JP4014376B2 - 平坦度測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,半導体基盤等の被測定物の表面の平坦度の測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体基盤(ウェハ)等の被測定物に反りが生じて平坦度が損なわれていないかどうかを検査する方法には,干渉計による方法や,レーザ変位計や静電容量式変位計等の変位計を走査させて被測定物表面の高さ(変位量)分布を測定し,その測定値により平坦度を求める方法等がある。
変位計を走査させる場合の一般的な方法は,変位計による一次元の走査を,被測定物の表面上において直交する2方向に(x方向及びy方向の十字状に)それぞれ行い,前記2方向における測定値から平坦度を求めるるものであり,一般に十字法といわれる。ここで平坦度は,例えば,測定値から最小二乗平面等の基準平面を求め,この基準平面に対する各測定値の変位量の大きさ等で評価する。
このとき,変位計による走査本数を増やせばより正確な平坦度を測定することができるが,走査方向を変更するために被測定物の支持部や変位計の支持部に回転機構を設けると,回転機構のガタ等による面ぶれが生じやすく,その結果,各走査毎に被測定物に異なる傾きが生じる。また,固定した所定の支持部の上に被測定物を載置して測定し,走査方向を変更するために被測定物を回転させる方法においても,被測定物の表面の被支持点又は被支持面に凹凸が存在すると,これによって各走査毎に被測定物に異なる傾きが生じる。この傾きは,被測定物を支持する支持点又は支持面の高さの差によっても生じる。このように,走査毎に異なる傾きが生じると,測定値にはこの傾きに起因する変位量(以下,要補正変位量という)が含まれることになる。該要補正変位量は,2方向の走査であれば補正可能であるが,3方向以上の走査を行ってその走査毎に被測定物に異なる傾きが生じると前記基準平面が定まらず,正しく平坦度が測定できない。
そこで,特開平7−332962号公報では,被測定物の下面の3点を支持する支持部を設けた基準板の下面を高精度(高平坦度)に加工し,その基準板の下面からさらに別の支持部で支持し,前記基準板を回転させることにより,面ぶれをなくすよう提案されている。ここで,被測定物を回転させる場合は,前記基準板ごと回転させる。これにより,前記基準板の下面は高精度に加工されているので,回転を行っても被測定物に異なる傾きが生じることがなくなる。
また,エアスピンドルを用いた回転機構によっても面ぶれを小さくできることは知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,前記公報記載の方法では,走査方向を変更する際に前記基準板上に載置された前記支持部が被測定物とともに回転するため,被測定物の下面側の表面を測定する場合,変位計と前記支持部が干渉し,その結果,被測定物の下面側を測定できないという問題点があった。このため,被測定物の上面及び下面の両面の平坦度を同時に測定することはできなかった。さらに,前記基準板の下面はそれを支持する支持部との磨耗が生じ,長期間に渡って高精度な仕上げ面を維持することが困難であるという問題点もあった。また,一般にエアスピンドルは高価であり,これを用いると高コストとなるという問題点もあった。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,変位計による1次元の走査をより多くの方向から行って被測定物表面の正確な平坦度を測定する際に,被測定物の支持部と干渉することなく被測定物の下面の平坦度を測定できるとともに,測定精度の維持のために特別な手間を要せず,しかも低コストで測定できる平坦度測定装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は,板状の被測定物の表面の平坦度評価に用いる該被測定物の表面高さの分布を測定する平坦度測定装置において,前記被測定物の測定表面に対し該測定表面に略垂直な方向から見て直線方向の走査を行うことにより,該測定表面の直線状の走査線についての表面高さの分布を測定する変位計と,前記被測定物の下面を異なる3つの支持点で支持し,該3つの支持点のうち所定の2つの支持点が,前記測定表面に略垂直な方向から見て前記変位計の走査方向に対して平行な直線上の位置かつ前記変位計が走査する直線上の所定の原点から前記変位計の走査方向に対し各々(180°/N)及び(180°−180°/N)[但し,Nは3以上の整数]の方向の位置に配置されてなる支持手段と,前記被測定物を,昇降させるとともに前記測定表面に略垂直な方向から見て前記原点の位置を回転中心として(180°/N)ずつ回転させることにより,前記支持手段に支持される前記被測定物の向きを設定する昇降・回転手段と,前記昇降・回転手段により前記被測定物の向きが設定されるごとに前記変位計からその測定値を取得することにより,前記被測定物の前記測定表面における前記回転中心を中心とする角度が(180°/N)ずつ異なるN本の前記走査線それぞれについての前記変位計による測定値を記憶手段に記憶させる測定値取得手段と,を具備してなること特徴とする平坦度測定装置である。
【0005】
本発明により,全ての前記走査線が,前記被測定物の測定表面に略垂直な方向から見て前記被測定物の表面における前記回転中心点を通る。
さらに,前記回転中心点をOとし,前記2つの支持点をA及びBとしたときに,前記被測定物の測定表面に略垂直な方向から見て,線分OA及びOBの長さが等しく,かつ前記変位計による前記走査の方向と直線OA及びOBとのなす角度が,各々所定の回転方向に(180/N)°及び(180−180/N)°(N=3以上の整数)となる位置に前記支持点A,Bが配置され,前記各走査線が,前記回転中心点Oを中心に(180/N)°分ずつ回転させたN本の線となる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態及び実施例について説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態及び実施例は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
ここに,図1は本発明の実施の形態に係る平坦度測定装置Uの概略構成を表す3面図,図2は本発明の実施の形態に係る平坦度測定装置Uにおける被測定物を測定する走査線を表す図,図3は本発明の実施の形態に係る平坦度測定装置Uにおける被測定物の表面高さを模式的に表す図,図4は本発明の実施例に係る平坦度測定装置U1における被測定物の支持点を表す図,図5は本発明の実施例に係る平坦度測定装置U1における被測定物を測定する走査線を表す図,図6は本発明の実施例に係る平坦度測定装置U2における被測定物の支持点を表す図,図7は本発明の実施例に係る平坦度測定装置U2における被測定物を測定する走査線を表す図である。
【0007】
まず,図1を用いて本発明の実施の形態に係る平坦度測定装置Uの概略構成を説明する。
平坦度測定装置Uは,被測定物の一例である円形の板状の半導体基盤(ウェハ)の平坦度を測定するものである。もちろん,前記ウェハは円形板状のものに限られるものではない。
前記ウェハ1は,3つの支持部2a〜2cの先端(支持点A〜C)で略水平に支持され,その状態で,静電容量式変位センサ3(以下,単にセンサという)を略水平な直線方向(Y軸の負の方向)に走査してウェハ1の上面及び下面の略鉛直方向の表面高さ(不図示のZ軸方向の変位量)を同時に計測する。以下,単に測定値というときは,便宜上,ウェハ1の下面側の測定値を指すものとする。該下面側の測定値によりウェハ1の下面の形状(表面高さの分布)を測定できれば,上面側及び下面側の測定値の差により,ウェハ1の厚みも測定できる。また,ウェハ1の厚みが既知(所定の精度で製造されていることが保証されている等)であれば,下面側の測定値にその厚みを加算することによって,上面の形状も測定できる。
3つの支持部2a〜2cのうちの2つの支持部2a,2bがウェハ1と接触する支持点A,B(前記2つの支持点)は,Z軸方向(ウェハ1の面の略垂直な方向)から見て(図1の平面図),前記センサ3の走査方向(Y軸の負方向)と平行な直線上であり,かつY軸の正方向から時計回りに各々45°,135°(180°−45°)となる位置に配置されている。
