JP4016950B2 - 船外機 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンの下面にオイルパンが設置された船外機に関する。
4サイクル形式のエンジンが搭載された船外機は、エンジンの下面にオイルパンが設置されており、このオイルパン内に貯溜したオイルでエンジン内部を潤滑するようになっている。
特許文献1〜3に示されるように、従来の船外機においてオイルパンはエンジン下方に設けられるケーシング(ドライブシャフトハウジング)の内部に別体的に設けられていた。
また、従来の船外機において、オイルパンの近傍にはエンジンから下方に延びる排気通路および冷却水の給水通路と排水通路が設けられており、これらの通路はそれぞれ専用のパイプ部材をエンジンの下面、またはエンジンの土台となるような部品にボルトで固定することによってオイルパンの近傍に組み付けられていた。
特開平4−330312号公報 特開平5−278686号公報 特開平8−26188号公報
しかしながら、前述のようにオイルパンがケーシングの内部に別体的に設けられていたため、船外機の大型化、重量増加、剛性低下に繋がっていた。
また、前述のように従来の船外機は排気通路と給水通路と排水通路が専用のパイプ部材を用いて組み付けられていたので、各パイプ部材の固定ボルトやパイプ部材の連結部における気密を保つガスケット等の部品が数多く必要になり、これらの部品によって部品点数が増え、構造の複雑化により組立工数も嵩んで製造コストがアップし、この点でも船外機の重量増加に繋がっていた。
さらに、オイルパンの近傍に設けられた排気通路内を流れる排気ガスの熱によってオイルパンの内部に貯溜されたオイルが熱せられ、オイルの寿命や潤滑性能が劣化しやすいという深刻な問題点があった。そればかりか、排気通路を構成するパイプ部材をエンジンの下面や土台となる部品に固定しているボルトが排気熱の影響を受けて材質劣化したり、固着する等して折損してしまうという問題があった。
本発明に係る船外機は、これらの問題点を解決するために発明されたもので、その目的は、部品点数や組立工数の増大を招くことなく、軽量な構造によってエンジンから下方に延びる排気通路および冷却水の給水通路と排水通路を設置可能にするとともに、船外機全体の剛性を損なうことなく重量軽減とコンパクト化を図ることにある。
また、本発明に係る船外機のさらなる目的は、オイルパン内部に貯溜されたオイルに排気熱の影響が及ばないようにしてオイル寿命を延ばし、潤滑性能の劣化を防止するとともに、オイルの保温性を良くして潤滑性能を向上させることにある。
本発明に係る船外機は、上記課題を解決するために、請求項1に記載したように、上下に分割可能なエンジンカバーに覆われた水冷4サイクルエンジンがクランクシャフトを鉛直方向に向けて縦置きに搭載され、エンジンからの排気ガスがエンジン下面に設置されたオイルパンの近傍を通りドライブシャフトハウジング内部空間を経てドライブシャフトハウジング下部に設置されたギヤハウジング内部の排気通路を通ってプロペラの中心部から水中に放出されるように構成された船外機において、前記オイルパン内部を縦方向に貫通する前記排気通路をオイルパンに一体成型する一方、前記ドライブシャフトハウジングの内部空間を仕切る縦壁を形成し、前記オイルパンの底部にドライブシャフトハウジングの縦壁の形状に沿って接合される接合座面を形成するとともに、前記オイルパンの下部に前記ドライブシャフトハウジングを固定することにより、前記オイルパンに形成された排気通路下端と連通する前記縦壁で仕切られた排気室をドライブシャフトハウジング内部に設けたものである。
また、請求項2に記載したように、オイルパンに給水通路と排水通路を一体形成するとともに、排気通路を取り囲むように給水通路と排水通路を形成したことを特徴とする。
また、請求項3に記載したように、クランクシャフト下端に連結されるドライブシャフトの挿通口をオイルパンの前端部に形成したことを特徴とする。
そして、請求項4に記載したように、オイルパンの周囲をエンジンカバーのロアーカバーで覆ったことを特徴とする。
