JP4014269B2 - タイヤ滑り止め装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネット状の滑り止め本体を備えたタイヤ滑り止め装置に関し、さらに詳しくは、横方向のグリップ力を抑えることで操縦性能を向上するようにしたタイヤ滑り止め装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、タイヤ滑り止め装置として、ネット状に編成した芯材をゴム又は合成樹脂により被覆した滑り止め本体をタイヤの外周面に巻き付け、その長手方向両端部を互いに突き合わせて係合すると共に、該滑り止め本体の内側には非伸長ロープをフックで本体に装架し、外側(図示されている側)にはバンドフックを介して締付け具(Oリング又はワンウェイタイプの締付け具)を懸け渡すことによって装着するようにしたものがある。
【0003】
このようなタイヤ滑り止め装置では、滑り止め本体に種々のパターンを形成し、そのパターンゲージを所定の厚さに設定することにより雪上・氷上路面でのグリップ力を確保している。
【0004】
しかしながら、上記タイヤ滑り止め装置は車両の駆動輪に装着するため、グリップ力を必要以上に向上させると、タイヤ滑り止め装置を装着していない従動輪とのバランスが極端に悪くなってしまう。このようにグリップ力について駆動輪と従動輪とのバランスが悪くなると、FF車では雪上・氷上路面でのコーナリング時に後輪のスライドによるスピンを生じたり、またFR車では雪上・氷上路面でのコーナリング時に後輪のグリップ力が強過ぎてハンドルを切っても曲がらない状態(アンダーステア)になり、操縦性能を著しく損なうという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、横方向のグリップ力を抑えることで操縦性能を向上することを可能にしたタイヤ滑り止め装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明のタイヤ滑り止め装置は、ネット状に編成した芯材をゴム又は合成樹脂により被覆した滑り止め本体を備えたタイヤ滑り止め装置において、前記滑り止め本体の接地面にタイヤ周方向に延在する左右一対のリンク部と、該左右一対のリンク部を互いに連結するようにタイヤ幅方向に延長するラダー部とを設け、前記リンク部の一部を前記ラダー部の表面よりも1〜3mm陥没する薄肉部に形成したことを特徴とするものである。
【0007】
このようにタイヤ周方向に延在するリンク部の一部をタイヤ幅方向に延長するラダー部の表面よりも1〜3mm陥没する薄肉部に形成したことにより、主としてラダー部によって得られる駆動方向のグリップ力を十分に確保しながら、主としてリンク部によって影響される横方向のグリップ力を抑えることができる。従って、雪上・氷上路面での走行時において、タイヤ滑り止め装置を装着した駆動輪とタイヤ滑り止め装置を装着していない従動輪とのバランスを改善し、操縦性能を向上することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照して詳細に説明する。
図1〜図4は本発明の実施形態からなるタイヤ滑り止め装置を例示するものである。図1に示すように、本実施形態からなるタイヤ滑り止め装置は、滑り止め本体1をタイヤTの外周面に巻き付け、その長手方向(タイヤ周方向)両端部1a,1bを互いに突き合わせて係合すると共に、滑り止め本体1の内側には非伸長ロープをフックで本体に装架し、外側(図示されている側)にはバンドフック2を介して締付け具3を懸け渡すことによってタイヤTに対して装着するようになっている。締付け具3の構成は特に限定されるものではなく、単なるゴム製のOリングであってもよく、或いは非伸長ロープと伸長バンドとを無端状に接続した二重ループの両端部をワンウェイバックルによって互いに連結したワンウェイタイプの締付け具であってもよい。
【0009】
