JP4013694B2 - 圧縮成形方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、合成樹脂の圧縮成形方法、殊に、それに限定されるものではないが、多層構造の合成樹脂を圧縮成形して広口容器を成形するための前成形体(プリフォーム)を成形するのに適した圧縮成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
飲食料等のための容器として、ポリエチレンテレフタレートの如き適宜の合成樹脂から形成された合成樹脂容器が広く実用に供されている。かような合成樹脂容器は、当業者には周知の如く、溶融状態の合成樹脂を圧縮成形して前成形体を成形し、次いでかかる前成形体をブロー成形することによって好都合に形成することができる。
【0003】
特開2000−280248公報には前成形体の圧縮成形方法が開示されている。かかる圧縮成形方法においては、押出機の押出開口から押し出された溶融状態の合成樹脂を切断し、被切断合成樹脂を樹脂供給域に搬送し、樹脂供給域において、所定案内位置に位置せしめられている案内手段を通して被切断合成樹脂を、開状態にある成形型の、上方に開放された凹部内に落下せしめ、しかる後に成形型を閉状態にせしめて、凹部内に落下せしめられた被切断合成樹脂を所定形状に圧縮成形する。案内手段は下方に向かって断面積が漸次減少する逆錐台形状の上部案内路と上部案内路に続く直立筒形状の下部案内路とを有し、下部案内路の断面形状は上部案内路の下端の断面形状と実質上同一である。案内手段を通して凹部内に被切断合成樹脂を落下せしめる際には、案内手段はその上部案内路及び下部案内路の中心軸線を凹部の中心軸線に合致せしめた案内位置に位置せしめられる。被切断合成樹脂は案内手段の上部案内路及び下部案内路を通る際に、凹部の中心位置に位置合わせされる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
而して、本発明者等の経験によれば、上記特開2000−280248公報に開示されている圧縮成形方法には、次のとおりの解決すべき問題が存在することが判明した。例えば広口容器を成形するための前成形体を圧縮成形する成形型においては、凹部の内径が比較的大きく、被切断合成樹脂の外径に対して凹部の内径が相当大きくなるが、特に被切断合成樹脂の外径に対して凹部の内径が相当大きい場合に、案内手段を通ることによって一旦は凹部の中心に位置合わせされた被切断合成樹脂が、凹部内に落下した後に凹部の中心に対して移動し、凹部内に偏って位置せしめられてしまう傾向がある。被切断合成樹脂のかような偏りは、被切断合成樹脂が多層構造である場合、例えば機械的特性及び衛生性に優れた外側層内にガスバリア性に優れた内側層が包み込まれている構造である場合、圧縮成形された前成形体において内側層が偏って位置せしめられるという重大な問題を発生せしめる。
【0005】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、上記特開2000−280248公報に開示されている圧縮成形方法を更に改良して、成形型における凹部の内径が被切断合成樹脂の外径よりも相当大きい場合でも、被切断合成樹脂の偏りを充分に抑制して被切断合成樹脂を凹部内に所要とおりに位置せしめることができるようにせしめることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意研究の結果、上記特開2000−280248公報に開示されている圧縮成形方法においては、被切断合成樹脂の全体が案内手段を通過した後に被切断合成樹脂の下端が凹部の底面に当接せしめられるように構成されているが、これに代えて、案内手段を通して凹部内に落下せしめられる被切断合成樹脂の下端が凹部の底面に当接せしめられ、被切断合成樹脂自体が凹部の底面に直立した状態になる時点まで、被切断合成樹脂の少なくとも上端部を案内手段によって拘束し、被切断合成樹脂自体が凹部の底面に直立した状態になった後に、案内手段を移動せしめて凹部から離隔せしめることによって上記主たる技術的課題を達成することができることを見出した。
【0007】
即ち、本発明によれば、上記主たる技術的課題を達成する圧縮成形方法として、押出機の押出開口から押し出された溶融状態の合成樹脂素材を切断し、所定案内位置に位置せしめられている案内手段を通して被切断合成樹脂を、開状態にある成形型の、上方に開放された凹部内に落下せしめ、しかる後に該成形型を閉状態にせしめて、該凹部内に落下せしめられた該被切断合成樹脂を所定形状に圧縮成形する圧縮成形方法において、
