JP4016646B2 - 順次走査変換装置及び順次走査変換方法 - Google Patents

順次走査変換装置及び順次走査変換方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4016646B2
JP4016646B2 JP2001365813A JP2001365813A JP4016646B2 JP 4016646 B2 JP4016646 B2 JP 4016646B2 JP 2001365813 A JP2001365813 A JP 2001365813A JP 2001365813 A JP2001365813 A JP 2001365813A JP 4016646 B2 JP4016646 B2 JP 4016646B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
interpolation
scanning
signal
line
image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2001365813A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003169301A (ja
Inventor
賢二 杉山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Victor Company of Japan Ltd filed Critical Victor Company of Japan Ltd
Priority to JP2001365813A priority Critical patent/JP4016646B2/ja
Publication of JP2003169301A publication Critical patent/JP2003169301A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4016646B2 publication Critical patent/JP4016646B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は順次走査変換装置及び順次走査変換方法に係り、特に動画像の伝送、蓄積、表示するための動画像フォーマットの変換処理で、飛越し走査の動画像信号の走査線構造を変換し、順次走査の動画像信号を得るための順次走査変換装置及び順次走査変換方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
動画像信号は、飛越し走査(インターレース走査)と順次走査(プログレッシブ走査)の2種類の走査構造を持つ。飛越し走査は走査線数が順次走査の走査線数の半分に間引かれているが、画像が静止している場合には、順次走査の70%程度の解像度を待つ。順次走査は、ラインフリッカやラインクローリングがない。テレビ放送では飛越し走査が一般的であるが、ディジタル放送では順次走査も使われる。パソコン(PC)用のディスプレイは細かな文字を表示するため順次走査となっている。
【0003】
一方、プラズマディスプレイや液晶ディスプレイなど、マトリックス型の表示ドライバを持つものでは、飛越し走査表示は困難なので順次走査表示が行われる。また、ブラウン管式テレビ受像機で、HDTV(ハイビジョン)の表示系を持つものは、走査線数の少ない現行放送の画像を表示しようとした場合、飛越し走査のままでは偏向周波数が低くなり過ぎるので、2倍の偏向周波数となる順次走査で表示するものが多い。
【0004】
このような順次走査表示装置や、放送局内での画像フォーマット変換などの目的で、飛越し走査画像を順次走査画像に変換する処理が従来より知られている(簡易なものの例として特許第1920021号)。ここで、処理方法としてはフィールド内補間とフィールド間補間を画像の動きに応じて切替える手法がある(例えば、特許第1936126号)。フィールド内補間は同一フィールド内の上下の走査線から固定係数フィルタで補間信号が形成される。フィールド間内挿補間信号は、前後のフィールドの内挿値で形成される。その際、動き補償を行うこともあるが、動き推定は前後のフィールド間で行われる。
【0005】
フィールド間補間の手法としては、双方向からの内挿補間の他に、補間済みの前順次走査フレームを用いて補間する方法もある。この場合、補間された信号が再度補間に使われることになるので、巡回型(再帰型,Recursive)補間処理となる。
【0006】
