JP4014000B2 - 給水方法および給水装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、発電を可能にした給水方法および給水装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、水道管から直接給水する給水装置の場合、給水設定圧力よりも押し込み圧力が高く、ポンプを運転する必要がないときは、ポンプを停止させ、ポンプと並列に設けられたバイパス管を介して押し込み圧力を給水設定圧力として給水する方法が採られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような方法で給水すると、ポンプを停止させることによって電力を節減することができるが、押し込み圧力を給水設定圧力としているので、給水側に過大な圧力が掛かることになる。
このように給水側に過大な圧力が掛かると、給水配管を継いだ部分の水漏れの要因になる恐れがある。
また、給水配管系統中の実揚程が低い給水要求点に配設された減圧弁に過大な圧力を与えることになるので、減圧弁の故障の要因になる恐れがある。
【0004】
この発明は、上記したような不都合を解消するためになされたもので、給水設定圧力で給水することにより、余剰な水動力で発電することのできる給水方法および給水装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は、ポンプの回転速度を制御して給水設定圧力で給水する給水方法において、ポンプの下流に配設されたタービンの吐出圧力が給水設定圧力となるようにポンプの回転速度を正の揚程に制御するとともに、タービンの回転速度を負の揚程に制御して給水することにより、水動力でタービンを回転させて発電する方法である。
また、他の発明は、ポンプの回転速度を制御部で制御して給水設定圧力で給水する給水装置において、ポンプの下流にタービンを配設し、このタービンに発電機を連結するとともに、タービンの吐出側に圧力検出手段を配設し、制御部が、圧力検出手段の検出圧力が給水設定圧力となるようにポンプの回転速度を正の揚程に制御するとともに、タービンの回転速度を負の揚程に制御するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を図に基づいて説明する。
図1はこの発明の一実施形態である給水装置の構成を示すブロック図である。
図1において、1は水道管、2は水道管1の端部に配設された第1圧力検出器を示し、この第1圧力検出器2は、後述するポンプ6への押し込み圧力hSUを検出するものである。
3は給水配管を示し、水道管1の端部に逆止め弁4を介して接続されている。
【0007】
5は逆止め弁4よりも下流の給水配管3に配設された吸い込み側締め切り弁、6は吸い込み側締め切り弁5よりも下流の給水配管3に配設されたポンプ、7はポンプ6よりも下流の給水配管3に配設された逆止め弁、8は逆止め弁7よりも下流の給水配管3に配設された締め切り弁、9は締め切り弁8よりも下流の給水配管3に配設された第2圧力検出器を示し、この第2圧力検出器9は、ポンプ6の吐出圧力(またはポンプ吐出圧力)hP1を検出するものである。
【0008】
10は第2圧力検出器9よりも下流の給水配管3に配設されたタービン、11はタービン10と並列に給水配管3に接続されたバイパス管、12はバイパス管11に配設された電動開閉弁、13はタービン10よりも下流の給水配管3に配設された第3圧力検出器を示し、この第3圧力検出器13は、タービン10の吐出圧力(またはタービン吐出圧力)hT1を検出するものである。
なお、このタービン10として、通常の渦巻きポンプを逆転、逆流にして使用することにより、低コスト化が図れる。
【0009】
14はバイパス管11の下流側との接続点よりも下流の給水配管3に配設された給水側締め切り弁を示す。
15は制御部を示し、各部の出力に基づき、インバータ16およびポンプ用電動機17を介してポンプ6の回転を制御し、インバータ18およびタービン用電動機19を介してタービン10の回転を制御するとともに、電動開閉弁12の開閉を制御するものである。
【0010】
通常、ポンプ用に使用されるインバータの交流−直流変換を行うコンバータは、三相全波整流ダイオードで構成されているので、このままでは電源回生機能を有しない。