該案内手段を通して該凹部内に落下せしめられる該被切断合成樹脂の下端が該凹部の底面に当接せしめられ、該被切断合成樹脂自体が該凹部の該底面に直立した状態になる時点まで、該被切断合成樹脂の少なくとも上端部を該案内手段によって拘束し、該被切断合成樹脂自体が該凹部の該底面に直立した状態になった後に、該案内手段を該案内位置から移動せしめて該凹部から離隔せしめる、ことを特徴とする圧縮成形方法が提供される。
【0008】
好ましくは、該案内手段は下方に向かって断面積が漸次減少する逆錐台形状の上部案内路と該上部案内路に続く直立筒形状の下部案内路とを有し、該下部案内路の断面形状は該上部案内路の下端の断面形状と実質上同一であり、該案内手段が該案内位置に位置せしめられている状態において、該下部案内路の少なくとも一部は該凹部内に位置せしめられている。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の圧縮成形方法の好適実施形態について詳細に説明する。
【0010】
図1には、本発明の圧縮成形方法の好適実施形態を実施するための成形システムが図示されている。この成形システムは押出装置2、合成樹脂供給装置4、圧縮成形装置6及び搬出装置8を備えている。押出装置2は、押出ダイ機構10とこの押出ダイ機構10に接続された3台の押出機、即ち中央押出機12と両側押出機14及び16を備えている。押出ダイ機構10は、実線で示す非作用位置と二点鎖線で示す作用位置との間を移動自在に装着されている押出ノズル18を含んでおり、この押出ノズル18にはその先端部下面に形成されている押出開口20(図3を参照されたい)まで延びる樹脂流路が形成されている。中央押出機12は溶融合成樹脂22を押出ダイ機構10に間欠的に送出し、両側押出機14及び16は溶融合成樹脂24を押出ダイ機構10に連続的に送出し、かくして中央押出機12から送出された溶融合成樹脂20が両側押出機14及び16から送出された溶融合成樹脂24に包み込まれた多層構造の合成樹脂26が押出開口20から押し出される(図3を参照されたい)。中央押出機12から送出される溶融合成樹脂22はガスバリア性に優れたものであり、両側押出機14及び16から送出される溶融合成樹脂24は機械的特性及び衛生性に優れたものであるのが好都合である。後に更に言及する如く、成形システムの作動時には、押出ノズル18は二点鎖線で示す作用位置に位置せしめられる。溶融合成樹脂22が溶融合成樹脂24によって包み込まれた多層構造の合成樹脂26を押し出すための上記押出装置2自体は、例えば特開昭62−184817号公報或いは特開平1−195016号公報に開示されている形態でよく、従ってその詳細な説明は本明細書においては省略する。
【0011】
図1及び図2を参照して説明すると、合成樹脂供給装置4は矢印28で示す方向に回転駆動せしめられる回転円盤30を含んでいる。この回転円盤30の周縁には、周方向に等間隔をおいて複数個の切断・保持機構32が配設されている。回転円盤30の回転に応じて、切断・保持機構32は回転円盤30の周縁に沿って延在する円形搬送径路を通して搬送され、上記押出ノズル18の押出開口20に対向してその直ぐ下方に位置する受入域34、及び成形装置の所定部位(後に詳述する如く、雌型における凹部)に対向してその上方に位置する樹脂供給域36を通して搬送される。図2と共に図3を参照して説明を続けると、切断・保持機構32の各々は、切断部材38、第一の挟持部材40及び第二の挟持部材42を有する。第一の挟持部材40と第二の挟持部材42とは協働して、移動方向前面と共に上面及び下面が開放された受入空間を規定している。第二の挟持部材42は第一の挟持部材40に接近する挟持位置(図4に図示する位置)と第一の挟持部材40から離隔する開放位置(図3及び図5に図示する位置)との間を適宜に移動せしめられる。切断部材38は上記受入空間の上方を横方向に延びている。切断・保持機構32が上記受入域34を通過せしめられる際には、図3に図示する如く、第二の挟持部材42は開放位置にあり、押出ノズル18の押出開口20から押し出されている溶融状態の合成樹脂26、即ち中央押出機12から送出された溶融合成樹脂22が両側押出機14及び16から送出された溶融合成樹脂24に包み込まれた多層構造の合成樹脂26、が上記受入空間内に受け入れられる。切断部材38はその上面が押出ノズル18の下面に接触乃至近接して移動せしめられ、押出ノズル18の下面と協働して、押出開口20から押し出されている合成樹脂26を切断する。切断部材38が合成樹脂26を切断し始めた後の適宜の時点で、図4に図示する如く、第二の挟持部材42が挟持位置に移動せしめられ、かくして押出開口20から切断された被切断合成樹脂26が第一の挟持部材40と第二の挟持部材42との間に挟持される。切断・保持機構32が上記樹脂供給域34を通過する際には第二の挟持部材42が開放位置に移動せしめられ、第一の挟持部材40と第二の挟持部材42との協働による被切断合成樹脂26の挟持が開放され、被切断合成樹脂26が下方に落下せしめられる(下方に落下せしめられた被切断合成樹脂26の挙動については後に更に言及する)。切断・保持機構32は特開2000−108127公報に詳述されているとおりの形態でよく、それ故に切断・保持機構32についての詳細な説明は本明細書においては省略する。
