JP4015358B2 - マルチキャスト通信中継方式 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はインターネット/イントラネットでフレームの中継装置におけるマルチキャスト通信中継方式に関する。
【0002】
インターネット/イントラネットで行う通信は1対1型のユニキャスト通信と,1対Nのマルチキャストがある。マルチキャストの仕組みは既存のものであったが,従来の適用対象は,ネットワーク制御用の各種制御用プロトコルによる利用が多く,アプリケーションによる利用は多くはなかったため,マルチキャストの利用頻度及びトラフィック量は,ユニキャストに比べて大きなものではなかった。
【0003】
しかし,インターネットの利用形態の多様化に伴い,今後は,ネットオークション,ネットゲーム,動画配信を例とする各種アプリケーションによるマルチキャストの利用が増えていくと予想されるが,マルチキャストを用いるアプリケーションの増加に伴い,今後マルチキャスト・トラフィックの流量は急増することが予想されるため,中継装置には,マルチキャスト・トラフィックを高速に中継する性能が必要になると予想される。
【0004】
中継装置の高速化を図る際には,装置が受信したフレームを,一旦格納するためのFIFO型バッファであるキューの構成が1つのポイントとなる。すなわち,中継装置は,その動作手順として,受信フレームを一旦キューにエンキューした後,キューの先頭から順番にフレームを出力して,キューからデキューすることで,受信フレームを順次中継していくような手順を踏むことが多く,装置に入力した一つのフレームを複製して複数のインターフェースに対して出力するマルチキャストでは,このフレームの複製や複数インターフェースへの出力を行うためのキューの構成及び使い方が,高速化を図る上で重要になる。
【0005】
【従来の技術】
マルチキャストを行うためのキューの構成方法に関する従来の技術を以下に説明する。
【0006】
図20はデキュー時にフレームを複製する方法を示す図である。図中,80はフレーム入力,81は中継装置,82a,82b,…82nはFIFO型のキュー,83a,83bはキュー82aに格納されたフレーム,84a,84bはフレーム出力用の各インターフェースである。
【0007】
この例は,マルチキャスト用のキューを用いたフレーム80の中継手段として,マルチキャスト用のキュー82a,82b,…82nを用意し,マルチキャスト用のキューのいずれかに該フレーム80をエンキューした後,そのキューから出力先である各同報先インターフェース(N個)宛に,N回に分けてフレームを出力するという方法である。その際のマルチキャスト中継動作の概要を以下に記す。
【0008】
▲1▼フレームの出力先(同報先)インターフェースを決定後,マルチキャスト用のキュー82a,82b,…82nのうちのいずれかに,フレームをエンキューする。その際は,各フレームに同報先インターフェースのリストも付与しておく。
【0009】
▲2▼全てのキューのうち,いずれのキューからフレームをデキューするかを,スケジューリングアルゴリズムにより決定する。
【0010】
▲3▼スケジューリングの結果,デキュー対象と決定したキューがマルチキャスト用のキューのうちのいずれかであれば,このキューの中の先頭フレーム83aを,同報先の全てのインターフェース(84a,84b),又は同報先インターフェースのいずれかのインターフェースに対して出力し,全ての同報先インターフェースに対してフレームを送信した後に,デキュー処理を行う。
【0011】
この図20に示すデキュー時にフレームを複製する方法は,マルチキャストフレームのエンキュー時に,フレームのコピー処理が不要であることから,コピーによる装置の中継性能の劣化が発生しないため,マルチキャスト中継処理の高速化に有利であるという長所を持つ。
【0012】
一方,この方法は,ある出力先インターフェースが輻輳しており,キューの先頭フレームをそのインターフェースに対して出力することができない場合,この先頭フレームのデキューが完了しないため,後続のフレームを出力できないという短所を持つ。
【0013】
ここで短所として示した問題は,一般にブロッキングと呼ばれる。即ち,キューの特性として,キューの先頭のフレームの出力を完了しないと同一キュー内のそれ以降のフレームを出力する事はできないという特性があるため,宛先インターフェースから,バックプレッシャ(受信先から送信元側に対して送信の抑制を要求すること)がかかる等の理由でフレームの出力を完了できないと,キューの先頭以降のフレームの出力ができなくなるという問題があり,このことを「ブロッキング」と呼ぶ。
【0014】
図21は中継装置の構成例であり,回線終端用インターフェース収容部を複数有する例であり,このような構成ではブロッキングの影響が大きい。図中,85,87は回線終端用インターフェース収容部,85a,87aは回線終端用インターフェース,85b,87bはスイッチ接続用インターフェース,86はスイッチング機構を備えるスイッチ(スイッチファブリックと呼ぶ場合もある),86a,86bは回線終端用インターフェース収容部接続用インターフェースである。
【0015】
回線終端用インターフェース収容部85,87は同一収容部内に収容するインターフェース85aと85b,87aと85bの間の中継を直接行うローカルスイッチを備え,スイッチ86は回線終端用インターフェース収容部85,87を論理的に接続する。フレームの中継装置では,ブロッキングの影響は大きく,中継装置が回線からフレームを受信した際にそのフレームを受信したインターフェースを収容する回線終端用インターフェース収容部において,その収容部に直接接続された回線への出力が完了できずに入力側収容部のマルチキャストキュー全体がブロッキングを起こした場合,スイッチ接続用インターフェースに対して行うフレームの出力が全て停止してしまう。
【0016】
図22はエンキュー時にフレームを複製する方法を示し,図中の80,81,82a〜82n,83a,83b,84a,84bの各符号は上記図20の同一符号の各部と同じである。
【0017】
この図22の方法はマルチキャスト中継時の上記「ブロッキング」を回避するキューの構成方法として,出力先インターフェース毎に別々のキューを用意し,且つエンキュー時にはフレームの各同報先インターフェースに対応するキューにフレームをコピーしてからエンキューするような方法がある。その際のマルチキャスト中継動作の概要を以下に説明する。
【0018】
▲1▼フレームの出力先(同報先)インターフェースを決定後,同報先の複数の出力先インターフェースごとに,フレームをコピーして,各インターフェース毎にユニークな出力先インターフェースに対応するキューに,フレームをエンキューする(図22ではキュー82a,82nにコピーしてフレーム83a,83bが格納される)。
【0019】
▲2▼全てのキューのうち,いずれのキューからフレームをデキューするかを,スケジューリングアルゴリズムにより決定する。
【0020】
▲3▼スケジューリングの結果デキュー対象と決定したキューの中の先頭フレームを,デキューする。
【0021】
▲4▼デキューされたフレームを,宛先インターフェースに対して出力する。
【0022】
この図22の方法は,出力先インターフェースが輻輳しても,デキューが止まるキューは該インターフェースに対応するキューのみであり,別のインターフェースに対応するキューからの出力を阻害しない(ブロッキングが発生しない)という長所を持つ。その一方で,マルチキャストフレームのエンキュー時に、同報先インターフェースの数だけフレームをコピーするため,フレームのコピー処理を行うための時間がかかり,装置の中継性能の高速化を図る際に問題となる。
【0023】
上記図22の方法の短所として挙げた「コピー処理」の負荷を軽減する手法としては,コピー時にはフレームの「実体をコピー」するのではなく,フレームの実体は一つのフレームとして管理し,この実体を指す「ポインタをコピー」して複数のキューにエンキューする方法もある。この手法を用いれば,コピー時のオーバヘッドを大幅に軽減することができるが,コピーのためのオーバヘッドが発生することに変りはないため,完全な解決にはならない。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
フレームの中継装置におけるマルチキャスト通信の中継方式として,
デキュー時にフレームを複製する上記図20の方法では,ある出力先インターフェースが輻輳してキューの先頭フレームをそのインターフェースに対して出力することができない場合に,この先頭フレームのデキューが完了しないために後続のフレームを出力できない(ブロッキングが発生する)という問題がある。
