JP4008680B2 - 画像形成カートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式を適用した画像形成カートリッジ及び画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真方式を適用した画像形成装置においては、画像形成カートリッジが着脱自在に配設されたものがある。この画像形成カートリッジは、内部に感光体ドラムを備え、該感光体ドラムの周囲に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段及びクリーニング手段を備えている。そして上記各部材がカートリッジケースに覆われることにより、画像形成カートリッジが形成されている。
【0003】
なお、上記感光体ドラムにおいては、フランジの中心に形成された軸受部に回転軸が嵌入されており、これにより感光体ドラムが接地(アース)されるようになっている(実開昭62−49175号公報参照)。
【0004】
以下従来例の画像形成カートリッジの構造について説明する。図12は従来例の画像形成カートリッジを示す要部断面図である。
図12において、画像形成カートリッジ1全体を覆うカートリッジケース2内部には、感光体ドラム3が設けられている。この感光体ドラム3は円筒状のアルミニウム合金材等から成る導電性基材の上に電荷発生層及び電荷輸送層を形成することによって構成される。そしてこの感光体ドラム3の両端部には金属製又は導電性樹脂製のドラム支持部材4、5が圧入又は接着されている。そしてカートリッジケース2に形成された軸受け穴2aにドラム支持部材4の軸部が回転可能に係入している。そしてこれにより、感光体ドラム3は軸受け穴2aによってカートリッジケース2に対して回転自在に支持される。なお、ドラム支持部材4の周面の一部にはギヤ6が配設されている。
【0005】
画像形成装置を構成するフレーム7には位置決めピン8、9が装置内側方向へ向けて突出した状態で取付けられている。この位置決めピン8、9はドラム支持部材4、5それぞれの中心に形成された回転中心穴に嵌入されている。そしてドラム支持部材4の内側の端面には導電性の環状の導電性バネ部材10が取り付けられている。この導電性バネ部材10の周縁は感光体ドラム3の内周面に接触し、且つ導電性バネ部材10の周縁から中心に向けて延びる突出部10aは位置決めピン8の先端部と接触するように配設されている。
このように、感光体ドラム3は、導電性バネ部材10と、位置決めピン8を介してフレーム7に電気的に接続され、フレーム7にて接地されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ドラム支持部材4の回転中心穴を形成する内周壁面と位置決めピン8の周面との真円度誤差が大きいと、感光体ドラム3の回転に伴ってドラム支持部材4が回転した場合、位置決めピン8の周面が上記回転中心穴を形成している内周壁面に摺接するため、感光体ドラム3の回転速度が変動する虞れがある。
位置決めピン8と上記回転中心穴との間にベアリングを配することも考えられるが、その分だけ部品点数が増加するため、コスト増を招いてしまう。
【0007】
一方、ドラム支持部材4の厚さ寸法を小さくする等により位置決めピン8の周面の接触面積を小さくして、摺接量を減少させることも可能である。しかし、ドラム支持部材4を導電性樹脂から形成する場合に接触面積を小さくすると、導電性金属よりも導電性が劣るため、感光体ドラム3を安定的に接地できない。この結果、画像品質が低下したり、ノイズが発生して装置が誤動作する虞れがあった。
従って、本発明の目的は、感光体ドラムを等速で回転させ、かつ感光体ドラムを安定的に接地することが可能な構成を有する画像形成カートリッジを提供することにある。
また、他の発明の目的は、感光体ドラムを等速で回転させ、かつ感光体ドラムを安定的に接地することが可能な構成を有する画像形成装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、カートリッジケース内に配される感光体ドラムを有し、カートリッジケースを介して画像形成装置に着脱可能に装着される画像形成カートリッジにおいて、感光体ドラム内の回転中心軸上に配され、カートリッジケースに支持される導電性を有する軸部材と、感光体ドラムの一端側の内部に固定され、軸部材に回転及び移動可能に装着されて感光体ドラムを軸部材上で回転可能に支持する導電性を有するドラム支持部材と、軸部材のドラム支持部材の近傍周面に回転及び移動可能に装着され、感光体ドラムを接地するために導電材から形成されているカラーと、感光体ドラムを回転駆動するために該ドラムの他端に設けられる駆動ギヤから成り、その駆動で感光体ドラムを介してドラム支持部材にカラーを押圧して接触させるべくスラスト力を加えるスラスト付与手段と、押圧されたカラーの軸部材上の移動を阻止するストッパーと、を含むことを特徴とする。
