以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。まず、実施形態に係るパチンコ島台1の構造を図1及び図2を参照して説明する。図1は、パチンコ島台1の内部の構造を示す正面図であり、図2はパチンコ島台1の中央部分の内部の構造を示す拡大正面図である。
図において、パチンコ島台1は、周知のように、多数のパチンコ機2を背向列設するものであり、各パチンコ機2の間には、パチンコ機2と1対1で対応するように玉貸機(図示しない)が挟持されている。また、パチンコ島台1の中央には、電源投入後常時駆動される玉揚送装置(図示しない)が立設されている。これは、モータを内蔵した下部駆動プーリにより無端状の搬送ベルトを回転駆動するものであり、搬送ベルトの摩擦力によりその下部に設けられる導入樋5から導入された玉を研磨布装着扉に接触させながら上昇せしめ、最終的に上端の排出口から上部タンク6内に排出するようになっている。さらに、パチンコ島台1の中央部一側(前記玉揚送装置に隣接した位置)には、遊技者が獲得した景品玉を返却したときに、その返却玉数を数値記録したレシートを発行する玉返却装置3が設けられている。この玉返却装置3には、後述する非優先貯留タンク15内の玉量センサー24からの検出出力に基づいて駆動される返却防止部材4が設けられている。これは、貯留タンク14,15及び補助タンク27内に貯留される玉量が満杯に達したときに、それ以上の玉の返却を停止する旨を表示するものである。なお、返却阻止部材4のように表示するだけでなく、玉返却装置3の返却口を完全に閉塞するものでも良い。
前記上部タンク6の底面両端部には、それぞれパチンコ島台1の両端部に向かって下方傾斜した左右の補給樋7,8が接続されており、その途中部位には、各パチンコ機2及び玉貸機(図示しない)に対応した玉分離器33が設けられている。これにより、玉揚送装置(図示しない)により研磨揚送された研磨済の玉は、上部タンク6の底面両端部から補給樋7,8に流出され、その後、玉分離器33によって各パチンコ機2の背面上部に設けられた周知の賞品玉タンク(図示しない)及び玉貸機(図示しない)に供給されるようになっている。なお、上記玉分離器33には、周知のように、補給された玉数を計数するための計数装置が付設されており、この計数装置から遊技場に設けられる図示しない管理コンピュータに補給玉数信号が送られるようになっている。
また、上部タンク6の底面には、上記補給樋7,8上に玉が満杯となったときに玉が流出する落下口(図示しない)が形成されており、該落下口の下方位置には、還流通路体10が配設されている。この還流通路体10は、パチンコ機2における賞品玉の使用が少なく補給樋7,8への玉の補給が必要なくなり、結果的に上部タンク6内の貯留玉が落下口より落下したとき、余剰の玉を玉揚送装置(図示しない)の下部両側に設置される各貯留タンク14,15に還流するものである。しかして、図示の実施形態における還流通路体10には、一方の貯留タンク14に連通する優先通路体11と、他方の貯留タンク15に連通する非優先通路体12とが接続されている。これは、還流通路体10に落下してきた余剰の玉を、優先して優先通路体11に導いて一方の貯留タンク14に貯留し、その貯留タンク14が満杯となって優先通路体11も満杯となったときに、非優先通路体12に導いて他方の貯留タンク15に貯留しうるものである。つまり、図示の実施形態では、左側の貯留タンク14が優先的に玉を貯留する優先貯留タンクとして機能し、右側の貯留タンク15が非優先貯留タンクとして機能する。なお、優先通路体11と非優先通路体12と還流通路体10に玉が満杯となったときは、その部分で約2万個程度の玉を貯留する容積を有している。また、非優先通路体12の上流位置には、非常停止センサー(図示しない)が設けられており、その位置まで玉が貯留されたときには、玉揚送装置の駆動モータが緊急停止するようになっている。