巡回型補間は、動き補償を行わないと単なる前フィールド補間となり、補間走査線は使われないので無意味である。必然的に動き補償を行うことになるが、補間対象走査線は存在しないので、存在する上下の走査線と順次走査となった前フレームとの間で相関を求め、動きベクトル検出が行われる(例えば、特許第2506842号)。相関検出は、理論的な相関値算出の他に、2画像間の二乗誤差や絶対値誤差を算出で代用する場合が多い。
【0007】
図8は従来の順次走査変換装置の一例のブロック図を示す。この従来の順次走査変換装置は、フィールド内補間と前後フィールド間内挿補間を画像の動きの程度に応じて混合して補間信号を形成し、飛越し走査画像を順次走査画像に変換するものである(例えば、特許第3062286号あるいは、特開平9−130645号公報)。
【0008】
図8において、画像入力端子1より入来する入来飛越し走査画像信号は、フィールド遅延器2に与えられると共に、加算器4、減算器11にも与えられる。入来飛越し走査画像信号は、同期信号を含めて1フレーム525ラインの標準解像度のものである。以下の説明で、ライン数には同期信号も含まれている。
【0009】
フィールド遅延器2は入来信号を1フィールド(262ライン)遅延させ、出力である1フィールド遅延信号をフィールド遅延器3のほか加算器41とライン遅延器32に供給する。フィールド遅延器3は、1フィールド遅延信号を更に1フィールド(263ライン)遅延させ、出力を加算器4と減算器11に供給する。
【0010】
フィールド遅延器2と3で1フレーム(525ライン)遅延された飛越し走査画像信号と入来飛越し走査画像信号は、加算器4で加算され、減算器11で減算される。加算器4の出力はフィールド間補間信号(前後フィールド間内挿補間信号)となり、減算器11の出力はフィールド間差分信号となる。フィールド間補間信号は乗算器5に入力され、フィールド間差分信号は動き検出器42に入力される。
【0011】
262ライン遅延信号は、ライン遅延器32で1ライン遅延させられ263ライン遅延信号となり、加算器41でフィールド遅延器2の出力である262ライン遅延信号と加算され、フィールド内補間信号となる。フィールド内補間信号は乗算器15に供給される。一方、262ライン遅延信号はラインメモリ7にも供給される。
【0012】
動き検出器42はフィールド間差分信号を基に動き領域の判定を行い、動き係数k(0〜1)を画素毎に出力する。動き係数kは乗算器5と15に供給される。乗算器5はフィールド間補間信号に(1ーk)を乗じ、乗算器15はフィールド内補間信号にkを乗じる。(1−k)倍のフィールド間補間信号と、k倍のフィールド内補間信号は加算器6で加算され、補間信号としてラインメモリ9に供給される。この補間信号は262.5ライン遅延に相当する。
【0013】
ラインメモリ7と9は262ライン遅延信号と補間信号をそれぞれ1ライン分蓄え、2倍の速度で出力する。スイッチ8は入来飛越し走査信号の1ラインの間に、ラインメモリ7と9の出力を選択し、前半のタイミングでラインメモリ7の出力である262ライン遅延信号を、後半のタイミングでラインメモリ9の出力である補間信号を得る。得られた2倍速度の信号は、順次走査画像信号として画像出力端子10から出力される。
【0014】
このような処理により図9(A)に示すフィールド内補間信号と、同図(B)に示す前後フィールド間内挿補間信号の2種類の補間信号が、画像の動きの程度に応じて、加算器6にて混合される。図9(A)及び(B)において、丸(○)で示されるのは入来走査線であり、中央の菱形(◇)で示されるのは補間走査線である。実線矢印が補間関係を示し、双方向の破線矢印は走査線間の相関を検出するものである。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
従来の順次走査変換装置では、フィールド間補間として前後フィールドによる内挿補間または順次走査化された前フレームによる巡回補間が用いられてきた。しかるに、前後フィールド内挿補間では入力画像信号の画像が垂直方向に特定の動きをする場合、適切な補間画像が得られない。一方、巡回補間では、補間された画像が再度補間に使われるので歪成分が残留し易く、画質的に問題がある。
【0016】
