JP4013832B2 - 車両冷却システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両冷却システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両には、エンジン等の熱源と熱交換器との間に冷媒(冷却水)を循環させることにより熱交換を行う車両冷却システムが備えられている。従来、車両冷却システムにおいては、エンジン等が排出する過剰な熱量を外気に放出する排熱機能が主たる機能とされていたが、近年では、排出熱量を積極的に利用することにより、車両走行性や燃費及び快適性の向上を図るようになってきている。
【0003】
例えば、従来の車両冷却システムにおいては、冷却水と作動油との間で熱交換を行う作動油熱交換器は、エンジン高負荷時の過剰昇温防止や作動油の劣化防止を主たる目的とするものであったが、近年では、エンジン暖機とともに早期昇温を図り潤滑及び作動効率を向上させる機能が求められるようになっている。
【0004】
しかし、単に、車室ヒータが配置された利熱回路にATFウォーマ等の昇温用作動油熱交換器を追加したのでは、車室ヒータに必要な熱量が供給されない場合があり、供給熱量の不足を補うべく、これら昇温用熱交換器の性能向上(容量増大)を図った場合には、車両冷却システム全体の通水抵抗が増大する。その結果、循環ポンプの容量増大が必要となり、より多くのエネルギーがポンプ駆動に費やされるため、燃費が悪化するという問題がある。さらに、車両冷却システムの通水抵抗が増加することにより、循環ポンプにおけるキャビテーションが誘発されやすくなるため、信頼性が低下するという問題がある。
【0005】
このような問題を解決するものとして、ATFウォーマ回路部分とヒータ回路部分とを並列に設けるとともに、両回路部分の流れ割合を変えるバルブを設け、ヒータ流量必要時にバルブによりヒータ回路部分に冷却水を流すものが知られている。そして、このような構成とすることにより、極寒時等、空調用ヒータ流量が必要な時の、空調用ヒータ流量を確保することができる(特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−364362号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の車両冷却システムでは、極寒時等における空調用ヒータ流量の確保を目的としているため、極寒時以外の多くの状況において、各熱交換器に対する熱量配分が偏る可能性があり、最も多くの熱量供給を必要とする熱交換器に十分な熱量が供給されないおそれがある。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、より好適な熱量分配が可能な車両冷却システムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数の熱交換器を備え熱源を冷却する冷媒が循環される冷却回路と、該冷却回路に前記冷媒を循環させる循環手段とを備え、前記冷却回路は、前記冷媒を冷却するために該冷媒と空気との間で熱交換するための第1の熱交換器を有する排熱系流路と、前記冷媒と車両の所定箇所に供給する空気との間で熱交換するための第2の熱交換器及び前記冷媒と作動油との間で熱交換するための第3の熱交換器を有する利排熱系流路とを備え、前記排熱系流路と前記利排熱系流路との間の流量配分を変化させる第1の分配制御手段を備えた車両冷却システムであって、少なくとも前記第2の熱交換器と前記第3の熱交換器とを含む複数の熱交換器のうち優先的に熱量を供給する熱交換器が予め設定されており、前記冷却回路は、前記利排熱系流路において前記第2の熱交換器が配置された第1の流路と前記第3の熱交換器が配置された第2の流路とが直列に接続されるよう構成されるとともに、前記第1の流路又は前記第2の流路のうち下流に配置された流路と並列に接続されたバイパス経路と、該バイパス経路の流路面積を可変する制御弁とを備えることを要旨とする。
【0011】
請求項に記載の発明は、前記優先的に熱量を供給する熱交換器に優先的に熱量供給がなされるよう、少なくとも前記第2の熱交換器が配置された第1の流路と前記第3の熱交換器が配置された第2の流路との間の流量配分を変化させる第2の分配制御手段を備えたことを要旨とする。
【0012】
請求項に記載の発明は、少なくとも前記優先的に熱量を供給する熱交換器の放受熱量を算出する算出手段と、前記放受熱量に基づいて少なくとも前記優先的に熱量を供給する熱交換器が必要とする熱量を推定する推定手段と、前記推定手段の推定結果及び前記放受熱量に基づいて、前記優先的に熱量を供給する熱交換器に必要な熱量供給がなされ、余剰熱量がある場合には、該余剰熱量が他の前記熱交換器に分配されるよう前記第2の分配制御手段の作動を制御する制御手段を備えたことを要旨とする。
【0013】
請求項に記載の発明は、前記冷却回路内の冷媒の温度を検出する複数の温度検出手段と、前記冷却回路内の冷媒の流量を検出する複数の流量検出手段とを備え、前記算出手段は、前記冷媒の温度及び流量に基づいて前記放受熱量を算出することを要旨とする。
【0014】
請求項に記載の発明は、前記第1の分配制御手段は、前記排熱系流路と前記利排熱系流路との合流点に設けられ、少なくとも前記利排熱系流路の冷媒の温度を感温し該温度が所定の作動温度を超えることにより作動するものであって、前記第2の分配制御手段は、前記作動温度よりも低い前記温度から作動するよう設定されていることを要旨とする。
【0015】