また、他の発明は、感光体ドラムが回転可能に配される画像形成装置において、感光体ドラム内の回転中心軸上に軸支される導電性を有する軸部材と、該軸部材に回転及び移動可能に装着されて感光体ドラムを軸部材上で回転可能に支持する導電性を有するドラム支持部材と、感光体ドラムの一端側の内部に固定され、軸部材のドラム支持部材の近傍周面に回転及び移動可能に装着され、感光体ドラムを接地するために導電材から形成されているカラーと、感光体ドラムを回転駆動するために該感光体ドラムの他端に設けられる駆動ギヤから成り、その駆動で感光体ドラムを介してドラム支持部材にカラーを押圧して接触させるべくスラスト力を加えるスラスト付与手段と、押圧されたカラーの軸部材上の移動を阻止するストッパーと、を含むことを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、カラーにドラム支持部材を接触させることにより、感光体ドラムを確実に接地させることができる。その結果、画像品位が低下したり、ノイズが発生して誤動作が生じてしまうことを防止できる。
【0010】
またカラー等を用いて感光体ドラムを確実に接地させることができるので、ドラム支持部材の軸部材との接触面積を小さくすることができる。その結果、軸部材とドラム支持部材間の摺接抵抗を小さくすることができ、これにより、感光体ドラムを円滑に回転させることもでき、かつベアリングも不要である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。なお各図面に共通する要素には同一の符号を付す。図1は本発明に係る実施の形態の画像形成カートリッジの要部断面図、図2は同画像形成カートリッジを組み込んだ画像形成装置の構成図、図3はカラーが取り付けられたドラムシャフトを示す正面図、図4は同画像形成カートリッジの要部の拡大断面図、図5はカラーを示す正面図、図6は同カートリッジの側面図、図7は回転駆動手段を示す斜視図、図8は他のカラーを示す斜視図、図9は他のカラーが取り付けられた画像形成カートリッジを示す部分断面図である。
【0012】
図2において、電子写真方式を適用した画像形成装置11には、画像形成カートリッジ12及びトナーカートリッジ13が着脱自在に装着されている。上記画像形成カートリッジ12はカートリッジケース14を有し、このカートリッジケース14内部には、静電潜像担持体である感光体ドラム15が配されている。
【0013】
感光体ドラム15の周囲には、感光体ドラム15表面を帯電するための帯電ローラ17と、現像ローラ18と、転写後の感光体ドラム15表面に残留した残留トナーを除去するクリーニングブレード19が設けられている。なおクリーニングブレード19によって除去されたトナーはスパイラルスクリュー20によって図示せぬ廃トナーボックスに蓄えられる。
【0014】
上記現像ローラ18は現像装置21を構成し、半導電性ゴム材によって形成されている。現像ローラ18の外周面には、現像ブレード22及びスポンジローラ23が圧接されている。現像ブレード22及びスポンジローラ23はケース14と共にトナー収納部24を形成している。該トナー収納部24にはトナーを攪拌するための攪拌部材25が配設され、該攪拌部材25の上方にトナーカートリッジ13が配設されている。なお、該トナーカートリッジ13は内部のトナーが無くなると、交換される。
なお、上記帯電ローラ17、現像ローラ18、スポンジローラ23、攪拌部材25等はいずれもカートリッジケース14に回転自在に支持されている。
【0015】
次に上記現像装置21の動作について説明する。
まず、トナー収納部24内の非磁性1成分のトナーは、スポンジローラ23を介して現像ローラ18に供給され、該現像ローラ18の回転に伴って現像ブレード22まで送られ、該現像ブレード22によって現像ローラ18上において薄層化される。その後、薄層化されたトナーは現像ローラ18の回転に伴って該現像ローラ18と感光体ドラム15との間の現像部に送られ、感光体ドラム15上の静電潜像の形成部に付着してトナー像を形成する。