本発明は以上の点に鑑みなされたもので、前後フィールド内挿補間信号と巡回補間信号の両方を得て、前後フィールド内挿補間信号が不適当な場合に、巡回補間信号を使うことで、どのような動きでも高画質な順次走査画像が得られる順次走査変換装置及び変換方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の順次走査変換装置は、飛越し走査画像の走査線を補間して、飛越し走査画像を順次走査画像に変換する順次走査変換装置において、入来飛越し走査画像の補間対象フィールドの前後フィールドから内挿補間信号を得る内挿補間手段と、入来飛越し走査画像の補間対象フィールドの前フィールドを変換した順次走査フレームに対して動き補償を施し、この動き補償が施された順次走査フレームを構成する走査線のうち補間対象フィールドの走査線と逆相の走査線を巡回補間信号として得る巡回補間手段と、動き補償に用いる動きベクトルの垂直方向成分の大きさが、順次走査フレームにおける走査線の値で2n+1(但し、nは整数)に近いほど、巡回補間信号の割合が増加するように、内挿補間信号と巡回補間信号の混合比を適応的に変えて混合し、補間対象フィールドに対するフィールド間補間走査線を得る補間走査線形成手段と、補間走査線形成手段で得たフィールド間補間走査線と、入来飛越し走査画像の補間対象フィールドの走査線とを交互に切り換えて出力することで、入来飛越し走査画像を順次走査画像に変換する画像変換手段とを有する構成としたものである。
【0018】
また、上記の目的を達成するため、本発明の順次走査変換方法は、飛越し走査画像の走査線を補間して、飛越し走査画像を順次走査画像に変換する順次走査変換方法において、入来飛越し走査画像の補間対象フィールドの前後フィールドから内挿補間信号を得る第1のステップと、入来飛越し走査画像の補間対象フィールドの前フィールドを変換した順次走査フレームに対して動き補償を施し、この動き補償が施された順次走査フレームを構成する走査線のうち補間対象フィールドの走査線と逆相の走査線を巡回補間信号として得る第2のステップと、動き補償に用いる動きベクトルの垂直方向成分の大きさが、順次走査フレームにおける走査線の値で2n+1(但し、nは整数)に近いほど、巡回補間信号の割合が増加するように、内挿補間信号と巡回補間信号の混合比を適応的に変えて混合して補間対象フィールドに対するフィールド間補間走査線を得る第3のステップと、第3のステップで得たフィールド間補間走査線と、入来飛越し走査画像の補間対象フィールドの走査線とを交互に切り換えて出力することで、入来飛越し走査画像を順次走査画像に変換する第4のステップとを含むことを特徴とする。
【0019】
本発明の順次走査変換装置及び順次走査変換方法では、前後フィールド内挿補間信号と巡回補間信号の両方を得て、動き補償に用いる動きベクトルの垂直方向成分の大きさが、巡回補間信号からの補間に該当する値に近いほど、巡回補間信号の割合が増加するように、内挿補間信号と巡回補間信号の混合比を適応的に変えて混合して補間対象フィールドに対するフィールド間補間走査線を得ることにより、前後フィールド内挿補間信号の使用が不適当な場合に、巡回補間信号を使うようにできる。また、巡回補間信号の使用は内挿補間が適切にできない場合に限定できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。
<第1の実施の形態>
図1は本発明になる順次走査変換装置の第1の実施の形態のブロック図を示す。同図中、図8の従来装置と同一構成部分には同一符号を記してある。図1に示す第1の実施の形態は、図8の従来装置と比較して加算器41、ライン遅延器32がなく、フレームメモリ17、動き補償器18がある点で相違する。また、動き検出器42の代わりに相関判定器16がある。この実施の形態において、従来例と異なるのは補間走査線の形成方法であり、現走査線と補間走査線から順次走査画像を形成する部分は基本的に同じである。
【0021】
次に、本実施の形態の動作について説明する。図1において、画像入力端子1より入来する入来飛越し走査画像信号は、フィールド遅延器2に与えられると共に、加算器4、減算器11にも与えられる。入来飛越し走査画像信号は、同期信号を含めて1フレーム525ラインのものである。
【0022】
フィールド遅延器2は入来信号を1フィールド(262ライン)遅延させ、出力である262ライン遅延信号をフィールド遅延器3と減算器12にそれぞれ供給する。フィールド遅延器3は、262ライン遅延信号を1フィールド(263ライン)遅延させ、出力である525ライン遅延信号を加算器4と減算器11にそれぞれ供給する。
【0023】
フィールド遅延器2と3で1フレーム(525ライン)遅延された飛越し走査画像信号と入来飛越し走査画像信号は、加算器4で加算される一方、減算器11で減算される。加算器4の出力はフィールド間の内挿補間信号となり、減算器11の出力は2フィールド差分信号となる。内挿補間信号は乗算器5に供給され、2フィールド差分信号は相関判定器16に供給される。
【0024】
一方、フレームメモリ17には、前フィールド(60分の1秒前)とその補間信号から形成される順次走査フレームが蓄積されている。フレームメモリ17から出力される順次走査画像信号は動き補償器18で動き補償され、走査線間引き器13と14に供給される。動き補償は、8×8画素ないし4×4画素のブロック単位で、1/2画素ないし1/4画素の精度で行われる。
【0025】