請求項に記載の発明は、前記冷却回路は、前記利排熱系流路において少なくとも前記第1の流路と前記第2の流路とが並列に接続されるよう構成され、前記第2の分配制御手段は、前記第1の流路と前記第2の流路との合流点に設けられることを要旨とする。
【0017】
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、少なくとも第2の熱交換器又は第3の熱交換器を含む複数の熱交換器のうち優先的に熱量供給がなされる熱交換器が予め設定されているので、簡素な構成及び単純な制御にて、熱量を必要とする熱交換器に対し好適な熱量分配が可能になり、車両燃費、走行性及び快適性が向上する。加えて、第2の熱交換器又は第3の熱交換器のうち上流に配置される熱交換器に優先的に熱量供給がなされる。また、下流に配置された熱交換器についても、制御弁にてバイパス経路の流路面積を可変させバイパス経路の通水抵抗を可変させることにより、冷媒流量が制御される。その結果、優先的に熱量供給をすべき熱交換器に優先的に熱量供給し、相対的に優先順位の低い熱交換器についても必要な熱量供給がなされる。さらに、バイパス経路の流路面積を大きく設計することにより、相対的に優先順位の低い熱交換器が熱量を必要としない場合には、制御弁を全開とすることにより、相対的に優先順位の低い熱交換器が配置された流路に冷媒が略流れない状態とし通水抵抗を低減することが可能となる。その結果、車両燃費、走行性及び快適性が向上する。
【0019】
請求項に記載の発明によれば、第2の分配制御手段にて少なくとも第1の流路と第2の流路との間の流量配分を変化させることにより、優先的に熱量を供給する熱交換器に優先的に熱量供給がなされる。
【0020】
請求項に記載の発明によれば、熱交換器の放受熱量を算出し、優先的に熱量供給がなされる熱交換器が必要とする熱量を推定することにより、優先的に熱量供給がなされる熱交換器に必要な熱量供給がなされ、余剰熱量がある場合には、該余剰熱量が他の熱交換器に分配される。従って、さらに効果化な熱量供給が可能となるので、より好適な熱量分配となる。その結果、車両燃費、走行性及び快適性が向上する。
【0021】
請求項に記載の発明によれば、冷却回路内の冷媒の温度及び流量に基づいて熱交換器の放受熱量を算出するので、熱交換器が必要とする熱量を正確に推定することが可能になるとともに、熱交換器に供給される熱量を正確に且つリアルタイムに把握することが可能になる。従って、効果的且つ精度のよい熱量分配が可能になる。
【0022】
請求項に記載の発明によれば、前記第1の分配制御手段は、利排熱系流路の冷媒の温度が所定の作動温度を超えることにより作動し、第2の分配制御手段は前記作動温度よりも低い温度から作動する。従って、特にエンジン冷間時等の熱供給量が少ない場合においても、利排熱系流路に配置された各熱交換器に対し有効に熱量分配がなされるので、より好適な熱量分配が可能になる。
【0023】
請求項に記載の発明によれば、第1の流路と第2の流路と合流点に第2の分配制御手段を設けたので、流量分配の自由度が向上する。その結果、過度の通水抵抗の上昇を回避しつつ好適な熱量分配が可能になる。
【0025】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明を車両冷却システムに具体化した第1の実施形態を図面に従って説明する。
【0026】
図1に示すように、本実施形態の車両冷却システム1は、熱源としてのエンジン2と、エンジン2を冷却する冷媒としての冷却水が循環される冷却回路3と、冷却回路3に冷却水を循環させる循環手段としてのウォータポンプ(W/P)4とを備えている。尚、本実施形態のエンジン2は内燃機関であるが、燃料電池を動力源とする車両においては、燃料電池が熱源となる。
【0027】
ウォータポンプ4は、エンジン2に駆動される機械駆動式のウォータポンプであり、本実施形態では、エンジン2内へ冷却水を導入するエンジン導入口2aの近傍に設けられている。そして、ウォータポンプ4は、冷却水をエンジン2内へ圧送することにより、冷却回路3内に冷却水を循環させる。
【0028】
冷却回路3上には、熱交換器が配置されており、エンジン2内を通過する際に受熱した(即ちエンジン2を冷却した)冷却水は、エンジン出口2bから吐出され冷却回路3内を循環する。そして、冷却水は、冷却回路3内を循環し熱交換器を通過する際に冷却(放熱)され、ウォータポンプ4にて再びエンジン2内へと圧送される。
【0029】
本実施形態の車両冷却システム1は、複数の熱交換器を備えている。詳しくは、車両冷却システム1は、第1の熱交換器としてのラジエータ5と、第2の熱交換器としての車室ヒータ(R/H)6と、第3の熱交換器としてのATFウォーマ(ATF/W)7との3つの熱交換器を備えている。
【0030】
ラジエータ5は、冷却水と空気(外気)との熱交換により冷却水に蓄熱された熱量を車外へ排熱する装置であり、冷却水は、このラジエータ5内を通過することにより冷却される。尚、ラジエータ5には、車速風が導入されるとともに、冷却ファン(図示せず)による送風が行われる。
【0031】
車室ヒータ6は、車室内の暖房及びオートエアコンの送風温度(車室吹出温度)を調整するための装置であり、冷却水と空気との熱交換により冷却水に蓄熱された熱量を車室内に導入される空気に分配する。
【0032】
ATFウォーマ7は、冷却水とATF(Automatic Transmission Fluid)との間の熱交換を行う装置であり、冷却水よりもATFの温度が低い場合には、冷却水に蓄熱された熱量をATFに分配する。即ち、ATFウォーマ7は、ATFの昇温機能を有しており、始動時及び暖気時等のエンジン2の油温冷間時には、主にオートマチックトランスミッション(図示せず)の潤滑及び作動効率を向上させる目的でATFの早期昇温に用いられる。
