JP4017061B2 - 金型内塗装用金型及び金型内塗装方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金型内で成形した樹脂成形品の表面と金型のキャビティ面との間にインジェクタを用いて塗料を注入した後、塗料を金型内で硬化させて、表面に塗膜が密着した一体型樹脂成形品を製造するために用いられる金型内塗装用金型、及びこの金型を用いた金型内塗装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車、家電、建材等に使用される樹脂成形品の表面に塗装を施すことは、成形品に装飾性等の付加価値を付けたり、或いは、耐候性を高めて製品の長寿命化を計ることを目的として、従来から広く行われている。このような塗装方法としてはスプレー塗装法が一般的であるが、近年、環境問題に強い関心が寄せられる中、各種工場からの有害有機物質の大気放出が厳しく制限される傾向にあることや、従業者の健康保護を重視する観点から、スプレー塗装に代わる技術の開発が急務となっている。
【0003】
こうした中、金型内で成形した樹脂成形品の表面と金型のキャビティ面との間に塗料を注入した後、塗料を金型内で硬化させて樹脂成形品表面に塗膜が密着した一体成形品を製造する金型内塗装方法(インモールドコーティング。以下「IMC」という。)が注目を集めている。このIMCは、成形工程の省工程化によるコストダウンにも大きく寄与すると期待されている。
【0004】
このIMCは、専らSMC、BMCといった熱硬化性樹脂の成形品の製造を対象に一部実施されているが、熱可塑性樹脂の射出成形においては、まだ、広くは利用されていない。その大きな理由の1つは、金型からの塗料漏れである。漏れた塗料を拭き取って除去する等の作業は容易ではなく、また、塗料漏れの度に装置を停止しなければならないので、成形サイクルが長くなり、生産性が低下する問題を生ずる。更に、漏れた塗料が金型の型締めに余計な負荷をかけ、所定の型締力がかからなくなったり、次サイクルの成形品に付着する等、品質の維持にも問題を生ずる。
【0005】
そこで、本発明者等はこの様な問題を解決するために、塗料の金型からの漏れを防止して、成形サイクルを短縮せしめると共に品質の安定化を可能ならしめる金型内塗装用金型と、この金型を用いた金型内塗装方法として、特願平11−326839号明細書において、金型を用いて成形された樹脂成形品の表面に、当該金型内部において表面被覆を施すために、金型キャビティ内に塗料を注入するためのインジェクタを備えた金型内塗装用金型であって、当該金型の開閉方向に延在する補助キャビティが、当該金型キャビティの全周にわたって当該金型キャビティに連通して設けられていることを特徴とする金型内塗装用金型、および同金型を使用する金型内塗装方法を提案している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、開口部を有する型内塗装成形品を成形する場合、金型の製品面あるいは非製品面に凸部を設けて、該凸部を用いて成形品に開口部を形成することが一般的である。通常は、この凸部を対向する金型と突き当てて当接させる(以下、突き当て型ということもある。)か、あるいは、この凸部に嵌合する様に対向する金型に形成されている穴に挿入させる(以下、嵌合型ということもある。)ことにより成形品に開口部を形成させる。その際に、該凸部は、成形品との離型性を確保する意味で、凸部は射出成形された基材樹脂と接触する部分に所謂抜き勾配が形成されている。
【0007】
このような突き当て型や嵌合型の金型を使用する場合においては、本発明者等が提案している上記の金型内塗装方法を含む何れの金型内塗装方法を使用しても、開口部を形成するための凸部において、塗料が成形品の裏面や突き当て部に容易に侵入するという問題が発生する。即ち、図8に示したような凸部に傾きのあるものを使用して金型内塗装により成形品を製造しようとすると、図9(A)に示したように樹脂11を射出成形した後、塗料12を注入するために図9(B)に示すように若干型開きし、塗料12を注入し、次いで再び型閉めすると、図9(C)に示すように、凸部に形成された抜き勾配の面を伝わり、塗料12の一部が金型と樹脂との境界面を超えて金型側に漏れ出し、塗料漏れ12’を起こす。特に、塗料注入時に塗料に圧力を負荷しないに様に金型を開いて塗料を注入すると、凸部と樹脂との間に存在する抜き勾配により生ずる僅かな隙間が発生して、激しい塗料漏れが発生する。その結果、所望とする塗膜厚さを確保できなくなったり、塗料のショートショットが発生するという問題があった。また、予め漏れ量を見越して塗料を型内に注入しても、漏れた塗料が金型内に残り、金型内をその都度クリーニングしなければならず、連続成形を妨げていた。
