JP4014366B2 - アドバンテージポイント付き周回レースの管理システム及び記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラジコンカー、自転車、自動車、自動二輪車等によって競技場を周回する周回レースであって、特に競技者ごとにアドバンテージポイントを付けたレースの管理システム及び記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、4輪(自動車)、2輪(バイク、自転車)、ラジコン等のマシンを使用したレースは競技場に設けられたコースを周回走行し、速さを競うものとして行われている。このレースにはラップレース、周回数限定レース及び周回時間限定レースがある。
【0003】
先ず、ラップレースとは、コースを1周した時間を競うものであり、通常は、周回数限定レース又は周回時間限定レースのスターティンググリッドを決定するための予選に採用されることが多い。次に、周回数限定レースとは、走行コースを予め設定された回数だけ周回し、その時間を競うものである。そして、周回時間限定レースとは、走行コースを予め設定された時間だけ周回し、その周回数を競うものである。ラップレースと周回数限定レースでは、その所要時間の短いマシンから順位が決定し、周回時間限定レースでは周回数の多いマシンから順位が決定する。尚、周回時間限定レースでは最終周回数が同じとなることがあるので、同じ周回数の場合にはゴールした時間の短いマシンから順位が決定するのである。
【0004】
このように、マシンを使用したレースでは、速いマシンから順位が決定することとなるので、上位に入賞するマシンが常に同じとなることが多かった。なぜならば、速いマシンというのはその多くがワークスチームや企業が資金援助するチーム等に所属しており、ワークスチームはメーカー主体であるため経済的な援助はもちろんのこと、エンジンやシャーシ等の開発にメーカーとしてのプライドをもって当たってもらえるため、その時代の最高のマシンを使用できるからであり、企業がスポンサーとして資金を援助しているチームも、このスポンサーからの資金によってマシンのチューンナップを行うことができるからである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、メーカー主体のワークスチームやスポンサーが出資するチームのマシンでレースに参加する人は全体のほんの一部であり、その他の多くの参加者は、自らの資金でできる範囲でマシンをチューンナップするか、若しくは何らチューンナップされていないままの状態のマシンで参加せざるを得ないのが現状である。これでは、ワークスチームやスポンサーが資金援助するチームによってチューンナップされたマシンに対抗するのは難しく、上位に進出することができる人は稀なものとなっていた。
【0006】
又、マシン操作の熟練者や何度も同じコースを走行している者と初めてレースに参加する初心者や初めてそのコースを走行する者との差が大きく、上位進出する顔ぶれが毎回固定されてきているのが現状である。
【0007】
このように同じ参加費用を払っても上位に進出することができないと、レースへの参加意欲を失うこととなってしまい、競技者人口を減少させることとなっていた。特に、ラジコンカーは、自動車のようにレース以外にドライブという楽しみがないため、レースへ参加する楽しみがなくなれば、ラジコンカーを操作して楽しむ機会が減り、ラジコンカーから離れていくという事態を招いていたのである。
【0008】
本発明は、上記諸点にかんがみ、レースへの参加人口を増大させるとともに、努力の結果を数字として表示して表彰することができるアドバンテージポイント付き周回レースの管理システム及び記録媒体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
管理システムにかかる本発明は、競技場において認定される基準周回タイム、および、アドバンテージポイントを含めた競技車両等の個人情報を記憶する記憶装置を有するコンピュータを使用するアドバンテージポイント付き周回レースの管理システムであって、上記コンピュータは、レース結果データの入力により該レース結果データを記憶するレース結果記憶手段と、上記アドバンテージポイントに応じたアドバンテージ率を上記レース結果データに乗算させて該レース結果データを修正するアドバンテージタイム演算手段と、このアドバンテージタイム演算手段により得られるアドバンテージタイムに基づいて順位を算出するレース順位算出手段と、平均周回タイムと上記基準周回タイムとの差を該基準周回タイム全体における割合で算出するアドバンテージポイント算出手段とを有することを特徴とするアドバンテージポイント付き周回レースの管理システムを要旨とする。
