺血管上の任意のシード点に基づく領域拡張法により肺血管領域内の画素の集合を抽出し、抽出された肺血管領域に対して細線化処理を行い、得られた肺血管を表す細線の連結関係に基づいて細線上の各画素を端点・エッジ(辺)・分岐点に分類することによって、肺血管を表す木構造データを得ることができる。さらに、必要に応じて、細線上の各画素における血管径や各エッジ(血管枝)の長さ等の特徴量も木構造データとして格納することができる(詳細については、小林 大祐、他5名、「血管形状記述のための枝ベース木構造モデル構築の試み」、[online]、2005年3月9日、理化学研究所、理研シンポジウム 生体形状情報の数値化及びデータベース構築研究、pp.84-92、[2010年1月6日検索]、インターネット〈URL:http://www.comp-bio.riken.jp/keijyo/products/2005_1_files/kobayashi_print.pdf〉、中村 翔、他4名、「木構造解析による胸部X線CT像からの肺動脈・肺静脈の自動分類」、電子情報通信学会技術研究報告. MI, 医用画像、日本、社団法人電子情報通信学会、2006年1月21日、Vol.105, No.580、pp.105-108、[2009年11月20日検索]、インターネット〈URL:http://www.murase.nuie.nagoya-u.ac.jp/~ide/res/paper/J05-kenkyukai-snaka-1.pdf〉(以下、参考文献1)等参照)。
病変領域検出部33は、3次元医用画像Vから肺がんの病変領域RLを検出する。肺血管構造LV中に注目血管構造LVIを設定する。具体的な検出手法としては、上記非特許文献1や2に記載の自動検出手法が用いられる。また、病変領域検出部33は、これらの自動検出手法で検出された肺がんの陰影をユーザ(読影医や診断医)が目視確認し、陰影の真偽を判定したり、陰影の範囲を修正したりするユーザインターフェースをさらに提示するようにし、判定・修正後の真の陰影のみを病変領域RLとして抽出するようにしてもよい。
支配領域算出部34は、肺血管構造LV中の各点の位置関係に基づいて、肺野領域LF中の肺実質領域の各点について、その点と機能的に関連する肺血管構造LVの点を特定する。すなわち、支配領域算出部34は、肺血管構造と肺実質領域の各点における機能的関連性を特定する。具体的には、支配領域算出部34は、肺血管構造LVを母点集合として3次元ボロノイ分割を行い、肺血管構造LVを構成する血管枝毎の支配領域RVnを求める。図4に模式的に表したように、支配領域算出部34は、肺野領域LF内の各画素が肺血管構造LVを構成する血管枝のうちのどの血管枝に最も近いか、すなわち、肺野領域LF内の各画素がどの血管枝に支配されているかを求める。これにより、同じ血管枝に支配されている領域がその血管枝の支配領域となる。なお、支配領域RVnのデータ構造は、肺野領域LF内の各点に対して、その点を支配する血管枝を識別するラベルが関連づけられた構造となっている(詳細については、平野 靖、他5名、「3次元ボロノイ分割を用いた胸部CT像における肺葉収縮の定量化と腫瘤影鑑別への応用」、[online]、2001年7月、日本医用画像工学会第20回大会講演論文集、pp.315-316、[2009年11月20日検索]、インターネット〈URL:http://mase.itc.nagoya-u.ac.jp/~hirano/Papers/JAMIT2001.pdf〉等参照)。また、本実施形態では、各支配領域RVn内の肺実質領域が、各々を支配する肺血管構造LV中の血管枝との間でガス交換を行っていると推定し、病変領域に対する処置対象の肺実質領域の特定を行っている。
関連血管特定部35は、図5に模式的に示したように、支配領域RVnの情報に基づいて、肺野領域LFの肺実質領域中の病変領域RLと機能的に関連する肺血管構造LV中の部分である関連肺血管構造LVRを特定する。具体的には、病変領域RLの各点に関連づけられたラベルによって識別される肺血管構造LV中の血管枝の集合が、関連肺血管構造LVRとして特定される。なお、図7に例示したように、病変領域RLが、直接接続されていない複数の血管枝に支配されている場合には、上記と同様の方法により、複数の関連血管構造LVR(1)とLVR(2)が特定される。
関連肺実質領域特定部36は、支配領域RVnの情報に基づいて、関連肺血管構造LVRと機能的に関連する肺実質領域である関連肺実質領域RVRを特定する。ここで、関連肺実質領域RVRは、病変領域RLに対する処置として、病変領域RLとともに切除される肺血管構造LVの部分の影響を受ける肺実質領域としてユーザに認識される領域である。したがって、図6に模式的に示したように、この切除処置によって関連肺血管構造LVRより末梢にある肺血管構造はあわせて切除されることになるので、関連肺実質領域RVRは、関連肺血管構造LVRから末梢までの肺血管構造と機能的に関連する肺実質領域となる。また、図7に模式的に示したように、直接接続されていない2つの関連肺血管構造LVR(1)とLVR(2)とが特定された場合も、上記と同様の方法により、各々の関連肺血管構造から末梢までの肺血管構造と機能的に関連する肺実質領域の和集合が関連肺実質領域RVRとなる。なお、関連肺実質領域特定部36は、具体的には、関連肺血管構造LVRから末梢までの肺血管構造を構成する血管枝を識別するラベルと関連づけられた肺野領域LF内の各点の集合を関連肺実質領域RVRとして特定する。