【0016】
なお、上記トナーは現像ブレード22によって薄層化されるとき、現像ローラ18及び現像ブレード22によって強く擦られ摩擦によって帯電させられる。本実施の形態においては、上記トナーは負の極性に帯電させられる。
【0017】
次に、上記帯電ローラ17と現像ローラ18との間であって感光体ドラム15に対向した位置に設けられているLEDヘッド27について説明する。LEDヘッド27は、図示せぬ複数のLED素子から成るLEDアレイ、該LEDアレイを駆動するドライバICが搭載された図示せぬ基板、上記各LED素子の光を集光する図示せぬロッドレンズアレイ等から成り、外部から送信された画像データ信号に対応させて各LED素子を選択的に発光させ、上記感光体ドラム15の表面を露光し、感光体ドラム15の表面に静電潜像を形成する。そして該静電潜像に上記現像ローラ18上のトナーが静電気力によって付着してトナー像が形成される。なお、上記LEDヘッド27にはバネ28の一端部が取り付けられており、このバネ28の付勢力によって図2に示す矢印B方向に向けて付勢される。バネ28の他端部は後述する開閉カバー30に固定された支持部材31によって支持される。
【0018】
感光体ドラム15の周囲には転写ローラ35が配されている。この転写ローラ35は、感光体ドラム15に一定の力で押し付けられ、感光体ドラム15表面に形成されたトナー像を、後述するレジストローラにより搬送されてきた用紙に転写する。また現像装置21よりも用紙搬送方向下流側には、転写されたトナーを用紙に定着する加熱ローラ38及び加圧ローラ39によって構成される定着器40が設けられている。
【0019】
画像形成装置11には用紙給送部33が設けられている。この用紙給送部33にはホッパーステージ44が設けられている。このホッパーステージ44には用紙32が積載されており、一部にはバネ45の一端部が取り付けられている。そしてこのバネ45の押圧力により用紙32は、上方に配されている給送ローラ34に押圧される。なお、バネ45の他端部は用紙給送部33の底面に取り付けられている。そして上記給送ローラ34の回転により用紙給送部33に積載されている用紙32が画像形成装置11内へと繰出される。
【0020】
この繰出された用紙32はレジストローラ36、37まで搬送され、このレジストローラ36、37により感光体ドラム15と転写ローラ35との間の転写部まで搬送され、該転写部において感光体ドラム15上のトナー像が転写ローラ35によって用紙32に転写される。用紙32は定着器40まで搬送され、加熱ローラ38及び加圧ローラ39によってトナー像が定着される。そしてトナー像が定着された用紙32は排出ローラ41、42によって画像形成装置11外に排出される。
【0021】
また画像形成装置11は、開閉カバー30を有している。開閉カバー30はヒンジ43を中心としてフレーム29に対して矢印C−D方向に回動自在に設けられている。なお、開閉カバー30を開けた状態において、画像形成カートリッジ12を画像形成装置11本体に対して着脱することができる。
【0022】
次に上記感光体ドラム15について説明する。感光体ドラム15は円筒状のアルミニウム合金材等から成る導電性基材の上に電荷発生層及び電荷輸送層を形成することによって構成されている。感光体ドラム15内には図1、図3に示す導電体から成る軸部材としての金属製ドラムシャフト16が配されている。このドラムシャフト16の両端部はカートリッジケース14の側壁14a、14bに形成された軸受け穴を貫通している。
【0023】
画像形成装置11のフレーム29(29a、29b)には、上下方向に沿う係入長孔29cが形成されている。ドラムシャフト16の両端部16a、16bは、カートリッジケース14の側壁14a、14bから突出した状態でフレーム29の各係入長孔に係入されている。これにより、ドラムシャフト16は画像形成装置11のフレーム29に対して位置決めされる。ドラムシャフト16の一部には後述するEリングの一部が入り込む溝16dが形成されている(図3及び図4参照)。
【0024】
