JP4014818B2 - ワイヤーハーネスの配索方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワイヤーハーネスを所望の経路に沿って配索するワイヤーハーネスの配索方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の従来例のワイヤーハーネスの配索方法としては、図5に示す特開平6−236713号公報に開示されたものがある。
【0003】
このワイヤーハーネスの配索方法は、図5に示すように、ワイヤーハーネスWを構成する複数の電線102に沿って可撓性被覆100aで覆われた棒状体100を配置し、この棒状体100と複数の電線102との外周を粘着テープ101で巻き付ける。粘着テープ101で巻き付けた後に、可撓性被覆100aを残して棒状体100のみを粘着テープ101で締結されたワイヤーハーネスW内より引く抜くものである。
【0004】
このワイヤーハーネスWの配索方法であれば、ワイヤーハーネスWの外周を成形プロテクタで被う配索方法に較べて単純な形状の棒状体100を用いて安価にワイヤーハーネスWを配索できるという利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来のワイヤーハーネスWの配索方法では、棒状体100に複数の電線102を近接配置する配索過程にあって、複数の電線102が棒状体100に対して自由に位置変移可能であるため、電線102を位置決めするための位置決め用治具を使用しないと棒状体100を中心に複数の電線102を配置する配索を安易にできない。棒状体100を中心とした配索ができないということは、つまり、ワイヤーハーネスWの所望の経路に沿った経路規制が容易にできないということになる。
【0006】
そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、電線の位置決め用治具を使用することなく安易に補強ロッド部材を中心に複数の電線を配置した配索ができるワイヤーハーネスの配索方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、ワイヤーハーネスの所望の経路に沿った形状を有し、近接配置された複数の電線が反対面側に位置変移しないように仮位置決めする電線仮位置決め部を設けた補強ロッド部材を備え、前記電線仮位置決め部は、中央ロッド部の両側にそれぞれ突設され、凹形状の電線収容スペースを有する一対の突出電線受け部であり、この補強ロッド部材に沿うようにワイヤーハーネスを構成する複数の前記電線を近接配置し、この近接配置された複数の前記電線と前記補強ロッド部材とを前記電線仮位置決め部の箇所で拘束テープによって仮締結し、この仮締結した後に、複数の前記電線と前記補強ロッド部材とを拘束テープで本締結することを特徴とする。
【0008】
このワイヤーハーネスの配索方法では、補強ロッド部材に沿って複数の電線を配置すると、複数の電線が電線仮位置決め部によって仮位置決めされた状態となり、このように近接配置された複数の電線と補強ロッド部材とを拘束テープによって仮締結し、その後に本締結する。
【0010】
また、このワイヤーハーネスの配索方法では、請求項1の発明の作用に加え、補強ロッド部材に近接配置された複数の電線は、凹形状の電線収容スペースに配置される。
【0011】
請求項2の発明は、ワイヤーハーネスの所望の経路に沿った形状を有し、近接配置された複数の電線が反対面側に位置変移しないように仮位置決めする電線仮位置決め部を設けた補強ロッド部材を備え、前記電線仮位置決め部は、中央ロッド部の両側にそれぞれ突出された一対の突出壁部であり、一対の突出壁部の箇所が他の中央ロッド部の箇所より幅広に設けられ、この補強ロッド部材に沿うようにワイヤーハーネスを構成する複数の前記電線を近接配置し、この近接配置された複数の前記電線と前記補強ロッド部材とを前記電線仮位置決め部の箇所で拘束テープによって仮締結し、この仮締結した後に、複数の前記電線と前記補強ロッド部材とを拘束テープで本締結することを特徴とする。