表示画像生成部37は、図6および7に模式的に示したように、3次元医用画像Vから、病変領域RL、関連肺血管構造LVRから末梢までの肺血管構造およびその近傍の肺血管構造、および、関連肺実質領域RVRを含む領域を表す画像に、病変領域RLおよび関連肺実質領域RVRを識別可能な態様で表した表示画像Iを生成する。具体的には、病変領域RL、関連肺血管構造LVRから末梢までの肺血管構造およびその近傍の肺血管構造、および、関連肺実質領域RVRの各々を表すマスクデータと、各々の色や不透明度を定義したテンプレートを予め用意しておき、このマスクデータとテンプレートを用いて3次元医用画像Vに対する公知のボリュームレンダリング処理を行うことによって、上記各マスクデータによってマスクされた領域に対して、各々のマスク対象の構造物に対して割り当てられた色や透明度でレイキャスティング処理が行われ、上記表示画像Iが生成される。
次に、本発明の第1の実施形態となる医用画像診断支援処理を用いた画像診断の流れについて説明する。図3は、本発明の第1の実施形態となる医用画像診断支援処理ソフトウェアの実行下でのユーザの操作や、演算処理、表示処理等の流れを示したフローチャートである。
まず、3次元医用画像Vの画像データが取得される(#1)。ここで、3次元医用画像データVは、依頼元の診療科の医師からの検査オーダーに基づいてモダリティ1で撮影され、画像保管サーバ2に保管されたものである。ユーザは、画像処理ワークステーション3に実装された公知のオーダリングシステムの操作端末インターフェースを操作し、処理対象の3次元医用画像データVの取得を要求する。この操作に応じて、画像処理ワークステーションは画像保管サーバ2に対して3次元医用画像データVの検索要求を送信し、画像保管サーバ2は、データベース検索により、処理対象の3次元医用画像データVを取得し、画像処理ワークステーション3に送信する。そして、画像処理ワークステーション3は、画像保管サーバ2から送信されてきた3次元医用画像データVを取得する。
画像処理ワークステーション3では、肺野領域抽出部31が3次元医用画像Vを構成する複数のアキシャル断面画像の各々を入力として被検体の肺野領域LFを抽出し(#2)、肺血管抽出部32が3次元医用画像Vを入力として被検体の肺血管構造LVを抽出する(#3)。そして、支配領域算出部34が、3次元医用画像Vを入力とし、肺野領域抽出部31で抽出された肺野領域LFおよび肺血管抽出部32で抽出された肺血管構造LVに基づき、肺血管構造LVを構成する血管枝毎の支配領域RVnを求める(#4)。一方、病変領域検出部33は、3次元医用画像Vを入力として病変領域RLを検出する(#5)。
ここで、関連血管特定部35は、支配領域RVnの情報に基づいて、肺野領域LFの肺実質領域中の病変領域RLと機能的に関連する肺血管構造LV中の部分である関連肺血管構造LVRを特定し(#6)、関連肺実質領域特定部36は、支配領域RVnの情報に基づいて、関連肺血管構造LVRから末梢までの肺血管構造と機能的に関連する肺実質領域である関連肺実質領域RVRを特定する(#7)。
そして、表示画像生成部37は、3次元医用画像Vから、病変領域RLおよび関連肺実質領域RVRを識別可能な態様で表した表示画像Iを生成する。生成された表示画像IDは画像処理ワークステーション3のディスプレイに表示される(#9)。
本発明の第1の実施形態では、上記の一連の処理により、病変領域Rlと機能的に関連する関連肺血管構造LVRより末梢にある肺血管構造と機能的に関連する関連肺実質領域RVRが特定される。この関連肺実質領域RVRは、病変領域RLに対する処置の対象領域として必要十分な範囲を表すものとなるから、この関連肺実質領域RVRをもとに病変領域RLに対する処置方針を的確かつ容易に決定することが可能になる。
なお、上記実施形態では、病変領域RLの切除に伴って、この領域に関連する関連肺血管構造LVRも切除するという処置を前提にしていたが、病変の種類や進行の程度、処置方法等の様々な状況によっては、図8に模式的に表したように、関連肺実質領域特定部36が、病変領域RLに関連する関連肺血管構造LVRのみに関連する肺実質領域を関連肺実質領域RVRとして特定するようにしてもよい。
図9は、本発明の第2の実施形態となる医用画像診断支援処理に関連する部分を示すブロック図である。図に示したように、本発明の第2の実施形態は、第1の実施形態に病変領域拡大部38を付加した構成となっている。