【0033】
尚、ATFウォーマ7は、冷却水よりもATFの温度が高い場合には、ATFに蓄熱された熱量を冷却水に排熱するオイルクーラーとして機能し、高負荷走行時等の油温上昇時には、ATFの劣化を防止するためATFの冷却に用いられる。
【0034】
本実施形態の冷却回路3は、ラジエータ5が配置されたラジエータ流路11を有する排熱系流路12と、車室ヒータ6及びATFウォーマ7が各々配置された車室ヒータ流路13及びATFウォーマ流路14を有する利排熱系流路15とが並列に接続されるように構成されている。そして、排熱系流路12と利排熱系流路15との合流点には、排熱系流路12を流れる冷却水と利排熱系流路15を流れる冷却水との流量配分を変化させる第1の分配制御手段としてのサーモスタット16が設けられている。尚、本実施形態では、車室ヒータ流路13が第1の流路を構成し、ATFウォーマ流路14が第2の流路を構成している。
【0035】
サーモスタット16は、冷却水の温度に応じて排熱系流路12の流量と利排熱系流路15の流量を分配する。本実施形態のサーモスタット16は、排熱系流路12及び利排熱系流路15から流入する冷却水の水温を感知し、メインバルブ(図示せず)にて、排熱系流路12から流入する冷却水の流量を制御することにより排熱系流路12を流れる冷却水と利排熱系流路15を流れる冷却水との流量配分を変化させる。
【0036】
具体的には、本実施形態のサーモスタット16では、メインバルブは、利排熱系流路15から流入する冷却水の水温がエンジン制御水温として設定された水温付近となるまで閉弁状態を維持し、かかる冷却水の水温がエンジン制御水温付近にまで上昇した場合に徐々に開弁するように設定されている。そして、サーモスタット16は、排熱系流路12から流入する水温の低い冷却水の流量を増加させることによりエンジン2内に導入される冷却水の水温をエンジン制御水温に維持する。
【0037】
尚、本実施形態の冷却回路3は、排熱系流路12及び利排熱系流路15と並列接続されたバイパス流路17を有しており、バイパス流路17もまたサーモスタット16に接続されている。そして、サーモスタット16は、バイパスバルブ(図示せず)にて、バイパス流路17から流入する冷却水の流量を制御することにより、排熱系流路12及び利排熱系流路15を流れる冷却水と、バイパス流路17を流れる冷却水との流量配分を変化させる。本実施形態のサーモスタット16では、メインバルブが略最大開口状態となったときにバイパスバルブが閉弁されるよう設定されている。
【0038】
また、車両冷却システム1は、車室ヒータ流路13を流れる冷却水とATFウォーマ流路14を流れる冷却水との流量配分を変化させる第2の分配制御手段としての分配制御弁18と、分配制御弁18の作動を制御する決定手段、制御手段、算出手段、推定手段としてのコントローラ部19とを備えている。
【0039】
本実施形態の冷却回路3は、利排熱系流路15において、車室ヒータ流路13とATFウォーマ流路14とが並列に接続されるように構成されており、分配制御弁18は、車室ヒータ流路13とATFウォーマ流路14との合流点に配設されている。
【0040】
分配制御弁18は、流路面積可変機構(図示せず)を備えており、この流路面積可変機構にて、車室ヒータ流路13とATFウォーマ流路14との流路面積の比率を変化させることにより、車室ヒータ流路13を流れる冷却水とATFウォーマ流路14を流れる冷却水との流量配分を変化させる。尚、本実施形態の分配制御弁18では、電動アクチュエータを駆動源とする電磁弁により流路面積可変機構が構成されている。
【0041】
コントローラ部19は、分配制御弁18を制御し、車室ヒータ流路13を流れる冷却水とATFウォーマ流路14を流れる冷却水との流量配分を変化させることにより、車室ヒータ6及びATFウォーマ7に供給される熱量配分を最適化する。
【0042】
本実施形態では、コントローラ部19は、車両要求条件に応じて優先的に熱量供給を行う熱交換器(流路)の優先順位を決定する。そして、コントローラ部19は、車室ヒータ流路13及びATFウォーマ流路14を流れる冷却水の流量配分について、優先順位の高い方に優先的な流量配分となる、即ち車室ヒータ6又はATFウォーマ7のうち優先順位の高い方に優先的に熱量供給が行われるよう分配制御弁18を制御する。
【0043】
詳述すると、図2に示すように、本実施形態のコントローラ部19は、車両要求条件と各流路の熱量供給優先順位とが関連付けられた制御マップ20を備えている。本実施形態では、車両要求条件として、エンジン負荷、エンジン温度及びATF温度(車両運転条件)と、車室ヒータ(ヒータファン)の動作設定(車内環境条件)とが定義されている。制御マップ20には、これらの車両要求条件の組み合わせに対応して設定された優先的に熱量供給を行うべき熱交換器(流路)の順位が記録されている。そして、コントローラ部19は、これら車両要求条件及び制御マップ20に基づいて各流路の熱量供給優先順位を決定する。
【0044】