そこで、三相全波整流ダイオードの部分を、トランジスタまたはサイリスタを使用して電源回生可能な整流回路に変更したインバータは、公知であり、荷役機械などの巻き上げ、巻き下げに利用されている。
【0011】
このような電源回生機能を有するインバータを使用することにより、水動力で発電して電力を回生することができる。
また、タービン10を可能な限り電力回生状態で利用するため、インバータ18にタービン用電動機19のトルクTMを検出するトルク検出器(手段)を設ける。
この形式のインバータは、例えばベクトル制御インバータとして公知であり、トルクTMをトルク指令、トルク検出信号として取り出せる。
【0012】
図2は図1に示した制御部15の一例を示すブロック図である。
なお、以下の説明および図面において、圧力を揚程、揚程を圧力と記載することもある。
図2において、15−1は給水圧力設定器を示し、吐出圧力一定制御で給水する場合は実揚程と、管端圧力と、管路損失揚程との和を給水設定圧力hS として設定し、推定末端圧力一定制御で給水する場合は実揚程と、管端圧力との和を設定するものである。
【0013】
15−2は加算器を示し、給水圧力設定器15−1の設定値と、後述する管路損失揚程設定器15−39が出力する管路損失揚程とを加算して給水設定圧力hS を出力するものである。
15−3は減算器を示し、加算器15−2が出力する給水設定圧力hS から第3圧力検出器13が検出した押し込み圧力hT1を差し引いたものを出力するものである。
【0014】
15−4は減算器15−3の出力を処理する比例積分制御器、15−5は比例積分制御器15−4の出力を変換した出力f1Sをインバータ16へ出力するディジタル・アナログ変換器を示す。
15−6は直線指令器を示し、インバータ16,18に内蔵させた直線指令器と同じ特性を有し、比例積分制御器15−4の出力を入力とし、指令推定周波数f* を出力するものである。
【0015】
15−7は一次遅れ要素を示し、各電動機17,19におけるその速度(回転数または周波数)までの伝達遅れに近似させて直線指令器15−6の出力をポンプ推定速度n* として出力するものである。
15−8は二乗演算器を示し、一次遅れ要素15−7のポンプ推定速度n* を入力としてn*2を出力するものである。
15−9は定数乗算器を示し、二乗演算器15−8の出力n*2にポンプ6の特性であるポンプ定数aを掛けたものを出力するものである。
【0016】
15−10は押し込み固定損失設定器を示し、逆止め弁4の固定損失揚程hSUC を設定するものである。
15−11は減算器を示し、第1圧力検出器2が出力する押し込み圧力hSUから押し込み固定損失設定器15−10が出力する固定損失揚程hSUC を差し引いた有効押し込み圧力hSUA を出力するものである。
15−12は切換スイッチを示し、水道管1から直接給水する場合の減算器15−11の有効押し込み圧力hSUA 、または受水槽から給水する場合のゼロを選択するものである。
【0017】
15−13は減算器を示し、第2圧力検出器9が出力するポンプ吐出圧力hP1から切換スイッチ15−12の出力を差し引いたものを出力するものである。
15−14は減算器を示し、定数乗算器15−9の出力から減算器15−13の出力を差し引いたものを出力するものである。
15−15は演算器を示し、ポンプ6の締め切り圧力と、減算器15−14の出力とから二乗推定流量q*2を演算して出力するものである。
【0018】
15−16は平方根演算器を示し、演算器15−15の二乗推定流量q*2から推定流量q* を演算して出力するものである。
15−17は最小設定流量qmin を設定する最小流量設定器、15−18は減算器を示し、この減算器15−18は、最小流量設定器15−17が出力する最小設定流量min から平方根演算器15−16が出力する推定流量q* を差し引いたものを出力するものである。
【0019】
15−19は比較器を示し、減算器15−18の出力がゼロよりも大きければ、オン信号(ハイ信号)を出力し、減算器15−18の出力がゼロ以下であれば、オフ信号(ロー信号)を出力するものである。
15−20は減算器を示し、第2圧力検出器9が出力するポンプ吐出圧力hP1から第3圧力検出器13が出力するタービン吐出圧力hT1を差し引いたものをタービン発生圧力hT として出力するものである。
【0020】
15−21は減算器を示し、第1圧力検出器2が出力する押し込み圧力hSUから加算器15−2が出力する給水設定圧力hS を差し引いた要求有効回生圧力hARを出力するものである。
