JP4012580B2 - 化粧料原料用非水系樹脂分散液 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、耐水性、耐油性、密着性等の各種被膜物性に優れた被膜を形成し、化粧料原料として優れた化粧機能性及び使用性を化粧料に付与することができる卓越した非水系樹脂分散液に関し、詳しくはシリコーンオイルを含有する非水溶媒(A)、特定の珪素含有単量体の(共)重合体からなる該非水溶媒(A)に可溶性の分散安定剤(B)、及び、該非水溶媒(A)に実質的に不溶性の(共)重合体からなる分散粒子(C)を含有してなる化粧料原料用非水系樹脂分散液に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、化粧料原料の1つとして各種の被膜形成剤の応用及び開発が行われており、それら被膜形成剤を配合した化粧料として、代表的には、ネイルエナメルなどの美爪料、アイライナー、マスカラなどのアイメイクアップ化粧料がある。
【0003】
これら化粧料では一般に被膜の強度が要求され、連続被膜を形成する物質が用いられている。具体的には、ネイルエナメルにおいては、ニトロセルロース、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、またアイライナー、マスカラにおいては、ポリ酢酸ビニルエマルジョン、ポリアクリル酸エステルエマルジョン又はこれらの共重合物などの合成樹脂エマルジョンの使用が知られている。
【0004】
しかし、ネイルエナメルで使用されているニトロセルロースには、形成される被膜が硬く柔軟性に欠け、光沢も十分ではなく、また爪への付着性に乏しいという欠点があった。
【0005】
またアイライナー、マスカラ等で使用される公知の合成樹脂エマルジョンでは、耐水性のある被膜は形成されるものの、該エマルジョン製造時に使用される水溶性の界面活性剤や保護コロイド、さらには化粧料配合の際の顔料分散に使用される水溶性の界面活性剤の存在により、水や汗などによって被膜そのものが剥がれてしまうという現象を生じ、付着性の良さ、化粧持続性の良さという点で満足いくものではなかった。
【0006】
さらにアイライナー、マスカラ等のアイメイクアップ化粧料には、イソパラフィン、シリコーン油などの揮発性有機溶媒を配合した非水系のタイプのものもある。この種の化粧料は、水や汗に対しては十分な耐性、すなわち耐水性を有するが、形成される被膜が主に高融点ワックスからなるものが多く、皮脂や油に対して化粧くずれし易く、耐油性の点で十分満足できるものではなかった。
【0007】
一方、ファンデーション、白粉、頬紅、アイシャドウ、口紅等のメイクアップ化粧料においては、特に化粧くずれしにくく、化粧持続性に優れることが重要となり、揮発性のあるシリコーン油やシリコーン樹脂の使用が行われるようになってきた。しかし、水や汗に対しては十分な耐性を有するものの、付着性、耐油性などの面で不十分であり、さらに化粧持続性に優れたものが望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、前記従来の美爪料、アイメイクアップ化粧料、メイクアップ化粧料などの前記問題点を改善する化粧料原料、特に耐水性、耐油性、付着性、化粧持続性などの優れた化粧機能性及び使用性を付与する被膜形成剤、結合剤等の化粧料原料を提供することにある。
【0009】
本発明者等は化粧料にみられる前記問題点を解決すべく鋭意研究した結果、シリコーンオイルを主成分とする非水溶媒、該非水溶媒に可溶性で特定の珪素含有単量体の(共)重合体からなる分散安定剤、及び該非水溶媒に実質的に不溶性の(共)重合体からなる分散粒子からなる非水系樹脂分散液が前記目的を達成するものであることを見い出し本発明を完成するに至った。
【0010】
【課題を解決する為の手段】
本発明によれば、下記(A)〜(C)、
【0011】
(A) シリコーンオイルを70 重量%以上含有する非水溶媒、
(B) 下記一般式(1)で表わされる珪素含有単量体の(共)重合体からなり、一般式 (1) で表わされる珪素含有単量体の ( ) 重合量が 70 100 重量%である上記非水溶媒(A)に可溶性の分散安定剤、及び、
【0012】
【化4】
【0013】
(但し、R1〜R8、X、Y、a、b、nは請求項1で定義した通りである)
【0014】
(C) 上記非水溶媒(A)に実質的に不溶性のガラス転移温度が− 10 50 ℃であるアクリル系 ( ) 重合体からなる分散粒子、を含有してなる化粧料原料用非水系樹脂分散液が提供される。
【0015】
以下、本発明の化粧料用非水系樹脂分散液についてさらに詳細に説明する。
【0016】
〔非水溶媒(A)〕
本発明の非水系樹脂分散液において使用される非水溶媒(A)はシリコーンオイルを70 重量%以上含有するものである。
【0017】
本発明に使用しうるシリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、ジエチルシリコーンオイル、ジブチルシリコーンオイル等のジアルキルシリコーンオイル;例えば、環状ポリジメチルシロキサン、環状ポリジエチルシロキサン、環状ポリジブチルシロキサン等の環状ポリジアルキルシロキサン;例えば、環状ポリメチルフェニルシロキサン、環状ポリエチルフェニルシロキサン、環状ポリブチルフェニルシロキサン等の環状ポリアルキルフェニルシロキサン;例えば、メチルフェニルシロキサン、エチルフェニルシロキサン、ブチルフェニルシロキサン等のアルキルフェニルシロキサン;等を挙げることができ、その他、例えば、高級脂肪酸変性シリコーンオイル、メチル塩素化フェニルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、メチルスチリル変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル等の変性シリコーンオイル;なども使用できる。これらのシリコーンオイルは、それぞれ単独で、または2種以上混合して用いることができるが、本発明の非水系樹脂分散液を化粧料の被膜形成剤として使用する場合、揮発性を有する環状ポリジアルキルシロキサン、環状ポリアルキルフェニルシロキサンが好ましく、特にオクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等の環状ポリジメチルシロキサンが好ましい。
