JP4011477B2 - 房水のための導管として機能するために眼内に埋込まれる装置 - Google Patents

房水のための導管として機能するために眼内に埋込まれる装置 Download PDF

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Description

【0001】
【政府の権利】
本明細書に記載された本発明は、何らの実施料を支払うことなく政府の目的のため、米国政府により又は米国政府のため、製造し且つ使用することができるものである。
【0002】
【発明の背景】
本発明は、全体として、緑内障の眼の眼内圧力を制御する管状分路、より具体的には、管の部分に沿ってC字形断面を有する管状分路、及び眼内圧力を制御する方法に関する。
【0003】
緑内障は、眼内部の圧力が高く、その結果、網膜の神経組織が失われ、それに相応して視力が失われることを特徴とする病気である。このため、緑内障は、脳に視覚情報を伝達する神経束である視神経に影響を与える病気である。
【0004】
眼球は、基本的に、流体が充填された硬い球である。網膜を眼の後側に取り付けられた状態に保つため眼内に正圧力があることが必要とされる。圧力は、眼内の虹彩根部に隣接した位置にある、毛様体の頂部に細胞の二層構造体から流体を発生させることで維持される。房水と称されるこの透明な流体は、その双方に血液が供給されない眼の水晶体及び角膜に栄養分を運ぶ。眼の前側部分の形状は、房水をつくりだすことで維持される。毛様体は、眼の有色部分(虹彩)の後方に位置している。毛様体に取り付けられた小帯繊維と称される繊維ストランドが水晶体を支えている。これらの小帯に伝達された、眼の硬い構造体からの張力は、水晶体を変形され且つ像を網膜上に収束させる。毛様体の後方の半径方向筋肉は、収縮して張力を小帯上に解放し、水晶体が丸くなり且つ近視像を網膜上に収束させる。房水が瞳を通って眼の前側に流れ且つ小柱網細工部を通って眼から排液される。小柱網細工部は、眼の透明な被覆部分(角膜)と、虹彩が眼の白色の外側被覆部(強膜)に会う位置における有色部分(虹彩)との間で、排液角度に配置された小さい通路の海綿状塊である。眼からの戻り静脈にて血流に接続された、シュレンム管と称される、小さい管内に小柱網細工部からの流体が排液される。房水は、毛様体によりつくられ且つ一定の量(1日当たり約1.0tspすなわち5.0ml)にて眼から除去され、眼の正面(前方)房内に一定の圧力を維持する。眼内の圧力は、1日の全体を通じて変化するが、眼内の平均圧力は、10mmHgから21mmHgの範囲にある。流体の流れに対する抵抗が増す、すなわちつくられた流体の量が網細工部のその排出能力を上廻るならば、タイヤを過度に拡張させる場合と同様に、眼内の圧力は上昇する。眼内圧力が高ければ高い程、視神経に対する損傷の可能性が増す。緑内障は、第三世界において失明の最大の原因であり、また、工業国における防止可能な失明の最大の原因である。これは、全人口の約2%に影響を与えるが、黒人及び原住アメリカ人の比率はこれの範囲外にあり、病気の発症率が増大している。この病気の初期の症状は、視神経が眼球から去り且つ脳内に突き出す箇所である、生理学的に見えない部分の拡大及び凹陥として観察されることがしばしばである。上方及び下方視野(弓形暗点と称される)の見えない箇所は、神経細胞が失われる箇所である。後の段階にて、視野は一層失われ、最終的に、完全に失明する。排液角度が妨害されると、眼の全体を通じて伝達される流体圧力は、上昇し、像を脳が解釈可能なインパルスに変換することを担当する眼の部分である、視神経を損傷させる。この損傷の結果、部分的又は完全な失明となる。
【0005】
急性隅角閉塞性緑内障の場合、眼の圧力は急速に蓄積する。この型式の緑内障は、前房の角度が小さい人にて一般に生じる。これらの場合、虹彩の後方の水溶性流体は瞳を通ることができず、虹彩を前方に押して、房水がこの隅角を通って排液されるのを妨害することになる。これは、ドレーン口付近に浮いている紙シートが急に開口部上に落ちて、流しから流れ出るのを妨害する場合と同様である。急性隅角閉塞性緑内障の場合、像の不鮮明化、光の周囲の輪、痛み、吐き気及び嘔吐を経験する可能性がある。眼内の圧力が直ちに除去されないならば、僅か数日で失明する可能性がある。先天的又は後発的な鈍い外傷のある眼内を色素上皮細胞が移動することは、隅角構造体を詰まらせて眼内圧力を急速に上昇させる可能性がある。原発性開放隅角緑内障は、より長期間の経過をたどり、また、その状態を悪化させる多くの要素がある。最終的な結果は同一である。続発性緑内障は、炎症、変性、外傷、又は眼内の腫瘍の成長に起因して生じる可能性がある。特定の薬剤が続発性緑内障を引き起こすことも報告されている。要約するに、緑内障は、眼内圧力を上昇させる状態が過多の病気である。制御せずに放置すれば、高い眼内圧力は、失明を招来する。
【0006】
緑内障を検査するとき、眼内圧力自体を測定しても緑内障と診断することはできない。より重要なことは、視神経自体の損傷、また、場合によっては、網膜の神経繊維束自体を直接、観察することである。観察された神経繊維の損失に相応して視野の一部分の視力が失われる場合に、緑内障であると正確に明確に診断できる。緑内障に起因する神経繊維の損失を回復することはできない。このため、緑内障を管理するときの目的は、残りの健全な神経繊維がその機能を維持することができる程度まで眼内圧力を低下させることである。