請求項1の構成によれば、従来のように排気通路を専用のパイプ部材を用いて設置する必要がなくなり、パイプ部材やこれを締結する固定ボルト、気密を保つガスケット等の部品が一切不要になるため、部品点数や組立工数の増大を招くことなく、非常に簡素かつ軽量な構造によって排気通路を設置することができる。しかも、オイルパン自身が船外機の強度構造部材となるため、従来のようにドライブシャフトハウジングの内部にオイルパンを別体に設けた場合と比較してドライブシャフトハウジングを強化して船外機の剛性を高め、船外機全体の剛性を損なうことなく重量軽減とコンパクト化を図ることができる。
ることができる。
請求項2の構成によれば、部品点数や組立工数の増大を招くことなく、非常に簡素かつ軽量な構造によって給水通路と排水通路を設置でき、しかも給水通路と排水通路を流れる冷却水によって排気通路内を流れる排気ガスの熱がオイルパン内部に貯溜されたオイルに対して遮蔽されるため、オイルに排気熱の影響が及ばなくなり、オイル寿命や潤滑性能の劣化を防止することができる。また、排気通路とともにオイルパンに一体形成された給水通路と排水通路の縦横の壁構造により、オイルパンの強度、ひいては船外機全体の剛性を高めることができる。
請求項3の構成によれば、オイルパンを一層強化して船外機の剛性を高めることができる。
請求項4の構成によれば、オイルの保温性を良くして潤滑性能を向上させることができる。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る船外機の一例を示す左側面図である。
この船外機1は、船体2のトランサム3にクランプブラケット4を介して装着され、クランプブラケット4の後部に縦向きに設けられたスイベルシャフト5を軸に左右に回動自在とされている。
船外機1の最上部に搭載されているエンジン6は、例えば直列4気筒の水冷式4サイクルガソリン機関であり、そのクランクシャフト7が鉛直方向を向くように縦置きに搭載されている。このエンジン6は、クランクケース9、シリンダーブロック10、シリンダーヘッド11、ヘッドカバー12等の部品が前後方向に連なるように組み立てられている。
エンジン6の下部には厚板状のエンジンホルダー13を介してオイルパン14が固定されており、オイルパン14の下部にドライブシャフトハウジング15が固定され、さらにその下部にギヤハウジング16が固定されている。
エンジン6とエンジンホルダー13とオイルパン14の部分は上下に分割可能なエンジンカバー18に覆われている。このエンジンカバー18は、エンジンホルダー13とオイルパン14に跨がるように固定されたロアーカバー18aと、その上に着脱可能に取着されるアッパーカバー18bとを含んでいて、エンジン6の整備作業等はアッパーカバー18bを取り外して行う。
エンジン6のクランクシャフト7の下端には下方に延びるドライブシャフト19が回転一体に連結されており、このドライブシャフト19はエンジンホルダー13およびオイルパン14、ドライブシャフトハウジング15の内部を貫通してギヤハウジング16内に達している。
一方、ギヤハウジング16内には前後に延びるプロペラシャフト20が軸支されており、その後端にプロペラ21が回転一体に設けられている。そして、ドライブシャフト19とプロペラシャフト20との交点に設けられたベベルギヤ機構22によってドライブシャフト19の回転がプロペラシャフト20に伝達され、プロペラ21が回転駆動されるようになっている。
なお、エンジンホルダー13とドライブシャフトハウジング15の前縁には、それぞれ左右一対のマウント部23,24が設けられ、この上下のマウント部23,24が、それぞれスイベルシャフト5の上端と下端に軸支される。
エンジン6の左側面には吸気装置26が取り付けられ、前面には始動用のスターターモーター27が設置されている。また、クランクシャフト7の上端部はエンジン6の上面よりも上方に突出しており、この部分にフライホイール28が回転一体に設けられ、フライホイール28の下部にドライブプーリー29が設けられている。
一方、シリンダーヘッド11の内部にはクランクシャフト7に平行するカムシャフト30が軸支されていて、その上端部がエンジン6の上面から突出し、この突出部にドリブンプーリー31が回転一体に設けられている。