【0018】
以上に述べたシリコーンオイルは適宜混合してそのまま使用することができるが、必要に応じて、例えば、後述する分散安定剤(B)の溶解性向上、最終の分散液の粘度調節、被膜形成剤としての乾燥性調節等の目的で、少割合(好ましくは 30 重量%以下の量)で、シリコーンオイル以外の有機溶媒を併用することができる。
【0019】
併用しうる有機溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン等の脂肪族炭化水素系有機溶媒;例えばシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘプタン、メチルシクロヘプタン等の脂環式炭化水素系有機溶媒;例えば「ロウス」、「ミネラルスピリットEC」、「シュルゾール71」、[以上、シェル社製]、「アインバーG」、「アインバーH」、「アインバーL」〔以上、エクソンンケミカル社製〕、「IPソルベルト1016」、「IPソルベルト1620」、「IPソルベルト2028」〔以上、出光石油化学(株)製〕等の脂肪族炭化水素系混合溶媒;例えば、ベンゼン、トルエン、キエレン等の芳香族炭化水素系有機溶媒;例えば、メタノール、エタノール、i-プロピルアルコール、ブタノール等のアルコール系有機溶媒;例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチル-i-ブチルケトン等のケトン系有機溶媒;例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸i-ブチル等のエステル系有機溶媒;などを挙げることができる。これら併用しうる有機溶媒のうち、殊に脂肪族炭化水素系有機溶媒が好適である。
【0020】
〔分散安定剤(B)〕
本発明の化粧料原料用非水系樹脂分散液において使用される、前記非水溶媒(A)に可溶性の分散安定剤(B)は、後述する前記非水溶媒(A)に実質的に不溶性のアクリル系(共)重合体からなる分散粒子を非水溶媒(A)中に安定に分散させるための分散安定剤としての役割を果すのみならず、該分散粒子の造膜性の向上、得られる被膜の撥水性、撥油性の向上、顔料分散性及び分散安定性の向上等の作用を有するものであり、下記一般式(1)、
【0021】
【化5】
【0022】
(但し、R1〜R8、X、Y、a、b、nは請求項1で定義した通りである)で表わされる珪素含有単量体を(共)重合することにより得られる。
【0023】
本発明で好適に使用しうる上記一般式(1)で表わされる珪素含有単量体(以下Si単量体ということがある)の代表的なものを挙げると次の表1の通りである。
【0024】
【表1】
【0025】
本発明に用いる分散安定剤(B)は、このようなSi単量体の1種又は2種以上を適宜選択して重合することにより製造することができるが、該Si単量体におけるnが3未満である珪素含有単量体を使用する場合には、得られる非水系樹脂分散液のシリコーンオイルによる希釈安定性、得られる被膜の撥水性、撥油性等の観点から、nが3以上である珪素含有単量体と併用して重合することが望ましい。
【0026】
また本発明に用いる分散安定剤(B)は、前記Si単量体とともに、必要に応じて、他のラジカル重合性単量体(以下共単量体ということがある)と共重合することができる。
【0027】
このような共単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、n-ブチレン、i-ブチレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン系単量体;例えば、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン等の芳香族ビニル単量体;例えば、(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体;例えば、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、n-酪酸ビニル、「バーサチック酸ビニル」〔商品名:シェル社製〕等の飽和脂肪酸ビニルエステル単量体;例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、i-ブチル(メタ)アクリレト、t-ブチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、i-オクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、i-ノニル(メタ)アクリレート、n-ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル単量体;などを例示できる。
【0028】
またアルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換された炭素数1〜18の直鎖もしくは分岐アルキル基又は炭素数6〜8のシクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルも使用することができ、このような単量体としては、例えば、「ビスコート8F」、「ビスコート8FM」、「ビスコート3FM」〔以上、大阪有機化学工業(株)製〕等を挙げることができる。