図1、図4に示すように感光体ドラム15の一端側の内部には、導電性のドラム支持部材48が圧入又は導電性接着剤によって固定されている。このドラム支持部材48及び後述するギヤは、ドラムシャフト16上に回転可能に取付けられている。従って、感光体ドラム15はドラムシャフト16を中心として図2に示す矢印A方向に回転可能となる。ドラム支持部材48は、ドラムシャフト16の周面と非接触のコーン状の穴部を有し、導電金属から成るカラー49に対向する小径部のみがドラムシャフト16の周面と接触している。
【0025】
カラー49は、ドラムシャフト16の感光体ドラム15から突出する端部上に、回転及び移動可能に装着されている。また、ドラムシャフト16の端部には、図4及び図6に示すように、溝16dに嵌り込んだ状態でEリング50が取付けられている。このEリング50にはカラー49の端面が当接されている。このEリング50はカラー49がドラム支持部材48を介して後述するスラスト力によって押付けられた場合に移動するのを阻止するストッパーであり、カラー49とドラム支持部材48とを確実に接触させて電気的に接続する。
【0026】
図1、図4において、フレーム29aには、導電性のバネ部材46がピン47によって取り付けられている。このバネ部材46は接地され、その自由端側には、ドラムシャフト16の端面16cが圧接した状態で接触している。従って、端面16cとバネ部材46とは確実に電気的に接続されることになる。
【0027】
この結果、感光体ドラム15は、ドラム支持部材48を介してドラムシャフト16に電気接続され、あるいはドラム支持部材48、カラー49及びEリング50を介して電気的に接続されるので、バネ部材46を介して接地されることになる。
【0028】
図1において、感光体ドラム15の他端にはドラム支持部材兼用の回転伝達手段であるギヤ51が導電性接着剤によって固定されている。このギヤ51には駆動ギヤ53が噛み合い、駆動ギヤ53はフレーム29bに固定された固定軸52に、回転自在に嵌合されている。従って、駆動ギヤ53が駆動され、ギヤ51が回転すると、感光体ドラム15は図2に示す矢印A方向に回転する。ここでギヤ51及び駆動ギヤ53は図7に示すようにはすば歯車によって形成され、歯のねじり角が相互に逆方向に設定されている。従って、駆動ギヤ53を矢印G方向に回転させると、ギヤ51は矢印A方向に回転し、このとき、駆動ギヤ53に矢印H方向の、ギヤ51に矢印F方向のスラスト力がそれぞれ発生させられる。従って、矢印F方向に発生させられたスラスト力によってドラム支持部材48はカラー49に押し付けられる。
尚、ドラム支持部材を兼ねるギヤ51は、導電性が不要なため、潤滑剤を多量に含む、例えば、ポリアセタールから形成され、これによりドラムシャフト16周面との接触面積が大きくても該シャフト16上で円滑に回転する。
【0029】
ドラムシャフト16の他端は、カートリッジケース14の側壁14bを貫通して突出し、その端末16bに形成された溝部が、フレーム29bに係合している。これにより、バネ部材46がドラムシャフト16の一端側の端面16cに大きな弾性力で当接してドラムシャフト16と確実に接触し、かつスラスト力をドラム支持部材48に加え、このドラム支持部材48によりカラー49をEリング50に確実に押し付けることができる。
【0030】
画像形成カートリッジ12内には、ギヤ51を介して帯電ローラ17、現像ローラ18、スパイラルスクリュー20、スポンジローラ23、攪拌部材25等を回転させることができるように、図示せぬ伝達ギヤが配設されている。
【0031】
また、帯電ローラ17、現像ローラ18及びスポンジローラ23に図示せぬ端子が接続され、各端子がカートリッジケース14外に突出している。そして、フレーム29内において、図示せぬ電圧印加用導電性バネ部材が、バネ部材46と同じ側に配設され、上記各端子に接触し、帯電ローラ17、現像ローラ18及びスポンジローラ23に高電圧を印加する。尚、電圧印加用導電性バネ部材は図示せぬ電源と接続される。
【0032】
ところで、駆動ギヤ53側には上記伝達ギヤ等の部品が配設されているので、駆動ギヤ53側に電圧印加用導電性バネ部材を配設すると、駆動ギヤ53側の構造が複雑になり、高電圧に対する安全性を確保することが困難になる。これに対して、本実施の形態においては、上述したように、駆動ギヤ53と反対側に電圧印加用導電性バネ部材が配設されているので、駆動ギヤ53側の構造を簡素化することができるだけではなく、高電圧に対する安全性を確保することができる。特に、複数の画像形成カートリッジ12が併設されたカラー画像形成装置において効果的である。
