JP4013103B2 - コロナ放電発生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、空気中の浮遊粒子である塵埃や臭気成分を除去するために空気中の塵埃を帯電させるコロナ放電発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に空気清浄機に用いられる空気浄化エレメントは、塵埃を捕捉する除塵部と臭い成分を除去する脱臭部から構成される。最近では、除塵性能の高い電気集塵方式で除塵を行うため、除塵部は放電電極と対向電極の間でコロナ放電を発生させるコロナ放電発生装置とコロナ放電により帯電された塵埃を集塵する集塵装置とから構成される。
【0003】
この中で、コロナ放電発生装置は、放電性能を高める(例えば低い印加電圧で効率的なコロナ放電電流を得る)ために、放電電極と対向電極に極端な不平等電界を構成する必要がある。従って、放電電極として線径100μm前後のワイヤ線を用い、ワイヤ線と一定の空間距離を介して対向電極を配置する構成が一般的であった。しかるにこの線径の細いワイヤ線は、弛みを防ぐために引っ張りバネ等で両端を張持され、製造・輸送・電極洗浄などのメンテナンス作業時等またはコロナ放電による電極劣化によって切断する可能性があった。そのため、切断が生じた場合には感電の危険性や、対向電極との接触による火花放電の発生、また火花放電による塵埃への着火等の危険性があった。
【0004】
このような危険性を回避するために,特開平5−154409号公報に示されるように、ワイヤ線を基板等の支持部材で支持する放電電極の構成が開示されている。図9は電気集塵機のコロナ放電発生部の構成図であり、(a)はこのコロナ放電発生部の斜視図、(b)は放電状態を説明する上面図である。図9の(a)において、11は平行に対向させた一対の対向電極、12は骨材13に支持されて対向電極11間の対向面にほぼ垂直方向に適宜間隔を置いて配設され、その電極間隔より短い寸法をもった複数の線状電極から成る放電電極である。また、コロナ放電の電流路は、図9の(b)中の点線で示すように放電電極12の両端部より対向電極11に向かって形成される。即ち、この対向電極11、11間を図9の(a)の矢印方向に塵埃粒子を含んだ空気が通過する際に、放電電極12と対向電極11との間に形成される放電電流路で塵埃粒子を帯電・イオン化させて集塵装置(図示せず)で集塵することによって除塵が行われる。
【0005】
また、何らかの原因により放電電極2の一部に切断等が生じても、放電電極12は対向電極11間距離より寸法が短いため、電極間短絡が起こるおそれがなく、高い安全性を得ることができる.
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようなコロナ放電発生装置の構成では、放電電極が骨材に支持されているため、電極切断等による電極間短絡は起こらないが、除塵という本来の目的における塵埃の帯電効率に関して次の課題を有する。塵埃粒子はコロナ電流が形成される放電電流路で帯電されるため、空気が通過する領域の内で放電電流路が形成されていない部分では塵埃粒子を帯電・除塵することができない。従って、放電電極を対向電極と垂直する方向に配置した場合には、放電電極先端部から対向電極に向かって放電電流路が形成されるため、放電電極長(図9の(b)の長さd)間では塵埃粒子が帯電されずにそのまま通過してしまい、除塵することができず除塵効率の低下を招くという課題があった。
【0007】
また、放電電極を対向電極と垂直する方向に配置した場合、コロナ放電電流は放電電極の先端部からしか流れないが、前述したワイヤ線の両端を張持する一般的な構成では殆どワイヤ線全体から放電されるため、この放電電極の先端部分での電界強度を極端に高くして電流密度を上げないと、ワイヤ線の両端をばね等で張持する構成での放電電流量と同等にすることができない。従って、スパッタリング現象により電極先端が摩耗しやすくなり、この摩耗により放電電流が減少し、塵埃粒子の帯電量が更に減少するという課題もある。