【0012】
図1、図2及び図5を参照して説明すると、圧縮成形装置6は矢印44で示す方向に回転駆動せしめられる比較的大径の回転円盤46を含んでいる。そして、この回転円盤46の周縁には、周方向に等間隔をおいて複数個の成形型48が配設されている。回転円盤46の回転に応じて、成形型48は回転円盤46の周縁に沿って延在する円形搬送径路を通して搬送され、上記切断・保持機構30に対向してその下方に位置する樹脂供給域50、成形域52及び搬出域54を通して搬送される。成形型48の各々は雌型56及び雄型58から構成されている。雌型56の上方に配置されている雄型58は、図5乃至図8に図示する開位置(上昇位置)と図9に図示する閉位置(下降位置)との間を昇降動自在に装着されている。雌型56には上方に開放された凹部60が形成されている。雄型58には雌型56の凹部60内に進入せしめられる垂下部61が形成されている。成形型48が樹脂供給域50を通って搬送される際には、雄型58は開位置に上昇せしめられており、雌型56の凹部60内に上記切断・保持機構30から被切断合成樹脂26が供給される(被切断合成樹脂26の供給については後に更に詳述する)。成形型48が成形域52を通して搬送される際には、雄型58が閉位置に下降せしめられ、雌型56と雄型58との協働によって被切断合成樹脂26が所要形状の前成形体(プリフォーム)に圧縮成形される。成形型48が搬出域54に至る前に雄型58は開位置に上昇せしめられ、そして搬出域54においては成形された前成形体が搬出装置8によって取り出される。搬出装置8自体は例えば回転ターレット式搬出機構等の周知の形態のものでよい。取り出された前成形体は一旦収集場所へ搬送されて保管され或いは直接的にブロー成形システムに搬送されて所要形状の容器にブロー成形される。成形型48自体は周知の形態でよく、成形型48についての詳細な説明は本明細書においては省略する。
【0013】
図5を参照して説明を続けると、圧縮成形装置6の回転円盤46には上記成形型48の各々に関連せしめて案内手段62が配設されていることが重要である。図示の案内手段62は円筒形状の外周面を有する上部64と下方に向かって外径が漸次減少する逆円錐台形状の下部66とを有する。下部66の上端の外径は上部64の外径よりも小さく、上部64と下部66との境界には下方を向いた環状肩面68が規定されている。案内手段62には実質上鉛直に延びる案内路が形成されている。更に詳述すると、上部64には上部案内路70が形成され、下部66には下部案内路72が形成されている。上部案内路70は下方に向かって内径が漸次低減する逆円錐台形状であり、下部案内路72は内径が変化しない直立円筒形状であり、下部案内路72の内径は上部案内路70の下端の内径を実質上同一である。所望ならば、上部案内路70及び下部案内路72の断面形状を楕円或いは多角形状にせしめることもできる。下部案内路72の内径は、案内手段62の上部案内路70及び下部案内路72を通して落下せしめられる被切断合成樹脂26の外径と略同一でよい。後の説明から明らかになる如く、案内手段62には溶融状態である被切断合成樹脂26が接触せしめられ、従って被切断合成樹脂26から案内手段62に熱が伝導される。案内手段62が過剰に加熱されるのを回避するために、アルミニウム又は真鍮の如き熱伝導率が高い材料から案内手段62を形成するのが好ましい。所望ならば、放熱用の多数のフィンを案内手段62の外周面に配設することもできる。また、案内手段62の内周面、即ち上部案内路70及び下部案内路72の内周面は、被切断合成樹脂26の付着を防止するために、例えばショットブラスト加工を施すことによって梨地にせしめられているのが好都合である。
【0014】