残りの支持部2cの位置は,支持部2a,2bとともにウェハ1を安定して支持できる位置であれば特に限定するものではない。ここでは,支持部2a,2bの中間位置とY軸を挟んで反対側の適当な位置に配置されている。
また,図1には示していないが,平坦度測定装置Uは,支持部2a〜2cにより支持されたウェハ1を持ち上げ,上方(Z軸の正方向)から見て,Y軸上の所定の原点O(前記回転中心点に該当)を中心に所定角度だけ回転させた後,ウェハ1を降ろして支持部2a〜2cに支持させる昇降・回転装置を有している。
平坦度測定装置Uでは,支持部2a〜2c上に載置されたウェハ1を,前記昇降・回転装置により,上方から見て時計回りに45°ずつ回転させ,4方向(180°/45°の方向)について測定を行う。
また,上面側及び下面側の測定値は,不図示の計算機に入力され,該計算機によってウェハ1の平坦度を求める各種演算を行う。さらに前記計算機は,前記センサー3及び前記昇降・回転装置に対して制御信号を出力することによりこれらの制御を行う。
このように,支持部2a〜2cと前記センサ3との相対的な位置関係を一定とし,ウェハ1のみを回転させて走査方向を変更するので,前記センサ3と支持部2a〜2cが干渉することなくウェハ1の下面側を測定できる。また,磨耗を伴う高精度な仕上げ面を有しないので,磨耗対策等を行う必要もない。さらに,エアスピンドル等の高価な装置を用いない一般的な1次元走査方式の測定装置であり低コストである。
即ち,本発明は,一般的な1次走査方式の測定装置を用いて,測定位置(走査線の位置)と支持位置(支持点A,B),及び以下に述べる測定値の処理方法を工夫することにより,ウェハ1の正確な平坦度を求めるものである。
【0008】
次に,図8を用いて,平坦度測定装置Uにおけるウェハ1表面の平坦度の測定手順について説明する。以下,S1,S2,,は,処理手順(ステップ)の番号を表す。図8の処理が開始される前に,予め,手操作又は所定の装置により,前記支持部2a〜2c上にウェハ1が所定の方向(例えば,ウェハ1の結晶方向(ノッチ方向又はオリフラ方向)をY軸の正の方向と一致させる等)に,前記支持部2a〜2c上に載置されているものとする。
まず,センサ3を走査させ,ウェハ1の表面高さを測定(S1)し,前記計算機によりその測定値を取り込んで,該測定値の誤差補正(S2)を行う。
該誤差補正とは,ウェハ1の重力たわみやセンサ3の走査誤差,ウェハ1の回転移動によるウェハ1とセンサ3との間の静電容量の変化等に起因する誤差を測定値から除去する処理である。前記誤差補正は,厚さが均一な校正用の基準ウェハを予め複数回測定し,その測定値の平均値を校正データとして前記計算機に記憶させておき,該校正データによってS1で得た測定値を補正する。
次に,前記誤差補正を行った測定値を前記計算機により記憶(S3)する。
次に,前記計算機によりS1で行った測定が,当該ウェハ1について何回目の測定であるかが判別(S4)され,N回目未満(ここでは,N=4)であると判別された場合は,前記昇降・回転装置によりウェハ1を(180/N)°分(即ち45°分)だけ回転(S8)させて,S1へ戻って測定を繰り返す。
S4において,N回目(N=4)の測定であると判別された場合は,前記計算機によりS3で記憶された前記測定値につてオフセット補正を行う。
前記オフセット補正とは,N回(N=4)分の全ての測定において共通に測定する前記原点O(ウェハ1の回転中心)の位置での全ての前記測定値が等しいものとして前記各測定値のオフセット分を補正することである。具体的には,前記各走査毎に,前記各測定値から前記原点Oでの測定値を差し引いた値を前記オフセット分の補正後の測定値(以下,相対測定値という)とする。これにより,前記原点Oの位置での全ての前記測定値が0(ゼロ)となり,前記相対測定値は,前記原点Oの測定値との相対高さを示すこととなる。このように,前記相対測定値への補正を行うのは,平坦度の測定においては,ウェハ1表面のZ軸方向の変位(表面高さ)の絶対値が必要なわけではなく,基準となる平面に対するウェハ1表面の相対的な高さ分布が把握できればよいためである。
次に,S5で求めた前記相対測定値を,後述する所定の方程式に代入(適用)することにより,ウェハ1表面の真の表面高さと前記相対測定値との差(要補正変位量)を求める(S6)。
