JP4011108B2 - 皮膚接触部材 - Google Patents

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Description

本発明は、湿式ひげそり型のかみそりブレードカートリッジのアセンブリーおよびひげそりシステムにおいて使用するための改良された皮膚接触部材に関する。本発明は、概括的に言えば、かみそりが皮膚を横切って引かれるとき、ひげそり助剤を送出す立体配置を有する、皮膚接触キャップおよび/またはガード表面を提供することにある。適当なひげそり助剤は、潤滑剤、ひげ柔軟剤、かみそりクリーナー、薬剤、化粧品またはそれらの組み合わせを包含する。本発明は、また、本発明の皮膚接触部材を製造する新規な方法にも関する。
湿式ひげそり型のひげそりシステムにおいて、皮膚を横切るかみそりの摩擦抵抗、毛を切るために必要な力、および前もって存在している皮膚の損傷への刺激のような因子はある程度のひげそりの不快を発生することがある。不快、および湿式ひげそりシステムに付随する他の問題は、ひげそり助剤を皮膚に適用することによって軽減させることができる。ひげそり助剤は、ひげそりの前、間に、または後に適用することができる。多数の問題は、前および後に適用されるひげそり助剤の使用に付随する。前に適用されるひげそり助剤は蒸発するか、またはかみそりの反復するストロークにより適用部位から運び去られることがある。後に適用されるひげそり助剤はひげそりの間に皮膚上に存在せず、こうしてひげそり助剤の適用は望ましくない影響を防止するために遅すぎることがある。前および後に適用されるひげそり助剤は、ひげそりプロセスに追加の工程を追加する。
ひげそり助剤、例えば、潤滑剤、ひげ柔軟剤、かみそりクレンザー、薬剤、化粧品またはそれらの組み合わせをかみそりの中に組み込むことが提案され、この組み込みは、例えば、ひげそり助剤をかみそりのみぞの中に沈着させること、かみそりの1またはそれより多い成形ポリマー状成分の中にひげそり助剤を直接混入すること、かみそりにひげそり助剤複合物を接着固定すること、およびひげそり助剤複合物とかみそりとの間の機械的接続を使用ことによって達成された。水溶性ひげそり助剤、例えばポリエチレンオキシド、は非水溶性物質、例えばポリスチレンポリマー、と混合されて、不溶性ポリマー/可溶性ひげそり助剤複合物が形成されている(Booth、米国特許第4,170,821号およびRogers、米国特許第5,113,585号各明細書)。複合物は単一または複数のブレードのひげそりシステムのかみそりおよびひげそりカートリッジ構造物上に、1またはそれより多いひげそり刃に隣接して取付けられている。水へ暴露すると、水溶性ひげそり助剤は複合物から皮膚上に滲出する。これらの複合物は最初の数回のひげそりにおいてひげそり助剤を大量に放出し、引き続くひげそりにおいてひげそり助剤を非常に少なく放出する傾向がある。さらに、比較的大量のひげそり助剤物質(80重量%まで)および比較的少ない量の水不溶性マトリックス物質(20重量%程度に少ない)を有する押出された複合物は、比較的弱く、組立ておよび使用の双方において、機械的に破壊する傾向がある。不溶性マトリックス物質の量を増加させると、機械的強さを増加させることができる。しかしながら、このような増加はひげそり助剤物質の放出を減少させる。
商用潤滑ストリップ、特に高いレベルのポリエチレンオキシドの潤滑剤を有するストリップ、例えば、米国特許第4,170,821号(Booth)および米国特許第5,113,585号(Rogers)各明細書に記載されているストリップ、は、使用後、劣化する傾向がある。滲出速度はひげそりの過程の間に変化し、そして典型的には約50%のポリエチレンオキシドがストリップの中に捕捉されている。ポリオクス(Polyox)担体(すなわち、非水溶性マトリックス物質)の選択は、低い溶融温度または軟化温度を有しかつポリエチレンオキシドと少なくとも部分的に混和可能である担体に限定される。さらに、ストリップはほぼ180℃の高温において製造されるので、添加剤、例えば、芳香物質および可塑剤、はストリップの中に混入することが困難である。