【0025】
また,上記図22のエンキュー時にフレームを複製する方法では,マルチキャストフレームのエンキュー時に、同報先インターフェースの数だけフレームをコピーするため,このフレームのコピー処理の時間が,装置の中継性能の高速化を図る上で問題となっている。
【0026】
本発明では,中継性能の劣化を起こさないように,エンキュー時にはフレームのコピーを行わず,デキュー時にフレームを複製するアプローチを取りつつ,ブロッキングの発生による中継性能の劣化の影響を軽減することができるマルチキャスト通信中継方式を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
図1は本発明の第1の原理構成を示す図である。図中,1は回線終端用インターフェース(IFで表示)収容部,10は複数の各回線が終端する回線終端用インターフェース(IF),11は次段に設けられたスイッチに接続されるスイッチ接続用インターフェース(IFで表示),2は回線終端用インターフェース同士の間の接続,回線終端用インターフェースとスイッチ用インターフェース間,またはスイッチ用インターフェース同士の間の接続を行うローカルスイッチである。20〜25bはローカルスイッチ2を構成する要素であり,以下にその機能を説明する。
【0028】
20はメモリで構成されたマルチキャストのためのフレームを格納する複数のキューを備えたマルチキャストキュー群(図では各個別キューは1つのキューだが,実際は個別キューが複数のキューで構成されていても良い)であり,20a,20b,…,20nは個別のキューを表す。
【0029】
21はエンキュー制御部であり,回線終端用インターフェース収容部1に入力したフレームの同報先を獲得したり,そのリストをそのフレームに付与する機能や,フレームの同報先として次の(1) 〜(3) の組み合わせ条件に応じてマルチキャストキュー群20の中の1つまたは複数のキューを選択する機能を備える。
【0030】
(1) 該収容部1が収容する回線終端用インターフェース10のみ
(2) 該収容部1が収容するスイッチ接続用インターフェース11のみ
(3) 該収容部1が収容する回線終端用インターフェース10及びスイッチ接続用インターフェース11の両方
22はキュー管理部であり,マルチキャストキュー群20の中からフレームを出力するキューを選択するスケジュールの機能や,エンキューされたフレーム長の総和を管理し,一定の閾値を越えた場合,そのキューへのエンキューを停止させる機能を備える。23はキュー管理部22が選択したキューの先頭フレームについて,そのフレームに付与された同報先インターフェースのリストに基づき,そのリストが示す全ての同報先の回線終端用インターフェースまたはスイッチ接続用インターフェースに対して連続的にそのフレームの出力(同報)を行うフレーム出力部である。なお,あるタイムスロットでキュー管理部22のスケジュール機能で選択したキューからの先頭フレームの同報,そのリストが示す全ての同報先のインターフェースに対して連続的に行い,その後スケジュール機能でフレームを出力する次のキューを選択しているが,あるタイムスロットで選択したキューについて,先頭フレームの同報を同報先のインターフェースのうち未出力な1つのインターフェースに対してのみ送信し,次のタイムスロットではスケジューラは次に出力するキューを再び選択するようにしてもよい(時分割でフレームを出力するキューを選択する)。
【0031】
24aは1または複数の回線終端用インターフェース10から受信したデータを多重する第1多重部,24bは第1多重部24a及び1つのスイッチ接続用インターフェース11から受信したデータを多重する第2多重部,25aはマルチキャストキュー群20から送信されたデータをフレーム出力部23の制御により後述する第2分離部25bとスイッチ接続用インターフェース11の何れかに対して送信する第1分離部,25bは第1分離部25aから出力されたデータをフレーム出力部23の制御により何れかの回線終端用インターフェース10に送信する第2分離部である。
【0032】
回線終端用インターフェース収容部1は,中継装置(後述する図3参照)の構成要素となる装置であり,回線終端用インターフェース収容部の内部のローカルスイッチで回線終端用インターフェース相互のスイッチングが行われ,スイッチにより複数の回線終端用インターフェース収容部1間のスイッチングが行われる。また,aは回線終端用インターフェース10に接続された受信,送信の回線,bは回線aが接続された相手側装置から発生するバックプレッシャが入力する線,cはスイッチ接続用インターフェース11に接続されたスイッチ(図1では図示省略され,後述する図3の4に対応)からの受信,送信の回線,dは該スイッチから発生するバックプレッシャが入力する線である。なお,バックプレッシャは,この回線接続用インターフェース収容部1に接続された回線の相手側が輻輳して,その回線と接続するインターフェース宛にはフレームを出力できないことを当該収容部内のキュー管理部22に対して通知する信号を表す。
【0033】
エンキュー制御部21は回線終端用インターフェース10から第1多重部24a,第2の多重部24bを介して受信するフレームに対して別に供給されるか,フレームに付加された同報先インターフェースのリストをエンキュー制御部21により獲得(取り出)し,その後キューにフレームを格納してそのフレームに同報先インターフェースのリストを付与する。また,取り出した同報先インターフェースのリストに基づき,そのフレームのエンキュー先のキューをマルチキャストキュー群20の中から選択する。この時,同報先が上記したようにこの回線終端用インターフェース収容部1が収容する回線終端用インターフェース10のみの場合は回線終端用インターフェース宛フレームを格納するためのキューの中の1つのキューを選択し,この回線終端用インターフェース収容部1が収容するスイッチ接続用インターフェース11のみの場合もスイッチ接続用インターフェース宛フレームを格納するためのキューの中の1つのキューを選択し,同報先がこの回線終端用インターフェース収容部1が収容する回線終端用インターフェース10及びスイッチ接続用インターフェース11の両方の場合は,回線終端用のインターフェース用のキューと,スイッチ接続用インターフェースの両方を宛先とするフレームを格納するためのキューの中の1つを選択し,それぞれ選択したキューにフレームを格納する。
【0034】
この図1に示す第1の原理構成では,キュー管理部22は,マルチキャストキュー群20の中から,バックプレッシャがかかっていないインターフェースを宛先とするキューの中から,フレーム出力対象のキューを選択し,スケジューリング・アルゴリズムが各キューのキュー長の関数である場合,キュー管理部22で管理しているキュー長により出力対象きキューの選択を行い,選択したキューから,フレームに付与された同報先インターフェースのリストに従い入力側収容フレーム内の全ての同報先の指示を,第1分離部25a,第2分離部25bに対して行い,フレームの同報時に出力先のインターフェースが輻輳しているとバックプレッシャをキュー管理部22にかける。スイッチ(後述する図3の4)上でフレームを同報する際に,出力先のインターフェースが輻輳していれば,中継装置(図3)内の全回線終端用インターフェース収容部内のキュー管理部22に対してバックプレッシャをかける。
【0035】
この動作により,回線からフレームを受信した際にそのフレームを受信したインターフェースを収容する回線終端用インターフェース収容部1では,
(1) その収容部内に収容された回線が輻輳している場合:その収容部内に収容された回線終端用インターフェースを同報先に含まないマルチキャストキューからはフレームの同報が可能。
【0036】
(2) スイッチ内のマルチキャストキューが輻輳している場合:スイッチ接続用インターフェースを同報先に含まないマルチキャストキューからはフレームの同報が可能。
【0037】
(3) その収容部内に収容された回線,スイッチ上のマルチキャストキューが共に輻輳していない場合:全てのマルチキャストキューについてフレームの同報が可能。
【0038】
(4) その収容部内に収容された回線,スイッチ上のマルチキャストキューが共に輻輳している場合:全てのマルチキャストキューについて,フレームの同報ができないことになる。
【0039】
これらの(1) 〜(4) により, これらの収容部が収容する回線またはスイッチが輻輳した場合のブロッキングの影響が,軽減できることは明らかである。
【0040】