【0010】
また、本発明は、アドバンテージポイントを含めた競技車両等の個人情報を記憶する記憶装置を備えた本部コンピュータと、通信回線を介して上記本部コンピュータに接続された競技場コンピュータとからなるアドバンテージポイント付き周回レースの管理システムにおいて、上記競技場コンピュータは、該競技場において認定される基準周回タイム、および、上記本部コンピュータから入手したアドバンテージポイントを含めた競技車両等の個人情報を記憶する記憶装置と、レース結果データの入力により該レース結果データを記憶するレース結果記憶手段と、上記アドバンテージポイントに応じたアドバンテージ率を上記レース結果データに乗算させて該レース結果データを修正するアドバンテージタイム演算手段と、このアドバンテージタイム演算手段により得られるアドバンテージタイムに基づいて順位を算出するレース順位算出手段と、平均周回タイムと上記基準周回タイムとの差を該基準周回タイム全体における割合で算出するアドバンテージポイント算出手段とを有することを特徴とするアドバンテージポイント付き周回レースの管理システムを要旨とする。
【0012】
記録媒体にかかる本発明は、周回レースの競技車両にアドバンテージポイントを付与するコンピュータが読み取り可能な記録媒体であって、レース種別、競技場の基準周回タイム、並びに、競技者名および直前のアドバンテージポイント等の個人情報の入力データを記憶するステップと、レース結果データの入力により周回数および時間を記憶するステップと、アドバンテージポイントに1/100を乗じて得たアドバンテージ率を上記基準周回タイムに乗算してアドバンテージタイムを算出するステップと、上記レース結果データから平均周回タイムを算出するステップと、平均周回タイムからアドバンテージタイムを減算してアドバンテージポイント付き平均周回タイムを算出するステップと、上記アドバンテージポイント付き平均周回タイムから順位を算出するステップと、上記アドバンテージポイント付き平均周回タイムから上記基準周回タイムを差し引いた値を該基準周回タイムで除算し、これを百分率であらわす本日のアドバンテージを算出するステップと、上記本日のアドバンテージと直前のアドバンテージポイントを比較して小なるものを次回のアドバンテージポイントと判断するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録した記録媒体を要旨とする。
【0013】
また、本発明は、周回レースの競技車両にアドバンテージポイントを付与するコンピュータが読み取り可能な記録媒体であって、レース種別、競技場の基準周回タイム、並びに、競技者名および直前のアドバンテージポイント等の個人情報の入力データを記憶するステップと、レース結果データの入力により周回数および時間を記憶するステップと、アドバンテージポイントに1/100を乗じて得たアドバンテージ率を上記基準周回タイムに乗算してアドバンテージタイムを算出するステップと、上記レース結果データから平均周回タイムを算出するステップと、平均周回タイムからアドバンテージタイムを減算してアドバンテージポイント付き平均周回タイムを算出するステップと、上記アドバンテージポイント付き平均周回タイムから順位を算出するステップと、上記アドバンテージポイント付き平均周回タイムから上記基準周回タイムを差し引いた値を該基準周回タイムで除算し、これを百分率であらわす本日のアドバンテージを算出するステップと、上記順位の上位者についてのみ、上記本日のアドバンテージと直前のアドバンテージポイントを比較して小なるものを次回のアドバンテージポイントと判断するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録した記録媒体を要旨とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。