上記案内手段62は適宜の装着手段(図示していない)によって、図5に実線で示す案内位置と図5に二点鎖線62Aで示す上昇位置との間を昇降動自在に、そしてまた図5に二点鎖線62Aで示す上記上昇位置と図5に二点鎖線62Bで示す退却位置との間を回転盤46の半径方向に移動自在に装着されている。案内手段62が上記案内位置に位置せしめられている時には、案内手段62の環状肩面68が雌型56の上面に当接せしめられ、案内手段62の下部66、従って下部案内路72は少なくとも部分的に雌型56の凹部60内に位置せしめられている(図示の実施形態においては下部案内路72の実質上全体が雌型56の凹部60内に位置せしめられている)のが好適である。雌型56の凹部60、案内手段62の上部案内路70及び下部案内路72並びに被切断合成樹脂26の寸法は、後に更に言及する如く、案内手段62を通して雌型56の凹部60に落下せしめられる被切断合成樹脂26が案内手段62を完全に通過した後に凹部60の底面に到着するのではなくて、案内手段62を通して凹部60に落下せしめられる被切断合成樹脂26の下端が凹部60の底面に当接せしめられ、被切断合成樹脂26自体が凹部60の底面に直立した状態になるまで、被切断合成樹脂26の少なくとも上端部は案内手段62の下部案内路72内に存在し、案内手段62によって拘束されるように設定されていることが重要である。
【0015】
圧縮成形装置6における圧縮成形様式について要約して説明すると、次のとおりである。図2及び図5を参照することによって理解される如く、成形型48が搬出域54の下流側に移動せしめられると、案内手段62が作用位置に移動せしめられて、雄型58の下方で雌型56に積重せしめられる。案内手段62の上部案内路70及び下部案内路72の中心は雌型56の凹部60の中心に整合せしめられ、案内手段62の下部66は雌型56の凹部60内に位置せしめられる。図5及び図6に図示する如く、切断・保持機構32が樹脂供給域36を通して移動せしめられ、これに同期して成形型48及び案内手段62が樹脂供給域50を通して移動せしめられる際には、切断・保持機構32から落下せしめられた被切断合成樹脂26が案内手段62の上部案内路70及び下部案内路72内に落下せしめられ、そして雌型56の凹部60内に進入せしめられる。上部案内路70の上端における内径は被切断合成樹脂26の最大内径よりも充分に大きく設定されており、上部案内路70の中心に対して幾分変位して被切断合成樹脂26が切断・保持機構32から落下せしめられても、被切断合成樹脂26は確実に上部案内路70内に進入せしめられる。そして、上部案内路70は逆円錐台形状である故に、上部案内路70の所謂センタリング作用によって被切断合成樹脂26は上部案内路70及び下部案内路72の中心に移動せしめられ、しかる後に雌型56の凹部60内にその中心に充分精密に位置付けられて進入せしめられる。図5及び図6を参照することによって理解される如く、切断・保持機構32において第二の挟持部材42を開放位置に移動せしめて被切断合成樹脂26の挟持を開放せしめた時点から、被切断合成樹脂26が実際に落下を開始して上部案内路70内に進入するまでには若干の時間を要する。それ故に、切断・保持機構32が樹脂供給域36に至るよりも幾分早く第二の挟持部材42を開放位置に移動せしめて被切断合成樹脂26の挟持を開放することが重要である。
【0016】
而して、本発明に従う圧縮成形方法においては、図6及び図7に図示する如く、案内手段62の上部案内路70及び下部案内路72を通って雌型56の凹部60内に進入した被切断合成樹脂26の下端が凹部60の底面に当接し、被切断合成樹脂26自体が凹部60の底面上に直立した状態、好ましくは図7に図示する如く、被切断合成樹脂26の下端部が凹部60の底面に沿って流動して下端の外径が上部案内路70に進入した時の略2倍程度になる状態まで、案内手段62は作用位置に維持され、被切断合成樹脂42の少なくとも上端部は案内手段62の下部案内路72によって拘束され続けることが重要である。かくすることによって、被切断合成樹脂26の外径に対して凹部60の内径が相当大きい場合でも、凹部60内に進入した後に被切断合成樹脂26が凹部60内において移動して凹部60に対して偏在してしまうことが充分確実に抑制乃至防止される。
【0017】
雌型56の凹部60内に進入せしめられた被切断合成樹脂26がそれ自身で凹部60の底面上に直立した状態になり、凹部60内にて被切断合成樹脂26が偏ってしまう虞が解消されると、案内手段62は図5に二点鎖線62Aで示す上昇位置まで上昇され、次いで図5に二点鎖線62Bで示す退却位置まで移動されて、雌型56の凹部60から離隔せしめられる。しかる後に、成形型48が成形域52を通って移動せしめられる際に、図9に図示する如く、雄型58が下降されて成形型48が閉状態にせしめられ、凹部60内に供給された被切断合成樹脂26が前成形体74に圧縮成形される。成形された前成形体74は成形型48が搬出域54を通して移動せしめられる際に開状態にせしめられた成形型48から搬出される。次いで、前成形体74は一旦収集場所に収集された後に或いは直接的にブロー成形システムに搬送され、その下半部がブローされて図10に二点鎖線で図示する如き形状の容器に成形される。