【0007】
緑内障は、場合によっては錠剤と組み合わせて1日に数回点眼液を施すことにより、通常、制御される。これらの薬剤は、眼内の水溶性流体の発生を遅くし又は排液隅角構造体から去る流れを向上させることにより、眼の圧力を降下させることで視神経の損傷を防止するために使用される。局所的及び(又は)経口治療法で眼内圧力を制御できない場合、効果的な代替的治療法又は補助的方法としてレーザ外科手術を行うことができる。レーザは2つの方法の何れかにて行うことができる。開放隅角緑内障の場合、穴を開け且つ排液口を拡張するためにレーザが使用され(レーザ小柱切開法)又は収縮し且つ網細工部を引張る瘢痕組織を形成し房水の流出を向上させ且つ眼内圧力を降下させるため低パワービームが使用される(小柱形成法)。隅角閉塞性緑内障において、排液口への水溶性流体の流れを向上させるためにレーザで虹彩に穴をあけることができる(虹彩切開法)。メスを使用する別の外科的方法は、隅角構造体に新たな排液通路を形成し、結膜の下方の細胞外空間に達するようにして圧力を制御するものである(小柱切開法)。網細工部の穴が過大であるならば、流出量が発生量を上廻り、眼内圧力を過度に降下させ、網膜が剥離する危険性がある(pthisis球と称される状態)。一旦前房が破れたならば、水疱に対する医学用語である小気泡と称される流体充填キャビティの周りに被膜が形成されることがしばしばあり、房水を眼から排出し、これにより眼内圧力を降下させる。被膜は、流れに対する抵抗力を付与することにより、前房の拡張を阻止する。被膜は結膜下方の細胞外空間まで房水を濾過する。
【0008】
外科手術後に開口部が傷付くことは、小柱切開法の最も一般的な問題点である。同様に、被膜は繊維状組織を傷付け且つ濾過を妨害する可能性がある。過剰な傷付きの可能性は、外科手術後、コルチコイドが使用されるとき、減少する場合がある。小気泡が破れる最も一般的な原因である傷付きを防止するため、抗繊維症の5−フルオロウラシルを使用することができる。小気泡の破れが依然として問題点であるならば、排液線と称される排液装置を眼内に入れて通路を開放状態に保ち且つ流体の排液に役立てることができる。
【0009】
物理学者、ミッシェル・J.・ウィルコックス(Michael J. Wilcox)及び医学博士ドナルド・S.・ミンクラー(Donald S. Minckler)が緑内障ジャーナル3:244−247(1994)に記述した、「ジオメトリーを使用して補助的濾過作用を向上させる仮説(Hypothesis for Improving Accessory Filtration by Using Geometry)」という名称の発明者による初期の研究には、緑内障の眼の眼内圧力を制御することを可能にする改良された管分路が提案されているが、これは、その他の方策には対応できない。この仮説は最近、試験され且つそれら装置の性能が緑内障ジャーナル9:74−82(2000)に報告されている。補助的濾過装置における問題点の最大の原因は、過剰な繊維成長、すなわち時間の経過に伴い、濾過被膜上に瘢痕組織が蓄積することである。従来のインプラントにおいて、管を挿入することは、房水が隅角構造体を迂回し、また、所定の表面積の二次元的核を提供し得るように板の周りに形成される小気泡と称される水疱状の大きいキャビティに入るための導管を提供することになる。キャビティの周りに形成された繊維状被膜は、隣接する細胞外空間内へ濾過する房水の流出に対する抵抗力の大部分を提供する。繊維状組織が被膜に連続的に蓄積する結果、流出量が減少し、その結果、眼内圧力が再上昇し、装置の作用を失わせることになる。緑内障ジャーナル(1994)の論文には、濾過及び繊維成長のメカニズムの理解を向上させることができ、また、繊維に対するこの刺激に対する反作用を提供することのできる最近の研究が2件記載されている。第一に、実験的緑内障に対する霊長類動物の眼を研究する結果、モルテノ(Molteno)インプラントを通じての房水の流出は、受動的濾過によって行なわれ、血管経路管を通じては殆ど行われないことを実証している。第二に、最近の実験的証拠から、成長した繊維芽細胞が機械的に変形することで繊維芽細胞が刺激を受けてより多くの細胞外基質を発生させることが示唆されている。これら2つの前提に基づいて、インプラントを取り巻く被膜に加わる張力を軽減すべくインプラントの幾何学的形態を使用することにより、この刺激に反作用するようにする設計が考えられた。その新たなインプラントの設計に伴う追加的な有利な点は、作用可能な小気泡の容積を最小にすると同時に、小気泡の全濾過面積を維持し又は増大させることもできる、容易に特別に調節された全表面積を提供する点である。小気泡の管腔寸法を縮小させることだけで被膜壁に加わる表面張力を減少させ、これにより繊維化の刺激を軽減し且つ補助的濾過装置の通常の寿命を引き延ばすことになる。更に、減少した容積は、細胞外筋肉の合併症を軽減することになる。受動的濾過メカニズムと調和して、従来のインプラントを通る全流出量は、被膜の表面積に比例する。緑内障の眼の各々は、正常な房水の流出経路への損傷の程度が相違する。このため、容易に特別に設定された表面積は、インプラントの各々が必要とされる補助的濾過作用に特に適合したものにすることを可能らする。本発明の装置の場合、表面積はインプラントの長さに比例する。管を適宜な長さに切ることで所望の濾過表面積が得られる。
