JP4016202B2 - 微小ワーク搭載方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、微小ワークの搭載方法及びその装置に関するものであって、詳しくは基板などの搭載面に、半田ボール等の微小ワークを搭載する装置における搭載ヘッドの下降位置制御に関するものである。
【0002】
半田ボール搭載装置で1個の半田ボールを基板に搭載する場合、半田ボールにかけられる荷重は非常に微小にしなければならない。もし、その荷重が大きければ、搭載時に半田ボール搭載ヘッドの吸引口から半田ボールが離れず、搭載ミスを起こすことになる。更に、半田ボールが搭載される基板が図6に示すように上方へ湾曲していると、基板がフラットとして搭載ヘッドの下降が制御されている場合には、半田ボールにかかる荷重が大きくなってしまう。また、搭載ヘッドの下降を予め基板の湾曲分を考慮して高い位置に設定した場合には、設定値によっては、半田ボールが浮いた状態で吸引を停止することになり、半田ボールの落下位置が所定の位置とずれるという問題がある。
【0003】
よって、半田ボール搭載ヘッドにバッファ機構を設け、ロードセルやシリンダ等で荷重制御を行い、ボール搭載をしていた。しかし、半田ボール1個載せ搭載機では、上記の微小荷重制御が難しく、半田ボール径が小さくなるほど荷重制御はシビアになり、困難であった。
【0004】
他方、半田ボール搭載装置ではないが、従来技術として、特許文献1に示されるワイヤボンディング方法及び装置や特許文献2に示される電子部品装着装置に、搭載面の高さを検出する技術が採用され、高さを制御しながら搭載を行い、電子部品等に極力荷重のかからない搭載方法が提供されていた。しかし、何れも搭載面の高さを検出する工程が別途入るために、生産効率が悪くなるという問題があった。
【0005】
【特許文献1】
特開昭62−14496号公報
【特許文献2】
特公昭62−46979号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、搭載面の高さの検出を別途独立の工程で行うのではなく、フラックス転写工程時に検出することにより、生産効率の悪化を生じさせず、搭載面の高さを制御しながら搭載を行い、微小ワークに極力荷重のかからない搭載方法及びその装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、上記課題を解決するため、微小ワーク搭載方法に次の手段を採用する。
第1に、先端にフラックスを装着させた転写ピンにより被搭載物の搭載面の所定位置にフラックスを転写した後、搭載ヘッドにより微小ワークを搭載する微小ワーク搭載方法とする。
第2に、フラックスの転写ピンが搭載面にフラックスを転写した時に、搭載面の高さを検出する。
第3に、その検出高さを基に微小ワークの搭載時の搭載ヘッドの下降位置を制御する。
【0008】
第2の発明は、第1の発明を装置化したものであって、次の手段を採用する。第1に、先端にフラックスを装着させて被搭載物の搭載面の所定位置にフラックスを転写する転写ピンと、フラックス転写位置に微小ワークを搭載する搭載ヘッドとを備える微小ワーク搭載装置とする。
第2に、フラックスの転写ピンが搭載面に接してフラックスを転写した時の転写ピンの高さを検出する検出手段を設ける。
第3に、該検出手段からの測定値を基に微小ワークの搭載時の搭載ヘッドの下降位置を制御する。
【0009】
第3の発明は、第2の発明の改良に関するものであって、次の手段を付加したものである。
第1に、フラックスの転写ピンが、昇降動する転写ピン支持部材に軸方向に摺動可能に支持される。
第2に、前記検出手段が、転写ピンが下降したときに搭載面に接する直前に転写ピンと係合するとともに、係合した後、転写ピンの摺動方向と同じ方向に移動可能な係合部材と、係合部材の高さを測定するセンサとからなる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面に従って、実施例と共に本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明が利用される半田ボール搭載装置の一例を示す概略配置図であり、半田ボール搭載装置1は、図2に示される半田ボール2を吸着保持して基板3に搭載する半田ボール搭載ヘッド4と、フラックス5を基板3に転写するフラックス転写ヘッド6と、図1に示される半田ボール搭載ヘッド4に半田ボール2を供給する半田ボール供給装置7と、フラックス転写ヘッド6にフラックス5を供給するフラックス供給装置8と、フラックス5の転写及び半田ボール2の搭載のため基板3が吸着支持されるX−Yステージ9と、図5に示されるフラックス5を転写する時の転写ピン10の高さを検出する高さ検出装置11と、搭載ミス検出装置12とを有する。