15−22は減算器を示し、減算器15−20が出力するタービン発生圧力hT から減算器15−21が出力する要求有効回生圧力hARを差し引いたものを出力するものである。
【0021】
15−23は比較器を示し、減算器15−22の出力がゼロ未満であれば、すなわち要求有効回生圧力hARがタービン発生圧力hT よりも大きくなると、オン信号(ハイ信号)を出力し、減算器15−22の出力がゼロ以上であれば、オフ信号(ロー信号)を出力するものである。
15−24はポンプ速度設定器を示し、ポンプ6の速度nP2を設定するものである。
【0022】
15−25は減算器を示し、ポンプ速度設定器15−24が出力する速度nP2から一次遅れ要素15−7の出力n*2を差し引いたものを出力するものである。15−26は比較器を示し、減算器15−25の出力がゼロ以下であれば、オン信号(ハイ信号)を出力するとともに記憶し、減算器15−23のオン信号(ハイ信号)がリセット端子Rに供給されることにより、リセットする。
15−27はNAND回路を示し、比較器15−23の出力がそのまま入力され、比較器15−26の出力は反転されて入力される。
【0023】
15−28の第1タービン速度設定器を示し、タービン10の速度n1 を設定するものである。
15−29の第2タービン速度設定器を示し、タービン10の速度n2 を設定するものである。
15−30はタービン速度切換器を示し、NAND回路15−27の出力が供給されるコイル15−30aと、このコイル15−30aが消磁されると、第1タービン速度設定器15−28が出力する速度n1 を選択し、コイル15−30aが励磁されると、第2タービン速度設定器15−29が出力する回転速度n2 を選択する接片15−30bとで構成されている。
【0024】
15−31は比較器を示し、減算器15−21からの要求有効回生圧力hARがゼロ以下であれば、オン信号(ハイ信号)を出力し、減算器15−21からの要求有効回生圧力hARがゼロよりも大きければ、オフ信号(ロー信号)を出力するものである。
15−32は比較器を示し、インバータ18からのトルクTMがゼロ以上であれば、オン信号(ハイ信号)を出力し、インバータ18からのトルクTMがゼロ未満であれば、オフ信号(ロー信号)を出力するものである。
【0025】
15−33は比較器15−19,15−31,51−32の出力を入力とするOR回路、15−34はタイマを示し、このタイマ15−34は、OR回路15−33からのオン信号(ハイ信号)が一定時間継続すると、すなわち要求有効回生圧力hARがゼロ以下になり、またはタービン10のトルクがゼロ以上になり、または流量が最小設定流量qmin 以下になって一定時間継続すると、オン信号(ハイ信号)を出力する。
【0026】
15−35はタイマ15−34の出力を増幅する増幅器、15−36は停止速度指令器を示す。
15−37はタービンおよび電動開閉弁制御用リレーを示し、増幅器15−35の出力が供給されるコイル15−37aと、このコイル15−37aが消磁されると、接片15−30bの出力を選択し、コイル15−37aが励磁されると、停止速度指令器15−36の出力を選択する第1接片15−37bと、コイル15−37aが消磁されると、バイパス管11の管路を閉成させる信号BCを電磁開閉弁12へ出力し、コイル15−37aが励磁されると、バイパス管11の管路を開放させる信号BCを電磁開閉弁12へ出力する第2接片15−37cとで構成されている。
【0027】
このようにタービン10を停止させ、電磁開閉弁12を開放させると、タービン10の摩擦損出はバイパス管11の摩擦損出よりも大きいので、水は殆どバイパス管11を流れる。
また、タービン10を停止させる場合、インバータ18に備えられた直線指令器に設定された減速度にしたがって緩やかにゼロ速度になるため、タービン10の停止に伴う圧力変動は緩和される。
【0028】
15−38は第1接片15−30bの選択した出力を変換した出力f2Sをインバータ18へ出力するディジタル・アナログ変換器を示す。
15−39は管路損失揚程設定器を示し、演算器15−15の出力である二乗推定流量q*2に管路損失係数kを掛けたものを出力する係数乗算器15−39aと、この係数乗算器15−39aの出力を加算器15−2へ出力するかを選択する選択スイッチ15−39bとで構成されている。