クランクシャフト7のドライブプーリー29とカムシャフト30のドリブンプーリー31との間にはタイミングベルト32が巻装され、このタイミングベルト32を介してクランクシャフト7の回転がカムシャフト30に伝達され、シリンダーヘッド11の内部に収容された図示しない動弁装置が作動するように構成されている。
フライホイール28の周囲にはリングギヤ28aが鍔状に設けられており、スターターモーター27がONになると、スターターモーター27のピニオンギヤ27aが上方に突出してリングギヤ28aに噛み合い、クランクシャフト7が回転駆動されてエンジン6の始動がなされる。
なお、合成樹脂等で形成されたカバー部材33によってスターターモーター27、フライホイール28、ドライブプーリー29、ドリブンプーリー31、タイミングベルト32等の部材が上方から覆われており、上方から降り注ぐ水滴等がカバー部材33に遮蔽されて各部の防水性が確保されている。
ところで、ギヤハウジング16の上面にはウォーターポンプ35が設置され、このウォーターポンプ35の駆動軸をドライブシャフト19が兼ねている。ギヤハウジング16の側面には取水口36が設けられており、ここから上方に延びるように形成された取水通路37がウォーターポンプ35に繋がる。また、ウォーターポンプ35から上方に延びる給水パイプ38の上端がオイルパン14の下面に連結されている。
図2はオイルパン14の左側面図であり、図3および図4はそれぞれオイルパン14の上面図と下面図である。また、図5は図3のV-V線に沿うオイルパン14の縦断面図である。さらに、図6はエンジンホルダー13の下面図である。
オイルパン14の内部スペースの大半はオイル貯溜槽40で占められているが、例えばオイルパン14内部の右寄りの部分には排気通路41と給水通路42と排水通路43が形成されている。これらの通路41,42,43はエンジン6から下方に延びてオイルパン14の内部を縦方向に貫通する通路であり、オイルパン14内部に縦壁14a,14b,14cを形成することによりオイルパン14に一体成型されている。
図3〜図5に示すように、給水通路42と排水通路43は、排気通路41を取り囲むように形成されている。例えば、給水通路42は平面視で略L字形に形成されており、このL字形のコーナー部の内側に排気通路41が配置され、排気通路41の前方に排水通路43が配置されている。
給水通路42の底部には給水ジョイント44が設けられてここにウォーターポンプ35から延びる前述の給水パイプ38の上端が連結される。なお、オイルパン14の左側面下部には、オイル貯溜槽40内のオイルを排出させるためのオイルドレンポート45が設けられている。
また、図6に示すように、エンジンホルダー13にはオイルパン14の排気通路41と給水通路42と排水通路43に整合するように排気穴46と給水穴47と排水穴48が形成されている。なお、エンジンホルダー13とオイルパン14の前端部にはドライブシャフト19が挿通されるドライブシャフト挿通口49,50が形成されている。さらに、エンジンホルダー13の前部には左右一対のマウント台座51,51が設けられており、ここに前記マウント部23が取り付けられる。
図7と図8は、それぞれ図1のVII-VII線とVIII-VIII線に沿うエンジン6等の縦断面図である。図7に示すようにエンジン6のシリンダーヘッド11の左側面には4つの吸気ポート53が開いていて、右側面には4つの排気ポート54が開いている。そして、各吸気ポート53には前に述べた吸気装置26の4本の吸気ブランチ26aが連結され、排気ポート54には排気マニフォールド55が固定される。
排気マニフォールド55の内部には排気集合通路56が形成されており、この排気集合通路56に各排気ポート54が集結する。排気マニフォールド55の下端はエンジンホルダー13の右側面に重なり、排気集合通路56の最下端がエンジンホルダー13側に湾曲してエンジンホルダー13の左側面に開口する前述の排気穴46に繋がる。従って、排気ポート54→排気集合通路56→排気穴46→排気通路41という順で排気経路が構成される。
排気集合通路56の周囲には冷却水の流れる排気ウォータージャケット58が形成されている。この排気ウォータージャケット58の最下部にはインレット59が設けられ、最上部にはアウトレット60が設けられている。アウトレット60の内部にはプレッシャーバルブ61が設置されている。なお、排気ウォータージャケット58の最下部には検水孔62が設けられている。