前記相対測定値は,前記支持点A,Bで支持されるウェハ1の表面上の点(被支持点)に存在する凹凸と,前記支持点A及びBの高さの差とによって生じる,ウェハ1の傾きに起因する変位量(前記要補正変位量)とが重積された値である。このため,前記相対測定値をウェハ1の形状(表面高さ)の値とすることができない。前記真の表面高さとは,ウェハ1と一定の位置関係を持った平面を仮定し,該平面からの距離(高さ)のことをいう。即ち,ウェハ1の傾きに起因する変位量の影響を受けない高さを表すものである。
最後に,S6で求めた前記真の表面高さのデータにより,最小二乗平面等の基準平面を求め,該基準平面の高さに対する前記真の表面高さの差の大きさ(例えば,標準偏差や最大差等)によりウェハ1表面の平坦度を評価する(S7)。
【0009】
次に,図8のS6において用いる方程式について説明する。
まず,図2により以下用いる記号について説明する。
図2は,被測定物であるウェハ1を上方(Z軸の正方向)から見たときの模式図であり,太線はセンサ3により走査する線(走査線)を,前記太線の矢印がセンサ3による走査方向を,点h1〜h8は4回の前記センサ3の走査において前記支持点A,Bで支持されるウェハ1表面の点である被支持点を表す。該被支持点h1〜h8は,実際は図2に示された位置のウェハ1の下面側にある。
1回目の前記走査における前記走査線Dir0は被支持点h1,h5を通り,同2回目の前記走査における前記走査線Dir45は被支持点h2,h6を通り,同3回目の前記走査における前記走査Dir90は被支持点h3,h7を通り,同4回目の前記走査における前記走査線Dir135は被支持点h4,h8を通る。隣り合う前記各走査線のなす角度θは45°である。また,前記原点Oから前記各被支持点h1〜h8までの距離をL(従って,例えばh1〜h5間は2L)とし,h1〜h3間,h2〜h4間,,,h6〜h8間の各距離,即ち,図1における前記支持点A〜B間の距離を2dとする。
【0010】
次に,前記真の表面高さと前記相対測定値との関係を定式化する。
例えば1回目の前記走査においては,ウェハ1は,前記支持点A,Bの高さの差,及び前記被支持点h2,h4の凹凸により傾きを持つ。この傾きは,前記各走査毎に異なる。
ここで,前記傾きの影響を取り除いた前記被支持点hi(i=1〜8)における前記真の表面高さをwi,前記被支持点hiにおける前記相対測定値をsi,それらの差である要補正変位量をki(=si−wi)とする。
図3は,1回目の前記走査(走査線Dir0)における,前記真の表面高さ(破線Wg)及び前記相対測定値(実線Sg)を表すグラフである。グラフ縦軸(Z軸)がウェハ1の表面高さを表し,横軸(Y軸)が前記センサ3による走査方向を表す。前述したように,前記原点Oから前記被支持点h1及びh5までの各距離は等しいため,前記原点Oにおける前記真の表面高さWgと前記相対測定値Sgを一致させると,前記被支持点h1での前記要補正変位量を+k1とすれば,前記被支持点h5での前記要補正変位量は−k1となる。
この関係を,前記被支持点h1〜h8について表すと,次の式1の通りとなる。
【数1】
Figure 0004014376
【0011】
次に,前記要補正変位量k1〜k4について定式化する。
以下,1回目の前記走査(前記走査線Dir0に相当)について説明する。
まず,前記支持点A,Bの高さの差を2Δ(Aの高さ−Bの高さ)とすると,点A,B間のY軸方向の距離が2dであるので,点A,Bの高さの差によって生じるY軸方向の傾きは,(2Δ/2d)である。
ここで,前記支持点A,B(図2においては,各点h4,h2に該当)を通る線と,前記走査線Dir0とはZ軸方向から見て平行であるので,前記走査線Dir0の方向の傾きも(2Δ/2d)である。従って,点h1において,点A,Bの高さの差に起因するウェハ1の傾きによって生じる変位量は,点h1の位置が前記原点OからY軸の負の方向にLの位置であるので,{−(2Δ/2d)・L}となる。