この病変領域拡大部38は、病変領域RLの今後の成長の程度を表す成長条件ECに応じて、病変領域RLを拡大した拡大病変領域RL´を生成するものである。ここで、成長条件ECは、病変領域RLの拡大率であり、プログラムの起動パラメータとして与えられてもよいし、設定ファイルから読み込むことによって、取得されるようにしてもよい。あるいは、成長条件ECを病変領域RLの拡大速度を表すパラメータとして予め定義しておき、ユーザによる経過時間(例えば経過月数)の入力値に応じて拡大率が算出されるようにしてもよい。また、成長条件ECは病変の種類等に応じて複数パターン定義しておいてもよい。
図10は、本発明の第2の実施形態となる医用画像診断支援処理の流れを示したフローチャートである。図に示したように、ステップ#1から#5までは第1の実施形態と同様であり、ステップ#5において病変領域検出部33が病変領域RLを検出した後、病変領域拡大部38が病変領域RLを拡大した拡大病変領域RL´を生成する(#5.1)。そして、関連血管特定部35は、拡大病変領域RL´と機能的に関連する関連肺血管構造LVRを特定する(#6)。これ以降の処理ステップは、病変領域RLの代わりに拡大病変領域RL´を用いる点を除き、第1の実施形態と同様である。
本発明の第2の実施形態では、病変領域拡大部38が、病変領域検出部33によって検出された現時点での病変領域RLを拡大し、拡大された病変領域RL´に基づいて関連肺血管構造LVRや関連肺実質領域RVRが特定されるので、病変領域RLの成長を予測しながら、病変に対する処置の対象領域を検討することが可能になる。
さらに、成長条件ECは、現時点からの経過時間に応じた複数の時点毎に定義した参照テーブルとすることができる。この場合、図10のフローチャートでは、ステップ#5.1からステップ#7までの処理が、複数の時点の数だけ繰り返し行われる。図11Aから図11Cは、複数の時点における病変領域と関連肺実質領域とを表す表示画像を模式的に表したものである。まず、図11Aは、現時点t1における様子を表しており、図11Bでは時点t2、図11Cでは時点t3というように、時間の経過とともに、病変領域が、RL(t1)<RL(t2)<RL(t3)というように成長していき、それに応じて、関連肺実質領域もRVR(t1)<RVR(t)<RVR(t)というように拡大されていく様子が表されている。図10のステップ#9では、画像処理ワークステーション3は、これらの3つの表示画像を並べて一覧表示するようにしてもよいし、所定の時間間隔でこれらの表示画像を時系列順に切り替えることによって動画的に表示してもよい。また、図12に模式的に表したように、各時点における病変領域RL(t1)、RL(t2)、RL(t3)、および、関連肺実質領域RVR(t1)、RVR(t)、RVR(t)を、時点毎に色や濃度を変えるなどして、1つの画像中に重畳的に表示するようにしてもよい。
このように、成長条件ECを複数の時点における病変領域の拡大率として定義すれば、病変領域RLの成長を段階的に予測しながら、病変に対する処置の対象領域を検討することが可能になる。
なお、検出対象の病変が、2以上の肺葉内の区域の境界を越えて成長しないことが臨床的知見として明らかな場合には、上記第2の実施形態において、病変領域拡大部38は、肺野領域LF内を予め肺葉単位(右上葉・右中葉・右下葉・左上葉・左下葉の5つ)に分離し、病変領域RLを肺葉の境界を越えて拡大しないようにすることが好ましい。ここで、肺葉の分離方法は自動・手動を問わない。肺葉の自動的な分離方法としては、気管、気管支、肺血管の構造情報を用いて大まかに葉間裂の存在位置を特定し、濃度値情報を利用して葉間裂の抽出を行い、抽出された葉間裂に基づいて肺葉を分離する方法等の公知の方法を採用することができる(詳細については、林 達郎、他6名、「胸部マルチスライスCT 画像における葉間裂の自動抽出手順の開発と性能評価」、電子情報通信学会技術研究報告. MI, 医用画像、日本、社団法人電子情報通信学会、2003年10月31日、Vol.103, No.409、pp.39-44、[2010年1月8日検索]、インターネット〈URL:http://www.fjt.info.gifu-u.ac.jp/publication/328.pdf〉(以下、参考文献2)等参照)。
また、上記第2の実施形態では、病変領域RL自体を拡大するようにしていたが、より簡易的な方法として、成長条件ECに応じて関連血管構造LVRを肺血管構造LVの根側に延伸するようにし、関連肺実質領域特定部36が、延伸後の関連血管構造に基づいて関連肺実質領域RVRを特定するようにしてもよい。
図13は、本発明の第3の実施形態となる医用画像診断支援処理に関連する部分を示すブロック図である。図に示したように、本発明の第3の実施形態は、第1の実施形態における肺血管抽出部32を肺動脈抽出部32aに置換するとともに、肺静脈抽出部32b、気管支抽出部39、交点検出部40を付加した構成となっている。