尚、本実施形態では、エンジン負荷が小さい或いはエンジン温度が低い程、ラジエータ5による排熱の必要性が小さいため、排熱系流路12(ラジエータ流路11)の優先順位は低く、利排熱系流路15或いはバイパス流路17の優先順位は高くなるよう設定されている。また、ATF温度が低い(高い)程、ATFウォーマ7が要求する熱量は大きく、ATFウォーマ流路14の優先順位が高くなるよう設定されている。また、ヒータファンの設定が強い程、車室ヒータ6が要求する熱量は大きく、車室ヒータ流路13の優先順位が高くなるよう設定されている。そして、本実施形態では、上記のような車両要求条件、特にエンジン冷間時において、より好適な熱量分配がなされるように、分配制御弁18が、サーモスタット16の作動温度(メインバルブが開弁する冷却水温度)よりも低い冷却水温度から作動するように設定されている。
【0045】
また、本実施形態の車両冷却システム1は、冷却回路3上に設けられた複数の水温センサ及び流量センサを備えており、これらのセンサは、コントローラ部19に接続されている。そして、コントローラ部19は、各センサにより検出される冷却回路3内の冷却水の水温及び流量に基づいて、車室ヒータ6及びATFウォーマ7の放受熱量を算出し、車室ヒータ6又はATFウォーマ7のうち優先順位の高い方の熱交換器が必要とする熱量を推定する。そして、コントローラ部19は、車室ヒータ6又はATFウォーマ7のうち優先順位の高い方の熱交換器に必要な熱量供給がなされ、更に余剰熱量が存在する場合には、その余剰熱量が優先順位の低い方の熱交換器に分配されるように分配制御弁18を制御する。
【0046】
詳述すると、本実施形態の車両冷却システム1は、エンジン2から排出される冷却水の水温(エンジン出口水温)を検出するための第1水温センサ21a、車室ヒータ6及びATFウォーマ7を通過した冷却水の水温を検出するための第2水温センサ21b及び第3水温センサ21cを備えている。また、車両冷却システム1は、車室ヒータ流路13及びATFウォーマ流路14の流量を検出するための第1流量センサ22a及び第2流量センサ22bを備えている。尚、本実施形態では、第1水温センサ21a、第2水温センサ21b及び第3水温センサ21cとコントローラ部19とにより温度検出手段が構成され、同様に第1流量センサ22a及び第2流量センサ22bとコントローラ部19とにより流量検出手段が構成されている。
【0047】
本実施形態では、第1水温センサ21aは、エンジン出口2b近傍に設けられている。また、第2水温センサ21b及び第1流量センサ22aは、車室ヒータ流路13の車室ヒータ6下流に設けられ、第3水温センサ21c及び第2流量センサ22bは、ATFウォーマ流路14のATFウォーマ7下流に設けられている。尚、本実施形態では、分配制御弁18が、車室ヒータ流路13とATFウォーマ流路14との合流点に配設されていることから、第2水温センサ21b及び第1流量センサ22a、第3水温センサ21c及び第2流量センサ22bは、それぞれ分配制御弁18のハウジング内に設けられている。
【0048】
コントローラ部19は、第1水温センサ21a及び第2水温センサ21bにより検出されたエンジン出口水温及び車室ヒータ6を通過した冷却水の水温と、第1流量センサ22aにより検出された車室ヒータ流路13の流量とに基づいて、車室ヒータ6の放受熱量を算出する。同様に、コントローラ部19は、第1水温センサ21a及び第3水温センサ21cにより検出されたエンジン出口水温及びATFウォーマ7を通過した冷却水の水温と、第2流量センサ22bにより検出されたATFウォーマ流路14の流量とに基づいて、ATFウォーマ7の放受熱量を算出する。そして、コントローラ部19は、算出された車室ヒータ6又はATFウォーマ7の放受熱量に基づいて、車室ヒータ6又はATFウォーマ7のうち優先順位の高い方の熱交換器が必要とする熱量を推定する。そして、コントローラ部19は、車室ヒータ6又はATFウォーマ7のうち優先順位の高い方の熱交換器に必要な熱量供給がなされ、更に余剰熱量が存在する場合には、その余剰熱量が優先順位の低い方の熱交換器に分配されるように分配制御弁18を制御する。
【0049】
尚、本実施形態では、コントローラ部19は、上記のように算出したATFウォーマ7の放受熱量を車両要求条件であるATF温度の代理変数として利用し、同様に、エンジン出口水温に基づき算出されるエンジン2からの総供給熱量を車両要求条件であるエンジン温度の代理変数として利用している。また、ヒータファンの動作設定、及びエンジン負荷(代理変数としてのアクセル開度やエンジン回転数等)は、車両の電子制御装置(ECU)から取得している。
【0050】
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)車両冷却システム1は、エンジン2と、冷却水が循環される冷却回路3と、冷却回路3に冷却水を循環させるウォータポンプ4とを備えている。冷却回路3は、ラジエータ5が配置されたラジエータ流路11を有する排熱系流路12と、車室ヒータ6及びATFウォーマ7が各々配置された車室ヒータ流路13及びATFウォーマ流路14を有する利排熱系流路15とが並列に接続されるように構成されている。
【0051】
車両冷却システム1は、車室ヒータ流路13を流れる冷却水とATFウォーマ流路14を流れる冷却水との流量配分を変化させる分配制御弁18と、分配制御弁18の作動を制御するコントローラ部19とを備えている。そして、コントローラ部19は、車両要求条件に応じて優先的に熱量供給を行う熱交換器(流路)の優先順位を決定し、車室ヒータ6又はATFウォーマ7のうち優先順位の高い方に優先的に熱量供給が行われるよう分配制御弁18を制御する。
【0052】
従って、過度の通水抵抗の上昇を回避しつつ熱量を必要とする熱交換器に対し効果化な熱量供給がなされるので、好適な熱量分配を行うことができる。その結果、車両燃費、走行性及び快適性を向上させることができる。
【0053】