図2に示すように、滑り止め本体1はネット状に編成したタイヤコード等の芯材をゴム又は合成樹脂により被覆し、タイヤ周方向に連続する網目構造になっている。この滑り止め本体1の接地面には、タイヤ周方向にジグザグ状に延在する左右一対のリンク部11,11と、該左右一対のリンク部11,11を互いに連結するようにタイヤ幅方向に延長するラダー部12とが設けられている。更に、リンク部11には路面側に突出する複数のスパイク13が適宜の配置間隔で植え込まれている。なお、上述の滑り止め本体1では、図4の加線部で示される部分が左右一対のリンク部11であり、それらの間に位置する部分がラダー部12である。
【0010】
上記リンク部11とラダー部12は基本的にほぼ同一厚さになっているが、リンク部11の一部にはラダー部12の表面よりも陥没した薄肉部14が設けられている。この薄肉部14の表面のラダー部12の表面(リンク部11の表面に同じ)からの深さは1〜3mm、より好ましくは1〜2mmにする。薄肉部14の深さが1mm未満であると横方向のグリップ力を選択的に抑制する効果が得られず、逆に3mmを超えると滑り止め本体1の耐久性が低下し、しかも滑り止め本体1に埋設した芯材が露出するおそれがある。薄肉部14において、図3(A)に示すように壁面にテーパー角を付けるようにしてもよく、或いは図3(B)に示すように壁面を垂直に形成してもよい。
【0011】
薄肉部14の面積は対象となるリンク部11の面積の10%以上にすることが好ましい。この薄肉部14の面積がリンク部11の面積の10%未満であると横方向のグリップ力を抑制する効果が得られない。また、リンク部11にはスパイク13が植え込まれているので、このスパイク13の植え込み強度を低下させないために薄肉部14の面積をリンク部11の面積の50%以下にすることが好ましい。なお、図1において、滑り止め本体1の接地面には、段差が1mm未満であれば、矩形等のデザインからなるプラットホーム15や刻み模様16などを形成してもグリップ力に対して殆ど影響を与えないので問題はない。
【0012】
また、スパイク13、薄肉部14、プラットホーム15、刻み模様16は本実施形態のデザインに限定されることはなく、必要に応じて適宜変更することが可能である。例えば、図5〜図8に示すようなデザインにすることができる。これら図5〜図8において、縦線部分が薄肉部14である。また、図7において、薄肉部14はスパイク13の周囲に設けられ、薄肉部14に囲まれたスパイク13とそれ以外のスパイク13とは形状及び高さが実質的に同一になっている。
【0013】
上述のようにタイヤ周方向に延在するリンク部11の一部をタイヤ幅方向に延長するラダー部12の表面よりも陥没する薄肉部に形成したことにより、主としてラダー部12によって得られる駆動方向のグリップ力を従来のレベルと同等に確保しながら、主としてリンク部11によって影響される横方向のグリップ力を抑える(必要以上にあげない)ことができる。
【0014】
従って、雪上・氷上路面での走行時において、タイヤ滑り止め装置を装着した駆動輪とタイヤ滑り止め装置を装着していない従動輪とのバランスを改善し、操縦性能を向上することができる。その結果、例えば、本発明のタイヤ滑り止め装置を前輪駆動輪に装着したFF車では雪上・氷上路面でのコーナリング時に後輪のスライドによるスピンを防止することができ、また本発明のタイヤ滑り止め装置を後輪駆動輪に装着したFR車では雪上・氷上路面でのコーナリング時に後輪の過度のグリップ力によるアンダーステアを防止することができる。
【0015】
【実施例】
タイヤサイズ185/70R14に対応するタイヤ滑り止め装置において、滑り止め本体の基本パターンを図1のように構成し、滑り止め本体の接地面にゲージ変化を付けていない従来例と、滑り止め本体の接地面におけるリンク部の一部をラダー部よりも1.5mm薄くし、そのリンク部の面積に対する薄肉部の面積の割合(%)を種々異ならせた実施例1〜3とを製作した。なお、タイヤ滑り止め装置においてラダー部の厚さは8.5mmとした。
【0016】
これら従来例及び実施例1〜3からなるタイヤ滑り止め装置について、下記条件で円旋回性能、横滑り(前輪、後輪、前後輪のバランス)を評価し、その結果を表1及び表2に示した。
円旋回性能:
各タイヤ滑り止め装置を、排気量2000ccのFF車の前輪又は排気量2000ccのFR車の後輪に装着し、半径20mの円旋回路からなる雪上路面上を走行し、その周回時間を測定した。評価結果は、従来例の測定値の逆数を100とする指数で示した。この指数値が大きいほど円旋回性能が優れている。
【0017】
横滑り:
