JP2002500562A - 空気清浄機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 静電空気清浄機はコロナ帯電部と捕集部とを有する。この帯電部は、実質的に平行なアースワイヤの第１及び第２のアレイを有しており、各アレイそれぞれは、空気の流れる流れる方向に実質的に垂直なそれぞれの面内に配置されている。また、この帯電部は、第１及び第２のアレイに挟まれた実質的に平行なコロナワイヤの第３のアレイを有する。この構造によれば、最適なコロナ放電条件を得るために、アースワイヤの間隔とコロナワイヤの間隔とを、互いに独立に選択することができる。また、この構成によれば、アースワイヤを簡単にきれいにすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】 空気清浄機 技術分野 本発明は、空気清浄機、とりわけ静電空気清浄機に関する。 背景技術 様々な静電空気清浄機の構造が提案されている。静電型の構造の大きな利点は 、従来の機械的フィルタを用いる空気清浄機と比較して、空気清浄機を横切る圧 力降下を減少させることができることである。大きな圧力降下により、所望の空 気流量率を与えるための強力なファンが必要となるが、このファンは、空気清浄 機の動作をうるさくする。 従来の静電空気清浄機は、フィルタを通して空気ストリーム中の粒子を帯電さ せる帯電部と、ダスト捕集部とを有する。空気清浄機を横切る圧力降下をほぼゼ ロにすることができる。帯電部は典型的には高電圧イオン化装置を有し、また、 細いワイヤの形状でありグラウンドプレートの間に挟まれた一連のコロナ放電電 極が配置されていてもよい。コロナ放電に要求される条件は、当業者により知ら れる。本質的には、コロナ放電電極の近くの空気分子をイオン化するために、十 分な電界強度が要求される。コロナ電極はある極性のイオンをすばやく放電し、 一方で、その反対の極性のイオンをグラウンドプレートに向けて電気力線に沿っ てドリフトさせる。空気ストリームに含まれる粒子はこれらドリフトしているイ オンとの衝突により帯電する。 このタイプのコロナ放電帯電部を用いている静電空気清浄機が米国特許第５， ３３０，５５９号に記載されている。 米国特許第５，３３０，５５９号に記載されているように、例えば６ｋＶから ２０ｋＶのかなりの高電圧がコロナ放電を持続させるために必要とされるため、 この種の静電空気清浄機に関する問題は、コストと、電圧源を含めた構成要素の 複雑さである。 発明の開示 本発明によれば、空気清浄機に向かう空気ストリームの中に含まれる粒子を除 去するための空気清浄機か提供される。この空気清浄機は、空気ストリームの中 の粒子を帯電するための帯電部と、帯電粒子を捕獲するための捕集部とを有する 。この帯電部は、実質的に平行なワイヤの第１及び第２のアレイを有し、それぞ れのアレイは、空気が流れる方向に実質的に垂直なそれぞれの面内に配置され、 第１及び第２のアレイのワイヤは第１の電位に保持されている。また、この帯電 部は、第１及び第２のアレイの間に挟まれた実質的に平行なワイヤの第３のアレ イを有する。第３のアレイのワイヤは第２の電位に保持されている。 本発明における帯電部の構造は、簡単な機械的構造を備える３つのワイヤフレ ームを必要とする。第１及び第２のアレイのワイヤはアースされ、第３のアレイ のワイヤはコロナ放電電圧に保持されることが好ましい。放電部の構造は捕集部 の構造とは独立しており、そのため、空気清浄機のこれら双方の部分を独立して 最大限に利用することができる。さらに、アースワイヤの間隔及びコロナワイヤ の間隔は、最適なコロナ放電条件を得るために、独立に選択されることができる 。 フィルタが動作している間、特に、アースワイヤのアレイはダスト粒子でだん だんと汚れる。第１及び第２のアレイのアースワイヤは、コロナ放電ワイヤを取 り囲むように、帯電部の周囲に配置されているため、それらアースワイヤは容易 にきれいにすることができる。さらに、フィルタを通過するダスト粒子は、中心 のアレイのコロナ放電ワイヤに届く前に帯電され、それ故にコロナ放電ワイヤに 対して反発する。