【0029】
したがって、給水圧力設定器15−1に実揚程と、管端圧力と、管路損失揚程との和を給水設定圧力hS として設定し、スイッチ15−39bを開放させることにより、吐出圧力一定制御で給水することができる。
なお、以下においては、吐出圧力一定制御で給水するものとして説明する。
【0030】
図3はポンプおよびタービンの動作説明図である。
図3において、hP11 は、押し込み圧力hSUがゼロのとき、定格揚程、定格流量でポンプ6を運転している場合の揚程−流量を示すポンプ特性である。
いま、押し込み圧力が図示のhSUで、給水設定圧力が図示のhS である場合の吐出圧力一定制御、すなわち選択スイッチ15−39bがオフの状態について説明する。
【0031】
前述したように、要求有効回生圧力hARは、第(1)式のように表すことができる。
【0032】
【数1】
【0033】
しかし、要求有効回生圧力hARが正の場合(hAR≧0)、従来の構成ではポンプ6の動作点が負の揚程になるため、制御できなかった。
そこで、本発明では、要求有効回生圧力hARに対向する負の揚程を、ポンプ6に対して直列に配設したタービン10で発生させ、その値を、例えば図3に示すように、定格流量においてP1 −Eの揚程をタービン10の速度n1 で発生させようにする。
【0034】
つまり、P1 −Eの揚程は、要求有効回生圧力hAR以上となる。
このとき、タービン特性をhT11 とすると、ポンプ6の動作点は、揚程が正の領域の点Eとなり、圧力制御が可能となる。
そして、給水量が減少し、例えば点Dまで減少すると、タービン吐出圧力(揚程)hT1が要求有効回生圧力hARに等しくなるので、タービン特性hT12 となる速度n2 にタービン10の速度を切り換える。
【0035】
このようにタービン10を制御することにより、流量が減少してもポンプ6の動作点を常に正の揚程の領域におくことが可能になり、ポンプ6による吐出圧力一定制御が可能になる。
ところで、逆に流量が増加した場合、例えば点D以上に増加した場合、ポンプ6によって加圧する揚程が大きくなり過ぎるため、タービン特性hT12 をタービン特性hT11 とするためにタービン10の速度をn2 からn1 に切り換える必要がある。
【0036】
このタービン10の速度の切り換えは、有効回生全圧力または有効回生全揚程を監視することによって可能であり、図2において、ポンプ6の速度をポンプ推定速度n* で検出し、ポンプ特性hP12 を与える速度n2 をポンプ速度設定器15−24に設定し、両者を比較器15−26で比較することにより、NAND回路15−27を介してタービン速度切換器15−30のコイル15−30aを消磁させ、タービン10の速度をn1 に切り換えている。
もちろん、図3において、ポンプ6の速度の検出に代えて推定流量q* が点Dの流量以上になったことを検出し、切り換えることも可能である。
【0037】
以上の制御によって給水設定圧力hS は一定に制御され、その動作点は、図3の流量が点D″−D−D′と変化するのに対応してP1 −P2 −P3 線上を移動することになる。
他方、ポンプ6の吐出圧力hP1の軌跡は、タービン10が存在するため、図3のE−D−E′−D′の曲線となり、一定圧力とならない。
【0038】
上述したように、この発明の一実施形態によれば、押し込み圧力hSUが給水設定圧力hS よりも大きい場合、従来では不可能であったポンプ6の速度制御による圧力制御が可能になる。
【0039】
次に、水動力による回生動作について説明する。
図3においてタービン10に与えられる理論水動力は、流量100%の場合、面積BHEP1 に比例した大きさとなる。
しかし、面積B0D″P1 に比例した理論水動力は、押し込み側から与えられる余剰の水動力相当分である。
また、面積0HED″の理論水動力は、圧力制御のために追加されたポンプ6によって与えられた理論水動力である。
つまり、この発明では、定圧力制御を行いながら、押し込み側から与えられた余剰の水動力、圧力制御を行うために追加されたポンプ6の水動力を一緒に回生できる点に特徴がある。
【0040】
このように制御する場合、タービン10の特性とその効率特性が重要である。
そこで、前述したように、汎用の渦巻きポンプを逆転、逆流状態でタービン動作を行わせている。
このタービン10の特性を図4に示すが、図4はタービン10の速度nをパラメータとした場合の揚程と流量との関係を単位法で示したものである。