【0012】
このワイヤーハーネスの配索方法では、補強ロッド部材に沿って複数の電線を配置すると、複数の電線が電線仮位置決め部によって仮位置決めされた状態となり、このように近接配置された複数の電線と補強ロッド部材とを拘束テープによって仮締結し、その後に本締結する。また、電線仮位置決め部は、単に中央ロッド部より両側に突出した形状である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
図1及び図2は本発明の第1実施形態を示し、図1はワイヤーハーネスと補強ロッド部材の斜視図、図2(a)はワイヤーハーネスの配索過程であって、複数の電線を補強ロッド部材に近接配置した状態を示す斜視図、図2(b)はワイヤーハーネスの配索過程であって、複数の電線と補強ロッド部材とを仮締結している状態を示す斜視図である。
【0015】
図1に示すように、補強ロッド部材1は、硬質材にて形成され、ワイヤーハーネスWの所望の経路に沿った形状を有する中央ロッド部1aとこの中央ロッド部1aの一端に設けられた電線仮位置決め部である一対の突出電線受け部1bとから構成されている。一対の突出電線受け部1bは、中央ロッド部1aの両側にそれぞれ突設され、上方が解放された凹形状の電線収容スペース2がそれぞれ形成されている。この第1実施形態では凹形状は円弧状に形成されており、左右を合わせた電線収容スペース2の大きさは、ワイヤーハーネスWを構成する複数の電線3を収容可能な大きさに設けられている。
【0016】
次に、ワイヤーハーネスWの配索方法を説明する。先ず、図1の矢印で示すように、補強ロッド部材1に沿うように複数の電線3を近接配置し、図2(a)に示すように、この近接配置した複数の電線3を補強ロッド部材1の一対の突出電線受け部1bの位置では左右の電線収容スペース2にほぼ均等な数に分けて収容する。次に、図2(b)に示すように、補強ロッド部1の突出電線受け部1bの外周を粘着テープ等の拘束テープ4で巻き付け、複数の電線3と補強ロッド部材1とを仮締結する。この仮締結に際して、複数の電線3が突出電線受け部1bによって反対面側に移動しないように仮位置決めされているため、作業者は拘束テープ4を使用して容易に仮締結作業ができる。
【0017】
最後に、拘束テープ4で仮締結された補強ロッド部材1と複数の電線4とを長手方向のほぼ全域に亘って拘束テープ4により本締結すれば完了する。ワイヤーハーネスWは、硬質の補強ロッド部材1の形状に沿って配索されるため、ワイヤーハーネスWはその弾性復帰力や外力によって変形することがなく所望の経路に配索されることになる。
【0018】
上記したワイヤーハーネスWの配索方法では、補強ロッド部材1に沿って複数の電線3を配置すると、複数の電線3が電線仮位置決め部である一対の突出電線受け部1bによって仮位置決めされた状態となり、このように近接配置された複数の電線3と補強ロッド部材1とを拘束テープ4によって仮締結し、その後に本締結する。従って、電線3の位置決め用治具を使用することなく安易に補強ロッド部材1を中心に複数の電線3を配置した配索ができる。つまり、ワイヤーハーネスWの所望の経路に沿った経路規制が容易にできる。
【0019】
又、補強ロッド部材1は、従来例のようにワイヤーハーネスW内から引き抜かないため、ワイヤーハーネスWの経路が折曲している場合にも対応可能であり、又、補強ロッド部材1はワイヤーハーネスWの経路に沿った比較的単純な形状で、且つ、硬質の材質のものであれば足りる。以上より、ワイヤーハーネスWの経路が折曲する場合にあっても、ワイヤーハーネスWの外周を被う成形プロテクタに較べて単純な形状の補強ロッド部材1を用いて安価にワイヤーハーネスWを配索できるという利点もある。
【0020】
又、この第1実施形態では、電線仮位置決め部は、中央ロッド部1aの両側にそれぞれ突設され、凹形状の電線収容スペース2を有する一対の突出電線受け部1bであるので、補強ロッド部材1に近接配置された複数の電線3は、凹形状の電線収容スペース2に配置されるため、容易に位置ずれせずに安定した仮位置決めがなされ、配索作業が容易である。
