JP4009189B2 - 化粧料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗布時に清涼感を有しながら、のび等の使用感が良好で、化粧持続性、及び携帯性に優れた固形状油中水型化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
固形状油中水型化粧料は、水や保湿成分などの水性成分を含有するため、塗布時に清涼感、保湿効果を有するものである。また、固形状であるため、液状型の乳化物に比べて手軽に携帯でき、特にファンデーション等の化粧料では外出先で化粧直しをするのに便利である。
【0003】
固形状油中水型化粧料は、一般に、油性成分を油ゲル化剤や固形ワックス等の固体脂でゲル化したり、油性成分と水との乳化剤を含む組成物に更に油ゲル化剤や固体脂を加えて固形化することにより得られる。例えば、特許文献1には、油剤、水、疎水化粉体に、HLB8以下の親油性界面活性剤、固形ワックス又は油ゲル化剤を含む化粧料が記載されている。
【0004】
しかし、このような化粧料は、固形ワックスを含むことにより油中水型化粧料のべたつき感が増すことになる。そこで、べたつき感を低減するための方法として、水分量を増やしたり、シリコーン油を用い、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンやポリオキシアルキレンアルキルエーテル共変性シリコーン等の界面活性剤を使用することが行われている。
【0005】
しかしながら、このように界面活性剤を配合すると、化粧料を塗布した後に肌上に界面活性剤が残留するため、汗や皮脂等による再乳化によって化粧持続性が悪化したり、塗布後に化粧料中の水分が蒸発する過程でぬるつき感や油性感が生じるという問題がある。
【0006】
また、一般的な油ゲル化剤は、固形状化粧料に充分な固化力を出現させるためには多量に必要であったり、さらに保型性を補うために固体脂を加える必要がある。しかしながら、固体脂を比較的多く配合すると、のびが悪くなったり、べたつきが残る等、使用感が悪化するという問題がある。
【0007】
一方、特許文献2、特許文献3、特許文献4には、ジアルキルリン酸金属塩を油ゲル化剤として使用した固形化粧料が開示されている。しかしながら、水を含まない油性固形化粧料は、塗布時に清涼感は感じられず、水を含有する化粧料であっても固体脂が比較的多く配合されているため、塗布時ののびが重く、その使用感に問題がある。
【特許文献1】
特開平2−88511号公報
【特許文献2】
特開昭62−53913号公報
【特許文献3】
特開平2−229106号公報
【特許文献4】
特開平4−221306号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、塗布時に清涼感を有しながら、のび等の使用感が良好で、化粧持続性、及び携帯性に優れた固形状油中水型化粧料を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、液状油が特定のジアルキルリン酸金属塩によりゲル化され、実質的にワックス等の固体脂を含まない油相を連続相として含み、その油相に水が分散された固形状油中水型化粧料が、上記課題を解決できることを見出した。
【0010】
すなわち、本発明は、乳化剤を使用せず、下記式(3)
【0011】
【化2】
【0012】
(式中、R1及びR2はヘキサデシル基を、kは1又は2、lは0又は1、k+l=2を示す。)
で表される少なくとも1種のジアルキルリン酸金属塩を化粧料の全重量に対して1重量%〜10重量%の割合で使用してゲル化された液体油を含み、固体脂が含有されていないか又は化粧料全体の5重量%以下の割合で含有される油性連続相内に化粧料の全重量に対して20重量%〜50重量%の水性分散相を分散してなる、ゲル強度が20〜2000g/cm 2 である固形状油中水型化粧料を提供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に係る固形状油中水型化粧料は、乳化剤を使用せず、下記式(3)で表される少なくとも1種のジアルキルリン酸金属塩を化粧料の全重量に対して1重量%〜10重量%の割合で使用してゲル化された液体油を含み、固体脂が含有されていないか又は化粧料全体の5重量%以下の割合で含有される油性連続相内に化粧料の全重量に対して20重量%〜50重量%の水性分散相を分散してなる、ゲル強度が20〜2000g/cm2である固形状油中水型化粧料である。