米国特許第4,872,263号明細書(Etheredge、III、1989年10月10日発行)には、特定の酸性石鹸を含浸させた多孔質マトリックスから構成された潤滑装置が開示されている。潤滑剤が急速に浸蝕過ぎるのを防止しかつ皮膚上の滑らかな「マッサージ」効果を提供するするために、含浸されたマトリックスは水不溶性有孔シート物質でカバーされている。これらの潤滑装置は商業的に成功しなかった。これらの潤滑装置は、マトリックスがシートでカバーされたデザインを必要とする追加のアセンブリーのために、高価である。また、かみそりのカートリッジに接着剤で添付するとき、それらは膨潤し、離層する傾向がある。さらに、柔軟な多孔質マトリックスはかみそりのカートリッジにストリップを添付する経済的機械的手段にそぐわない。
開口を有する外側表面層および内部のひげそり助剤を含有する層からなる、2成分の調節放出性ひげそり装置を製造できることを我々は証明した。この装置の使用から得られる潜在的利点は、1)均一な表面の外観を維持すること、2)1〜4回のひげそり後のひげそり助剤のほぼ零次の放出を達成すること、3)物質の分解を最小にすること、4)装置の中に捕捉されるひげそり助剤物質を最小にすること、5)製造が容易であるひげそり助剤装置を提供すること、および/または6)かみそりカートリッジシステムが容易に組み込まれるひげそり助剤装置を提供することである。本発明のこれらおよび他の目的は、下記の説明から明らかとなるであろう。
本発明の1つの態様によれば、(a)熱可塑性樹脂から作られ、その中に開口を有するシース層および(b)内部のひげそり助剤を含有するコア領域からなる、2成分の調節放出性ひげそり装置が提供される。この装置は、(1)共押出または2色(すなわち、2成分)の成形によるか、または(2)表面層およびひげそり助剤を、別々に、押出または成形し、次いで後に組み立てることによって作られた、ストリップ、かみそりガード、かみそりキャップ、かみそりプラットホームまたはかみそりハウジングの形態であることができる。潜在的に、装置は表面の外観を維持し、ひげそり助剤を調節放出し、ひげそり助剤の分解を最小にし、そしてひげそり助剤がストリップの中に捕捉されるのを防止する。さらに、低融点の添加剤をひげそり助剤へ添加することが可能となり、そして潤滑ストリップ複合物におけるひげそり助剤とひげそり助剤の担体、例えばポリスチレン、との間の相溶性が決定的ではなくなる。
第1図は、本発明によるかみそりユニットの斜視図である。
第2図は、第1図の線2−2に沿って取った断面図である。
第3図は、本発明による他のかみそりユニットの断面図である。
第4図は、本発明による皮膚接触部材の拡大斜視図である。
第5図は、第4図の線3−3に沿って取った断面図である。
第6図は、第2図の中に見出される皮膚接触部材42の断面図である。
第7図は、第3図の皮膚接触部材の製造に適当な押出ダイの略断面線図である。
第8図〜第11図は、本発明による別の皮膚接触部材の拡大斜視図である。
第12図は、ひげそり助剤の放出/理論的ひげそりの回数のプロットであり、従来の潤滑ストリップと本発明による潤滑ストリップとを比較する。
図面を参照すると、第1図および第2図に示すひげそりユニット10は耐衝撃性ポリスチレンから成形された基部またはプラットホーム部材12を含む。プラットホーム部材12はかみそりのハンドルおよびガード構造物16に取付けるための一体のカップリングみぞ構造物14を含む。構造物16は横方向に延びる前方の皮膚接触表面18を定める。プラットホーム12の上表面上に、鋭くされた刃22を有する鋼の前ブレード20、鋭くされた刃26を有する鋼の後ブレード24、ならびにブレード20および24を間隔を置いて位置する関係に維持するアルミニウムのスペーサー部材28が位置する。キャップ部材30は耐衝撃性ポリスチレンから成形され、そして後方の皮膚接触表面34を定める本体部分32を有する。後方の皮膚接触表面34は前方に突起する端壁36の間を横方向に延び、そしてブレード刃26から後方に配置された前刃38を有する。一体化されたリベット部分40は横方向に延びる本体部分32から下方に延び、そしてブレード20および24、スペーサー28、およびプラットホーム12中の孔を通過して、キャップ30、ブレード20、24およびスペーサー28をプラットホーム12上に固定する。皮膚接触部材42は皮膚接触表面34に接着剤で添付されている。