上記円旋回における横滑りを前輪、後輪、前後輪のバランスについてそれぞれフィーリング評価した。評価結果は、従来例を基準とする5段階評価で示した。この評価値が前後輪のバランスについて大きいほど操縦性能が優れている。
【0018】
【0019】
【0020】
この表1及び表2から明らかなように、実施例1〜3のタイヤ滑り止め装置は横滑りについて前後輪のバランスが従来例に比べて良好であるため操縦性能が優れており、FF車では後輪のスライドによるスピンを生じ難く、FR車では後輪の過度のグリップ力によるアンダーステアを生じ難く、その結果として円旋回性能が優れていた。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ネット状に編成した芯材をゴム又は合成樹脂により被覆した滑り止め本体を備えたタイヤ滑り止め装置において、滑り止め本体の接地面にタイヤ周方向に延在する左右一対のリンク部と、該左右一対のリンク部を互いに連結するようにタイヤ幅方向に延長するラダー部とを設け、リンク部の一部をラダー部の表面よりも陥没する薄肉部に形成したことにより、主としてラダー部によって得られる駆動方向のグリップ力を十分に確保しながら、主としてリンク部によって影響される横方向のグリップ力を抑えることができ、その結果、タイヤ滑り止め装置を装着した駆動輪とタイヤ滑り止め装置を装着していない従動輪とのバランスを改善し、雪上・氷上路面での操縦性能を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態からなるタイヤ滑り止め装置をタイヤに装着した状態を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態からなるタイヤ滑り止め装置を路面側から見た展開図である。
【図3】(A)は図2のタイヤ滑り止め装置におけるA−A矢視断面図であり、(B)はその変形例である。
【図4】図2のタイヤ滑り止め装置におけるリンク部を示す説明図である。
【図5】本発明のタイヤ滑り止め装置の変形例を示す展開図である。
【図6】本発明のタイヤ滑り止め装置の変形例を示す展開図である。
【図7】本発明のタイヤ滑り止め装置の変形例を示す展開図である。
【図8】本発明のタイヤ滑り止め装置の変形例を示す展開図である。
【符号の説明】
1 滑り止め本体
11 リンク部
12 ラダー部
13 スパイク
14 薄肉部
Claims (2)
- ネット状に編成した芯材をゴム又は合成樹脂により被覆した滑り止め本体を備えたタイヤ滑り止め装置において、前記滑り止め本体の接地面にタイヤ周方向に延在する左右一対のリンク部と、該左右一対のリンク部を互いに連結するようにタイヤ幅方向に延長するラダー部とを設け、前記リンク部の一部を前記ラダー部の表面よりも1〜3mm陥没する薄肉部に形成したタイヤ滑り止め装置。
- 前記リンク部の薄肉部の面積を該リンク部の面積の10〜50%にした請求項1に記載のタイヤ滑り止め装置。
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JP36015197A JP4014269B2 (ja) | 1997-12-26 | 1997-12-26 | タイヤ滑り止め装置 |
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Family Applications (1)
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JP36015197A Expired - Fee Related JP4014269B2 (ja) | 1997-12-26 | 1997-12-26 | タイヤ滑り止め装置 |
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JP (1) | JP4014269B2 (ja) |
-
1997
- 1997-12-26 JP JP36015197A patent/JP4014269B2/ja not_active Expired - Fee Related
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