【0010】
被膜の繊維形成は、依然として補助的濾過装置の問題点の主要な原因である。房水が繊維芽細胞に刺激的な影響を与え、繊維芽細胞がより多くの細胞外基質を生じ、これら濾過手順を効果的に設定することになる。しかし、成熟した作用可能な小気泡内での濾過作用が改良されることは、房水の灌注が透過性の改良に反作用することを示す。この着想は、眼内の圧力が制御状態に保たれるならば、被膜が時間と共に一層良好に濾過するという着想に適合するものである。時間の経過により、被膜の質が変化し、小気泡はより多くの拡散境界を得る。この当初の研究から、モルテノは、手術後の過剰な炎症が残るならば、眼内圧力の長期間の制御は不良となり、その結果、眼内圧力は直ちに再上昇することを知った。これと代替的に、管が開放した後、眼内圧力が良好に制御され且つ炎症が最小であるならば、その後、長期間、眼内圧力の制御された状態が続く。モルテノは、手術後の被膜の繊維形成を最小にするため、最初に、炎症性反応を抑制することに基づく体系的な繊維形成防止療法を使用することが正しいと判断している。実際上、経過的な研究による(15年以上に亙るものもある)一連の長期間の観察結果が成功的であったことは、被膜の繊維成長が最小であり且つ炎症性の浸入液が実質的に存在しないことを示す。
【0011】
これらの観察を遡及的に検討すると、高圧力により刺激を受けた繊維形成により被膜に加わる張力は上昇することがわかる。小気泡の血管過多は、多分、繊維形成に起因して作用な不十分となることが原因であろう。その他の組織において、炎症性浸入液は、最初にコラーゲンを劣化させる酵素を生じるが、この現象に引き続いて、コラーゲン基質の改質及び更に強化された再構築が生ずる。繊維形成の血管メカニズムを研究した結果、この細胞外蓄積の理由が解明できた。機械的張力は、細胞を刺激してより多くの細胞外基質を生じさせることにより、接続性組織を合成させる。成長した球体間質細胞を機械的に延伸させることは、細胞分裂に影響を与えずにコラーゲン及びその他の細胞外基質成分の発生を増大させることになる。一旦基質の変形が終了したならば、細胞はより静的な状態に戻り、血管の漏洩が続行して基質を引き伸ばし且つ繊維芽細胞を刺激して繊維形成を増強することを示す。
【0012】
繊維形成基質内でのコラーゲンの沈着は、細胞外過程である。房水内には、通常、繊維芽細胞を刺激する炎症性の浸入液は存在しない。このため、小気泡の炎症を最小限に制限することが可能であるならば、繊維形成は最小となろう。しかし、房水が流出することは、細胞外基質内に組み込まれる前に、分子コラーゲンを洗い流す作用を果たすことができる。従って、2つの過程は作用可能な小気泡内で相互作用をし、このため、繊維形成を最小にするためにはその双方を調節することが必要となる。第一に、張力は繊維芽細胞を刺激してより多くのプロコラーゲンを浸出させ、このプロコラーゲンは細胞外基質内に組み込まれる。第二に、水溶性灌注液は、基質の一部分となる前にプロコラーゲンを洗い流す。このため、2つの方策は、コラーゲンの不断の沈着を制限する、すなわち、細胞外基質内に組み込まれる前に、表面張力を低下させることにより、プロコラーゲンの発生を減少させ及び(又は)分子コラーゲンを洗い流す流出量を増大させる。
【0013】
補助的濾過作用が長期間、不良である場合、繊維芽細胞は当然に、延伸した被膜内に増殖し又は移行し、比較的薄い肉厚の構造体を強化すべく基質を形成する。繊維状細胞外基質は、濾過作用を損ない、流出量を減少させ且つ眼内圧力を再上昇させる。被膜構造体及び作用における表面張力の役割は、機械的及び幾何学的要素の双方を含む。ラプラス(Laplace)の周知の石鹸泡実験にて、ラプラスは、大きい加圧されたキャビティは同一の内部圧力のときに小さいキャビティが作用させる張力よりも大きい張力をその壁に作用させることを示している。ラプラスの法則は、単一の方向に沿って、壁に加わる張力は圧力及びキャビティの半径にも比例すると述べている。太い血管と毛細管との間の厚み差を説明するために同一の概念が使用されている。毛細管における圧力勾配は、大静脈にかかる圧力勾配よりも遥かに大きいが、その壁に加わる張力は大静脈の壁に加わる張力よりも実際には小さいため、毛細管の薄壁は破れることはない。その理由は単に、毛細管の管腔の直径が小さいためである。
【0014】
眼内圧力を降下させる従来のインプラント装置は、モルテノ(Molteno)(米国特許第4,750,901号)、ショケット(Schocket)(米国特許第4,826,478号)、マーティン(Mateen)(米国特許第5,785,674号)、バイルヴェルド(Baerveldt)(米国特許第6,050,970号)への特許に例示されている。これらの従来のインプラント装置は、全て前房からその周りに濾過被膜が形成される所定寸法及び形状の板又はループまで伸びる管を備えている。このため、このようにして形成された被膜の濾過能力は、その周りに被膜が形成される板又はループの合計表面積及び被膜の透過性により予め決定し且つその厚みによって判断される。このことは、取り巻くバンドに対する前房の管状分路及び外科的メンブランに対する前房分路を含む。筋肉の合併症を回避するため、これらを眼球赤道の周りの細胞外筋肉から遥か後方の位置に取り付ける。しかし、依然として、これらのその他の装置には過剰な繊維形成に伴う問題点がある。本発明は、繊維形成を最小にするため管腔の寸法を最小にする方策を採用する唯一のものである。当該発明者は、このことを動物実験で確認し、当該発明の研究の結果、本発明により繊維形成の量を制御し、これによりインプラントを受け入れる人間の寿命に等しい寿命を有する作用性インプラントを作製することが可能であることを示す。