第3図に示すひげそりユニット50は米国特許第4,586,255号明細書(Jacobson)(引用することによって本明細書の一部とされる)に示される型を有し、そして前部54および後部56を有する本体52を含む。ガード部材58、前ブレードユニット60および後ブレードユニット62は、本体52に弾性的に固定されている。細長い挿入部材64の形態のひげそり助剤複合物は、後部56の開口66の中に摩擦的にロックされている。
第4図〜第6図および第8図〜第11図は、本発明についての変化を一般的に描写するものである。本明細書おいて使用するとき、用語「コア」は断面で検査したとき皮膚接触部材の内部を意味する。コアは典型的には皮膚接触部材を通して軸に沿って延びる。軸は中央軸である必要はない。図面はコアを70として表示する。本発明の態様は、少なくとも1つのコア要素を有する。本明細書おいて使用するとき、用語「シース」はコア物質70の上の1またはそれより多い外側コーティング層を意味する。図面はシースを72として表示する。
本発明の2成分の調節放出性ひげそり装置は内部のコアを取り囲む外側シースから成るが、前記コアはひげそり助剤、例えば、水溶性ポリマーおよび添加剤を含有する。皮膚接触表面74は内部の開口を有する不溶性層、または柔らかい層、例えば、使用中に多孔質となる商用ストリップ(ポリエチレンオキシド/ポリスチレン)であることができる。
再び図面、特に第3図、を参照すると、細長い皮膚接触部材64が示されている。部材64は皮膚接触表面74と細長い挿入要素76とを有する。挿入部材76は、第3図に示されるように開口の中に摩擦的にロックされるように設計されている。皮膚接触部材は、さらに、シース物質で取り囲まれたひげそり助剤含有コア材料70を含んでなる。シース物質は、添加剤を皮膚に放出するために、少なくとも1つの孔を含む。好ましくは、シースは約3〜約30個の孔、最も好ましくは10〜15個の孔、を含み、これらの孔は皮膚接触表面74に沿って均一に分布する。孔の直径は選択された特定のひげそり助剤に依存して変化する。しかしながら、約0.020〜約0.040インチの孔の直径のときに、最良の結果が観察された。孔の直径は好ましくは約0.035インチである。孔は円形である必要はなく、任意の形状の孔が満足すべきものであることに注意すべきである。例えば、第7図〜第11図を参照のこと。皮膚接触表面に沿った孔面積は重要である。好ましくは、孔面積は約0.0005〜約0.0250平方インチである。高いレベルのポリエチレンオキシドの潤滑剤をコアにおいて利用するとき、約0.0125平方インチの孔面積は好ましい。多数のひげそり助剤は水との接触のとき膨潤する傾向がある。不溶性マトリックス物質内でこれらの膨潤性ひげそり助剤を結合することによって、膨潤の程度を変更して美的に不快な結果を防止することができる。最も好ましい孔のパターンは第4図〜第5図に示されている。
ひげそり助剤物質は、下記のものからなる群より選択される。ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルイミダゾリン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、シリコーンコポリマー、スクロースステアレート、ビタミンE、石鹸、界面活性剤、ペンテノール、アロエ、可塑剤、例えばポリエチレングリコール、あごひげ柔軟剤、追加の潤滑剤、例えばシリコーンオイル、TeflonRポリテトラフルオロエチレン粉末(デュポン社製)、およびワックス、精油、例えばメントール、樟脳、ユージノール、オイカリプトール、サフロールおよびメチルサリシレート、粘着付与剤、例えばHercules Regalrez 1094および1126、非揮発性冷却剤、皮膚鎮静剤(skin−soothing agent)とシクロデキストリンとの包接錯体、芳香物質、止痒剤/反対刺激物質、抗菌/角質溶解物質、例えばレゾルシノール、抗炎症剤、例えばカンディラ(Candilla)ワックスおよびグリシレチン酸、収れん薬、例えば硫酸亜鉛、界面活性剤、例えばプルロニックおよびイコノール物質、相溶性化剤、例えばスチレン−b−EOコポリマー、およびそれらの組み合わせ。これらのひげそり助剤は表面から放出されて、ひげそりを改善する。これらの成分はコアを通して分散させることができ、さらに、外側シースは少量のこれらのひげそり助剤を含有することもできる。