【0008】
金型を用いて成形された樹脂成形品の表面を当該金型内部において塗装するために金型キャビティ内に塗料を注入するためのインジェクタとシェアーエッジ部を備え、かつ、可動金型に成形品に開口部を形成するための凸部が形成されている金型内塗装用金型を使用して、開口部を有する型内塗装成形品を成形するに際して、所望とする塗膜厚さを確保することができ、また、塗料のショートショットも発生せず、漏れた塗料が金型内に残ることもなく、連続成形が可能な金型内塗装用金型、および同金型を使用した金型内塗装方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明によれば、金型を用いて成形された樹脂成形品の表面を当該金型内部において塗装するために金型キャビティ内に塗料を注入するためのインジェクタを備え、かつ、成型品に開口部を形成するための凸部が形成されている金型内塗装用金型であって、該開口部を形成するための凸部が、少なくともその一部にシール部を有することを特徴とする金型内塗装用金型が提供される。また、金型内で基材樹脂を射出成形した後、金型を微小型開きして、塗料を注入し、その後金型を型閉する金型内塗装方法において、上記の金型を使用することを特徴とする金型内塗装方法が提供される。
【0010】
このような本発明の金型においては、該シール部は、凸部が射出成形された基材樹脂の非塗装面と接触する部分に形成されており、成形品を構成する樹脂と接触する凸部の接触面は、金型の開閉方向に実質的に平行となるように形成されていることが好ましい。さらに、該凸部は、凸部を有する入れ子であって、塗料注入時の型開きの際に、入れ子がスライドして、基材樹脂からなる成形品と入れ子との相対的な位置を型開き前と同じ状態に保持する機構を有するものであることが好ましい。
【0011】
本発明の金型内塗装方法の好適な適用例としては、自動車のオーバーフェンダ、ホイルキャップ、センターピラー、サイドモール等の成形を挙げることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る金型内塗装用金型とそれを用いた金型内塗装方法(IMC)の実施の形態について、図面を参照しながら説明するが、本発明が以下の実施の形態に限定されるものでないことはいうまでもない。
【0013】
図1は、本発明の金型内塗装用金型(以下、「IMC用金型」という。)における凸部3に形成されたシール部4の一実施形態を示す部分断面図であり、型締め後の状態を示している。この例においては、可動金型1に設けられた凸部3が、固定金型2に設けられた穴(図示せず)に挿入された状態となっている。この状態において、成形品を構成する樹脂11と接触する部分であるシール部4は、金型の開閉方向に実質的に平行となるように形成されている。ここで、実質的に平行とは、成形品を構成する樹脂11と接触する凸部の接触面と金型の開閉方向とがなす角度が±1度以内、好ましくは±0.5度以内であることをいう。勿論、凸部3と塗料12が接触する部分である凸部の根本部分には、R部が設けられていても差し支えない。なお、図7に、本発明に使用可能な金型内塗装用金型の例を、若干型開きした状態での全体図として示す。
【0014】
ここで、シール部4とは、凸部3と樹脂11との間に塗料12が金型内をクリーニングする必要がある程度に移動可能な隙間が発生しないように、封入する機能を有する部分をいい、凸部先端部までがシールする機能を有することを意味するものではない。従って、図2に示した部分拡大図のように、少なくとも、成形品を構成する樹脂11と接触する部分の大部分を覆うことのできる長さであれば充分で、成形する成形品によるが、通常は1mm程度あればよく、塗料12からなる層の部分まで覆う必要はなく、勿論、成形品を構成する樹脂の固定金型2との境界域まで達している必要はない。
【0015】