すなわち、第1の実施形態では、肺血管抽出部32が肺動脈と肺静脈とを区別せずに肺血管構造の抽出を行っていたが、本実施形態では、肺動脈抽出部32aが肺動脈構造VA、肺静脈抽出部32bが肺静脈構造VVを抽出する。具体的には、肺動脈抽出部32aは肺動脈上のシード点、肺静脈抽出部32bは肺静脈上のシード点の設定を各々受け付けるようにすれば、後続の処理は第1の実施形態の肺血管抽出部32と同様である。あるいは、肺動脈と肺静脈を区別せずに肺血管構造として抽出した後、抽出された肺血管構造を肺動脈と肺静脈との分類する手法を用いてもよい。例えば、肺動脈と気管支は肺の各区域の中心付近を並行して走行するのに対して、肺静脈は肺の各区域の境界付近、すなわち、気管支と気管支の間を走行することに着目した手法が知られており、この手法は、抽出された肺血管構造を血管同士の接触関係に基づいて複数の血管枝グループに分解するとともに、公知の手法を用いて気管支も抽出し、さらに、抽出された気管支を母点集合として3次元ボロノイ分割を行うことによって肺区域の境界面を推定しておき、血管枝グループ毎に、気管支からの平均距離と肺区域の境界面からの平均距離を算出し、気管支に近く、肺区域の境界面から遠い血管枝グループを肺動脈に分類し、気管支から遠く、肺区域の境界面に近い血管枝グループを肺静脈に分類するものである(詳細は上記参考文献1参照)。
気管支抽出部39は、肺血管抽出部32と同様に、ユーザによって設定された気管支上の任意のシード点に基づく領域拡張法により気管支領域内の画素の集合を抽出し、抽出された気管支領域に対して細線化処理を行い、得られた気管支を表す細線の連結関係に基づいて細線上の各画素を端点・エッジ(辺)・分岐点に分類することによって、気管支を表す木構造データBRを得ることができる。
交点検出部40は、関連肺実質領域RVRと、肺静脈構造VVまたは気管支構造BRとの交点PInを検出する。具体的には、肺静脈構造VV、気管支構造BRの各々について、各構造の根部分から末梢に向かって探索を行い、各探索点においてその点が関連肺実質領域RVRに属する点かどうかを判定し、判定結果が領域外から領域内に変わる点を交点PInとして検出する。
また、支配領域算出部34では肺血管構造LVの代わりに肺動脈構造VAが用いられ、関連血管特定部35では、関連肺血管構造LVRの代わりに関連肺動脈構造VARが特定される。
さらに、表示画像生成部37は、図15に模式的に示したように、3次元医用画像Vから、病変領域RL、関連肺動脈構造VARから末梢までの肺動脈構造およびその近傍の肺動脈構造、関連肺実質領域RVRだけでなく、肺静脈構造VV、気管支構造BRも含む領域を表す画像に、病変領域RL、関連肺実質領域RVR、および、交点PInを識別可能な態様で表した表示画像Iを生成する。具体的には、病変領域RL、関連肺動脈構造VARから末梢までの肺動脈構造およびその近傍の肺血管構造、関連肺実質領域RVR、肺静脈構造VV、気管支構造BR、交点PInの各々を表すマスクデータと、各々の色や不透明度を定義したテンプレートを予め用意しておき、このマスクデータとテンプレートを用いて3次元医用画像Vに対する公知のボリュームレンダリング処理を行うことによって、上記各マスクデータによってマスクされた領域に対して、各々のマスク対象の構造物に対して割り当てられた色や透明度でレイキャスティング処理が行われ、上記表示画像Iが生成される。
図14は、本発明の第3の実施形態となる医用画像診断支援処理の流れを示したフローチャートである。図に示したように、ステップ#1および#2は第1の実施形態と同様であり、ステップ#3の代わりに、肺動脈抽出部32aが肺動脈構造VAの抽出を行うとともに(#3.1)、肺静脈抽出部32bが肺静脈構造VVの抽出を行い(#3.2)、さらに、気管支抽出部39が気管支構造BRの抽出を行う(#3.3)。以下、ステップ#4から#7は第1の実施形態と同様であり、ステップ#7の後、交点検出部40が、関連肺実質領域RVRと、肺静脈構造VVまたは気管支構造BRとの交点PInを検出する(#7.1)。これ以降の処理ステップは、第1の実施形態と同様である。
以上のように、本発明の第3の実施形態では、交点検出部40が関連肺実質領域RVRと、肺静脈構造VV、気管支構造BRとの交点PInを検出するので、病変領域RLを含む関連肺実質領域RVRを切除する際に、縫合、吻合すべき肺静脈や気管支上の箇所を容易に把握することができる。
また、肺実質では肺動脈と肺静脈の両方と血液中のガス交換が行われるので、第1の実施形態のように、肺血管抽出部32が肺動脈と肺静脈の両方を区別せずに抽出し、支配領域算出部34が肺動脈と肺静脈の両方を用いて支配領域を算出すると、肺実質領域は肺動脈による支配領域と肺静脈による支配領域とに分割されてしまい、肺実質の機能にそぐわない分割結果となってしまう。そこで、本実施形態のように、肺血管抽出部32の代わりに肺動脈抽出部32aを用いて肺動脈構造のみを抽出するようにすれば、肺動脈と肺静脈とは別々に関連肺実質領域を特定する必要が生じる可能性はあるが、肺実質の機能と整合性の高い肺実質領域の分割が可能になる。なお、図13のブロック図において、肺動脈抽出部32aと肺静脈抽出部32bを入れ替えれば、肺静脈に着目して関連肺実質領域を特定することが可能になる。
上記の実施形態はあくまでも例示であり、上記のすべての説明が本発明の技術的範囲を限定的に解釈するために利用されるべきものではない。