コロナワイヤはそれ故に汚れの影響をほとんど受けない。コロ ナワイヤを取り巻くアースワイヤはまた、部分的なファラデー遮蔽として作用し 、その結果、コロナ放電条件における浮遊環境の電界の如何なる影響も最小にす る。 ３つのアレイのワイヤは全て互いに平行であることが好ましい。第１及び第２ のアレイのワイヤは数が互いに等しくてもよいし、空気の流れる方向に並んでい てもよい。また、第３のアレイのワイヤは、第１及び第２のアレイのワイヤから 、空気の流れる方向に関してオフセットを持って配置されてもよい。 第３のアレイのワイヤ（コロナ放電ワイヤ）のオフセットにより、コロナ放電 ワイヤとグラウンドワイヤとの間の電気力線が空気清浄機を通過する空気ストリ ームと交差することが確実となる。これにより、空気ストリーム中の粒子の帯電 か効果的に行われることが確実となる。加えて、本発明の帯電部では、コロナ放 電ワイヤの間隔をアースワイヤの間隔とは独立して選択することができる。 好ましい実施形態では、コロナ帯電ワイヤの数は、第１又は第２のアレイのア ースワイヤよりも少ない。（アースワイヤの間隔に対し）コロナ放電ワイヤの間 隔を広げることにより、実質的にコロナ放電が起こる電圧を小さくできることが わかる。コロナ放電ワイヤの間隔が広がると、電界パターンについて隣接するコ ロナワイヤの相互の影響をほとんど受けず、コロナワイヤの周りの電界の対称性 が向上する。電界の対称性により、コロナオンセット電圧を低くすることができ る。 第１及び第２のアレイのアースワイヤは直径が０．２ｍｍよりも大きいことが 好ましく、また、第３のアレイのコロナワイヤは直径が０．０５ｍｍ〜０．０８ ｍｍであることが好ましい。アースワイヤの径を大きくすると機械的強度が向上 し、各アレイのワイヤは、例えばエッチング工程や、機械的なカッティングやパ ンチング工程を行うことにより、金属の固体シートから形成することができる。 空気清浄機の捕集部は、一連の交互に配置されたアース及び高電圧平行プレー トを有していてもよい。各プレートは空気の流れる方向に実質的に平行な面内に 広がる。このように配置することにより、フィルタを横切る圧力降下が最小にな り、その結果、空気清浄機を通過する空気の流れを発生させるために、低パワー のファンを用いることができる。 また、捕集部は、電気を通す２つの多孔性の金網に挟まれた機械的なフィルタ 材料を有していてもよく、この２つの金網の間には、このフィルタ材料を横切る 電界を生成するための電位差が存在している。これにより圧力降下はわずかに大 きくなるか、電気的に高性能のフィルタ材料を用いることでダスト除去効果が向 上し、空気清浄機の全体の性能を十分に向上させることができる。 図面の簡単な説明 本発明は、添付された図を参照しながら実施例を通じて説明されるだろう。 第１図は、静電空気清浄機の必須の構成要素を示す概略図である。 第２図は、本発明による帯電部及び捕集部の一例を示す図である。 第３図は、本発明による帯電部及び捕集部の別の例を示す図である。 発明を実施するための最良の形態 第１図に示されている空気清浄機１０は、入口１４及び出口１６を備えたケー ス１２を有する。ファン１８は、矢印２０で表されている方向に空気清浄機１０ を通過する空気ストリームを生成するために備えられている。空気清浄機１０を 通過する流線形の空気の流れはなく、矢印２０による表現は空気の流れとしては 単純化されているということはもちろん理解されているけれども、以下の記述及 び請求項で使用されている“空気の流れる方向”という言葉は、空気清浄機を通 過する空気の流れの一般的な方向が矢印２０により表現されるものとして用いら れる。 ファン１８によりフィルタの中に生じる空気ストリームは、帯電部２２及び捕 集部２４を通過して流れる。帯電部２２は空気ストリームに含まれる粒子を帯電 し、捕集部２４はそれら帯電した粒子を捕獲するためのものである。帯電部２２ には、変圧器２６により発生するコロナ放電が安定して得られるようにするため 、高電圧の供給が要求される。 上述された構成要素は従来から用いられているものである。