シール部は、通常は、長さと樹脂との角度さえ所望とする範囲内となるように設計されておれば、凸部と一体的に製造されていてもよい。材質としては、特に制限はなく、通常樹脂製品の金型に使用されるものであれば、使用可能である。製造方法にも特段の制限はなく、通常、金型の製造に採用される方法であれば特段の制限はないことはいうまでもない。
【0016】
図3は、本発明の金型内塗装用金型における凸部3に形成されたシール部4の別の実施形態を示す部分断面図であり、成形品の開口部(図示せず)は、突出部13を有しているものの型締め後の状態を示している。この例においても、可動金型1に設けられた凸部3が、開口部の突出部13を形成しつつ、固定金型2に設けられた穴(図示せず)に挿入された状態となっている。この状態において、開口部の突出部13を含めて成形品を構成する樹脂11と接触する部分であるシール部4において、成形品を構成する樹脂11と接触する凸部の接触面は、金型の開閉方向に実質的に平行となるように形成されている。ここで、実質的に平行とは、上記と同様で、成形品を構成する樹脂11と凸部が接触する接触面は、金型の開閉方向と該接触面がなす角度が±1度以内、好ましくは±0.5度以内であることをいう。この場合においても、凸部3と塗料12が接触する部分である凸部の根本部分には、R部が設けられていても差し支えない。
【0017】
図4は、本発明の金型内塗装用金型における凸部3に形成されたシール部4のさらに別の実施形態を示す部分断面図であり、成形品の開口部(図示せず)は、突出部13を有しており、かつ、開口部の一部は塗装されているいるものの型締め後の状態を示している。この例においても、可動金型1に設けられた凸部3が、開口部の突出部13を形成しつつ、固定金型2に設けられた穴(図示せず)に挿入された状態となっている。この状態において、開口部の突出部13の非塗装部を構成する樹脂11と接触する部分であるシール部4は、金型の開閉方向と実質的に平行となるように形成されている。ここで、実質的に平行とは、上記と同様で、成形品を構成する樹脂11と接触する凸部の接触面と金型の開閉方向とがなす角度が±1度以内、好ましくは±0.5度以内であることをいう。なお、上記の何れの態様においても、凸部の先端部には、抜き勾配が設けられていてもよい。成形品によっては、図4に示したように、開口部の内、内表面から見える部分には、勾配を設けて、特定部分を塗装してもよい。
【0018】
図5(A)および図5(B)は、凸部を入れ子3’とした例であり、図5(A)は、樹脂11をインジェクションした状態での、入れ子3’と樹脂11の相対的位置関係を、図5(B)は、さらに、塗料12を金型と樹脂との隙間にインジェクションした後の入れ子3’と樹脂の相対的位置関係を示したものである。
この態様においては、入れ子3’は、塗料がインジェクションされると入れ子3’を駆動させる駆動機構5により、入れ子3’と樹脂11の相対的位置関係を維持するように移動可能に構成されている。即ち、塗料注入時の型開きの際に、入れ子をスライドさせて、基材樹脂からなる成形品と入れ子との相対的な位置を型開き前と同じ状態に保持する機構としては、図5において符番5により示される駆動機構が含まれる。
【0019】
本態様においては、スプリングを入れ子をスライドさせて、基材樹脂からなる成形品と入れ子との相対的な位置を型開き前と同じ状態に保持する機構として使用しているが、油圧機構など駆動できる機構であれば、何れでも使用可能なことはいうまでもない。本発明の金型内塗装用金型における入れ子3’に形成されたシール部4は、上記図1に示した態様に対応するものであり、図2または図3に示した態様に対応するシール部を有する凸部を有していても差し支えない。
この態様においては、開口部を成形する凸部を成形品の表側に設けているので、金型を微小に開いて塗料を注入すると、凸部入れ子が可動金型内をスライドしながら移動して、凸部と樹脂成形品との相対的位置を変化させないので、樹脂の冷却収縮により、樹脂が金型の開閉方向に実質的に平行な部分であるシール部4に抱きつき、成形品の裏面側に漏れることがないからである。
【0020】
この態様においても、開口部の突出部13の非塗装部を構成する樹脂11と接触する部分であるシール部4は、金型の開閉方向に実質的に平行となるように形成されている。なお、図6は、凸部先端を金型キャビテイ面に突き当てて、開口部を形成するタイプの本発明に係る金型内塗装用金型のさらに別の実施形態を示す部分断面図である。