ネットワークをユーザ回線とネットワークのコア網に大別した場合,実際に運用されているネットワーク上で流れるトラヒックについては,ユーザ回線側で発生したトラヒックはその宛先もユーザ回線側であり,コア網側で発生したトラヒックはその宛先もコア網側であることが多く,従って,コア網の収容部とユーザ回線の収容を別々である中継装置では,本発明のように各収容部でローカルスイッチでスイッチを行うトラヒックをスイッチを経由するトラヒックと別々のキューにより中継することで,ブロッキングの影響が大幅に軽減することができる。
【0041】
図1の原理構成では,回線終端用インターフェース収容部1に収容されたインターフェースが,回線終端用インターフェース10とスイッチ接続用インターフェース11であり,それに対応してマルチキャストキュー群20内の各キュー群を同報先が回線終端用インターフェース10のみ,スイッチ接続用インターフェース11のみ,及び両インターフェースの組み合わせの3つに分けて同報制御を行うが,この応用形態1として,次のような場合がある。
【0042】
回線終端用インターフェースとしてデータの送受信を高速に行う回線終端用インターフェースと,低速に行う回線終端用インターフェースの2つの種類が存在する場合に,マルチキャストキュー群20内の各キュー群を同報先がデータの送受信を高速に行う回線終端用インターフェースのみ,データの送受信を低速に行う回線終端用インターフェースのみ,及び高速と低速の両方の回線終端用インターフェースを組み合わせの3つに分けて同報制御を行う。
【0043】
図2は本発明の第2の原理構成を示し,図中,1,2,20〜23,24a,24b,25a,25bは上記図1の同一符号の各部と同じであり,説明を省略する。3は各回線終端用インターフェース収容部1の制御を行うプロセッサ,10pはプロセッサ3と接続するインターフェースである。
【0044】
この図2において,中継装置を構成する多数の各回線終端用インターフェース収容部1のそれぞれのプロセッサ3は,他の回線終端用インターフェース収容部1のプロセッサ3との間で制御データを同報フレームにより送受信する場合がある。このようにプロセッサと接続するインターフェースを送信元とする制御データの同報フレームと,プロセッサと接続するインターフェース以外を送信元とする通常データの同報フレームとをマルチキャストキュー群20の中の対応するキューに分ける。
【0045】
この第2の原理構成では,プロセッサと接続するインターフェースを送信元とする制御データの同報フレームとプロセッサと接続するインターフェース10p以外のインターフェースを送信元とする同報フレームとを別のキューに格納し,同報フレームの送信時にはプロセッサを送信元とする同報フレームを,プロセッサ以外を送信元とする同報フレームより優先して送信するようスケジューリングの制御を行う。これにより,制御データのマルチキャストの中継時に起きるブロッキングを軽減することができる。
【0046】
上記図1と図2の原理構成を組合わせることにより,マルチキャストキュー群のキューをフレームの同報元としてプロセッサと接続するインターフェースとプロセッサと接続しないインターフェースに分け,それぞれに同報先として各種のインターフェースの組合わせ(高速回線,低速回線,スイッチ接続用の各インターフェースやプロセッサと接続するインターフェースの組合わせ)のそれぞれに対応したキューを割当てることでマルチキャストの制御を行うことができる。更に,これらの組合わせに対してフローの優先度を組合わせ条件に加えて,各組合わせの性質に応じてグループ化してキューの数を減らすようにすることができる。
【0047】
【発明の実施の形態】
図3は本発明が実施される中継装置の構成例,図4は実施例1の回線終端用インターフェース収容部の構成である。
【0048】
図3において,1は回線終端用インターフェース収容部,4はスイッチ(スイッチファブリックと呼ぶ場合もある)である。この中継装置の構成例では回線終端用インターフェース収容部1は,スイッチ4の前段に1♯1〜1♯4の4個,スイッチ4の後段に1♯11〜1♯14の4個設けられ,合計8個である。各回線終端用インターフェース収容部1は,回線終端用インターフェース回線とバックプレッシャが接続された回線終端用インターフェース10が3個と,スイッチ4の回線とスイッチからのバックプレッシャとが接続されたスイッチ接続用インターフェース11が1個設けられている。スイッチ4は各回線終端用インターフェース収容部1♯1〜1♯4,1♯11〜1♯14に接続するインターフェース40−1〜40−4,40−11〜40−14が設けられている。
【0049】
図4に示す実施例1の回線終端用インターフェース収容部は,上記図3の一つの回線終端用インターフェース収容部1♯1の実施例1の構成であり,この実施例1は上記図1に示す第1の原理構成に対応する。図4中,1,10,11,2,20〜25bの各符号は,上記図1,図2の同一符号の各部と同じであり,説明を省略する。但し,第1多重部24aはMUX−1,第2多重部24bはMUX−2,第1分離部25aはDMX−1,第2分離部25bはDMX−2とそれぞれ表示する。20’はマルチキャストキュー群20を含むメモリである。エンキュー制御部21内の210はルーティング処理部,211はキュー番号決定部,21aはルーティングテーブル,21bはインターフェース区分識別テーブル,21cはキュー番号アサインテーブルである。また,キュー管理部22内の220はスケジューラ,221はキュー長管理手段である。
【0050】
この実施例1ではメモリ20’内に20a,20b,20cの3つの個別キューが設けられ,それぞれ次のようなフレームを格納する。
【0051】
20a:同報先が回線終端用インターフェース収容部1♯1の回線終端用インターフェース(インターフェース10a〜10c)のみであるフレームを格納するキュー
20b:同報先が回線終端用インターフェース収容部1♯1内のスイッチ接続用インターフェース(インターフェース11)のみであるフレームを格納するキュー
20c:同報先が,回線終端用インターフェース収容部1♯1内の回線終端用インターフェース(インターフェース10a〜10c)及びスイッチ接続用インターフェース(インターフェース11)の両方であるフレームを格納するキューこの実施例1では,ルーティング処理部210として,受信IPフレーム中のIPアドレスによりルーティングテーブル21aの参照を行い,各収容部とスイッチ4の同報先インターフェースのリストを求める。
【0052】
図5はルーティングテーブルの例を示し,A.は中継装置全体で見たルーティングテーブルであり,B.とC.はこのA.のルーティングに対応して各回線終端用インターフェース収容部1♯1と1♯14に指定されたルーティングテーブル21a(ルーティング処理部210で利用される)の内容である。A.のルーティングテーブルでは,送信元IPアドレスと宛先IPアドレスに対応して同報先インターフェースを持つ収容部1♯1または1♯4と,それぞれの同報先インターフェースが指定されている。図5のB.とC.により各収容部1♯1と1♯4における送信元IPアドレスと宛先IPアドレスの組合わせに対応した同報先インターフェースが指定される。B.とC.の中のスイッチ内の同報先インターフェースの列に含まれた「bitmap-1」と「bitmap-2」は,スイッチが回線終端用インターフェース収容部に対して同報する際に同報先とするインターフェースのリストを示すビットマップであり,「bitmap-1」はスイッチ4(図4)上では回線終端用インターフェース収容部1♯14を同報先とすることを表し,「bitmap-2」はスイッチ4上で回線終端用インターフェース収容部1♯1を同報先とすることを示すビットマップである。以下,スイッチ内で同報先を示すビットマップをスイッチ用ビットマップという。
【0053】
上記のルーティングテーブルで得られた同報先インターフェースのリストについては,装置からIPフレームを送信するまで,該フレームに固定長のフィールドとして付与しておく。
【0054】
各収容部は,フレームを受信したインターフェースが該収容部の回線終端用インターフェースであるかスイッチ接続用インターフェースであるかにより,以下の▲1▼,▲2▼のように動作を分ける。
【0055】
▲1▼フレームを受信したインターフェースが該収容部の回線終端用インターフェース(即ち,中継装置が回線からフレームを受信した際に該フレームを受信したインターフェースを収容する回線終端用インターフェース収容部,図中の収容部1#1)の場合:ルーティングテーブルの示す同報先インターフェースにフレームを同報する。
【0056】
▲2▼フレームを受信したインターフェースがスイッチ接続用インターフェースの場合(即ち,スイッチ経由で該フレームを受信した場合):ルーティングテーブルの示す同報先インターフェースのうち,スイッチ接続用インターフェース以外のインターフェースにフレームを同報する。