走査線間引き器13と14は、順次走査の画像を共に飛越し走査のフィールドの形態に走査線を間引くが、互いに逆相となる。走査線間引き器13の出力は相関検出に用いるものなので現走査線と同じとする。一方、走査線間引き器14の出力は巡回補間に用いるものなので現走査線と逆とする。言い換えると走査線間引き器13と14で、順次走査画像が二つの飛越し走査画像に分離されることになる。
【0026】
走査線間引き器13から出力された現走査線と同相の飛越し走査画像は減算器12に供給され、フィールド遅延器2から出力された262ライン遅延飛越し走査画像信号と減算されることにより、前フレームからの巡回補間の差分すなわち巡回差分が求められる。一方、走査線間引き器14から出力された現走査線と逆相の飛越し走査画像は乗算器15に巡回補間信号として供給される。
【0027】
相関判定器16は減算器11から出力される2フィールド差分信号と、減算器12から出力される巡回差分信号との相関を求め、その相関に応じた混合係数k(0〜1)を出力し、乗算器5と15に供給する。混合係数kの算出方法は後述する。
【0028】
乗算器5は加算器4から出力された内挿補間信号に(1−k)を乗じ、乗算器15は走査線間引き器14から出力された巡回補間信号に混合係数kを乗じる。このようにして得られた(1−k)倍の内挿補間信号と、k倍の巡回補間信号は加算器6で加算され、補間信号としてラインメモリ9に供給される。
【0029】
ラインメモリ7と9は262ライン遅延信号と補間信号をそれぞれ1ライン分蓄え、2倍の速度で出力する。スイッチ8は入来飛越し走査画像信号の1ラインの間に、ラインメモリ7と9の出力を選択し、前半のタイミングでラインメモリ7の出力である263ライン遅延信号を、後半のタイミングでラインメモリ9の出力である補間信号を得る。得られた2倍速度の信号は、順次走査画像信号として画像出力端子10から出力される。また、スイッチ8により選択されて得られた順次走査画像信号は、フレームメモリ17に保持される。
【0030】
次に、相関による制御について説明する。上記の内挿補間信号と巡回補間信号という、2種類の補間信号の混合比制御は、それぞれの相関(マッチングの程度)で行われる。ただし、2フィールド間差分は1/30秒間の時間変化に対するもので、巡回差分は1フィールド間の差分なので1/60秒間の時間変化に対するものであり、巡回差分なので相関は概して高い。
【0031】
補間信号の品質としては、内挿補間信号は位相ずれがなく、非巡回なので画質上の問題は少ない。ただし、特定の動きで適切な補間信号が得られなくなる。一方、巡回補間信号は順次走査画像を用いるため、動きに関係なく補間ができるが、巡回型のため使用は最小限に留めることが望まれる。
【0032】
以上の点に鑑み、2フィールド間差分信号Dと巡回差分信号Dの間で、DがDより2倍以上大きな場合に、その程度に応じて徐々に巡回補間を用いることとし、DがDより4倍以上のときに、すべて巡回補間とする(すなわち、混合係数kを1とする。)。これを式で示すと次のようになる。
【0033】
【数1】
Figure 0004016646
【0034】
図2は図1中の相関判定器16の内部構成の一例のブロック図を示す。図2において、2フィールド差分信号入力端子51、巡回差分信号入力端子57から入来する各差分信号D、Dは、絶対値化器52、58でそれぞれ絶対値とされた後、空間LPF(低域フィルタ)53、59で、垂直方向及び水平方向の両方で1/4〜1/8程度に低域制限される。これにより、絶対値化された差分はなだらかな変化となる。
【0035】
空間LPF53、59から出力された差分信号DとDは、それぞれ除算器54に供給され、ここで式(1)の除算処理が行われ、得られた除算結果k’に基づき非線形変換器55で式(2)の制限が行われて混合係数kが得られる。得られた混合係数kは、混合係数出力端子56より出力される。
【0036】
本実施の形態での巡回補間時の処理の様子は図3(A)、(B)に示される。図3(A)、(B)中、○で示されるのは入来走査線であり、◇で示されるのは補間走査線である。この補間走査線は、飛越し走査で間引かれた走査線に相当するものである。
【0037】
画素精度以下の動き補償により、順次走査化されたフレームの原走査線と補間走査線はリサンプリングされ図中◎の位置の走査線となる。この走査線は走査線単位に移動させられ、動き補償は完了する。動き補償された走査線の内、同相のものと現走査線の間で相関が求められ、逆相のものが巡回補間に用いられる。図3(B)で実線矢印が補間関係を示し、双方向の破線矢印が相関検出のための巡回差分である。
【0038】
本実施の形態では、フレーム間補間における内挿補間と巡回補間の適応混合について示した。実際の装置では、さらにこの混合結果をフィールド間補間として、フィールド内補間を適応的に混合するのが現実的である。また図示しなかったが、動き補償のためには何らかの動き推定が必要である。