【0033】
また、図2に示す開閉カバー30を開けたときに、画像形成カートリッジ12を着脱することができるようになっているが、図1、図4に示すバネ部材46は、上方に向けて斜め外方に延びるように配設されているので、画像形成カートリッジ12を画像形成装置に装着したときに、ドラムシャフト16とバネ部材46とを良好に接触させることができる。
【0034】
以上説明したように、感光体ドラム15の内部に導電性のドラム支持部材48が圧入又は導電性接着剤によって固定されているので、感光体ドラム15とドラム支持部材48とは電気的に接続されている。そして、感光体ドラム15が矢印F方向のスラスト力を受けるので、ドラム支持部材48の小径部がカラー49を押圧し、カラー49をEリング50に当接させ、ドラム支持部材48とカラー49を確実に接触させられ、また、ドラムシャフト16がケース14に位置決めされるので、その端面16cとバネ部材46とが確実に接触する。従って、感光体ドラム15を、ドラム支持部材48、カラー49、ドラムシャフト16及びバネ部材46を介して確実に接地させることができる。
【0035】
また、ドラム支持部材48の小径部がドラムシャフト16の周面に接触していることにより、感光体ドラム15の接地ルートが増えるので、感光体ドラム15を確実に接地させることができる上に、ドラム支持部材48のドラムシャフト16との接触面積が小さいことから、感光体ドラム15を均一な速度で回転させることができる。更に、カラー49はドラムシャフト16に対して回転自在となっているので、カラー49はドラム支持部材48と共に回転してもドラムシャフト16との間で抵抗が生じない。
【0036】
以上本実施の形態においては、感光体ドラム15を、ドラム支持部材48、カラー49、ドラムシャフト16及びバネ部材46を介して確実に接地させることができる。なお、カラー49はEリング50に当接して所定の押圧力を持ってドラム支持部材48の小径部に接触しているので、これらの間の電気的な接続は確実に行われる。
【0037】
また、駆動ギヤ53が配設されている側とは反対側にバネ部材46が配設されているので、駆動ギヤ53側の構造を簡素化することができる。更に高電圧に対する安全性を確保することができる。
【0038】
またカラー49をドラムシャフト16に接触させて感光体ドラム15を接地させることにより、上記したように、ドラム支持部材48とドラムシャフト16との接触面積を小さくすることができる。その結果、ドラムシャフト16とドラム支持部材48との間で生じる回転摩擦抵抗が小さくなり、これにより、感光体ドラム15を等速度で回転させることができる。また、ドラム支持部材48とドラムシャフト16との間に、ベアリングを配設する必要が無いので、部品点数が増加せず、その結果、コストを低くすることができる。
【0039】
更に、感光体ドラム15の内部に、ドラムシャフト16との間で接地に用いる板バネ等を配設する必要が無いので、組み立て作業が容易となり、その結果、コストを低くすることができる。そして上記スラスト力によって画像形成カートリッジ12が駆動ギヤ53とは反対側に付勢されるので、画像形成カートリッジ12のフレーム29に対する位置決めが容易に行える。
【0040】
なお、カラー49を、図8に示すように、ドラム支持部材48に向かって徐々に拡径するような形状とし、図9に示すようにドラムシャフト16に取り付けることにより、カラー49がドラム支持部材48と接触する面積を増加させることができると共に、ドラム支持部材48とカラー49とを一体的に回転させることができる。これにより、ドラム支持部材48とカラー49との電気的な接続を更に確実に行い、感光体ドラム15を更に確実に接地させることができる。
【0041】
図10は他の実施形態に係る画像形成カートリッジの要部断面図である。この実施例では、カートリッジケース14の両側壁14a,14bはフレーム60の両端に固定されて相互に連結されている。そして、ドラムシャフト16の他端16b側は側壁14bに圧入されて固定され、更にその先端が側壁14bから突出して図示しないフレーム29b(図1参照)に係入されている。
一方、ドラムシャフト16の一端16aは側壁14aに貫挿され、ドラムシャフト16の側壁14aとドラム支持部材48との間に位置する周面上に、導電性金属から成るカラー49が回転及び移動可能に装着されている。
【0042】