【0029】
さらに共単量体としては、必要に応じて、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、アリルアルコール、メタリルアルコール等〔好ましくは2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ低級アルキル(メタ)アクリレート〕の水酸基含有単量体;例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、シトラコン酸、桂皮酸等(好ましくはアクリル酸、メタクリル酸)のカルボキシル基含有単量体;などの官能性基を有するものを用いることができる。
【0030】
本発明に用いる分散安定剤(B)において、前記Si単量体の(共)重合量は、該Si単量体を含む全ラジカル重合性単量体の合計100重量%に基づいて、70 重量%以上であるのがよい。該Si単量体の(共)重合量が上記下限値以上であれば、本発明の非水系樹脂分散液の貯蔵安定性、シリコーンオイルに対する希釈安定性の低下などの不都合が生ずることがないので好ましく、さらに該下限値以上であることにより本発明の非水系樹脂分散液から得られる被膜の撥水性、撥油性が優れたものとなるので好ましい。
【0031】
本発明に用いる分散安定剤(B)の(共)重合は、それ自体既知の重合方法、例えば溶液重合、乳化重合、懸濁重合、バルク重合等の方法で行うことができるが、これらの中でも、得られる(共)重合体の分子量を最適範囲に調整することが容易であること等の理由により、溶液重合が好ましい方法である。
【0032】
具体的には、例えば、前述した非水溶媒(A)中で、前記Si単量体、及び、必要に応じて共単量体を、適宜な重合開始剤並びに必要に応じて連鎖移動剤の存在下に、適宜不活性気体雰囲気中で(共)重合させることができる。この場合、非水溶媒(A)、珪素含有単量体、必要に応じて用いる共単量体、重合開始剤及び/又は連鎖移動の少なくとも一部を逐次添加してもよい。
【0033】
重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、カプロイルパーオキシド、ジ-t-ブチルパーオキシド、ジ-i-プロピルパーオキシジカーボネート、ジ-2-エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、t-ブチルパーオキシビバレート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート等の有機過酸化物;例えば、2,2'-アゾビス-i-ブチロニトリル、2,2'-アゾビス-2-メチルブチロニトリル、2,2'-アゾビス-2,4-ジメチルバレロニトリル、2,2'-アゾビス-4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル、2,2'-アゾビス-i-酪酸ジメチル等のアゾ化合物;などをそれぞれ単独又は組み合わせて使用することができる。
【0034】
上記重合開始剤の使用量は、前記Si単量体を含む(共)重合に使用する単量体の合計100重量部当り、一般に、0.01〜5重量部、好ましくは0.02〜2重量部の範囲内とすることができる。
【0035】
また、前記連鎖移動剤としては、例えば、シアノ酢酸;アルキル基の炭素数が1〜8のシアノ酢酸アルキルエステル類;ブロモ酢酸;アルキル基の炭素数が1〜8のブロモ酢酸エステル類:例えば、アントラセン、フェナントレン、フルオレン、9-フェニルフルオレンなどの芳香族化合物類;例えば、p-ニトロアニリン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、p-ニトロ安息香酸、p-ニトロフェノール、p-ニトロトルエン等の香族ニトロ化合物類;例えば、ベンゾキソン、2,3,5,6-テトラメチル-p-ベンゾキノン等のベンゾキノン誘導体類;トリブチルボラン等のボラン誘導体;例えば、四臭化炭素、四塩化炭素、1,1,2,2-テトラブロモエタン、トリブロモエチレン、トリクロロエチレン、ブロモトリクロロエタン、トリブロモメタン、3-クロロ-1-プロペンのハロゲン化炭化水素類;例えば、クロラール、フラルデヒド等のアルデヒド類;炭素数1〜18のアルキルメルカプタン類;例えば、チオフェノール、トルエンメルカプタン等の芳香族メルカプタン類;メルカプト酢酸;メルカプト酢酸の炭素数1〜10のアルキルエステル類;炭素数1〜12のヒドロキシアルキルメルカプタン類;例えば、ピネン、ターピノレン等のテルペン類;等を挙げることができる。
【0036】
このような連鎖移動剤を用いる場合、その使用量は、(共)重合に使用する前記単量体の合計100重量部当り、0.005〜3重量部であるのが好ましい。
【0037】
前記(共)重合は、一般に30〜180℃、好ましくは60〜150℃の温度範囲で行うのがよい。
【0038】
かくして得られる本発明に用いられる分散安定剤(B)は、一般に10,000〜500,000、好ましくは15,000〜300,000の範囲内の重量平均分子量をもつのがよく、この範囲内で該分子量を本発明の非水系樹脂分散液の使用形態に応じて任意に選ぶことができる。該分子量が該上限値以下であれば、得られる非水系樹脂分散液の粘度が高くなり過ぎるなどの不都合が生じることがなく、また該非水系樹脂分散液を化粧料の被膜形成剤として使用したとき、該化粧料に付着性の良さなどの優れた使用適性を付与することができるので好ましい。一方、該分子量が該下限値以上であれば、非水系樹脂分散液の分散安定性、シリコーンオイル希釈安定性等の性能が低下するなどの不都合が生じることがないので好ましい。尚、本発明における重量平均分子量の値は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)によって測定されたものである。