先ず、図1に示すように、本発明に係るアドバンテージポイント付き周回レースの管理システムに使用するプログラムを記録した媒体を実行させるための装置(コンピュータ)の構成は、プログラム101を実行させたときに入力フォーマット等を表示するディスプレイ11、個人データを入力したりするためのキーボード12、ディスプレイ11上のマウスカーソルを移動させ所望の位置でクリックし入力を可能にするためのマウス13、レース順位の算出やアドバンテージポイントの算出等の演算を行う中央演算装置(CPU)14、CD−ROM10を読みとるためのCD−ROMドライブ15、インストールされたプログラム101、競技者の個人情報やレース結果等の入力されたデータなどを格納する記憶装置16、装置起動時に記憶装置16に格納されたプログラム101を制御プログラムにより読み出して一時的に格納するメモリ17、ディスプレイ11上に表示されたものを印字するプリンタ18から構成されている。また、プログラム101は、持ち運び可能なCD−ROM10やフロッピー・ディスク(図示せず)などの記憶媒体に格納され、インストール時に記憶装置16に格納される。尚、フロッピー・ディスクに格納されたプログラム101を記憶装置16にインストールする場合には、フロッピー・ディスク・ドライブ(図示せず)が必要となる。又、プログラム101は、オペレータによるキーボード操作又はマウス操作、或いは電話回線等の通信回線からの指示に応じて実行される。
【0015】
次に、プログラム101のディスプレイに表示された入力フォーマットについて説明する。装置に電源を入れ、プログラム101を実行させるとディスプレイ11上に周回数限定レースか周回時間限定レースかの選択を促す画面が表示される。そして、オペレータがどちらかのレースを選択することによって、各々の処理に移ることとなる。
【0016】
先ず、周回数限定レースを選択した場合には、ディスプレイ上に図2に示す入力フォーマット201が表示される。「日付202」にはレース開催日、「場所203」にはレース会場、「レース名204」には競技大会名、「基準タイム205」には予めそのコースに設定されている基準周回タイム、「周回数206」は本日の競技大会において決定されている周回数を、オペレータがマウスとキーボードとによって各々入力する。次に、「番号207」の欄には通し番号が付与されているので、それに併せて「氏名208」の欄に競技者名を、「アドバンテージ209」の欄にはその競技者が持っているアドバンテージポイントを入力する。「アドバンテージタイム210」は基準タイム205とアドバンテージ209とから算出され表示される。「トータルタイム211」にはレースのトータルタイムを入力する。「レース結果ラップ212」はトータルタイムと周回数とで算出され表示される。「アドバンテージ後213」の「アドバンテージ計算後の本日のラップ213a」はレースラップとアドバンテージタイムとから算出され表示される。又、「順位213b」は競技者個々に算出されたアドバンテージ計算後の本日のラップ213aの速い方から順位を決定し、その順位を表示する。「本日のアドバンテージ214」はレース結果ラップ212と基準タイム205とから算出され表示される。「次回のアドバンテージ215」は本日のアドバンテージ214とアドバンテージ209とを比較して数値の小さい方を表示する。尚、上述したアドバンテージポイントの決定方法は一例であり、レース順位の上位者のみについて次回のアドバンテージポイントを減らすというものであってもよい。
【0017】
次に、周回時間限定レースを選択した場合には、ディスプレイ上に図3に示す入力フォーマット301が表示される。「日付302」にはレース開催日、「場所303」にはレース会場、「レース名304」には競技名、「基準タイム305」はそのコースに設定されている基準周回タイム、「設定タイム306」には本日の競技大会において設定されている時間を、オペレータがマウスとキーボードとによって各々入力する。次に、「番号307」の欄には通し番号が付与されているので、それに併せて「氏名308」の欄に競技者名を、「アドバンテージ309」の欄にはその競技者が持っている前回までのアドバンテージの中で最も数値の小さいものを入力する。「アドバンテージタイム310」は基準タイム305とアドバンテージ309とで算出され表示される。「周回数317」には周回数を、「トータルタイム311」にはレースのトータルタイムを入力する。又、「レース結果ラップ312」はトータルタイム311と周回数317とから算出されて表示される。さらに、「アドバンテージ後313」の「アドバンテージ計算後のラップ313a」はレース結果ラップ312とアドバンテージタイム310とから算出されて表示される。「順位313b」は競技者個々に算出されたアドバンテージ計算後ラップ313aの速い方から順位を決定し、その順位を表示する。「本日のアドバンテージ314」はレース結果ラップ312と基準タイム305とから算出され表示される。「次回のアドバンテージ315」は本日のアドバンテージ314とアドバンテージ309とを比較して数値の少ない方を表示する。