この実施形態において、側壁14aはEリングに代えてストッパーとして用いられている。即ち、感光体ドラム15にギヤ51によりスラスト力Fが加わると、ドラム支持部材48の小径部48aがカラー49を押圧して側壁14aに当接させるので、小径部48aとカラー49とを確実に接触させることができる。
従って、ドラム支持部材48、カラー49、ドラムシャフト16及びバネ部材46(図1参照)を介し、感光体ドラム15を接地することができる。
尚、上記実施形態において、ドラムシャフト16の一端16aを側壁14aに圧入し、かつ貫通させるようにしてもよい。
【0043】
図11は、導電性金属から成るカラーの他の装着態様を示す図である。
即ち、カラー49は、ドラム支持部材48の小径部48aの環状凹所にその一部が圧入されてドラムシャフト16上に装着されている。
尚、カラー49の一部を、上記小径部48aの環状凹所に回転可能に挿入するようにしてもよい。
【0044】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明によれば、カートリッジケース内に配される感光体ドラムを有し、カートリッジケースを介して画像形成装置に着脱可能に装着される画像形成カートリッジにおいて、感光体ドラム内の回転中心軸上に配され、カートリッジケースに支持される導電性を有する軸部材と、軸部材に回転及び移動可能に装着されて感光体ドラムを軸部材上で回転可能に支持する導電性を有するドラム支持部材と、軸部材のドラム支持部材の近傍周面に回転及び移動可能に装着され、感光体ドラムを接地するために導電材から形成されているカラーと、ドラム支持部材にカラーを押圧して接触させるべくスラスト力を加えるスラスト付与手段と、押圧されたカラーの軸部材上の移動を阻止するストッパーとを備えたことにより、感光体ドラムを確実に接地することができる。その結果、画像品位が低下したり、ノイズが発生して誤動作が生じてしまうことを防止することができる。
【0045】
またドラム支持部材と軸部材との接触面積を小さくしても感光体ドラムを確実に接地させることができる。その結果、軸部材とドラム支持部材間の摺動抵抗を小さくすることができ、従って、感光体ドラムを等速で回転させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成カートリッジの要部断面図である。
【図2】同画像形成カートリッジを組み込んだ画像形成装置の構成を示す説明図である。
【図3】本発明に係るカラーを取り付けたドラムシャフトの正面図である。
【図4】同画像形成カートリッジの要部を拡大して示す断面図である。
【図5】本発明に係るカラーの側面図である。
【図6】同画像形成カートリッジの要部の側面図である。
【図7】本発明に係る回転伝達手段を示す斜視図である。
【図8】他の実施形態に係るカラーの斜視図である。
【図9】図8のカラーが取り付けられた画像形成カートリッジの要部を示す断面図である。
【図10】本発明の他の実施形態に係る画像形成カートリッジの要部断面図である。
【図11】本発明に係るカラーの他の装着態様を示す断面図である。
【図12】従来例の画像形成カートリッジを示す要部断面図である。
【符号の説明】
11 画像形成装置
12 画像形成カートリッジ
15 感光体ドラム
16 ドラムシャフト
46 バネ部材
48 ドラム支持部材
49 カラー
50 Eリング
51 ギヤ
53 駆動ギヤ
Claims (15)
- カートリッジケース内に配される感光体ドラムを有し、前記カートリッジケースを介して画像形成装置に着脱可能に装着される画像形成カートリッジにおいて、
前記感光体ドラム内の回転中心軸上に配され、前記カートリッジケースに支持される導電性を有する軸部材と、
前記感光体ドラムの一端側の内部に固定され、前記軸部材に回転及び移動可能に装着されて前記感光体ドラムを前記軸部材上で回転可能に支持する導電性を有するドラム支持部材と、
前記軸部材の前記ドラム支持部材の近傍周面に回転及び移動可能に装着され、前記感光体ドラムを接地するために導電材から形成されているカラーと、
前記感光体ドラムを回転駆動するために該感光体ドラムの他端に設けられる駆動ギヤから成り、その駆動で前記感光体ドラムを介して前記ドラム支持部材に前記カラーを押圧して接触させるべくスラスト力を加えるスラスト付与手段と、