この他、上記の実施形態におけるシステム構成、処理フロー、モジュール構成や具体的処理内容等に対して、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で様々な改変を行ったものも、本発明の技術的範囲に含まれる。
例えば、システム構成については、上記の実施形態では、図2、9,13に示された各処理が1台の画像処理ワークステーション3で行われるように説明したが、複数台のワークステーションに各処理を分散して協調処理するように構成してもよい。
処理フローについては、例えば、図3のフローチャートにおいて、ステップ#3および#4とステップ#5は、並列して行ってもよいし、順序を入れ替えて、ステップ#5、#3、#4の順に行ってもよい。また、図10のフローチャートでも同様に、ステップ#3および#4とステップ#5および#5.1は、並列して行ってもよいし、順序を入れ替えて、ステップ#5、#5.1、#3、#4の順に行ってもよい。図14のフローチャートにおいても、ステップ#3.1, #3.2, #3.3および#4は、ステップ#3.1の後にステップ#4を行う点を除いては、順序を入れ替えてもよいし、ステップ#3.1, #3.2, #3.3を並列して行ってもよい。さらに、ステップ#3.1および#4の組、ステップ#3.2、ステップ#3.3、ステップ#5は、並列して行ってもよいし、順序を入れ替えて行ってもよい。
具体的処理内容については、肺野領域抽出部31は、例えば、本出願人が特開2008-253293号公報で提案している方法等の他の公知の抽出方法で肺野領域LFの抽出を行ってもよい。
同様に、肺血管抽出部32や肺動脈抽出部32a、肺静脈抽出部32b、気管支抽出部39についても、前述の方法以外の種々の公知の抽出方法を採用することができる。その際、抽出と同時に木構造が得られる場合には、細線化処理を行わずに得られた木構造をそのまま後続の処理で取り扱えばよい。
また、第1、第2の実施形態において、肺血管抽出部32が肺動脈、肺静脈のいずれかのみを抽出するようにしてもよいし、肺血管の代わりに気管支を抽出するようにし、気管支構造に基づいて関連肺実質領域を特定するようにしてもよい。
病変領域検出部33についても、診断目的や対象に応じて、上記の手法以外の種々の公知の検出手法(例えば、非特許文献3や特許文献1に記載の手法)を採用可能である。また、病変領域検出部33は、撮影フェーズの異なる3次元医用画像や、異なるモダリティで取得された3次元医用画像、造影剤の使用等により、異なる撮影条件で撮影・取得された3次元医用画像、異なる画像処理パラメータで処理された3次元医用画像に基づいて病変領域を検出しておき、この別の3次元医用画像と3次元医用画像Vとの間で被検体内構造物の対応する位置を合わせる位置合わせを行い、その位置合わせ結果に基づいて、この別の3次元医用画像中の病変領域に対応する3次元医用画像V中の領域を病変領域RLとして検出してもよい。ここで、具体的な位置合わせ処理は、公知の非剛体レジストレーション手法等を用いることができ、対応する2点をユーザに指定させる手法や、ランドマークなしで画像のコントラストに基づいて行う手法等がある(詳細については、特開2005-28121号公報や、Rueckert D Sonoda LI,Hayes C,et al.、「Nonrigid Registration Using Free-Form Deformations:Application to Breast MR Images」、IEEE Transactions on Medical Imaging、1999年、Vol.18,No.8,pp.712-721等参照)。また、非剛体位置合わせの際に、気管支を抽出しておき、抽出された気管支をランドマークとして用いてもよい。
支配領域算出部34は、支配領域RVnを血管枝毎に求めずに、複数の血管枝からなるグループに対して1つの支配領域RVnを求めたり、1つの血管枝をさらに細分化して、細分化された血管枝の部分毎に支配領域RVnを求めたりしてもよい。また、支配領域RVnは、肺野領域LF中の画素と血管枝の間の距離だけでなく、肺血管構造LVの木構造データに格納された血管径等の特徴量や画素値にも基づいて求めてもよい。
また、肺野領域LF全体に対してボロノイ分割を行って支配領域RVnを求めると、肺葉の境界を越えてしまうことがあるので、支配領域算出部34aは、上記参考文献2に記載の手法等により、肺野領域LFを予め肺葉単位に分離し、各肺葉内で支配領域RVnを計算するようにしてもよい。肺血管は、2以上の肺葉内の区域中の肺実質とやり取りが行われることはないので、このように支配領域RVnの範囲を各区域内に限定することにより、肺の解剖学的構造に合致した、関連血管の特定や関連肺実質領域の特定が可能になる。
表示画像生成部37で生成される表示画像Iは、ボリュームレンダリング画像以外の画像、例えば、MPR画像等であってもよい。