また、還流通路体10の上部には、前記落下口(図示しない)の下方に臨む還流パイプ13の上端が接続されている。この還流パイプ13には、落下口から落下する打玉が受け入れられて、前記非優先貯留タンク15のやや下流よりの傾斜底面19に導かれるようになっている。この還流パイプ13への玉の流入の優先順位は、最優先とされており、落下口(図示しない)から落下した打玉が優先的に誘導されて、非優先貯留タンク15の下流側に導かれる。ただし、非優先貯留タンク15の下流側に玉が貯留されて、還流パイプ13の流出口部分まで到達すると、それ以上の玉は導かれずに還流パイプ13内に滞留し、還流パイプ13内が完全に玉で満たされると、落下口(図示しない)から還流通路体10へ落下した玉が前記優先通路体11に導かれるようになっている。しかして、一般的に、優先貯留タンク14側に多くの貯留玉が残存している一方、非優先貯留タンク15側に貯留玉が残存していない場合が多く、このような場合に、導入樋5への玉の供給が左右で相違することとなって玉の揚送効率が悪くなるという欠点がある。このような欠点を解消するために、還流パイプ13を介して、玉の一部を優先して非優先貯留タンク15側に導くことにより、玉揚送装置(図示しない)の導入樋5に左右から均等に玉を供給して、玉の揚送効率の向上を図っている。
また、上記した優先貯留タンク14,非優先貯留タンク15には、それぞれ貯留玉量を検出する玉量センサー20〜24(以下、20をS1,21をS2,22をS3,23をS4,24をS5と表現する場合もある)が設けられるが、玉の貯留状態は、まず優先貯留タンク14の上流側から下流側に順番に貯留され、次に非優先貯留タンク15の上流側から下流側に順番に貯留される。従って、玉量センサーS1は、最も貯留量が少ない場合を検出する下限センサーを構成し、玉量センサーS5は、優先貯留タンク14,補助タンク27,非優先貯留タンク15の貯留量が上限となったことを検出する上限センサーを構成するものであり、前記玉返却装置3の返却動作を禁止するためのものである。また、玉量センサーS5の上流側に配置される玉量センサーS4は、シャッター装置51を駆動制御するものであり、非優先貯留タンク15の貯留量が上限に達する一歩手前の状態となったときに、返却増加する玉を補助タンク27側に導くものである。なお、図1中には、符号を付した玉量センサー以外の玉量センサーも描かれてはいるが、これらの玉量センサーは貯留量を表示するためだけに使用されるものである。
一方、上記した優先貯留タンク14,非優先貯留タンク15以外に、非優先貯留タンク15の一側に、補助タンク27が設けられている。この補助タンク27は、優先貯留タンク14,非優先貯留タンク15の貯留量が一定以上となったとき、前記玉返却装置3から返却される返却玉を貯留しうるものであり、その上部中央には、各パチンコ機2の下部に形成されたアウト玉タンク9から排出された使用済玉を回収して、非優先貯留タンク15側へ誘導する上部回収樋28が傾斜状に差し渡されている。この上部回収樋28は、上方が開放したコ字状に形成され、その下流端が回収樋26を介して非優先貯留タンク15に連通されている。なお、前記アウト玉タンク9は、周知のように、補給された玉数を計数するための計数装置が付設されており、この計数装置から遊技場に設けられる図示しない管理コンピュータに補給玉数信号が送られるようになっている。また、上記した補助タンク27には、貯留玉量を検出する玉量センサー31(以下、S7と表現する場合もある)が設けられている。このセンサーS7は、後述する小型還元機32の駆動を制御(空回り防止用)するために設けられるものである。
また、補助タンク27の貯留量をさらに増やすために、補助タンク27の最上部には、上部棚46が形成されている。この上部棚46は、パチンコ島台1の島端部に向かって下方傾斜して取り付けられ、補助タンク27の上方空間を玉貯留空間として活用しうるものである。具体的には、前記補給樋8の途中に上部棚用玉分離器44を取り付け、補助タンク27の後述する上部樋38より下方の空間が玉で満杯となって貯留し切れなくなったときに、ホース45を介して上部棚46へ玉を供給する。このように構成することにより、上部樋38より上方の空間にも玉を貯留することができるので、パチンコ島台1全体としての玉の貯留量をさらに増やすことができる。