【0018】
次に、周回数限定レースの処理を図4に示すフローチャートを使って説明する。プログラムを実行させるとディスプレイ上に周回数限定レースか周回時間限定レースを選択する画面が表示される。ここでオペレータが周回数限定レースを選択すると、この処理に移行する。ディスプレイ上には図2に示された周回数限定レースのフォーマットが表示される。上述したようにオペレータは日付、場所、レース名、基準ラップタイム、周回数、氏名、アドバンテージポイント、及びトータルタイムをマウスとキーボードとによって入力する。そして、次の段階ではアドバンテージタイムが算出される。ここでアドバンテージタイムHTとは基準タイムSLとアドバンテージポイントHとによって算出されものであり、この計算式はHT=SL×(H/100)である。このアドバンテージタイムは入力フォーマットのアドバンテージタイムの欄に表示される。そして、次の段階ではレース結果ラップが算出される。ここでレース結果ラップRLとはトータルタイムLTと周回数Rとによって算出されるものであり、この計算式はRL=LT/Rである。このレース結果ラップRLは入力フォーマットのレース結果ラップの欄に表示される。そして、次の段階ではアドバンテージ計算後のラップRRが算出される。ここでアドバンテージ計算後のラップRRとはレース結果ラップRLとアドバンテージタイムHTとによって算出されるものであり、この計算式はRR=RL−HTである。このアドバンテージ計算後のラップRRは入力フォーマットのアドバンテージ計算後ラップの欄に表示される。そして、次の段階では本日のアドバンテージHHが算出される。ここで本日のアドバンテージHHとはレース結果ラップRLと基準タイムSLとから算出されるものであり、この計算式は、HH=((RL−SL)/SL)×100である。この本日のアドバンテージは入力フォーマットの本日のアドバンテージの欄に表示される。そして、次の段階では次回のアドバンテージが表示される。この次回のアドバンテージとはアドバンテージHと本日のアドバンテージHHとを比較して数値の小さい方が入力フォーマットの次回のアドバンテージの欄に表示されるのである。尚、競技大会の主催者が参加した競技者全てのデータを処理するものであり、上述の説明ではオペレータがレース結果をコンピュータに入力してデータ処理するものとして説明しているが、後述するトランスポンダを利用すると効率的である。そして、処理されたデータは競技者ごとのデータファイルに格納されるのである。
【0019】
最後に、レースに参加した競技者全てのデータ処理が終了すると、レースに参加した競技者全てのデータファイルが呼び出されてアドバンテージ計算後ラップの小さいものから順位を決定する処理が行われ、入力フォーマットの順位の欄に各々の順位が表示されるのである。
【0020】
次に、上記処理を具体的な数値を用いて説明する。基準タイムSL:15.00秒、周回数R:10周、アドバンテージH:5.0、トータルタイムLT:160.00秒とする。先ず、アドバンテージタイムHTの算出は、HT=SL×(H/100)であるから、15.00×(5.0/100)=0.750となる。又、レース結果ラップRLの算出は、RL=LT/Rであるから、160.00/10=16.000となる。さらに、アドバンテージ計算後のラップRRの算出は、RR=RL−HTであるから、16.000−0.750=15.250となる。又、本日のアドバンテージHHの算出は、HH=((RL−SL)/SL)×100であるから、((16.000−15.000)/15)×100=6.7となる。さらに、次回のアドバンテージNHは、アドバンテージHの5.0と本日のアドバンテージHHの6.7とを比較して、数値の小さいアドバンテージH5.0が、次回のアドバンテージNHとなるのである。尚、競技者別にこの処理を行ったものを図6(b)に示す。
【0021】