【0039】
〔分散粒子(C)〕
本発明の化粧料原料用非水系樹脂分散液において、前述のシリコーンオイルを含有する非水溶媒(A)中に、前記Si単量体の(共)重合体からなる分散安定剤(B)によって安定に分散せしめられるアクリル系(共)重合体からなる分散粒子(C)は、該分散液並びに該分散液を被膜形成剤とした化粧料の粘度のコントロール、高固形分化、使用適性の向上、乾燥の促進、被膜強度の向上等の目的で使用されるものであり、該非水溶媒(A)に実質的に不溶性のもので一般に、前記非水溶媒(A)中に前記分散安定剤(B)により安定に分散された非水分散型エマルジョンの形態であるのが好適である。
【0040】
ここで「非水溶媒(A)に実質的に不溶性」とは、分散粒子(C)が、たとえ該非水溶媒(A)により膨潤した状態であっても、明確な粒子状をなしており、有機溶媒と粒子の境界面が認められる状態をいう。この状態は顕微鏡により、又は光散乱法により確認しうる。
【0041】
本発明におけるアクリル系(共)重合体からなる分散粒子(C)は、本発明の非水系樹脂分散液の用途等にもよるが、一般には約0.05〜5μm、好ましくは約0.1〜2μmの範囲内の粒子径をもつのがよい。また該分散粒子(C)は、本発明の非水系樹脂分散液の常温造膜性及びその形成被膜の粘着性を考慮したとき、一般に−10〜50℃、好ましくは0〜40℃、さらに好ましくは5〜35℃の範囲のガラス転移温度(以下、Tgということがある)を有しているのがよい。
【0042】
なお本明細書においてTgとは、L. E. ニールセン著、小野木宣治訳「高分子の力学的性質」第11〜35頁に記載されているような一般の高分子で測定されるTgであり、共重合体の場合は、同書第26〜27頁に記載されている計算Tgである。すなわち共重合体のTgは次式により計算されたものである。
【0043】
【数1】
【0044】
(但し上記式において、Tgは共重合体のガラス転移温度であり、Tg1、Tg2・・・・・・及びTgnは成分1、成分2・・・・・・及び成分nのそれぞれ純粋な単独重合体1、2・・・・・・及びnのガラス転移温度であり、これらはそれぞれ絶対温度に換算して計算する。W1、W2・・・・・・及びWnはそれぞれの成分の重量分率であり、W1+W2+・・・・・・+Wn=1を満足する)
【0045】
また本発明に用いられる分散粒子(C)は、一般に10,000〜500,000、好ましくは15,000〜300,000の範囲内の重量平均分子量をもつのがよく、この範囲内で該分子量を本発明の非水系樹脂分散液の使用形態に応じて任意に選ぶことができる。該分子量が該上限値以下であれば、該非水系樹脂分散液の造膜性の低下や得られる被膜の光沢の低下などの不都合が生じることがないので好ましい。一方、該分子量が該下限値以上であれば、得られる被膜の耐水性、耐油性の低下などの不都合が生じることがないので好ましい。尚、本発明における重量平均分子量の値は、前記の通りGPC法によって測定されたものである。
【0046】
本発明においてアクリル系(共)重合体からなる分散粒子(C)は、予め別途調製した後、前記Si単量体の(共)重合体を分散安定剤(B)として溶解しているシリコーンオイル含有非水溶媒(A)中に分散させるか、又は該分散粒子(C)を該非水溶媒(A)中に分散させてから該分散安定剤(B)を添加溶解させてもよいが、例えば、該非水溶媒(A)中で該Si単量体を(共)重合して分散安定剤(B)を前述の如くして形成せしめ、次いで得られる分散安定剤(B)を溶解含有する該非水溶媒(A)中で、(共)重合体分散粒子(C)を形成するための1種又は2種以上の単量体を(共)重合せしめることにより製造するのが好都合である。
【0047】
この場合、分散安定剤(B)と分散粒子(C)との合計量100重量%中、分散安定剤(B)は一般に5〜70重量%、好ましくは10〜65重量%、特に好ましくは15〜60重量%とするのがよく、また分散粒子(C)は一般に30〜95重量%、好ましくは35〜90重量%、特に好ましくは40〜85重量%とするのがよい。
【0048】
本発明における分散粒子(C)を製造するための単量体としては、例えば、分散安定剤(B)の製造において述べた各種の共単量体から選ばれる1種又は2種以上の単量体、或いは、該共単量体と前記一般式(1)及び/又は下記一般式(2)の珪素含有単量体とからなる組合わせ単量体が好適なものとして使用することができる。
【0049】
【化6】
【0050】
(但し、R1は請求項1で定義した通りであり、mは0〜11の整数を表わす)
【0051】
上記一般式(2)の単量体としては、例えば、「サイラプレーンTM-0701」〔m=0;チッソ(株)製〕、「X-22-2404」〔m=0;信越化学工業(株)製〕、「サイラプレーンTM-0705」〔m=7;チッソ(株)製〕等を挙げることができる。
【0052】
このような本発明における分散粒子(C)としては、得られる非水系樹脂分散液の被膜の耐水性、耐油性の良さ等の観点から、前記共単量体のうち(メタ)アクリル酸エステル単量体〔以下、単量体(c-1)ということがある〕を、該分散粒子(C)を形成するに要する全ラジカル重合性単量体の合計100重量%に基づいて、一般に40重量%以上、好ましくは50〜99重量%、さらに好ましくは60〜98重量%(共)重合してなるアクリル系(共)重合体からなる分散粒子(C)が好ましい。
【0053】