図4において、●印はインバータ18のトルクTMがゼロになる点であり、この点よりも大流量側において、タービン用電動機19は回生制動領域、つまり電力回生領域で動作する。
【0041】
つまり、トルクTMが負の状態で、タービン10は水動力を回生運転できることになり、実際、トルクTMの負の値と、そのときのタービン10の速度の積に相当した動力を電源に回生する。
しかし、トルクTMがゼロ点よりも小流量側では、タービン用電動機19は電動領域で動作し、タービン10はポンプ6として動作していることになり、トルクTMの正の値と、そのときのタービン10の速度の積に相当する動力を消費する。
つまり、この場合には、電力を消費している。
【0042】
そこで、省エネルギーのためには、トルクTMが負になる領域でのみタービンを使用することが望ましい。
したがって、この発明では、前述したように、トルクTMがゼロか、正の値になる場合、タービン10をバイパスさせ、タービン10を停止させている。
【0043】
図5はこの発明の一実施態様におけるタービン10の代表的効率特性を示す図で、速度が一定の場合、流量低下に対応してタービン10の効率が低下することが分かる。
したがって、流量低下に伴ってタービン10の速度を切り換える前述の説明は、圧力制御可能な条件を得る手段の他、タービン10の効率低下の改善対策にもなっている。
また、図5に示したように、選定された定格のポンプは、ある流量点以下で流量低下に伴う効率の低下が著しくなる。
【0044】
そこで、図5の特性からタービン10の定格流量の選定、特に、最小流量の決定が重要であり、必要以上の低流量での使用は、効率の点からも好ましくない。
この問題の対策として、図2に示すように、最小設定流量qmin の設定を行う最小流設定器15−17と、推定流量q* と最小設定流量qmin とを比較する比較器15−19とを設け、推定流量q* が最小設定流量qmin よりも小さくなる場合は、電動弁12を開放してタービン10をバイパスさせるとともに、タービン10を停止させる。
【0045】
次に、推定流量の演算を図2を参照して説明する。
前述したように、直線指令器15−6はインバータ16に内蔵された直線指令器と同じ特性で、比例積分制御器15−4の出力信号をインバータ16の指令周波数推定値f* として出力する。
この指令周波数推定値f* は一次遅れ要素15−7によってポンプ6の速度のポンプ推定速度n* となり、二乗演算器15−8によって出力n*2になる。
【0046】
この出力n*2にポンプ6の締め切り揚程を決定するポンプ定数aを定数乗算器15−9で掛ければ、an*2、すなわちポンプ6の推定締め切り揚程を得ることができる。
このポンプ6の推定締め切り揚程(an*2)を利用する第(3)式によって二乗推定流量q*2を得ることができ、第(4)式によって推定流量q* を得ることができる。
【0047】
【数2】
【0048】
【数3】
【0049】
【数4】
【0050】
ただし、n* :ポンプ推定速度(p.u.)=N* /NN (p.u.)
N* :ポンプ推定速度(rpm)
NN :ポンプ定格速度(rpm)
hSU :押し込み揚程(p.u.)=HSU /HN (p.u.)
HSU :押し込み揚程(逆止め弁4の入り側)(m)
HN :ポンプ6の定格揚程(m)
hSUC :固定損失揚程(逆止め弁4)(p.u.)=HSUC /HN (p.u.)
HSUC :固定損失揚程(逆止め弁4)(m)
a :ポンプ定数
b :ポンプ定数
hSUL :定数
hP * :ポンプ推定揚程=(an*2−bq*2)(p.u.)
hP1 :ポンプ吐出揚程(p.u.)=HP /HN (p.u.)
HP :ポンプ吐出揚程(m)
【0051】
次に、推定末端圧力一定制御の場合について説明する。
図2の演算器15−15の出力側に、第(3)式に示した二乗推定流量q*2が得られるので、この値に管路損失係数k(ただし、k<1.0)を掛けた値、kq*2を加えた値を給水設定圧力hS とするように変更することにより、実現できる。
すなわち、給水圧力設定器15−1の設定値hS1を第(5)式のように設定すればよい。
【0052】
【数5】
【0053】
ただし、ha :給水負荷の実揚程(p.u.)=Ha /HN (p.u.)
Ha :給水負荷の実揚程(m)
HN :ポンプ6の定格揚程(m)
hk :給水管端揚程(p.u.)=HK /HN (p.u.)