(2)コントローラ部19は、冷却回路3上に設けられた複数の水温センサ及び流量センサにより検出される冷却回路3内の冷却水の水温及び流量に基づいて、車室ヒータ6及びATFウォーマ7の放受熱量を算出し、車室ヒータ6又はATFウォーマ7のうち優先順位の高い方の熱交換器が必要とする熱量を推定する。そして、コントローラ部19は、車室ヒータ6又はATFウォーマ7のうち優先順位の高い方の熱交換器に必要な熱量供給がなされ、更に余剰熱量が存在する場合には、その余剰熱量が優先順位の低い方の熱交換器に分配されるように分配制御弁18を制御する。
【0054】
従って、車室ヒータ6及びATFウォーマ7のうち優先順位の高い熱交換器に必要な熱量供給がなされ、余剰熱量がある場合には、該余剰熱量が優先順位の低い熱交換器に分配される。その結果、必要熱量に応じた効果化な熱量供給が可能となるので、より好適に熱量分配を行うことができ、更に車両燃費、走行性及び快適性が向上する。
【0055】
(3)コントローラ部19は、第1水温センサ21a及び第2水温センサ21bにより検出されたエンジン出口水温及び車室ヒータ6を通過した冷却水の水温と、第1流量センサ22aにより検出された車室ヒータ流路13の流量とに基づいて、車室ヒータ6の放受熱量を算出する。同様に、コントローラ部19は、第1水温センサ21a及び第3水温センサ21cにより検出されたエンジン出口水温及びATFウォーマ7を通過した冷却水の水温と、第2流量センサ22bにより検出されたATFウォーマ流路14の流量とに基づいて、ATFウォーマ7の放受熱量を算出する。
【0056】
従って、車室ヒータ6及びATFウォーマ7が必要とする熱量を正確に推定することが可能になるとともに、供給される熱量を正確に且つリアルタイムに把握することができる。その結果、効果的且つ精度のよい熱量分配が可能になるので、り好適に熱量分配を行うことができ、更に車両燃費、走行性及び快適性が向上する。
【0057】
(4)冷却回路3は、利排熱系流路15において、車室ヒータ流路13とATFウォーマ流路14とが並列に接続されるように構成されており、分配制御弁18は、車室ヒータ流路13とATFウォーマ流路14との合流点に配設されている。
【0058】
従って、分配制御弁18による流量分配の自由度が向上するので、過度な通水抵抗の上昇を回避しつつ好適な熱量分配を行うことができる。更に、第2水温センサ21b及び第1流量センサ22a、第3水温センサ21c及び第2流量センサ22bを、それぞれ分配制御弁18のハウジング内流路に設けることが可能になり、これらの構成及びコントローラ部19との間の配線を簡素化することができる。
【0059】
(5)分配制御弁18は、サーモスタット16の作動温度(メインバルブが開弁する冷却水温度)よりも低い冷却水温度から作動するように設定される。従って、特にエンジン冷間時等の熱供給量が少ない場合においても、利排熱系流路15に配置された車室ヒータ6及びATFウォーマ7に対し有効な熱量分配がなされるので、より好適な熱量分配を行うことができる。
【0060】
(第2の実施形態)
以下、本発明を車両冷却システムに具体化した第2の実施形態を図面に従って説明する。尚、説明の便宜上、第1の実施形態と同一の部分については同一の符号を付して説明を省略し、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0061】
図3に示すように、本実施形態の車両冷却システム30においては、冷却回路31は、利排熱系流路32において、車室ヒータ流路33とATFウォーマ流路34とが直列に接続されるように構成されている。詳しくは、利排熱系流路32において、車室ヒータ流路33がATFウォーマ流路34の下流に配置されている。従って、利排熱系流路32に流入した冷却水は、その全てがATFウォーマ流路34に導入されATFウォーマ37を通過する。即ち、本実施形態の車両冷却システム30は、予めATFウォーマ37に優先的に熱量供給がなされるよう設定されている。
【0062】
また、本実施形態の冷却回路31は、ATFウォーマ流路34の下流で分岐し車室ヒータ流路33と並列に接続されたバイパス経路35を有している。バイパス経路35には、分配制御弁38が配設されており、分配制御弁38は、コントローラ部39に制御され、バイパス経路35の流路面積を可変させることにより、バイパス経路35及び車室ヒータ流路33を流れる冷却水の流量配分を変化させる。
【0063】
詳述すると、分配制御弁38にてバイパス経路35の流路面積を可変させることにより、バイパス経路35の流水抵抗が可変する。本実施形態では、車室ヒータ流路33とバイパス経路35とが並列に接続されており、分配制御弁38の作動状態に関わらず車室ヒータ流路33の通水抵抗は略一定である。従って、分配制御弁38によりバイパス経路35の流路面積を小さくする(通水抵抗増)程、より多くの流量が車室ヒータ流路33に分配され、逆にバイパス経路35の流路面積を大きくする(通水抵抗減)程、車室ヒータ流路33に分配される流量は少なくなる。そして、分配制御弁38の流路面積可変機構が全開とされた場合には、車室ヒータ流路33には略分配されなくなる。尚、本実施形態の分配制御弁38は、ポペット弁により構成される流路面積可変機構を備えている。
【0064】
本実施形態では、コントローラ部39は、車両要求条件として入力されるヒータファンの作動設定(図2参照)と車室ヒータ46の放受熱量に基づいて、車室ヒータ46が必要とする熱量供給を算出する。そして、コントローラ部39は、車室ヒータ46に必要な熱量供給がなされるよう分配制御弁38を制御する。