また本発明における分散粒子(C)としては、(メタ)アクリル酸エステル単量体〔単量体(c-1)〕と前記一般式(1)及び/又は一般式(2)の珪素含有単量体〔以下、単量体(c-2)ということがある〕との共重合体からなる分散粒子(C)であるのが特に好ましく、この場合、これら単量体(c-2)の共重合量は、分散粒子(C)を形成するに要する全ラジカル重合性単量体の合計100重量%に基づいて、一般に0.5〜30重量%、好ましくは1〜25重量%、さらに好ましくは2〜20重量%であるのがよい。単量体(c-2)の共重合量が該下限値以上であれば、得られる非水系樹脂分散液の造膜性が向上し、得られる被膜の光沢、耐水性、耐油性等の被膜性能が優れたものとなるので好ましく、該上限値以下であれば該分散液の粘度が高くなり過ぎたり、得られる被膜の付着性が低下するなどの不都合が生じないので好ましい。
【0054】
本発明において(共)重合体分散粒子(C)を製造するために用いることのできる単量体(c-1)としては、通常、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、i-ブチル(メタ)アクリレト、t-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどが特に好適に使用される。
【0055】
また前記単量体(c-1)と共重合しうる単量体としては、前記の単量体(c-2)の他、例えば、スチレン、(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の共単量体〔以下、単量体(c-3)ということがある〕を、分散粒子(C)を形成するに要する全ラジカル重合性単量体の合計100重量%に基づいて、一般に30重量%以下、好ましくは25重量%以下、さらに好ましくは20重量%以下の範囲で使用することができる。
【0056】
さらに前記単量体(c-1)と共重合しうる単量体としては、得られる非水系樹脂分散液への顔料分散性の付与や得られる被膜への親水性の付与等の理由から、必要に応じて、分散安定剤(B)の製造において述べた水酸基含有単量体、カルボキシル基含有単量体等の官能性基を有する単量体を、分散粒子(C)を形成するに要する全ラジカル重合性単量体の合計100重量%に基づいて、一般に20重量%以下、好ましくは15重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下の範囲で用いることができる。
【0057】
さらにまた本発明に用いる(共)重合体分散粒子(C)の製造に際しては、必要に応じて、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)クリレート、トリアリルアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルフタレート、ジビニルベンゼンなどの1分子中に2個以上のラジカル重合性不飽和基を有する単量体を、分散粒子(C)を形成するに要する全ラジカル重合性単量体の合計100重量%に基づいて、一般に5重量%以下、好ましくは3重量%以下、さらに好ましくは2重量%以下の範囲で使用することもできる。
【0058】
本発明に用いる(共)重合体分散粒子(C)は、これら単量体を分散安定剤(B)の(共)重合について前述したとのと同様の方法で(共)重合することにより製造することができる。これにより(共)重合体分散粒子(C)が分散安定剤(B)の存在下に非水溶媒(A)中に安定に分散している非水分散型エマルジョンが得られる。
【0059】
以上述べたシリコーンオイルを含有する非水溶媒(A)、特定のSi単量体の(共)重合体からなる上記非水溶媒(A)に可溶性の分散安定剤(B)、及び、該非水溶媒(A)に実質的に不溶性のアクリル系(共)重合体からなる分散粒子(C)を含有してなる化粧料原料用非水系樹脂分散液は、一般には、これら(A)、(B)及び(C)の3成分の合計量を基準にして、次の範囲内で配合するのが好都合である。
【0060】
非水溶媒 (A) 30〜90重量%、好ましくは35〜80重量%、さらに好ましくは40〜70重量%;
分散安定剤 (B) 0.5〜49重量%、好ましくは2〜42重量%、さらに好ましくは4.5〜36重量%;
分散粒子 (C) 3〜66.5重量%、好ましくは7〜58.5重量%、さらに好ましくは12〜51重量%;
【0061】
本発明の化粧料原料用非水系樹脂分散液は、必要に応じて、従来の化粧基材、例えば、油脂類・ロウ類、油剤成分(例えば、炭化水素、脂肪酸、高級アルコール、脂肪酸高級アルコールエステル等)、可塑剤(例えば、フタル酸誘導体、クエン酸エステル類、蔗糖安息香酸エステル類等)、着色顔料(例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、弁柄、ハンザイエロー、フタロシアニンブルー、キナクリドンレッド等)、体質顔料(例えば、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、カオリン、クレー、タルク、珪藻土、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム等)、金属石鹸、ゲル化剤(例えば、各種植物ガム類、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム等)、界面活性剤、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセロール等)、高分子化合物(例えば、セルロース誘導体、寒天、ペクチン、澱粉誘導体、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸塩、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、シリコーン樹脂、酢酸ビニル系樹脂等)、水及びその他の添加剤(例えば、老化防止剤、防腐剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、pH調節剤、帯電防止剤、可塑剤、消泡剤、顔料湿潤剤、分散剤、色分かれ防止剤、増粘剤、沈降防止剤、ダレ防止剤、美肌用成分等)を適宜添加混合して各種の化粧料として使用することができる。