【0014】
【化3】
【0015】
(式中、R1及びR2はヘキサデシル基を、kは1又は2、lは0又は1、k+l=2を示す。)
本発明に係る固形状油中水型化粧料は、少なくとも1種のジアルキルリン酸金属塩によって液体油がゲル化された油性連続相を形成しているため、実質的に固体脂を含まなくても、適度な保型性を有し、塗布時ののびは良好で、且つ使用感も良好な化粧料である。実質的に含まないとは、化粧料中に固体脂を含有しないか、又は含有している場合は化粧料全体の5重量%以下の割合である。
【0016】
また、ゲル化された油性連続相を形成しているため、水性の分散相を安定に配合できるものであり、実質的に乳化剤を使用しなくても良いものである。したがって、このような油性連続相を用いる本発明の化粧料は、塗布時に清涼感を有しながら、化粧料を塗布した後に肌上に乳化剤が残留しないため、汗や皮脂等による再乳化が起こらず化粧持続性に優れる上、塗布後に化粧料中の水分が蒸発する過程でぬるつき感や油性感が生じない。
【0017】
さらに、本発明の固形状油中水型化粧料は、ゲル強度が20〜2000g/cm2、特に50〜1500g/cm2であることが、適度な保型性を有し、塗布時ののびが良く、且つ清涼感がある点で好ましい。ゲル強度が20g/cm2以下だと保型性が弱いため携帯性が悪くなり、反対に2000g/cm2以上だと化粧料が硬すぎて、のびなどの使用感が悪くなる。ここで、ゲル強度は以下の方法で測定される。
【0018】
まず、加熱溶融した油相成分に粉体成分を混合する。温度を保ちながら、油相と粉体相の混合物に水性分散相に含まれる成分をディスパーなどで撹拌しながら添加し、固形状油中水型組成物を調製する。調製した組成物を加熱した状態で内径25mm、高さ10mmのアルミニウム製の皿に充填し、冷却固化させ試料とする。試料に、面積が1cm2の円板状圧縮プレートを2cm/minの速度で進入させたときの応力を、レオメーターNRM−2010J−CX(不動工業)で検出し、その最大値をゲル強度とする。
【0019】
本発明において、油性連続相を形成する油性成分としては、後述するジアルキルリン酸金属塩によってゲル化され得る液体油が用いられる。液体油とは、25℃で流動性のある油性成分をいう。本発明に用いる液体油としては、IOB値(Inorganic Organic Balance)が0.6以下の液体油から選ばれる1種又は2種以上の液体油が好ましい。
【0020】
ここで、IOB値とは、藤田穆の有機概念図(「化学の領域」10〜11、p.719〜725)によるもので、下記の式で示される。
IOB=その油分の無機性値/その油分の有機性値
「有機性値」は油分の分子中の炭素原子1個につき20とし、「無機性値」は水酸基1個につき100とし、これを基準として決定された他の置換基の無機性値を用いて算出される。IOB値は、油分の極性の指標となるものであり、この値が高くなるほどその油分の極性は高いことになる。
【0021】
IOBが0.6以下の液体油としては、直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和炭化水素等が挙げられる。具体的には、例えば、流動パラフィン、軟質流動パラフィン、流動イソパラフィン、スクワラン、α−オレフィンオリゴマー等の炭化水素油等が挙げられる。
【0022】
また、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソトリデシル、イソミリスチン酸イソノニル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、イソノナン酸イソノニル、イソオクタン酸ミリスチル、イソノナン酸イソトリデシル等の合成エステル油も用いることができる。
【0023】
本発明に用いる液体油としては、特に炭化水素油から選ばれる1種又は2種以上の液体油を用いることが、適度な保型性を有するゲルを形成する点から好ましく、中でも、流動イソパラフィン、スクワランを用いることが更に好ましい。
【0024】
本発明の固形状油中水型化粧料中におけるジアルキルリン酸金属塩によってゲル化可能な液体油の含有量は、化粧料の全重量に対して10重量%〜80重量%であることが好ましく、15重量%〜60重量%であることがさらに好ましい。
【0025】