好ましくは、ひげそり助剤は水溶性または水混和可能の物質である。しかしながら、非水溶性添加剤が水溶性コア成分とともに運搬されることができるかぎり、非水溶性添加剤を混入することもできる。
好ましいひげそり助剤は潤滑性水溶性ポリマーを含んでなる。このような水溶性ポリマーは、好ましくは、コア物質の少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも60重量%、を構成する。より好ましい水溶性ポリマーはポリエチレンオキシドであり、これらは一般にPOLYOX(ユニオン・カーバイド・コーポレーションから入手可能である)またはALKOX(メイセイ・ケミカルス・ワークス、日本国京都)として知られている。これらのポリエチレンオキシドは好ましくは約100,000〜6×106、最も好ましくは約300,000〜5×106、の分子量を有する。最も好ましいポリエチレンオキシドは、約40〜80%の約5×106の平均分子量を有するポリエチレンオキシド(例えば、POLYOX COAGULANT)および約60〜20%の約300,000の平均分子量を有するポリエチレンオキシド(例えば、POLYOX WSR−N−750)のブレンドを含んでなる。また、ポリエチレンオキシドのブレンドは、有利には、約10重量%までの低分子量(すなわち、分子量<10,000)のポリエチレングリコール、PEG−100を含有することができる。
また、ひげそり助剤は、有利には、非揮発性冷却剤または皮膚鎮静剤とシクロデキストリンとの包接錯体を、好ましくはコア物質の約25重量%まで、最も好ましくは10〜20重量%の量において、含んでなる。
非揮発性冷却剤とは、皮膚に対して生理学的冷却作用を有し、そしてメントールよりも感知可能な程度に低い揮発性を有する物質を意味する。好ましくは、非揮発性冷却剤は、熱重量分析(例えば、20℃/分の温度上昇において、デュポン社の951熱重量分析を使用する)に付したとき、150℃の温度においてその初期重量の少なくとも50%、より好ましくは160℃の温度においてその初期重量の少なくとも80%、最も好ましくは175℃の温度においてその初期重量の少なくとも50%、を保持する物質であろう。
利用できる適当な冷却剤は、下記のものを包含する。非揮発性メントール類似体、例えば、メンチルラクテート、メンチルエトキシアセテート、メントングリセリンアセタール、3−l−メトキシプロパン−1,2−ジオール、エチルl−メンチルカーボネート、(1S,3S,4R)−p−メント−8−エン−3−オール、メンチルピロリドンカルボキレート、N−置換−p−メンタン−3−カルボキシアミド(米国特許第4,136,163号明細書に記載されている、これは引用することによって本明細書の一部とされる)、例えば、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキシアミド、下式アクリル系カルボキシアミド
Figure 0004011108
(式中、R’およびR”は、別々である場合、各々水素、C1−C5アルキルまたはC1−C8ヒドロキシアルキルであり、そして合計8個を超えない炭素原子を提供し、ただしR’が水素であるとき、R”はまた6個までの炭素原子のアルキルカルボキシアルキルであることができ、R’およびR”は、一緒になったとき、6個までの炭素原子のアルキレン基を表し、これにより窒素の複素環を形成し、アルキレン鎖は必要に応じて酸素により中断され、R1は水素またはC1−C5アルキルであり、そしてR2およびR3は各々C1−C5アルキルである)(例えば、アクリルカルボキシアミドは米国特許第4,153,679号明細書に記載されており、これは引用することによって本明細書の一部とされる)、例えば、N,2,3−トリメチル−2−イソプロピルブタンアミド、およびケタール冷却剤(WO93/23005号明細書に記載されており、これは引用することによって本明細書の一部とされる)、例えば、1−メントン−/d−イソメントングリセリンケタール。
シクロデキストリン包接錯体において利用できる適当な皮膚鎮静剤の例は、メントール、樟脳、ユージノール、オイカプリトール、サフロール、メチルサリシレート、および前述のメントール類似体である。任意の適当なシクロデキストリンを利用して、包接錯体、例えば、アルファ−シクロデキストリン、べータ−デキストリン、ガンマ−シクロデキストリンおよび変性シクロデキストリン、例えば、ヒドロキシプロピル−べータ−シクロデキストリン、メチル−べータ−シクロデキストリン、およびアセチル−べータ−シクロデキストリンを生成させることができる。好ましいシクロデキストリンはべータ−シクロデキストリンおよびガンマ−シクロデキストリンである。