【0062】
本発明の化粧料原料用非水系樹脂分散液を使用して製造することのできる化粧料としては、該非水系樹脂分散液を被膜形成成分として、又は、結合剤として使用しうる化粧料であればよく、例えば、美爪料;例えば、クリーム、乳液等の基礎化粧料;整髪料等の頭髪化粧料;例えば、ファンデーション、白粉、頬紅、アイシャドウ、アイライナー、口紅等のメイクアップ化粧料などを挙げることができる。
【0063】
【実施例】
以下に実施例、比較例及び参考例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
【0064】
〔分散安定剤(B)溶液の製造〕
参考例1
温度計、攪拌機、還流冷却器などを備えた反応容器に、非水溶媒として市販のシリコーンオイル「KF-995」〔デカメチルシクロペンタシロキサン;信越化学工業(株)製〕120重量部及び酢酸エチル(EAc)240重量部、表1のSi単量体4(Si-4)450重量部、並びに、重合開始剤として2,2'-アゾビス-i-酪酸ジメチル(ADMIB)0.55重量部を仕込み、該反応容器の気相部を窒素ガスで置換した後90℃に昇温し、30分間同温度に保持した。次いで重合開始剤ADMIB 0.9重量部及び酢酸エチル 90重量部からなる混合物を60分間かけて逐次添加した。添加終了後同温度でさらに3時間保持してから冷却し、分散安定剤(B)の溶液を得た。
【0065】
使用した非水溶媒の種類、その添加量及び添加方法、単量体の組成及び添加量、並びに、重合開始剤の種類、添加量及び添加方法、並びに、得られた分散安定剤溶液の中の固形分、粘度及びMwを表2に示した。
【0066】
参考例2
参考例1において、表1のSi-4を450重量部用いる代わりに、表1のSi単量体5( Si-5 75重量部及びSi単量体6(Si-6)375重量部を用いる以外は参考例1と同様の方法で分散安定剤(B)溶液を得た。使用した非水溶媒の種類、その添加量及び添加方法、単量体の組成及び添加量、並びに、重合開始剤の種類、添加量及び添加方法、並びに、得られた分散安定剤溶液の中の固形分、粘度及びMwを表2に示した。
【0067】
参考例3
参考例1において、反応容器に非水溶媒として市販のシリコーンオイル「KF-995」120重量部及び酢酸エチル 240重量部、表1のSi-4 450重量部、並びに、重合開始剤としてADMIB 0.55重量部を仕込む代わりに、市販のイソパラフィン系有機溶媒「マルカゾールR」〔2,2,4,6,6-ペンタメチルヘプタン;丸善石油化学(株)製〕360重量部、表1のSi-3 360重量部及び2-エチルヘキシルメタクリレート(EHMA)90重量部、並びに、重合開始剤としてtBPOEH 1.8重量部を仕込み、該反応容器の気相部を窒素ガスで置換した後100℃に昇温し、30分間同温度に保持した。次いで重合開始剤tBPOEH 3.6重量部及び「マルカゾールR」90重量部からなる混合物を60分間かけて逐次添加し、以下参考例1と同様にして分散安定剤(B)の溶液を得た。
【0068】
使用した非水溶媒の種類、その添加量及び添加方法、単量体の組成及び添加量、並びに、重合開始剤の種類、添加量及び添加方法、並びに、得られた分散安定剤溶液の中の固形分、粘度及びMwを表2に示した。
【0069】
参考例4
参考例3において、表1のSi-3を360重量部用いる代わりに、n-ブチルメタクリレート(BMA)を360重量部用いる以外は参考例3と同様の方法で重合体溶液を得た。使用した非水溶媒の種類、その添加量及び添加方法、単量体の組成及び添加量、並びに、重合開始剤の種類、添加量及び添加方法、並びに、得られた重合体溶液の中の固形分、粘度及びMwを表2に示した。
【0070】
【表2】
【0071】
〔非水系樹脂分散液の製造〕
実施例1
参考例1で使用したのと同様の反応容器に、参考例1で得た分散安定剤(B)溶液180重量部及び市販のシリコーンオイル「KF-995」100重量部を仕込み、該反応容器の気相部を窒素ガスで置換した後100℃に昇温した。この温度に保ちながら、単量体としてメチルメタクリレート(MMA)162重量部及びエチルアクリレート(EA)198重量部、「KF-995」100重量部、並びに、重合開始剤tBPOEH 1.35重量部からなる混合物を1時間かけて逐次添加し、同温度で2時間保持した後 tBPOEH 1.35 重量部を添加し、同温度でさらに2時間保持し、「 KF-995 」を 160 重量部添加して非水分散型エマルジョンを得た。
【0072】
得られたエマルジョンを100℃で減圧蒸留して66重量部のEAcを留去して「KF-995」66重量部で置換して非水系樹脂分散液を得た。得られた非水系樹脂分散液は、優れた分散安定性及びシリコーンオイルに対する優れた希釈安定性を有していた。
【0073】
使用した分散安定剤(B)溶液の種類及び量、使用した非水溶媒の種類、量及び添加方法、分散粒子(C)のための単量体組成及び使用量、重合開始剤の種類、量及び添加方法については表3に示した。また得られた非水系樹脂分散液中の非水溶媒(A)の組成、分散粒子(C)のTg及び粒子径、分散安定剤(B)と分散粒子(C)との量比、並びに、非水系樹脂分散液の固形分及び粘度を表4に示した。
【0074】
実施例2