【0057】
この▲2▼において,スイッチを除いたインターフェースにフレームを同報する理由は,中継装置があるアドレスを持つIPフレームをどの収容部から受信しても,同じルーティングテーブルを参照してフレームの中継ができるようにするためであり,そのためには,ある収容部(図中の収容部1♯14)がスイッチ4から受信したフレームを,再びスイッチ4に対して送信してしまうと,該フレームを回線から受信した収容部(図中の収容部1♯1)に対して再び送信するという誤った同報処理が中継装置内で発生するためである。
【0058】
なお,上記の動作例では各収容部1♯1,1♯14及びスイッチ4のそれぞれにおいて,下記のルーティングテーブルの参照を行い,それぞれの区間での同報先インターフェースのリストを求めるような形態を想定すると説明したが,同報先インターフェースの獲得は,例えば中継装置が回線からフレームを受信した際に該フレームを受信したインターフェースを収容する回線終端用インターフェース収容部で全ての区間の同報先インターフェースの獲得を行い,その他の区間では,該収容部で得られた情報に基づき同報するような方法でも良い。
【0059】
エンキュー制御部21のキュー番号決定部211は,ルーティング処理部210の処理の結果得られた同報先インターフェースのリストにより,マルチキャストキュー群20を構成するキュー20a,20b,20c,…の中でエンキュー先とするキューの番号を決定する。この実施例では,各インターフェースが回線終端用インターフェースとスイッチ接続用インターフェースの何れであるかは,図6に示すインターフェース区分識別テーブル(図4の21b)により管理する。このテーブルは回線終端用インターフェース収容部1♯1のエンキュー制御部21に設けられている。キュー番号決定部211がインターフェース区分識別テーブル21bを参照した結果,同報先のインターフェースの組合わせのパターンにより,キュー番号アサインテーブル(図4の21c)を参照して,エンキュー先のキュー番号を決定する。図7にキュー番号アサインテーブルを示し,このテーブルの例は回線終端用インターフェース収容部1♯1のエンキュー制御部21に設けられている。
【0060】
キュー管理部22のキュー長管理手段221は,それぞれのキューにエンキューされているフレーム長の総和,及び各キューごとにエンキューできるフレーム長の総和の閾値を管理する。図8はキュー長管理手段221が備えるキュー長管理テーブルの例であり,テーブル中で,a,b,cは各キュー20a,20b,20cの閾値を表し,length(キュー20a)とは,キュー20aにエンキューされているフレーム長の総和を意味する。
【0061】
フレーム出力部23は,あるタイムスロットにおいてキュー管理部22のスケジューラ220が選択したキューの先頭フレームについて,そのフレームに付加された同報先インターフェースのリストに基づき,該リストが示す全ての同報先の回線終端用インターフェース又はスイッチ接続用インターフェースに対して連続的に該フレームの出力(同報)を行う。出力先の指定は,マルチキャストキュー群20の後段の第1分離部25a,第2分離部25bに対して送信先インターフェースを指示することにより行う。なお,ここではあるタイムスロットで選択されたキューの先頭フレームについては,連続的に同報を行う例を説明したが,あるタイムスロットで選択されたキューの先頭フレームについては,そのフレームに付与された同報先インターフェースのリストのうち出力を行っていないインターフェースを一つだけ選択し,そのインターフェースに対して出力した後,再びスケジューラ220がキューの選択を行うようなキューの選択機構を用いても良い。
【0062】
キュー管理部22のスケジューラ220は,何らかの既存スケジューリング・アルゴリズムにより,回線終端用インターフェース収容部内のマルチキャストキューの中からフレームを出力するキューを選択する。スケジューリング・アルゴリズムについては,その種類を問わないが,この実施例では単に,キューの番号順に選択するものとする。スケジューラ220へ入力するバックプレッシャは,回線終端用インターフェース収容部に直接収容された回線が輻輳した(例えばEthernetにおけるCSMA/CDの仕組みを用いて行われる回線上のフレームの衝突が起きた)時に,該収容部内のスケジューラに対して,該回線で輻輳が起きていることを通知する。
【0063】
スケジューラ220によりフレームを出力するキューとして選択対象とするキューは,次の▲1▼〜▲4▼のように決定する。
【0064】
▲1▼回線終端用インターフェース収容部内の回線及びスイッチ4のいずれからも,バックプレッシャがかかっていない場合:選択対象のキューは,キュー20a,20b,20c
▲2▼回線終端用インターフェース収容部内の回線からバックプレッシャがかかった場合:選択対象のキューは,20b
▲3▼スイッチ4からバックプレッシャがかかった場合:選択対象のキューは,キュー20a
▲4▼回線終端用インターフェース収容部内の回線及びスイッチ4のいずれからも,バックプレッシャがかかった場合:選択対象のキューはない
次にスイッチ4は,収容するインターフェース間でフレームの中継を直接行う。このスイッチについては,種類を問わず,既存の共有メモリスイッチ,クロスバースイッチ等,様々なスイッチを適用できる。この実施例では,回線終端用インターフェース収容部1のローカルスイッチ2と同様の中継を,スイッチ4内の各インターフェース間で行えるようなスイッチであり,キューの輻輳時には,全収容部上のスケジューラ220に対してバックプレッシャをかけるようなスイッチを使用する。また,このスイッチ4の収容部が受信したフレームの同報は,フレーム中に記された「スイッチ用ビットマップ(bitmap)」に従って行う。
【0065】
また,各回線終端用インターフェースは,回線からのフレーム受信時に,送信元インターフェース番号を含む固定長のフィールドを該フレームに付与し,回線へのフレーム送信時には,送信元インターフェース番号及び同報先インターフェースのリスト及びスイッチ用ビットマップを含む固定長のフィールドを削除する機能を持つ。
【0066】
ここで,回線終端用インターフェース収容部1♯1における中継動作の例を順に説明する。なお,この例では下記のルーティングテーブル中に存在するアドレスを持つフレームのみ中継するものとする。
【0067】
エンキューするまでの動作
図9はエンキューまでの処理フローである。最初に,ルーティング処理部210(図4)においてフレームに付加された送信元IPアドレス及び宛先IPアドレスを用い,ルーティングテーブルの検索を行って,同報先のインターフェース情報(回線終端用インターフェース収容部内の同報先インターフェースのリスト及びスイッチ用ビットマップ)を得る(図9のS1)。得られたインターフェース情報を,このフレームの同報先情報としてフレームに付与する(図9のS2)。なお,フレームの同報先情報の伝搬の方法として,ここではフレームに付与する方法を用いているが,他にフレームには付与せずに(フレームとは別の信号で)伝搬しても良い。次に,キュー番号決定部211(図4)ではルーティング処理の結果得られた同報先のインターフェース情報を基に,以下の処理を行い,エンキュー先のキュー番号を決定する(図9のS3)。すなわち,先ず同報先の各インターフェースの番号をキーとして,インターフェース区分識別テーブル(図4の21b,図6参照)を参照して,同報先のインターフェース区分の組合わせを得て(図9のS30),このインターフェース区分の組合わせをキーとして,キュー番号アサインテーブル(図4の21c,図7参照)を参照して,エンキュー先のキュー番号を決定する(図9のS31)。
【0068】
次にキュー番号をキーとしてキュー長管理テーブル(図4の21c,図8参照)を参照して,入力フレームを決定した番号のキューにエンキューしても,そのキューの閾値を越えない場合,そのキューに入力フレームをエンキューする(図9のS4)。
【0069】
スケジューリング時の動作
スケジューラ220は,フレームの出力対象のキューを,番号の順にキューを選択するものとする。選択したキューの特徴に応じて,キュー20a(同報先が回線終端用インターフェース収容部1♯1の回線終端用インターフェースのみであるフレームを格納するキュー)の場合は回線終端用インターフェースに対してフレームを同報し,キュー20b(同報先が回線終端用インターフェース収容部内のスイッチ接続用インターフェースのみであるフレームを格納するキュー)の場合は,スイッチ接続用インターフェースに対してフレームを同報し,キュー20c(同報先が,回線終端用インターフェース収容部内の回線終端用インターフェース及びスイッチ接続用インターフェースの両方であるフレームを格納するキュー)の場合は,回線終端用インターフェース及びスイッチ接続用インターフェースに対してフレームを出力する。