前記押圧されたカラーの前記軸部材上の移動を阻止するストッパーと、を含むことを特徴とする画像形成カートリッジ。 - 前記ドラム支持部材は導電性樹脂から形成され、前記軸部材の周面との接触面積を小さくするためのコーン状の装着穴を有していることを特徴とする請求項1記載の画像形成カートリッジ。
- 前記軸部材の端部は前記カートリッジケースを貫通し、その端面が画像形成装置を構成するフレームに固定されている接地用弾性部材に当接されることを特徴とする請求項1記載の画像形成カートリッジ。
- 前記スラスト付与手段は、前記感光体ドラムの他端に同軸的に固定される回転用はすば歯車と、該はすば歯車に噛み合う他のはすば歯車から成る駆動ギヤであることを特徴とする請求項1記載の画像形成カートリッジ。
- 前記ストッパーは、前記軸部材の周面に固定されるリング部材であることを特徴とする請求項1記載の画像形成カートリッジ。
- 前記ストッパーは、前記カートリッジケースの前記カラーと対向する壁面であることを特徴とする請求項1記載の画像形成カートリッジ。
- カートリッジケース内に配される円筒状の感光体ドラムを有し、前記カートリッジケースを介して画像形成装置に着脱可能に装着される画像形成カートリッジにおいて、
前記感光体ドラム内の回転中心軸上に配され、前記カートリッジケースに両端が固定的に支持されるシャフトと、
前記感光体ドラムの一端側の内部に固定され、前記シャフトの一端側周面に回転及び移動可能に装着されて前記感光体ドラムを前記シャフト上で回転可能に支持する導電性樹脂から成るドラム支持部材と、
前記シャフトの前記ドラム支持部材の近傍周面に回転及び移動可能に装着され、前記感光体ドラムを前記シャフトを介して接地するために導電性金属から形成されているカラーと、
前記感光体ドラムの他端に同軸的に固定されて前記シャフトの他端側周面に回転及び移動可能に装着されるはすば歯車であって、画像形成装置の駆動用はすば歯車に噛み合って、前記感光体ドラムを介して前記ドラム支持部材を前記カラーに押圧して接触させるべく前記感光体ドラムにスラスト力を加えるはすば歯車と、
前記押圧されたカラーの前記シャフト上の移動を阻止するストッパーと、を含むことを特徴とする画像形成カートリッジ。 - 前記ドラム支持部材は、前記シャフトの周面との接触面積を小さくするためのコーン状の装着穴と、該シャフトの周面に接触する小径部とを有することを特徴とする請求項7記載の画像形成カートリッジ。
- 前記シャフトの一端は、前記カートリッジケースを貫通し、該一端の端面が画像形成装置を構成するフレームに固定される接地用弾性部材に当接されることを特徴とする請求項7記載の画像形成カートリッジ。
- 前記ストッパーは、前記軸部材の周面に固定されるリング部材であることを特徴とする請求項7記載の画像形成カートリッジ。
- 前記ストッパーは、前記カートリッジケースの前記カラーと対向する壁面であることを特徴とする請求項7記載の画像形成カートリッジ。
- 感光体ドラムが回転可能に配される画像形成装置において、
前記感光体ドラム内の回転中心軸上に軸支される導電性を有する軸部材と、
該軸部材に回転及び移動可能に装着されて前記感光体ドラムを前記軸部材上で回転可能に支持する導電性を有するドラム支持部材と、
前記感光体ドラムの一端側の内部に固定され、前記前記軸部材の前記ドラム支持部材の近傍周面に回転及び移動可能に装着され、前記感光体ドラムを接地するために導電材から形成されているカラーと、
前記感光体ドラムを回転駆動するために該感光体ドラムの他端に設けられる駆動ギヤから成り、その駆動で前記感光体ドラムを介して前記ドラム支持部材に前記カラーを押圧して接触させるべくスラスト力を加えるスラスト付与手段と、
前記押圧されたカラーの前記軸部材上の移動を阻止するストッパーと、を含むことを特徴とする画像形成装置。 - 前記ドラム支持部材は導電性樹脂から形成され、前記軸部材の周面との接触面積を小さくするためのコーン状の装着穴を有していることを特徴とする請求項12記載の画像形成装置。
- 前記スラスト付与手段は、前記感光体ドラムの他端に同軸的に固定される回転用はすば歯車と、該はすば歯車に噛み合う他のはすば歯車から成る駆動ギヤであることを特徴とする請求項12記載の画像形成装置。
- 前記ストッパーは、前記軸部材の周面に固定されるリング部材であることを特徴とする請求項12記載の画像形成装置。
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