Hk :給水管端揚程(m)
k :管路損失係数(k<1.0)
【0054】
このように変更することにより、タービン10の吐出側の圧力は、第(5)式の設定値hS1、つまり推定末端圧力一定に制御されることになり、図2の管路損出揚程設定器15−39は第(5)式のkq*2を演算する。
また、設定値hS1と有効押し込み圧力hSUA との差により、要求有効回生圧力hARが演算され、タービン10の速度の切り換えや、要求有効回生圧力hARが負の場合のタービン10の停止、電動開閉弁12の開放などの制御は、前述した吐出圧力一定の場合と同様である。
【0055】
上記した実施形態は、水道管1から直接給水する例を示したが、受水槽から給水する場合、切換スイッチ15−11を受水槽側であるゼロ側へ切り換え、第(3)式の定数hSUL をゼロにすればよい。
このように受水槽から給水する場合、逆止め弁4が省略できる。
また、電動開閉弁12を開放させてバイパス管11を介して給水する場合、タービン10を停止させたが、タービン10を極低速、例えば定格の5%〜10%位の速度で回転させておくと、錆の発生を防止でき、軸受け、メカニカルシールの長寿命化を図ることができる。
【0056】
【発明の効果】
以上のように、従来、可変速でポンプを制御する給水装置では給水設定圧力よりも押し込み圧力が大きい場合、圧力制御が不可能であったが、この発明によって圧力制御が可能となり、押し込み圧力が過大な場合においても、調整された給水設定圧力で質のよい給水ができる。
また、余剰な水動力を電力として回生できるので、また、タービンのトルクを監視し、タービンがタービン動作を外れた場合、タービンを停止させ、開閉弁を開放させてバイパス管側から給水するので、省エネルギー効果の大きな給水装置を提供できる。
また、タービンの速度を切り換えることにより、安価で効率よく電力を回生する給水装置を提供できる。
なお、タービンとして汎用のポンプを利用することにより、さらに安価な給水装置となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態である給水装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した制御部の一例を示すブロック図である。
【図3】ポンプおよびタービンの動作説明図である。
【図4】タービンの速度をパラメータとした揚程−流量特性図である。
【図5】タービンの流量−効率特性図である。
【符号の説明】
1 水道管
2 第1圧力検出器
3 給水配管
4 逆止め弁
5 吸い込み側締め切り弁
6 ポンプ
7 逆止め弁
8 締め切り弁
9 第2圧力検出器
10 タービン
11 バイパス管
12 電動開閉弁
13 第3圧力検出器
14 給水側締め切り弁
15 制御部
15−1 給水圧力設定器
15−2 加算器
15−3 減算器
15−4 比例積分制御器
15−5 ディジタル・アナログ変換器
15−6 直線指令器
15−7 一次遅れ要素
15−8 二乗演算器
15−9 定数乗算器
15−10 押し込み固定損失設定器
15−11 減算器
15−12 切換スイッチ
15−13 減算器
15−14 減算器
15−15 演算器
15−16 平方根演算器
15−17 最小流量設定器
15−18 減算器
15−19 比較器
15−21 減算器
15−22 減算器
15−23 比較器
15−24 ポンプ速度設定器
15−25 減算器
15−26 比較器
15−27 NAND回路
15−28 第1タービン速度設定器
15−29 第2タービン速度設定器
15−30 タービン速度切換器
15−31 比較器
15−33 OR回路
15−34 タイマ
15−35 増幅器
15−36 停止速度指令器
15−37 タービンおよび電動開閉弁制御用リレー
15−38 ディジタル・アナログ変換器
15−39 管路損失揚程設定器
16,18 インバータ
17 ポンプ用電動機
19 タービン用電動機
Claims (12)
- ポンプの回転速度を制御して給水設定圧力で給水する給水方法において、
前記ポンプの下流に配設されたタービンの吐出圧力が前記給水設定圧力となるように前記ポンプの回転速度を正の揚程に制御するとともに、前記タービンの回転速度を負の揚程に制御して給水することにより、水動力で前記タービンを回転させて発電する、
ことを特徴とする給水方法。 - 請求項1に記載の給水方法において、
前記タービンの発生圧力が、前記ポンプへの押し込み圧力と前記給水設定圧力との差である要求有効回生圧力よりも大きくなるように前記タービンの速度を制御している状態で、
前記タービンの発生圧力が前記要求有効回生圧力以下のときは、前記タービンの発生圧力を大きくなるように前記タービンの回転速度を制御し、
前記タービンの発生圧力が前記要求有効回生圧力よりも大きいときは、前記タービンの発生圧力を小さくなるように前記タービンの回転速度を制御する、
ことを特徴とする給水方法。 - 請求項1に記載の給水方法において、