このタイプの静電 空気清浄機の利点は、帯電部２２及び捕集部２４を横切るときの圧力降下が低い ことであり、これにより、低パワーファン１８を用いることができ、それ故に空 気清浄機により発生する運転音が抑えられる。静電空気清浄機に備えられる既知 の帯電部の一例として、平行に配置されたアースプレートの間に挟まれた一連の コロナ放電ワイヤを有する帯電部がある。この構造の１つの問題は、空気清浄機 のコスト及び重量を増大させてしまう高圧変圧器が必要になることである。その 他の問題は捕集部をきれいにする必要性であり、この捕集部は、金属プレートと 、その金属プレートに挟まれたコロナワイヤとが密に配置されているため動作が 単純にはならない。 第２図は、本発明による空気清浄機の一実施例である。簡略化のため、ファン 及び電源は図示省略されている。 帯電部２２はアースワイヤ３１，３３の第１及び第２のアレイ３０，３２を有 する。各アレイ３０，３２は、空気が流れる方向２０に垂直な面内に延在し、等 間隔に配置された多数の平行なワイヤを有する。第１のアレイ３０のワイヤ３１ はまた、第２のアレイ３２のワイヤ３３に平行であり、これら２つのアレイのワ イヤは空気の流れる方向２０に並んで配置されている。第１及び第２のアレイ３ ０，３２のワイヤは大地電位に保持されており、例えば、約１．０ｍｍの直径を もつクロム−ニッケルワイヤを有していてもよい。また、第１及び第２のアレイ ３０，３２は、それぞれ金属プレートのケミカルエッチングにより形成されても よく、この場合、ワイヤは、例えば、ステンレススチールを有していてもよく、 少なくとも０．５ｍｍの厚さを有していてもよい。これにより、固体プレートを エッチングしてワイヤを作製することができる。 ２つのアレイは、互いの間の間隔をできるだけ狭くして（例えば１０ｍｍ）配 置されている。第２図に示す例では、隣り合うアースワイヤの間隔は約４ｍｍで ある。 コロナ放電ワイヤ３５の第３のアレイ３４は、アレイ３０及び３２に対して相 対的に高電圧に保持されており、第１及び第２のアレイ３０，３２の間に配置さ れている。第３のアレイも、空気の流れる方向に垂直の面に延在する一連の平行 なワイヤを有する。コロナワイヤの直径はできるだけ小さくするべきであり、こ の直径は約０．０５ｍｍであることが好ましい。この値よりも直径を小さくして しまうと、ワイヤの機械的強度が弱くなるからである。コロナワイヤはタングス テンで製造されていることが好ましい。 コロナワイヤは、アースワイヤから、空気の流れる方向に関してオフセットを 持って配置されている。これにより、空気ストリームはコロナワイヤとアースワ イヤとの間に形成される電気力線を横切ることが確実となる。ダスト粒子を均一 に帯電するためには、全電気力線が空気の流れを横切ることが必要であるという ことがわかるだろう。 第２図に示す例では、コロナワイヤの間隔（８ｍｍ）は、アースワイヤの間隔 （４ｍｍ）の２倍である。隣り合うコロナワイヤの間隔を隣り合うアースワイヤ の 間隔よりも広げることにより、低い供給電圧でコロナ放電を得ることができるこ とがわかるだろう。特に、第２図に示されている空気清浄機の帯電部２２では、 コロナ部の供給電圧は４．５ｋＶ以下でよい。このため、従来の電源を使用する ことができる。コロナワイヤの間隔を広げるなど、放電条件の下で隣り合うコロ ナワイヤからの電界の影響を減らすことにより、コロナ放電電圧を低くすること ができる。 第２図に示されている空気清浄機の捕集部２４は、交互に配置されたアースプ レート３８及び高電圧プレート４０を別々に有している。これらプレートは互い に平行に広がっており、空気清浄機を通過する空気の流れる方向に平行に配置さ れている。このようにプレートを配置することにより、捕集部には無視できる程 度の圧力降下しか導入されない。捕集部のプレートは約０．５ｍｍの厚さを有し ていてもよい。高電圧プレートに供給された電圧、隣り合うプレートの分離によ り、プレート間に電界強度が生じる。高電圧プレートには、コロナワイヤの電圧 電源と同じ電源が使用されてもよく、隣り合うプレートの間隔は約２ｍｍくらい でよい。 フィルタの目詰まりを防止するため、ユーザがフィルタの捕集部を清掃できる ことが望まれる。