【0015】
管腔の寸法を減少させることにより、形成された被膜に加わる張力を低下させることは、設計上の論理的な改変であった。円筒体は、表面積を最大にしつつ容積を最小にする理想的な幾何学的形態である。円筒状小気泡の直径は、形成された被膜壁に加わる張力を低下させ、従って、繊維形成の刺激を減少させる。図2に図示した従来技術のインプラントは、図1に図示したC字形断面及び可変長さを有する単純な小径の管20である。この装置は、その周りに鼓膜が形成される大きい別個の外植片を有さず、また房水が充填された大きい拡張した空間も存在しない。前側部は開放しており、房水は濾過作用表面にアクセスする。スリット、穴又は閉塞弁は何ら存在しない。管状インプラントの基端部分34を、角膜縁組織24をかいして挿入し且つ虹彩根部26の真上に配置する。管の末端部分36はその長さに沿って開放し、小さい口径の円筒状の小気泡内部で管が組織を閉塞するのを防止する。図2に、管により外形を示したインプラント及びその小気泡の部分は図3に拡大して示してある。一旦適正な被膜がインプラントの周りに形成され、結紮糸30が解放されたならば、前房内の房水からの圧力は、被膜をラテックス管の開放側部から持ち上げ且つラテックス・インプラントを取り巻く拡散シースとして図1に図示した円筒状の小気泡28を形成する。インプラントの一部分のみが図示されている。このインプラントは、実際には、それ自体に重ね合わされ結膜の下方の排気された空所を充填する。
【0016】
殆どの外科的介入の場合と同様に、術後の初期の期間、インプラントが前房に入る経路に沿って房水の漏洩が生じる排液線効果が生ずる。眼が低張性状態、すなわち低圧力、に起因して危険な状態となるのもこの期間である。このため、モルテノのインプラントと同様に、最初に適正な被膜がインプラントの周りで成長するまで、新たに取り付けた管を結紮する。インプラントにおける最も弱体な組織との接着点は、繊維状被膜とラテックス管との間にある。図2に示すC字形断面を形成するためインプラントの側部に沿って除去された部分は、一旦結紮糸30が解放されたならば、加圧された房水が被膜をラテックス管から持ち上げ且つ円筒状の小気泡を形成することを保証する。ラテックスは小気泡内で自由な浮動状態を保ち、小気泡内で生ずる収縮、圧縮又は接着を阻止する。一旦被膜が拡張したならば、長さ85mm及び直径0.3mmの管は直径1mmの円筒状の小気泡1を形成し、直径13mmの単一のモルテノ板に相当する表面積を提供する。管は、それ自体に重なり合い且つモルテノインプラントよりも小さい強膜の表面を占めるが、一層大きい濾過表面を提供し、従って同一空間内でより大きい流出能力を提供することになる。全表面積は、取り付けられた管の長さに直線的に比例し、この表面積は、取り付ける時点で管の長さを調節することにより、容易に制御可能である。
【0017】
円筒体はこれら質の双方に理想的な幾何学的形態を提供する。特別に設定した表面積及び最小の容積の更なる有利な点は、その他のインプラント設計の採用時に見られる合併症を回避するその他の望ましい効果が得られることである。この着想は、動物にて試験され且つ最近、緑内障ジャーナル9;74−82(2000)にて報告されている。被膜に加わる表面張力を減少させ且つ房水を濾過する有効な表面積を増大させることにより、この補助的濾過装置からの流出量を向上させることができ、被膜の液圧導電率を8倍増大させ、それに伴い、バイルヴェルド及びモルテノのインプラントに比べて被膜の厚みが薄くなった。小気泡に加わる張力が低下することは、被膜の繊維形成に対する刺激力に反作用し、これら補助的濾過装置の有用寿命を引き延ばすはずである。
【0018】
しかし、より初期の改良された管分路装置及び方法には、依然として更なる改良を加えることができる。
このため、本発明の主要な目的は、更なる外科手術又は追加的なインプラントを必要とせずに、その表面積を増大させ、術後の眼内圧力が決定された後、単に結紮糸また一連の結紮糸を除去するだけでインプラントを特別に形成する術後の能力を提供することである。その結果、房水流れが増大し且つ眼内圧力が降下する。
【0019】
本発明の別の目的は、角膜縁にて強膜に取り付け可能なインプラント用のアンカーを提供することである。このことは、インプラントが前房内に移行するのを阻止するという有利な点を有する。
【0020】
本発明の別の目的は、小気泡の直径を更に3倍、縮小させ、1つの細胞層の厚みのみを有する被膜とし、形成される構造体が人間の眼内小柱網細工部の寸法に近似するものとなるという利点が得られるようにすることである。
【0021】