前記ポンプへの押し込み圧力が前記給水設定圧力以下のときは、前記ポンプの吐出側と前記タービンの吐出側とを接続するバイパス管に配設された開閉弁を開放させ、前記タービンを停止または極低速で回転させる、
ことを特徴とする給水方法。 - 請求項3に記載の給水方法において、
前記タービンのトルクがゼロ以上になる状態が一定時間継続すると、前記開閉弁を開放させ、前記タービンを停止または極低速で回転させる、
ことを特徴とする給水方法。 - 請求項3に記載の給水方法において、
演算して求めた推定流量が最小設定流量以下になる状態が一定時間継続すると、前記開閉弁を開放させ、前記タービンを停止または極低速で回転させる、
ことを特徴とする給水方法。 - 請求項3に記載の給水方法において、
前記ポンプへの押し込み圧力と前記給水設定圧力との差である要求有効回生圧力がゼロ以下になる状態が一定時間継続すると、前記開閉弁を開放させ、前記タービンを停止または極低速で回転させる、
ことを特徴とする給水方法。 - ポンプの回転速度を制御部で制御して給水設定圧力で給水する給水装置において、
前記ポンプの下流にタービンを配設し、
このタービンに発電機を連結するとともに、
前記タービンの吐出側に圧力検出手段を配設し、
前記制御部は、前記圧力検出手段の検出圧力が前記給水設定圧力となるように前記ポンプの回転速度を正の揚程に制御するとともに、前記タービンの回転速度を負の揚程に制御する、
ことを特徴とする給水装置。 - 請求項7に記載の給水装置において、
前記制御部は、前記タービンの発生圧力が前記ポンプへの押し込み圧力と前記給水設定圧力との差である要求有効回生圧力よりも大きくなるように前記タービンの速度を制御している状態で、
前記タービンの発生圧力が前記要求有効回生圧力以下になると、前記タービンの発生圧力を大きくなるように前記タービンの回転速度を制御し、
前記タービンの発生圧力が前記要求有効回生圧力よりも大きくなると、前記タービンの発生圧力を小さくなるように前記タービンの回転速度を制御する、
ことを特徴とする給水装置。 - 請求項7に記載の給水装置において、
前記ポンプの吐出側と前記タービンの吐出側とをバイパス管で連結し、
このバイパス管に開閉弁を配設し、
前記制御部は、前記ポンプへの押し込み圧力が前記給水設定圧力以下のときに前記開閉弁を開放させ、前記タービンを停止または極低速で回転させる、
ことを特徴とする給水装置。 - 請求項9に記載の給水装置において、
前記タービンのトルクを検出するトルク検出手段を設け、
前記制御部は、前記トルク検出手段のトルクがゼロ以上になる状態が一定時間継続すると、前記開閉弁を開放させ、前記タービンを停止または極低速で回転させる、
ことを特徴とする給水装置。 - 請求項9に記載の給水装置において、
前記制御部は、演算して求めた推定流量が最小設定流量以下になる状態が一定時間継続すると、前記開閉弁を開放させ、前記タービンを停止または極低速で回転させる、
ことを特徴とする給水装置。 - 請求項9に記載の給水装置において、
前記制御部は、前記ポンプへの押し込み圧力と前記給水設定圧力との差である要求有効回生圧力がゼロ以下になる状態が一定時間継続すると、前記開閉弁を開放させ、前記タービンを停止または極低速で回転させる、
ことを特徴とする給水装置。
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JP30540998A JP4014000B2 (ja) | 1998-10-27 | 1998-10-27 | 給水方法および給水装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP30540998A JP4014000B2 (ja) | 1998-10-27 | 1998-10-27 | 給水方法および給水装置 |
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Family Applications (1)
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JP30540998A Expired - Fee Related JP4014000B2 (ja) | 1998-10-27 | 1998-10-27 | 給水方法および給水装置 |
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Country | Link |
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-
1998
- 1998-10-27 JP JP30540998A patent/JP4014000B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2000129662A (ja) | 2000-05-09 |
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