本発明に用いるジアルキルリン酸金属塩は、下記式(3)
【0026】
【化4】
【0027】
(式中、R1及びR2はヘキサデシル基を、kは1又は2、lは0又は1、k+l=2を示す。)
で表されるジアルキルリン酸金属塩である。
【0032】
また、式(3)のジアルキルリン酸カルシウム塩は、例えば、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、硝酸カルシウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム等のカルシウム塩と、ジアルキルリン酸ナトリウム、ジアルキルリン酸カリウム、ジアルキルリン酸トリエタノールアミン、ジアルキルリン酸アルギニン等のジアルキルリン酸塩と、必要により水酸化アルカリとを水溶液中で必要により加熱して反応させて塩交換させる方法によって製造される。
【0033】
本発明の固形状油中水型化粧料中には、これらのうち1種のみを配合するか、2種以上配合しても良い。
【0034】
なかでも、ジセチルリン酸カルシウムを用いることが、IOB値が0.6以下の極性の低い液体油とゲルを形成する際に適度なゲル強度を有し、且つ良好な水相の分散性を得る点から好ましい。
【0035】
本発明においてジアルキルリン酸金属塩の含有量は、化粧料の全重量に対して1重量%〜10重量%であることが好ましく、1重量%〜5重量%であることがさらに好ましい。ジアルキルリン酸金属塩の含有量は、上記範囲内であれば、のびなどの使用感が良好であり好ましい。
【0036】
本発明の固形状油中水型化粧料中における水性分散相の含有量は、化粧料の全重量に対して5重量%〜60重量%であることが好ましく、20重量%〜50重量%であることがさらに好ましい。この範囲であれば、清涼感が感じられる上、のび等の使用感も良好である。水性分散相の主成分は水である。特に、化粧料中の水の含有量が、化粧料の全重量に対して5重量%〜60重量%であることが好ましく、20重量%〜50重量%であることがさらに好ましい。
【0037】
水のほかに水性分散相を構成する成分としては、水に可溶、又は水に相溶性がある成分、例えば炭素数1〜4の低級アルコール、1,3ブチレングリコール、グリセリン等の二価又は三価のアルコールから選ばれる成分が含まれる。
【0038】
本発明の固形状油中水型化粧料は、実質的に固体脂を全く含有しなくても良いが、固体脂を含有する場合は含有量が5重量%以下であることが好ましい。固体脂の量が少ないほど、のびの良さやべたつきのなさ等の使用感がより良好となり、固体脂が多いほど、べたつき感がでる。
【0039】
固体脂を含有する場合の本発明の固形状油中水型化粧料中における固体脂の含有量は、化粧料の全重量に対して0.01重量%〜5重量%であることが好ましく、0.1重量%〜4重量%であることがさらに好ましく、0.1重量%〜3重量%であることが特に好ましい。固体脂の含有量は、上記範囲内であれば、のび等の使用感が良くべたつき感がない上に、充分な保型性を有するため、好ましい。
【0040】
本発明で用いる固体脂は、25℃で固体の油性成分であり、通常化粧料に用いられるもの、例えば、天然系ワックス、石油系ワックス、鉱物系ワックス等の固形ワックス;トリベヘン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリトリトットエステル等のエステル類;ステアリン酸、ベヘニン酸等の脂肪酸類;セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類等を挙げることができる。天然系ワックスとしては、カルナウバロウ、キャンデリラロウ等;石油系ワックスとしては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス等;鉱物系ワックスとしては、オゾケライト、セレシン等が含まれる。特に、液体油と充分な保型性のゲルを形成する点から、固形ワックスを用いることが好ましく、固形ワックスの中でも、キャンデリラロウを用いることが塗布時ののびや経時安定性の点から好ましい。これらの固体脂を使用する場合には、1種のみを使用しても良いし、2種以上を混合して使用しても良い。
【0041】
本発明の固形状油中水型化粧料中には、ジアルキルリン酸金属塩によりゲル化能を損なわない範囲で、ジアルキルリン酸金属塩によりゲル化する上記液体油又は固体脂以外の、液体油及び/又は半固形油を含有しても良い。ここで、半固形油とは、25℃でペースト状の油剤成分をいう。