なお、前述のように、パチンコ島台1に背向列設される各パチンコ機2の間には、パチンコ機2と1対1で対応するように玉貸機(図示しない)が挟持されている。そのため、遊技客が玉貸機を使用する際に、誤ってコインやプリペイドカードをパチンコ島台1の内部に落としてしまう場合がある。それらの異物が玉の循環経路に混入して、例えば玉揚送装置(図示しない)を破損したりすると、玉が循環使用されなくなり、パチンコ島台1における営業に支障を来すこととなる。かかる事態を防止するために本実施形態が採用した構成を、図3を参照して、以下、説明する。図3は、パチンコ島台1内部への異物混入を防止する構成を示す一部破断斜視図である。
図において、パチンコ島台の両側面中央部には、景品玉箱(図示しない)等を載置するカウンター台41が突設され、その下方部分は、腰板42によって被覆されている。両側のカウンター台41の間は、開放した隙間57となっており、その下方部分には、図示しないが、優先貯留タンク14,非優先貯留タンク15や補助タンク27等の玉の循環経路が形成されている。この隙間57から異物が混入しないように、隙間57は防護ネット54によって閉塞されている。具体的には、まず、両側のカウンター台41の内側に、適宜間隔を置いて、鍵状の取付金具55をビス56によって取り付ける。そして、支柱53の上方から前記防護ネット54を嵌め込み、取付金具55に係止させることにより、防護ネット54を隙間57上へ載置する。このように構成することにより、開放した隙間57は閉塞されるので、誤ってコイン等を隙間57へ落としてしまっても、防護ネット54によって阻止され、貯留タンク14,15等の玉の循環経路に混入して、パチンコ島台1における営業に影響を及ぼすということがない。
次に、前記優先貯留タンク14,非優先貯留タンク15及び補助タンク27の詳細な構造について図1及び図2並びに図4及び図5を参照して説明する。図4は、非優先貯留タンク15と補助タンク27と玉返却装置3との関係を示す斜視図であり、図5は、非優先貯留タンク15と補助タンク27と玉返却装置3の作用を示す平面図である。
図において、優先貯留タンク14及び非優先貯留タンク15は、上面が開放した大型の直方体状に形成されており、それぞれ約15〜16万個の玉を貯留し得る容量を有するものである。この優先貯留タンク14及び非優先貯留タンク15の底部は、貯留された玉を玉揚送装置(図示しない)の導入樋5に導く傾斜底面18,19として形成されており、下流端中程には、前方に向かって下り傾斜する圧抜板34,35が設けられ、その圧抜板34,35の下方であって傾斜底面18,19に貯留された玉を非優先貯留タンク15の前壁一側に設けられた玉出口52に誘導する誘導樋板36,37が設けられている。また、優先貯留タンク14及び非優先貯留タンク15の上部には、前端から後端に向けて下り傾斜する上部樋16,17が設けられている。この上部樋16,17(図4に一方の上部樋17についてだけ示すが、他方の上部樋16も同じ構造である)は、中央が開放した板状部材を優先貯留タンク14及び非優先貯留タンク15の上部内側に取り付けたものであって、その前端中央は、前記優先通路体11及び非優先通路体12から還流されるパチンコ玉が流下する連絡板17aとなっており、その連絡板17aの下部中央に三角状の分流板17bが突設されている。このため、優先通路体11及び非優先通路体12から還流されたパチンコ玉は、連絡板17a上に落下した後分流板17bによって左右に振り分けられて上部樋17を伝って下流側に導かれる。