これは、先に記載した金属プレートを用いることにより可能と なるが、使い捨てのものを備えることが好ましい。このため、捕集部２４のプレ ートの基板として可塑性のある厚紙のプレートを使用することが可能である。こ れらプレートは無電解ニッケル溶液に浸されてもよい。ニッケル層の厚さが０． １μｍであれば、十分に電圧を印加することができる。補集部は使い捨てであっ てもよい。 第２図に示されている空気清浄機の構造により、小型で、清浄効率が高く運転 音の小さい清浄機が得られる。捕集部のプレートの長さは、例えば約４５ｍｍで あり、その結果、空気清浄機の奥行は１０ｃｍのオーダーが可能となる。図示さ れた構造で表面積が０．０８ｍ²の場合、空気流量が３００ｍ³／ｈ〜３５０ｍ³ ／ｈにおいて、直径０．３μｍの粒子に関して少なくとも９５％の吸着効率が得 られる。 第３図は、本発明の空気清浄機に用いられる帯電部及び補集部の第２実施例を 示す。第２図の帯電部２２は第３図に示す空気清浄機に用いられている。しかし ながら、第２図の捕集部２４の平行プレートが、金網５２，５４間に挟まれたひ だ付きの繊維フィルタ５０に置き換えられており、金網５２，５４間には電位差 Ｖが印加されている。この捕集部は静電特性の良好な繊維フィルタを有する。第 ２図に示す実施例よりも大きい圧力降下を犠牲にして、約１ｋＶ／ｍｍの電界強 度が、ダストの除去効率がさらに良好な（約３ｍｍの厚さを有する）繊維フィル タを横切るように印加されている。しかしながら、この圧力降下量は約３０Ｐａ であり、この程度の量ではファンの動作は静かである。繊維フィルタは使い捨て であってもよい。 コロナワイヤ３５に供給される電圧は、フィルタ材料を横切る電界を生成する ために用いられてもよい。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 空気清浄機を通る空気ストリームに含まれる粒子を除去する該空気清浄 機であって、 前記空気ストリームの粒子を帯電する帯電部と、帯電した粒子を捕集する捕集 部とを有し、 前記帯電部が、第１の電位に保持され実質的に平行なワイヤの第１及び 第２のアレイであって、空気の流れる方向に実質的に垂直な面それぞれに配置さ れた第１及び第２のアレイと、第２の電位に保持され実質的に平行なワイヤの第 ３のアレイであって、前記第１及び第２のアレイに挟まれた第３のアレイとを備 えたことを特徴とする空気清浄機。 ２． 前記３つのアレイのワイヤが全て互いに平行であり、 前記第１及び第２のアレイのワイヤは、互いの数が等しく、空気の流れ る前記方向に並べられており、 前記第３のアレイのワイヤは、前記第１及び第２のアレイのワイヤから 、空気の流れる前記方向に関してオフセットを持って配置されていることを特徴 とする請求項１に記載の空気清浄機。 ３． 前記第３のアレイのワイヤが、前記第１又は第２のアレイのワイヤより も少ないことを特徴とする請求項２に記載の空気清浄機。 ４． 前記第１及び第２のアレイのワイヤがアースされており、 前記第３のアレイのワイヤが４．５ｋＶ以下に保持されていることを特 徴とする請求項１〜３のうちのいずれか１項に記載の空気清浄機。 ５． 前記第１及び第２のアレイが約０．２ｍｍ以上の直径のワイヤを有し、 前記第３のアレイが、直径０．０５ｍｍ−０．０８ｍｍの高電圧コロナ ワイヤを有することを特徴とする請求項１〜４のうちのいずれか１項に記載の空 気清浄機。 ６． 前記第１及び第２のアレイが約１０ｍｍの間隔をあけて配置されている ことを特徴とする請求項１〜５のうちのいずれか１項に記載の空気清浄機。 ７． 前記捕集部が、それそれが空気の流れる前記方向に実質的に平行な面内 に広がり交互に配置されたアース平行プレート及び高電圧平行プレートを有する ことを特徴とする請求項１〜６のうちのいずれか１項に記載の空気清浄機。 ８． 前記平行プレートが金属で覆われた可塑性のある厚紙のシートを有する ことを特徴とする請求項７に記載の空気清浄機。 ９． 前記捕集部が２つの金網で挟まれたフィルタ材料を有し、前記２つの金 網間には、前記フィルタ材料を横切る電界を生成するために電位差が与えられた ことを特徴とする請求項１〜６のうちのいずれか１項に記載の空気清浄機。