【0008】
本発明はかかる課題を解決するためになされたもので、ワイヤ線が切断しても電極短絡がなく安全性を確保しつつ、除塵部を通過する塵埃の除塵不可能な領域を最小限度に抑えることによって高い除塵効率を得るとともに、放電極の摩耗を少なくして放電極の長寿命化を図ることを目的としたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、平行に対向させた対向電極間に空気層を介して放電電極を配置し、該放電電極と対向電極の間でコロナ放電を生じさせるコロナ放電発生装置において、前記放電電極は、細線状の導体および2本の棒状体から成る支持部材で構成され、前記対向電極間で、かつ、この対向電極と略平行面上に配設されており、前記支持部材は前記対向電極の対向面に対して平行に並設され、2本の棒状体間に前記導体が所定間隔を設けてラダー状に複数張設されるとともに、この導体のラダー状の段に相当する長さは、前記対向電極の極間距離の1/2未満に設定されているものである。
【0010】
また、本発明は、平行に対向させた対向電極間に空気層を介して放電電極を配置し、該放電電極と対向電極の間でコロナ放電を生じさせるコロナ放電発生装置において、前記放電電極は、細線状の導体および2本の棒状体から成る支持部材で構成され、前記対向電極間で、かつ、この対向電極と略平行面上に配設されており、前記支持部材は前記対向電極の対向面に対して平行に並設され、2本の棒状体間に前記導体が所定間隔を設けてコルゲート状に複数張設されるとともに、コルゲート状に張設された導体の長さは、前記対向電極の極間距離の1/2未満に設定されているものである。
【0011】
また、本発明は、前記放電電極を構成する細線状の導体が1本又は独立した複数本で構成されているものである。
【0012】
また、本発明は、平行に対向させた対向電極間に空気層を介して放電電極を配置し、該放電電極と対向電極の間でコロナ放電を生じさせるコロナ放電発生装置において、前記放電電極は、細線状の導体および1枚の板状基材から成る支持基板で構成され、前記対向電極間に配設されており、前記支持部材は空気流の方向と平行に配設され、前記導体が側面に円弧状に連結されるとともに、前記導体の円弧長は、前記対向電極の極間距離の1/2未満に設定されているものである。
【0013】
また、本発明は前記円弧状の細線は前記支持部材の前記対向電極との対向面に2列で互い違いに配設してなるものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係わるコロナ放電発生装置の構成図、(a)は放電極の形態を示す斜視図、(b)は放電極と対向電極の斜視図である。図2はコロナ放電発生装置の上面図である。
図1,2において、板状導体から成る複数の対向電極1の間に空気層を介してラダ−状の放電電極2が配設されている。このラダ−状の放電電極2は図中の矢印で示された空気流の方向と平行に配設され、二本の棒状体3と、この二本の棒状体3に所定間隔を設けて複数張設したワイヤ線4から構成される。この対向電極1と放電電極2間には電源5から供給される直流の高電圧または直流にパルスを重畳させた状態の高電圧が印加されている。また、対向電極1間距離Aは、対向電極1と放電電極2間の電圧差と設置されるスペースとを考慮して決定される。また、本実施の形態におけるワイヤ線は、細線状の導体のことを意味するものとする。
【0016】