【0018】
添付図面を参照して本発明の圧縮成形方法の好適実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能であることは多言を要しない。例えば、添付図面を参照して詳述した実施形態においては、押出開口20から押し出された合成樹脂29を受入域34において切断した後に樹脂供給域34まで搬送し、樹脂供給域34において成形型48に向けて落下せしめているが、所望ならば、受入域34と樹脂供給域34とを実質上同一位置に設定し切断した合成樹脂26を搬送することなく直接的に成形型48に向けて落下せしめてもよい。
【0019】
【発明の効果】
本発明の圧縮成形方法によれば、成形型における凹部の内径が被切断合成樹脂の外径よりも相当大きい場合でも、被切断合成樹脂の偏りを充分に抑制して被切断合成樹脂を凹部内に所要とおりに位置せしめることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧縮成形方法の好適実施形態を実施するための成形システムを図示する簡略平面図。
【図2】図1の成形システムの一部を示す部分平面図。
【図3】図1の成形システムに装備されている合成樹脂供給装置の切断・保持機構が、押出ノズルから押し出された合成樹脂を受け入れている状態を示す部分側面図。
【図4】図1の成形システムに装備されている合成樹脂供給装置の切断・保持機構が、押出ノズルから押し出され切断された被切断合成樹脂を保持している状態を示す部分側面図。
【図5】図1の成形システムにおいて、被切断合成樹脂を落下せしめるために切断・保持機構が被切断合成樹脂の挟持を開放した状態を示す部分断面図。
【図6】図1の成形システムにおいて、切断・保持機構から落下された被切断合成樹脂が案内手段を通して雌型の凹部に落下されている状態を示す部分断面図。
【図7】図1の成形システムにおいて、切断・保持機構から落下された被切断合成樹脂が案内手段を通して雌型の凹部に落下され、凹部の底壁上に充分に安定して自立している状態を示す部分断面図。
【図8】図1の成形システムにおいて、雌型の凹部内に被切断合成樹脂が所要とおりに供給された後に、案内手段が凹部から離隔された状態を示す部分断面図。
【図9】図1の成形システムにおいて、被切断合成樹脂が成形型によって圧縮成形されている状態を示す部分断面図。
【図10】圧縮成形された前成形体を断面で示すと共に、この前成形体にブロー成形を加えて成形される容器を二点鎖線で示す図。
【符号の説明】
2:押出装置
4:合成樹脂供給装置
6:圧縮成形装置
8:搬出装置
10:押出ダイ機構
18:押出ノズル
20:押出開口
26;多層構造の合成樹脂
32:切断・保持機構
34:受入位置
36:樹脂供給域
48:成形型
50:樹脂供給域
52:成形域
54:搬出域
56:雌型
58:雄型
60:雌型の凹部
62:案内手段
64:案内手段の上部
66:案内手段の下部
70:上部案内路
72:下部案内路
74:前成形体
Claims (2)
- 押出機の押出開口から押し出された溶融状態の合成樹脂素材を切断し、所定案内位置に位置せしめられている案内手段を通して被切断合成樹脂を、開状態にある成形型の、上方に開放された凹部内に落下せしめ、しかる後に該成形型を閉状態にせしめて、該凹部内に落下せしめられた該被切断合成樹脂を所定形状に圧縮成形する圧縮成形方法において、
該案内手段を通して該凹部内に落下せしめられる該被切断合成樹脂の下端が該凹部の底面に当接せしめられ、該被切断合成樹脂自体が該凹部の該底面に直立した状態になる時点まで、該被切断合成樹脂の少なくとも上端部を該案内手段によって拘束し、該被切断合成樹脂自体が該凹部の該底面に直立した状態になった後に、該案内手段を該案内位置から移動せしめて該凹部から離隔せしめる、ことを特徴とする圧縮成形方法。 - 該案内手段は下方に向かって断面積が漸次減少する逆錐台形状の上部案内路と該上部案内路に続く直立筒形状の下部案内路とを有し、該下部案内路の断面形状は該上部案内路の下端の断面形状と実質上同一であり、該案内手段が該案内位置に位置せしめられている状態において、該下部案内路の少なくとも一部は該凹部内に位置せしめられている、請求項1記載の圧縮成形方法。
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