【0039】
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態の順次走査変換装置について説明する。図4は本発明になる順次走査変換装置の第2の実施の形態のブロック図を示す。同図中、図1と同一構成部分には同一符号を付してある。本実施の形態は、図1の第1の実施の形態と比較して、相関判定部である減算器11、12、間引き器13、相関判定器16がなく、代わりに動き推定器21と混合制御器22がある。混合制御方法以外は同じなので飛越し走査画像入力端子1、フィールド遅延器2、3、加算器4、乗算器5、15、ラインメモリ7、9、スイッチ8、順次走査画像出力端子10の動作は同じである。
【0040】
本実施の形態は、図1の第1の実施の形態とは混合係数の形成方法が異なる。第1の実施の形態では補間画像の相関に基づき制御していたが、本実施の形態では巡回補間のための動きベクトルの値により制御する。
【0041】
図4において、動き推定器21は、フィールド遅延器2から出力された262ライン遅延信号と、フレームメモリ17に格納されている1/60秒前の順次走査フレームとの間で動きベクトルをブロック単位で求め、動き補償器18と混合制御器22に供給する。ここで求められる動きベクトルは、8×8画素ないし4×4画素のブロック単位で、1/2画素ないし1/4画素の精度である。
【0042】
混合制御器22は、上記の動きベクトルの垂直方向成分MVyを抽出し、次のように混合係数kを設定する。なお、以下の式中nは整数で、MVyは順次走査フレームにおける画素(ライン)の値である。
【0043】
【数2】
Figure 0004016646
【0044】
式(3)の処理を具体的に示すと、MVyが・・・,−3.0,−1.0,1.0,3.0,・・・のとき、kが1.0であり、MVyが・・・,−3.25,−2.75,−1.25,−0.75,0.75,1.25,2.75,3.25,・・・のとき、kが0.75であり、MVyが・・・,−3.5,−2.5,−1.5,−0.5,0.5,1.5,2.5,3.5,・・・のとき、kが0.25である。
【0045】
巡回予測の使用をさらに制限すると、以下の式(4)や式(5)の条件で判定することになる。式(5)の場合、混合係数kは1とならないので、誤差成分の残留は極めて少ない。
【0046】
【数3】
Figure 0004016646
【0047】
MVyとkの関係を図5に示す。同図において、破線Iが式(3)のMVyとkの関係、実線IIが式(4)のMVyとkの関係、一点鎖線IIIが式(5)のMVyとkの関係をそれぞれ示す。
【0048】
<第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態の順次走査変換装置について説明する。図6は本発明になる順次走査変換装置の第3の実施の形態のブロック図を示す。同図中、図1と同一構成部分には同一符号を付してある。図6には、図1と比較して、フレームメモリ17及び動き補償器18が無く、代わりにフィールド遅延器34とライン遅延器32、35がある。また減算器33及びスイッチ36が追加され、相関判定器31の動作が異なる。
【0049】
第1及び第2の実施の形態では、順次走査化されたフレームを巡回補間に用いたが、本実施の形態では前フィールドの補間走査線のみを用いる点に特徴がある。本実施の形態は、第1の実施の形態とは前後フィールド内挿補間信号形成及び順次走査化の動作は同じなので、飛越し走査画像入力端子1、フィールド遅延器2、3、加算器4、乗算器5、15、ラインメモリ7、9、スイッチ8、順次走査画像出力端子10の動作は同じである。
【0050】
次に、図6の第3の実施の形態の動作について説明する。フィールド遅延器2の出力である262ライン遅延飛越し走査画像信号は、ライン遅延器32にも供給され、ここで1ライン遅延されて263ライン遅延飛越し走査画像信号となり減算器33に供給される。フィールド遅延器2から出力された262ライン遅延飛越し走査画像信号は減算器12で、また、ライン遅延器32から出力された263ライン遅延信号は減算器33でフィールド遅延器3から出力された525ライン遅延飛越し走査画像信号とそれぞれ減算される。
【0051】
減算器12からは525ライン遅延飛越し走査画像信号と262ライン遅延飛越し走査画像信号の差である263ライン間差分信号が得られ、相関判定器31に供給される。同様に、減算器33からは525ライン遅延飛越し走査画像信号と263ライン遅延飛越し走査画像信号の差である262ライン間差分信号が得られ、相関判定器31に供給される。
【0052】