ひげそり助剤がシクロデキストリン包接錯体を含んでなるとき、コア物質は、また、有利には約10重量%まで、好ましくは約2〜7重量%、の置換剤を含んでなることができ、前記置換剤は水と接触したとき包接錯体から皮膚鎮静剤を置換し、これにより使用の間にコア物質からの皮膚鎮静剤の放出を増強する。置換剤はひげそりシステムと形成する錯体よりも、シクロデキストリンといっそう安定な錯体を形成させることができ、こうして、ひげそり助剤が水と接触したとき、錯体から皮膚鎮静剤を置換する物質である。適当な置換剤の例は、界面活性剤、安息香酸、およびある種のアミン(例えば、尿素)である。
前述の冷却剤、シクロデキストリンおよび置換剤に関するそれ以上の詳細は、下記の同時継続米国出願明細書の中に見出すことができ、それらの開示は引用することによって本明細書の一部とされる。発明の名称「皮膚鎮静剤およびシクロデキストリンの包接錯体を有するひげそり助剤複合物」、(Shaving Aid Compsite with An Inclusion Complex of A Skin-Soothing Agent And A Cyclodextrin)1995年6月30日提出;および発明の名称「非揮発性冷却剤を有するひげそり助剤複合物」(Shaving Aid Composite with A Non-Volatile Cooling Agent)、1995年6月30日提出。
コア物質は、約0〜約50重量%、好ましくは約0〜約20重量%、の水不溶性マトリックス、および約50〜約100重量%、好ましくは約80〜約100重量%、のひげそり助剤物質を含む。適当な水不溶性マトリックス物質は、例えば、ナイロン、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリスチレン−ブタジエン、ポリアセタール、ポリフェノール/ポリスチレンのブレンド(例えば、商品名NORELのポリマー)、およびそれらの組み合わせである。
シース物質は、最初に製造されたとき、および十分な量の水不溶性物質が皮膚接触部材の中から外に滲出した後、皮膚接触部材全体に適切な機械的強さを与えるために十分な機械的強さおよび剛性をもたなくてはならない。好ましくは、シース領域は少なくとも35重量%、最も好ましくは少なくとも40重量%、の水不溶性ポリマー、特に熱可塑性樹脂、を含んでなる。本発明において使用するために適当なシース物質の例は、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン(ポリスチレン−ブタジエン)、ポリプロピレン、充填剤入りポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、およびブレンド、例えば、70%ナイロン/30%ポリエチレンオキシド、60%ポリスチレン/40%ポリエチレンオキシド、である。好ましいシース物質は、耐衝撃性ポリスチレン、ポリスチレン、エチレン酢酸ビニル(EVA)およびそれらの組み合わせである。水不溶性ポリマーに加えて、シース領域は、また、多少の水溶性ポリマー、例えば、ポリエチレンオキシドを含むことができるが、一般に、シース領域の構造保全性を維持するために、約65重量%以下の、好ましくは60重量%より少ない、水溶性ポリマーを含む。必要に応じて、シース物質は添加剤、例えば、潤滑剤または可塑剤、充填剤、例えばCaCO3、および着色剤、例えばTiO2、を含むことができる。
本発明の1つの態様において、シース物質およびコア物質が別々に着色された物質(例えば、白色に着色されたシースおよび青色に着色されたコア)から作られるとき、摩耗指示効果が発生する。コア物質は使用を通して皮膚接触部材の中から外に滲出する。十分に使用されると、コア内の着色領域は滲出する。皮膚接触表面に沿って放出孔を検査することによって、ひげそりユニットおよび/または皮膚接触表面がそれらの有効寿命に到達したという指示をユーザーは得る。好ましい態様において、コア物質は白色であるポリエチレンオキシド/ポリスチレン混合物から成り、そしてシースはインジゴチン(Indigotine)FD&C#2染料で着色されたナイロンおよび/またはスチレンからなる。