【0070】
キューからのフレーム出力の動作
各キューからのフレームの出力の動作を,収容部内の回線終端用インターフェースからのバックプレッシャの有無,及びスイッチからのバックプレッシャの有無の状態に応じて説明する。
【0071】
a.回線終端用インターフェース収容部1♯1内の回線及びスイッチ4のいずれからも,バックプレッシャがかかっていない場合:選択対象のキューは,キュー20a,20b,20cであり,
▲1▼キュー20aの先頭フレームについて,該フレームに付与された同報先情報に従い,回線終端用インターフェース収容部1♯1に収容された回線終端用インターフェースに対して同報した後に,該キューの先頭フレームをデキューする。
【0072】
▲2▼キュー20bの先頭フレームについて,該フレームに付与された同報先情報に従い,スイッチ接続用インターフェース11に対して同報した後に,該キューの先頭フレームをデキューする。
【0073】
▲3▼キュー20cの先頭フレームについて,該フレームに付与された同報先情報に従い,回線終端用インターフェース(回線終端用インターフェース収容部1♯1に収容された回線)及びスイッチに対して同報した後に,該キューの先頭フレームをデキューする。
【0074】
b.回線終端用インターフェース収容部1♯1内の回線から,バックプレッシャがかかった場合:選択対象のキューは,キュー20bであり,
▲1▼キュー20bの先頭フレームについて,該フレームに付与された同報先情報に従い,スイッチ接続用インターフェース11に対して同報した後に,該キューの先頭フレームをデキューする。
【0075】
▲2▼その他のキューは,ブロッキングされる。
【0076】
c.スイッチから,バックプレッシャがかかった場合:選択対象のキューは,キュー20aであり,
▲1▼キュー20aの先頭フレームについて,該フレームに付与された同報先情報に従い,各回線終端用インターフェースに対して同報した後に,該キューの先頭フレームをデキューする。
【0077】
▲2▼その他のキューは,ブロッキングされる。
【0078】
d.回線終端用インターフェース収容部1♯1内の回線及びスイッチのいずれからも,バックプレッシャがかかった場合:全てのキューは,ブロッキングされる。
【0079】
なお,この実施例では,キューからのフレームの出力の方法として,あるタイムスロットでキューを選択した際には,該キューの先頭フレームを,全ての同報先インターフェースに連続的にフレームを出力するような方法を例を示しているが,これ以外に,例えば1つのタイムスロットでは1つのインターフェース宛にだけフレームの出力を行い,次のタイムスロットでは,改めて全てのキューの中から,フレームを出力するキューの選択を行うような方法を採っても良い。
【0080】
スイッチ4における動作を説明すると,宛先アドレスを「224.1.2.4 」とするフレームの入力時には,フレーム内の「スイッチ用ビットマップ」を参照した結果,同報先のインターフェース情報としてスイッチ4の回線終端用インターフェース40−14(図3参照)を得る。スイッチ4は,この同報先のインターフェース情報に基づき,フレームをインターフェース40−14に出力する。宛先アドレスを「224.1.2.5 」とするフレーム入力時には,以上と同様の処理を行う。その結果,上記フレームが回線終端用インターフェース収容部1♯14に対して出力される。
【0081】
この回線終端用インターフェース収容部1♯14では,宛先アドレスを「224.1.2.4 」,「224.1.2.5 」とするフレームの入力時には,ルーティング処理部210でルーティングテーブル(図5のC.参照)の検索を行った結果,まず同報先のインターフェース情報としてインターフェース10a,11(回線終端用インターフェース収容部1♯14内)の2つを得るが,そのフレームを受信したインターフェースがスイッチ接続用インターフェースの場合であるため,上記のルーティング処理部について説明したように,ルーティングテーブルの示す同報先インターフェースのうち,スイッチ接続用インターフェース以外のインターフェース10aにフレームを同報する。以後の処理についても,回線終端用インターフェース収容部1♯1と同様の処理を行うことにより,最終的に回線終端用インターフェース10aからフレームの出力が行われる。以上のような中継を行うことで,上記スケジューラ時の動作のように,バックプレッシャがかかった際のブロッキングの影響を緩和したマルチキャスト中継が可能となる。
【0082】
この実施例1は,上記のように同報先インターフェースの組合わせに応じた3つのキューを持つ例を示したが,例えばフレーム内のIPヘッダ内のフィールドであるDSCP(Differentiated Services Code Pointの略)フィールド等の値に基づいて同報先が同じフレームであっても,更にキューの数を増やしても良い。
【0083】
実施例2の説明
上記実施例1の回線終端用インターフェース収容部1の構成(図4)において,回線終端用インターフェース10a〜10c及びスイッチ接続用インターフェース11について特性を問題にしなかったが,実施例2は,回線終端用インターフェース10a〜10c及びスイッチ接続用インターフェース11の速度が高速,低速の特性を備えている場合であり,基本的な構成は上記図4に示す実施例1と同様である。
【0084】
図10は実施例2の回線終端インターフェース収容部に収容されたインターフェースの特性を示し,図10のA.は回線終端用インターフェース収容部(図4の1♯1)の3つの回線終端用インターフェースとスイッチインターフェースの回線速度を示し,B.は回線終端用インターフェース収容部1♯14の3つの回線終端用インターフェースとスイッチ接続用インターフェースの回線速度を示し,回線終端用インターフェースの10aが高速回線,10b,10cは低速回線,スイッチ接続用インターフェース11は高速回線である。
【0085】
この実施例2の構成及び動作について主に上記実施例1と異なる点を中心に説明する。まず,マルチキャストキュー群20のキュー20a〜20cは次のようなフレームの格納を行うよう割当てられる。
【0086】
キュー20a:同報先が高速な回線終端用インターフェース(インターフェース10a,11)のみであるフレームを格納するキュー。
【0087】
キュー20b:同報先が低速な回線終端用インターフェース(インターフェース10b,10c)のみであるフレームを格納するキュー。
【0088】
キュー20c:同報先が,高速インターフェースと低速インターフェースの両方であるフレームを格納するキュー。
【0089】
この実施例2でも,上記のように同報先インターフェースの組合わせに応じた3つのキューを持つ例を示したが,例えばフレーム内のIPヘッダ内のフィールドであるDSCP(Differentiated Services Code Pointの略)フィールド等の値に基づいて同報先が同じフレームであっても,更にキューの数を増やしても良い。
【0090】
この実施例2において,エンキューまでの処理は上記図9に示す処理フローと同様であるが,各キュー20a〜20cには上記のように同報の宛先の回線速度に応じてフレームを格納してエンキューの動作が行われる。スケジューリング時は,スケジューラ220はフレームの出力対象のキューとしてキュー20a〜20cの中から順番にキューの選択を行う。選択したキューが20aの場合,高速なインターフェースに対してフレームを同報し,キュー20bの場合は低速なインターフェースに対してフレームを同報し,キュー20cの場合は高速なインターフェース及び低速なインターフェースに対してフレームを出力する。
【0091】
各キューからのフレームの出力の動作は,収容部内の回線終端用インターフェースからのバックプレッシャの有無,及びスイッチからのバックプレッシャの有無の状態に応じて上記の実施例1と同様の処理を行う。
【0092】
図11は本発明が実施される中継装置の他の構成例であり,以下に説明する実施例3乃至実施例5を実施することができる。図11中の主な符号は上記図3の構成例の同じ符号と同様であり,1♯1〜1♯4,1♯11〜1♯14は回線終端用インターフェース収容部,10a〜10cは回線終端用インターフェース,11はスイッチ接続用インターフェース,4はスイッチ,40−1〜4−14はスイッチに収容された各回線終端用インターフェース収容部に接続されインターフェースを表す。この構成例において,3はプロセッサを表し,10pは各回線終端用インターフェース収容部に接続されたプロセッサ接続用のインターフェースを表す。