【0011】
フラックス転写ヘッド6と半田ボール搭載ヘッド4は、図1及び図2に示されるように回転軸13に交互に2組配備されている。各々は独立した昇降装置14を有しており、図1の矢印が示す方向に回転しながら、必要位置で停止し、各動作が行われる。
【0012】
各動作の基本的なものについて説明する。先ず、フラックス供給装置8のエリアではフラックス転写ヘッド6が下降し、転写ピン10にフラックス5を装着し、半田ボール供給装置7のエリアでは、半田ボール搭載ヘッド4が下降し、半田ボール2を吸着保持する。次に、フラックス転写ヘッド6が、X−Yステージ9上の基板3にフラックス5を転写する。ここで搭載面の高さが検出される。続いて半田ボール搭載ヘッド4が、検出された搭載面の高さを基に制御されながら基板3に半田ボール2を搭載し、その後搭載ミス検出装置12上にて、半田ボール搭載ヘッド4に搭載ミスボールが存在しないか否かを検査するのである。
【0013】
本発明の構成において、特徴となるのはフラックス転写ヘッド6と高さ検出装置11にある。
【0014】
フラックス転写ヘッド6には、下端部に転写ピン支持部材16が設けられ、転写ピン10は、転写ピン支持部材16に軸方向に摺動可能に支持されている。これによりフラックス転写ヘッド6の下降が継続しても、転写ピン10がボール搭載面22に到達した時点で転写ピン10の停止が可能となる。転写ピン10は、スプリング15により下方に付勢して上下移動可能に装着されており、更に、転写ピン10には、転写ピン10と一体的に上下動する鍔17が装着されている。
【0015】
高さ検出装置11は、ブラケットを介してフレーム側に下向きに固定される変位センサ18と、その下に水平に配置される平板状のドグ19とよりなる。ドグ19は、ガイド20によって上下移動可能な構造で、スプリング21によって上方に付勢されている。ドグ19は、転写ピン10に取り付けられた鍔17の下方に位置し、転写ピン10が下降したとき、ボール搭載面22に接する直前に鍔17と係合するとともに、係合した後、鍔17、すなわち転写ピン10の摺動方向と同じ方向に移動する。なお、スプリング21の付勢力は転写ピン10、鍔17の重力とスプリング15の付勢力を合わせた下方への力より弱くなっている。
【0016】
以下、高さ検出装置11での検出動作について説明する。基板3のボール搭載面22にフラックスを転写するために、フラックス転写ヘッド6が下降する。転写ピン10がボール搭載面22に到達する少し上から、転写ピン10の鍔17が、高さ検知装置11のドグ19の上面に当接し、さらに下降することによりドグ19を押し下げる。
【0017】
フラックス転写ヘッド6は、設定した値まで下降する。転写ピン10が下降したときに下端がフラットな基板3上に接するように制御されている。もし、基板3が図6に示すように歪んでいた場合には、フラックス転写ヘッド6の下降は継続しても、転写ピン10が基板3上のボール搭載面22に到達した時点で、転写ピン10の下降は停止する。同時に鍔17の下降が停止し、ドグ19の下降も停止する。その時のドグ19の高さを変位センサ18で測定する。これにより転写ピン10の高さ、すなわち、ボール搭載面22の高さが検出される。
【0018】
他方、基準面に対して、ボール搭載不良(リメイン等)の起こらない半田ボール搭載ヘッド4の搭載高さ(基準搭載高さ)を設定し、その時の、転写ピン10の高さ(基準転写高さ)を記憶させておく。転写ピン10の高さは、転写ピン10の下降により下降させられるドグ19の高さでもある。
【0019】
そして、ボール搭載面22にフラックスを転写した時に検出された転写高さと基準転写高さの差を基準搭載高さにフィードバックし、常にボール搭載面22とボール搭載高さが一定の間隔になるように高さ制御を行うのである。
【0020】
すなわち、半田ボール搭載ヘッド4は、半田ボール2を吸着した状態で半田ボール2の下端がちょうどフラットな基板3の上面と同じ高さになるように設定される。そこで、基板3が湾曲しており、通常より高いボール搭載面22の高さが転写ピン10により検出されると、その高さ分だけボール搭載時の半田ボール搭載ヘッド4が高い位置で停止するように制御されるのである。
【0021】
【発明の効果】