次に、周回時間限定レースの処理を図5に示すフローチャートを使って説明する。プログラムを実行させるとディスプレイ上に周回数限定レースか周回時間限定レースかを選択する画面が表示される。ここでオペレータは周回時間限定レースを選択すると、この処理に移行する。ディスプレイ上には図3に示された周回時間限定レースのフォーマットが表示される。上述したように、オペレータは日付、場所、レース名、基準タイム、設定時間、氏名、アドバンテージ、周回数及びトータルタイムをマウスとキーボードとによって入力する。そして、次の段階ではアドバンテージタイムが算出される。ここでアドバンテージタイムHTとは基準タイムSLとアドバンテージHとによって算出されるものであり、この計算式はHT=SL×(H/100)である。このアドバンテージタイムは入力フォーマットのアドバンテージタイムの欄に表示される。そして、次の段階ではレース結果ラップが算出される。ここでレース結果ラップRLは記録の時間LTと周回数Rとによって算出されるものであり、この計算式はRL=LT/Rである。このレース結果ラップRLは入力フォーマットのレース結果ラップの欄に表示される。そして、次の段階ではアドバンテージ計算後のラップRRが算出される。ここでアドバンテージ計算後のラップRRとはレース結果ラップRLとアドバンテージタイムHTとによって算出されるものであり、この計算式はRR=RL−HTである。このアドバンテージ計算後のラップRRは入力フォーマットのアドバンテージ計算後のラップの欄に表示される。そして、次の段階では本日のアドバンテージHHが算出される。ここで本日のアドバンテージHHとはレース結果ラップRLと基準タイムSLとから算出されるものであり、この計算式はHH=((RL−SL)/SL)×100である。この本日のアドバンテージは入力フォーマットの本日のアドバンテージの欄に表示される。そして、次の段階では次回のアドバンテージが表示される。この次回のアドバンテージとはアドバンテージHと本日のアドバンテージHHとを比較して数値の低い方が入力フォーマットの次回のアドバンテージの欄に表示されるのである。尚、競技大会の主催者が参加した競技者全てのデータを処理するものであり、上述の説明ではオペレータがレース結果をコンピュータに入力してデータ処理するものとして説明しているが、後述するトランスポンダを利用すると効率的である。そして、処理されたデータは競技者ごとのデータファイルに格納されるのである。
【0022】
最後に、レースに参加した競技者全てのデータ処理が終了すると、レースに参加した競技者全てのデータファイルが呼び出されてアドバンテージ計算後ラップの小さいものから順位を決定する処理が行われ、入力フォーマットの順位の欄に各々の順位が表示されるのである。尚、具体的な数値を用いて競技者別にこの処理を行ったものを図6(a)に示す。
【0023】
ここで、アドバンテージポイントについて説明する。アドバンテージポイントとは、本日のアドバンテージの算出方法からもわかるように、競技者が基準タイムから何秒遅れるかをパーセントで表したものである。これは、数値で説明すると、基準ラップタイム20秒のコースを、ある競技者が走行したら22秒のラップタイムとなった。この数値でアドバンテージポイントを計算すると、H=((22−20)/20)×100=10となる。また、この競技者が基準ラップタイム30秒のコースを走行したら、30秒の10%である3秒遅れの33秒でゴールすると推測できる。即ち、基準ラップタイムが異なるコースであっても、その基準ラップタイムから何秒遅れてゴールするかが推測できるのである。
【0024】
図7(a)は本発明に係るアドバンテージポイント付き周回レースの管理システムを示す説明図である。先ず、A.の基準周回タイムの認定であるが、同じ競技者が同じ車両を使用して競技場を周回してもコースが変われば当然のことながら周回タイムは変動するものである。又、同じ競技者が同じ競技場を周回しても車両クラスが変われば、これも当然のことながら周回タイムは変動するものである。従って、基準周回タイムの認定は、全国大会で常に上位に入っている競技者を数人集めて、車両クラス毎にレースを行わせ、この各々のレース結果から算出される各々の平均周回タイムよりも若干短い数値を、その競技場における各車両クラスの基準周回タイムとして認定するが好ましい。
【0025】
次に、B.の個人情報の記録であるが、競技者の氏名等は初回に登録すればよい。この初回登録時に競技者毎に固有の登録番号が付与され、2回目以降は登録番号さえ入力すれば、コンピュータの記憶装置から個人情報の記録を取り出せるようにすることができる。
【0026】