本発明の別の目的は、更なる外科手術又は追加的なインプラントを必要とせずに、術後の眼内圧力が決定された後、C字形開放断面部分の間に配置された挿入体の長さに沿って無傷の部分に配置された結紮糸又は一連の結紮糸を単に除去するだけで、濾過表面積を増大させることにより、インプラントの全表面積を特別に設定する外科手術後の能力を提供することである。
【0022】
本発明の別の目的は、インプラントの壁に加わる表面張力が縮小し、繊維形成が最小限とされ、これにより房水の連続的で且つ継続的な液圧導電率を許容し、これと同時に、眼内圧力を安全で且つ安定化した値まで降下させるという有利な点を伴うインプラントを提供することである。
【0023】
本発明の別の目的は、スカラップ形状断面を有し、これによりインプラント核からの小気泡繊維状組織の分離が促進され、核の断面寸法を平滑な丸味を付けた面と比較して縮小させることができるインプラント核を提供することである。
【0024】
本発明の別の目的は、基端及び末端を有する円筒状管であって、該円筒状管の側壁の末端部分が除去された円筒状管を眼内に埋め込んで房水に対する導管用の核として機能させ、隅角構造体を迂回させることにより、改良された補助的濾過作用を形成する円筒状小気泡を形成することにより、眼内圧力を降下させる方法を提供することである。
【0025】
本発明の上記及びその他の目的、特徴及び有利な点は、代表的な実施の形態の説明から明らかになるであろう。
本発明は眼内圧力を降下させるインプラントを備えている。本発明の新規性は、インプラントの全表面積を特別に形成し、更なる外科手術又は追加的なインプラントを必要とせずに表面積を増大させることで流体の濾過を増す外科手術後の能力である。外科手術後の眼内圧力が決定された後、C字形の開放した断面部分の間に配置されたインプラントの長さに沿った無傷の部分に配置された結紮糸又は一連の結紮糸を簡単に除去することができる。本発明はまた、角膜縁にて強膜に取り付け可能であり且つ前房内へのインプラントの移行を阻止するという有利な点を有するインプラント・アンカーも備えている。本発明は、従来技術のものと比較して小気泡の直径が更に3倍縮小し、その結果、任意の従来インプラント周りの被膜よりも液圧導電率が大きいより薄い被膜となるようにする。このように被膜は、最良の場合、1つの細胞層のみの厚みであり、形成される構造体が人間の眼の正常な小柱網細工部の寸法に近似するという更なる有利な点を有する。本発明による小径であることは、インプラントに対し被膜壁に加わる表面張力を小さくし、繊維形成が最小限とされ、これにより房水の濾過率を一定とすることを許容し且つ眼内圧力を安全で且つ安定的な値まで降下させるという有利な点が得られる。
【0026】
該インプラントは、直径約300μmで、房水が隅角構造体を迂回するための導管として機能するよう眼内に埋込まれる基端及び末端を有する円筒状管から成っている。管の横方向部分が除去された場合、管の内部が露呈され、管の開放した側部壁部分が形成される。管の長さに対し直角な開放した側部壁部分の断面は、アンカーの位置が基端に近接して管上にある弓形の形状となる。該管は、管の側壁が除去される一例の横方向部分を更に備えている。除去された横方向部分は、管の長さに沿って直列に配置され且つ無傷の円筒状部分により隔てられている。横方向部分は、重なり合わない形態にて配置されている。結紮糸は無傷の円筒状部分の各々に連結され、これにより無傷の円筒状部分を通る流れは、結紮糸が解放されるまで、阻止される。アンカーの第二の形態は、管の端部が多数回分岐する管の分岐端部を備えている。
【0027】
本発明はまた管の露呈された内部の少なくとも一側部から外方に伸びて細胞が成長し且つ被膜が形成されるための核として更に機能するスカラップ(すなわち、星形)の断面の一部分を具体化することができる。スカラップ形状部分は、スカラップの中心から先端までの50μmの半径と、5μmの先端幅とを有し、管から直角の方向に向けて10mmから20mmの範囲内で伸びることが好ましい。被膜又は小気泡が平滑な固体表面上に配置されたならば、前房からの圧力は、被膜を平滑な個体表面から分離させ且つ結膜下の空間内の容積を拡張させるのに常に十分であるとは限らない。小気泡が形成されず又は被膜がインプラント材料に取り付けられたままであるならば、小気泡は流体を排出せず、作用し得なくなるであろう。
【0028】
改良された補助的濾過作用を形成すべく円筒状小気泡を形成することにより眼内圧力を降下させる本発明の方法は、基端及び末端を有する円筒状管を埋込む工程を備えている。管の基端は無傷であり、房水が隅角構造体を迂回するための導管として作用する。円筒状管の末端部分は、側壁が除去されて繊維状組織がその表面に形成されることを可能にする。一旦この繊維状被膜が形成されたならば、管の無傷部分周りの結紮糸を除去する。前房からの加圧された房水は、被膜を作用可能な小気泡内に持ち上げ、この小気泡は房水を結膜下方の細胞外空間内に濾過することになる。この流体は、最終的に眼から除去され且つ血管循環に再度入る。この取付けは、結膜を切開する工程と、結膜を強膜から持ち上げる工程と、円筒状管の末端部分を結膜の下方に埋込む工程と、円筒状管の基端を角膜縁にて強膜に定着させる工程と、管の基端の無傷の端部を針経路を通じて前房内に挿入する工程と、低張状態を防止するため基端を結紮する工程と、細胞が管の周りで成長するのを約1週間、許容する工程と、約1週間後、小気泡を拡張させるべく基端の周りの結紮糸を解放する工程と、追加的な排液が必要であるかどうか決定すべく眼内圧力を測定する工程と、追加的な排液が必要であるならば、追加的な結紮糸を解放し、これにより追加的な小気泡が拡張されるようにする工程とから成っている。