上記した構成は、優先貯留タンク14及び非優先貯留タンク15で同一の構成であるが、非優先貯留タンク15側には上記した構成以外に次のような構成が付加される。即ち、前述したように、非優先貯留タンク15側には玉返却装置3が設置される関係上、玉返却装置3から返却された玉を玉返却装置3の裏側下部に設けられる接続樋50から上部樋17に放出して下流側に導くようにしているが、玉返却装置3からの返却玉と非優先通路体12からオーバーフローした玉が重なり合ったときに、非優先通路体12からの玉が滞るので、それを防止するために前記連絡板17aの左右にオーバーフロー孔17cが突設されている。また、非優先貯留タンク15においては、上部樋17の下流端が流下してきた玉を後壁中央に集め、その中央部に集められた玉を非優先貯留タンク15の外に導く玉出口40が形成されている。上記したオーバーフロー孔17c及び玉出口40は、優先貯留タンク14には存在しない。上記した玉出口40には、断面コ字状の接続上部樋25が連接されている。この接続上部樋25は、前記玉出口40と補助タンク27の上流端面に開設された玉入口43との間に傾斜状に差し渡されるものである。また、接続上部樋25の途中には、後述するシャッター装置51が設けられている。
非優先貯留タンク15の一側に設けられる補助タンク27は、前記優先貯留タンク14及び非優先貯留タンク15と同様に、上面が開放した大型の直方体状に形成され、その下部には傾斜底面29が形成されており、所定量(例えば、10万個)の玉を貯留し得るものである。そして、補助タンク27の上部には、パチンコ島台1の端部に向かって下方傾斜した上部樋38が設けられている。この上部樋38は、前記上部樋17とほぼ同じ構造を有して、補助タンク27の内側面に形成されるものであり、その上流側が前記玉入口43に連通されており、その下流側が補助タンク27の下流端面の手前まで通じている。なお、上部樋38の上記コ字状部分には、三角状の分流板47が取り付けられており、玉入口43から流入した玉を補助タンク27の両内側に分かれて形成された上部樋38上へ導くようになっている。また、この上部樋38の高さ位置は、非優先貯留タンク15の上部樋17から連続した傾斜状に設けられるため、比較的低い位置に設けられる。このため、上部樋38から上方の空間が無駄になり、この遊んでいる空間を有効に利用するため前記上部棚用玉分離器44、ホース45等で玉を放出して貯留するようになっている。
上記のように構成された非優先貯留タンク15、補助タンク27及び玉返却装置3の作用について、図5を参照して、以下に説明する。まず、パチンコ島台1の側面中央部に設けられた玉返却装置3から返却された玉は、玉返却装置3の裏面下部に取り付けられた接続樋50に排出される。接続樋50に排出された玉及び前記非優先通路体12を落下してきた玉は、非優先貯留タンク15の上部に設けられ且つ島端部に向かって下方傾斜した上部樋17上を転動して、その下流端部で玉出口40に集められ、非優先貯留タンク15側の玉出口40と補助タンク27側の玉入口43とを接続する接続上部樋25へ排出される。さらに、接続上部樋25上を流下した玉は、シャッター装置51が退避した状態で、玉入口43を通過して補助タンク27の上部に設けられ且つ島端部に向かって下方傾斜した上部樋38に導かれる。この上部樋38へ導入された玉は、上記のように、分流板47によって補助タンク27の両内側に分かれて導かれ、最終的には補助タンク27の下部に形成された傾斜底面29に落下して、補助タンク27内に貯留されることとなる。
次に、上記した接続上部樋25の途中に設けられるシャッター装置51について、図6及び図7を参照して説明する。図6は、シャッター装置51の側面図であり、図7は、小型還元機32の取付状態を示す斜視図である。図において、シャッター装置51は、正逆回転可能なモータ70と、該モータ70によって駆動されるシャッター板71と、シャッター装置51を前記接続上部樋25の裏面に取り付けるシャッター装置支持台72とから構成されている。しかして、シャッター板71が下方に位置するときには、接続上部樋25上を流下する玉がそのまま下流側に転動するが、モータ70が駆動してシャッター板71が接続上部樋25上に飛び出したときには、図6に示すように、接続上部樋25上の玉の流下がせき止められる。このため、接続上部樋25上に玉返却装置3から返却された玉及び非優先通路体12からのオーバーフロー玉が滞留し、さらに前記貯留タンク15に設けられる上部樋17上にも玉が充満すると、上部樋17上に滞留し切れなくなった玉は、非優先貯留タンク15の傾斜底面19へ落下して、非優先貯留タンク15に貯留されることとなる。