【0093】
各回線終端用インターフェース収容部のプロセッサ3は,他のプロセッサと連携してユーザのデータを含むフレームのマルチキャストのための制御を行うが,プロセッサ間で制御データをマルチキャストにより中継する場合もあり,ユーザのデータと,制御データの両方の中継がスイッチ4を介して実行される。
【0094】
図12は実施例3の回線終端用インターフェース収容部の構成であり,上記図2に示す本発明の第2の原理構成に対応する。
【0095】
実施例3の構成は,上記図4に示す実施例1の構成と主要な構成要素は同じであり,図11中の符号1,10,11,2,20’,20〜23,24a,24b,25a,25bは上記図4の同じ符号の各部と同様であり説明を省略する。10a〜10cは回線終端用インターフェース,10pは上記図12に示すものと同じプロセッサ接続用インターフェースである。
【0096】
この実施例3ではメモリで構成するマルチキャストキュー群20内に少なくとも20d,20eの2つのキューが設けられ,それぞれ次のようなフレームを格納する。
【0097】
20d:送信元インターフェースが,プロセッサ接続用インターフェース10pであるフレームを格納するキュー。
【0098】
20e:送信元インターフェースが,プロセッサ接続用インターフェース以外の回線終端用インターフェースであるフレームを格納するキュー。
【0099】
なお,この実施例3では,上記のように送信元インターフェースの組合わせに応じた2つのキューを持つ例を示したが,例えばフレーム内のIPヘッダ内のフィールドであるDSCPフィールド等の値に基づいて,同報先が同じフレームであっても,更にキューの数を増やしても良い。
【0100】
実施例3におけるエンキュー制御部21のキュー番号決定部211は,ルーティング処理部210の処理の結果得られた同報先インターフェースのリストにより,マルチキャストキュー群20のうちでエンキュー先とするキューの番号を決定する。この実施例3では,各インターフェースが回線終端用インターフェース10a〜10c,スイッチ接続用インターフェース11及びプロセッサ接続用インターフェース10pの中の何れであるかは,図13に例として示すインターフェース区分識別テーブル(図12の21b)により管理され,このテーブルは回線終端用インターフェース収容部1♯1のエンキュー制御部21に設けられている。
【0101】
キュー番号決定部211はインターフェース区分識別テーブルを参照した結果,同報先のインターフェースの組合わせのパターンにより,キュー番号アサインテーブル(図4の21c)を参照して,エンキュー先のキュー番号を決定する。
【0102】
図14に実施例3のキュー番号アサインテーブルの例を示す。このテーブルの例は回線終端用インターフェース収容部1♯1のエンキュー制御部21に設けられている。図14中で○,×は,それぞれ送信元インターフェースがプロセッサ接続用インターフェースである場合,プロセッサ接続用インターフェース以外のインターフェースである場合を意味する。
【0103】
キュー管理部22のキュー長管理手段221は,それぞれのキューにエンキューされているフレーム長の総和,及び各キューごとにエンキューできるフレーム長の総和の閾値を管理する。図15はキュー長管理手段221が備えるキュー長管理テーブルの例であり,回線終端インターフェース収容部1♯1に設けられている。このテーブル中で,a,bは各キュー20d,20eの閾値を表し,length(キュー20a)とは,キュー20aにエンキューされているフレーム長の総和を意味する。
【0104】
実施例3のエンキューするまでの動作
図16は実施例3のエンキューまでの処理フローである。なお,この説明では,送信元インターフェースがプロセッサ接続用インターフェース10pであり,宛先アドレスが「224.1.2.3 」でありこれに対応する同報先が回線終端用インターフェース10a,10bであるものとする。
【0105】
最初にルーティング処理部210(図12)でルーティングテーブルの検索を行って,送信先のインターフェース情報として回線終端用インターフェース10a,10bを得て(図16のS1),このフレームの同報先情報としてフレームに付与する(同S2)。次に,キュー番号決定部211(図10)で送信元のインターフェース情報(プロセッサ接続用インターフェース10p)を基に次の処理によりエンキュー先のキュー番号を決定する(図16のS3)。先ず送信元のインターフェースの番号をキーとして,インターフェース区分識別テーブル(図13)を参照して,送信元のインターフェース区分を得て(図16のS30),このインターフェース区分をキーとして,キュー番号アサインテーブル(図14)を参照して,エンキュー先のキュー番号を決定する(図16のS31)。この例では,送信元インターフェースはプロセッサ接続用インターフェース10pであり,エンキュー先のキュー番号はキュー20dとなる。
【0106】
次にキュー長管理テーブル(図15)を参照して,入力フレームをキュー20dにエンキューしても,そのキューの閾値を越えない場合,そのキューに入力フレームをエンキューする(図16のS4)。なお,他の宛先アドレスを持つフレームが入力した時には,送信元インターフェースがプロセッサ接続用インターフェースであるかどうかに従い,以上と同様の処理を行う。
【0107】
その結果,キュー20dには送信元インターフェースがプロセッサ接続用インターフェースであるフレームが,キュー20eには送信元インターフェースがプロセッサ接続インターフェースでないフレームが,それぞれエンキューされる。
【0108】
実施例3のスケジューリング時の動作
この実施例3でも上記実施例1のスケジューリングの動作(番号順にキューを選択)と異なり,フレームの出力対象のキューとしてキュー20d,20eの中から送信元がプロセッサ接続用インターフェースであるフレームを格納したキュー20dを優先的に選択する。キュー20dを選択した場合,同報先インターフェースリストに従い,回線終端用インターフェース収容部1♯1(図3参照)内のインターフェースに対してフレームを同報する。キュー20eを選択した場合もキュー20dの場合と同様に同報を行う。
【0109】
キューからのフレーム出力の動作
各キューからのフレームの出力の動作を,収容部内の回線終端用インターフェースからのバックプレッシャの有無,及びスイッチからのバックプレッシャの有無の状態に応じて説明する。
【0110】
a.回線終端用インターフェース収容部1♯1(図3参照)内の回線及びスイッチ4(図3参照)のいずれからも,バックプレッシャがかかっていない場合:選択対象のキューは,キュー20d,20eであり,いずれのキューについても,キューの先頭フレームについて,該フレームに付与された同報先情報に従い,該キューの先頭フレームをデキューする。
【0111】
b.回線終端用インターフェース収容部1♯1内の回線から,バックプレッシャがかかった場合:選択対象のキューは,キュー20d,20eであり,
▲1▼いずれのキューについても,キューの先頭のフレームについて,該フレームに付与された同報先情報に従い,回線終端用インターフェース収容部1♯1に収容されたインターフェースに対して同報した後に,そのキューの先頭フレームをデキューする。
【0112】
▲2▼先頭フレームの同報を完了できないキューは,ブロッキングされる。
【0113】
c.スイッチから,バックプレッシャがかかった場合:選択対象のキューは,キュー20d,20eであり,
▲1▼いずれのキューについても,キューの先頭フレームについて,そのフレームに付与された同報先情報に従い,回線終端用インターフェース収容部1♯1に収容されたインターフェースに対して同報した後に,そのキューの先頭フレームをデキューする。
【0114】
▲2▼先頭フレームの同報を完了できないキューは,ブロッキングされる。
【0115】
d.回線終端用インターフェース収容部1♯1内の回線及びスイッチのいずれからも,バックプレッシャがかかった場合:全てのキューは,ブロッキングされる。
【0116】
なお,この実施例3でも,キューからのフレームの出力の方法として,あるタイムスロットでキューを選択した際には,該キューの先頭フレームを,全ての同報先インターフェースに連続的にフレームを出力するような方法を例を示しているが,これ以外に,例えば1つのタイムスロットでは1つのインターフェース宛にだけフレームの出力を行い,次のタイムスロットでは,改めて全てのキューの中から,フレームを出力するキューの選択を行うような方法を採っても良い。
【0117】