【0065】
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)冷却回路31は、利排熱系流路32において、車室ヒータ流路33とATFウォーマ流路34とが直列に接続されるように構成され、車室ヒータ流路33がATFウォーマ流路34の下流に配置されている。
【0066】
従って、利排熱系流路32に流入した冷却水は、その全てがATFウォーマ流路34に導入されATFウォーマ37を通過する。即ち、本実施形態の車両冷却システム30は、予めATFウォーマ37に優先的に熱量供給がなされるよう設定されているので、単純な構成で好適な熱量分配を実現することができる。
【0067】
(2)冷却回路31は、ATFウォーマ流路34で分岐し車室ヒータ流路33の下流と並列に接続されたバイパス経路35を有し、バイパス経路35には、分配制御弁38が配設されている。そして、コントローラ部39は、車両要求条件として入力されるヒータファンの作動設定と車室ヒータ46の放受熱量に基づいて、車室ヒータ46が必要とする熱量供給を算出し、車室ヒータ46に必要な熱量供給がなされるよう分配制御弁38を制御する。
【0068】
従って、ヒータファンの作動設定に応じて必要十分な熱量を車室ヒータ46に供給することができるので、好適な熱量分配を行うことができる。また、ヒータファン停止時や弱設定時等、車室ヒータ46が要求する熱量が小さい場合には、バイパス経路35への流量配分を増やすことで、利排熱系流路32の流水抵抗を低減させることができる。その結果、車両燃費、走行性及び快適性を向上させることができる。
【0069】
(第3の実施形態)
以下、本発明を車両冷却システムに具体化した第3の実施形態を図面に従って説明する。尚、説明の便宜上、第1の実施形態と同一の部分については同一の符号を付して説明を省略し、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0070】
図4に示すように、本実施形態の車両冷却システム50においては、冷却回路51は、利排熱系流路52において、車室ヒータ流路53、ATFウォーマ流路54及び第3の流路としてのバイパス流路57が並列に接続されるよう構成されている。そして、本実施形態では、車室ヒータ流路53、ATFウォーマ流路54及びバイパス流路57の合流点に分配制御弁58が配設されている。尚、本実施形態の分配制御弁58は、他流路多段切替機構(図示せず)を備えている。
【0071】
本実施形態のコントローラ部59は、分配制御弁58を制御し、車室ヒータ流路53、ATFウォーマ流路54及びバイパス流路57を流れる冷却水の流量配分を変化させることにより、車室ヒータ66及びATFウォーマ67に供給される熱量配分を最適化する。
【0072】
このような構成とすれば、分配制御弁58にて熱量分配可能な流路が増加することにより、コントローラ部59による集中制御が可能になるので、より効果的な熱量分配制御を行うことができる。その結果、過度の通水抵抗の上昇を回避しつつ好適な熱量分配を行うことができ、車両燃費、走行性及び快適性を向上させることができる。
【0073】
なお、本発明の実施の形態は、上記実施形態に限定されるものではなく、次のように変更してもよい。
・図5に示す車両冷却システム70ように、冷却回路71の利排熱系流路72には、車室ヒータ流路73及びATFウォーマ流路74の他、第4の熱交換器としてのエンジンオイルウォーマ75を有するエンジンオイルウォーマ流路76等のその他の熱交換器(エンジン吸気ヒータ等)を有する流路を配設してもよい。
【0074】
このような構成とすれば、分配制御弁78にて熱量分配制御が可能となる熱交換器が増加することにより、コントローラ部79による集中制御が可能になるので、より効果的な熱量分配制御を行うことができる。また、エンジンオイルウォーマ75を設けることにより、エンジンオイルを早期に昇温させ、エンジンの潤滑及び作動効率を向上させることができる。
【0075】
・上記第1及び第3の実施形態では、コントローラ部19(59)は、車両要求条件に応じて優先的に熱量供給を行う熱交換器(流路)の優先順位を決定する。そして、コントローラ部19(59)は、車室ヒータ6(66)又はATFウォーマ7(67)のうち優先順位の高い方の熱交換器に必要な熱量供給がなされ、更に余剰熱量が存在する場合には、その余剰熱量が優先順位の低い方の熱交換器に分配されるように分配制御弁18(68)を制御することとした。しかし、これに限らず、優先的に熱量供給を行う熱交換器は、予めコントローラ部19(59)に設定されることとし、コントローラ部19(59)は、予め設定された熱交換器に対し優先的に熱量供給が行われるよう分配制御弁18(58)を制御する。そして、余剰熱量がある場合には、その余剰熱量が他の熱交換器に分配されるよう分配制御弁18(58)を制御する構成としてもよい。このような構成とすれば、単純な制御にて、好適な熱量分配を実現することができる。
【0076】
・上記各実施形態では、利排熱系流路における各流路の流量分配を流路面積可変機構又は他流路多段切替機構を備えた分配制御弁にて行うこととしたが、ウォータポンプ等を用いて各流路間に積極的に差圧を作ることにより流量分配を行うこととしてもよい。
【0077】
・上記各実施形態では、分配制御弁の駆動源として、電動アクチュエータを用いたが、サーモワックス等の感温膨張部材、又はダイアフラム等の負圧アクチュエータを用いてもよい。
【0078】