一方、図8に示すようにシリンダーブロック10の内部には4つのシリンダー64が形成されており、その周囲を囲むように冷却水の流れるブロックウォータージャケット65が形成されている。このブロックウォータージャケット65の最下部にはインレット66が設けられ、最上部にはアウトレット67が設けられる。アウトレット67の内部にはサーモスタット68が設置されている。
排気ウォータージャケット58とブロックウォータージャケット65の各インレット59,66は、それぞれエンジンホルダー13の給水穴47を経てオイルパン14の給水通路42に繋がっている。また、各アウトレット60,67には排水ホース70,71が連結されており、これらの排水ホース70,71の他端はT形ジョイント72によって排水ホース73に合流し、排水ホース73はL形ジョイント74を介してエンジンホルダー13の排水穴48に繋がり、ここからオイルパン14の排水通路43に繋がっている。
従って、図9に示すような冷却水経路が構成されている。なお、この図に示すように、ブロックウォータージャケット65はシリンダーヘッド11内に形成されているヘッドウォータージャケット75に通じており、相互に冷却水が流通するようになっている。また、ブロックウォータージャケット65とサーモスタット68との間にはシリンダー壁温センサーが設けられている。
エンジン6が作動すると、ドライブシャフト19の回転によりウォーターポンプ35が駆動され、外部の水が冷却水としてギヤハウジング16の取水口36から取り入れられて図9の冷却水経路に沿って流れ、排気ウォータージャケット58とブロックウォータージャケット65とヘッドウォータージャケット75が冷却される。
サーモスタット68は、エンジン6の冷機時には閉弁していて、エンジン6が始動した後、ブロックウォータージャケット65とヘッドウォータージャケット75の内部の冷却水の温度が所定値に達すると開弁して冷却水を流通させる。このため、エンジン6の暖機時間が短縮されるとともに、運転中におけるシリンダー64の過冷却が防止される。
サーモスタット68が閉弁している時には、ウォーターポンプ35の下流側の圧力が必要以上に高まるため、図9の冷却水経路中に示されているプレッシャーバルブ76が開弁して余剰な圧力(冷却水)が外部に逃がされ、冷却水経路が保護される。
図2〜図5に示すように、オイルパン14の底部には、オイルパン14の左側面から右方へ水平に延びて給水通路42の底部に通じるフラッシュ通路77が形成されており、このフラッシュ通路77の途中に下方に延びる短いバルブ通路78が形成され、このバルブ通路78の外端に形成されたバルブ台座79にプレッシャーバルブ76がボルト80等で固定される(図5参照)。
ところで、フラッシュ通路77の入口部分は拡径されてフラッシュポート81となっている。このフラッシュポート81はプラグ82(図1および図5参照)が着脱可能に捩じ込まれて閉塞される。プラグ82を取り外してフラッシュポート81に水道のホースを差し込めば冷却水経路全体を真水で簡単に洗浄することができる。
オイルパン14の周囲はエンジンカバー18のロアーカバー18aによって覆われているが、図5に示すようにロアーカバー18aのフラッシュポート81に対応する部位にはフラッシュ孔84が形成されており、このフラッシュ孔84によってフラッシュポート81を閉塞するプラグ82が外部に露出している。
図4に示すように、オイルパン14の底部にはドライブシャフトハウジング15の上面に接合される平坦な接合座面86が形成されていて、図10に示すようにドライブシャフトハウジング15の上面にはオイルパン14の接合座面86に接合される接合座面87が形成されている。そして、ドライブシャフトハウジング15の内部には接合座面86,87の形状に沿って仕切られた縦壁15a,15b,15cが形成されている。
これらの縦壁15a,15b,15cによってドライブシャフトハウジング15の内部空間は主排気室88と排気レリーズ室89とプレッシャーバルブ室90に区画されている。主排気室88にはオイルパン14に形成された排気通路41の下端が連通する。また、主排気室88の下部はギヤハウジング16の内部に繋がり、ギヤハウジング16の内部とプロペラ21の中心部に形成された排気出口通路91(図1参照)に通じている。