二本の棒状体3は、ワイヤ線4の線径100μmに対して径が太く、ワイヤ線の引っ張りに対して十分な強度を有するものとする。またその材質は絶縁体でも導電体でも良く、絶縁体の場合は、ワイヤ線4は棒状体3に蛇行状に連結してラダー部を形成し、直接電源5と電気的に接続され、電力が供給される。また、棒状体3が導電体の場合、ワイヤ線4は一本一本独立して張設可能であり、電源5から棒状体3を介してワイヤ線4に電力が供給される。ここで、ワイヤ線4のラダー形状の段に相当する長さBは、対向電極間距離Aの1/2未満に設定されている。
【0017】
次に、前述の様に構成された実施の形態1におけるコロナ放電の動作について図1と図2を併用して説明する。まず、電源5から例えば数kVの高圧が投入されると、対向電極1を接地側としてラダー状の放電電極2のワイヤ線4にプラスの直流高電圧が印加される。このとき、対向電極1とワイヤ線4間には極端な不平等電界が発生し、ワイヤ線4から対向電極1に向かって図2に示すようなコロナ放電電流が流れる。この放電電流路を塵埃粒子を含んだ空気が通過する際に、塵埃粒子はプラスに帯電される。そして、帯電後に下流側に設けた集塵装置(図示せず)の電極間を通過する際にその接地極にクーロン力で吸引・捕獲されることにより、空気中の塵埃が除去されて空気が浄化される。
【0018】
ワイヤ線4は,対向電極1に対し平行して配設されているために、空気流が通過する領域に対してコロナ放電電流路が形成されず帯電不可能な空間領域が棒状体3の径部分のみとなるため、殆どの領域で除塵可能であり除塵効率が高くなる。また、放電箇所が空気流方向に延び、奥行き距離1/2Aの間で帯電させれば良いため、塵埃粒子はより高い帯電効率で帯電される。
【0019】
また、ワイヤ線4は放電箇所が一点に集中せずに電流密度が分散されるため、スパッタリング現象による放電摩耗が少なく断線の可能性が軽減される。よって、この摩耗による放電電流の減少を防止することができ、ワイヤ等の両端をばね等で張持するのと同等の放電電流量を確保できる。また、ワイヤ線4は棒状体3にラダー状に支持されているため,バネ張持等を必要とせず、これによるテンションが掛からないために、放電中はもとより電極洗浄等のメンテナンス作業時にかかる力による断線の可能性も大幅に軽減され、放電極の長寿命化を図ることが出来る。
【0020】
さらに、何らかの事情でワイヤ線4が切断した場合、例えば棒状体3付近のワイヤ線4の根本部から切断した場合においても、ワイヤ線長Bは1/2A未満で構成されており、対向電極1までの空間距離より短いので、切断端部が対向電極1に接触することが無い。従って、電極間短絡による火花放電等の発生が無く、高い安全性を得ることができる。
【0021】
本実施の形態では、除塵機能についてのみで脱臭機能については特に述べていないが、このコロナ放電発生装置を用いて、コロナ放電により発生するプラズマの構成因子であるラジカル(遊離基)で臭気成分を分解して臭いを除去する構成としても良い。そうすれば、脱臭機能を付加するために例えば活性炭等の脱臭フィルタを備えなくてもコロナ放電発生装置で塵埃及び臭気成分を除去することができる。なおこのことは後述する実施の形態2,3,4についても同様である。
【0022】
また、本実施の形態では、電源5を直流高圧電源として述べたが、本発明はこれに限られるものではなく、直流の高電圧にパルス状の高電圧が重畳される複合波形、またはプラスあるいはマイナス側にバイアスを持った交流高電圧電源であっても良い。これらの電源では臭い成分を化学的に分解して脱臭する性質をもつプラズマの構成因子であるラジカルを電極間に多量に生成することが可能となる。なお、プラズマとは電極間でコロナ放電を発生させた際に生成する電離した気体で、化学的に活性なラジカルと電子やイオンのような荷電粒子とから成る。そして、ラジカルとは化学的に活性な分子または原子であり、酸化力や還元力に富んで臭い成分の分解に適している。なおこのことは後述する実施の形態2,3,4についても同様である。
【0023】
実施の形態2.