実施例3の回線終端用インターフェース収容部と接続されたスイッチの動作は,上記実施例1の構成について説明したスイッチの動作と同様であり,説明を省略する。
【0118】
上記実施例3の回線終端用インターフェース収容部の構成に対して,上記実施例2の構成を組合わせた場合を実施例4とする。
【0119】
実施例4では実施例2で設けられた高速の回線終端用インターフェースと低速の回線終端用インターフェース及びスイッチ接続用インターフェースの他に実施例3のプロセッサ接続用インターフェースが付加され,図17に実施例4のインターフェース区分識別テーブルの例を示す。図18は実施例4におけるキュー番号アサインテーブルの例である。
【0120】
実施例4の場合,図17に示すような各種のインターフェースについて,送信元がプロセッサ接続用インターフェースである場合に送信先(同報先)インターフェースとして高速回線終端用インターフェース,低速回線終端用インターフェース,スイッチ接続用インターフェースの組合わせが,図18のテーブルの第1段〜第7段(プロセッサ接続用の表示が○の段)に示すように7個あり,各組合わせに対応したキュー(符号20−1〜20−7で表す)が設けられている。また,送信元がプロセッサ接続用インターフェース以外である場合に送信先(同報先)インターフェースとして上記の各インターフェースの組合わせが,図18のテーブルの第8段〜第14段(プロセッサ接続用の表示が×の段)に示すように7個あり,各組合わせに対応したキュー(符号20−8〜20−14で表す)が設けられている。
【0121】
実施例4のエンキューまでの動作の内容は,上記実施例3の場合と同様であり,スケジューリングの動作についても実施例3と同様であり,説明は省略する。
【0122】
上記実施例4の構成では,回線終端用インターフェース,スイッチ接続インターフェース,プロセッサ接続インターフェースのそれぞれの速度が高速,低速の相違に基づく組合わせに対応したキューをマルチキャストキュー群20内に設けていたが,次の実施例5ではこの実施例4のインターフェースの組合わせに対して,更に他の要素を組合わせの条件に含めてキューを割当てたものである。具体的には,IPアドレスのDSCPフィールドの値が,特定の値(例えばA)であるか,それ以外の値であるかを条件とする等に応じてキューを割当てる。また,この実施例5の例ではキューとして20−1〜20−18の合計18個を使用する。
【0123】
図19は実施例5のキュー番号アサインテーブルの例である。この例では,送信元インターフェースがプロセッサ接続用インターフェースであるか(○で表す),それ以外(×で表す)であるかにより2つの群に分けられ,これに送信先インターフェースが高速,低速,スイッチ接続用の3つについてこれらを含むか,含まないの組合わせにより区別する。また,DSCPが特性の値(A)であるか,否かの条件(○か×で表す)も組合わせてキュー番号として20−1〜20−18を識別することができる。
【0124】
上記の説明では,優先度によりキューを分ける際に,IPヘッダ内のDSCPフィールドが特定の値かどうかによりキューを分けていたが,DSCPフィールドの値がある範囲の値かどうかにより分けたり,IPヘッダ内の他のフィールド(送信元アドレス,送信先アドレス等のフィールド,フレームの長さフィールド)や,フレーム内のデータフィールドの内容に従い,キューの振り分けを行っても良い。また,上記の説明では優先度によりキューを分ける際に,優先度としては大小の2つに分けたが,3つ以上に分けても良い。
【0125】
更に,上記説明では,スケジューラは,各キューの優先度によるスケジューリングを行う場合について記述したが,代わりに,より複雑な各種スケジューリング・アルゴリズムを用いても良い。更に,バックプレッシャは,スイッチと各収容部の間にはスイッチ内で輻輳が起きたかどうかを示すバックプレッシャを可能としていたが,代わりに,例えばスイッチとしてマルチキャストキューを用いたスイッチを使用する場合に,スイッチ内にも収容部と同様に優先度によりキューを分け,スイッチはそのスイッチ内のキュー毎に各収容部にバックプレッシャを返すことで,優先度の低いスイッチ上のキューが輻輳してブロッキングが生じたときに,優先度が高いスイッチ上のキューはデキュー可能であるようにしても良い。
【0126】
また,上記の実施例では,IPルーティング時のマルチキャスト動作の例を示したが,ブリッジ動作をする中継装置で,1つのインターフェースから受信したフレームを複数インターフェースに出力する(同報する)ような場合にも適用可能である。
【0127】
更に,フレームの送信元,送信先インターフェース,フレーム内の情報の組合わせに応じたキューの割り振りを装置設計時に予め行っておくような場合について示したが,本発明は上記で示した各組合わせとキューの対応を,装置運用時に動的に変える場合にも適用しても良い。
【0128】
(付記1)各回線に接続した複数個の回線終端用インターフェースとスイッチ接続用インターフェースとが収容され,各インターフェース間の切換え接続を行うローカルスイッチを含む回線終端用インターフェース収容部を複数個備え,前記各回線終端用インターフェース収容部の間を論理的に切換接続するスイッチとで構成する中継装置におけるマルチキャスト通信中継方式において,前記ローカルスイッチは,マルチキャストのフレームを格納するキューとして,フレームの同報先が回線終端用インターフェースのみの場合と,前記スイッチに接続されたスイッチ接続用インターフェースのみの場合と,回線終端用インターフェースとスイッチ接続用インターフェースの両方である場合と,の各同報先インターフェースの組合わせに対応して1または複数のキューを個別に備え,前記フレームに付加された同報先のリストから前記同報先インターフェースの組合わせに基づきエンキュー先を判定して,フレームを格納する手段を備えることを特徴とするマルチキャスト通信中継方式。
【0129】
(付記2)付記1において,前記回線終端用インターフェース収容部に,高速回線に接続された回線終端用インターフェースと,低速回線に接続された回線終端用インターフェースとが収容され,前記マルチキャストのフレームを格納するキューとして,フレームの同報先が前記高速回線に接続された回線終端用インターフェースのみの場合と,前記低速回線に接続された回線終端用インターフェースのみの場合と,前記高速回線に接続された回線終端用インターフェースと前記低速回線に接続された回線終端用インターフェースの両方である場合と,の各同報先インターフェースの組合わせに対応した1または複数のキューを個別に備えることを特徴とするマルチキャスト通信中継方式。
【0130】
(付記3)付記2において,前記回線終端用インターフェース収容部にキューを選択してフレームを同報先に出力する管理を行うキュー管理部を備え,前記キュー管理部は,前記高速回線に接続された回線終端用インターフェースのみを同報先とするフレームを格納するキューを優先して選択することを特徴とするマルチキャスト通信中継方式。
【0131】
(付記4)各回線に接続した複数個の回線終端用インターフェースとスイッチ接続用インターフェース及び制御フレームを送受信する1または複数のプロセッサに接続したインターフェースとが収容され,各インターフェース間の切換え接続を行うローカルスイッチを含む回線終端用インターフェース収容部を複数個備え,前記各回線終端用インターフェース収容部の間を論理的に切換接続するスイッチとで構成する中継装置におけるマルチキャスト通信中継方式において,前記ローカルスイッチは,同報フレームの送信元インターフェースがプロセッサに接続するインターフェースである場合と,プロセッサに接続するインターフェース以外である場合とに対応して別々に用意された1つまたは複数のキューを設け,前記同報フレームの送信元を判別して対応するキューにフレームを格納することを特徴とするマルチキャスト通信中継方式。
【0132】
(付記5)付記4において,前記フレームを格納するキューとして,フレームの送信元インターフェースがプロセッサに接続するインターフェースである場合と,プロセッサに接続するインターフェース以外である場合に分け,更にフレームの同報先が回線終端用インターフェースのみ,スイッチ接続用インターフェースのみ,及び回線終端用インターフェースとスイッチ接続用インターフェースの各同報先の組合わせに対応する1または複数のキューを個別に設けることを特徴とするマルチキャスト通信中継方式。
【0133】
(付記6)付記5において,前記フレームを格納するキューとして,フレームの送信元インターフェースがプロセッサに接続するインターフェースである場合と,プロセッサに接続するインターフェース以外である場合とに分け,それぞれの場合において各同報先が高速の回線終端用インターフェースのみ,低速の回線終端用インターフェースのみ,スイッチ接続用インターフェースのみ,及びこれらの中の複数のインターフェースの各組合わせに対応して,1または複数のキューを個別に設けることを特徴とするマルチキャスト通信中継方式。