次に、C.のレース結果の記録であるが、上述したとおり、コンピュータの表示画面上の入力フォーマットに従ってレース結果のデータを入力すればよいものである。尚、入力に際しては、オペレータが手入力することも可能であるが、競技車両に予めトランスポンダ(図示せず)を設置し、このトランスポンダから発信される電波を図8に示すようにゴール地点付近に設置される受信装置50が受信するようにすれば、この受信装置50と上記コンピュータとを接続することにより受信装置50が受信したデータを図1で示したメモリ17又は記憶装置16に記録して、入力フォーマットに自動的にレース結果のデータを入力することができる。
【0027】
次に、D.の順位及びアドバンテージポイントの算出であるが、これも上述したとおり、コンピュータ上でプログラムが実行されることによって自動的に行われるものであるが、順位及びアドバンテージポイントの算出にあたってはA〜Cのデータが利用されるのである。そして、算出された順位とアドバンテージポイントはレース結果とともにB.の個人情報の記録が記憶されているコンピュータ上のファイルに送られて個人情報の記録が最新のものに更新されるのである。
【0028】
図7(b)は基準周回タイムの認定された競技場が複数になった場合の個人情報データのやりとりを示す説明図である。各認定競技場a〜dにはアドバンテージポイント付き周回レースの起動プログラムがインストールされているコンピュータが設置されていて、本部のコンピュータと電話回線等の通信回線によって繋がれているのである。従って、レースが終了するたびに本部の個人情報記録(アドバンテージポイントを含む)は更新されて、常に最新のものとなっているのである。この個人情報記録を各競技場はレースを行う直前に入手することによって最新のアドバンテージポイントを入力することができ、これによって順位が算出されるので競技者は自らの上達度を毎回のレースで確認することができるのである。
【0029】
【発明の効果】
以上のように、アドバンテージポイント付き周回レースの管理システムにかかる本発明によれば、レースに参加し始めたばかりの初心者が上位入賞する可能性が増大することによってレースへの参加意欲が増し、結果として競技参加人口を拡大させることができる。また、通信回線を介して上記本部コンピュータに接続された競技場コンピュータを使用する構成の発明によれば、統一した基準によってレースを行うことができ、認定競技場の数を増やして行えば全国規模でアドバンテージポイント付き周回レースを行うことができる。
【0032】
また、周回レースの競技車両にアドバンテージポイントを付与するコンピュータが読み取り可能な記録媒体にかかる本発明によれば、この記録媒体に記録されているプログラムをコンピュータ上で実行させることによって統一された適正なアドバンテージポイントを競技者に付与して順位を決定することができる。また、上位者のみのアドバンテージポイントを変更することにより、レース順位によってアドバンテージポイントを変動させて楽しむこともできるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る記録媒体に記載されたプログラムを実行する装置の概要を示す説明図である。
【図2】周回数限定レースの入力フォーマットを示す説明図である。
【図3】周回時間限定レースの入力フォーマットを示す説明図である。
【図4】周回数限定レースのプログラムのフローチャートである。
【図5】周回時間限定レースのプログラムのフローチャートである。
【図6】各レース結果を表示した図である。
【図7】本発明に係るアドバンテージポイント付き周回レースの管理システムを示す説明図である。
【図8】競技車両にトランスポンダを搭載した場合を説明する図である。
【符号の説明】
50 受信装置
201,301 入力フォーマット
209,309 アドバンテージ
210,310 アドバンテージタイム
211,311 トータルタイム
212,312 レース結果ラップ
213a,313a アドバンテージ計算後ラップ
213b,313b 順位
214,314 本日のアドバンテージ
215,315 次回のアドバンテージ
Claims (4)
- 競技場において認定される基準周回タイム、および、アドバンテージポイントを含めた競技車両等の個人情報を記憶する記憶装置を有するコンピュータを使用するアドバンテージポイント付き周回レースの管理システムであって、
上記コンピュータは、