図3は本発明の実施の形態2に係わる放電極の形態を示す斜視図、図4は本発明の実施の形態2に係わる一対のコロナ放電発生装置の上面図である。なお、コロナ放電発生装置の基本的構成は実施の形態1と同様であるので説明は省略する。また、実施の形態1と同一又は相当部分には同じ符号を付し説明を省略する。図3,4において、放電電極2は実施の形態1と同様に図中の矢印で示された空気流の方向と平行に配設され、対向電極1に平行に設けた上下2本の棒状体3と、この2本の棒状体3に所定間隔毎に斜め方向(コルゲート状)に張設したワイヤ線6から構成される。また、斜め方向に張設されたワイヤ線6の長さBは、対向電極間距離Aの1/2未満に設定される。さらに、本実施の形態におけるワイヤ線は、導体から成る細線のことを意味するものとする。
【0024】
次に、前述の様に構成された実施の形態2におけるコロナ放電の動作について図3と図4を併用して説明する。まず、電源5により例えば数kVの高圧が投入されると、対向電極1を接地側として放電電極2のワイヤ線6にプラスの直流高電圧が印加される。このとき、対向電極1とワイヤ線6間には極端な不平等電界が発生し、ワイヤ線6から対向電極1に向かって図4に示すようなコロナ放電電流が流れる。
【0025】
ワイヤ線6は、実施の形態1と同様に、対向電極1に対し平行して配設されているために、空気流が通過する領域に対してコロナ放電電流路が形成されず帯電不可能な空間領域が小さくなり、殆どの領域で除塵可能であり除塵効率が高くなる。また、放電箇所が空気流方向に対して斜めに延び、空気流に沿った方向とともに棒状体3の軸方向にも均一に放電するため、塵埃粒子は実施の形態1で説明した構成よりも更に高い帯電効率で帯電される。
従って、効率よく帯電された塵埃粒子が、下流側に設けた集塵装置(図示せず)の接地極に吸引・捕獲されるので、全体としてより除塵効率を高くすることができる。
【0026】
また、ワイヤ線6は、実施の形態1と同様に、放電箇所が一点に集中せずに電流密度が分散されるため、スパッタリング現象による放電摩耗が少なく断線の可能性が軽減される。よって、この摩耗による放電電流の減少を防止することができ、ワイヤ等の両端をばね等で張持するのと同等の放電電流量を確保できる。また、ワイヤ線4は棒状体3にコルゲート状に支持されているため,バネ張持等を必要とせず、これによるテンションが掛からないために、放電中はもとより電極洗浄等のメンテナンス作業時にかかる力による断線の可能性も大幅に軽減され、放電極の長寿命化を図ることが出来る。
【0027】
さらに、何らかの事情でワイヤ線6が切断した場合、例えば棒状体3付近のワイヤ線6の根本部から切断した場合においても、ワイヤ線長Bは1/2A未満で構成されており、対向電極1までの空間距離より短いので、切断端部が対向電極1に接触することが無い。従って、電極間短絡による火花放電等の発生が無く、高い安全性を得ることができる。
【0028】
実施の形態3.
図5は本発明の実施の形態3に係わるコロナ放電発生装置の構成図であり、(a)は放電極の形態を示す斜視図、(b)はコロナ放電発生装置の斜視図である。図6は一対のコロナ放電発生装置の上面図である。なお、コロナ放電発生装置の基本的構成は実施の形態1と同様であるので説明は省略する。また、実施の形態1と同一又は相当部分には同じ符号を付し説明を省略する。
図5,6において、板状導体から成る複数の対向電極1の間に空気層を介して放電電極2が配設されている。この放電電極2は図中の矢印で示された空気流の方向と平行に配設された絶縁体の基材7と、この基材7上の対向電極1との対向面に円弧状に連結して配設されたワイヤ線8から構成される。このワイヤ線8の円弧状の両端部は基材7に嵌着等によって固着される。また、ワイヤ線8の円弧長は対向電極1間距離Aの1/2未満で形成される。さらに、本実施の形態におけるワイヤ線は、導体から成る細線のことを意味するものとする。
【0029】
この対向電極1と放電電極2間には電源5から供給される直流の高電圧または直流にパルスを重畳させた状態の高電圧が印加されている。また、対向電極1間距離Aは、対向電極1と放電電極2間の電圧差と設置されるスペースとを考慮して決定される。
【0030】