【0029】
本発明は、添付図面と共に以下の詳細な説明を読むことにより、一層明確に理解されよう。
先ず、図面の図4を参照すると、基端部分34を左側に示し且つ末端部分36を右側に示した、眼科用インプラントの円筒状管32の概略図が図示されている。管32は、円形以外の断面形状、例えば、三角形、長方形、六角形、L字形等の形状の管とすることができ且つ該管を含むことができる。その理由は、管の周りに形成される被膜は、被膜が拡張したときに実質的に流体によって拡張されるため、円筒状の形状となるからである。実際には、結膜は角膜縁から約3mm切開し、結膜を10から12mm鈍角に後方に切開することにより持ち上げて、このように形成された空所内にインプラントの長い末端を押し込むことができるようにする。これと同一の切開によって、虹彩の直ぐ前方にて前房に入る針経路が形成される。23ゲージ針によって形成された、図3に示したこの針経路48に基端34を挿入する。この小さいゲージは、角膜縁組織が漏洩せずにラテックス管に接着し、このため、房水からの眼内圧力が前房を修正することを保証する。管は、房水が隅角構造体を通って流れるための恒久的な導管として機能する。末端の管は、繊維状透過性組織が成長するための核として機能する。ラテックスから持ち上げられたならば、この繊維状組織は房水を結膜下方の組織に排液する濾過被膜を形成する。この流体の排出は、被膜の液圧抵抗性によって制御され且つ眼内圧力を制御して緑内障の病気の特徴である視神経の更なる損傷を防止する。
【0030】
挿入される管は、ラテックス又は任意のその他の適宜な可撓性材料で形成することができる。可撓性材料は、インプラントと接触した眼の組織の浸食を防止する。基端34は、結紮される。すなわち、図3及び図7に図示するように、結紮糸44により接続された全体として円筒状部分46を備えている。結紮糸は、インプラントを挿入した後、容易に除去するための滑り結目を有している。閉じた部分を簡単に開けることを許容する滑り結目と同等の任意のものを使用することが可能である。結紮糸44はまた、管が針経路48を通って前房に入る箇所である角膜縁にて管32を強膜に定着する働きもする。殆どの外科的介入法の場合と同様に、術後の初期期間中、インプラント32が前房に入る経路48に沿って房水の漏洩が生じる排液線効果が存在する。低張状態すなわち低圧力及び網膜剥離の可能性のため、眼が危険な状態となるのがこの期間である。このため、適正な被膜がインプラントの周りに成長し得るまで、最初に、新たに取り付けた管を結紮する。管を結紮することの代替策として次善の方法は、管を取り巻く可溶性プラグを使用することである。インプラント32における最弱体の組織の接着箇所は、繊維状細胞被膜とラテックス管との間にある。インプラントの横方向部分38は、後方に剥ぎ取り(バナナの皮をむく場合と同様に)、又はインプラントの開放側部40に沿って除去し、図15及び図16に図示するようにC字形断面に沿って繊維細胞が成長するための核を形成する。一旦結紮糸44が解放されたならば、加圧された房水は、被膜をラテックス管から持ち上げて離し且つ小気泡28を形成する。図10には、結紮糸44を解放する前の繊維状被膜28が図示されており、図11には、結紮糸44を解放した後の拡張した小気泡28となった繊維状被膜28が図示されている。ラテックス管が小気泡内で自由に浮動可能な状態を保ち、管内部で生ずる収縮、圧縮又は接着を阻止する。これに代えて、末端管32は、最終的に脱落する可溶性材料で形成してもよい。基端部分は無傷のままであり且つ恒久的に所要位置になければならず、さもなければ、緊密な角膜縁組織は隅角構造体の開口部を閉塞し、房水の通過が阻止される。
【0031】
この実施の形態の管は、図4に示すように、末端36にて分岐されている。分岐部分42及び横方向部分38は、図15に図示するようにC字形の形状とされている。分岐部分42及び横方向部分38は、図10に図示するように、繊維状組織の成長分28に対する核として機能する。5から7日間は、被膜28が適宜な厚みを形成するのに十分な時間であった。加圧された房水により被膜がインプラントから持ち上がることは、房水を結膜下方組織内に濾過する小気泡を形成する。分岐部分42は、小気泡がこれら分岐部分の周りに形成された後、第二のアンカーとして機能する。その後、結紮糸50を解放し、これにより図11の小気泡28を拡張させ且つ房水が前房から結膜下方組織まで通過するのを許容する。
【0032】
