JP4010248B2 - 加熱炉の炉壁構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、 鋼帯の連続焼鈍炉等の加熱炉における炉壁の耐火断熱材に含まれる固形物粒子の炉内飛散を防止する加熱炉の炉壁構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、加熱炉の炉壁に設置する耐火断熱材には、熱効率の向上および熱慣性の向上のため、耐火断熱レンガに代えて軽量で安価な耐熱繊維材であるセラミックファイバが用いられるようになってきた。通常、セラミックファイバには重量比で35〜60%程度のAl2O3とSiO2が含まれており、これらは粒径が150〜500μm程度の固い固形物粒子として存在している。
【0003】
上記のようなセラミックファイバを耐火断熱材として炉壁に設置すると、セラミックファイバに含まれる上記固形物粒子が炉内に飛散してしまう恐れがある。また、操業異常時に加熱炉内を通板する鋼帯がセラミックファイバを破損させたりすることもある。炉内に飛散した上記固形物粒子の一部は、炉内ロールと炉内通板中の鋼帯間に噛み込んで、鋼帯に押し疵を与え、鋼帯の表面品質を損なう。
【0004】
そのため従来では、セラミックファイバの炉内側表面を金属板で被覆することが行われている。
【0005】
図6は、そのような炉壁構造の一例を示すもので、炉壁内側に耐火断熱材40を設けるとともに、その炉内側の全面を固形物粒子飛散防止用のシール材60で覆い、このシール材60との間で一定のクリアランスを保った状態で金属板10を炉内側全面に展着させたものである。(例えば、特許文献1。)。
【0006】
【特許文献1】
特公平6−46141号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来技術には次のような問題がある。
【0008】
耐火断熱材の全面を覆うために必要なシール材(ステンレスフォイルあるいはチタンフォイル)はかなり高価であり、また金属板をシール材と一定のクリアランスを保って展着することは、工事が非常に難しく、多くの作業時間を要する。
【0009】
その上高温操業下においては、シール材の熱膨張代を吸収できず、シール材が変形もしくは破損してしまう恐れがあった。元々シール材が熱変形した場合、金属板と接触し破損しないようにシール材と金属板とのクリアランスを取っていたが、金属板の熱膨張代も吸収できなくなって、金属板が変形してしまい、セラミックファイバからなる耐火断熱材の被覆が不完全になる恐れがある。
【0010】
したがって本発明の目的は、上記した従来技術の問題点を解決し、簡便で安価な炉壁構造により、炉壁の耐火断熱材に含まれる固形物粒子の炉内飛散を防止することのできる加熱炉の炉壁構造を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、炉壁の耐火断熱材に含まれる固形物粒子の炉内飛散を防止することのできる簡便で安価な炉壁構造の検討を行った。
【0012】
その結果、セラミックファイバの炉内側表面を被覆する金属板が平板であるがためにフクレが生じ、そこに隙間ができて固形物粒子が炉内に飛散しやすいことが判った。よって、金属板を平板ではなくて、外縁部を除く板部分の全部または一部が炉内側方向に膨出した3次元形状を有する構造として、炉壁の面内方向のみならず面外方向にも金属板の変形を許すことによってセラミックスファイバおよび金属板の熱膨張量を吸収できることを見出した。また、金属板を平板ではなくて、外縁部を除く板部分の全部または一部が炉内側方向に膨出した3次元形状を有する構造とすることによりシール材と金属板とのクリアランスもシール材も必要ないことになる。
【0013】
本発明はこのような知見に基づきなされたもので、以下のような特徴を有する。
【0014】
(1)炉壁内側に耐火断熱材を設けた加熱炉の炉壁構造であって、前記耐火断熱材の炉内側の全面を、外縁部を除く板部分の全部が炉内側方向に膨出した3次元形状を有する複数の金属板で被覆し、隣接する金属板は互いの外縁部を重合して連結されることを特徴とする加熱炉の炉壁構造。
【0015】
(2)金属板の膨出部の表面が平面四角形状であることを特徴とする上記(1)に記載の加熱炉の炉壁構造。
【0016】
(3)金属板の膨出部の一部に耐火断熱材側に凹陥した凹陥部を有し、該凹陥部にボルトを介して金属板と耐火断熱材と炉壁とが連結されることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の加熱炉の炉壁構造。
【0017】
(4)隣接する金属板の重合部と耐火断熱材との間にシール材を装入することを特徴とする上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の加熱炉の炉壁構造。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1および図2は、本発明の加熱炉の炉壁構造の一実施形態を示すもので、図1は炉壁構造の縦断面図、図2は炉壁構造の外形図である。
【0019】
図1および図2において、加熱炉の炉壁構造は、スチール製の炉壁3の内側に設置された耐火断熱材4、5と、耐火断熱材4、5の炉内側の全面を被覆する外縁部を除く板部分の全部または一部が炉内側方向に膨出した3次元形状を有する複数の金属板1と、隣接する金属板1の互いの外縁部を重合して連結するボルト2からなっている。
【0020】
前記耐火断熱材4、5は、本実施形態では2種類のセラミックファイバを積層させた構造としているが、これには限らず例えば耐火レンガとセラミックファイバの組合せも可能である。
【0021】