次に、前述の様に構成された実施の形態1におけるコロナ放電の動作について図5と図6を併用して説明する。まず、電源5により例えば数kVの高圧が投入されると、対向電極1を接地側として放電電極2のワイヤ線8にプラスの直流高電圧が印加される。このとき、対向電極1とワイヤ線8間には極端な不平等電界が発生し、ワイヤ線8から対向電極1に向かって図6に示すようなコロナ放電電流が流れる。
【0031】
即ち、円弧状のワイヤ線8の両端のみが基材7と接触しているため、コロナ放電の電流路は、対向電極1に最も距離が近い円弧頂点を中心にして円弧状部の大半から放物線状に流れることになる。従って、ワイヤ線8の円弧状部から平均化されたコロナ電流が流れるため、空気流に対してコロナ放電電流路が形成されない空間領域がほとんど無くなり、塵埃粒子はより高い帯電効率で帯電される。従って、効率よく帯電された塵埃粒子が、下流側に設けた集塵装置(図示せず)の接地極に吸引・捕獲されるので、除塵効率を高くすることができる。
【0032】
また、円弧状のワイヤ線8の放電箇所は図6に示す様に一点に集中せず、電流密度が分散されるため、スパッタリング現象による放電摩耗が少なく断線の可能性が軽減される。よって、この摩耗による放電電流の減少を防止することができ、ワイヤ等の両端をばね等で張持するのと同等の放電電流量を確保できる。
また、ワイヤ線8は円弧状に基材7に固着されているため、バネ張持等を必要とせず、これによるテンションが掛からないために、放電中はもとより電極洗浄等のメンテナンス作業時にかかる力による断線の可能性も大幅に軽減され、放電極の長寿命化を図ることが出来る。
【0033】
さらに、何らかの事情でワイヤ線8が切断した場合、例えば基材7付近のワイヤ線8の根本部から切断した場合においても、ワイヤ線長Bは1/2A未満であるため、対向電極1までの空間距離より短いので、切断端部が対向電極1に接触することが無い。従って、電極間短絡による火花放電等の発生が無く、高い安全性を得ることができる。
【0034】
また、本実施の形態では基板7を絶縁体で構成したが、導電体であっても良い。基板7が導電体の場合は、ワイヤ線8を連結する必要がなく、それぞれ独立して基板7に張設することができる。また、この場合、電源5はこの導電体の基板7に直接電流を供給可能になるとともに、円弧状ワイヤ線8の一カ所が切断しても、他の円弧状ワイヤ線8からコロナ放電を継続することができる。
さらに、本実施の形態では、ワイヤ線8が構成する円弧形状を空気流に対して直交に配置したが、この円弧は空気流に対して平行、または斜めに構成しても良い。この場合ワイヤ線8のトータル長が長くできるが、コロナ放電電流路がより密に形成できるためより高い塵埃粒子の帯電効率を得られる。
【0035】
また、本実施の形態では基板7の側面にワイヤ線8を円弧状に固着する構成としたが、図7に示す様に、基板7の上面にワイヤ線9を円弧状に固着しても良い。この構成では、ワイヤ線9は基板7の上面に基板7と平行に配設されているため、空気流が通過する領域に対してコロナ放電電流路が形成されず帯電不可能な空間領域が小さくなり、除塵効率がより高くなる。
【0036】
実施の形態4.
図8は本発明の実施の形態4に係わるコロナ放電発生装置の構成図であり、(a)は放電極の形態を示す斜視図、(b)はコロナ放電発生装置の斜視図である。図9は一対のコロナ放電発生装置の上面図である。なお、コロナ放電発生装置の基本的構成は実施の形態1・3と同様であるので説明は省略する。また、実施の形態1・3と同一又は相当部分には同じ符号を付し説明を省略する。
図8,9において、板状導体から成る複数の対向電極1の間に空気層を介して放電電極2が配設されている。この放電電極2は図中の矢印で示された空気流の方向と平行に配設された基材7と、この基材7に導体より成る細線を基材7の対向電極1との対向面に円弧状に連結して配設された上下2列のワイヤ線8a,8bから構成される。このワイヤ線8a,8bの円弧状の根本部は基材7に嵌着等によって固着される。ワイヤ線8a,8bは、空気流方向(図9の方向)から見た場合、円弧状のワイヤ線8a,8bがお互い、互い違いに成るように配設される。
【0037】