図5を参照すると、第二の実施の形態は、無傷の円筒状部分146の周りに接続された結紮糸144と、開放した側部のC字形の開放側部140と、関係した後方に剥ぎ取った横方向部分138とを含む、図4の第一実施形態の中間部分を複製したものである。多数の全円筒状部分46とし且つ本発明の図5の実施形態に関連した結紮糸44であることの1つの有利な点は、当該技術分野にて当業者(この場合、眼科医)に周知の仕方で結紮糸を除去するだけで、結紮糸又は複数の結紮糸を連続的に断面ごとに除去することにより、必要に応じて、作用可能なインプラントの長さ(すなわち、拡張した小気泡部分)を増大させることができる点にある。この手順は、通常、更なる外科手術又は追加的なインプラントを必要とする。このように、本発明は、術後の眼内圧力が決定された後、全円筒状部分146から結紮糸44又は一連の結紮糸144、150、151及び(又は)152を除去するだけで更なる外科手術又は追加的なインプラントを必要とせずに、作用可能な表面積を増大させることにより、インプラントの全表面積を特別に設定する外科手術後の能力を提供するものである。当該技術分野の当業者にとっては、管は後方に剥ぎ取った部分138及び形成される開放側部140を任意の妥当な数を含むことが可能であることが容易に理解できる。
【0033】
図8には、末端部分236が4分割され、すなわち2つの部分42ではなくて4つの部分242に分割された点を除いて、全ての点にて第一及び第二実施形態と同様の本発明の第三実施形態が図示されている。当該技術分野の当業者には、末端は任意の妥当な数の部分に分割可能であることが容易に理解できる。分割した端部分42、242及び後方に剥ぎ取った横方向部分38を形成する目的は、表面積を最大にするが、小気泡の全長を最小限にすることを許容することである。分割端部により形成された核がますます小さい断面となることは問題とはならない。分割数が増すに伴い、形成される小気泡の直径はより小径となり、被膜に加わる表面張力を更に減少させて、より薄い被膜壁となるようにする。C字形部分40の周りに形成される被膜の最大厚み部分は、僅か約3つの細胞の厚みにしか過ぎない。
【0034】
図12から図14には、本発明の第四実施形態が図示されている。この実施の形態は、開放側部のC字形部分340の一側部から伸びるラテックスのスカラップ形状核338を有している。スカラップ形状核338は、任意の周知の手段によりインプラントの主要本体340に取り付けることができる。スカラップ形状核338の断面は、図13及び図14に図示されている。小気泡328が図13にて核338の周りに形成された状態で示してある。スカラップ形状部分338は、中央部分すなわちハブ部分370と、先端部分372とを有している。スカラップ形状部分338は、スカラップの中心から外側先端までの50μmの半径と、5μmの先端幅とを有し、担当眼科医が決定した条件に依存して管から直角の方向に20mmだけ伸びることが好ましい。
【0035】
スカラップ形状の幾何学的形態の有利な点は、被膜又は小気泡が平滑な固体面に配置されたならば、前房からの圧力は、常に、被膜を平滑な固体面から分離し、結膜空間下方の容積を拡張させるのに十分であるとは限らないということである。小気泡が形成されず又は鼓膜がインプラント材料に取り付けられたままであるならば、小気泡は流体を排出せず、作用し得なくなるであろう。スカラップの数は選択事項であるが、3、4、5又は6箇のスカラップが妥当な数である。同様に、円周長さが形成体の直径にpiを掛けた値よりも大きいような波状円周を提供するその他の形態が本発明の範囲に属する。
【0036】
補助的濾過作用を改良する円筒状小気泡を形成することにより眼内圧力を降下させる本発明の方法は、基端及び末端を有し、円筒状管の側壁の末端部分が除去された円筒状管を隅角構造体を迂回するための房水の導管の核として機能するように、眼内に埋込む工程を備え、この工程は、円筒状管の末端部分を結膜下方に埋込む工程と、円筒状管の基端を角膜縁に定着する工程と、管の基端の無傷の端部を針経路を通じて前房内に挿入する工程と、低張状態を阻止し得るように末端を結紮する工程と、小気泡が管の周りで成長するのを約1週間、許容する工程と、約1週間後、基端の周りの結紮糸を解放し小気泡を拡張させる工程と、追加的な排液が必要か否かを決定するため眼内圧力を測定する工程と、追加的な排液が必要であるならば、追加的な結紮糸を解放し、これにより追加的な小気泡が拡張されるようにする工程とから成っている。
【0037】
緑内障の外科的治療分野における当業者は、本発明の簡略さ及び自由度が容易に理解されよう。このように、読者は、本発明のインプラント及び眼内圧力を降下させる方法がより効果的で且つ特別に設定可能で、しかも経済的な眼内圧力を降下させる解決策を提供するものであることが理解されよう。
【0038】
上記の説明は、多くの特定値を含むが、これらは本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではなく、その好ましい実施の形態を例示するものであると解釈されるべきである。その他の多くの変更例が可能である。例えば、挿入体の材料はラテックス以外の多種エラストマーにて形成することかでき、針の寸法は23ゲージ以外のものとすることができ、核及び滑り結目の寸法、数、形状及び方向は変更可能であり、4つ又は「C」字形形状に限定されるものではない。インプラントの開放直径も変更可能であり、インプラントの形状は円形断面以外のものとすることができる。本明細書及び特許請求の範囲にて使用した「滑り結目」という用語は、任意の解放可能な結目を含むものである。従って、本発明の範囲は図示した実施の形態ではなくて、特許請求の範囲及びその法上の均等物によって判断されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術のインプラントの概略図である。