前記金属板1は、1枚の金属板に複数の膨出部を有することも可能であるし、作り方も任意でよい。また、好ましくは作りやすさの観点から金属板の膨出部が平面四角形状である。本実施形態の金属板1は、厚さ約1mmのステンレス板を用いている。
【0022】
前記ボルト2は、隣接する金属板1の互いの外縁部を重合して連結するものであり、且つその重合部において、金属板1と耐火断熱材4、5と炉壁3とを連結するためのものである。
【0023】
図3および図4は、本発明の加熱炉の炉壁構造の他の実施形態を示すもので、図3は炉壁構造の縦断面図、図4は炉壁構造の外形図である。
【0024】
図3および図4は、金属板1の膨出部の一部に耐火断熱材側に凹陥した凹陥部7を有し、この凹陥部7にボルトを介して金属板1と耐火断熱材4、5と炉壁3とが連結される場合の一例を示している。
【0025】
図3および図4に示す加熱炉の炉壁構造は、金属板の膨出部の一部に耐火断熱材側に凹陥した凹陥部7を有し、この凹陥部7にボルトが設置される以外は図1および図2に示す加熱炉の炉壁構造と同様である。
【0026】
本発明の、耐火断熱材の炉内側の全面を、外縁部を除く板部分の全部または一部が炉内側方向に膨出した3次元形状を有する複数の金属板で被覆し、隣接する金属板は互いの外縁部を重合して連結される加熱炉の炉壁構造としたのは、高温操業下において、耐火断熱材や金属板が熱影響を受けた場合、このような3次元形状を有する構造をしていることで、耐火断熱材の熱膨張量を炉壁の面内方向だけでなく炉壁の面外方向でも吸収できるため、耐火断熱材を密閉することができるからである。
【0027】
また、金属板を外縁部を除く板部分の全部または一部が炉内側方向に膨出した3次元形状を有する構造とすることにより、金属板を平板として用いるよりもはるかに強度を有するので、加熱炉内を通板する鋼帯がこのような3次元構造を有する金属板に接触した場合等の操業異常時にも、金属板の変形を押さえることが可能となる。
【0028】
さらに、金属板を外縁部を除く板部分の全部または一部が炉内側方向に膨出した3次元形状を有する構造とすれば、隣接する金属板の互いの外縁部を重合する部分に設置するボルトの先端のみならず、金属板の膨出部の一部に耐火断熱材側に凹陥した凹陥部に設置したボルトの先端を、金属板の作る炉内側の面よりも炉壁側に引っ込ませて設置することが可能となる。これにより、炉内で操業異常が発生し、加熱炉内を通板する鋼帯がこのような3次元構造を有する金属板に接触した場合等においても、ボルト先端が突起しているために鋼帯が破断したり、金属板が破損したりすることを未然に防ぐことができる。
【0029】
図5は、本発明の加熱炉の炉壁構造の他の実施形態を示す炉壁構造の縦断面図である。
【0030】
図5に示すように、隣接する金属板1の互いの外縁部を重合する部分のボルトおよび金属板の膨出部の一部に耐火断熱材側に凹陥した凹陥部7に設置したボルトの密閉度を上げるために、隣接する金属板1の重合部と耐火断熱材4、5との間および金属板の膨出部の一部に耐火断熱材側に凹陥した凹陥部7と耐火断熱材4、5との間にシール材6を装入することが好ましい。本実施形態では厚み約100μm程度のステンレスフォイル製のシール材6を用いている。このシール材6によって、更にボルト穴部からのセラミックファイバの飛散を防止することが可能となる。
【0031】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、固形物粒子を含む耐火断熱材を金属板内側に密閉でき、固形物粒子を炉内に飛散することを防止できるため、加熱炉を通板する製品の表面性状を良好に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加熱炉の炉壁構造の一実施形態を示す炉壁構造の縦断面図
【図2】本発明の加熱炉の炉壁構造の一実施形態を示す炉壁構造の外形図
【図3】本発明の加熱炉の炉壁構造の他の実施形態を示す炉壁構造の縦断面図
【図4】本発明の加熱炉の炉壁構造の他の実施形態を示す炉壁構造の外形図
【図5】本発明の加熱炉の炉壁構造の他の実施形態を示す炉壁構造の縦断面図
【図6】特許文献1に記載の炉壁構造の縦断面図
【符号の説明】
1 金属板
2 ボルト
3 炉壁
4 耐火断熱材
5 耐火断熱材
6 シール材
7 凹陥部
10 金属板
20 ボルト
30 炉壁
40 耐火断熱材
60 シール材
Claims (4)
- 炉壁内側に耐火断熱材を設けた加熱炉の炉壁構造であって、前記耐火断熱材の炉内側の全面を、外縁部を除く板部分の全部が炉内側方向に膨出した3次元形状を有する複数の金属板で被覆し、隣接する金属板は互いの外縁部を重合して連結されることを特徴とする加熱炉の炉壁構造。
- 金属板の膨出部の表面が平面四角形状であることを特徴とする請求項1に記載の加熱炉の炉壁構造。
- 金属板の膨出部の一部に耐火断熱材側に凹陥した凹陥部を有し、該凹陥部にボルトを介して金属板と耐火断熱材と炉壁とが連結されることを特徴とする請求項1または2に記載の加熱炉の炉壁構造。
- 隣接する金属板の重合部と耐火断熱材との間にシール材を装入することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の加熱炉の炉壁構造。
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- 2002-12-26 JP JP2002377102A patent/JP4010248B2/ja not_active Expired - Fee Related
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