次に、前述の様に構成された実施の形態1におけるコロナ放電の動作について図8と図9を併用して説明する。まず、電源5により例えば数kVの高圧が投入されると、対向電極1を接地側として放電電極2のワイヤ線8a,8bにプラスの直流高電圧が印加される。このとき、対向電極1とワイヤ線8a,8b間には極端な不平等電界が発生し、ワイヤ線8a,8bから対向電極1に向かって図9に示すようなコロナ放電電流が流れる。
【0038】
上下2列でお互い互い違いに配列しているため、空気流に対して平均化されたコロナ電流が流れるため、空気流に対してコロナ放電電流路が形成されない空間領域がほとんど無くなり、一列の場合に較べて、塵埃粒子はより一層高い帯電効率で帯電される。従って、効率よく帯電された塵埃粒子が、下流側に設けた集塵装置(図示せず)の接地極に吸引・捕獲されるので、除塵効率を高くすることができる。
【0039】
【発明の効果】
以上の発明から明らかなように本発明に係わるコロナ放電発生装置は、平行に対向させた対向電極間に空気層を介して放電電極を配置し、該放電電極と対向電極の間でコロナ放電を生じさせるコロナ放電発生装置において、前記放電電極は、細線状の導体および2本の棒状体から成る支持部材で構成され、前記対向電極間で、かつ、この対向電極と略平行面上に配設されており、前記支持部材は前記対向電極の対向面に対して平行に並設され、2本の棒状体間に前記導体が所定間隔を設けてラダー状に複数張設されるとともに、この導体のラダー状の段に相当する長さは、前記対向電極の極間距離の1/2未満に設定されているものである。この結果、空気流に対してコロナ放電電流路が形成されない空間領域が少なくなり、通過塵埃は電流密度の高いコロナ電流で帯電され帯電効率が非常に高くなる。また、放電箇所が一点に集中せず、バネ張時等を必要としないためテンションがかからず、断線の可能性が大幅に軽減され、放電極の長寿命化を図ることが出来る。この結果、何らかの事情でワイヤ線が切断した場合でも、切断端部が対向電極に接触することが無く、電極間短絡による火花放電等の発生が無く、高い安全性を得ることができる。
【0040】
また、本発明に係わるコロナ放電発生装置は、平行に対向させた対向電極間に空気層を介して放電電極を配置し、該放電電極と対向電極の間でコロナ放電を生じさせるコロナ放電発生装置において、前記放電電極は、細線状の導体および2本の棒状体から成る支持部材で構成され、前記対向電極間で、かつ、この対向電極と略平行面上に配設されており、前記支持部材は前記対向電極の対向面に対して平行に並設され、2本の棒状体間に前記導体が所定間隔を設けてコルゲート状に複数張設されるとともに、コルゲート状に張設された導体の長さは、前記対向電極の極間距離の1/2未満に設定されているものである。この結果、コロナ放電電流路が形成されない空間領域が少なくなり、帯電効率が非常に高くなる。また、放電箇所が一点に集中せずテンションもかからないため、断線の可能性が大幅に軽減され、放電極の長寿命化を図ることが出来る。この結果、何らかの事情でワイヤ線が切断した場合でも、切断端部が対向電極に接触することが無く、電極間短絡による火花放電等の発生が無く、高い安全性を得ることができる。
【0041】
また、本発明に係わるコロナ放電発生装置は、前記放電電極を構成する細線状の導体が1本又は独立した複数本で構成されているものである。この結果、コロナ放電電流路が形成されない空間領域が少なくなり、帯電効率が非常に高くなる。また、放電箇所が一点に集中せずテンションもかからないため、断線の可能性が大幅に軽減され、放電極の長寿命化を図ることが出来る。
【0042】
また、本発明に係わるコロナ放電発生装置は、平行に対向させた対向電極間に空気層を介して放電電極を配置し、該放電電極と対向電極の間でコロナ放電を生じさせるコロナ放電発生装置において、前記放電電極は、細線状の導体および1枚の板状基材から成る支持基板で構成され、前記対向電極間に配設されており、前記支持部材は空気流の方向と平行に配設され、前記導体が側面に円弧状に連結されるとともに、前記導体の円弧長は、前記対向電極の極間距離の1/2未満に設定されているものである。この結果、コロナ放電電流路が形成されない空間領域が少なくなり、帯電効率が非常に高くなる。また、放電箇所が一点に集中せずテンションもかからないため、断線の可能性が大幅に軽減され、放電極の長寿命化を図ることが出来る。この結果、何らかの事情でワイヤ線が切断した場合でも、切断端部が対向電極に接触することが無く、電極間短絡による火花放電等の発生が無く、高い安全性を得ることができる。