次に、前記補助タンク27に隣接して設けられ且つ補助タンク27に貯留された玉を回収樋26に揚送する小型還元機32について、図7及び図8を参照して説明する。図8は、小型還元機32の作用を示す斜視図である。
図において、小型還元機32は、コンベア方式のリフト装置であり、基板64上に搬送路59を傾斜状に支持し、その搬送路59の下部一側に導入樋58を接続し、その上部他側に排出樋60を接続することにより構成される。搬送路59には、玉係止突起が平行に形成されたコンベアベルト61が旋回するように周設され、この旋回駆動は、基板64に設けられたモータ62の出力軸に固着されるプーリ(図示しない)とコンベアベルト61を駆動するローラ(図示しない)との間に掛け渡されるVベルト63によって行われる。
上記のように構成される小型還元機32は、その導入樋58が補助タンク27の玉出口52に接続され、その排出樋60が前記回収樋26に連通する箱体65の底部に形成された通路板66に臨むようになっており、補助タンク27に貯留される玉をスムーズに回収樋26上に揚送することができる。そして、小型還元機32の玉揚送能力はあまり大きくなく、短時間に大量の玉を揚送することができるものではない。
以上、パチンコ島台1の構成について説明してきたが、次に、このパチンコ島台1における玉の循環動作について説明する。まず、玉揚送装置(図示しない)によって研磨揚送された玉は、上部タンク6に貯留され、その上部タンク6から補給樋7,8を介して各パチンコ機2や玉貸機(図示しない)に供給される。また、パチンコ機2で使用された使用済玉は、回収樋26(優先貯留タンク14及び非優先貯留タンク15に対応しない位置のパチンコ機2)に導かれて、あるいは直接的に、優先貯留タンク14,非優先貯留タンク15の下流側に優先的に誘導され、再度玉揚送装置(図示しない)によって揚送されることにより、パチンコ島台1の内部を循環する。また、揚送されて上部タンク6に貯留された玉が溢れて、さらに還流パイプ13に玉が流出した場合には、非優先貯留タンク15の傾斜底面19上に放出されて、非優先貯留タンク15内に貯留されるようになっている。還流通路体10に流出した場合には、優先して優先通路体11に導いて優先貯留タンク14に貯留し、その後非優先通路体12に導いて非優先貯留タンク15に貯留する。
次に、シャッター装置51及び小型還元機32の作用について図9乃至図11を参照して説明する。図9は、シャッター装置51及び小型還元機32の制御を示すフロー図であり、図10及び図11は、シャッター装置51及び小型還元機32の動作説明図である。
まず、図9及び図10に示すように、優先貯留タンク14が満杯となって、非優先貯留タンク15にも玉が貯留されると、ステップ10で非優先貯留タンク15に設けられた玉量センサーS4がONしているか否かが判別され、ONしている場合には、ステップ11で接続上部樋25の途中に設けられたシャッター装置51のシャッター板71が開状態となり、返却玉及びオーバーフロー玉は接続上部樋25上を流下して補助タンク27へ貯留される。この場合、非優先貯留タンク15内には一定量の玉が貯留されているので、補助タンク27内の玉を非優先貯留タンク15へ揚送する小型還元機32(ミニリフトと表示)は駆動されない(ステップ12)。