実施例1において、参考例1で得た分散安定剤(B)溶液を用いる代わりに参考例2で得た分散安定剤(B)溶液を用い、単量体としてMMA 162重量部及びEA 198重量部用いる代わりにMMA 144重量部、EA 180重量部及び「X-22-2404」〔前記一般式(2)の珪素含有単量体、m=0;信越化学工業(株)製;「X-22」と略記することがある〕36重量部を用いる以外は実施例1と同様の方法で非水系樹脂分散液を得た。
【0075】
使用した分散安定剤(B)溶液の種類及び量、使用した非水溶媒の種類、量及び添加方法、分散粒子(C)のための単量体組成及び使用量、重合開始剤の種類、量及び添加方法については表3に示した。また得られた非水系樹脂分散液中の非水溶媒(A)の組成、分散粒子(C)のTg及び粒子径、分散安定剤(B)と分散粒子(C)との量比、並びに、非水系樹脂分散液の固形分及び粘度を表4に示した。
【0076】
実施例3
実施例2において、「X-22」36重量部を用いる代わりに前記Si-2 36重量部を用いる以外は実施例2と同様の方法で非水系樹脂分散液を得た。使用した分散安定剤(B)溶液の種類及び量、使用した非水溶媒の種類、量及び添加方法、分散粒子(C)のための単量体組成及び使用量、重合開始剤の種類、量及び添加方法については表3に示した。また得られた非水系樹脂分散液中の非水溶媒(A)の組成、分散粒子(C)のTg及び粒子径、分散安定剤(B)と分散粒子(C)との量比、並びに、非水系樹脂分散液の固形分及び粘度を表4に示した。
【0077】
実施例4
実施例1において、参考例1で得た分散安定剤(B)溶液を用いる代わりに参考例3で得た分散安定剤(B)溶液を用い、単量体としてMMA 162重量部及びEA 198重量部用いる代わりにMMA 108重量部、EA 198重量部及びスチレン(St)54重量部を用い、さらに得られた非水分散型エマルジョンの減圧蒸留操作を行わない(EAc不含のため)以外は実施例1と同様の方法で非水系樹脂分散液を得た。
【0078】
使用した分散安定剤(B)溶液の種類及び量、使用した非水溶媒の種類、量及び添加方法、分散粒子(C)のための単量体組成及び使用量、重合開始剤の種類、量及び添加方法については表3に示した。また得られた非水系樹脂分散液中の非水溶媒(A)の組成、分散粒子(C)のTg及び粒子径、分散安定剤(B)と分散粒子(C)との量比、並びに、非水系樹脂分散液の固形分及び粘度を表4に示した。
【0079】
比較例1
実施例1において、参考例1で得た分散安定剤(B)溶液を用いる代わりに参考例4で得た重合体溶液を用い、単量体としてMMA 162重量部及びEA 198重量部用いる代わりにMMA 108重量部、EA 198重量部及びSt 54重量部を用い、さらに得られた共重合体液の減圧蒸留操作を行わない(EAc不含のため)以外は実施例1と同様の方法で非水分散型エマルジョンの製造を行ったが、極めて高粘度で分散安定性の悪い非水系樹脂液しか得られなかった。
【0080】
使用した分散安定剤(B)溶液の種類及び量、使用した非水溶媒の種類、量及び添加方法、分散粒子(C)のための単量体組成及び使用量、重合開始剤の種類、量及び添加方法については表3に示した。また得られた非水系樹脂液の非水溶媒(A)の組成、分散粒子(C)となるべき共重合体のTg、分散安定剤(B)と分散粒子(C)となるべき共重合体との量比、並びに、得られた非水系樹脂液の固形分を表4に示した。
【0081】
【表3】
【0082】
【表4】
【0083】
〔非水系樹脂分散液の性能〕
得られた非水系樹脂分散液を、下記の試験法に従ってその性能試験を行った。試験結果を下表5に示す。
【0084】
(1) シリコーンオイル希釈性
非水系樹脂分散液1gをシリコーンオイル「KF-995」50gに分散させて、目視により希釈性を評価した。
○・・・・・・分散良好
×・・・・・・凝集発生
【0085】
(2) 造膜性
清浄なガラス板上に、非水系樹脂分散液を乾燥膜厚が5μmとなるようにドクターブレードを用いて塗布し、10℃、70%RHの恒温恒湿槽中で乾燥し、被膜の形成状態を目視により観察し、下記の基準に従って評価した。
○・・・・・・被膜表面が均質で平滑
△・・・・・・被膜表面がやや不均質
×・・・・・・被膜にクラック、シワなどが発生
【0086】
(3) 光沢
清浄なガラス板上に、非水系樹脂分散液を乾燥膜厚が10μmとなるようにドクターブレードを用いて塗布し、20℃、70%RHの恒温恒湿槽中で7日間乾燥して得た試験片を、可変角光度計「TC-108D」〔東京電色(株)製〕により20゜光沢を測定した。
【0087】
(4) 耐水性
前(3)項と同様にして作成した試験片を、脱イオン水中に7日間浸漬した後、被膜の状態変化を目視により観察し、下記の基準に従って評価した。
○・・・・・・変化なし
△・・・・・・被膜やや白化
×・・・・・・被膜著しく白化
【0088】
(5) 耐油性
前(3)項と同様にして作成した試験片を、インドデカン中に24時間浸漬した後、被膜の状態変化を目視により観察し、下記の基準に従って評価した。
◎・・・・・・変化なし
○・・・・・・被膜若干膨潤して白化
△・・・・・・被膜膨潤
×・・・・・・被膜溶出
【0089】
(6) 撥水性
前(3)項と同様にして作成した試験片を用い、蒸留水の接触角を測定した。測定には協和界面科学(株)製接触角測定器(A-D型)を用い、液滴法により行った。
【0090】
(7) 密着性
非水系樹脂分散液0.1gを、手の甲に約3cm×3cmの面積に塗り伸ばして乾燥した後、手指で擦り下記の基準に従って評価した。
◎・・・・・・被膜殆ど変化なし
○・・・・・・被膜若干崩れるが剥離・脱落せず
△・・・・・・被膜部分的に剥離
×・・・・・・被膜ボロボロと剥離脱落
【0091】
(8) 柔軟性
前(7)項と同様に手の甲に形成した被膜の感触を、下記の基準に従って評価した。