本発明によれば、皮膚接触部材は、接着剤、例えばロクタイト・スーパー・ボンダー(Loctite Super Bonder)499、により、機械的ロック機構により、熱溶接により、またはそれらの組み合わせにより添付されることができる。
装置は2色(2成分)の成形または共押出によるか、または表面層およびひげそり助剤を別々に押出または成形し、次いで後にアセンブリーすることによって製造されたストリップであることができる。次いで、装置をかみそりカートリッジ上に接着またはスナップで取り付ける。また、装置は2色の成形により製造されたかみそりキャップ、プラットホーム、またはハウジングであることができる。例えば、1)孔を有する表面は成形または2色の成形により製造することができ、そして2)溝を有する表面は成形により製造することができる。押出法および共押出法は、資本および熟練した労働をそれほど必要としないので、好ましい。ストリップを共押出するとき、孔を皮膚接触部材の中に形成させなくてはならない。孔はシースの中に下記の任意の方法により形成される。孔開け、レーザー、水噴射、型押しまたは穿刺。ひげそり助剤および表面層は異なるバレル温度において加工されて、物質の分解を最小とすべきである。液体および粉末を包含する機能的添加剤をひげそり助剤の中に容易に混入するために、二軸スクリュー押出機は押出法および共押出法において使用される一軸スクリュー押出機の代替物として考慮すべきである。最適なシース物質は硬い表面から適度に硬い表面を有する。
好ましい皮膚接触部材は共押出により製造され、ここでシースは少なくとも皮膚接触表面74上に存在する。シースおよびコアのポリマー状物質の特質および相対部分は、最初に製造されたとき、および十分な量の水不溶性物質が皮膚接触部材の中から外に滲出した後、皮膚接触部材が適切な機械的強さを有するようなものであり、水溶性物質の量は、1またはそれより多いブレードの全体の期待される寿命の間、有効なひげそりの補助、例えば、潤滑を提供するために十分である量である。シース物質の機能は、追加の剛性を提供するばかりでなく、かつまたひげそり助剤を計量して放出することである。従来の皮膚接触部材、例えば、米国特許第5,063,667号、米国特許第5,095,619号および米国特許第5,113,585号各明細書に記載されている皮膚接触部材において、有意な量のひげそり助剤物質は不溶性マトリックス内に捕捉されている。ひげそり助剤の濃度を増加することによって、拡散は増加し、そしてより効率よい送出しが達成される。さらに、不溶性マトリックスをコア物質に添加する場合、不溶性マトリックスは、また、多少の追加の機械的強さを提供する。
第7図は、本発明の皮膚接触部材の製造に適当な押出機の長さより下の略断面線図である。コア物質を押込ダイ51の中に押出スクリュー、ホットメルトまたは他の適当な手段により供給する。コアの入口52において、緊密なコアオリフィス53はシース物質と直面し、ここでダイの物質の流れの横断面において見るとき、コアはシース物質により囲まれる。次いで、囲まれたコアはダイ出口55に進行し、ここで連続の皮膚接触部材を硬化および/または引落して適当な寸法とすることができる。共押出しの一般的説明については下記の参考文献を参照のこと。Levi、Plastics Extrusion Technology Handbook、Industrial PressInc.、pp.168−188(1981)(引用することによって本明細書の一部とされる)。連続の皮膚接触部材が製造された後、ストランドはさらに加工されるために送られ、ここでストランドは典型的には正しい大きさに引落され、そしてかみそりブレードのカートリッジの本体の中への差込みに適当な長さに切断される。この切断はナイフエッジによる切断、レーザーまたは水噴射により達成することができる。本発明の皮膚接触表面は典型的には長方形であり、幅が約0.05インチ〜約0.1インチでありそして長さが約1.2インチである。