【0021】
可動金型に装着された凸部にシール部を設けたものを使用する以外は、通常、金型内塗装に使用される、例えば、図7に示した装置を用い、通常の金型内塗装に採用される条件下で成形塗装すればよく、これらの条件については、当業者であれば公知のことであるので詳細な記述は省略する。
【0022】
また、本発明に適用される成形樹脂としては、熱可塑性樹脂でも、熱硬化性樹脂でも使用可能であり、何れにおいても特に制限はない。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニルポリマーといったポリオレフィン樹脂、ポリビニルアルコール等の結晶性汎用樹脂、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリアセタール等の結晶性エンジニアリングプラスチック、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ABS樹脂、AES樹脂、ASA樹脂、PMMA樹脂等の非晶性汎用樹脂、ポリカーボネート、変性PPO、ポリイミド、ポリアリレート、ポリエーテルイミド等の非晶性エンジニアリングプラスチック、その他、ポリスチレン樹脂、熱可塑性エラストマー等が挙げられ、これらは混合して用いることも可能である。また、熱可塑性を維持する範囲で上述した各種の熱可塑性樹脂に他の成分、例えば、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を混合したものを用いることもできる。更に、これらの各種材料にカーボン繊維やガラス繊維等の各種繊維を添加した複合材料を用いることも可能である。
また、熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂等をマトリックスとするバルク モールディング コンポウンド(BMC)、タフ モールディング コンポウンド(TMC)と呼ばれる成形用コンポウンドが挙げられる。
【0023】
また、塗料としては、アルキド樹脂系、エポキシ樹脂エステル系、脂肪酸変性ウレタン樹脂系等の酸化重合型塗料、エポキシ樹脂系、ポリウレタン系、不飽和ポリエステル系等の多液反応型塗料、アルキド樹脂系、エポキシ樹脂系、ポリウレタン系、ビニル樹脂系等の熱硬化型塗料、エポキシアクリレートオリゴマー、ウレタンアクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマー、これら各種オリゴマーとエチレン性不飽和モノマーからなるラジカル重合型塗料、或いはこれらの塗料に金属粉や顔料、紫外線吸収剤等を添加した機能性塗料、フッ素樹脂系ラッカー、シリコン樹脂系ラッカー、シラン系ハードコート剤等を用いることができる。
【0024】
【実施例】
以下、本発明について、実施例と比較例を挙げて説明するが、これらの例が本発明を限定するものでないことはいうまでもない。
【0025】
実施例
バレル温度240℃に設定した射出成形機に、図1に示す様なシール部を有する凸部を備えた金型を取り付け90℃に設定した。型締め状態でABS樹脂を射出成形し、30秒後に1mmだけ金型を開き表1に示す塗料を注入し再度金型を閉じて成形品表面を塗料で被覆する。型締め状態を30秒間保持して塗料を硬化させた後、金型を開いて穴付きの表面が塗膜で覆われた成形品を得た。成形後金型内には塗料の漏れは認められなかった。この成形を20ショット連続で行っても何ら不具合は発生しなかった。
なお、塗料漏れ、基材の成形状態について、第1回と第20回の成形後に目視により観察した結果を表2にまとめて示す。
【0026】
比較例
実施例に使用した同一の射出成形機に、図8に示す様な抜き勾配を有する凸部を備えた金型を取り付け実施例1と同様の温度、塗料、成形法で穴付きの表面が塗膜で覆われた成形品を得た。成形後金型内には塗料の漏れが認められた。そのまま20ショット連続で成形を行い、得られた成形品を観察したところ、表面に凹凸が認められた。更に裏面から成形樹脂内に塗料の硬化物が混入した成形品が認められた。
なお、比較例においても、実施例同様に塗料漏れ、基材の成形状態について、第1回と第20回の成形後に目視により観察した結果を表2にまとめて示す。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