なお、上記実施形態では、人体の肺を観察・評価対象としたが、肝臓等のように、分枝構造と機能的に関連する周辺構造とを有する他の構造物の観察・評価を行うようにしてもよい。
1 モダリティ
2 画像保管サーバ
3 画像処理ワークステーション
9 ネットワーク
31 肺野領域抽出部
32 肺血管抽出部
32a 肺動脈抽出部
32b 肺静脈抽出部
33 病変領域検出部
34 支配領域算出部
35 関連血管特定部
36 関連肺実質領域特定部
37 表示画像生成部
38 病変領域拡大部
39 気管支抽出部
40 交点検出部

Claims (10)

  1. 分枝構造と、該分枝構造の周辺の構造であって、該分枝構造と機能的に関連する周辺構造とを有する被検体内構造物を表す3次元医用画像から前記周辺構造の異常部分である異常周辺構造を検出する異常周辺構造検出手段と、
    前記3次元医用画像から前記分枝構造を抽出する分枝構造抽出手段と、
    前記抽出された分枝構造中の各点の位置情報に基づいて、前記異常周辺構造と機能的に関連する前記分枝構造中の部分を関連分枝構造として特定する関連分枝構造特定手段と、
    前記抽出された分枝構造中の各点の位置情報に基づいて、前記特定された関連分枝構造と機能的に関連する前記周辺構造中の部分を関連周辺構造として特定する関連周辺構造特定手段と、
    前記異常周辺構造、前記関連分枝構造、および、前記関連周辺構造を含む領域を表す画像であって、前記関連周辺構造を前記異常周辺構造に対する処置の対象領域として識別可能な態様で表した画像を、前記3次元医用画像から生成する画像生成手段とを備えたことを特徴とする医用画像診断支援装置。
  2. 前記被検体内構造物が、前記分枝構造とは異なる第2の分枝構造を有するものであり、
    前記3次元医用画像から前記第2の分枝構造を抽出する第2の分枝構造抽出手段と、
    前記関連周辺構造の境界面と前記第2の分枝構造との交点を検出する交点検出手段と、
    前記関連周辺構造および前記関連分枝構造、並びに、該2つの構造の近傍の前記第2の分枝構造を少なくとも表す画像であって、前記交点に基づいて前記処置のために前記第2の分枝構造を縫合または吻合する箇所を視認可能な態様で表した画像を、前記3次元医用画像から生成する手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の医用画像診断支援装置。
  3. 前記縫合または吻合する箇所を視認可能な態様で表した画像は、前記第2の分枝構造を表す画像上に前記交点を視認可能な態様で表した画像であることを特徴とする請求項2記載の医用画像診断支援装置。
  4. 前記被検体内構造物が肺であり、前記分枝構造が血管、気管支のいずれかであることを特徴とする請求項1から3いずれか1項に記載の医用画像診断支援装置。
  5. 第1および第2の分枝構造と、該第1および第2の分枝構造の周辺の構造であって、該第1および第2の分枝構造と機能的に関連する周辺構造とを有する被検体内構造物を表す3次元医用画像から前記周辺構造の異常部分である異常周辺構造を検出する第2の異常周辺構造検出手段と、
    前記3次元医用画像から前記第1および第2の分枝構造を抽出する第3の分枝構造抽出手段と、
    前記抽出された第1および第2の分枝構造のいずれか一方の分枝構造を特定する分枝構造特定手段と、
    前記特定された分枝構造中の各点の位置情報に基づいて、前記異常周辺構造と機能的に関連する前記分枝構造中の部分を関連分枝構造として特定する第2の関連分枝構造特定手段と、
    前記特定された分枝構造中の各点の位置情報に基づいて、前記特定された関連分枝構造と機能的に関連する前記周辺構造中の部分を関連周辺構造として特定する第2の関連周辺構造特定手段とを備えたことを特徴とする医用画像診断支援装置。
  6. 前記被検体内構造物が肺であり、前記第1の分枝構造が肺静脈であり、前記第2の分枝構造が肺動脈であることを特徴とする請求項5に記載の医用画像診断支援装置。
  7. 医用画像診断支援装置の作動方法であって、
    分枝構造と、該分枝構造の周辺の構造であって、該分枝構造と機能的に関連する周辺構造とを有する被検体内構造物を表す3次元医用画像から前記周辺構造の異常部分である異常周辺構造を検出するステップと、
    前記3次元医用画像から前記分枝構造を抽出するステップと、
    前記抽出された分枝構造中の各点の位置情報に基づいて、前記異常周辺構造と機能的に関連する前記分枝構造中の部分を関連分枝構造として特定するステップと、
    前記抽出された分枝構造中の各点の位置情報に基づいて、前記特定された関連分枝構造と機能的に関連する前記周辺構造中の部分を関連周辺構造として特定するステップと、
    前記異常周辺構造、前記関連分枝構造、および、前記関連周辺構造を含む領域を表す画像であって、前記関連周辺構造を前記異常周辺構造に対する処置の対象領域として識別可能な態様で表した画像を、前記3次元医用画像から生成するステップとを有することを特徴とする医用画像診断支援装置の作動方法。
  8. 医用画像診断支援装置の作動方法であって、