また,ウェハ1表面の凹凸による前記走査線Dir0方向のウェハ1の傾きは,そのときの被支持点となる点h2,h4の前記真の表面高さの差に起因する傾き{−(w4−w2)/2d}となる。(ウェハ1表面のZ軸方向の高さが高いとき,即ち,ウェハ1の下面側から見て凹の状態のときは,ウェハ1がZ軸の負の方向に沈むので傾きの符号は反転する)従って,点h1において,ウェハ1表面の凹凸に起因するウェハ1の傾きによって生じる変位量は,{(w4−w2)/2d・L}となる。そして,点h1における前記要補正変位量k1は,これら2つの変位量を加算した値となる。
以上の要領で,前記各走査(前記走査線Dir0〜Dir135)における前記要補正変位量k1〜k4を式で表すと,次の式2の通りとなる。
【数2】
Figure 0004014376
ここで,r=L/d=1/cos(45°)=√2である。
【0012】
次に,前記要補正変位量k1〜k4を求めれば,前記真の表面高さが求まるが,式1を式2に代入しても,未知数(k1〜k4,Δ)が5つで式が4つとなり,解は求まらない。
これを解決するには,ウェハ1の真の傾き(前記真の表面高さ=前記相対測定値となるときのウェハ1の傾き)を固定した上で解を求めることが考えられる。ウェハ1のソリを評価する際は,そのウェハ1自身の測定値から特定される平面(測定値のうちの特定の3点で決定される平面,或いは最小二乗面等)からの変位量で評価される,即ち,測定値全体の相対評価によって評価されることから,ウェハ1の前記真の傾きを固定することは何ら問題ない。
その方法としては,例えば,w1=w5,或いはk1=a(定数)等することにより,ウェハ1の前記真の傾きのうち1方向の傾きを固定し,未知数を4つ,式を4つとして未知数k2,k4,Δを求めることが考えられる。
また,例えば,w1=w5かつw3=w7等とするか,k1=k3=a(定数)等として,ウェハ1の前記真の傾きを直交する2方向について固定(即ち,ウェハ1の前記真の傾き全体を固定)し,3変数1次方程式を求める一般的な最小二乗法により残りの未知数を求めることも考えられる。
また,例えば,前記支持点A,Bの高さの差2Δを予め測定しておき,これにより未知数k1〜k4を求めてもよい。
ここでは,k1=k3=0とし,前記走査線Dir0及びDir90での測定における前記相対測定値を補正せずに,その相対測定値に合うようにk2,k4を決定する。即ち,式1を式2に代入し,k1=k3=0とすることにより,次の式3が得られる。
【数3】
Figure 0004014376
式3により,未知数k2,k4,Δが3つで方程式が4つとなり,適当な3つの方程式を選択すれば解を求めることができる。しかし,精度を上げるためには,4つの方程式全てを計算結果に反映することが望ましい。そのため,当該平坦度測定装置Uでは,3変数1次方程式を求める一般的な最小二乗法により,未知数k2,k4,Δを求める。
このようにして求めた前記要補正変位量k2及びk4により,前記走査線Dir45,Dir135の各走査時のY軸方向のウェハ1の前記真の傾きが各々,(−k2/L),(−k4/L)と求まるので,これにより,前記走査線Dir45,Dir135の各走査時の前記相対測定値を補正すれば,ウェハ1下面の4方向の真の形状(表面高さ)を表すデータが求まる。このようにして求めた,真の形状を表すデータを用いて,例えばそのうちの特定の3点のデータで決定される平面,或いは最小二乗面等(基準平面)からの変位量を求め,該変位量によりウェハ1下面(測定平面)の平坦度(ソリ)が評価できる。
【0013】
【実施例】
前記平坦度測定装置Uでは,ウェハ1を45°ずつ回転させて4方向について測定したが,その応用例として,図4に示すように,前記基準支持点A,BをY軸の正方向から時計回りに60°(180°/N,N=3)及び120°の位置に配置させ,図5に示すように前記走査線を60°間隔で3本としてもよい。また,図6に示すように,前記基準支持点A,BをY軸の正方向から半時計回りに22.5°(180°/N,N=8)及び157.5°の位置に配置させ,図7に示すように前記走査線を22.5°間隔で8本としてもよい。
図4及び図5の例では,前述した式1に相当する式は,次式1aとなる。
【数4】
Figure 0004014376
また,前述した式2に相当する式は,次式2aとなる。
【数5】
Figure 0004014376
k1=k2=0として,式1a及び式2aを整理すると,前述した式3に相当する式として次の式3aとなる。
【数6】
Figure 0004014376