相関判定器31には、図1の相関判定器16に対し、262ライン間差分信号と263ライン間差分信号の選択機能が追加されている。相関判定器31は上記の262ライン間差分信号及び263ライン間差分信号と、減算器11からの2フィールド差分信号(フィールド間差分信号)の、計3種類の差分信号に対して絶対値化と空間LPFの処理を施す。この段階で、262ライン間差分信号と263ライン間差分信号が比較され、誤差が少ない方が選択される。
【0053】
この選択は単純な切替えなのでスイッチング歪を生じる。しかし、両者の誤差が近いような場合は、前後フィールド内挿補間が選択されるので、最終的な信号は262ライン遅延信号から内挿補間信号、内挿補間信号から263ライン遅延信号へと変化し、その切り替りはスムーズとなる。
【0054】
相関判定器31は、選択した262ライン間差分信号又は263ライン間差分信号を、図2での巡回差分信号と同様に処理し、図2の除算器54及び非線形変換器55と同様の回路部により混合係数kを得る。また262ライン間差分信号と263ライン間差分信号のどちらを選択したかを示す選択情報(切替情報)も相関判定器31から出力される。
【0055】
一方、加算器6の出力である補間信号は、フィールド遅延器34で262ライン遅延され、262ライン遅延補間信号となりスイッチ36に与えられる一方、さらにライン遅延器35で1ライン遅延されて263ライン遅延補間信号となりスイッチ36に与えられる。これらの信号は補間信号なので、遅延させた場合でも補間信号である。
【0056】
スイッチ36は、相関判定器31で262ライン間差分信号の方が小さい場合は262ライン遅延補間信号を、263ライン間差分信号の方が小さい場合は263ライン遅延補間信号を選択し、巡回補間信号として乗算器15に供給する。
【0057】
本実施の形態での巡回補間の様子を図7に示す。同図中、○で示されるのは入来走査線であり、◇で示されるのは補間走査線である。この補間走査線は、飛越し走査で間引かれた走査線に相当するものである。また、上向き実線矢印が262ライン遅延補間信号による補間、下向き実線矢印が263ライン遅延補間信号による補間となる。また、相関判定では262ライン遅延補間と同じ向きの破線双方向矢印が262ライン差分を、263ライン遅延補間と同じ向きの破線双方向矢印が263ライン差分を示すことになる。相関判定は現走査線で行われ、補間は補間された走査線で行われる。
【0058】
本実施の形態では動き補償は行われていないが、垂直方向に位置の異なる3種類の補間信号から選択されることになるので、実効的に動き補償と同様な作用となる。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、前後フィールド内挿補間信号と巡回型補間信号の両方を得て、前後フィールド内挿補間信号の使用が不適当な場合に、巡回補間信号を使うようにしたため、通常は前後フィールド内挿補間で適切な順次走査画像が得られ、垂直方向に特定の動きの場合、例えば1フィールドで1ラインに近い動きで巡回補間信号が使われ、その結果、動きの程度によらず常時画像間の補間処理ができ、フィールド間補間の使用により解像度等が低下することを防止できる。また、本発明によれば、巡回型補間の使用は最小限としているので、歪成分の残留なども最小限であり、そのため極めて高画質な順次走査画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明装置の第1の実施の形態のブロック図である。
【図2】 本発明の第1の実施の形態における相関判定器の一例のブロック図である。
【図3】 本発明の第1の実施の形態の巡回補間での走査線補間と相関判定の様子を示す図である。
【図4】 本発明装置の第2の実施の形態のブロック図である。
【図5】 本発明の第2の実施の形態における動きベクトル垂直成分と混合係数を示す図である。
【図6】 本発明装置の第3の実施の形態のブロック図である。
【図7】 本発明の第3の実施の形態の巡回補間での走査線補間と相関判定の様子を示す図である。
【図8】 従来装置の一例のブロック図である。
【図9】 従来装置における走査線補間と動き検出の様子を示す図である。
【符号の説明】
1 飛越し走査画像入力端子
2、3、34 フィールド遅延器
4、6、41 加算器、
5、15 乗算器
7、9 ラインメモリ
8、36 スイッチ
10 順次走査画像出力端子
11、12、33 減算器
13、14 走査線間引き器
16、31 相関判定器
17 フレームメモリ
18 動き補償器
21 動き推定器
22 混合制御器
32、35 ライン遅延器
42 動き検出器
51 2フィールド差分入力端子
52、58 絶対値化器
53、59 空間LPF
54 除算器
55 非線形変換器
56 混合係数出力端子
57 巡回差分入力端子