一方、排気レリーズ室89を画成している縦壁15aの上端には小さな切欠92が形成されており、この切欠92によって排気レリーズ室89は主排気室88に連通している。また、オイルパン14の下面に形成された排気レリーズ通路93によって排気レリーズ室89は外部にも通じている。なお、排気レリーズ室89とプレッシャーバルブ室90の底部には主排気室88に通じる開口部94,95が形成されている。
さらに、ドライブシャフトハウジング15の前端部にはドライブシャフト19が挿通されるドライブシャフト挿通口96が形成され、ドライブシャフトハウジング15の下部左右両側面にはマウント台座97,97が設けられてここに前記マウント部24が取り付けられる。
エンジン6の排気ガスは、オイルパン14の排気通路41からドライブシャフトハウジング15の主排気室88に流れる。エンジン6のアイドリング運転時および低速運転時には主排気室88内に水が入っていることと排気ガスの量が少ないことから、排気ガスは主排気室88から切欠92を経て排気レリーズ室89に入り、ここから排気レリーズ通路93を通って外部に放出される。
また、エンジン6の中〜高速運転時にはプロペラ21の回転により主排気室88内の水が吸い出されて水位が下がり、排気ガスの排出抵抗が小さくなることに加えて排気ガスの量が多くなるため、排気ガスの大半は主排気室88内で膨脹した後にギヤハウジング16の排気出口通路91を通ってプロペラ21の中心部から水中に放出される。
ところで、プレッシャーバルブ室90はオイルパン14底部の下面側に設けられたプレッシャーバルブ76を囲む形となっている。従って、プレッシャーバルブ76からの排水はプレッシャーバルブ室90内を下方に流れ、開口部95を出て排気出口通路91を経由して外部に排出される。
船外機1は以上のように構成されている。
この船外機1においては、エンジン6から下方に延びる排気通路41および冷却水の給水通路42と排水通路43がオイルパン14に一体に成型されているため、従来の船外機のように排気通路と給水通路と排水通路を専用のパイプ部材を用いて設置する必要がない。従って、パイプ部材を始め、これを締結する固定ボルトや気密を保つガスケット等の部品が一切不要となり、部品点数や組立工数の増大を招くことなく、非常に簡素かつ軽量な構造によって排気通路41と給水通路42と排水通路43を設置することができる。なお、オイルパン14はダイキャスト製法によって形成されるため、オイルパン14を成型する金型に各通路41,42,43を形成するための中子を設ける必要がなく、金型がコストアップする懸念もない。
この船外機1では、オイルパン14の下部にドライブシャフトハウジング15を固定したことにより、オイルパン14自体が船外機1の強度構造部材となっている。このため、従来のようにドライブシャフトハウジング15の内部にオイルパン14を別体に設けた場合と比較して船外機1全体の剛性を損なうことなく船外機1の重量軽減とコンパクト化を図ることができる。
オイルパン14は、その内部に一体形成された排気通路41、給水通路42、排水通路43、ドライブシャフト挿通口50等の縦横の壁構造により剛性が大幅に向上しているため、船外機1全体の剛性を効果的に高めることができる。
また、給水通路42と排水通路43とが排気通路41を取り囲むように形成されているため、給水通路42と排水通路43を流れる冷却水によって排気通路41内を流れる高温な排気ガスの熱がオイルパン14内部に貯溜されたオイルに対して完全に遮蔽される。このため、オイルに排気熱の影響が及ばなくなり、オイル寿命や潤滑性能の劣化を防止することができる。
なお、オイルパン14の周囲がエンジンカバー18のロアーカバー18aで覆われているため、寒冷時等におけるオイルの保温性を良くして潤滑性能や始動性能を向上させることができる。
一方、ドライブシャフトハウジング15の内部にオイルパン14との接合座面86,87の形状に沿って仕切られる縦壁15a,15b,15cを形成したため、ドライブシャフトハウジング15を強化して船外機1の剛性を一層高めることができる。