式3aは未知数k3,Δが2つ,方程式が3つとなり,2変数1次方程式を求める一般的な最小二乗法により解が求まる。
同様に,図6及び図7に示す応用例では,前述した式1〜式3に相当する式が,各々次の式1b,式2b,式3bとなる。これらの式も同様に解くことができる。
【数7】
Figure 0004014376
【数8】
Figure 0004014376
【数9】
Figure 0004014376
また,前記平坦度測定装置Uでは,センサー3を走査させているが,センサー3とウェハ1の相対移動であればよく,センサー3を固定し,前記支持部2a〜2cを直線的に移動させるよう構成してもよい。
また,センサー3は,静電容量式変位センサとしたが,例えば,三角測量に基づくレーザ変位計や渦流センサ等,他の変位センサであってももちろん適用可能である。
【0014】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明によれば,変位計による1次元の走査をより多くの方向から行って被測定物表面の正確な平坦度を求めることができる。(即ち,前記ステップS6及びS7の処理について説明したように,N本(N≧3)の走査線についての測定値から前記真の表面高さのデータを算出でき,その真の表面高さのデータから正確な平坦度を求めることができる。)また,被測定物の下面の測定も可能となる。さらに測定精度の維持のために,高精度の加工面を維持する等の特別な手間も必要でない上,特に高価な装置を必要としないため低コストで平坦度を測定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る平坦度測定装置Uの概略構成を表す3面図。
【図2】本発明の実施の形態に係る平坦度測定装置Uにおける被測定物を測定する走査線を表す図。
【図3】本発明の実施の形態に係る平坦度測定装置Uにおける被測定物の表面高さを模式的に表す図。
【図4】本発明の実施例に係る平坦度測定装置U1における被測定物の支持点を表す図。
【図5】本発明の実施例に係る平坦度測定装置U1における被測定物を測定する走査線を表す図。
【図6】本発明の実施例に係る平坦度測定装置U2における被測定物の支持点を表す図。
【図7】本発明の実施例に係る平坦度測定装置U2における被測定物を測定する走査線を表す図。
【図8】本発明の実施の形態に係る平坦度測定装置Uにおける平坦度の測定手順を表すフローチャート。
【符号の説明】
1…半導体基盤(ウェハ)
2a〜2c…支持部
A〜C…支持点
3…静電容量式変位センサ
h1〜h8…被支持点
Dir0,Dir45,,…走査線
Sg…相対測定値
Wg…真の表面高さ

Claims (1)

  1. 板状の被測定物の表面の平坦度評価に用いる該被測定物の表面高さの分布を測定する平坦度測定装置において,
    前記被測定物の測定表面に対し該測定表面に略垂直な方向から見て直線方向の走査を行うことにより,該測定表面の直線状の走査線についての表面高さの分布を測定する変位計と,
    前記被測定物の下面を異なる3つの支持点で支持し,該3つの支持点のうち所定の2つの支持点が,前記測定表面に略垂直な方向から見て前記変位計の走査方向に対して平行な直線上の位置かつ前記変位計が走査する直線上の所定の原点から前記変位計の走査方向に対し各々(180°/N)及び(180°−180°/N)[但し,Nは3以上の整数]の方向の位置に配置されてなる支持手段と,
    前記被測定物を,昇降させるとともに前記測定表面に略垂直な方向から見て前記原点の位置を回転中心として(180°/N)ずつ回転させることにより,前記支持手段に支持される前記被測定物の向きを設定する昇降・回転手段と,
    前記昇降・回転手段により前記被測定物の向きが設定されるごとに前記変位計からその測定値を取得することにより,前記被測定物の前記測定表面における前記回転中心を中心とする角度が(180°/N)ずつ異なるN本の前記走査線それぞれについての前記変位計による測定値を記憶手段に記憶させる測定値取得手段と,
    を具備してなること特徴とする平坦度測定装置。
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