【0021】
図3及び図4は本発明の第2実施形態を示し、図3はワイヤーハーネスと補強ロッド部材の斜視図、図4(a)はワイヤーハーネスの配索過程であって、複数の電線を補強ロッド部材に近接配置した状態を示す斜視図、図4(b)はワイヤーハーネスの配索過程であって、複数の電線と補強ロッド部材とを仮締結している状態を示す斜視図である。
【0022】
図3に示すように、補強ロッド部材10は、硬質材にて形成され、ワイヤーハーネスWの所望の経路に沿った形状を有する中央ロッド部10aとこの中央ロッド部10aの一端に設けられた電線仮位置決め部である一対の突出壁部10bとから構成されている。この一対の突出壁部10bは、中央ロッド部10aの上下両側で、且つ、中央ロッド部10aの面に沿ってそれぞれ突出され、その箇所が他の箇所よりも幅広に設けられている。一対の突出壁部10bの上下端間の寸法は、ワイヤーハーネスWを構成する複数の電線3を一対の突出壁部10bの両側に分けて配置した際に複数の電線3を仕切可能な大きさに設けられている。
【0023】
次に、ワイヤーハーネスWの配索方法を説明する。先ず、図3の矢印で示すように、補強ロッド部材10に沿うように複数の電線3を近接配置し、図4(a)に示すように、この近接配置した複数の電線3を補強ロッド部材10の一対の突出壁部10bの位置では左右にほぼ均等な数に分けて配置する。次に、図4(b)に示すように、補強ロッド部10の突出壁部10bと複数の電線3との外周を粘着テープ等の拘束テープ4で巻き付け複数の電線3と補強ロッド部10とを仮締結する。この仮締結に際して、複数の電線3が突出壁部10bによって反対面側に移動しないように仮位置決めされているため、作業者は拘束テープ4を使用して容易に仮締結作業ができる。
【0024】
最後に、拘束テープ4で仮締結された補強ロッド部材10と複数の電線4とを長手方向のほぼ全域に亘って拘束テープ4により本締結すれば完了する。ワイヤーハーネスWは、硬質の補強ロッド部材10の形状に沿って配索されるため、ワイヤーハーネスWはその弾性復帰力や外力によって変形することがなく所望の経路に配索されることになる。
【0025】
上記したワイヤーハーネスWの配索方法では、補強ロッド部材1に沿って複数の電線3を配置すると、複数の電線3が電線仮位置決め部である一対の突出壁部10bによって仮位置決めされた状態となり、このように近接配置された複数の電線3と補強ロッド部材10とを拘束テープ4によって仮締結し、その後に本締結する。従って、電線3の位置決め用治具を使用することなく安易に補強ロッド部材10の周囲に複数の電線3を配置した状態での配索ができる。つまり、ワイヤーハーネスWの所望の経路に沿った経路規制が容易にできる。
【0026】
又、補強ロッド部材10は、従来例のようにワイヤーハーネスW内から引き抜かないため、ワイヤーハーネスWの経路が折曲している場合にも対応可能であり、又、補強ロッド部材10はワイヤーハーネスWの経路に沿った比較的単純な形状で、且つ、硬質の材質のものであれば足りる。以上より、前記第1実施形態と同様に、ワイヤーハーネスWの経路が折曲する場合にあっても、ワイヤーハーネスWの外周を被う成形プロテクタに較べて単純な形状の補強ロッド部材10を用いて安価にワイヤーハーネスWを配索できるという利点もある。
【0027】
又、上記第2実施形態では、電線仮位置決め部は、中央ロッド部10aの両側にそれぞれ突出された一対の突出壁部10bであるので、補強ロッド部材10の形状がシンプルであり、作製が容易である。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、ワイヤーハーネスの所望の経路に沿った形状を有し、電線仮位置決め部を設けた補強ロッド部材を備え、この補強ロッド部材に沿うように複数の前記電線を近接配置し、この近接配置された複数の前記電線と前記補強ロッド部材とを前記電線仮位置決め部の箇所で拘束テープによって仮締結し、この仮締結した後に、複数の前記電線と前記補強ロッド部材とを拘束テープで本締結するので、補強ロッド部材に沿って複数の電線を配置すると、複数の電線が電線仮位置決め部によって仮位置決めされた状態となり、このように近接配置された複数の電線と補強ロッド部材とを拘束テープによって仮締結し、その後に本締結する。従って、電線の位置決め用治具を使用することなく安易に補強ロッド部材を中心に複数の電線を配置した配索ができる。つまり、ワイヤーハーネスの所望の経路に沿った経路規制が容易にできる。