【0134】
(付記7)付記5において,前記フレームを格納するキューとして,フレーム内の情報に対応付けられた優先度の高い場合と,低い場合とに対応して前記インターフェースの各組合わせに対応したキューを更に区分して個別に設け,前記の各同報先インターフェース,送信元インターフェース及びフレーム内の情報に対応付けられた優先度の組合わせに基づいてエンキュー先を判定する手段を備えることを特徴とするマルチキャスト通信中継方式。
【0135】
(付記8)付記1乃至7の何れかにおいて,
入力したフレームに付与された同報先のリストに基づき前記マルチキャスト用のキューに格納されたフレームを1つ以上のインターフェースに出力し終わるまで該フレームを格納し,該キューを用いてフレームを出力する手段と,フレームの出力を行うキューの選択を行うスケジューラとを備え,前記スケジューラはフレームの出力を行うキューに格納されたフレームのキュー長を管理する手段を含むことを特徴とするマルチキャスト通信中継方式。
【0136】
(付記9)付記8において,スイッチは,スイッチ内のインターフェースの輻輳時に,当該スイッチ内及び全ての回線終端用インターフェース収容部に対して輻輳状態を通知する手段を備え,各回線終端用インターフェース収容部は,自収容部が収容する回線へのフレーム出力時にフレームの衝突を検出することにより輻輳していることを各収容部のスケジューラに通知する手段を備えることを特徴とするマルチキャスト通信中継方式。
【0137】
【発明の効果】
本発明によればマルチキャストを行う中継装置の回線またはスイッチが輻輳した場合のブロッキングの影響を軽減することができる。
【0138】
また,中継装置内のプロセッサから送信された制御フレームを,データフレームより高い優先度でスケジューリングすることが可能となる。
【0139】
また,複数の条件を組合わせて,その組合わせ毎にキューを用意することで,回線またはプロセッサからフレームを受信したインターフェースを収容する回線終端用インターフェース収容部上の,マルチキャストを行うためのブロッキングの影響を軽減しつつ,プロセッサから送信されたフレームを,それ以外のフレームに比べて高い優先度でスケジューリングすることが可能となり,プロセッサから送信された制御フレームをデータフレームよりも高い優先度でスケジューリングすることが可能となる。
【0140】
また,上記の説明ではマルチキャスト中継を行う場合について説明したが,本発明はユニキャスト中継を同時に行うような中継装置にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の原理構成を示す図である。
【図2】本発明の第2の原理構成を示す図である。
【図3】本発明が実施される中継装置の構成を示す図である。
【図4】実施例1の回線終端用インターフェース収容部の構成を示す図である。
【図5】ルーティングテーブルの例を示す図である。
【図6】インターフェース区分識別テーブルの例を示す図である。
【図7】キュー番号アサインテーブルの例を示す図である。
【図8】キュー長管理テーブルの例を示す図である。
【図9】エンキューまでの処理フローを示す図である。
【図10】実施例2の回線終端用インターフェース収容部に収容されたインターフェースの特性を示す図である。
【図11】本発明が実施される中継装置の他の構成を示す図である。
【図12】実施例3の回線終端用インターフェース収容部の構成を示す図である。
【図13】実施例3のインターフェース区分識別テーブルの例を示す図である。
【図14】実施例3のキュー番号アサインテーブルの例を示す図である。
【図15】実施例3のキュー長管理テーブルの例を示す図である。
【図16】実施例3のエンキューまでの処理フローを示す図である。
【図17】実施例4のインターフェース区分識別テーブルの例を示す図である。
【図18】実施例4のキュー番号アサインテーブルの例を示す図である。
【図19】実施例5のキュー番号アサインテーブルの例を示す図である。
【図20】デキュー時にフレームを複製する方法を示す図である。
【図21】中継装置の構成例を示す図である。
【図22】エンキュー時にフレームを複製する方法を示す図である。
【符号の説明】
1 回線終端用インターフェース収容部
10 回線終端用インターフェース(IF)
11 スイッチ接続用インターフェース(IF)
2 ローカルスイッチ
20 マルチキャストキュー群
21 エンキュー制御部
22 キュー管理部
23 フレーム出力部
24a 第1多重部
24b 第2多重部
25a 第1分離部
25b 第2分離部
a 回線終端用インターフェース回線
b 回線aへのバックプレッシャ線
c スイッチ用インターフェース回線
d 回線cへのバックプレッシャ線
Claims (5)
- 各回線に接続した複数個の回線終端用インターフェースとスイッチ接続用インターフェースとが収容され,各インターフェース間の切換え接続を行うローカルスイッチを含む回線終端用インターフェース収容部を複数個備え,前記各回線終端用インターフェース収容部の間を論理的に切換接続するスイッチとで構成する中継装置におけるマルチキャスト通信中継方式において,
前記ローカルスイッチは,マルチキャストのフレームを格納するキューとして,フレームの同報先が回線終端用インターフェースのみの場合と,前記スイッチに接続されたスイッチ接続用インターフェースのみの場合と,回線終端用インターフェースとスイッチ接続用インターフェースの両方である場合と,の各同報先インターフェースの組合わせに対応して1または複数のキューを個別に備え,
前記フレームに付加された同報先のリストから前記同報先インターフェースの組合わせに基づきエンキュー先を判定して,フレームを格納する手段を備えることを特徴とするマルチキャスト通信中継方式。 - 請求項1において,
前記回線終端用インターフェース収容部に,高速回線に接続された回線終端用インターフェースと,低速回線に接続された回線終端用インターフェースとが収容され,
前記マルチキャストのフレームを格納するキューとして,フレームの同報先が前記高速回線に接続された回線終端用インターフェースのみの場合と,前記低速回線に接続された回線終端用インターフェースのみの場合と,前記高速回線に接続された回線終端用インターフェースと前記低速回線に接続された回線終端用インターフェースの両方である場合と,の各同報先インターフェースの組合わせに対応した1または複数のキューを個別に備えることを特徴とするマルチキャスト通信中継方式。 - 各回線に接続した複数個の回線終端用インターフェースとスイッチ接続用インターフェース及び制御フレームを送受信する1または複数のプロセッサに接続したインターフェースとが収容され,各インターフェース間の切換え接続を行うローカルスイッチを含む回線終端用インターフェース収容部を複数個備え,前記各回線終端用インターフェース収容部の間を論理的に切換接続するスイッチとで構成する中継装置におけるマルチキャスト通信中継方式において,
前記ローカルスイッチは,同報フレームの送信元インターフェースがプロセッサに接続するインターフェースである場合と,プロセッサに接続するインターフェース以外である場合とに対応して別々に用意された1または複数のキューを設け,
前記同報フレームの送信元を判別して対応するキューにフレームを格納することを特徴とするマルチキャスト通信中継方式。 - 請求項3において,
前記フレームを格納するキューとして,フレームの送信元インターフェースがプロセッサに接続するインターフェースである場合と,プロセッサに接続するインターフェース以外である場合に分け,更にフレームの同報先が回線終端用インターフェースのみ,スイッチ接続用インターフェースのみ,及び回線終端用インターフェースとスイッチ接続用インターフェースの各同報先の組合わせに対応する1または複数のキューを個別に設けることを特徴とするマルチキャスト通信中継方式。 - 請求項4において,
前記フレームを格納するキューとして,フレーム内の情報に対応付けられた優先度の高い場合と,低い場合とに対応して前記インターフェースの各組合わせに対応したキューを更に区分して個別に設け,
前記の各同報先インターフェース,送信元インターフェース及びフレーム内の情報に対応付けられた優先度の組合わせに基づいてエンキュー先を判定する手段を備えることを特徴とするマルチキャスト通信中継方式。
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