レース結果データの入力により該レース結果データを記憶するレース結果記憶手段と、
上記アドバンテージポイントに応じたアドバンテージ率を上記レース結果データに乗算させて該レース結果データを修正するアドバンテージタイム演算手段と、
このアドバンテージタイム演算手段により得られるアドバンテージタイムに基づいて順位を算出するレース順位算出手段と、
平均周回タイムと上記基準周回タイムとの差を該基準周回タイム全体における割合で算出するアドバンテージポイント算出手段と
を有することを特徴とするアドバンテージポイント付き周回レースの管理システム。 - アドバンテージポイントを含めた競技車両等の個人情報を記憶する記憶装置を備えた本部コンピュータと、
通信回線を介して上記本部コンピュータに接続された競技場コンピュータと
からなるアドバンテージポイント付き周回レースの管理システムにおいて、
上記競技場コンピュータは、
該競技場において認定される基準周回タイム、および、上記本部コンピュータから入手したアドバンテージポイントを含めた競技車両等の個人情報を記憶する記憶装置と、
レース結果データの入力により該レース結果データを記憶するレース結果記憶手段と、
上記アドバンテージポイントに応じたアドバンテージ率を上記レース結果データに乗算させて該レース結果データを修正するアドバンテージタイム演算手段と、
このアドバンテージタイム演算手段により得られるアドバンテージタイムに基づいて順位を算出するレース順位算出手段と、
平均周回タイムと上記基準周回タイムとの差を該基準周回タイム全体における割合で算出するアドバンテージポイント算出手段と
を有することを特徴とするアドバンテージポイント付き周回レースの管理システム。 - 周回レースの競技車両にアドバンテージポイントを付与するコンピュータが読み取り可能な記録媒体であって、
レース種別、競技場の基準周回タイム、並びに、競技者名および直前のアドバンテージポイント等の個人情報の入力データを記憶するステップと、
レース結果データの入力により周回数および時間を記憶するステップと、
アドバンテージポイントに1/100を乗じて得たアドバンテージ率を上記基準周回タイムに乗算してアドバンテージタイムを算出するステップと、
上記レース結果データから平均周回タイムを算出するステップと、
平均周回タイムからアドバンテージタイムを減算してアドバンテージポイント付き平均周回タイムを算出するステップと、
上記アドバンテージポイント付き平均周回タイムから順位を算出するステップと、
上記アドバンテージポイント付き平均周回タイムから上記基準周回タイムを差し引いた値を該基準周回タイムで除算し、これを百分率であらわす本日のアドバンテージを算出するステップと、
上記本日のアドバンテージと直前のアドバンテージポイントを比較して小なるものを次回のアドバンテージポイントと判断するステップと
をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録した記録媒体。 - 周回レースの競技車両にアドバンテージポイントを付与するコンピュータが読み取り可能な記録媒体であって、
レース種別、競技場の基準周回タイム、並びに、競技者名および直前のアドバンテージポイント等の個人情報の入力データを記憶するステップと、
レース結果データの入力により周回数および時間を記憶するステップと、
アドバンテージポイントに1/100を乗じて得たアドバンテージ率を上記基準周回タイムに乗算してアドバンテージタイムを算出するステップと、
上記レース結果データから平均周回タイムを算出するステップと、
平均周回タイムからアドバンテージタイムを減算してアドバンテージポイント付き平均周回タイムを算出するステップと、
上記アドバンテージポイント付き平均周回タイムから順位を算出するステップと、
上記アドバンテージポイント付き平均周回タイムから上記基準周回タイムを差し引いた値を該基準周回タイムで除算し、これを百分率であらわす本日のアドバンテージを算出するステップと、
上記順位の上位者についてのみ、上記本日のアドバンテージと直前のアドバンテージポイントを比較して小なるものを次回のアドバンテージポイントと判断するステップと
をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録した記録媒体。
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