・上記各実施形態では、車両要求条件として、エンジン負荷、エンジン温度及びATF温度(車両運転条件)と、車室ヒータ(ヒータファン)の動作設定(車内環境条件)とを定義したが、車両要求条件としては、車両走行速度等の車両走行条件や外気温等の車外環境条件、その他の条件を定義してもよい。また、コントローラ部は、上記車両要求条件の何れか一つ又は任意の組み合わせに基づいて制御を行ってもよい。
【0079】
・上記各実施形態では、車両要求条件であるエンジン温度及びATF温度は、ATFウォーマ7の放受熱量及びエンジン2からの総供給熱量を代理変数として利用したが、温度センサを用いてエンジン温度及びATF温度を直接取得する構成としてもよい。
【0080】
・上記各実施形態では、コントローラ部は、分配制御弁の作動を制御することとしたが、サーモスタットの作動をも制御することとし、コントローラ部、分配制御弁及びサーモスタットにより分配制御手段を構成してもよい。このような構成とすれば、コントローラ部による集中制御が可能になるので、より効果的な熱量分配制御を行うことができる。
【0081】
・上記各実施形態では、コントローラ部19(39,59,79)を設け、分配制御弁18(38,58,78)を電気的に制御(フィードバック制御)する事としたが、サーモスタットを分配制御弁に用いて熱量検出手段及び第2の分配制御手段としてもよい。
【0082】
次に、以上の実施形態から把握することができる請求項以外の技術的思想を、その効果とともに以下に記載する。
(イ)複数の熱交換器を備え熱源を冷却する冷媒が循環される冷却回路と、該冷却回路に前記冷媒を循環させる循環手段とを備え、前記冷却回路は、前記冷媒を冷却するために該冷媒と空気との間で熱交換するための第1の熱交換器を有する排熱系流路と、前記冷媒と車両の所定箇所に供給する空気との間で熱交換するための第2の熱交換器及び前記冷媒と作動油との間で熱交換するための第3の熱交換器を有する利排熱系流路とを備え、前記排熱系流路と前記利排熱系流路との間の流量配分を変化させる第1の分配制御手段を備えた車両冷却システムであって、車両要求条件に応じて、優先的に熱量を供給する前記各熱交換器の優先順位を決定する決定手段と、少なくとも前記第2の熱交換器が配置された第1の流路と前記第3の熱交換器が配置された第2の流路との間の流量配分を変化させる第2の分配制御手段と、前記優先順位に基づいて、少なくとも前記第2の熱交換器と前記第3の熱交換器とを含む複数の熱交換器のうち前記優先順位の高い熱交換器に優先的に熱量供給がなされるよう前記第2の分配制御手段の作動を制御する制御手段と備えたこと、を特徴とする車両冷却システム。
【0083】
これにより、車両要求条件に応じて優先的に熱量を供給する熱交換器の優先順位を決定する。そして、少なくとも第2の熱交換器又は第3の熱交換器のうち優先順位の高い熱交換器に優先的に熱量供給がなされるよう、第2の熱交換器が配置された第1の流路と第3の熱交換器が配置された第2の流路との間の流量配分が変化する。従って、過度な通水抵抗の上昇を回避しつつ、熱量を必要とする熱交換器に対し効果化な熱量供給がなされる。従って、より好適な熱量分配が可能になり、その結果、車両燃費、走行性及び快適性が向上する。
【0084】
(ロ)前記(イ)に記載の車両冷却システムにおいて、少なくとも前記第2の熱交換器及び前記第3の熱交換器の放受熱量を算出する算出手段と、前記放受熱量に基づいて少なくとも前記第2の熱交換器と前記第3の熱交換器を含む複数の熱交換器のうち前記優先順位の高い熱交換器が必要とする熱量を推定する推定手段とを備え、前記制御手段は、前記推定手段の推定結果及び前記放受熱量に基づいて、少なくとも前記第2の熱交換器又は前記第3の熱交換器のうち前記優先順位の高い熱交換器に必要な熱量供給がなされ、余剰熱量がある場合には、該余剰熱量が前記優先順位の低い熱交換器に分配されるよう前記制御すること、を特徴とする車両冷却システム。
【0085】
このような構成とすれば、熱交換器の放受熱量を算出し、優先順位の高い熱交換器が必要とする熱量を推定することにより、優先順位の高い熱交換器に必要な熱量供給がなされ、余剰熱量がある場合には、該余剰熱量が優先順位の低い熱交換器に分配される。従って、さらに効果化な熱量供給が可能となるので、より好適な熱量分配となる。その結果、車両燃費、走行性及び快適性が向上する。
【0086】
(ハ)前記(ロ)に記載の車両冷却システムにおいて、前記冷却回路内の冷媒の温度を検出する複数の温度検出手段と、前記冷却回路内の冷媒の流量を検出する複数の流量検出手段とを備え、前記算出手段は、前記冷媒の温度及び流量に基づいて前記放受熱量を算出すること、を特徴とする車両冷却システム。
【0087】
(ニ)前記(イ)〜(ハ)のうちの何れか一つに記載の車両冷却システムにおいて、前記冷却回路は、前記利排熱系流路において少なくとも前記第1の流路と前記第2の流路とが並列に接続されるよう構成され、前記第2の分配制御手段は、前記第1の流路と前記第2の流路との合流点に設けられること、を特徴とする車両冷却システム。
【0088】
(ホ)請求項又は前記(ニ)に記載の車両冷却システムにおいて、前記冷却回路は、前記利排熱系流路において前記第1の流路及び前記第2の流路と並列に接続された第3の流路を備えること、を特徴とする車両冷却システム。このような構成とすれば、第2の分配制御手段にて流量分配制御をすることが可能な流路が増加するので、制御手段による集中制御が可能になる。従って、より効果的な熱量分配制御が可能になる。
【0089】