2成分の装置によると、ひげそり助剤を比較的低い温度において加工して、物質の分解を減少させることができる。例えば、ポリエチレンオキシドは、従来のストリップ、すなわち、不溶性マトリックスの潤滑ストリップにおけるポリエチレンオキシドに要求される温度よりも低い温度において加工されることができる。ひげそり助剤は水溶性ポリマー、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、およびポリビニルアルコールおよびその他から製造することができる。添加剤、例えば、香料、加湿剤、ビタミンE、および可塑剤およびその他をひげそり助剤に容易に添加することができる。また、水不溶性物質が表面の開口を通して運ばれることができるかぎり、添加剤は水不溶性物質であることができる。ひげそり助剤は成形または押出するとができるが、押出法が好ましい。
ひげそり助剤の滲出速度は表面の厚さ、開口の数および形状、および表面の構造(多孔質または非多孔質)に依存する。また、使用の間にひげそり助剤を装置に添加できるように、表面層を除去可能にすることができる。
同等の態様は本発明の一部分であると考えられる。例えば、長方形でない皮膚接触表面の区域(例えば、卵形)および平らでない表面のパターンを利用することができる。また、これらおよび他の同等の態様が本発明において考えられる。本発明およびそれを製造し、使用する方法は下記の諸例から明らかであろう。
例1〜8
表1に記載するのようなひげそり助剤を、ほぼ表に記載されている温度において、第7図におけるような断面を有する装置に共押出した。典型的な仕上げられた幅は、2%より小さい引落し後において、1/8インチである。これらの装置は追加のアセンブリーを必要としない。共押出ラインは2つの3/4”HBIシステム90押出機(Haake製)、および共押出しダイを含む。共押出された装置の表面層は示すようなバレル温度において混合物から製造し、そしてひげそり助剤は示した物質から製造した。孔のパターンは第4図のパターンにおいて直径0.030インチのドリルでカットする。仕上げられたストリップはナイフエッジのカッターで1.25インチの長さにカットされて、13個の孔/ストリップが形成される。
典型的な加工条件
温度(℃):
ゾーン 1 2 3 4 5
押出機1(内部) 130 180 180 180 180
押出機2(外部) 150 180 180 180 180
回転子速度:
押出機1 42RPM
押出機2 48RPM
線速度: ほぼ15〜20フィート/分
Figure 0004011108
Figure 0004011108
Figure 0004011108
Figure 0004011108
Figure 0004011108
Figure 0004011108
例9および10
対照:
外部の寸法が第4図〜第5図に類似する、従来の潤滑ストリップを、米国特許第5,113,585号明細書(Rogers)に記載されている一般的方法に従い製造した。ストリップの処方は下記の通りである:
Figure 0004011108
本発明:
本発明による潤滑ストリップを例1〜5に記載する一般的方法に従い製造した。ストリップの処方は下記の通りである。
Figure 0004011108
カートリッジの重量損失(乾燥)を数回のシミュレートしたin vitroひげそり試験の過程にわたってモニターした。これらのin vitro試験は平均的なin vivoひげそりによく相関すると、我々は考える。結果は第12図としてプロットする通りである。このプロットが示すように、例10において、治療レベルの潤滑剤は、第4回のひげそり後において、ほぼ零次の放出プロフィルで送出され続ける。しかしながら、例9(対照)においては、非常に低いレベルが提供される。

Claims (15)

  1. 水不溶性ポリマーを含んでなる細長いシースを具備してなり、前記シースが外側表面に沿って延びる皮膚接触表面と、前記シースの中心軸を通って軸方向に延びるコアとを含んでなり、前記コアは水溶性ポリマーを含んでなるひげそり助剤を含有し、前記シースと前記コアは押し出しまたは成形により製造されており、前記シースは少なくとも一つの開口を有し、前記開口はひげそりの間にひげそり助剤を放出するものである、湿式ひげそりシステムにおいて使用するための、ストリップ、かみそりガード、かみそりキャップ、かみそりプラットホーム、またはかみそりハウジングの形態である皮膚接触部材。
  2. 前記シースが少なくとも35重量%の水不溶性ポリマーを含んでなり、かつ前記コアが少なくとも50重量%の水溶性ポリマーを含んでなる、請求項1に記載の皮膚接触部材。