【0043】
また、本発明に係わるコロナ放電発生装置は、前記円弧状の細線は前記支持部材の前記対向電極との対向面に2列で互い違いに配設してなるものである。この結果、コロナ放電電流路が形成されない空間領域が少なくなり、通過塵埃は電流密度の高いコロナ電流で帯電され帯電効率が非常に高くなる。また、放電箇所が一点に集中せずテンションもかからないため、断線の可能性が大幅に軽減され、放電極の長寿命化を図ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施形態1の構成を示すコロナ放電発生装置の斜視図である。
【図2】 この発明の実施形態1の構成を示すコロナ放電発生装置の上面図である。
【図3】 この発明の実施形態2の構成を示すコロナ放電発生装置の斜視図である。
【図4】 この発明の実施形態2の構成を示すコロナ放電発生装置の上面図である。
【図5】 この発明の実施形態3の構成を示すコロナ放電発生装置の斜視図である。
【図6】 この発明の実施形態3の構成を示すコロナ放電発生装置の上面図である。
【図7】 この発明の実施形態3の構成を示すコロナ放電発生装置の放電極の斜視図である。
【図8】 この発明の実施形態4の構成を示すコロナ放電発生装置の斜視図である。
【図9】 この発明の実施形態4の構成を示すコロナ放電発生装置の上面図である。
【図10】 従来のコロナ放電発生装置の斜視図である。
【符号の説明】
1,11 対向電極、 2 放電電極、 3 棒状体、 4,6,8,9,12 ワイヤ線、 5 電源、 7 基材、 13 骨材。
Claims (5)
- 平行に対向させた対向電極間に空気層を介して放電電極を配置し、該放電電極と対向電極の間でコロナ放電を生じさせるコロナ放電発生装置において、前記放電電極は、細線状の導体および2本の棒状体から成る支持部材で構成され、前記対向電極間で、かつ、この対向電極と略平行面上に配設されており、前記支持部材は前記対向電極の対向面に対して平行に並設され、2本の棒状体間に前記導体が所定間隔を設けてラダー状に複数張設されるとともに、この導体のラダー状の段に相当する長さは、前記対向電極の極間距離の1/2未満に設定されていることを特徴とするコロナ放電発生装置。
- 平行に対向させた対向電極間に空気層を介して放電電極を配置し、該放電電極と対向電極の間でコロナ放電を生じさせるコロナ放電発生装置において、前記放電電極は、細線状の導体および2本の棒状体から成る支持部材で構成され、前記対向電極間で、かつ、この対向電極と略平行面上に配設されており、前記支持部材は前記対向電極の対向面に対して平行に並設され、2本の棒状体間に前記導体が所定間隔を設けてコルゲート状に複数張設されるとともに、コルゲート状に張設された導体の長さは、前記対向電極の極間距離の1/2未満に設定されていることを特徴とするコロナ放電発生装置。
- 前記放電電極を構成する細線状の導体が1本又は独立した複数本で構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のコロナ放電発生装置。
- 平行に対向させた対向電極間に空気層を介して放電電極を配置し、該放電電極と対向電極の間でコロナ放電を生じさせるコロナ放電発生装置において、前記放電電極は、細線状の導体および1枚の板状基材から成る支持基板で構成され、前記対向電極間に配設されており、前記支持部材は空気流の方向と平行に配設され、前記導体が側面に円弧状に連結されるとともに、前記導体の円弧長は、前記対向電極の極間距離の1/2未満に設定されていることを特徴とするコロナ放電発生装置。
- 前記円弧状の細線は前記支持部材の前記対向電極との対向面に2列で互い違いに配設してなることを特徴とする請求項4記載のコロナ放電発生装置。
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