本発明は、先端にフラックスを装着させた転写ピンにより被搭載物の搭載面の所定位置にフラックスを転写した後、搭載ヘッドにより微小ワークを搭載する微小ワーク搭載方法において、前記フラックスの転写ピンが搭載面にフラックスを転写した時に、搭載面の高さを検出し、その検出高さを基に微小ワークの搭載時の搭載ヘッドの下降位置を制御する微小ワーク搭載方法としたので、従来、搭載の難しかった反りのある基板に対して、安定した微小ワークの搭載が行えることとなった。更に、装置運転中(フラックス転写時)に測定を行うので、測定のためのタイムロスが生じない方法となった。
【0022】
更に、請求項2記載の発明の効果ではあるが、フラックスの転写ピンが搭載面に接してフラックスを転写した時の転写ピンの高さを検出する検出手段を設け、該検出手段からの測定値を基に微小ワークの搭載時の搭載ヘッドの下降位置を制御する微小ワーク搭載装置としたので、従来、搭載の難しかった反りのある基板に対して、安定したボール搭載が行える上、接触式の測定方法のため、基板表面の状態の違いによる測定誤差が生じない装置となった。更に、方法同様、装置運転中(フラックス転写時)に測定を行う為、測定の為のタイムロスが生じない装置となった。
【0023】
請求項3記載の発明の効果ではあるが、前記フラックスの転写ピンは、昇降動する転写ピン支持部材に軸方向に摺動可能に支持され、前記検出手段は転写ピンが下降したときに搭載面に接する直前に転写ピンと係合するとともに、係合した後、転写ピンの摺動方向と同じ方向に移動可能な係合部材と、係合部材の高さを測定するセンサとからなるので、安価なシステムで反りのある基板における搭載面の高さ測定を行える装置となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が利用される半田ボール搭載装置の一例を示す概略配置図
【図2】半田ボール搭載ヘッド及びフラックス転写ヘッドの斜視図
【図3】高さ検出機構を示す側面説明図
【図4】フラックス転写ヘッドの斜視図
【図5】高さ検出装置の斜視図
【図6】反りのある基板の説明図
【符号の説明】
1.....半田ボール搭載装置
2.....半田ボール
3.....基板
4.....半田ボール搭載ヘッド
5.....フラックス
6.....フラックス転写ヘッド
7.....半田ボール供給装置
8.....フラックス供給装置
9.....X−Yステージ
10...転写ピン
11...高さ検出装置
12...搭載ミス検出装置
13...回転軸
14...昇降装置
15...スプリング
16...転写ピン支持部材
17...鍔
18...変位センサ
19...ドグ
20...ガイド
21...スプリング
22...ボール搭載面
Claims (3)
- 先端にフラックスを装着させた転写ピンにより被搭載物の搭載面の所定位置にフラックスを転写した後、搭載ヘッドにより微小ワークを搭載する微小ワーク搭載方法において、前記フラックスの転写ピンが搭載面にフラックスを転写した時に、搭載面の高さを検出し、その検出高さを基に微小ワークの搭載時の搭載ヘッドの下降位置を制御することを特徴とする微小ワーク搭載方法。
- 先端にフラックスを装着させて被搭載物の搭載面の所定位置にフラックスを転写する転写ピンと、フラックス転写位置に微小ワークを搭載する搭載ヘッドとを備える微小ワーク搭載装置において、前記フラックスの転写ピンが搭載面に接してフラックスを転写した時の転写ピンの高さを検出する検出手段を設け、該検出手段からの測定値を基に微小ワークの搭載時の搭載ヘッドの下降位置を制御することを特徴とする微小ワーク搭載装置。
- 前記フラックスの転写ピンは、昇降動する転写ピン支持部材に軸方向に摺動可能に支持され、前記検出手段は転写ピンが下降したときに搭載面に接する直前に転写ピンと係合するとともに、係合した後、転写ピンの摺動方向と同じ方向に移動可能な係合部材と、係合部材の高さを測定するセンサとからなる請求項2記載の微小ワーク搭載装置。
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JP2003124925A JP4016202B2 (ja) | 2003-04-30 | 2003-04-30 | 微小ワーク搭載方法及び装置 |
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- 2003-04-30 JP JP2003124925A patent/JP4016202B2/ja not_active Expired - Lifetime
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