Claims (2)

  1. 飛越し走査画像の走査線を補間して、前記飛越し走査画像を順次走査画像に変換する順次走査変換装置において、
    入来飛越し走査画像の補間対象フィールドの前後フィールドから内挿補間信号を得る内挿補間手段と、
    前記入来飛越し走査画像の補間対象フィールドの前フィールドを変換した順次走査フレームに対して動き補償を施し、この動き補償が施された順次走査フレームを構成する走査線のうち前記補間対象フィールドの走査線と逆相の走査線を巡回補間信号として得る巡回補間手段と、
    前記動き補償に用いる動きベクトルの垂直方向成分の大きさが、前記順次走査フレームにおける走査線の値で2n+1(但し、nは整数)に近いほど、前記巡回補間信号の割合が増加するように、前記内挿補間信号と前記巡回補間信号の混合比を適応的に変えて混合し、前記補間対象フィールドに対するフィールド間補間走査線を得る補間走査線形成手段と
    前記補間走査線形成手段で得た前記フィールド間補間走査線と、前記入来飛越し走査画像の前記補間対象フィールドの走査線とを交互に切り換えて出力することで、前記入来飛越し走査画像を前記順次走査画像に変換する画像変換手段と
    を有することを特徴とする順次走査変換装置。
  2. 飛越し走査画像の走査線を補間して、前記飛越し走査画像を順次走査画像に変換する順次走査変換方法において、
    入来飛越し走査画像の補間対象フィールドの前後フィールドから内挿補間信号を得る第1のステップと、
    前記入来飛越し走査画像の補間対象フィールドの前フィールドを変換した順次走査フレームに対して動き補償を施し、この動き補償が施された順次走査フレームを構成する走査線のうち前記補間対象フィールドの走査線と逆相の走査線を巡回補間信号として得る第2のステップと、
    前記動き補償に用いる動きベクトルの垂直方向成分の大きさが、前記順次走査フレームにおける走査線の値で2n+1(但し、nは整数)に近いほど、前記巡回補間信号の割合が増加するように、前記内挿補間信号と前記巡回補間信号の混合比を適応的に変えて混合して補間対象フィールドに対するフィールド間補間走査線を得る第3のステップと
    前記第3のステップで得た前記フィールド間補間走査線と、前記入来飛越し走査画像の前記補間対象フィールドの走査線とを交互に切り換えて出力することで、前記入来飛越し走査画像を前記順次走査画像に変換する第4のステップと
    を含むことを特徴とする順次走査変換方法。
JP2001365813A 2001-11-30 2001-11-30 順次走査変換装置及び順次走査変換方法 Expired - Lifetime JP4016646B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001365813A JP4016646B2 (ja) 2001-11-30 2001-11-30 順次走査変換装置及び順次走査変換方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001365813A JP4016646B2 (ja) 2001-11-30 2001-11-30 順次走査変換装置及び順次走査変換方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003169301A JP2003169301A (ja) 2003-06-13
JP4016646B2 true JP4016646B2 (ja) 2007-12-05