◎・・・・・・スベスベで柔軟性に優れ、手の甲に違和感がない
○・・・・・・スベスベで柔軟性が良好だが、手の甲に若干被覆感がある
△・・・・・・柔軟性はあるが手の甲の被覆感が強く違和感がある
×・・・・・・ゴワゴワで手の甲の違和感が強い
【0092】
【表5】
【0093】
〔化粧料(アイライナー)の作成〕
実施例5
1) 実施例2の非水系樹脂分散液 60重量部
2) シリコーンオイル「KF-995」 20重量部
3) 有機ベントナイト 3重量部
4) 1,3-ブチレングリコール 1重量部
5) 香料 適量
6) 体質顔料(炭酸カルシウム) 17重量部
7) 着色顔料(カーボンブラック) 3重量部
【0094】
上記1)に2)を加えて希釈した後、3)と4)の混合物を加え、次いでこれに5)と6)を加えて3本ロールにて均一に分散した後、容器に充填した。
比較例2
1) イソパラフィン 45重量部
2) マイクロクリスタルワックス 5重量部
3) ロジン酸ペンタエリスリトール 25重量部
4) 有機ベントナイト 3重量部
5) 1,3-ブチレングリコール 1重量部
6) 香料 適量
7) 体質顔料(炭酸カルシウム) 17重量部
8) 着色顔料(カーボンブラック) 3重量部
【0095】
上記1)に2)と3)を加えて溶解し、4)と5)の混合物を加え、次いでこれに6)と7)を加えて3本ロールにて均一に分散した後、容器に充填した。
【0096】
以上の如くして得た実施例5及び比較例2のアイライナーについて、下記に従って耐久テスト及び官能評価を行った。その結果を表6に示す。
【0097】
(9) 耐久テスト
作成した化粧料を、ナイロン製樹脂板の上に6ミルのドクターブレードにて塗布し乾燥して薄膜を作成し、次の試験を行い、下記の基準に従って評価した。
耐水性:20℃の脱イオン水中に120分間浸漬。
耐油性:20℃の人工皮脂中に30分間浸漬。
◎・・・・・・薄膜殆ど変化なし
○・・・・・・薄膜若干膨潤するが乾燥により表面状態、光沢など復元する
△・・・・・・薄膜が膨潤し、乾燥しても光沢復元しない
×・・・・・・薄膜の膨潤が著しいか、又は溶解する
【0098】
擦過強度:薄膜を手指で擦る。
◎・・・・・・非常に良好
○・・・・・・良好
△・・・・・・普通
×・・・・・・不良
【0099】
(10) 官能評価
作成した化粧料を用いて、化粧料の塗り易さ、化粧膜の違和感の有無、化粧持続性について評価を行い、下記の基準に従って評価した。
◎・・・・・・非常に良い
○・・・・・・良い
×・・・・・・悪い
【0100】
【表6】
【0101】
【発明の効果】
本発明の化粧料原料用非水系樹脂分散液は、シリコーンオイルを含有する非水溶媒(A)、該非水溶媒に可溶性で特定の珪素含有単量体の(共)重合体からなる分散安定剤(B)、及び該非水溶媒に実質的に不溶性の(共)重合体からなる分散粒子(C)からなることを特徴とするものである。
【0102】
本発明の非水系樹脂分散液は、例えば、ネイルエナメル等の美爪料、アイライナー、マスカラ等のアイメイクアップ化粧料、ファンデーション、白粉、頬紅、アイシャドウ、口紅等のメイクアップ化粧料などの各種化粧料の原料として用いたとき、耐水性、耐油性、付着性、化粧持続性などの優れた化粧機能性及び使用性を付与する被膜形成剤、結合剤として卓越した性能を発揮する。

Claims (7)

  1. 下記(A)〜(C)、
    (A) シリコーンオイルを70重量%以上含有する非水溶媒、
    (B) 下記一般式(1)で表わされる珪素含有単量体の(共)重合体からなり、一般式(1)で表わされる珪素含有単量体の(共)重合量が70〜100重量%である上記非水溶媒(A)に可溶性の分散安定剤、及び、
    〔但し、R1はH又はCH3;R2,R3,R4,R5,R6,R7及びR8はそれぞれ独立にCp2p+1、(CH2)qOH、(CH2)qN(R9)2、(CH2)qCOOH、又はフェニル基、nは1〜500の自然数、R9はH、CH3又はC25、pは1〜10の自然数、qは2又は3;X及びYはそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキレン基を表わし、aは1〜3の自然数、bは0〜2の整数で、且つa+bは1〜3の自然数であり、X及びYに含まれる炭素数の合計は1〜10である〕
    (C) 上記非水溶媒(A)に実質的に不溶性のガラス転移温度が−10〜50℃であるアクリル系(共)重合体からなる分散粒子、を含有してなる化粧料原料用非水系樹脂分散液。
  2. シリコーンオイルが環状ポリジメチルシロキサンである請求項1に記載の化粧料原料用非水系樹脂分散液。
  3. 分散安定剤(B)の重量平均分子量が10,000〜500,000の範囲内である請求項1に記載の化粧料原料用非水系樹脂分散液。
  4. 分散粒子(C)の粒子径が0.05〜5μmである請求項1に記載の化粧料原料用非水系樹脂分散液。
  5. 分散粒子(C)の重量平均分子量が10,000〜500,000である請求項1又は請求項4に記載の化粧料原料用非水系樹脂分散液。
  6. 分散粒子(C)がアクリル系単量体と下記一般式(1)及び/又は(2)の珪素含有単量体との共重合体からなる請求項1、請求項4、請求項5の何れか1項に記載の化粧料原料用非水系樹脂分散液。
    (但し、R1〜R8、X、Y、a、b、nは請求項1で定義した通りである)
    (但し、 1 請求項1で定義した通りであり、mは0〜11の整数を表わす)
  7. 分散安定剤(B)の含有量が、分散安定剤(B)及び分散粒子(C)の含有量の合計100重量%に対して5〜70重量%である請求項1記載の化粧料原料用非水系樹脂分散液。
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