上記の結果から明らかなように、図1に示すシール部を有する凸部を装着した可動金型においては、成形品と取り出した後に、塗料の漏れによる金型内部の汚染はなく、連続して、100サイクル成形を行ったが、連続成形は可能であった。これは、シール部が設けられていることから、この部分での塗料の漏れが防止されるのである。換言すれば、基体形成樹脂の冷却収縮により、基体形成樹脂が金型の開閉方向に実質的に平行な部分に抱きつき、成形品の裏面側に漏れることがないからである。勿論、開口部を成形する凸部を成形品の表側に設けているので、凸部の先端には、塗料が付着することはない。
【0030】
一方、比較例においては、図9に示すように図9(A)は、樹脂を射出成形した状態を示し、図9(B)は、塗料を注入している状態を示し、そして、図9(C)は、型閉じ後状態を示し、この図に示したように塗料が漏れ、漏れた塗料により金型内部は汚染され、次サイクルの成形において硬化した塗料の膜が樹脂成形品中に混入する。塗膜の混入した成形品は塗膜が破壊の開始点となるため、基材のABS樹脂の破壊特性を著しく低下させる。このため得られた成形品の機械強度が使用に耐えられない。したがってクリーニング無しに連続成形を行っても良品を得ることが出来なかった。
【0031】
【発明の効果】
上述の通り、本発明の金型内塗装用金型とこの金型を用いた金型内塗装方法によれば、金型内の塗料の漏れは確実に防止されることから、連続成形が可能となり、生産性を向上させ、また、品質を一定に維持できるという極めて顕著な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の金型内塗装用金型の一実施形態を示す部分断面図である。
【図2】 本発明の金型内塗装用金型の一実施形態のシール部の相対的長さを説明するための部分拡大図である。
【図3】 本発明の金型内塗装用金型の別の実施形態を示す部分断面図である。
【図4】 本発明の金型内塗装用金型のさらに別の実施形態を示す部分断面図である。
【図5】 本発明の金型内塗装用金型のさらに別の実施形態を示す部分断面図で、(A)は、樹脂をインジェクションした状態での、入れ子と樹脂の相対的位置関係を、(B)は、さらに、塗料を金型と樹脂との隙間にインジェクションした後の入れ子と樹脂の相対的位置関係を示す。
【図6】 本発明の金型内塗装用金型のさらに別の実施形態を示す部分断面図である。
【図7】 本発明の金型内塗装用金型を示す全体図である。
【図8】 従来の金型内塗装用金型の一実施形態を示す部分断面図である。
【図9】 従来の抜き勾配を有する凸部を使用した金型内塗装用金型の製造工程を説明する部分断面図で、(A)は、樹脂を射出成形した状態を示す部分断面図、(B)は、塗料を注入している状態を示す部分断面図、そして、(C)は、型閉じ後の部分断面図で、塗料が漏れている状態を示すものである。
【符号の説明】
1…可動金型、2…固定金型、3…凸部、3’…入れ子、4…シール部、5…駆動機構、11…樹脂、12…塗料、12’…塗料漏れ、13…突出部、14…型内被覆成形用金型、15…インジェクタ。
Claims (3)
- 金型を用いて成形された樹脂成形品の表面を当該金型内部において塗装するために金型キャビティ内に塗料を注入するためのインジェクタを備え、かつ、成形品に開口部を形成するための凸部が形成されている金型内塗装用金型であって、
該開口部を形成するための凸部は、該樹脂成形品を構成する基材樹脂の塗装面側の金型に設けられており、かつ、少なくともその一部には、シール部を有し、該シール部は、凸部が射出成形された基材樹脂の非塗装面と接する部分に形成されており、成形品を構成する樹脂と接触する凸部の接触面は金型の開閉方向に実質的に平行となるように形成されていることを特徴とする金型内塗装用金型。 - 該凸部は、凸部を有する入れ子であって、塗料注入時の型開きの際に、入れ子がスライドして、基材樹脂からなる成形品と入れ子との相対的な位置を型開き前と同じ状態に保持する機構を有することを特徴とする請求項1記載の金型内塗装用金型。
- 金型内で基材樹脂を射出成形した後、金型を微小型開きして、塗料を注入し、その後金型を型閉する金型内塗装方法において、
請求項1又は2に記載の金型を使用することを特徴とする金型内塗装方法。
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