Family

ID=19175793

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001365813A Expired - Lifetime JP4016646B2 (ja) 2001-11-30 2001-11-30 順次走査変換装置及び順次走査変換方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4016646B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20140010190A (ko) * 2006-04-03 2014-01-23 퀄컴 인코포레이티드 전처리기 방법 및 장치
US7701509B2 (en) * 2006-04-25 2010-04-20 Nokia Corporation Motion compensated video spatial up-conversion

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003169301A (ja) 2003-06-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20090279609A1 (en) Motion-compensated processing of image signals
JP3821415B2 (ja) 動画像フォーマット変換装置及びその方法
JP2000253365A (ja) 解像度変換方法および解像度変換装置
JPS5877373A (ja) テレビジヨン信号処理回路
JP4016646B2 (ja) 順次走査変換装置及び順次走査変換方法
JPH1070679A (ja) フィルムモード互換性のためのフレーム補間方法
JP2005192230A (ja) 表示装置
JP4179089B2 (ja) 動画像補間用動き推定方法及び動画像補間用動き推定装置
JP3546698B2 (ja) 走査線補間回路
WO1993015586A1 (en) A partial interpolation method and apparatus for frame rate conversion
JP2000156846A (ja) 動画像フォーマット変換装置及びその方法
US7142248B2 (en) Video signal processing apparatus and method, video display apparatus
KR100311009B1 (ko) 공통 포맷을 이용하는 영상 포맷 변환 장치와 그 방법
JP2003289511A (ja) 画像走査変換方法及び装置
JP3314963B2 (ja) 画像信号の走査変換装置
JPH11331782A (ja) 信号変換装置
JP2003032636A (ja) 動き補償を用いた主走査変換装置及び主走査変換方法
JP3172323B2 (ja) 映像信号の方式変換装置
JP2002209191A (ja) 映像信号変換装置
JP3770523B2 (ja) 動画像信号の適応処理制御装置及びその方法
JP3603393B2 (ja) テレビジョン回路
JP3545577B2 (ja) 走査線変換装置
JPH0666945B2 (ja) 高品位テレビジヨン受像機
KR940000926Y1 (ko) Hdtv용 색신호 필드간 내삽회로
JPH04276986A (ja) 映像信号の2次元の傾斜相関の補間方法及びその回路

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040330

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060419

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060425

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060612

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070619

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070807

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070828

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070910

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4016646

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100928

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100928

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110928

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120928

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120928

Year of fee payment: 5

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120928

Year of fee payment: 5

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120928

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130928

Year of fee payment: 6

EXPY Cancellation because of completion of term