    第1および第2の分枝構造と、該第1および第2の分枝構造の周辺の構造であって、該第1および第2の分枝構造と機能的に関連する周辺構造とを有する被検体内構造物を表す3次元医用画像から前記周辺構造の異常部分である異常周辺構造を検出するステップと、
    前記3次元医用画像から前記第1および第2の分枝構造を抽出するステップと、
    前記抽出された第1および第2の分枝構造のいずれか一方の分枝構造を特定するステップと、
    前記特定された分枝構造中の各点の位置情報に基づいて、前記異常周辺構造と機能的に関連する前記分枝構造中の部分を関連分枝構造として特定するステップと、
    前記特定された分枝構造中の各点の位置情報に基づいて、前記特定された関連分枝構造と機能的に関連する前記周辺構造中の部分を関連周辺構造として特定するステップとを備えたことを特徴とする医用画像診断支援装置の作動方法。
  9. コンピュータに、
    分枝構造と、該分枝構造の周辺の構造であって、該分枝構造と機能的に関連する周辺構造とを有する被検体内構造物を表す3次元医用画像から前記周辺構造の異常部分である異常周辺構造を検出するステップと、
    前記3次元医用画像から前記分枝構造を抽出するステップと、
    前記抽出された分枝構造中の各点の位置情報に基づいて、前記異常周辺構造と機能的に関連する前記分枝構造中の部分を関連分枝構造として特定するステップと、
    前記抽出された分枝構造中の各点の位置情報に基づいて、前記特定された関連分枝構造と機能的に関連する前記周辺構造中の部分を関連周辺構造として特定するステップと、
    前記異常周辺構造、前記関連分枝構造、および、前記関連周辺構造を含む領域を表す画像であって、前記関連周辺構造を前記異常周辺構造に対する処置の対象領域として識別可能な態様で表した画像を、前記3次元医用画像から生成するステップとを実行させることを特徴とする医用画像診断支援プログラム。
  10. コンピュータに、
    第1および第2の分枝構造と、該第1および第2の分枝構造の周辺の構造であって、該第1および第2の分枝構造と機能的に関連する周辺構造とを有する被検体内構造物を表す3次元医用画像から前記周辺構造の異常部分である異常周辺構造を検出するステップと、
    前記3次元医用画像から前記第1および第2の分枝構造を抽出するステップと、
    前記抽出された第1および第2の分枝構造のいずれか一方の分枝構造を特定するステップと、
    前記特定された分枝構造中の各点の位置情報に基づいて、前記異常周辺構造と機能的に関連する前記分枝構造中の部分を関連分枝構造として特定するステップと、
    前記特定された分枝構造中の各点の位置情報に基づいて、前記特定された関連分枝構造と機能的に関連する前記周辺構造中の部分を関連周辺構造として特定するステップとを備えたことを特徴とする医用画像診断支援プログラム。
JP2012025059A 2012-02-08 2012-02-08 医用画像診断支援装置およびその作動方法、並びにプログラム Active JP5486616B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012025059A JP5486616B2 (ja) 2012-02-08 2012-02-08 医用画像診断支援装置およびその作動方法、並びにプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012025059A JP5486616B2 (ja) 2012-02-08 2012-02-08 医用画像診断支援装置およびその作動方法、並びにプログラム

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010075499A Division JP4931027B2 (ja) 2010-03-29 2010-03-29 医用画像診断支援装置および方法、並びにプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012096085A JP2012096085A (ja) 2012-05-24
JP5486616B2 true JP5486616B2 (ja) 2014-05-07

Family

ID=46388654

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012025059A Active JP5486616B2 (ja) 2012-02-08 2012-02-08 医用画像診断支援装置およびその作動方法、並びにプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5486616B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6106259B2 (ja) * 2012-03-21 2017-03-29 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V. 医用イメージングと生検データとを統合する臨床ワークステーション及びこれを使用する方法