【0042】
上記ゲル化可能な液体油及び固体脂以外の、液体油及び/又は半固形油としては、ジメチルポリシロキサン、ジメチルシクロポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン油;オリーブ油、アボガド油、ホホバ油、ヒマシ油、液状ラノリン等の動植物油;イソステアリルアルコール等の高級アルコール;オレイン酸、イソステアリン酸等の高級脂肪酸;パーフルオロポリエーテル等のフッ素油等の液体油;ワセリン、ラノリン等の半固形油が挙げられる。特に、シリコーン油を用いることが好ましく、その中でも揮発性もしくは不揮発性のジメチルシロキサン、ジメチルシクロポリシロキサンを用いることが、のび等の使用感の点から好ましい。
【0043】
上記ゲル化可能な液体油及び固体脂以外の、液体油及び/又は半固形油の含有量は、全固形状油中水型化粧料中に50重量%以下、特に0.01重量%〜50重量%であることが好ましく、0.01重量%〜25重量%であることがさらに好ましい。また、液体油及び/又は半固形油の含有量は、固形状油中水型化粧料中の全ての油性成分(上記ゲル化可能な液体油及び固体脂、及びこれら以外の液体油及び/又は半固形油の合計量)中の60重量%以下、更には0.01重量%〜50重量%であることが好ましい。
【0044】
本発明の化粧料には、更に粉体を配合することができる。
【0045】
粉体としては、酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、薄片状酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、アルミナ等の金属酸化物;タルク、マイカ、セリサイト、カオリン、ベントナイト、白雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、無水珪酸、モンモリロナイト等の粘土鉱物粉体;硫酸バリウム、酸化チタン被覆マイカ等のパール顔料等の無機顔料;ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、ポリウレタンパウダー、ラウロイルリジン、シリコーンパウダー、スチレン・アクリル共重合体等の有機粉体;赤色226号、黄色401号等の有機着色顔料;赤色3号、赤色4号、赤色203号等の有機色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの;及び無機粉体と有機粉体を複合化した複合粉体等の有機粉体等が挙げられる。
【0046】
これらの粉体は、微粒子にしたものを用いても良く、またこれら粉体の2種以上についてメカノケミカル的手段を用いて複合化した粉体を用いることもできる。更に上述の粉体の表面を、金属石鹸処理、シリコン処理、ジアルキルリン酸処理、パーフルオロ基含有化合物による処理、アミノ酸処理、レシチン処理、コラーゲン処理等をしたものを使用しても良い。
【0047】
これら粉体の化粧料中における含有量は、化粧料の全重量に対して0.01重量%〜60重量%であることが好ましく、0.01重量%〜50重量%であることがさらに好ましい。
【0048】
さらに、本発明の固形状油中水型化粧料には、製造時の加熱により水分の蒸発を防ぎ、保型性と化粧料安定性を向上させる点から、水分蒸発抑制剤を配合しても良い。
【0049】
水分蒸発抑制剤としては、油中水型化粧料の水相に配合することにより、高温での水の蒸発を抑制するものであれば何でも良く、例えば、キサンタンガム、グアーガム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性高分子類;グルコース、フルクトース、ガラクトース、キシロース、マルトース、シュークロース、ラクトース、デキストリン等の糖類を挙げることができ、これらを必要に応じて一種又は二種以上を用いることができる。
【0050】
これら水分蒸発抑制剤を含有する場合には、化粧料中における水分蒸発抑制剤の含有量は、0.01重量%〜5重量%であることが好ましい。上記範囲で用いると、充填成形性と経時安定性が向上するので好ましい。
【0051】