一方、図9及び図11に示すように、優先貯留タンク14が満杯であっても、非優先貯留タンク15内の貯留量が一定量に達せず、玉量センサーS4がONしていない場合には、ステップ13で接続上部樋25の途中に設けられたシャッター装置51のモータ70が駆動して、シャッター板71が閉状態となり、接続上部樋25上の玉の流下がせき止められ、返却玉及びオーバーフロー玉は、非優先貯留タンク15の傾斜底面19へ落下して、非優先貯留タンク15に貯留される。この場合、非優先貯留タンク15内で玉を貯留する余地があるので、ステップ14で補助タンク27内の玉量センサーS7がONしているか否かが判別され、ONしている場合にはステップ15で小型還元機32が駆動され、補助タンク27内の玉は回収樋26に揚送され、非優先貯留タンク15に貯留される。また、補助タンク27内の貯留量が少なく、玉量センサーS7がONしていない場合には、小型還元機32は駆動されない(ステップ16)。
上記したように、シャッター装置51の駆動を非優先貯留タンク15の玉量センサーS4と連動させることにより、非優先貯留タンク15の貯留量に応じて補助タンク27への返却玉の流入を阻止したり許容したりすることができる。また、小型還元機32の駆動を非優先貯留タンク15の玉量センサーS4及び補助タンク27の玉量センサーS7と連動させることにより、小型還元機32を空回りさせることなく効率よく駆動することができる。なお、小型還元機32の制御を玉量センサーS4だけで行っても良いし、S7に代えて他のセンサー(例えば、小型還元機32の上部での玉量を検出するセンサー)と、S4とで制御しても良い。
次に、パチンコ島台1における玉返却装置3(計数機と表示)の作用について図12乃至図14を参照して説明する。図12は、玉返却装置3の使用状態の制御を示すフロー図であり、図13及び図14は玉返却装置3の動作説明図である。
まず、図12及び図13に示すように、玉返却装置3からの返却玉量が増加して、補助タンク27及び非優先貯留タンク15内の貯留量が満杯付近となると、ステップ20において非優先貯留タンク15内の玉量センサーS5がONしているか否かが判別され、ONしている場合にはステップ21で玉返却装置3に設けられた返却阻止部材4が駆動されて、玉返却装置3への玉の返却を阻止するようになっている。そして、ステップ22でタイマーがリセットされ、ステップ23でタイマーがスタートされ、ステップ24で上記タイマーによる所定時間の経過が計測されたか否かが判別され、所定時間が経過したと判別されたときに、ステップ25で返却阻止部材4が開放駆動されることにより、再び玉返却装置3へ玉を返却できるようになる。なお、上記ステップ22,23で設置されるタイマーは、貯留タンク15に貯留される玉量が十分に減少する時間(例えば、10分)が設定されるが、タイマー設定に代えて、玉量センサー(例えば、S4)がOFFするまで返却を禁止するようにしてもよい。
また、図12及び図14に示すように、優先貯留タンク14,非優先貯留タンク15及び補助タンク27のいずれにもほとんど玉が貯留されていない場合には、まずステップ26で優先貯留タンク14に設けられた玉量センサーS1がOFFしているか否かが判別され、OFFしている場合にはステップ27で対面するパチンコ島台(他島)の玉返却装置80,82に設けられる返却阻止部材81,83が駆動され、玉返却装置80,82への玉の返却を阻止するようになっており、自島の玉返却装置3への玉の返却を促す。そして、ステップ28でタイマーがリセットされ、ステップ29でタイマーがスタートされ、ステップ30で上記タイマーによる所定時間が経過したか否かが判別され、所定時間が経過したと判別されたときにステップ31で他島の返却阻止部材81,83が開放駆動されることにより、再び対面するパチンコ島台の玉返却装置80,82へ玉を返却できるようになる。なお、上記ステップ28,29で設定されるタイマーは、優先貯留タンク14に貯留される玉量が十分に増加する時間(例えば、10分)が設定されるが、タイマー設定に代えて、玉量センサー(例えば、S2)がONするまで返却を促進するようにしてもよい。
上記したように、玉返却装置3の稼働を非優先貯留タンク15の玉量センサーS5と連動させ、且つ、対面する玉返却装置80,82の稼働を非優先貯留タンク15の玉量センサーS5及び優先貯留タンク14の玉量センサーS1と連動させることにより、隣接するパチンコ島台間において保有玉量の均一化を図ることができる。