JP6334942B2 (ja) * 2014-02-13 2018-05-30 キヤノンメディカルシステムズ株式会社 医用画像処理装置及び医用画像処理方法及びプログラム
KR102227921B1 (ko) * 2018-06-04 2021-04-16 주식회사 코어라인소프트 로브기준으로 폐혈관을 정량화하는 방법
KR102304100B1 (ko) * 2018-06-04 2021-09-24 주식회사 코어라인소프트 로브기준으로 폐혈관을 정량화하는 방법

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3802018B2 (ja) * 2003-07-10 2006-07-26 ザイオソフト株式会社 画像解析装置および画像解析プログラムおよび画像解析方法
JP4559501B2 (ja) * 2007-03-14 2010-10-06 富士フイルム株式会社 心機能表示装置、心機能表示方法およびそのプログラム
US7957570B2 (en) * 2007-05-03 2011-06-07 General Electric Company System and method to generate an illustration of a cardiac region of interest
JP4769260B2 (ja) * 2008-02-04 2011-09-07 株式会社東芝 超音波診断装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012096085A (ja) 2012-05-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4931027B2 (ja) 医用画像診断支援装置および方法、並びにプログラム
JP5597429B2 (ja) 医用画像処理装置および方法、並びにプログラム
JP5797124B2 (ja) 手術支援装置、手術支援方法および手術支援プログラム
JP5723541B2 (ja) 医用画像診断支援装置およびその作動方法、並びにプログラム
JP5643304B2 (ja) 胸部トモシンセシスイメージングにおけるコンピュータ支援肺結節検出システムおよび方法並びに肺画像セグメント化システムおよび方法
JP5011426B2 (ja) 画像診断支援装置、方法及びプログラム
JP5559642B2 (ja) 手術支援装置、手術支援方法および手術支援プログラム
JP5395823B2 (ja) 手術支援装置、手術支援方法および手術支援プログラム
US8385614B2 (en) Slice image display apparatus, method and recording-medium having stored therein program
JP5566299B2 (ja) 医用画像処理装置、及び医用画像処理方法
JP5105997B2 (ja) 医用画像処理装置、医用画像診断装置、及びプログラム
EP2216751A2 (en) Preventing thoracic bones from being displayed in 3D images
JP5090486B2 (ja) 肝臓造影像を用いた医用画像診断装置および画像表示方法、並びにプログラム
JP5486616B2 (ja) 医用画像診断支援装置およびその作動方法、並びにプログラム
CN111311626A (zh) 基于ct图像的颅骨骨折自动检测方法及电子介质
WO2018088055A1 (ja) 画像処理装置、画像処理方法、画像処理システム及びプログラム
WO2014155916A1 (ja) 手術支援装置、方法およびプログラム
JP5992853B2 (ja) 手術支援装置、方法およびプログラム
CN113689442A (zh) 一种基于三维图像实现肺部器官分割的方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120524

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131112

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131225

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140204

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140221

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5486616

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250