【0029】
また、電線仮位置決め部は、凹形状の電線収容スペースを有する一対の突出電線受け部であるので、請求項1の発明の効果に加え、補強ロッド部材に近接配置された複数の電線は、凹形状の電線収容スペースに配置されるため、容易に位置ずれせずに安定した仮位置決めがなされ、配索作業が容易である。
【0030】
請求項3の発明によれば、電線仮位置決め部は、中央ロッド部より幅広に設けられた一対の突出壁部であるので、請求項1の発明の効果に加え、電線仮位置決め部は、単に中央ロッド部より両側に突出した形状であるため、補強ロッド部材の形状がシンプルであり、作製が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示し、ワイヤーハーネスと補強ロッド部材の斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態を示し、(a)はワイヤーハーネスの配索過程であって、複数の電線を補強ロッド部材に近接配置した状態を示す斜視図、(b)はワイヤーハーネスの配索過程であって、複数の電線と補強ロッド部材とを仮締結している状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の第2実施形態を示し、ワイヤーハーネスと補強ロッド部材の斜視図である。
【図4】本発明の第2実施形態を示し、(a)はワイヤーハーネスの配索過程であって、複数の電線を補強ロッド部材に近接配置した状態を示す斜視図、(b)はワイヤーハーネスの配索過程であって、複数の電線と補強ロッド部材とを仮締結している状態を示す斜視図である。
【図5】従来例のワイヤーハーネスの配索方法をせつめいするための斜視図である。
【符号の説明】
1,10 補強ロッド部材
1a,10a 中央ロッド部
1b 突出電線受け部(電線仮位置決め部)
2 電線収容スペース
3 電線
4 拘束テープ
10b 突出壁部(電線仮位置決め部)
W ワイヤーハーネス

Claims (2)

  1. ワイヤーハーネスの所望の経路に沿った形状を有し、近接配置された複数の電線が反対面側に位置変移しないように仮位置決めする電線仮位置決め部を設けた補強ロッド部材を備え、
    前記電線仮位置決め部は、中央ロッド部の両側にそれぞれ突設され、凹形状の
    電線収容スペースを有する一対の突出電線受け部であり、
    この補強ロッド部材に沿うようにワイヤーハーネスを構成する複数の前記電線を近接配置し、この近接配置された複数の前記電線と前記補強ロッド部材とを前記電線仮位置決め部の箇所で拘束テープによって仮締結し、この仮締結した後に、複数の前記電線と前記補強ロッド部材とを拘束テープで本締結することを特徴とするワイヤーハーネスの配索方法。
  2. ワイヤーハーネスの所望の経路に沿った形状を有し、近接配置された複数の電線が反対面側に位置変移しないように仮位置決めする電線仮位置決め部を設けた補強ロッド部材を備え、
    前記電線仮位置決め部は、中央ロッド部の両側にそれぞれ突出された一対の突
    出壁部であり、一対の突出壁部の箇所が他の中央ロッド部の箇所より幅広に設け
    られ、
    この補強ロッド部材に沿うようにワイヤーハーネスを構成する複数の前記電線を近接配置し、この近接配置された複数の前記電線と前記補強ロッド部材とを前記電線仮位置決め部の箇所で拘束テープによって仮締結し、この仮締結した後に、複数の前記電線と前記補強ロッド部材とを拘束テープで本締結することを特徴とするワイヤーハーネスの配索方法。
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