【図2】従来技術のインプラントが所要位置にある眼の前方部分の概略図である。
【図3】眼の毛様体根部及び虹彩並びに所要位置にあるインプラントの断面図である。
【図4】単一断面の分岐型インプラントの概略図である。
【図5】多数断面の分岐型インプラントの概略図である。
【図6】図4のインプラントの基端を接続する状態の概略図である。
【図7】図4のインプラントの無傷部分を結紮した連結状態を示す概略図である。
【図8】四辺形インプラントの概略図である。
【図9】図8におけるインプラントの四辺形C字形ストランドの断面図である。
【図10】被膜(又は小気泡)が形成される間の図7に示すインプラントのC字形ストランドの断面図である。
【図11】結紮糸を除去し且つ被膜又は小気泡が拡張した後の図7に示すインプラントのC字形ストランドの断面図である。
【図12】切欠き部分から伸びるスカラップ形状部分を示す本発明にもとづく別の実施形態の概略図である。
【図13】被膜(又は小気泡)が形成される間、図12に示すインプラントのスカラップ形状部分の断面図である。
【図14】結紮糸を除去し且つ被膜又は小気泡が拡張された後の図12のインプラントのスカラップ形状部分の断面図である。
【図15】図5のC字形部分の断面図である。
【図16】図5のC字形部分の四辺形断面図である。

Claims (24)

  1. 房水のための導管として機能するために眼内に埋込まれる装置において、
    基端及び末端を有する流体を導く管であって、その管の側壁において長手方向へ延びる開口部を備え、その開口部に沿って管の通路の内部をさらしている、管と、
    前記長手方向へ延びる開口部の基端に接続され、前記管の中心軸から離れるように延びている、横方向部分とを備え、
    前記長手方向へ延びる開口部に沿った前記管の各側壁と、前記長手方向へ延びる開口部に沿った前記管の内部と、前記横方向部分の表面とが、繊維状組織の成長のための核を形成し、
    前記房水で満たされたとき、前記繊維状組織が、前記長手方向へ延びる開口部に沿って円筒状の濾過被膜を形成する、装置
  2. 前記装置は、前記管内に複数の前記長手方向へ延びる開口部と、複数の前記横方向部分とを備え、各横方向部分が、長手方向へ延びる各開口部の基端に接続されている、請求項1に記載の装置
  3. 前記横方向部分が重なり合う形態にて配置される、請求項2に記載の装置
  4. 前記横方向部分が無傷の円筒状部分により隔てられている、請求項2又は3に記載の装置
  5. 前記長手方向へ延びる開口部が無傷の円筒状部分により隔てられている、請求項2乃至4の何れか1項に記載の記載の装置
  6. 前記無傷の円筒状部分の各々に結ばれている結紮糸を更に備える、請求項5の装置
  7. 前記結紮糸が滑り結目を備える、請求項6の装置
  8. 前記長手方向へ延びる開口部及び前記横方向部分が、前記管の末端における分割部分である、請求項1の装置
  9. 前記管の基端に配置されるアンカー部分を更に備える、請求項8の装置。
  10. 前記管の末端に配置されるアンカーを更に備える、請求項8の装置。
  11. 前記管の直径が約100μmである、請求項1乃至10の何れか1項に記載の装置
  12. 前記管が2股に分岐された、請求項10の装置
  13. 前記管が4股に分岐された、請求項10の装置
  14. 前記開口部が設けられた部分の前記管の側壁の、前記管の中心軸に対して直角の断面が弓形をしている、請求項1乃至14の何れか1項に記載の装置
  15. 前記装置は基端及び末端を備える複数の前記長手方向へ延びる開口部を更に備え、前記横方向部分が前記中心軸から離れるように延びている、請求項1の装置
  16. 少なくとも2つの前記長手方向へ延びる開口部が異なる長さを有している、請求項13の装置
  17. 前記装置は複数の前記横方向部分を更に備え、各横方向部分が前記長手方向へ延びる開口部の一つの基端に接続され、各前記横方向部分が前記管の中心軸から離れるように延びている、請求項13の装置
  18. 前記装置は、前記管の、前記長手方向へ延びる開口部に関して末端の部分を結ぶ結紮糸を更に備える、請求項1の装置
  19. 前記結紮糸が滑り結目である、請求項18の装置
  20. 前記管の直径が約300μmである、請求項16の装置
  21. 前記装置は、前記管の通路のさらされた内部の少なくとも一つの側部から外方に伸びている部分であって、その断面がスカラップ形状である、部分を有する、請求項1乃至20の何れか1項に記載の装置
  22. 前記装置は、前記管の通路のさらされた内部の少なくとも一つの側部から外方に伸びている部分であって、その断面が星形である、部分を有する、請求項1乃至20の何れか1項に記載の装置
  23. 前記スカラップ形状の断面が、スカラップの中心から先端までの約50μmの半径と、約5μmの先端幅とを有し、前記外方に伸びている部分が、前記管から20mmに至るまで伸びている、請求項21の装置
  24. 前記外方に伸びている部分が、前記管に対して直角の方向に伸びている、請求項21乃至23の何れか1項に記載の装置
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