本発明の固形状油中水型化粧料の油性連続相及び/又は水性分散相には、必要に応じて例えば、保湿剤、上記粉体以外の高分子化合物、皮膜形成剤、pH調整剤、美容成分、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線遮蔽剤、増粘剤、殺菌剤、制汗剤、香料等の通常化粧料に配合される成分を配合することができる。
【0052】
本発明の固形状油中水型化粧料は、通常の方法に従って、棒状、塊状、板状等の固形物としての成形体や、皿状容器等に充填した形で製品化することができ、皮膚化粧料、特にファンデーション、口紅等のメイクアップ化粧料、又はリップクリームやスティック状の美白剤等のスキンケア化粧料とするのが好ましい。
【0053】
【実施例】
(実施例1、2及び比較例1〜6)
表1に示す組成で、固形状油中水型化粧料を製造し、該固形状油中水型化粧料を使用した時の保型性、外観(乳化分散状態)、のびの良さ、べたつきのなさ、清涼感、化粧持続性を評価した。
【0054】
<製法>
表1に示す組成で、成分(9)〜(14)を混合し、得られた混合物を粉砕機に供して、粉砕した。得られた粉砕物を、別途成分(1)〜(8)を90℃に加熱溶解した混合物へ加えた。成分(15)〜(17)を混合したものをさらに添加し、ディスパーで乳化分散させ、実施例1、2及び比較例1〜6の固形状油中水型化粧料を得た。
【0055】
<評価方法>
それぞれの固形状油中水型化粧料を用いて、ゲル強度の測定を行った。また、保型性、外観(乳化分散状態)、のびの良さ、べたつきのなさ、清涼感、化粧持続性を評価した。のびの良さ、べたつきのなさ、清涼感、化粧持続性については、10人の専門パネラーにより、下記評価基準で評価した。化粧持続性については、塗布5時間後の化粧持ちについて評価した。
【0056】
〔ゲル強度〕
レオメーターNRM−2010J−CX(不動工業)を用いて、内径25mm、高さ10mmのアルミニウム製の皿に充填した固形状油中水型化粧料に、面積が1cm2の円板状圧縮プレートを2cm/minの速度で進入させたときの応力を検出し、その最大値をゲル強度とした。但し、ゲル強度が低く、応力の最大値が検出不能だった場合は、−と示した。
【0057】
〔保型性評価基準〕
○:容器を傾けても流動しない
×:容器を傾けると流動する
〔外観評価基準〕
○:水相の合一や分離が見られず、均一に乳化分散している
×:水相の合一や分離が見られる
〔のびの良さ、べたつきのなさ、清涼感、化粧持続性の評価基準〕
◎:9人以上が良いと評価した
○:6〜8人が良いと評価した
△:3〜5人が良いと評価した
×:2人以下が良いと評価した
−:評価不能
各固形状油中水型化粧料の評価結果を表1に示す。
【0058】
【表1】
【0059】
表1に示された結果から、本発明品である実施例1、2はいずれも、保型性、外観(乳化分散状態)、のびの良さ、べたつきのなさ、清涼感、化粧持続性に優れるものであった。
【0060】
実施例1、2中に含まれるジアルキルリン酸金属塩に替えて、同量の一般の油ゲル化剤を使用した比較例1、2は、乳化剤を使用していないため、安定な乳化物は得られなかった。比較例3においては、固体脂含有量を多くしたが、比較例1、2と同様に乳化剤を使用していないので、充分に乳化分散されなかった。固体脂含有量を多くした比較例4、また一般の油ゲル化剤及び乳化剤を使用し、固体脂含有量を実施例に比べて多くした比較例5は、のびの良さ、べたつきのなさ、清涼感、化粧持続性においていずれも、本発明品に比べて劣るものであった。さらに、分岐鎖のジアルキルリン酸金属塩を使用した比較例6は、固型化粧料が得られなかった。
【0061】
【発明の効果】
本発明に係る固形状油中水型化粧料は、少なくとも1種のジアルキルリン酸金属塩によって液体油がゲル化された油性連続相を形成しているため、実質的に固体脂を含まなくても、適度な保型性を有し、塗布時ののびは良好で、且つ使用感も良好な化粧料であり、しかも保型性、携帯性に優れている。
【0062】
また、本発明の油中水型化粧料は、ゲル化された油性連続相を形成しているため、水性の分散相を安定に配合できるものであり、実質的に乳化剤を使用しなくても良いものである。したがって、このような油性連続相を用いる本発明の化粧料は、塗布時に清涼感を有しながら、化粧料を塗布した後に肌上に乳化剤が残留しないため、汗や皮脂等による再乳化が起こらず化粧持続性に優れる上、塗布後に化粧料中の水分が蒸発する過程でぬるつき感や油性感が生じない。
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