以上、実施形態に係るパチンコ島台1の構成及び作用について説明してきたが、上記実施形態(以下、第1実施形態という)においては、1つの補助タンク27が非優先貯留タンク15に隣接して設けられるものを示したが、図16に示すように、2つの補助タンク92,27がそれぞれ優先貯留タンク14,非優先貯留タンク15に隣接して設けられる実施形態(以下、第2実施形態という)であってもよい。この2つの補助タンク92,27がそれぞれ優先貯留タンク14,非優先貯留タンク15に隣接して設けられる第2実施形態の構成について、簡単に説明する。なお、第2実施形態に係る構成のうち、上記第1実施形態と共通する構成については、詳細な説明を省略する。
この第2実施形態においては、優先貯留タンク14,非優先貯留タンク15に隣接して補助タンク92,27が設けられ、補助タンク92の上部中央には、回収樋91を介して優先貯留タンク14に連通される上部回収樋93が傾斜状に差し渡されている。そして、優先貯留タンク14の内側面上部には上部樋16が形成され、優先通路体11から落下してきた玉を下流側へ導くようになっている。上部樋16は、優先貯留タンク14と補助タンク92との間に傾斜状に差し渡され且つその途中にシャッター装置96(C1)が設けられた接続上部樋90を介して、補助タンク92の内側面上部に形成された上部樋39に連通されている。補助タンク92に貯留された玉は、傾斜底面94上を転動し、小型還元機95(K1)によって回収樋91へ揚送される。
上記のように構成されるパチンコ島台におけるシャッター装置96(C1),51(C2)及び小型還元機95(K1),32(K2)の作用について、図15乃至図21を参照して説明する。図15は、シャッター装置96,51及び小型還元機95,32の制御を示すフロー図であり、図16乃至図21は、シャッター装置96,51及び小型還元機95,32の動作説明図である。なお、以下の説明では、補助タンク92,27を第1補助タンク92、第2補助タンク27と表現し、シャッター装置96,51を第1シャッター装置96、第2シャッター装置51と表現し、小型還元機95,32を第1小型還元機95、第2小型還元機32と表現する。
まず、図15及び図16に示すように、優先貯留タンク14が満杯となって、非優先貯留タンク15にも玉が貯留されると、ステップ40で非優先貯留タンク15に設けられた玉量センサーS4がONしているか否かが判別され、ONしている場合には非優先貯留タンク15内には既に一定量の玉が貯留されているので、第2補助タンク27内の玉を非優先貯留タンク15へ揚送する第2小型還元機32は駆動されない(ステップ41)。そして、ステップ42で第1補助タンク92に設けられた玉量センサーS6がONしているか否かが判別され、ONしている場合には第1補助タンク92は既に貯留玉で満杯であるので、ステップ43で接続上部樋25の途中に設けられた第2シャッター装置51のシャッター板51を開状態として、反対側の第2補助タンク27へ玉を流入させるようにする。なお、図17に示すように、玉返却装置3からの返却玉量が増加して、非優先貯留タンク15内の貯留量が満杯付近となると、玉量センサーS5がONしているか否かが判別され、ONしている場合には玉返却装置3に設けられた返却阻止部材4が駆動されて、玉返却装置3への玉の返却を阻止するようになっている。