さらに、この船外機1においては、冷却水経路の水圧を調整するプレッシャーバルブ76がオイルパン14の底部に設けられているため、冷却水経路中においてプレッシャーバルブ76がウォーターポンプ35の直ぐ下流側に位置している。従って、ウォーターポンプ35からの水圧が必要以上に高まっても余剰な水圧がプレッシャーバルブから逃がされ、冷却水経路全体の水圧が必要以上に高まることがなくなり、各部に設けられるガスケットの負担が軽減され、冷却水の漏出も防止することができる。なお、エンジン6の冷間始動時においては余剰な冷却水が冷却水経路に供給されなくなるため、暖機性能が向上する。
しかも、プレッシャーバルブ76はオイルパン14底部の下面側に設けられており、オイルパン14の下面に固定されるドライブシャフトハウジング15にプレッシャーバルブ76を囲んでプレッシャーバルブ76からの排水を下方に流すプレッシャーバルブ室90が設けられているため、ドライブシャフトハウジング15内部の主排気室88を流れる排気ガスがプレッシャーバルブ76に直接当たらなくなっている。従って、プレッシャーバルブ76自体およびプレッシャーバルブ76に使用されているシール用のゴム部品やガスケット等を排気ガスから保護することができ、しかもプレッシャーバルブ76から排出された水の流れが排気ガスに妨げられなくなるのでプレッシャーバルブ76の性能を充分に発揮させることができる。
さらに、この船外機1は、冷却水経路の洗浄用のフラッシュポート81がオイルパン14の外面部に設けられており、このフラッシュポート81を閉塞するプラグ82が外部に露出しているため、フラッシュポート81に繋がる配管等を設ける必要がなく、フラッシュポート81回りの構造を簡素化することができる。しかも、外部に露出しているプラグ82を取り外せば直ぐに冷却水経路の洗浄作業を開始することができるので、洗浄時の作業性が大きく向上している。
本発明に係る船外機の一例を示す左側面図。 オイルパンの左側面図。 本発明の一実施形態を示すオイルパンの上面図。 オイルパンの下面図。 図3のV-V線に沿うオイルパンの縦断面図。 エンジンホルダーの下面図。 図1のVII-VII線に沿うエンジン等の縦断面図。 図1のVIII-VIII線に沿うエンジン等の縦断面図。 冷却水経路を示すブロック図。 ドライブシャフトハウジングを左斜め上から見た斜視図。
符号の説明
1 船外機
6 エンジン
7 クランクシャフト
14 オイルパン
15 ドライブシャフトハウジング
15a,15b,15c 縦壁
16 ギヤハウジング
18 エンジンカバー
18a ロアーカバー
21 プロペラ
41 排気通路
42 給水通路
43 排水通路
50 ドライブシャフト挿通口
86,87 接合座面
88 主排気室
91 排気出口通路

Claims (4)

  1. 上下に分割可能なエンジンカバーに覆われた水冷4サイクルエンジンがクランクシャフトを鉛直方向に向けて縦置きに搭載され、エンジンからの排気ガスがエンジン下面に設置されたオイルパンの近傍を通りドライブシャフトハウジング内部空間を経てドライブシャフトハウジング下部に設置されたギヤハウジング内部の排気通路を通ってプロペラの中心部から水中に放出されるように構成された船外機において、
    前記オイルパン内部を縦方向に貫通する前記排気通路をオイルパンに一体成型する一方、前記ドライブシャフトハウジングの内部空間を仕切る縦壁を形成し、
    前記オイルパンの底部にドライブシャフトハウジングの縦壁の形状に沿って接合される接合座面を形成するとともに、前記オイルパンの下部に前記ドライブシャフトハウジングを固定することにより、前記オイルパンに形成された排気通路下端と連通する前記縦壁で仕切られた排気室をドライブシャフトハウジング内部に設けたことを特徴とする船外機。
  2. 前記オイルパンに給水通路と排水通路を一体形成するとともに、前記排気通路を取り囲むように給水通路と排水通路を形成した請求項1に記載の船外機。
  3. 前記クランクシャフト下端に連結されるドライブシャフトの挿通口を前記オイルパンの前端部に形成した請求項1に記載の船外機。
  4. 前記オイルパンの周囲を前記エンジンカバーのロアーカバーで覆った請求項1に記載の船外機。
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