  3. 前記水不溶性ポリマーが、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン、ポリプロピレン、充填剤入りポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、またはエチレン酢酸ビニルを含んでなる、請求項2に記載の皮膚接触部材。
  4. 前記コアが0〜20重量%の水不溶性マトリックスをさらに含んでなる、請求項3に記載の皮膚接触部材。
  5. 前記水不溶性マトリックスが、ナイロン、エチレン酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリスチレン−ブタジエン、ポリアセタール、およびポリフェノールとポリスチレンとのブレンドからなる群から選択されるマトリックス物質を含んでなる、請求項4に記載の皮膚接触部材。
  6. 前記シースが60重量%より少ない水溶性ポリマーを含んでなる、請求項5に記載の皮膚接触部材。
  7. 前記水溶性ポリマーがポリエチレンオキシドを含んでなる、請求項1、2、4、5、または6に記載の皮膚接触部材。
  8. 前記水溶性ポリマーがポリエチレンオキシドを含んでなる、請求項3に記載の皮膚接触部材。
  9. 前記シースと前記コアとが異なる色に着色されたものである、請求項3または8に記載の皮膚接触部材。
  10. 前記シースが、複数の、0.0005〜0.0250平方インチの孔面積を有する開口を有するものである、請求項8に記載の皮膚接触部材。
  11. 前記シースが、0.020〜0.040平方インチの孔面積を有する3〜30個の孔を有するものである、請求項8に記載の皮膚接触部材。
  12. 前記コアが25重量%までの非揮発性冷却剤または皮膚鎮静剤とシクロデキストリンとの包接錯体を含んでなる、請求項8に記載の皮膚接触部材。
  13. 前記非揮発性冷却剤が、メンチルラクテート、メンチエルエトキシアセテート、メントングリセリンアセタール、3−l−メトキシプロパン−1,2−ジオール、エチルl−メンチルカーボネート、(1S,3S,4R)−p−メント−8−エン−3−オール、メンチルピロリドンカルボキシレート、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキシアミド、およびN,2,3−トリメチル−2−イソプロピルブタンアミドからなる群から選択され、かつ前記皮膚鎮静剤が、メントール、樟脳、ユージノール、オイカリプトール、サフロール、メチルサリシレートおよび前記非揮発性冷却剤からなる群から選択される、請求項12に記載の皮膚接触部材。
  14. 前記ひげそり助剤が、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルイミダゾリン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、シリコーンポリマー、スクロースステアレート、ビタミンE、石鹸、界面活性剤、ペンテノール、アロエ、可塑剤、あごひげ柔軟剤、潤滑剤、ポリテトラフルオロエチレン粉末、ワックス、メントール、ユージノール、オイカリプトール、サフロール、メチルサリシレート、粘着付与剤、非揮発性冷却剤、皮膚鎮静剤とシクロデキストリンとの包接錯体、芳香物質、止痒剤または反対刺激物質、抗菌または角質溶解物質、抗炎症剤、収れん剤、相溶化剤からなる群から選択される、請求項1に記載の皮膚接触部材。
  15. ブレード部材と、前記ブレード部材のひげそり刃に隣接する外側の、ストリップ、かみそりガード、かみそりキャップ、かみそりプラットホーム、またはかみそりハウジングの形態である皮膚接触部材とを具備してなる、湿式ひげそりシステムであって、前記皮膚接触部材が水不溶性ポリマーを含んでなる細長いシースを具備してなり、前記シースが外側表面に沿って延びる皮膚接触表面と、前記シースの中心軸を通って軸方向に延びるコアとを含んでなり、前記コアは水溶性ポリマーを含んでなるひげそり助剤を含有し、前記シースと前記コアは押し出しまたは成形されており、前記シースは少なくとも一つの開口を有し、前記開口はひげそりの間にひげそり助剤を放出するものである、湿式ひげそりシステム。
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