(ヘ)前記(ホ)に記載の車両冷却システムにおいて、前記第3の流路には、前記冷媒と空気若しくは作動油との間で熱交換するための第4の熱交換器が配設されること、を特徴とする車両冷却システム。このような構成とすれば、第2の分配制御手段及び制御手段による熱量分配制御が可能な熱交換器が増加するので、より集中的かつ効果的な熱量分配制御が可能になる。
【0090】
(ト)前記(イ)〜(ヘ)のうちの何れか一項に記載の車両冷却システムにおいて、前記第2の分配制御手段は、流路面積可変機構又は他流路多段切替機構を有する制御弁であること、を特徴とする車両冷却システム。
【0091】
(チ)前記(イ)〜(ト)のうちの何れか一項に記載の車両冷却システムにおいて、前記第2の分配制御手段は、第2の循環手段であること、を特徴とする車両冷却システム。このような構成とすれば、各流路間に差圧をつくることにより、より積極的な流量分配を行うことができる。
【0092】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、より好適な熱量分配が可能な車両冷却システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態の車両冷却システムの系統図。
【図2】 制御マップの概略構成図。
【図3】 第2の実施形態の車両冷却システムの系統図。
【図4】 第3の実施形態の車両冷却システムの系統図。
【図5】 別例の車両冷却システムの系統図。
【符号の説明】
1,30,50,70…車両冷却システム、2…エンジン、3,31,51,71…冷却回路、4…ウォータポンプ、5…ラジエータ、6,46,66…車室ヒータ、7,37,67…ATFウォーマ、11…ラジエータ流路、12…排熱系流路、13,33,53,73…車室ヒータ流路、14,34,54,74…ATFウォーマ流路、15,32,52,72…利排熱系流路、16…サーモスタット、18,38,58,78…分配制御弁、19,39,59,79…コントローラ部、21a…第1水温センサ、21b…第2水温センサ、21c…第3水温センサ、22a…第1流量センサ、22b…第2流量センサ、35…バイパス経路、57…バイパス流路、75…エンジンオイルウォーマ、76…エンジンオイルウォーマ流路。

Claims (6)

  1. 複数の熱交換器を備え熱源を冷却する冷媒が循環される冷却回路と、該冷却回路に前記冷媒を循環させる循環手段とを備え、前記冷却回路は、前記冷媒を冷却するために該冷媒と空気との間で熱交換するための第1の熱交換器を有する排熱系流路と、前記冷媒と車両の所定箇所に供給する空気との間で熱交換するための第2の熱交換器及び前記冷媒と作動油との間で熱交換するための第3の熱交換器を有する利排熱系流路とを備え、前記排熱系流路と前記利排熱系流路との間の流量配分を変化させる第1の分配制御手段を備えた車両冷却システムであって、
    少なくとも前記第2の熱交換器と前記第3の熱交換器とを含む複数の熱交換器のうち優先的に熱量を供給する熱交換器が予め設定されており、
    前記冷却回路は、前記利排熱系流路において前記第2の熱交換器が配置された第1の流路と前記第3の熱交換器が配置された第2の流路とが直列に接続されるよう構成されるとともに、前記第1の流路又は前記第2の流路のうち下流に配置された流路と並列に接続されたバイパス経路と、該バイパス経路の流路面積を可変する制御弁とを備えること、を特徴とする車両冷却システム。
  2. 請求項1に記載の車両冷却システムにおいて、
    前記優先的に熱量を供給する熱交換器に優先的に熱量供給がなされるよう、少なくとも前記第2の熱交換器が配置された第1の流路と前記第3の熱交換器が配置された第2の流路との間の流量配分を変化させる第2の分配制御手段を備えたこと、を特徴とする車両冷却システム。
  3. 請求項2に記載の車両冷却システムにおいて、
    少なくとも前記優先的に熱量を供給する熱交換器の放受熱量を算出する算出手段と、
    前記放受熱量に基づいて少なくとも前記優先的に熱量を供給する熱交換器が必要とする熱量を推定する推定手段と、
    前記推定手段の推定結果及び前記放受熱量に基づいて、前記優先的に熱量を供給する熱交換器に必要な熱量供給がなされ、余剰熱量がある場合には、該余剰熱量が他の前記熱交換器に分配されるよう前記第2の分配制御手段の作動を制御する制御手段を備えたこと、を特徴とする車両冷却システム。
  4. 請求項3に記載の車両冷却システムにおいて、
    前記冷却回路内の冷媒の温度を検出する複数の温度検出手段と、
    前記冷却回路内の冷媒の流量を検出する複数の流量検出手段とを備え、
    前記算出手段は、前記冷媒の温度及び流量に基づいて前記放受熱量を算出すること、を特徴とする車両冷却システム。
  5. 請求項2〜請求項4のうちの何れか一項に記載の車両冷却システムにおいて、
    前記第1の分配制御手段は、前記排熱系流路と前記利排熱系流路との合流点に設けられ、少なくとも前記利排熱系流路の冷媒の温度を感温し該温度が所定の作動温度を超えることにより作動するものであって、
    前記第2の分配制御手段は、前記作動温度よりも低い前記温度から作動するよう設定されていること、を特徴とする車両冷却システム。
  6. 請求項2〜請求項5のうちの何れか一項に記載の車両冷却システムにおいて、
    前記冷却回路は、前記利排熱系流路において少なくとも前記第1の流路と前記第2の流路とが並列に接続されるよう構成され、
    前記第2の分配制御手段は、前記第1の流路と前記第2の流路との合流点に設けられること、を特徴とする車両冷却システム。
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