次に、図15及び図18に示すように、優先貯留タンク14が満杯であっても、非優先貯留タンク15内の貯留量が一定量に達せず、玉量センサーS4がONしていない場合には、ステップ44で第2シャッター装置51のシャッター板71が閉状態となり、接続上部樋25上の玉の流下がせき止められ、返却玉は非優先貯留タンク15に貯留される。そして、非優先貯留タンク15の貯留量が増加してくると、ステップ45で非優先貯留タンク15に設けられた玉量センサーS3がONしているか否かが判別され、ONしている場合には非優先貯留タンク15内にも一定量の玉が貯留されているので、ステップ46で接続上部樋90の途中に設けられた第1シャッター装置96のシャッター板を開状態として、補助タンク92へ玉を流入させるようにする。この場合、優先貯留タンク14の貯留量は既に満杯付近に達しているので、第1補助タンク92内の玉を優先貯留タンク14へ揚送する第1小型還元機95は駆動されない(ステップ47)。しかし、第2補助タンク27内に玉が残留している場合には、非優先貯留タンク15内の貯留玉をさらに増やすべく、ステップ48で第2補助タンク27に設けられた玉量センサーS8がONしているか否かが判別され、ONしている場合には、ステップ49で第2小型還元機32が駆動される。この場合、図19に示すように、補助タンク内に玉が残留しておらず、玉量センサーS8がONしていない場合には、第2小型還元機32は駆動されない(ステップ50)。
さらに、図15に示すように、優先貯留タンク14が満杯であって、非優先貯留タンク15にはほとんど玉が貯留されず、玉量センサーS3がONしていない場合には、ステップ51で第1シャッター装置96のシャッター板を閉状態として、第1補助タンク92への玉の流入を阻止し、玉返却装置3から返却された玉が非優先貯留タンク15に貯留されるようにする。そして、ステップ52で第2補助タンク27に設けられた玉量センサーS8がONしているか否かが判別され、ONしている場合には、ステップ53で第2小型還元機32が駆動され、第2補助タンク27内の玉を非優先貯留タンク15へ揚送する。この場合、優先貯留タンク14は既に満杯であるので、反対側の第1小型還元機95は駆動されない(ステップ54)。そして、第2補助タンク27に設けられた玉量センサーS8がONしていない場合には、ステップ55で第2小型還元機32は停止され、ステップ56で反対側の第1補助タンク92に設けられた玉量センサーS7がONしているか否かが判別される。この玉量センサーS7がONしている場合には、図20に示すように、ステップ57で第1小型還元機95が駆動され、ONしていない場合には、図21に示すように、第1小型還元機95は駆動されない(ステップ58)。なお、この場合は、優先貯留タンク14,非優先貯留タンク15及び第1補助タンク92,第2補助タンク27のいずれにも玉がほとんど貯留されていない場合であるから、対面する玉返却装置80,82に設けられる返却阻止部材81,83が駆動され、玉返却装置80,82への玉の返却を阻止するようになっており、自島への玉返却装置3への玉の返却を促すようになっている。
以上、第2実施形態に係るパチンコ島台1の制御について説明してきたが、この制御を要約すると次のようになる。即ち、貯留される優先順位は、優先貯留タンク14→非優先貯留タンク15→第1補助タンク92→第2補助タンク27の順となり、第1補助タンク92に係る第1シャッター装置96の駆動を非優先貯留タンク15内の玉量センサーS3と連動させることにより、非優先貯留タンク15の貯留量に応じて第1補助タンク92への増加した玉量の流入を阻止したり許容したりすることができ、また、第2補助タンク27に係る第2シャッター装置51の駆動を前記玉量センサーS3より上流側の玉量センサーS4と第1補助タンク92の玉量センサーS6とに連動させることにより、第1補助タンク92及び非優先貯留タンク15の貯留量に応じて第2補助タンク27への増加した玉量の流入を阻止したり許容したりすることができる。
一方、第1補助タンク92に係る第1小型還元機95の駆動を非優先貯留タンク15内の玉量センサーS3、第2補助タンク27内の玉量センサーS8及び第1補助タンク92内の玉量センサーS7と連動させることにより、第1小型還元機95を空回りさせることなく効率よく駆動することができ、また、第2補助タンク27に係る第2小型還元機32の駆動を非優先貯留タンク15内の玉量センサーS3及び第2補助タンク27内の玉量センサーS8と連動させることにより、第2小型還元機32を空回りさせることなく効率よく駆動することができる。